説明

画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム

【課題】機器を排他的に利用する画像処理の実施において、メモリリソースの利用効率を高める。
【解決手段】1又は複数の機器リソースに対して指示される画像処理の実行状態をハードウェア資源に基づいて管理するための画像処理装置において、前記画像処理により使用される前記機器リソースが利用可能か否かを判定する機器利用可否判定手段と、前記ハードウェア資源の記憶リソースに基づいて、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させるか否かを判定する処理状態管理手段と、前記機器利用可否判定手段により得られる可否判定結果と前記処理状態管理手段により得られる状態判定結果とに基づいて、前記待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる処理状態遷移手段とを有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに係り、特にデバイスを排他的に利用するジョブの実施において、メモリリソースの利用効率を高めるための画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業や官公庁においては、印刷、コピー、スキャナ、FAX等の複数の機能を備えた多機能複写機(Multifunction Printer、以下、「MFP」という。)等の画像処理装置を複数人で共有して利用することが多い。そのような環境では、印刷やコピー等の複数ジョブを同時に処理するため、有限な動作リソースを効率よく割り当てることが重要である。
【0003】
そのため、例えばMFPに対して印刷指示やコピー指示、スキャナ指示、FAX指示等によるジョブ投入直後は、ジョブを待機状態にしてジョブを管理するためのメモリリソース等の消費を最小限に抑え、ジョブを実際に実施する時になって初めてジョブをアクティブ状態にして、ジョブを動作させるためのメモリリソース等を確保することが行われている。
【0004】
なお、従来では、優先度の高いジョブに対してページ印刷の実施に必要なメモリリソースを優先的に割り当て、他の優先度の低いジョブが優先度の高いジョブの動作を妨げることのないようにする手法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術のように、今までの優先度の高いジョブから順にリソースを割り当てていく手法は、実際に印刷を行うための物理的な印字デバイス等まで考慮されていない。従って、この場合には、メモリリソースさえ取得できれば印刷が行えるため、複数の印刷ジョブ毎に出力される印刷物が混在してしまうという問題があった。
【0006】
また、上述したような印刷物の混在を防止するためには、出力順序を守らなければならない。そのため、先に開始されたジョブの完了を待たずに印刷することができない。従って、ページ印刷の実施に必要なメモリリソースを無駄に割り当ててしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、デバイスを排他的に利用するジョブの実施において、メモリリソースの利用効率を高めるための画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0009】
請求項1に記載された発明は、機器リソースに対して指示される画像処理の実行状態をハードウェア資源に基づいて管理するための画像処理装置において、前記画像処理により使用される前記機器リソースが利用可能か否かを判定する機器利用可否判定手段と、前記ハードウェア資源の記憶リソースに基づいて、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させるか否かを判定する処理状態管理手段と、前記機器利用可否判定手段により得られる可否判定結果と前記処理状態管理手段により得られる状態判定結果とに基づいて、前記待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる処理状態遷移手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、機器リソース(デバイスリソース)が利用可能でない画像処理(ジョブ)はアクティブ状態ではなく待機状態にあるので、その分メモリ使用量を減らせることができる。
【0011】
請求項2に記載された発明は、前記機器利用可否判定手段により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、前記記憶リソースの空き容量が一定以上であれば、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる空き容量追従型処理状態判定手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、機器リソースの空き容量によっては、機器が利用可能になった時点で、次に実行する画像処理が既にアクティブ状態となる。そのため、状態遷移の処理時間を要しないため、画像処理の実行開始が遅れないといった効果がある。
【0013】
請求項3に記載された発明は、前記機器利用可否判定手段により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、予め設定された数の画像処理を待機状態からアクティブ状態に遷移させる規定数遷移型処理状態判定手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、アクティブ状態の画像処理数によっては、機器が利用可能になった時点で、次に実行する画像処理が既にアクティブ状態となる。そのため、状態遷移の処理時間を要しないため、画像処理の実行開始が遅れないといった効果がある。
【0015】
請求項4に記載された発明は、前記機器利用可否判定手段により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、前記記憶リソースの搭載量と前記記憶リソースの空き容量とに基づいて画像処理を待機状態からアクティブ状態に遷移させる搭載量追従型ジョブ状態判定手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、記憶リソースの搭載量における現在の空き容量の割合によっては、機器が利用可能になった時点で、次に実行する画像処理が既にアクティブ状態となる。そのため、状態遷移の処理時間を要しないため、画像処理の実行開始が遅れないといった効果がある。
【0017】
