説明

画像処理装置

【課題】複数のファイルを参照することなく、表示内容を切り替えることができるようにしてプレゼンテーションや会議を効率的に行えるように支援する。
【解決手段】画像処理装置2は、文書画像を記憶する記憶装置24と、記憶装置24に記憶された文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、その追加情報を文書画像に重ね合わせることにより記憶装置24に記憶された文書画像を更新する追加情報付加部33と、追加情報付加部33により更新された文書画像を表示装置5に出力するときに、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を設定する表示設定部34と、追加情報の表示が設定されている場合に記憶装置24から文書画像を読み出して表示装置5に出力し、追加情報の非表示が設定されている場合に記憶装置24から読み出した文書画像に含まれる追加情報を削除して表示装置5に出力する文書画像出力部35と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーション資料や会議資料などの文書画像を処理する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレゼンタがプレゼンテーションを行う場合、プロジェクタなどを用いてプレゼンテーション資料を大画面スクリーンに投影することが良く行われている。このプレゼンテーション資料に対し、プレゼンタが説明内容などを事前に直接書き込んでしまうと、大画面スクリーンに投影されたときに資料が見にくくなる。そのため、プレゼンタは、大画面スクリーンに投影するプレゼンテーション資料とは別に説明内容をまとめてコンピュータなどに保存しておくことが一般的に良く行われている。その一例として、従来、プレゼンタが予め発表資料と補足資料とを別々に作成して保存しておき、プレゼンテーション中、プレゼンタが参照する表示手段に発表資料を表示する際、発表資料と補足資料とを重ね合わせて表示するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
またプレゼンテーションを視聴する参加者は、プレゼンタの説明内容に疑問点などがある場合、プレゼンテーションの進行中にメモをとっておくことが良く行われている。例えば、従来、会議の参加者に対して個別に配布資料ファイルを配信し、それぞれの参加者が個々に入力するメモ情報を、それぞれの配布資料に重ね合わせて表示用の資料として保存するようにしたものが提案されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−191455号公報
【特許文献2】特開2003−9107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、補足資料やメモ情報を表示するために複数のファイルを管理しなければならなくなる。例えば、特許文献1の場合、発表資料と補足資料とが別であるため、プレゼンタ用の表示手段に表示する際には、それら複数のファイルを参照しなければならず、会議の効率が悪くなるという問題がある。また特許文献2の場合、各参加者が入力したメモ情報がそれぞれ別の配布資料に重ね合わせられるため、各参加者が入力したメモ情報を特定の表示手段に表示させようとすると、参照するファイルを切り替える必要があり、この点でも会議の効率が悪くなるという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、上述した従来の問題点を解決するため、複数のファイルを参照することなく、表示内容を切り替えることができるようにしてプレゼンテーションや会議を効率的に行えるように支援する画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像処理装置であって、表示装置に出力するための文書画像を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、該追加情報を文書画像に重ね合わせることにより前記記憶手段に記憶された文書画像を更新する情報付加手段と、前記情報付加手段により更新された文書画像を前記表示装置に出力するときに、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を設定する設定手段と、前記設定手段により追加情報の表示が設定されている場合、前記記憶手段から文書画像を読み出して前記表示装置に出力し、前記設定手段により追加情報の非表示が設定されている場合、前記記憶手段から読み出した文書画像に含まれる追加情報を削除して前記表示装置に出力する文書画像出力手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0008】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記情報付加手段は、複数のユーザのそれぞれから文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、各ユーザによって追加される追加情報にユーザを識別するための識別情報を付加して文書画像に重ね合わせることを特徴とする構成である。
【0009】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記設定手段は、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を、追加情報を入力したユーザごとに設定可能であり、前記文書画像出力手段は、前記設定手段により追加情報の非表示の設定が行われているユーザが入力した追加情報を識別情報に基づいて特定して文書画像から削除し、前記表示装置に出力することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記情報付加手段は、複数のユーザのそれぞれから文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、各ユーザによって追加される追加情報に対し、文書画像には含まれない固有の装飾処理を施すことによって当該追加情報を追加したユーザを識別可能にして文書画像に重ね合わせることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記設定手段は、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を、追加情報を入力したユーザごとに設定可能であり、前記文書画像出力手段は、前記設定手段により追加情報の非表示の設定が行われているユーザが入力した追加情報を装飾処理の内容に基づいて特定して文書画像から削除し、前記表示装置に出力することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記設定手段は、前記記憶手段に記憶された文書画像が複数ページから成る文書画像である場合、ページ単位で文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を設定することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置において、ネットワークを介してアクセス可能なWebページを作成するWebページ作成手段を更に備え、前記情報付加手段は、前記Webページ作成手段によって作成されるWebページにおいて前記記憶手段に記憶されている文書画像を表示し、ネットワークを介して文