説明

画像処理装置及び同装置における情報通知方法並びに情報通知プログラム

【課題】外部から送信されてきたジョブの宛先ユーザが会議に出席中であっても、受信したジョブに関する情報、及び/またはプリント等のジョブの処理状況に関する情報を、前記宛先ユーザに速やかにかつ的確に通知できる画像処理装置を提供する。
【解決手段】ジョブ受信手段182により受信したジョブに関して、及び/または前記ジョブ処理手段17によるジョブの処理状況に関して、ジョブの宛先ユーザに対する通知情報が生成される。一方、ジョブの宛先ユーザが出席中の会議が行われている会議室の表示デバイス3、4の情報が格納されている格納手段2から、前記表示デバイスの情報が取得される。そして、前記生成された通知情報が、宛先ユーザが出席している会議が開かれている会議室の表示デバイス3、4に送信され、表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、企業やオフィス等における会議室で使用される表示デバイスと、LAN等のネットワークを介して接続されて使用されるMFP(Multi Function Peripherals) 等の画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多機能デジタル画像形成装置であるMFPの情報を、離れた場所のユーザに知らせる技術として、MFPからユーザの携帯端末を介して通知するものや、ユーザ端末であるパーソナルコンピュータ(PCという)に通知してディスプレイ上の画面に表示させるようにしたものがある。
【0003】
一例として、画像処理装置で処理するジョブの正常終了やトラブル発生等のステータス情報を携帯電話のような携帯端末を通じてユーザに通知する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、MFPで処理するジョブが正常に終了した場合と異常に終了した場合とで、MFPが異なる電話番号からユーザの携帯電話に電話をかけることにより、MFPから離れた場所のユーザがジョブ情報を知ることができるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−368930号公報
【特許文献2】特開2007−196592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来のように、ジョブの情報を携帯端末を介してユーザに通知する技術では、会議中や商談中といった場面において、出席中のユーザの携帯電話が鳴ってしまうおそれがある。
【0006】
また、「携帯電話を手にすることが私的な用事をしていると思われる」という理由からユーザが会議等に携帯電話を持ち込むことが好ましくないと判断している場合は、携帯電話を使ってジョブ情報等を会議中のユーザに通知できない。しかも、携帯電話では、会議同席者に公開可能なジョブ情報でも、当該ユーザだけにしか通知することができない。さらに、携帯電話ではなくユーザのPCにジョブ情報を知らせようとしても、PCを持ち込めない場面では、ユーザはジョブ情報を知ることができないことになる。
【0007】
これにより、例えばTV会議中において、相手先から会議の資料がFAX送信されてきてもそれを知ることができないし、プリント数が多かったり、両面プリントやステープル等でプリント完了に時間がかかる場合は、ユーザは、会議の資料が出来上がるまでMFPの前で持たねばならず、その間会議に参加できないことになる。さらに、MFPで用紙切れや紙詰まり等のトラブルが発生した場合には、そのトラブルが解消するまでは資料を入手できないことになる。
【0008】
ユーザが会議に出席している中で、ジョブのプリントが完了したか否かを定期的にMFPまで確認しに行くのは手間がかかるし、会議の進行にも支障を来しかねない。
【0009】
また、資料が出来上がり次第、その件について議論したい場合は、ジョブ処理の完了を即座に把握してMFPまで資料を取りに行かないと、会議をスムーズに進行させるこができない等、種々の問題がある。
【0010】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、外部から送信されてきたジョブの宛先ユーザが会議に出席中であっても、受信したジョブに関する情報、及び/またはプリント等のジョブの処理状況に関する情報を、前記宛先ユーザに速やかにかつ的確に通知できる画像処理装置を提供し、さらには同装置における情報通知方法並びに情報通知プログラムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)ネットワーク上の他の装置から送信された、会議に出席しているユーザを宛先とするジョブを受信するジョブ受信手段と、前記ジョブ受信手段により受信したジョブを処理するジョブ処理手段と、前記ジョブを受信した際、そのジョブの宛先ユーザが出席中の会議が行われている会議室の表示デバイスの情報が格納されている格納手段から、前記表示デバイスの情報を取得する情報取得手段と、前記ジョブ受信手段により受信したジョブに関して、及び/または前記ジョブ処理手段によるジョブの処理状況に関して、前記宛先ユーザに対する通知情報を生成する通知情報生成手段と、前記通知情報生成手段により生成された通知情報を、前記情報取得手段により情報を取得した表示デバイスに表示させるように送信制御する制御手段と、を備えていることを特徴とする画像処理装置。
