説明

画像処理装置、画像処理方法及び制御プログラム

【課題】一の文書について出力(印刷、表示等)を行わせる場合に、当該文書に関連する文書に関する情報も取得する。
【解決手段】画像情報と、当該画像情報と他の画像情報との関連性を表す関連情報と、を対応付けて蓄積し、処理対象の画像情報から当該画像情報を識別するための識別情報を抽出し、抽出された識別情報と同一の識別情報を含む画像情報が蓄積されているか否かを判別して、処理対象の画像情報に関連する他の画像情報を検索し、他の画像情報に関する情報を提示する(S22)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー装置等の画像処理装置においては、マーキング印刷機能の一種であるリフレッシュコピー機能が知られている。
【0003】
このリフレッシュコピー機能は、紙文書から手書きメモを消去した元の文書を得るために、紙文書印刷時に、元文書となるHDD(ハードディスク装置)等の記憶装置に保管されている文書(保管文書)を示すマーキング情報(例えば、バーコード)を埋め込む機能と、マーキング情報が埋め込まれた紙原稿の画像情報(紙文書)を読み取り、マーキング情報に示された記憶装置内の元文書を印刷する機能と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような構成を採ることにより、これにより、読み取った紙原稿に手書きメモが書かれていたとしても、手書きメモの無い元の文書を印刷しなおすことが可能となっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同時に当該印刷しなおした文書に関連する文書が存在し、同様にHDD等の記憶装置に保管されていたとしても、例えば、当該関連する文書の紙原稿が存在しない場合には、リフレッシュ機能を用いて印刷しなおすことはできず、例えば、パーソナルコンピュータ保存されている同じ作成者の文書や同じ日時に作成された文書を手作業等で探す必要があり、作業が煩雑であるという不具合が生じる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、一の文書について出力(印刷、表示等)を行わせる場合に、当該文書に関連する文書に関する情報も取得でき、ひいては、当該関連する文書についても出力(印刷、表示等)させることが可能な画像処理装置、画像処理方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像情報と、当該画像情報を識別するための識別情報と、前記画像情報と他の画像情報との関連性を表す関連情報と、を対応付けて前記画像情報及び前記関連情報を蓄積可能な画像情報蓄積手段と、処理対象の画像情報から当該画像情報を識別するための識別情報を抽出する識別情報抽出手段と、前記識別情報抽出手段により抽出された識別情報と同一の識別情報を含む画像情報が前記画像情報蓄積手段に記憶されているか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により同一の識別情報を含む画像情報が記憶されていると判別された場合に、当該同一の識別情報を含む画像情報に対応付けられた前記関連情報に基づいて前記処理対象の画像情報に関連する他の画像情報を検索する検索手段と、前記検索手段の検索結果に基づいて、前記他の画像情報に関する情報を提示する提示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、画像情報と、当該画像情報を識別するための識別情報と、前記画像情報と他の画像情報との関連性を表す関連情報と、を対応付けて前記画像情報及び前記関連情報を蓄積可能な画像情報蓄積手段を備えた画像処理装置で実行させる画像処理方法であって、処理対象の画像情報から当該画像情報を識別するための識別情報を抽出する過程と、前記抽出された識別情報と同一の識別情報を含む画像情報が前記画像情報蓄積手段に記憶されているか否かを判別する過程と、同一の識別情報を含む画像情報が記憶されていると判別された場合に、当該同一の識別情報を含む画像情報に対応付けられた前記関連情報に基づいて前記処理対象の画像情報に関連する他の画像情報を検索する過程と、前記検索手段の検索結果に基づいて、前記他の画像情報に関する情報を提示する過程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、画像情報と、当該画像情報を識別するための識別情報と、前記画像情報と他の画像情報との関連性を表す関連情報と、を対応付けて前記画像情報及び前記関連情報を蓄積可能な画像情報蓄積手段を備えた画像処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムであって、コンピュータを、処理対象の画像情報から当該画像情報を識別するための識別情報を抽出させる手段と、前記抽出された識別情報と同一の識別情報を含む画像情報が前記画像情報蓄積手段に記憶されているか否かを判別させる手段と、同一の識別情報を含む画像情報が記憶されていると判別された場合に、当該同一の識別情報を含む画像情報に対応付けられた前記関連情報に基づいて前記処理対象の画像情報に関連する他の画像情報を検索させる手段と、前記検索手段の検索結果に基づいて、前記他の画像情報に関する情報を提示させる手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理対象の画像情報から抽出された識別情報と同一の識別情報を含む画像情報が画像情報蓄積手段に記憶されているか否かを判別し、同一の識別情報を含む画像情報が記憶されていると判別された場合に、当該同一の識別情報を含む画像情報に対応付けられた関連情報に基づいて処理対象の画像情報に関連する他の画像情報を検索させ、他の画像情報に関する情報を提示させるので、処理対象の画像情報に関連するとともに、画像情報蓄積手段に記憶されている他の画像情報に関する情報も得ることができる。