説明

田植機

【課題】苗継ぎや肥料補給等の補給作業を行う場合に、前記田植機の走行を制御し、操縦者の煩雑な作業を必要としない田植機の技術を提供する。
【解決手段】エンジン5と、無段変速装置21と、変速ペダル16と、苗植装置2とを備えた田植機1において、補給検知手段と、無段変速装置21の変速制御を行う変速アクチュエータ60と、補給解除手段56と、制御装置80とを備え、制御装置80は、走行中に前記補給検知手段により補給が必要であると検知されると、走行停止させ、補給解除手段56が操作されると、所定の走行速度で走行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機の技術に関して、特に苗継ぎや肥料補給等の補給作業時に田植機の走行を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行を制御することができる田植機は公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の田植機においては、走行機体に搭載されたエンジンからの動力を変速する油圧式無段変速装置と、前記油圧式無段変速装置の変速比を変更する変速アクチュエータであるモータと、前記モータを駆動制御するコントローラ(制御装置)と、変速操作具等から構成され、前記変速操作具の操作量に基づいて、前記モータにて前記油圧式無段変速装置の変速比を変更し、前記田植機の走行を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−262417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、苗継ぎや肥料補給等の補給作業を行う場合に田植機の走行を停止し、補給作業が終了した後に前記田植機の走行を開始する制御は行っていない。
【0005】
したがって、苗継ぎや肥料補給等の補給作業を行う場合は、前記田植機の走行を停止するために、操縦者は前記変速操作具を操作し、苗継ぎ等の補給作業が終了したならば前記田植機の走行を開始するために、前記変速操作具を操作する必要がある。また、走行を開始したあとには、所望の走行速度を得るために、前記変速操作具の操作量を調整する必要があり、操縦者には煩雑な作業が必要となる。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされるものであり、その解決しようとする課題は、苗継ぎや肥料補給等の補給作業を行う場合に、前記田植機の走行を制御し、操縦者の煩雑な作業を必要としない田植機の技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、エンジンと、無段変速装置と、変速操作具と、苗植装置とを備えた田植機において、補給検知手段と、前記無段変速装置の変速制御を行うアクチュエータと、補給解除手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、走行中に前記補給検知手段により補給が必要であると検知されると、走行停止させ、前記補給解除手段が操作されると、所定の走行速度で走行するものである。
【0009】
請求項2においては、前記エンジンの回転数制御を行うアクチュエータを備え、前記制御手段は、走行中に前記補給検知手段により補給が必要であると検知されると、エンジン回転数をアイドリング回転数にまで低下させ、走行停止させ、前記補給解除手段が操作されると、所定のエンジン回転数にまで増加させて、所定の走行速度で走行するものである。
【0010】
請求項3においては、植付クラッチを入り切りを検知する手段を設け、前記制御手段は、前記植付クラッチが入りのとき、走行可能とするものである。
【0011】
請求項4においては、座席への操縦者の着座を検知する着座センサを設け、前記制御手段は、走行が停止された状態で、前記操縦者が前記座席から離座すると、前記エンジンを停止するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1においては、苗継ぎや肥料補給等の補給作業をする場合に自動的に走行を停止し、補給解除手段が操作されると、所定の走行速度で走行するように制御されるので、操縦者の煩雑な作業を必要とせず、作業性を向上することができる。
【0014】
請求項2においては、操縦者の煩雑な作業を必要とせず、作業性を向上することができるとともに、エンジン回転数がアイドリング回転数まで低下されるので、エンジンの騒音を低減化することができる。
【0015】
請求項3においては、走行が停止した後、補給作業が終了したときに、植付クラッチが操作され、「切り」状態であるならば、が走行できなくなり、誤って植付しない状態で走行することがなく、確実に植付作業を行うことができる。
【0016】
請求項4においては、操縦者が座席から離座したときに、直ちにエンジンを停止させることができるので、無駄燃料の消費を抑え、騒音を十分に低減化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る田植機の側面図。
【図2】同じく、平面図。
【図3】走行変速ミッションの概略図。