請求項5に記載された発明は、機器リソースに対して指示される画像処理の実行状態をハードウェア資源に基づいて管理するための画像処理方法において、前記画像処理により使用される前記機器リソースが利用可能か否かを判定する機器利用可否判定手順と、前記ハードウェア資源の記憶リソースに基づいて、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させるか否かを判定する処理状態管理手順と、前記機器利用可否判定手順により得られる可否判定結果と前記処理状態管理手順により得られる状態判定結果とに基づいて、前記待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる処理状態遷移手順とを有することを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、機器リソースが利用可能でない画像処理はアクティブ状態ではなく待機状態にあるので、その分メモリ使用量を減らせることができる。
【0019】
請求項6に記載された発明は、前記機器利用可否判定手順により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、前記記憶リソースの空き容量が一定以上であれば、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる空き容量追従型処理状態判定手順を有することを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、機器リソースの空き容量によっては、機器が利用可能になった時点で、次に実行する画像処理が既にアクティブ状態となる。そのため、状態遷移の処理時間を要しないため、画像処理の実行開始が遅れないといった効果がある。
【0021】
請求項7に記載された発明は、前記機器利用可否判定手順により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、予め設定された数の画像処理を待機状態からアクティブ状態に遷移させる規定数遷移型処理状態判定手順を有することを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、アクティブ状態の画像処理数によっては、機器が利用可能になった時点で、次に実行する画像処理が既にアクティブ状態となる。そのため、状態遷移の処理時間を要しないため、画像処理の実行開始が遅れないといった効果がある。
【0023】
請求項8に記載された発明は、前記機器利用可否判定手順により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、前記記憶リソースの搭載量と前記記憶リソースの空き容量とに基づいて画像処理を待機状態からアクティブ状態に遷移させる搭載量追従型ジョブ状態判定手順を有することを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、記憶リソースの搭載量における現在の空き容量の割合によっては、機器が利用可能になった時点で、次に実行する画像処理が既にアクティブ状態となる。そのため、状態遷移の処理時間を要しないため、画像処理の実行開始が遅れないといった効果がある。
【0025】
請求項9に記載された発明は、請求項5乃至8の何れか1項に記載の画像処理方法を実行させるようにコンピュータを動作させることを特徴とする画像処理プログラムである。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、機器リソースが利用可能でない画像処理はアクティブ状態ではなく待機状態にあるので、その分メモリ使用量を減らせることができる。また、プログラムを機器にインストールすることにより、本発明における画像処理を容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、デバイスを排他的に利用するジョブの実施において、メモリリソースの利用効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態における画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本実施形態における画像処理装置の機能構成例を示す図である。
【図3】本実施形態におけるジョブ状態の定義内容を説明するための図である。
【図4】本実施形態におけるジョブ状態の第1の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態におけるジョブ状態の第2の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態におけるジョブ状態の第3の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態におけるジョブ状態の第4の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態におけるジョブ状態管理方式の選択画面の第1実施例を示す図である。
【図9】本実施形態におけるジョブ状態管理方式の選択画面の第2実施例を示す図である。
【図10】本実施形態におけるジョブ状態管理方式の選択画面の第3実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<本発明について>
本発明は、例えばMFP等の画像処理装置におけるジョブ(印刷、コピー、スキャナ、FAX等の各種画像処理)が使用する機器リソース(デバイスリソース)の状態(動作中か、未使用か、等)から、ジョブを管理するために必要なメモリリソースを消費するかどうかを判断してメモリリソースを使用することで、デバイスを排他的に利用するジョブの実施におけるメモリリソースの利用効率を高める。
【0030】
以下に、本発明における画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0031】
<画像処理装置のハードウェア構成について>
まず、本実施形態における画像処理装置のハードウェア構成について、図を用いて説明する。図1は、本実施形態における画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図1に示す画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、NVRAM14と、パネル制御部15と、操作パネル16と、スキャナエンジン制御部17と、スキャナエンジン18と、プロッタエンジン制御部19と、プロッタエンジン20と、外部インターフェース(以下「インターフェース」を「I/F」と略称する)21と、モデム22と、ディスクドライバ23と、記憶媒体24と、通信制御部25とを有するように構成されている。
【0032】
なお、図1に示すハードウェア構成において、CPU11、RAM12、ROM13、NVRAM14、パネル制御部15、スキャナエンジン制御部17、プロッタエンジン制御部19、外部インターフェース(I/F)21、モデム22、ディスクドライバ23、及び、通信制御部25は、データバス26を通じてデータや制御信号等の送受信を行う。