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付けることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、前記設定手段は、前記Webページ作成手段によって作成されるWebページにおいて文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示に関する設定操作を受け付け、当該設定操作に基づいて追加情報の表示又は非表示を設定することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理装置において、前記情報付加手段は、文書画像に重ね合わせる追加情報が秘密情報である場合、追加情報に秘密情報であることを示す秘密指定情報を付加して文書画像に重ね合わせ、前記文書画像出力手段は、前記記憶手段から文書画像を読み出して前記表示装置に出力するとき、秘密指定情報の付加されている追加情報を文書画像から削除して前記表示装置に出力することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像処理装置によれば、記憶手段に記憶された文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、その追加情報を文書画像に重ね合わせることにより記憶手段に記憶された文書画像を更新する。そして情報付加手段により更新された文書画像を表示装置に出力するときには、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示の設定に基づいて、記憶手段から読み出した文書画像をそのまま表示装置に出力したり、或いは、記憶手段から読み出した文書画像に含まれる追加情報を削除して表示装置に出力したりする。そのため、表示装置に出力する表示内容を切り替える際には、複数のファイルを参照する必要がなく、効率的に表示内容を切り替えることができるようになるので、プレゼンテーションや会議を効率的に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像処理システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像処理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】ユーザ情報の一例を示す図である。
【図4】プレゼンテーション情報の一例を示す図である。
【図5】文書画像データの一例を示す図である。
【図6】プレゼンタ専用のWebページを表示したときの表示画面の一例を示す図である。
【図7】プレゼンタ専用のWebページにおいてプレゼンタが追加情報を入力した場合の表示画面の一例を示す図である。
【図8】参加者専用のWebページを表示したときの表示画面の一例を示す図である。
【図9】参加者専用のWebページにおいて参加者が追加情報を入力した場合の表示画面の一例を示す図である。
【図10】プロパティボタンが操作されたときに表示される表示画面の一例を示す図である。
【図11】画像処理装置においてプレゼンテーション情報を登録する際に行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】画像処理装置において既にプレゼンテーション情報が登録されている状態で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】プレゼンタ対応処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】プレゼンタ対応処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】参加者対応処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態である画像処理システム1の一構成例を示す図である。この画像処理システム1は、画像処理装置2と、複数の情報処理端末3(3a,3b,3c,3d)と、スクリーン7に会議資料などの画像を表示する表示装置5とが、LANやインターネットなどを含むネットワーク6を介して相互にデータの入出力を行うことが可能な構成である。この画像処理システム1は、複数のユーザA,B,C,Dが参加して行われる会議やプレゼンテーションを支援するシステムである。尚、本実施形態では、ユーザAがプレゼンタであり、その他のユーザB,C,Dがプレゼンタによるプレゼンテーションを視聴する参加者である場合を例示する。
【0020】
本実施形態の画像処理装置2は、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる情報機器10によって構成される。この画像処理装置2は、会議やプレゼンテーションを支援するための主たる装置である。また、表示装置5は、例えばプロジェクタで構成され、会議やプレゼンテーションの進行中に複数のユーザが同時に視認可能なようにプレゼンテーション資料に関する文書画像をスクリーン7に表示するものである。ただし、表示装置5は、プロジェクタに限られず、大画面ディスプレイ装置などで構成されても良い。
【0021】
複数の情報処理端末3は、それぞれ一般的なパーソナルコンピュータ(PC)で構成される。これら複数の情報処理端末3は各ユーザに対して個別に割り当てられており、プレゼンタであるユーザAは情報処理端末3aを操作し、参加者であるユーザB,C,Dはそれぞれ情報処理端末3b,3c,3dを操作する。これら情報処理端末3a,3b,3c,3dには、ネットワーク6を介してWebページを閲覧するためのブラウザプログラムなどが予めインストールされている。また、これら情報処理端末4a,4b,4c,4dは、ネットワーク6に対し、有線接続されるものであっても良いし、無線接続されるものであっても良い。
【0022】
画像処理装置2は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの標準的な機能の他に、プレゼンテーション支援機能を備えている。画像処理装置2は、そのプレゼンテーション支援機能により、プレゼンタによって予め作成されたプレゼンテーション資料に関する文書画像データを予め記憶する。そしてプレゼンテーションが開始されると、画像処理装置2は、プレゼンタからの指示に基づいて、文書画像データから1ページずつの文書画像を読み出して表示装置5に出力することにより、スクリーン7に対して文書画像を表示させる。
【0023】
また画像処理装置2は、プレゼンテーション支援機能の一部としてWebサーバとしての機能を備えている。画像処理装置2は、Webサーバとして機能することにより、各ユーザA,B,C,Dが文書画像に対して説明内容や質問などの追加情報を入力することが可能なWebページを作成し、各ユーザA,B,C,Dの情報処理端末3a,3b,3c,3dに対して配信する。各ユーザA,B,C,Dは情報処理端末3a,3b,3c,3dを操作して画像処理装置2で作成されるWebページにアクセスすることにより、プレゼンテーションの開始前、又は、プレゼンテーションの実行中、文書画像データに含まれる各ページの文書画像に追加情報を入力することができる。画像処理装置2は、各ユーザから入力される追加情報を受け付けると、その追加情報を、元の文書画像に重ね合わせて文書画像データを更新する。そして画像処理装置2は、文書画像を表示装置5に出力してスクリーン7に表示させるとき、その文書画像に重ね合わせられている追加情報の表示/非表示を切り替えることが可能である。以下、このような画像処理装置2について更に詳しく説明する。
