説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】入力画像に生じたぼやけを低減する際に、入力画像に含まれるノイズを低減しつつ、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを抑制することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】入力画像に生じたぼやけを低減するための画像処理装置100であって、ノイズを低減するノイズ処理を入力画像に対して行うことによりノイズ処理画像を生成するノイズ処理部10と、ぼやけを低減する画像復元処理をノイズ処理画像に対して行う復元処理部20とを備え、ノイズ処理部10は、画像復元処理の特性に基づいてノイズ処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像に生じたぼやけ(blur)を低減するための画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮影時にフォーカスが合っていないこと(焦点外れ:out−of−focus)、あるいは手振れ(camera shake)などにより入力画像にぼやけが生じる。そこで、ぼやけが生じた入力画像に対して画像復元処理を行うことにより、高精細な出力画像を得ることができる。しかし、画像復元処理では、入力画像の高周波数成分が強調されるため、入力画像に含まれるノイズも増幅される。このため、入力画像にノイズが含まれている場合には、画像復元処理により良好な出力画像を得ることが難しい。
【0003】
そこで、従来、画像復元処理によってノイズが強調されないように、ノイズ情報を利用して復元関数を設計する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。一般的に、画像復元処理において、以下に示す式(1)のように、劣化関数H(u,v)の逆関数が復元関数M(u,v)として利用されている。
【0004】
【数1】

【0005】
ぼやけなどで劣化した画像は、高周波数成分が少ない。つまり、高周波数成分を強調することによって、ぼやけを低減することができる。しかし、このように高周波成分が強調されることにより、ノイズも強調される。
【0006】
特許文献1に記載の方法では、ノイズのスペクトル密度Sn(u,v)、及び近似理想画像スペクトル密度Sf(u,v)を利用して、以下に示す式(2)のように復元関数M(u,v)が設計されている。
【0007】
【数2】

【0008】
式(2)では、ノイズの密度関数Sn(u,v)と近似理想画像スペクトル密度Sf(u,v)との比からおおよそノイズの量が推定されることを利用して、復元関数が設計されている。つまり、式(2)に示す復元関数では、推定されるノイズの量に基づいて、画像復元処理による復元度合いが調整される。具体的には、ノイズが少ない場合(Sn(u,v)/Sf(u,v)が非常に小さい場合)、式(2)に示す復元関数は、式(1)に示す一般的な復元関数(劣化関数の逆関数)と略同一となり、画像を十分に復元することができる。一方、ノイズが多い場合(Sn(u,v)/Sf(u,v)が大きい場合)、式(2)に示す復元関数では、式(1)に示す一般的な復元関数よりも復元度合いが小さくなり、画像復元処理によってノイズが強調されることが抑制される。
【0009】
また、画像復元処理の前後に、ノイズを低減する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。図10は、特許文献2に記載された従来の画像復元処理を示す図である。
【0010】
図10に示す従来の画像復元処理において、まず、露出情報検出40において検出された露出情報に基づいて、入力画像のノイズを低減する第1ノイズ低減フィルタ処理30が行われる。次に、ノイズが低減された画像に対して復元処理50が行われる。このように、復元処理50の前にノイズを低減する第1ノイズ低減フィルタ処理30が行われることによって、復元処理50によってノイズが強調されることが抑えられる。また、復元処理50の後に、第2ノイズ低減フィルタ処理60が行われることにより、さらにノイズが低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−172533号公報
【特許文献2】国際公開第2007/013621号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、ノイズが多い場合、画像復元処理における復元度合いが弱くなるため、画像が十分に復元されない。つまり、特許文献1に記載の方法では、ノイズが多い場合、ボケあるいはブレなどが復元結果画像に残るという課題がある。
【0013】
また、特許文献2に記載の方法では、第1ノイズ低減フィルタ処理によってノイズではない真の画像信号まで加工される場合がある。このような場合、第1ノイズ低減フィルタ処理によって画像の劣化が起こり、さらに、復元処理によってその画像の劣化が強調されるという課題がある。
