説明

用紙整合装置、およびこれを備えた画像形成装置

【課題】スプリング付勢による軸方向可動のループローラの構成において、用紙に与えるダメージを軽減できる用紙整合装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙搬送路の下流側の第1ローラ対12と、第1ローラ対の上流側の第2ローラ対13と、第1ローラ対を用紙搬送方向と直交方向に移動させる第1ローラ対横移動機構と、用紙の横方向のズレ量を検知する検知手段SSと、検知したズレ量に基づいて第1ローラ対横移動機構を制御する制御手段と、第2ローラ対を用紙搬送方向と直交方向に移動可能に保持するとともに用紙が無い状態では初期位置に復帰するよう付勢する付勢部材33、34を有し、用紙が第1ローラ対の横移動により横移動するにつれて用紙を挟持した状態で第2ローラ対を横移動させる第2ローラ対横移動機構と、第2ローラ対の直後に設けられ、搬送される用紙に負荷を与える負荷付与部材14と、を有する用紙整合装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機等の画像形成装置において用紙を正確に搬送するための用紙整合装置、およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の画像形成装置においては、用紙を画像と合わせて搬送するタイミング、搬送方向と直行する方向の位置、及び用紙斜行に関して、正確に制御して搬送することが要求されるが、搬送する用紙の種類や性質が様々であることや、搬送における温湿度等の環境も様々であるために、搬送のズレが生ずることが避けられない。
【0003】
搬送ズレの補正は、感光体などに形成される画像と用紙とを合わせる為の搬送方向の整合(以下、縦整合という)、用紙搬送方向と直行する方向のズレを補正する整合(以下、横整合という)、および搬送途上での用紙の斜行の整合(スキュー補正等とも言われるが、以下、斜行整合という)があり、これら搬送ズレを補正する技術が種々提案されている。
【0004】
縦整合と斜行整合については、レジストローラとループローラの組み合わせで補正する技術がよく知られている。すなわち、一旦停止させたレジストローラのニップ部に用紙先端を突き当て、ループローラの駆動でレジストローラとループローラの間に用紙のループを形成してから、所定のタイミングでレジストローラを駆動させる技術である。レジストローラの駆動は、画像と同期したタイミングで行われるので、用紙と画像の縦整合が達成される。
【0005】
また、停止しているレジストローラのニップ部に用紙先端を突き当てることにより、用紙先端の斜行が補正され、この状態からレジストローラを駆動すると用紙先端は斜行を補正されて前進する。用紙の後端部に残る斜行は用紙のループによって吸収される。これによって斜行整合が達成される。
【0006】
特許文献1は、上記のレジストローラの手前に配置したストッパとループローラによる縦整合と斜行整合を開示しており、これに加え、横整合を行う構成を示している。横整合は、レジストローラを用紙搬送方向と直行する方向(横方向)にスライド可能に保持し、横方向の用紙のズレ量に応じて、レジストローラを用紙を挟んだまま横方向に移動させることにより行われる。このとき、用紙の横方向移動によって用紙にねじれが生じるので、用紙にダメージを与えないようにループローラのニップを解除する構成としている。
【0007】
特許文献2は、同様に上記のレジストローラとストッパとループローラによる縦整合と斜行整合に加え、レジストローラとループローラとを横方向に移動可能にする構成により横整合を行うことを開示している。
【0008】
レジストローラの横移動は、レジストローラの軸をラックとピニオンによって横移動させるものであり、ループローラも同様にラックとピニオンによって全体的に横移動させる実施例と、ループローラを軸上で横移動可能な複数ローラで構成し、この複数ローラをスプリングで付勢する実施例を開示している。複数ローラの実施例は、レジストローラで挟持されて搬送される用紙の横方向のシフトにつれて複数ローラもスプリングの付勢に抗して横にシフトするものである。特許文献2は、上記の構成により用紙の横移動により生じるねじれを解消するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3−94274号公報
【特許文献2】特開平5−124752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1のループローラのニップ解除機構は、解除を行うために一方のローラを可動に保持する構成と、この可動ローラをニップ解除の方向に移動させるソレノイドなどの電気的駆動部材が必要であり、また、ループローラは用紙搬送を担うローラであるのでそのニップ解除の機構には高精度が要求され、そのために構成が複雑で、コスト高となる欠点がある。
【0011】
