説明

画像合成出力プログラム、画像合成出力装置及び画像合成出力システム

【課題】複数の原稿の内容を挿入した一の出力結果を取得する場合の利便性を高めた画像合成出力プログラム、画像合成出力システム及び画像合成出力システムを提供する。
【解決手段】制御部11は、テンプレートデータ50から配置領域55を検出し、各配置領域55に領域識別情報を付与する(S2)。制御部11は、テンプレートデータ50に基づいて、原稿セットガイド画面60を表示する(S6)。原稿セットガイド画面60に基づいて、複数枚の原稿がセットされると、制御部11は、スキャナ部35により生成されたスキャンデータ70を取得する(S6)。制御部11は、スキャンデータ70に含まれる複数の原稿画像75を検出し、各原稿画像75に画像識別情報を付与する(S7)。制御部11は、領域識別情報と画像識別情報に基づいて、原稿画像75を編集し(S12)、配置領域55に配置した合成データ100を印刷部36により出力する(S15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を合成して出力可能な画像合成出力プログラム、画像合成出力装置及び画像合成出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置に関する発明として、特許文献1に記載された発明が知られている。特許文献1記載の画像処理装置は、複数枚の原稿に基づく画像を、ユーザが指定した所定の領域に配置して合成した印刷結果をユーザに提供する。この特許文献1記載の画像処理装置は、複数枚の原稿を一枚ずつ読み取り、読み取った各原稿に基づく画像を、指定された領域に合成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−289132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1記載の発明においては、原稿に基づく複数の画像を一のデータに合成する場合、ユーザは、一枚の原稿毎に「原稿の読取」「画像が配置される領域の指定」等の作業を行う必要がある。つまり、各特許文献に係る発明は、上記の場合に、各原稿に対して煩雑な作業をユーザに要求するという側面を有している。本明細書は、複数の原稿の内容を挿入した一の出力結果を取得する場合の利便性を高めた画像合成出力プログラム、画像合成出力装置、画像合成出力システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像合成出力プログラムは、コンピュータを、領域抽出手段と、領域位置特定手段と、領域識別情報付与手段と、取得手段と、画像抽出手段、画像位置特定手段と、画像識別情報付与手段と、配置領域特定手段と、原稿画像編集手段と、合成手段と、出力手段と、して機能させる。領域抽出手段は、テンプレートデータに規定された複数の配置領域を抽出する。各配置領域は、領域位置特定手段により特定された当該テンプレートデータにおける位置に基づいて、領域識別情報を付与される。画像抽出手段は、取得手段により取得された原稿画像を複数含む一の画像データから、各原稿画像を抽出する。各原稿画像は、原稿位置特定手段により特定された当該一の画像データにおける位置に係る第2の基準に基づいて、画像識別情報を付与される。又、そして、各原稿画像は、それぞれの原稿識別情報と、各領域識別情報に基づいて、配置領域特定手段によって、それぞれの原稿画像が配置される配置領域を特定される。各原稿画像は、特定された配置領域に応じて編集され、テンプレートデータと合成される。出力手段は、こうして生成された一の合成データを出力する。
【0006】
これにより、請求項1記載の画像合成出力プログラムは、コンピュータと協働することにより、複数の原稿の内容を挿入した出力結果を得る場合におけるユーザの作業負担を低減することができ、第1の基準と第2の基準を考慮して、ユーザが各原稿をセットすることにより、ユーザ所望の態様で合成された出力結果を提供し得る。
【0007】
