説明

画像ファイルデータの外部公開パスの通知設定機能を備える画像形成装置

【課題】画像形成装置が画像データに外部からアクセスするためのURI通知機能を備える場合、画像データが格納されるフォルダ階層情報を含むURI情報がユーザに通知される。本来通知すべきでない通知先のメールアドレスが通知先アドレスとして設定されていた場合、実際にURIにはアクセスできなくとも、URI情報から情報が漏洩する可能性がある。
【解決手段】URI通知の通知宛先ごとに、前記画像データファイルに外部装置からアクセス可能な外部公開パスを通知するか、前記外部公開パスとは異なる前記画像データファイルにアクセス可能な一時公開パスを生成して通知するか、通知を不許可とするかを予め設定することを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置で画像データファイルが保存領域に格納された際に、PC等の画像形成装置外から、該画像データファイルにアクセスするための外部公開パス(URI)を通知する際の制御を可能とする画像形成装置及び画像形成装置の制御方法ならびに画像形成装置の制御方法を実行するプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置の画像データ管理を行うボックス等と呼ばれる格納機能には、画像データが格納されるとその画像データに外部からアクセスするためのパス(URL(Uniform Resource Locator)もしくは、URI(Uniform Resource Identifier))を通知するURI通知機能を備えているものが存在する。また、ボックスに画像データが格納されたとき、通知先が内部ドメインならばURLで通知し、外部ドメインならば格納された画像データ自体を送信することで、通知先で確実に格納された画像データを確認できるようにする技術がある(例えば、特許文献1参照。)。また、画像データをボックスに格納し、そのURLがメールで通知される設定がなされている場合、ボックスにパスワードが設定されている場合に、格納された画像データのURLを暗号化してE−Mail送信を行う技術も知られている(例えば特許文献2。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−82120号公報
【特許文献2】特開2007−80200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置のボックス等においてフォルダ階層を構築して画像データファイルを格納する際に、任意のフォルダに画像データファイルを格納することが可能な場合、以下の問題が生ずる。該画像形成装置が画像データファイルの格納を検知して該画像データファイルに対して外部からのアクセスするためのパス(URI)を通知する機能を備える場合、該画像データファイルを格納するフォルダ階層の情報を含むURI情報がユーザに通知されることになる。設定ミスなどにより、本来通知すべきでない通知先のメールアドレスが格納検知の通知先アドレスとして設定されていた場合、実際に該当のURIにはアクセスできなくとも、URI情報から情報が漏洩する可能性がある。例として、フォルダ構成が組織構成となっていた場合には、部外者に組織構成情報がパス名から漏洩する可能性があり、フォルダ構成が製品プロジェクト構成となっていた場合には、部外者に新製品プロジェクト情報がパス名から漏洩する可能性がある。
【0005】
上述した特許文献1の先行技術では、内部ドメインにはURLでパス情報を通知し、外部ドメインには格納された画像データ自体を送付するように、内部と外部で送信する内容を変更することが可能ではあるが、外部に画像データ自体を送付してしまっては、情報の漏洩を防ぐという目的を達成することは出来ない。また、上述した特許文献2の先行技術では、通知するパス情報を暗号化することにより、受信者が復号しない限りパス情報にはアクセス出来ない。しかしながら、受信者側には暗号化されたパス情報を復号させるシステム、もしくは復号キー情報が必要であり、復号作業が手間となってしまうという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、
操作制御手段からの指示により内部記憶装置に格納された画像データファイルにネットワークを介して外部装置からアクセス可能な画像形成装置であって、
外部装置から、内部記憶装置に格納された画像データファイルにファイルサーバとしてアクセス可能とするファイルサーバ制御手段と、内部記憶装置への画像データファイルの格納を検知する格納検知手段と、
前記格納検知手段による画像データファイルの格納の検知時に、画像データファイルの格納を通知する通知宛先ごとに、前記画像データファイルに外部装置からアクセス可能な外部公開パスを通知するか、前記外部公開パスとは異なるが前記画像データファイルにアクセス可能な一時公開パスを生成して通知するか、通知を不許可とするか、を予め設定することを可能とする外部公開パス通知設定手段と、
前記格納検知手段による画像データファイルの格納の検知時に、前記外部公開パス通知設定手段によって設定された前記通知宛先に対して、前記外部公開パス通知設定手段によって設定された前記外部公開パスもしくは一時公開パスの通知を行う外部公開パス通知送信手段と、
前記外部公開パス通知設定手段による外部公開パス通知設定が可能なユーザを予め制限することが可能な通知設定可能ユーザ設定手段と、
前記外部公開パス通知設定手段により外部公開パス通知設定が可能なフォルダを予め制限することが可能な通知設定可能フォルダ設定手段と、
前記操作制御手段からの指示により内部記憶装置に画像データファイルを格納する際に、前記通知宛先ごとに、前記外部公開パスを通知するか、前記外部公開パスとは異なる前記画像データファイルにアクセス可能な一時公開パスを生成して通知するか、通知を不許可とするか、の選択を可能とする格納時外部公開パス通知設定手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外部から内部記憶装置に格納された画像データファイルにファイルサーバとしてアクセスが可能な画像形成装置において、外部からアクセス可能な外部公開パスを通知する通知宛先ごとに通知方法を設定しておくことが可能となる。通知方法の設定においては、該画像データファイルの外部公開パスを通知する通知宛先と、該画像データファイルの一時公開パスを生成して通知する通知宛先と、通知を不許可とする通知宛先とを設定することが可能となる。それにより、画像データファイル格納時に、部内関係者には外部公開パス(例:file://mfp001/share/dev1/dept11/new_product/rx78/news_release.pdf)が通知される。一方、部外者には通知されない、もしくは一時公開パス(例:file://mfp001/temp/poi098lkj.pdf)のみを通知することが可能となる。それにより、部内関係者には使い易い外部公開パスを通知しつつ、部外者には一時公開パス情報しか通知しないので、フォルダ構成から類推されて内部情報が漏洩することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システム全体構成図
【図2】画像形成装置110のブロック図
【図3】MFP制御部300のブロック図
【図4】URI通知設定テーブル400のイメージ例
【図5】URI通知状況/履歴テーブル500のイメージ例
【図6】画像データファイル情報テーブル600のイメージ例
【図7】URI通知設定管理画面700の例