【0014】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、入力画像に生じたぼやけを低減する際に、入力画像に含まれるノイズを低減しつつ、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを抑制することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記従来の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像処理装置は、入力画像に生じたぼやけを低減するための画像処理装置であって、ノイズを低減するノイズ処理を前記入力画像に対して行うことによりノイズ処理画像を生成するノイズ処理部と、ぼやけを低減する画像復元処理を前記ノイズ処理画像に対して行う復元処理部とを備え、前記ノイズ処理部は、前記画像復元処理の特性に基づいて前記ノイズ処理を行う。
【0016】
この構成によれば、画像復元処理を行う前にノイズ処理を行うので、入力画像に含まれるノイズを低減することができる。さらに、画像復元処理の特性に基づいてノイズ処理を行うので、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを抑制することもできる。
【0017】
また、前記ノイズ処理部は、前記入力画像に対する前記ノイズ処理画像の周波数領域における変化度合いが前記画像復元処理の特性に応じて制限されるように、前記ノイズ処理を行うことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、入力画像に対するノイズ処理画像の周波数領域における変化度合いを画像復元処理の特性に応じて制限することができるので、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを効率的に抑制することができる。
【0019】
また、前記復元処理部は、周波数領域における周波数ごとの復元度合いを示す復元関数を用いて前記画像復元処理を行い、前記画像復元処理の特性は、前記復元関数が示す復元度合いであることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、復元関数が示す復元度合いに応じて、変化度合いを制限することができるので、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを効率的に抑制することができる。
【0021】
また、前記ノイズ処理部は、前記復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における前記変化度合いが制限されるように、前記ノイズ処理を行うことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における変化度合いを制限することができる。したがって、画像の劣化が強調されやすい周波数ほど画像の劣化が発生しないようにすることができ、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを効率的に抑制することができる。
【0023】
また、前記ノイズ処理部は、前記入力画像に対して空間領域でノイズ低減処理を行うことにより、ノイズ低減画像を生成するノイズ低減部と、前記復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における前記変化度合いを制限するための第1変動幅が小さくなるように、第1変動幅を周波数ごとに設定する第1変動幅設定部と、前記変化度合いの大きさを示す変化度が前記第1変動幅を超えないように前記ノイズ低減画像を加工することにより、前記ノイズ処理画像を生成する周波数制限部とを有することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、変化度が第1変動幅を超えないようにノイズ低減画像を加工することにより、復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における変化度合いが制限されるノイズ処理画像を容易に生成することができる。
【0025】
また、前記周波数制限部は、前記入力画像及び前記ノイズ低減画像を空間領域から周波数領域に変換する領域変換部と、周波数領域に変換された入力画像の振幅と周波数領域に変換されたノイズ低減画像の振幅との差分値の絶対値を前記変化度として周波数ごとに算出する比較部と、算出された前記変化度が前記第1変動幅を超えるか否かを周波数ごとに判定し、前記変化度が前記第1変動幅を超えると判定された場合に、当該周波数における前記変化度が前記第1変動幅と一致するように前記ノイズ低減画像の振幅を加工する加工部とを有することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、変化度が第1変動幅を超える場合には、変化度が第1変動幅と一致するようにノイズ低減画像を加工することができる。したがって、できる限りノイズを低減しつつ、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを抑制することができる。
【0027】
また、さらに、前記入力画像のノイズ情報に基づいて、周波数に関わらず均一の第2変動幅を設定する第2変動幅設定部を備え、前記周波数制限部は、前記変化度が前記第1変動幅及び前記第2変動幅を超えないように前記ノイズ低減画像を加工することにより、前記ノイズ処理画像を生成することが好ましい。
