説明

画像プリント管理システム、カメラ、画像プリント管理装置、及び画像プリント管理方法

【課題】無線通信において、電波状況や電力事情により必ずしも安定した通信状態が維持されない状況においても、カメラから画像プリント管理装置へのプリント画像データの送信ミスなどの生じにくい、画像プリント管理システム、及び画像プリント管理方法を提供する。
【解決手段】カメラにおいて、プリントする画像データのプリントサイズに応じて、プリント時の適切な解像度を設定し、解像度変換処理を実施したプリント画像データを、画像プリント管理装置に転送することにより、無線通信においても、適切なプリント画像品質を保ちながら、プリント用の画像データの送信を短時間ですませる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線による画像データの送受信が可能なカメラ、前記カメラからの画像データを受信し、受信した前記画像データのプリントアウトを行う画像プリント管理装置、それらを備えた画像プリント管理システム、及びその画像プリント管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラのデジタル化により、撮影された画像が、デジタル通信によりさまざまな装置へ送られ、様々な形で利用されている。画像のプリントアウトも各種プリンタなどを用いて、簡便に行われるようになった。
【0003】
特に近年、デジタル方式のカメラは、さまざまな携帯できる機器に装備されるようになり、無線などで簡単にデータ送信し、プリントアウトを外部のプリントアウトできる装置などに発注できるようになりつつある。
【0004】
従来は、プリンタなどでプリントアウトするにも、一旦パソコン(パーソナルコンピュータ)がカメラ側からデジタル画像データを取り込み、接続したプリンタを制御してプリントアウトするのが主流であった(図14(a)参照)。しかしながら、デジタルカメラは、その用途からして携帯可能な装置として持ち歩くものであり、撮影したその場で鑑賞できることが望ましい。
【0005】
デジタルカメラは通常、液晶などの表示部を有しており、画面確認可能であるが、プリントアウトするには、プリンタなどを必要とする。そういった点から、パソコンなどを用いず、直接手近にあるプリンタと接続して、プリントアウトできるようにするためのプリントのための通信方式が定められるようになった。
【0006】
代表的なプリントのための通信規格として、CIPA(Camera & Imaging Products Association)の規格DC−001(PictBridgeと称されている)がある。これは、画像入力装置(デジタルカメラなど)と画像出力装置(プリンタなど)を直接に接続して、デジタルフォトソリューションを提供するために、アプリケーションレベルでの各種サービスを新たに規格化し制定したものである。(非特許文献1参照)
これにより、画像入力装置(デジタルカメラなど)と画像出力装置(プリンタなど)がセットでなくても、PictBridge規格に対応した装置同士であれば、異なるメーカーや機種であっても直接接続し、画像をプリントアウトすることが可能となった(図14(b)参照)。
【0007】
これにより、撮影した画像のプリントアウトに関する利便性は大いに高まった。しかし、デジタルカメラの携帯できる装置としての特性を考慮した場合、いちいちプリンタなどの出力装置と接続するのではなく、無線通信により、プリント指示し、特定の出力装置にプリントアウトさせたいという、さらなる要求がある。そうすれば、無線でネットワークに接続し、離れたところにある専用の大型画像プリント管理装置にアクセスして、その装置特有のプリントサービスを受ける、といったことも簡単にできるようになる。
【0008】
無線通信の規格は既に一般化しているので、カメラ側にその無線通信に対応する機能を持たせれば、前述のPictBridgeなどのプリントサービスの規格と組み合わせて、そういったシステムを実現することができる(図14(c)参照)。
【0009】
しかしながら、無線通信はまだ有線と同様な高速通信が確立されておらず、その電波状況や電力事情によって、必ずしも安定した状態が維持されない、という現状がある。特に戸外でのモバイル機器の使用や限られた電池容量では、安定して膨大な画像データを送信することが困難である。
【非特許文献1】「White Paper of CIPA DC−001−2003」、Camera & Imaging Products Association、2003.2.3、http://www.cipa.jp/pictbridge/
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、無線通信において、適切なプリント画像品質を保ちながら、プリント用の画像データの送信を短時間ですませ、電波状況や電力事情により必ずしも安定した通信状態が維持されない状況においても、送信ミスなどの生じにくい、画像入力装置としてのカメラ、画像出力装置としての画像プリント管理装置、それらを備えた画像プリント管理システム、そしてその画像プリント管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
【0012】
1. 無線による画像データの送受信が可能なカメラと、前記カメラからの画像データを受信し、受信した前記画像データのプリントアウトを行う画像プリント管理装置とを備えた画像プリント管理システムであって、前記カメラは、撮影により画像データを取得する撮影手段と前記撮影手段により取得した画像データを記憶する記憶手段と、画像データに対するプリント指示を入力するプリント指示入力手段と、前記プリント指示入力手段により入力されたプリント指示に基づいて、プリントする画像データの画像処理を行うプリント画像処理手段と、前記プリント画像処理手段により画像処理されたプリント画像データを、前記プリント指示入力手段により入力されたプリント指示とともに、前記画像プリント管理装置に転送する転送手段と、を有し、前記画像プリント管理装置は、転送されてきたプリント画像データ及びプリント指示を記憶するプリント画像記憶手段と、前記プリント画像データ及びプリント指示に基づき、プリンタを制御するプリント制御手段と、を有し前記プリント指示入力手段は、プリントする画像データについてプリントサイズの指示を入力することができ、前記プリント画像処理手段は、前記プリント指示入力手段により入力されたプリントサイズに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理を行う、ことを特徴とする画像プリント管理システム。
【0013】
2. 前記プリント指示入力手段は、プリントする画像データについて解像度変更レベルの指示を入力することができ、前記プリント画像処理手段は、前記プリント指示入力手段により入力されたプリントサイズ、及び解像度変更レベルに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理を行う、ことを特徴とする1に記載の画像プリント管理システム。
