説明

画像処理システムおよび操作制御プログラム

【課題】ハードウェア資源を有効的に利用して利便性を向上させる画像処理システムを提供する。
【解決手段】装置自身に関する操作を行う第1の操作手段(第1の操作パネル100)を備える第1の画像処理装置(プリンタ装置PR1)と、装置自身に関する操作を行う第2の操作手段(第2の操作パネル200)を備え、通信手段(ネットワークN)を介して第1の画像処理装置と接続される第2の画像処理装置(スキャナ装置SC1)と、第1の画像処理装置または第2の画像処理装置から接続要求を行う接続要求手段と、接続要求がされた第1の画像処理装置または第2の画像処理装置について、各装置に関する情報を取得する取得手段と、取得結果に応じて第1の操作手段または第2の操作手段を用いて少なくとも一つの第1の画像処理装置または第2の画像処理装置の操作を制御する制御手段とを少なくとも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システムおよび操作制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、スキャナ装置にプリンタ装置を直接接続あるいはネットワーク接続し、スキャナ装置で読み取った画像をコピージョブとしてプリンタ装置に送信することで、パーソナルコンピュータを介さずにコピー機能など複合機と同様の機能を実現する画像処理システムが提案されている。
【0003】
このようなシステムにおいては、スキャナ装置に接続されるプリンタ装置の機種は一定ではなく、その機能については種々のものが接続され得る。
【0004】
上述のような画像処理技術に関する先行技術としては、特開2000−156754号公報や特開2003−330663号公報などがある。
【0005】
特開2000−156754号公報には、画像処理装置には第1の操作部、スキャナ装置には第2の操作部があり、連携してコピー能等を実施する場合に、第1の操作部の表示を第2の操作部に連動させるか否かをスキャナ装置で設定する技術が開示されている。
【0006】
また、特開2003−330663号公報には、スキャナ装置とプリンタ装置を連携させてコピー機能等の複合機同様の動作を実現する場合に、画像がセットしてあるスキャナ装置に装備された「スタートボタン」を押すことで、画像処理装置の印字動作の起動を行う技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−156754号公報
【特許文献2】特開2003−330663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ハードウェア資源を有効的に利用して機能性および利便性を向上させることのできる画像処理システムおよび操作制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る画像処理システムは、装置自身に関する操作を行う第1の操作手段を備える少なくとも一つの第1の画像処理装置と、装置自身に関する操作を行う第2の操作手段を備え、通信手段を介して前記第1の画像処理装置と接続される少なくとも一つの第2の画像処理装置と、前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置から前記通信手段を介して接続要求を行う接続要求手段と、該接続要求手段によって接続要求がされた前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置について、各装置に関する情報を取得する取得手段と、該取得手段による取得結果に応じて、前記第1の操作手段または前記第2の操作手段を用い、前記通信手段を介して少なくとも一つの前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置の操作を制御する制御手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係る画像処理システムは、請求項1に記載の発明について、前記第1の操作手段および前記第2の操作手段は、表示機能と共に各装置が有する機能を操作する操作機能を備える操作パネルで構成されることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明に係る画像処理システムは、請求項1または請求項2の何れかに記載の発明について、前記各装置に関する情報は、前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置が備える構成に関する情報を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明に係る画像処理システムは、請求項1から請求項3の何れかに記載の発明について、前記各装置に関する情報は、前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置の状態に関する情報を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明に係る画像処理システムは、請求項1から請求項4の何れかに記載の発明について、前記各装置に関する情報は、前記第1の画像処理装置および前記第2の画像処理装置を連携させて動作させる情報を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明に係る画像処理システムは、請求項1から請求項5の何れかに記載の発明について、前記各装置に