従って、例えば、処理対象の画像情報に対応する文書について印刷を行わせる場合に、当該文書に関連する文書も印刷させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態の複合機の機能構成ブロック図である。
【図3】図3は、付加情報画像の一例を説明する図である。
【図4】図4は、実施形態の処理フローチャートである。
【図5】図5は、関連画像情報データベースの構成例の説明図である。
【図6】図6は、蓄積画像情報リストの表示例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照して、本発明の画像処理装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
複合機100は、図1に示すように、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成を採っている。
【0013】
コントローラ10は、複合機100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御する。
エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0014】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM12aと、RAM12bと、をさらに有する。
【0015】
CPU11は、複合機100の全体制御を行うものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0016】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGPバス15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0017】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0018】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0019】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットと、を備えている。
【0020】
また、このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE802.3及びその拡張規格に則ってネットワーク接続がなされるイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0021】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0022】
AGPバス15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0023】
図2は、実施形態の複合機の機能構成ブロック図である。
複合機100のCPU11は、コピー対象の原稿から画像を読み取り画像情報データとし、あるいは、画像情報データが直接入力される画像入力手段101の機能を有している。
続いて、複合機100のCPU11は、付加情報画像抽出手段102として機能し、入力された画像情報データに対応する画像から付加情報画像を抽出する。
【0024】
ここで、付加情報画像としては、JANコード、CODE128等の規格で表される一次元バーコード、QRコード(登録商標)等の2次元バーコード、英字、数字、漢字等の文字の組み合わせからなる文字列コード、特定の文様、マーク等が考えられる。この場合において、付加情報画像の配置は、元の原稿あるいは画像情報に影響を与えない(あるいは与える影響が少ない)位置であれば、任意に設定が可能である。例えば、画像枠を形成し、枠線の一部に地紋を構成したり、画像の周縁部にバーコード、ID番号、識別コード等を配置したりすることが可能である。
【0025】
図3は、付加情報画像の一例を説明する図である。
図3(a)は、付加情報画像として、2次元バーコードBC1を画像情報データに対応する画像G1に組み込んだ場合の例である。
また、図3(b)は、付加情報画像として、1次元バーコードBC2を画像情報データに対応する画像G2に組み込んだ場合の例である。
以上の説明は、一つの画像に一つの付加情報画像を組み込んだ場合のものであったが、複数の画像情報データをツリー状に関連づけたりする場合等には、複数の付加情報画像を組み合わせて組み込んだりするように構成することも可能である。
【0026】
さらに複合機100のCPU11は、抽出した付加情報画像に基づいて、読み取った原稿あるいは入力された画像情報データに対応する紙媒体識別情報を取得する紙媒体識別情報取得手段103として機能する。