【図4】運転操作部と走行変速ミッションとの関係を示す概略図。
【図5】図4のV−V視拡大断面図。
【図6】図4のVI−VI視拡大断面図。
【図7】制御装置の制御構成を示すブロック図。
【図8】走行の停止および開始させる制御のフローチャート。
【図9】走行の停止および開始、エンジン回転数を変更させる制御のフローチャート。
【図10】別実施形態に係るエンジンを停止させる制御のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0019】
まず、田植機1の全体的な構成について、図1における矢印A方向を前方向として説明する。
【0020】
図1、図2に示すように、田植機1は、主に、走行機体3と、苗植装置2と、から構成されている。
【0021】
走行機体3では、車体フレーム4が左右一対の前車輪6と、左右一対の後車輪7とで支持される。車体フレーム4には、ディーゼルエンジン5(以下、「エンジン5」と称する。)が搭載されるとともに、走行変速ミッション20が搭載される。エンジン5は、車体フレーム4の前部側でボンネット9にて被覆される。そして、エンジン5の動力が走行変速ミッション20により適宜変速されたあと、各車輪6・7に伝達されるように構成される。これにより、走行機体3が走行可能とされる。
【0022】
また、車体フレーム4には運転操作部10が設けられる。運転操作部10には座席12、操縦ハンドル13、変速レバー14、表示パネル15、変速ペダル16、ブレーキペダル17、苗継スイッチ18、操作スイッチ19等が備えられる。変速ペダル16およびブレーキペダル17は、前方向への足踏み式のペダルであり、操縦ハンドル13の右側で運転操作部10の床面に左右に並べられて、車体フレーム4に枢着される。変速レバー14、表示パネル15、苗継スイッチ18、操作スイッチ19は、操縦ハンドル13の近傍に配置される。なお、変速ペダル16は、変速操作具の一例である。
また、運転操作部10の後方かつ苗植装置2の前方には、苗植装置2による苗の植え付けに合わせて圃場に肥料を供給する施肥装置43が配置される。施肥装置43には、ホッパー44が備えられる。
【0023】
苗植装置2は多条植式の苗植装置であり、走行機体3の後部に上下方向に昇降可能に装着されている。苗植装置2は、苗載台31と、植付ケース32と、植付アーム33と、爪ケース34と、植付爪35等を具備する。苗載台31は前高後低の前傾式のものであり、走行機体3に連結された植付フレームに左右往復摺動自在に支持される。植付ケース32は、植付フレーム側から後方へ突設され、その後端部に植付アーム軸36を介して一方向に等速回転させる植付アーム33・33・・・を支持する。
【0024】
植付アーム33は、その回転軸心となる植付アーム軸36を中心として対称に一対の爪ケース34・34を配設する。爪ケース34は、その先端部に植付爪35を取り付ける。そして、走行機体3が前後輸6・6・7・7を駆動して走行すると同時に、苗植装置2が左右に往復摺動する苗載台31から一株分の苗を植付爪35・35により取り出しながら、連続的に苗を植える植付作業を行うようにしている。
【0025】
この苗植装置2では、走行機体3からの動力が植付ケース32を経て植付アーム軸36に伝達されることで、この植付アーム軸36が回動する。植付アーム軸36が回動すると、その左右両端部または一端部に設けられる植付アーム33が回動する。植付アーム33が回動すると、爪ケース34が回動するとともに、爪ケース34の先端部に設けられる植付爪35が、苗載台31に載置される苗を掻き取りつつ、圃場に植え付ける。
【0026】
前記植付フレームは、植付センターケース29に支持される。植付センターケース29の前部にはローリング支点軸を介して昇降リンク機構28と連結される。昇降リンク機構28はトップリンク26やロワーリンク27等より構成され、座席12下方に配置される昇降アクチュエータ38(図7参照)としての油圧シリンダによって苗植装置2を昇降可能に構成される。昇降アクチュエータ38は、制御装置80に接続される。
【0027】
苗植装置2の昇降操作や、植付爪35・35の作動・停止の切り替えは、植付クラッチ39(図7参照)の操作によって行われる。植付クラッチ39の入り切り操作は、運転操作部10の操縦ハンドル13の近傍に配置される前記操作スイッチ19により行われる。植付クラッチ39は、前記植付センターケース29に設けられ、植付クラッチ切り部材57(図7参照)としての電磁クラッチや、モータ機構により構成され、動力伝達の入り切りを可能としている。植付クラッチ切り部材57は、制御装置80に接続される。
【0028】
図7に示すように、前記操作スイッチ19には、制御装置80に接続される第四検知手段19aとして操作位置検知センサが設けられる。第四検知手段19aは、操作スイッチ19の操作位置を検知し、その検知結果に基づいて制御装置80が、植付クラッチ切り部材57を駆動制御するように構成される。
【0029】
また、植付クラッチ39が「入」状態であるか、または「切」状態であるかは、植付クラッチ検知手段59により検知される。植付クラッチ検知手段59は、制御装置80に接続される。
【0030】
次に、苗継スイッチ18および苗植装置2の昇降の構成について説明する。
