説明

画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム

【課題】ダイナミックレンジを超えた信号に対し、色相歪みを抑えた変換を行うことができるようにする。
【解決手段】RGB−HSV変換部41は、RGB色空間の入力信号を、色相信号、彩度信号及び明度信号を含む別の色空間に変換する。リミット処理部43の明度ハーフリミット部52は、明度が100%以上の明度信号に対して、所定の比率で明度を低減する。HSV−RGB変換部44は、明度ハーフリミット部52で低減された明度信号、色相信号、および彩度信号を、RGB色空間の出力信号に変換する。本発明は、例えば、テレビジョン受像機等のディスプレイ装置の表示のための画像信号を処理する画像処理装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関し、特に、ダイナミックレンジを超えた信号に対し、色相歪みを抑えた変換を行うことができるようにする画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン受像機等のディスプレイ装置においては、表示視認性を改善するために、映像信号のコントラストやディスプレイ装置の表示輝度、色信号等を制御する技術が開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。表示制御の一つとして、ディスプレイ装置の表示の限界を超えた大きな値や負の値の信号が作り出されることがある。例えば、明るさ(明度)を強調するために、明度のダイナミックレンジの100%を超えるRGB信号を作り出す場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−326082号公報
【特許文献2】特開2007−248935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスプレイ装置では、ダイナミックレンジの100%を超えるRGB信号は、ダイナミックレンジの100%でリミットされることとなる。ダイナミックレンジの100%を超えるRGB信号が100%でリミットされた場合、本来の信号の色相とは異なった色相となり、視聴者が不自然な感じをもつことがある。具体的には、ダイナミックレンジの100%を超えるRGB信号が100%でリミットされた場合、色は、Y(黄)、C(シアン)、M(マゼンダ)の軸の方へ色相が回り、特に、肌色が黄色くなり、視聴者に不快感を与える。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ダイナミックレンジを超えた信号に対し、色相歪みを抑えた変換を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の画像処理装置は、RGB色空間の入力信号を、色相信号、彩度信号及び明度信号を含む別の色空間に変換する色空間変換手段と、明度が100%以上の前記明度信号に対して、所定の比率で明度を低減する明度ハーフリミット手段と、前記明度ハーフリミット手段で低減された前記明度信号、前記色相信号、および前記彩度信号を、前記RGB色空間の出力信号に変換する色空間逆変換手段とを備える。
【0007】
本発明の一側面の画像処理方法は、RGB色空間の入力信号を、色相信号、彩度信号及び明度信号を含む別の色空間に変換し、明度が100%以上の前記明度信号に対して、所定の比率で明度を低減し、低減された前記明度信号、前記色相信号、および前記彩度信号を、前記RGB色空間の出力信号に変換するステップを含む。
【0008】
本発明の一側面のプログラムは、コンピュータに、RGB色空間の入力信号を、色相信号、彩度信号及び明度信号を含む別の色空間に変換し、明度が100%以上の前記明度信号に対して、所定の比率で明度を低減し、低減された前記明度信号、前記色相信号、および前記彩度信号を、前記RGB色空間の出力信号に変換するステップを含む処理を実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の一側面においては、RGB色空間の入力信号が、色相信号、彩度信号及び明度信号を含む別の色空間に変換され、明度が100%以上の明度信号に対して、所定の比率で明度が低減され、低減された明度信号、色相信号、および彩度信号が、RGB色空間の出力信号に変換される。
【0010】
なお、プログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
【0011】
画像処理装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面によれば、ダイナミックレンジを超えた信号に対し、色相歪みを抑えた変換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】HSV色空間を示す図である。