続いて、複合機100のCPU11は、紙媒体識別情報比較手段104として機能し、紙媒体識別情報取得手段103として入力された画像情報データから取得した紙媒体識別情報と同一の紙媒体識別情報を有する画像情報データがHDD18内に蓄積されている画像情報データに含まれているか否かを判別する。
【0027】
紙媒体識別情報比較手段104としての判別結果に基づいて、入力された画像情報データから取得した紙媒体識別情報と同一の紙媒体識別情報を有する画像情報データがHDD18内に蓄積されている場合には、複合機100のCPU11は、関連蓄積画像取得手段105として機能し、入力された画像情報データから取得した紙媒体識別情報と同一の紙媒体識別情報を有する画像情報データを全て抽出して、検索蓄積画像情報表示手段106として機能し、操作表示部20の表示画面に表示して、ユーザに関連画像情報データとして出力対象の画像情報データの選択を促すこととなる。
【0028】
そして、ユーザに関連画像情報データとして出力対象の画像情報データの選択を促した場合においては、複合機100のCPU11は、操作表示部20と共働して、蓄積画像選択手段107として機能し、ユーザにより操作表示部20を介して、画像情報データの選択がなされた場合には、蓄積画像取得手段108として機能して、HDD18から蓄積した画像情報データを取得する。
【0029】
そして、複合機100のCPU11は、エンジン部60と共働して、画像出力手段109として機能し、ユーザにより選択された画像情報データを印刷物あるいは出力用の画像情報データとして出力する。
【0030】
一方、紙媒体識別情報比較手段104としての判別結果に基づいて、入力された画像情報データから取得した紙媒体識別情報と同一の紙媒体識別情報を有する画像情報データがHDD18内に蓄積されていない場合には、新たに読み込まれた原稿あるいは入力された画像情報データであるので、複合機100のCPU11は、紙媒体識別情報記録手段110として機能し、入力された画像情報データに対応する画像に組み込むべき紙媒体識別情報を生成する。
【0031】
これにより複合機100のCPU11は、画像蓄積手段111として機能し、紙媒体識別情報と、入力された画像情報データと、を対応付けてHDD18に蓄積する。
その後、複合機100のCPU11は、蓄積画像取得手段108として機能し、HDD18に蓄積された画像情報データを取得する。
【0032】
画像情報データの取得と並行して、複合機100のCPU11は、付加情報画像配置手段112として機能し、入力された画像情報データに対応する画像に付加情報画像を配置するとともに、エンジン部60と共働して画像出力手段109として機能し、付加情報画像を含む画像を出力する。
この結果、得られた画像出力を再び読み込むことにより、付加情報画像を抽出して、関連画像情報データを検索することが可能となるのである。
【0033】
次に、実施形態のより具体的な動作について説明する。
図4は、実施形態の処理フローチャートである。
まず、複合機100のCPU11は、原稿が所定の読取位置にセットされ、あるいは、イーサネット(登録商標)インタフェース50を介して画像情報(例えば、プリントデータ)が入力される(ステップS11)。
【0034】
これにより、CPU11は、複合機100のエンジン部60を構成するスキャナエンジンあるいはイーサネット(登録商標)インタフェース50等として構成される画像入力手段101として機能し、原稿に対応する画像情報(スキャンデータ)が生成され、あるいは、外部のパーソナルコンピュータ等の機器から直接的に画像情報(プリントデータ)を読み取る(ステップS12)。
【0035】
このとき、複合機100のCPU11は、付加情報画像抽出手段102、紙媒体識別情報取得手段103及び紙媒体識別情報比較手段104として機能し、入力された画像情報データから取得した紙媒体識別情報と同一の紙媒体識別情報を有する画像情報データがHDD18内に蓄積されていない場合には、操作表示部20を介して、ユーザ(オペレータ)に対し、生成した画像情報、あるいは、外部の機器から入力された画像情報を複合機100あるいは外部の機器に記録するか否かを問い合わせる。そして、CPU11は、問い合わせ結果を判別する(ステップS13)。
【0036】
ステップS13の判別において、生成した画像情報、あるいは、外部の機器から入力された画像情報を複合機100あるいは外部の機器に記録して蓄積する場合には(ステップS13;Yes)、所定の蓄積画像の記録フォーマットで、画像情報を記録するとともに(ステップS14)、画像情報をユニークに特定することが可能な紙媒体識別情報(ID)を生成し、記録対象の画像情報データに対応付けるために付与する(ステップS15)。
【0037】
そして、紙媒体識別情報を蓄積対象の画像情報の付加情報画像として、当該蓄積対象の画像情報に配置する(ステップS16)。より具体的には、紙媒体識別情報を付加情報画像(バーコードなど)とし、画像情報に組み込む。
そして、複合機100のCPU11は、媒体識別情報に対応づけて、HDD18上に構築された関連画像情報データベースにデータを登録する。
【0038】
図5は、関連画像情報データベースの構成例の説明図である。