【0014】
3. 前記転送手段は、前記プリント画像処理手段により解像度変換処理されたプリント画像データを、プリント画像データの転送前に前記記憶手段に記憶させ、プリント画像データの転送終了後に前記記憶手段から消去する、ことを特徴とする1または2に記載の画像プリント管理システム。
【0015】
4. 無線による画像データの送受信が可能なカメラであって、撮影により画像データを取得する撮影手段と、前記撮影手段により取得した画像データを記憶する記憶手段と、画像データに対するプリント指示を入力するプリント指示入力手段と、前記プリント指示入力手段により入力されたプリント指示に基づいて、プリントする画像データの画像処理を行うプリント画像処理手段と、前記プリント画像処理手段により画像処理されたプリント画像データを、前記プリント指示入力手段により入力されたプリント指示とともに、外部装置に転送する転送手段と、を有し、前記プリント指示入力手段は、プリントする画像データについてプリントサイズの指示を入力することができ、前記プリント画像処理手段は、前記プリント指示入力手段により入力されたプリントサイズに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理を行う、ことを特徴とするカメラ。
【0016】
5. 前記プリント指示入力手段は、プリントする画像データについて解像度変更レベルの指示を入力することができ、前記プリント画像処理手段は、前記プリント指示入力手段により入力されたプリントサイズ、及び解像度変更レベルに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理を行う、ことを特徴とする4に記載のカメラ。
【0017】
6. 前記転送手段は、前記プリント画像処理手段により解像度変換処理されたプリント画像データを、プリント画像データの転送前に前記記憶手段に記憶させ、プリント画像データの転送終了後に前記記憶手段から消去する、ことを特徴とする4または5に記載のカメラ。
【0018】
7. カメラから無線発信された画像データを受信し、受信した前記画像データのプリントアウトを行う画像プリント管理装置であって、前記カメラから受信したプリント画像データ及びプリント指示を記憶するプリント画像記憶手段と、前記プリント画像データ及びプリント指示に基づき、プリンタを制御するプリント制御手段と、を有し前記プリント制御手段は、プリント画像データについて、前記プリント指示により指示されたプリントサイズ及び解像度に従いプリントアウトするようプリンタを制御する、ことを特徴とする画像プリント管理装置。
【0019】
8. 無線による画像データの送受信が可能なカメラから、画像プリント管理装置が画像データを受信し、受信した前記画像データのプリントアウトを行う画像プリント管理方法であって、前記カメラにより撮影し、画像データを取得する撮影工程と、前記撮影工程において取得した画像データを前記カメラの記憶手段に記憶する記憶工程と、前記カメラに、画像データに対するプリント指示を入力するプリント指示入力工程と、前記プリント指示入力工程において入力されたプリント指示に基づいて、前記カメラのプリント画像処理手段が、プリントする画像データの画像処理を行うプリント画像処理工程と、前記プリント画像処理工程において画像処理されたプリント画像データを、前記プリント指示入力工程において入力されたプリント指示とともに、前記カメラから前記画像プリント管理装置に転送する転送工程と、前記画像プリント管理装置において、転送されてきたプリント画像データ及びプリント指示を記憶するプリント画像記憶工程と、前記プリント画像データ及びプリント指示に基づき、プリンタを制御するプリント制御工程と、を有し、前記プリント指示入力工程では、プリントする画像データについてのプリントサイズの指示が入力され、前記プリント画像処理工程では、前記プリント指示入力工程において入力されたプリントサイズに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理が行われる、ことを特徴とする画像プリント管理方法。
【0020】
9. 前記プリント指示入力工程では、プリントする画像データについての解像度変更レベルの指示が入力され、前記プリント画像処理工程では、前記プリント指示入力工程において入力されたプリントサイズ及び解像度変更レベルに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理が行われる、ことを特徴とする8に記載の画像プリント管理方法。
【0021】
10. 前記転送工程では、前記プリント画像処理工程において解像度変換処理されたプリント画像データが、プリント画像データの転送前に前記カメラの記憶手段に記憶され、プリント画像データの転送終了後に前記記憶手段から消去される、ことを特徴とする8または9に記載の画像プリント管理方法。
【発明の効果】
【0022】
画像入力装置としてのカメラにおいて、プリントする画像データのプリントサイズに応じて、プリント時の適切な解像度を設定し、解像度変換処理を実施したプリント画像データを、画像出力装置としての画像プリント管理装置に転送することにより、無線通信においても、適切なプリント画像品質を保ちながら、プリント用の画像データの送信を短時間ですませることができる。
【0023】
これにより、電波状況や電力事情により必ずしも安定した通信状態が維持されない状況においても、送信ミスなどの生じにくい、画像入力装置としてのカメラ、画像出力装置としての画像プリント管理装置、それらを備えた画像プリント管理システム、そしてその画像プリント管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0025】
(画像プリント管理システムの構成)
図1に本発明の実施形態に係る画像プリント管理システムの構成例を示す。図1を用いて、画像プリント管理システムの構成を説明する。
【0026】
図1における本実施形態に係る画像プリント管理システムは、無線による画像データの送受信が可能なデジタルカメラ1と、デジタルカメラ1からの画像データを受信し、受信した画像データのプリントアウトを行うプリント管理サーバ7とを備える。すなわちデジタルカメラ1は、画像プリント管理システムを構成するカメラとして機能し、プリント管理サーバ7は、画像プリント管理装置として機能する。
【0027】
デジタルカメラ1以外に、画像プリント管理システムを構成するカメラとしてPDA(Personal Digital Assistance)2や携帯電話3等を用いてもよい。何れもデジタルカメラ1と同様の、撮影画像データを取得する機能と取得した画像データを無線で送受信する機能を有していれば、デジタルカメラ1と同様に用いることができる。本実施形態では、PDA2や携帯電話3等も、デジタルカメラ機能を有するものとして、デジタルカメラ1を用いて、以後の説明を行う。
【0028】
また本実施形態では、画像プリント管理装置であるプリント管理サーバ7にプリンタ8を外部接続しているが、プリント管理サーバ7にプリンタ機能が内蔵されていてもよい。
