説明

用紙処理装置及び画像形成装置

【課題】綴じられた用紙束の用紙後端の良好な揃え精度を得ることができる用紙処理装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙搬送手段と、用紙搬送手段によって搬送された用紙を積載面上に複数枚重ねて用紙束として積載する積載トレイと、積載トレイに積載された用紙の用紙搬送方向の後端を突き当てて用紙の整合を行う整合部材と、前記積載面に対向させて設けられ用紙束の厚み方向に移動可能であり、用紙束の整合部材近傍の用紙上面を押圧する押圧部材と、用紙束の整合部材近傍に綴じ処理を行う綴じ手段とを備えた用紙処理装置において、押圧部材が少なくとも2つ設けられており、各押圧部材が用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向に移動可能であり、用紙束の整合部材近傍で用紙幅方向中央部の用紙上面を各押圧部材によって押圧し、用紙束を押圧しながら用紙幅方向で中央部側から一端側と他端側それぞれに各押圧部材が移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に所定の処理を施す用紙処理装置及びその用紙処理装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、画像形成部で画像が形成された用紙に対して綴じ処理等を行う用紙処理装置を備えたものが知られている。この用紙処理装置には、ステイプルトレイの積載面上で用紙を複数枚積載して用紙束とし、この用紙束の用紙搬送方向後端(以下、用紙後端という)を整合部材である後端基準フェンスに突き当てて用紙束の整合を行い、整合された用紙束の後端基準フェンス近傍の所定位置に綴じ処理手段であるステイプラが針を打ち込むことで綴じ処理を行うものがある。
【0003】
このような綴じ処理が行われる用紙束の各用紙の用紙後端にカールが生じているとカールによる用紙の膨らみよって、ステイプラで用紙束を綴じた際に各用紙の針が打ち込まれた綴じ位置にばらつきが生じ、綴じられた用紙束の用紙後端が揃わず見栄えが悪くなってしまう。
【0004】
特許文献1に記載の用紙処理装置においては、ステイプルトレイの積載面上に積載された用紙束の厚み方向に移動可能であり、用紙束の後端基準フェンス近傍の用紙上面を押圧する押圧部材がステイプルトレイ上方に設けられている。そして、ステイプルトレイ上に積載された用紙束の後端基準フェンス近傍の用紙上面を押圧部材で押さえて用紙後端のカールを低減させてから、用紙束の後端基準フェンス近傍の所定位置にステイプラで針を打ち込んで用紙束を綴じている。これにより、用紙後端のカールを低減させずに用紙束を綴じた場合よりも、押圧部材で用紙後端のカールを低減させた分、各用紙の綴じ位置のばらつきが小さくなり、綴じられた用紙束の用紙後端の揃え精度を向上させることができるとされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記押圧部材は用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向の位置が固定されており、用紙サイズによっては押圧部材で押さえつけられた位置から用紙幅方向で離れた位置に生じている用紙のカールを充分に低減させることができない場合がある。この場合、ステイプラによって針が打ち込まれる用紙束の後端基準フェンス近傍の所定位置で用紙後端のカールが充分に低減されていないと、ステイプラで用紙束を綴じた際に各用紙の綴じ位置のばらつきを小さくできず、綴じられた用紙束の用紙後端の良好な揃え精度が得られないといった問題が生じる。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、綴じられた用紙束の用紙後端の良好な揃え精度を得ることができる用紙処理装置及びその用紙処理装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段によって搬送された用紙を積載面上に複数枚重ねて用紙束として積載する積載トレイと、前記積載トレイに積載された用紙の用紙搬送方向の後端を突き当てて用紙の整合を行う整合部材と、前記積載面に対向させて設けられ前記用紙束の厚み方向に移動可能であり、前記用紙束の整合部材近傍の用紙上面を押圧する押圧部材と、前記用紙束の整合部材近傍に綴じ処理を行う綴じ手段とを備えた用紙処理装置において、前記押圧部材が少なくとも2つ設けられており、各押圧部材が用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向に移動可能であり、前記用紙束の整合部材近傍で用紙幅方向中央部の用紙上面を各押圧部材によって押圧し、前記用紙束を押圧しながら用紙幅方向で中央部側から一端側と他端側それぞれに各押圧部材が移動することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の用紙処理装置において、上記押圧部材は用紙搬送方向と直交する方向に対して水平移動することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の用紙処理装置において、上記押圧部材は用紙搬送方向と直交する方向に対して上記整合部材側に徐々に近づきながら斜め方向に移動することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の用紙処理装置において、上記積載トレイに積載された用紙のカール量を検知するカール量検知手段を有しており、前記カール量検知手段により検知された用紙のカール量が予め設定された所定量よりも大きい場合に、上記押圧部材を用紙搬送方向と直交する方向に対して斜め方向に移動させることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の用紙処理装置において、上記押圧部材の用紙と接する側の先端部に回転可能なコロ部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の用紙処理装置において、少なくとも用紙幅方向の位置が固定され上記用紙束の用紙搬送方向中央部を押圧する上記押圧部材をさらに設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、用紙上に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像形成された用紙に対して所定の処理を施す用紙処理手段とを備えた画像形成装置において、前記用紙処理手段として、請求項1、2、3、4、5または6の用紙処理装置を用いたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、用紙束の整合部材近傍で用紙幅方向の中央部側から一端側と他端側とに向かって各押圧部材が用紙束を押圧しながら移動することで、用紙束の整合部材近傍に生じた用紙後端のカールが用紙幅方向にわたって押し広げられ用紙を伸ばすことができる。これにより、用紙束の整合部材近傍の用紙後端のカールが用紙幅方向にわたって低減されるので、綴じ手段により用紙束の整合部材近傍を綴じた際に、綴じ処理が行われた用紙束の各用紙の綴じ位置のばらつきを小さくすることができる。よって、綴じられた用紙束の用紙後端の良好な揃え精度を得ることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上、本発明によれば、綴じられた用紙束の用紙後端の良好な揃え精度を得ることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】積載面側から見た綴じ処理トレイ部の概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係る後処理装置の全体構成図。