【0024】
図2は、画像処理装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置2は、各部を制御する制御部20と、ユーザが情報機器10を直接操作する際のユーザインタフェースとなる操作パネル21と、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部22と、画像データに基づいてプリント出力を行うプリンタ部23と、ハードディスク装置などで構成される記憶装置24と、ネットワーク6を介して他の装置とデータ通信を行うためのネットワークインタフェース25とを備えている。
【0025】
記憶装置24には、種々のプログラムや各種データが記憶されている。そのうち、プレゼンテーション支援機能に関する情報として、ユーザ情報26と、プレゼンテーション情報27と、プレゼンテーション資料に関する文書画像データ9とが記憶されている。文書画像データ9は、記憶装置24に設けられる記憶領域である所定のBOX28に記憶される。
【0026】
ユーザ情報26は、例えば画像処理装置2を使用するユーザが予め登録された情報である。図3は、ユーザ情報26の一例を示す図である。図3に示すように、ユーザ情報26には、複数のユーザA,B,C,Dに関する情報が登録されている。具体的には、ユーザごとに、ユーザIDと、パスワードと、電子メールアドレスと、グループと、役職とが登録された情報である。ユーザIDとパスワードは、ユーザを識別するための識別情報である。電子メールアドレスは、各ユーザに対して電子メールを送信する際の宛先情報である。グループは、各ユーザが所属するグループに関する情報である。更に役職は、各ユーザの役職に関する情報である。またユーザ情報26には、図3に示す情報以外の情報が含まれていても良い。
【0027】
制御部20は、図示しないCPUとメモリとを備えている。そしてCPUが所定のプログラムを実行することにより、制御部20は、上述したコピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、プレゼンテーション支援機能などの各種機能を動作させる。特に、プレゼンテーション支援機能を動作させると、制御部20は、図2に示すように、プレゼンテーション情報登録部31、Webページ作成部32、および、文書画像出力部35として機能する。
【0028】
プレゼンテーション情報登録部31は、画像処理装置2にプレゼンテーション情報27および文書画像データ9を登録する処理部である。例えば、プレゼンタであるユーザAは、操作パネル21を直接操作することにより、又は、情報処理端末3aから遠隔操作を行うことにより、画像処理装置2にログインし、プレゼンテーション情報登録部31を機能させることでBOX28に文書画像データ9を保存したり、プレゼンテーション情報27を登録したりすることができる。プレゼンタは、プレゼンテーションの開始に先立ち、これらの情報を画像処理装置2に登録する。
【0029】
プレゼンテーション情報27は、会議やプレゼンテーションの参加者などを登録した情報である。図4は、プレゼンテーション情報27の一例を示す図である。図4に示すように、プレゼンテーション情報27には、例えば、会議やプレゼンテーションの名称と、開催場所と、開催時間と、プレゼンテーション資料に関する文書画像データ9の保存場所を示す情報と、プレゼンタのユーザ名に関する情報と、プレゼンテーションを視聴する参加者のユーザ名に関する情報とが登録される。このようなプレゼンテーション情報27がプレゼンタによって予め登録されることにより、画像処理装置2は、文書画像データ9の保存場所と、プレゼンタや参加者のユーザ名とを関連付けて記憶しておくことができる。
【0030】
図5は、文書画像データ9の一例を示す図である。この文書画像データ9は、複数のページから成る文書画像G1,G2,G,3,G4で構成されている。このような文書画像データ9は、例えばプレゼンタが情報処理端末3aを操作しながら編集作業を行うことにより作成される。そしてプレゼンテーション情報登録部31は、情報処理端末3aからネットワーク6を介して受信する文書画像データ9を、プレゼンテーション情報27で指定されたBOX28に保存する。尚、図5に示す文書画像データ9は、プレゼンタがプレゼンテーションを行う際にスクリーン7に表示させるために作成されたオリジナルのデータであり、追加情報が重ね合わせられる前の状態を示している。
【0031】
プレゼンテーション情報登録部31は、図5のような文書画像データ9をBOX28に保存すると、その文書画像データ9に含まれる文書画像を解析し、各ページの文書画像で使用されていない文字装飾を特定する。この文字装飾は、例えばテキスト色や網掛け装飾、枠装飾などである。プレゼンテーション情報登録部31は、各ページの文書画像で使用されていない文字装飾を特定すると、その特定した文字装飾を文字装飾リストに登録しておく。この文字装飾リストに登録された文字装飾は、追加情報を文書画像に重ね合わせる際に追加情報の文字装飾を決定する際の候補となる。尚、この文字装飾リストは、図示を省略しているが、例えば記憶装置24などに記憶された状態で保持される。
【0032】
プレゼンテーション情報登録部31は、上記のようなプレゼンテーション情報27と文書画像データ9とを画像処理装置2に登録すると、ユーザ情報26を参照し、プレゼンテーションのプレゼンタおよび参加者として登録されたユーザA,B,C,Dの電子メールアドレスを読み出し、各ユーザA,B,C,Dに対してプレゼンテーション情報27が登録されたことを示す電子メールを送信する。この電子メールには、登録された文書画像データ9にアクセスするためのアクセス情報が含まれる。これにより、ユーザA,B,C,Dは、それぞれ自身の情報処理端末3a,3b,3c,3dを操作してブラウザプログラムを起動し、電子メールに含まれるアクセス情報に基づいて画像処理装置2にアクセスすることにより、プレゼンテーションの開始前、或いは、プレゼンテーションの進行中に、文書画像データ9に基づく文書画像を自身の情報処理端末3a,3b,3c,3dに表示させて閲覧することが可能になる。
【0033】
次に、Webページ作成部32は、各ユーザA,B,C,Dの情報処理端末3a,3b,3c,3dからのアクセスがあった場合に、それら情報処理端末3a,3b,3c,3dにおいて文書画像の閲覧を可能にするためのWebページを作成する処理部である。このWebページ作成部32は、ユーザA,B,C,Dのそれぞれに対して異なるWebページを作成する。特に、Webページ作成部32は、プレゼンテーション情報27を参照することにより、アクセスしてきたユーザがプレゼンタであるか参加者であるかを判別し、プレゼンタであるユーザAに対してはプレゼンタ専用のWebページを作成して情報処理端末3aに送信し、参加者であるユーザB,C,Dに対しては参加者専用のWebページを作成して情報処理端末3b,3c,3dのそれぞれに個別に送信する。
【0034】
図2に示すように、Webページ作成部32は、追加情報付加部33と、表示設定部34とを備えている。
【0035】
追加情報付加部33は、上記のようにしてユーザごとに作成されるWebページにおいて、文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、該追加情報を文書画像に重ね合わせることによって記憶装置24に記憶されている文書画像データ9を更新する処理部である。この追加情報付加部33は、各ユーザA,B,C,Dによって入力される追加情報にユーザを識別するための識別情報(例えばユーザ名など)を付加して文書画像に重ね合わせる。
【0036】