一方、特許文献2のループローラをスプリング付勢して軸方向に可動とした構成は、部品点数も少なく電気的駆動部材も不要な構成であるが、用紙後端がループローラを抜ける際、用紙につられて一方に偏奇していたローラがスプリングの付勢力で戻ろうとし、用紙後端にダメージを与える場合がある。
【0012】
本発明は、特許文献2のスプリング付勢による軸方向可動のループローラの構成を改良し、用紙に与えるダメージを軽減できる用紙整合装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.用紙供給部下流の用紙搬送路に配置される用紙整合装置であって、
前記用紙搬送路の下流側に配置される第1ローラ対と、
前記第1ローラ対の上流側の前記用紙搬送路に配置される第2ローラ対と、
前記第1ローラ対を用紙搬送方向と直交方向に移動させる第1ローラ対横移動機構と、
前記用紙搬送路に配置され、用紙の横方向のズレ量を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知したズレ量に基づいて前記第1ローラ対横移動機構を制御して前記第1ローラ対を横移動させる制御手段と、
前記第2ローラ対を用紙搬送方向と直交方向に移動可能に保持するとともに用紙が無い状態では初期位置に復帰するよう付勢する付勢部材を有し、用紙が前記第1ローラ対の横移動により横移動するにつれて用紙を挟持した状態で前記第2ローラ対を横移動させる第2ローラ対横移動機構と、
前記第1ローラ対と前記第2ローラ対の間の用紙搬送路上で前記第2ローラ対の直後に設けられ、搬送される用紙に負荷を与え、用紙後端が前記第2ローラ対から抜け出る際の前記第2ローラ対の復帰により用紙に与えるダメージを軽減する負荷付与部材と、を有することを特徴とする用紙整合装置。
【0014】
また、本発明は、以下の態様とすることでさらに良好な効果を発揮できる。
2.前記負荷付与部材は、自由に回転可能な球状ローラであることを特徴とする前記1に記載の用紙整合装置。
3.前記負荷付与部材は、用紙上に載る作動位置と、用紙から退避する退避位置に移動可能に設けられ、前記制御手段は、前記検知手段により検知されたズレ量に基づき、ズレ量が所定量以下の場合は、前記負荷付与部材を用紙から退避させるように制御することを特徴とする前記1または2に記載の用紙整合装置。
4.前記負荷付与部材は、用紙上に載る作動位置と、用紙から退避する退避位置に移動可能に設けられ、前記制御手段は、供給される用紙の紙種に応じて前記負荷付与部材を作動位置と退避位置のいずれかに位置づけるよう制御することを特徴とする前記1または2に記載の用紙整合装置。
5.前記第2ローラ対横移動機構は、前記第2ローラ対を軸上で軸方向に可動に保持するとともに、前記軸に付設した前記付勢部材により前記第2ローラ対を両側から付勢することを特徴とする前記1から4のいずれかに記載の用紙整合装置。
6.前記付勢部材が、前記第2ローラ対の端部と前記軸に固定された鍔部との間に設けられたコイルバネであることを特徴とする前記5に記載の用紙整合装置。
7.前記第2ローラ対横移動機構は、前記第2ローラ対を軸と一体的に軸方向に可動に保持するとともに、前記軸を前記付勢部材により両側から付勢することを特徴とする前記1から4のいずれかに記載の用紙整合装置。
8.前記付勢部材が、前記軸を軸方向に可動に保持する装置本体の側板と前記軸に固定された鍔部との間に設けられたコイルバネであることを特徴とする前記7に記載の用紙整合装置。
9.前記第1ローラ対がレジストローラであり、前記第2ローラ対がループローラであることを特徴とする前記1から8のいずれかに記載の用紙整合装置。
10.前記1から9のいずれかに記載の用紙整合装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
上記の本発明によれば、横整合を行って第2ローラ対から用紙後端が抜ける際にも負荷付与部材が用紙後端を押し付けているので、第2ローラ対の復帰によっても用紙にダメージを与えることが無いという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の概略図。
【図2】スプリング付勢される可動ループローラ技術の問題点を説明する図。
【図3】本発明の用紙整合装置を示す図で、図3(a)が側面断面図、図3(b)が用紙が横ズレした状態を示す上面図。
【図4】本発明の用紙整合装置で用紙を横整合した状態を示す平面図。
【図5】本発明の負荷付与部材の詳細を示す断面図。
【図6】本発明の負荷付与部材の変形例を示す図。
【図7】本発明の負荷付与部材の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を用いて本発明を説明する。図1は、本発明が適用される画像形成装置の概略を示す図である。なお、図1は、電子写真方式の画像形成装置であるが、本発明はその他の方式の画像形成装置にも適用できることは勿論である。さらに、本発明は、画像形成装置の下流に接続されて画像形成された用紙に綴じ、穿孔、製本などの後処理を行う後処理装置にも適用することが可能である。