【図3】積載面側から見た綴じ処理トレイ部の概略構成図。
【図4】綴じ処理トレイ部とその付属機構の斜視説明図。
【図5】放出ベルトによる紙束の排出動作を説明する斜視説明図。
【図6】ステイプラの移動機構の斜視説明図。
【図7】綴じ処理トレイ部にスタックされた用紙に端面綴じステイプラで綴じ処理を行う状態を示した図。
【図8】綴じ処理トレイ部の拡大構成図。
【図9】積載面側から見た綴じ処理トレイ部の概略構成図。
【図10】上方から見た綴じ処理トレイ部の概略構成図。
【図11】上方から見た綴じ処理トレイ部の概略構成図。
【図12】積載面側から見た綴じ処理トレイ部の概略構成図。
【図13】底板が上昇位置にある状態の綴じ処理トレイ部を用紙幅方向左側(主走査方向左側)から見た図。
【図14】底板が下降位置にある状態の綴じ処理トレイ部を用紙幅方向左側(主走査方向左側)から見た図。
【図15】綴じ処理動作の制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した用紙処理装置の一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係る用紙処理装置である後処理装置200と、この後処理装置200に画像形成後のシート材である用紙Pを供給する複写機またはプリンタ等の画像形成部300とからなる画像形成装置600の概略構成図である。なお、画像形成部300と後処理装置200とからなる画像形成装置600に限らず、用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記用紙に対して折り処理を行う用紙処理手段とを備えた画像形成システムの用紙処理手段に対して本発明を適用することができる。
【0012】
本実施形態の画像形成部300は、特に図示しないが、画像処理回路、感光体、光書き込み装置、現像装置、転写装置及び定着装置を備える電子写真方式の画像形成装置である。画像処理回路は、画像形成部300が複写機である場合のスキャナ部で読み取った画像データやパーソナルコンピュータ等の外部装置から入力される画像データを印字可能な画像データに変換し、変換した画像データを光書き込み装置に出力する。光書き込み装置は、画像処理回路から出力される画像信号に基づいて感光体に光書き込みを行い感光体の表面に静電潜像を形成する。現像装置は、光書き込みにより感光体の表面に形成された静電潜像をトナー現像する。転写装置は、現像装置によって顕像化された感光体の表面上のトナー像を用紙Pに転写する。定着装置は、用紙P上に転写されたトナー像を用紙Pに定着する。
【0013】
画像形成部300でトナー像が定着された用紙Pは、後処理装置200に送り出され、後処理装置200によって所望の後処理が行われる。本実施形態の画像形成部300は前述のように電子写真方式のものであるが、インクジェット方式や熱転写方式など、公知の画像形成装置の全てについて画像形成部300として後処理装置200と組み合わせることができる。
【0014】
図2に示すように、後処理装置200は、画像形成部300の側部に取り付けられており、画像形成部300から排出された用紙Pは後処理装置200に導かれる。
【0015】
本実施形態の後処理装置200では、用紙Pに対して、孔あけ処理(パンチユニット100)、用紙揃え+端部綴じ処理(ジョガーフェンス53及び端部綴じステイプラS1)、用紙揃え+中綴じ処理(中綴じ部上方ジョガーフェンス250a、中綴じ部下方ジョガーフェンス250b及び中綴じステイプラS2)、用紙Pの仕分け(シフトトレイ202)及び中折り処理(折りプレート74及び折りローラ対81)などの各処理を行うことができる。
【0016】
後処理装置200の入口部Aは、画像形成部300から排出された用紙Pが最初に搬入されてくる部分であって、通過する用紙Pの一枚毎に後処理を施す単枚後処理手段(本実施形態では穿孔手段としてのパンチユニット100)を有する。入口部Aの上方には用紙Pを上トレイ201へ導く第一排出搬送路Bが形成されており、入口部Aの側方(図2中の左側)には、用紙Pをシフトトレイ202へ導く第二排出搬送路Cが形成されている。また、後処理装置200の入口部Aの下方には、整合及びステイプル綴じ等を行う綴じ処理トレイ部Fへ用紙Pを導く綴じ処理搬送路Dが形成されている。
【0017】
入口部Aは、第一排出搬送路B、第二排出搬送路C及び綴じ処理搬送路Dに対して搬送方向上流側の搬送路であって、画像形成部300から後処理装置200に受け渡された全ての用紙Pの共通の搬送路を構成する。入口部Aには、画像形成部300から受け入れた用紙Pの通過を検出する入口センサ301が配置されており、その下流側に入口ローラ対1、パンチユニット100、パンチかすホッパ101及び分岐前搬送ローラ対2が順次配置されている。また、入口部Aの分岐前搬送ローラ対2の下流側には、第一分岐爪15と第二分岐爪16との二つの分岐爪が配置されている。
【0018】
第一分岐爪15及び第二分岐爪16は、バネ等の不図示の付勢部材によってそれぞれ図2の状態に保持されている。すなわち、第一分岐爪15はその先端が下向きとなるように付勢され、第二分岐爪16はその先端が上向きとなるように付勢されている。第一分岐爪15及び第二分岐爪16はそれぞれ不図示のソレノイドが接続されており、各ソレノイドをONにすることによって、第一分岐爪15及び第二分岐爪16の先端が図2の状態から変位し、各分岐爪が配置された位置を通過する用紙Pの搬送経路を切り替えることができる。
【0019】
後処理装置200では、第一分岐爪15及び第二分岐爪16の各ソレノイドのON/OFFの組み合せを変えることによって、入口部Aを通過した用紙Pの搬送経路を、第一排出搬送路B、第二排出搬送路Cまたは綴じ処理搬送路Dへと振り分ける。
【0020】
入口部Aを通過した用紙Pを第一排出搬送路Bに導く場合は、第一分岐爪15及び第二分岐爪16の各ソレノイドをともにOFFとして、図2の状態に示す状態とする。第一分岐爪15に接続された不図示のソレノイドをOFFとすることで、第一分岐爪15の先端が下向きとなり、分岐前搬送ローラ対2を通過した用紙Pを第一排出搬送路Bに導くことができる。第一排出搬送路Bに導かれた用紙Pは、第一排出搬送路内搬送ローラ対3及び第一排紙ローラ対4を経て上トレイ201に排出される。図2に示すように、第一排出搬送路B内の第一排紙ローラ対4の上流側近傍には第一排出用紙検知センサ302が配置されており、配置された位置における用紙Pの通過の有無を検知する。
【0021】
入口部Aを通過した用紙Pを綴じ処理搬送路Dに導く場合は、第一分岐爪15のソレノイドをONとし、第二分岐爪16のソレノイドをOFFとする。これにより、第一分岐爪15はその先端が図2に示す下向きの状態から上向きの状態となり、第二分岐爪16はその先端が図2で示す上向きの状態のままとなり、分岐前搬送ローラ対2を通過した用紙Pを綴じ処理搬送路Dに導くことができる。綴じ処理搬送路Dに導かれた用紙Pは、綴じ処理トレイ部Fへと搬送される。