そして、請求項2記載の画像合成出力プログラムは、コンピュータと協働することにより、表示手段として機能する。当該表示手段は、前記取得手段による一の画像データを取得に際し、複数の原稿を前記取得手段にセットする場合に、前記テンプレートデータに基づいて、前記テンプレートデータにおける各指定領域に対応し、前記原稿がセットされるセット位置を、前記テンプレートデータにおける他の部分と判別可能な表示態様で表示する。
【0008】
当該画像合成出力プログラムは、表示手段における表示を行うことにより、複数枚の原稿内容が挿入された出力結果を、より確実にユーザ所望の態様で提供し得る。
【0009】
又、請求項3記載の画像合成出力プログラムは、コンピュータと協働することにより、第1表示制御手段として機能する。第1表示制御手段は、前記取得手段による一の画像データを取得に際し、複数の原稿をセットする場合に、当該取得手段の向きと、前記表示手段に表示された表示内容の向きとの対応関係を示す表示方向画像を追加表示する制御を行う。
【0010】
これにより、当該画像合成出力プログラムは、実際の取得手段の向きと、表示手段の表示内容との対応関係をユーザに把握させることで、ユーザ所望の出力結果を、更に確実に提供し得る。
【0011】
請求項4記載の画像合成出力プログラムは、コンピュータと協働することにより、第2表示制御手段として機能する。第2表示制御手段は、前記表示手段に前記セット位置が表示されている場合に、当該テンプレートデータの向きを示すテンプレート方向画像を追加表示する制御を行う。
【0012】
即ち、当該画像合成出力プログラムは、テンプレートデータの向きと、当該セット位置にセットされる原稿の向きの対応関係をユーザに把握させることで、複数枚の原稿内容が挿入されたユーザ所望の出力結果を確実に提供し得る。
【0013】
請求項5記載の画像合成出力プログラムは、コンピュータと協働することにより、第1基準設定手段と、判断手段と、第2基準設定手段と、画像回転手段として機能する。第1基準設定手段は、領域識別情報を付与する際に、テンプレートデータの左上隅部を原点とする直交座標系を、第1の基準に設定する。判断手段は、テンプレートデータが縦原稿であるか横原稿であるかを判断する。第2基準設定手段は、画像識別情報を付与する際に、判断手段の判断結果に応じて、第2の基準を設定する。画像回転手段は、前記テンプレートデータが縦原稿である場合に、各原稿画像を90度回転させる。
【0014】
つまり、当該画像合成出力プログラムは、判断手段、第2基準設定手段、画像回転手段として、コンピュータを機能させることにより、テンプレートデータが縦原稿、横原稿であるか否かにかかわらず、各原稿画像の向きと、テンプレートデータの向きを一致させ、確実にユーザ所望の出力結果を提供し得る。
【0015】
請求項6記載の画像合成出力システムは、請求項1記載の合成画像出力プログラムと同様の効果を奏する。当該画像合成出力システムは、第1の情報端末と、第2の情報端末を有し、領域抽出手段と、領域位置特定手段と、領域識別情報付与手段と、取得手段と、画像抽出手段、画像位置特定手段と、画像識別情報付与手段と、配置領域特定手段と、原稿画像編集手段と、合成手段と、出力手段と、を備える。
【0016】
当該合成画像出力システムは、請求項1記載の合成画像出力プログラムと同様に、複数の原稿の内容を挿入した出力結果を得る場合におけるユーザの作業負担を低減することができ、ユーザが第1の基準と第2の基準を考慮して各原稿をセットすることにより、ユーザ所望の態様で合成された出力結果を提供し得る。
【0017】
請求項7記載の画像合成出力装置は、請求項1記載の合成画像出力プログラムと同様の効果を奏する。当該画像合成出力装置は、領域抽出手段と、領域位置特定手段と、領域識別情報付与手段と、取得手段と、画像抽出手段、画像位置特定手段と、画像識別情報付与手段と、配置領域特定手段と、原稿画像編集手段と、合成手段と、出力手段と、を備える。
【0018】
当該合成画像出力装置は、請求項1記載の合成画像出力プログラムと同様に、複数の原稿の内容を挿入した出力結果を得る場合におけるユーザの作業負担を低減することができ、ユーザが第1の基準と第2の基準を考慮して各原稿をセットすることにより、ユーザ所望の態様で合成された出力結果を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る印刷システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明に係る制御プログラムのフローチャートである。