【0018】
図1において、感光体1は、帯電装置2で一様帯電され、レーザー書込み装置3によって画像が書き込まれて、静電潜像が形成される。感光体1上の静電潜像は、現像装置4でトナー像とされる。このトナー像は、給紙装置5(用紙供給部)から供給される用紙Pに転写装置6で転写され、転写後の用紙Pは、定着装置7でトナー像を定着されて機外に排紙される。トナー像転写後の感光体1は、クリーニング装置8によって清掃される。
【0019】
給紙装置5と転写装置6の間の用紙搬送路に、本発明の用紙整合装置11が配置される。用紙整合装置11は、用紙搬送路の下流側、すなわち転写装置6側にレジストローラ12(第1ローラ対)を、レジストローラ12の上流にループローラ13(第2ローラ対)を有し、両ローラの間でループローラ13の直後に負荷付与部材14が配置されて、搬送される用紙Pの上に乗って用紙に負荷を与えるよう構成されている。
【0020】
レジストローラ12(第1ローラ対)とループローラ13(第2ローラ対)には後述する横移動機構が備えられている。
【0021】
本発明の用紙整合装置を具体的に説明する前に、図2を用いてスプリング付勢される可動ループローラ技術の問題点を説明する。図2は、ループローラ13の部分を拡大して示す図であり、図2(a)のように、ループローラ13のニップ部は、ある程度の面積(領域α)を持って用紙Pを挟持している。
【0022】
図2(a)の状態から用紙Pが抜け出ようとすると(図2(b))、ニップ部で用紙Pを保持する面積が減少していき(領域β)、ついには用紙Pとローラとの摩擦抵抗よりローラを初期位置に復帰させる付勢力のほうが大きくなる。このとき、ローラは初期位置に復帰しようとするが、用紙Pの後端はまだ一部がローラ対に銜えられているので、用紙Pが引っ張られてダメージを受けるのである。本発明は、この点を解決しようとするものである。
【0023】
図3は、本発明の用紙整合装置11を拡大して示す図であり、図3(a)が側面断面図、図3(b)が上面図である。図3は、基準線X−Xから横方向(紙面上方向)にずれた状態で用紙Pが搬送されている状態を示す。また、図4は、用紙を横整合した状態を示す平面図であり、両図を用いて本発明の用紙整合装置11を説明する。
【0024】
図に示すように、レジストローラ12は、その軸21にギヤ22を有しており、ギヤ22は図示しないモータに接続されるギヤ23と噛み合っている。ギヤ22は、レジストローラ12の横移動によっても駆動力が伝達できるように所定の長さを有する。
【0025】
そして、ギヤ22とローラ本体の間の軸上にリング部材24が軸受を介して固定され、リング部材24の一面にラック24aが形成されている。このラック24aには、図示しないモータに接続されるピニオン25が噛み合い、ピニオン25の回転でレジストローラ12を軸方向に横移動させるように構成されている。リング部材24は、レジストローラ12の回転は許容するが、軸方向にはローラ本体を移動させるように構成される。
【0026】
一方、ループローラ13は、複数のローラ体31a、31bが軸32上で軸方向に可動に保持され、コイルバネ33a、34a、およびコイルバネ33b、34bで付勢されている。ローラ体31a、31bは、軸32との間に摺動部材を有しており、この摺動部材により軸32上を軸方向に可動となっている。
【0027】
コイルバネ33a、34a、33b、34bは、軸32に設けられたEリングなどの鍔部35a、36a、35b、36bとローラ体31a、31bとの間に配置される。ループローラ13に負荷がかかっていない状態では、ローラ体31a、31bは、両側のコイルバネの付勢力で中立状態に維持される(初期位置)。
【0028】
図3、図4で、レジルトローラ12の上流には、横ズレ検知センサSSが配置され、用紙Pの横ズレを検知する。このセンサSSは、CCDラインセンサなどを用いることができ、図示しない制御手段に横ズレ量を示す信号を送って用紙Pの横整合を行わせる。
【0029】
負荷付与部材14は、図3、図4でループローラ13の直後の下流の位置で用紙搬送路のほぼ中央に配置される。この負荷付与部材14の詳細構成を図5の断面図を用いて説明する。
【0030】
負荷付与部材14は、ガイド15a、15bにより形成される用紙搬送路を挟んで対向する2つの球状ローラ41a、41bを有しており、夫々の球状ローラ41a、41bは、それぞれ転動体(ボール)の受け角を斜めにした2つの軸受42a、42b、および軸受43a、43bで保持されており、これによって球状ローラ41a、41bは、いずれの方向にも回転自在となっている。
【0031】
軸受42、43は、フォルダ44a、44bに収められ、下側のフォルダ44bは固定されている。一方、上側のフォルダ44aは、遥動可能に保持され、上側の球状ローラ41aを下側の球状ローラ41bに対して接離可能としている。このために、フォルダ44aは、支持ロッド45を介して軸46に固定され、軸46は、用紙搬送路の左右の側板に回動可能に軸支される。