【0031】
苗継スイッチ18は、苗継ぎ作業を行う場合に操作することで、苗植装置2が上昇するときに、苗継ぎ作業が行い易いように苗植装置2を最上部まで上昇させることなく、その上昇を苗継ぎ作業用にあらかじめ定められる所定の高さで自動的に停止させるため操作手段である。
【0032】
図7に示すように、苗継スイッチ18には、制御装置80に接続される第三検知手段18aとして操作位置検知センサが設けられる。第三検知手段18aは、前記苗継スイッチ18の入り切り操作を検知する。そして制御装置80は、その検知結果に基づいて昇降アクチュエータ38となる油圧シリンダを駆動制御して、苗植装置2をあらかじめ設定される所定の高さに上昇させるように構成される。
【0033】
また、苗継スイッチ18に設けられる第三検知手段18aとしての操作位置検知センサは、苗継スイッチ18の操作により苗継ぎによる補給作業が必要であることを検知するので、補給検知手段となる。
なお、補給検知手段についての詳細な説明は後述する。
【0034】
また、苗植装置2の昇降リンク機構28のトップリンク26の回動基部には、苗植装置2の高さを検知するための第五検知手段37として高さ検知センサが設けられる。
【0035】
第五検知手段37としての高さ検知センサは、角度センサであり、ポテンショメータやロータリエンコーダ等からなる。なお、前記トップリンク26の回動基部は、第五検知手段37が設けられる配置場所の一例であり、配置場所はこれに限定されず、昇降リンク機構28のロワーリンク27の回動基部や、駆動制御される油圧シリンダの近傍等であってもよい。第五検知手段37は、制御装置80に接続される。
【0036】
苗継スイッチ18の操作により苗植装置2が上昇する場合、第五検知手段37は苗植装置2の高さを検知する。そして、苗植装置2があらかじめ設定される所定の高さとなったならば、制御装置80は、その検知結果に基づいて昇降アクチュエータ38となる油圧シリンダを駆動制御して、苗植装置2の上昇を停止するように構成される。
【0037】
次に、変速を行う構成について説明する。
【0038】
図3に示すように、走行変速ミッション20には、油圧式の無段変速装置21が備えられる。無段変速装置21は、エンジン5の出力により駆動される可変式の油圧ポンプ24と、この油圧ポンプ24からの油圧にて駆動される油圧モータ25とを有し、油圧ポンプ24における斜板24aの傾斜角が変更されることによって、変速比を変更して、走行機体3の走行速度を変速させるように構成される。
【0039】
なお、本実施形態においては、油圧式の無段変速装置21に遊星歯車機構からなる機械式変速装置30が組み合わされて、油圧・機械式無段変速装置が構成される。
【0040】
また、車体フレーム4の前部には、図4、図6に示すように、変速操作軸63が横方向に延設されて、軸受にて回転自在に軸支される。変速操作軸63には扇形歯車62が固定されて、この扇形歯車62と変速操作軸63とが一体的に回転可能とされる。変速操作軸63には、また、アーム65がその基端部で固定されて、このアーム65と変速操作軸63とが一体的に回転可能とされる。
【0041】
変速操作軸63上の扇形歯車62には、ピニオン61が噛合される。ピニオン61は、電動式モータからなる変速アクチュエータ60により回転可能とされ、その回転により変速操作軸63を扇形歯車62を介して図6における矢印C方向、または図6における矢印D方向へ回転させることができるように構成される。
【0042】
一方、変速操作軸63上のアーム65の先端部には、前後方向に延設された変速ロッド杆67の前端部が枢着される。変速ロッド杆67の後端部には長溝孔67aが前後方向に所定長さをもって形成される。この長溝孔67aに無段変速装置21の変速アーム47の先端部に設けられたピン47aが摺動自在に嵌入されて、変速ロッド杆67の後端部と変速アーム47の先端部とが係合される。変速アーム47はその基部で油圧ポンプ24の斜板24a(図3参照)にトラニオン軸を介して連動連結される。
【0043】
こうして、無段変速装置21は、変速操作軸63が回転されず、変速ロッド杆67が後方に移動されないとき、または、変速操作軸63が回転されて、変速ロッド杆67が後方に移動されても、その移動量が長溝孔67aの所定長さを超えないとき、変速アーム47およびトラニオン軸によって、油圧ポンプ24の斜板24aを傾転させずに中立位置とし、各車輪6・7へ向けて出力を伝達しない中立状態となるように構成される。
【0044】
無段変速装置21は、変速ロッド杆67が殆ど後方へ移動されていない状態で、変速操作軸63が図6における矢印C方向へ回転されて、変速ロッド杆67が後方へ移動され、その後方への移動量が長溝孔67aの所定長さを超えたとき、その時点から、変速アーム47およびトラニオン軸によって、油圧ポンプ24の斜板24aを変速ロッド杆67の後方への移動量に基づいて傾転させて、変速比を増速側に変更し、走行速度を無段に増速させるように構成される。
【0045】
