説明

画像処理装置、出力装置、及びプログラム

【課題】読取画像データを暗号化すると共に、読取画像データが復号化される際に必要なパスワードの管理の手間を軽減することが可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置が搭載されたネットワーク複合機1は、文字列で構成されるパスワード61が記載されたパスワード付き原稿60を読み取って読取画像データを生成するスキャナ12と、読取画像データに対して文字認識処理を行うことにより、パスワード61を取得するパスワード取得部31と、パスワードを用いて復号化可能に、読取画像データを暗号化する暗号化部34とを備える。また、ネットワーク複合機1は、読取画像データからパスワードを消去するパスワード消去部33を備え、暗号化部34は、パスワード消去部33によってパスワードが消去された読取画像データを暗号化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの暗号化を行う画像処理装置、暗号化された画像データを復号化して出力する出力装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙に印刷された原稿を読み取って原稿の読取画像データを生成する画像処理装置が広く知られている。また、下記特許文献1には、機密情報の管理をするための情報処理装置が記載されている。この情報処理装置は、原稿のデータを暗号化する暗号化手段と、暗号化された原稿のデータを復元(復号化)する復元手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−161022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
復号化を行う装置には、パスワードを用いて復号化を行うために、暗号化された読取画像データを復号化する際にパスワードの入力を必要とする装置がある。このような装置を用いて暗号化された読取画像データを復号化するためには、暗号化された読取画像データ毎にパスワードを管理する必要がある。しかしながら、その管理は煩雑であり、手間がかかる。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、読取画像データを暗号化すると共に、読取画像データが復号化される際に必要なパスワードの管理の手間を軽減することが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。また、本発明に係る上記画像処理装置によって暗号化された読取画像データを復号化して出力する出力装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、パスワードが記載された原稿を読み取って読取画像データを生成する読取手段と、読取手段によって生成された読取画像データに対して文字認識処理を行うことにより、パスワードを取得する取得手段と、取得手段によって取得されたパスワードを用いて復号化可能に、読取画像データを暗号化する暗号化手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る画像処理装置によれば、パスワードの記載された原稿が読み取られて、読取画像データが生成される。そして、読取画像データに対して文字認識処理が行われることにより、原稿に記載されたパスワードが取得される。続いて、取得されたパスワードを用いて復号化することが可能に、読取画像データが暗号化される。このため、読取画像データが復号化される際に必要なパスワードは、原稿に記載されているので、ユーザは、暗号化された読取画像データ毎にパスワードを管理する必要はなく、原稿を見れば、復号化に必要なパスワードを知ることができる。従って、読取画像データを暗号化すると共に、読取画像データが復号化される際に必要なパスワードの管理の手間を軽減することが可能となる。
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、読取画像データからパスワードを消去する消去手段を備えることが好ましく、更に、暗号化手段は、消去手段によってパスワードが消去された読取画像データを暗号化することが好ましい。
【0009】
この好ましい構成によれば、読取画像データからパスワードが消去されるので、暗号化された読取画像データには、パスワードが含まれていない。従って、暗号化された読取画像データを復号化して表示又は印刷した場合であっても、パスワードは表示も印刷もされないので、他人にパスワードが見られないようにすることができる。
【0010】
本発明に係る画像処理装置は、取得手段によって取得されたパスワードを表示する表示手段と、表示手段による表示に対してユーザから入力されるパスワードの訂正入力を受け付ける受付手段と、受付手段によって受け付けられた訂正入力に基づいて、取得手段によって取得されたパスワードを訂正する訂正手段とを備えることが好ましく、更に、暗号化手段は、訂正手段によって訂正されたパスワードを用いて復号化可能に、読取画像データを暗号化することが好ましい。
【0011】
