説明

生産装置

【課題】生産装置において、装置内で複数のワークに対して、例えば、加工、計測、調整、組立等の種々の作業を行うことができ、装置単体で多種多様な製品の生産が可能となるようにする。
【解決手段】ワークWに対して作業を行う生産装置100であって、箱状の装置本体1と、装置本体1を下側の作業準備室4と、上側の作業室3とに仕切る平板状の床部5と、作業室3を床部5上で外部から隔離するクリーンカバー6と、作業準備室4の内部から床部5の位置まで昇降可能なユニット固定部21と、作業準備室4内に設けられ、ユニット固定部21を昇降させる昇降機構と、作業室3内に設けられ、作業室3内でワークWを含む被移動物を移動させる多関節ロボット10R、10Lを有するマニピュレータ9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産装置に関する。例えば、装置内で複数のワークに対して、例えば、加工、計測、調整、組立等の作業を行って、ワークを構成部品とする製品の生産を行う生産装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工業製品の生産には、ワークを搬送する搬送手段を用いて、作業ロボットや、組立作業、締結作業、調整または検査作業などの各種作業手段を順次並べて、生産ラインを構築している例が見られる。
近年、製品の小型、高精度化に伴い、特に精密機器では高品質を維持する為に、クリーン環境下での生産が必要とされると共に、環境への配慮から消費電力削減、スペース生産性向上、装置コスト削減などの観点から、生産する部品・製品に見合った大きさの生産装置が求められている。
例えば、特許文献1には、組立、締結結合、調整、検査を行う作業手段をクリーン化された室内ユニットとし、この室内ユニットを着脱可能に、搬送経路に沿って並設し、搬送手段によって被組立物を室内ユニットに導入し、室内ユニットに供給される微小部品と被組立物の相対的位置ずれを計測手段で計測し、微小部品の組立作業、締結結合作業、調整作業、検査作業を室内ユニットで行う製造システムを構築したものが記載されている。
また、特許文献2には、部品の供給、接着剤塗布、接合の各作業をモジュール化し、各モジュール内には搬送手段を個別的に装備し、これらのモジュールを締結手段により、取り付け/取り外し可能とし、微細部品を組み立てる組立工程に合せて卓上に隣接して構成し、第一の部品と第二の部品を供給手段から供給し、第一の部品と第二の部品それぞれに設けた位置検出基準を位置検出手段で検出し、その検出結果に基づいて部品の位置を調整し、2つの部品を接合手段によって接着接合を行う微細部品の組立装置が記載されている。
【特許文献1】特許第3094669号公報
【特許文献2】特開2005−81453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来の生産装置には、以下のような問題があった。
例えば、特許文献1に記載の微小部品の自動製造システムでは、各ユニットに作業を行うロボットと、特定の作業を行うツールを装備し、これらユニットを搬送経路に沿って多数並設してシステムを構成している。
これらユニットは一連の工程に従って搬送経路に沿って構築されるため、同じような作業が複数ある場合、その作業分ユニットを用意しなければならない。
また、ツールが特定の作業を前提としている為作業内容の範囲が限定されてしまう。
また、各ユニットは搬送手段に対して着脱可能に構成されているが、システムを構築するには、一連の作業工程から必要となるユニットと、ユニット間に部品を搬送する搬送手段と、これらを設置する防振台等のテーブルの大きさをその都度考慮する必要がある。このため、各ユニットの配置も搬送経路によって制限されてしまい、生産する製品に応じてシステムを変更するには、ユニットの追加は容易ではなく、システム全体を再構成しなければならないという課題がある。
また、特許文献2に記載の微細部品の組立装置では、複数の作業をモジュール化し、各モジュールは取付け/取り外しが行えるようになっており、隣接するモジュールとの位置決め手段、締結手段、搬送手段、クリーンユニットを各々個別に装備し、モジュール間で順次部品搬送し、所定の作業を行うとしているが、モジュール毎に搬送手段、クリーンユニットを設けているため、一つ一つのモジュールが大きくなり、各々設けた搬送手段、クリーンユニットの分だけコストが増大する。
また、作業工程に合せて所定のモジュールを順次隣接して卓上に並べて構成しているが、作業内容が異なるとモジュールごとの大きさも異なっている。そのため、各モジュールの配置は生産工程によって制限されてしまい、これらを設置するテーブルの大きさもその都度考慮しなくてはならず、モジュールの交換、削除、追加を行う場合、システム全体を再構成しなければならないという課題がある。
【0004】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、装置内で複数のワークに対して、例えば、加工、計測、調整、組立等の種々の作業を行うことができ、装置単体で多種多様な製品の生産が可能な生産装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、ワークに対して作業を行う生産装置であって、箱状の装置本体と、該装置本体を、下側の作業準備室と、上側の作業室とに仕切る平板状の隔壁部材と、前記作業室を前記隔壁部材上で外部から隔離するカバー部材と、前記作業準備室の内部から前記隔壁部材の位置まで昇降可能な可動床部と、前記作業準備室内に設けられ、前記可動床部を昇降させる昇降機構と、前記作業室内に設けられ、該作業室内で前記ワークを含む被移動物を移動させる1対の腕部を有する双腕マニピュレータとを備える構成とする。
この発明によれば、可動床部を昇降機構によって昇降させることで、カバー部材で外部から隔離された作業室へ、作業準備室からワークを含む被移動物を搬入、搬出させることができる。そして、作業室内では、双腕マニピュレータにより、可動床部によって搬入されたワークを含む被移動物を移動させ、双腕マニピュレータの1対の腕部を用いて、作業室内で加工、計測、調整、組立等の種々の作業を行うことができる。また、これらの作業終了後、双腕マニピュレータによりワークを含む被移動物を可動床部上に移動させ、昇降機構を用いて作業室から搬出することができる。
双腕マニピュレータは、1つのワークに対して1対の腕部を協調動作させて、例えばワークの持ち替えなどを行いつつ作業することもできるし、2つのワークに対してそれぞれの腕部を動作させて、ワークを把持したり移動させたりすることができる。
【0006】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の生産装置において、前記双腕マニピュレータの1対の腕部は、それぞれ多関節ロボットからなる構成とする。
この発明によれば、双腕マニピュレータの1対の腕部がそれぞれ多関節ロボットからなるため、被移動物の移動や、姿勢制御が容易となり、種々の作業を容易に行うことができる。
なお、多関節ロボットの自由度は6自由度以上であることが好ましい。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の生産装置において、前記双碗マニピュレータの1対の腕部は、前記隔壁部材上で水平面内に回転可能に設けられたマニピュレータ基部の側部に設けられた構成とする。
この発明によれば、双腕マニピュレータの1対の腕部が、隔壁部材上で水平面内に回転可能に設けられたマニピュレータ基部の側部に設けられている。そのため、マニピュレータ基部を回転させることによって、1対の腕部の相対的な位置関係を保持した状態で1対の腕部を水平方向に旋回させ、被移動物を移動させることができる。
【0008】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の生産装置において、前記作業準備室には、前記可動床部および前記昇降機構を1組ずつ隔離して収納する収納部と、前記昇降機構によって前記可動床部が下降される際に前記隔壁部材に生じる開口を閉止する隔壁閉止機構とを備える構成とする。