関する情報は、前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置が備える格納手段に格納されることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明に係る画像処理システムは、請求項1から請求項5の何れかに記載の発明について、前記各装置に関する情報は、前記通信手段を介して接続される外部記憶装置に格納されることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明に係る画像処理システムは、請求項1から請求項7の何れかに記載の発明について、前記第1の画像処理装置はプリンタ装置で構成され、前記第2の画像処理装置はスキャナ装置で構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明に係る操作制御プログラムは、第1の画像処理装置または第2の画像処理装置から通信手段を介して接続要求を行う接続要求処理過程と、該接続要求処理過程によって接続要求がされた前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置について、各装置に関する情報を取得する取得処理過程と、該取得処理過程による取得結果に応じて、前記第1の操作手段または前記第2の操作手段を用い、前記通信手段を介して少なくとも一つの前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置の操作を制御する制御処理過程とを演算手段に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0018】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、各装置に関する情報の取得結果に応じて第1の操作手段または第2の操作手段を用いて第1の画像処理装置または第2の画像処理装置の操作を制御するので、ハードウェア資源を有効的に利用して機能性および利便性を向上させることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の表示手段および第2の表示手段は、表示機能と共に各装置が有する機能を操作する操作機能を備える操作パネルで構成されるので、ハードウェア資源を有効的に利用して機能性および利便性を向上させることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の画像処理装置または第2の画像処理装置が備える構成に関する情報に基づいてハードウェア資源を一層有効的に利用して機能性および利便性を向上させることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の画像処理装置または第2の画像処理装置の状態に関する情報に基づいてハードウェア資源を一層有効的に利用して機能性および利便性を向上させることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の画像処理装置および第2の画像処理装置を連携させて動作させる情報に基づいてハードウェア資源を一層有効的に利用して機能性および利便性を向上させることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、ハードウェア資源を有効的に利用して機能性および利便性をより向上させることができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、ハードウェア資源を有効的に利用して機能性および利便性をより向上させることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、プリンタ装置またはスキャナ装置のハードウェア資源を有効的に活用して機能性および利便性を一層向上させることができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、各装置に関する情報の取得結果に応じて第1の操作手段または第2の操作手段を用いて第1の画像処理装置または第2の画像処理装置の操作を制御するので、ハードウェア資源を有効的に利用して機能性および利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0028】
(第1の実施の形態)
【0029】
図1から図7を参照して、本発明についての第1の実施の形態に係る画像処理システムS1について説明する。
【0030】
図1から図3に示すように、画像処理システムS1は、装置自身に関する情報を表示する機能と共に操作する機能を備えたタッチパネル等で構成される第1の操作パネル100(第1の操作手段の一例)を少なくとも備えるプリンタ装置PR1、PR2(第1の画像処理装置の一例)と、装置自身に関する情報を表示する機能と共に操作する機能を備えたタッチパネル等で構成される第2の操作パネル200(第2の操作手段の一例)を少なくとも備え、LAN等のネットワークN(通信手段の一例)を介して第1の画像処理装置PR1、PR2と接続されるスキャナ装置SC1(第2の画像処理装置の一例)と、プリンタ装置PR1、PR2およびスキャナ装置SC1の各装置に関する情報を格納するサーバSA(外部記憶装置の一例)とを少なくとも備える。
【0031】
プリンタ装置PR1、PR2およびスキャナ装置SC1について、本発明と直接関係しない構成については図示および説明を省略する。
【0032】