【図3】RGB色度と色相と彩度との関係を示す図である。
【図4】100%を超えたRGB信号を100%でリミットする処理を説明するための図である。
【図5】100%を超えたRGB信号をHSV信号に変換して明度でリミットする処理を説明するための図である。
【図6】RGB信号の彩度を上げて負になった信号を0%でリミットする処理を説明するための図である。
【図7】RGB信号の彩度を上げて負になった信号をHSV信号に変換して彩度でリミットする処理を説明するための図である。
【図8】図1の画像処理装置の彩度ハーフリミット部と明度変調部の構成を示すブロック図である。
【図9】彩度ハーフリミット処理の一例を説明するための図である。
【図10】彩度ハーフリミット処理における係数と色相信号との関係を示す図である。
【図11】明度変調処理における係数とRGB軸及びYCM軸との関係を示す図である。
【図12】図1の画像処理装置の明度ハーフリミット部と彩度減衰部の構成を示すブロック図である。
【図13】明度ハーフリミット処理の一例を説明するための図である。
【図14】明度ハーフリミット処理の一例を説明するための図である。
【図15】明度ハーフリミット処理の一例を説明するための図である。
【図16】明度ハーフリミット処理の係数Kを決定する決定関数を示した概念図である。
【図17】図16の係数Kを決定する決定関数の詳細を示す図である。
【図18】図16の係数Kを決定する決定関数の詳細を示す図である。
【図19】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[画像処理装置の構成例]
図1は、本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0015】
図1の画像処理装置1は、例えば、テレビジョン受像機等のディスプレイ装置の表示のための画像信号を処理する装置である。画像処理装置1は、信号処理部40、RGB−HSV変換部41、HSV信号処理部42、リミット処理部43、およびHSV−RGB変換部44を備え、ディスプレイ装置の出力輝度に対して線形な空間で処理を行う。
【0016】
信号処理部40には、RGB信号としてのRin信号、Gin信号、およびBin信号が入力される。信号処理部40は、入力されたRGB信号に所定の信号処理を施し、処理後のRGB信号であるR1信号、G1信号、およびB1信号を、RGB−HSV変換部41に出力する。
【0017】
RGB−HSV変換部41は、信号処理部40からのRGB信号をRGB色空間からHSV色空間の信号に変換するRGB−HSV変換処理を行う。即ち、RGB−HSV変換部41は、信号処理部40からのR1信号、G1信号、およびB1信号を、色相信号H1、彩度信号S1(0%乃至200%)、および明度信号V1(0%乃至200%)の各信号成分に変換し、HSV信号処理部42に出力する。
【0018】
RGB−HSV変換部41のRGB−HSV変換処理では、色相信号H1(Hue)、彩度信号S1(Saturation Chroma)、明度信号V1(Value)への信号変換は、以下のように行われる。
【0019】
色相信号H1=(MID(R1、G1、B1)−MIN(R1、G1、B1))/(MAX(R1、G1、B1)−MIN(R1、G1、B1))
【0020】
彩度信号S1=(MAX(R1、G1、B1)−MIN(R1、G1、B1))/MAX(R1、G1、B1)
【0021】
明度信号V1=MAX(R1、G1、B1)
【0022】
ここで、MAX(R1、G1、B1)は、R1信号、G1信号、およびB1信号のうちの最大値、MID(R1、G1、B1)は中間値、MIN(R1、G1、B1)は最小値を表す。なお、以下では、単に、MAX、MID,MINと(R1、G1、B1)を省略して記載する。一般に、HSV色空間では、色相信号Hと彩度信号Sとが一定であればRGBの比率は一定となり、明度信号Vのみを操作しても、色度は変化しない。
【0023】
MAX=R1の場合の色相信号H1は、以下の式(1)で定義される値となる。
H1={60×(G1−B1)/(MAX−MIN)}+0 ・・・(1)
【0024】
また、MAX=G1の場合の色相信号H1は、以下の式(2)で定義される値となる。
H1={60×(B1−R1)/(MAX−MIN)}+120 ・・・(2)
【0025】
また、MAX=B1の場合の色相信号H1は、以下の式(3)で定義される値となる。
H1={60×(R1−G1)/(MAX−MIN)}+240 ・・・(3)
【0026】
