説明

画像データ処理方法

【課題】光変調素子の画素値強度ムラ補正値を生成する。
【解決手段】光変調素子に存在する画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を生成する画像データ処理装置であって、前記光変調素子に存在する画素値強度ムラ領域を取得する画素値強度ムラ領域取得部101と、前記画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線を設定する直線群設定部(平行直線群設定部)102と、前記複数の直線の各直線上において前記画素値強度ムラ補正値の分布を設定する画素値強度ムラ補正値分布設定部103とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調素子を構成する各画素の画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を生成する画像データ処理方法、画像データ処理装置及び画像データ処理プログラム並びに画像データを補正する画像データ補正方法及び画像データ補正装置並びに光変調素子と画像データ補正装置とを有する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置に用いられる光変調素子(例えば液晶ライトバルブとする)では、画素の特性のバラツキに起因する画素値強度ムラが存在し、この画素値強度ムラによって表示画面に明るさムラ、輝度ムラ、色ムラなど各種の表示ムラが発生する。
【0003】
このような画素値強度ムラを低減するために、例えば、液晶ライトバルブの区分領域ごとに設定される画素値強度ムラ補正値に応じて液晶ライトバルブを駆動する手法が実施されている。
【0004】
この画素値強度ムラ補正値については、画素値強度ムラをきめ細かく補正しようとすれば、画素値強度ムラ補正値の設定される区分領域を多数設定する必要がある。しかしながら、画素値強度ムラ補正値のデータ量が増大するため、液晶プロジェクタのメモリ量の増大、画素値強度ムラ補正値を参照して行う画素値強度ムラ補正処理の処理量の増大といった課題が生じる。これらの課題を解決するために、画素値強度ムラ補正値をデータ量の抑制を図りながら適切に設定する手法が様々に提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
特許文献1に開示された技術(第1従来技術という)は、入力映像信号の階調補正を行うためのルックアップテーブルと、階調ごとの画面上の不均一性を補正するためのルックアップテーブルとを設け、これらルックアップテーブルからの画素値強度ムラ補正値を合成する回路を設けて、画素値強度ムラ補正値を生成する。
【0006】
特許文献2に開示された技術(第2従来技術という)には、医療用画像データにおいて、関心領域(画像データの注目する領域)の中心の輝度値を任意の値に設定し、関心領域外部と関心領域内部とで輝度値が連続的に変化するように関心領域内の輝度値を制御する手段を設ける。
【0007】
特許文献3に開示された技術(第3従来技術という)は、局所的な画素値強度ムラを補正するための補正パラメータから表示パネルの画素ごとの補正係数(補正値をどの程度反映するかを調整する重み)を生成する。そして、入力信号に基づいて表示パネルの画素ごとの補正値(入力信号に対する階調を上下させる度合い)に補正係数を乗じた値を入力信号に加える。
【0008】
【特許文献1】特開2000−284773号公報
【特許文献2】特開2000−338942号公報
【特許文献3】特開2006−30362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した第1従来技術から第3従来技術は、いずれにおいても、個々の画素値強度ムラ(関心領域)の補正値を合成して全体の補正値を生成するということを特徴の1つとして
いるが、個々の画素値強度ムラ(関心領域)の補正値がどの程度の範囲に対して影響を及ぼすのかが不明瞭であるため、個々の画素値強度ムラ(関心領域)に対して適切な補正値を生成できない場合がある。
【0010】
本発明は、光変調素子に存在する画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を画素値強度ムラの位置に応じて適切かつ詳細に取得可能とする画像データ処理方法、画像データ処理装置及び画像データ処理プログラムを提供することを目的とするとともに、適切な画素値強度ムラ補正を行うことにより高品質な画像データを出力可能な画像データ補正方法及び画像データ補正装置を提供することを目的とする。また、光変調素子に画素値強度ムラが存在しても高品質な画像表示を可能とする画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の画像データ処理方法は、光変調素子に存在する画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を生成する画像データ処理方法であって、前記光変調素子に存在する画素値強度ムラ領域を取得するステップと、前記画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線を設定するステップと、前記複数の直線の各直線上において前記画素値強度ムラ補正値の分布を設定するステップとを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の画像データ処理方法によれば、画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線の各直線上で画素値強度ムラ補正値分布を設定することにより、画素値強度ムラ領域における画素値強度ムラ補正値を少ないデータ量で適切に設定することができる。
【0013】
(2)前記(1)に記載の画像データ処理方法においては、前記画素値強度ムラ補正値の分布は、多項式で与えられることが好ましい。
【0014】
このように、各直線上における画素値強度ムラ補正値分布は、多項式で表すことが可能であり、画素値強度ムラ補正値分布を多項式で表す方法は、画素値強度ムラが滑らかに発生している場合においては特に有効である。また、画素値強度ムラ補正値分布を多項式で表す方法は、画素値強度ムラ補正値をより少ないデータ量で保持することができる利点もある。
【0015】
(3)前記(1)に記載の画像データ処理方法においては、前記画素値強度ムラ補正値の分布は、前記各直線上において設定した複数の線上点での離散値として与えられ、前記線上点間の前記画素値強度ムラ補正値は補間によって求めることもまた好ましい。
【0016】
このように、各直線上における画素値強度ムラ補正値分布は、離散値で表すことも可能であり、画素値強度ムラ補正値分布を離散値で表す方法は、画素値強度ムラの変化に急峻な部分がある場合にも対応しやすいという利点がある。なお、線上点の間隔は等間隔でなくてもよいが、演算量などの点から等間隔である方が好ましい。
【0017】
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像データ処理方法においては、前記画素値強度ムラ領域の形状及び/又は大きさに応じて、前記複数の直線の本数、前記複数の直線の各直線間の間隔、前記複数の直線の各直線の長さ、前記複数の直線の方向を設定することが好ましい。
【0018】
これにより、画素値強度ムラ領域の形状や大きさなどに応じて適切な直線を設定することができ、設定された直線上で画素値強度ムラ領域の形状や大きさに応じた適切な画素値強度ムラ補正値分布を設定することができる。
【0019】
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像データ処理方法においては、前記複数の直線は、各直線が平行であることが好ましい。
【0020】