この発明によれば、可動床部および昇降機構が、1組ずつ収納部に隔離して収納され、可動床部が下降されると隔壁閉止機構によって、隔壁部材に生じる開口を閉止することができるので、可動床部が下降した状態でも作業室を外部から隔離することができる。そのため、作業室内の雰囲気を容易に維持することができる。
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の生産装置において、前記収納部は、該収納部内の排気を行う排気機構を備える構成とする。
この発明によれば、排気機構により、収納部内の排気を行うことができるので、可動床部の昇降時に収納部内の空気が作業室内に流入することを防止することができる。
【0010】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の生産装置において、前記可動床部に対して着脱可能に設けられ、前記作業を行う作業ユニットを備える構成とする。
この発明によれば、可動床部上に作業ユニットを配置して可動床部を上昇させることで、作業室内に作業ユニットを配置したり、配置した作業ユニットを作業準備室内に下降させて、他の作業ユニットに交換したりすることができるため、作業室内に配置される作業ユニットの種類に応じて、ワークに対する様々な作業を行うことができる。
また、複数の作業ユニットを作業室内に配置することで、ワークに対して複数の作業を行うことができる。
【0011】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の生産装置において、前記可動床部および前記収納部がそれぞれ複数設けられた場合に、前記作業ユニットは、前記複数の可動床部のいずれにも着脱可能であり、前記複数の収納部のいずれにも収納可能とされた構成とする。
この発明によれば、作業ユニットが、複数の可動床部に着脱可能、かつ複数の収納部に収納可能とされるため、複数の作業ユニットを、適宜の可動床部に配置して、作業室内に搬送し、必要に応じて、作業室内における各作業ユニットの位置関係を変更することができる。
【0012】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の生産装置において、前記作業室には、前記ワークを載置可能に設けられたステージを備える構成とする。
この発明によれば、作業室内にステージを備えるので、ワークをステージ上に配置して作業を行うことができる。
【0013】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の生産装置において、前記ステージは、上下方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ワークを前記貫通孔の上方に配置可能とされ、
前記ステージの下側の前記隔壁部材には、開口が設けられ、前記ステージの下方の前記作業準備室内には、前記開口を開閉する開閉機構と、前記ステージに前記ワークが配置された際に、前記開閉機構によって開放された前記開口を通して前記作業準備室側から前記ステージに載置された前記ワークに対する作業を行う作業手段を配置する作業手段収納部とが設けられた構成とする。
この発明によれば、ワークをステージの貫通孔の上方に配置し、開閉機構によって隔壁部材の開口を開状態とし、作業手段収納部に配置された作業手段によって、開口を通してワークに対する作業を行うことができる。
【0014】
請求項10に記載の発明では、請求項8または9に記載の生産装置において、前記ステージは、パラレルリンク機構を備える構成とする。
この発明によれば、ステージがパラレルリンク機構を備えるため、XYZステージなどに比べて小型であり高精度な位置決めが可能となる。また、ステージの中心部に貫通孔を設けることが容易となる。
【0015】
請求項11に記載の発明では、請求項1〜10に記載の生産装置において、前記作業室内をクリーン化するクリーンユニットを備える構成とする。
この発明によれば、クリーンユニットによって、作業室内をクリーン化できるので、クリーン度の高い環境で作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の生産装置によれば、作業室内に双腕マニピュレータを有するので、この双腕マニピュレータによって、装置内で複数のワークに対して、例えば、加工、計測、調整、組立等の種々の作業を行うことができ、装置単体で多種多様な製品を生産することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0018】
本発明の実施形態に係る生産装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る生産装置の概略構成を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る生産装置の作業室の模式的な平面図である。図3(a)は、本発明の実施形態に係る生産装置の可動床部の下降時の収納部の様子を示す模式的な斜視図である。図3(b)は、図3(a)におけるA−A断面図である。図3(c)は、本発明の実施形態に係る生産装置の可動床部の上昇時の収納部の様子を示す模式的な斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係る生産装置の動作時の様子を示す模式的な斜視図である。図5(a)、(b)は、それぞれ本発明の実施形態に係る生産装置に用いることができるパレットの一例および他例の構成と、その把持形態を示す部分断面図である。
なお、各図面は、見易さのため、寸法や形状が適宜の誇張して描かれている(以下、同じ)。
【0019】
本実施形態の生産装置100は、内部に外部と隔離された環境を形成して、外部からワークを搬入し、装置内で複数のワークに対して、例えば加工、計測、調整、組立等の作業を行って、ワークを構成部品とする製品の生産を行うための装置である。
生産装置100の概略構成は、図1に示すように、装置の下部において外装カバー2で囲われた直方体状の作業準備室4と、作業準備室4の上部において透明なクリーンカバー6(カバー部材)によって密閉されることで外部から隔離された直方体状の作業室3と、作業準備室4の上部において作業室3の側方に並列して配置された直方体状の制御部7とからなり、これらが全体として箱状の装置本体1をなしている。
本実施形態では、制御部7の外形は、作業室3と略同高さ同幅であり、並列方向の厚さは作業室3よりも薄厚とされている。このため、作業準備室4の上部に配置される制御部7の大部分は作業室3に面している。
以下では、装置本体1の4つの側面のうち、制御部7に対向する側の側面を前側面、その裏面側を後側面と称し、前側面から後側面に向かって右側の側面を右側面、左側の側面を左側面と称する。
【0020】
装置本体1の内部には、作業準備室4の上部を構成するとともに作業室3との間を水平方向に仕切る床部5(隔壁部材)が設けられている。
床部5には、図2に示すように、装置本体1の右側面、左側面の中間位置に面して、床部5を厚さ方向に貫通する矩形状の床面開口5a、5dが、それぞれ右側面、左側面に沿う方向を長手方向として設けられている。
また、装置本体1の前側面と右側面、および前側面と左側面によって挟まれた床部5の各角部には、それぞれ床面開口5b、5cがそれぞれ前側面に沿う方向を長手方向として設けられている。本実施形態ではこれら床面開口5a、5b、5c、5d(以下、簡単のため、これらを総称する場合に「床面開口5a等」という)の開口寸法は、平面視矩形状の作業ユニット20よりやや大きな一定の寸法に統一されている。
このため、作業ユニット20は、床面開口5a等のいずれの内側でも上下方向に貫通可能となっている。
【0021】
また、床部5において、前側面に沿って設けられた床面開口5b、5cの中間位置には、中心に円孔状の保持板開口5f(開口)を有する矩形板状のステージ保持板5eが前側面の略中央に面して設けられている。
【0022】
また、本実施形態では、クリーンカバー6の上部に設けられた後述するクリーンユニット8によって作業室3の上部から床部5に向かってダウンフローを形成する。そのため、特に図示しないが、床部5上にはダウンフローを作業室3内に侵入あるいは作業室3内で発生した塵埃などとともに、作業準備室4側に排出するための多数の貫通孔が設けられている。
