説明

画像処理ユニット、複眼撮像装置、画像処理方法、および画像処理プログラム

【課題】撮像画像に含まれているデフォーカスによる再構成画像の解像度の低下を抑え、高精細な再構成画像を生成することができる画像処理ユニットを提供する。
【解決手段】画像処理部4は、撮像部3で撮像された被写体の複数の個眼像間の視差を検出し、ここで検出した個眼像間の視差を用いて被写体の表面形状を検出する。また、画像処理部4は、検出した被写体の表面形状に基づいて被写体表面を小領域に分割し、ここで分割した被写体表面の小領域毎に、その小領域の色を検出し、中間画像を生成する。さらに、先に検出した被写体の表面形状に基づく光線追跡により、被写体表面の各小領域がイメージセンサ23の各画素に与える影響の度合い、すなわちデフォーカスによる各画素の影響の度合い、を推定する。そして、この推定結果に基づいて、再構成画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被写体の撮像画像を、その被写体の3次元情報を用いて高精細化した再構成画像を生成する画像処理ユニット、この画像処理ユニットを適用した複眼撮像装置に関する。また、被写体の撮像画像を、その被写体の3次元情報を用いて高精細化した再構成画像を生成する画像処理方法、および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体の撮像画像と、その被写体の3次元情報(立体形状データ)と、を用いて高精細化した再構成画像を生成する画像高精細化方法が提案されている(特許文献1、2等参照)。被写体の3次元情報は、例えば、その被写体を異なる方向から撮像した複数の撮像画像の視差情報から取得できる。被写体の撮像画像を高精細化する画像処理の方法としては、画素再配置法や、IBP(Iterative Back Projection)法等がある。
【0003】
また、特許文献2に示されているように、複数のレンズを配置したレンズアレイを用いた複眼撮像装置は、レンズ毎の撮像画像が視差を有しているので、これらの複眼像から被写体の3次元情報を得ることができる。また、レンズアレイの各レンズの厚みが数mmに抑えられるので、撮像光学系を小型化できる。このため、マイクロロボットの視覚装置や、立体内視鏡などへの利用が考えられている。
【特許文献1】特開平5−344422号公報
【特許文献2】特開2007−74079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的な複眼撮像装置の撮像光学系は、近距離から遠距離までピントが合わせられるパンフォーカスではあるが、被写体に近接させて撮像した場合には、デフォーカス(焦点ボケ)が生じる。また、上述した画素再配置法や、IBP法等は、撮像画像に生じているデフォーカスの影響を考慮しない画像処理方法であった。このため、撮像画像にデフォーカスが生じている場合、十分な解像度の再構成画像を生成することができなかった。
【0005】
特に、マイクロロボットの視覚装置や、立体内視鏡などに利用する場合、被写体に近接させて撮像した撮像画像を処理する頻度が高く、撮像画像にデフォーカスが生じている場合であっても、十分な解像度の再構成画像を生成することができる技術の開発が要望されている。
【0006】
この発明の目的は、撮像画像にデフォーカスが生じている場合であっても、十分な解像度の再構成画像を生成することができる画像処理ユニット、画像処理方法、および画像処理プログラムを提供することにある。
【0007】
また、この発明は、上記画像処理ユニットを適用することで、被写体との距離に関係なく、その被写体について高精細な再構成画像が得られる複眼撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像処理ユニットは、上記課題を解決し、その目的を達するために以下のように構成している。
【0009】
この画像処理ユニットは、複数の画素をマトリクス状に配置した撮像素子に投影された被写体の撮像画像から、その被写体の3次元情報を用いて再構成画像を生成する。具体的には、推定手段が、前記撮像素子に投影された被写体の3次元情報を用いた光線追跡により、前記撮像素子の画素毎に、被写体の表面を分割した各小領域が与える影響の度合いを推定する。例えば、前記撮像素子の画素毎に、被写体の表面を分割した各小領域が与える影響の度合いを、その小領域から入射される光線の本数に基づいて推定する。これにより、デフォーカスが生じる光学系をモデル化できる。また、算出手段が、被写体の表面を分割した小領域毎に、前記撮像素子の各画素の画素値と、前記推定手段の推定結果と、に基づいて、色を算出する。そして、再構成画像生成手段が、前記算出手段が算出した各小領域の色に基づいて再構成画像を生成する。