(2)前記通知情報は、ジョブの受信情報、ジョブ処理のトラブル、ジョブ処理完了、ジョブの件名、差出人、ジョブ処理手段がプリント手段である場合のプリントページ数、プリント部数の少なくともいずれかである前項1に記載の画像処理装置。
(3)前記表示デバイスに応じて、通知情報の表示の大きさ、解像度、表示位置の少なくともいずれかを変更可能に構成されている前項1または2に記載の画像処理装置。
(4)前記格納手段には、宛先ユーザが出席している会議の内容についての情報が格納され、前記通知情報生成手段は、前記格納手段から取得された情報に基づいて、受信ジョブが宛先ユーザもしくは会議に関連するものかを否かを判別し、その結果に基づいて通知情報を生成する前項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
(5)前記格納手段には、宛先ユーザが出席している会議の出席者についての情報が格納され、前記通知情報生成手段は、前記格納手段から取得された会議出席者の情報に応じて通知情報の内容を変更可能となされている前項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)前記会議出席者の情報とは、出席者の役職及び/またはユーザと同一組織に属するか否かに関する情報である前項5に記載の画像処理装置。
(7)ネットワーク上の他の装置から送信された、会議に出席しているユーザを宛先とするジョブを受信するジョブ受信ステップと、前記ジョブ受信ステップにより受信したジョブを処理するジョブ処理ステップと、前記ジョブを受信した際、そのジョブの宛先ユーザが出席中の会議が行われている会議室の表示デバイスの情報が格納されている格納手段から、前記表示デバイスの情報を取得するステップと、前記ジョブ受信ステップにより受信したジョブに関して、及び/または前記ジョブ処理ステップによるジョブの処理状況に関して、前記宛先ユーザに対する通知情報を生成する通知情報生成ステップと、前記通知情報生成ステップにより生成された通知情報を、前記情報取得ステップにより情報を取得した表示デバイスに表示させるように送信制御する制御ステップと、を備えていることを特徴とする画像処理装置における情報通知方法。
(8)ネットワーク上の他の装置から送信された、会議に出席しているユーザを宛先とするジョブを受信するジョブ受信ステップと、前記ジョブ受信ステップにより受信したジョブを処理するジョブ処理ステップと、前記ジョブを受信した際、そのジョブの宛先ユーザが出席中の会議が行われている会議室の表示デバイスの情報が格納されている格納手段から、前記表示デバイスの情報を取得するステップと、前記ジョブ受信ステップにより受信したジョブに関して、及び/または前記ジョブ処理ステップによるジョブの処理状況に関して、前記宛先ユーザに対する通知情報を生成する通知情報生成ステップと、前記通知情報生成ステップにより生成された通知情報を、前記情報取得ステップにより情報を取得した表示デバイスに表示させるように送信制御する制御ステップと、を画像処理装置のコンピュータに実行させるための情報通知プログラム。
【発明の効果】
【0012】
前項(1)に記載の発明によれば、ジョブ受信手段により受信したジョブに関して、及び/または前記ジョブ処理手段によるジョブの処理状況に関して、ジョブの宛先ユーザに対する通知情報が生成され、この生成された通知情報が、宛先ユーザが出席している会議が開かれている会議室の表示デバイスに表示されるから、携帯端末やPCを持ち込むことが好ましくない場面でも、宛先ユーザは、前記表示デバイスの表示画面から通知情報を把握することができる。このため、例えば、送信されてきた会議の資料をプリントし、出来上がり次第その件について話し合いたい状況では、宛先ユーザは、プリント完了通知により最適なタイミングでプリント物を取りに行くことができ、会議に支障をきたすおそれを解消できる。
【0013】
前項(2)に記載の発明によれば、会議室の表示デバイスに、ジョブの受信情報、ジョブ処理のトラブル、ジョブ処理完了、ジョブの件名、差出人、ジョブ処理手段がプリント手段である場合のプリントページ数、プリント部数の少なくともいずれかについての通知情報が表示され、ユーザは、具体的なジョブ処理状況を直ぐに把握することができる。