【0023】
ここで、作業ユニット20について説明する。
作業ユニット20は、ワークWに対して作業を行うための作業装置が、床面開口5a等に上下方向に挿通可能な一定の大きさの筐体に収められ、後述するユニット固定部21上に着脱可能に固定できるようにしたものである。
本実施形態では、作業ユニット20の上側が少なくとも開口され、作業ユニット20内に少なくとも上方の開口からワークWを搬入できる構造とされているが、簡単のため、図示では模式化して直方体に描いている。
ただし、作業ユニット20は、必要に応じて側面が開口していてもよいし、作業装置を覆う必要がない場合には、側壁が作業装置の高さよりも低い函体や単に平板だけでもよい。
作業ユニット20内に収める作業装置としては、例えば、加工、計測、調整、組立等の作業を行うものであれば特に限定されない。作業装置との例としては、例えば、研削盤などの加工機、透過率測定器などの計測機、調整を行うための位置調整治具、半田付け装置や接着装置などの組立装置などを挙げることができる。
図3(b)に示した作業ユニット20の一例は、上側が開口した筐体内に、ワークWを洗浄する作業を行うため、洗浄液を満たした洗浄槽20Aと、洗浄槽20A内の洗浄液を振動させる超音波発生器20Bとを設けた場合の例である。
【0024】
作業準備室4は、作業室3、制御部7を上部において支持するとともに、床部5の各床面開口5a等を通して、作業室3の下側から、作業室3内の作業に用いるワークWや作業ユニット20を搬入、搬出するためのものである。
作業準備室4の内部には、図1に示すように、床部5の床面開口5a、5b、5c、5dの下側に、それぞれ、少なくとも作業ユニット20を内部に収納できる大きさの隔離可能な直方体状の空間である収納部15a(図4参照)、15b、15c、15dが設けられている。
なお、これら収納部15a、15b、15c、15dは、配置位置が異なるのみで基本構成は同一であるため、特に位置を区別しない場合には、それぞれを単に収納部15と称する。
また、ステージ保持板5eの下側には、後述する作業手段26(図4参照)を内部に収容できる大きさの隔離可能な直方体状の空間である作業手段収納部30が設けられている。
また、特に図示しないが、本実施形態では、作業準備室4の側面または底面に、作業準備室4内の空気を集塵フィルタ等を介して装置外部に排気する排気機構が設けられている。このため、収納部15、作業手段収納部30以外の空間は、本実施形態では、床部5上の貫通孔から流入するダウンフローを装置外部に排出する排気ダクトの機能を有している。
【0025】
作業準備室4の側面を構成する外装カバー2には、各収納部15に面して、各収納部15の内部に作業ユニット20を搬入し、また各収納部15から外部に搬出するために厚さ方向に貫通された矩形孔である搬入搬出口2aがそれぞれ設けられている。
また、外装カバー2には、作業手段収納部30に面して、作業手段収納部30の内部に作業手段26を搬入したり、搬入された作業手段26を交換したりするために、厚さ方向に貫通された矩形孔である作業手段搬入口2bが設けられている。
【0026】
収納部15の基本構成について、収納部15cの例で説明する。
収納部15cは、図3(a)、(b)に示すように、上側が床面開口5cを囲む床部5で覆われ、側面が作業準備室4の前側面および右側面の一部をなす外装カバー2によって覆われている。そして、床部5に対向する下側が収納部底面15C、右側面の一部をなす外装カバー2と対向する側の側面が収納部側壁15A、前側面の一部をなす外装カバー2と対向する側の側面が収納部側壁15Bによってそれぞれ覆われている。
これにより、床面開口5cを通して作業室3に、また搬入搬出口2aを通して装置外部側にそれぞれ連通した直方体状の空間が形成されている。
【0027】
床面開口5cの近傍の作業準備室4内部側には、床面開口5cに対して装置本体1の左側面側から水平方向に進退可能とされ、進出時に床面開口5cを閉状態とし退避時に床面開口5cを開状態とする平板状の床面シャッタ機構16(隔壁閉止機構)が設けられている(図2に図示、図3(a)、(c)では図示略)。
また、搬入搬出口2aの近傍の作業準備室4内部側には、搬入搬出口2aに対して下側から鉛直方向に進退可能とされ、進出時に搬入搬出口2aを閉状態とし退避時に搬入搬出口2aを開状態とする側面開閉機構17が設けられている(図3(a)、(c)では図示略)。
床面シャッタ機構16、側面開閉機構17は、それぞれ制御部7と電気的に接続され、制御部7から送出される制御信号によって、開閉動作が制御される。
【0028】
収納部側壁15Bの収納部底面15C側には、厚さ方向に貫通する排気口15Dが設けられ、この排気口15Dには、収納部15cの内部の空気を収納部15cの外側に排気するため、例えば、排気ファンや排気ダクトなどを備える排気機構18が取り付けられている。
排気機構18は、制御部7と電気的に接続され、制御部7から送出される制御信号によって、排気動作が制御される。
【0029】
収納部15cの内部には、搬入搬出口2aから搬入されたワークWおよび作業ユニット20を、床面開口5cを通して作業室3に搬入したり、これらのワークWおよび作業ユニット20を作業室3から搬出したりするための昇降機構19が設けられている。
昇降機構19は、床面開口5cよりも大きな矩形板からなる昇降台22を水平に支持し、収納部側壁15Bの内側に鉛直方向に沿って設置された1対のガイド23によって、収納部底面15C上から、昇降台22の上面が床部5の下面側に当接するまで昇降させることができる1軸移動機構である。
昇降機構19は、例えば、ガイド23がリニアガイドで、ボールねじ送り機構とモータとを組み合わせた不図示の駆動機構を備える構成や、ガイド23の代わりにガイドと駆動機構とを兼ねるリニアモータアクチュエータを配置した構成などを採用することができる。
また、昇降機構19は、制御部7と電気的に接続されており、制御部7の制御を受けて、床面シャッタ機構16が退避される場合に昇降台22が上昇されるようになっている。
【0030】
昇降台22の上面には、昇降台22が床部5の下面に当接するまで上昇したときに水平方向の外周面が床面開口5cと嵌合して床面開口5cを塞ぐとともに、上面が床部5の上面と同一面に整列するような形状の板状のユニット固定部21(可動床部)が固定されている。
なお、特に図示しないが、ユニット固定部21の上面には、必要に応じて、作業ユニット20やワークWを位置決めする凹凸部などを設けておくことが好ましい。
【0031】
このような昇降機構19は、ユニット固定部21上に載置可能で、搬入搬出口2aを通して出し入れ可能な大きさを有する部材であれば、ワークWや作業ユニット20と同様に、作業準備室4の外部から作業室3に搬入したり、作業室3から作業準備室4に移動して作業準備室4の外部に搬出したりすることができる。例えば、作業室3内に複数のワークWを供給するためのパレット24や、作業室3内で用いる後述のツールマガジン13を搬入搬出したり、作業室3内で組み立てられた製品を搬出したりすることができる。
このため、ユニット固定部21上には、必要に応じて、これらの部材を位置決めしたり、固定するための凹凸部や適宜の係止構造を設けておいたりすることが好ましい。
また、作業ユニット20に給電したり、制御信号を送出したりすることが必要な場合には、ユニット固定部21に電気的な接続を行うために、例えば、ロック機構を有するコネクタ(図示せず)等を設けておく。これにより、作業ユニット20をユニット固定部21上に固定する際に、コネクタによる電気的な接続も併せて行うことができる。
【0032】
収納部15c以外の収納部15は、それぞれの配置位置に応じて側壁の構成が異なったり、床面シャッタ機構16が退避する方向が異なったりする点を除けば、上記と同様な構成を備える。
例えば、収納部15dは、右側面が外装カバー2に面しているので、搬入搬出口2aを有する外装カバー2の他の側壁は、1対の収納部側壁15Aと収納部側壁15Bとからなり、床面シャッタ機構16は、図2に示すように、床面開口5dの短辺方向に進退するようになっている。
また、収納部15b、15aは、それぞれ収納部15c、15dと左右対称な構成を有する。