【図3】領域識別情報の付与に関するプログラムのフローチャートである。
【図4】テンプレートデータの概略と領域識別情報の付与に関する説明図である。
【図5】原稿セットガイド画面の一例を示す説明図(1)である。
【図6】原稿セットガイド画面の一例を示す説明図(2)である。
【図7】画像識別情報の付与に関するプログラムのフローチャートである。
【図8】スキャンデータの一例と画像識別情報の付与に関する説明図(1)である。
【図9】スキャンデータの一例と画像識別情報の付与に関する説明図(2)である。
【図10】本発明により出力される合成データの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る画像合成出力プログラム、画像合成出力装置、画像合成出力システムを具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1に示すように、印刷システム1は、コンピュータ10と、多機能機30により構成される。コンピュータ10は、多機能機30と接続されており、相互にデータ(例えば、スキャンデータ70等)の送受信を行い得る。
【0022】
先ず、印刷システム1を構成するコンピュータ10の概略構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように、コンピュータ10は、制御部11を備えている。
【0023】
制御部11は、CPU12、ROM13、RAM14により構成される。CPU12は、コンピュータ10に係る制御の中枢を担う中央演算装置である。ROM13は、コンピュータ10の制御に必要な恒久的なデータや制御プログラムを記憶している。RAM14は、CPU12による制御プログラムの演算結果等を一時的に記憶する。
【0024】
そして、コンピュータ10は、外部記憶装置15(例えば、HDD等)を備えている。外部記憶装置15は、制御部11と接続されている。そして、外部記憶装置15は、アプリケーションプログラム16を記憶している。アプリケーションプログラム16は、後述する制御プログラム(図2等参照)、文書作成プログラム、表計算プログラム等を含む。
【0025】
更に、コンピュータ10は、マウス23、キーボード24、ディスプレイ25を備えている。マウス23、キーボード24は、入力I/F20を介して、制御部11に接続されている。従って、ユーザは、マウス23、キーボード24を操作することで、制御部11に所望の処理を実行させ得る。
【0026】
そして、ディスプレイ25は、出力I/F21を介して、制御部11に接続されている。従って、ディスプレイ25は、制御部11の制御に基づいて、種々の画面を表示し得る。
【0027】
又、コンピュータ10は、ネットワークI/F22を備えている。コンピュータ10は、当該ネットワークI/F22を介して、多機能機30と接続されている。ネットワークI/F22は、多機能機30との間のデータ等の送受信に関する制御を行う。
【0028】
次に、印刷システム1を構成する多機能機30の概略構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。多機能機30は、制御部31を有している。制御部31は、CPU32、ROM33、RAM34により構成される。CPU32は、多機能機30の制御の中枢を担う中央演算装置である。ROM33は、多機能機30の制御に要するデータやプログラムを記憶している。そして、RAM34は、CPU32によるプログラムの演算結果等を一時的に記憶する。
【0029】
そして、多機能機30は、スキャナ部35、印刷部36、ファックス部37を備えている。図1に示す多機能機30の外観図からわかるように、スキャナ部35は、フラットベットと、キャリッジと、を有している。
【0030】
フラットベットは、光透過可能な材質(例えば、ガラス)で構成されている。当該フラットベットには、原稿が載置される。フラットベットのサイズは、A3サイズ等の用紙を載置可能なサイズである。従って、ユーザは、一度に複数枚の原稿を、フラットベットに載置することができる。
【0031】