【図8】格納時URI通知設定画面800の例
【図9】スキャン保存時のURI送信処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
本実施例では、本発明の代表的な実施形態における画像形成装置の一例を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置を含むシステムの全体構成図である。
【0012】
図1においては、ユーザPC101、102〜103と、画像形成装置110がネットワーク100を介して接続されている。尚、ここで、これらユーザPC及び画像形成装置の数は、この図1に限定されるものではない。またユーザPC101〜103は、それぞれ同様な構成を有し、それぞれ同様な構成を有している。従って、以下の説明では、ユーザPC101を代表して説明する。
【0013】
ユーザPC101は、ネットワーク100と接続して、ネットワーク100との間で各種データのやり取りを行うネットワークインターフェースを有し、CPU、ROM、RAM、HDD等を具備する一般的な情報処理装置(PC)である。このユーザPC101は、ネットワークを介してサーバ上のファイルやフォルダを閲覧する一般的な閲覧プログラムや電子メールを送受信する一般的なメールアプリケーションを有している。
【0014】
画像形成装置110もまた、ネットワーク100と接続して、ネットワーク100との間で各種データのやり取りを行うネットワークインターフェースを有している。この画像形成装置110は、MFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)に代表される画像形成装置であり、サーバ機能を提供することによりネットワーク100を介して内部記憶装置に格納された画像データファイルに外部からのアクセスを可能とする。
【0015】
ネットワーク100は、本実施例ではLAN(Local Area Network)を例に説明するが、インターネット等の他のネットワークシステムであってもかまわない。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置として機能する画像形成装置110の内部の主要な構成を説明するブロック図である。画像形成装置110は、スキャン、プリント、コピー、送受信、ボックス(再プリント等の目的のため、機器内の記憶領域に画像データファイルを記憶する機能)など様々な機能を有する画像形成装置(MFP)である。画像形成装置110は、CPU201、メモリ202、外部インターフェース203、記憶部204、スキャナ部205、プリンタ部206、操作部207などから構成される。また、これらの各部は後述するMFP制御部300により制御される。
【0017】
CPU201は、この画像形成装置110全体の動作を制御し、メモリ202や記憶部204に格納されているプログラムを読み出して実行して各部に指示することにより、スキャン、プリント、送受信などの動作を実現する。
【0018】
メモリ202は、CPU201が実行する各種プログラムを記憶するROMや、制御などに必要なデータを一時的に格納するRAM等を有している。各種プログラムとは、後述するスキャナ制御部301、プリンタ制御部302、画像処理部303、操作制御部304、送受信制御部305を含む。更に、ファイルサーバ制御部306、画像データファイル管理部307、格納検知部308、URI通知設定部309、URI通知送信部310等も含んでいる。
【0019】
外部インターフェース203は、ネットワーク100などを介してユーザPC101、102、103などとの間で情報をやりとりする。
【0020】
記憶部204は、ハードディスクなどの不揮発性のメモリで構成され、各処理にて生成された画像データファイルなどを格納する他、各処理で用いる制御情報や設定情報を格納する。記憶部204は、後述するURI通知設定記憶部311、URI通知状況/履歴記憶部312、画像データファイル情報記憶部313等を備える。この記憶部204に対してデータの読み書きを行う場合は、メモリ202を介して行われる。尚、メモリ202のROMの代わりに各種プログラムを記憶部204に記憶しても良い。
【0021】
スキャナ部205は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する。
プリンタ部206は、レーザ露光部、作像部、定着部、給紙/搬送部が連携することにより画像データを記録紙上に形成する。
【0022】
操作部207は、ユーザにより操作されて各種動作指示等を入力するのに使用されるタッチパネルや各種キー及び表示部などを有する。
【0023】
内部バス208は、それぞれ各部を接続するものであり、この内部バス208を介して画像データの転送や各部に対する指示や設定値などの送受信が行われる。
【0024】
図3は、本実施例に係る画像形成装置110で特徴的な画像データファイル格納を検知して通知先ごとに異なる外部からアクセス可能な画像データファイルのパスを通知するURI通知機能を有する画像形成装置のMFP制御部300の構成を示すソフトブロック図である。
【0025】
同図において、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310はMFP制御部300を構成する処理モジュールである。これらの処理モジュールは、CPU201で使用されるアプリケーションプログラム、又はプログラムの一部として動作するモジュールである。また記憶部204と、記憶部204に備わる311、312、313は、このMFP制御部300が具備するプログラムや各種データを記憶する情報格納部であり、ファイルシステム又はデータベースシステムを用いて不揮発性のハードディスクや、メモリ等を含んでいる。また記憶部204と、記憶部204に備わる311、312、313に格納された情報へは、特定のキーや条件でアクセスが可能である。図3における矢印は、主なデータや処理の流れを示している。
【0026】
スキャナ制御部301は、図2で示したスキャナ部205を制御する。スキャナ制御部301は、CPU201からの指示に従ってスキャナ部205を駆動し、原稿台上の原稿を読み取り、読み取った画像データをメモリ202に格納する。また、スキャナ制御部301は、読み取った画像データに対する画像処理の指示を画像処理部303に対して行う。
【0027】
プリンタ制御部302は、CPU201からの指示に従って、画像データファイル管理部307を介してメモリ202や記憶部204の画像データファイル情報記憶部312などから画像データファイルを取得する。続けてプリンタ制御部302は、図2で示したプリンタ部206を制御することにより記録紙に画像を印刷して出力する。
【0028】
画像処理部303は、CPU201からの指示に従って動作し、操作制御部304等を介してユーザから指示された画像処理や画質向上のための処理や、スキャナ制御部301や送受信制御部305等がメモリ202に格納した画像データの解析や変換を行う。また画像処理部303は、画像データファイル管理部307が記憶部204に格納する画像データファイルの解析や変換も行い、変換した画像データはプリンタ制御部302の制御によるプリントや、送受信制御部305の制御による送信に用いられる。
【0029】
操作制御部304は、CPU201からの指示に従って動作し、画像形成装置110に備わりタッチパネル部やキー入力部からなる操作部207を制御する。操作部207をユーザが操作することにより発せられた情報が操作制御部304を介して各部に伝えられ、画像形成装置110が稼動する。