なお、このような収納部15の構成は一例であって、収納部15の配置数や配置位置は、必要に応じて、他の配置数、配置位置を採用することができる。
【0033】
作業手段収納部30は、収納部15a、15dと同様に、側面が外装カバー2、収納部側壁15B、一対の収納部側壁15Aで囲まれ、ステージ保持板5eに対向して収納部底面15Cによって、作業準備室4の内部に隔離可能な直方体状の空間を形成するものである。作業手段搬入口2bは、側面開閉機構17を進退させることで、必要に応じて開閉することができるようになっている。
また、特に図示しないが、作業手段収納部30の収納部側壁15Bには、収納部15a、15dと同様のガイド23、昇降機構19、排気機構18が設けられている。これにより、昇降機構19によって、収納部底面15Cとステージ保持板5eとの間で昇降台22を昇降させることができるとともに、排気機構18によって、作業手段収納部30の内部の空気を排気できるようになっている。
【0034】
ただし、この空間は作業手段26を収納できればよいので、収納部側壁15A、15B、収納部底面15C、側面開閉機構17、および昇降台22の大きさは、収納部15a、15dの場合とは異なる大きさを有していてもよい。
また、本実施形態では、作業手段26を作業室3内には搬入させないので、昇降台22は、ステージ保持板5eの下面に当接する高さまで上昇させる必要はない。
また、昇降台22の上面には、作業手段26を固定するための作業手段固定部21Aが設けられている。作業手段固定部21Aは、ステージ保持板5eに設けられた保持板開口5fに嵌合させる必要がないので、昇降台22の大きさの範囲で適宜の形状、大きさに設けることができる。
【0035】
保持板開口5fの近傍の作業準備室4内部側には、保持板開口5fに対して装置本体1の後側面側から水平方向に進退可能とされ、進出時に保持板開口5fを閉状態とし退避時に保持板開口5fを開状態とする平板状の床面開閉機構25(開閉機構)が設けられている(図2参照)。
床面開閉機構25は、制御部7と電気的に接続され、制御部7から送出される制御信号によって、開閉動作が制御される。
【0036】
作業手段26は、床面開閉機構25が開状態とされた際に、保持板開口5fを通して、作業手段収納部30の内部から作業室3内のワークWに対して作業を行うためのものである。
作業手段26による作業は、保持板開口5fを通してワークWに、例えば、光、音波などを照射して遠隔的に作業を行うものであってもよいし、例えば、作業手段26の一部を構成する部材、例えばプローブなどを保持板開口5f内に延伸させて作業を行うものであってもよい。
このような形態で行える作業であれば、作業手段26が行う作業は特に限定されない。特に好適な作業は、ワークWの下面側から行う計測作業や調整作業である。
作業手段26の例としては、一般的には、画像検出装置、レーザ測長器、画像を用いた位置検出装置などを採用することができる。また例えば、ワークWがレンズなどの場合には、反射率測定器、面形状測定器、光軸測定器などを挙げることができる。また、ワークWが電気・電子部品であれば、例えば、抵抗測定器などを挙げることができる。
【0037】
次に、作業室3の内部の構成について説明する。
本実施形態の作業室3は、各床面シャッタ機構16が退避されて各ユニット固定部21が上昇され、床面開閉機構25が閉止された状態では、床部5の床面開口5a等と保持板開口5fが塞がれるため、床部5の上側がクリーンカバー6および制御部7の側面によって密閉された直方体状の空間をなしている。
また、クリーンカバー6の上部にはクリーン度の高い空気を下方に供給することで作業室3内をクリーン化するための、クリーンユニット8が設けられている。
このため、床面開口5a等または保持板開口5fが開状態とされた場合には、クリーンユニット8から供給されるクリーン度の高い空気のダウンフローが形成され、作業準備室4内の空気が、床面開口5a等または保持板開口5fから作業室3内に流入できないようになっている。
【0038】
作業室3内の床部5上には、図2に示すように、図示左右方向の中央であって、やや制御部7側の位置にマニピュレータ9(双腕マニピュレータ)が立設されている。
ステージ保持板5e上にはステージ14が設置されている。
また、図1、2に示す状態では、ユニット固定部21から離れたマニピュレータ9の近傍の床部5上に、ツールマガジン13、およびパレット24が配置され、床面開口5a、5b、5dに嵌合された各ユニット固定部21上にそれぞれ作業ユニット20が配置されている。
【0039】
マニピュレータ9の概略構成は、回転ボディー部11(マニピュレータ基部)、および1対をなす多関節ロボット10L、10R(腕部)を備える。
回転ボディー部11は、床部5に固定される基台11aと、基台11a上で鉛直方向に立設された支持軸11bと、支持軸11bの先端部に設けられ、図示しない内部の回動機構によって支持軸11bの中心軸回りの2方向に回動可能とされた直方体状のボディー本体11cとからなる。
ボディー本体11cは、回動の基準位置では、各側面をそれぞれ装置本体1の前側面、右側面、後側面、左側面にそれぞれ平行となるように位置づけられている。この基準位置で、装置本体1の左側面、右側面、前側面にそれぞれ対向する側面を、側面11R、11L、正面11Fと称する(図2参照)。
【0040】
多関節ロボット10Lは、図2に示すように、回転ボディー部11の側面11L(マニピュレータ基部の側部)に固定された基端台座10aと、基端台座10aから先端側に向かって、順次連結された回転アーム部10b、関節部10c、回転アーム部10d、関節部10e、回転アーム部10f、および先端関節部10gからなる。
【0041】
回転アーム部10bは、基端台座10aから水平方向に延設された軸状部材であり、先端部に連結された関節部10cを、基端台座10aに対して、回転アーム部10bの中心軸回りに回転可能に支持している。
関節部10cは、回転アーム部10bの中心軸に対して直交する回動軸回りに回動可能に設けられた回動関節である。
回転アーム部10dは、関節部10cの回動軸に対して直交する方向に延設された軸状部材であり、先端部に連結された関節部10eを、関節部10cに対して、回転アーム部10dの中心軸回りに回転可能に支持している。
関節部10eは、回転アーム部10dの中心軸に対して直交する回動軸回りに回動可能に設けられた回動関節である。
回転アーム部10fは、関節部10eの回動軸に対して直交する方向に延設された軸状部材であり、先端部に連結された先端関節部10gを、関節部10eに対して、回転アーム部10fの中心軸回りに回転可能に支持している。
先端関節部10gは、回転アーム部10fの中心軸に対して直交する回動軸回りに回動可能に設けられた回動関節であり、先端側に回動軸に直交する方向にハンド12および作業ツール31を着脱する着脱機構を備えている。
多関節ロボット10Lの各回転アーム部の長さ、およびそれにより決まる各関節部の位置は、ハンド12が作業室3内での必要な作業領域に到達できる長さに設定しておく。例えば、床面開口5b、5cに配置されたユニット固定部21上の作業ユニット20やワークWに対する作業や把持動作が可能となるように設定しておく。
【0042】
多関節ロボット10Lの回転アーム部10b、関節部10c、回転アーム部10d、関節部10e、回転アーム部10f、および先端関節部10g、並びに先端関節部10gに接続されるハンド12または作業ツール31は、それぞれ適宜の動力、例えば、電力、流体圧などで駆動される適宜のアクチュエータが内蔵されている。そして、それぞれのアクチュエータに制御信号を伝達するとともに、各アクチュエータ、ハンド12、作業ツール31に給電する不図示の電気ケーブルが制御部7に接続され、制御部7から送出される制御信号によって、それぞれアクチュエータの動作を制御できるようになっている。
このような構成により、多関節ロボット10Lは6自由度を有する。そのため、ハンド12に把持されたワークWの姿勢を任意方向に変更することができる。
【0043】
ハンド12は、ワークWなどを把持する機構であり、先端関節部10gの着脱機構と機械的、電気的に着脱可能に設けられている。本実施形態では、一例として、先端側に1対の片状の把持部12aが平行に突出され、制御部7から送出される制御信号によって、それらの間の対向間隔を変化させることで、ワークWなどを把持する2指構成を採用している。
