説明

画像処理装置及び固体撮像装置

【課題】黒レベル調整において、ノイズ低減のための構成による無用な処理を抑制可能とし、効果的なノイズ低減処理の実施を可能とする画像処理装置及び固体撮像装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、画像処理装置の黒レベル調整回路29は、オプティカルブラック信号47を基に、有効画素信号46の黒レベルを調整する。黒レベル調整回路29の積算平均保持部42は、オプティカルブラック信号47のフレーム積算平均52を算出する。フレーム積算平均52は、映像のフレームを単位する積算平均である。積算平均保持部42は、フレーム積算平均52を、有効画素信号46の黒レベル調整に適用する信号として保持する。積算平均保持部42は、撮像条件の変更があったとき、フレーム積算平均52を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置及び固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置の画質を劣化させる要因として、例えば、水平ライン(行)ごとに生じるノイズ、いわゆる横筋ノイズが知られている。横筋ノイズは、主に、水平ラインごとの読み出し動作の際のリセットにおいて発生する。また、固体撮像装置としては、イメージセンサの水平ラインごとに、水平オプティカルブラック部(OB部)からのOB信号のラインごとの平均を減算するものがある。かかる固体撮像装置は、イメージセンサの有効画素部と水平OB部とに同じレベルで生じるノイズを効果的に除去可能であるとともに、有効画素信号の黒レベルをOB信号のレベルへ調整することができる。
【0003】
一方、有効画素部と水平OB部とで異なるレベルのノイズが生じた場合、かかる減算処理は、ノイズ低減の精度を低下させるのみならず、黒レベル調整へも影響を及ぼすこととなる。この場合、固体撮像装置は、水平OB部に代えて、例えば、垂直OB部を使用する処理を代替策とし得る。しかし、このような代替可能な手段が存在しない場合、固体撮像装置は、黒レベル調整へ悪影響が及ぶリスクを抱えながら、水平OB部を使用する処理を行うこととなる。または、固体撮像装置は、ノイズ低減処理を一律に停止させ、予め設定された一定レベルへの黒レベル調整を行うこととなる。このように、固体撮像装置は、黒レベル調整において、ノイズ低減のための構成により無用な処理がなされる場合があることで、効果的なノイズ低減処理の実施が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−157263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの実施形態は、黒レベル調整において、ノイズ低減のための構成による無用な処理を抑制可能とし、効果的なノイズ低減処理の実施を可能とする画像処理装置及び固体撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態によれば、画像処理装置は、黒レベル調整部を有する。黒レベル調整部は、オプティカルブラック信号を基に、有効画素信号の黒レベルを調整する。オプティカルブラック信号は、光電変換素子が遮光されたオプティカルブラック部から読み出される。有効画素信号は、光電変換素子へ光が入射する有効画素部から読み出される。黒レベル調整部は、積算平均保持部を有する。積算平均保持部は、映像のフレームを単位としてオプティカルブラック信号の積算平均を算出する。積算平均保持部は、オプティカルブラック信号の積算平均を、有効画素信号の黒レベル調整に適用する信号として保持する。積算平均保持部は、撮像条件の変更があったとき、積算平均を更新する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態にかかる固体撮像装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す固体撮像装置を備えるカメラモジュールの概略構成を示すブロック図。
【図3】イメージセンサの平面概略図。
【図4】黒レベル調整回路の構成を示すブロック図。
【図5】第2の実施形態にかかる黒レベル調整回路の要部構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる画像処理装置及び固体撮像装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる固体撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す固体撮像装置を備えるカメラモジュールの概略構成を示すブロック図である。
【0010】
カメラモジュール10は、固体撮像装置11、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor;DSP)12、記憶部13及び表示部14を有する。固体撮像装置11は、被写体像を撮像する。DSP12は、固体撮像装置11での撮像により得られた画像信号の信号処理を実施する。
【0011】
記憶部13は、DSP12での信号処理を経た画像を格納する。記憶部13は、ユーザの操作等に応じて、表示部14へ画像信号を出力する。表示部14は、DSP12あるいは記憶部13から入力される画像信号に応じて、画像を表示する。表示部14は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0012】