【0028】
この構成によれば、さらに、ノイズの振幅が周波数に関わらず均一であることを利用して、ノイズ処理によって画像が劣化することを抑制することができる。
【0029】
また、前記ノイズ情報は、カメラのセンサー特性、前記入力画像が撮影された時のISO感度、及び前記入力画像の輝度を利用して算出されることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、カメラのセンサー特性、入力画像が撮影された時のISO感度、及び入力画像の輝度を利用して算出されたノイズ情報に基づいて第2変動幅を高精度に設定することが可能となる。
【0031】
また、前記ノイズ処理部は、前記画像復元処理の特性と前記入力画像のノイズ情報とに基づいて、前記ノイズ処理を行うことが好ましい。
【0032】
この構成によれば、さらに、ノイズ情報に基づいてノイズ処理を行うことができるので、ノイズ処理によって画像が劣化することを抑制することができる。
【0033】
また、前記ノイズ情報は、カメラのセンサー特性、前記入力画像が撮影された時のISO感度、及び前記入力画像の輝度を利用して算出されることが好ましい。
【0034】
この構成によれば、カメラのセンサー特性、入力画像が撮影された時のISO感度、及び入力画像の輝度を利用して算出されたノイズ情報に基づいてノイズ処理を行うことができるので、ノイズ処理によって画像が劣化することをさらに抑制することができる。
【0035】
また、前記画像復元処理の特性は、前記入力画像の画像劣化関数を利用して導出されることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、入力画像の画像劣化関数を利用して導出される画像復元処理の特性に基づいて、ノイズ処理を行うことができる。
【0037】
また、上記画像処理装置は集積回路として構成されてもよい。
【0038】
また、本発明は、このような画像処理装置として実現することができるだけでなく、このような画像処理装置が備える特徴的な構成部の動作をステップとする画像処理方法として実現することができる。また、本発明は、画像処理方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、画像復元処理を行う前にノイズ処理を行うので、入力画像に含まれるノイズを低減することができる。さらに、画像復元処理の特性に基づいてノイズ処理を行うので、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係るノイズ処理部の機能構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る周波数制限部の機能構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置における処理の流れを示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1に係る第1変動幅設定部における処理を説明するための図
【図6】本発明の実施の形態1に係る周波数制限部における処理の流れを示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態1に係るノイズ処理部によって生成されるノイズ処理画像を説明するための図
【図8】本発明の実施の形態2に係るノイズ処理部の機能構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態2に係る周波数領域での画像信号の変動の一例を示す図
【図10】従来の画像復元処理を示す図
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0042】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0043】
画像処理装置100は、入力画像に生じたぼやけを低減する。図1に示すように、画像処理装置100は、ノイズ処理部10と、復元処理部20とを備える。
【0044】
ノイズ処理部10は、入力された入力画像のノイズ低減を行う。つまり、ノイズ処理部10は、ノイズを低減するノイズ処理を入力画像に対して行うことによりノイズ処理画像を生成する。このとき、ノイズ処理部10は、復元処理部20が行う画像復元処理の特性に基づいてノイズ処理を行う。つまり、ノイズ処理部10は、画像復元処理の特性に基づいて、ノイズが低減される度合いを調整しながらノイズ処理を行う。
【0045】
具体的には、ノイズ処理部10は、ノイズ処理画像の変化度合いが画像復元処理の特性に応じて制限されるようにノイズ処理を行う。ここで、ノイズ処理画像の変化度合いとは、入力画像に対するノイズ処理画像の周波数領域における変化の度合いを示す。
【0046】
より具体的には、ノイズ処理部10は、復元関数が示す復元度合いに応じて変化度合いが制限されるようにノイズ処理を行う。本実施の形態では、ノイズ処理部10は、復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における変化度合いが制限されるようにノイズ処理を行う。
【0047】