【0044】
作業ツール31は、ハンド12に代えて、多関節ロボット10Lに装着することで、把持以外の作業を行うための機構である。作業ツール31の例としては、例えば、薄物ワークを扱う吸着ハンド、ワークに接着剤を塗布する接着剤塗布ツールなどを挙げることができる。
本実施形態では、床部5上に複数の作業ツール31を収容するツールマガジン13が配置されており、作業ツール31上に、多関節ロボット10Lの先端関節部10gを移動して、ハンド12と、いずれかの作業ツール31とを脱着し、交換できるようになっている。
【0045】
多関節ロボット10Rは、図2に示すように、多関節ロボット10Lと同様の構成を有し、基端台座10aが、回転ボディー部11の側面11R(マニピュレータ基部の側部)に設けられている点のみが異なる。
本実施形態では、多関節ロボット10L、10Rの各基端台座10aは、ボディー本体11cを挟んで水平方向に対向する位置関係に設けられている。このため、多関節ロボット10L、10Rは、回転ボディー部11を挟んで左右方向に対称な動作が可能であり、動作範囲も左右対称な範囲を有する。
【0046】
ステージ14は、作業室3内で、ワークWを載置する載置台である。ステージ14は、ワークWの載置位置が固定されていてもよいが、本実施形態では、ワークWを載置した状態で、平行に移動したり、任意方向に傾斜したりすることができる移動ステージを採用している。
このような移動ステージは、XYZステージとチルトステージとの組合せなどで構成してもよいが、本実施形態では、パラレルリンク機構を用いたものを採用している。
すなわち、図1、2に示すように、ステージ14は、ステージ保持板5e上に設置された環状の基台部14bと、中心に開口14c(貫通孔)を有しこの開口14c上にワークWを載置する載置部14aとを備える。そして、これら基台部14b、載置部14aが、一端が基台部14bの上面外周部に、他端が載置部14aの下面外周部にそれぞれ関節を介して回動可能に連結されるとともに、軸方向に伸縮する6本のリンク14dによって支持される。
これら各リンク14dは、一端が基台部14b上で周方向に離間された関節によって支持され、他端が載置部14a上で周方向に離間された関節によって支持されており、6本のリンク14dは2本1組のものとして、周方向を3等分する位置に配置されている。そして2本1組の各組では、載置部14a側での関節の間隔は、基台部14b側での関節の間隔よりも近接した状態となっている。
【0047】
これにより、各リンク14dの伸縮量を制御することで、基台部14bに対して、載置部14aを、平行移動、任意方向への傾斜移動を含む6自由度の移動動作を行うことができるようになっている。
このようなパラレルリンク機構を用いた移動ステージは、小型化、軽量化が可能であり高精度な位置決めが可能である。
さらにリンク14dが周方向に配置されているため、基台部14bから載置部14aの開口14cまでの間で、高さ方向に貫通する円柱状の開放空間を容易に形成することができる。
【0048】
パレット24は、ワークWの形態に応じて適宜の形状を採用することができるが、本実施形態では、ワークWの一例としてレンズなどからなるワークWbを好適に載置できるものを示した。
パレット24は、図1、図2、図5(a)に示すように、全体としてユニット固定部21よりわずかに小さい矩形平板状であり、上面側に、ワークWbの湾曲表面を受けるための円形の保持穴24aが複数設けられている。
図5(b)に示す函型パレット27は、ワークWの他例として平面上に載置可能な平面部を有するワークWcを好適に載置できるようにした場合の例である。
函型パレット27の形状は、平面視矩形状で平板状の底面部27bの外周部に側壁部27aが設けられた上向きに開口する函型とされている。
図5(b)に示すワークWcは、一例として、円板の中心に円柱軸が立設された段付き丸棒とし、このワークWcの円板部の軸方向端面を底面部27b上に載置した状態を示している。
【0049】
制御部7は、生産装置100内の各構成要素の動作を制御するためのもので、本実施形態では、適宜のハードウェアと、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などからなるコンピュータで構成され、このコンピュータにより制御プログラムを実行することで制御機能を実現している。なお、操作者は、制御部7に動作を指示するため、入出力インターフェースを介して、制御部7に操作入力を行う。
【0050】
次に、本実施形態の生産装置100の動作について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る生産装置における作業ユニットの搬入動作を説明する模式的な部分断面図である。図7は、図6に続く搬入動作を説明する模式的な部分断面図である。図8(a)は、図7に続く搬入動作を説明する部分断面図である。図8(b)は、図8(a)におけるB−B断面図である。図9は、本発明の実施形態に係る生産装置の双腕マニピュレータによる回転搬送動作について説明する模式的な平面図である。図10は、本発明の実施形態に係る生産装置の双腕マニピュレータによるワーク把持動作について説明する模式的な部分断面図である。図11は、本発明の実施形態に係る生産装置の双腕マニピュレータによる持ち替え動作について説明する模式的な正面図である。
【0051】
生産装置100では、まず、ワークWに対する作業を開始する前に、複数のワークWと、作業を行うために必要な作業ユニット20と、作業を行うために必要な作業ツール31を収めたツールマガジン13とを作業室3内に搬入してから、マニピュレータ9を用いて作業室3内での作業を行い、作業終了後のワークを作業室3の外部に搬出する。
これらの搬入、搬出は、いずれも昇降機構19を用いても、同様に行うことができるため、以下では、作業ユニット20を収納部15bから作業室3内に搬入する場合の例で動作を説明する。
以下の動作は、操作者が直接行う作業などを除いて、特に断らない限りは、操作者の操作入力に基づいて制御部7で生成され、各構成要素に送出される制御信号に基づいて行われる。
【0052】
作業ユニット20の搬入を行うには、まず、クリーンユニット8および作業準備室4に設けられた不図示の排気機構を作動させて、作業室3内にクリーン度の高い空気のダウンフローを形成する。
この状態で、図6に示すように、昇降機構19の昇降台22を収納部底面15Cの近傍まで下降させる。そして、床面シャッタ機構16を進出させて、床面開口5bを閉じた状態とし、側面開閉機構17を下側に退避させる。このとき、排気機構18は排気動作を停止しておく。
これにより、収納部15bは、搬入搬出口2aが外部に対して開口し、作業室3および作業準備室4の内部に対して隔離される。
次に、操作者は、作業ユニット20を搬入搬出口2aから挿入し、ユニット固定部21上に固定する。作業ユニット20の電気的な接続をとる必要がある場合には、ユニット固定部21上のコネクタ等を介して電気的な接続も併せて行う。
なお、作業ユニット20に代えてワークWなど作業室3内部で移動するものを配置する場合には、ユニット固定部21上に単に載置するのみでよい。
【0053】
ユニット固定部21上に作業ユニット20を固定したら、図7に示すように、側面開閉機構17を上側に進出させる。これにより収納部15b内は装置外部および作業室3に対して隔離される。
次に排気機構18を作動させて収納部15b内の排気を開始するとともに、床面シャッタ機構16を退避させる(図8(b)参照)。これにより床面開口5bが開口し、収納部15bの内部と作業室3とが連通して、床面開口5bから収納部15b内に作業室3内のダウンフローが流入し、排気機構18を介して、収納部15bの外部の作業準備室4に排気される。
このため、作業ユニット20に付着した塵埃は、ダウンフローとともに、排気機構18から排気され、さらに作業準備室4に設けられた不図示の排気機構によって、装置外部に排出される。このとき、床面開口5bを介して、収納部15bから作業室3に向かう空気の流れは発生しないため、作業室3内の雰囲気はクリーンな状態に保たれる。