このように、複数の直線の各直線を平行とすることにより、画素値強度ムラ補正値分布を算出するための演算を容易とすることができ、演算量及びデータ量も少なくすることができる。また、算出された画素値強度ムラ補正値を用いて、その後に行われる画素値強度ムラ補正値の算出も少ない演算量で行うことができる。
【0021】
(6)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像データ処理方法においては、前記各直線上における前記画素値強度ムラ補正値の分布に基づいて、前記画素値強度ムラ領域の任意の位置に対応する画素値強度ムラ補正値を算出するステップをさらに有することが好ましい。
【0022】
このような画素値強度ムラ補正値を算出するステップを有することにより、それぞれの画素値強度ムラ領域に対応する画素値強度ムラ補正値を取得することがき、取得した画素値強度ムラ補正値を用いることにより、入力画像データの補正を行うことができる。
【0023】
(7)前記(6)に記載の画像データ処理方法においては、前記複数の直線に交差する複数の補正値算出用直線を設定し、前記複数の直線と前記複数の補正値算出用との交点において、前記画素値強度ムラ補正値の分布から前記画素値強度ムラ補正値を求めることが好ましい。
【0024】
これにより、画素値強度ムラ領域の任意の位置に対応する画素値強度ムラ補正値を取得することがきる。なお、交点以外の位置の画素値強度ムラ補正値については、画素値強度ムラ補正値を求めるべき位置の近傍の交点で求められた画素値強度ムラ補正値を用いて補間処理により求めることができる。
【0025】
(8)前記(6)に記載の画像データ処理方法においては、前記画素値強度ムラ補正値を算出するステップは、前記画素値強度ムラ領域において前記画素値強度ムラ補正値を算出すべき位置から前記複数の直線に交差する補正値算出用直線を設定し、前記複数の直線と前記補正値算出用直線との交点のうち、前記画素値強度ムラ補正値を算出すべき位置から最も近い交点において得られる画素値強度ムラ補正値と2番目に近い交点において得られる画素値強度ムラ補正値との補間計算によって前記画素値強度ムラ補正値を算出すべき位置の画素値強度ムラ補正値を求めることもまた好ましい。
このような方法によっても前記(7)と同様、画素値強度ムラ領域の任意の位置における画素値強度ムラ補正値を取得することがきる。
【0026】
(9)本発明の画像データ処理装置は、光変調素子に存在する画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を生成する画像データ処理装置であって、前記光変調素子に存在する画素値強度ムラ領域を取得する画素値強度ムラ領域取得部と、前記画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線を設定する直線群設定部と、前記複数の直線の各直線上において前記画素値強度ムラ補正値の分布を設定する画素値強度ムラ補正値分布設定部とを有することを特徴とする。
【0027】
本発明の画像データ処理装置によれば、前記(1)に記載の画像データ処理方法と同様の効果が得られる。なお、本発明の画像データ処理装置においても、(2)〜(8)に記載の画像データ処理方法の特徴を有することが好ましい。
【0028】
(10)本発明の画像データ処理プログラムは、光変調素子に存在する画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を生成する画像データ処理装置に前記画素値強度
ムラ補正値を生成する処理を実行させる画像データ処理プログラムであって、前記光変調素子に存在する画素値強度ムラ領域を取得するステップと、前記画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線を設定するステップと、前記複数の直線の各直線上において前記画素値強度ムラ補正値の分布を設定するステップとを有することを特徴とする。
【0029】
本発明の画像データ処理プログラムを画像データ処理装置に実行させることにより、前記(1)に記載の画像データ処理方法と同様の効果が得られる。なお、本発明の画像データ処理装置においても、(2)〜(8)に記載の画像データ処理方法の特徴を有することが好ましい。
【0030】
(11)本発明の画像データ補正方法は、光変調素子に入力する画像データを補正する画像データ補正方法であって、前記(6)〜(8)のいずれかに記載の画像データ処理方法によって生成された前記画素値強度ムラ補正値を用いて前記画像データを補正することを特徴とする。
【0031】
このように、本発明の画像データ補正方法が、前記(6)〜(8)のいずれかに記載の画像データ処理方法によって生成された画素値強度ムラ補正値を用いて入力画像データを補正することにより、光変調素子に画素値強度ムラが存在しても画素値強度ムラの抑制された高品質な画像を出力することができる。
【0032】
(12)本発明の画像データ補正装置は、光変調素子に入力する画像データを補正する画像データ補正装置であって、前記(6)〜(8)のいずれかに記載の画像データ処理方法によって生成された前記画素値強度ムラ補正値を用いて前記画像データを補正する画素値強度ムラ補正処理部を有することを特徴とする。
本発明の画像データ補正装置によれば、前記(11)に記載の画像データ補正方法と同様の効果が得られる。
【0033】
(13)本発明の画像表示装置は、光変調素子と、前記光変調素子に入力する画像データを補正する画像データ補正装置とを有する画像表示装置であって、前記画像データ補正装置として、前記(12)に記載の画像データ補正装置を用いることを特徴とする。
【0034】
例えばプロジェクタなどの画像表示装置の画像データ補正装置として、(12)に記載の画像データ補正装置を用いることにより、画像表示装置が有する光変調素子に画素値強度ムラが存在しても画素値強度ムラの抑制された高品質な画像を表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態においては、光変調素子は液晶ライトバルブであるとして説明する。また、液晶ライトバルブの画素の特性のバラツキに起因する画素値強度ムラによって、表示画面には明るさムラ、輝度ムラ、色ムラなど各種のムラが発生する。
【0036】
[実施形態1]
図1は液晶ライトバルブの全体領域に存在する画素値強度ムラの一例を示す図である。図1において、太線の枠で囲まれた領域は、液晶ライトバルブの全体領域Gであり、全体領域Gには、図1に示すように、局所的な画素値強度ムラを有する領域(画素値強度ムラ領域という)A,B,C,Dが存在しているものとする。なお、これら画素値強度ムラ領域A,B,C,Dにおいては、当該画素値強度ムラ領域A,B,C,Dの中央部に向かうほど明るさが小さくなっているものとする。
【0037】
本発明は、液晶ライトバルブに存在する画素値強度ムラ領域を取得し、取得した画素値強度ムラ領域に対して、画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線を設定し、この複数の直線の各直線上で画素値強度ムラ補正値分布を設定する。なお、本発明の実施形態では、複数の直線は隣り合う直線同士はそれぞれが平行であるとし、このような直線の集合を、以下では、平行直線群と呼ぶことにする。また、「画素値強度ムラ領域を横切る」というのは、画素値強度ムラ領域を水平方向(横方向)に横切るだけではなく、垂直方向(縦方向)や斜め方向に横切ることも含むものである。
【0038】
図2は図1で示した画素値強度ムラ領域A,B,C,Dに平行直線群を設定した例を示す図である。図2においては、平行直線群は所定本数(例えば5本とする)の平行な直線で構成されている。
【0039】