【0033】
CPU11は、画像処理装置10における各構成機器の全体を制御するものである。具体的には、CPU11は、データバス26により接続されたRAM12、ROM13、NVRAM14、パネル制御部15、スキャナエンジン制御部17、プロッタエンジン制御部19、外部インターフェース(I/F)21、モデム22、ディスクドライバ23、及び、通信制御部25に対して、本実施形態における各処理を制御する。
【0034】
また、RAM12は、データ等の一時的な記憶場所(一次記憶、二次記憶等)として利用されるものである。具体的には、CPU11が本実施形態における各種データ処理を行う際のワークメモリ、アプリケーションプログラムを記憶するアプリメモリ、ファームウェアを記憶するファームメモリ等として使用する。また、ROM13は、例えば本実施形態により実行されるプログラムやフォント、及びその他の静的なデータが格納される。更に、NVRAM14は、不揮発性のデータを格納しておく。
【0035】
なお、RAM12、ROM13、及びNVRAM14に記憶されている各種データは、必要に応じてCPU11等により適宜読み出され、また削除や変更により更新されたデータ等が書き込むことができる。
【0036】
パネル制御部15及び操作パネル16は、ユーザとのインターフェースとなる。具体的には、パネル制御部15は、ユーザに所定の入力を行わせるための操作画面を操作パネル16上に表示させる。また、操作パネル16は、例えばタッチパネル等のように表示と入力の2つの機能を有し、ユーザに所定の入力(例えば、印刷やスキャナ等のジョブ指示)を行わせる。更に、パネル制御部15は、ユーザにより操作パネル16から入力された指示内容を取得し、その指示内容に合わせて操作パネル16に表示させる内容を変更したり、入力されたジョブ指示内容を、その内容に対応する他の構成機器(例えば、スキャナエンジン制御部17やプロッタエンジン制御部19等)に出力する。
【0037】
スキャナエンジン制御部17とスキャンエンジン18は、イメージデータの入力ユニットとして、スキャニング対象の媒体(例えば、紙原稿、写真)等の読み取りを行う。具体的には、スキャナエンジン制御部17は、操作パネル16等からユーザにより入力されたジョブの内容に従ってスキャナエンジン18を動作させ、予め所定位置にセットされている紙原稿等の内容のイメージデータを生成させる。また、スキャナエンジン制御部17は、生成されたイメージデータを取得すると、スキャナエンジン18を停止させると共に、そのイメージデータを予め設定された他の構成機器に出力する。
【0038】
プロッタエンジン制御部19とプロッタエンジン20は、イメージデータの出力ユニットとして、転写紙等の所定の出力媒体への印刷を行う。具体的には、プロッタエンジン制御部19は、操作パネル16等からユーザにより入力されたジョブの内容に従ってプロッタエンジン20を動作させ、指示されたイメージデータの内容を転写紙等に印刷する。
【0039】
外部I/F21は、通信手段であり、セントロニクスやUSB,IEEE1394,又はRS−232C等のインターフェースを用いて外部記憶媒体やPC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器とのインターフェースを行うことができる。
【0040】
モデム22は、通信手段であり、例えば公衆回線と接続され、図示しないモデムを有する外部機器との通信を行うことができる。
【0041】
ディスクドライバ23と記憶媒体24は、大量のイメージデータや本実施形態を実現するための各種データを蓄積するための場所であり、例えばデータベース等の記憶場所として利用される。
【0042】
具体的には、ディスクドライバ23は、記憶媒体24に対するデータの読み書きを制御するものであり、大量のイメージデータを書き込んで蓄積し、必要に応じて読み出すことができる。また、本実施形態では、記憶装置24をOS(オペレーティングシステム),アプリケーション,ファームウェア,及びデータベース等の記憶場所として利用することもできる。
【0043】
なお、記憶媒体24としては、例えば、CD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、HDD(Hard Disc Driver)、フラッシュメモリ、RAM、ROM、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリ等を用いることができる。
【0044】
通信制御部25は、イーサネット(登録商標)や無線LAN等のネットワーク27に接続され、PC等の外部機器との通信を行うことができる。また、データバス26は、各種デバイス間およびCPU11とデバイス間との通信を行うことができる。
【0045】
<画像処理装置の機能構成について>
次に、本実施形態における画像処理装置10の機能構成について、図を用いて説明する。図2は、本実施形態における画像処理装置の機能構成例を示す図である。図2に示す画像処理装置10は、入力インターフェース31と、ジョブ状態管理手段(処理状態管理手段)32と、ジョブ状態判定手段33と、メモリリソース(記憶リソース)34と、デバイス利用可否判定手段(機器利用可否判定手段)35と、デバイスリソース36とを有するよう構成されている。
【0046】
なお、ジョブ状態管理手段32は、ジョブ状態管理方式選択手段41と、動作パラメータ設定手段42と、ジョブ状態遷移手段(処理状態遷移手段)43と、デバイス毎ジョブ状態管理方式選択手段44とを有するよう構成されている。また、ジョブ状態判定手段33は、メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51と、規定数遷移型ジョブ状態判定手段52と、メモリ搭載量追従型ジョブ状態判定手段53とを有するよう構成されている。
【0047】
本実施形態において、入力インターフェース31は、ユーザからジョブ投入動作及び設定動作を受け付けるインターフェースを備えている。
【0048】
ジョブ状態管理手段32は、入力インターフェース31を介してユーザからのジョブを受け付ける。また、ジョブ状態管理手段32は、デバイス利用可否判定手段35に対してデバイスの利用可否の判定を依頼し、その結果に応じて、例えばジョブ状態遷移手段43に対してジョブ状態の遷移(例えば、「待機ジョブ」→「アクティブジョブ」、又は「アクティブジョブ」→「待機ジョブ」等)を依頼する等の各処理によるジョブ状態の管理を行う。
【0049】
なお、上述したデバイスの利用可否の判定手法については、例えば、プロッタ等のデバイスに対して競合するジョブが同時に実行されることにより利用不可になることがあるため、その状況の有無を判断してデバイスの利用可否を判定する方法等があるが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば図1に示すようなハードウェア構成における各デバイスについても同様に利用可否の判定を行うことができる。