この好ましい構成によれば、文字認識処理によって得られたパスワードが表示され、表示に対してユーザからパスワードの訂正入力を受け付けた場合に、受け付けられた訂正入力に基づいてパスワードの訂正が行われる。このため、文字認識処理によるパスワードの認識に誤りがあった場合であっても、原稿に記載されたパスワードに訂正され、訂正されたパスワードを用いて復号化可能に暗号化を行うことができる。すなわち、誤ったパスワードで暗号化の処理が行われることを防止することができる。
【0012】
本発明に係る画像処理装置は、読取手段が、予め定められた特定領域内にパスワードが記載された原稿を読み取って読取画像データを生成し、取得手段が、原稿上で予め定められた特定領域の画像データに対して文字認識処理を行うことにより、パスワードを取得することが好ましい。
【0013】
この好ましい構成では、パスワードが記載された特定領域が予め定められている。このため、読取画像データ全体に対して文字認識処理を行うことなく、読取画像データのうち、特定領域の画像データに対して文字認識処理を行うだけで、パスワードを取得することができる。
【0014】
本発明に係る画像処理装置は、パスワードが記載された領域をユーザが指定可能に、読取手段によって生成された読取画像データを表示し、表示に応じてユーザが指定した領域を受け付けるタッチパネルを備えることが好ましく、更に、取得手段は、タッチパネルによって受け付けられた領域の画像データに対して文字認識処理を行うことにより、パスワードを取得することが好ましい。
【0015】
この好ましい構成では、ユーザによって、パスワードが記載された領域が指定される。従って、原稿のどの位置にパスワードが記載されている場合であっても、パスワードが記載された領域を特定し、パスワードを取得することができる。
【0016】
本発明に係る出力装置は、パスワードが記載された原稿を読み取ることにより生成された読取画像データであって、パスワードを用いて復号化可能に暗号化された読取画像データを取得する取得手段と、ユーザからパスワードを受け付ける受付手段と、取得手段によって取得された読取画像データを、受付手段によって受け付けられたパスワードを用いて復号化する復号化手段と、復号化手段によって復号化された読取画像データからパスワードを消去する消去手段と、消去手段によってパスワードが消去された読取画像データを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る出力装置によれば、パスワードが記載された原稿を読み取って生成され、パスワードで暗号化された読取画像データが入力される。そして、入力された読取画像データが、受け付けられたパスワードを用いて復号化される。続いて、パスワードが、復号化された読取画像データから消去され、読取画像データが出力される。これにより、復号化された読取画像データが出力される際には、パスワードが消去されているので、例えば、表示又は印刷等された場合に、他人にパスワードを見られないようにすることが可能となる。
【0018】
本発明に係るプログラムは、パスワードが記載された原稿を読み取ることにより生成された読取画像データであって、パスワードを用いて復号化可能に暗号化された読取画像データを取得する取得手段、ユーザからパスワードを受け付ける受付手段、取得手段によって取得された読取画像データを、受付手段によって受け付けられたパスワードを用いて復号化する復号化手段、復号化手段によって復号化された読取画像データからパスワードを消去する消去手段、消去手段によってパスワードが消去された読取画像データを出力する出力手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るプログラムによれば、コンピュータを上記の暗号化された画像データを復号化して出力する出力装置として機能させることができる。従って、上記の暗号化を行う画像処理装置によって暗号化された読取画像データを復号化し、他人がパスワードを見ることができないように表示することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、読取画像データを暗号化すると共に、読取画像データが復号化される際に必要なパスワードの管理の手間を軽減することが可能となる。また、本発明に係る上記画像処理装置によって暗号化された読取画像データを復号化して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る画像処理装置が搭載されたネットワーク複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】パスワード付き原稿の一例を示す図である。
【図3】図1に示すネットワーク複合機が有する制御部の構成と、出力装置の構成とを説明するためのブロック図である。
【図4】図1に示すネットワーク複合機による暗号化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る画像処理装置が搭載されたネットワーク複合機が有する制御部の構成と、第2実施形態に係る出力装置の構成とを説明するためのブロック図である。
【図6】図5に示すネットワーク複合機による暗号化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図5に示す出力装置による表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るプログラムを実行するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態に係るプログラムのモジュール構成を示す図である。