無段変速装置21は、変速ロッド杆67が長溝孔67aの所定長さを超えて後方へ移動されている状態で、変速操作軸63が図6における矢印D方向へ回転されて、変速ロッド杆67が前方へ移動されたとき、変速ロッド杆67の後方への移動量が長溝孔67aの所定長さを超えている間は、変速アーム47およびトラニオン軸によって、油圧ポンプ24の斜板24aを変速ロッド杆67の前方への移動量に基づいて傾転させて、変速比を減速側に変更し、走行速度を無段に減速させるように構成される。
【0046】
変速操作軸63には、無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aの傾転角(変速アクチュエータ60の回転角)を検知するための第二検知手段66が設けられる。第二検知手段66は、ポテンショメータ等の角度センサからなり、変速操作軸63の回転角を検知することができるように構成される。
【0047】
また、車体フレーム4の前部には、変速ペダル軸51が横方向に延設されて、軸受にて回転自在に軸支される。変速ペダル軸51には変速ペダル16が連動機構50を介して連動連結される。
【0048】
変速ペダル16は、ばね手段にて付勢され、運転操作部10の床面で起立した状態となる初期位置に保持される。この変速ペダル16に対しては、操縦者が初期位置にある変速ペダル16を足にて前方向へ踏み込む踏込操作、操縦者が踏み込まれた状態の変速ペダル16から足を外す踏込解除操作が行われる。
【0049】
変速ペダル16は、踏込操作が行われると、初期位置からばね手段に抗して前方向へ回転されて、変速ペダル軸51を図5における矢印E方向へ回転させる一方、踏込解除操作が行われると、ばね手段にて元の初期位置に戻されて、変速ペダル軸51を図5における矢印F方向へ回転させるように構成される。
【0050】
変速ペダル軸51には、変速ペダル16の踏込操作量を検知するための第一検知手段55が設けられる。第一検知手段55は、ポテンショメータ等の角度センサからなり、変速ペダル軸51の回転角を検知することができるように構成される。
【0051】
また、走行変速ミッション20には、油圧式の無段変速装置21から各車輪6・7への出力を伝達または遮断可能とするためのクラッチ機構22(図3参照)が備えられるとともに、各車輪6・7に制動力を付与するブレーキ機構23(図3参照)が備えられる。
【0052】
走行変速ミッション20には、ブレーキ機構23に対する回転式の操作軸45が設けられる。操作軸45には作動部材46が固定されて、この作動部材46と操作軸45とが一体的に回転可能とされる。作動部材46はブレーキ機構23に連動連結されるだけでなく、ワイヤー等を介してクラッチ機構22とも連動連結される。
【0053】
ブレーキ機構23には、走行機体3に備えられたブレーキ入り部材75(図3参照)も連動連結される。クラッチ機構22には、走行機体3に備えられたクラッチ切り部材76(図3参照)も連動連結される。
【0054】
そして、作動部材46は、操作軸45とともに回転して所定回転位置にあるとき、ブレーキ機構23を作動状態にすると同時にクラッチ機構22を切状態にする停止状態となる一方、別の所定回転位置にあるとき、ブレーキ機構23を非作動状態にすると同時にクラッチ機構22を入状態にする走行状態となるように構成される。作動部材46はばね手段により走行状態となるように付勢される。
【0055】
このようにクラッチ機構22およびブレーキ機構23の両方に対する作動部材46には、受け片46aが一体的に設けられる。受け片46aには、変速ロッド杆67が前後方向に摺動自在に挿通される。変速ロッド杆67の受け片46aよりも後方に位置する部分には、ストッパー片67bが設けられて、このストッパー片67bと受け片46aとが当接可能とされる。
【0056】
変速操作軸63が回転されず、変速ロッド杆67が後方に移動されないとき、つまり変速ペダル16が初期位置に保持され、その踏込操作が行われないとき、作動部材46は、ばね手段に抗するように、ストッパー片67bに当接されて回転を規制されて、ブレーキ機構23を作動状態にすると同時にクラッチ機構22を切状態にする停止状態に保持される。
【0057】
変速操作軸63が回転され、変速ロッド杆67が後方に移動されたとき、つまり変速ペダル16の踏込操作が行われたとき、作動部材46は、ストッパー片67bの後方への移動にともなってばね手段により回転されて、ブレーキ機構23を非作動状態にすると同時にクラッチ機構22を入状態にする走行状態に変更される。
【0058】
また、車体フレーム4の前部には、ブレーキ軸70が横方向に延設されて、軸受にて回転自在に軸支される。ブレーキ軸70にはブレーキペダル17が連動連結される。
【0059】
ブレーキペダル17は、ばね手段にて付勢され、運転操作部10の床面上で起立した状態となる初期位置に保持される。このブレーキペダル17に対しては、操縦者が初期位置にあるブレーキペダル17を足にて前方向へ踏み込む踏込操作、操縦者が踏み込まれた状態のブレーキペダル17から足を外す踏込解除操作が行われる。
【0060】
ブレーキペダル17は、踏込操作が行われると、初期位置からばね手段に抗して前方向へ回転されて、ブレーキ軸70を図5における矢印M方向へ回転させる一方、踏込解除操作が行われると、ばね手段により後方向へ回転されて元の初期位置に戻され、ブレーキ軸70を図5における矢印M方向と逆方向へ回転させるように構成される。