【0054】
次に、図8(a)、(b)に示すように、昇降機構19により昇降台22を上昇させ、昇降台22が床部5の下面に当接したら、上昇を停止するとともに、排気機構18の排気を停止する。
これにより、床面開口5bが、昇降台22およびユニット固定部21によって塞がれ、作業ユニット20は、作業室3内の床部5と同一面上に配置される。
このようにして作業ユニット20の作業室3内への搬入が終了する。
【0055】
同様にして、ワークWbが載置されたパレット24、作業ツール31が装備されたツールマガジン13を、それぞれマニピュレータ9から近い収納部15a、15dを介して、作業室3内に搬入する。また収納部15cを介して、ワークWa単体を作業室3内に搬入する。ワークWaは、ワークWの一例であり、例えば、レンズからなるワークWbを組み立てるためのレンズ鏡筒などである。
作業室3内に搬入されたワークWb、パレット24、ツールマガジン13、ワークWaは、マニピュレータ9を用い、必要に応じて、搬入された各ユニット固定部21から床部5上の適宜位置、あるいはパレット24上、ステージ14上などに移動する。すなわち、これらワークWb、パレット24、ツールマガジン13、ワークWaは、作業室3内における被移動物の例になっている。
【0056】
次に、マニピュレータ9によるこれらワークWa、Wbを含む被移動物の移動動作について説明する。
例えば、パレット24のような大きな被移動物は、マニピュレータ9の多関節ロボット10R、10Lを同時に用いて移動することができる。
まず、マニピュレータ9のボディー本体11cを回転させ、ボディー本体11cの正面11Fを床面開口5a側に向ける。そして、図5(a)に実線で示すように、多関節ロボット10R、10Lの各ハンド12の把持部12aを、それぞれ鉛直下向きに向けた状態でそれぞれの把持方向と直交する方向に対向して配置し、各把持部12aの側面で、パレット24の側面を挟持して、パレット24を保持する。
【0057】
次に、この状態で多関節ロボット10R、10Lを協調動作させて、各ハンド12の位置を上昇させる。
次に、図9に示すように、多関節ロボット10R、10Lの各部の相対位置関係を固定して、ボディー本体11cを図示矢印方向に回転させる。これによりパレット24が旋回移動される。
パレット24が床面開口5aのユニット固定部21の側方に移動できたら、ボディー本体11cの回転を停止し、保持時とは逆に多関節ロボット10R、10Lを協調動作させて、パレット24を床部5上に下ろす。そして、多関節ロボット10R、10Lのいずれか一方または両方のハンド12でパレット24の側面を押圧し、床部5上での、パレット24の姿勢を修正する。このようにして、図1、2に示すように、パレット24を床面開口5a上のユニット固定部21の側方に配置することができる。
【0058】
このように、マニピュレータ9は、1対の多関節ロボット10R、10Lを備え、それぞれを協調動作させることで、単一のマニピュレータでは、把持できないような大きさの被移動物であっても、容易に移動させることができる。
また、多関節ロボット10R、10Lは、床部5上で水平面内に回転可能に設けられた回転ボディー部11の側部に設けられているため、多関節ロボット10R、10Lで被移動物を保持した状態で、回転ボディー部11を回転させることで、多関節ロボット10R、10Lの相対位置関係を変更することなく旋回移動を行える。
したがって、このような移動動作を多関節ロボット10R、10Lの動きだけで行う場合に比べて、マニピュレータ9の制御が格段に容易となる。
また、このようにボディー本体11cの正面11Fの向きを変更することができる。そのため、多関節ロボット10R、10Lの可動範囲は少なくとも正面11F側の空間を左右2等分する範囲に設定すれば、水平方向に作業室3の全領域で作用を行うことができる。
また、正面11Fの前方側に多関節ロボット10R、10Lの可動領域が重複するように可動領域を設定すれば、ボディー本体11cを回動することで、このような多関節ロボット10R、10Lをともに用いて作業を行える領域を旋回して移動させることができる。
したがって、本実施形態によれば、多関節ロボット10R、10Lの個々の可動自由度、可動範囲の大きさの割に、水平方向に広い作業領域を備えることができる。
【0059】
なお、多関節ロボット10R、10Lを同時に用いた保持形態は、上記には限定されず、2指2本の腕部を用いて保持する種々の保持形態を採用することができる。
例えば、図5(a)に2点鎖線で示すように、多関節ロボット10R、10Lの各ハンド12の把持部12aを、それぞれ水平に向けて対向させた状態でパレット24の側面を挟持してパレット24を保持することもできる。
また、図5(b)に示す函型パレット27にワークWcを載置した場合には、多関節ロボット10R、10Lの各ハンド12の把持部12aによって、函型パレット27の側壁部27aの2箇所をそれぞれ挟持することで、函型パレット27を保持することができる。この場合、函型パレット27が側面からの押圧力によって容易に変形する軟弱な材質からなる場合でも良好に保持することができる。
また、パレットの形状は、把持部12aが水平方向から挿通可能な取っ手や、下面から挿入できる凹部などを設けたり、パレットの上部に、把持部12aで把持可能な片状の突起や鍵型の突起などを設けたりした構成としてもよい。
【0060】
次に、マニピュレータ9を用いたワークWの移動方法の例について説明する。
例えば、ワークWa、Wb、Wcのように、ハンド12の把持部12aによって、容易に挟持できるワークWの場合、多関節ロボット10R、10Lのいずれか一方でそれぞれの可動範囲内に容易に移動できる。
例えば、パレット24上のワークWbは、図10に示すように、例えば多関節ロボット10Rのハンド12をパレット24の上方に移動し、各把持部12aの間隔を開いて、ワークWbの側方から挟持し、この状態で多関節ロボット10Rを屈曲させて、ハンド12の位置を移動させることができる。さらに、上記と同様にボディー本体11cの回転を組み合わせることでさらに移動範囲を広げることができる。
このようにして、例えば、パレット24からステージ14の載置部14a上、あるいは、床面開口5c内のユニット固定部21上、あるいは、作業室3に搬入された各ハンド12上に移動させることができる。
【0061】
作業の種類によっては、ワークWの把持姿勢を変更したい場合がある。例えば、ワークWbが、図10に示すように、第1面S、第2面Sを有し、パレット24上には、第1面Sを上側に向けて載置している場合に、第1面Sの検査を行うため、ステージ14の載置部14a上に第1面Sを向けて載置したい場合がある。
この場合、図10に示すように、多関節ロボット10Rのハンド12をワークWb上に移動し、ワークWbを把持部12aで挟持して持ち上げる。そして、例えば、図11に示すように、多関節ロボット10Rを水平にした状態で位置を固定し、多関節ロボット10Lのハンド12を移動させて多関節ロボット10Rの把持部12aに対向する方向から、多関節ロボット10Lの把持部12aによってワークWbを同時に把持する。そして、多関節ロボット10Rの把持部12aを開いて、ワークWbを多関節ロボット10Rから多関節ロボット10Lに持ち替える。
これにより、ワークWbの第2面Sが、多関節ロボット10Lのハンド12に向けられた状態で、多関節ロボット10Lに把持されため、例えば、多関節ロボット10Lをステージ14の上方に移動させて把持解除を行うことで、載置部14a上に第1面Sを向けた状態で、ワークWbを配置することができる。
【0062】
このように、生産装置100では、ワークWを多関節ロボット10R、10Lの間で、空中で持ち替えることができるため、把持姿勢を変えるために、一旦、適宜の載置面や治具上に置いてから把持し直すといった工程を省略することができる。そのため、作業室3内の限られたスペースを有効に用いて、迅速な作業を行うことができる。
【0063】
このようにして、マニピュレータ9により、ワークWを作業室3内で種々の位置に適宜の姿勢で移動させることができる。