また追加情報付加部33は、追加情報を文書画像に重ね合わせる際、上述した文字装飾リストに登録されている文字装飾の中から、ユーザによって個別に選択された文字装飾を追加情報に施す。これにより、各ユーザA,B,C,Dによって入力される追加情報には、文書画像には含まれない固有の装飾処理を施される。その結果、その追加情報を追加したユーザを識別することが可能な状態で個々の追加情報を文書画像に重ね合わせることができるようになる。尚、追加情報付加部33は、一のユーザが追加した追加情報に対して文字装飾リストに含まれる特定の文字装飾を施した後、その特定の文字装飾を文字装飾リストから削除しておくことが好ましい。
【0037】
本実施形態の追加情報付加部33は、上記のように、各ユーザA,B,C,Dによって入力される追加情報に、ユーザを識別するための識別情報を付加すると共に、文書画像では使用されていない文字装飾を施すことにより、その追加情報を入力したユーザを識別可能にしているが、これに限られるものではない。すなわち、識別情報だけを付加してユーザを識別可能にしても良いし、文書画像では使用されていない固有の文字装飾だけを施すことにより、ユーザを識別可能にしても良い。
【0038】
このように追加情報付加部33は、プレゼンテーションの開始前、或いは、プレゼンテーションの進行中に、各ユーザA,B,C,Dによって入力される追加情報を、情報処理端末3a,3b,3c,3dから受信すると、その追加情報を文書画像に重ね合わせた状態に書き加え、文書画像データ9を追加情報が付加されたデータに更新する。
【0039】
また表示設定部34は、プレゼンテーションの実施が開始された後、文書画像データ9に含まれる文書画像を表示装置5に出力するときの設定として、その文書画像に重ね合わせられている追加情報の表示又は非表示を設定する処理部である。この表示設定部34は、Webページ作成部32によってユーザごとに作成されるWebページにおいて文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示に関する設定操作を受け付ける。つまり、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示の設定は、その追加情報を入力したユーザごとに設定可能である。表示設定部34は、各ユーザA,B,C,Dによって行われる設定操作に基づいて、文書画像データ9に含まれる各ページの文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示をユーザごとに設定する。またこのような追加情報の表示又は非表示の設定は、ページ単位で行われる。
【0040】
この表示設定部34は、初期状態において、各ページの文書画像に重ね合わせられている全ての追加情報を非表示に設定している。そして各ユーザA,B,C,Dのいずれかによって追加情報を表示させる設定操作が行われた場合、その設定操作によって指定されたユーザが入力した追加情報を表示設定に切り替える。ただし、表示設定部34は、プレゼンタであるユーザAによる設定操作のみを受け付け、参加者である他のユーザB,C,Dからの設定操作は受け付けないようにしても良い。
【0041】
次に、文書画像出力部35は、プレゼンタであるユーザAの情報処理端末3aから入力する指示に基づいて、BOX28に保存されている文書画像データ9から1ページ分の文書画像を読み出して表示装置5に出力する処理部である。この文書画像出力部35は、表示設定部34により追加情報の表示が設定されている場合、追加情報が重ね合わせられている文書画像をそのまま表示装置5に出力する。これに対し、表示設定部34により追加情報の非表示が設定されている場合、文書画像データ9から読み出した文書画像に含まれる追加情報を削除して表示装置5に出力する。
【0042】
例えば、表示設定部34によって全てのユーザA,B,C,Dが追加した追加情報が非表示設定となっている場合、文書画像出力部35は、文書画像データ9から読み出した文書画像に重ね合わせられている全てのユーザが入力した追加情報を削除し、表示装置5に出力する。この場合、表示装置5に出力される文書画像は、プレゼンテーション情報登録部31がBOX28に登録したオリジナルの文書画像と同じ画像となる。
【0043】
これに対し、例えば、表示設定部34によっていずれか1人の特定ユーザが追加した追加情報が表示設定となっており、他のユーザが追加した追加情報が非表示設定となっている場合、文書画像出力部35は、文書画像データ9から読み出した文書画像に重ね合わせられている他のユーザが入力した追加情報を削除し、特定ユーザが追加した追加情報については文書画像に重ね合わせられた状態のまま表示装置5に出力する。この場合、表示装置5に出力される文書画像は、プレゼンテーション情報登録部31がBOX28に登録したオリジナルの文書画像に対し、特定ユーザが入力した追加情報が重ね合わせられた状態の画像となる。
【0044】
次に、Webページ作成部32の機能により、プレゼンタであるユーザAの情報処理端末3aに表示される表示画面について説明する。図6は、プレゼンタ専用のWebページを表示したときの表示画面40の一例を示す図である。プレゼンタ専用の表示画面40の中央には、文書画像G1を表示するための文書画像表示領域R1が設けられる。この文書画像表示領域R1に表示される文書画像G1は、ユーザAが情報処理端末3aのキーボードなどを操作することにより、別のページの画像に変更したりすることができる。
【0045】
またプレゼンタ専用の表示画面40において、文書画像表示領域R1の上部には、文書画像を表示装置5に出力する際に、プレゼンタと参加者の各ユーザA,B,C,Dが追加した追加情報の表示/非表示などを個別に切り替えるための各ユーザA,B,C,Dに対応した制御ボックス42,43,44,45が表示される。これら各ユーザA,B,C,Dに対応する制御ボックス42,43,44,45には、そのユーザが追加した追加情報を表示させるための表示ボタンB5と、その追加情報の文字装飾などを変更するためのプロパティボタンB6とが表示される。
【0046】
例えば、ユーザAが、情報処理端末3aのキーボードなどを操作することにより、ポインタ画像MPを移動させてユーザAの制御ボックス42内にある表示ボタンB5をクリック操作すると、ユーザAの追加した追加情報が表示設定に切り替えられ、画像処理装置2から表示装置5に対して出力される文書画像が、ユーザAの追加した追加情報が重ね合わせられた状態の画像となる。尚、表示ボタンB5は、上記のようにクリック操作されると、非表示ボタンに変化し、その後、その非表示ボタンがクリック操作されると、ユーザAが追加した追加情報が再び非表示設定に戻る。
【0047】
またプレゼンタ専用の表示画面40において、文書画像表示領域R1の下部には、文書画像に対して追加情報を入力するための情報追加モードに切り替えるための情報追加モードボタンB1と、表示装置5に対する文書画像の出力を開始する表示開始ボタンB2と、表示装置5に出力する文書画像のページを切り替えるためのページ更新ボタンB3,B4とが表示される。尚、表示開始ボタンB2およびページ更新ボタンB3,B4は、現在の時間がプレゼンテーション情報27に登録された開催時間でないときには表示されない。
【0048】
プレゼンタであるユーザAは、画像処理装置2に予め保存した文書画像データ9に対して、プレゼンテーションでの説明内容などを追加情報として書き込むときには情報追加モードボタンB1をクリック操作する。これにより、Webページ作成部32は、追加情報付加部33を機能させ、文書画像表示領域R1に表示されている文書画像G1に対して追加情報を書き込むことができるようになる。