ここで、復元度合いとは、画像復元処理によって処理対象画像の周波数成分が変更される度合いを示す。つまり、復元度合いが大きいほど、画像復元処理によって周波数成分が大きく変更される。
【0048】
復元処理部20は、ぼやけを低減する画像復元処理をノイズ処理画像に対して行うことにより、出力画像を生成する。具体的には、復元処理部20は、周波数領域における周波数ごとの復元度合いを示す復元関数を用いて画像復元処理を行う。
【0049】
なお、画像復元処理のアルゴリズムは、ぼやけが低減されればどのようなアルゴリズムであってもよい。例えば最も単純には、画像復元処理は、式(1)に示す復元関数を周波数領域においてノイズ処理画像に乗算する処理である。また例えば、画像復元処理は、公知のリチャードソンルーシ(LR)法あるいはウィーナフィルタ法などを用いた処理であってもよい。
【0050】
次に、ノイズ処理部10の機能構成の詳細について説明する。
【0051】
図2は、本発明の実施の形態1に係るノイズ処理部10の機能構成を示すブロック図である。
【0052】
図2に示すように、ノイズ処理部10は、ノイズ低減部11と、第1変動幅設定部12と、周波数制限部13とを有する。本実施の形態では、これらのノイズ低減部11と第1変動幅設定部12と周波数制限部13とによってノイズ処理が実行される。
【0053】
ノイズ低減部11は、入力画像に対して空間領域でノイズ低減処理を行うことにより、ノイズ低減画像を生成する。
【0054】
第1変動幅設定部12は、画像復元処理の特性に基づいて、変化度合いを制限するための第1変動幅を周波数ごとに設定する。具体的には、第1変動幅設定部12は、復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における第1変動幅が小さくなるように、第1変動幅を周波数ごとに設定する。
【0055】
周波数制限部13は、変化度合いの大きさを示す変化度が第1変動幅を超えないように、ノイズ低減画像を周波数領域において加工することにより、ノイズ処理画像を生成する。
【0056】
図3は、本発明の実施の形態1に係る周波数制限部13の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、周波数制限部13は、領域変換部13aと、比較部13bと、加工部13cとを備える。
【0057】
領域変換部13aは、入力画像及びノイズ低減画像を空間領域から周波数領域に変換する。具体的には、領域変換部13aは、入力画像及びノイズ低減画像をフーリエ変換する。
【0058】
比較部13bは、周波数領域に変換された入力画像の振幅と周波数領域に変換されたノイズ低減画像の振幅との差分値の絶対値を変化度として周波数ごとに算出する。
【0059】
加工部13cは、算出された差分値の絶対値が第1変動幅を超えるか否かを周波数ごとに判定する。ここで、差分値の絶対値が第1変動幅を超えると判定された場合に、加工部13cは、当該周波数における差分値の絶対値が第1変動幅と一致するようにノイズ低減画像の振幅を加工する。一方、差分値の絶対値が第1変動幅を超えないと判定された場合には、加工部13cは、当該周波数におけるノイズ低減画像の振幅を加工しない。
【0060】
以上のように、ノイズ処理部10は、復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における変化度合いが制限されるようにノイズ処理を行う。
【0061】
次に、以上のように構成された画像処理装置100における各種動作について説明する。
【0062】
図4は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置100における処理の流れを示すフローチャートである。
【0063】
まず、ノイズ処理部10は、ノイズを低減するノイズ処理を前記入力画像に対して行うことによりノイズ処理画像を生成する(S101)。
【0064】
具体的には、ステップS101では、以下のステップS102〜S104の処理が実行される。ノイズ低減部11は、入力画像に対して空間領域においてノイズ低減処理を行う(S102)。本実施の形態では、ノイズ低減処理は、特に限定される必要はなく、ノイズ低減効果があればどのような処理であってもよい。例えば、ノイズ低減処理は、一般的なローパスフィルタ、バイラテラルフィルタ、又はウェーブレットによるノイズ低減処理などであってもよい。
【0065】
次に、第1変動幅設定部12は、画像復元処理の特性に基づいて、周波数ごとに第1変動幅を設定する(S102)。ここでは、画像復元処理の特性は、復元処理部20が画像復元処理を行う時に用いる復元関数が示す復元度合いを示す。
【0066】
復元関数は、撮影時の画像のボケあるいはブレなどを表すPSF(Point Spread Function)から導出される。最も原始的には、復元関数は、PSFの逆関数で表され、図5の(a)に示すような特徴を持っている。なお、復元関数は、必ずしもPSFの逆関数である必要はなく、PSFの逆関数に近似する変換関数であってもよい。
【0067】
図5は、本発明の実施の形態1に係る第1変動幅設定部12における処理を説明するための図である。具体的には、図5の(a)は復元関数の一例を示す図であり、図5の(b)は第1変動幅の一例を示す図である。
【0068】
