説明

画像加熱装置

【課題】共用の送風手段を非通紙部昇温抑制用と結露スリップ抑制用に使い分けることで、装置本体の小型化、低コスト化が可能となる画像加熱装置を提供する。
【解決手段】送風手段から加圧部材、加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材へ送風される加熱回転体の回転軸方向における送風領域を選択する送風領域選択手段を有し、回転軸方向における全域とする第1モードと、回転軸方向における非通紙領域とする第2モードと、を選択可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した、プリンタ、複写機、ファクシミリ、或いはそれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられ、記録材上の画像を加熱する画像加熱装置に関する。
【0002】
この画像加熱装置としては、例えば、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置等を挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
上記のような画像形成装置は、画像形成手段によりシート状の記録材(以下、紙とも記す)に未定着トナー像を形成した後、定着装置により該トナー像を固着像として定着させている。
【0004】
定着装置には様々な方式が提案されているが、トナー像を加熱・加圧して定着させる熱圧定着方式の定着装置が一般に用いられている。この定着装置は、加熱手段で加熱される加熱回転体(加熱ローラ、加熱ベルトなど)と、これと圧接して定着ニップ部を形成する加圧回転体(加圧ローラ、加圧ベルトなど)を有している。そして、この両回転体を回転させ、定着ニップ部に未定着トナー像を担持させた記録材を導入して挟持搬送させることで、トナー像を加熱回転体の熱とニップ圧で記録材面に熱圧定着させるものである。
【0005】
このような定着装置においては、記録材を定着領域で定着する場合、加熱回転体の通紙域表面は略均一な温度分布となる。しかしながら、装置に通紙可能な最大幅を有する最大サイズ紙よりも幅の小さい小サイズ紙を連続通紙して定着を実行した場合に、加熱回転体の非通紙域の表面の温度が過度に上昇する。これは、小サイズ紙を連続的に通紙すると、加熱回転体の記録材の通過しない非通紙域では記録材による奪熱が無い分だけ、部分的に蓄熱されるためである。
【0006】
上記のような加熱回転体表面の温度上昇に伴って、加熱回転体に圧接されている加圧回転体表面の温度も上昇する。この現象は、定着装置の端部昇温あるいは非通紙部昇温と称され、この非通紙部昇温が高温になると、ホットオフセットの発生や装置構成部品の熱ダメージにつながる。このような非通紙部昇温を防止するべく、定着装置に送風ファンを設けて、非通紙部の加熱回転体や加圧回転体に送風することにより、その温度上昇を押さえる構成が、特許文献1、2に記載されている。
【0007】
特許文献1の定着装置は、加圧ローラの長手方向に沿って多数のファンを配置し、紙サイズと坪量の情報から、対応するファンの駆動とファンによる送風量の制御を行っている。また、特許文献2の定着装置は、冷却用ファンから非通紙域側に冷却風を送風する際に、使用する記録材の幅に応じて、送風口の幅方向の長さを調節することによって、異なった幅サイズの記録材に対しても、非通紙部昇温を防止している。
【0008】
一方、近年、環境に配慮した省エネ型定着方式の必要性が高まってきている。そのため、加熱方式の定着装置の場合、セラミックヒータ等の低熱容量加熱体、低熱容量の加熱ベルトに対して加圧駆動する加圧ローラを用いて、冷間時から急速加熱できる定着装置が実用に供されている。このような定着装置では、印刷動作前に定着装置の余熱が必要無いため、余熱に要する電力を削減できる。しかし、その一方で冷間時から連続通紙する場合、最初の15枚程度の間は紙が定着装置を通過した際に発生した水蒸気が、露点以上に昇温しきれていない加圧ローラに接触し結露が発生することがある。
【0009】
加圧ローラが結露すると、対向する加熱ベルトと加圧ローラ間の摩擦力が小さくなり、加熱ベルトと加圧ローラの間でスリップが発生することがある(以下結露スリップと呼ぶ)。加熱ベルトと加圧ローラ間で結露スリップが発生すると定着装置において紙の搬送ができなくなり、画像形成部と定着部の間でたるみが生じ、画像不良や紙詰まりが生じてしまう。そこで、特許文献3では、定着装置の下方に結露防止用のファンを設けて、加圧ローラの駆動に応じて稼動させることにより、定着装置内の結露を防止する技術が開示されている。
【0010】