【0029】
画像プリント管理システムの接続と概略動作について述べる。
【0030】
デジタルカメラ1は取得した画像データをプリント管理サーバにプリント発注するため、近在の無線LANアクセスポイント4にアクセスし、ネットワーク6に無線接続する。この動作は、PDA2を用いた場合も同様である。
【0031】
また、携帯電話3を用いた場合は、携帯電話の使用電波に応じて各中継局の携帯電話アンテナ5を通じて、ネットワーク6に接続する。
【0032】
デジタルカメラ1は、プリント画像データとそれに対するプリント指示をプリント管理サーバ7に向けて無線送信し、プリント管理サーバ7は、ネットワーク6を通じてそれを受信する。
【0033】
プリント管理サーバ7は、受信したプリント画像データとプリント指示に基づいて、プリント画像データのプリントアウトを実行する。
【0034】
以上が、画像プリント管理システムの接続と概略の画像プリント管理方法である。画像プリント管理方法の詳細は、後で画像プリント管理システムの動作として説明する。
【0035】
(デジタルカメラ1の外観構成)
まず、本実施形態に係るデジタルカメラ1の構成について説明する。デジタルカメラ1は、無線による画像データの送受信が可能なカメラとして機能する。
【0036】
デジタルカメラ1の外観を図2に、また内部構成をも示す透視図を図3に示す。すなわち、図2(a)に、デジタルカメラ1の前面側からの斜視図を示し、図2(b)に、デジタルカメラ1の背面側からの斜視図を示す。また、図3(a)には、同じくデジタルカメラ1の正面透視図を示し、図3(b)には、デジタルカメラ1の背面透視図を示す。
【0037】
デジタルカメラ1は、金属または合成樹脂等の材料で構成されたカメラ本体11の内部または表面に、十字キーなどの操作釦26a〜26i、撮影光学系2、フラッシュ16、電源スイッチ18、表示部25、シャッター釦19が設けられている。
【0038】
操作釦26a〜26iは、ズーム釦26a、十字キー26b、決定釦26i、再生/記録切り替え釦26c、表示切り替え釦26d、メニュー釦26e、削除釦26f、プリント釦26g、無線接続釦26hからなる。十字キー26bは、上下左右の4方向のボタンからなり、ユーザが種々のモードを選択または設定するためのものであり、26iがその決定釦である。
【0039】
電源スイッチ18は、デジタルカメラ1における動作のON/OFFを操作するためのスイッチである。シャッター釦19は、本体11の上面に設けられており、ユーザによる半押し状態(AF・AE制御)と全押し状態(撮影)とを区別して検出可能な2段階押し込みスイッチである。電源スイッチ18の押下によりカメラは起動し、シャッター釦19の押下により撮影動作が開始する。
【0040】
撮影光学系12は、屈曲型撮影光学ユニットであり、複数のレンズ、駆動系等によって構成され、ズーム機能を有している。撮影光学系12は、レンズが受光した光を撮像素子13に結像させる。フラッシュ16は、被写体輝度が低い時に、フラッシュ基板17からの制御信号により補助光を照射する。
【0041】
表示部25は、液晶パネルにより構成され、制御基板14上に設けられた撮影制御部31あるいは画像データ処理部32から入力される表示制御信号に従って、プレビュー画像、記録媒体15に記録されている画像、メニュー画面、設定画面等を表示する。
【0042】
本体11には、保存用の記録媒体15(SDメモリカードまたはマルチメディアカード(MMC)等)が挿入可能になっており、本体内の画像データを転送、記録できる。あるいは外部装置へ転送するためのUSB(Universal Serial Bus)端子24や、無線モジュール23、アンテナ22が設けられている。無線モジュール23、アンテナ22は、カメラ本体回路(制御基板14)に電波ノイズなどの影響を与えないよう、撮影光学系を挟んでカメラ本体回路と反対側に配置している。
【0043】
(デジタルカメラ1の機能構成)
図4(a)には、デジタルカメラ1の機能構成図を示す。図5には、撮影制御部31と画像データ制御部32の詳細構成図を示す。図4(a)と図5を用いて、デジタルカメラ1の機能構成を説明する。
【0044】
図4(a)において、撮影光学系12は、前述のようにレンズが受光した光を撮像素子13に結像させる。撮像素子13は、結像された光を電荷に変換する。電荷信号は撮影制御部31に送られ、後述する所定の処理を行われ、画像データとなる。すなわち、これらの要素は撮影手段として機能する。
【0045】
撮影された画像データは、画像データ処理部32で、適時階調補正などの画像処理を受けた後、記憶部34に記憶される。記憶部34は画像データの一時的格納場所であり、画像入出力部36を経由して、保存用の記録媒体15に記録される。これらの要素は、記憶手段として機能する。
【0046】
表示部25は前述のように、撮影制御部31あるいは画像データ処理部32から入力される表示制御信号に従って、プレビュー画像、記録媒体15に記録されている画像、メニュー画面、設定画面等を表示する。操作部33は、電源スイッチ18、シャッター釦19、操作釦26a〜26i等からなり、表示部25の表示に基づくユーザの操作を受けて、その信号を制御部30に送る。
【0047】
通信部35は、USB端子24や無線モジュール23、アンテナ22等を含み、画像データを外部へ転送するなど、送受信の機能を有する。
【0048】
図5を用いて、撮影制御部31及び画像データ処理部32の詳細な機能構成を説明する。撮影制御部31は、撮影時に撮影条件に関わる制御や、撮影された画像の処理を行う。画像データ処理部32は、撮影された画像データの画像処理や、入出力、記憶、その他の処理を行う。何れもハードウェアとしてのCPU30において動作する機能であり、実態は主として処理プログラムである。
【0049】
<撮影制御部>
撮影制御部31において、信号処理部311は、撮像素子13における各色成分ごとに画素間の補間を行う画素補間処理や、撮影画像の階調性を出力機器の特性に適するように変換するガンマ補正等の処理を行う。
【0050】
AF制御部313は、画像撮影時に画像の焦点を合わせる自動制御を行う。この合焦点制御は、例えば撮影光学系12を駆動することで合焦点位置を検知し、その位置に合わせて停止させることで行われる。光学系駆動部312は、その合焦点制御のために撮影光学系12を駆動するものである。
【0051】
AE制御部314は、画像撮影時にその露光量の自動制御を行う。通常、撮影待機時の露光量制御は、絞り開放でシャッタ速度を制御することによって行われ、撮影時の露光量は絞りとシャッタ速度とで制御される。
【0052】
AWB制御部315は、撮影画像におけるホワイトバランスを自動的に調整する。AWB制御により、撮影時に生ずる画面全体のカラーバランスの崩れを自動的に補正することができ、実際の被写体の照明状態に拘わらず、安定した色調の画像を得ることができる。
【0053】
FLASH制御部316は、AE制御時の測光において被写体輝度が低い時に、フラッシュ基板17からの制御信号でフラッシュ16に補助光を照射させる。