【0050】
ここで、上述したジョブ状態管理手段32における処理を更に具体的に説明する。ジョブ状態管理方式選択手段41は、入力インターフェース31を介して入力されるユーザからのジョブ状態の管理方式の選択結果として、予め設定された複数のジョブ状態判定手段(図2の例では、メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51、規定数遷移型ジョブ状態判定手段52、メモリ搭載量追従型ジョブ状態管理手段53)における各管理方式のうち、少なくとも1つが選択される。
【0051】
動作パラメータ設定手段42は、入力インターフェース31を介して入力されるユーザからの入力情報に基づいて、ジョブ状態管理手段32における各種動作パラメータを設定する。ここで、動作パラメータ設定手段42は、ジョブ状態判定手段33やデバイス毎ジョブ状態管理方式選択手段44等を動作させるための動作パラメータを設定する。
【0052】
ジョブ状態遷移手段43は、ジョブ状態管理方式選択手段41において選択されたメモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51、及びメモリ搭載量追従型ジョブ状態管理手段53のうち、少なくとも1つから得られる判定結果により、ジョブが利用するデバイスが利用可能である場合には、メモリリソース34に対してジョブを展開し、その後のジョブの状態を「待機ジョブ」から「アクティブジョブ」に遷移させる。更に、ジョブ状態遷移手段43は、上述の判定結果により、ジョブが利用するデバイスが利用可能でない場合には、ジョブ状態遷移手段43がジョブ状態を待機状態にする。なお、ジョブ状態の定義については後述する。
【0053】
デバイス毎ジョブ状態管理方式選択手段44は、入力インターフェース31を介して入力される予め設定されたデバイス毎のジョブ状態管理方式の選択を受け付ける。なお、デバイス毎ジョブ状態管理方式選択手段44は、デバイスリソース36からデバイスの種類を取得し、その取得したデバイスに対するジョブ状態管理方式の選択を受け付けることができる。
【0054】
ジョブ状態判定手段33は、メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51、規定数遷移型ジョブ状態判定手段52、及びメモリ搭載量追従型ジョブ状態判定手段53におけるそれぞれの処理により、メモリリソース34からメモリ空き容量、ジョブの状態、メモリ搭載量を取得する。なお、ジョブ状態判定手段33は、ジョブ状態管理方式選択手段41において選択された内容及び動作パラメータ設定手段42により設定された動作パラメータに基づいて、メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51、規定数遷移型ジョブ状態判定手段52、及びメモリ搭載量追従型ジョブ状態管理手段53における処理を行う。
【0055】
デバイス利用可否判定手段35は、ジョブ状態管理手段32からの依頼によりデバイスリソース36の各利用可否判定を行い、その判定結果をジョブ状態管理手段32に出力する。
【0056】
メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51は、ジョブ状態管理手段32からのジョブ状態の遷移の可否の問い合わせに対してメモリリソース34からメモリの残量を取得する。これにより、ジョブ状態遷移手段43は、メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51によって取得されたメモリ残量が、例えば画像処理装置10におけるメモリリソース34の全容量(メモリ搭載量)やジョブの内容、処理性能等から予め設定された規定容量以上であるか否かを判断し、メモリ残量が規定容量以上である場合にジョブ状態をアクティブに遷移する。また、ジョブ状態遷移手段43は、メモリ残量が規定容量以上でない場合にジョブ状態を待機状態にする。
【0057】
規定数遷移型ジョブ状態判定手段52は、ジョブ状態管理手段32からのジョブ状態の遷移の可否の問い合わせに対してメモリリソース34からアクティブジョブの数を取得する。これにより、ジョブ状態遷移手段43は、規定数遷移型ジョブ状態判定手段52によって取得されたアクティブジョブの残数が、例えば画像処理装置10におけるメモリリソース34の全容量(メモリ搭載量)やジョブの内容、処理性能等から予め設定された規定数以下であるか否かを判断し、アクティブジョブの残数が規定数以下である場合にジョブ状態をアクティブに遷移する。また、ジョブ状態遷移手段43は、アクティブジョブの残数が規定数以下でない場合にジョブ状態を待機状態にする。
【0058】
メモリ搭載量追従型ジョブ状態管理手段53は、ジョブ状態管理手段32からのジョブ状態の遷移の可否を問い合わせに対して、メモリリソース34からメモリ搭載量とメモリ残量を取得する。これにより、ジョブ状態遷移手段43は、メモリ搭載量追従型ジョブ状態判定手段53によって取得されたメモリ残量が、例えばメモリ搭載量の規定割合以上であるか否かを判断し、メモリ残量がメモリ搭載量の規定割合以上である場合にジョブ状態をアクティブに遷移する。また、ジョブ状態遷移手段43は、メモリ残量がメモリ搭載量の規定割合以上でない場合にジョブ状態を待機状態にする。
【0059】
<ジョブ状態の定義について>
次に、本実施形態におけるジョブ状態の定義内容について、図を用いて説明する。図3は、本実施形態におけるジョブ状態の定義内容を説明するための図である。
【0060】
本実施形態のジョブ状態には、待機ジョブ(待機状態のジョブ)とアクティブジョブ(アクティブ状態のジョブ)が存在する。待機ジョブとは、例えばメモリリソース34に割り当てられた二次記憶領域に保存されたジョブプログラムのことである。一方、待機ジョブは、例えばジョブ実行時にメモリリソース34に割り当てられた一次記憶領域に展開され、アクティブジョブとなる。なお、ジョブは、画像処理装置10が有する出力デバイス毎に1又は複数存在する。
【0061】
図3の例では、二次記憶に保存され待機ジョブの状態であった送信ジョブプログラムと印刷ジョブプログラムがジョブの実行時に1又は複数の送信ジョブ、印刷ジョブとして一次記憶に展開され、アクティブジョブとなっている。
【0062】
<ジョブ状態の第1の管理処理手順>
次に、本実施形態におけるジョブ状態の第1の管理処理手順について、フローチャートを用いて説明する。図4は、本実施形態におけるジョブ状態の第1の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0063】
図4に示すフローチャートにおいて、ジョブ状態管理手段32は、入力インターフェース31から1又は複数のジョブの実行を受け付ける(S01)。
