説明

画像処理装置

【課題】データの受信完了を待たずに全ページ数に係る情報を合成した画像の出力を開始することのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置20は、プリンタコントローラ10から印刷ジョブのデータの受信完了前に出力の開始指示を受けた場合は、印刷ジョブに係る印刷物の全ページ数を表す情報を受信データのヘッダ部などから取得済みであれば、全ページ数に係る情報を合成して画像の出力を開始し、取得済みでない場合は印刷ジョブのデータの受信完了を待って全ページ数を計数した後に、全ページ数に係る情報を合成した画像の出力を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全ページ数に係る情報を画像に合成して出力する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フッタ部などにページ番号の付加されていない印刷原稿に対して、印刷装置でページ番号を付加して印刷する場合がある。
【0003】
たとえば、特許文献1には、原稿の読み取り動作中に、既に読み取った原稿の枚数をカウントし、このカウント値をページ数のスタンプとして画像に合成する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−11411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数ページ数の印刷物においては、「ページ番号/全ページ数」のような書式でページ番号をフッタ部などに付加することが要請される場合がある。このような書式のページ番号の付加を印刷装置やプリンタコントローラで行う場合、全ページ数を認識するために、全ページのデータの受信完了を待ってから出力動作が開始されていた。このため、1ページ分のデータの受信が完了する毎に該ページの画像を出力する場合に比べて、出力の開始時期が遅れて生産性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、全データの受信完了を待たずに全ページ数に係る情報を合成して画像の出力を開始することのできる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0008】
[1]印刷ジョブのデータを受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記データを記憶する記憶部と、
全ページ数に係る情報を前記データに基づく画像に合成して出力する出力部と、
前記データの受信完了前に前記出力の開始指示を受けた場合に、前記印刷ジョブに係る印刷物の全ページ数を表す情報を取得済みであれば前記出力を開始させ、取得済みでない場合は前記データの受信完了を待って全ページ数を計数した後に前記出力を開始させる制御部と、
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【0009】
上記発明では、全ページ数を表す情報を取得済みであれば出力を開始させ、全ページ数を表す情報を取得済みでない場合は印刷ジョブのデータの受信完了を待って全ページ数を計数した後に、出力を開始させる。
【0010】
[2]前記全ページ数を表す情報は、前記データの一部として受信される
ことを特徴とする[1]に記載の画像処理装置。
【0011】
上記発明では、たとえば、印刷ジョブのデータのヘッダ部などに全ページ数を表す情報は含まれる場合がある。
【0012】
[3]前記全ページ数を表す情報は、操作部から入力される
ことを特徴とする[1]に記載の画像処理装置。
【0013】
上記発明では、全ページ数情報は、画像処理装置の操作部からユーザにより入力される。
【0014】
[4]前記受信部は、ラスタライズ処理によりイメージデータを生成するプリンタコントローラから前記イメージデータを含む前記印刷ジョブのデータを受信し、
前記出力部は、前記イメージデータの表す画像に全ページ数に係る情報を合成した画像を用紙上に形成する
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0015】
上記発明では、画像処理装置は、プリンタコントローラから受信されるイメージデータに基づいて画像を用紙上に形成する装置である。プリンタコントローラから受信するデータのヘッダ部などに全ページ数を表す情報があれば、受信完了を待たずに、全ページ数に係る情報を合成して画像の出力を開始する。
【0016】
[5]当該画像処理装置は、ラスタライズによりイメージデータを生成するプリンタコントローラであって、
前記出力部は、前記印刷ジョブのデータをラスタライズしてイメージデータを生成すると共に、該イメージデータに前記全ページ数に係る情報を合成して出力する