【0054】
このように、撮影制御部31は、撮影時に撮影条件に関わる制御や、撮影された画像の処理を行う。
【0055】
<画像データ処理部>
画像データ処理部32において、画像処理部321は、撮影された画像データに対して、一般的な画像処理を行う。階調補正部322で行われる階調変換処理の他、記録に際しては画像フォーマットの変換処理等も行う。また記憶部34への一時的な画像データ格納や、画像入出力部36によって保存用の記録媒体15への画像データ出力なども行う。
【0056】
また、画像データ処理部32には、外部へのプリント発注処理を行うプリント処理部40も配置されている。プリント処理部40は、プリント指示部41、画像変換処理部42、転送処理部43などで構成される。
【0057】
プリント指示部41は、表示部25、操作部33と協働してユーザによるプリント指示を受け付けて、プリントする画像データと関連付けて、プリント画像処理及びプリント管理サーバ7への転送処理のため、記憶部34に一時保管する等の処理を行う。すなわち、プリント指示入力手段として機能する。プリント指示の内容と手順については、後で図9を用いて詳細に説明する。
【0058】
画像変換処理部42は、プリント指示部41の出力したプリント指示に基づいて、プリントする画像に解像度変換などの画像処理を行い、プリント画像データを作成する。すなわち、プリント画像処理手段として機能する。作成されたプリント画像データは、転送処理前に、プリント指示と関連付けて記憶部34に再度一時保管される。
【0059】
転送処理部43は、プリント画像データをプリント指示と関連付けて、外部のプリント管理サーバ7に転送する。すなわち、転送手段として機能する。転送は通信部35により実行されるが、具体的には無線モジュール23により、アンテナ22から無線発信される。プリント管理サーバ7への無線接続と転送処理の手順については、後で図6から図8を用いて詳細に説明する。
【0060】
(プリント管理サーバ7の構成)
本実施形態に係るプリント管理サーバ7の機能構成図を図4(b)に示す。図4(b)を用いてプリント管理サーバ7の構成について説明する。プリント管理サーバ7は、画像プリント管理装置として機能する。
【0061】
図4(b)において、プリント管理サーバ7は、制御部60、記憶部63、そして通信部64とを備える。制御部60にはまた、画像データ管理部61、プリント制御部62、画像入出力部65等を含む。
【0062】
通信部64は、ネットワーク6を通じてデジタルカメラ1などの画像データ送信機能を持つ端末と接続し、画像データとプリント指示の送受信を行う。記憶部63は、受信した画像データやプリント指示の一時記憶を行う。すなわち、プリント画像記憶手段として機能する。
【0063】
画像データ管理部61は、画像データの送受信、記憶、プリンタ動作などを統括的に制御する。プリント制御部62は、画像データのプリントに応じて、プリント指示に従い、接続されたプリンタ8のプリント動作の制御を行う。すなわち、プリント制御手段として機能する。画像入出力部65は、プリンタ出力のためのインタフェイスであり、プリント画像データをプリンタ8に送り出す。
【0064】
プリンタ8は、プリント管理サーバ7に外部接続されているが、もちろんプリント管理サーバ7に機能が内蔵されていてもよい、すなわち、プリント管理サーバ7自体がプリンタであってもよい。
【0065】
プリント管理サーバ7における、ネットワーク6を通じてのデジタルカメラ1との画像データとプリント指示の送受信とプリントに至る手順については、後で図6を用いて説明する。
【0066】
(画像プリント管理システムの動作)
図6は、画像プリント管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。図6を用いて、画像プリント管理システムの動作を説明する。
【0067】
図6の左側に、デジタルカメラ1における動作を、右側にプリント管理サーバ7における動作を示す。
【0068】
まず、デジタルカメラ1において、ステップS11で撮影工程として撮影画像データが取得され、ステップS12で記憶工程としてその画像データが記憶される。
【0069】
撮影は、前述のように撮影光学系12においてレンズが受光した光が撮像素子13に結像させられ、撮像素子13が結像された光を電荷に変換する。電荷信号は撮影制御部31に送られ、後述する所定の処理を行われ、画像データとなる。また撮影に当たっては、撮影制御部31によりさまざまな撮影条件が制御される。
【0070】
撮影画像データの取得は、撮影を実行しなくても可能である。例えば、撮影画像データを記録済みの保存用の記録媒体15を本体11に挿入し、画像入出力部36を通じて読み込むことによって取得することもできる。
【0071】
画像データの記憶は、画像データ処理部32で、適時階調補正などの画像処理を受けた後、記憶部34に記憶される。記憶部34は画像データの一時的格納場所であり、画像入出力部36を経由して、保存用の記録媒体15に記録される。
【0072】
引き続き、ステップS21以下の工程でプリント発注処理を行うことになる。プリント発注処理は、プリント管理サーバ7と無線で接続することにより、プリント画像データとプリント指示を送受信して行うことになる。デジタルカメラ1におけるプリント発注処理の詳細は、後で図7を用いて説明するので、以下、概略を述べる。
【0073】
ステップS21で、デジタルカメラ1はネットワーク6への無線接続を行う。相手先はプリント管理サーバ7であり、ステップS31でプリント管理サーバ7は、デジタルカメラ1との接続を受ける。
【0074】
ステップS22で、プリント指示入力工程として、デジタルカメラ1側でのプリント指示入力を行う。次にステップS23で、プリント画像処理工程として、プリント指示の入力内容に応じて、プリントする画像データの画像処理を行う。
【0075】
ステップS24では、転送工程としてデジタルカメラ1から処理された画像データとプリント指示をプリント管理サーバ7へと転送する。ステップS34でプリント管理サーバ7は、通信部64にて転送された画像データを受信する。
【0076】
ステップS35でプリント管理サーバ7は、プリント画像記憶工程として受信した画像データを記憶部63に一時記憶する。これらの処理は画像データ管理部61により制御される。
【0077】
ステップS36ではプリント管理サーバ7は、画像データの受信が終了した旨の受領確認信号を通信部64からデジタルカメラ1に向けて送信する。この処理も画像データ管理部61により制御される。
【0078】
ステップS26で、デジタルカメラ1は受領確認信号を受信し、発注処理を終了する。続いてステップS27で無線接続を終了する。これでデジタルカメラ1側のプリント発注処理は終了である。
【0079】
ステップS37で、プリント管理サーバ7は、無線接続の終了を受け、プリントアウトへの移行を確認する。
【0080】