【0022】
入口部Aを通過した用紙Pを第二排出搬送路Cに導く場合は、第一分岐爪15及び第二分岐爪16の各ソレノイドをともにONとする。これにより、図2に示す初期状態では下向きの第一分岐爪15の先端が上向きとなり、初期状態では上向きの第二分岐爪16の先端が下向きとなって、分岐前搬送ローラ対2を通過した用紙Pを第二排出搬送路Cに導くことができる。第二排出搬送路Cに導かれた用紙Pは、第二排出搬送路内搬送ローラ対5及び第二排紙ローラ対6を経てシフトトレイ202に搬送される。
【0023】
図2に示すように、第二排出搬送路C内の第二排紙ローラ対6の上流側近傍には第二排出用紙検知センサ303が配置されており、配置された位置における用紙Pの通過の有無を検知する。
【0024】
後処理装置200における入口部A及び第二排出搬送路Cを通過する用紙Pの搬送経路の最下流部には、シフトトレイ202等によって構成されるシフトトレイ排紙部がある。シフトトレイ排紙部は、シフトトレイ202の他に、第二排紙ローラ対6、戻しコロ13及びシフトトレイ紙面検知センサ330を備える。さらに、シフトトレイ排紙部は、用紙Pの搬送方向に対して直交する方向(用紙幅方向)にシフトトレイ202を往復移動させる不図示のシフト機構と、シフトトレイ202を上下方向に昇降させる不図示のシフトトレイ昇降機構とを備える。
【0025】
綴じ処理搬送路Dには、搬送方向上流側から、綴じ処理搬送路第一ローラ対7、用紙ガイド爪17、プレスタックセンサ304、綴じ処理搬送路第二ローラ対9及び綴じ処理搬送路第三ローラ対10等が配置されている。また、図2に示すように、綴じ処理搬送路第三ローラ対10よりも下流側の綴じ処理搬送路Dはカーブとなっており、このカーブの入口にカーブ入口用紙検知センサ305が配置されており、配置された位置における用紙Pの通過の有無を検知する。さらに、このカーブの出口には、綴じ処理搬送路Dを通過した用紙Pを綴じ処理トレイ部Fへと受け渡す、綴じ処理受け渡しローラ対11が配置されている。
【0026】
綴じ処理搬送路D内の用紙ガイド爪17は、不図示の低荷重バネによって図2の状態となるように付勢されている。図2に示す状態では、綴じ処理搬送路Dにおける綴じ処理搬送路第一ローラ対7が配置された領域と綴じ処理搬送路第二ローラ対9や綴じ処理搬送路第三ローラ対10が配置された領域との間を用紙ガイド爪17が塞いだ状態となる。綴じ処理搬送路第一ローラ対7等によって搬送されてきた用紙Pが接触することで、用紙ガイド爪17は低荷重バネの付勢力に抗して図2中の反時計回り方向に回転する。これにより、綴じ処理搬送路D内の綴じ処理搬送路第二ローラ対9や綴じ処理搬送路第三ローラ対10が配置された領域に、用紙Pが案内される。用紙Pの後端が用紙ガイド爪17の配置された位置を通過すると、用紙ガイド爪17は低荷重バネの付勢力によって図2に示す状態に戻る。
【0027】
後処理装置200では、綴じ処理トレイ部Fで綴じ処理が行われている間は、次の用紙Pを綴じ処理トレイ部Fに受け入れることは出来ない。ここで、綴じ処理トレイ部Fでの綴じ処理が行われている間に新たな用紙Pを綴じ処理トレイ部Fに供給しないように、画像形成部300から後処理装置200への用紙Pの受け渡しを停止すると、画像形成装置600全体の生産性が低下する。後処理装置200では、画像形成装置600全体の生産性を維持しつつ、綴じ処理にかかる時間を稼ぐために、用紙Pを一時的に滞留させ、その後に複数枚の用紙Pを同時に綴じ処理トレイ部Fへ搬送させて実質的な時間を稼ぐ、いわゆるプレスタック処理を行う。
【0028】
後処理装置200は、プレスタック処理を行う場合に綴じ処理搬送路D内の用紙ガイド爪17よりも搬送方向下流側に配置された、綴じ処理搬送路第二ローラ対9と綴じ処理搬送路第三ローラ対10と綴じ処理受け渡しローラ対11とのうち、少なくとも綴じ処理搬送路第二ローラ対9の回転方向を逆転させることができる構成となっている。そして、用紙Pを綴じ処理トレイ部Fに搬送する前に一時滞留させるプレスタック処理を行う場合は、用紙Pの後端が用紙ガイド爪17の配置された位置を通過した後に、少なくとも綴じ処理搬送路第二ローラ対9を逆転させる。このとき、綴じ処理搬送路第一ローラ対7が配置された領域に向かう搬送路は、用紙ガイド爪17によって塞がれているため、搬送ローラ対の逆転によって搬送される用紙Pをプレスタック部Eに案内することができる。このため、用紙Pの後端が用紙ガイド爪17の配置された位置を通過した後に搬送ローラ対を逆転させることで、用紙Pをターンガイド8に沿って搬送させることができる。このような構成により、用紙Pを搬送方向後端側からプレスタック部Eに導いて滞留(プレスタック)させ、次に搬送されてくる用紙Pと重ね合せて綴じ処理トレイ部Fに向けて搬送することが可能となる。
【0029】
このように、用紙Pの後端が用紙ガイド爪17の配置された位置を通過した後に搬送ローラ対を逆転させる動作を繰り返すことによって、二枚以上の用紙Pを重ねて綴じ処理トレイ部Fに搬送することも可能である。搬送ローラ対を逆転させるタイミングは、用紙ガイド爪17の配置された位置を通過した用紙Pの後端をプレスタックセンサ304が検知したタイミング以降に設定する。
【0030】
入口部A及び綴じ処理搬送路Dを経て綴じ処理トレイ部Fへ導かれ、綴じ処理トレイ部Fで整合及びステイプル等の後処理が施された用紙Pは、用紙束分岐ガイド部材44によって、シフトトレイ202へ向かう搬送路または下トレイ203に向かう搬送路へと振り分けられる。
【0031】
シフトトレイ202に向かう搬送路に振り分けられると、第二排出搬送路C内における第二排出用紙検知センサ303の上流側近傍に案内され、第二排出搬送路Cを通過する用紙Pと同様に第二排紙ローラ対6によってシフトトレイ202に排出される。
【0032】
一方、下トレイ203に向かう搬送路に振り分けられると、用紙Pに対して中折り処理等を施す中綴じ・中折り処理部Gに受け渡され、中綴じ・中折り処理部Gで折りプレート74等による中折り処理等の後処理が施される。中折り処理等の後処理が施された用紙Pは、中折り後搬送路Hを通過し、下排紙ローラ対83によって下トレイ203に搬送される。図2に示すように、中折り後搬送路H内の下排紙ローラ対83の上流側近傍には下排紙用紙検知センサ323が配置されており、配置された位置における用紙Pの通過の有無を検知する。
【0033】
次に、綴じ処理トレイ部Fについて説明する。
図3は、綴じ処理トレイ部Fをステイプルトレイ50の積載面側(図2中の矢印J方向)から見た概略構成図である。図4は、綴じ処理トレイ部Fを構成する各部材とその付属機構の概略構成を示す斜視図である。また、図4中のαは、叩きコロ12近傍の拡大側面図である。図3に示すように、綴じ処理トレイ部Fの用紙幅方向の両端には、前側板64a及び後側板64bが配置されている。
【0034】
綴じ処理受け渡しローラ対11によって綴じ処理トレイ部Fへ導かれた用紙Pは、図4に示すように綴じ処理トレイ部F上に順次積載される。このとき、用紙Pが綴じ処理トレイ部Fに到達する毎に叩きコロ12で縦方向(搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53(手前側ジョガーフェンス53a、奥側ジョガーフェンス53b)によって横方向(搬送方向と直交する方向である用紙幅方向)の整合が行われる。
