説明

画像出力制御装置、画像出力システム並びに画像出力制御プログラム及び画像出力制御プログラムを記録した記録媒体

【課題】 同時設定不可能な後処理がクライアント端末で選択された場合に、それらの後処理のいずれかを処理するようにしてユーザに負担を課さない画像出力制御装置、画像出力システム及び画像出力制御プログラム並びに画像出力制御プログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】 画像形成装置11と画像出力制御装置12とクライアント端末13とを有し、画像出力制御装置12は、クライアント端末13から入力された画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データに基づいて画像形成処理及び後処理を前記画像形成装置に実行させる出力処理手段122と、同時に実行することができない後処理命令の組み合わせについてのテーブルを記憶した記憶手段125と、前記複数の後処理命令の組み合わせが前記テーブルにあるか否かを判定する判定手段123とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成された用紙に、ステープル処理や中折り処理のような後処理を行うフィニッシャの機能を備えた画像出力制御装置、画像出力システム及び画像出力制御プログラム並びに画像出力制御プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、オフィス用途として使用されていたカラーレーザプリンタや複合機等の画像形成装置は、性能向上によって、オフィス用途に限られず印刷分野においても使用され始めている。特に、POD(Print On Demand)やDCP(Digital Color Proof)作成の分野においてのこれら画像形成装置の要望は多い。
【0003】
PODは、DTP(Desk Top Publishing)などにより作成された画像データを、製版工程を経ずに直接記録用紙に出力するものである。すなわち、従来のオフセット印刷に比べて、必要時に必要量の印刷が可能であり、また1枚毎に印刷内容を変えたバリアブル印刷が可能となる。このPODは、少量印刷において特にその使用価値を高めており、したがって、画像形成単価が比較的安価であるカラーレーザプリンタや複合機等の画像形成装置が脚光を浴びているものである。また、DCP作成においても同様に安価で高品質なカラー出力を行うことができるカラーレーザプリンタや複合機等の画像形成装置が脚光を浴びている。このように、PODやDCP等の印刷分野においては、オフィス用途に比べて高度な印刷精度が要求されている。
【0004】
具体的には、クライアント端末と、フィニッシャを備えたコピー機やプリンタ等の画像形成装置と、前記クライアント端末から送信されたPSデータを元にRIP処理等を行い、前記画像形成装置を制御する画像出力制御装置とを有する画像出力制御システムにおいては、画像形成された用紙に対する前記フィニッシャの後処理の機能(例えば、ステープル処理や中折り処理、パンチ処理や糊付け処理等)が多様化している(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0005】
それに伴い、前記後処理の中には、同時に実行することが不可能な後処理の組み合わせも増加してきている。
【0006】
この対策としては、実行する後処理を設定する際に、同時に設定不可能な後処理が組み合わせられない設定にクライアント端末を制御することが考えられる。具体的には、同時に実施することが不可能な後処理の組み合わせについて同時設定を禁止する技術が開示されている(例えば、特許文献3)。
【0007】
しかし、仕様(クライアント端末や画像出力制御装置を管理するOS等)によっては、後処理の組み合わせに制限がなされていないものもある。
【0008】
従って、クライアント端末や画像出力制御装置が如何なる仕様であるかに拘らず、複数の後処理命令が制限されることなく送られてくるとした前提では、同時に実行することが不可能な後処理の組み合わせが送られてきた場合、エラーとしてクライアント端末に返す方法が採用されることもあった。
【0009】
【特許文献1】特開2001−151406号公報
【0010】
【特許文献2】特開2002−284432号公報
【0011】
【特許文献3】特許2590827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、エラーが発生する度に、再度設定を行い、出力指示を出すことはユーザに対して負担をかける。また、初めに出力指示を出す際は、全てのたくさんの設定をひとつひとつ入念に確認する必要があり、多くの時間と注意力をユーザに課すこととなる。
【0013】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、同時設定不可能な後処理がクライアント端末で選択された場合に、それらの後処理のいずれかを処理するようにしてユーザに負担を課さない画像出力制御装置、画像出力システム及び画像出力制御プログラム並びに画像出力制御プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための、請求項1記載の発明に係る画像出力制御装置は、画像形成装置及びクライアント端末にネットワーク接続され、前記クライアント端末から入力された画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データに基づいて画像形成処理及び後処理を前記画像形成装置に実行させる出力処理手段を有する画像出力制御装置であって、複数種類の後処理のうち、同時に実行することができない後処理の組み合わせについて記憶したテーブルを有し、前記クライアント端末から後処理命令を受けて、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせが前記テーブルにあるか否かを判定する判定手段とを有し、係る判定手段によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記出力処理手段は、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせの何れか一方の後処理を前記画像形成装置に実行させることを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するための、