【0030】
送受信制御部305は、CPU201からの指示に従って動作し、送受信のジョブ制御を行う。送信制御部305は、ユーザが操作部207などを介してファクシミリや電子メールなどのアプリケーションを操作すると、メモリ202や記憶部204から取得した画像データファイルを外部インターフェース203を介して外部に送信する。また送信制御部305は、その逆に外部より送信されてきた画像データファイルを受信して記憶部204に格納させたりもする。
【0031】
ファイルサーバ制御部306は、本実施例に係る画像形成装置110において、外部のユーザPC101〜103からネットワーク100を介して記憶部204に格納する画像データファイルへアクセスを可能とするファイルサーバ機能を提供する。ファイルサーバ制御部306は、CPU201からの指示に従って動作し、HTTP、FTP、SMB、WebDAV等のプロトコルに対応し、対応するプロトコルに応じたデータ制御を行う。ファイルサーバ制御部306と画像データファイル管理部307の制御により、外部インターフェース203を介して記憶部204の画像データファイル情報記憶部313にて管理する画像データファイルやフォルダに対して、外部のユーザPC101〜103からの読み取り/書き込みのアクセスを可能とする。
【0032】
画像データファイル管理部307は、CPU201からの指示に従って動作し、記憶部204の画像データファイル情報記憶部313にて登録される画像データファイル情報の登録、更新、抽出などの管理を行う。画像データファイル管理部307が仲介制御することにより、プリンタ制御部302は記憶部204の画像データファイル情報記憶部313から画像データファイルを読み出す。また、画像データファイル管理部307が仲介制御することにより、スキャナ制御部301はメモリ202に格納した画像データファイルを記憶部204の画像データファイル情報記憶部313に格納する。また、画像データファイル管理部307が仲介制御することにより、送受信制御部305は記憶部204の画像データファイル情報記憶部313に対して画像データファイルの読み出しと書き込みを行う。また、画像データファイル管理部307が仲介制御することにより、ファイルサーバ制御部306において記憶部204の画像データファイル情報記憶部313に格納される画像データファイルに対して、外部のユーザPC101〜103からの読み取り/書き込みのアクセスを可能とする。
【0033】
図6は、画像データファイル情報記憶部313に記憶されている画像データファイル情報テーブル600の一例を示す図である。
【0034】
画像データファイルID601は、本実施例に係る画像形成装置110において管理する画像データファイル情報を一意に識別する識別子である。
【0035】
ファイル名602は、画像データファイルID601で指す画像データファイルのファイル名称である。
【0036】
更新日時603は、画像データファイルID601で指す画像データファイルが登録/更新された日時である。
【0037】
フォルダID604は、画像データファイルID601で指す画像データファイルが格納されるフォルダを特定する識別子の情報である。フォルダID604は、後述するURI通知状況/履歴テーブル500のフォルダID506と紐付く。またフォルダID604は、後述するURI通知設定テーブル400の「URI通知設定可能フォルダ」403の「URI通知フォルダ」要素の「folderId」属性や、URI通知先405が設定されている「URI通知フォルダ設定」要素の「folderId」属性と紐付く。
【0038】
格納ジョブID605は、スキャナ制御部301が制御するスキャン処理や、送受信制御部305が制御する受信処理、ファイルサーバ制御部306が制御するファイルサーバ機能から画像データファイル管理部307を介して画像データファイル情報記憶部313に画像データファイルを格納する格納ジョブを識別するための識別子の情報である。格納ジョブID605は、URI通知状況/履歴テーブル500の「格納ジョブID」502に紐付く。
【0039】
画像データ606は、画像データファイルID601で特定される画像データファイルを示している。
【0040】
格納検知部308は、CPU201からの指示に従って動作する。格納検知部308は、記憶部204の画像データファイル情報記憶部313に画像データファイルの格納のイベントが発生した場合に、該当のフォルダにURI通知設定がされているか否かを判断する。格納検知部308は、該当のフォルダにURI通知設定がされているか否かを、URI通知設定記憶部311より検索、もしくはURI通知状況/履歴記憶部312を検索することにより判断する。格納検知部308は、該当のフォルダにURI通知設定されていると判断した場合には、画像データファイル情報記憶部313とURI通知状況/履歴記憶部312からURI通知に必要な情報を取得した後に、URI通知送信部310に該URI通知に必要な情報を渡し、URI通知の実施を指示する。なお、本実施例では格納検知部308が画像データファイルの格納イベントを検知する例を挙げて説明しているが、画像データファイルの格納以外の更新や削除のイベントを検知しても構わない。
【0041】
URI通知設定部309は、本実施例に係る画像形成装置110においてCPU201からの指示に従って動作し、URI通知実施条件等の設定を行う。URI通知設定部309は、操作部207のタッチパネル等に表示するURI通知設定管理画面700を介して管理者ユーザの操作によって設定されたURI通知に関する設定管理情報を、記憶部204のURI通知設定記憶部311に対して設定する。
【0042】
また、URI通知設定部309は、操作部207のタッチパネル等に表示する格納時URI通知設定画面800を介してユーザの操作によって設定されたスキャン保存指示に際して更新設定するURI通知に関する情報を、記憶部204のURI通知状況/履歴記憶部312に対して設定する。
【0043】
図7は、画像形成装置110の操作部207に表示されるURI通知設定管理画面700のイメージ例である。URI通知設定管理画面700にて表示・設定される情報は、URI通知設定部309が管理するURI通知設定記憶部311に格納されているURI通知設定テーブル400の情報である。
【0044】
URI通知設定可能ユーザ701は、管理者ユーザのみが操作可能な項目であり、URI通知設定管理画面700の他の項目(702〜705)を操作可能なユーザを限定する場合に管理者ユーザにより操作される。「管理者のみ」が選択された場合には管理者ユーザのみが、URI通知設定管理画面700の他の項目(702〜705)を操作可能となる。一方、「設定可能ユーザ」が選択された場合には、(ここでは図示しない)設定可能ユーザ入力画面にて設定されたユーザが、URI通知設定管理画面700の他の項目(702〜705)を操作可能となる。
【0045】
通知先制限702は、本実施例に係る画像形成装置110で特徴的な画像データファイル格納を検知して通知先ごとに異なる外部からアクセス可能な画像データファイルのパスを通知するURI通知の送信にあたり、URI通知送信の宛先を制限する場合にユーザが操作する項目である。「通知許可アドレス」、もしくは「通知不許可アドレス」にはそれぞれ、URI通知宛先として許可する電子メールアドレス、URI通知宛先として不許可とする電子メールアドレス一覧を正規表現にて記載する。図7の例では、「通知許可アドレス」として“*@mycompany.co.jp”と設定されている。「制限通知許可アドレス」には、URI通知を送信する際に、本来の外部公開パスは通知せずに、仮に生成した一時公開パスを通知したい相手の電子メールアドレスの一覧を正規表現にて記載する。図7の例では、「制限通知許可アドレス」として、“*@list.mycompany.co.jp”と“*@mycompany.com”が設定されている。