【0014】
前項(3)に記載の発明によれば、会議室の表示デバイスに応じて、例えば大きな表示が可能な環境では、多数の情報を表示可能となり、小さい表示しかできない環境では、通知情報を簡略化して表示することができる。また、表示デバイスの表示に通知情報を重ねて表示したり、解像度を変えて表示することもでき、さらに表示デバイス自身が表示画像の動きの少ない位置を検出できれば、その検出位置に通知情報を表示することも可能となる。
【0015】
前項(4)に記載の発明によれば、受信ジョブが宛先ユーザ、もしくは会議に関連するもの、例えば取引先の問い合わせ等であれば、通知情報が作成され、単に回覧文等では、通知情報は作成されない、等の制御が可能となる。
【0016】
前項(5)に記載の発明によれば、通知情報について、会議出席者の情報、例えば管理職だけもしくは一般職だけでの場合は、ジョブの受信情報、ジョブ処理のトラブル、ジョブ処理完了、ジョブの件名、差出人、プリントページ数、プリント部数等すべての情報を生成し、管理職と一般職が同席の場合には、重要会議と見做されて管理職宛の情報だけを生成し、外部の人が同席の場合には、機密保持の点から、通知情報を制約して生成する、等の制御が可能となる。
【0017】
前項(6)に記載の発明によれば、通知情報は、例えば出席者の役職、社外の人、社内の人等によって変更でき、機密情報の漏洩等が防止される。
【0018】
前項(7)に記載の発明によれば、携帯端末やPCを持ち込むことが好ましくない会議でも、宛先ユーザは、前記表示デバイスの表示画面から通知情報を把握することができる。
【0019】
前項(8)に記載の発明によれば、携帯端末やPCを持ち込むことが好ましくない会議であっても、宛先ユーザが、前記表示デバイスの表示画面から通知情報を把握することができるようにする処理を、コンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置が用いられた情報通知システムを示す構成図である。
【0022】
図1において、この情報通知システムは、例えば会社Bに設置された画像処理装置としてのMFP1と、会社Bに設置されているサーバ2と、会社BにおけるTV会議Bで使用されている表示デバイス3と、会社Bにおけるプロジェクタ会議Pで使用されているプロジェクタ4と、会社AにおけるTV会議Aで使用されている表示デバイス5と、会社Cに設置されているMFP6とを備えており、これらMFP1,6、サーバ2等は、ネットワーク7を介して接続されている。
【0023】
この情報通知システムにおいては、例えばユーザが在社中は電子行き先表に自身の居場所を入力し、ユーザがある会議に出席する場合は、会議室予約システムで、使用する会議室と会議の内容(例えば会議名)を入力するようになっているとする。
【0024】
これらの情報と会議室内に設置してある表示デバイス3(4)(5)の情報とを、格納手段としてのサーバ2に予め格納しておく。これにより、サーバ2に問い合わせることにより、ユーザがどの会議室の何の会議に誰と一緒に出席しているかの等の情報と、ユーザが出席中の会議が開かれている会議室に設置されている表示デバイスの情報等を得ることができる。
【0025】
図2は、前記MFP1の電気的構成を示すブロック図である。
【0026】
図2おいて、このMFP1は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、スキャナ部14と、操作パネル部15と、記憶部16と、プリント部17と、外部インターフェース(I/F)部18とを備えている。
【0027】
前記CPU11は、画像処理装置1の全体の動作を制御するものであり、また、差し出しユーザ(送信元ユーザ)から宛先ユーザに送信されたジョブを受信した際、そのジョブの宛先ユーザが出席している会議室名、会議名、会議出席者、会議室で使用中の表示デバイスの各情報を、前記サーバ2から取得する情報取得機能と、受信したジョブに関する通知情報、及び/または前記ジョブ処理手段としてのプリント部17によるジョブのプリント処理状況に関する通知情報を生成する通知情報生成機能、さらには、生成された通知情報を前記会議室の表示デバイス3(4)(5)を通じて表示するように送信制御する機能を有している。
【0028】
前記ROM12は、CPU11の動作プログラムを記憶するメモリであり、前記RAM13は、CPU11が前記動作プログラムに従って動作する際の作業領域を提供するメモリである。
【0029】
前記スキャナ部14は、原稿画像等を読み取って画像データを出力するものである。
【0030】
前記操作パネル部15は、ユーザがMFP1に対する指示を入力したり、ユーザにMFPの動作状態やメッセージ等を表示するものであり、テンキー、スタートキー等を有するキー入力部151と、液晶タッチパネル等からなる表示部152とを備えている。