すなわち、画素値強度ムラ領域Aに対しては平行直線群を構成する5本の直線L0〜L4が設定され、画素値強度ムラ領域Bに対しては平行直線群を構成する5本の直線L0〜L4、画素値強度ムラ領域Cに対しては平行直線群を構成する5本の直線L0〜L4、画素値強度ムラ領域Dに対しては平行直線群を構成する5本の直線L0〜L4が設定されている。なお、図2における一点鎖線で示す矩形は、各画素値強度ムラ領域A,B,C,Dを取り囲む領域であり、以下では矩形領域と呼ぶことにする。
【0040】
図3は画素値強度ムラ領域を横切る平行直線群の各直線上で設定される画素値強度ムラ補正値分布を多項式で表す一例を示す図である。図3(a)は図2の画素値強度ムラ領域Aを取り出して示すもので、ここでは、画素値強度ムラ領域Aを例にとって説明する。
【0041】
図3(a)における各直線L0〜L4の両端の黒丸は各直線L0〜L4の始端と終端を示すもので、各直線L0〜L4の始端位置の座標を(x0s,y0s),(x1s,y1s),・・・で表し、各直線L0〜L4の終端位置の座標を(x0e,y0e),(x1e,y1e),・・・で表す。
【0042】
なお、各画素値強度ムラ領域は、中央部に近づくほど画素値強度が小さくなるような画素値強度ムラであるので、各画素値強度ムラ領域に対応する画素値強度ムラ補正値は、中央部に近づくほど画素値強度を大きくするような補正値となる。ここで、画素値強度ムラ領域Aに設定された平行直線群L0〜L4の各直線上の画素値強度ムラ補正値ΔIを多項式で表すと、下記(1)式のように表すことができる。
【数1】

【0043】
図3(b)は各直線L0〜L4のうちのある直線上における画素値強度ムラ補正値を多項式で表した場合の当該直線上におけるx方向の位置と画素値強度ムラ補正値との関係を示す図である。
画素値強度ムラ補正値を多項式で表す方法は、画素値強度ムラが滑らかに発生している
場合においては特に有効である。また、画素値強度ムラ補正値を多項式で表す方法は、画素値強度ムラ補正値を少ないデータ量で保持することができる利点もある。
【0044】
図4は画素値強度ムラ領域を横切る平行直線群の各直線上で設定される画素値強度ムラ補正値分布を各直線上で離散値として表す例を示す図である。図4(a)は図2の画素値強度ムラ領域Aを取り出して示すもので、これは図3(a)と同じものであるが、図4(a)においては、各直線L0〜L4上に複数の線上点(黒丸で示す)が設定されている。
【0045】
図4(b)は各直線L0〜L4のうちのある直線上で設定された各線上点(直線L0〜L4の各始端及び終端を含む)における画素値強度ムラ補正値を示す図である。この場合、各線上点間の画素値強度ムラ補正値は、各線上点に設定される画素値強度ムラ補正値を、例えば、線形補間することで求める。
【0046】
画素値強度ムラ補正値を図4に示すように離散値として表す方法は、画素値強度ムラの変化に急峻な部分が存在する場合にも対応しやすいという利点がある。なお、線上点の間隔は等間隔でなくてもよいが、演算量などの点から等間隔である方が好ましい。
【0047】
図5は様々な画素値強度ムラ領域に対する平行直線群の設定例について示す図である。図5(a)は円形の画素値強度ムラ領域に横方向に平行直線群を設定した例、図5(b)は縦長の楕円形の画素値強度ムラ領域に横方向に平行直線群を設定した例、図5(c)は楕円形の画素値強度ムラ領域に横方向に平行直線群を設定した例、図5(d)は水平方向に対して所定角度(45度とする)回転した楕円形の画素値強度ムラ領域に平行直線群を斜め方向に設定した例、図5(e)は水平方向に対して90度回転した状態の楕円形の画素値強度ムラ領域に平行直線群を縦方向に設定した例を示す図である。なお、図5(a)〜(e)の例においては、いずれの場合も、平行直線群を構成する直線の本数は7本とした例が示されている。
【0048】
図6は形状及び大きさが同じ画素値強度ムラ領域に平行直線群を設定する際に、平行直線群を構成する直線の本数を変化させた例を示す図である。図6は円形の画素値強度ムラ領域の場合であり、図6(a)は直線の本数を4本とした例、図6(b)は直線の本数を7本とした例、図6(c)は直線の本数を13本とした例である。
【0049】
図5及び図6に示すように、画素値強度ムラ領域の形状、大きさなどによって、直線の長さ、間隔、本数などは、様々に設定可能である。ただし、形状及び大きさが同じ画素値強度ムラ領域において、直線の本数を多くすれば、高精度な画素値強度ムラ補正値を得ることができるが、演算量やデータ量が多くなる。逆に、直線の本数を少なくすれば、演算量やデータ量を少なくできるが、精度の面でやや劣る場合も出てくる。したがって、画素値強度ムラ補正値の精度と演算量、データ量などを考慮して適切な平行直線群を設定することが好ましい。
【0050】
図7は実施形態1に係る画像データ処理装置の構成を示す図である。本発明の画像データ処理装置は、その構成要素として、画素値強度ムラ領域取得部101と、平行直線群設定部102と、画素値強度ムラ補正値分布設定部103と、画素値ムラ補正値算出部104とを有している。
【0051】
また、実施形態1に係る画像データ処理装置が行うべき処理に必要なデータ及び上述の各構成要素において得られるデータとしては、画素値強度ムラデータD1と、画素値強度ムラ領域取得用データD2と、画素値強度ムラ領域データD3と、平行直線群データD4と、画素値強度ムラ補正値分布データD5とがある。
【0052】
画素値強度ムラデータD1は、特定の入力階調における液晶ライトバルブの各画素の画素値強度を示すデータである。また、画素値強度ムラ領域取得用データD2は、画素値強度ムラ領域を取得する際に参照するデータである。なお、画素値強度ムラ領域取得用データD2の具体例については図8により後述する。
【0053】
画素値強度ムラ領域取得部101は、画素値強度ムラデータD1、画素値強度ムラ領域取得用データD2を用いて、画素値強度ムラ領域の特徴量などを画素値強度ムラ領域データD3として取得し、取得した画素値強度ムラ領域データD3を記憶部(図示せず)に格納する。なお、画素値強度ムラ領域データD3の具体例については図11により後述する。
【0054】
平行直線群設定部102は、画素値強度ムラデータD1と画素値強度ムラ領域データD3とを用いて、画素値強度ムラを横切る平行直線群を設定し、設定した平行直線群に関するデータを平行直線群データD4として記憶部(図示せず)に格納する。なお、平行直線群データD4の具体例については図14により後述する。
【0055】
画素値強度ムラ補正値分布設定部103は、画素値強度ムラデータD1と画素値強度ムラ領域データD3と平行直線群データD4とを用いて、平行直線群を構成する直線上で画素値強度ムラ補正値分布を算出し、算出した画素値強度ムラ補正値分布を画素値強度ムラ補正値分布データD5としてとして記憶部(図示せず)に格納する。なお、画素値強度ムラ補正値分布データD5の具体例については図18及び図19により後述する。
【0056】
画素値強度ムラ補正値算出部104は、画素値強度ムラ補正値分布設定部103によって設定された画素値強度ムラ補正値分布データD5を用いて、液晶ライトバルブを構成する各画素の画素値強度ムラを補正する画素値強度ムラ補正値を算出する。
【0057】
なお、画素値強度ムラ補正値算出部104により算出された画素値強度ムラ補正値を用いて、入力画像データを補正することにより、液晶ライトバルブに画素値強度ムラが存在しても画素値強度ムラの抑制された高品質な画像を表示させることができる。なお、入力画像データの補正については後述する。
【0058】
図8は画素値強度ムラ領域取得用データD2の一例を示す図である。図8において、インデクス0,1,・・・は、各画素値強度ムラ領域を表すもので、それぞれのインデクスに対応して設定された特徴量α取得処理、特徴量β取得処理など様々な特徴量取得処理は、それぞれの画素値強度ムラ領域の特徴量を取得する処理を示し、それぞれの特徴量取得処理結果とその特徴量取得処理結果に対応する特徴量がそれぞれのインデクスに対応して格納されている。
【0059】