【0046】
制限通知用一時公開フォルダ703には、通知先制限702にて「制限通知許可アドレス」として設定されたURI通知先に対して一時公開パスを通知する際に用いる「一時公開フォルダ」のパスを設定する。図7の例では、制限通知用一時公開フォルダとして、“¥¥temp”フォルダが設定されている。
【0047】
URI通知設定可能フォルダ704は、画像データファイル格納を検知して画像データファイルのパスを通知するURI通知を設定する対象のフォルダのパスを設定する。URI通知フォルダ設定画面(図示しない)にて、フォルダを選択することにより、URI通知設定可能フォルダ704に該当のフォルダが一覧表示され、URI通知設定可能なフォルダとなる。
【0048】
通知先アドレス705には、URI通知設定可能フォルダ704の一覧より選択されたフォルダに対する画像データファイルの格納を検知して、画像データファイルに外部からアクセス可能なパスを通知する通知先のメールアドレスを設定する。図7の例では、URI通知設定可能フォルダ704にて“¥¥share¥”フォルダが選択され、該フォルダに対しては、通知先アドレス705として、“sato@list.mycompany.co.jp”と“kato@mycompany.com”が設定されている。
【0049】
図7のURI通知設定管理画面700にて設定された項目は、OKボタンが押下されると操作制御部304が仲介することにより、URI通知設定部309がURI通知設定記憶部311のURI通知設定テーブル400に格納する。
【0050】
図4は、URI通知設定記憶部311のURI通知設定テーブル400をXML(Extensible Markup Language)形式にて表した例である。
【0051】
URI通知設定可能ユーザ401要素には、図7の例で示したURI通知設定可能ユーザ701にて設定された、URI通知設定が可能なユーザが登録される。
【0052】
通知先制限402要素には、図7の例で示した通知先制限702にて設定された、「通知許可アドレス」「通知不許可アドレス」「制限通知許可アドレス」のそれぞれのメールアドレスが登録される。
【0053】
URI通知設定可能フォルダ403要素には、図7の例で示したURI通知設定可能フォルダ704にて設定されたフォルダの一覧が登録される。
【0054】
制限通知用一時公開フォルダ404要素には、図7の例で示した制限通知用一時公開フォルダ703にて「制限通知許可アドレス」として設定されたURI通知先に対して一時公開パスを通知する際に用いる一時公開フォルダのパスが登録される。
【0055】
URI通知先405要素には、該当の「URI通知フォルダ設定」要素(folderId=”f001”にて「URI通知フォルダ」要素と紐付く)のフォルダに対するURI通知先のメールアドレスと、それぞれの通知先に対するURI通知方法(外部公開パス、一時公開パス通知、通知しない)が登録される。URI通知先405要素に登録されるURI通知先のメールアドレスは、図7の例で示した通知先アドレス705で設定されたメールアドレスが設定される。
【0056】
図8は、画像形成装置110の操作部207に表示される格納時URI通知設定画面800のイメージ例である。
【0057】
格納時URI通知設定画面800は、ユーザが操作部207に表示される画面を操作してスキャン保存を指示する際に、該当のスキャン保存操作による画像データファイル格納を検知して実施されるURI通知の設定を、ユーザが実行前に更新する場合に入力する画面である。
【0058】
格納時URI通知設定画面800には、該当のフォルダに設定されているURI通知設定情報が、操作制御部304を介して操作部207の画面に初期状態で表示される。該URI通知設定情報は、URI通知設定部309がURI通知設定記憶部311より取得する。
【0059】
外部公開フォルダ801は、スキャン保存が指示されている画像データファイルを格納するフォルダの外部公開フォルダのパスを表している。
【0060】
一時公開フォルダ802は、スキャン保存が指示されている画像データファイルを格納することにより実施される一時公開パス通知に用いられる一時外部公開フォルダのパスを表している。
【0061】
URI通知方法変更設定803は、スキャン保存により画像データファイルが格納されるフォルダに対して、管理者ユーザなどによりURI通知設定管理画面700に例を挙げたような画面にて予め設定されたURI通知方法を表示する。該画面に表示されている予め設定されたURI通知方法は、ユーザの画面操作により一部更新することが可能である。URI通知方法変更設定803には、既に設定されているURI通知先のメールアドレス一覧と、それぞれのメールアドレスに対するURI通知方法が選択された状態で表示されている。URI通知方法として、外部公開パスをURI通知する場合には「通知許可」を選択し、制限通知用の一時公開パスを通知する場合には「一時公開パス通知」を選択し、URI通知を実施しない場合には「通知しない」を選択する。予めURI通知方法として「通知許可」が選択されている通知先アドレスに対しては、「一時公開パス通知」または「通知しない」に変更することが可能である。予めURI通知方法として「一時公開パス通知」が選択されている通知先アドレスに対しては、「通知しない」に変更することが可能である。
【0062】
「通知先追加」ボタン804は、URI通知方法変更設定803に設定されているURI通知先一覧に、新たな通知先を追加する場合に押下する。「通知先追加」ボタン804を押下するとURI通知先追加画面(図示しない)が表示され、通知先のメールアドレスの入力と、通知方法として外部公開パスを通知するか、一時公開パスを通知するかの選択が可能である。該URI通知先追加画面では、図7の例で挙げた通知先制限702にて「通知許可アドレス」に含まれる範囲のメールアドレスが、外部公開パスを通知可能なメールアドレスとして設定可能である。また、図7の例で挙げた通知先制限702にて「通知許可アドレス」または「制限通知許可アドレス」に含まれる範囲のメールアドレスが、一時公開パスを通知可能なメールアドレスとして設定可能である。
【0063】
図8の格納時URI通知設定画面800にて設定された項目は、ユーザ操作により「OK」ボタンが押下されると操作制御部304の仲介により、URI通知設定部309がURI通知状況/履歴記憶部312のURI通知状況/履歴テーブル500に格納する。
【0064】
図5は、URI通知状況/履歴記憶部312に記憶されているURI通知状況/履歴テーブル500の一例を示す図である。
【0065】
URI通知ID501は、本実施例に係る画像形成装置110において実施されるURI通知の個々の通知を一意に識別する識別子である。
【0066】
格納ジョブID502は、画像データファイル管理部307を介して画像データファイル情報記憶部313に画像データファイルを格納する格納ジョブを識別するための識別子の情報である。格納ジョブは、スキャナ制御部301が制御するスキャン処理や、送受信制御部305が制御する受信処理、ファイルサーバ制御部306が制御するファイルサーバ機能、により実施される。格納ジョブID502は、画像データファイル情報テーブル600の格納ジョブID605に紐付く。