【図10】パスワード付き原稿の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0023】
(第1実施形態)
最初に、図1を用いて、第1実施形態に係る画像処理装置が搭載されたネットワーク複合機1の構成について説明する。図1は、ネットワーク複合機1の構成を示すブロック図である。ネットワーク複合機1は、LAN(Local Area Network)90に接続された機器との間で情報の送受信が可能に構成され、プリント機能、スキャン機能、及びFAX機能を含む複合機能を備えた機器である。
【0024】
このネットワーク複合機1は、パスワードが記載されたパスワード付き原稿を読み取って、読取画像データを生成し、生成した読取画像データをパスワードを用いて復号化可能に暗号化する機能を有する。ネットワーク複合機1とLAN90を介して接続された出力装置5は、パスワードを用いて、ネットワーク複合機1により暗号化された読取画像データを復号化して表示する。
【0025】
ネットワーク複合機1は、操作パネル10、ディスプレイ11、スキャナ12、プリンタ13、NCU(Network Control Unit)14、モデム15、LAN I/F(LANインターフェース)19、及び制御部30を備えている。なお、NCU14は、モデム15と公衆交換電話網(PSTN)91との接続を制御し、FAXの送受信機能を司る。
【0026】
スキャナ12は、光源及びCCD等によって構成されており、原稿を光学的に読み取る。この機能を利用して、スキャナ12は、パスワード付き原稿を読み取って読取画像データを生成する。このスキャナ12は、特許請求の範囲に記載の読取手段として機能する。図2を参照して、スキャナ12の読取対象となるパスワード付き原稿60について説明する。図2は、パスワード付き原稿60の一例を示す図である。
【0027】
パスワード付き原稿60には、予め定められた領域にパスワード61が記載されている。このパスワード61は、読取画像データを暗号化する際には暗号化キーとして用いられ、復号化する際には復号化キーとして用いられる。また、パスワード61は、暗号化された読取画像データを復号化する際に、ユーザの識別を行うために用いられてもよい。
【0028】
パスワード61は、文字認識処理が可能な文字列で構成され、図2に示される例では、英数字の文字列「ABCDEFGHIJ0123」で構成されている。本実施形態では、パスワード61及びキーワード62の印刷されたシール63が、パスワード付き原稿60の予め定められた左上の特定領域64内に貼り付けられている。すなわち、パスワード61及びキーワード62が、パスワード付き原稿60の特定領域64内に記載され、パスワード61は、キーワード62「PASSWORD」の下側に記載されている。
【0029】
スキャナ12が、パスワード付き原稿60を読み取ることにより、パスワード61及びキーワード62が記載された特定領域64の画像データを含む読取画像データが生成される。この読取画像データは、制御部30によって暗号化される。制御部30は、CPU16、ROM17、及びRAM18等によって構成され、読取画像データの暗号化を含む以下の各機能を実現する。
【0030】
図3を参照して制御部30の機能的な構成要素を説明する。図3は、ネットワーク複合機1が有する制御部30の構成と、出力装置5の構成とを説明するためのブロック図である。制御部30は、パスワード取得部31、パスワード訂正部32、パスワード消去部33、及び暗号化部34を備える。なお、図3では、ネットワーク複合機1の構成要素のうち、主に制御部30の説明に関係する構成要素を記載し、その他の構成要素は省略している。
【0031】
パスワード取得部31は、スキャナ12によって生成された読取画像データに対して文字認識処理(OCR処理)を行うことによりパスワード付き原稿60に記載されたパスワード61を取得する。なお、パスワード取得部31は、特許請求の範囲に記載の取得手段として機能する。例えば、特定領域64を特定するために、パスワード付き原稿60上の位置及び範囲を示す座標データが記憶され、パスワード取得部31は、記憶された座標データを用いて、読取画像データから特定領域64の画像データを特定する。そして、パスワード取得部31は、特定した画像データに対してOCR処理を行うことにより、特定領域64内に記載されたパスワードを取得する。
【0032】
より具体的には、パスワード取得部31は、特定した画像データ内を検索して、パスワード付き原稿60の特定領域64内に記載された文字列を検出する。そして、検出した文字列に対してOCR処理を行うことにより、キーワード62の文字列「PASSWORD」を認識する。文字列「PASSWORD」は、キーワード62として予め登録されている。パスワード取得部31は、登録されたキーワード62の文字列「PASSWORD」を認識した場合、キーワード62の文字列「PASSWORD」が記載された領域の下側に位置する他の文字列を検索する。そして、他の文字列を検出した場合、パスワード取得部31は、検出した文字列に対してOCR処理を行い、認識した文字列「ABCDEFGHIJ0123」をパスワード61として取得する。
【0033】