特徴量α取得処理は、画素値強度ムラ領域の傾き角度を表す回転角度を取得する処理であり、この特徴量α取得処理は、画素値強度ムラ領域が図1におけるある方向(水平方向とする)に対して何度回転(時計方向を「+」、反時計方向を「−」とする)した状態であるかを処理結果Φαとして取得し、取得した処理結果Φαをそのまま特徴量αとする。例えば、ある画素値強度ムラ領域が水平方向に対して反時計方向に30度回転した状態であるとすれば、当該画素値強度ムラ領域における特徴量αは「Φα=−30度」となる。
【0060】
なお、画素値強度ムラ領域のある方向(水平方向)に対する回転角度は、下記(2)式によって取得することができる。
【数2】

(2)式は分布の広がりを回転角度として取得することができる計算式であり、(2)式によって求められた「θ」を特徴量αとする。
【0061】
特徴量β取得処理は、画素値強度ムラ領域を取り囲む矩形領域を設定する際、その矩形領域の横(x)方向長さを取得する処理であり、処理結果(Φβ≦0,・・・,8<Φβ≦10,10<Φβ≦12,・・・など)の範囲に対して設定される代表値(「0」,・・・,「11」,「13」,・・・)を特徴量βとする。例えば、Φβが10<Φβ≦12の範囲である場合には、それよりも少し余裕を持たせた「13」を当該矩形領域の横方向長さとして設定する。
【0062】
特徴量γ取得処理は、矩形領域の縦(y)方向長さを取得する処理であり、処理結果(ΦγC≦0,・・・,2<Φγ≦4,4<Φγ≦6,・・・など)の範囲に対して設定される代表値(「0」,・・・,「5」,「7」,・・・)を特徴量γとする。例えば、Φγが4<Φγ≦6の範囲である場合には、それよりも少し余裕を持たせた「7」を当該矩形領域の縦方向長さとして設定する。
【0063】
図9は画素値強度ムラ領域取得部101の処理の流れを示すフローチャートである。また、図10は図9に示すフローチャートの処理を具体的に説明する図である。まず、画素値強度ムラデータD1を取得し(図9のステップS1、図10(a))、取得した画素値強度ムラデータD1を二値化処理する(図9のステップS2、図10(b))。これらの処理によって、画素値強度ムラの生じていると考えられる領域と画素値強度ムラの生じていないと考えられる領域とを分けることができ、それによって、画素値強度ムラ領域を取得することができる。ここでは、画素値強度ムラ領域に対応する二値化要素A,B,C,Dが取得されたとする。
【0064】
そして、取得された二値化要素A,B,C,Dに対してラベリング処理を行い(図9のステップS3)、ラベル付けされたラベリング要素A,B,C,Dが得られたとする(図10(c))。続いて、ラベル付けされたラベリング要素A,B,C,Dの特徴量について画素値強度ムラ領域取得用データD2を参照することによって取得し(図9のステップS4)、取得した特徴量を画素値強度ムラ領域データD3として記憶部(図示せず)に格納する(図9のステップS5)。
【0065】
図11は図1に示す画素値強度ムラ領域に対して設定された画素値強度ムラ領域データD3について説明する図である。図11(a)は画素値強度ムラ領域A,B,C,Dに対して設定された画素値強度ムラ領域データD3の具体例を示す図であり、画素値強度ムラ領域データD3は、画素値強度ムラ領域A,B,C,Dを表すインデクスA,B,C,Dと各画素値強度ムラ領域A,B,C,Dの特徴量から構成されている。
【0066】
画素値強度ムラ領域A,B,C,Dの特徴量としては、図8で示した画素値強度ムラ領
域取得用データD2によって取得される回転角度(特徴量α)、横方向長さ(特徴量β)、縦方向長さ(特徴量γ)などの他に、画素値強度ムラ領域A,B,C,Dの液晶ライトバルブ上における位置、画素値強度ムラである座標位置も各画素値強度ムラ領域A,B,C,Dの特徴量とする。
【0067】
画素値強度ムラ領域A,B,C,Dの液晶ライトバルブ上における位置は、各画素値強度ムラ領域A,B,C,Dを取り囲む各矩形領域の液晶ライトバルブ上における位置で表される。なお、各矩形領域の液晶ライトバルブ上における位置は、各矩形領域の重心の位置(重心位置という)で表され、各矩形領域の重心位置(Pで表す)は、各画素値強度ムラ領域A,B,C,Dの中央部に対応する。
【0068】
例えば、図11における「位置」が(12,6)というのは、矩形領域の重心位置であり、これは、画素値強度ムラ領域Aの液晶ライトバルブ上における位置が、液晶ライトバルブの全体領域Gの左側端部から右(x)方向へ「12画素」、上側端部から下(y)方向に「6画素」の位置であることを示している。
【0069】
また、図11(a)における「画素値強度ムラ領域を示す座標位置」は、各矩形領域内における画素値強度ムラを生じる位置の液晶ライトバルブ上における座標位置(画素位置)である。すなわち、各矩形領域は、画素値強度ムラを取り囲む領域であって、各矩形領域のすべての画素に画素値強度ムラが生じているわけではないので、各矩形領域において、画素値強度ムラの生じている位置(画素)のみの座標を取得して、取得した座標値を「画素値強度ムラである座標位置」として示している。
【0070】
例えば、画素値強度ムラ領域Aを示す座標位置(7,4),(8,4),・・・,(17,8)というのは、画素値強度ムラ領域Aを取り囲む矩形領域において、実際に画素値強度ムラの生じている位置(画素値強度ムラ領域Aに対応する画素)が(7,4),(8,4),・・・,(17,8)の位置であることを示している。
【0071】
図11(b)は画素値強度ムラ領域Cとその矩形領域を取り出して示す図であり、画素値強度ムラ領域Cの画素値強度ムラ領域データは、図11(a)に示すように、画素値強度ムラ領域Cの液晶ライトバルブ上における位置は(12,18)であり、これは、画素値強度ムラ領域Cの矩形領域の重心位置Pが「x方向=12」、「y方向=18」であることを意味している。また、画素値強度ムラ領域Cの矩形領域の横方向長さは「19」、縦方向長さは「5」であり、画素値強度ムラ領域の回転量は「−30度」である。
【0072】
図12は平行直線群設定部102が行う平行直線群設定処理の流れを示すフローチャートである。図12において、まず、画素値強度ムラデータD1を取得するとともに画素値強度ムラ領域データD3を取得する(ステップS11,S12)。そして、i=0を設定し(ステップS13)、設定されたi番目の画素値強度ムラ領域の特徴量を取得する(ステップS14)。ここで、iは図11のインデクスA,B,C,Dに対応し、i=0は画素値強度ムラ領域A、i=1は画素値強度ムラ領域B、i=2は画素値強度ムラ領域C、i=3は画素値強度ムラ領域Dに対応する。
【0073】
続いて、設定されたi番目の画素値強度ムラ領域に対して、画素値強度ムラ領域に平行直線群を設定する際の基準位置(平行直線群基準位置という)、平行直線群を構成する直線の本数(直線本数という)をそれぞれ設定し(ステップS15,S16)、さらに、平行直線群を構成する直線の間隔(直線間隔という)、平行直線群を構成する直線の開始位置(直線開始位置という)、平行直線群を構成する直線の長さ(直線長さという)をそれぞれ算出する(ステップS17,S18,S19)。また、画素値強度ムラ領域が回転した状態となっている場合には、平行直線群を構成する直線の回転角度を設定する(ステッ
プS20)。
【0074】
その後、全ての画素値強度ムラ領域について平行直線群を設定したか否かを判定し(ステップS21)、全ての画素値強度ムラ領域について平行直線群を設定していれば、処理を終了し、全ての画素値強度ムラ領域について平行直線群を設定していなければ、「i=i+1」を行って(ステップS22)、ステップS14に戻る。
【0075】
図12におけるステップS15の「平行直線群基準位置の設定」は、画素値強度ムラ領域データD3における特徴量の「位置」を平行直線群基準位置とする。例えば、画素値強度ムラ領域Cを例に取れば、画素値強度ムラ領域Cの液晶ライトバルブ上における位置は(12,18)であるので、平行直線群基準位置を(12,18)に設定する。また、ステップS16の「直線本数の設定」は、直線本数として例えば5本を設定する。