【0010】
このように、被写体の3次元情報を用いた光線追跡により、デフォーカスが生じた光学系をモデル化し、そのモデルに基づいて再構成画像を生成する。したがって、撮像画像に含まれているデフォーカスの影響を抑えた再構成画像を生成することができる。このため、連続的な距離変化やオクルージョンを持つ被写体の撮像画像についても、高精細な再構成画像を生成することができる。
【0011】
また、算出手段は、隣接する小領域間での色の変化量に制限加えて、各小領域の色を算出するようにしてもよい。このようにすれば、再構成画像のエッジが抑えられる。
【0012】
なお、ここで言うエッジとは、ノイズ等によって周辺の画素間で生じる急激な変化である。
【0013】
また、上記画像処理ユニットを、複数のレンズを配置したレンズアレイを有し、個々のレンズが撮像素子上に投影した被写体の個眼像を撮像する撮像手段を備えた複眼撮像装置に適用することで、マイクロロボットの視覚装置や、立体内視鏡などへの利用が好適に行える。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、撮像画像に含まれているデフォーカスの影響を抑えた、高精細な再構成画像を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、複眼撮像装置の主要部の構成を示すブロック図である。この複眼撮像装置1は、制御部2と、撮像部3と、画像処理部4と、出力部5と、を備えている。この複眼撮像装置1は、被写体を撮像した複眼像から高精細な再構成画像を生成して出力する。複眼像は、低解像度の複数の個眼像からなる。制御部2は、複眼撮像装置1本体各部の動作を制御する。
【0017】
図2は、撮像部の構成を示す分解斜視図である。撮像部3は、マイクロレンズアレイ21と、光学隔壁22と、イメージセンサ23と、を有している。マイクロレンズアレイ21は、複数のマイクロレンズ21aを有している。図2では、合計9個のマイクロレンズ21aを3×3のマトリクス状に配置したマイクロレンズアレイ21を示している。イメージセンサ23は、マイクロレンズアレイ21に対向して配置されている。マイクロレンズアレイ21と、イメージセンサ23との間には、光学隔壁22が配置されている。この光学隔壁22は、マイクロレンズアレイ21のマイクロレンズ21a毎に、被写体の撮像画像を投影されるイメージセンサ23の領域を区切る。具体的には、光学隔壁22は、イメージセンサ23の全領域を、各マイクロレンズ21aによって被写体の撮像画像が投影される9つの個眼像領域に区切る。例えば、イメージセンサ23が、1280×1024画素のCMOSイメージセンサである場合、光学隔壁22は、イメージセンサ23を、340×260画素の9つの個眼像領域に区切る。また、光学隔壁22は、各個眼像領域に対して、その個眼像領域に対応しないマイクロレンズ21aからの被写体の投影光を遮光する。したがって、各個眼像領域では、対応しないマイクロレンズ21aの影響が抑えられている。
【0018】
また、イメージセンサ23には、図示していないがベイヤ配列のカラーフィルタが設けられている。各個眼像領域には、対応するマイクロレンズによって投影された被写体の撮像画像(個眼像)が投影される。ここでは、イメージセンサ23に投影されている複数の個眼像を、まとめて複眼像と言う。
【0019】
なお、マイクロレンズアレイ21の各マイクロレンズ21aは、物理的に位置が異なっているので、複眼像を構成する9つの個眼像間には視差が存在している。
【0020】
画像処理部4は、撮像部3で撮像された被写体の複数の個眼像間の視差を検出し、ここで検出した個眼像間の視差を用いて被写体の表面形状(被写体の3次元情報)を検出する。また、画像処理部4は、検出した被写体の表面形状に基づいて被写体表面を小領域に分割し、ここで分割した被写体表面の小領域毎に、その小領域の色を検出し、中間画像を生成する。さらに、先に検出した被写体の表面形状に基づく光線追跡により、イメージセンサ23の各画素について、被写体表面の各小領域が与える影響の度合いを推定する。すなわち、イメージセンサ23の画素毎に、影響を与える被写体表面の小領域の抽出、および、抽出した小領域が与える影響の度合い、を推定する。そして、この推定結果に基づいて、再構成画像を生成する。この画像処理部4が、この発明で言う画像処理ユニットに相当する。画像処理部4は、例えば画像処理チップで構成される。