【0035】
また、図2、図3、図4に示すように、綴じ処理トレイ部Fには、トレイ部用紙検知センサ310が配置されており、配置された位置における用紙Pの積載の有無を検知する。
【0036】
叩きコロ12は、叩きソレノイド170によって図4中の矢印m1及び矢印m2で示すように叩き支点12aを中心とした振り子運動が与えられる。また、叩きコロ12自身は図4中の矢印nで示すように反時計回り方向に回転する。これにより、叩きコロ12が回転することによる搬送力が、綴じ処理トレイ部Fへ送り込まれた用紙Pに対して間欠的に作用し、用紙Pを後端基準フェンス51に突き当てる。
【0037】
ジョガーフェンス53は、図3及び図4に示すように用紙幅方向に一対(53a,53b)に設けられ、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルト160を介して駆動され、用紙幅方向に往復移動する。
【0038】
また、後処理装置200は、手前側ジョガーフェンス53aと奥側ジョガーフェンス53bとのそれぞれに対して駆動を伝達する手前側ジョガーモータ158a及び手前側タイミングベルト160aと、奥側ジョガーモータ158b及び奥側タイミングベルト160bとを有する。このように、それぞれのジョガーフェンス53(53a,53b)は独立した駆動源(158a,158b)を持ち、それぞれ独立して動作することができる。
【0039】
ここで、ジョガーフェンス53の用紙幅方向の往復移動について説明する。
整合する対象の用紙Pの用紙幅方向の長さを用紙幅Wとしたとき、用紙Pが搬送されてくるまでの待機状態では、手前側ジョガーフェンス53aと奥側ジョガーフェンス53bとの用紙幅方向の距離は、用紙幅Wよりも少し広い幅となっている。そして、用紙Pが綴じ処理トレイ部Fへ送り込まれて二つのジョガーフェンス53の間に到達すると、手前側ジョガーフェンス53aは図4中のk1方向に、奥側ジョガーフェンス53bは図4中のl1方向に移動する。二つのジョガーフェンス53の用紙幅方向の距離が用紙幅Wとなると、ジョガーモータ158(手前側ジョガーモータ158a、奥側ジョガーモータ158b)を逆転し、二つのジョガーフェンス53の用紙幅方向の距離が待機状態のときの距離となるまで、手前側ジョガーフェンス53aは図4中のk2方向に、奥側ジョガーフェンス53bは図4中のl2方向に移動させる。このような制御により、二つのジョガーフェンス53が同時に内側に移動した後、同時に外側に移動するジョガーフェンス53の往復移動が成される。用紙Pが綴じ処理トレイ部Fへ送り込まれる毎に、上述した往復移動を一回または複数回行うことで綴じ処理トレイ部Fに積載された用紙Pの束(以下、用紙束P1とも呼ぶ)の用紙幅方向の整合を行う。
【0040】
本実施形態では、二つのジョガーフェンス53が、往復移動することで用紙束P1の用紙幅方向の整合を行っているが、用紙束P1の用紙幅方向の整合を行うときのジョガーフェンス53の動作としては、これに限るものではない。二つのうちの一方のジョガーフェンス53は停止させた状態で、他方のジョガーフェンス53のみを用紙幅方向に往復移動させてもよい。
【0041】
後処理装置200は、綴じ処理トレイ部Fに積載された用紙束P1の後端部に綴じ処理を行う綴じ手段としての端面綴じステイプラS1を備える。端面綴じステイプラS1は、整合済みの用紙束P1の用紙幅方向に移動可能な構成である。後処理装置200では、ジョブの切れ目に不図示の制御装置からのステイプル信号に基づいて綴じ手段である端面綴じステイプラS1が駆動され、整合動作が完了した用紙束P1に対する綴じ処理が行われる。ここで、ジョブの切れ目とは、綴じ処理トレイ部Fに積載中の用紙束P1の最終紙となる用紙Pが到達してから次の用紙束P1の先頭紙となる用紙Pが到達するまでの間である。
【0042】
図6は、端面綴じステイプラS1の移動機構を示す斜視説明図である。
端面綴じステイプラS1は、図6に示すように、正逆転可能なステイプラ移動モータ159によりステイプラタイミングベルトを介して駆動され、用紙束P1の搬送方向後端側の端部の所定位置を綴じるために用紙幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じステイプラS1のホームポジションを検出するステイプラ移動HPセンサ312が設けられており、用紙幅方向の綴じ位置は、ホームポジションからの端面綴じステイプラS1の移動量により制御される。
【0043】
図2中の端面綴じステイプラS1の右上方には、後端押さえレバー110が配置されている。後端押さえレバー110は、後端基準フェンス51に収容された用紙束P1の後端を押さえることができるように後端基準フェンス51の下端部に対向する位置に配置されており、図2中の矢印Qで示すように綴じ処理トレイ部Fの載置面に対してほぼ垂直な方向に往復移動することができる構成である。
【0044】
綴じ処理トレイ部Fでは、用紙Pが到達する毎に叩きコロ12で縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われるが、綴じ処理トレイ部Fに積載された用紙Pの後端がカールしていたり、腰が弱かったりすると用紙Pの自重によって後端が座屈し膨らむ傾向にある。さらに、その積載枚数が増えることによって、後端基準フェンス51内の次の用紙Pが入る隙間が小さくなり、縦方向の揃えが悪くなる傾向にある。そこで、綴じ処理トレイ部Fに収容される用紙Pの後端の膨らみを少なくし、且つ、新たに綴じ処理トレイ部Fに到達した用紙Pが後端基準フェンス51に入りやすくするようにしたのが、後端押さえ機構であり、用紙Pを直接押さえるのが後端押さえレバー110である。
【0045】
綴じ処理が行われた用紙束P1は、放出ベルト52によってシフトトレイ202に排出される。ここで、放出ベルト52による用紙束P1の排出動作について説明する。
【0046】
図5は、放出ベルト52の排出動作を説明する斜視説明図である。また、図5中のβは、放出ベルトHPセンサ311近傍の拡大斜視図である。
【0047】
図3に示すように放出ベルト52は用紙幅方向の整合中心に位置し、図2に示すように、放出ベルト52は3つのプーリ62間に張架されている。放出モータ157を駆動することで放出ベルト52の上端を支持するプーリ62が回転駆動し、放出ベルト52に駆動が伝達され、放出ベルト52が無端移動する。
【0048】
放出ベルト52には、その外周上に突出した放出爪52aが設けられており、放出モータ157が駆動し、放出ベルト52が図2中の反時計回り方向に回転することによって、綴じ処理が行われた用紙束P1の後端(下端)に放出爪52aが突き当たる。その後、放出ベルト52がさらに無端移動することで用紙束P1が放出爪52aによって持ち上げられ、綴じ処理トレイ部Fから放出される。
【0049】
また、図2及び図3に示すように、複数の放出ローラ56が、放出ベルト52に駆動を伝達するプーリ62と同軸上に放出ベルト52を挟んで用紙幅方向に対称に配置されている。この複数の放出ローラ56は、放出モータ157からプーリ62に駆動を伝達する駆動軸に対して回動自在に設けられ、用紙束P1を放出するときの従動コロとして機能している。
【0050】