なお、本実施の形態では、プリンタ装置PR1、PR2およびスキャナ装置SC1の接続代数は特には限定されず、それぞれ2台以上を接続する場合であってもよい。
【0033】
また、プリンタ装置PR1、PR1の印刷方式は、特には限定されず、レーザプリンタ、インクジェット方式のプリンタ等の何れであってもよい。
【0034】
本実施の形態においては、プリンタ装置PR1はカラープリンタ、プリンタ装置PR2は白黒プリンタであるものとする。
【0035】
また、スキャナ装置SC1の読み取り方式も特には限定されず、Charge Coupled Devices(CCD)方式、Contact Image Sensor(CIS)方式等の何れであってもよい。
【0036】
また、特に限定されるものではないが、本実施の形態においては、スキャナ装置SC1が備える第2の操作パネル200の方が、プリンタ装置PR1、PR2が備える第1の操作パネル100よりも表示領域の面積、画素密度、表示色数、解像度等において機能的、性能的に優れているものとする。
【0037】
なお、スキャナ装置SC1の第2の操作パネル200は、高機能の表示を行うために、いわゆるGUI(Graphical User Interface)を備えている。
【0038】
ここで、GUIとは、ユーザに対する情報の表示にグラフィックを多用し、大半の基礎的な操作をマウスなどのポインティングデバイスによって行なうことができるユーザインターフェースのことをいう。なお、タッチパネルにおいては、マウス等を要さずに、所望の表示箇所を指やタッチペン(スタイラス)等で押圧することにより操作できるようになっている。
【0039】
プリンタ装置PR1、PR1およびスキャナ装置SC1は、ネットワークNを介して接続要求を行う接続要求部101、201(接続要求手段の一例)をそれぞれ備えている。
【0040】
また、接続要求部101によって接続要求がされたプリンタ装置PR1、PR1またはスキャナ装置SC1について、各装置に関する情報を取得する取得部102、202(取得手段の一例)をそれぞれ備えている。
【0041】
各装置に関する情報は、プリンタ装置PR1、PR1またはスキャナ装置SC1が備える構成に関する情報(例えば、白黒/カラー、給紙トレイ段数や格納用紙サイズなどの情報)や、プリンタ装置PR1、PR1またはスキャナ装置SC1の状態に関する情報(例えば、異常なし、トナー残小などの情報)や、あるいはプリンタ装置PR1、PR1およびスキャナ装置SC1を連携させて動作させる情報(例えば、互いの装置を認識させるためのIPアドレス等の情報)の何れかを含むようにできる。
【0042】
これにより、ユーザが印刷結果を得ようとするプリンタ装置PR1またはPR2から、スキャナ装置SC1を連携させたコピー処理の実行を指示することが可能となる。
【0043】
即ち、ユーザが、コピーの印刷結果の出力を希望するプリンタ装置PR1の第1の操作パネル100からコピー開始を指示(例えば、スタートボタンSBを操作)することをトリガーに、プリンタ装置PR1はスキャナ装置SC1に対して連携を要求し、連携要求を受けたスキャナ装置SC1はプリンタ装置PR1から送られた要求の判定処理によって連携の可否を決定し、連携可能であればプリンタ装置PR1にOKを通知し、連携が不可能であればNGを通知する。
【0044】
連携がOKである場合には、スキャナ装置SC1は予めセットされている原稿の読取り動作を開始する。
【0045】
原稿がセットされていなければ、プリンタ装置PR1にNGを通知し処理を終了し、プリンタ装置PR1は、スキャナ装置SC1からの応答を待ち、OKであれば連携を確立してコピー印刷のためのスキャン画像を受け印刷する。また、NGであれば連携失敗として処理を終了する。
【0046】
プリンタ装置PR1からスキャナ装置SC1に通知される連携要求には、プリンタ装置PR1の構成や利用する機能が情報として付加され、スキャナ装置SC1側は、その情報に基づいて、原稿読み取りの実行を行なう。
【0047】
なお、プリンタ装置PR1が連携要求を行なうスキャナ装置SC1の特定は、予めユーザにネットワークのIPアドレスを登録させる場合や、ネットワークNにおける検索によりリストアップする場合が考えられる。
【0048】
各装置に関する情報は、プリンタ装置PR1、PR2またはスキャナ装置SC1が備えるハードディスク装置や不揮発性メモリ(ROM)等で構成される格納部12、22、32(格納手段の一例)、またはネットワークNを介して接続されるサーバSA(外部記憶手段の一例)に格納されている。
【0049】
また、第1の操作パネル100または第2の操作パネル200を用いて、ネットワークNを介して少なくとも一つのプリンタ装置PR1、PR2またはスキャナ装置SC1の操作を制御するマイクロコンピュータ等で構成される制御部11、21、31(制御手段の一例)をそれぞれ備えている。
【0050】
プリンタ装置PR1は、制御部としてのCPU11が搭載され、ROM12に格納されたプログラムコードを実行しRAM13に展開した印刷画像をカラー印刷部14で印刷を実行する。
【0051】
管理部15は装置全体の機能や装置状態、スキャナ装置SC1との連結状態を管理し、I/F(インターフェイス)部16は印刷データや連結されたスキャナ装置SC1からのデータおよび情報の入出力を制御する。
【0052】
第1の操作パネル100は管理部15と連携してスイッチ入力・表示を管理する。
【0053】
プリンタ装置PR2の構成は、プリンタ装置PR1と略同様であるが、白黒印刷専用機なので印刷部は白黒印刷部24となり、管理部25が管理するものも白黒印刷情報となる。