パスワード取得部31は、取得したパスワード61をディスプレイ11へ出力する。これにより、ディスプレイ11には、パスワード取得部31によって取得されたパスワード61が表示される。すなわち、ディスプレイ11は、特許請求の範囲に記載の表示手段として機能する。また、操作パネル10は、ディスプレイ11によるパスワード61の表示に対してユーザから入力されるパスワード61の訂正入力を受け付ける。すなわち、操作パネル10は、特許請求の範囲に記載の受付手段として機能する。
【0034】
パスワード訂正部32は、操作パネル10によって受け付けられたユーザの訂正入力に基づいて、パスワード取得部31によって取得されたパスワード61を訂正する。すなわち、パスワード訂正部32は、特許請求の範囲に記載の訂正手段として機能する。
【0035】
パスワード消去部33は、パスワード取得部31によってパスワード61が取得された後、読取画像データからパスワード61及びキーワード62の記載を消去する。例えば、パスワード消去部33は、パスワード取得部31によって特定された特定領域64の画像データを、パスワード付き原稿60の背景色と同じ色の画像データに置換する。
【0036】
これにより、パスワード消去部33は、読取画像データを表示してもパスワード61及びキーワード62が記載されていたことが分からないように、パスワード61及びキーワード62の記載を消去する。なお、パスワード消去部33は、パスワード付き原稿60の背景色に限らず、黒色や他の色の画像データに特定領域64の画像データを置換してもよい。
【0037】
暗号化部34は、パスワード取得部31によって取得されたパスワードを用いて復号化可能に、読取画像データを暗号化する。本実施形態では、暗号化部34は、パスワードを用いて読取画像データの暗号化を行う。なお、パスワード取得部31によって取得されたパスワードが、パスワード訂正部32によって訂正された場合、暗号化部34は、訂正された後のパスワードを用いて復号化可能に、読取画像データを暗号化する。
【0038】
引き続いて、暗号化された読取画像データを表示する出力装置5について説明する。出力装置5は、ディスプレイ51、キーボード及びマウス等から構成される受付部52、復号化部53、及びLAN I/F54を備える。例えば、ネットワーク複合機1によって暗号化されたパスワード付き原稿の読取画像データが、ネットワーク複合機1のLAN I/F19によって出力され、出力装置5のLAN I/F54によって出力装置5内へ入力される。
【0039】
そして、ユーザが受付部52を利用して、パスワード付き原稿60に記載されたパスワード61を入力すると、復号化部53が、入力されたパスワードを用いて読取画像データを復号化する。復号化された読取画像データは、ディスプレイ51に表示される。これにより、ユーザは、出力装置5を用いて、復号化された読取画像データを見ることができる。また、読取画像データからパスワード61及びキーワード62が消去されているので、ディスプレイ51には、表示されない。
【0040】
なお、出力装置5が、パスワードを記憶するメモリを備え、ユーザから入力されたパスワードと、メモリに記憶されたパスワードとが一致した場合に、復号化部53が読取画像データを復号化するように構成してもよい。また、出力装置5に表示された読取画像データをネットワーク複合機1又は別のプリンタ等に出力し、読取画像データを用紙に印刷してもよい。この場合も、用紙には、パスワードが印刷されない。
【0041】
引き続いて、図4を参照してネットワーク複合機1の動作について説明する。図4は、ネットワーク複合機1による暗号化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
例えば、パスワード付き原稿60がネットワーク複合機1にセットされ、パスワード付き原稿60を読み取って暗号化する旨の操作が、ユーザによって入力される。この入力が、操作パネル10によって受け付けられると、ステップS101で、暗号化モードであると判断され、処理がステップS103へ進む。暗号化する旨の操作が受け付けられなかった場合は、ステップS101で、通常モードであると判断され、ステップS102へ処理が進む。ステップS102では、通常の読取処理(スキャン)が行われ、処理が終了する。
【0043】
ステップS103では、パスワード付き原稿60の読取処理が行われ、生成された読取画像データから、パスワード付き原稿60の特定領域64内に記載された文字列が検索される。ステップS104では、特定領域64内に記載された文字列が検出されたか否かが判断される。文字列が検出されなかった場合、ステップS107へ処理が進む。文字列が検出された場合、ステップS105へ処理が進む。ステップS105では、検出された文字列のOCR処理が行われる。
【0044】
ステップS106では、ステップS105のOCR処理によって認識された文字列に、登録されたキーワード62「PASSWORD」が含まれているか否か判断される。登録されたキーワード62が含まれていない場合は、ステップS107へ処理が進む。ステップS107では、「キーワード無し」のメッセージが、ディスプレイ11に表示される。
【0045】
ステップS106でキーワードが含まれていると判断された場合は、ステップS108へ処理が進む。ステップS108では、特定領域64内におけるキーワード62が記載された領域の下側に他の文字列が存在するか否かが判断される。ステップS108において、他の文字列が存在しないと判断された場合は、ステップS109へ処理が進む。ステップS109では、「パスワード無し」のメッセージがディスプレイ11に表示され、処理が終了する。