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0017】
上記発明では、画像処理装置はプリンタコントローラであり、パーソナルコンピュータなどから受信した印刷ジョブのデータに全ページ数を表す情報があれば、受信完了を待たずに、ラスタライズしたイメージデータに全ページ数に係る画像情報を合成しかつその合成後のイメージデータを出力する動作が開始される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る画像処理装置によれば、データの受信完了を待たずに全ページ数に係る情報を合成した画像の出力を開始することができるので、全ページ分のデータの受信完了を待ってから出力を開始する場合に比べて、生産性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
【0020】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム5のシステム構成を示している。画像形成システム5は、プリンタコントローラ10と画像形成装置20を備えて構成される。
【0021】
プリンタコントローラ10には、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置2がLAN(Local Area Network)などのネットワーク3を介して接続される。プリンタコントローラ10は情報処理装置2から送られてくる印刷ジョブに係るデータをラスタライズしてビットマップ形式のイメージデータを生成する(RIP処理する)機能を備えている。
【0022】
画像形成装置20は、プリンタコントローラ10の生成したイメージデータに基づいて用紙上に画像を形成して出力するプリント出力機能、原稿を光学的に読み取りその複製画像を用紙上に形成するコピー機能などを備えた、所謂、デジタル複合機と称される装置として構成されている。
【0023】
プリンタコントローラ10は、当該プリンタコントローラ10の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)11と、ネットワーク3に接続するための通信機能を果たすLANIF部12と、画像メモリ13と、ハードディスク装置(HDD)14と、画像メモリ13へのデータのリード/ライト機能、画像形成装置20との間で各種データを送受信する機能などを備えたDRAM制御部15とを有している。画像メモリ13およびハードディスク装置14には、ネットワーク3から受信した印刷ジョブのデータやRIP処理の過程で生成される中間データ、RIP処理により生成したイメージデータなどが記憶される。
【0024】
このほかCPU11には、当該CPU11が読み出して実行するプログラムや固定データの記憶されたROM(Read Only Memory)、CPU11がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するためのワークメモリなどが接続されている。
【0025】
図2は、画像形成装置20の機械的概略構成を示している。図2では画像形成装置20に大容量給紙装置21と後処理装置22を接続した状態を示している。大容量給紙装置21は画像形成装置20に給紙される用紙を大量に蓄積収容する装置であり、後処理装置22は画像形成装置20から排出された用紙に折り目をつけたり、複数の用紙を束ねてステイプルで綴じたり、パンチで穴を開けたりする機能などを有する装置である。
【0026】
画像形成装置20は、表示操作部31と、原稿画像を光学的に読み取って対応する画像データを取得するスキャナ部32と、原稿トレイ33aに載置された原稿を1枚ずつスキャナ部32の原稿読み取り位置へ繰り出す自動原稿送り装置33と、用紙上に画像を形成して出力するプリンタ部34と、主制御部50とを備えている。
【0027】
スキャナ部32は、原稿に光を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサ32aと、原稿からの反射光をラインイメージセンサ32aに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路などで構成される。スキャナ部32は、自動原稿送り装置33によって原稿を搬送することにより原稿を読み取り位置に対して相対移動させながら読み取る流し読み形式のほか、原稿をプラテンガラス上に載置した状態で読み取ることができる。
【0028】
プリンタ部34は、画像形成用の用紙を蓄える複数の給紙トレイ36と、用紙上に画像を形成する画像形成部37と、大容量給紙装置21または給紙トレイ36から用紙を繰り出し、画像形成部37を通過させて後段の後処理装置22へ排出する用紙搬送機構38などで構成される。
【0029】