【0076】
また、ステップS17の「直線間隔の算出」は、「直線間隔=矩形領域の縦方向長さ÷(直線本数−1)」によって算出する。例えば、画素値強度ムラ領域Cを例に取れば、画素値強度ムラ領域Cにおける矩形領域の縦方向長さは「5」であるので、「5÷(5−1)≒1.67」と求められるので、この場合、「1.67」を丸めて「2」とする。すなわち、直線間隔は2画素とする。
【0077】
また、ステップS18の「直線開始位置の算出」は、平行直線群を構成する複数の直線の最上段の直線の縦(y)方向の位置を算出するものであり、「直線開始位置=矩形領域の縦(y)方向の位置−矩形領域の縦方向長さ÷2」によって算出する。例えば、画素値強度ムラ領域Cを例に取れば、画素値強度ムラ領域Cにおける矩形領域の縦(y)方向の位置は「18」、矩形領域の縦方向長さ=5であるので、「18−5÷2=15.5」と求められるので、この場合、「15.5」を丸めて「15」とする。すなわち、画素値強度ムラ領域Cの直線開始位置は、液晶ライトバルブにおける縦(y)方向の「15」画素の位置とする。
【0078】
また、ステップS17の「直線長さの算出」は次のような手順によって行う。画素値強度ムラ領域Cのように、基準位置に対して所定角度(例えば、画素値強度ムラ領域Cは「-30度」)回転した状態となっている場合には、まずは、下記(3)式を用いて、回転を打ち消すための回転処理を行う。
【数3】

【0079】
そして、回転を打ち消した画素値強度ムラ領域において、図11に示す画素値強度ムラ領域データD3の特徴量の1つである「画素値強度ムラ領域を示す座標位置」を算出する処理を行い、算出された「画素値強度ムラ領域を示す座標位置」に対応する領域に、先に算出した「直線本数」、「直線間隔」、「直線開始位置」に基づいて、所定本数の直線を重ね合わせ、重ね合わせた所定本数の直線長さが、少なくとも、画素値強度ムラ領域の横方向の両端部間に達する長さとなるように設定する。
【0080】
図13は直線長さを設定する処理の具体例について説明する図である。図13は画素値強度ムラ領域Cに対する直線長さの設定例について説明する図である。まず、−30度回転した状態となっている画素値強度ムラ領域C(図13(a)参照)に対し、−30度の
回転を打ち消すような回転処理を行う。
【0081】
そして、回転を打ち消した画素値強度ムラ領域Cにおいて、「画素値強度ムラ領域を示す座標位置」を算出する処理を行い、算出された「画素値強度ムラ領域を示す座標位置」に対し、先に取得した「平行直線群基準位置」、「直線本数」、「直線間隔」、「直線開始位置」に基づいて、5本の直線を重ね合わせる(図13(b)参照)。
【0082】
図13(b)に示す処理の段階では、5本の直線はすべて同じ長さ(初期長さaとする)に設定されている。また、5本の直線はそれぞれの中央部(a/2の位置)が平行直線群基準位置(矩形領域の重心位置P)を通る縦(y)方向垂線hに対応するように設定する。なお、初期長さaは、回転を打ち消した画素値強度ムラ領域において算出された「画素値強度ムラ領域を示す座標位置」に基づいて、適当な値を設定することができる。
【0083】
次に、図13(c)に示すように、5本の直線の個々の長さが、画素値強度ムラ領域の横方向の少なくとも両端位置に達する長さとなるように設定する。このような長さの設定処理を行う際は、回転を打ち消した画素値強度ムラ領域において算出された「画素値強度ムラ領域を示す座標位置」に基づいて行う。すなわち、5本の直線について、個々の直線の両端が、画素値強度ムラ領域の少なくとも両端位置に対応する座標位置に達するまで、各直線の中央部を基準にその長さを変化させて行く。なお、図13(c)は図13(b)を拡大して示している。図13(c)では、5本の直線L0〜L4は、縦(y)方向垂線hを基点に左右方向にそれぞれ「a/2」、「a/2」、「a/2」、「a/2」、「a/2」の長さを有する直線に設定された例が示されている。
【0084】
図14は平行直線群データD4の一例を示す図である。図14のインデクスA,B,C,Dは、画素値強度ムラ領域A,B,C,Dを表し、これらインデクスA,B,C,Dに対応して設定される平行直線群データD4が格納されている。平行直線群データD4としては、「平行直線群基準位置」、「直線本数」、「直線間隔」、「回転角度」、「直線開始位置(縦方向)」、「直線長さ」が格納されている。なお、「平行直線群基準位置」は、画素値強度ムラ領域データD3の「位置」と同じであり、各画素値強度ムラ領域A,B,C,Dにおける矩形領域の重心位置Pの座標値である。
【0085】
例えば、インデクスC(画素値強度ムラ領域C)における平行直線群基準位置は、液晶ライトバルブにおける(12,6)の座標位置であり、また、直線本数は「5」、直線間隔は「2」、回転角度は「−30度」、直線開始位置(回転を打ち消した状態での縦方向の直線開始位置)は「15」である。また、直線長さは、「11,17,19,17,11」が設定される。
【0086】
なお、図14における直線長さは、ある画素値強度ムラ領域に設定される複数本の直線のうちの最上段に位置する直線から順番にその長さが設定される。例えば、画素値強度ムラ領域Cにおける直線長さ「11,17,19,17,11」は、画素値強度ムラ領域Cに設定される5本の直線L0〜L4のうちの最上段に位置する直線L0から順にその長さを示す数値である。すなわち、「11,17,19,17,11」は、L0=11,L1=17,L2=19,L3=17,L4=11であることを示している。
【0087】
図15は画素値強度ムラ補正値分布設定部103が行う画素値強度ムラ補正値分布設定処理の手順を説明するフローチャートである。図15において、まず、画素値強度ムラデータD1、画素値強度ムラ領域データD3、平行直線群データD4をそれぞれ取得する(ステップS31,S32,S33)。
【0088】
続いて、i=0を設定し(ステップS34)、設定されたi番目の画素値強度ムラ領域を取得する(ステップS35)。ここで、iは画素値強度ムラ領域A,B,C,Dのインデクスを表し、i=0は画素値強度ムラ領域A、i=0は画素値強度ムラ領域A、i=1は画素値強度ムラ領域B、i=2は画素値強度ムラ領域C、i=3は画素値強度ムラ領域Dに対応する。
【0089】
次に、取得したi番目の画素値強度ムラ領域の画素値強度ムラを取得するとともにi番目の画素値強度ムラ領域の平行直線線群を取得する(ステップS36,S37)。そして、i番目の画素値強度ムラ領域の平行直線群を構成する直線上での画素値強度ムラ補正値分布を算出し(ステップS38)、すべての画素値強度ムラ領域について画素値強度ムラ補正値分布を算出したか否かを判定し(ステップS39)、すべての画素値強度ムラ領域について画素値強度ムラ補正値分布を算出したら処理を終了するが、すべての画素値強度ムラ領域について画素値強度ムラ補正値分布を算出していなければ、「i=i+1」を行い(ステップS40)、ステップS35に戻る。
【0090】
図16は画素値強度ムラ補正値分布の算出手順を説明するフローチャートである。また、図17は図16に示すフローチャートの処理を具体的に説明する図である。なお、ここでは、画素値強度ムラ領域Cを例に取って説明する。
【0091】
まず、図17(a)に示すように回転状態となっている画素値強度ムラ領域Cに対して回転を打ち消す処理を行う。続いて、回転を打ち消した画素値強度ムラデータを生成し(図16のステップS41)、回転を打ち消した画素値強度ムラデータと平行直線群データD4とに基づいて、画素値強度ムラ領域Cに設定された各直線L0〜L4上での画素値強度ムラ補正値分布を作成する(図16のステップS42、図17の(b)〜(f))。そして、作成された各直線L0〜L4上での画素値強度ムラ補正値分布を画素値強度ムラ領域Cの画素値強度ムラ補正値分布データD5として格納するとともに回転角度を示す回転角度データを格納する(図16のステップS43,S44)。