入力画像にぼやけが生じている場合、入力画像の高周波数成分が減衰され、入力画像の細部あるいはエッジなどがくっきりしていない。そのため、入力画像を復元するためには、高周波成分を強調する必要がある。そこで、復元関数は、一般的に、図5の(a)に示すように設定される。つまり、復元関数は、高周波数ほど復元度合いが大きくなうように設定される。ここで、ノイズ低減部11がノイズ低減処理を行った際に画像の劣化が発生した場合は、この画像の劣化も画像復元処理によって強調されてしまう。
【0069】
そこで、画像復元処理によって、ノイズ低減処理で発生した画像の劣化が強調されないように、第1変動幅設定部12は、復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における第1変動幅が小さくなるように、第1変動幅を周波数ごとに設定する。
【0070】
例えば周波数ごとの第1変動幅をRange(u,v)と表した場合、Range(u,v)は、図5の(b)に示すように、周波数が高いほど値が小さくなるように設定される。具体的には、Range(u,v)は、例えば、予め定められた一定値から復元度合いを示す値を減じることにより算出される。また例えば、Range(u,v)は、予め定められた一定値を、復元度合いを示す値で除算することにより算出されてもよい。つまり、Range(u,v)は、復元度合いが大きいほど値が小さくなるように算出されれば、どのような方法で算出されてもよい。
【0071】
次に、周波数制限部13は、第1変動幅設定部12によって設定された第1変動幅に従って、ノイズ低減部11によってノイズが低減されたノイズ低減画像を加工する(S104)。ステップS104の処理の詳細は、図6を用いて後述する。
【0072】
最後に、復元処理部20は、ぼやけを低減する画像復元処理をノイズ処理画像に対して行い(S105)、処理を終了する。
【0073】
以下、周波数制限部13における処理(S104)について、図6を用いて詳細に説明する。
【0074】
図6は、本発明の実施の形態1に係る周波数制限部13における処理の流れを示すフローチャートである。
【0075】
まず、領域変換部13aは、入力画像及びノイズ低減画像をフーリエ変換で周波数領域に変換し、入力画像及びノイズ低減画像の振幅特性A1(u,v)及びA2(u,v)を算出する(S131)。そして、比較部13bは、周波数ごとに振幅特性A1(u,v)及びA2(u,v)の比較を行い、以下の式(3)に示すように、振幅の差Diff(u,v)を算出する(S132)。
【0076】
【数3】

【0077】
Diff(u,v)は、ノイズ低減処理後の画像であるノイズ低減画像とノイズ低減処理前の画像である入力画像との周波数領域における振幅の変化度合いを表す。このDiff(u,v)の絶対値は、ノイズ低減処理による画像の変化度合いを示している。Diff(u,v)の絶対値が大きければ、ノイズ低減処理によって、画像が大きく変化したことを意味する。つまり、このDiff(u,v)の絶対値は、入力画像に対するノイズ低減画像の周波数領域における変化度合いを示す変化度に相当する。
【0078】
次に、加工部13cは、算出した振幅の差Diff(u,v)の絶対値及び第1変動幅設定部12が設定した第1変動幅Range(u,v)の大小関係を利用して、周波数領域における変化度合いを制限する(S133)。具体的には、加工部13cは、振幅の差Diff(u,v)の絶対値と変動幅Range(u,v)とを比較する。そして、加工部13cは、振幅の差Diff(u,v)の絶対値が第1変動幅Range(u,v)より大きい場合は、当該周波数において、振幅の差の絶対値が第1変動幅と一致するように、ノイズ低減画像の振幅特性A2(u,v)を加工する。つまり、加工部13cは、ノイズ低減処理によって画像が劣化している可能性があるので、ノイズ低減された画像の振幅数特性A2(u,v)を以下の式(4)により加工する。
【0079】
【数4】

【0080】
ここで、sign(x)は、xの符号を表す符号関数(signum function)である。
【0081】
図7は、本発明の実施の形態1に係るノイズ処理部10によって生成されるノイズ処理画像を説明するための図である。具体的には、図7の(a)は、ノイズ低減部11によって生成されたノイズ低減画像の振幅特性の一例を示す図である。また、図7の(b)は、周波数制限部13によって生成されたノイズ処理画像の振幅特性の一例を示す図である。なお、図7には、u軸方向の一断面の振幅特性を示す。
【0082】
図7に示すように、周波数制限部13は、ノイズ低減画像において、入力画像の振幅との差分値の絶対値が第1変動幅を超える振幅を、入力画像の振幅と第1変動幅だけ異なる振幅に加工する。このように加工された結果、復元度合いが大きい周波数において振幅の変化度が小さい画像がノイズ処理画像として生成される。
【0083】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置100によれば、画像復元処理を行う前にノイズ処理を行うので、入力画像に含まれるノイズを低減することができ、画像復元処理によってノイズが強調されることを抑制することができる。また、画像復元処理の特性に基づいてノイズ処理を行うので、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを抑制することができる。
【0084】