【0032】
軸46の一方の端部には、回動レバー47が設けられ、この回動レバー47にコイルバネ48が接続されて、球状ローラ41aを軸46の周りに反時計方向に付勢している。また、コイルバネ48の反対側にはソレノイド49が接続され、ソレノイド49のオンで球状ローラ41aを時計方向に回動して用紙から離隔させる。
【0033】
このように、球状ローラ41aを接離可能に構成するのは、用紙によって球状ローラで押さえることで別のダメージを与えることを防ぐためである。例えば、横ズレ量は最大で5mmぐらいであるが、横ズレ量が0.5mm以下のような僅少の場合は、ループローラの復帰による用紙へのダメージは実質的に無いので、用紙を球状ローラで押さえる必要は無い。押さえる必要が無いときにあえて球状ローラによる用紙押さえを行うと、用紙に球状ローラの跡が付く場合があり、このような横ズレ量が僅少の場合は、球状ローラを退避させるのである。
【0034】
また、近年の画像形成装置は多種多様の用紙に画像形成するようになってきたが、アート紙のような腰の強い厚紙の場合は、ループローラの復帰によっても用紙のねじれを生じず、かえって球状ローラで押さえることで用紙表面に球状ローラ跡が付くのみであるので、この場合も球状ローラを退避させる。逆に非常に薄い用紙、例えば、坪量45g/m以下の用紙の場合は、球状ローラで押さえた状態でループローラが復帰すると、かえって用紙にダメージを与えてしまう。この場合も球状ローラを退避させて、レジストローラとループローラの間で形成される用紙ループでねじれを吸収させた方がよい。
【0035】
すなわち、本発明の負荷付与部材14は、横ズレ量が僅少の場合や、用紙が特別に厚い、あるいは特別に薄い紙の場合は、退避させて用紙のダメージを防止する。
【0036】
なお、上述した負荷付与部材14を退避させる構成は、精度的には高いものを要求されず、極端な場合、片持ち支持構造で一方を持ち上げるような構成でもよい。
【0037】
以上説明した本発明の用紙整合装置の作用を説明する。
【0038】
用紙搬送路を進んできた用紙Pは、その先端を一旦停止しているレジストローラ12のニップ部に突き当てて停止する。これにより用紙先端がニップ部と整合して先端の傾きが補正される(斜行整合)。このとき、上流のループローラ13はまだ回転を継続しているので、両ローラ間で用紙のループが形成される。
【0039】
その後、感光体1上に形成される画像とのタイミングを取ってレジストローラ12が回転を開始する(縦整合)と、用紙Pの先端は斜行を補正されて進み(斜行整合)、用紙Pがレジストローラ12から所定量進んだ時期に、横ズレ検知センサ41が用紙Pの横ズレ量を検知する。
【0040】
横ズレ検知センサ41の検知した横ズレ量に基づき、図示しないモータで駆動されるピニオン25が回転してレジストローラ12を、横ズレを補正する方向に移動させる。このとき、横方向に移動された用紙Pは、その腰の強さでループローラ13のローラ体31a、31bをコイルバネの付勢力に抗して同一方向に引っ張り、用紙Pの横ズレを補正する(横整合)。
【0041】
負荷付与部材14は、このとき用紙Pの上に乗っており、用紙Pに負荷を与えているが、レジストローラ12、ループローラ13の横方向へ移動する力が強いので、球状ローラが転動して用紙Pの横方向の移動を妨げることはない。
【0042】
用紙Pがさらに進み、その後端がループローラ13を抜けるタイミング(図2(b)の状態)になると、コイルバネの付勢力が用紙Pの腰の強さに打ち勝ってローラ体31a、31bを初期位置に復帰させる。このとき、用紙Pの後端は、負荷付与部材14が押し付けられていることにより、ローラ体31a、31bの復帰によっても無理に引っ張られることなく、ループローラ13から抜け出る。これによって、用紙Pへのダメージが回避・軽減される。
【0043】
なお、前記したように、横ズレ量が僅少の場合や紙厚が特別に厚い、または特別に薄い場合は、負荷付与部材14は退避させられる。
【0044】
図6、図7は、負荷付与部材の変形例を示す概略図である。
【0045】
図5の例では、負荷付与部材を回動自在な球状ローラとしたが、図6の変形例は回動しない半球形の突起51a、51bで構成している。このような突起であっても、用紙との接触面積が小さく摩擦抵抗が小さければ用紙にダメージを与えないので、採用することができる。なお、上側の突起51aを接離させる構成は省略して記載しているが、図5と同様の構成を用いることができる。
【0046】
図7の変形例は、上側の負荷付与部材を回動自在な球状ローラ61とし、下側はガイド15bと同一平面の平坦な摺動部材62とした例である。摺動部材62は摩擦係数が低い材料で構成され、用紙の搬送にも支障をきたさないようにする。
【0047】