続いてステップS38ではプリント制御工程として、プリント管理サーバ7において、プリント制御部62によりプリント指示に基づいたプリントアウトの制御が行われ、画像入出力部65からプリント画像データがプリンタ8に送り出され、プリント指示に基づいたプリントアウトが実行される。
【0081】
(プリント指示と解像度変換処理)
プリント発注処理について説明する前に、そこで行われるプリント指示の内容とそれに基づくプリント画像データの解像度変換処理について説明する。
【0082】
プリントする画像とそのプリントサイズ、枚数を指定するのであるが、その際、本実施形態ではプリントサイズに応じて解像度を自動的に設定し、解像度変換処理を施した上で、プリント画像データとし、プリント管理サーバへ転送する。従って解像度変換されたその状態でプリントアウトされることになる。
【0083】
解像度変換を行う目的は、プリント画像データのデータ量を削減し、短時間で無線による送信を終了させることである。
【0084】
近年、デジタル方式のカメラがさまざまな携帯できる機器に装備されるようになり、無線などで簡単にデータ送信し、プリントアウトを発注できるようになりつつある。しかし、無線通信はまだ有線と同様な高速通信が確立されておらず、その電波状況や電力事情によって、必ずしも安定した状態が維持されない。特に戸外でのモバイル機器の使用や限られた電池容量では、安定して膨大な画像データを送信することが困難である。
【0085】
従って必要最小限のデータを送信し、短時間で交信を終了させ、確実で電力消費も少ないように、プリントサイズに応じて解像度の低減処理を行う。
【0086】
解像度を低減して実用上問題のない理由と解像度の設定法について以下に説明する。
【0087】
人間の目は視力によってその解像力が変化する。例えば視力1.0であれば、角度で1分の分解能であると規定されている。一般的な現代人の視力は1.0程度と見なせるとして、分解能1分の解像を満足すればそれ以上の解像をしても人間の目には判別できない、従ってその程度までプリントする画像データの解像度を低減しても差し支えないと考えられる。
【0088】
しかしながら、実際に解像度を設定するに当たっては、分解能1分は角度での表現であり、画像を鑑賞する距離によってその解像度は変化してしまう。そこで、通常のプリント画像の鑑賞における距離を想定することで、適当な解像度を設定する。
【0089】
例えば鑑賞距離を、L版サイズのプリントであれば30cm程度、A4プリントであれば60cm程度と仮定する。
【0090】
鑑賞距離をdとして、分解能1分でのそれぞれの錯乱円δを求めると、次のようになる。
【0091】
δ=2d・tan(1/(2×60))
従って、
d=30cm のとき δ30=0.087mm
d=60cm のとき δ60=0.175mm
ここで、それぞれのプリントサイズは、
L版=89×127mm
A4=210×297mm
従って、δを元にそれぞれのプリントサイズに必要な画素を計算すると、
L版では、
89/0.087×127/0.087=1023×1460=149万画素
A4では、
210/0.175×297/0.175=1200×1697=204万画素
つまり、仮にデジタルカメラの有効画素数が500万画素であっても、L版のプリント発注では150万画素程度に解像度を落とし、またA4プリントサイズであれば、200万画素程度に解像力を落とすようにデータを変換し、送信すればよいことが分かる。
【0092】
このような考え方に従い、プリント指示でのプリントサイズに応じて自動的に上記のように解像度を設定し、解像度変換処理したプリント画像データをプリント管理サーバに転送することで、短時間で交信を終了させ、確実で電力消費も少ないプリント発注処理を実現するものである。
【0093】
また、加えて、視力のよい人やもっと高解像度を望む人のために、あるいは電池容量が少ない場合など少しでも早く送信できるように、上記解像度をユーザが任意に変更できるようにしてもよい。本実施形態では、後で述べるように、自動での解像度設定以外に既定の解像度変更レベルとして、より高解像度の「密」設定、より低解像度の「粗」設定が選べるようにしている。
【0094】
以下、上記解像度の変換処理を含むプリント発注処理について説明する。
【0095】
<プリント発注処理>
デジタルカメラ1における発注処理動作について、図7を用いて説明する。図7は、デジタルカメラ1における発注処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【0096】
まず、ステップS41では、無線によるネットワーク6との接続を行う。デジタルカメラ1の無線接続釦26hを押すことにより、無線接続が開始される。無線モジュール23によりアンテナ22より発信する。その処理は通信部35により行われる。
【0097】
ステップS42でその無線接続処理が実行されるが、詳細は図8を用いて後で説明する。
【0098】
ステップS43では、プリント発注処理のために、プリント管理サーバ7との接続を準備する。デジタルカメラ1のプリント釦26gを押すことにより、プリント発注モードが開始される。
【0099】
ステップS44では、プリント処理部40のプリント指示部41により、プリント指示、すなわちプリント発注の発注内容を指定する処理が実行される。詳細は図9を用いて後で説明するが、プリント指示されるのは、プリント画像の選択、プリントサイズ指定、解像度指定、そしてプリント枚数指定などである。
【0100】
ステップS45では、プリント処理部40の画像変換部42により、プリント指示(特に、プリントサイズ指定、解像度指定)に従って、選択されたプリント画像毎にそのプリントサイズに応じた解像度の選定と、プリントする画像データの解像度変換処理が行われる。
【0101】
ステップS46では、解像度変換処理されたプリント画像データがプリント指示とともに記憶部34に一時記憶される。
【0102】
ステップS47では、プリント処理部40の転送処理部43により、通信部35を通じて、プリント画像データがプリント指示とともにプリント管理サーバ7に転送される。
【0103】
その後、ステップS48では、プリント管理サーバ7からの受領確認信号を待ち受け、通信部35を通じて受領確認信号を受け取ると、次のステップに移る。次のステップS49では、ステップS46で記憶部34に一時記憶したプリント画像データを消去する。一時記憶の目的は、送信がうまくいかなかったときに再送信するためであり、受領確認信号を受け取ると解像度変換処理した画像データを保持しておく理由はなくなる。
【0104】
そして、ステップS50では、プリント発注処理の終了、すなわちプリント発注モードを解除し、次のステップS51で無線接続も解除する。これらはプリント処理部40で終了処理される。後は、前述のように、プリント管理サーバ7側でプリントアウト処理が実行されるのみである。
【0105】
<無線接続処理>
プリント発注処理のフロー(図7)のステップS42、すなわち無線接続処理の動作の詳細について、図8と図10を用いて説明する。図8は無線接続処理の動作の流れを示すフローチャートであり、図10は無線接続処理時の表示部25における表示例である。
【0106】