固体撮像装置11は、レンズユニット21、イメージセンサ22、アナログ部23及び信号処理回路(画像処理装置)24を有する。レンズユニット21は、被写体からの光を取り込み、イメージセンサ22にて被写体像を結像させる。
【0013】
イメージセンサ22は、例えば、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサである。イメージセンサ22は、レンズユニット21により取り込まれた光を信号電荷に変換し、アナログ画像信号を生成する。
【0014】
図3は、イメージセンサの平面概略図である。イメージセンサ22は、複数の画素セルを有する。各画素セルは、被写体からの光を信号電荷に変換する光電変換素子と、光電変換素子からの信号電荷を電圧に変換する検出部とを備える(いずれも図示省略)。画素セルは、垂直方向(列方向)及び水平方向(行方向)の二次元方向に並列されている。
【0015】
イメージセンサ22は、有効画素部31と、有効画素部31の外側に設けられたオプティカルブラック(OB)部32とを有する。有効画素部31は、光電変換素子へ光が入射する画素セルからなる。有効画素部31は、光電変換素子へ入射した光強度に応じた有効画素信号を出力する。
【0016】
OB部32は、有効画素部31に対して、水平転送方向上流側に配置された水平OB部である。OB部32は、アルミニウム部材等の遮光部材により光電変換素子が遮光された画素セルからなる。OB部32は、遮光された状態の光電変換素子によるOB信号を出力する。なお、イメージセンサ22は、OB部32の他に、有効画素部31に対して垂直転送方向の上流側あるいは下流側に配置される垂直OB部を設けることとしても良い。
【0017】
アナログ部23は、相関二重サンプリング部(CDS)26、アナログデジタル変換器(ADC)27及び水平レジスタ28を有する。CDS26は、イメージセンサ22の各画素からの信号に対し、固定パターンノイズの低減のための処理を行う。ADC27は、垂直読み出しライン(図示省略)まで転送された信号を、アナログ方式からデジタル方式へ変換する。水平レジスタ28は、ADC27にてデジタル方式へ変換された信号を順次読み出す。
【0018】
タイミング生成器25は、イメージセンサ22の各画素から信号を読み出すタイミングや、CDS26の制御パルスを供給する。信号処理回路24は、アナログ部23で得られたデジタル画像信号に対し、各種の信号処理を実施する。信号処理回路24は、黒レベル調整回路(黒レベル調整部)29を有する。
【0019】
図4は、黒レベル調整回路の構成を示すブロック図である。黒レベル調整回路29は、OB部32からのOB信号47を基に、有効画素部31からの有効画素信号46の黒レベルを調整する。黒レベル調整回路29は、OB積算平均部41、積算平均保持部42、信号選択部43、差分部44及び黒レベルクランプ部45を有する。
【0020】
OB積算平均部41は、水平同期信号(HSYNC)に応じて、ラインごとにOB信号47を積算し、OB信号47のライン積算平均51を算出する。積算平均保持部42は、垂直同期信号(VSYNC)に応じて、ライン積算平均51を映像のフレームごとにさらに積算し、OB信号47のフレーム積算平均52を算出する。また、積算平均保持部42は、算出したフレーム積算平均52を、有効画素信号46の黒レベル調整に適用する信号として保持(ラッチ)する。さらに、積算平均保持部42は、信号選択部43に対する制御信号53を出力する。
【0021】
信号選択部43は、積算平均保持部42からの制御信号53に応じて、第1の信号及び第2の信号のいずれかを選択する。第1の信号は、積算平均保持部42が保持するフレーム積算平均52とする。第2の信号は、第1の信号以外の信号であって、例えば、OB積算平均部41で算出されたライン積算平均51とする。
【0022】
差分部44は、有効画素信号46と、信号選択部43で選択された信号との差分を出力する。黒レベルクランプ部45は、有効画素信号46の黒レベルを所定の標準レベルにクランプする。例えば、信号処理回路24は、かかる標準レベルを保持するレジスタを備える。黒レベル調整回路29は、黒レベルクランプ部45におけるクランプを経た有効画素信号46を出力する。
【0023】
積算平均保持部42は、自動シャッタ時間の変更を通知する信号(ES_CHANGE)と、アナログゲインの変更を通知する信号(AG_CHANGE)との入力を受け付ける。積算平均保持部42は、ES_CHANGE及びAG_CHANGEのいずれも入力が無い限り、制御信号53として例えば「1」を出力する。信号選択部43は、制御信号53が「1」である間、有効画素信号46の黒レベル調整に適用する信号として、フレーム積算平均52を選択する。
【0024】
このとき、差分部44は、有効画素信号46からフレーム積算平均52を減算する処理を行う。差分部44は、自動シャッタ時間及びアナログゲインの変更が無い限り、同じフレーム積算平均52を使用する減算処理を継続する。
【0025】
積算平均保持部42は、ES_CHANGE及びAG_CHANGEの少なくとも一方の入力を受け付けると、新たにフレーム積算平均52の算出を開始する。また、積算平均保持部42は、ES_CHANGE及びAG_CHANGEの少なくとも一方の入力を受け付けることにより、制御信号53として例えば「0」を出力する。信号選択部43は、制御信号53が「0」である間、有効画素信号46の黒レベル調整に適用する信号として、ライン積算平均51を選択する。
【0026】
このとき、差分部44は、有効画素信号46からライン積算平均51を減算する処理を行う。OB積算平均部41は、ラインごとにライン積算平均51を切り換える。差分部44は、減算処理の対象とする有効画素信号46と同じラインのライン積算平均51を、当該有効画素信号46との演算に使用する。