画像形成部37は、感光体41、帯電装置42、レーザーユニット43、現像装置44、転写装置45、分離装置46、クリーニング装置47、定着装置48などで構成され、電子写真プロセスによって画像を用紙上に形成する。
【0030】
詳細には、感光体41は、円筒形状を成すとともに、図示省略の駆動部によって一定方向(図中の矢印A方向)に回転される。回転中、感光体41は、帯電装置42によるコロナ放電によって一様に帯電した後、レーザーユニット43から画像データに応じてオン/オフされるレーザー光の走査を受けてその表面に静電潜像が形成される。現像装置44は、感光体41の表面に形成された静電潜像をトナー像として顕像化する。
【0031】
用紙搬送機構38は、大量の用紙を蓄積収納可能な大容量給紙装置21あるいは給紙トレイ36から用紙を繰り出して搬送し、感光体41と転写装置45との間へ適切なタイミングで送り込む(矢印B)。転写装置45は感光体41の表面に形成されているトナー像を、用紙搬送機構38によって搬送されてきた用紙上に静電的に転写し、分離装置46は、除電により感光体41からこの用紙を分離する。クリーニング装置47は、転写後に感光体41に残ったトナーをブレード等で擦って除去する。トナー像が転写された用紙は、さらに搬送され(矢印C)、定着装置48を通る際に加圧加熱されてトナー像が用紙上に固着された後、後処理装置22へ排出される(矢印D)。なお、画像形成の方式は電子写真方式に限定されるものではなく、他の方式であってもかまわない。
【0032】
図1に戻って画像形成装置20の電気的構成を説明する。画像形成装置20は、当該画像形成装置20の動作を統括制御する主制御部50に、スキャナ部32とプリンタ部34と表示操作部31を接続して構成される。
【0033】
スキャナ部32は、図1に示すラインイメージセンサ32aのほか、当該スキャナ部32の動作全体を制御するスキャナ制御部32bを備えている。プリンタ部34は画像データに応じてオン/オフされるレーザーダイオード(LD)のほか、画像形成部37や用紙搬送機構38などを含めたプリンタ部34全体の動作を制御するプリンタ制御部34bなどを有している。このほか、図示省略してあるがプリンタ制御部34bには画像形成部37の各部や用紙搬送機構38を作動させるモータ、ソレノイド、センサなどが接続されている。
【0034】
表示操作部31は、各種設定画面や操作画面を表示してユーザから各種の設定/選択操作を受け付けたり、ユーザに向けて各種の情報や警告を表示したりする機能を果たす。表示操作部31は、液晶ディスプレイからなる表示部31aと、その画面上に敷設されたタッチスイッチおよびその他のスイッチから成る操作部31bと、表示部31aおよび操作部31bを制御する操作制御部31cとを有する。
【0035】
なお、スキャナ制御部32b、操作制御部31c、プリンタ制御部34bはそれぞれCPU(Central Processing Unit)およびROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を主要部とする回路で構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って各種の制御を実行する。
【0036】
主制御部50は、画像形成装置20の動作を統括制御する機能を果たし、読み取り処理部51と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御部52と、圧縮IC53aと、伸張IC53bと、半導体メモリで構成された画像メモリ55と、書き込み処理部56と、CPU57と、ROM58と、RAM59と、不揮発メモリ61と、ハードディスク装置62(HDDとも記す)などを備えて構成される。
【0037】
読み取り処理部51は、スキャナ部32の出力する画像データに対して拡大処理、鏡像処理、誤差拡散処理などを施す機能を果たす。圧縮IC53aは画像データを圧縮し、伸張IC53bは圧縮された画像データ(圧縮画像データ)を元のイメージデータに伸張する機能を果たす。画像メモリ55は、非圧縮の画像データをページ単位で記憶可能なページメモリ55aとしての機能と、圧縮画像データを記憶する圧縮メモリ55bなどとして使用される。
【0038】
書き込み処理部56は、圧縮メモリ55bから読み出して伸張された画像データに応じてレーザーユニット43のレーザーダイオードをオン/オフさせるための信号を、プリンタ部34の動作に応じたタイミングで出力する機能を果たす。
【0039】
DRAM制御部52は、ダイナミックRAMからなる画像メモリ55へのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御や、画像データを圧縮して圧縮メモリ55bに格納したり、圧縮メモリ55bから圧縮画像データを読み出して伸張したりする際のタイミング制御などを行う。またDRAM制御部52はPCI(Peripheral Component Interconnect)バス54を通じてプリンタコントローラ10のDRAM制御部15と接続されており、プリンタコントローラ10との間でPCIバス54を通じて各種のデータを授受する機能を果たす。