以下のフローは、IEEE802.3系の通信規約による場合である。他の通信方式であっても同様に、表示部25と操作釦26を用いて接続処理を行うようにすることが可能である。
【0107】
例えばUWB(Ultra Wide Band)無線通信方式によるプリンタなどの出力装置との接続であれば、本体11のUSB端子24とプリンタとを予め有線でUSB接続し、無線接続釦26hの押下により自動的に設定が終了し、次回からは無線接続釦26hの押下により、無線にて該当装置とPtoP接続が完了するように構成することもできる。
【0108】
ステップS61は、無線接続釦26hの押下を受けて、近在の無線アクセスポイントの検索を行う。具体的には通信部35の無線モジュール23により、アンテナ22から無線発信される。その結果、次のステップS62でアクセスポイントの選択画面が表示部25に表示される。
【0109】
図10(a)に、表示部25に表示されるアクセスポイントの選択画面を示す。接続可能なネットワークSSのIDと通信モード、暗号化キー(WEP)対応の有無が表示されており、十字キー26b、決定釦26iを用いて選択、決定するようになっている。WEP(Wired Equivalent Privacy)は、無線通信のための暗号化方式であり、暗号化のために、各アクセスポイントに対応して定められた暗号化キーを用いる。
【0110】
ステップS63では、アクセスポイントの選択、指定を行う。十字キー26bの上下釦で選択し、決定釦26iで決定する。決定すると、次のステップS64でそのアクセスポイントに対する暗号化キー入力画面が表示部25に表示される。
【0111】
図10(b)に、表示部25に表示される暗号化キー入力画面を示す。暗号化キー(WEP)の入力欄が画面下部に表示され、上部に文字や数字の選択可能な一覧が表示されており、十字キー26b、決定釦26iを用いて暗号化キー(WEP)の入力欄に入力する文字や数字を選択、決定するようになっている。
【0112】
ステップS65では、暗号化キー(WEP)の入力と決定を行う。十字キー26bの上下左右釦で入力する文字や数字を選択し、決定釦26iで決定していく。暗号化キー(WEP)の入力欄に入力を終えると、入力欄を指定し決定することで、次のステップS66に移行し、そのアクセスポイントに対する暗号化キー入力が正当であれば、自動的にそのアクセスポイントを通じてネットワークと接続する。
【0113】
以上で、無線によるネットワークへの接続は完了する。
【0114】
<発注内容指定処理>
プリント発注処理のフロー(図7)のステップS44のプリント指示、すなわちプリント発注内容の指定処理の動作の詳細について、図9と図11から図13を用いて説明する。図9はプリント発注内容の指定処理の動作の流れを示すフローチャートであり、図11から図13は発注内容指定処理時の表示部25における表示例である。
【0115】
以下のフローは、プリンタへの通信規約であるPictBridgeの機能による複数画像プリントで画像を選択し、プリントサイズ指定コマンドでプリントサイズを指定する場合を例としている。本実施形態では解像度を指定し、解像度変換処理を行うが、PictBridge方式においてはプリンタに対する解像度の指定はない。どのように解像度変換処理しようと、転送される画像データの解像度に従ってそのままプリントされる。
【0116】
また、他の通信方式であっても同様に、表示部25と操作釦26を用いて発注内容の指定処理を行うようにすることが可能である。
【0117】
ステップS71は、プリント釦26hの押下を受けて、プリント発注モードがスタートする。まず表示部25に、プリントサイズ、解像度選択画面が表示される。
【0118】
図11(a)及び図11(b)に、表示部25に表示されるプリントサイズ、解像度選択画面の例を示す。
【0119】
次にステップS72で、プリントサイズの指定方法を選択する。「全部同じサイズでプリント」もしくは「サイズを変えてプリント」の何れかを十字キー26bの上下釦で選択し、決定釦26iで決定する。図11(a)には「全部同じサイズでプリント」を選択した場合、図11(b)には「サイズを変えてプリント」を選択した場合を示す。
【0120】
次にステップS73では、どちらの指定方法を選んだかを判別する。この結果により、以後のステップと表示部25の表示内容が変わってくる。
【0121】
ステップS73で「全部同じサイズでプリント」を選択した場合(ステップS73:YES)は、ステップS74を実行する。「サイズを変えてプリント」を選択した場合(ステップS73:NO)は、ステップS84を実行する。
【0122】
ステップS74では、全部同じサイズでプリントするプリントサイズとそれに対する解像度を選択する。図11(a)に選択を行った実例を示す。プリントサイズはL版もしくはA4、解像度は、自動設定もしくは「密」または「粗」(予め定めた解像度変更レベル)から十字キー26b、決定釦26iを用いて選択、決定するようになっており、図ではそれぞれプリントサイズL版と解像度自動設定を選択した例を示している。この後画面下部の「OK」または「戻る」釦を選択し、決定する。
【0123】
続くステップS75では「OK」または「戻る」釦の何れを決定したかを判別する。「OK」の場合(ステップS75:YES)は、ステップS76を実行する。「戻る」の場合(ステップS75:NO)は、ステップS74に戻り、プリントサイズと解像度選択をやり直す。
【0124】
一方ステップS84では、サイズを変えてプリントするそれぞれのプリントサイズに対する解像度を選択する。図11(b)に選択を行った実例を示す。プリントサイズは所定のL版もしくはA4であり、それぞれのプリントサイズに対して解像度を選択する。解像度は、自動設定もしくは「密」または「粗」(予め定めた解像度変更レベル)から十字キー26b、決定釦26iを用いて選択、決定するようになっており、図ではプリントサイズL版に対して解像度自動設定を、プリントサイズA4に対して解像度「密」設定を、それぞれ選択した例を示している。この後画面下部の「OK」または「戻る」釦を選択し、決定する。
【0125】
続くステップS85では「OK」または「戻る」釦の何れを決定したかを判別する。「OK」の場合(ステップS85:YES)は、ステップS86を実行する。「戻る」の場合(ステップS85:NO)は、ステップS84に戻り、プリントサイズに対する解像度選択をやり直す。
【0126】
ステップS76では、表示部25に、画像選択、枚数指定画面が表示される。図12(a)に、表示部25に表示される画像選択、枚数指定画面の例を示す。画面には、各画像のサムネイルが一覧表示され、プリント枚数が入力できるようになっている。
【0127】
次にステップS77で、プリントする画像を選択し、プリント枚数を指定する。プリントする画像は、十字キー26bの左右釦で選択し、プリント枚数は、十字キー26bの上下釦で増減させ、指定するようになっている。すべてのプリント画像を選択し、枚数を指定し終えると決定釦26iを用いて決定する。
【0128】