【0092】
図17(b)〜(f)は、画素値強度ムラ領域Cに設定された各直線L0〜L4に対して設定された画素値強度ムラ補正値分布を示す図であり、各直線L0〜L4での画素値強度ムラ補正値分布が設定される。なお、図17(b)〜(f)は前述した多項式((1)式参照)による画素値強度ムラ補正値分布の例である。
【0093】
図18は画素値強度ムラ領域に対して設定される画素値強度ムラ補正値分布データD5(その1)を示す図である。図18は画素値強度ムラ補正値分布を多項式((1)式参照)で表す場合である。
【0094】
図18に示す画素値強度ムラ補正値分布データD5としては、画素値強度ムラ領域A,B,C,Dを表すインデクスA,B,C,Dと、これら各インデクスA,B,C,Dに対応付けられた当該画素値強度ムラ領域の回転角度と、(1)式の多項式に必要なデータとが格納される。(1)式の多項式に必要なデータとしては、各直線(例えば、画素値強度ムラ領域Aにおいては直線L0〜L4)のそれぞれ左側端部の位置(始端位置(x)という)、右側端部の位置(終端位置(x)という)、(1)式におけるa,b、L、係数C(l=0,1,2,・・・)である。(1)式におけるaは、a=(x+x)/2で求められ、bは、b=(|x−x|)/2で求められる。
【0095】
なお、図18では画素値強度ムラ領域Aについてのみが示されているが、他の画素値強度ムラ領域B,C,Dについてもそれぞれの画素値強度ムラ領域に対する画素値強度ムラ補正値分布データが設定される。
【0096】
図19は画素値強度ムラ領域に対して設定される画素値強度ムラ補正値分布データD5(その2)を示す図である。図19は画素値強度ムラ補正値分布を離散値として表す場合である。図19に示す画素値強度ムラ補正値分布データとしては、画素値強度ムラ領域A,B,C,Dを表すインデクスA,B,C,Dと、これら各インデクスA,B,C,Dに対応付けられた当該画素値強度ムラ領域の回転角度と、当該画素値強度ムラ領域に設定される各直線のそれぞれ始端位置(x)、終端位置(x)、直線間隔、複数の線上点(図3参照)に設定された離散的な画素値強度ムラ補正値ΔI,ΔI,ΔI,・・・が格納される。
【0097】
なお、図19では画素値強度ムラ領域Aについてのみが示されているが、他の画素値強度ムラ領域B,C,Dについてもそれぞれの画素値強度ムラ領域に対する画素値強度ムラ補正値分布データが設定される。
【0098】
図20は画素値強度ムラ補正値算出部104が行う画素値強度ムラ補正値算出処理の手順(その1)を説明するフローチャートである。また、図21は図20の処理を具体的に説明する図である。
【0099】
図20及び図21を用いて画素値強度ムラ補正値の算出処理について説明する。まず、画素値強度ムラ補正値分布が設定されている平行直線群に交差(直交とする)する複数の補正値算出用直線Jを設定し、画素値強度ムラ補正値分布が設定されている平行直線群と各補正値算出用直線Jとの各交点を算出する(図20のステップS51,S52、図21(a))。
【0100】
図21(a)においては、画素値強度ムラ補正値分布が設定されている平行直線群を破線で示し、各補正値算出用直線Jを実線で示している。また、画素値強度ムラ補正値分布が設定されている平行直線群と各補正値算出用直線Jとの各交点を図示のように白丸で示す。また、図21(a)に示す小さな黒丸は、平行直線群を構成する各直線の始端と終端を示す。なお、元々、所定の回転角度を有した状態となっている画素値強度ムラ領域(例えば、画素値強度ムラ領域C)は、その回転が打ち消された状態で画素値強度ムラ補正値分布が設定されているので、図20のステップS51,S52の処理は、平行直線群が図21(a)のように水平方向となっている状態で行われる。
【0101】
続いて、交点での画素値強度ムラ補正値の算出を行い(図20のステップS53)、回転処理を行って画素値強度ムラ領域を元の位置(所定の回転角度を有した状態の位置)に戻し、各交点の位置を画素値強度ムラ領域の元の位置(所定の回転角度を有した状態の位置)とする(図20のステップS54、図21(b))。そして、回転処理済みの交点(図21(b))の画素値強度ムラ補正値による補間処理から任意位置の画素値強度ムラ補正値を算出する(図20のステップS55)。
【0102】
図20及び図21に示すような処理を行うことにより、図21(b)における白丸の位置及び白丸以外の任意の位置の画素値強度ムラ補正値を得ることができる。なお、補正値算出用直線Jの数は、任意に設定することができ、補正値算出用直線Jの数を多くすれば、より多くの位置の画素値強度ムラ補正値を得ることができるが、その分、演算量も増えるので、演算量と精度とを考慮して設定することが好ましい。
【0103】
図22は画素値強度ムラ補正値算出部104が行う画素値強度ムラ補正値算出処理の手順(その2)を説明するフローチャートである。また、図23は図22の処理を具体的に説明する図である。
【0104】
図22及び図23を用いて画素値強度ムラ補正値の算出処理について説明する。まず、
元々、所定の回転角度を有した状態となっている画素値強度ムラ領域(例えば、画素値強度ムラ領域C)は、その回転を打ち消した状態で、平行直線群を構成する直線上での画素値強度ムラ補正値分布が設定されている(図17(b)〜(f)参照)。このように、元々の回転を打ち消した状態で画素値強度ムラ補正値分布が設定されている場合には、まず、回転処理を行って、平行直線群を元の位置(所定の回転角度を有した状態の位置)に戻す(図22のステップS61、図23)。
【0105】
そして、画素値強度ムラ補正値を求めたい位置(画素値強度ムラ補正値算出位置Qという)から、回転処理済みの平行直線群に交差(直交とする)する補正値算出用直線Kを設定する(図22のステップS62、図23)。なお、図23においても、画素値強度ムラ補正値分布が設定されている平行直線群を破線で示し、平行直線群と直交する補正値算出用直線Kを実線で示している。
【0106】
続いて、回転処理済みの平行直線群と補正値算出用直線Kとの交点のうち、画素値強度ムラ補正値算出位置Qから最も近い交点と2番目に近い交点R0,R1のそれぞれの画素値強度ムラ補正値ΔI,ΔIとの補間計算から、画素値強度ムラ補正値算出位置Qの画素値強度ムラ補正値を算出する(図22のステップS63、図23)。
【0107】
画素値強度ムラ補正値算出位置Qの画素値強度ムラ補正値ΔIは、下記(4)式により算出することができる。なお、(4)式において、d,dは画素値強度ムラ補正値算出位置Qから交点R0,R1までの距離、ΔIは交点R0における画素値強度ムラ補正値、ΔIは交点R1における画素値強度ムラ補正値である。
【数4】

【0108】
なお、画素値強度ムラ補正値算出位置Qは、任意の位置に設定可能であり、画素値強度ムラ補正値算出位置Qをより多くの位置に設定すれば、より多くの位置での画素値強度ムラ補正値を得ることができるが、その分、演算量も増えるので、演算量と精度とを考慮して設定することが好ましい。
また、図20〜図23の例では、補正値算出用直線は平行直線群に対して直交するように設定する例で説明したが、直交に限られるものではない。
【0109】
以上説明したように、実施形態1に係る画像データ処理装置によれば、画素値強度ムラ領域において、平行直線群を設定し、設定した平行直線群を構成する直線上での画素値強度ムラ補正値分布を算出し、算出した画素値強度ムラ補正値分布に基づいて、画素値強度ムラ領域の任意の位置における画素値強度ムラ補正値を算出するようにしている。これにより、液晶ライトバルブに存在する画素値強度ムラ領域の位置での画素値強度ムラ補正値を適切に設定することができる。また、実施形態1に係る画像データ処理装置によれば、画素値強度ムラ補正値のデータ量を抑えながら画素値強度ムラ領域における画素値強度ムラ補正値を可能な限り詳細に取得することができる。
【0110】
[実施形態2]