【0021】
出力部5は、画像処理部4で生成された再構成画像を出力する。例えば、出力部5は、外部機器と接続するインタフェースを有し、画像処理部4で生成された再構成画像を、接続されている外部機器(表示装置や印刷装置等)へ出力する。また、表示器を有し、画像処理部4で生成された再構成画像をこの表示器に表示する構成であってもよい。
【0022】
次に、この複眼撮像装置1の動作について詳細に説明する。
【0023】
図3は、複眼画像生成装置の動作を示すフローチャートである。この複眼撮像装置1は、図示していないシャッタが操作されると、撮像部3のイメージセンサ23に投影されている複眼像を取り込む(s1)。s1では、公知のローリングシャッタ方式により、イメージセンサ23に投影されている複数の個眼像を、複眼像として取り込む。
【0024】
画像処理部4は、s1で取り込んだ複眼像に含まれている、個眼像間の視差を検出する(s2)。画像処理部4は、s2で検出した個眼像間の視差に基づいて、被写体までの距離を計測する(s3)。s3では、例えば公知のマルチベースラインステレオ法で被写体までの距離を計測すればよい。画像処理部4は、s3の計測結果に基づいて、被写体表面の3次元情報を生成する(s4)。s4では、s3で計測した距離に基づいて、被写体の表面を三角形の小領域の集合で構成した表面形状データを生成する。
【0025】
画像処理部4は、s4で生成した表面形状データにおける被写体の表面を構成する三角形の小領域毎に、色を検出する(s5)。s5では、被写体の表面を構成する三角形の各小領域の色を、s1で取り込んだ複眼像を用いた公知の画素再配置法により検出する(図4参照)。画像処理部4は、被写体の表面を構成する三角形の各小領域に、s5で検出した色を与え、これを射影変換した中間画像を生成する(s6)。
【0026】
なお、上記の説明では、s4で生成した表面形状データにおける被写体の表面を構成する三角形の小領域毎に色を検出するとしたが、隣接する2つの三角形の小領域を合わせた4角形の領域毎に色を検出するようにしてもよい。このようにすれば、s5にかかる処理量が抑えられる。
【0027】
s6で生成される中間画像は、従来の一般的な複眼撮像装置で生成されていた再構成画像である。この中間画像は、上述の説明から明らかなように、s1で取り込んだ複眼像を構成する個眼像に生じているデフォーカスを考慮していない画像である。
【0028】
デフォーカスが生じていると、このデフォーカスの影響を受け
さらに、画像処理部4は、s6で生成した中間画像に対して、デフォーカスによる影響を補正するデフォーカス補正処理を行う(s7)。s7にかかるデフォーカス補正処理は、被写体からの光がマイクロレンズ21aを通って、イメージセンサ23の各画素に到達する関係を、十分な光線追跡によりモデル化し、ここで求めたモデルに基づいて、s6で生成した中間画像を補正する処理である。
【0029】
具体的に言うと、イメージセンサ23の画素毎に、入射する各光線を逆追跡し、その光線が被写体の表面を構成する三角形のどの小領域からの光線であるかを検出する。この光線の逆追跡は、OpenGL等の3次元レンダリングライブラリを用いて行えばよい。
【0030】
ここで、イメージセンサ23の各画素が出力する画素値は、その画素に入射する光線の光強度の和である。また、光線の光強度は、その光線を発する被写体の表面の小領域の色(輝度)によって決まる。したがって、被写体の表面の各小領域の位置を、図5(A)に示すように、(x,y)で表し、イメージセンサ23の各画素の位置を、図5(B)に示すように(a,b)で表すと、イメージセンサ23の画素i(a,b)の出力画素値I(a,b)は、被写体の表面の小領域(x,y)の輝度R(x,y)を用いれば、
【0031】
【数1】

【0032】
で表すことができる。この[数1]における、[k(a,b)(x,y)]は、小領域(x,y)の輝度R(x,y)が、画素i(a,b)の出力画素値I(a,b)に与える影響を示す係数である。ここでは、画素i(a,b)に入射する光線の本数をN本、小領域(x,y)から画素i(a,b)に入射する光線の本数を[n(a,b)(x,y)]、とした場合、
[k(a,b)(x,y)]=[n(a,b)(x,y)]/N