【0049】
図7は、プレゼンタ専用のWebページにおいてプレゼンタが追加情報を入力した場合の表示画面40の一例を示す図である。図7を図6と比較すれば判るように、この例では、プレゼンタであるユーザAが文書画像G1に対して3つの追加情報51を入力している。これらの追加情報51は、追加情報付加部33によってユーザAが追加した情報として文書画像G1に重ね合わせられる。すなわち、追加情報付加部33は、文書画像G1においてユーザAが指定した位置に追加情報51のそれぞれを重ね合わせる。追加情報付加部33は、追加情報51を重ね合わせるとき、当該追加情報51がユーザAによって追加されたものであることを識別可能にするために、ユーザ名(ユーザA)を識別情報として付加する。図例では、ユーザAが追加した情報の先頭に識別情報が付加されている。さらに、追加情報付加部33は、これら追加情報51に対して元の文書画像G1では使用されていない文字装飾を施し、その文字装飾を施した状態で文書画像G1に重ね合わせる。尚、このときの装飾処理の内容は、ユーザAに対応する装飾処理として記憶しておく。
【0050】
プレゼンタであるユーザAは、画像処理装置2に文書画像データ9を保存した後、プレゼンテーションを開始する前に、プレゼンテーションでの説明内容などをこのような追加情報51として入力しておくことにより、実際のプレゼンテーションを行う際には自身の情報処理端末3aで表示する文書画像G1に追加情報51を重ね合わせて表示させると共に、表示装置5に出力する文書画像G1には追加情報51を表示させないようにすることができる。
【0051】
次に、Webページ作成部32の機能により、参加者であるユーザBの情報処理端末3bに表示される表示画面について説明する。図8は、参加者専用のWebページを表示したときの表示画面41の一例を示す図である。尚、図8では、参加者がユーザBである場合を例示しているが、他のユーザC,Dについてもこれと同様である。図8に示すように、参加者専用の表示画面41の中央には、上記と同様に、文書画像G1を表示するための文書画像表示領域R1が設けられる。この文書画像表示領域R1に表示される文書画像G1は、ユーザBが情報処理端末3bのキーボードなどを操作することにより、自由に別のページの画像に変更したりすることができる。
【0052】
また参加者専用の表示画面41において、文書画像表示領域R1の上部には、文書画像を表示装置5に出力する際に、ユーザB自身が追加した追加情報の表示/非表示などを切り替えるためのユーザBに対応した1つの制御ボックス43が表示される。このユーザBに対応する制御ボックス43には、ユーザBが追加した追加情報を表示させるための表示ボタンB5と、その追加情報の文字装飾などを変更するためのプロパティボタンB6とが表示される。このように参加者専用の表示画面41では、その参加者自身が追加した追加情報のみを取り扱えるようになっている。
【0053】
例えば、ユーザBが、情報処理端末3bのキーボードなどを操作することにより、ポインタ画像MPを移動させて制御ボックス43内にある表示ボタンB5をクリック操作すると、ユーザBの追加した追加情報が表示設定に切り替えられ、画像処理装置2から表示装置5に対して出力される文書画像が、ユーザBの追加した追加情報が重ね合わせられた状態の画像となる。
【0054】
また参加者専用の表示画面41において、文書画像表示領域R1の下部には、文書画像に対して追加情報を入力するための情報追加モードに切り替えるための情報追加モードボタンB1が表示される。ユーザBは、プレゼンテーションの開始前に、或いは、プレゼンテーションの進行中に、文書画像G1の内容に対する疑問点などを追加情報として書き込むときには情報追加モードボタンB1をクリック操作する。これにより、Webページ作成部32は、追加情報付加部33を機能させ、文書画像表示領域R1に表示されている文書画像G1に対して追加情報を書き込むことができるようになる。
【0055】
図9は、参加者専用のWebページにおいて参加者が追加情報を入力した場合の表示画面41の一例を示す図である。図9を図8と比較すれば判るように、この例では、参加者であるユーザBが文書画像G1に対して2つの追加情報52を入力している。これらの追加情報52は、追加情報付加部33によってユーザBが追加した情報として文書画像G1に重ね合わせられる。すなわち、追加情報付加部33は、文書画像G1においてユーザBの指定した位置に追加情報52のそれぞれを重ね合わせる。追加情報付加部33は、追加情報52を重ね合わせるとき、当該追加情報52がユーザBによって追加されたものであることを識別可能にするために、ユーザ名(ユーザB)を識別情報として付加する。さらに、追加情報付加部33は、これら追加情報52に対して元の文書画像G1では使用されていない文字装飾を施し、その文字装飾を施した状態で文書画像G1に重ね合わせる。このときもまた、装飾処理の内容は、ユーザBに対応する装飾処理として記憶しておく。
【0056】
参加者であるユーザBは、画像処理装置2に文書画像データ9が保存された後、情報処理端末3bを操作して自身の疑問点などを自由に文書画像G1に書き込んでおくことにより、プレゼンテーションが終了した後の質疑応答時間などにその疑問点などを忘れることなく発言することができる。
【0057】
次に、図10は、制御ボックス42,43,44,45のプロパティボタンB6が操作されたときに表示される表示画面の一例を示す図である。図10に示す表示画面もまた、Webページ作成部32によって作成され、各情報処理端末3a,3b,3,3dに提供される。このプロパティの表示画面は、ユーザごとに追加された追加情報に対する各種設定を行うための画面である。より具体的には、複数の制御ボックス42,43,44,45のうちのどの制御ボックスのプロパティボタンB6が操作されたかによって、設定対象となる追加情報が異なることになる。それ故、プレゼンタであるユーザAは、全てのユーザA,B,C,Dが追加した追加情報に対する設定を行うことが可能であるが、参加者であるユーザB,C,Dは自身で追加した追加情報に対する設定のみを行うことができるようになっている。
【0058】
このプロパティの表示画面には、各ユーザが追加した追加情報に関する名称を記録するための追加情報名入力欄46と、追加情報のテキスト色を選択するためのテキスト色選択欄47と、テイスト色以外の文字装飾を選択するための文字装飾選択欄48とが表示される。各ユーザは、自身で入力した追加状体に対する名称を必要に応じて追加情報名入力欄46に入力することができる。また、ユーザがテキスト色選択欄47の右側のプルダウンボタン47aをクリックすると、文字装飾リストに登録されているテキスト色の一覧が表示されるので、ユーザは追加情報のテキスト色をその一覧の中から選択することができる。ただし、ユーザがテキスト色の選択を行わない場合でも、追加情報付加部33は、文字装飾リストの中から一のテキスト色を自動選択する。また、ユーザが文字装飾選択欄48の右側のプルダウンボタン48aをクリックすると、文字装飾リストに登録されている網掛け装飾や枠装飾などの一覧が表示されるので、ユーザは追加情報に対して施す装飾処理をその一覧の中から選択することができる。ただし、ユーザが装飾処理の選択を行わない場合でも、追加情報付加部33は、文字装飾リストの中から一の装飾処理を自動選択する。
【0059】