【0046】
ステップS108において、他の文字列が存在すると判断された場合は、ステップS110に処理が進む。ステップS110では、ステップS108で存在すると判断された他の文字列についてOCR処理が行われ、本実施形態では、パスワード61として「ABCDEFGHIJ0123」が取得される。そして、ステップS111では、ステップS110において取得されたパスワード61が、ディスプレイ11に表示される。ユーザは、ディスプレイ11に表示されたパスワード61が誤っている場合には、操作パネル11を用いて訂正することができる。
【0047】
ステップS112では、ユーザによる訂正入力が受け付けられたか否かが判断される。ユーザによる訂正の入力がされなかった場合は、ステップS114へ処理が進む。ユーザによる訂正入力が受け付けられた場合は、ステップS113へ処理が進む。ステップS113では、ステップS110において取得されたパスワードが、受け付けられた訂正入力に基づいて訂正される。
【0048】
続いて、ステップS114では、特定領域64が、パスワード付き原稿60の背景色の画像データに置換され、パスワード61及びキーワード62が消去される。そして、ステップS115では、パスワード付き原稿60の読取画像データが、パスワードを用いて復号化可能に、パスワードを用いて暗号化される。
【0049】
以上説明した本実施形態に係るネットワーク複合機1では、パスワード付き原稿60に記載されたパスワード61が読取画像データから取得され、取得されたパスワード61を用いて復号化することが可能に、読取画像データが暗号化される。このため、読取画像データが復号化される際に必要なパスワード61は、パスワード付き原稿60に記載されているので、ユーザは、暗号化された読取画像データ毎にパスワード61を管理する必要はなく、パスワード付き原稿60を見れば、復号化に必要なパスワード61を知ることができる。すなわち、暗号化した読取画像データが復号化される際に必要なパスワードの管理の手間を軽減することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態に係るネットワーク複合機1では、読取画像データからパスワード61の記載が消去されるので、暗号化された読取画像データには、パスワード61の記載が含まれない。従って、暗号化された読取画像データを復号化して表示又は印刷した場合であっても、パスワード61が表示又は印刷されないので、他人にパスワードが見られないようにすることができる。
【0051】
また、本実施形態に係るネットワーク複合機1では、OCR処理によって得られたパスワード61が表示され、ユーザからパスワードの訂正入力を受け付けた場合に、この受け付けられた訂正入力に基づいてパスワードの訂正が行われる。このため、OCR処理によるパスワードの認識に誤りがあった場合であっても、パスワード付き原稿60に記載されたパスワード61に訂正され、訂正されたパスワードを用いて復号化可能に暗号化を行うことができる。すなわち、誤ったパスワードで暗号化の処理が行われることを防止することができる。
【0052】
また、本実施形態では、パスワード61の記載された特定領域64が予め定められている。このため、読取画像データ全体に対してOCR処理を行うことなく、読取画像データのうち、特定領域64内に記載された文字列の画像データに対してOCR処理を行うだけで、パスワードを取得することができる。
【0053】
なお、上記実施形態では、出力装置5がネットワーク複合機1とは別の装置である場合について説明したが、ネットワーク複合機1が出力装置5の機能を備えていてもよい。この場合、ネットワーク複合機1は、上記出力装置5が備える復号化部53を備えることとなる。例えば、ユーザがネットワーク複合機1の操作パネル10を利用して、パスワード付き原稿60に記載されたパスワードを入力すると、ネットワーク複合機1が備える復号化部53が、入力されたパスワードを用いて読取画像データを復号化する。復号化された読取画像データは、ディスプレイ11に表示される。また、復号化された読取画像データをプリンタ13によって印刷してもよい。
【0054】
(第2実施形態)
上記第1実施形態に係るネットワーク複合機1は、読取画像データからパスワード61を消去した後、読取画像データを暗号化した。これに対して、図5に示す第2実施形態に係るネットワーク複合機1Aは、読取画像データからパスワード61を消去せずに、暗号化し、出力装置5Aが、読取画像データを復号化して表示する際に、読取画像データからパスワードを消去する。
【0055】
以下、図5を参照して、第2実施形態に係る画像処理装置が搭載されたネットワーク複合機1Aと、第2実施形態に係る出力装置5Aの構成について説明する。図5は、ネットワーク複合機1Aが有する制御部30Aの構成と、出力装置5Aの構成とを説明するためのブロック図である。なお、第2実施形態の説明は、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様な部分については説明を省略する。
【0056】