図24は実施形態2に係る画像データ補正装置の構成を示す図である。実施形態2に係る画像データ補正装置200は、図24に示すように、図7に示した画素値強度ムラ補正値算出部104と、この画素値強度ムラ補正値算出部104で算出された画素値強度ムラ補正値を用いて、入力画像データD10に対して画素値強度ムラ補正を行い、画素値強度
ムラ補正済み入力画像データD11を出力する画素値強度ムラ補正処理部201を有している。
【0111】
なお、画素値強度ムラ補正値算出部104は、図18又は図19に示した画素値強度ムラ補正値分布データD5を用いて、図20及び図21又は図22及び図23で説明した手順によって画素値強度ムラ補正値を算出するものである。
【0112】
図25は画像データ補正装置200が行う画像データ補正処理の手順を示すフローチャートである。図25において、まず、画素値強度ムラ補正値分布データD5を取得し(ステップS71)、取得した画素値強度ムラ補正値分布データD5を用いて、図20及び図21又は図22及び図23で説明した手順によって画素値強度ムラ補正値を算出する(ステップS72)。
【0113】
そして、補正処理すべき画像データ(入力画像データD10)が存在するか否かを判定し(ステップS73)、補正処理すべき画像データが存在しなければ、処理を終了するが、補正処理すべき画像データが存在すれば、補正処理すべき画像データを取得して(ステップS74)、ステップS72によって作成された画素値強度ムラ補正値を用いて当該画像データの画素値強度ムラ補正処理を行い(ステップS75)、画素値強度ムラ補正済み画像データの転送を行う(ステップS76)。
【0114】
以上説明したように、図25に示す画像データ補正装置200によれば、画素値強度ムラ補正値分布データD5を用いて、画素値強度ムラ補正値算出部104が画素値強度ムラ補正値を算出する。そして、画素値強度ムラ補正処理部201は、画素値強度ムラ補正値算出部104で算出された画素値強度ムラ補正値を用いて、入力画像データD10に対して画素値強度ムラ補正を行う。このように、画素値強度ムラ補正値算出部104によって算出された画素値強度ムラ補正値を用いて、画素値強度ムラ補正処理部201が入力画像データを補正することにより、液晶ライトバルブに画素値強度ムラが存在しても、画素値強度ムラの抑制された高品質な画像を出力させることができる。
【0115】
なお、実施形態2に係る画像データ補正装置200は、図24に示したように、画素値強度ムラ補正値算出部104と、画素値強度ムラ補正処理部201とを有する構成としたが、画像データ補正装置200は、画素値強度ムラ補正値算出部104を有しない構成とし、他の処理装置で生成された画素値強度ムラ補正値(図20及び図21又は図22及び図23で説明した手順によって算出された画素値強度ムラ補正値)を取得して、取得した画素値強度ムラ補正値を用いて入力画像の補正を行うというような構成とすることも可能である。
【0116】
例えば、図7に示す画像データ処理装置で生成された画素値強度ムラ補正値、すなわち、図7の画素値強度ムラ補正値算出部104で生成された画素値強度ムラ補正値を、画像データ補正装置200の画素値強度ムラ補正処理部201が入力するような構成とすることも可能である。
【0117】
[実施形態3]
図26は実施形態3に係る画像表示装置の構成を概略的に示す図である。図26に示す画像表示装置は、画像データ補正装置として、図24及び図25で説明した画像データ補正装置200を用いる。本発明の実施形態3に係る画像表示装置が例えばプロジェクタであれば、図26に示すように、液晶ライトバルブなどの光変調素子301、光変調素子301を駆動する光変調素子駆動部302、光変調素子301に光を投射するための照明光学系(光源を含む)303、画像をスクリーンSCRなどに投射する投射光学系304、図24及び図25で説明した画像データ補正装置200を有する。
【0118】
図26に示すような画像表示装置が有する画像データ補正装置として、図24及び図25で説明した画像データ補正装置200を用いることにより、光変調素子301に画素値強度ムラが存在していても、画素値強度ムラを適切に補正することができ、スクリーンSCRに表示される画像を高品質なものとすることができる。
【0119】
なお、本発明は上述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、画素値強度ムラ領域に設定する直線本数の設定の仕方は、種々の方法が考えられる。
【0120】
直線本数を初期値として例えば5本と決めておく(手順1)。また、直線間隔の最大値を初期値として例えば2画素と決めておく(手順2)。そして、処理対象となる画素値強度ムラ領域に設定された画素値強度ムラ領域を取り囲む矩形領域の縦方向長さと手順1によって初期値として設定された直線本数(5本)から、直線間隔を計算する(手順3)。例えば、矩形領域の縦方向長さが20画素であったとすれば、「20÷(初期値の直線本数5本−1)」により、直線間隔(5画素)を得る。
【0121】
そして、手順2で決めた初期値としての直線間隔の最大値(2画素)と、手順3で求められた直線間隔とを比較し、「初期値としての直線間隔の最大値(2画素)≧手順3で求められた直線間隔」を満足した場合には、直線の本数は手順1で決めた初期値(5本)のままとするが、「初期値としての直線間隔の最大値(2画素)≧手順3で求められた直線間隔」を満足しなければ、手順2で決めた初期値としての直線間隔の最大値(2画素)に基づいて直線本数を再計算する(手順4)。
【0122】
ここでの例においては、手順3によって矩形領域の縦方向長さから求められた直線間隔は5画素であるので、「初期値としての直線間隔の最大値(2画素)≧手順3で求められた直線間隔」を満足しない。したがって、この場合は、直線本数を再計算する。すなわち、「矩形領域の縦方向長さ(20画素)÷直線間隔(2画素)+1」を計算することによって、「直線本数=11本」を得る。
以上説明した手順1から手順4を行うことによって直線本数を決定するようにしてもよい。
【0123】
また、前述の各実施形態において説明した画素値強度ムラ補正値の作成を行うための画像データ処理を画像データ処理装置に実行させるための画像データ処理プログラムを作成することが可能であり、また、作成した画像データ処理プログラムを各種の記録媒体に記録させておくことも可能である。
したがって、本発明は、これら画像データ処理プログラムとその画像データ処理プログラムを記録した記録媒体をも含むものである。また、画像データ処理プログラムはネットワークから取得するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】液晶ライトバルブの全体領域に存在する画素値強度ムラの一例を示す図。
【図2】図1で示した画素値強度ムラ領域A,B,C,Dに平行直線群を設定した例を示す図。
【図3】画素値強度ムラ領域を横切る平行直線群の各直線上で設定される画素値強度ムラ補正値分布を多項式で表す一例を示す図。
【図4】画素値強度ムラ領域を横切る平行直線群の各直線上で設定される画素値強度ムラ補正値分布を各直線上で離散値として表す例を示す図。
【図5】様々な画素値強度ムラ領域に対する平行直線群の設定例について示す図。
【図6】形状及び大きさが同じ画素値強度ムラ領域に平行直線群を設定する際に、平行直線群を構成する直線の本数を変化させた例を示す図。
【図7】実施形態1に係る画像データ処理装置の構成を示す図。
【図8】画素値強度ムラ領域域取得用データの一例を示す図。
【図9】画素値強度ムラ領域取得部101の処理の流れを示すフローチャート。
【図10】図9に示すフローチャートの処理を具体的に説明する図。
【図11】図1に示す画素値強度ムラ領域に対して設定された画素値強度ムラ領域データD3について説明する図。
【図12】平行直線群設定部102が行う平行直線群設定処理の流れを示すフローチャート。
【図13】直線長さを設定する処理の具体例について説明する図。
