説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】撮影画像に基づいて切り絵風画像を作成することを可能とする。
【解決手段】画像記憶部に記憶されている撮影画像に対して、作成したい切り絵の種類を指定する(S105)。すると、この指定された切り絵の種類に対応した切り絵風画像が、記憶されている撮影画像に基づいて作成される(S106)。この切り絵風画像が作成されたあとに、つなぎ線が付いた切り絵にするか否かが指定される(S108)。つなぎ線が付いた切り絵にすることが指定されると、この指定されたつなぎ線付きの切り絵風画像が作成される(S109)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像に基づいて切り絵風画像を作成する画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮影画像から絵画風画像に変換してくれる装置が知られている(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−213598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のこうした装置の場合、撮影画像を予め定められた画像処理により絵画風画像に変換するのみであり、面白みに欠けるという問題点があった。
【0005】
この発明は、こうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、鑑賞者の意図を充分に反映した切り絵風画像を作成可能な画像処理装置及び画像処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、
撮影画像を記憶している画像記憶手段と、
この画像記憶手段に記憶されている撮影画像に対して、作成したい切り絵の種類を指定する指定手段と、
この指定手段により切り絵の種類の中から作成したい切り絵の種類を指定すると、この指定された切り絵の種類に対応した切り絵風画像を前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に基づいて作成する作成手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の発明に係る画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、
前記作成手段は、
前記記憶手段に記憶された撮影画像の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
この輪郭抽出手段により抽出された輪郭を表す輪郭線に基づいて、切り絵部分となる塗りつぶし部分を施す塗りつぶし処理手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の発明に係る画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、
前記作成手段は、
つなぎ線を指定するつなぎ線指定手段と、
このつなぎ線指定手段により、つなぎ線を指定すると、この指定されたつなぎ線付きの切り絵風画像を前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に基づいて作成するつなぎ線付き画像作成手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載の発明に係る画像処理装置は、請求項3記載の画像処理装置において、
前記塗りつぶし処理手段は、前記輪郭線の凸凹部分を直線化し、この直線化した線図を基にして塗りつぶしを行う直線化処理手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5記載の発明に係る画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、
前記作成手段により作成された切り絵風画像を表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6記載の発明に係る画像処理方法は、
撮影画像を記憶している画像記憶部と、この画像記憶部に記憶されている撮影画像を表示する表示部とを備えている画像処理装置に用いられる画像処理方法において、
切り絵の種類を前記表示部に表示させる切り絵種類表示制御ステップと、
この切り絵種類表示制御ステップにより表示された切り絵の種類の中から、前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に対して、作成したい切り絵の種類を指定するための指定手段が指定されると、この指定された切り絵の種類に対応した切り絵風画像を前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に基づいて作成する作成ステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7記載の発明に係る画像処理方法は、請求項6記載の画像処理方法において、
前記作成ステップは、
前記記憶手段に記憶された撮影画像の輪郭を抽出する輪郭抽出ステップと、
この輪郭抽出ステップにより抽出された輪郭を表す輪郭線に基づいて、切り絵部分となる塗りつぶし部分を施す塗りつぶし処理ステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項8記載の発明に係る画像処理方法は、請求項6記載の画像処理方法において、