関連画像情報データベース120は、例えば、紙媒体識別情報(ID)データ121に対応づけて、画像情報のタイトル名を格納したタイトル名データ122、画像情報のHDD18上の格納領域(フォルダ)を表すフォルダ名データ123、画像情報を登録したユーザを特定するためのユーザIDデータ124、画像情報の作成日時を格納した作成日時データ125、画像情報を作成した作成機器を特定するための作成機器データ126、当該画像情報が蓄積されている機器が接続されているネットワークを特定するためのネットワーク特定データ127、当該画像情報を特定するためのキーワードを格納したキーワードデータ128、当該画像情報に関連することが既に判明している場合において、既関連文書を特定するための既関連文書情報データ129等が格納されている。
ここで、紙媒体識別情報(ID)データ121は、画像情報データに対応する画像と、も対応づけられており、画像情報データの検索に際しては、紙媒体識別情報(ID)データ121を付加情報画像から抽出した紙媒体識別情報(ID)に基づいて、画像が対応づけられることとなる。
【0039】
この場合において、タイトル名データ122については、ユーザが任意に入力する。
また、キーワードデータ128については、OCR機能により自動で画像情報データから読み込んだり、ユーザが任意で入力させたりするように構成することが可能である。
そして、複合機100のCPU11は、画像蓄積手段111として機能し、媒体識別情報の組み込み後の画像情報を所定の蓄積画像の記録フォーマットで紙媒体識別情報(ID)データ121に対応づけてHDD18に記録する。
【0040】
続いて、複合機100のCPU11は、付加情報画像配置手段112及び画像出力手段109として機能し、付加情報画像を含む(複写)原稿の印刷出力あるいは付加情報画像を含む画像に対応する画像情報データを出力して処理を終了する(ステップS17)。
【0041】
一方、ステップS13の判別において、生成した画像情報、あるいは、外部の機器から入力された画像情報を複合機100あるいは外部の機器に記録して蓄積しない場合には(ステップS13;No)、既に複合機100あるいは外部の機器に記録して蓄積された画像情報である可能性があるので、CPU11は、生成した画像情報あるいは入力された画像情報に含まれている付加情報画像を抽出する処理を行う(ステップS18)。
【0042】
これにより、CPU11は、生成した画像情報あるいは入力された画像情報に付加情報画像が含まれている場合には、媒体識別情報を取得することとなる(ステップS19)。
そして、CPU11は、媒体識別情報を取得できた場合には、取得した媒体識別情報と同一の媒体識別情報がHDD18上に形成されたデータベース内に存在するか否かを調べることとなる。
【0043】
そして、取得した媒体識別情報と同一の媒体識別情報がHDD18上に形成されたデータベース内に存在する場合には、対応する画像情報を取得し(ステップS21)、当該蓄積されていた画像情報(蓄積画像)を出力する(ステップS25)。具体的には、エンジン部60を構成するプリントエンジンを駆動して、印刷出力を行う。あるいは、ディスプレイなどの表示機器を有する場合には、画面に表示する。
【0044】
続いてCPU11は、関連蓄積画像取得手段105として機能し、媒体識別情報を参照して、関連画像情報データベース120を参照し、取得した媒体識別情報と同一の媒体識別情報を有する画像情報に関連する蓄積された画像情報を取得する(ステップS22)。
【0045】
具体的には、関連画像情報データベースを参照し、取得した媒体識別情報と同一の媒体識別情報を有する画像情報に関連する蓄積された画像情報を検索する(ステップS22A)。この場合における検索方法としては、タイトル名データ122、フォルダ名データ123、ユーザIDデータ124、作成日時データ125、作成機器データ126、ネットワーク特定データ127、キーワードデータ128、既関連文書情報データ129に格納されている内容に基づいて、例えば、同一ユーザに印刷された画像情報データ、同一機器で印刷された画像情報データなどといった条件のもとに検索を行う。あるいは、フォルダ名データ123に基づいて検索を行う場合には、同一フォルダばかりでなく、当該フォルダ名データ123に対応するフォルダ名を有するフォルダの上位階層のフォルダあるいは下位階層のフォルダも含めて検索を行うように構成することも可能である。また、作成日時データ125に基づいて検索を行う場合には、作成日時データ125に対応する作成日時と同一時間帯に作成された画像情報データ、作成時刻に対応する所定時間帯内に作成された画像情報データの検索を行うように構成することも可能である。
【0046】
続いてCPU11は、検索蓄積画像情報表示手段106として機能し、検索結果として得られる取得した媒体識別情報と同一の媒体識別情報を有する画像情報に関連する蓄積された画像情報のリストを表示する(ステップS22B)。
【0047】
図6は、蓄積画像情報リストの表示例の説明図である。
操作表示部20は、タッチパネル液晶ディスプレイなどの表示操作装置21の周囲に、動作モード選択ボタン群22及び操作ボタン群23が配置されており、表示操作装置21の表示画面には、入力された画像情報データに対応する元文書情報表示領域21Aと、元文書情報表示領域21Aに表示されている元文書に関連する文書(関連文書)の画像情報データに関する情報が表示される関連文書表示領域21Bと、が表示されている。
【0048】