なお、上述した放出ベルト52による綴じ処理トレイ部Fからの用紙束P1の放出動作は、整合処理後に綴じ処理を実施しない未綴じの紙束に対しても同様の動作が可能である。また、綴じ処理トレイ部Fから放出した用紙束P1の搬送先としては、シフトトレイ202に限るものではなく、後述するように、下トレイ203を搬送先として設定することができる。
【0051】
図5中のβの拡大図に示すように、放出爪52aは、放出ベルトHPセンサ311によりホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。放出ベルト52の外周上にはその周長を等分する位置に二つの放出爪52aが配置され、綴じ処理トレイ部Fに収容された用紙束P1を二つの放出爪52aで交互に移動搬送する。
【0052】
また必要に応じて放出ベルト52を逆回転させ、これから用紙束P1を移動するように待機している放出爪52aとは反対側の放出爪52aの背面で綴じ処理トレイ部Fに収容された用紙束P1の搬送方向先端を揃えるようにすることもできる。
【0053】
綴じ処理トレイ部Fの用紙搬送方向下流側には、用紙束搬送路切り替え部Iが設けられている。用紙束搬送路切り替え部Iは、綴じ処理トレイ部Fから放出される用紙束P1の搬送路を、中綴じ・中折り処理部Gへ搬送する搬送路、または、シフトトレイ202へ搬送する搬送路へと振り分ける構成である。用紙束搬送路切り替え部Iは、放出爪52aによって持ち上げられた用紙束P1に搬送力を付与する用紙束搬送機構35、用紙束P1をターンさせる放出ローラ56、及び、用紙束P1をターンさせるためのガイドを行う用紙束分岐ガイド部材44等から構成されている。
【0054】
ここで、用紙束搬送路切り替え部Iの各部材の構成を説明する。用紙束搬送機構35の用紙束搬送ローラ36には用紙束搬送駆動軸37の駆動力が用紙束搬送タイミングベルトによって伝達される構成となっている。そして、用紙束搬送ローラ36と用紙束搬送駆動軸37とはアームによって連結支持され、用紙束搬送駆動軸37を回動支点として回動可能となっている。用紙束搬送機構35の用紙束搬送ローラ36の揺動駆動は用紙束搬送部材揺動カム40によって行われ、用紙束搬送部材揺動カム40は不図示のモータを駆動することで揺動軸を中心に揺動する。
【0055】
用紙束搬送機構35では、用紙束搬送ローラ36の対向する位置には用紙束搬送従動ローラ42が配置されている。用紙束搬送従動ローラ42は弾性部材によって用紙束搬送ローラ36に対して加圧されており、用紙束搬送従動ローラ42と用紙束搬送ローラ36とによって用紙束P1を挟み、用紙束搬送ローラ36を図2中の時計回り方向に回転駆動することで用紙束P1に搬送力を与えている。
【0056】
用紙束分岐ガイド部材44は、分岐ガイド軸44aを中心に回動可能に支持されており、図3に示す用紙束分岐ガイド駆動モータ161から駆動が伝達されることで、分岐ガイド軸44aを中心に回動する。用紙束分岐ガイド部材44の表面のうち、上側の表面は上部ガイド面44bであり、放出ローラ56に対向する下側の表面は下部ガイド面44cである。
【0057】
綴じ処理トレイ部Fから中綴じ・中折り処理部Gへ用紙束P1を搬送する場合には、放出爪52aによって持ち上げられた用紙束P1を放出ベルト52の上端部でターンさせ、下方に向けて搬送する。このように用紙束P1を下方に向けてターンさせる搬送路は、放出ローラ56の上側の表面と用紙束分岐ガイド部材44の下部ガイド面44cとの間に形成される。
【0058】
綴じ処理トレイ部Fからシフトトレイ202へ用紙束P1を搬送する場合には、用紙束分岐ガイド部材44が分岐ガイド軸44aを中心に図2中の時計回り方向に回動し、用紙束分岐ガイド部材44の上部ガイド面44bと、上部ガイド面44b面と対向するガイド板との間の空間が搬送路として機能する。
【0059】
綴じ処理トレイ部Fから中綴じ・中折り処理部Gへ用紙束P1を送る場合、綴じ処理トレイ部Fで整合された用紙束P1の後端を放出爪52aで押し上げ、用紙束搬送機構35の用紙束搬送ローラ36と用紙束搬送従動ローラ42との間で用紙束P1を挟み、搬送力を与える。このとき、放出爪52aに押し上げられた用紙束P1の先端が用紙束搬送ローラ36と用紙束搬送従動ローラ42とが用紙束P1を挟む位置を通過するタイミングでは、用紙束搬送ローラ36は用紙束P1の先端にぶつからないような位置で待機している。
【0060】
用紙束搬送ローラ36と用紙束搬送従動ローラ42とが用紙束P1を挟む位置を用紙束P1の先端が通過すると、用紙束搬送ローラ36を用紙束P1の表面に接触させ、用紙束搬送ローラ36の回転による搬送力を用紙束P1に付与する。用紙束搬送ローラ36によって搬送力が付与された用紙束P1は、放出ローラ56の上側の表面と用紙束分岐ガイド部材44の下部ガイド面44cとの間に形成されるターン搬送路を通過し、中綴じ・中折り処理部Gへと搬送される。
【0061】
中綴じ・中折り処理部Gは、図2に示すように、用紙束搬送路切り替え部Iの用紙搬送方向下流側に設けられている。中綴じ・中折り処理部Gは、用紙束搬送路切り替え部Iから搬送されてきた用紙束P1の搬送路がほぼ鉛直になるように形成されており、その鉛直方向の搬送路の中央部に折りプレート74等からなる中折り機構が配置されている。また、中折り機構の上方には中綴じ部上方紙束搬送ガイド板92が配置されており、中折り機構の下方には中綴じ部下方紙束搬送ガイド板91が配置されている。
【0062】
中綴じ部上方紙束搬送ガイド板92の上部には中綴じ部上方紙束搬送ローラ対71が配置されており、中綴じ部上方紙束搬送ガイド板92の下部には中綴じ部下方紙束搬送ローラ対72が配置されている。また、中綴じ部上方紙束搬送ローラ対71と中綴じ部下方紙束搬送ローラ対72との間を跨ぐように中綴じ部上方紙束搬送ガイド板92の用紙幅方向の両側面に沿って中綴じ部上方ジョガーフェンス250aが配置されている。同様に、中綴じ部下方紙束搬送ガイド板91の用紙幅方向の両側面に沿って中綴じ部下方ジョガーフェンス250bが配置されている。
【0063】
そして、この中綴じ部下方ジョガーフェンス250bが設置されている箇所に中綴じステイプラS2が配置されている。
【0064】
中綴じ部上方ジョガーフェンス250a及び中綴じ部下方ジョガーフェンス250bは、不図示の駆動機構によって駆動され、中綴じ・中折り処理部G内の用紙束P1に対する用紙幅方向の整合動作を行う。中綴じステイプラS2は、中綴じ部下方紙束搬送ガイド板91によって形成される搬送路を挟んでクリンチャ部とドライバ部とが対になるように配置されており、クリンチャ部とドライバ部との対が用紙幅方向に所定の間隔をおいて二対設けられている。
【0065】
また、中綴じ部下方紙束搬送ガイド板91を横切るように中綴じ部可動前端フェンス73が配置されている。中綴じ部可動前端フェンス73は、不図示の駆動源によって駆動する前端フェンスタイミングベルト73aを備えた駆動機構によって用紙搬送方向(図2中の上下方向)に移動可能となっている。
【0066】
中綴じ部可動前端フェンス73の駆動機構は図2に示すように前端フェンスタイミングベルト73aが掛け渡された駆動プーリ及び従動プーリと、駆動プーリを駆動する不図示の駆動源であるステッピングモータとにより構成されている。また、前端フェンスタイミングベルト73aの下端部には、中綴じ部可動前端フェンス73のホームポジションを検出する前端フェンスHPセンサ322が配置されている。