前記作成ステップは、
つなぎ線を指定するためのつなぎ線指定手段により、つなぎ線が指定されると、この指定されたつなぎ線付きの切り絵風画像を前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に基づいて作成するつなぎ線付き画像作成ステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項9記載の発明に係る画像処理方法は、請求項7記載の画像処理方法において、
前記塗りつぶし処理ステップは、前記輪郭線の凸凹部分を直線化し、この直線化した線図を基にして塗りつぶしを行う直線化処理ステップを備えていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項10記載の発明に係る画像処理装置は、請求項6記載の画像処理方法において、
前記作成ステップにより作成された切り絵風画像を表示させる表示制御ステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、撮影画像から切り絵風画像を確実かつ容易に作成することができる。
【0017】
また、本発明によれば、鑑賞者が作成したい切り絵の種類を指定すると、この指定された切り絵の種類に対応した切り絵風画像を撮影画像に基づいて自動的に作成することができる。
【0018】
更に、本発明によれば、つなぎ線を指定すると、この指定されたつなぎ線付きの切り絵風画像を撮影画像に基づいて作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラと表示装置との外観を示す図である。
【図2】同デジタルカメラと表示装置との電気的構成の概略を示すブロック構成図である。
【図3】RAMのメモリ構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態における絵画風画像作成処理手順を示すフローチャートである。
【図5】(A)は図4におけるつなぎ線切り絵作成処理の手順を示すフローチャートであり、(B)は図5(A)におけるつなぎ線追加処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】撮影画像の表示例を示す図である。
【図7】撮影画像の輪郭抽出結果の表示例を示す図である。
【図8】(A)〜(C)は撮影画像の輪郭線を直線化する工程などの一例を示す図である。
【図9】切り絵の種類を一覧表示した場合の表示例を示す図である。
【図10】切り絵の種類の中から使用者が「かげくくり」を選択した場合の表示例を示す図である。
【図11】切り絵の種類の中から使用者が「ひなた」を選択した場合の表示例を示す図である。
【図12】切り絵の種類の中から使用者が「かげ」を選択した場合の表示例を示す図である。
【図13】切り絵の種類の中から使用者が「ひなたくくり」を選択した場合の表示例を示す図である。
【図14】つなぎ線がついた切り絵の選択を促す表示例を示す図である。
【図15】枠がついた切り絵風画像の表示例を示す図である。
【図16】つなぎ線がついた切り絵風画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラ1と表示装置100との外観を示す背面図である。
このデジタルカメラ1の背面には、メニューキー2、モードダイアル3、表示部4、カーソルキー5、SETキー6等が設けられている。また、上面にはシャッターキー8、電源ボタン9が設けられている。さらに、正面側には、後述の撮像レンズを備えた撮影部10が設けられている。このデジタルカメラ1で撮影された撮影画像などは、内臓された後述のRAM22またはメモリカード24に記憶されるようになっている。
一方、表示装置100の表面には、装着されたメモリカード24に記憶されている撮影画像などを表示するための表示部13が設けられている。表示装置100は、リモコン装置101により制御される。
【0021】
図2は、デジタルカメラ1と表示装置100との電気的構成の概略を示すブロック構成図である。
デジタルカメラ1は、撮像部10とCPU11とを備えている。前者の撮像部10は、CCDを備えている。後者のCPU11は、このCCDにより撮像した画像を圧縮・伸張し、所定フォーマット、例えば統一規格DCF(Design rule for Camera File system)やJPEG(Joint Photographic Expert Group)に合致するフォーマットの画像ファイルを生成・再生する画像処理機能を備えている。
【0022】
撮像部10を構成しているCCDの受光面には、撮像レンズ、フォーカスレンズ、絞りを通過して被写体の光学像が結像される。フォーカスレンズはAFモータ等からなる駆動機構に保持されており、CPU11からの制御信号によりAFドライバーが出力する駆動信号が駆動機構に供給されることにより光軸上を前後に移動する合焦動作を行う。絞りは、CPU11からの制御信号に基づき絞り駆動部が発生する駆動信号により駆動しCCDに入射する被写体像の光量を調整する。
【0023】
また、CPU11には、タイミング信号を発生するTG(Timing Generator)が接続されており、このTGが発生したタイミング信号に基づきVドライバー(垂直方向ドライバー)がCCDを駆動し、それに伴いCCDにより被写体像の輝度に応じたアナログの撮像信号が出力されユニット回路へ送られる。