また、上記特許文献1乃至3とは別に、従来例として図14乃至図16に示すように、加熱ベルト側および加圧ローラ側に夫々送風ファンを設けるものが知られる。即ち、加熱ベルト冷却用ファンとダクト、および送風口の幅方向の長さを調節するシャッタを備えた非通紙部昇温防止用の冷却装置と、加圧ローラに送風するファン、ダクトと、を備えた定着装置が知られる。図14乃至図16において、81a、81bは加熱ベルト31の非通紙部を冷却するための非通紙部送風ファン、83a、83bは非通紙部送風ファン81の冷却風を加熱ベルト31まで導くための冷却ダクトである。
【0011】
また、82は非通紙部冷却シャッタで、非通紙部送風ファン81と加熱ベルト31の間で冷却ダクト83内に配置される。この非通紙部冷却シャッタ82は、通紙する紙サイズに合わせ、加熱ベルト31の記録材P通過領域より外側を冷却するべく、冷却ダクト83の開口量を調整するものである。非通紙部冷却シャッタ82は、図15に示すシャッタ部82a、ラック部82b、図16に示すフラグ部82cから成り、一体に形成されている。
【0012】
非通紙部冷却シャッタ82のラック部82bは、減速ギア90を介して非通紙部冷却モータ(パルスモータ)87と連結しており、非通紙部冷却モータ87が正逆転することによって冷却ダクト83内を移動することにより、開口量の調節が可能となっている。また、検知手段89によりフラグ部82cの位置を検知することで、非通紙部冷却シャッタ82をホームポジションに配置する構成となっている。
【0013】
一方、85は、加圧ローラ34の結露防止目的で加圧ローラ34に送風する結露防止ファン、86は、結露防止ファン85から送風された風を結露防止ダクト84に導くためのファンダクトである。結露防止ダクト84には、加圧ローラ34の長手方向に沿って数多くの穴が開けられており、結露防止ファン85から送風された風は結露防止ダクト84の中を流れ、これらの穴から吹き出して加圧ローラ34表面に吹き付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平5−107983号公報
【特許文献2】特開2008−32903号公報
【特許文献3】特開2008−116858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述したように近年低熱容量で省エネ型の画像加熱装置が実用に供されているわけであるが、更なる印字生産性向上の要求もあり、上述した非通紙部昇温抑制のための送風、結露スリップ対策のための送風などのために、ファンの数は増加傾向にある。ファンの個数が増加すると、ファン自体のコストアップのみならず、電源、電気回路、制御回路、ファンダクトやカバー等もその数に応じて必要となり、画像加熱装置全体としてコストアップや装置の大型化を招くこととなってしまう。
【0016】
近年、画像加熱装置には省エネ性、印字生産性(1枚目の印字にかかる時間の短縮化も含む)、装置本体の小型化、低コスト化の要求も大きく、それらの要求を最大限満足させるためには、ファンの個数削減が大きく寄与することとなる。
【0017】
本発明の目的は、共用の送風手段を非通紙部昇温抑制用と結露スリップ抑制用に使い分けることで、装置本体の小型化、低コスト化が可能となる画像加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明では、加熱回転体と、前記加熱回転体に対向して設けられ、前記加熱回転体との間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持搬送する加圧部材と、前記加圧部材および前記加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材への送風を行う送風手段と、前記送風手段から前記加圧部材および前記加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材へ送風される前記加熱回転体の回転軸方向における送風領域を選択する送風領域選択手段と、を有し、前記送風領域選択手段は、前記送風手段による前記送風領域を送風される前記加圧部材および前記加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材の前記回転軸方向における全域とする第1モードと、前記送風手段による前記送風領域を送風される前記加圧部材および前記加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材の前記回転軸方向における非通紙領域とする第2モードと、を選択可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、共用の送風手段を非通紙部昇温抑制用と結露スリップ抑制用に使い分けることで、装置本体の小型化、低コスト化が可能となる画像加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置の動作を示すフローチャートである。
【図2】本実施形態に係る画像加熱装置を搭載した画像形成装置の横断面模式図である。
【図3】本実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置の上面側からの斜視図である。