また、ディスプレイの出力輝度に対して線形な空間では、入力信号をRGB色空間からHSV色空間に変換すると、図2に示すように、色相と彩度で決まるRGB色度と、その信号の大きさ(明度)Vの三角柱とで表すことができる。
【0027】
また、HSV色空間に変換されたRGB色度と色相(H)と彩度(S)との関係は、図3に示すような関係となっている。すなわち、図3に示すHSV色空間では、色相が三角形の外周に沿って、H=0からH=360の範囲で変化し、彩度が三角形の中央からの距離に伴って増加する。また、三角形の内側に描かれた多角形の線は、内側からS=25,50,75となっている。
【0028】
図1に戻り、HSV信号処理部42には、色相信号H1、彩度信号S1(0%乃至200%)、明度信号V1(0%乃至200%)が入力される。HSV信号処理部42は、所定の信号処理を施し、信号処理後の色相信号H2、彩度信号S2、および明度信号V2を、リミット処理部43に出力する。
【0029】
リミット処理部43は、彩度ハーフリミット部50、明度変調部51、明度ハーフリミット部52、および彩度減衰部53を備える。
【0030】
彩度ハーフリミット部50には、HSV信号処理部42から、彩度信号S2及び色相信号H2が入力される。彩度ハーフリミット部50は、彩度が100%以上の彩度信号に対して、彩度を低減する彩度ハーフリミット処理(詳細は後述する。)を実行する。そして、彩度ハーフリミット部50は、リミット処理後の彩度信号S3を明度変調部51及び彩度減衰部53に出力する。
【0031】
明度変調部51には、HSV信号処理部42から、色相信号H2、彩度信号S2、明度信号V2が入力され、彩度ハーフリミット部50から、彩度信号S3が入力される。明度変調部51は、彩度信号S2の彩度が100%以上である場合に、明度信号V2の明度を変調する明度変調処理(詳細は後述する。)を実行する。そして、明度変調部51は、明度変調処理後の明度信号V3を、明度ハーフリミット部52及び彩度減衰部53に出力する。
【0032】
明度ハーフリミット部52には、HSV信号処理部42から、色相信号H2及び彩度信号S2が入力され、明度変調部51から明度信号V3が入力される。明度ハーフリミット部52は、明度信号V3の明度が100%以上である場合に、明度信号V3の明度を低減する明度ハーフリミット処理(詳細は後述する。)を行う。そして、明度ハーフリミット部52は、明度ハーフリミット処理後の明度信号V4を、彩度減衰部53及びHSV−RGB変換部44に出力する。
【0033】
彩度減衰部53には、明度変調部51から明度信号V3、明度ハーフリミット部52から明度信号V4、および、彩度ハーフリミット部50から彩度信号S3が入力される。彩度減衰部53は、明度信号V3の明度が100%以上である場合に、彩度信号S3に対して、彩度の小さい方ほど色を抜く処理である彩度減衰処理(詳細は後述する。)を実行する。そして、彩度減衰部53は、彩度減衰処理後の彩度信号S4を、HSV−RGB変換部44に出力する。
【0034】
HSV−RGB変換部44には、HSV信号処理部42からの色相信号H2、彩度減衰部53からの彩度信号S4、明度ハーフリミット部52からの明度信号V4が入力され、RGB−HSV変換部41とは逆の演算処理を実行する。すなわち、HSV−RGB変換部44は、HSV信号をHSV色空間からRGB色空間の信号に変換するHSV−RGB変換処理を行う。また、HSV−RGB変換部44は、変換後のRGB信号をそれぞれ0乃至100%となるようにリミットするRGBリミット処理を行う。HSV−RGB変換部44は、RGBリミット処理後のRGB信号であるRout信号(0%乃至100%)、Gout信号(0%乃至100%)、Bout信号(0%乃至100%)を出力する。
【0035】
以上のように構成される画像処理装置1においては、リミット処理部43が、HSV色空間に変換した彩度信号及び明度信号に対し、各種のリミット処理を実行することにより、色相を保ったリミット処理が可能となる。
【0036】
[RGB信号のリミット処理]
次に、RGB信号がダイナミックレンジの100%を超えている場合に、そのRGB信号を100%でリミットする処理について説明する。以下の説明では、R信号、B信号、およびG信号のうちの最大値をMAX、最小値をMIN、残り(中間値)をMIDとする。
【0037】
例えば、図4に示すように、MAX、MID、MINの比率が一定の信号を徐々に大きくしていくと、MAXからクリップされ、MAXとMIDで決まるY(黄)、C(シアン)、M(マゼンダ)のいずれかの色相になる。そして、最終的には、MAX、MID、およびMINの比率が一定の信号は、MAX、MID、およびMINの全てが100%となるため、白になる。また、MAXが100%をこえると、色相も彩度も保持されない。
【0038】