例えば、ワークWを作業ユニット20上に移動して、作業ユニット20による作業を行わせることができる。作業ユニット20に移動した後のマニピュレータ9は、作業ユニット20によって作業が行われている間、他の被移動物を移動させることができる。
また、例えば、1つのワークWをステージ14上に移動して載置し、他のワークWを例えば、パレット24や床面開口5c上のユニット固定部21などから移動して、ステージ14上で組立作業を行うことができる。
【0064】
例えば、多関節ロボット10Rで、ワークWを把持し、ステージ14上の他のワークWに組み付け、多関節ロボット10Lのハンド12をツールマガジン13上の接着ツールと交換して、ステージ14上で、2つのワークWを接着するといった、組立作業を行うことができる。
このとき、ステージ14は、パラレルリンク機構を用いているため、載置部14a上のワークWの位置や姿勢を、多関節ロボット10Rに保持されたワークWに対して微調整することができるので、多関節ロボット10Rの移動自由度や移動精度があまり高くなくても円滑な組み付けを行うことができる。
このように組み立てられた複数のワークWからなる製品は、上記と同様に、多関節ロボット10R、10Lの単体または両方で把持して、床面開口5c上のユニット固定部21などに移動し、収納部15cから作業準備室4を介して、外部に取り出すことができる。
【0065】
また、本実施形態では、作業手段収納部30を設けているので、ステージ14上に移動されたワークWは、上方からマニピュレータ9によって作業を行うことができるとともに、ステージ14の下方からも作業を行うことができる。
このためには、図4に示すように、予め、作業手段収納部30の面する作業手段搬入口2bの側面開閉機構17を開けて、作業手段収納部30内に作業手段26を配置する。そして、側面開閉機構17を閉じておき、作業開始時に、床面開閉機構25を退避させるとともに、作業手段収納部30内の排気機構18による排気を開始する。
これにより、ステージ14の下方に保持板開口5fが開口するので、保持板開口5fおよびステージ14の開口14cを通して、作業手段26による作業を行うことができる。例えば、ワークWが第1面Sを下側に向けて配置されたワークWbである場合に、作業手段26を用いて、第1面Sに対する検査や測定等を行うことができる。
また、上述した組立作業をステージ14上で行う場合に、位置調整を行うことができる。
【0066】
このように、生産装置100によれば、大きさが規格化された種々の作業ユニット20を、複数の収納部15から作業室3に搬入して、複数の作業を作業室3内で行う環境を形成することができる。また、作業室3内では、マニピュレータ9によって、ワークWを含む被移動物を移動したり、ワークW同士を組み立てたりする作業を行うことができる。
このため、作業室3内のスペースを有効利用して、多くの作業を同時並行しておこなうことができる。その結果、装置内で複数のワークに対して、例えば、加工、計測、調整、組立等の種々の作業を行うことができ、装置単体で多種多様な製品の生産が可能となる。
その際、クリーンユニット8を備えるためクリーン化された環境下で作業を行うことができる。
【0067】
次に、本実施形態の双腕マニピュレータの第1および第2変形例について説明する。
図12は、本発明の実施形態に係る生産装置に用いることができる双腕マニピュレータの第1変形例を示す模式的な平面図である。図13は、本発明の実施形態に係る生産装置に用いることができる双腕マニピュレータの第2変形例を示す模式的な正面図である。
【0068】
第1変形例のマニピュレータ9Aは、図12に示すように、上記実施形態の回転ボディー部11に代えて、回転ボディー部11A(マニピュレータ基部)を備える。
回転ボディー部11Aは、上記実施形態のボディー本体11cに代えて、底面が等脚台形で、垂直方向に延ばされた四角柱状の外形を有するボディー本体28を備えるものである。
ボディー本体28は、ボディー本体11cの正面11Fに対応して正面28Fを備え、側面11R、11Lに対応する側面28R、28Lが等脚台形の斜辺を構成している。
本変形例の多関節ロボット10R、10Lは、それぞれの基端台座10aが、ボディー本体28の側面28R、28Lにそれぞれ固定されている。
このため、多関節ロボット10R、10Lの各回転アーム部10bは、ボディー本体28の正面28F側に向かって鈍角をなして交差する位置関係に設けられている。
【0069】
本変形例のマニピュレータ9Aによれば、上記実施形態のマニピュレータ9に比べて、多関節ロボット10R、10Lのそれぞれの可動範囲が、ボディー本体28の正面28F側においてより広い範囲で重なるようにすることができる。そのため、多関節ロボット10R、10Lを同時に用いた作業を行える作業領域を広げることができる。
【0070】
第2変形例のマニピュレータ9Bは、図13に示すように、上記実施形態の回転ボディー部11に代えて、回転ボディー部11B(マニピュレータ基部)を備える。
回転ボディー部11Bは、上記実施形態のボディー本体11cに代えて、1つの側面視において下端部から上端部に拡幅する等脚台形断面を有する四角柱状の外形を有するボディー本体29を備えるものである。
ボディー本体29は、ボディー本体11cの正面11Fに対応して等脚台形状の正面29Fを備え、側面11R、11Lに対応する側面29R、29Lが等脚台形の斜辺を構成している。
本変形例の多関節ロボット10R、10Lは、それぞれの基端台座10aが、ボディー本体29の側面29R、29Lにそれぞれ固定されている。
このため、多関節ロボット10R、10Lの各回転アーム部10bは、正面29F側から見て下側に開いた鈍角をなして交差する位置関係に設けられている。
【0071】
本変形例のマニピュレータ9Bによれば、上記実施形態のマニピュレータ9に比べて、多関節ロボット10R、10Lのそれぞれの可動範囲が、ボディー本体29の下方側においてより広い範囲を有する。そのため、多関節ロボット10R、10Lによる床部5の近傍での作業領域を広げることができる。
【0072】
なお、上記の説明では、双腕マニピュレータがそれぞれ多関節ロボットからなる場合の例で説明したが、双腕マニピュレータは、多関節ロボットに限定されるものではない。例えば、伸縮、回転、湾曲などが可能なアクチュエータの先端にハンドなどを備えたマニピュレータなどであってもよい。
【0073】
また、上記の説明では、作業室に1対の腕部を有する双腕マニピュレータを1台備える場合の例で説明したが、作業室の大きさによっては、複数台の双腕マニピュレータを備えていてもよい。
また、双腕マニピュレータの設置位置は、隔壁部材上には限定されず、作業室の内側面や天井部などであってもよい。
【0074】
また、上記の説明では、作業室がクリーン化された場合の例で説明したが、生産装置自体がクリーンルーム内に配置される場合や、作業にクリーン度の高い環境を必要としない場合には、クリーンユニットを省略してもよい。
この場合、作業室を覆うカバー部材は、作業室内と外部との間の作業に支障となる物の出入りを規制する程度に隔離されていればよい。例えば、作業室内と外部との間に空気の流通できるように設けられていてもよい。
また、作業準備室内の収納部も作業準備室の他の部分から完全には隔離されていなくてもよい。また、隔壁閉止機構や、収納部の排気機構や、場合によっては収納部自体は、それぞれ省略してもよい。
【0075】
また、上記の説明では、作業室内に作業ユニットを固定し、作業手段収納部内に作業手段を配置して、作業を行う場合の例で説明したが、作業ユニット、作業手段を用いて作業を行う必要がない場合には、作業ユニットや作業手段を備えない構成とし、双腕マニピュレータのみで作業を行ってもよい。
【0076】
また、上記の説明では、作業室内に、ワークを載置するステージが配置された場合の例で説明したが、ワークを隔壁部材上に置いて作業ができる場合には、ステージを省略してもよい。
【0077】
また、上記の説明では、多関節ロボット10R、10Lがそれぞれ6自由度で同一構成を有する場合の例で説明したが、それぞれの自由度は、6自由度以上であることが好ましい。
例えば、例えば片方が6自由度、もう片方が7自由度というように、対となる腕部の構造や自由度を変えてもよい。また、必要に応じて対となる腕部の他に、補助的なマニピュレータをマニピュレータ基部に設け、3腕以上の構成としてもよい。