【0067】
中綴じ部上方紙束搬送ガイド板92の上端側には、後端叩き爪251と、その駆動機構が設けられている。後端叩き爪251は、不図示の駆動源によって駆動する後端叩き爪タイミングベルト252を備えた駆動機構によって、中綴じ・中折り処理部Gにスタックされた用紙束P1の後端に突き当たる方向と、この用紙束P1の後端から離れる方向とに往復移動可能となっている。
【0068】
図2では、後端叩き爪タイミングベルト252の上端側の一部のみを示しているが、後端叩き爪タイミングベルト252は他のタイミングベルトと同様にループ状の無端ベルトである。また、図2に示すように、後端叩き爪タイミングベルト252の上端部の内側には後端叩き爪HPセンサ326が配置されており、後端叩き爪251のホームポジションを検出する。後端叩き爪251は図2中の二点鎖線で示す位置がホームポジションであり、用紙束P1が、綴じ処理トレイ部Fから中綴じ・中折り処理部Gへと搬送されるタイミングでは、後端叩き爪251の位置はホームポジションとなる。その後、中綴じ・中折り処理部G内に搬送された用紙束P1の前端が、中綴じ部可動前端フェンス73に突き当たった後に、後端叩き爪タイミングベルト252を駆動し、後端叩き爪251を用紙束P1の後端に突き当て、用紙束P1の用紙搬送方向の整合を行う。
【0069】
中折り機構は、中綴じ・中折り処理部Gのほぼ中央部に設けられ、折りプレート74及び折りローラ対81と、中折りされた用紙束P1を搬送する中折り後搬送路Hとからなっている。中折り後搬送路Hには、中折りされた用紙束P1の通過を検出するための下排紙用紙検知センサ323が配置されており、折りプレート74の上方には、用紙束P1が中折り位置に到達したことを検知する折り部到達センサ321が配置されている。
【0070】
後処理装置200は、中折り後搬送路Hを通過して下トレイ203に排出された用紙束P1の積層高さを検出するための高さ検出レバー501を備えている。高さ検出レバー501はレバー支点501aを揺動中心として揺動自在に配置されており、高さ検出レバー501の角度の変化を下トレイ紙面センサ505によって検出し、この検出結果に基づいて下トレイ203の昇降動作の制御、及びオーバーフローの検出を行っている。
【0071】
図7は綴じ処理トレイ部Fにスタックされた用紙に端面綴じステイプラS1で綴じ処理を行う状態を示したものである。
【0072】
図7(a)に示すように、後端基準フェンス51aのスタック面Aとスタック面B、及び、後端基準フェンス51bのスタック面Cのうち少なくとも2箇所のスタック面に用紙後端を接触させて綴じ処理トレイ部Fに用紙束P1がスタックされる。そして、このように綴じ処理トレイ部Fにスタックされた用紙束P1は、図7(b)に示すように、用紙端部の所定の綴じ位置である用紙束P1の後端右側の角部分に移動させた端面綴じステイプラS1によって、用紙束P1の後端右側の角部分にステイプル針20が打ち込まれ綴じられる。
【0073】
[構成例1]
図8に示すように、後端押さえレバー110は、後端基準フェンス51に収容された用紙束P1の後端を押さえることができるように後端基準フェンス51の下端部に対向する位置に配置されており、図8中の矢印Qで示すように綴じ処理トレイ部Fの載置面に対してほぼ垂直な方向に往復移動することができる。
【0074】
また、図9に示すように、用紙幅方向に3つの後端押さえレバー110a,110b,110cが設けられており、これら後端押さえレバー110a,110b,110は、図10に示すようにモータ120からベルト121等を介して伝達された駆動力によって用紙後端を押圧する動作を行う。なお、用紙後端を押圧する動作を行わせる際に後端押されレバー110を駆動させる駆動手段としては、本構成例のようなモータ120やベルト121を用いた構成以外でもよい。
【0075】
用紙後端の用紙幅方向にカールが生じているような場合には、図8に示すように用紙が積載される。このとき、用紙後端のカール部分と後端押さえレバー110による用紙後端の押圧位置とが一致していれば、カールが矯正された状態で端面綴じステイプラS1により用紙束P1の用紙後端を綴じることができる。ところが、用紙のサイズによっては用紙後端のカール部と後端押さえレバー110による用紙の押圧位置とが異なってしまい、後端押さえレバー110で用紙後端を押さえつけてもカールが充分に矯正されず、端面綴じステイプラS1によって綴じ処理が行われた用紙の綴じ位置にばらつきが発生してしまう。特に、後端押さえレバー110によってカールを瞬時に押しつぶして端面綴じステイプラS1により用紙後端をステイプルすると、綴じ処理が行われた用紙の綴じ位置のばらつきが発生し易くなる。
【0076】
そこで、本実施形態においては、図9や図10に示すように、後端押さえレバー110b,110cを用紙幅方向(主走査方向)へ移動可能に構成している。
【0077】
図11に示すように、後端押さえレバー110bが設けられた駆動ブラケットBk1のラックR1と、後端押さえレバー110cが設けられた駆動ブラケットBk2のラックR2とが、駆動源であるモータM1の軸に取り付けられたギヤP1と噛み合っており、モータM1によりギヤP1を回転させることでラックR1とラックR2とにより駆動ブラケットBk1と駆動ブラケットBk2とを水平方向へ移動させる。
【0078】
後端押さえレバー110bと後端押さえレバー110cとは、後端押さえレバー110aと共に用紙後端部を押圧後、用紙後端部を押圧した状態のまま、モータM1によりギヤP1を回転させてラックR1やラックR2を介して図1に示すように用紙幅方向中央部側から端部側に互いに離間する方向へ移動させる。また、後端押さえレバー110aは、後端押さえレバー110bや後端押さえレバー110cとは異なり、用紙幅方向に移動させない。
【0079】
用紙束P1の後端基準フェンス近傍で用紙幅方向中央部の用紙上面を後端押さえレバー110a,110b,110cによって押圧し、用紙束P1を押圧しながら用紙幅方向で中央部側から一端側と他端側それぞれに後端押さえレバー110b,110cが移動することで、用紙束P1の後端基準フェンス近傍に生じた用紙後端のカールが用紙幅方向にわたって押し広げられ用紙を伸ばすことができる。これにより、用紙束P1の後端基準フェンス近傍の用紙後端のカールが用紙幅方向にわたって低減されるので、端面綴じステイプラS1により用紙束P1の後端基準フェンス近傍を綴じた際に、綴じ処理が行われた用紙束P1の各用紙の綴じ位置のばらつきを小さくすることができる。よって、綴じられた用紙束P1の用紙後端の良好な揃え精度を得ることができる。
【0080】
また、後端押さえレバー110a,110b,110cの用紙側先端には、自転可能(回転可能)に保持されたコロ111が設けられており、後端押さえレバー110a,110b,110cで用紙後端部を押圧する際に用紙にコロ111を接触させて押さえつけることで、用紙後端部を押圧した状態のまま後端押さえレバー110b,110cを用紙幅方向に移動させたときに用紙表面上でコロ111が転がり、用紙表面に押圧痕がつくのを抑制することができる。
【0081】
なお、本構成例においては、後端押さえレバー110を用紙幅方向に3つ設けているが、後端押さえレバー110の数はこれに限るものではなく、少なくとも2つ以上あれば良い。また、後端押さえレバー110の形状も本構成例のものに限定されるものではない。