キャリッジは、フラットベット上の原稿に光を照射する光源を有している。キャリッジから照射された光は、フラットベット上の原稿により反射され、撮像装置による原稿画像の撮像に用いられる。撮像装置は、複数の撮像素子(例えば、CCD)を有しており、スキャナ部35を構成する。
【0032】
従って、フラットベット上に複数の原稿を載置した場合、多機能機30は、スキャナ部35を制御することにより、図8、図9に示すスキャンデータ70を取得し得る。当該スキャンデータ70は、フラットベット上の原稿に基づく原稿画像75を複数含んでいる。
【0033】
印刷部36は、制御部31の制御に基づいて、入力された印刷データを用紙へ印刷出力する。
【0034】
ファックス部37は、制御部31の制御に基づいて、所定の相手先装置に対して、ファクシミリ送信を行う。
【0035】
多機能機30は、表示パネル38、キーパッド39を備えている。表示パネル38は、制御部31の制御に基づいて、種々の内容を表示する。キーパッド39は、ユーザによる種々の操作に用いられる。
【0036】
更に、多機能機30は、ネットワークI/F40と、PSTN I/F41と、を備えている。ネットワークI/F40は、コンピュータ10との間におけるデータの送受信に用いられる。そして、PSTN I/F41は、公衆交換電話網を介した通話時に用いられる。
【0037】
次に、本発明に係る制御プログラムについて、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図2は、印刷システム1を構成するコンピュータ10で、制御部11によって実行される制御プログラムのフローチャートである。
【0038】
ここで、図2に示す制御プログラムを実行する際には、既にテンプレートデータ50が処理対象として設定されているものとする。テンプレートデータ50は、アプリケーションプログラム16(例えば、文書作成プログラム)を用いて、ユーザにより作成され得る。この場合に、ユーザは、文書等を作成しつつ、1ページ中における別原稿の内容を配置したい部分(即ち、配置領域55)を、長方形状の図形により区画する(図4参照)。従って、複数枚の原稿内容を挿入した出力結果を得る場合、テンプレートデータ50は、複数の配置領域55を有する。
【0039】
S1においては、設定されているテンプレートデータ50内の配置領域55を検索する。具体的には、テンプレートデータ50左上隅部をテンプレート原点51とする直交座標系に従って、テンプレートデータ50内の配置領域55を検索する。配置領域55を検出すると、当該配置領域55のテンプレートデータ50上の位置を示す位置情報をRAM14に格納する。
【0040】
図4に示すように、テンプレートデータ50は、長方形状の図形により区画された配置領域55を複数有している。配置領域55を区画する長方形を構成する各辺は、領域境界57を構成する。従って、領域境界57を検出することにより、テンプレートデータ50内の配置領域55を検索し得る。
【0041】
又、テンプレートデータ50の直交座標系は、テンプレート原点51から右方向へ延びるX軸と、テンプレート原点51から下方に延びるY軸により規定される。そして、長方形状の配置領域55は、領域基準座標56を有している。領域基準座標56は、テンプレートデータ50の直交座標系における配置領域55の左上隅部の座標である。即ち、領域基準座標56は、テンプレートデータ50における当該配置領域55の位置を示す。当該領域基準座標56の情報は、S1で格納される位置情報を構成する。又、当該位置情報は、当該配置領域55の形状、サイズの情報を含む。
【0042】
S2では、制御部11は、検出された各配置領域55に対して、領域識別情報を付与する。制御部11は、図2に示す領域識別情報付与プログラムを実行する。
【0043】
ここで、領域識別情報付与プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図3は、領域識別情報付与プログラムのフローチャートである。
【0044】
先ず、S21においては、テンプレートデータ50内に存在する各配置領域55の領域基準座標56を取得する。具体的には、各配置領域55の位置情報をRAM14から読み出し、領域基準座標56を取得する。