と定義した。この、[k(a,b)(x,y)]は、上述した光線追跡によるモデル化で得られる。
【0033】
ここで、イメージセンサ23の全ての画素について、上述した[数1]が成立するR(x,y)の組が理想値である。しかし、ノイズ等による影響があることから、ほとんどの場合、イメージセンサ23の全ての画素について、[数1]が成立するR(x,y)の組が存在することは稀である。
【0034】
そこで、画像処理部4は、[数1]における左辺から右辺を引いて2乗したものを、全ての画素について合計した自乗誤差の合計e(R)
【0035】
【数2】

【0036】
が最小になるR(x,y)の組を算出する。そして、画像処理部4は、ここで求めたR(x,y)の組による画像をデフォーカス補正を行った再構成画像として生成する(s8)。
【0037】
また、[数2]では、上下左右に隣接する画素間の輝度の変化量に制限がかからないので、再構成画像にノイズ等によるエッジがあらわれる可能性がある。ここで言うエッジとは、ノイズ等によって周辺の画素間で生じる急激な変化である。
【0038】
そこで、上述の[数2]を、
【0039】
【数3】

【0040】
に置き換え、上下左右に隣接する画素間の輝度の変化量に制限がかかるようにしてもよい。[数3]におけるCは、再構成画像の滑らかさの度合いを示す係数として作用する。このCを小さくするにつれて、再構成画像は鮮鋭になるが、ノイズ等によるエッジがあらわれやすくなる。
【0041】
さらに、上下左右に隣接する画素間だけでなく、斜めに隣接する画素間についても、輝度の変化量に制限がかかるように、、上述の[数2]、または[数3]を、
【0042】
【数4】

【0043】
に置き換えてもよい。
【0044】
なお、上述の[数2]、[数3]、または[数4]のいずれであっても、公知の共役勾配法等でR(x,y)の組を求めればよい。また、このときの初期値には、s6で生成した中間画像を用いればよい。
【0045】
このように、被写体の3次元情報を用いた光線追跡により、デフォーカスが生じた光学系をモデル化し、そのモデルに基づいて再構成画像を生成する。したがって、撮像画像に含まれているデフォーカスの影響を抑えた再構成画像を生成することができる。このため、連続的な距離変化やオクルージョンを持つ被写体の撮像画像についても、高精細な再構成画像を生成することができる。
【0046】
複眼撮像装置1は、s7にかかるデフォーカス補正処理を行って生成した再構成画像を出力し(s8)、本処理を終了する。
【0047】
次に、この複眼撮像装置1で撮像した複眼画像から、再構成画像を生成する処理を、上述した[数4]を用いて行ったので、その結果について説明する。図6は、被写体の撮像環境を示す図である。被写体は、図6(A)に示す、絵画である。この絵画は、図6(B)に示すように、レンズアレイ21に対して、60度傾けた状態に配置した。また、被写体の大きさは、縦×横=10.24mm×10.24mmである。
【0048】
図7は、図6に示す撮像環境で撮像された複眼像である。また、図8は、s6で生成された中間画像を示している。図9、および図10は、s7にかかるデフォーカス補正処理を行った再構成画像である。図9は、[数4]におけるCを0.01とした場合であり、図10は、[数4]におけるCを0.1とした場合である。
【0049】
図8〜図10から明らかなように、s7にかかるデフォーカス補正処理を行うことで、高精細な再構成画像が得られることがわかる。また、Cを大きくすることにより、再構成画像のエッジが抑えられる。
【0050】
なお、上記実施形態では、本願発明を複眼撮像装置に適用した場合を例にして説明したが、単眼の撮像装置であっても、撮像した被写体の3次元情報が得られれば、その撮像画像を高精細化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】複眼撮像装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】撮像部の構成を示す分解斜視図である。
【図3】複眼画像生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】画素再配置法を説明する図である。
【図5】被写体表面の小領域の位置、およびイメージセンサの各画素の位置を説明する図である。
【図6】被写体の撮像環境を示す図である。
【図7】撮像された複眼像を示す図である。
【図8】s6で生成された中間画像を示す図である。
【図9】s8で生成した再構成画像を示す図である。