さて、以上の説明では、用紙整合装置がレジストローラとループローラと負荷付与部材で構成され、用紙の縦整合、横整合、斜行整合を行うとともに、横整合時に用紙に与えるダメージを軽減する実施例で説明してきたが、本発明の要旨は、横整合時の用紙に与えるダメージを軽減する構成にあり、従って、縦整合、および斜行整合を別の部材で実施することも可能である。例えば、本発明の用紙整合装置の上流、あるいは下流にレジストローラとループローラからなる縦整合と斜行整合を行う構成を設けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 感光体
11 用紙整合装置
12 レジストローラ(第1ローラ対)
13 ループローラ(第2ローラ対)
14 負荷付与部材
24 リング部材
24a ラック
31a、31b ローラ体
33a、34a、33b、34b コイルバネ
41a、41b 球状ローラ
48 コイルバネ
49 ソレノイド
51a、51b 半球形の突起
61 球状ローラ
62 摺動部材
SS 横ズレ検知センサSS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙供給部下流の用紙搬送路に配置される用紙整合装置であって、
前記用紙搬送路の下流側に配置される第1ローラ対と、
前記第1ローラ対の上流側の前記用紙搬送路に配置される第2ローラ対と、
前記第1ローラ対を用紙搬送方向と直交方向に移動させる第1ローラ対横移動機構と、
前記用紙搬送路に配置され、用紙の横方向のズレ量を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知したズレ量に基づいて前記第1ローラ対横移動機構を制御して前記第1ローラ対を横移動させる制御手段と、
前記第2ローラ対を用紙搬送方向と直交方向に移動可能に保持するとともに用紙が無い状態では初期位置に復帰するよう付勢する付勢部材を有し、用紙が前記第1ローラ対の横移動により横移動するにつれて用紙を挟持した状態で前記第2ローラ対を横移動させる第2ローラ対横移動機構と、
前記第1ローラ対と前記第2ローラ対の間の用紙搬送路上で前記第2ローラ対の直後に設けられ、搬送される用紙に負荷を与え、用紙後端が前記第2ローラ対から抜け出る際の前記第2ローラ対の復帰により用紙に与えるダメージを軽減する負荷付与部材と、を有することを特徴とする用紙整合装置。
【請求項2】
前記負荷付与部材は、自由に回転可能な球状ローラであることを特徴とする請求項1に記載の用紙整合装置。
【請求項3】
前記負荷付与部材は、用紙上に載る作動位置と、用紙から退避する退避位置に移動可能に設けられ、
前記制御手段は、前記検知手段により検知されたズレ量に基づき、ズレ量が所定量以下の場合は、前記負荷付与部材を用紙から退避させるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の用紙整合装置。
【請求項4】
前記負荷付与部材は、用紙上に載る作動位置と、用紙から退避する退避位置に移動可能に設けられ、
前記制御手段は、供給される用紙の紙種に応じて前記負荷付与部材を作動位置と退避位置のいずれかに位置づけるよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の用紙整合装置。
【請求項5】
前記第2ローラ対横移動機構は、前記第2ローラ対を軸上で軸方向に可動に保持するとともに、前記軸に付設した前記付勢部材により前記第2ローラ対を両側から付勢することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の用紙整合装置。
【請求項6】
前記付勢部材が、前記第2ローラ対の端部と前記軸に固定された鍔部との間に設けられたコイルバネであることを特徴とする請求項5に記載の用紙整合装置。
【請求項7】
前記第2ローラ対横移動機構は、前記第2ローラ対を軸と一体的に軸方向に可動に保持するとともに、前記軸を前記付勢部材により両側から付勢することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の用紙整合装置。
【請求項8】
前記付勢部材が、前記軸を軸方向に可動に保持する装置本体の側板と前記軸に固定された鍔部との間に設けられたコイルバネであることを特徴とする請求項7に記載の用紙整合装置。
【請求項9】
前記第1ローラ対がレジストローラであり、前記第2ローラ対がループローラであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の用紙整合装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の用紙整合装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−102184(P2011−102184A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258690(P2009−258690)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】