【0045】
S22に移行すると、各配置領域55について、原点距離Dを算出する。具体的には、各配置領域55について、当該配置領域55の領域基準座標56と、テンプレート原点51の座標に基づいて、原点距離Dを算出し、各配置領域55の原点距離Dの情報をRAM14に格納する。原点距離Dは、テンプレート原点51から当該配置領域55の領域基準座標56までの距離である。
【0046】
S23では、カウンタTの値を「0」にセットする。カウンタTの数値は、領域識別情報が付与された配置領域55の数を示す。
【0047】
S24に移行すると、カウンタTの数値が配置領域数Mであるか否かを判断する。具体的には、テンプレートデータ50内における全ての配置領域55に領域識別情報を付与したか否かを判断する。カウンタTの値が配置領域数Mである場合(S24:YES)、領域識別情報付与プログラムを終了する。一方、カウンタTの値が未だ配置領域数Mに至っていない場合(S24:NO)、S25に処理を移行する。
【0048】
S25では、テンプレートデータ50に含まれる配置領域55から、対象配置領域を特定する。対象配置領域とは、領域識別情報が付与される対象となる一の配置領域55を意味する。
【0049】
具体的には、領域識別情報が付与されていない配置領域55の原点距離DをRAM14から読み出し、最も短い原点距離Dが対応付けられた配置領域55を、対象配置領域に特定する。
【0050】
例えば、図4に示す場合、第1配置領域の原点距離Dが最も短い。従って、当該第1配置領域を対象配置領域に特定する。尚、第1配置領域とは、テンプレートデータ50の左中段に位置する配置領域55を指す。又、その後の処理において、原点距離Dの長短に基づいて、第2配置領域、第3配置領域の順に、対象配置領域に特定する。第2配置領域は、テンプレートデータ50の右上段に位置する配置領域55を指す。第3配置領域は、テンプレートデータ50の右下段に位置する配置領域を指す。
【0051】
尚、原点距離Dが等しい配置領域55が複数存在する場合、領域基準座標56のX座標が最も小さい配置領域55を、対象配置領域に特定する。更に、原点距離D及び領域基準座標56のX座標が等しい配置領域55が複数存在する場合、領域基準座標56のY座標が最も小さい配置領域55を、対象配置領域に特定する。
【0052】
S26においては、当該対象配置領域に対して、領域識別情報を付与する。当該領域識別情報は、「1」から順に識別番号として付与される。
【0053】
図4に示す場合、S26により、第1配置領域には、「識別番号:1」の領域識別情報が付与される。又、その後の処理においては、第2配置領域に「識別番号:2」の領域識別情報が付与され、第3配置領域に「識別番号:3」の領域識別情報が付与される。
【0054】
S27に移行すると、カウンタTの数値に「1」を加算する。その後、S24に処理を戻すことで、未処理の配置領域55に対して、領域識別情報を付与する。
【0055】
図2に示すように、S2でテンプレートデータ50中の全ての配置領域55に領域識別情報を付与すると、ディスプレイ25に、原稿セットガイド画面60を表示する(S3)。
【0056】
ここで、ディスプレイ25に表示される原稿セットガイド画面60について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図4、図5は、原稿セットガイド画面60の表示例を示す説明図である。
【0057】
図4、図5に示すように、原稿セットガイド画面60は、セット位置報知画像61、表示方向報知画像62、テンプレート方向報知画像63、セット方向報知画像64、メッセージ表示部65を含む。
【0058】
セット位置報知画像61は、配置領域55への配置を希望する原稿のセット位置を示す。セット位置とは、スキャナ部35のフラットベットにおける当該原稿が載置される位置である。セット位置報知画像61は、テンプレートデータ50及びS2に基づく各配置領域55の位置情報に基づいて生成される。
【0059】
又、セット位置報知画像61は、太い輪郭線により表示されており、セット位置報知画像61の内部も、原稿セットガイド画面60を構成する他の部分と異なる色で表示される(図5、6参照)。従って、ユーザは、原稿セットガイド画面60により、テンプレートデータ50の各配置領域55に対応するセット位置を明確に把握し得る。