【0067】
格納日時503は、格納ジョブID502で示す格納ジョブにより画像データファイルが、画像データファイル情報テーブル600に格納された日時である。
【0068】
通知日時504は、URI通知ID501で示すURI通知において、URI通知の実行される日時情報である。
【0069】
通知ステータス505は、URI通知の実行状況もしくは履歴を示すステータス情報である。例えば、「実行待ち」「通知完了」「通知エラー」などである。
フォルダID506は、画像データID501で示す画像データファイルが格納されるフォルダを示す識別子である。
【0070】
外部公開パス507は、URI通知に際して通知される外部公開パスのフォルダパス情報である。
【0071】
一時公開パス508は、図7の制限通知用一時公開フォルダ703で示すフォルダのパス情報であり、URI通知に際して該フォルダ以下に一時的に該画像データファイルを指すリンクファイルが作成され、該リンクファイルのパス情報が一時公開パスとして通知される。一時公開パスの作成は、URI通知実施時に制限通知アドレスが設定されている場合に格納検知部308により実施される。格納検知部308は、画像データファイル格納時に、例えば、外部公開パス507に“file://mfp001/share/dev1/dept11/new_product/rx78/”と設定され、“news_release.pdf”という画像データファイルが格納されたとする。格納検知部308は、一時公開パス508には“file://mfp001/temp/”と設定されていた場合には、該当の“news_release.pdf”という画像データファイルに対するシンボリックリンクファイルを、一時公開パス以下に“file://mfp001/temp/poi098lkj.pdf”の様に生成する。なお、例で挙げた外部公開パス“file://mfp001/share/dev1/dept11/new_product/rx78/news_release.pdf”と、一時公開パス“file://mfp001/temp/poi098lkj.pdf”は、実体としては同一のファイルである。
【0072】
外部公開パス通知先アドレス一覧509は、画像データファイル格納時に外部公開パス507に設定されたパス情報を元にした外部公開パス(例えば、“file://mfp001/share/dev1/dept11/new_product/rx78/news_release.pdf”)をURI通知する通知先のメールアドレスの一覧を格納する。図8の例では、格納時URI通知設定画面800のURI通知方法変更設定803において通知方法として「通知許可」が設定された通知先のメールアドレスの一覧(sato@mycompany.co.jp)が外部公開パス通知先アドレス一覧509に格納される。
【0073】
一時公開パス通知先アドレス一覧510は、画像データファイル格納時に一時公開パス508に設定されたパス情報を元にした一時公開パス(例えば、“file://mfp001/temp/poi098lkj.pdf”)をURI通知する通知先のメールアドレスの一覧を格納する。図8の例では、格納時URI通知設定画面800のURI通知方法変更設定803において通知方法として「一時公開パス通知」が設定された通知先のメールアドレスの一覧(kato@mycompany.co.jp, dept12@list.mycompany.co.jp)が一時公開パス通知先アドレス一覧510に格納される。
【0074】
URI通知送信部310は、本実施例に係る画像形成装置110において、格納検知部308からの指示を受けてURI通知の送信処理を行う。URI通知送信部310は、CPU201からの指示に従って動作する処理モジュールであり、送受信制御部305の一部となるサブモジュールである。URI通知送信部310は、画像データファイルが画像データファイル情報記憶部313に格納されたことを検知した格納検知部308からURI通知に必要な情報が渡される。そしてURI通知送信部310は、該URI通知に必要な情報として渡されたURI通知先アドレスに対して、指定された通知方法(外部公開パス、一時公開パス)で、設定された通知日時になると、電子メールを送信する。URI通知送信部310により通知されるメッセージには、格納された画像データファイルに関わる外部公開パスもしくは一時公開パスの情報が含まれる。URI通知されたメッセージを受信したユーザは、該メッセージ中に含まれる外部公開パスもしくは一時公開パスにファイル閲覧アプリケーション等にてアクセスすることにより、該画像データファイルに容易に到達することが可能である。その際に一時公開パスを通知されたユーザは、該画像データファイルにはアクセス可能であるが、該画像データファイルが格納されるフォルダやファイルのオリジナルの名称情報を認識することは出来ない。URI通知送信部310は、通知処理が終了するとURI通知状況/履歴テーブル500の通知ステータス505を「通知完了」のステータスで更新する。
【0075】
図9は、本実施例に係る画像形成装置110で特徴的な画像データファイル格納を検知して通知先ごとに異なる外部からアクセス可能な画像データファイルのパスを通知するURI通知の送信を行う画像形成装置において、画像データファイルが格納された場合にURI通知される一連の処理フローを説明する。
以下のフローにおいて、スキャナ制御部301、画像処理部303、操作制御部304、画像データファイル管理部307、格納検知部308、URI通知設定部309、URI通知送信部310は画像形成装置110のMFP制御部300を構成する処理モジュールである。これらの処理モジュールは、CPU201で使用されるアプリケーションプログラム、又はプログラムの一部として動作するモジュールである。
【0076】
同図において、記憶部204とその一部であるURI通知設定記憶部311、URI通知状況/履歴記憶部312、画像データファイル情報記憶部313は画像形成装置110のMFP制御部300を構成する情報格納装置である。これら情報格納装置は、ファイルシステム又はデータベースシステムを用いて不揮発性のハードディスクや、メモリなどを用いて情報を格納する。また、記憶部204に格納された情報へは、特定のキーや条件で直接特定の情報へのアクセスが可能である。
【0077】
ステップS901では、MFP制御部300の操作制御部304が制御することにより、ユーザによる画像形成装置110の操作部207上の操作に応じて、画像データファイルの格納先のフォルダが指定されてスキャン保存処理が開始される。
【0078】
ステップS902では、操作制御部304からの指示によりURI通知設定部309がURI通知設定記憶部311を検索することより、ステップS901でユーザにより格納先のフォルダとして指定された格納先フォルダにURI通知設定がされているか否かを判断する。URI通知設定部309は、URI通知設定記憶部311のURI通知設定テーブル400のURI通知設定可能フォルダ403に該格納先フォルダが登録されているか検索する。URI通知設定部309は、URI通知設定可能フォルダ403の「URI通知フォルダ」要素に該格納先フォルダが登録されている場合にはURI通知設定が可能と判断してステップS903へ進み、URI通知設定可能フォルダ403の「URI通知フォルダ」要素に該格納先フォルダが登録されていない場合にはURI通知設定が不可と判断してステップS916へ進む。
【0079】