【図14】平行直線群データD4の一例を示す図。
【図15】画素値強度ムラ補正値分布設定部103が行う画素値強度ムラ補正値分布設定処理の手順を説明するフローチャート。
【図16】画素値強度ムラ補正値分布の算出手順を説明するフローチャート。
【図17】図16に示すフローチャートの処理を具体的に説明する図。
【図18】画素値強度ムラ領域に対して設定される画素値強度ムラ補正値分布データD5(その1)を示す図。
【図19】画素値強度ムラ領域に対して設定される画素値強度ムラ補正値分布データD5(その2)を示す図。
【図20】画素値強度ムラ補正値算出部104が行う画素値強度ムラ補正値算出処理の手順(その1)を説明するフローチャート。
【図21】図20の処理を具体的に説明する図。
【図22】画素値強度ムラ補正値算出部104が行う画素値強度ムラ補正値作成処理の手順(その2)を説明するフローチャートである。
【図23】図22の処理を具体的に説明する図。
【図24】実施形態2に係る画像データ補正装置の構成を示す図。
【図25】画像データ補正装置200が行う画像データ補正処理の手順を示すフローチャート。
【図26】実施形態3に係る画像表示装置の構成を概略的に示す図。
【符号の説明】
【0125】
101・・・画素値強度ムラ領域取得部、102・・・平行直線群設定部、103・・・画素値強度ムラ補正値分布設定部、104・・・画素値強度ムラ補正値算出部、200・・・画像データ補正装置、201・・・画素値強度ムラ補正処理部、300・・画像表示装置、A,B,C,D・・・画素値強度ムラ領域、G・・・全体領域、D1・・・画素値強度ムラデータ、D2・・・画素値強度ムラ領域取得用データ、D3・・・画素値強度ムラ領域データ、D4・・・平行直線群データ、D5・・・画素値強度ムラ補正値分布データ、L0〜L4、L0〜L4、L0〜L4、L0〜L4・・・平行直線群を構成する直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調素子に存在する画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を生成する画像データ処理方法であって、
前記光変調素子に存在する画素値強度ムラ領域を取得するステップと、
前記画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線を設定するステップと、
前記複数の直線の各直線上において前記画素値強度ムラ補正値の分布を設定するステップと、
を有することを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像データ処理方法において、
前記画素値強度ムラ補正値の分布は、多項式で与えられることを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の画像データ処理方法において、
前記画素値強度ムラ補正値の分布は、前記各直線上において設定した複数の線上点での離散値として与えられ、前記線上点間の前記画素値強度ムラ補正値は補間によって求めることを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の画像データ処理方法において、
前記画素値強度ムラ領域の形状及び/又は大きさに応じて、前記複数の直線の本数、前記複数の直線の各直線間の間隔、前記複数の直線の各直線の長さ、前記複数の直線の方向を設定することを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像データ処理方法において、
前記複数の直線は、各直線が平行であることを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像データ処理方法において、
前記各直線上における前記画素値強度ムラ補正値の分布に基づいて、前記画素値強度ムラ領域の任意の位置に対応する画素値強度ムラ補正値を算出するステップをさらに有することを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像データ処理方法において、
前記画素値強度ムラ補正値を算出するステップは、
前記複数の直線に交差する複数の補正値算出用直線を設定し、前記複数の直線と前記複数の補正値算出用との交点において、前記画素値強度ムラ補正値の分布から前記画素値強度ムラ補正値を求めることを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項8】
請求項6に記載の画像データ処理方法において、
前記画素値強度ムラ補正値を算出するステップは、
前記画素値強度ムラ領域において前記画素値強度ムラ補正値を算出すべき位置から前記複数の直線に交差する補正値算出用直線を設定し、前記複数の直線と前記補正値算出用直線との交点のうち、前記画素値強度ムラ補正値を算出すべき位置から最も近い交点において得られる画素値強度ムラ補正値と2番目に近い交点において得られる画素値強度ムラ補正値との補間計算によって前記画素値強度ムラ補正値を算出すべき位置の画素値強度ムラ補正値を求めることを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項9】
光変調素子に存在する画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を生成する画像データ処理装置であって、
前記光変調素子に存在する画素値強度ムラ領域を取得する画素値強度ムラ領域取得部と

前記画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線を設定する直線群設定部と、
前記複数の直線の各直線上において前記画素値強度ムラ補正値の分布を設定する画素値強度ムラ補正値分布設定部と、
を有することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項10】
光変調素子に存在する画素値強度ムラを補正するための画素値強度ムラ補正値を生成する画像データ処理装置に前記画素値強度ムラ補正値を生成する処理を実行させる画像データ処理プログラムであって、
前記光変調素子に存在する画素値強度ムラ領域を取得するステップと、
前記画素値強度ムラ領域を横切る複数の直線を設定するステップと、
前記複数の直線の各直線上において前記画素値強度ムラ補正値の分布を設定するステップと、
を有することを特徴とする画像データ処理プログラム。
【請求項11】
光変調素子に入力する画像データを補正する画像データ補正方法であって、
請求項6〜8のいずれかに記載の画像データ処理方法によって生成された前記画素値強度ムラ補正値を用いて前記画像データを補正することを特徴とする画像データ補正方法。
【請求項12】
光変調素子に入力する画像データを補正する画像データ補正装置であって、
請求項6〜8のいずれかに記載の画像データ処理方法によって生成された前記画素値強度ムラ補正値を用いて前記画像データを補正する画素値強度ムラ補正処理部を有することを特徴とする画像データ補正装置。
【請求項13】
光変調素子と、前記光変調素子に入力する画像データを補正する画像データ補正装置とを有する画像表示装置であって、
前記画像データ補正装置として、請求項12に記載の画像データ補正装置を用いることを特徴とする画像表示装置。

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図12】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2008−203710(P2008−203710A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41844(P2007−41844)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】