【0027】
積算平均保持部42は、新たなフレーム積算平均52の算出を完了すると、それまで保持していたフレーム積算平均52を、新たなフレーム積算平均52へと更新する。積算平均保持部42は、フレーム積算平均52の更新が完了すると、信号選択部43に対して「1」を出力する。信号選択部43は、積算平均保持部42からの入力が「1」へと切り換わることで、ライン積算平均51からフレーム積算平均52へと、選択を切り換える。差分部44は、積算平均保持部42においてフレーム積算平均52が算出されたフレームの次以降のフレームの有効画素信号46について、当該フレーム積算平均52を使用する減算処理を実施する。
【0028】
通常、黒レベルは、自動シャッタ時間やアナログゲイン等の撮像条件の変更が無い限り、フレームごとにほぼ同じ値に収束することとなる。黒レベル調整回路29は、ある撮像条件に応じたフレーム積算平均52を、その撮像条件が変更されるまで保持し、黒レベル調整に使用する。黒レベル調整回路29は、有効画素部31とOB部32とのノイズのレベルに変動が生じた場合であっても、撮像条件に変更が無ければ、同じ水準での黒レベル調整を継続する。これにより、黒レベル調整回路29は、単発的に生じるノイズレベルの変動の影響を及ぼさずに、安定した黒レベル調整を実施することができる。黒レベル調整回路29は、撮像条件に変更が無い間は、積算平均保持部42が保持しているフレーム積算平均52を黒レベル調整に適用することで、OB信号47を常時積算する場合に比べて、演算処理の負担を軽減させることができる。
【0029】
黒レベル調整回路29は、撮像条件に変更があったときにライン積算平均51を使用する黒レベル調整を実施することで、ノイズが生じ易い状況下での横筋ノイズの低減を可能とする。信号処理回路24は、ノイズ低減のための構成による無用な処理を抑制可能とし、ノイズ低減処理の効果的な実施が可能となる。
【0030】
また、黒レベル調整回路29は、撮像条件の変更に応じてフレーム積算平均52を更新することで、撮像条件の変更に応じた黒レベル調整を行うことができる。さらに、黒レベル調整回路29は、フレーム積算平均52の算出を待つ間は、ライン積算平均51を使用するノイズ低減処理を継続することができる。
【0031】
積算平均保持部42は、ES_CHANGE及びAG_CHANGEのいずれかに応じてフレーム積算平均52を更新するものに限られない。積算平均保持部42は、撮像条件とする各種条件のうちのいずれかに変更があったことに応じてフレーム積算平均52を更新するものであれば良いものとする。
【0032】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態にかかる黒レベル調整回路の要部構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる黒レベル調整回路は、積算平均保持部42(図4参照)に代えて積算平均保持部60が設けられている他は、第1の実施形態の黒レベル調整回路29と同様の構成を備える。第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0033】
積算平均保持部60は、ES_CHANGE、AG_CHANGE、垂直同期信号の立ち上がり(開始)を通知する信号(VSYNC_S)、垂直同期信号の立ち下がり(終了)を通知する信号(VSYNC_E)、保持ON/OFFレジスタ値(HOLD_SW)及びホールドタイミング切り換えレジスタ値(HOLD_WAIT)の入力を受け付ける。
【0034】
HOLD_SWは、フレーム積算平均52の更新のための動作の開始を指示する信号とする。HOLD_WAITは、フレーム積算平均52の保持のタイミングを指示する信号とする。例えば、HOLD_WAIT「0」は、1フレーム後におけるフレーム積算平均52のラッチを指示するものとする。HOLD_WAIT「1」は、2フレーム後におけるフレーム積算平均52のラッチを指示するものとする。
【0035】
積算平均保持部60は、HOLD_SWがONであるとき、内部カウンタによるカウントを開始する。内部カウンタは、VSYNC_Sが入力されるごとに、カウントに1を加算する。積算平均保持部60は、内部カウンタによるカウントの開始とともに、ライン積算平均51の積算を開始する。さらに、積算平均保持部60は、内部カウンタによるカウントの開始とともに、制御信号53として例えば「0」を出力する。信号選択部43は、制御信号53が「0」である間、有効画素信号46の黒レベル調整に適用する信号として、ライン積算平均51を選択する。
【0036】
積算平均保持部60は、VSYNC_Eが入力され、かつHOLD_WAITが「0」である場合、内部カウンタによるカウント「1」のフレームが終わる時点におけるフレーム積算平均52を保持する。また、積算平均保持部60は、VSYNC_Eが入力され、かつHOLD_WAITが「1」である場合、内部カウンタによるカウント「2」のフレームが終わる時点におけるフレーム積算平均52を保持する。このように、積算平均保持部60は、OB信号47の積算を開始してから1フレーム目のフレーム積算平均52と、2フレーム目のフレーム積算平均52とのいずれを保持するかを、HOLD_WAITとして適宜設定可能であるものとする。
【0037】
積算平均保持部60は、保持するフレーム積算平均52を更新すると、制御信号53として例えば「1」を出力する。信号選択部43は、制御信号53が「1」である間、有効画素信号46の黒レベル調整に適用する信号として、フレーム積算平均52を選択する。