【0054】
スキャナ装置SC1もプリンタ装置PR1と同様の構成を有するが、印刷部ではなく画像読取部34があり、原稿をスキャンした画像はRAM33に格納される。
【0055】
管理部35はスキャン機能や装置の状態、プリンタ装置PR1、PR2との連携状態を管理する。
【0056】
次に、図4のフローチャートを参照して、プリンタ装置PR1(またはPR2)で実行される接続要求処理の処理手順について説明する。
【0057】
プリンタ装置PR1は、スキャナ装置SC1と連携してコピー機能を実現するために、スキャナ装置SC1に対して接続要求コマンドを送出し、接続できた場合にはコピー印刷動作を行なう。
【0058】
まず、ステップS100でプリンタ装置PR1の第1の操作パネル100のスタートボタンSBが押されると、管理部15で管理する装置の情報として、カラー印刷可能、トレイ3段(A3、B4、A4)等の情報を付加して接続コマンドを生成し(ステップS101)、I/F部16を経由してスキャナ装置SC1に接続要求コマンドを送信して(ステップS102)、ステップS103に移行する。
【0059】
ステップS103では、スキャナ装置SC1からのコマンドが来るまで待機し、コマンドが来た場合にはコマンドが正常か否かを判定する。
【0060】
判定結果が「No」の場合には、ステップS104に移行して、接続不可を示すメッセージ等を第1の操作パネル100に表示して処理を終了する。
【0061】
一方、判定結果が「Yes」の場合には、ステップS105に移行して、「接続中」を示すメッセージ等を第1の操作パネル100に表示し、スキャナ装置SC1からのコピー印刷データを待って印刷動作を実行してコピーを終了した後、処理を終了する(ステップS106、S107)。
【0062】
なお、プリンタ装置PR2から接続要求を行なう場合も同様の処理が行なわれる。
【0063】
この場合には、プリンタ装置PR2の管理部25で管理する装置の情報として、白黒プリンタ、トレイ1段(A4)の情報を付加した接続コマンドが生成される。
【0064】
これにより、カラー印刷可能、トレイ3段(A3、B4、A4)等のスキャナ装置SC1に関する情報の取得結果に応じて第1の操作パネル100を用いてスキャナ装置SC1を操作するので、画像処理システムS1が有するハードウェア資源を有効的に利用して機能性および利便性が向上される。
【0065】
次に、図5のフローチャートを参照して、スキャナ装置SC1で実行される接続要求処理の処理手順について説明する。
【0066】
スキャナ装置SC1は、プリンタ装置PR1(またはPR2)からの接続要求に応じて、プリンタ装置PR1と連携してコピー機能を実現するために、接続要求コマンドと付加情報の解析と、接続可能となった場合のコピー処理を行う。
【0067】
プリンタ装置PR1からの接続要求コマンドを、I/F部36を通じて、管理部35が受け取ると、管理部35は接続要求に添付されている装置情報を判断し、プリンタ装置PR1が連携可能な画像処理装置であるかを判断する(ステップS200〜202)。
【0068】
具体的には、例えばA4サイズ用紙が実装されているプリンタ装置のみ接続可能とする。
【0069】
そして、利用できないと判断した場合は、プリンタ装置PR1に連携不可(NG)の通知を行なって処理を終了する(ステップS202、S204)。
【0070】
一方、利用可能と判断した場合は、次に原稿が予めセット済みかどうかを確認する(ステップS203)。
【0071】
原稿がセット済みであればコピー動作を続けるが、原稿がセットされていない場合は、プリンタ装置PR1にNGを通知して処理を終了する(ステップS203、S204)。
【0072】
プリンタ装置PR1に連携可能(OK)の通知を行い、コピー処理を実行する。
【0073】
管理部35は、プリンタ装置PR1の情報からカラー印刷や複数トレイの用紙の実装状況を判断し、原稿読取り時のパラメータを決定する(ステップS206)。
【0074】
画像読取部34は管理部35が決定したカラーモード、用紙サイズ、トレイ選択、読取り解像度などのパラメータを利用して原稿画像読み取りを実行し、読取られた画像はコピー印刷データとしてI/F部36を経由してプリンタ装置PR1に送られる(ステップS207)。
【0075】
プリンタ装置PR1にコピー印刷データをすべて送信し、プリンタ装置PR1で印刷が完了するとコピー処理は終了し、一連の処理を終了する(ステップS208、S209)。
【0076】
プリンタ装置PR2からの接続時には、管理部35によってプリンタ装置PR2の情報が参照され、カラーモードは白黒、トレイも実装されている1段を指定する読取りパラメータが設定され、画像読取部34によって読取りが実施される。
【0077】
プリンタ装置PR1とプリンタ装置PR2の両方から接続要求があった場合には、スキャナ装置SC1のI/F部36に接続要求が先に到着した方が接続される。
【0078】
後で到着した接続要求は、スキャナ装置SC1の管理部35にて接続不可が判断され、後で到着した接続要求を発信したプリンタ装置に接続要求NGの応答が返される。
【0079】
その後、接続を確立してコピー動作が終了するまで、他のプリンタからの接続要求にはNG応答が返される。
【0080】
なお、本実施の形態では、スキャナ装置SC1に原稿がセットされていない場合は、接続要求元のプリンタ装置PR1、PR2にNGを応答するが、この段階でスキャナ装置SC1の第2の操作パネル200に原稿セットの要求メッセージを表示したり、白黒/カラーのモード選択や、印刷に利用する用紙のトレイ選択などの、コピー設定詳細メニューを表示させてから、原稿読取りを開始させてもよい。