【0024】
ユニット回路は、CCDから出力された撮像信号を保持するCDSと、このCDSから撮像信号を供給されるアナログアンプであるゲイン調整アンプ(AGC)と、ゲイン調整アンプで増幅され調整されたアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(AD)とからなり、CCDの出力信号は、ここで黒レベルを合わせてサンプリングされデジタル信号としてCPU11に送られる。ゲイン調整アンプ(AGC)は、ISO感度に応じた増幅率で、CDSから供給される撮像信号を増幅する。
【0025】
CPU11には、シャッターキー8を含む前記キー群をからなる入力部21のほかに、表示部4、RAM22、ROM23、メモリカード24が接続されている。
【0026】
RAM22は作業用のメモリであり、メモリカード24は画像記録用のメモリである。CCDからCPU11に送られたデジタル信号である撮像信号は、RAM22に一時保存されるとともに、CPU11によって各種の画像処理が施された後、最終的には圧縮された画像データとしてメモリカード24に記録される。なお、このメモリカード24はカメラ本体に着脱自在なカード型のものである。
【0027】
メモリカード24に記録された撮影画像等は、必要に応じてCPU11に読み出され、伸長処理、輝度信号及び色信号の付加等の処理を経てデジタルビデオ信号やアナログビデオ信号に変換され、表示部4によって表示される。また表示部4には、記録モードにおいて周期的に撮像された画像がスルー画像として表示される。
【0028】
ROM23は、CPU11における各部の制御及びデータ処理に必要な各種の動作プログラムが記録されたプログラムROMである。すなわち、ROM23には、前記プログラムとともに、撮影時の適正な露出値に対応するISO感度とシャッタースピードとの組み合わせを示すプログラム線図等の各種データが格納されている。
【0029】
CPU11は、シャッタースピードであるCCDの電荷蓄積時間や、前記絞りの開放度、前記ユニット回路のゲイン調整アンプ(AGC)のゲインの制御によるAE制御を行うとともに、所定のプログラムに従い、フォーカスレンズを駆動するAF(オートフォーカス)制御、AWB(オートホワイトバランス)制御を行う。メモリカード24は、撮影された撮影画像などを記憶する。
【0030】
RAM22内には、図3に示す絵画風変換データエリア221が設けられている。この絵画風変換データエリア221には、第1記憶部222、第2記憶部223、第3記憶部224、及び第4記憶部227が設けられている。第3記憶部224は、塗りつぶし画像記憶部225と座標記憶部226とに区分されている。
【0031】
第1記憶部222には、撮影された撮影画像が記憶される。第2記憶部223には、撮影画像から輪郭抽出された輪郭画像が記憶される。また、第3記憶部224には、輪郭画像の輪郭線を直線化し、かつ、輪郭線で囲まれた領域を黒色に塗りつぶした後の塗りつぶし画像が記憶され、また、座標記憶部226には、当該塗りつぶし画像の座標位置を示す位置座標が記憶される。第4記憶部227は、撮影画像に基づいて変換された後の、最終的な絵画風画像を生成する際に使用される記憶領域である。
【0032】
なお、座標記憶部226内の位置座標は、当該輪郭画像の全域内の全てのドットの座標、輪郭のみの座標、その他、複数点の座標等、当該輪郭画像中における位置を特定できる複数の座標であれば、どのような座標であってもよい。
一方、表示装置100は、撮影部10を除き、デジタルカメラ1の構成と同様な構成を備えている。
【0033】
以上の構成に係る本実施の形態において、デジタルカメラ1はCPU11がROM23に格納されているプログラムに従って処理を実行することにより、図4のフローチャートに示す絵画風画像作成処理を実行する。
【0034】
すなわち、使用者がこのデジタルカメラ1を携帯し、例えば、被写体として、眠り猫が存在するシーンのもとでシャッターキー8を押下すると、CPU11は撮影処理を開始し、撮影部により、眠り猫の撮影画像6aを取得する。この取得された撮影画像6aは、RAM22における第1記憶部222に記憶される。
【0035】
次に、CPU11は、撮影画像表示処理を実行して、表示部4に撮影した眠り猫の撮影画像6aを表示させる(ステップS101)。これにより、表示部4には、図6に示した撮影画像6aが表示される。
【0036】
引き続き、CPU11は、撮影画像6aにおいて輪郭を抽出する(ステップS102)。この被写体別の輪郭抽出に際しては、図7に示すように、撮影画像6aZの輝度信号及び色差信号から、近い輝度又は色差信号別に、同系色の色相別等に領域を分割し、さらに、領域の境界線となる輪郭線Lを抽出し、この輪郭線Lで囲まれた部分を一つの抽出領域として検出する。
【0037】
さらに、この抽出した被写体別の画像を輪郭画像7Aとして、第2記憶部223の輪郭画像記憶部225に記憶するとともに、各輪郭画像7A内における位置座標を第2記憶部223の座標記憶部226に記憶する。これにより、図3に示すように、第2記憶部223の輪郭画像記憶部225には、眠り猫の輪郭画像7Aが記憶され、また、座標記憶部226には、当該輪郭画像7Aの位置座標(x1,y1)・・・が記憶される。
【0038】