請求項2記載の発明に係る画像出力制御装置は、前記請求項1に記載の画像出力制御装置において、前記何れか一方の後処理を前記テーブルに対して予め設定する設定手段が設けられたことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するための、請求項3記載の発明に係る画像出力制御装置は、前記請求項1に記載の画像出力制御装置において、前記判定手段によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記何れか一方の処理を前記クライアント端末に選択させる選択手段が設けられたことを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するための、請求項4記載の発明に係る画像出力システムは、画像形成装置と画像出力制御装置とクライアント端末とを有するネットワークシステムであって、前記画像出力制御装置は、前記クライアント端末から入力された画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データに基づいて画像形成処理及び後処理を前記画像形成装置に実行させる出力処理手段と、複数種類の後処理のうち、同時に実行することができない後処理の組み合わせについて記憶したテーブルと、前記クライアント端末からの後処理命令を受けて、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせが前記テーブルにあるか否かを判定する判定手段とを有し、係る判定手段によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記出力処理手段は、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせの何れか一方の後処理を前記画像形成装置に実行させることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するための、請求項5記載の発明に係る画像出力システムは、前記請求項4に記載の画像出力システムにおいて、前記画像出力制御装置には、前記何れか一方の後処理を前記テーブルに対して予め設定する設定手段が設けられたことを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するための、請求項6記載の発明に係る画像出力システムは、前記請求項4に記載の画像出力システムにおいて、前記判定手段によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記何れか一方の処理を前記クライアント端末に選択させる選択手段が設けられたことを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するための、請求項7記載の発明に係る画像出力制御プログラムは、画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データをクライアント端末から画像出力制御手段に送信する送信過程と、前記クライアント端末から送信された後処理命令を受けて、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせが、同時に実行することができない後処理命令の組み合わせについて予め記憶したテーブルにあるか否かを判定する判定過程とを有し、係る判定過程によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記出力処理過程として、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせの何れか一方の後処理を選択し、受信した前記画像出力データに基づいて画像形成処理及び前記選択された一方の後処理を画像形成装置に実行させる出力処理過程とを実行するようにコンピュータに機能させることを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決するための、請求項8記載の発明に係る画像出力制御プログラムは、請求項7に記載の画像出力プログラムにおいて、前記何れか一方の後処理を前記テーブルに対して予め設定する設定過程を有することを特徴とする。
【0022】
上記課題を解決するための、請求項9記載の発明に係る画像出力制御プログラムは、請求項7に記載の画像出力プログラムにおいて、前記判定過程によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記何れか一方の処理を前記クライアント端末からの入力によって選択させる選択過程を有することを特徴とする。
【0023】
上記課題を解決するための、請求項10記載の発明に係る画像出力制御プログラムを記録した記録媒体は、画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データをクライアント端末から画像出力制御手段に送信する送信過程と、前記クライアント端末から送信された後処理命令を受けて、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせが、同時に実行することができない後処理命令の組み合わせについて予め記憶したテーブルにあるか否かを判定する判定過程とを有し、係る判定過程によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記出力処理過程として、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせの何れか一方の後処理を選択し、受信した前記画像出力データに基づいて画像形成処理及び前記選択された一方の後処理を画像形成装置に実行させる出力処理過程とを実行するようにコンピュータに機能させることを特徴とする。
【0024】
上記課題を解決するための、請求項11記載の発明に係る画像出力制御プログラムを記録した記録媒体は、請求項10に記載の画像出力プログラムを記録した記録媒体において、前記何れか一方の後処理を前記テーブルに対して予め設定する設定過程を有することを特徴とする。
【0025】