一方、RGB−HSV変換部41によりRGB信号をHSV信号に変換してからリミット処理部43により明度でリミットすると、色相及び彩度が保持されるため、R信号、B信号、G信号の比率が図5に示すようになる。すなわち、RGB−HSV変換部41によりRGB信号をHSV信号に変換してから明度でリミットすると、色度が保たれる。
【0039】
次に、RGB信号の彩度を上げて、負になった信号を0%でリミットする処理について説明する。
【0040】
RGB信号のMAXが一定で色相を保持して彩度を徐々に上げるようにすると、図6に示すようにMINから0%になり、最終的にMAXのみの単色となる。この図6に示す場合において、色相は保持されない。
【0041】
一方、RGB−HSV変換部41によりRGB信号からHSV信号に変換してからリミット処理部43により彩度でリミットすると、色相が保持される。したがって、画像処理装置1では、図7に示すように、HSV信号の(MID−MIN)/(MAX−MIN)を固定した状態とすることができる。このように、RGB−HSV変換部41によりRGB信号をHSV信号に変換してからリミット処理部43によりリミットすることにより、色相を保ったリミットが可能となる。
【0042】
次に、図8乃至図11を参照しながら、リミット処理部43の彩度ハーフリミット部50及び明度変調部51における処理について説明する。
【0043】
図8は、図1に示した画像処理装置1の構成のうち、リミット処理部43の彩度ハーフリミット部50と明度変調部51の部分のみを示した図である。
【0044】
[彩度ハーフリミット処理]
まず、彩度ハーフリミット部50による彩度ハーフリミット処理について説明する。
【0045】
図8に示すように、彩度ハーフリミット部50には、HSV信号処理部42から、色相信号H2と彩度信号S2が入力される。
【0046】
HSV信号処理部42からの彩度信号S2の彩度が100%以上である場合の動きは、図9のようになる。例えば、図9の直線aのように、100%以上の彩度信号S2がそのままHSV−RGB変換部44に入力され、RGBリミット処理が施されると、図6に示したようになる。また、図9の直線bのように、彩度で100%となるようにリミットした後、リミット後の彩度信号S3がHSV−RGB変換部44に入力され、RGBリミット処理が施されると、図7に示したようになる。彩度でリミットすると、図7のように色相は保たれるが、RGB信号が固定されてしまうので、結果として、つぶれた画になってしまう。
【0047】
そこで、彩度ハーフリミット部50では、図9の直線cのように、入力信号を完全に彩度でリミットしないで、少し残した状態でHSV−RGB変換部44に出力する。HSV−RGB変換部44は、RGB信号に戻した後で(RGBリミット処理により)リミットする。これにより、図9の直線aより色相の回りを少なくしたリミットが可能となる。
【0048】
彩度ハーフリミット部50は、色相信号に基づく係数を所定単位の色相毎に切り換えて設定し、この係数に基づいて彩度が100%以上の彩度信号S2に対してリミット処理を実行する。すなわち、彩度ハーフリミット部50は、入力信号としての、彩度が100%を超えた彩度信号S2に対して、式(4)で定義される処理を実行する。なお、以下の説明では、式中の彩度および明度は、100%を1.0として表す。
S3=(S2−1.0)×SHLGN+1.0 ・・・・・(4)
【0049】
式(4)において、SHLGNは、彩度信号S2をリミットするための係数であり、0<SHLGN<1.0を満たす値である。例えば、式(4)において、SHLGN=0.5のときが、図9の直線cに相当し、SHLGN=0のときが、図9の直線bに相当し、SHLGN=1.0のときが、図9の直線aに相当する。しかし、マンセルの彩度と色相の関係にも見られるように、色相が回って好ましい色相と好ましくない色相がある。
【0050】
そこで、彩度ハーフリミット部50では、図10に示すように、縦軸の係数(SHLGN)を6個に設定して、横軸の色相信号H2が60度毎に係数を切り換えるようにする。これにより、彩度ハーフリミット部50では、R(赤)からY(黄)とY(黄)からG(緑)の間をRGBに残る量を多めにして、それぞれ、R(赤)やG(緑)に移動する量を多めに設定することができる。なお、彩度ハーフリミット部50では、上述した60度毎ではなく、係数の数を増やして、例えば120度、240度毎に係数を切り換えるようにしてもよい。
【0051】
[明度変調処理]
次に、明度変調部51による明度変調処理について説明する。
【0052】
明度変調部51には、図8に示したように、HSV信号処理部42から、色相信号H2、彩度信号S2、および明度信号V2が入力され、彩度ハーフリミット部50から、彩度ハーフリミット処理後の彩度信号S3が入力される。