【図4】本実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置の底面側からの斜視図である。
【図5】本実施形態に係る定着装置の部分断面模式図である。
【図6】本実施形態に係る定着装置の部分分解斜視図である。
【図7】(a)は加圧ローラの長手方向の全域を送風する場合の部分断面図、(b)はその上面図である。
【図8】(a)はA5サイズ記録材の非通紙領域送風する場合の部分断面図、(b)はその上面図である。
【図9】(a)はLTRサイズ記録材の非通紙領域を送風する場合の部分断面図、(b)はその上面図である。
【図10】実施形態に係るシャッタ構成を示す断面模式図(シャッタ閉状態)である。
【図11】実施形態に係るシャッタ開口部と通紙する記録材サイズの関係を示す斜視図である。
【図12】A4横サイズの通紙ページに対する加圧ローラと加熱ベルトの温度を示す図である。
【図13】小サイズの通紙ページに対する加圧ローラと加熱ベルトの温度を示す図である。
【図14】従来例における画像形成装置の横断面模式図である。
【図15】従来例における定着装置の部分断面図である。
【図16】従来例における送風冷却ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図2は、第1実施形態に係る画像加熱装置を搭載した画像形成装置10の概略構成図である。画像形成装置10は、像担持体としての感光ドラム21を備え、感光ドラム21は駆動手段である不図示の本体駆動モータによって、矢印の方向(時計回り)に所定のプロセススピードで回転駆動される。ここでは画像形成装置のプロセススピードは250mm/secである。
【0022】
感光ドラム21の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電装置としての帯電ローラ23、露光装置25、現像装置24、転写装置としての転写ローラ22等が配置されている。これらの装置と感光ドラム21とによって、記録材に画像を形成する画像形成手段20を構成している。
【0023】
また、画像形成装置10下部には、記録材(紙、印刷紙、用紙シート、OHTシート、光沢紙、光沢フィルム等)Pを収納した給送カセット11が配置されている。記録材Pの搬送経路には順に、給送ローラ12、第1搬送ローラ13、第2搬送ローラ14、第3搬送ローラ15、第4搬送ローラ16、感光ドラム21と転写ローラ22、定着装置30、第5搬送ローラ61、排出ローラ62、排出トレイ71が配置される。
【0024】
次に、上述した構成の画像形成装置10の動作を説明する。不図示の本体駆動モータによって矢印方向(時計回り)に回転駆動された感光ドラム21は、帯電ローラ23によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。露光装置25はレーザスキャナであり、不図示のコンピュータ・画像読取装置等のホスト装置から入力される目的の画像情報の信号に対応したレーザ光Lを出力し、そのレーザ光Lで折り返しミラー26を介して感光ドラム21面を走査露光する。すると、感光ドラム21の露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0025】
静電潜像は、現像装置24によって現像される。現像装置24は、現像ローラを有し、この現像ローラに現像バイアスを印加して感光ドラム21上の静電潜像にトナーを付着させトナー像として現像(顕像化)する。感光ドラム21上のトナー像は、転写ローラ22によって記録材Pに転写される。
【0026】
一方、記録材Pは、給送カセット11から給送ローラ12によって一枚ずつ給送され、第1搬送ローラ13乃至第4搬送ローラ16によって感光ドラム21と転写ローラ22間の転写ニップ部に向けて搬送される。このとき記録材Pは、不図示のトップセンサによって先端が検知され、感光ドラム21上のトナー像と同期がとられる。転写ローラ22には、転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム21上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。
【0027】
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、搬送ガイド17に沿って定着入口ガイド35に搬送され、像加熱装置としての定着装置30に案内される。未定着トナー像はここで加熱、加圧されて記録材P上に定着される。トナー像が定着された記録材Pは、定着排紙ローラ36によって第5搬送ローラ61へと搬送され、排出ローラ62から装置本体上面の排出トレイ71上に排出される。以上の動作を繰り返すことで、次々に画像形成を行うことができる。
【0028】
(画像加熱装置)