【0061】
ブレーキ軸70には、アーム71がその基端部で固定される。アーム71の先端部には、前後方向に延設されたブレーキロッド杆72の前端部が枢着される。ブレーキロッド杆72の後端部は作動部材46の係止片46bに前後方向に摺動自在に挿通される。
【0062】
係止片46bは作動部材46に一体に設けられる。ブレーキロッド杆72の係止片46bよりも後方へ位置する部分には、ストッパー72aが設けられて、このストッパー72aと係止片46bとが当接可能とされる。
【0063】
ブレーキ軸70が回転されず、ブレーキロッド杆72が前方に移動されないとき、つまりブレーキペダル17が初期位置に保持され、その踏込操作が行われないとき、作動部材46の、ブレーキ機構23を作動状態にすると同時にクラッチ機構22を切状態にする停止状態から、ブレーキ機構23を非作動状態にすると同時にクラッチ機構22を入状態にする走行状態への自由な作動が許容される。
【0064】
ブレーキ軸70が回転され、ブレーキロッド杆72が前方に移動されたとき、つまりブレーキペダル17の踏込操作が行われたとき、作動部材46は、ブレーキ機構23を非作動状態にすると同時にクラッチ機構22を入状態にする走行状態であれば、ばね手段に抗して回転されて、変速ロッド杆67の移動位置にかかわらず、つまり変速ペダル16の踏込操作よりも優先して、強制的に停止状態に変更される。
【0065】
また、走行機体3には、制御装置80(図7参照)が備えられる。この制御装置80には、第一検知手段55、第二検知手段66、電動式モータからなる変速アクチュエータ60が接続される。制御装置80には、さらにブレーキ入り部材75、クラッチ切り部材76が接続される。
【0066】
制御装置80は、第一検知手段55に基づいて変速ペダル16の踏込操作量を検知し、その検知結果に基づいて無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aの傾転角があらかじめ設定された設定角となるように、変速アクチュエータ60を回転駆動させるように構成される。制御装置80は、また、第二検知手段66に基づいて油圧ポンプ24の斜板24aの傾転角を検知するように構成される。
【0067】
このような構成において、変速ペダル16の踏込操作が行われないときには、変速操作軸63が回転されず、変速ロッド杆67が後方に移動されない。そのため、走行変速ミッション20における無段変速装置21の変速アーム47が回転せず、無段変速装置21の油圧ポンプ24の斜板24aが中立位置となる。つまり、無段変速装置21が各車輪6・7へ向けて出力を伝達しない中立状態となる。
【0068】
しかも、変速ペダル16の踏込操作が行われないときには、作動部材46が停止状態となって、ブレーキ機構23が作動状態となると同時に、クラッチ機構22が切状態となる。これにより、無段変速装置21(油圧・機械式無段変速装置)から各車輪6・7への出力が遮断されることとなる。したがって、走行機体3は走行せずに停止状態となる。
【0069】
走行機体3が停止状態である場合に、変速ペダル16の踏込操作が行われると、まず、変速ペダル軸51が図5における矢印E方向に回転し、第一検知手段55がこの回転よる変速ペダル軸51の回転角を検知する。制御装置80は、この第一検知手段55の検知値を取得し、これに基づいて変速ペダル16の踏込操作量を検知する。
【0070】
そして、変速アクチュエータ60が、制御装置80により変速ペダル16の踏込操作量に基づいて一方向に回転駆動する。この変速アクチュエータ60の回転駆動にともなって変速操作軸63が図6における矢印C方向に回転し、変速ロッド杆67が図6における矢印G方向へ移動し始める。
【0071】
変速ロッド杆67の後方への移動量が、その後端側の長溝孔67aの所定長さを超えると、ストッパー片67bが後方へ移動する。その結果、ストッパー片67bにてばね手段による回転を規制されていた作動部材46が回転し、走行状態となって、ブレーキ機構23が非作動状態になると同時に、クラッチ機構22が入状態になる。これにより無段変速装置21から各車輪6・7へ出力が伝達可能となる。
【0072】
このときには、変速アーム47が後方に回転し、無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aが、その傾転角が変速ペダル16の踏込操作量に応じた設定角となるように、トラニオン軸を介して傾転する。これにより、無段変速装置21がその変速比を増速側に変更し、変速した出力を各車輪6・7へ伝達する。したがって、走行機体3は走行を始める。
【0073】
つづいて、変速ペダル16の踏込操作量が大きくなるに従って変速ロッド杆67がさらに後方へ移動すると、無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aがより大きな設定角となるように傾転する。この際、制御装置80は斜板24aの傾転角を第二検知手段66の検知値に基づいて随時検知する。これにより、無段変速装置21が変速比を増速側により大きく変更し、変速した出力を各車輪6・7へ伝達する。したがって、走行機体3の走行速度が増速する。