また図10に示すようにプロパティの表示画面には、各ユーザA,B,C,Dが閲覧するWebページ上での追加情報の表示を行うか否かを設定するための表示ボタン49aと非表示ボタン49bとが表示される。表示ボタン49aと非表示ボタン49bとは、ユーザが択一的に選択可能なボタンとなっており、図例では表示ボタン49aが選択された状態となっている。この表示ボタン49aが選択されると、図7又は図9に示したように文書画像表示領域R1に表示される文書画像G1に追加情報51,52が重ね合わせられた状態で表示される。尚、プレゼンタであるユーザAは、自身の情報処理端末3aに表示される表示画面40に対し、ユーザB,C,Dが入力した追加情報52を表示させることも可能である。一方、非表示ボタン49bが選択されると、図6又は図8に示したように文書画像表示領域R1に表示される文書画像G1には、追加情報51,52が重ね合わせられない状態で表示される。つまり、この場合、Webページ作成部32は、文書画像G1に重ね合わせられている追加情報51,52を削除してから文書画像表示領域R1に表示する。
【0060】
このようにWebページ作成部32は、各ユーザA,B,C,Dによって入力される追加情報を受け付け、その追加情報を文書画像に対して重ね合わせて文書画像データ9を更新する。また、Webページ作成部32は、文書画像を表示装置5に出力するときに、各ユーザA,B,C,Dによって追加された追加情報を表示状態とするか、或いは、非表示状態とするかの設定操作を受け付ける。そして文書画像出力部35は、各ユーザA,B,C,Dが入力した追加情報ごとに設定される表示設定又は非表示設定に基づき、文書画像データ9から読み出した文書画像に含まれる追加情報をそのままの状態で表示装置5に出力したり、或いは、追加情報を削除して表示装置5に出力したりする。
【0061】
次に上記のように構成される画像処理装置2の具体的な動作について説明する。図11は、画像処理装置2においてプレゼンテーション情報27を登録する際に行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、上述したプレゼンテーション情報登録部31の機能を実現するための処理であり、例えば制御部20において一定時間間隔で繰り返し実行される処理である。制御部20は、この処理を開始すると、新たな文書画像データ9の入力があったか否かを判断する(ステップS1)。新たな文書画像データ9の入力がない場合(ステップS1でNO)、この処理は終了する。これに対し、新たな文書画像データ9の入力があった場合(ステップS1でYES)、制御部20は、その文書画像データ9を解析する(ステップS2)。そして各ページの文書画像に使用されていない文字装飾を特定し、その特定した文字装飾を文字装飾リストに登録する(ステップS3)。そして入力した文書画像データ9を記憶装置24の所定のBOX28に保存する(ステップS4)。
【0062】
次に制御部20は、プレゼンテーション情報27の入力を受け付け(ステップS5)、プレゼンテーション情報27を記憶装置24に保存する(ステップS6)。その後、制御部20は、プレゼンテーション情報27に登録されている各参加者に対して電子メールを送信し、プレゼンテーション資料である文書画像データ9の保存場所などを通知する(ステップS7)。以上で、プレゼンテーション情報27を登録する際に行われる処理手順が終了する。
【0063】
次に、図12乃至図15は、画像処理装置2においてプレゼンテーション情報27が登録されている状態で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、主に上述したWebページ作成部32および文書画像出力部35の機能を実現するための処理であり、例えば制御部20において一定時間間隔で繰り返し実行される処理である。
【0064】
まず図12に示すように、制御部20は、この処理を開始すると、情報処理端末3a,3b,3c,3dからの入力情報があったか否かを判断する(ステップS10)。ここで入力情報がなければ、この処理は終了する。これに対し、入力情報があった場合(ステップS10でYES)、制御部20は、その入力情報がログイン要求か否かを判断する(ステップS11)。ログイン要求であった場合、制御部20は、そのログイン要求に含まれる情報に基づいてユーザ情報26を参照することにより、ユーザ認証処理を実行する(ステップS)。例えばログイン要求には、ユーザIDやパスワードが含まれるため、制御部20は、それらの情報がユーザ情報26に登録されているか否かを判別することにより、ユーザ認証処理を実行する。その結果、ログイン要求に含まれる情報と一致する情報がユーザ情報26に登録されていれば認証成功となり、それによって特定されるユーザがログインユーザとなる。制御部20は、認証成功であるか否かを判断し(ステップS13)、認証成功であれば、ログインユーザがプレゼンテーション情報27にプレゼンタとして登録されているか否かを判断する(ステップS14)。その結果、ログインユーザがプレゼンタであれば(ステップS14でYES)、制御部20は、既に保存されている文書画像データ9を読み出し(ステップS15)、プレゼンタ用のWebページを作成し、ログインユーザの情報処理端末に送信する(ステップS16)。これに対し、ログインユーザがプレゼンテーション情報27に参加者として登録されている場合(ステップS14でNO)、制御部20は、既に保存されている文書画像データ9を読み出し(ステップS17)、参加者用のWebページを作成し、ログインユーザの情報処理端末に送信する(ステップS18)。以後、ログインユーザは、自身でログアウト操作を行うまでログイン状態が継続し、Webページに対する操作を行うことができる。
【0065】
一方、ユーザ認証処理で認証失敗となった場合(ステップS14でNO)、ログイン状態となることなく、この処理は終了する。また、入力情報がログイン要求でなかった場合(ステップS11でNO)、制御部20は、既にログインしているプレゼンタからの入力情報であるか否かを判断する(ステップS19)。その結果、プレゼンタからの入力情報である場合(ステップS19でYES)、制御部20は、プレゼンタ対応処理を実行する(ステップS20)。またプレゼンタからの入力情報でない場合(ステップS19でNO)、その入力情報は既にログインしている参加者からの情報であるので、制御部20は、参加者対応処理を実行する(ステップS21)。以下、このような処理が繰り返し行われる。
【0066】
図13および図14は、プレゼンタ対応処理(ステップS20)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部20は、この処理を開始すると、プレゼンタからの入力情報が、情報追加モードボタンB1が操作されたことによるモードの切り替え指示であるか否かを判断する(ステップS30)。その結果、情報追加モードの切り替え指示である場合、制御部20は、情報追加モードを切り替える(ステップS31)。例えば、情報追加モードをオフからオンに切り替え、プレゼンタが文書画像に対して追加情報を入力することができるように、追加情報付加部33を機能させる。これに対し、入力情報がモードの切り替え指示でなかった場合、ステップS31に処理はスキップする。
【0067】
次に制御部20は、プレゼンタからの入力情報が、文書画像に対する追加情報であるか否かを判断する(ステップS32)。その結果、追加情報であれば、その時点での情報追加モードがオンであるか否かを判断する(ステップS33)。そして情報追加モードがオンであれば、追加情報に付加するためのプレゼンタの識別情報を生成し(ステップS34)、更に文書画像で使用されていない文字装飾を追加情報の文字装飾として決定する(ステップS35)。その後、制御部20は、プレゼンタによって追加された追加情報を文書画像に重ね合わせ、記憶装置24のBOX28に保存されている文書画像データ9を更新する(ステップS36)。これに対し、入力情報が追加情報でなかった場合(ステップS32でNO)、又は、情報追加モードがオフであった場合(ステップS33でNO)、ステップS34〜S36の処理はスキップする。