以下の説明において、画像加熱装置としての定着装置30又はこれを構成している部材について、「長手方向」とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向であり、また後述する定着ベルト、加圧ローラの回転軸方向である。定着装置に関して、「正面」とは記録材導入側の面、「左右」とは装置を正面から見て左又は右である。記録材の「幅」とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
【0029】
図3、図4は定着装置30をそれぞれ異なる方向から見た外観斜視図であり、図中の矢印は記録材Pの搬送方向である。図5は定着装置30の横断面図である。図5に示すように、定着装置30は、大別して、ベルト加熱方式の定着ユニット部30aと、送風ユニット部30bとからなる。図6は、定着ユニット部30aの分解斜視図である。
【0030】
1)定着ユニット部30a
まず、図2乃至図6を参照して、定着ユニット部30aの構成を説明する。定着ユニット部30aは、基本的にはベルト(フィルム)加熱方式・加圧回転体駆動方式(テンションレスタイプ)のオンデマンド定着装置である。図3で、31は定着ベルト、34は加圧回転体としての弾性加圧ローラである。この定着ベルト31と加圧ローラ34の両者の圧接により定着ニップ部N(図5)を形成させている。
【0031】
33は、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有する定着ステー(ヒータ保持部材兼定着ベルトガイド部材)である。図2に示される32は、加熱源(加熱体)としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと略記する)であり、定着ステー33の外面に、該定着ステー33の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設してある。加熱回転体としての定着ベルト31は、ヒータ32を取り付けた定着ステー33に対してルーズに外嵌させてある。図3に示す37a、37bは、定着ステー33の左右両端部の外方突出腕部にそれぞれ嵌着したフランジである。
【0032】
定着ベルト31は、耐熱性樹脂ベルトや金属ベルトをベース層にして、その外周面に、弾性層、離型層等を付加した複合層構造体であり、全体的に肉薄で、可撓性を有し、高熱伝導率・低熱容量の部材である。
【0033】
セラミックヒータ32は、記録材Pの移動方向に直交する方向を長手とする低熱容量の横長・肉薄の線状加熱体である。チッ化アルミニウム・アルミナ等のセラミック材のヒータ基板と、このヒータ基板面に形成した銀−パラジウム等の通電発熱層を基本構成としている。本実施形態中のセラミックヒータは、3本の発熱体を持ち、長手方向で抵抗値分布をそれぞれ変えてあり、3本の発熱体の通電比率を独立通電制御することにより、通紙する記録材の幅方向寸法に応じてある程度制御できるものである。
【0034】
加圧ローラ34は、芯金34aに、シリコーンゴム等の弾性層34bを設けて硬度を下げたものである。表面性を向上させるために、さらに外周に、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂層を設けてもよい。加圧ローラ34は、芯金34aの左右両端部を、下側板38Uにより連結された前後側板38F、38Rに軸受部材39を介して回転自由に軸受保持させて配設してある。
【0035】
加圧ローラ34に対して、定着ベルト31を、ヒータ32側を対向させて並行に配列する。そして、左右のフランジ37の上面には加圧板41が組み付けられ、その加圧板41をステンレス製の圧縮コイル線材を用いた加圧バネ40a、40b等で構成した左右の加圧機構により所定の力で加圧ローラ34の軸線方向に付勢する。これにより、ヒータ32の面が、定着ベルト31を介して、弾性層34bの弾性に抗し、加圧ローラ34に対し圧接し、加熱定着に必要な記録材搬送方向に関して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0036】
図3の42は、加圧ローラ34の芯金34aの左端部に固着した加圧ローラギアである。この加圧ローラギア42に定着モータM1の回転力が不図示の動力伝達機構を介して伝達されることで、加圧ローラ34が図5において矢印の方向(反時計回り)に回転駆動される。この加圧ローラ34の回転駆動により、加圧ローラ34と定着ベルト31の外面との定着ニップ部Nにおける摩擦力で、定着ベルト31に回転力が作用する。これにより、定着ベルト31が、その内面の定着ニップ部Nにおいてヒータ32に密着して摺動しながら、矢印の方向(時計回り)に定着ステー33の外回りを回転する。
【0037】