続くステップS78では決定釦26iが押されたかどうかを判別する。押された場合(ステップS78:YES)は、ステップS79を実行する。押されていない場合(ステップS78:NO)は、ステップS77に戻り、プリントする画像の選択とプリント枚数指定をやり直す。
【0129】
一方ステップS86では、表示部25に、画像選択、サイズ、枚数指定画面が表示される。図12(b)に、表示部25に表示される画像選択、サイズ、枚数指定画面の例を示す。画面には、各画像のサムネイルが一覧表示され、プリントサイズと枚数が入力できるようになっている。
【0130】
次にステップS87で、プリントする画像を選択し、プリントサイズと枚数を指定する。プリントする画像は、十字キー26bの左右釦で選択し、プリントサイズはズーム釦26aのTとWを用いて選択し、枚数は十字キー26bの上下釦で増減させ、指定するようになっている。すべてのプリント画像を選択し、プリントサイズと枚数を指定し終えると決定釦26iを用いて決定する。
【0131】
続くステップS88では決定釦26iが押されたかどうかを判別する。押された場合(ステップS88:YES)は、ステップS79を実行する。押されていない場合(ステップS88:NO)は、ステップS87に戻り、プリントする画像の選択とプリントサイズ、枚数指定をやり直す。
【0132】
ステップS79では、表示部25にプリント発注内容確認画面が表示される。図13(a)及び図13(b)に、表示部25に表示されるプリント発注内容確認画面の例を示す。図13(a)はステップS74からステップS78の工程を経たときの画面であり、指定したプリントサイズとそれに対する解像度指定、さらに合計の注文枚数が一覧表示されている。図13(b)はステップS84からステップS88の工程を経たときの画面であり、それぞれのプリントサイズに対する解像度指定、さらにそれぞれのプリントサイズに対する合計の注文枚数が一覧表示されている。
【0133】
画面の下部には「OK」または「戻る」釦が表示され、十字キー26bの左右釦で何れかを選択し、決定釦26iを用いて決定するようになっている。
【0134】
続くステップS80では「OK」または「戻る」釦の何れを決定したかを判別する。「OK」の場合(ステップS80:YES)は、設定したプリント発注内容がプリント指示となり、プリント発注が行われる。すなわち、次の解像度変換処理、転送処理に至る一連のプリント発注処理が実行され、プリント管理サーバ7に発注がかかる。「戻る」の場合(ステップS80:NO)は、ステップS71に戻り、プリントサイズ、解像度選択画面の表示からプリント発注内容指定処理をやり直すことになる。
【0135】
以上で、プリント発注内容指定処理は完了する。
【0136】
上述のように、本実施形態によれば、画像入力装置としてのカメラにおいて、プリントする画像データのプリントサイズに応じて、プリント時の適切な解像度を設定し、解像度変換処理を実施したプリント画像データを、画像出力装置としての画像プリント管理装置に転送するので、無線通信においても、適切なプリント画像品質を保ちながら、プリント用の画像データの送信を短時間ですませることができる。
【0137】
これにより、電波状況や電力事情により必ずしも安定した通信状態が維持されない状況においても、送信ミスなどの生じにくい、画像入力装置としてのカメラ、画像出力装置としての画像プリント管理装置、それらを備えた画像プリント管理システム、そしてその画像プリント管理方法を提供することができる。
【0138】
なお本発明の実施形態は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に則る限り、様々な変更された形態もその範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施形態に係る画像プリント管理システムの構成例を示す構成図である。
【図2】デジタルカメラ1の外観例を示す前面側からの斜視図(a)、及び背面側からの斜視図(b)である。
【図3】デジタルカメラ1の内部構成例を示す正面透視図(a)、及び背面透視図(b)である。
【図4】デジタルカメラ1の機能構成例(a)、及びプリント管理サーバ7の機能構成例(b)を示す図である。
【図5】図4(a)における撮影制御部31と画像データ制御部32の詳細構成例を示す構成図である。
【図6】画像プリント管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】デジタルカメラ1におけるプリント発注処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】デジタルカメラ1における無線接続処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】デジタルカメラ1におけるプリント発注内容指定処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】無線接続処理時の表示部25における、アクセスポイントの選択画面表示例(a)、及び暗号化キー入力画面表示例(b)を示す図である。
【図11】発注内容指定処理時の表示部25におけるプリントサイズ、解像度選択画面の表示例である。
【図12】発注内容指定処理時の表示部25における画像選択、(サイズ、)枚数指定画面の表示例である。
【図13】発注内容指定処理時の表示部25におけるプリント発注内容確認画面の表示例である。
【図14】画像入力装置(カメラ)と画像出力装置(プリンタ)とを接続する形態例を示す図である。
【符号の説明】
【0140】
1 デジタルカメラ
2 PDA
3 携帯電話
4 無線LANアクセスポイント
5 携帯電話アンテナ
6 ネットワーク
7 プリント管理サーバ
8 プリンタ
11 カメラ本体
12 撮影光学系
13 撮像素子
14 制御、画像処理、電源基板
15 保存用記録媒体(メモリカード)
16 フラッシュ
17 フラッシュ基板
18 電源スイッチ
19 シャッター釦
22 アンテナ
23 無線モジュール
24 USB端子
25 表示部
26a〜26i 操作釦
30 制御部(CPU)
31 撮影制御部
32 画像データ処理部
33 操作部
34 記憶部
35 通信部
36 画像入出力部
40 プリント処理部
41 プリント指示部
42 画像変換処理部
43 転送処理部
60 制御部
61 画像データ管理部
62 プリント制御部
63 記憶部
64 通信部
65 画像入出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線による画像データの送受信が可能なカメラと、前記カメラからの画像データを受信し、受信した前記画像データのプリントアウトを行う画像プリント管理装置とを備えた画像プリント管理システムであって、
前記カメラは、
撮影により画像データを取得する撮影手段と
前記撮影手段により取得した画像データを記憶する記憶手段と、
画像データに対するプリント指示を入力するプリント指示入力手段と、
前記プリント指示入力手段により入力されたプリント指示に基づいて、プリントする画像データの画像処理を行うプリント画像処理手段と、