【0081】
また、本実施の形態では、プリンタ装置PR1、PR2との接続OKの条件として、原稿がセットされていることを条件としているが、原稿がセットされた上でスキャナ装置SC1の第2の操作パネル200のスタートボタンSBが押され、スキャナ装置SC1がコピーモードの状態であることなどを条件としてもよい。
【0082】
図6には、プリンタ装置PR1、PR2からスキャナ装置SC1に送付する接続要求コマンドの例を示す。
【0083】
プリンタ装置PR1、PR2でスキャナ装置SC1と接続する要求が発生した場合に、プリンタ装置PR1、PR2の状態や構成情報を含んだコマンドを作成し、スキャナ装置SC1に送付する。
【0084】
図7には、プリンタ装置PR1の管理部15およびプリンタ装置PR2の管理部25で管理する接続要求先情報(IPアドレス)の例を示す。
【0085】
第1の操作パネル100によって設定が可能となっている。
【0086】
また、プリンタ装置PR1、PR2の起動時にネットワークNに接続されたスキャナ装置を名称などで検出してリストアップしておくことも可能である。
【0087】
本実施の形態では、予め1台のスキャナ装置しか接続先が存在しない場合を想定しているが、複数のスキャナ装置を管理することも可能である。
【0088】
プリンタ装置PR1、PR2の第1の操作パネル100からスキャナ装置を選択してスタートボタンSBを操作することで、複数のスキャナ装置から1台の装置を選択して決定し、接続する1台のスキャナ装置を特定するようにしてもよい。
【0089】
このように、本実施の形態に係る画像処理システムS1によれば、スキャナ装置SC1とプリンタ装置PR1、PR2の距離が離れている状況において、複数のプリンタ装置PR1、PR2が連携可能な構成になっている場合などに、ユーザが直接コピーの出力を得るプリンタ装置PR1(またはPR2)自身を操作することでプリンタ装置PR1から接続要求を行って、利用するプリンタ装置PR1からスキャナ装置SC1に直接連携動作を要求することができ、ユーザはスキャナ装置とプリンタ装置の接続を容易に行って利便性が向上される。
【0090】
(第2の実施の形態)
【0091】
図8から図12を参照して、本発明についての第2の実施の形態に係る画像処理システムS2について説明する。
【0092】
なお、第1の実施の形態に係る画像処理システムS1と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0093】
第2の実施の形態に係る画像処理システムS2が、第1の実施の形態に係る画像処理システムS1と異なる点は、ネットワークNに2台のスキャナ装置SC1、SC2が接続されている点である。
【0094】
なお、プリンタ装置およびスキャナ装置の接続台数は、特には限定されず、それぞれ3台以上接続する場合であってもよい。
【0095】
なお、スキャナ装置SC2もスキャナ装置SC1やプリンタ装置PR1と同様の構成を有するが、印刷部ではなく画像読取部44があり、原稿をスキャンした画像はRAM43に格納される。
【0096】
管理部45はスキャン機能や装置の状態、プリンタ装置PR1、PR2との連携状態を管理する。
【0097】
ここで、図11のフローチャートを参照して、プリンタ装置PR1(またはPR2)で実行される接続要求処理の処理手順について説明する。
【0098】
プリンタ装置PR1の管理部15は、ネットワークN上のスキャナ装置SC1とスキャナ装置SC2が存在することを管理している。
【0099】
プリンタ装置PR1のスタートボタンSBが押された時点で、管理部15は接続要求コマンドと付加情報を生成しスキャナ装置SC1、SC2へ送付を行なう(ステップS300)。
【0100】
その際、管理部15が、前出の図7のように管理している接続可能なスキャナ装置SC1とSC2のすべてに、前出の図6のような要求コマンドを送付する(ステップS301、S302)。
【0101】
その後、スキャナ装置SC1、SC2からの接続要求コマンドの応答の有無を管理し、全てのスキャナ装置SC1、SC2からの応答を受けるまで応答を待つが、待ち状態はタイムアウト時間を設けて一定時間で解除するほか、第2の操作パネル200からのキャンセル操作も監視する(ステップS303〜305)。
【0102】
ステップS306では、スキャナ装置からのコマンドは正常か否かが判定され、「No」の場合にはステップS311に移行し、「Yes」の場合にはステップS307に移行する。
【0103】
スキャナ311では、全スキャナ装置から返信されたか否かが判定され、「No」の場合にはステップS304に戻り、「Yes」の場合にはステップS312に移行して、第1の操作パネル100に処理終了のメッセージ等を表示して処理を終了する。
【0104】
一方、ステップS306で「Yes」と判定された場合にはステップS307で、スキャン接続中等のメッセージを第1の操作パネル100に表示してステップS308に移行する。
【0105】
ステップS308では、スキャナ装置SC1(またはSC2)からのコピーデータの印刷を実行してステップS309に移行する。
【0106】
ステップS309では、全スキャナ装置から返信済みか否かが判定され、「No」の場合にはステップS306に戻り、「Yes」の場合にはコピー動作を終了して、一連の処理を終了する。
【0107】
なお、複数のスキャナ装置から応答が同時に来た場合は、I/F部16で、到着順に受付順次処理を行う。