【0053】
上述したように、彩度を100%でリミットすると、RGB信号は、彩度が100%のときの信号に固定されてしまうので、彩度の変化があるにもかかわらず、画像がつぶれて浮いたように見えてしまう。そこで、明度変調部51においては、彩度が100%を超えたときに明度信号V2に変化を与えることで、画像に自然な変化を与えることが可能となる。
【0054】
明度変調部51は、彩度信号S2の彩度が100%以上の場合に、入力信号としての、明度信号V2に対して、色相信号H2に基づく係数に応じた変調処理を実行する。すなわち、明度変調部51は、式(5)で定義される変調処理を実行する。
V3=V2+V2×(S2−1.0)×VMGN ・・・・(5)
【0055】
式(5)において、VMGNは正負で制御可能な係数を表し、負のほうが好ましいが正にも対応する。明度変調部51では、式(5)で定義するような処理をすることで、彩度が100%を超えた場合でも、色相を変えずに画像の特徴を出すことが可能となる。
【0056】
また、RGBの軸とYCMの軸では、彩度の動きに対してRGBの総和の変化が異なる。すなわち、RGBの軸はYCMの軸の2倍である。そこで、明度変調部51では、図11に示すように、縦軸の係数VMGNの値をRGB及びYCMの2つに分けて、その間を横軸の色相信号H2で補完することが好ましい。
【0057】
さらに、明度変調部51は、彩度ハーフリミット部50からの彩度信号S3を用いて、式(6)で定義される変調処理を実行する。
V3=V2+V2×(S2−S3)×VMGN ・・・・(6)
【0058】
式(6)によれば、彩度ハーフリミット部50と明度変調部51が連動し、彩度ハーフリミット部50でRGB出力を大きくしたときは、明度変調部51での変調を小さくすることができる。
【0059】
次に、図12乃至図18を参照しつつ、明度ハーフリミット部52及び彩度減衰部53の処理を説明する。
【0060】
図12は、図1に示した画像処理装置1の構成のうち、リミット処理部43の明度ハーフリミット部52と彩度減衰部53の部分のみを示した図である。
【0061】
[明度ハーフリミット処理]
まず、明度ハーフリミット部52による明度ハーフリミット処理について説明する。
【0062】
図12に示すように、明度ハーフリミット部52には、明度変調部51から、明度信号V3が入力され、HSV信号処理部42から、色相信号H2と彩度信号S2が入力される。
【0063】
明度変調部51からの明度信号V3の明度が100%以上である場合の動きは、図13に示すようになる。例えば、図13の直線dのように、100%以上の明度信号V3がそのままHSV−RGB変換部44に入力され、RGBリミット処理が施されると、図4に示したようになる。また、図13の直線eのように、明度で100%となるようにリミットした後、リミット後の明度信号V3がHSV−RGB変換部44に入力され、RGBリミット処理が施されると、図5に示したようになる。明度でリミットすると、図5のように色度は保たれるが、RGB信号が固定されてしまうため、結果として、つぶれた画になってしまう。
【0064】
そこで、明度ハーフリミット部52では、図13の直線fのように、入力信号を完全に明度でリミットしないで、少し残した状態でHSV−RGB変換部44に出力する。HSV−RGB変換部44は、RGB信号に戻した後で(RGBリミット処理により)リミットする。
【0065】
図13の直線fのように、入力信号を完全に明度でリミットしないで、少し残した状態の信号を、HSV−RGB変換部44でRGB信号に戻すと、図14に示すようになる。さらに、図14のRGB信号を100%でリミットすると、図15に示すようになる。
【0066】
図15と図4を比較して明らかなように、図13の直線fの処理の方が、図13の直線dの処理より、色相の回りを少なくしたリミットが可能となる。
【0067】
図13の直線fで示される処理をするため、明度ハーフリミット部52は、入力信号としての、明度が100%を超えた明度信号V3に対して、次式(7)で定義される処理を行う。
V4=(V3−1.0)×VHLGN+1.0 ・・・・(7)
【0068】
式(7)において、VHLGNは、明度信号V3を低減させる比率を示す係数であり、0<VHLGN<1.0を満たす値である。例えば、式(7)において、VHLGN=0.5のときが、図13の直線fに相当し、VHLGN=0のときが図13の直線eに相当し、VHLGN=1.0のときが、図13の直線dに相当する。
【0069】
明度ハーフリミット部52は、係数VHLGNを次式(8)により可変にする。
VHLGN=(1.0−K)×VHLGN0+K×VHLGN1 ・・・・(8)
【0070】