また、画像処理装置100によれば、復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における変化度合いを制限することができる。したがって、画像の劣化が強調されやすい周波数ほど画像の劣化が発生しないようにノイズ処理を行うことができ、ノイズ処理によって発生する画像の劣化が画像復元処理によって強調されることを効率的に抑制することができる。
【0085】
なお、本実施の形態では、復元関数は、PSFから導出されたが、必ずしもPSFから導出される必要はない。例えば、復元関数は、カメラの光学系による劣化を表わす劣化関数あるいはカメラの動きによる劣化を表わす劣化関数から導出されてもよい。つまり、復元関数は、入力画像の劣化を表す劣化関数から導出されればよい。
【0086】
なお、本実施の形態では、第1変動幅設定部12では、図5の(b)に示すに第1変動幅を設定したが、復元度合いが大きいほど第1変動幅を小さくするという条件を満たしていれば、必ずしも同図に示すように第1変動幅を設定する必要はない。また、第1変動幅設定部12は、さらに、第1変動幅が予め定められた上限値及び下限値の範囲内の値となるように、第1変動幅を設定してもよい。
【0087】
なお、本実施の形態では、領域変換部13aは、画像を周波数領域に変換する際にフーリエ変換を利用したが、画像を周波数領域に変換できれば、他の変換方法を利用してもよい。
【0088】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0089】
本実施の形態に係る画像処理装置は、実施の形態1に係る画像処理装置とノイズ処理部10の一部が異なるが、他の部分については同様である。そこで、実施の形態1と異なる部分を中心に実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
【0090】
図8は、本発明の実施の形態2に係るノイズ処理部10の機能構成を示すブロック図である。図8において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、適宜、説明を省略する。
【0091】
ノイズ周波数特性算出部14は、入力画像及びノイズ情報を利用して、ノイズの周波数特性を算出する。
【0092】
第2変動幅設定部15は、ノイズ周波数特性算出部14により算出されたノイズの周波数特性に基づいて、周波数に関わらず均一の第2変動幅を設定する。
【0093】
まず、ノイズ周波数特性算出部14における処理の詳細を説明する。
【0094】
一般に画像に含まれるランダム性のノイズは、画像の輝度が一定の場合は、全ての周波数において振幅がほぼ同じという特性がある。また、撮影時のISO感度が高められることによって、撮影画像がゲインアップされ、ノイズも増幅される。ここで、平均輝度及びISO感度の組み合わせが互い異なる複数の画像においてノイズ量が予め算出されていれば、平均輝度とISO感度とにノイズの周波数特性(例えば振幅の最大値)を対応付けたテーブルを生成することができる。
【0095】
この場合、ノイズ周波数特性算出部14は、テーブルを参照することによって、カメラのセンサー特性、入力画像領域の平均輝度及び撮影時のISO感度情報に対応するノイズの周波数特性を算出できる。つまり、ノイズ周波数特性算出部14は、カメラのセンサー特性、入力画像領域の平均輝度及び撮影時のISO感度情報に対応する、周波数領域におけるノイズの振幅の最大値を算出できる。
【0096】
そこで、ノイズ周波数特性算出部14は、まず入力画像の平均輝度を算出する。そして、ノイズ周波数特性算出部14は、予め保存されているテーブルを参照して、算出した平均輝度及び取得したISO情報に対応する、周波数領域におけるノイズの振幅の最大値N_maxを算出する。
【0097】
次に、第2変動幅設定部15における処理の詳細を説明する。
【0098】
ここで、入力画像をF(u,v)、真の画像信号をS(u,v)、ノイズをN(u,v)と表した場合、入力画像は以下の式(5)のように表される。
【0099】
【数5】

【0100】
また、算出されたノイズの振幅の最大値はN_maxである。したがって、図9に示すように、各周波数成分において、真の画像信号S(u,v)は、(F(u,v)±N_max)の範囲(ハッチングされた領域)で変動することがわかる。つまり、ノイズ低減画像が、この範囲(ハッチングされた領域)を超えた場合は、真の画像信号がノイズ低減処理によって劣化されたことがわかる。
【0101】
そこで、入力画像の劣化を抑制するために、第2変動幅設定部15は、周波数に関わらず均一な第2変動幅として、ノイズの振幅の最大値N_maxを設定する。
【0102】
次に、周波数制限部13は、入力画像に対するノイズ処理画像の周波数領域における変化度合いを示す変化度が第1変動幅及び第2変動幅を超えないようにノイズ低減画像を加工する。
【0103】
具体的には、周波数制限部13は、例えば、第2変動幅設定部15が設定した第2変動幅N_maxを利用して、第1変動幅設定部12が設定した第1変動幅Range(u,v)を補正する。
【0104】