ステップS916では、スキャナ制御部301がスキャナ部205を制御することにより原稿台に置かれた原稿を読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを生成する。続けて、画像処理部303が画像処理を行うことにより画像データファイルを形成する。続けて、画像データファイル管理部307が画像データファイルIDを生成し、画像データファイル情報記憶部313である画像データファイル情報テーブル600に該画像データファイルと該画像データファイルに関する情報を1レコード追記する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600の画像データファイルID601に該生成した画像データファイルIDを格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600のファイル名602には、ユーザにより指定もしくは自動的に作成した画像データのファイル名の文字列を格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600の更新日時603には、現時刻を格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600のフォルダID604には、格納先のフォルダの識別子であるフォルダIDを格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600の格納ジョブID605には、スキャナ制御部301が制御するスキャン処理から画像データファイル管理部307を介して画像データファイル情報記憶部313に画像データファイルを格納する格納ジョブを識別する識別子の情報を格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600の画像データ606には、画像データファイルID601で指す画像データファイルを格納する。
【0080】
なお、ステップS916で画像データファイルは記憶部204に格納されたが、該画像データファイルの格納先フォルダにはURI通知設定がされていないので、URI通知は実行されない。
【0081】
これによりユーザにより指定されたフォルダに画像データファイルを格納する一連の処理が完了し、一連のフローチャートを終了する。
【0082】
ステップS903では、URI通知設定部309は、該格納先フォルダを示す識別子を用いて、URI通知設定記憶部311のURI通知設定テーブル400のURI通知設定可能フォルダ403やURI通知先405などから該格納先フォルダに関するURI通知設定情報を検索して取得する。
【0083】
ステップS904では、URI通知設定部309がステップS903にて取得した該格納先フォルダに関するURI通知設定情報を、操作制御部304が制御することにより操作部207上に図8の格納時URI通知設定画面800で例を示したような画面にて表示する。操作制御部304が制御することにより格納時URI通知設定画面800で表示する情報は、ステップS903にてURI通知設定部309がURI通知設定テーブル400より取得した、ユーザにより格納先フォルダとして指定された該格納先フォルダに設定されているURI通知設定情報である。
【0084】
ステップS905では、操作制御部304が制御することにより、ユーザにより画像形成装置110の操作部207上に表示される格納時URI通知設定画面800で例を示した画面の更新が行われる。ユーザは、格納時URI通知設定画面800を更新することにより、実施しようとしているスキャン保存処理に伴って実行されるURI通知処理の処理内容を更新することが可能である。ユーザが格納時URI通知設定画面800を更新することにより更新が可能な項目は、URI通知先の追加や、予めURI通知先として設定されているメールアドレスに対するURI通知方法の更新である。ユーザは、URI通知方法として本来の外部公開パスの通知が「通知許可」として許可されているURI通知先の通知方法を、仮に生成した一時公開パスを通知する「一時公開パス通知」、もしくはURI通知を行わない「通知しない」設定に変更することが可能である。またユーザは、仮に生成した一時公開パスを通知する「一時公開パス通知」が設定されているURI通知先の通知方法を、URI通知を行わない「通知しない」設定に変更することが可能である。
【0085】
ステップS906で、ステップS905でユーザが格納時URI通知設定画面800を操作することにより指示されたスキャン保存処理に伴って実行されるURI通知処理に対するURI通知設定情報は、操作制御部304からURI通知設定部309に通知される。するとURI通知設定部309は、記憶部204のURI通知状況/履歴記憶部312にURI通知IDを生成し1レコード追加し、該URI通知設定情報を登録する。URI通知設定部309が追記するURI通知状況/履歴記憶部312のURI通知ID501には、生成されたURI通知IDが格納される。URI通知設定部309が追記するURI通知状況/履歴記憶部312の通知ステータス505には、「実行待ち」ステータスが格納される。URI通知設定部309が追記するURI通知状況/履歴記憶部312のフォルダID506には、格納先のフォルダの識別子であるフォルダIDが格納される。URI通知設定部309が追記するURI通知状況/履歴記憶部312の外部公開パス507には、URI通知設定テーブル400のURI通知設定可能フォルダ403より取得された格納先のフォルダの外部公開パスの文字列が格納される。URI通知設定部309が追記するURI通知状況/履歴記憶部312の一時公開パス508には、URI通知設定テーブル400のURI通知設定可能フォルダ403より取得された制限通知用一時公開フォルダ404より取得された一時公開パスの文字列が格納される。URI通知設定部309が追記するURI通知状況/履歴記憶部312の外部公開パス通知先アドレス一覧509には、ステップS905でユーザにより格納時URI通知設定画面800のURI通知方法変更設定803にてURI通知方法として「通知許可」が設定されたメールアドレスの一覧が格納される。URI通知設定部309が追記するURI通知状況/履歴記憶部312の一時公開パス通知先アドレス一覧510には、ステップS905でユーザにより格納時URI通知設定画面800のURI通知方法変更設定803にてURI通知方法として「一時公開パス通知」が設定されたメールアドレスの一覧が格納される。
【0086】
ステップS907で、スキャナ制御部301がスキャナ部205を制御することにより原稿台に置かれた原稿を読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを生成する。続けて、画像処理部303が画像処理を行うことにより画像データファイルを形成する。続けて、画像データファイル管理部307が画像データファイルIDを生成し、画像データファイル情報記憶部313である画像データファイル情報テーブル600に該画像データファイルと該画像データファイルに関する情報を1レコード追記する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600の画像データファイルID601に該生成した画像データファイルIDを格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600のファイル名602には、ユーザにより指定もしくは自動的に作成した画像データのファイル名の文字列を格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600の更新日時603には、現時刻を格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600のフォルダID604には、格納先のフォルダの識別子であるフォルダIDを格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600の格納ジョブID605には、スキャナ制御部301が制御するスキャン処理から画像データファイル管理部307を介して画像データファイル情報記憶部313に画像データファイルを格納する格納ジョブを識別する識別子の情報を格納する。画像データファイル管理部307は、画像データファイル情報テーブル600の画像データ606には、画像データファイルID601で指す画像データファイルを格納する。