式(8)において、Kは0乃至1.0の範囲をとる係数であり、VHLGN0とVHLGN1は、0乃至1.0の範囲の任意の設定値(ゲイン)である。ただし、VHLGN1はVHLGN0よりも大である(VHLGN1>VHLGN0)ものとする。
【0071】
式(8)によれば、係数Kが0のとき、係数VHLGNはゲインVHLGN0となり、係数Kが1のとき、係数VHLGNはゲインVHLGN1となる。
【0072】
そして、式(8)の係数Kは、明度ハーフリミット部52に入力される色相信号H2と彩度信号S2によって決定される。即ち、係数Kは、明度ハーフリミット部52に入力される色相信号H2と彩度信号S2に応じて変化する。
【0073】
図16は、明度ハーフリミット部52に入力される色相信号H2と彩度信号S2に応じて係数Kを決定する決定関数(テーブル)を示した概念図である。
【0074】
図16において、Hmin,Hswd、およびHwdは、色相についての任意に設定可能なパラメータ(定数)であり、Smin,Sswd、およびSwdは、彩度についての任意に設定可能なパラメータ(定数)である。
【0075】
図16において、肌色の色度を基準に、色相と彩度からなる領域が3つの領域に分類されている。即ち、斜線部の内側の領域Raは、肌色の領域であり、斜線部の領域Rbは、肌色の近傍の領域(肌色に近い色度の領域)であり、斜線部の領域Rbより外側の領域Rcは、肌色から遠い色度の領域である。
【0076】
そして、肌色の領域Raには、係数Kに0が割り当てられ、係数VHLGNがゲインVHLGN0となり、肌色から遠い色度の領域Rcには、係数Kに1.0が割り当てられ、係数VHLGNがゲインVHLGN1となる。
【0077】
従って、入力される色相信号H2と彩度信号S2が肌色である場合、明度ハーフリミット部52は、図13の直線fで示される、色相の回りを少なくしたリミットであって、かつ、図13の直線eに近いリミット処理を行う。これにより、100%を超えるRGB信号を100%でリミットするとき、肌色が黄色くなり、視聴者に不快感を与えることを防止する。
【0078】
一方、入力される色相信号H2と彩度信号S2が肌色から遠い色度である場合、明度ハーフリミット部52は、図13の直線fで示される、色相の回りを少なくしたリミットであって、かつ、図13の直線dに近いリミット処理を行う。即ち、明度ハーフリミット部52は、色相の回りを少なくすることを重視した明度のリミット処理を行う。
【0079】
換言すれば、明度ハーフリミット部52の明度ハーフリミット処理により、肌色付近では、図13の直線fに近付けて色の変化を抑え、それ以外は、突き上げ感を出すために図13の直線dに近付けることができる。
【0080】
図17を参照して、肌色の近傍の領域Rb内で、係数Kを決定する手順について説明する。
【0081】
図17は、図16の肌色の近傍の領域Rb内での係数Kを決定する決定関数を、色相と彩度に分けて示した図である。図17Aは、色相に関する決定関数を、図17Bは、彩度に関する決定関数を示している。
【0082】
肌色の近傍の領域Rbでは、係数Kは0と1の間を直線的に変化する。
【0083】
明度ハーフリミット部52は、入力された色相信号H2に応じて、図17Aの決定関数に基づいて、色相側の係数KHを決定する。また、明度ハーフリミット部52は、入力された彩度信号S2に応じて、図17Bの決定関数に基づいて、彩度側の係数KSを決定する。
【0084】
そして、明度ハーフリミット部52は、色相側の係数KHと彩度側の係数KSを加算し、その結果ADDを得る。即ち、ADD=KH+HSが計算される。明度ハーフリミット部52は、加算結果ADDが1.0以下である場合には、加算結果ADDを係数Kとし、加算結果ADDが1.0より大きい場合には、係数Kを1.0とする。
【0085】
肌色の近傍の領域Rbについては、以上のように係数Kを決定することで、肌色の領域Raと、それ以外の領域とで視聴者が違和感を抱くことを防止することができる。
【0086】
[係数Kのその他の求め方の例]
係数Kの決定手順は、図17を参照して説明した手順に限らない。例えば、明度ハーフリミット部52は、彩度側の係数KSを決定する場合を例に、その他の手順について説明する。
【0087】
明度ハーフリミット部52は、図18Aに示すように、パラメータSminおよびSswdにより決定される関数に基づいて、高彩度側の係数KS_Hを決定する。また、明度ハーフリミット部52は、図18Bに示すように、パラメータSlminおよびSlswdにより決定される関数に基づいて、低彩度側の係数KS_Lを決定する。そして、明度ハーフリミット部52は、係数KS_Hと係数KS_Lを比較して、それらの大きい方を、係数KSとして選択することができる。色相側の係数KHについても同様に求めることができる。
【0088】