上記課題を解決するための、請求項12記載の発明に係る画像出力制御プログラムを記録した記録媒体は、請求項10に記載の画像出力プログラムを記録した記録媒体において、前記判定過程によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記何れか一方の処理を前記クライアント端末からの入力によって選択させる選択過程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、同時設定不可能な後処理がクライアント端末で選択された場合に、それらの後処理のいずれかを処理するようにしたので、ユーザに負担を課さない画像出力制御装置、画像出力システム及び画像出力制御プログラム並びに画像出力制御プログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る画像出力制御装置及び画像出力システムの実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本実施形態の画像出力制御装置及び画像出力システムの構成を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態における画像出力制御方法の動作を示すフローチャートである。さらに、図3は、本実施形態におけるテーブルの概略を示す図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の画像出力システムは、片面もしくは両面印刷が可能なPODを行うシステムであり、各種記録用紙が使用され、例えば、ちらし等に用いられる微塗工紙、カタログ等に用いられるアート紙、その他、コート紙、キャスト紙、上質紙を含み、印刷用途に使用される記録用紙のいずれにおいても使用される。この画像出力システム1は、画像形成装置11と画像出力制御装置12とクライアント端末13とをネットワーク接続して構成されている。
【0030】
画像出力制御装置12は、図示しないCPU、ROM、RAM、HDD、I/Fにより構成されており、ROM又はHDDに記憶された画像出力プログラムを実行し、前記CPUが演算を行いつつ、前記I/Fを用いて他の装置とデータの入出力を適宜行うことによって、後述する各処理が実行される。また、画像出力制御装置12には、画像形成装置11及びクライアント端末13との情報通信を行うためのI/Fである通信手段121や、ユーザの操作を可能とする入力手段126として、マウス・キーボード等のマンマシンインターフェースを備えている。
【0031】
前記CPUは、クライアント端末13から入力された画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データに基づいて画像形成処理及び後処理を画像形成装置11に実行させる出力処理手段122と、判定手段123として機能する。
【0032】
出力処理手段122は、前記画像データの調整処理とRIP(Raster Image Process)処理を施し、必要に応じて色調整やスクリーン処理を行い、さらに、画像形成装置11を制御する出力制御情報として、画像データに画像出力位置情報等を付加した画像出力データを生成する手段である。
【0033】
ここで、上述した“RIP処理”とは、例えばPostScript等で記述された前記画像出力データを画像形成装置11の出力解像度にあわせたビットマップデータに展開する処理を指す。すなわち、ラスター画像データを所定の出力条件、具体的には、予め設定された網点の形状や線数にしたがって網点化する処理である。
【0034】
また、同時に実行することができない後処理命令の組み合わせについて如何なる制御を行うのか関連付けた情報としてテーブルが記憶された記憶手段125が設けられ、この記憶手段125に記憶された後処理命令について検索する後処理情報取得手段124が設けられている。
【0035】
従って、判定手段122は、クライアント端末13から送信された複数の後処理命令の組み合わせが記憶手段125に記憶されたテーブルにあるか否かを判定し、前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記複数の後処理の何れか一方の後処理を前記画像形成処理と共に行うように出力処理手段121が命令を出力する。
【0036】
画像形成装置11は、給紙カセットと、出力部と、フィニッシャを備えた、例えば電子写真方式のカラーレーザプリンタにより構成される。出力部は、RIP処理された画像出力データに基づき前記給紙カセットから給紙を受けて記録用紙上に画像を出力する。
【0037】
次に、本実施形態における画像出力制御方法について、画像出力システム1の概略動作を図2に基づき説明する。
【0038】
まず、クライアント端末13で、画像データの編集処理が行われる。編集処理を終えた画像データは、後処理命令を含む画像出力データ(PSデータ)として画像出力制御装置12に送信される(S1;送信過程)。
【0039】
次に、出力処理手段122は、通信手段121によって受信された画像出力データに含まれる後処理命令を参照し、後処理命令が複数含まれているか否かを判定する(S2)。
【0040】
出力処理手段122によって前記画像出力データに複数の後処理命令が含まれていた場合(S2−Yes)、記憶手段125に記憶されているテーブルを参照して、当該テーブルに前記複数の後処理命令の組み合わせがあるか否かを検索する(S3;判定過程)。
【0041】
ここで、前記テーブルは、図3に示すように、2つの後処理命令の組み合わせ(後処理1及び後処理2)に対して、所定の制御方法(後処理命令)が関連付けられているテーブルである。2つの後処理命令の組み合わせ(後処理1及び後処理2)は、同時に実行できない後処理の組み合わせである。
【0042】
このテーブルによれば、「ステープル」処理と「自動回転」処理とが前記画像出力データに含まれていた場合、「制御方法(後処理命令」として「ステープル」処理が関連付けられている。また、「ステープル」処理と「分割出力」処理とが前記画像出力データに含まれていた場合、「制御方法(後処理命令」として「エラー」処理が関連付けられている。また、「ステープル」処理と「排紙トレイ」処理とが前記画像出力データに含まれていた場合、「制御方法(後処理命令」として「ステープル」処理が関連付けられている。また、「ステープル」処理と「中折り」処理とが前記画像出力データに含まれていた場合、「制御方法(後処理命令」として「中折り」処理が関連付けられている。また、「中折り」処理と「分割出力」処理とが前記画像出力データに含まれていた場合、「制御方法(後処理命令」として「エラー」処理が関連付けられている。また、「中折り」処理と「排紙トレイ」処理とが前記画像出力データに含まれていた場合、「制御方法(後処理命令」として「中折り」処理が関連付けられている。また、「面付け」処理と「自動回転」処理とが前記画像出力データに含まれていた場合、「制御方法(後処理命令」として「面付け」処理が関連付けられている。前記「エラー」処理とは、2つの後処理命令の組み合わせ(後処理1及び後処理2)の何れも行わず、クライアント端末13の表示画面等にエラー表示を行って、当該後処理の組み合わせを実行できない旨をユーザに報知する命令を意味する。