定着ベルト31は、加圧ローラ34の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって回転する。左右のフランジ37は、回転する定着ベルト31が定着ステー33の長手に沿って左方又は右方に寄り移動したとき寄り側のベルト端部を受け止めて移動を規制する役目をする。定着ベルト31の内面には、グリス(潤滑剤)を塗布し、ヒータ32、定着ステー33に対する定着ベルト31の摺動性を確保している。
【0038】
図2の入り口ガイド35に案内されて定着ニップ部Nに導入された記録材Pは、回転する加圧ローラ34と定着ベルト31により挟持搬送される。本実施形態では、記録材Pの搬送は、記録材中心の、いわゆる中央通紙基準で行われる。すなわち、装置に通紙可能な大小いかなる幅の記録材Pにおいても、記録材Pの幅方向中央部が定着ベルト31の長手方向中央部を通過することになる。図11において、Sはその記録材中央通紙基準線(仮想線)である。
【0039】
図6において、TH1〜TH4は第1から第4の温度検知手段(温度検出素子)としての4つのサーミスタである。各サーミスタはヒータ32裏面に接触させて配設してあり、それぞれの配設箇所でのヒータ裏面温度を検知するために用いられる。また、TSはサーモスイッチであり、上記サーミスタTH1〜TH4と同様にヒータ32裏面に接触させて配設してある。なおヒータ32へ電力供給をするための導線はサーモスイッチTSを中継して配線されている。
【0040】
サーモスイッチTSは所定の温度以上になると装置内部で断線し、ヒータ32への電力供給を止める仕組みとなっており、何らかの原因でヒータ32の温度が想定以上に上昇した時に断線し、定着ユニットの問題回避を図っている。ヒータ32は、電力供給部としてのヒータ駆動回路から、ヒータ基板面に具備させた通電発熱層に対して通電がなされることで、長手方向の有効発熱幅全域において急速に昇温する。そのヒータ温度がメインサーミスタTH1により検出され、ヒータ温度に関する電気的情報が不図示のA/Dコンバータを介して制御回路部に入力される。
【0041】
また、端部サーミスタTH2、3およびサブサーミスタTH4により定着ベルト31の温度が検出され、定着ベルト温度に関する電気的情報がA/Dコンバータを介して制御回路部に入力される。制御回路部は、メインサーミスタTH1、端部サーミスタTH2、3、およびサブサーミスタTH4の出力を基に、定着ヒータ32の温調制御内容を決定し、ヒータ駆動回路から定着ヒータ32への通電を制御する。
【0042】
制御回路部は、外部ホスト装置からのプリント信号あるいは他の制御信号に基づいて、定着モータ駆動回路を制御して定着モータM1を駆動する。これにより、加圧ローラ34が回転駆動され、定着ベルト31も回転する。また、ヒータ駆動回路を制御して、ヒータ32のヒートアップを開始させる。定着ベルト31の回転速度が定常化し、ヒータ32の温度が所定に立ち上がった状態において、画像形成部側から定着ニップ部Nに未定着トナー像Taを担持した記録材Pが入り口ガイド35に沿って導入される。すると、記録材Pのトナー画像担持面側が定着ベルト31に対面する。
【0043】
記録材Pは、定着ニップ部Nにおいて定着ベルト31を介してヒータ32に密着して、定着ニップ部Nを定着ベルト31と一緒に移動通過していく。その移動通過過程において、ヒータ32で加熱される定着ベルト31により記録材Pに熱が付与され、また定着ニップ圧により、トナー画像Tcが記録材P面に熱圧定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト31の面から分離されて排出搬送される。
【0044】
2)送風ユニット30b
図5に示す送風ユニット30bは、加圧ローラ34に送風を行う送風機構を備えている。これは、一つには、紙から発生した水蒸気により、加圧ローラ34と定着ベルト31の間で発生する結露に基づくスリップの防止のためである。また、二つには、装置に通紙使用可能な最大幅の記録材よりも幅の狭い記録材(以下、小幅サイズ記録材と記す)を連続通紙した際に生じる非通紙部昇温抑制のためである。
【0045】
図7、図8、図9は、夫々(a)が送風ユニット30bのダクト部の断面切断図、(b)が上面図、図10はシャッタの構成を示す断面切断図である。図5において、51は送風ファン、52は送風ファン51から送風された冷却風を加圧ローラ34まで導くための送風ダクトである。図7(a)、図8(a)、図9(a)は、図5における右方向から左方向の向きに送風ユニット30bを見た図である。また、図7(b)、図8(b)、図9(b)は、同上方向から下方向の向きに送風ユニット30bを見た図、図10は同紙面手前方向から紙面奥行方向に送風ユニット30bを見た図である。
【0046】
本実施形態においては、送風ファン51には軸流ファンを用いているが、シロッコファン等の遠心ファンなどを使用することも可能である。
【0047】
(送風領域選択手段)