第1変動幅Range(u,v)は、ノイズ特性を利用せず算出された値であるため、実際のノイズよりも大きな変化度合いを許容する値である可能性がある。そこで、周波数制限部13は、Range(u,v)の最大値がN_maxになるようにRange(u,v)を補正する。具体的には、周波数制限部13は、例えば、Range(u,v)の最大値がN_maxになるようにスケール処理する。また例えば、周波数制限部13は、Range(u,v)のうちN_maxを超える部分がN_maxと一致するように、Range(u,v)を補正してもよい。そして、周波数制限部13は、補正したRange(u,v)を利用して実施の形態1と同様の処理を行う。
【0105】
以上のように、本実施の形態に係る画像処理装置100によれば、ノイズの情報を利用してノイズの周波数特性を算出することによって、ノイズの振幅の最大値を正確に推定することができる。このノイズの振幅の最大値を利用して、入力画像に対するノイズ処理画像の周波数領域における変化度合いを制限することによって、ノイズ処理による画像の劣化を抑制することができる。
【0106】
なお、本実施の形態では、ノイズ周波数特性算出部14では、入力画像の平均輝度を算出したが、ノイズ低減画像の平均輝度を算出してもよい。これは、ノイズ低減処理によって平均輝度はほとんど変化しないからである。
【0107】
なお、本実施の形態では、ノイズ周波数特性算出部14は、平均輝度とISO感度とにノイズの振幅の最大値を対応付けたテーブルを用いて、ノイズの振幅の最大値を算出していたが、必ずしもテーブルを用いてノイズの振幅の最大値を算出する必要はない。例えば、ノイズ周波数特性算出部14は、平均輝度とISO感度とからノイズの振幅の最大値を算出することができる数式を用いて、ノイズの振幅の最大値を算出してもよい。
【0108】
なお、本実施の形態では、ノイズ周波数特性算出部14は、画像全体に対してノイズの周波数特性を算出したが、画像領域ごとにノイズの周波数特性を算出してもよい。これによれば、ノイズ周波数特性算出部14は、画像領域の平均輝度がより正確に求められ、それに伴って、ノイズの周波数特性もより正確に算出できる。
【0109】
なお、本実施の形態では、周波数制限部13は、第2変動幅を用いて第1変動幅を補正していたが、必ずしも第1変動幅を補正する必要はない。この場合、周波数制限部13は、例えば、第1変動幅及び第2変動幅を順に用いて変化度合いを制限してもよい。具体的には、周波数制限部13は、例えば、第1変動幅を用いてノイズ低減画像を加工した後、加工後の画像を第2変動幅を用いて加工してもよい。
【0110】
以上、本発明の一態様に係る画像処理装置100について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、あるいは異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0111】
例えば、上記実施の形態1及び2において、第1変動幅設定部12は、周波数ごとに第1変動幅を設定していたが、必ずしも周波数ごとに第1変動幅を設定する必要はない。例えば、第1変動幅設定部12は、所定の周波数帯域ごとに、第1変動幅を設定してもよい。
【0112】
また、上記実施の形態1または2における画像処理装置100が備える構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。例えば、画像処理装置100は、図1に示すように、ノイズ処理部10と復元処理部20とを有するシステムLSI101から構成されてもよい。
【0113】
システムLSI101は、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Ramdom Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0114】
なお、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0115】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0116】
また、本発明は、このような特徴的な処理部を備える画像処理装置として実現することができるだけでなく、画像処理装置に含まれる特徴的な処理部をステップとする画像処理方法として実現することもできる。また、画像処理方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなコンピュータプログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができる。
【0117】
また、本発明は、画像処理装置と撮像素子とを備える撮像装置として実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明に係る画像処理装置は、画像のぼやけを低減する際に、画像復元処理の特性に基づいてノイズ低減処理を調整することによって、ノイズを低減しながら画像の劣化を抑制することができる画像処理装置及び画像処理方法として有用である。
【符号の説明】
【0119】
10 ノイズ処理部
11 ノイズ低減部
12 第1変動幅設定部
13 周波数制限部
13a 領域変換部
13b 比較部
13c 加工部
14 ノイズ周波数特性算出部
15 第2変動幅設定部
20 復元処理部
100 画像処理装置