【0082】
[構成例2]
図12は本構成例に係る綴じ処理トレイ部Fを積載面側から見た模式図である。図13、図14は図12に示した綴じ処理トレイ部Fを用紙幅方向左側(主走査方向左側)から見た図であり、図13は底板SI1が上昇位置にあり、図14は底板SI1が下降位置にある状態を示している。
【0083】
本構成例においては、図13や図14に示すように後端押さえレバー110が勘合されている底板SI1はベルトBl1に勘合されており、モータM2によってベルトBl1を図中反時計回りに回転させることにより底板SI1が下降し、ベルトBl1を図中時計回りに回転させることで底板SI1が上昇する。
【0084】
そして、後端押さえレバー110を用紙幅方向へ移動させる際に、モータM1とモータM2とを動作させることで、図12に示すように、後端押さえレバー110aを下方向へ移動させ、後端押さえレバー110b,110cを斜め下方向へ移動させることができる。本構成例では、反射型光学センサであるカール検知センサSe1,Se2で用紙後端のカール量を検知し、そのカール量が予め設定された所定量よりも大きい場合に、後端押さえレバー110b,110cを用紙幅方向へ移動させる際、斜め下方向へ移動させる。
【0085】
用紙束P1の後端基準フェンス近傍で用紙幅方向中央部の用紙上面を後端押さえレバー110a,110b,110cによって押圧し、後端押さえレバー110bと後端押さえレバー110cとが、用紙後端部を押さえつつ用紙幅方向の中央部側から端部側に向けて斜め下方向に互いが離れるように移動することで、用紙束P1の後端基準フェンス近傍に生じた用紙後端のカールが用紙幅方向にわたって押し広げられ用紙を伸ばすことができる。これにより、用紙束P1の後端基準フェンス近傍の用紙後端のカールが用紙幅方向にわたって低減されるので、端面綴じステイプラS1により用紙束P1の後端基準フェンス近傍を綴じた際に、綴じ処理が行われた用紙束P1の各用紙の綴じ位置のばらつきを小さくすることができる。よって、綴じられた用紙束P1の用紙後端の良好な揃え精度を得ることができる。さらに、端面綴じステイプラS1で用紙束P1の後端右側の角部分を綴じる場合、端面綴じステイプラS1によって綴じられる用紙束P1の綴じ位置近傍すなわち前記角部分の近傍を後端押さえレバー110bで押圧することができるので、綴じ位置のカールをより低減させることができる。したがって、用紙後端のカール量が予め設定された所定量よりも大きい場合であっても、綴じ処理が行われた用紙束P1の各用紙の綴じ位置のばらつきを小さくすることができ、綴じられた用紙束P1の用紙後端の良好な揃え精度を得ることができる。
【0086】
図15は本構成例における綴じ処理動作の制御フロー図である。
綴じ処理受け渡しローラ対11によって綴じ処理トレイ部Fに用紙Pを搬送する(S1)。綴じ処理トレイ部Fに搬送された用紙に対してジョガーフェンス53による整合処理を行う(S2)。綴じ処理トレイ部Fに所定枚数の用紙Pの排出が完了したら(S3でYes)、カール検知センサSe1,Se2によって用紙Pのカール量を検知する(S4)。カール量が予め設定された所定量よりも小さい場合には(S5でYes)、用紙束P1の後端基準フェンス近傍で用紙幅方向中央部の用紙上面を後端押さえレバー110a,110b,110cによって押圧し、用紙束P1を押圧しながら用紙幅方向で中央部側から一端側と他端側それぞれに後端押さえレバー110b,110cを用紙幅方向に水平移動させ(S6)、その後、端面綴じステイプラS1により用紙束P1に対してステイプル処理を行う(S8)。一方、カール量が予め設定された所定量よりも大きい場合には(S5でNo)、用紙束P1の後端基準フェンス近傍で用紙幅方向中央部の用紙上面を後端押さえレバー110a,110b,110cによって押圧し、後端押さえレバー110bと後端押さえレバー110cとを、用紙後端部を押さえつつ用紙幅方向の中央部側から端部側に向けて斜め下方向に互いが離れるように移動(S7)、その後、端面綴じステイプラS1によりステイプル処理を行う(S8)。ステイプル処理を行った後、後端押さえレバー110a,110b,110cを用紙束P1から離間させて退避させ(S9)、放出ベルト52により綴じ処理トレイ部Fから用紙束P1をシフトトレイ202に排出して(S10)、一連の制御を終了する。
【0087】
以上、本実施形態によれば、用紙である用紙Pを搬送する用紙搬送手段である綴じ処理受け渡しローラ対11と、綴じ処理受け渡しローラ対11によって搬送された用紙を積載面上に複数枚重ねて用紙束P1として積載する積載トレイであるステイプルトレイ50と、ステイプルトレイ50に積載された用紙の用紙搬送方向の後端を突き当てて用紙の整合を行う整合部材である後端基準フェンス51と、前記積載面に対向させて設けられ用紙束P1の厚み方向に移動可能であり、用紙束P1の後端基準フェンス近傍の用紙上面を押圧する押圧部材である後端押さえレバー110と、用紙束P1の後端基準フェンス近傍に綴じ処理を行う綴じ手段である端面綴じステイプラS1とを備えた用紙処理装置である後処理装置200において、後端押さえレバー110が少なくとも2つ設けられており、各後端押さえレバー110b,110cが用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向に移動可能であり、用紙束P1の後端基準フェンス近傍で用紙幅方向中央部の用紙上面を各後端押さえレバー110b,110cによって押圧し、用紙束P1を押圧しながら用紙幅方向で中央部側から一端側と他端側それぞれに各後端押さえレバー110b,110cが移動することで、用紙束P1の後端基準フェンス近傍に生じた用紙後端のカールが用紙幅方向にわたって押し広げられ用紙を伸ばすことができる。これにより、用紙束P1の後端基準フェンス近傍の用紙後端のカールが用紙幅方向にわたって低減されるので、端面綴じステイプラS1により用紙束P1の後端基準フェンス近傍を綴じた際に、綴じ処理が行われた用紙束P1の各用紙の綴じ位置のばらつきを小さくすることができる。よって、綴じられた用紙束P1の用紙後端の良好な揃え精度を得ることができる。
また、本実施形態によれば、後端押さえレバー110は用紙搬送方向と直交する方向に対して水平移動することで、用紙を幅方向に伸ばすことができる。
また、本実施形態によれば、後端押さえレバー110b,110cは用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向に対して後端基準フェンス51側に徐々に近づきながら斜め方向に移動することで、端面綴じステイプラS1で用紙束P1の後端右側の角部分を綴じる場合、用紙後端のカールを用紙幅方向に伸ばすことができるとともに、端面綴じステイプラS1によって綴じられる用紙後端の綴じ位置近傍すなわち前記角部分の近傍を後端押さえレバー110で押圧することができ、綴じ位置のカールをより低減させることができる。
また、本実施形態によれば、綴じ処理トレイ部Fに積載された用紙のカール量を検知するカール量検知手段であるカール検知センサSe1,Se2を有しており、カール検知センサSe1,Se2により検知された用紙のカール量が予め設定された所定量よりも大きい場合に、後端押さえレバー110を用紙搬送方向と直交する方向に対して斜め方向に移動させることで、用紙に生じたカールが予め設定された所定量よりも大きい場合でも綴じ位置近傍のカールを充分に矯正することができ良好な揃え精度を得ることができる。