【0043】
「ステープル」処理と「自動回転」処理との組み合わせについて説明すると、通例、「ステープル」処理と「自動回転」処理との組み合わせが前記画像出力データに含まれていた場合、1つのジョブにおいて「ステープル」処理と「自動回転」処理とをフィニッシャで行うことができない。
【0044】
従って、当該テーブルを参照すると、それらの組み合わせに関連付けられた「制御方法(後処理命令)」に、「ステープル」処理が特定されているので、「ステープル」処理と「自動回転」処理との組み合わせが前記画像出力データに含まれていた場合、それら2つの後処理を「ステープル」処理に置き換える(「自動回転」処理は行わない。)ことで、当該ジョブを中断することなく、スムーズに何らかの後処理を行うことができるのである。
【0045】
本実施形態では、2つの後処理命令の組み合わせ(後処理1及び後処理2)に対する制御方法(後処理命令)が予め特定されている。この関連付けは、固定されていてもよいし、入力手段126を用いてユーザが適宜設定するようにしてもよい(設定過程)。
【0046】
尚、「面付け」とは、製版フィルムを印刷して折り丁にしたときにノンブル(そのページが何ページ目かがわかるように、ページの端に入れておく番号のこと)が順に並ぶように、写真やイラスト等の画像を16ページ単位、或いは、8ページ単位や4ページ単位で、印刷機にかける用紙のサイズに合わせて貼り合わせる作業のことを指す。
【0047】
出力処理手段122によって前記テーブルに前記複数の後処理命令の組み合わせがあった場合(S4−Yes)、後処理情報取得手段124が前記テーブルによって前記組み合わせに関連付けられた後処理制御方法を取得し、前記後処理命令をその取得した後処理制御方法に更新する(S5)。
【0048】
次に、通信手段121によって受信された画像出力データに含まれる画像データに対して、出力処理手段122は、RIP処理を行う(S6)。
【0049】
このRIP処理は、CMYK四色分の色版別ラスター画像データを生成し、必要に応じて色調整・スクリーン処理を施し、さらに、特定された後処理命令等の出力制御情報を前記画像データに付加して画像出力データを生成する処理である。
【0050】
そして、このように生成された画像出力データを、出力処理手段121が画像形成装置11に送信する(S7;出力処理過程)ことによって、画像形成装置11において前記出力部による画像形成処理(前記画像出力データに基づいて記録用紙上の適正位置に画像を出力する処理)と、前記特定された後処理に基づいた前記フィニッシャによる後処理が実行される。
【0051】
(プログラム及びこれを記憶する記憶媒体)
尚、以上に説明した本発明に係る画像出力システムを構成する画像出力制御装置12において行われる処理、具体的には、図2を参照しながら説明した各過程を、各々、画像出力制御装置12のコンピュータ本体において実行させるためのプログラムは、当該画像出力制御装置12に内蔵、又は、接続されるメモリ等の記憶部に記憶されており、同じく当該画像出力制御装置12に内蔵されるCPU等の演算部により、これが読み出されて実行される。
【0052】
上述の各実施形態は、本発明の一例であり、本発明は各実施の形態に限定されることはない。また、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0053】
例えば、本発明の他の実施形態として、画像出力制御装置12に選択手段を設け、上述の複数の後処理命令がテーブルにあると判定手段123により判定された場合(S4−Yes)、当該テーブルを参照して、該当する複数の後処理命令(後処理1及び後処理2)に関連する制御方法(後処理命令)をクライアント端末13の表示手段(図示せず)に表示させる命令を送信し、クライアント端末13の入力手段(図示せず)によって入力・送信された情報に基づいて前記制御方法(後処理命令)を前記選択手段が特定するようにしてもよい(選択過程)。このような構成にすることで、同時に実行できない後処理命令がクライアント端末13から送信されたときでも、即座にエラーを出すことなく、送信された後処理命令のうちどちらかをその都度、対話式にクライアント端末13を使用するユーザに選択させる余地が与えられる。
【0054】
また、本発明においては、HDDまたはROMに記憶された画像出力プログラムを実行させることで画像出力制御装置12に上述したような機能を備えるようにしたが、このような画像出力プログラムは、画像出力制御装置12が読取可能な記憶媒体、例えば、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)に記憶されているようにしてもよい。また、本実施形態において画像出力制御装置12は、画像出力プログラムを実行することで上述の機能を備えるようにしたが、専用回路を備えることで上述の機能を備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態における画像出力システムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における画像出力制御方法の動作を示すフローチャート。
【図3】本実施形態におけるテーブルの概略を示す図。
【符号の説明】
【0056】
1 画像出力システム
11 画像形成装置
12 画像出力制御装置
13 クライアント端末
121 通信手段
122 出力処理手段
123 判定手段
124 後処理情報取得手段
125 記憶手段
126 入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置及びクライアント端末にネットワーク接続され、前記クライアント端末から入力された画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データに基づいて画像形成処理及び後処理を前記画像形成装置に実行させる出力処理手段を有する画像出力制御装置であって、
複数種類の後処理のうち、同時に実行することができない後処理の組み合わせについて記憶したテーブルを有し、