さらに関連文書表示領域21B内には、当該関連文書の詳細、具体的には、タイトル名データ122、フォルダ名データ123、ユーザIDデータ124、作成日時データ125、作成機器データ126、ネットワーク特定データ127、キーワードデータ128、既関連文書情報データ129に格納されている内容を表示させるための詳細表示ボタン24と、当該関連文書を出力対象(印刷対象あるいはデータ出力対象)として選択するための選択ボタン25と、が配置されている。
【0049】
この結果、ユーザは、関連文書の詳細内容を把握して、出力対象とするか否かを判別したり、出力対象として選択したりすることができることとなる。
したがって、ユーザが、操作表示部20を介して出力(印刷)したり画像情報を選択したりすると(ステップS23)、CPU11は、蓄積画像選択手段107及び蓄積画像取得手段108として機能し、ステップS23において、ユーザにより選択された画像情報を取得する(ステップS24)。
【0050】
対応する画像情報を取得すると、CPU11は、エンジン部60と共働し、画像出力手段109として機能して、エンジン部60を構成するプリントエンジンを制御して、当該蓄積されていた画像情報(蓄積画像)を出力する(ステップS25)。
これらの結果、一の文書(原稿あるいは画像情報データ)について印刷等の出力を行わせる場合に、当該文書に関連する文書も容易に検索して出力(印刷)させることが可能となり、関連する一連の文書検索のためのユーザの手間を大幅に軽減することができる。
したがって、リフレッシュコピー機能を利用する際に、元の文書ばかりでなく、当該元の文書に関連する文書についてもリフレッシュコピー機能を用いて容易に取得することが可能となる。
【0051】
以上の説明においては、関連文書のリストを文字リストで表示していたが、関連文書の画像をサムネイルで表示したり、当該サムネイルを選択した場合には、元の文書として認識できるように元の文書の一部の拡大表示を行ったりするように構成することも可能である。
また、以上の説明においては、主として画像出力として印刷を行う場合について説明したが、表示装置の表示画面に表示出力するように構成したり、メモリカードなどへのデータ出力を行うように構成することも可能である。
【0052】
本実施の形態の画像処理装置は、上述したように、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
したがって、本実施形態の画像処理装置で実行される〜プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0053】
また、本実施形態の画像処理装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の画像処理装置で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0054】
本実施の形態の画像処理装置で実行される制御プログラムは、上述した各手段(付加情報画像抽出手段102、紙媒体識別情報取得手段103、紙媒体識別情報比較手段104、関連蓄積画像取得手段105、検索蓄積画像情報表示手段106、蓄積画像選択手段107、蓄積画像取得手段108、紙媒体識別情報記録手段110、画像蓄積手段111、付加情報画像配置手段112)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされて各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0055】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像処理装置を複合機に適用した例を挙げて説明したが、複写機、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 コントローラ
11 CPU
18 HDD(画像蓄積手段)
20 操作表示部
21 表示操作装置
21A 元文書情報表示領域
21B 関連文書表示領域
22 動作モード選択ボタン群
23 操作ボタン群
23 選択ボタン
50 インターフェース
50 イーサネット(登録商標)インタフェース
60 エンジン部
100 複合機
101 画像入力手段
102 付加情報画像抽出手段
103 紙媒体識別情報取得手段
104 紙媒体識別情報比較手段
105 関連蓄積画像取得手段
106 検索蓄積画像情報表示手段
107 蓄積画像選択手段
108 蓄積画像取得手段
109 画像出力手段
110 紙媒体識別情報記録手段
111 画像蓄積手段
112 付加情報画像配置手段
120 関連画像情報データベース(関連情報)
121 紙媒体識別情報(ID)データ(識別情報)
122 タイトル名データ(関連情報)
123 フォルダ名データ(関連情報)
124 ユーザIDデータ(関連情報)
125 作成日時データ(関連情報)
126 作成機器データ(関連情報)
127 ネットワーク特定データ(関連情報)
128 キーワードデータ(関連情報)
129 既関連文書情報データ(関連情報)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2008−198058号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報と、当該画像情報を識別するための識別情報と、当該画像情報と他の画像情報との関連性を表す関連情報と、を対応付けて前記画像情報及び前記関連情報を蓄積可能な画像情報蓄積手段と、