図5で、送風ユニット30bは、送風ファン51と加圧ローラ34の間で加圧ローラ34に近接させて対向するような位置に、送風領域選択手段としてのシャッタ53を、備える。このシャッタ53には、長手方向(定着ベルト31、加圧ローラ34の回転軸方向)に開口が備わり、その開口は直交方向(図10の左右方向)に順次異なる長手方向開口幅となるように、全体として階段状の開口を形成している。そして、シャッタ53を図10の左右方向に移動させることにより、加圧ローラ34への送風領域を選択可能とする。シャッタ53は、図7(b)に示すように、前後側板38F、38Rに取り付けられた保持部材56に保持、規制され、ラック部53aを具備する。
【0048】
シャッタ53とラック部53aはそれぞれ一体に形成されており、ピニオンギア54aはそのラック部53aに噛合している。図7(a)で、ピニオンギア54aは、シャッタモータ(パルスモータ)54により正転駆動又は逆転駆動される。シャッタモータ54によりピニオンギア54aが正転駆動又は逆転駆動されることで、図10内に矢印で示した方向にシャッタ53が往復運動する。シャッタ53には前述の通り階段状に開口が設けられているので、搬送する記録材Pの幅方向サイズによって、シャッタ53の移動量を調節することで、送風口58の大きさを段階的に変化させることができる。
【0049】
また、シャッタ53には位置検知のためのフラグ部53bがあり、フォトセンサ等の検知部材57により、シャッタ53のホームポジションが検知される。シャッタ53は前記のホームポジション検知機構と、パルスモータに送付される信号のパルス数により、その通紙する紙幅に適した位置まで駆動、停止等の制御が行われる。
【0050】
このようにして、送風ダクト52とシャッタ53の開口部により送風口58が形成され、送風口58からエアが供給されて加圧ローラ34の選択された送風領域に送風されるようにしている。
【0051】
3)送風制御
次に、本実施形態における送風ユニット30bの動作について、図7乃至図9および、図1のフローチャートを用い、最大幅記録材サイズPa、小幅記録材サイズPbの記録材Pを通紙する場合に分けて説明する。なお、本実施形態において、図1のS3における「紙サイズがA4横送り(297mm幅)」に関連し、最大幅記録材サイズPaは297mm(A4記録材横送り)、小幅記録材サイズPbは148mm(A5記録材縦送り)である。
【0052】
A4サイズの記録材Pを通紙する場合は、シャッタ53はホームポジションに配置され、図7に示すように送風口58が加圧ローラ34長手方向略全域となった状態でプリントする。A5サイズの記録材Pを通紙する場合は、図8に示すように送風口58がA5サイズ記録材Pの非通紙部領域となるようにシャッタ53を所定量移動する。なお図9に示したのは、LTRサイズ(279.4mm)の記録材Pを通紙する場合のシャッタ53の配置である。
【0053】
図11は、シャッタ53に設けられた開口部と、最大幅記録材サイズPa、小幅記録材サイズPb、それぞれの長手方向の配置関係を示したものである。
【0054】
(最大幅サイズ記録材を通紙する場合)
装置使用者が最大幅記録材サイズPaを持つ記録材P(本実施形態ではA4横送り)を給紙カセット11にセットすると、図示しない紙サイズセンサが例えばA4長手幅即ち297mmを検知する(ステップS1、S2、S3)。不図示の制御回路部は、その記録材サイズ検知信号に基づいて、ヒータ32の発熱体の発熱比率を制御する。最大幅記録材サイズPaを持つ記録材P通紙の場合、発熱体の通電比率は長手全域にわたり均一な発熱が行われる(S4)。この状態でプリント動作が開始される(S5)。
【0055】
ここで、図12に本実施形態に示した記録装置において、冷間時からプリント動作が開始した場合の通紙枚数ごとの加圧ローラ34と加熱ベルト31の温度のグラフを示す。なお、本実施形態中の記録装置は、1分間にA4サイズ記録紙を横送りで50枚記録できる装置の例を示している。本実施形態の画像加熱装置では、通紙を開始してから、8枚目までは、加圧ローラ34の温度が75℃以下で、前述の結露スリップが発生する可能性がある。このため、図7に示すように送風口58を加圧ローラ34長手方向略全域となるようにシャッタ53を配置し、送風ファン51を駆動する。
【0056】
図1のS6に示すように、加圧ローラ34の長手方向の略全域にエアが吹き付けられる(送風領域選択手段による第1モード)ことにより、記録材Pから発生した水蒸気が拡散して加圧ローラ34と加熱ベルト31の間のスリップは防止される。なお、送風手段により送風される加圧ローラ34が、低温状態の時または低温状態と推定される場合、前述した領域選択手段による第1モードにて送風手段を動作させるものとする。
【0057】
本実施形態中の条件では、加圧ローラ34の温度は結露スリップが発生しない75℃以上に8枚程度で達するが、通紙する記録材Pや環境でのばらつきも見込み余裕をもって加圧ローラ34側への送風は15枚目まで行う(S6)。即ち、15枚目まで領域選択手段による第1モードにて送風手段を動作させることとなる。図1のS6は、記録材の幅が、送風手段により送風される加圧ローラの長手方向の全域に相当する場合であり、その後、15ページ以降は、送風ファン51による送風を停止したまま印字を継続する(S7)。即ち、送風領域選択手段による第1モードを停止したまま印字を継続する。