【0040】
ここでは、プリンタコントローラ10は画像形成装置20の内部に組み込まれている。プリンタコントローラ10を画像形成装置20の外部に設ける場合には、プリンタコントローラ10と画像形成装置20との間でのデータの送受信は、それに適したインターフェイスで行われる。
【0041】
CPU57は、画像形成装置20の動作全体を制御する機能を果たす。ROM58には、プログラムや各種固定データなどが記憶されており、CPU57はROM58に格納されたプログラムに従って動作する。RAM59は、CPU57がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。不揮発メモリ61は、電源オフ後も記憶しておくべきユーザデータやシステムデータなどが記憶されるメモリである。
【0042】
次に、第1の実施の形態に係る画像形成システム5における印刷処理の流れを説明する。第1の実施の形態では、受信したデータに基づく画像に全ページ数に係る情報を合成して出力する画像処理装置としての機能は画像形成装置20が果たす。
【0043】
印刷に際して、情報処理装置2は、プリンタドライバの画面を通じてユーザからページナンバリングに関する設定を受け付ける。ページナンバリングの設定には、ページ番号を付加するか否かの設定、ページ番号の書式の設定、ページ番号を付加する位置(たとえば、ページの上部、下部、左、中央、右など)の設定などがある。書式の設定には、「ページ番号」のように全ページ数の情報を使用しない第1書式と、「ページ番号/全ページ数」のように全ページ数の情報を使用する第2書式がある。また、第2書式において全ページ数を「自動設定」にするか「数値入力」にするかの選択を受け付け、「数値入力」が選択された場合はその数値の入力を受けるようになっている。以後、ページ番号を付加する設定のなされた印刷ジョブをページナンバリングジョブ、ページ番号を付加する設定のなされていない印刷ジョブを通常ジョブと呼ぶものとする。
【0044】
情報処理装置2は、各ページの印刷データとページナンバリングの設定内容などを示す制御情報を含む印刷ジョブのデータをプリンタコントローラ10へ送信する。ページナンバリングの設定内容を示す制御情報は印刷ジョブのデータの先頭に配置されたヘッダ部に埋め込まれる。
【0045】
プリンタコントローラ10は、情報処理装置2から印刷ジョブのデータを受信すると、これに含まれる印刷データをラスタライズしてイメージデータを生成するRIP処理を行い、該生成したイメージデータと制御データとを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信する。ジョブデータは、先頭にジョブ情報部があり、その後ろにページ数分のページ情報部が連なるデータ構成になっている。
【0046】
ジョブ情報部には、当該印刷ジョブ全体に係る制御データが埋め込まれる。情報処理装置2から受信したページナンバリングに関する設定内容などはジョブ情報部に埋め込まれる。ページ情報部は、そのページに固有の制御情報とそのページのイメージデータで構成される。
【0047】
プリンタコントローラ10が行うRIP処理の処理モードには、ページモードとジョブモードがある。ページモードでは、1ページ分の印刷データの受信完了毎に、逐次そのページのRIP処理を行ってイメージデータを生成し、該イメージデータと制御データとを含むジョブデータを画像形成装置20に送信する。ページモードでは、1ページ目のRIP処理が完了したらジョブ情報部と1ページ目のページ情報部を送信し、その後は1ページ分のRIP処理が完了する毎にそのページのページ情報部を送信する。最終ページの場合はページ情報部に最終ページであることを示す情報が埋め込まれる。
【0048】
ジョブモードでは、1ページ分の印刷データの受信完了毎に、あるいは全ページ分の印刷データの受信完了後にRIP処理を行って生成した各ページのイメージデータを画像メモリ13あるいはハードディスク装置14に蓄積記憶し、当該印刷ジョブの全ページのRIP処理が完了した段階で、全ページ分のイメージデータと制御データとを一括して画像形成装置20に送信する。すなわち、ジョブデータとして、ジョブ情報部とページ数分のページ情報部とを連続して画像形成装置20へ送信する。
【0049】
ジョブモードで処理した場合は、ジョブデータの送信開始前に当該印刷ジョブの全ページ数を認識できるので、全ページ数を計数し、全ページ数を表す情報をジョブ情報部に埋め込むようになっている。
【0050】
なお、処理モードの選択は初期設定などで予め行われその選択結果はハードディスク装置14あるいは不揮発メモリに保存される。もしくは、印刷ジョブ毎に情報処理装置2のプリンタドライバ画面などで指定できるようになっている。プリンタドライバ画面などで指定した場合は、その内容が印刷ジョブのデータのヘッダ部に埋め込まれる。