【0038】
積算平均保持部60は、ES_CHANGE及びAG_CHANGEの少なくとも一方の入力を受け付けると、内部カウンタのカウントをリセットする。積算平均保持部60は、フレーム積算平均52のラッチを実行するフェーズとなる。積算平均保持部60は、ES_CHANGE及びAG_CHANGEの少なくとも一方の入力に応じて、制御信号53として例えば「0」を出力する。
【0039】
積算平均保持部60は、外乱等により1フレームの間でOB信号47の安定が不十分であった場合に、HOLD_WAITの切り換えに応じて、2フレーム目におけるフレーム積算平均52を保持可能とする。黒レベル調整回路29は、本実施形態の積算平均保持部60を適用することで、OB信号47が安定するまでに1フレーム以上を要するような場合であっても、安定した黒レベル調整を施すことが可能となる。本実施形態においても、信号処理回路24(図1参照)は、第1実施形態と同様、ノイズ低減のための構成による無用な処理を抑制可能とし、ノイズ低減処理の効果的な実施が可能となる。
【0040】
なお、積算平均保持部60は、フレーム積算平均52の保持のタイミングを1フレーム目及び2フレーム目の間で切り換え可能とする場合に限られず、3フレーム目以降に設定可能としても良い。本実施形態では、積算平均保持部60は、OB信号47の安定度合いに応じて、1フレーム目におけるフレーム積算平均52と2フレーム目におけるフレーム積算平均52の2つのいずれかを選択し、保持することとしている。積算平均保持部60は、例えば、1フレーム目及び2フレーム目と、さらに3フレーム目におけるフレーム積算平均52も選択可能とするように、フレーム積算平均52を3つ以上のフレームから選択することとしても良い。さらに、積算平均保持部60は、1フレームのOB信号47の積算によりフレーム積算平均52を算出する他、2以上のフレームのOB信号47の積算によりフレーム積算平均52を算出することとしても良い。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
11 固体撮像装置、22 イメージセンサ、24 信号処理回路、29 黒レベル調整回路、31 有効画素部、32 OB部、41 OB積算平均部、42、60 積算平均保持部、43 信号選択部、46 有効画素信号、47 OB信号、51 ライン積算平均、52 フレーム積算平均。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子が遮光されたオプティカルブラック部から読み出されるオプティカルブラック信号を基に、光電変換素子へ光が入射する有効画素部から読み出される有効画素信号の黒レベルを調整する黒レベル調整部を有し、
前記黒レベル調整部は、
映像のフレームを単位として前記オプティカルブラック信号の積算平均を算出し、前記有効画素信号の黒レベル調整に適用する信号として保持する積算平均保持部を有し、
前記積算平均保持部は、撮像条件の変更があったとき、前記積算平均を更新することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記有効画素信号の黒レベル調整に適用する信号として、前記積算平均である第1の信号と、前記第1の信号以外の第2の信号と、のいずれかを選択する信号選択部を有し、
前記信号選択部は、前記積算平均保持部による前記積算平均の更新が完了してから、前記撮像条件の変更があるまで、前記第1の信号を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記積算平均保持部は、前記オプティカルブラック信号の積算を開始してから1フレーム目の前記積算平均と2フレーム目の前記積算平均とのいずれかを、前記第1の信号として保持することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記積算平均保持部は、前記撮像条件として電子シャッタ時間及びアナログゲインの少なくとも一方の変更があったとき、前記積算平均を更新することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記積算平均保持部は、前記積算平均を保持するタイミングを切り換え可能とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
光電変換素子が遮光されたオプティカルブラック部と、光電変換素子へ光が入射する有効画素部と、を備えるイメージセンサと、
前記有効画素部から読み出される有効画素信号の黒レベルを、前記オプティカルブラック部から読み出される前記オプティカルブラック信号を基に調整する黒レベル調整部と、を有し、
前記黒レベル調整部は、
映像のフレームを単位として前記オプティカルブラック信号の積算平均を算出し、前記有効画素信号の黒レベル調整に適用する信号として保持する積算平均保持部を有し、
前記積算平均保持部は、撮像条件の変更があったとき、前記積算平均を更新することを特徴とする固体撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−17040(P2013−17040A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148405(P2011−148405)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(391016358)東芝情報システム株式会社 (149)
【Fターム(参考)】