ジョブ状態管理手段32は、デバイス利用可否判定手段35に対してデバイス利用可否判定を依頼する(S02)。デバイス利用可否判定手段35は、デバイスリソース36からジョブが利用するデバイスの情報を取得し、利用可否を判定する(S03)。
【0064】
ここで、デバイスの利用可否状態によって、ジョブ状態遷移手段43がジョブ状態を遷移する。つまり、処理対象のジョブが利用するデバイスが利用可能であるか否かを判断し(S04)、利用可能である場合(S04において、YES)、ジョブ状態管理手段32は、S01の処理により受け付けたジョブ或いは待機状態にあるジョブの状態をアクティブにし(S05)、アクティブになったジョブが終了したら(S06)、メモリリソース34から他のジョブの状態を取得する(S07)。
【0065】
なお、ジョブ状態管理手段32は、上述のS04の処理において、ジョブが利用するデバイスが利用可能でなかった場合(S04において、NO)、S01の処理により受け付けたジョブの状態を待機状態にする(S08)。なお、S08の処理において、ジョブの状態が既に待機状態である場合は、そのままの状態(待機状態)となる。
【0066】
次に、S07の処理又はS08の処理が終了後、待機ジョブの状態をチェックして待機状態のジョブが存在するか否かを判断し(S09)、待機状態のジョブが存在する場合(S09において、YES)、S02に戻り、再度、デバイス利用可否判断をデバイス利用可否判定手段35に依頼し、それ以降の処理を行う。また、待機状態のジョブが存在しない場合(S09において、NO)、処理を終了する。
【0067】
上述したように、第1の管理処理の実施形態では、ジョブが使用するデバイスリソースが利用可能かどうかを判定するデバイス利用可否判定手段と、待機状態のジョブをアクティブ状態に遷移させるかどうかを判定するジョブ状態管理手段と、ジョブを待機状態からアクティブ状態に遷移させるジョブ状態遷移手段とを有している。これにより、デバイスリソースが利用可能でないジョブはアクティブ状態ではなく待機状態にあるので、その分メモリ使用量を減らせることができる。
【0068】
<ジョブ状態の第2の管理処理手順>
次に、本実施形態におけるジョブ状態の第2の管理処理手順について、フローチャートを用いて説明する。図5は、本実施形態におけるジョブ状態の第2の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートにおいて、S11〜S14の処理は、上述した第1の管理処理手順に示すS01〜S04の処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0069】
図5に示すS14の処理において、デバイスが利用可能である場合(S14において、YES)、又は、後述するS20の処理において、メモリ残量が規定容量以上の場合(S20において、YES)、ジョブ状態管理手段32は、S11の処理により受け付けたジョブ或いは待機状態にあるジョブの状態をアクティブにし(S15)、アクティブになったジョブが終了したら(S16)、メモリリソース34から他のジョブのジョブ状態を取得する(S17)。
【0070】
ここで、上述のS14の処理において、デバイスが利用可能でなかった場合(S14において、NO)、ジョブ状態管理手段32は、メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51にジョブ状態の遷移の可否を問い合わせる(S18)。メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51は、メモリリソース34からメモリの残量を取得する(S19)。
【0071】
次に、メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段51によって取得されたメモリ残量が、例えば画像処理装置10におけるメモリリソース34の全容量(メモリ搭載量)やジョブの内容、処理性能等から予め設定された規定容量以上であるか否かを判断し(S20)、メモリ残量が規定容量以上である場合(S20において、YES)、上述したS15の処理によりジョブ状態をアクティブに遷移して、それ以降の処理を行う。
【0072】
また、S20の処理において、メモリ残量が規定容量以上でない場合(S20において、NO)、S11の処理により受け付けたジョブの状態を待機状態にする(S21)。なお、S21の処理において、ジョブの状態が既に待機状態である場合は、そのままの状態(待機状態)となる。
【0073】
次に、S17の処理又はS21の処理が終了後、待機ジョブの状態をチェックして待機ジョブが存在するか否かを判断し(S22)、待機状態のジョブが存在する場合(S22において、YES)、S12に戻り、再度、デバイス利用可否判断をデバイス利用可否判定手段35に依頼し、それ以降の処理を行う。また、待機状態のジョブが存在しない場合(S22において、NO)、処理を終了する。
【0074】
上述したように、第2の管理処理の実施形態では、デバイスが利用可能になってからジョブの状態遷移を行う際に、その処理時間分だけ生じるジョブの実行開始の遅れをなくすため、画像処理装置10においてデバイスが利用不可と判定されても、メモリリソース34の空き容量が一定以上であれば、アクティブ状態への遷移を行うメモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段を有する。これにより、メモリリソース34の空き容量によっては、デバイスが利用可能になった時点で、次に実行するジョブが既にアクティブ状態となり、状態遷移の処理時間を要しないため、ジョブの実行開始が遅れないという効果がある。
【0075】
<ジョブ状態の第3の管理処理手順>
次に、本実施形態におけるジョブ状態の第3の管理処理手順について、フローチャートを用いて説明する。図6は、本実施形態におけるジョブ状態の第3の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートにおいて、S21〜S24の処理は、上述した第1の管理処理手順に示すS01〜S04の処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0076】
図6に示すS34の処理において、デバイスが利用可能である場合(S34において、YES)、又は、後述するS40の処理において、アクティブジョブの残数が規定数以下である場合(S40において、YES)、ジョブ状態管理手段32は、S31の処理により受け付けたジョブ或いは待機状態にあるジョブの状態をアクティブにし(S35)、アクティブになったジョブが終了したら(S36)、メモリリソース34から他のジョブのジョブ状態を取得する(S37)。
【0077】
ここで、上述のS34の処理において、デバイスが利用可能でなかった場合(S34において、NO)、ジョブ状態管理手段32は、規定数遷移型ジョブ状態判定手段52にジョブ状態の遷移の可否を問い合わせる(S38)。規定数遷移型ジョブ状態判定手段52は、メモリリソース34からアクティブジョブの数を取得する(S39)。