【図10】s8で生成した再構成画像を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1−複眼撮像装置
2−制御部
3−撮像部
4−画像処理部
5−出力部
21−マイクロレンズアレイ
21a−マイクロレンズ
22−光学隔壁
23−イメージセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素をマトリクス状に配置した撮像素子に投影された被写体の撮像画像から、その被写体の3次元情報を用いて再構成画像を生成する画像処理ユニットにおいて、
前記撮像素子に投影された被写体の3次元情報を用いた光線追跡により、前記撮像素子の画素毎に、被写体の表面を分割した各小領域が与える影響の度合いを推定する推定手段と、
被写体の表面を分割した小領域毎に、前記撮像素子の各画素の画素値と、前記推定手段の推定結果と、に基づいて、色を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した各小領域の色に基づいて再構成画像を生成する再構成画像生成手段と、を備えた画像処理ユニット。
【請求項2】
前記推定手段は、前記撮像素子の画素毎に、被写体の表面を分割した各小領域が与える影響の度合いを、その小領域から入射される光線の本数に基づいて推定する手段である、請求項1に記載の画像処理ユニット。
【請求項3】
前記算出手段は、隣接する小領域間での色の変化量に制限加えて、各小領域の色を算出する手段である、請求項1、または2に記載の画像処理ユニット。
【請求項4】
複数のレンズを配置したレンズアレイを有し、個々のレンズが撮像素子上に投影した被写体の個眼像を撮像する撮像手段を備えた複眼撮像装置において、
請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理ユニットを備え、
前記画像処理ユニットは、前記撮像手段が撮像した複数の個眼像を用いて、被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得手段を備え、
前記推定手段は、前記3次元情報取得手段が取得した被写体の3次元情報を用いた光線追跡により、前記撮像素子の画素毎に、被写体の表面を分割した各小領域が与える影響の度合いを推定する手段である、複眼撮像装置。
【請求項5】
複数の画素をマトリクス状に配置した撮像素子に投影された被写体の撮像画像から、その被写体の3次元情報を用いて再構成画像を生成する画像処理方法において、

前記撮像素子に投影された被写体の3次元情報を用いた光線追跡により、前記撮像素子の画素毎に、被写体の表面を分割した各小領域が与える影響の度合いを推定する推定ステップと、
被写体の表面を分割した小領域毎に、前記撮像素子の各画素の画素値と、前記推定ステップの推定結果と、に基づいて、色を算出する算出ステップと、
前記算出ステップが算出した各小領域の色に基づいて再構成画像を生成する再構成画像生成ステップと、を備えた画像処理方法。
【請求項6】
複数の画素をマトリクス状に配置した撮像素子に投影された被写体の撮像画像から、その被写体の3次元情報を用いて再構成画像を生成する処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記撮像素子に投影された被写体の3次元情報を用いた光線追跡により、前記撮像素子の画素毎に、被写体の表面を分割した各小領域が与える影響の度合いを推定する推定手段と、
被写体の表面を分割した小領域毎に、前記撮像素子の各画素の画素値と、前記推定手段の推定結果と、に基づいて、色を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した各小領域の色に基づいて再構成画像を生成する再構成画像生成手段と、して機能させる画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−211254(P2009−211254A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51808(P2008−51808)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(506122327)公立大学法人大阪市立大学 (122)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】