また、図16および図17に示した係数Kの決定関数もあくまで一例であり、これに限定されるものではない。従って、例えば、肌色の領域Raと肌色から遠い色度の領域Rcの間の肌色の近傍の領域Rbについては、2次以上の曲線を用いて、領域Rcに近づくに従い係数Kが緩やかに0に近づくような関数を採用することも可能である。
【0089】
[彩度減衰処理]
次に、彩度減衰部53の彩度減衰処理について説明する。
【0090】
彩度減衰部53には、彩度ハーフリミット部50から彩度信号S3が、明度変調部51から明度信号V3が、明度ハーフリミット部52から明度信号V4が、入力される。
【0091】
例えば、RGB色空間において、RGB信号を大きくして100%を超えてRGBでリミットをかけると、彩度が下がり色相の回らないRGBやYCMでも変化を感じることが可能となる。彩度減衰部53では、このような彩度の小さい方ほど色を抜く減衰処理を、HSV色空間の中で色相を変えずに行う。
【0092】
RGB色空間において、リミットする前の明度信号Vinおよび彩度信号Sinに対して、彩度が100%以上である場合にRGBリミットするときのリミット後の彩度信号Soutは、式(9)で定義される。
Sout=Sin−(Vin−1.0)×(1.0−Sin) ・・・・(9)
【0093】
式(9)に準じて、彩度減衰部53は、明度が100%以上である場合に、HSV空間で、式(10)で定義される処理を実行する。
S4=S3−(V3−1.0)×(1.0−S3)×SLGN ・・・(10)
【0094】
ここで、SLGNは減衰処理の強さを指定するための係数である。式(10)によれば、入力される彩度信号S3の彩度が低いほど、減衰率が大となる。従って、彩度の小さい方ほど色を抜く処理であるということができる。また、式(10)は、色相信号H2を含まないため、色相の変化はない。従って、このような処理により、色相を変えずに、彩度で変化をだすことができる。なお、式(10)でSLGN=1.0のとき、RGBとYCMでRGBでのリミットと同じ処理となる。
【0095】
さらに、彩度減衰部53は、明度ハーフリミット部52からの明度ハーフリミット処理後の明度信号V4を用いて、式(11)で定義される減衰処理を実行することができる。
S4=S3−(V3−V4)×(1.0−S3)×SLGN ・・・(11)
【0096】
式(11)によれば、明度ハーフリミット部52と彩度減衰部53とが連動する。即ち、明度ハーフリミット部52からの明度信号V4は、明度ハーフリミット処理前の明度信号V3よりも小さい(明度が低い)ので、明度の低減率が大であるほど、減衰率が大となる。SLGN=1.0のときは、明度信号V4に関わらず、RGB信号に戻してリミットしたときの彩度は一定になる。
【0097】
これにより、明度ハーフリミット部52での係数VHLGNが0に近い値のときは、色相の変化が少なく彩度だけが下がるような特性となるため、肌色などで黄色くなることが無い。一方、係数VHLGNが1.0に近い値のときはRGBでリミットした特性(図4の特性)に近くなる。
【0098】
以上のように、画像処理装置1によれば、色相歪みを抑え、レンジを超えてしまった信号を色相以外の信号に置き換えることで、違和感の少ない表現が可能となる。特に、肌色の色度を選択して、輝度のリミットを変えることで、視聴者が敏感な肌色に対する色の変化を低減することができる。
【0099】
なお、上述した実施の形態では、肌色の領域に対応する色相および彩度で、最も係数VHLGNが小さくなる、即ち、色相歪みが無くなるように明度を変換した。しかし、本発明は、肌色に限らず、特定の色の領域に対応する色相および彩度において最も係数VHLGNが小さくなるように図16の各パラメータを設定することができる。
【0100】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0101】
図19は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0102】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0103】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、及びドライブ110が接続されている。
【0104】
入力部106は、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111を駆動する。
【0105】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0106】