前記クライアント端末から後処理命令を受けて、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせが前記テーブルにあるか否かを判定する判定手段とを有し、
係る判定手段によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記出力処理手段は、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせの何れか一方の後処理を前記画像形成装置に実行させることを特徴とする画像出力制御装置。
【請求項2】
前記何れか一方の後処理を前記テーブルに対して予め設定する設定手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の画像出力制御装置。
【請求項3】
前記判定手段によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記何れか一方の処理を前記クライアント端末に選択させる選択手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の画像出力制御装置。
【請求項4】
画像形成装置と画像出力制御装置とクライアント端末とを有するネットワークシステムであって、
前記画像出力制御装置は、
前記クライアント端末から入力された画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データに基づいて画像形成処理及び後処理を前記画像形成装置に実行させる出力処理手段と、
複数種類の後処理のうち、同時に実行することができない後処理の組み合わせについて記憶したテーブルと、
前記クライアント端末からの後処理命令を受けて、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせが前記テーブルにあるか否かを判定する判定手段とを有し、
係る判定手段によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記出力処理手段は、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせの何れか一方の後処理を前記画像形成装置に実行させることを特徴とする画像出力システム。
【請求項5】
前記画像出力制御装置には、前記何れか一方の後処理を前記テーブルに対して予め設定する設定手段が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の画像出力システム。
【請求項6】
前記判定手段によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記何れか一方の処理を前記クライアント端末に選択させる選択手段が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の画像出力システム。
【請求項7】
画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データをクライアント端末から画像出力制御手段に送信する送信過程と、
前記クライアント端末から送信された後処理命令を受けて、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせが、同時に実行することができない後処理命令の組み合わせについて予め記憶したテーブルにあるか否かを判定する判定過程とを有し、
係る判定過程によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記出力処理過程として、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせの何れか一方の後処理を選択し、受信した前記画像出力データに基づいて画像形成処理及び前記選択された一方の後処理を画像形成装置に実行させる出力処理過程とを実行するようにコンピュータに機能させることを特徴とする画像出力制御プログラム。
【請求項8】
前記何れか一方の後処理を前記テーブルに対して予め設定する設定過程を有することを特徴とする請求項7に記載の画像出力制御プログラム。
【請求項9】
前記判定過程によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記何れか一方の処理を前記クライアント端末からの入力によって選択させる選択過程を有することを特徴とする請求項7に記載の画像出力プログラム。
【請求項10】
画像データ、画像形成処理命令及び後処理命令を含む画像出力データをクライアント端末から画像出力制御手段に送信する送信過程と、
前記クライアント端末から送信された後処理命令を受けて、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせが、同時に実行することができない後処理命令の組み合わせについて予め記憶したテーブルにあるか否かを判定する判定過程とを有し、
係る判定過程によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記出力処理過程として、前記後処理命令に含まれる後処理の組み合わせの何れか一方の後処理を選択し、受信した前記画像出力データに基づいて画像形成処理及び前記選択された一方の後処理を画像形成装置に実行させる出力処理過程とを実行するようにコンピュータに機能させることを特徴とする画像出力制御プログラムを記録した記録媒体。
【請求項11】
前記何れか一方の後処理を前記テーブルに対して予め設定する設定過程を有することを特徴とする請求項10に記載の画像出力制御プログラムを記録した記録媒体。
【請求項12】
前記判定過程によって前記後処理の組み合わせが前記テーブルにあると判定された場合に、前記何れか一方の処理を前記クライアント端末からの入力によって選択させる選択過程を有することを特徴とする請求項10に記載の画像出力プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−209249(P2006−209249A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17318(P2005−17318)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】