【0068】
次に制御部20は、プレゼンタからの入力情報が、表示開始ボタンB2を操作されたことによる表示開始指示か否かを判断する(ステップS37)。その結果、表示開始指示であれば、現在の時間がプレゼンテーション情報27に登録された開催時間になっているか否かを判断する(ステップS38)。そして開催時間になっていれば、BOX28の文書画像データ9から1ページ目の文書画像を読み出す(ステップS39)。そして制御部20は、その文書画像に重ね合わせられている追加情報があれば、その追加情報を全て削除する(ステップS40)。ここでは、例えば、追加情報には、それを追加したユーザの識別情報が付加されているため、その識別情報が付加されている情報を全て削除する。また、この他にも、追加情報は、オリジナルの文書画像で使用されていないテキスト色となっているため、追加情報のテキスト色以外の色を透過させるフィルタ処理を施すことにより、追加情報を全て削除することができる。そして制御部20は、追加情報が全て削除された1ページ目の文書画像を表示装置5に出力する(ステップS41)。これにより、表示装置5は、画像処理装置2から出力される文書画像をスクリーン7に表示する。これに対し、入力情報が表示開始指示でなかった場合(ステップS37でNO)、又は、未だ開催時間になっていない場合(ステップS38でNO)、ステップS39〜S41の処理はスキップする。
【0069】
次に図14のフローチャートに進み、制御部20は、プレゼンタからの入力情報が、ページ更新ボタンB3,B4を操作されたことによるページ更新指示であるか否かを判断する(ステップS42)。その結果、ページ更新指示であれば、BOX28の文書画像データ9から指定されたページの文書画像を読み出す(ステップS43)。そして制御部20は、その文書画像に重ね合わせられている追加情報があれば、その追加情報を全て削除する(ステップS44)。ここでも、上記と同様にして追加情報が全て削除される。そして制御部20は、追加情報が全て削除された1ページ分の文書画像を表示装置5に出力する(ステップS45)。これにより、表示装置5は、画像処理装置2から出力される文書画像に基づいて、スクリーン7に表示している文書画像を更新する。これに対し、入力情報がページ更新指示でなかった場合(ステップS42でNO)、ステップS43〜S45の処理はスキップする。
【0070】
更に制御部20は、プレゼンタからの入力情報が、いずれかの表示ボタンB5が操作されたことによる追加情報の表示指示であるか否かを判断する(ステップS46)。その結果、追加情報の表示指示であれば、制御部20は、現在の表示装置5に出力であるページの文書画像をBOX28の文書画像データ9から再度読み出す(ステップS47)。そしてその文書画像に重ね合わせられている追加情報の中から、表示対象として指定された追加情報を特定する(ステップS48)。そして制御部20は、その特定した追加情報とは異なるユーザが入力した他の追加情報が文書画像に重ね合わせられているか否かを判断し(ステップS49)、他の追加情報が重ね合わせられていれば、それを文書画像から削除する(ステップS50)。一方、他の追加情報が重ね合わせられていない場合は、追加情報を削除する処理は行わなくても良い。そして制御部20は、特定した追加情報が重ね合わせられた状態の文書画像を表示装置5に出力する(ステップS51)。これにより、表示装置5は、画像処理装置2から出力される文書画像に基づいて、スクリーン7に、追加情報の重ね合わせられた状態の文書画像を表示する。これに対し、入力情報が追加情報の表示指示でなかった場合(ステップS46でNO)、ステップS47〜S51の処理はスキップする。以上で、プレゼンタ対応処理(ステップS20)が終了する。
【0071】
次に、図15は、参加者対応処理(ステップS21)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部20は、この処理を開始すると、参加者からの入力情報が、情報追加モードボタンB1が操作されたことによるモードの切り替え指示であるか否かを判断する(ステップS60)。その結果、情報追加モードの切り替え指示である場合、制御部20は、情報追加モードを切り替える(ステップS61)。これに対し、入力情報がモードの切り替え指示でなかった場合、ステップS31に処理はスキップする。
【0072】
次に制御部20は、参加者からの入力情報が、文書画像に対する追加情報であるか否かを判断する(ステップS62)。その結果、追加情報であれば、その時点での情報追加モードがオンであるか否かを判断する(ステップS63)。そして情報追加モードがオンであれば、追加情報に付加するための参加者の識別情報を生成し(ステップS64)、更に文書画像で使用されていない文字装飾を追加情報の文字装飾として決定する(ステップS65)。その後、制御部20は、参加者によって追加された追加情報を文書画像に重ね合わせ、記憶装置24のBOX28に保存されている文書画像データ9を更新する(ステップS66)。これに対し、入力情報が追加情報でなかった場合(ステップS62でNO)、又は、情報追加モードがオフであった場合(ステップS63でNO)、ステップS64〜S66の処理はスキップする。
【0073】
次に制御部20は、参加者からの入力情報が、表示ボタンB5が操作されたことによる追加情報の表示指示であるか否かを判断する(ステップS67)。その結果、追加情報の表示指示であれば、制御部20は、現在の表示装置5に出力であるページの文書画像をBOX28の文書画像データ9から再度読み出す(ステップS68)。そしてその文書画像に重ね合わせられている追加情報の中から、参加者に対応する追加情報を特定する(ステップS69)。そして制御部20は、その特定した追加情報とは異なるユーザが入力した他の追加情報が文書画像に重ね合わせられているか否かを判断し(ステップS70)、他の追加情報が重ね合わせられていれば、それを文書画像から削除する(ステップS71)。一方、他の追加情報が重ね合わせられていない場合は、追加情報を削除する処理は行わなくても良い。そして制御部20は、参加者に対応する追加情報のみが重ね合わせられた状態の文書画像を表示装置5に出力する(ステップS72)。これにより、表示装置5は、画像処理装置2から出力される文書画像に基づいて、スクリーン7に、追加情報の重ね合わせられた状態の文書画像を表示する。これに対し、参加者からの入力情報が追加情報の表示指示でなかった場合(ステップS67でNO)、ステップS68〜S72の処理はスキップする。以上で、参加者対応処理(ステップS21)が終了する。
【0074】
以上のように本実施形態の画像処理装置2は、文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、その追加情報を、元の文書画像とは識別可能な状態にして重ね合わせることにより記憶装置24に記憶されている文書画像データ9を更新する。そして追加情報を表示させることが設定された場合、記憶装置24から文書画像を読み出してそのまま表示装置5に出力すれば、追加情報が重ね合わせられた文書画像を表示することができる。また追加情報を非表示にすることが設定されている場合、記憶装置24から読み出した文書画像に含まれる追加情報を削除して表示装置5に出力することにより、表示装置5によって表示される文書画像には追加情報が表示されないようにしている。
【0075】