次に、CPU11は、塗りつぶし処理を実行する(ステップS103)。この塗りつぶし処理は、輪郭線内のうち、陰影などの黒色系の部分全体を黒色塗りつぶし処理のほかに、輪郭線のうちの凸凹のある部分を直線化する直線化処理も含む各種の付加処理を施す。
この付加処理は、はさみなどの裁断器を用いて、切り絵を行う際の裁断効率または隣り合う絵の部分の連結を図るための処理である。この処理は、たとえば、図8(B)に示すように、凸凹の各頂点81,82,83,84を線で結び、この結ばれた線と輪郭線とで囲まれた部分を黒色で塗りつぶす処理、隣り合う線図を連結する連結線85を付加する処理、細い輪郭線に平行な平行線86を付加する処理を行うなどで,図8(C)に示すような塗りつぶし処理を実施することができる。
【0039】
次に、CPU11は、切り絵の種類を一覧表示する処理に移行する(ステップS104)。
図9は、切り絵の種類を一覧表示した場合の表示例を示す図である。この図に示すように、「作りたい切り絵の種類を選択してください」と、使用者に切り絵の種類選択を促すメッセージ部90を表示する一方で、その下部位置に、切り絵の種類を示す項目9A〜9D(または種類アイコンでもよい)を表示する。
【0040】
次に、CPU11は、この切り絵の種類を一覧表示したあとに、使用者が切り絵の種類を選択するための入力部21内の選択スイッチ21aが操作されたか否かを判別する(ステップS105)。
【0041】
次に、CPU11は、選択スイッチ21aが操作されたことを判別した際は、この選択スイッチ21aの操作により選択された切り絵の種類に応じた切り絵風変換処理を実行する(ステップS106)。
【0042】
図10〜図13は、この切り絵風変換処理の実行により作成された切り絵を示す。
すなわち、図10は、選択スイッチ21aの操作により、「かげくくり(黒い線)」の項目が選択された際に作成されたひなたの切り絵風画像10Aの表示例である。
図11は、選択スイッチ21aの操作により、「ひなた(白い面)」の項目が選択された際に作成されたひなたの切り絵風画像11Aの表示例である。
図12は、選択スイッチ21aの操作により、「かげ(黒い面)」の項目が選択された際に作成されたひなたの切り絵風画像12Aの表示例である。
図13は、選択スイッチ21aの操作により、「ひなたくくり(白い線)」の項目が選択された際に作成されたひなたの切り絵風画像13Aの表示例である。
【0043】
図10に示す「かげくくり(黒い線)」は、白い背景に黒く切り残された線によって形が表される表し方で表現する。
図11に示す「ひなた(白い面)」は、黒の背景に白く切り抜かれた面による表し方であり、抽出された被写体である「眠り猫」の画像の輪郭部分の背景部分を全面的に「くろかげ」である「黒い面」と白の背景に、黒を切り残した 面による表し方で表現する。
図12に示す「かげ(黒い面)」は、白い背景に白く切り抜かれた面によって形が表される表し方で表現する。
図13に示す「ひなたくくり(白い線)」は、黒い背景に白い線で形が縁どられる表し方で表現する。
CPU11は、それぞれの表現となるように、一つの撮影画像6aに基づいて、図10〜図13に示す切り絵風画像10A,11A,12A,13Aに画像変換する。
【0044】
次に、CPU11は、つなぎ線選択画面を表示する処理に移行する(ステップS107)。
図14は、つなぎ線選択画面を表示した場合の表示例を示す図である。この図に示すように、「つなぎ線が付いた切り絵にしますか?」と、使用者に切り絵に対するつなぎ線の付加を行うのか否かを促すメッセージ部14Aを表示する一方で、その下部位置に、つなぎ線の付加を「する」「しない」を示す選択項目14B、14C(またはアイコンでもよい)を表示する。
【0045】
次に、CPU11は、つなぎ線選択画面を表示したあとに、使用者がつなぎ線の付加を選択するための入力部21内の選択スイッチ21aが操作されたか否かを判別する(ステップS108)。
【0046】
次に、CPU11は、選択スイッチ21aが操作されたことを判別した際は、この選択スイッチ21aの操作により選択されたつなぎ線の付加に応じたつなぎ線付き切り絵作成処理を実行する(ステップS109)。
【0047】
このつなぎ線付き切り絵作成処理は、図5(A)のフローチャートに従った処理を実行する。
すなわち、まず、切り絵風画像に対する枠追加処理を行う(ステップS110)。この枠追加処理は、たとえば、図15に示すように、切り絵風画像の外周位置に、当該切り絵風画像を取り囲むように、枠150の追加を行う。
【0048】
次に、この追加された枠150と切り絵風画像との間へのつなぎ線追加処理を行う(ステップS111)。このつなぎ線追加処理は、たとえば、図16に示すように、切り絵風画像10Aと追加された枠150との間に、これらを連結するための複数本のつなぎ線161〜165を追加する処理である。
このつなぎ線を追加するためのつなぎ線追加処理は、たとえば、図5(B)に示すように、切り絵風画像10Aと追加された枠150との間の距離を計測する。また、追加された枠150の対角位置を演算して求める(ステップS112)。次に、このような計測または演算に基づいて、切り絵風画像10Aと追加された枠150とを連結するための複数本のつなぎ線161〜165を追加する(ステップS113)。
この図16に示す場合は、追加された枠150の左右の枠部分と切り絵風画像とを連結する2本ずつのつなぎ線161〜164と、追加された枠150の下部の枠部分と切り絵風画像とを連結する1本のつなぎ線165とを備えているが、この例に限られず、つなぎ線の個数は適宜増減可能であり、また、つなぎ線の配置位置もこの例に限られない。