【0051】
図3は、プリンタコントローラ10の動作を示す流れ図である。プリンタコントローラ10は、常に情報処理装置2から印刷ジョブのデータが受信されるのを待機しており(ステップS101;No)、受信が開始すると(ステップS101;Yes)、1ページ分の印刷データの受信完了を待つ(ステップS102;No)。
【0052】
1ページ分の印刷データの受信が完了すると(ステップS102;Yes)、そのページに係るRIP処理を行ってイメージデータを生成する(ステップS103)。次に、処理モードがページモードとジョブモードのいずれに設定されているかを判断し(ステップS104)、ページモードに設定されている場合は(ステップS104;Yes)、1ページ目か否か判断する(ステップS105)。
【0053】
1ページ目でなければ(ステップS105;No)、ステップS107へ移行する。1ページ目の場合は(ステップS105;Yes)ジョブ情報部を作成して画像形成装置20へ送信し(ステップS106)、ステップS107へ移行する。ジョブ情報部には、情報処理装置2から受信したページナンバリングに関する設定内容を示す情報が含まれる。
【0054】
ステップS107では次ページがあるか否かを判定し、次ページがあれば(ステップS107;Yes)、先ほどステップS106で作成したイメージデータと当該ページに係る制御データとを含むページ情報部を画像形成装置20に送信し(ステップS108)、ステップS102へ移行する。
【0055】
次ページがない場合は(ステップS107;No)、最終ページであることを示す情報を埋め込んだ制御データと当該ページのイメージデータとを含むページ情報部を画像形成装置20に送信して(ステップS109)処理を終了する。
【0056】
処理モードがジョブモードの場合は(ステップS104;No)、ステップS106で生成したイメージデータを画像メモリ13あるいはハードディスク装置14に保存し(ステップS110)、次ページがある場合は(ステップS111;Yes)、ステップS102へ戻る。
【0057】
次ページがない場合は(ステップS111;No)、ステップS110で保存したイメージデータから全ページ数を計数し(ステップS112)、当該全ページ数を示す情報の埋め込まれたジョブ情報部と、ページ数分のページ情報部とを連続させ一括して画像形成装置20へ送信して(ステップS113)本処理を終了する。
【0058】
なお、ジョブモードでは、全ページの印刷データの受信を完了してからこれら全ページについて順次RIP処理を開始するように構成されてもよい。
【0059】
図4は、画像形成装置20の動作を示している。ここでは、受信したジョブデータについて、出力保留の指示はなく、即時出力の指示(出力の開始指示)を受けているものとする。画像形成装置20はプリンタコントローラ10からジョブデータが受信されるのを待機しており(ステップS201;No)、ジョブデータの受信が開始すると(ステップS201;Yes)、ジョブ情報部に含まれているページナンバリング設定の内容を示す制御データを解析し、当該ジョブがページナンバリングジョブか否かを判断する(ステップS202)。
【0060】
ページナンバリングジョブでない場合は(ステップS202;No)、受信されるジョブデータに基づく画像の出力処理を開始する(ステップS203)。すなわち、1ページ分のジョブデータ(ページ情報部)が受信される毎に、そのジョブデータ(ページ情報部)のイメージデータに対応する画像を用紙上に形成して出力する動作を実行する。
【0061】
ページナンバリングジョブの場合は(ステップS202;Yes)、ページ番号に関する書式の設定が全ページ数の情報を必要とする第2書式か否かを判別し(ステップS204)、第2書式でない場合は(ステップS204;No)、受信されるジョブデータに基づく画像に、全ページ数の情報を使用しない第1書式のページ番号情報(ページ番号を第1書式で表したスタンプ画像)を合成した画像の出力処理を開始する(ステップS205)。すなわち、1ページ分のジョブデータ(ページ情報部)が受信される毎に、そのジョブデータ(ページ情報部)のイメージデータに対応する画像に該ページのページ番号を示す第1書式のスタンプ画像を合成し、合成後の画像を用紙上に形成して出力する動作を実行する。
【0062】
ページナンバリングの書式として全ページ数を表す情報を必要とする第2書式が設定されている場合は(ステップS204;Yes)、全ページ数の情報を取得済みか否か調べる(ステップS206)。ここでは、受信したジョブデータのジョブ情報部に全ページ数を示す情報が含まれているかを調べ、含まれている場合はその値を取得する。全ページ数を示す情報は、情報処理装置2で「数値入力」が選択されてユーザにより数値入力された全ページ数、あるいはジョブモードの場合にジョブプリンタコントローラ10で計数された全ページ数を表したものである。