【0058】
これは、加圧ローラ34の温度が75℃以上に達し、加圧ローラ34側にエアを吹き付けなくても結露スリップが発生しないためである。本実施形態では、記録材の幅が所定の幅より大きい場合に相当するため、非通紙領域への送風(送風領域選択手段による第2モード)を行わない。これにより、本実施形態では、15ページ以降は、送風領域選択手段による第1モードおよび第2モードを行わず、送風手段の動作を停止させることとなる。
【0059】
(小サイズ記録材を通紙する場合)
装置使用者が最大幅記録材サイズPaよりも長手幅の小さい小サイズ記録材Pを給紙カセット11にセットすると、図示しない紙サイズセンサが例えばA5短手幅すなわち148mmを検知する(ステップS1、S2、S3)。制御回路部は、その記録材サイズ検知信号に基づいて、ヒータ32の発熱体の発熱比率を制御する。小サイズ記録材P通紙の場合、発熱体の端部の発熱量を低くするよう発熱分布を制御する(S8)。この状態でプリント動作が開始される(S9)。
【0060】
ここで、図13には小サイズ記録材Pを通紙する場合に本実施形態に示した記録装置で、冷間時からプリント動作が開始した場合の通紙枚数ごとの加圧ローラ34と加熱ベルト31の温度のグラフを示す。
【0061】
小サイズ記録材Pを通紙する場合でも、通紙開始から8枚目までは、加圧ローラ34の温度が75℃以下で結露スリップが発生する可能性がある。このため、図7に示すように送風口58を加圧ローラ34長手方向略全域となるようにシャッタ53を配置し、送風ファン51を駆動して結露スリップを防止する。即ち、図1のS10に示すように、加圧ローラ34の長手方向の略全域にエアが吹き付けられる(送風領域選択手段による第1モード)ことにより、記録材Pから発生した水蒸気が拡散して加圧ローラ34と加熱ベルト31の間のスリップは防止される。
【0062】
なお、送風手段により送風される加圧ローラ34が、低温状態の時または低温状態と推定される場合、前述した領域選択手段による第1モードにて送風手段を動作させるものとする。その後、加圧ローラ34の温度が結露スリップが発生しない75℃以上に十分達した15枚目程度になった頃に、図12にあるように加熱ベルト31の温度が耐熱温度の240℃に近づいてくる。ここで、加熱ベルト31の過昇温防止のため、15枚目以降は図8に示すようにシャッタ53の位置を記録材Pのサイズに応じて移動する。
【0063】
即ち、図1のS11に示すように、加圧ローラ34の長手方向の非通紙領域にエアが吹き付けられる(送風領域選択手段による第2モード)。本実施形態においては、記録材の幅が所定の幅以下の場合に相当し、第2モードにて送風手段を動作することとなる。
【0064】
このとき、S11では送風ファン51の送風量をS10の送風量に対して増加させる(回転数を上げる)。このように加圧ローラ34の非通紙部へ送風を行い冷却すると、加圧ローラ34の温度が下がることで、加圧ローラ34に接して摺動回転している加熱ベルト31の温度も奪われ温度が下がる。これにより、加熱ベルト31の非通紙部の温度は、耐熱温度より低い230℃程度に抑えられる。
【0065】
本実施形態では、記録材Pのサイズが最大幅297mmと小幅サイズ148mmの例を示したが、297mmと148mmの間の記録材Pを通紙する場合は、以下の通りとする。即ち、小サイズ記録材Pで通紙を行い(S8〜S11)、シャッタ53の移動位置のみ各紙サイズに合わせた位置とする(図9にLTRサイズの記録材P通紙時のシャッタ配置を示す)。
【0066】
また、本実施形態では、通紙枚数を基に加圧ローラ34略全域への送風と、加圧ローラ34非通紙部への送風の切り替えを行う例を示した。しかしながら、これに限らず、例えば、加圧ローラ34側、加熱ベルト31側少なくとも一方に温度検知手段を設け、検知温度に基づいて送風の切り替えを行っても良い。
【0067】
また、画像形成装置10に外気温センサを配置して、その温度を基に送風切り替えのタイミングを変更しても良い。例えば、低温環境下では、切り替えのタイミングを5枚遅らせて15枚目から20枚目、高温環境下では、5枚早めて15目から10枚目に変更する等の調整が可能となる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、端部昇温抑制のための非通紙部冷却ファンと結露スリップ防止用の送風ファンを共用することにより、装置本体の小型化、低コスト化が可能となる。なお、本発明の範囲内で、上述した技術事項の種々の組合せも可能であり、以下に述べる種々の変形例も本発明の範囲内である。
【0069】
(変形例1)
画像加熱装置としての定着装置30は、上記実施形態のベルト加熱方式・加圧回転体駆動方式に限らず、熱ローラ方式、電磁誘導加熱方式等、その他の方式の物にすることもできる。
【0070】