【0074】
このような状態で、変速ペダル16の踏込解除操作を行うと、変速ペダル軸51が図5における矢印F方向に回転し、第一検知手段55がこの回転よる変速ペダル軸51の回転角を検知する。制御装置80は、第一検知手段55の検知値を取得して、これに基づいて変速ペダル16の踏込操作量を検知する。
【0075】
そして、変速アクチュエータ60が、制御装置80により変速ペダル16の踏込操作量に基づいて前記とは逆方向に回転駆動する。変速アクチュエータ60の回転駆動にともなって変速操作軸63が図6における矢印D方向に回転し、変速ロッド杆67が図6における矢印H方向へ移動する。
【0076】
変速ロッド杆67の前方への移動にともなって、変速アーム47が前方に回転し、無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aが、その傾転角が変速ペダル16の踏込操作量に応じた設定角となるように、トラニオン軸を介して傾転する。これにより、無段変速装置21がその変速比を減速側に変更し、変速した出力を各車輪6・7へ伝達する。したがって、走行機体3の速度が減速する。
【0077】
変速ペダル16が元の初期位置まで戻った時点で、変速アーム47も元の位置に戻り、無段変速装置21の油圧ポンプ24の斜板24aが中立位置となる。また、作動部材46が変速ロッド杆67のストッパー片67bにより停止状態に保持されて、ブレーキ機構23が作動状態となると同時に、クラッチ機構22が切状態となる。したがって、走行機体3の走行が停止する。
【0078】
次に、エンジン5の回転数を変更する構成について説明する。
【0079】
本実施形態における田植機1は、エンジン5の回転数を変更する構成について、機械的な構成および電気的な構成の2通りの構成を備えるものである。
【0080】
まず、機械的にエンジン5の回転数を変更する構成について説明する。
この構成においては、変速ペダル16の操作に対応して、エンジン5と連動連結される複数の部材が相互に可動して該エンジン5の回転数を変更するものである。
【0081】
図6に示すように、扇形歯車62にカム溝62aが円周方向に延びるように形成される。ここで、カム溝62aは、その始端部を扇形歯車62の中心である変速操作軸63と所定距離をとって配置する一方、終端部を始端部よりも変速操作軸63に近づけて配置して、始端部から終端部に向かうに従って変速操作軸63に近づくように傾斜状に形成される。
【0082】
このカム溝62aには、車体フレーム4に回転自在に軸支され横軸63bから延出される第一アーム63cの先端部が摺動自在に係合される。そして、横軸63bに固着された第二アーム63dが、エンジン5におけるアクセルレバー5aと、ワイヤー5b等を介して連動連結される。
【0083】
この構成において、扇形歯車62が図6における矢印C方向へ回転する、つまり走行速度が増速するのに応じて、カム溝62aに沿って第一アーム63cが移動し、これにともなう第二アーム63dの回転によりアクセルレバー5aがその戻しばね手段5cに抗して図6における矢印J方向に回転する。したがって、エンジン5における回転数が、アイドリング回転数から走行速度の増速に比例して自動的に増加する。
【0084】
一方、扇形歯車62が図6における矢印D方向へ回転する、つまり走行速度が減速するのに応じて、カム溝62aに沿って第一アーム63cが移動し、これにともなう第二アーム63dの回転によりアクセルレバー5aがその戻しばね手段5cにて前記とは逆の図6における矢印K方向に戻り回転する。したがって、エンジン5における回転数が、走行速度の減速に比例して自動的に低下し、走行が停止したときにエンジン回転数は低速状態になる。
【0085】
このように、田植機1はエンジン5の回転数を変速ペダル16の操作に応じて、言い換えれば走行変速ミッション20における変速動作に応じて、機械的に変更するように構成される。
なお、田植機1は、アクセルレバー5aを手動で回動操作することによって、エンジン5の回転数を任意に変更することができるようにも構成される。
【0086】
次に、図7を用いて電気的にエンジン5の回転数を変更する構成について説明する。
この構成においては、エンジン5の回転数を変更するエンジン回転数制御手段に接続される制御装置80の(電気的な)制御により、該エンジン5の回転数を変更すこものである。
【0087】
制御装置80には、エンジン回転数検知センサ52およびエンジン回転数制御手段53が接続される。
【0088】
エンジン回転数検知センサ52は、エンジン5の出力軸の回転数を検知する回転数センサからなり、エンジン5の出力軸からその回転数を検知することができるように構成される。
【0089】
エンジン回転数制御手段53は、田植機1におけるエンジン5が前述したようにディーゼルエンジンであることから、燃料噴射装置からなり、ソレノイドによりラック位置を変更して燃料噴射量を変更することによって、エンジン5のエンジン回転数を変更することができるように構成される。
なお、エンジン回転数制御手段53は、エンジンに応じてそのエンジン回転数を変更することができるものであればよく、本実施形態における燃料噴射装置に限定するものではない。
【0090】