【0108】
また、プリンタ装置PR2でも同様の動作を行う。
【0109】
このように、N(Nは整数)台のスキャナ装置とN台のプリンタ装置が混在した環境で、何れのスキャナ装置と、何れのプリンタ装置を接続するか、という組合せの選択を装置の操作パネルなどを使って特定することなく、容易に利用できる。
【0110】
ユーザは、予め任意のスキャナ装置に原稿をセットし、コピーの印刷出力を実施するプリンタ装置を選択すると、プリンタ装置から接続可能なすべてのスキャナ装置に接続要求が出され、原稿のセットされているスキャナ装置からのデータを受けてコピー動作が可能となる。
【0111】
この場合に、複数のスキャナ装置に原稿がセットされていた場合であっても、順次コピー印刷することが可能となる。
【0112】
これによって、複雑なパネル操作や、スキャナ装置やプリンタ装置のネットワークN上の名前と物理的な配置などに拘束されず、ユーザは何れかの装置の操作パネル(第1の操作パネル100または第2の操作パネル100)を操作することで、スキャナ装置とプリンタ装置を利用したコピー処理が可能となり、利便性が向上される。
【0113】
次に、図12のフローチャートを参照して、スキャナ装置SC2で実行される接続要求処理の処理手順について説明する。
【0114】
この処理では、スキャナ装置SC1に原稿がセットされたことを、管理部35が検知すると、第2の操作パネル200からのスタート操作を待つ(ステップS400、S401)。
【0115】
第2の操作パネル200からのスタートボタンSBの押下の通知を管理部35が受けると、カラー/白黒、印刷用紙サイズ、読み取り解像度など、予め決定されている標準Config(設定)の情報に従って、原稿読取りパラメータを決定し、画像読取部36にて画像の読取りを行ない、読取った画像は、管理部35内の記憶部に保存する(ステップS402、S403)。
【0116】
その後、管理部35はプリンタ装置PR1、PR2からの接続要求を待つが、待ち時間にはタイムアウトを設定し一定時間接続要求がない場合は処理を終了する(ステップS404)。
【0117】
プリンタ装置PR1からの接続要求を受け付け、コマンドに付属するプリンタ装置のConfig情報を確認し、予め画像を読取るときに利用した標準Configに対応しているかを確認する(ステップS405〜S407)。
【0118】
対応していない場合は、コマンドを発行したプリンタ装置にNG応答を行い(ステップS412)、その後再び接続要求を待つ。
【0119】
標準configに対応している場合には、プリンタ装置にOK応答を行い(ステップS408)、保存しておいたスキャン画像をコピー印刷画像としてプリンタ装置に送付し、プリンタ装置の印刷完了を待ってコピー処理を終了する(ステップS409〜S411)。
【0120】
なお、スキャナ装置SC2における動作も同様である。
【0121】
これにより、スキャナ部を操作して予め原稿をスキャンしておくことで、コピー終了後にユーザが原稿を取りに戻る必用がないという利便性がある。
【0122】
プリンタ装置を特定せずに標準Configを使って原稿を読み込み、出力を希望する標準configに対応したプリンタ装置を操作してスタートすることで、期待するコピー結果を取得することができ、利便性が向上される。
【0123】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0124】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。
【0125】
即ち、画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0126】
例えば、所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、この所定のプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0127】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0128】
さらには、画像処理装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、この所定のプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この所定のプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明による画像処理システムおよび操作制御プログラムは、複写装置、レーザプリンタ、フルカラープリンタ、複合機、ファクシミリ装置、スキャナ装置等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】第1の実施の形態に係る画像処理システムS1の構成を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像処理システムS1の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像処理システムS1の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】接続要求処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】接続要求処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】接続コマンド形式の例を示す表である。