【0063】
取得済みの場合は(ステップS206;Yes)、受信されるジョブデータに基づく画像に、該取得済みの全ページ数の情報を使用して作成した第2書式によるページ番号のスタンプ画像を合成した画像の出力処理を開始する(ステップS209)。すなわち、1ページ分のジョブデータ(ページ情報部)が受信される毎に、そのジョブデータ(ページ情報部)のイメージデータに対応する画像に該ページのページ番号を「ページ番号/全ページ数」のような第2書式で表したスタンプ画像を合成し、合成後の画像を用紙上に形成して出力する動作を実行する。ページ番号は受信開始からのページ数を計数して求める。
【0064】
全ページ数の情報を取得済みでない場合は(ステップS206;No)、全ページについてジョブデータ(ページ情報部)の受信完了を待つ(ステップS207;No)。受信したジョブデータはハードディスク装置62に蓄積記憶する。全ページ受信完了すると(ステップS207;Yes)、受信したページ情報部の数を計数して全ページ数を求め(ステップS208)、該全ページ数を使用して第2書式によるページ番号のスタンプ画像を合成した画像を生成して出力する動作を開始させる(ステップS209)。すなわち、ハードディスク装置62に記憶してあるジョブデータを順次読み出し、各ページの画像にそのページのページ番号を示す第2書式のスタンプ画像を合成し、合成後の画像を用紙上に形成して出力する動作を実行する。
【0065】
このように、プリンタコントローラから受信したジョブデータから全ページ数の情報を得られた場合は、全ページ分のジョブデータの受信完了を待つことなく、全ページ数に係る情報を合成して画像を出力する動作を開始させるので、全ページ受信完了を待ってから出力を開始させる場合に比べて、1ページ目の出力開始までの待ち時間を短くして、生産性の向上を図ることができる。
【0066】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る画像形成システム5の構成は図1、図2に示すものと同様であり、その説明は省略する。また、情報処理装置2およびプリンタコントローラ10の動作は第1の実施の形態と同一であり、その説明は省略する。
【0067】
第2の実施の形態では、全ページ数を要する第2書式でページ番号の付加(スタンプ画像の合成)が指示されている場合でかつ全ページ数が取得済みでない場合に、画像形成装置20の表示操作部31を通じてユーザから全ページ数の入力を受け付けるようにされている。
【0068】
図5は、第2の実施の形態に係る画像形成装置20が行う動作の流れを示している。図4と同一の処理内容のステップには同一のステップ番号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0069】
図5の処理では、ステップS206とステップS207の間にステップS206AとステップS206Bが挿入されている。ステップS206で、全ページ数の情報を取得済みでないと判断した場合(ステップS206;No)、全ページ数の入力を求める所定の入力画面を表示操作部31に表示し(ステップS206A)、表示操作部31を通じてユーザから全ページ数の入力を受けた場合は(ステップS206B;Yes)、ステップS209へ移行する。すなわち、表示操作部31を通じて入力された全ページ数を使用して第2書式によるページ番号のスタンプ画像を合成した画像を生成して出力する動作を、全ページの受信完了を待つことなく開始させる(ステップS209)。
【0070】
表示操作部31を通じてユーザから全ページ数の入力を受けなかった場合は(ステップS206B;No)、ステップS207へ移行する。
【0071】
このように、表示操作部31からの入力で全ページ数を示す情報を取得できた場合は、全ページ分のジョブデータの受信完了を待つことなく、全ページ数に係る情報を合成した画像を出力する動作を開始させるので、全ページ受信完了を待ってから出力を開始させる場合に比べて、生産性の向上を図ることができる。
【0072】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態に係る画像形成システム5の構成は図1、図2に示すものと同様であり、その説明は省略する。また、情報処理装置2の動作は第1の実施の形態と同一でありその説明は省略する。
【0073】
第3の実施の形態では、ページ数に係る情報を画像に合成して出力する画像処理装置としての機能はプリンタコントローラ10が果たす。プリンタコントローラ10は情報処理装置2から受信した印刷ジョブについて、実行保留の指示はなく、すぐに処理を開始する旨の指示(出力の開始指示)を受けているものとする。
【0074】