また、本実施形態によれば、後端押さえレバー110の用紙と接する側の先端部に回転可能(自転可能)なコロ111を設けたことで、後端押さえレバー110a,110b,110cで用紙後端部を押圧する際に用紙にコロ111を接触させて押さえつけることで、用紙後端部を押圧した状態のまま後端押さえレバー110b,110cを用紙幅方向に移動させたときに用紙表面でコロ111が転がり、用紙表面に押圧痕がつくのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、用紙搬送方向中央にも押圧部材である後端押さえレバー110aが設けられており、その後端押さえレバー110aの少なくとも用紙搬送方向の位置を固定したことで、後端押さえレバー110aで用紙幅方向中央部を押さえるとともに、後端押さえレバー110b,110cが用紙幅方向中央部側から端部側に向けて用紙のカールを押し広げていき用紙が幅方向に伸ばされ、後端押さえ時のカールを矯正すると共に、後端押さえレバー110によって用紙の膨らみが矯正され良好な揃え精度が得られる。
また、本実施形態によれば、用紙P上に画像を形成する画像形成手段である画像形成部300と、画像形成部300によって画像形成された用紙Pに対して所定の処理を施す用紙処理手段とを備えた画像形成装置600において、前記用紙処理手段として、本発明の用紙処理装置である後処理装置200を用いたことにより、画像形成がなされた用紙に対して良好な綴じ処理を施すことができる。
【符号の説明】
【0088】
1 入口ローラ対
2 分岐前搬送ローラ対
3 第一排出搬送路内搬送ローラ対
4 第一排紙ローラ対
5 第二排出搬送路内搬送ローラ対
6 第二排紙ローラ対
7 綴じ処理搬送路第一ローラ対
8 ターンガイド
9 綴じ処理搬送路第二ローラ対
10 綴じ処理搬送路第三ローラ対
11 綴じ処理受け渡しローラ対
12 叩きコロ
12a 支点
13 戻しコロ
15 第一分岐爪
16 第二分岐爪
17 用紙ガイド爪
20 ステイプル針
35 用紙束搬送機構
36 用紙束搬送ローラ
37 用紙束搬送駆動軸
40 用紙束搬送部材揺動カム
42 用紙束搬送従動ローラ
44a 分岐ガイド軸
44b 上部ガイド面
44c 下部ガイド面
50 ステイプルトレイ
51 後端基準フェンス
52 放出ベルト
52a 放出爪
53 ジョガーフェンス
53a 手前側ジョガーフェンス
53b 奥側ジョガーフェンス
56 放出ローラ
62 プーリ
64a 前側板
64b 後側板
71 中綴じ部上方紙束搬送ローラ対
72 中綴じ部下方紙束搬送ローラ対
73 中綴じ部可動前端フェンス
73a 前端フェンスタイミングベルト
74 折りプレート
81 折りローラ対
83 下排紙ローラ対
91 中綴じ部下方紙束搬送ガイド板
92 中綴じ部上方紙束搬送ガイド板
100 パンチユニット
101 ホッパ
110 後端押さえレバー
111 コロ
120 モータ
121 ベルト
157 放出モータ
158 ジョガーモータ
158a 手前側ジョガーモータ
158b 奥側ジョガーモータ
159 ステイプラ移動モータ
160 タイミングベルト
160a 手前側タイミングベルト
160b 奥側タイミングベルト
161 用紙束分岐ガイド駆動モータ
170 ソレノイド
200 後処理装置
201 上トレイ
202 シフトトレイ
203 下トレイ
250a 中綴じ部上方ジョガーフェンス
250b 中綴じ部下方ジョガーフェンス
251 後端叩き爪
252 爪タイミングベルト
300 画像形成部
301 入口センサ
302 第一排出用紙検知センサ
303 第二排出用紙検知センサ
304 プレスタックセンサ
305 カーブ入口用紙検知センサ
310 トレイ部用紙検知センサ
311 放出ベルトHPセンサ
312 ステイプラ移動HPセンサ
321 折り部到達センサ
322 前端フェンスHPセンサ
323 下排紙用紙検知センサ
326 後端叩き爪HPセンサ
330 シフトトレイ紙面検知センサ
501 検出レバー
501a レバー支点
505 下トレイ紙面センサ
600 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【特許文献1】特開平11−130338号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙搬送手段によって搬送された用紙を積載面上に複数枚重ねて用紙束として積載する積載トレイと、
前記積載トレイに積載された用紙の用紙搬送方向の後端を突き当てて用紙の整合を行う整合部材と、
前記積載面に対向させて設けられ前記用紙束の厚み方向に移動可能であり、前記用紙束の整合部材近傍の用紙上面を押圧する押圧部材と、
前記用紙束の整合部材近傍に綴じ処理を行う綴じ手段とを備えた用紙処理装置において、
前記押圧部材が少なくとも2つ設けられており、各押圧部材が用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向に移動可能であり、
前記用紙束の整合部材近傍で用紙幅方向中央部の用紙上面を各押圧部材によって押圧し、前記用紙束を押圧しながら用紙幅方向で中央部側から一端側と他端側それぞれに各押圧部材が移動することを特徴とする用紙処理装置。
【請求項2】
請求項1の用紙処理装置において、
上記押圧部材は用紙搬送方向と直交する方向に対して水平移動することを特徴とする用紙処理装置。
【請求項3】
請求項1の用紙処理装置において、
上記押圧部材は用紙搬送方向と直交する方向に対して上記整合部材側に徐々に近づきながら斜め方向に移動することを特徴とする用紙処理装置。
【請求項4】
請求項3の用紙処理装置において、
上記積載トレイに積載された用紙のカール量を検知するカール量検知手段を有しており、
前記カール量検知手段により検知された用紙のカール量が予め設定された所定量よりも大きい場合に、上記押圧部材を用紙搬送方向と直交する方向に対して斜め方向に移動させることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の用紙処理装置において、
上記押圧部材の用紙と接する側の先端部に回転可能なコロ部材を設けたことを特徴とする用紙処理装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の用紙処理装置において、
少なくとも用紙幅方向の位置が固定され上記用紙束の用紙搬送方向中央部を押圧する上記押圧部材をさらに設けたことを特徴とする用紙処理装置。
【請求項7】
用紙上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像形成された用紙に対して所定の処理を施す用紙処理手段とを備えた画像形成装置において、
前記用紙処理手段として、請求項1、2、3、4、5または6の用紙処理装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−218900(P2012−218900A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87277(P2011−87277)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】