【0031】
前記記憶部16は、各種のデータやアプリケーションプログラム等を記憶する他に、受信したジョブの情報、サーバ2から取得した情報、さらには、生成された通知情報等を記憶するものである。
【0032】
前記プリント部17は、スキャナ部14で読み取られた画像データ、あるいは受信したジョブに含まれる画像データ等を印刷するものである。
【0033】
前記外部インターフェース(I/F)部18は、前記サーバ2、外部のMFP6、社内の表示デバイス3,4等との間でデータの送受信を司るものであり、送信部181や受信部182を備えている。
【0034】
このような構成のMFP1においては、例えば外部のMFP6から宛先ユーザが指定されたジョブを受信すると、前記サーバ2に問い合わせを行い、ジョブの宛先ユーザが出席している会議室、会議名、出席者、会議室に設置してある表示デバイス3(4)(5)の情報を受信部182を介して取得する。
【0035】
それらの情報と、ジョブの受信状況(正常に受信できたか等)あるいはプリント部17によるジョブの処理状況(正常に完了したかトラブルが生じたか等)に応じて、CPU11の通知情報生成機能により、宛先がユーザが出席している会議室の表示デバイス3(4)(5)に表示させるための通知情報を生成する。
【0036】
例えば、大きな表示が可能な表示デバイスを有する会議室であれば、差出人,宛先人,ジョブ件名,プリントページ数,部数を表示するための通知情報を生成する。
【0037】
また、管理職と一般職が同席する会議では、管理職向けの通知情報は生成するが、一般職向けの通知情報は生成しない。さらにまた、外部の人が同席する会議では、重要な会議中に表示するのは好ましくないので通知情報を一切生成しない、もしくは機密漏えい防止の点からジョブの差出人やジョブ件名の通知情報を生成しない、といった制御を行う。以下に具体的な例を示す。
(例1)
今、会社AにおけるTV会議Aと会社BにおけるTV会議Bとの間でTV会議中であるとする。
【0038】
ここで、TV会議Aに出席中のユーザH1からTV会議Bに出席中のユーザH2に資料をFAXで送ったとする。MFP1は、FAXを受信すると、サーバ2に情報の問い合わせを行う。
【0039】
MFP1は、サーバ2から情報を取得すると、その情報に基づいて、宛先ユーザが出席しているTV会議Bが行われている会議室の表示デバイス3を特定し、この表示デバイス3に表示させるための通知情報を生成し、その通信情報を表示デバイス3に送る。
【0040】
表示デバイス3では、MFP1から送信された通知情報を表示する。会議中のユーザH2は、表示デバイス3に表示された通知情報を視認することにより、ジョブの受信とジョブ処理の完了等を知ることができ、最適なタイミングでMFP1の場所までプリント物を取りに行くことができる。
(例2)
今、会社にとって重要な取引先である会社CのMFP6から、会社Bのプロジェクタ会議Pに出席している人物H3宛にFAXを送信したとする。
【0041】
FAXを受信した会社BのMFP1は、サーバ2に問い合わせを行い、人物H3のいる会議室と、会議名(プロジェクタ会議)と、出席者と、会議室の表示デバイス4の情報とを取得する。
【0042】
MFP1は、取得した情報に応じて、表示デバイス3に表示させるための通知情報を生成し、その通知情報を表示デバイス4に送る。
【0043】
表示デバイス4では、MFP1から送信された通知情報を表示し、人物H3にFAXが送られてきたことを通知する。これにより、人物H3は、会社CからのFAXにすぐに返答でき、大事な取引先と良好な関係を保つことができる。
【0044】
図3は、MFP1において前記通知情報を生成して送信する処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、MFP1のCPU11がROM12等の記録媒体に記録された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0045】
ここでは、一例として、ある会社の拠点Xの会議室R(表示デバイス:人物認証機能付きTV会議システム)で、開発進捗会議にBさんが出席しており、出席者は内部の関係者のみであるとする。会議中に別の拠点YのAさんから開発中のソフトの問題点を記載したFAXがBさん宛に送られたとする。
【0046】
図3において、ステップS1では、AさんからBさん宛のジョブをMFP1が受信する。ステップS2では、MFP1は、ジュブを受信した際、情報サーバ2に問い合わせを行う。
【0047】
サーバ2からBさんがいる会議室:R、会議名:ソフト開発進捗会議、出席者:関係者のみ、会議室の表示デバイス:人物認証機能つきTV会議システム、の情報がMFP1に送られるので、MFP1は、この情報を受信する。
【0048】