第3の実施の形態のプリンタコントローラ10が行う処理の流れは図4または図5に示す処理の流れと同様であり、ここでは、図4を基にして第3の実施の形態に係るプリンタコントローラ10の動作を説明する。
【0075】
プリンタコントローラ10は情報処理装置2から印刷ジョブのデータが受信されるのを待機しており(ステップS201;No)、印刷ジョブのヘッダ部が受信されると(ステップS201;Yes)、このヘッダ部に含まれているページナンバリング設定の内容に基づき、当該ジョブがページナンバリングジョブか否かを判断する(ステップS202)。
【0076】
ページナンバリングジョブでない場合は(ステップS202;No)、受信される印刷ジョブのデータに基づく画像の出力処理を開始する(ステップS203)。すなわち、1ページ分の印刷データの受信が完了する毎に、そのページに係るRIP処理を行ってイメージデータを生成し、該イメージデータを画像形成装置20へ送信する。
【0077】
ページナンバリングジョブの場合は(ステップS202;Yes)、ページ番号に関する書式の設定が全ページ数に係る情報を必要とする第2書式か否かを判別し(ステップS204)、第2書式でない場合は(ステップS204;No)、全ページ数を要しない第1書式のページ番号情報(当該ページ番号のスタンプ画像)を合成して、画像を生成・出力動作を開始する(ステップS205)。すなわち、1ページ分の印刷データの受信完了毎に、そのページに係るRIP処理を行ってイメージデータを生成すると共に、このイメージデータに当該ページのページ番号を示す第1書式のスタンプ画像を合成し、合成後のイメージデータを画像形成装置20へ送信する。ページ番号は受信開始からのページ数を計数して求める。
【0078】
ページナンバリングの書式として全ページ数を表す情報を必要とする第2書式が設定されている場合は(ステップS204;Yes)、全ページ数の情報を取得済みか否か調べる(ステップS206)。ここでは、受信した印刷ジョブのヘッダ部に全ページ数を表す情報が含まれているかを調べ、含まれている場合はその値を取得する。全ページ数を表す情報は、ページナンバリング設定において情報処理装置2で「数値入力」が選択されてユーザにより数値入力された全ページ数である。
【0079】
取得済みの場合は(ステップS206;Yes)、該全ページ数情報を使用して第2書式によるページ番号のスタンプ画像を合成した画像を生成して出力する動作を開始させる(ステップS209)。すなわち、1ページ分の印刷データの受信完了毎に、そのページに係るRIP処理を行ってイメージデータを生成すると共に、このイメージデータに当該ページのページ番号を「ページ番号/全ページ数」のような第2書式で表したスタンプ画像を合成し、合成後のイメージデータを画像形成装置20へ送信する。ページ番号は受信開始からのページ数を計数して求める。
【0080】
全ページ数の情報を取得済みでない場合は(ステップS206;No)、全ページについてデータの受信完了を待つ(ステップS207;No)。受信したデータはハードディスク装置14に蓄積記憶する。全ページ受信完了すると(ステップS207;Yes)、受信したページ数を計数して全ページ数を求め(ステップS208)、該全ページ数を使用して第2書式によるページ番号のスタンプ画像を合成した画像を生成して出力する動作を開始させる(ステップS209)。ページ番号は受信開始からのページ数を計数して求める。
【0081】
詳細には、全ページの印刷データの受信が完了したら、ハードディスク装置14から1ページ分ずつ印刷データを読み出し、そのページに係るRIP処理を行ってイメージデータを生成すると共に、このイメージデータに当該ページのページ番号を「ページ番号/全ページ数」のような第2書式で表したスタンプ画像を合成し、合成後のイメージデータを画像形成装置20へ送信することを、全ページについて行う。
【0082】
このように、情報処理装置2から受信される印刷ジョブのデータから全ページ数を示す情報を得られた場合は、全ページ分の印刷データの受信完了を待つことなく、全ページ数に係る情報を合成したイメージデータを生成して出力する動作を開始させるので、全ページ受信完了を待ってから出力を開始させる場合に比べて、1ページ目の出力開始までの待ち時間を短くして、生産性の向上を図ることができる。
【0083】
なお、プリンタコントローラ10の処理モードとしてページモードが選択されている場合は、ステップS203、S205、S209のいずれにおいても、1ページ分のイメージデータ(スタンプ合成する場合は合成後のイメージデータ)の作成が完了する毎に該データを画像形成装置20へ送信する。一方、ジョブモードが選択されている場合は、ステップS203、S205、S209のいずれにおいても全ページのイメージデータ(スタンプ合成する場合は合成後のイメージデータ)の作成が完了してからそれらのデータを一括して画像形成装置20へ送信する。