【0087】
ステップS908で、格納検知部308は、画像データファイル情報記憶部313に新規のレコードが追加され画像データファイルが格納されたことを検知し、画像データファイル情報記憶部313に新規追加されたレコードの情報を取得する。
【0088】
続けてステップS909で格納検知部308は、ステップS908で取得した画像データファイル情報記憶部313に新規追加されたレコードの格納ジョブID605をキーにして、URI通知状況/履歴記憶部312の格納ジョブID502と紐付くレコードを検索して取得する。
【0089】
ステップS910で、格納検知部308は、ステップS909にて検索して取得したURI通知状況/履歴テーブル500のレコードより、外部公開パス通知先アドレス一覧509に格納されている通知先アドレスの一覧を取得する。
続けてステップS911で、格納検知部308は、ステップS909にて検索して取得したURI通知状況/履歴テーブル500のレコードより、外部公開パス507に格納されている外部公開されたフォルダのパス情報を取得する。格納検知部308は、該外部公開されたフォルダのパス情報の文字列に、ステップS908で取得したレコードよりファイル名602に格納されたファイル名を追加する。例えば、外部公開パス507に“file://mfp001/share/dev1/dept11/new_product/rx78/”と設定され、ファイル名602に“news_release.pdf”と格納された場合には、“file://mfp001/share/dev1/dept11/new_product/rx78/news_release.pdf”という該画像データファイルの外部公開パス情報が格納検知部308により作成される。
【0090】
ステップS912で、格納検知部308は、ステップS909にて検索して取得したURI通知状況/履歴テーブル500のレコードより、一時公開パス通知先アドレス一覧510に通知先アドレスが登録されているかどうか判断する。格納検知部308は、一時公開パス通知先アドレス一覧510に通知先アドレスが登録されている場合にはステップS913へ進み、一時公開パス通知先アドレス一覧510に通知先アドレスが登録されていない場合にはステップS914へと進む。
【0091】
ステップS913で、格納検知部308は、例えば、外部公開パス507に“file://mfp001/share/dev1/dept11/new_product/rx78/”と設定され、ファイル名602に“news_release.pdf”と格納されていたとする。格納検知部308は、一時公開パス508には“file://mfp001/temp/”と設定されていたとすると、該当の“news_release.pdf”という画像データファイルに対するシンボリックリンクファイルを、一時公開パス以下に例えば“file://mfp001/temp/poi098lkj.pdf”の様に生成する。なお、例で挙げた外部公開パス“file://mfp001/share/dev1/dept11/new_product/rx78/news_release.pdf”と、一時公開パス“file://mfp001/temp/poi098lkj.pdf”は、実体としては同一のファイルを指している。
【0092】
ステップS914で、格納検知部308は、URI通知送信部310に対して、URI通知に必要な情報を渡し、URI通知の実施を指示する。該URI通知に必要な情報とは、URI通知ID501の識別子と、ステップS910で格納検知部308が取得した外部公開パスをURI通知する通知先アドレスの一覧と、ステップS911で格納検知部308が生成した該画像データファイルの外部公開パス情報を含む。さらに該URI通知に必要な情報には、ステップS912で格納検知部308が取得した一時公開パスをURI通知する一時公開パス通知先アドレスの一覧と、ステップS913で格納検知部308が生成した該画像データファイルの一時公開パス情報を含む。URI通知送信部310は、格納検知部308から渡された該URI通知に必要な情報を元にして、ユーザに通知する電子メールメッセージを生成する。URI通知送信部310は、設定された通知日時になると、該生成した電子メールメッセージを送信する。URI通知送信部310により通知される電子メールメッセージには、格納検知部308より渡された格納された画像データファイルに関わる外部公開パスもしくは一時公開パスの情報が含まれる。
【0093】
ステップS915で、URI通知送信部310は、通知処理が終了するとURI通知状況/履歴テーブル500をURI通知ID501をキーにして検索し、該当のレコードの通知ステータス505を「通知完了」のステータスに更新する。
【0094】
なお、URI通知されたユーザは、受信したメッセージ中に含まれる外部公開パスもしくは一時公開パスにファイル閲覧アプリケーション等にてアクセスすることにより、該画像データファイルに容易に到達することが可能となる。外部公開パスを通知されたユーザは、該当の画像データファイルとオリジナルのフォルダ構成にアクセス可能である。一方、一時公開パスを通知されたユーザは該当の一時公開パスにはアクセス可能であるが、元の外部公開パスのフォルダ構成やフォルダ名やファイル名の情報を知ることはない。それにより、部内関係者には使い易い外部公開パスを通知しつつ、部外者からは一時公開パス情報からフォルダ構成を類推され情報が漏洩することを防ぐことが可能となる。
【0095】
なお、該当の一時公開パスは、格納検知後の一定期間経過後、もしくはユーザからのアクセスが発生した後の一定期間経過後に削除しても良い。
【0096】
これにより、一連のフローチャートを終了する。
【0097】
なお、本実施形態では、画像形成装置の記憶部に記憶される「画像データファイル」を具体例にあげて説明しているが、「ファイルデータ」であっても、複数のファイルから構成される「文書データ」を対象にしても構わない。
【0098】
なお、本発明は、上記形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体(又は記録媒体)を、システム又は装置に供給し、そのシステム又は装置の情報処理装置(又はCPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される事はいうまでもない。