ステップS3では、ステップS2において、MFP1がサーバ2から取得した情報から、会議室の表示デバイスに表示するための通知情報を生成する。
【0049】
この場合、受信したジョブが会議に関係するもの、出席者が関係者のみであること、表示デバイスがTV会議システムであることを考慮して、通知情報を生成する。
【0050】
即ち、出席者が関係者のみであるから機密漏えいを考慮しなくてもよいので、ジョブ差出人、宛先人、件名、プリントページ数、プリント部数等を表示する。また、人物認証機能付きTV会議システムであるから、通知情報の表示位置は表示デバイスに任せることになる。
【0051】
ステップS4では、ステップS3で生成した通知情報をBさんのいる会議室Rの表示デバイスに送信する。
【0052】
通知情報を送信された会議室Rの表示デバイスは、MFP1から送信された通知情報を表示する。
【0053】
前記通知情報の他の例としては、ジョブを受信したこと、ジョブがトラブルにより未完了であること、ジョブの処理を完了したこと、ジョブの種類があるが、表示デバイスに応じて通知情報の表示の大きさ、解像度、表示位置の少なくとも1つを変えるようにしてもよい。
【0054】
図4は、TV会議の画面を想定した場合の説明図である。
【0055】
図4において、F01:大きい表示が可能な環境において、差出人、宛先人、件名、ジョブ内容、ジョブナンバーを表示する例である。
【0056】
F01における表示画面aでは、差出人Aから宛先人BへのFAXを受信し、会議資料として10ページのものを10部だけプリント処理したこと等が表示されている。
【0057】
F01における表示画面bでは、10ページのものを10部のプリントが完了したことが表示されている。
【0058】
F01における表示画面cでは、視認しやすい画面位置、例えば上部位置で横長に表示されている。
【0059】
F02:差出人と宛先人を表示しない例である。
【0060】
F02における表示画面aでは、差出人A、宛先人B等が表示されず、プリントが用紙切れで停止されていることが表示されている。
【0061】
F02における表示画面bでは、差出人A、宛先人B等が表示されず、プリントが紙詰まりで停止されていることが表示されている。
【0062】
F02における表示画面cでは、視認しやすい画面位置、例えば左側位置に縦長に表示されている。
【0063】
F03:表示可能域が小さい環境での例である。表示情報を簡略化する。
【0064】
F03における表示画面aでは、「差出人Aから宛先人BへのFAXを受信」の表示が簡略化されている。
【0065】
F03における表示画面bでは、「プリント処理が用紙切れで停止していること」が簡略化して表示されている。
【0066】
F04:表示可能域がさらに小さい環境での例である。ジョブの受信,ジョブ処理の完了,ジョブ処理のトラブル等を表示する。
【0067】
F04における表示画面aでは、「FAX受信」が簡略化して表示されている。
【0068】
F04における表示画面bでは、「プリント完了」が簡略化して表示されている。
【0069】
F04における表示画面cでは、「プリントがトラブルにより停止していること」が簡略化して表示されている。
【0070】
F05:固定した表示部を設定せず、表示デバイスの表示に重ねて通知情報を表示する例である。
【0071】
この例では、例えば表示デバイスが人を認証する機能を持っているとする。
【0072】
MFP1が表示デバイス3(4)(5)に対して通知情報を送信した際に、表示デバイス3(4)が人の位置を認証し、人が表示されていない位置(F05のa)、もしくは人が少ない位置に表示を行う(F05のb)。または、表示画像の少ない位置を検出する機能を有する表示デバイス3(4)の場合は、検出した位置に通知情報を表示する(F05のc)。
【0073】
このように、この情報通知システムにおいては、MFP1が受信したジョブについて、宛先ユーザのために生成された通知情報が該ユーザが出席中の会議で使用中の表示デバイス3(4)に表示されるから、会議に携帯端末やPCを持ち込むことができなかったり、持ち込むのが好ましくない状況であっても、宛先ユーザに前記通知情報を通知することができる。具体的にには、ジョブを受信したことの情報、ジョブ処理のトラブル、ジョブ処理完了、ジョブの件名、差出人、プリントページ数、プリント部数等の通知情報が表示され、ユーザはジョブ情報を直ぐに把握することができる
これにより、例えば会議の資料をプリントし、出来上がり次第その件について話し合いたい状況では、宛先ユーザは、プリント完了通知により最適なタイミングでプリント物を取りに行くことができ、会議に支障をきたすおそれが解消される。
【0074】
ところで、前記CPU11に、受信ジョブの情報が宛先ユーザもしくは会議に関連するものか否かを判別する機能を具有させても良い。
【0075】