制御部30Aは、上記のパスワード消去部33に変えて特定情報生成部35Aを備える。特定情報生成部35Aは、読取画像データに含まれる、パスワード61が記載された記載領域65の画像データと、キーワード62が記載された記載領域66の画像データとを特定する特定情報を生成する。図2に示すように、パスワード61が記載された記載領域65及びキーワード62が記載された記載領域66は、パスワード付き原稿60の左上の特定領域64内に位置する領域である。
【0057】
特定情報は、例えば、パスワード61及びキーワード62がそれぞれ記載された矩形状の領域の位置及び範囲を特定する情報であり、座標等によって表すことができる。例えば、特定情報生成部35Aは、パスワード取得部31がパスワード61及びキーワード62を取得する際にOCR処理を行った文字列が記載された領域を示す座標データをパスワード取得部31から取得する。そして、取得した座標データを用いて特定情報を生成する。また、本実施形態では、暗号化部34は、特定情報と読取画像データとを含む画像ファイルを生成し、生成した画像ファイルを暗号化する。
【0058】
出力装置5Aは、上記の出力装置5が備えるディスプレイ51、受付部52、復号化部53、LAN I/F54に加えて、特定部55A及びパスワード消去部56Aを備える。出力装置5Aには、ネットワーク複合機1Aによって暗号化された画像ファイルが、LAN I/F54によって入力される。すなわち、LAN I/F54は、特許請求の範囲に記載の取得手段として機能する。
【0059】
受付部52は、ユーザからパスワードを受け付ける。すなわち、受付部52は、特許請求の範囲に記載の受付手段として機能する。そして、復号化部53が、受付部52によって受け付けられたパスワードを用いて、暗号化された画像ファイルを復号化する。すなわち、復号化部53は、特許請求の範囲に記載の復号化手段として機能する。画像ファイルには、読取画像データと特定情報が含まれているので、復号化部53による復号化処理によって、読取画像データ及び特定情報が復号化される。
【0060】
特定部55Aは、特定情報を用いて、復号化された読取画像データに含まれる、パスワード61が記載された記載領域65の画像データと、キーワード62が記載された記載領域66の画像データと特定する。
【0061】
パスワード消去部56Aは、特定部55Aによって特定されたパスワード61の画像データと、キーワード62の画像データとを、パスワード付き原稿60の背景色の画像データに置換する。これにより、読取画像データからパスワード61とキーワード62とが消去される。なお、パスワード消去部56Aは、特許請求の範囲に記載の消去手段として機能する。そして、ディスプレイ51には、パスワード及びキーワードが消去された読取画像データが表示される。すなわち、ディスプレイ51は、特許請求の範囲に記載の出力手段として機能する。
【0062】
引き続いて、図6を参照してネットワーク複合機1Aの動作について説明する。図6は、ネットワーク複合機1Aによる暗号化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0063】
図6に示すステップS121〜S127では、上述した図4に示すステップS101〜S107の処理と同じ処理が行われる。続くステップS128では、キーワード62の記載領域66を示す座標データが記憶される。ステップS129〜S131では、図4に示すステップS108〜S110の処理と同じ処理が行われる。続くステップS132では、パスワード61の記載領域を示す座標データが記憶される。
【0064】
ステップS133〜S135では、図4に示すステップS111〜S113の処理と同じ処理が行われる。続くステップS134では、ネットワーク複合機1Aにおいて、ステップS128で記憶されたキーワード62の記載領域66を示す座標データと、ステップS132で記憶されたパスワード61の記載領域を示す座標データとを用いて特定情報が生成される。そして、この特定情報と読取画像データとを含む画像ファイルが生成される。
【0065】
続いて、ステップS135では、ステップS134で生成された画像ファイルが、パスワードを用いて復号化可能に、パスワードを用いて暗号化される。以上の処理により、パスワード61及びキーワード62が記載されたパスワード付き原稿60の読取画像データと、パスワード61の記載領域65及びキーワード62の記載領域66を特定可能な特定情報とが、パスワード61によって復号化可能に暗号化される。
【0066】
次に、図7を参照して、出力装置5Aの動作について説明する。図7は、出力装置5Aによる表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
まず、ステップS141において、画像ファイルが読み込まれる。そして、ステップS142では、読み込まれた画像ファイルが、暗号化されたファイルか否か判断される。ステップS142で暗号化されたファイルではないと判断された場合は、処理がステップS143へ進む。ステップS143では、通常の画像表示処理が行われ、ステップS141で読み込まれた画像ファイルに含まれる読取画像データが、ディスプレイ51に表示される。
【0068】
ステップS142で暗号化されたファイルであると判断された場合は、処理がステップS144へ進む。ステップS144では、パスワードの入力をユーザに要求するメッセージがディスプレイ51に表示される。メッセージに応じてユーザがパスワード付き原稿60に記載されたパスワード61を入力すると、ステップS145では、パスワードの入力が受け付けられる。
【0069】