【0078】
次に、規定数遷移型ジョブ状態判定手段52によって取得されたアクティブジョブの残数が、例えば画像処理装置10におけるメモリリソース34の全容量(メモリ搭載量)やジョブの内容、処理性能等から予め設定された規定数以下であるか否かを判断し(S40)、アクティブジョブの残数が規定数以下である場合(S40において、YES)、上述したS35の処理によりジョブ状態をアクティブに遷移して、それ以降の処理を行う。
【0079】
また、S40の処理において、アクティブジョブの残数が規定数以下でない(S40において、NO)、S31の処理により受け付けたジョブの状態を待機状態にする(S41)。なお、S41の処理において、ジョブの状態が既に待機状態である場合は、そのままの状態(待機状態)となる。
【0080】
次に、S37の処理又はS41の処理が終了後、待機ジョブの状態をチェックして待機ジョブが存在するか否かを判断し(S42)、待機状態のジョブが存在する場合(S42において、YES)、S32に戻り、再度、デバイス利用可否判断をデバイス利用可否判定手段35に依頼し、それ以降の処理を行う。また、待機状態のジョブが存在しない場合(S42において、NO)、処理を終了する。
【0081】
上述したように、第3の管理処理の実施形態では、デバイスが利用可能になってからジョブの状態遷移を行う際に、その処理時間分だけ生じるジョブの実行開始の遅れをなくすため、画像処理装置10においてデバイスが利用不可と判定されても、規定数のジョブはアクティブ状態へ遷移させる規定数遷移型ジョブ状態判定手段を有する。これにより、デバイスが利用可能になった時点で、次に実行するジョブが既にアクティブ状態となり、状態遷移の処理時間を要しないため、ジョブの実行開始が遅れないという効果がある。
【0082】
<ジョブ状態の第4の管理処理手順>
次に、本実施形態におけるジョブ状態の第4の管理処理手順について、フローチャートを用いて説明する。図7は、本実施形態におけるジョブ状態の第4の管理処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図7に示すフローチャートにおいて、S51〜S54の処理は、上述した第1の管理処理手順に示すS01〜S04の処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0083】
図7に示すS54の処理において、デバイスが利用可能である場合(S54において、YES)、又は、後述するS60の処理において、メモリ残量がメモリ搭載量の規定割合以上である場合(S60において、YES)、ジョブ状態管理手段32は、S51の処理により受け付けたジョブ或いは待機状態にあるジョブの状態をアクティブにし(S55)、アクティブになったジョブが終了したら(S56)、メモリリソース34から他のジョブのジョブ状態を取得する(S57)。
【0084】
ここで、上述のS54の処理において、デバイスが利用可能でなかった場合(S54において、NO)、ジョブ状態管理手段32は、メモリ搭載量追従型ジョブ状態判定手段53にジョブ状態の遷移の可否を問い合わせる(S58)。メモリ搭載量追従型ジョブ状態判定手段53は、メモリリソース34からメモリ搭載量とメモリ残量を取得する(S59)。
【0085】
次に、メモリ搭載量追従型ジョブ状態判定手段53によって取得されたメモリ残量が、例えばメモリ搭載量の規定割合以上であるか否かを判断し(S60)、メモリ残量がメモリ搭載量の規定割合以上である場合(S60において、YES)、上述したS55の処理によりジョブ状態をアクティブに遷移して、それ以降の処理を行う。
【0086】
また、S60の処理において、メモリ残量がメモリ搭載量の規定割合以上でない場合(S60において、NO)、S51の処理により受け付けたジョブの状態を待機状態にする(S61)。なお、S61の処理において、ジョブの状態が既に待機状態である場合は、そのままの状態(待機状態)となる。
【0087】
次に、S57の処理又はS61の処理が終了後、待機ジョブの状態をチェックして待機ジョブが存在するか否かを判断し(S62)、待機状態のジョブが存在する場合(S62において、YES)、S52に戻り、再度、デバイス利用可否判断をデバイス利用可否判定手段35に依頼し、それ以降の処理を行う。また、待機状態のジョブが存在しない場合(S62において、NO)、処理を終了する。
【0088】
上述したように、第4の管理処理の実施形態では、デバイスが利用可能になってからジョブの状態遷移を行う際に、その処理時間分だけ生じるジョブの実行開始の遅れをなくすため、画像処理装置10においてデバイスが利用不可と判定されても、メモリリソース34の搭載量とメモリ残量との関係において、メモリ残量がメモリ搭載量の規定割合以上である場合には、ジョブをアクティブ状態に遷移させるメモリ搭載量追従型ジョブ状態判定手段を有する。これにより、デバイスが利用可能になった時点で、次に実行するジョブが既にアクティブ状態となっており、状態遷移の処理時間を要しないため、ジョブの実行開始が遅れないという効果がある。
【0089】
<本実施形態における画面例>
次に、動作パラメータ設定手段42により本実施形態における各種動作パラメータをユーザに設定させるための画面実施例について、図を用いて説明する。
【0090】
<第1実施例>
図8は、本実施形態におけるジョブ状態管理方式の選択画面の第1実施例を示す図である。図8に示すジョブ状態管理方式選択画面60は、リスト表示領域61と、OKボタン62とが表示されている。
【0091】
ジョブ状態管理方式選択画面60は、リスト表示領域61に表示された予め設定される複数の選択内容のうち動作させたい内容を、入力インターフェース31を用いてユーザに選択させる。
【0092】
図8に示す第1実施例において、ジョブ状態管理方式選択画面60には、「ジョブ状態管理方式を選択してください。」というナビゲーション情報が表示される。また、リスト表示領域61には、本実施形態に対応させて、例えば「メモリの空き容量に従う」、「ジョブ数に従う」、「メモリの搭載量に従う」の3つ選択内容がリスト表示されている。従って、ユーザは、入力インターフェース31により、この中から1つを選択し、OKボタン62により決定することで、その選択内容のジョブ状態管理方式が動作パラメータとして蓄積され、その動作パラメータに基づく処理が実行される。
【0093】
つまり、第1実施例に示すように、複数のジョブ状態管理方式から1つを選択させることにより、画像処理装置10のジョブ状態管理手段32の動作を固定ではなく、ユーザの利用目的に応じた最適なジョブ状態遷移を選択して実行させることができる。
【0094】
<第2実施例>
図9は、本実施形態におけるジョブ状態管理方式の選択画面の第2実施例を示す図である。図9に示すジョブ状態管理方式選択画面70は、デバイス選択領域71と、ジョブ状態管理方式選択領域72と、OKボタン73とが表示されている。