受信ジョブの情報が宛先ユーザ、もしくは会議に関連するものであれば、表示デバイス3(4)に表示するための通知情報を作成し、受信ジョブの情報が宛先ユーザもしくは会議に関連するものでなければ、通知情報を作成しないようにしてもよい。
(例1)
宛先ユーザにとって重要な取引先からの問い合わせや注文といった内容のジョブならば、表示のための通知情報を生成し、回覧文や報告書などであれば、通知情報を生成しない。
(例2)
ソフト開発のリーダー会議中の場合、「コンパイルが完了した」、「問題が発生した」といった会議に関連した情報ならば表示のための通知情報を生成する。
(例3)
TV会議中において、相手から会議資料がFAXで送られてきた場合、その資料の案件について話し合いたいので、表示のための通知情報を生成する。
【0076】
図5は、受信ジョブの情報が宛先ユーザもしくは会議に関連するものかを判別する処理を示すフローチャートである。
【0077】
図5において、ステップS11では、サーバ2から宛先ユーザがいる会議室,会議名,出席者の情報を取得する。ステップS12では、サーバ2からの情報を受信したジョブの情報を比較する。つまり、受信ジョブの情報は、宛先ユーザに関連するもの、もしくは宛先ユーザが出席している会議に関連するものか否かを判断する。
【0078】
受信ジョブの情報が宛先ユーザに関連するもの、もしくは宛先人が出席している会議に関連するものであれば(ステップS12でYES)、ステップS13では、表示デバイス3(4)に表示させるための通知情報を生成したのち、終了する。受信ジョブの情報が宛先ユーザに関連するものでなく、しかも宛先ユーザが出席している会議に関連するものでなければ(ステップS12でNO)、ステップS14では、表示デバイス3(4)に表示させるための通知情報を生成することなく、終了する。
【0079】
ところで、前記CPU11に、会議の出席者の情報に応じて通知情報を変化させる機能を具有させてもよい。
【0080】
会議の出席者の情報とは、出席者の役職、宛先ユーザと同一組織に属しているか否か、例えば社内の人か社外の人かといったものである。
(例1)
同一組織に属さない外部の人(例えば社外の人)が同席している会議では、機密保持の点から通知情報を制限し、宛先人,ジョブの受信,ジョブ処理の完了,ジョブ処理のトラブル発生等の情報を生成する。
(例2)
会議の出席者が管理職だけ、もしくは一般職だけの場合は、機密情報または他のユーザーに迷惑となる情報を表示しても問題にならないと考えられるので、ジョブの差出人,宛先人,ジョブ件名,プリントページ数,プリント部数,ジョブ処理時のトラブル発生時の内容(用紙切れ,紙詰まり等)の情報を生成する。
(例3)
管理職と一般職が同席している場合は、重要な会議であることが予想されるので管理職宛の情報は生成して通知するが、一般職宛の情報は表示することが好ましくないので生成しない。
【0081】
図6は、会議の出席者の情報に応じて通知情報を変える場合の処理を示すフローチャートである。
【0082】
図6において、ステップS21では、サーバ2から会議の出席者の情報を取得する。ステップS22では、出席者の情報によって生成する通知情報を変えるか否かを判断する。
【0083】
会議の出席者として同一組織に属さない外部の人間が同席している場合には、ステップS23で、宛先人、ジョブ受信,ジョブ処理の完了,ジョブ処理のトラブル等の発生の通知情報だけを生成してから、終了する。また、会議の出席者が管理職だけもしくは一般職だけの場合は、ステップS24で、ジョブの差出人,宛先人,ジョブ件名,プリントページ数,プリント部数,ジョブ処理のトラブル発生時の内容(用紙切れ・紙詰まり)の通知情報を生成したのち、終了する。また、管理職と一般職が同席している場合は、ステップS25で、管理職宛の通知情報は生成するが、一般職宛の通知情報は生成しないで、終了する。
【0084】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、宛先ユーザ、会議の内容、出席者、表示デバイス等に関する情報がサーバ2に格納された場合を示したが、これらの情報は画像処理装置1に格納されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置が用いられた情報通知システムを示す構成図である。
【図2】画像処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】通知情報を生成して送信する処理を示すフローチャートである。
【図4】TV会議の画面を想定した場合の通知情報の表示例の説明図である。
【図5】受信ジョブの情報が宛先ユーザもしくは会議に関連するものか否かを判別する処理を示すフローチャートである。
【図6】会議の出席者の情報に応じて通知情報を変える場合の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1 画像処理装置(MFP)