101 システムLSI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像に生じたぼやけを低減するための画像処理装置であって、
ノイズを低減するノイズ処理を前記入力画像に対して行うことによりノイズ処理画像を生成するノイズ処理部と、
ぼやけを低減する画像復元処理を前記ノイズ処理画像に対して行う復元処理部とを備え、
前記ノイズ処理部は、前記画像復元処理の特性に基づいて前記ノイズ処理を行う、
画像処理装置。
【請求項2】
前記ノイズ処理部は、前記入力画像に対する前記ノイズ処理画像の周波数領域における変化度合いが前記画像復元処理の特性に応じて制限されるように、前記ノイズ処理を行う、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記復元処理部は、周波数領域における周波数ごとの復元度合いを示す復元関数を用いて前記画像復元処理を行い、
前記画像復元処理の特性は、前記復元関数が示す復元度合いである、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ノイズ処理部は、前記復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における前記変化度合いが制限されるように、前記ノイズ処理を行う、
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ノイズ処理部は、
前記入力画像に対して空間領域でノイズ低減処理を行うことにより、ノイズ低減画像を生成するノイズ低減部と、
前記復元度合いが大きい周波数ほど当該周波数における前記変化度合いを制限するための第1変動幅が小さくなるように、第1変動幅を周波数ごとに設定する第1変動幅設定部と、
前記変化度合いの大きさを示す変化度が前記第1変動幅を超えないように前記ノイズ低減画像を加工することにより、前記ノイズ処理画像を生成する周波数制限部とを有する、
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記周波数制限部は、
前記入力画像及び前記ノイズ低減画像を空間領域から周波数領域に変換する領域変換部と、
周波数領域に変換された入力画像の振幅と周波数領域に変換されたノイズ低減画像の振幅との差分値の絶対値を前記変化度として周波数ごとに算出する比較部と、
算出された前記変化度が前記第1変動幅を超えるか否かを周波数ごとに判定し、前記変化度が前記第1変動幅を超えると判定された場合に、当該周波数における前記変化度が前記第1変動幅と一致するように前記ノイズ低減画像の振幅を加工する加工部とを有する、
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
さらに、前記入力画像のノイズ情報に基づいて、周波数に関わらず均一の第2変動幅を設定する第2変動幅設定部を備え、
前記周波数制限部は、前記変化度が前記第1変動幅及び前記第2変動幅を超えないように前記ノイズ低減画像を加工することにより、前記ノイズ処理画像を生成する、
請求項5又は6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記ノイズ情報は、カメラのセンサー特性、前記入力画像が撮影された時のISO感度、及び前記入力画像の輝度を利用して算出される、
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記ノイズ処理部は、前記画像復元処理の特性と前記入力画像のノイズ情報とに基づいて、前記ノイズ処理を行う、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記ノイズ情報は、カメラのセンサー特性、前記入力画像が撮影された時のISO感度、及び前記入力画像の輝度を利用して算出される、
請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記画像復元処理の特性は、前記入力画像の画像劣化関数を利用して導出される、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記画像処理装置は集積回路として構成されている、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
入力画像に生じたぼやけを低減するための画像処理方法であって、
ノイズを低減するノイズ処理を前記入力画像に対して行うことによりノイズ処理画像を生成するノイズ処理ステップと、
ボケ又はブレを低減する画像復元処理を前記ノイズ処理画像に対して行う復元処理ステップとを含み、
前記ノイズ処理ステップにおいて、前記画像復元処理の特性に基づいて前記ノイズ処理を行う、
画像処理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項15】
請求項13に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−54795(P2012−54795A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196231(P2010−196231)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】