ステップS146では、ステップS145で受け付けられたパスワードが正しいか否かが判断される。例えば、受け付けられたパスワードを用いて画像ファイルを復号化することができた場合に、パスワードが正しいと判断する。また、例えば、予めパスワードを登録し、登録されたパスワードと受け付けられたパスワードとが一致した場合に、パスワードが正しいと判断してもよい。この場合、正しいと判断されたパスワードを用いて画像ファイルが復号化される。
【0070】
ステップS146においてパスワードが正しくないと判断された場合、処理が終了する。ステップS146においてパスワードが正しいと判断された場合、処理がステップS147へ進む。ステップS147では、画像ファイルを復号化することにより得られた特定情報を用いて、キーワード62の記載領域66の画像データが特定される。続いて、ステップS148では、特定情報を用いて、パスワード61の記載領域65の画像データが特定される。
【0071】
そして、ステップS149では、キーワード62の記載領域66の画像データ及びパスワード61の記載領域65の画像データが、パスワード付き原稿60の背景色の画像データに置換され、パスワード61及びキーワード62が読取画像データから消去される。続いて、ステップS150では、読取画像データがディスプレイ51に表示される。
【0072】
以上説明した本実施形態に係る出力装置5Aでは、入力された特定情報を用いて、読取画像データからパスワード61が記載された記載領域65の画像データが特定され、パスワード61が、復号化された読取画像データから消去される。復号化された読取画像データが表示される際には、パスワードが消去されているので、他人がパスワードを見ることができないようにすることが可能となる。
【0073】
次に、図8及び図9を参照して、コンピュータ70を出力装置5Aとして機能させるプログラム80について説明する。図8は、本実施形態に係るプログラム80を実行するためのコンピュータ70の構成を示すブロック図である。図9は、プログラム80のモジュール構成を示す図である。
【0074】
コンピュータ70は、プログラム80の実行等を制御する制御部(CPU)71、プログラム80等が記憶されたハードディスク72、メモリ(RAM)73、及びCD−ROM等の記録媒体に記録されたプログラム等を読み取り可能な読取装置74とを備えている。また、コンピュータ70は、マウス及びキーボードによって構成される受付部75と、ディスプレイ76と、LAN I/F77とを備えている。
【0075】
プログラム80は、CD−ROM等の記録媒体に記録されていてもよいし、ネットワークを介してサーバ等からコンピュータに提供されるものであってもよい。プログラム80は、処理を統括するメインモジュール81、取得モジュール82、受付モジュール83、復号化モジュール84、特定モジュール85、消去モジュール86、及び表示モジュール87を備える。例えば、読取装置74により読み取られハードディスク72に記憶(インストール)されたプログラム80の各モジュールが実行されることにより、コンピュータ70が、出力装置5Aを構成するディスプレイ51、受付部52、復号化部53、LAN I/F54、特定部55A、及びパスワード消去部56Aとして機能する。
【0076】
本実施形態によれば、プログラム80が実行されることにより、コンピュータ70を上述した出力装置5Aとして機能させることができる。従って、ネットワーク複合機1Aによって暗号化された読取画像データを復号化し、他人がパスワードを見ることができないように表示することが可能となる。
【0077】
なお、上記第2実施形態では、出力装置5Aがネットワーク複合機1Aとは別の装置である場合について説明したが、ネットワーク複合機1Aが出力装置5Aの機能を備えていてもよい。この場合、ネットワーク複合機1Aが、上記出力装置5Aが備える復号化部53、特定部55A、パスワード消去部56Aを備えることとなる。例えば、ネットワーク複合機1Aでは、暗号化部34によって読取画像データ及び特定情報が暗号化されることにより、暗号化された読取画像データ及び特定情報を含む画像ファイルが取得される。すなわち、この場合、暗号化部34が特許請求の範囲に記載の取得手段としても機能する。
【0078】
そして、操作パネル10によってユーザからパスワードが受け付けられる。すなわち、操作パネル10が特許請求の範囲に記載の受付手段として機能する。続いて、ネットワーク複合機1Aが備える復号化部53が、操作パネル10によって受け付けられたパスワードを用いて、暗号化された画像ファイルを復号化する。ネットワーク複合機1Aが備える特定部55Aは、特定情報を用いて、復号化された読取画像データからパスワード61が記載された記載領域65の画像データと、キーワード62が記載された記載領域66の画像データとを特定する。
【0079】