【図7】連携情報の例を示す表である。
【図8】第2の実施の形態に係る画像処理システムS2の構成を示す概略構成図である。
【図9】第2の実施の形態に係る画像処理システムS2の構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態に係る画像処理システムS2の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図11】接続要求処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】接続要求処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0131】
S1、S2 画像処理システム
PR1、PR2 プリンタ装置
SC1、SC2 スキャナ装置
11 制御部
12 格納部
14 カラー印刷部
15 管理部
16 I/F部
24 白黒印刷部
25 管理部
34 画像読取部
35 管理部
36 I/F部
36 画像読取部
44 画像読取部
45 管理部
100 第1の操作パネル
101 接続要求部
102 取得部
200 第2の操作パネル
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置自身に関する操作を行う第1の操作手段を備える少なくとも一つの第1の画像処理装置と、
装置自身に関する操作を行う第2の操作手段を備え、通信手段を介して前記第1の画像処理装置と接続される少なくとも一つの第2の画像処理装置と、
前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置から前記通信手段を介して接続要求を行う接続要求手段と、
該接続要求手段によって接続要求がされた前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置について、各装置に関する情報を取得する取得手段と、
該取得手段による取得結果に応じて、前記第1の操作手段または前記第2の操作手段を用い、前記通信手段を介して少なくとも一つの前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置の操作を制御する制御手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記第1の操作手段および前記第2の操作手段は、表示機能と共に各装置が有する機能を操作する操作機能を備える操作パネルで構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記各装置に関する情報は、前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置が備える構成に関する情報を含むことを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載画像処理システム。
【請求項4】
前記各装置に関する情報は、前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置の状態に関する情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載画像処理システム。
【請求項5】
前記各装置に関する情報は、前記第1の画像処理装置および前記第2の画像処理装置を連携させて動作させる情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載画像処理システム。
【請求項6】
前記各装置に関する情報は、前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置が備える格納手段に格納されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記各装置に関する情報は、前記通信手段を介して接続される外部記憶装置に格納されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記第1の画像処理装置はプリンタ装置で構成され、前記第2の画像処理装置はスキャナ装置で構成されることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の画像処理システム。
【請求項9】
第1の画像処理装置または第2の画像処理装置から通信手段を介して接続要求を行う接続要求処理過程と、
該接続要求処理過程によって接続要求がされた前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置について、各装置に関する情報を取得する取得処理過程と、
該取得処理過程による取得結果に応じて、前記第1の操作手段または前記第2の操作手段を用い、前記通信手段を介して少なくとも一つの前記第1の画像処理装置または前記第2の画像処理装置の操作を制御する制御処理過程と、
を演算手段に実行させることを特徴とする操作制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−206423(P2010−206423A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48589(P2009−48589)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】