制御装置80は、エンジン回転数検知センサ52の検知結果に基づいてエンジン5の回転数を検知し、その検知結果に基づいて、エンジン回転数制御手段53である燃料噴射装置を駆動制御し、エンジン5の回転数を所定の回転数に変更することができるように構成される。
【0091】
このように、田植機1は、エンジン5の回転数を制御装置80によるエンジン回転数制御手段53の駆動制御にて電気的に変更するように構成される。
【0092】
次に、補給検知手段について説明する。
【0093】
図1、図2および図7に示すように、田植機1には、補給検知手段として苗検知手段41・41・・・、肥料検知手段42および前述したように苗継スイッチ18に設けられる第三検知手段18aとしての操作位置検知センサが備えられる。
【0094】
苗検知手段41・41・・・は、補給検知手段として苗(苗マット)を検知するものである。苗検知手段41・41・・・は、前記苗載台31の各条の下部に配設され、制御装置80に接続される。
【0095】
肥料検知手段42は、補給検知手段として肥料を検知するものである。肥料検知手段42は、施肥装置43に備えられるホッパー44の内部に配設され、制御装置80に接続される。
【0096】
以上のような構成において、前記補給検知手段は、苗載台31に苗がなくなったときや、施肥装置43に肥料がなくなったときに、その結果を検知するように構成される。
【0097】
次に、図7を用いて補給解除手段56について説明する。
【0098】
補給解除手段56は、補給解除手段としての補給解除スイッチからなる。前記補給解除手段56は、苗や肥料等の補給作業が終了し、引き続き苗植作業を行う準備ができた場合に操作されるものである。
【0099】
補給解除手段56としての補給解除スイッチには、制御装置80に接続される第六検知手段56aとしての操作位置検知センサが設けられる。第六検知手段56aは、前記補給解除スイッチの入り切り操作を検知し、その検知結果に基づいて制御装置80が、田植機1が所定の走行速度で走行するように制御するものである。
【0100】
以上のような構成において、制御装置80は、田植機1の走行中に前記補給検知手段により補給が必要であると検知されると、走行を停止させ、補給解除手段56が操作されると、所定の速度で走行するように制御するものである。
【0101】
具体的には、図8に示すように、苗検知手段41・41・・・または肥料検知手段42が作動したとき、または操縦者により苗継スイッチ18が入り操作されると(S1)、植付クラッチ切り部材57により植付クラッチを「切」とし(S2)、変速アクチュエータ60の作動により走行を停止する(S3)。
【0102】
そして、補給作業が終了した後、苗継スイッチ18が切り操作され、または、前記補給解除手段56としての補給解除スイッチの補給解除操作が行われると(S4)、変速アクチュエータ60が作動されて、走行が開始され(S5)、田植機1はあらかじめ制御装置80に設定された所定の変速位置まで増速され(S6)、植付作業が再開される(S7)。
【0103】
こうして、苗継ぎや肥料補給等の補給作業をする場合に自動的に走行を停止し、補給解除手段が操作されると、所定の走行速度で走行するように制御されるので、操縦者の煩雑な作業を必要とせず、作業性を向上することができる。
【0104】
また、制御装置80は、田植機1の走行中に前記補給検知手段により補給が必要であると検知されると、エンジン回転数をアイドリング回転数にまで低下させ、走行を停止させ、補給解除手段56が操作されると、所定のエンジン回転数にまで増加させて、田植機1を所定の走行速度で走行するように制御することができる。
【0105】
具体的には、図9に示すように、苗検知手段41・41・・・または肥料検知手段42が作動したとき、または操縦者により苗継スイッチ18が入り操作されると(S11)、植付クラッチ切り部材57により植付クラッチを「切」とする(S12)。
【0106】
そして、エンジン回転数制御手段53としての燃料噴射装置を駆動制御し、エンジン5のエンジン回転数をアイドリング回転数まで低下させた後に(S13)、変速アクチュエータ60の作動により走行を停止する(S14)。
【0107】
そして、苗継スイッチ18が切り操作され、または、前記補給解除手段56としての補給解除スイッチの補給解除操作が行われると(S15)、エンジン回転数制御手段53によりエンジン回転数が、あらかじめ制御装置80に設定された所定のエンジン回転数まで増加される(S16)。そして、走行が開始され(S17)、田植機1はあらかじめ制御装置80に設定された所定の変速位置まで増速され(S18)、植付作業が再開される(S19)。
【0108】
こうして、操縦者の煩雑な作業を必要とせず、作業性を向上することができるとともに、エンジン回転数がアイドリング回転数まで低下されるので、エンジン5の騒音を低減化することができる。
【0109】
また、制御装置80は、植付クラッチ39が入りのとき、走行可能となるように制御することができる。
【0110】
具体的には、田植機1の走行が停止され、補給作業が終了した後、苗継スイッチ18が切り操作され、または、前記補給解除手段56としての補給解除スイッチの補給解除操作が行われると、制御装置80に接続される植付クラッチ検知手段59により、植付クラッチ39が「入」状態であるか検知される。