【0095】
また、デバイス選択領域71には、画像処理装置10が有するデバイスの一例として、「プロッタ」、「スキャナ」、「ネットワーク機器」がリスト表示されており、ジョブ状態管理方式選択領域72には、ジョブ状態管理方式の一例として、「メモリの空き容量に従う」、「ジョブ数に従う」、「メモリの搭載量に従う」の3つ選択内容がリスト表示されている。
【0096】
図9に示す第2実施例において、ジョブ状態管理方式選択画面70には、「デバイス毎にジョブ状態管理方式を選択できます。」というナビゲーション情報が表示される。
【0097】
つまり、第2実施例では、最初にデバイス選択領域71により設定したいデバイスを、入力インターフェース31を用いてユーザに選択させ、その後、そのデバイスに対するジョブ状態管理方式をユーザに選択させる。これにより、デバイス毎にジョブ状態管理方式を設定することができる。
【0098】
具体的には、図9(A)に示すジョブ状態管理方式選択画面70Aでは、例えば「スキャナデバイス」を利用するジョブが複数同時に動作した場合に、「メモリの空き容量に従って」、ジョブ状態をアクティブ或いは待機状態にするためのジョブ状態判定を行わせる設定がなされている(デバイス選択領域71A、ジョブ状態管理方式選択領域72A)。
【0099】
また、図9(B)に示すジョブ状態管理方式選択画面70Bでは、例えば「プロッタデバイス」を利用するジョブが複数同時に動作した場合に、「ジョブ数に従って」、ジョブ状態をアクティブ或いは待機状態にするためのジョブ状態判定を行わせる設定がなされている(デバイス選択領域71B、ジョブ状態管理方式選択領域72B)。
【0100】
なお、第2実施例において、デバイス選択領域71に表示されているデバイスの種類はこれに限定されるものではなく、他のデバイスをリスト表示してユーザに選択可能な構成にしてもよい。
【0101】
上記内容を設定後、OKボタン73により決定することで、デバイス毎に設定された内容が各動作パラメータとして蓄積され、その動作パラメータに基づく処理が実行される。
【0102】
つまり、第2実施例では、ジョブの動作に必要なデバイスが複数あった場合に、そのデバイスの動作特性に応じた最適な状態遷移を行うため、画像処理装置において、デバイス毎にジョブ状態管理手段を選ぶことのできるデバイス毎ジョブ状態管理方式選択手段を有しているため、デバイスの動作特性に応じた状態遷移を行うことができる。
【0103】
<第3実施例>
図10は、本実施形態におけるジョブ状態管理方式の選択画面の第3実施例を示す図である。図10に示すジョブ状態管理方式選択画面80は、ジョブ状態管理方式選択領域81と、詳細情報設定領域82と、OKボタン83とが表示されている。なお、詳細情報設定領域82に設けられたユーザ入力領域84に入力される設定内容が、ジョブ状態管理手段32の動作パラメータの一つとなる。
【0104】
ジョブ状態管理方式選択領域81には、ジョブ状態管理方式の一例として、「メモリの空き容量に従う」、「ジョブ数に従う」、「メモリの搭載量に従う」の3つ選択内容がリスト表示されている。
【0105】
図10に示す第3実施例においてジョブ状態管理方式選択画面80には、「ジョブ状態管理に利用する動作パラメータを設定できます。」というナビゲーション情報が表示される。
【0106】
つまり、第3実施例では、最初にジョブ状態管理方式選択領域81により設定したいジョブ状態管理方式を、入力インターフェース31を用いてユーザに選択させ、その後、詳細情報設定領域82に表示される文章に従って、ユーザ入力領域84に所定の値を、入力インターフェース31を用いてユーザに入力させる。なお、詳細情報設定領域82に表示される文章は、ジョブ状態管理方式選択領域81で選択された内容に対応した文章が表示される。
【0107】
具体的には、図10(A)の例では、ジョブ状態管理方式選択画面80Aにおけるジョブ状態管理方式選択領域81Aにおいて、「メモリの空き容量に従う」を選択した場合に、詳細情報設定領域82Aにおいて「どれくらいメモリの空き容量があれば、ジョブをメモリに展開させるか」をユーザに設定させることができる。なお、図10(A)の例では、10MB以上が設定されている。
【0108】
また、図10(B)の例では、ジョブ状態管理方式選択画面80Bにおけるジョブ状態管理方式選択領域81Bにおいて、「ジョブ数に従う」を選択した場合に、詳細情報設定領域82Bにおいて「アクティブジョブ数が幾つ以下の場合に、ジョブをメモリに展開させるか」をユーザに設定させることができる。なお、図10(B)の例では、2つ以下が設定されている。
【0109】
また、図10(C)の例では、ジョブ状態管理方式選択画面80Cにおけるジョブ状態管理方式選択領域81Cにおいて、「メモリの搭載量に従う」を選択した場合に、詳細情報設定領域82Cにおいて「残メモリが搭載メモリの何%以上の場合に、ジョブをメモリに展開させるか」をユーザに設定させることができる。なお、図10(C)の例では、50%以上が設定されている。
【0110】
なお、第3実施例において、ジョブ状態管理方式選択領域81や詳細情報設定領域82に表示されている内容はこれに限定されるものではなく、他のジョブ状態管理方式や詳細情報を表示してユーザに選択可能な構成にしてもよい。
【0111】
上記内容を設定後、OKボタン83により決定することで、ジョブ状態管理方式毎に設定された内容が各動作パラメータとして蓄積され、その動作パラメータに基づく処理が実行される。
【0112】
つまり、第3実施例では、画像処理装置10において、ジョブ状態管理手段32の動作パラメータを設定することができる動作パラメータ設定手段を有する。これにより、利用方法及びデバイスの動作特性に応じた最適な動作パラメータを用いることができる。
【0113】
なお、上述した第1〜第3の各画面の実施例では、OKボタンの他にも、各種のボタン群を必要に応じて表示させることができ、例えば表示された設定内容を一括クリアするためのクリアボタンや、表示された設定内容をキャンセルするキャンセルボタン等を有していてもよい。
【0114】
なお、上述した第1〜第4の管理処理の実施形態及び第1〜第3の各画面の実施例は、本発明においては、適宜複数を組み合わせることができる。
【0115】
<実行プログラム>
ここで、上述した画像処理装置10が有する各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現可能となる。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピィーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0116】
つまり、上述した各構成における処理をコンピュータに実行させるための実行プログラム(画像処理プログラム)を生成し、例えば、汎用のパーソナルコンピュータやサーバ等にそのプログラムをインストールすることにより、上述した本実施形態における各処理を実現することができる。