(変形例2)
上述した実施形態においては、共用の送風手段として送風ファンを加圧部材としての加圧ローラ34側に設け、送風口も加圧ローラ34側とした。しかし、本発明はこれに限らず、共用の送風手段として送風ファンを加圧部材としての加圧ローラ34側に設け、送風口を分岐させて加圧ローラ34側および加熱ベルト31側に送風可能とするように変形させても良い。
【0071】
(変形例3)
上述した実施形態においては、加圧部材として回転可能な加圧ローラを用いたが、固定の加圧パッドを用いても良い。
【0072】
(変形例4)
また、非通紙領域への送風(第2モード)に関し、記録材Pの通紙を中央通紙基準でなく片側通紙基準で行っても良い。
【符号の説明】
【0073】
30・・定着装置、30a・・ベルト加熱方式の定着ユニット部、30b・・送風ユニット部、31・・加熱ベルト、32・・ヒータ、34・・加圧ローラ、51・・送風ファン、52・・送風ダクト、53・・シャッタ、Pa・・最大幅記録材サイズ、Pb・・小幅記録材サイズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱回転体と、
前記加熱回転体に対向して設けられ、前記加熱回転体との間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持搬送する加圧部材と、
前記加圧部材および前記加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材への送風を行う送風手段と、
前記送風手段から前記加圧部材および前記加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材へ送風される前記加熱回転体の回転軸方向における送風領域を選択する送風領域選択手段と、を有し、
前記送風領域選択手段は、前記送風手段による前記送風領域を送風される前記加圧部材および前記加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材の前記回転軸方向における全域とする第1モードと、前記送風手段による前記送風領域を送風される前記加圧部材および前記加熱回転体のうち少なくとも前記加圧部材の前記回転軸方向における非通紙領域とする第2モードと、を選択可能であることを特徴とする画像加熱装置。
【請求項2】
前記送風手段により送風される前記加圧部材、前記加熱回転体の一方が、低温状態の時または低温状態と推定される場合、前記第1モードにて前記送風手段を動作させることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項3】
前記加熱回転体の回転軸方向において、記録材の幅が所定の幅以下の場合には、前記第2モードにて前記送風手段を動作させ、
記録材の幅が前記所定の幅より大きい場合、前記第2モードにおける前記送風手段の動作を停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像加熱装置。
【請求項4】
前記送風手段により送風される前記加圧部材、前記加熱回転体の一方が、低温状態の時または低温状態と推定される場合、前記第1モードにて前記送風手段を動作させた後、
前記加熱回転体の回転軸方向において、記録材の幅が、所定の幅以下の場合には、前記第2モードにて前記送風手段を動作させ、
記録材の幅が、前記所定の幅よりも大きい場合には、前記送風手段の動作を停止させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
【請求項5】
前記第1モードでは、前記第2モードよりも前記送風手段の送風量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
【請求項6】
前記第1モードから前記第2モードへの切り替えを通紙枚数に基づいて行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
【請求項7】
前記加圧部材、前記加熱回転体の少なくとも一方にそれらの温度を検知する温度検知手段を有し、前記第1モードから前記第2モードへの切り替えを前記温度検知手段による検知温度に基づいて行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
【請求項8】
前記加熱回転体は、フィルムと、前記フィルムの内面と接触するヒータと、を有し、前記加圧部材は、前記フィルムを介して前記ヒータと共に前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−68772(P2013−68772A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207012(P2011−207012)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】