2 サーバ
3,4,5 表示デバイス
7 ネットワーク
11 CPU
17 プリント部
182 受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上の他の装置から送信された、会議に出席しているユーザを宛先とするジョブを受信するジョブ受信手段と、
前記ジョブ受信手段により受信したジョブを処理するジョブ処理手段と、
前記ジョブの宛先ユーザが出席中の会議が行われている会議室の表示デバイスの情報が格納されている格納手段から、前記表示デバイスの情報を取得する情報取得手段と、
前記ジョブ受信手段により受信したジョブに関して、及び/または前記ジョブ処理手段によるジョブの処理状況に関して、前記宛先ユーザに対する通知情報を生成する通知情報生成手段と、
前記通知情報生成手段により生成された通知情報を、前記情報取得手段により情報を取得した表示デバイスに表示させるように送信制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記通知情報は、ジョブの受信情報、ジョブ処理のトラブル、ジョブ処理完了、ジョブの件名、差出人、ジョブ処理手段がプリント手段である場合のプリントページ数、プリント部数の少なくともいずれかである請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示デバイスに応じて、通知情報の表示の大きさ、解像度、表示位置の少なくともいずれかを変更可能に構成されている請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記格納手段には、宛先ユーザが出席している会議の内容についての情報が格納され、
前記通知情報生成手段は、前記格納手段から取得された情報に基づいて、受信ジョブが宛先ユーザもしくは会議に関連するものかを否かを判別し、その結果に基づいて通知情報を生成する請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記格納手段には、宛先ユーザが出席している会議の出席者についての情報が格納され、
前記通知情報生成手段は、前記格納手段から取得された会議出席者の情報に応じて通知情報の内容を変更可能となされている請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記会議出席者の情報とは、出席者の役職及び/またはユーザと同一組織に属するか否かに関する情報である請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
ネットワーク上の他の装置から送信された、会議に出席しているユーザを宛先とするジョブを受信するジョブ受信ステップと、
前記ジョブ受信ステップにより受信したジョブを処理するジョブ処理ステップと、
前記ジョブの宛先ユーザが出席中の会議が行われている会議室の表示デバイスの情報が格納されている格納手段から、前記表示デバイスの情報を取得するステップと、
前記ジョブ受信ステップにより受信したジョブに関して、及び/または前記ジョブ処理ステップによるジョブの処理状況に関して、前記宛先ユーザに対する通知情報を生成する通知情報生成ステップと、
前記通知情報生成ステップにより生成された通知情報を、前記情報取得ステップにより情報を取得した表示デバイスに表示させるように送信制御する制御ステップと、
を備えていることを特徴とする画像処理装置における情報通知方法。
【請求項8】
ネットワーク上の他の装置から送信された、会議に出席しているユーザを宛先とするジョブを受信するジョブ受信ステップと、
前記ジョブ受信ステップにより受信したジョブを処理するジョブ処理ステップと、
前記ジョブの宛先ユーザが出席中の会議が行われている会議室の表示デバイスの情報が格納されている格納手段から、前記表示デバイスの情報を取得するステップと、
前記ジョブ受信ステップにより受信したジョブに関して、及び/または前記ジョブ処理ステップによるジョブの処理状況に関して、前記宛先ユーザに対する通知情報を生成する通知情報生成ステップと、
前記通知情報生成ステップにより生成された通知情報を、前記情報取得ステップにより情報を取得した表示デバイスに表示させるように送信制御する制御ステップと、
を画像処理装置のコンピュータに実行させるための情報通知プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−4407(P2010−4407A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162499(P2008−162499)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】