【0117】
上述したように、本実施形態によれば、デバイスを排他的に利用するジョブの実施において、メモリリソースの利用効率を高めることができる。具体的には、本発明によれば、例えば画像処理装置におけるジョブが使用するデバイスリソースの状態(動作中か、未使用か、等)から、ジョブを管理するために必要なメモリリソースを消費するかどうかを判断してメモリリソースを使用することで、デバイスを排他的に利用するジョブの実施において、メモリリソースの利用効率を高めることができる。
【0118】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0119】
10 画像処理装置
11 CPU(Central Processing Unit)
12 RAM(Random Access Memory)
13 ROM(Read Only Memory)
14 NVRAM
15 パネル制御部
16 操作パネル
17 スキャナエンジン制御部
18 スキャナエンジン
19 プロッタエンジン制御部
20 プロッタエンジン
21 外部インターフェース(I/F)
22 モデム
23 ディスクドライバ
24 記憶媒体
25 通信制御部
31 入力インターフェース
32 ジョブ状態管理手段
33 ジョブ状態判定手段
34 メモリリソース
35 デバイス利用可否判定手段
36 デバイスリソース
41 ジョブ状態管理方式選択手段
42 動作パラメータ設定手段
43 ジョブ状態遷移手段
44 デバイス毎ジョブ状態管理方式選択手段
51 メモリ空き容量追従型ジョブ状態判定手段
52 規定数遷移型ジョブ状態判定手段
53 メモリ搭載量追従型ジョブ状態判定手段
60,70,80 ジョブ状態管理方式選択画面
61 リスト表示領域
62,73,83 OKボタン
71 デバイス選択領域
72,81 ジョブ状態管理方式選択領域
82 詳細情報設定領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2005−238820号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器リソースに対して指示される画像処理の実行状態をハードウェア資源に基づいて管理するための画像処理装置において、
前記画像処理により使用される前記機器リソースが利用可能か否かを判定する機器利用可否判定手段と、
前記ハードウェア資源の記憶リソースに基づいて、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させるか否かを判定する処理状態管理手段と、
前記機器利用可否判定手段により得られる可否判定結果と前記処理状態管理手段により得られる状態判定結果とに基づいて、前記待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる処理状態遷移手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記機器利用可否判定手段により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、前記記憶リソースの空き容量が一定以上であれば、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる空き容量追従型処理状態判定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記機器利用可否判定手段により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、予め設定された数の画像処理を待機状態からアクティブ状態に遷移させる規定数遷移型処理状態判定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記機器利用可否判定手段により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、前記記憶リソースの搭載量と前記記憶リソースの空き容量とに基づいて画像処理を待機状態からアクティブ状態に遷移させる搭載量追従型ジョブ状態判定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
機器リソースに対して指示される画像処理の実行状態をハードウェア資源に基づいて管理するための画像処理方法において、
前記画像処理により使用される前記機器リソースが利用可能か否かを判定する機器利用可否判定手順と、
前記ハードウェア資源の記憶リソースに基づいて、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させるか否かを判定する処理状態管理手順と、
前記機器利用可否判定手順により得られる可否判定結果と前記処理状態管理手順により得られる状態判定結果とに基づいて、前記待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる処理状態遷移手順とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記機器利用可否判定手順により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、前記記憶リソースの空き容量が一定以上であれば、待機状態の画像処理をアクティブ状態に遷移させる空き容量追従型処理状態判定手順を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記機器利用可否判定手順により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、予め設定された数の画像処理を待機状態からアクティブ状態に遷移させる規定数遷移型処理状態判定手順を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記機器利用可否判定手順により前記機器リソースが利用不可と判定された場合に、前記記憶リソースの搭載量と前記記憶リソースの空き容量とに基づいて画像処理を待機状態からアクティブ状態に遷移させる搭載量追従型ジョブ状態判定手順を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れか1項に記載の画像処理方法を実行させるようにコンピュータを動作させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−171836(P2011−171836A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31609(P2010−31609)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】