【0049】
以上のような実施の形態によれば、撮影画像に基づいて、鑑賞者の希望する種類の切り絵風画像を自動的にかつ容易に作成して、表示部4に表示させてくれるので、切り絵風画像を迅速かつ容易に観賞することができる。
【0050】
また、この表示させた切り絵風画像をメモリカード24に記憶し、この記憶されたメモリカード24を表示装置100に装着すれば、大画面の表示部13により、切り絵風画像を観賞することもできる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を示したが、デジタルカメラに限らず、撮影手段を備えるものであれば携帯電話等の他の機器に適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 デジタルカメラ
4 表示部
10 撮像部
11 CPU
24 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像を記憶している画像記憶手段と、
この画像記憶手段に記憶されている撮影画像に対して、作成したい切り絵の種類を指定する指定手段と、
この指定手段により切り絵の種類の中から作成したい切り絵の種類を指定すると、この指定された切り絵の種類に対応した切り絵風画像を、前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に基づいて作成する作成手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記作成手段は、
前記記憶手段に記憶された撮影画像の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
この輪郭抽出手段により抽出された輪郭を表す輪郭線に基づいて、切り絵部分となる塗りつぶし部分を施す塗りつぶし処理手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記作成手段は、
つなぎ線を付けるか否かを指定するつなぎ線指定手段と、
このつなぎ線指定手段により、つなぎ線を付けると指定されると、この指定されたつなぎ線付きの切り絵風画像を、前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に基づいて作成するつなぎ線付き画像作成手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記塗りつぶし処理手段は、前記輪郭線の凸凹部分を直線化し、この直線化した線図を基にして塗りつぶしを行う直線化処理手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記作成手段により作成された切り絵風画像を表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
撮影画像を記憶している画像記憶部と、この画像記憶部に記憶されている撮影画像を表示する表示部とを備えている画像処理装置に用いられる画像処理方法において、
切り絵の種類を前記表示部に表示させる切り絵種類表示制御ステップと、
この切り絵種類表示制御ステップにより表示された切り絵の種類の中から、前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に対して、作成したい切り絵の種類を指定するための指定手段が指定されると、この指定された切り絵の種類に対応した切り絵風画像を、前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に基づいて作成する作成ステップと、
を備えていることを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
前記作成ステップは、
前記記憶手段に記憶された撮影画像の輪郭を抽出する輪郭抽出ステップと、
この輪郭抽出ステップにより抽出された輪郭を表す輪郭線に基づいて、切り絵部分となる塗りつぶし部分を施す塗りつぶし処理ステップと、
を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記作成ステップは、
つなぎ線を付けるか否かを指定するためのつなぎ線指定手段により、つなぎ線を付けると指定されると、この指定されたつなぎ線付きの切り絵風画像を、前記画像記憶手段に記憶されている撮影画像に基づいて作成するつなぎ線付き画像作成ステップと、
を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記塗りつぶし処理ステップは、前記輪郭線の凸凹部分を直線化し、この直線化した線図を基にして塗りつぶしを行う直線化処理ステップを備えていることを特徴とする請求項7記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記作成ステップにより作成された切り絵風画像を表示させる表示制御ステップを備えることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−180643(P2011−180643A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41649(P2010−41649)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】