【0111】
そして、植付クラッチ39が「入」状態であるならば、植付クラッチ39を「入」として変速アクチュエータ60が作動されて、あらかじめ制御装置80に設定された所定の変速位置まで増速され、植付作業が再開される。
【0112】
一方、植付クラッチ39が「切」状態であるならば、変速アクチュエータ60は作動されず、田植機1は走行せず、植付作業は再開されない。
【0113】
こうして、走行が停止した後、補給作業が終了したときに、植付クラッチ39が操作され、「切り」状態であるならば、走行できなくなり、誤って植付しない状態で走行することがなく、確実に植付作業を行うことができる。
【0114】
また、田植機1には、座席12への操縦者の着座を検知し、制御装置80に接続される着座センサ11を設けて、操縦者が座席12から離れたときに、エンジン5を停止するように制御することができる。
【0115】
着座センサ11は、操縦者の運転操作部10の座席12への着座を検知するためのセンサであり、種々センサを用いることができる。
【0116】
着座センサ11は、例えば、重量センサが用いられる。この場合、座席12が受ける負荷が、あらかじめ設定される所定の重量以上であるときにオンとなり、座席12に操縦者が着座していることを検知する。また、負荷を受けていた座席12が負荷から開放されるとき、着座センサ11はオフとなり、座席12から操縦者が離座したことを検知する。
なお、重量センサは着座センサ11の一例であり、これに限定されるものではなく、座席12上で操縦者の有無を検知できるものであればよい。
【0117】
苗継ぎや肥料補給の補給作業を行う場合に、走行が停止されていると、エンジンを停止させて無駄な燃料の消費を低減しようとする。
具体的には、図10に示すように、変速アクチュエータ60の位置を第二検知手段66により検知し(S21)、該検知値より変速アクチュエータ60が停止(中立)位置あるか、つまり、走行が停止されているか判断する(S22)。
【0118】
そして、走行が停止されている状態で、着座センサ11がONしているかどうかを判断し(S23)、操縦者が座席12からの離座していることを検知すると、制御装置80は、直ちにエンジン回転数制御手段53としての燃料噴射装置を減少側に駆動して燃料噴射を停止して、エンジン5への燃料の供給を強制的に停止する。これによって、エンジン5を直ちに停止させるものである(S24)。
なお、走行が停止されているかは、走行輪の回転等を検知してもよく限定するものではない。
【0119】
こうして、苗継ぎ作業などのために、操縦者が座席12から離れたときに、直ちにエンジン5を停止させることができるので、無駄燃料の消費を抑え、騒音を十分に低減化することができる。
【符号の説明】
【0120】
1 田植機
2 苗植装置
3 走行機体
5 エンジン
10 運転操作部
11 着座センサ
12 座席
18 苗継スイッチ
18a 第三検知手段
19 操作スイッチ
19a 第四検知手段
20 走行変速ミッション
52 エンジン回転数検知センサ
53 エンジン回転数制御手段
57 植付クラッチ切り部材
60 変速アクチュエータ
80 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、無段変速装置と、変速操作具と、苗植装置とを備えた田植機において、
補給検知手段と、前記無段変速装置の変速制御を行うアクチュエータと、補給解除手段と、制御手段とを備え、
前記制御手段は、走行中に前記補給検知手段により補給が必要であると検知されると、走行停止させ、
前記補給解除手段が操作されると、所定の走行速度で走行する、
ことを特徴とする田植機。
【請求項2】
前記エンジンの回転数制御を行うアクチュエータを備え、
前記制御手段は、走行中に前記補給検知手段により補給が必要であると検知されると、エンジン回転数をアイドリング回転数にまで低下させ、走行停止させ、
前記補給解除手段が操作されると、所定のエンジン回転数にまで増加させて、所定の走行速度で走行する、
請求項1に記載の田植機。
【請求項3】
植付クラッチを入り切りを検知する手段を設け、
前記制御手段は、前記植付クラッチが入りのとき、走行可能とする、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の田植機。
【請求項4】
座席への操縦者の着座を検知する着座センサを設け、
前記制御手段は、走行が停止された状態で、前記操縦者が前記座席から離座すると、前記エンジンを停止する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の田植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−220487(P2010−220487A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68283(P2009−68283)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】