【0099】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上記実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、情報処理装置が読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、情報処理装置上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記実施の形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0100】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、情報処理装置に挿入された機能拡張カードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わる記憶媒体に書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0101】
また、本発明は、上記実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードがネットワークを介して配信されることにより、システム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納され、そのシステム又は装置の情報処理装置(又はCPU等)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても、達成されることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0102】
308 格納検知部
309 URI通知設定部
310 URI通知送信部
311 URI通知設定記憶部
312 URI通知状況/履歴記憶部
800 格納時URI通知設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作制御手段(304)からの指示により内部記憶装置(204)に格納された画像データファイル(606)にネットワーク(100)を介して外部装置(101、102、103)からアクセス可能な画像形成装置(110)であって、
外部装置から、内部記憶装置に格納された画像データファイルにファイルサーバとしてアクセス可能とするファイルサーバ制御手段(306)と、内部記憶装置への画像データファイルの格納を検知する格納検知手段(308)と、
前記格納検知手段による画像データファイルの格納の検知時に、画像データファイルの格納を通知する通知宛先(405)ごとに、前記画像データファイルに外部装置からアクセス可能な外部公開パス(507)を通知するか、前記外部公開パスとは異なるが、前記画像データファイルにアクセス可能な一時公開パス(508)を生成して通知するか、通知を不許可とするか、を予め設定することを可能とする外部公開パス通知設定手段(309)と、
前記格納検知手段による画像データファイルの格納の検知時に、前記外部公開パス通知設定手段によって設定された前記通知宛先に対して、前記外部公開パス通知設定手段によって設定された前記外部公開パスもしくは一時公開パスの通知を行う外部公開パス通知送信手段(310)と、
前記外部公開パス通知設定手段による外部公開パス通知設定が可能なユーザを予め制限することが可能な通知設定可能ユーザ設定手段(601)と、
前記外部公開パス通知設定手段により外部公開パス通知設定が可能なフォルダを予め制限することが可能な通知設定可能フォルダ設定手段(602)と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記操作制御手段(304)からの指示により内部記憶装置に画像データファイルを格納する際に、前記通知宛先ごとに、前記外部公開パスを通知するか、前記外部公開パスとは異なるが、前記画像データファイルにアクセス可能な一時公開パスを生成して通知するか、通知を不許可とするか、の再設定を可能とする格納時外部公開パス通知設定手段(700)、
を有することを更なる特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
操作を制御するステップにおける指示により内部記憶装置に格納された画像データファイルにネットワークを介して外部装置からアクセス可能な画像形成装置の画像処理方法であって、
外部装置から、内部記憶装置に格納された画像データファイルにファイルサーバとしてアクセス可能とするファイルサーバを制御するステップと、内部記憶装置への画像データファイルの格納を検知するステップと、
前記格納を検知するステップによる画像データファイルの格納の検知時に、画像データファイルの格納を通知する通知宛先ごとに、前記画像データファイルに外部装置からアクセス可能な外部公開パスを通知するか、前記外部公開パスとは異なるが、前記画像データファイルにアクセス可能な一時公開パスを生成して通知するか、通知を不許可とするか、を予め設定することを可能とする外部公開パスの通知を設定するステップと、
前記格納を検知するステップによる画像データファイルの格納の検知時に、前記外部公開パスの通知を設定するステップによって設定された前記通知宛先に対して、前記外部公開パスの通知を設定するステップによって設定された前記外部公開パスもしくは一時公開パスの通知を行う外部公開パスの通知を送信するステップと、
前記外部公開パスの通知を設定するステップによる外部公開パス通知設定が可能なユーザを予め制限することが可能な通知設定が可能なユーザを設定するステップと、
前記外部公開パスの通知を設定するステップにより外部公開パス通知設定が可能なフォルダを予め制限することが可能な通知設定が可能なフォルダを設定するステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
操作を制御するステップにおける指示により内部記憶装置に格納された画像データファイルにネットワークを介して外部装置からアクセス可能な画像形成装置の画像処理方法であって、
外部装置から、内部記憶装置に格納された画像データファイルにファイルサーバとしてアクセス可能とするファイルサーバを制御するステップと、内部記憶装置への画像データファイルの格納を検知するステップと、
前記格納を検知するステップによる画像データファイルの格納の検知時に、画像データファイルの格納を通知する通知宛先ごとに、前記画像データファイルに外部装置からアクセス可能な外部公開パスを通知するか、前記外部公開パスとは異なるが、前記画像データファイルにアクセス可能な一時公開パスを生成して通知するか、通知を不許可とするか、を予め設定することを可能とする外部公開パスの通知を設定するステップと、
前記格納を検知するステップによる画像データファイルの格納の検知時に、前記外部公開パスの通知を設定するステップによって設定された前記通知宛先に対して、前記外部公開パスの通知を設定するステップによって設定された前記外部公開パスもしくは一時公開パスの通知を行う外部公開パスの通知を送信するステップと、
前記外部公開パスの通知を設定するステップによる外部公開パス通知設定が可能なユーザを予め制限することが可能な通知設定が可能なユーザを設定するステップと、
前記外部公開パスの通知を設定するステップにより外部公開パス通知設定が可能なフォルダを予め制限することが可能な通知設定が可能なフォルダを設定するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−90219(P2012−90219A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237282(P2010−237282)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】