このような画像処理装置2によれば、プレゼンテーションを行うために管理するファイルは、最初に保存され、その後適宜に更新される文書画像データ9に対応する1つのファイルだけで良い。そのため、参照するファイル数が少なくなり、表示装置5に出力して表示させる表示内容を切り替えるときにも、効率的に表示内容の切り替えができるようになり、プレゼンテーションや会議を効率的に行うことができるようになる。特に、プレゼンテーションが終了した後の質疑応答時間では、各参加者が追加した追加情報を順次表示させていけば、質疑応答時間を効率的に活用することができるようになる。
【0076】
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。例えば、上記実施形態では、複合機やMFPなどで構成される情報機器10が画像処理装置2としての機能を実現する場合を例示したが、上述した画像処理装置2の機能は、例えば一般的なコンピュータやサーバ装置などによって実現しても構わない。
【0077】
また、上述した追加情報付加部33は、文書画像に重ね合わせる追加情報の入力を受け付ける際、その追加情報が秘密情報であるか否かの指定を受け付けるようにしても良い。そして入力された追加情報が秘密情報である場合、文書画像に追加情報を重ね合わせる際に、その追加情報が秘密情報であることを示す秘密指定情報を更に付加して文書画像に重ね合わせるようにしても良い。このようにしておくと、例えば、文書画像出力部35が、その文書画像を読み出して表示装置5に出力するとき、秘密指定情報の付加されている追加情報を文書画像から削除して表示装置5に出力することができるようになる。この場合、文書画像出力部35は、ユーザ情報26に含まれる各ユーザのグループに関する情報や、役職に関する情報に基づいて、プレゼンタや参加者の中に秘密情報を知ることができないユーザが存在するか否かを判別するようにしても良い。例えば、プレゼンタや参加者の中に他のグループに所属するユーザが含まれている場合、或いは、一般職のユーザが含まれている場合は、秘密情報を知ることができないユーザが含まれていることになる。そして、秘密情報を知ることができないユーザが1人でも存在する場合、文書画像出力部35は、文書画像を表示装置5に出力する際、その文書画像に重ね合わせられた秘密情報を含む追加情報を削除するようにしても良い。このような構成にすれば、プレゼンテーションや会議の進行中に、不意に秘密情報が漏れてしまうことを防止できるようになる。
【符号の説明】
【0078】
1 画像処理システム
2 画像処理装置
3,3a,3b,3c,3d 情報処理端末
5 表示装置
6 ネットワーク
9 文書画像データ
20 制御部
24 記憶装置(記憶手段)
27 プレゼンテーション情報
31 プレゼンテーション情報登録部
32 Webページ作成部(Webページ作成手段)
33 追加情報付加部(情報付加手段)
34 表示設定部(設定手段)
35 文書画像出力部(文書画像出力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に出力するための文書画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、該追加情報を文書画像に重ね合わせることにより前記記憶手段に記憶された文書画像を更新する情報付加手段と、
前記情報付加手段により更新された文書画像を前記表示装置に出力するときに、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を設定する設定手段と、
前記設定手段により追加情報の表示が設定されている場合、前記記憶手段から文書画像を読み出して前記表示装置に出力し、前記設定手段により追加情報の非表示が設定されている場合、前記記憶手段から読み出した文書画像に含まれる追加情報を削除して前記表示装置に出力する文書画像出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記情報付加手段は、複数のユーザのそれぞれから文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、各ユーザによって追加される追加情報にユーザを識別するための識別情報を付加して文書画像に重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を、追加情報を入力したユーザごとに設定可能であり、
前記文書画像出力手段は、前記設定手段により追加情報の非表示の設定が行われているユーザが入力した追加情報を識別情報に基づいて特定して文書画像から削除し、前記表示装置に出力することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記情報付加手段は、複数のユーザのそれぞれから文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付け、各ユーザによって追加される追加情報に対し、文書画像には含まれない固有の装飾処理を施すことによって当該追加情報を追加したユーザを識別可能にして文書画像に重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記設定手段は、文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を、追加情報を入力したユーザごとに設定可能であり、
前記文書画像出力手段は、前記設定手段により追加情報の非表示の設定が行われているユーザが入力した追加情報を装飾処理の内容に基づいて特定して文書画像から削除し、前記表示装置に出力することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記記憶手段に記憶された文書画像が複数ページから成る文書画像である場合、ページ単位で文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示を設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
ネットワークを介してアクセス可能なWebページを作成するWebページ作成手段を更に備え、
前記情報付加手段は、前記Webページ作成手段によって作成されるWebページにおいて前記記憶手段に記憶されている文書画像を表示し、ネットワークを介して文書画像に対する追加情報の入力操作を受け付けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記Webページ作成手段によって作成されるWebページにおいて文書画像に重ね合わせられた追加情報の表示又は非表示に関する設定操作を受け付け、当該設定操作に基づいて追加情報の表示又は非表示を設定することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記情報付加手段は、文書画像に重ね合わせる追加情報が秘密情報である場合、追加情報に秘密情報であることを示す秘密指定情報を付加して文書画像に重ね合わせ、
前記文書画像出力手段は、前記記憶手段から文書画像を読み出して前記表示装置に出力するとき、秘密指定情報の付加されている追加情報を文書画像から削除して前記表示装置に出力することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−38057(P2012−38057A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177094(P2010−177094)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】