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体111に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0107】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0108】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0109】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 画像処理装置, 40 信号処理部, 41 RGB−HSV変換部, 42 HSV信号処理部, 43 リミット処理部, 44 HSV−RGB変換部, 50 彩度ハーフリミット部, 51 明度変調部, 52 明度ハーフリミット部, 53 彩度減衰部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RGB色空間の入力信号を、色相信号、彩度信号及び明度信号を含む別の色空間に変換する色空間変換手段と、
明度が100%以上の前記明度信号に対して、所定の比率で明度を低減する明度ハーフリミット手段と、
前記明度ハーフリミット手段で低減された前記明度信号、前記色相信号、および前記彩度信号を、前記RGB色空間の出力信号に変換する色空間逆変換手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記比率は、特定の色相および彩度において前記比率が大となるように前記色相信号および前記彩度信号に応じて変化し、
前記明度ハーフリミット手段は、前記色相信号および前記彩度信号に応じた前記比率で前記明度信号の明度を低減する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記明度ハーフリミット手段は、前記比率をVHLGN、明度が100%以上の前記明度信号をV3、低減後の前記明度信号をV4として、
V4=(V3−1.0)×VHLGN+1.0
により前記明度信号の明度を低減し、
前記比率VHLGNは、0乃至1.0の範囲をとる係数K、0乃至1.0の範囲の任意の設定値VHLGN0とVHLGN1(VHLGN1>VHLGN0)を用いて、
VHLGN=(1.0−K)×VHLGN0+K×VHLGN1
により決定され、前記係数Kが前記特定の色相および彩度に応じて可変する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記特定の色相および彩度によって決定される色度は肌色である
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
入力される前記彩度信号の彩度が低いほど減衰率が大となる彩度減衰処理を行う彩度減衰手段をさらに備える
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記彩度減衰手段は、さらに、前記明度ハーフリミット手段による明度の低減率が大であるほど、減衰率が大となる彩度減衰処理を行う
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記彩度減衰手段は、明度が100%以上の前記明度信号をV3、低減後の前記明度信号をV4、減衰前の前記彩度信号をS3、減衰後の前記彩度信号をS4、所定の減衰係数をSLGNとして、
S4=S3−(V3−V4)×(1.0−S3)×SLGN
により、彩度減衰処理を行う
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
RGB色空間の入力信号を、色相信号、彩度信号及び明度信号を含む別の色空間に変換し、
明度が100%以上の前記明度信号に対して、所定の比率で明度を低減し、
低減された前記明度信号、前記色相信号、および前記彩度信号を、前記RGB色空間の出力信号に変換する
ステップを含む画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
RGB色空間の入力信号を、色相信号、彩度信号及び明度信号を含む別の色空間に変換し、
明度が100%以上の前記明度信号に対して、所定の比率で明度を低減し、
低減された前記明度信号、前記色相信号、および前記彩度信号を、前記RGB色空間の出力信号に変換する
ステップを含む処理を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−166485(P2011−166485A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27461(P2010−27461)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】