【0078】
また、上記の説明では、ハンド12は、関節を有しない2指構成の場合の例で説明したが、ハンドの指や関節の数は、ワークの形状や特性に応じて種々の形態を採用することができる。例えば、多関節の3指以上の構成としてもよい。
【0079】
また、上記の説明では、マニピュレータ基部が隔壁部材に対して回動可能な構成の例で説明したが、腕部の可動範囲が十分であれば、回動可能でなくてもよい。この場合、マニピュレータ基部は、腕部を隔壁部材上の1箇所で支持しているため、隔壁部材上での腕部の取り付けスペースを低減する機能のみを備えている。
【0080】
また、上記の各実施形態に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
例えば、双腕マニピュータの各腕部が固定されたマニピュレータ基部の側面の向きは、マニピュレータ基部の正面に対して任意の向きに傾斜されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態に係る生産装置の概略構成を示す模式的な斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る生産装置の作業室の模式的な平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る生産装置の可動床部の下降時の収納部の様子を示す模式的な斜視図、そのA−A断面図、および可動床部の上昇時の収納部の様子を示す模式的な斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る生産装置の動作時の様子を示す模式的な斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る生産装置に用いることができるパレットの一例および他例の構成と、その把持形態を示す部分断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る生産装置における作業ユニットの搬入動作を説明する模式的な部分断面図である。
【図7】図6に続く搬入動作を説明する模式的な部分断面図である。
【図8】図7に続く搬入動作を説明する部分断面図、およびそのB−B断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る生産装置の双腕マニピュレータによる回転搬送動作について説明する模式的な平面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る生産装置の双腕マニピュレータによるワーク把持動作について説明する模式的な部分断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る生産装置の双腕マニピュレータによる持ち替え動作について説明する模式的な正面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る生産装置に用いることができる双腕マニピュレータの第1変形例を示す模式的な平面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る生産装置に用いることができる双腕マニピュレータの第2変形例を示す模式的な正面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 装置本体
2a 搬入搬出口
2b 作業手段搬入口
3 作業室
4 作業準備室
5 床部(隔壁部材)
5a、5b、5c、5d 床面開口
5f 保持板開口(開口)
6 クリーンカバー(カバー部材)
7 制御部
8 クリーンユニット
9、9A、9B マニピュレータ
10L、10R 多関節ロボット
10a 各基端台座
11、11A、11B 回転ボディー部(マニピュレータ基部)
11L、11R、28L、28R、29L、29R 側面(マニピュレータ基部の側部)
11c、28、29 ボディー本体
12 ハンド
13 ツールマガジン
14 ステージ
14c 開口(貫通孔)
15、15a、15b、15c、15d 収納部
16 床面シャッタ機構(隔壁閉止機構)
17 側面開閉機構
18 排気機構
19 昇降機構
20 作業ユニット
21 ユニット固定部(可動床部)
22 昇降台
24 パレット
25 床面開閉機構(開閉機構)
26 作業手段
27 函型パレット
30 作業手段収納部
31 作業ツール
100 生産装置
W、Wa、Wb、Wc ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対して作業を行う生産装置であって、
箱状の装置本体と、
該装置本体を、下側の作業準備室と、上側の作業室とに仕切る平板状の隔壁部材と、
前記作業室を前記隔壁部材上で外部から隔離するカバー部材と、
前記作業準備室の内部から前記隔壁部材の位置まで昇降可能な可動床部と、
前記作業準備室内に設けられ、前記可動床部を昇降させる昇降機構と、
前記作業室内に設けられ、該作業室内で前記ワークを含む被移動物を移動させる1対の腕部を有する双腕マニピュレータとを備えることを特徴とする生産装置。
【請求項2】
前記双腕マニピュレータの1対の腕部は、それぞれ多関節ロボットからなることを特徴とする請求項1に記載の生産装置。
【請求項3】
前記双碗マニピュレータの1対の腕部は、
前記隔壁部材上で水平面内に回転可能に設けられたマニピュレータ基部の側部に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の生産装置。
【請求項4】
前記作業準備室には、
前記可動床部および前記昇降機構を1組ずつ隔離して収納する収納部と、
前記昇降機構によって前記可動床部が下降される際に前記隔壁部材に生じる開口を閉止する隔壁閉止機構とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生産装置。
【請求項5】
前記収納部は、該収納部内の排気を行う排気機構を備えることを特徴とする請求項4に記載の生産装置。
【請求項6】
前記可動床部に対して着脱可能に設けられ、前記作業を行う作業ユニットを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生産装置。
【請求項7】
前記可動床部および前記収納部がそれぞれ複数設けられた場合に、
前記作業ユニットは、前記複数の可動床部のいずれにも着脱可能であり、前記複数の収納部のいずれにも収納可能とされたことを特徴とする請求項6に記載の生産装置。
【請求項8】
前記作業室には、前記ワークを載置可能に設けられたステージを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生産装置。
【請求項9】
前記ステージは、上下方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ワークを前記貫通孔の上方に配置可能とされ、
前記ステージの下側の前記隔壁部材には、開口が設けられ、
前記ステージの下方の前記作業準備室内には、
前記開口を開閉する開閉機構と、
前記ステージに前記ワークが配置された際に、前記開閉機構によって開放された前記開口を通して前記作業準備室側から前記ステージに載置された前記ワークに対する作業を行う作業手段を配置する作業手段収納部とが設けられたことを特徴とする請求項8に記載の生産装置。
【請求項10】
前記ステージは、パラレルリンク機構を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の生産装置。
【請求項11】
前記作業室内をクリーン化するクリーンユニットを備えることを特徴とする請求項1〜10に記載の生産装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−99755(P2010−99755A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270987(P2008−270987)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】