前記プリント画像処理手段により画像処理されたプリント画像データを、前記プリント指示入力手段により入力されたプリント指示とともに、前記画像プリント管理装置に転送する転送手段と、を有し、
前記画像プリント管理装置は、
転送されてきたプリント画像データ及びプリント指示を記憶するプリント画像記憶手段と、
前記プリント画像データ及びプリント指示に基づき、プリンタを制御するプリント制御手段と、を有し
前記プリント指示入力手段は、
プリントする画像データについてプリントサイズの指示を入力することができ、
前記プリント画像処理手段は、
前記プリント指示入力手段により入力されたプリントサイズに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理を行う、
ことを特徴とする画像プリント管理システム。
【請求項2】
前記プリント指示入力手段は、
プリントする画像データについて解像度変更レベルの指示を入力することができ、
前記プリント画像処理手段は、
前記プリント指示入力手段により入力されたプリントサイズ、及び解像度変更レベルに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像プリント管理システム。
【請求項3】
前記転送手段は、
前記プリント画像処理手段により解像度変換処理されたプリント画像データを、プリント画像データの転送前に前記記憶手段に記憶させ、プリント画像データの転送終了後に前記記憶手段から消去する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像プリント管理システム。
【請求項4】
無線による画像データの送受信が可能なカメラであって、
撮影により画像データを取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得した画像データを記憶する記憶手段と、
画像データに対するプリント指示を入力するプリント指示入力手段と、
前記プリント指示入力手段により入力されたプリント指示に基づいて、プリントする画像データの画像処理を行うプリント画像処理手段と、
前記プリント画像処理手段により画像処理されたプリント画像データを、前記プリント指示入力手段により入力されたプリント指示とともに、外部装置に転送する転送手段と、を有し、
前記プリント指示入力手段は、
プリントする画像データについてプリントサイズの指示を入力することができ、
前記プリント画像処理手段は、
前記プリント指示入力手段により入力されたプリントサイズに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理を行う、
ことを特徴とするカメラ。
【請求項5】
前記プリント指示入力手段は、
プリントする画像データについて解像度変更レベルの指示を入力することができ、
前記プリント画像処理手段は、
前記プリント指示入力手段により入力されたプリントサイズ、及び解像度変更レベルに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理を行う、
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ。
【請求項6】
前記転送手段は、
前記プリント画像処理手段により解像度変換処理されたプリント画像データを、プリント画像データの転送前に前記記憶手段に記憶させ、プリント画像データの転送終了後に前記記憶手段から消去する、
ことを特徴とする請求項4または5に記載のカメラ。
【請求項7】
カメラから無線発信された画像データを受信し、受信した前記画像データのプリントアウトを行う画像プリント管理装置であって、
前記カメラから受信したプリント画像データ及びプリント指示を記憶するプリント画像記憶手段と、
前記プリント画像データ及びプリント指示に基づき、プリンタを制御するプリント制御手段と、を有し
前記プリント制御手段は、
プリント画像データについて、前記プリント指示により指示されたプリントサイズ及び解像度に従いプリントアウトするようプリンタを制御する、
ことを特徴とする画像プリント管理装置。
【請求項8】
無線による画像データの送受信が可能なカメラから、画像プリント管理装置が画像データを受信し、受信した前記画像データのプリントアウトを行う画像プリント管理方法であって、
前記カメラにより撮影し、画像データを取得する撮影工程と、
前記撮影工程において取得した画像データを前記カメラの記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記カメラに、画像データに対するプリント指示を入力するプリント指示入力工程と、
前記プリント指示入力工程において入力されたプリント指示に基づいて、前記カメラのプリント画像処理手段が、プリントする画像データの画像処理を行うプリント画像処理工程と、
前記プリント画像処理工程において画像処理されたプリント画像データを、前記プリント指示入力工程において入力されたプリント指示とともに、前記カメラから前記画像プリント管理装置に転送する転送工程と、
前記画像プリント管理装置において、転送されてきたプリント画像データ及びプリント指示を記憶するプリント画像記憶工程と、
前記プリント画像データ及びプリント指示に基づき、プリンタを制御するプリント制御工程と、を有し、
前記プリント指示入力工程では、
プリントする画像データについてのプリントサイズの指示が入力され、
前記プリント画像処理工程では、
前記プリント指示入力工程において入力されたプリントサイズに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理が行われる、
ことを特徴とする画像プリント管理方法。
【請求項9】
前記プリント指示入力工程では、
プリントする画像データについての解像度変更レベルの指示が入力され、
前記プリント画像処理工程では、
前記プリント指示入力工程において入力されたプリントサイズ及び解像度変更レベルに基づき、プリントする画像データの解像度変換処理が行われる、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像プリント管理方法。
【請求項10】
前記転送工程では、
前記プリント画像処理工程において解像度変換処理されたプリント画像データが、プリント画像データの転送前に前記カメラの記憶手段に記憶され、プリント画像データの転送終了後に前記記憶手段から消去される、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の画像プリント管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−228133(P2007−228133A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45089(P2006−45089)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】