【0084】
また、プリンタコントローラ10が画像形成装置20と別体に設けられかつ表示操作部を有する場合は、図5の処理と同様に、プリンタコントローラ10の有する表示操作部を通じてユーザから全ページ数の入力を受けるようにしてもよい。
【0085】
以上、本発明の各種実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0086】
実施の形態では、画像形成装置20としてデジタル複合機を例示したが、スキャナ部32などを具備しない、単体のプリンタとして構成されてもよい。
【0087】
実施の形態では、画像形成装置20の内部にプリンタコントローラ10が組み込まれている構成例を示したが、プリンタコントローラ10は画像形成装置20と別体に設けられてもよい。
【0088】
全ページ数を使用する情報は「ページ番号/全ページ数」といった書式での使用に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像形成システムのプリンタコントローラが行う処理を示す流れ図である。
【図4】第1の実施の形態に係る画像形成システムの画像形成装置、または第3の実施の形態に係る画像形成システムのプリンタコントローラが行う処理を示す流れ図である。
【図5】第2の実施の形態に係る画像形成システムの画像形成装置が行う処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0090】
2…情報処理装置
3…ネットワーク
5…画像形成システム
10…プリンタコントローラ
11…CPU
12…LANIF部
13…画像メモリ
14…ハードディスク装置
15…DRAM制御部
20…画像形成装置
21…大容量給紙装置
22…後処理装置
31…表示操作部
31a…表示部
31b…操作部
31c…操作制御部
32…スキャナ部
32a…ラインイメージセンサ
32b…スキャナ制御部
33…自動原稿送り装置
33a…原稿トレイ
34…プリンタ部
34b…プリンタ制御部
36…給紙トレイ
37…画像形成部
38…用紙搬送機構
41…感光体
42…帯電装置
43…レーザーユニット
44…現像装置
45…転写装置
46…分離装置
47…クリーニング装置
48…定着装置
50…主制御部
51…読み取り処理部
52…DRAM制御部
53a…圧縮IC
53b…伸張IC
54…PCIバス
55…画像メモリ
55a…ページメモリ
55b…圧縮メモリ
56…書き込み処理部
57…CPU
58…ROM
59…RAM
61…不揮発メモリ
62…ハードディスク装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブのデータを受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記データを記憶する記憶部と、
全ページ数に係る情報を前記データに基づく画像に合成して出力する出力部と、
前記データの受信完了前に前記出力の開始指示を受けた場合に、前記印刷ジョブに係る印刷物の全ページ数を表す情報を取得済みであれば前記出力を開始させ、取得済みでない場合は前記データの受信完了を待って全ページ数を計数した後に前記出力を開始させる制御部と、
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記全ページ数を表す情報は、前記データの一部として受信される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記全ページ数を表す情報は、操作部から入力される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記受信部は、ラスタライズ処理によりイメージデータを生成するプリンタコントローラから前記イメージデータを含む前記印刷ジョブのデータを受信し、
前記出力部は、前記イメージデータの表す画像に全ページ数に係る情報を合成した画像を用紙上に形成する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項5】
当該画像処理装置は、ラスタライズによりイメージデータを生成するプリンタコントローラであって、
前記出力部は、前記印刷ジョブのデータをラスタライズしてイメージデータを生成すると共に、該イメージデータに前記全ページ数に係る情報を合成して出力する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−302879(P2009−302879A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154697(P2008−154697)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】