処理対象の画像情報から当該画像情報を識別するための識別情報を抽出する識別情報抽出手段と、
前記識別情報抽出手段により抽出された識別情報と同一の識別情報を含む画像情報が前記画像情報蓄積手段に蓄積されているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により同一の識別情報を含む画像情報が記憶されていると判別された場合に、当該同一の識別情報を含む画像情報に対応付けられた前記関連情報に基づいて前記処理対象の画像情報に関連する他の画像情報を検索する検索手段と、
前記検索手段の検索結果に基づいて、前記他の画像情報に関する情報を提示する提示手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像情報蓄積手段は、前記画像情報を、前記識別情報に対応する付加情報画像を含む画像として蓄積可能とされている、
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像情報を入力する画像入力手段と、
前記判別手段により同一の付加情報画像を含む画像情報が記憶されていないと判別された場合に、入力された画像情報に対応する画像に付加情報画像を付加するとともに、関連情報を対応付けて前記入力された画像情報を前記画像情報蓄積手段に蓄積させる画像蓄積制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記提示手段により提示された前記他の画像情報に関する情報に基づいて、前記他の画像情報をユーザに選択させる選択入力手段と、
前記ユーザにより選択された他の画像情報に対応する画像を出力する画像出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像出力手段は、前記選択された他の画像情報に対応する画像を印刷あるいは表示する、ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記付加情報画像は、1次元バーコード、2次元バーコードあるいは地紋として構成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記付加情報画像として、前記識別情報の値を表す画像を用いることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記関連情報は、ユーザに関連する情報であるユーザ情報、画像情報の蓄積日時に関連する情報である画像蓄積日時情報、画像情報蓄積に用いた画像蓄積機器に関連する情報である蓄積機器情報、画像情報が蓄積されているネットワークを識別する情報であるネットワーク識別情報、画像情報を蓄積した領域に関する情報である画像蓄積領域情報のうち、少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像情報と、当該画像情報を識別するための識別情報と、前記画像情報と他の画像情報との関連性を表す関連情報と、を対応付けて前記画像情報及び前記関連情報を蓄積可能な画像情報蓄積手段を備えた画像処理装置で実行させる画像処理方法であって、
処理対象の画像情報から当該画像情報を識別するための識別情報を抽出する過程と、
前記抽出された識別情報と同一の識別情報を含む画像情報が前記画像情報蓄積手段に蓄積されているか否かを判別する過程と、
同一の識別情報を含む画像情報が蓄積されていると判別された場合に、当該同一の識別情報を含む画像情報に対応付けられた前記関連情報に基づいて前記処理対象の画像情報に関連する他の画像情報を検索する過程と、
前記検索手段の検索結果に基づいて、前記他の画像情報に関する情報を提示する過程と、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
画像情報と、当該画像情報を識別するための識別情報と、前記画像情報と他の画像情報との関連性を表す関連情報と、を対応付けて前記画像情報及び前記関連情報を蓄積可能な画像情報蓄積手段を備えた画像処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムであって、
コンピュータを、
処理対象の画像情報から当該画像情報を識別するための識別情報を抽出させる手段と、
前記抽出された識別情報と同一の識別情報を含む画像情報が前記画像情報蓄積手段に蓄積されているか否かを判別させる手段と、
同一の識別情報を含む画像情報が蓄積されていると判別された場合に、当該同一の識別情報を含む画像情報に対応付けられた前記関連情報に基づいて前記処理対象の画像情報に関連する他の画像情報を検索させる手段と、
前記検索手段の検索結果に基づいて、前記他の画像情報に関する情報を提示させる手段と、
して機能させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−151765(P2012−151765A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10208(P2011−10208)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】