そして、ネットワーク複合機1Aが備えるパスワード消去部56Aは、読取画像データからパスワード61及びキーワード62を消去する。そして、ディスプレイ11には、パスワード及びキーワードが消去された読取画像データが表示される。すなわち、ディスプレイ11は、特許請求の範囲に記載の出力手段として機能する。なお、プリンタ13によってパスワード61及びキーワード62が消去された読取画像データを用紙に印刷してもよい。この場合、プリンタ13が特許請求の範囲に記載の出力手段として機能する。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、パスワード61が記載された特定領域64が予め定められていたが、これに限られない。図10に示すように、パスワード付き原稿60Aの任意の領域67にパスワード61が記載されていてもよい。この場合、例えば、ネットワーク複合機1が備えるディスプレイ51は、タッチパネルによって構成される。更に、このタッチパネルは、パスワード61の記載された領域67をユーザが指定可能に読取画像データを表示し、ユーザが指定した領域を受け付けるように構成される。そして、パスワード取得部は、タッチパネルによって受け付けられた領域内に記載された文字列の画像データに対してOCR処理を行うことにより、パスワード61を取得する。
【符号の説明】
【0081】
1,1A ネットワーク複合機
5,5A 出力装置
12 スキャナ
31 パスワード取得部
32 パスワード訂正部
33 パスワード消去部
34 暗号化部
35A 特定情報生成部
51 ディスプレイ
52 受付部
53 復号化部
54 LAN I/F
55A 特定部
56A パスワード消去部
60,60A パスワード付き原稿
61 パスワード
64 特定領域
65 記載領域
80 プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パスワードが記載された原稿を読み取って読取画像データを生成する読取手段と、
前記読取手段によって生成された読取画像データに対して文字認識処理を行うことにより、前記パスワードを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたパスワードを用いて復号化可能に、前記読取画像データを暗号化する暗号化手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記読取画像データから前記パスワードを消去する消去手段を備え、
前記暗号化手段は、前記消去手段によって前記パスワードが消去された前記読取画像データを暗号化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記取得手段によって取得されたパスワードを表示する表示手段と、
前記表示手段による表示に対してユーザから入力される前記パスワードの訂正入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた訂正入力に基づいて、前記取得手段によって取得されたパスワードを訂正する訂正手段と、
を備え、
前記暗号化手段は、前記訂正手段によって訂正されたパスワードを用いて復号化可能に、前記読取画像データを暗号化することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記読取手段は、予め定められた特定領域内に前記パスワードが記載された前記原稿を読み取って前記読取画像データを生成し、
前記取得手段は、前記特定領域の画像データに対して文字認識処理を行うことにより、前記パスワードを取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記パスワードが記載された領域をユーザが指定可能に、前記読取手段によって生成された読取画像データを表示し、表示に応じて前記ユーザが指定した領域を受け付けるタッチパネルを備え、
前記取得手段は、前記タッチパネルによって受け付けられた領域の画像データに対して文字認識処理を行うことにより、前記パスワードを取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
パスワードが記載された原稿を読み取ることにより生成された読取画像データであって、前記パスワードを用いて復号化可能に暗号化された前記読取画像データを取得する取得手段と、
ユーザから前記パスワードを受け付ける受付手段と、
前記取得手段によって取得された読取画像データを、前記受付手段によって受け付けられたパスワードを用いて復号化する復号化手段と、
前記復号化手段によって復号化された読取画像データから前記パスワードを消去する消去手段と、
前記消去手段によって前記パスワードが消去された読取画像データを出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする出力装置。
【請求項7】
パスワードが記載された原稿を読み取ることにより生成された読取画像データであって、前記パスワードを用いて復号化可能に暗号化された前記読取画像データを取得する取得手段、
ユーザから前記パスワードを受け付ける受付手段、
前記取得手段によって取得された読取画像データを、前記受付手段によって受け付けられたパスワードを用いて復号化する復号化手段、
前記復号化手段によって復号化された読取画像データから前記パスワードを消去する消去手段、
前記消去手段によって前記パスワードが消去された読取画像データを出力する出力手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−223348(P2011−223348A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90822(P2010−90822)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】