【0060】
表示方向報知画像62は、原稿セットガイド画面60に模式的に示されているフラットベットと、実際の多機能機30におけるフラットベットの対応関係を示す。具体的には、原稿セットガイド画面60においては、「手前側」の文字が、多機能機30の表示パネル38に対応する部分に表示される。又、これにより、ユーザは、原稿セットガイド画面60の表示内容と、実際の多機能機30との対応を明確に把握し得る。
【0061】
テンプレート方向報知画像63は、テンプレートデータ50における上下方向を示す。当該テンプレート方向報知画像63は、テンプレートデータ50の書式情報に基づいて生成される。当該テンプレート方向報知画像63により、ユーザは、テンプレートデータ50における上下方向を把握し得る。即ち、ユーザは、フラットベットにセットする際の原稿の向きと、テンプレートデータ50の向きの関係を把握できるため、所望の出力結果を取得し得る。
【0062】
セット方向報知画像64は、セット位置にセットする際の原稿の上下方向を示す。セット方向報知画像64が示す方向は、テンプレート方向報知画像63が示す方向に対応している。従って、ユーザは、セット位置にセットする際の原稿の向きと、テンプレートデータ50の向きの関係を確実に把握でき、所望の出力結果を取得し得る。
【0063】
メッセージ表示部65は、セット位置報知画像61により報知されたセット位置に、ユーザ所望の原稿をセットすべき旨のメッセージを表示する。又、メッセージ表示部65は、当該セット位置にセットした原稿の内容が配置領域55に挿入されて出力される旨も報知する。
【0064】
テンプレートデータ50は、縦原稿タイプと、横原稿タイプの2種類に分類される。縦原稿タイプのテンプレートデータ50は、当該テンプレートデータ50を用紙(例えば、A4判等)に出力した場合、用紙の長辺が上下方向となるテンプレートデータ50である。横原稿タイプのテンプレートデータ50は、当該テンプレートデータ50を用紙に出力した場合、用紙の短辺が上下方向となるテンプレートデータ50である。
【0065】
上記S3の処理において、テンプレートデータ50の書式情報に基づいて、当該テンプレートデータ50が縦原稿タイプであるか、横原稿タイプであるかを判断する。そして、図5、図6に示すように、テンプレートデータ50の種別(縦原稿又は横原稿)に基づいて、原稿セットガイド画面60の表示態様を変更する。
【0066】
具体的には、テンプレートデータにおける縦原稿、横原稿の相違に基づいて、テンプレート方向報知画像63、セット方向報知画像64の表示位置や表示内容を変更する(図5、図6参照)。従って、ユーザは、テンプレート方向報知画像63、セット方向報知画像64の表示内容に従って、原稿をセット位置にセットすれば、確実に所望の態様の出力結果を取得し得る。
【0067】
S3により、原稿セットガイド画面60がディスプレイ25に表示されると、ユーザは、原稿セットガイド画面60の表示内容を確認しつつ、スキャナ部35に複数の原稿をセットする。
【0068】
図2に示すように、S4に移行すると、スキャン実行操作が行われたか否かを判断する。スキャン実行操作は、キーボード24等の操作により行われる。スキャン実行操作が行われた場合(S4:YES)、S5に処理を移行する。一方、スキャン実行操作が行われていない場合(S4:NO)、スキャン実行操作が行われるまで処理を待機する。
【0069】
S5では、スキャナ部35にセットされた原稿のスキャンを、多機能機30の制御部31に指示する。具体的には、オートクロップ(AUTOCROP)スキャンを、多機能機30に指示する。
【0070】
ここで、オートクロップスキャンの実行が指示されると、多機能機30の制御部31は、スキャナ部35を制御し、セット位置にセットされた原稿の画像を含むスキャンデータ70を生成する(図8、図9参照)。その後、制御部31は、生成したスキャンデータ70に含まれる、各原稿の原稿画像75を検出する。この時、原稿画像境界77のエッジ検出等を行うことにより、各原稿画像75を検出する。原稿画像境界77は、原稿画像75の境界を示す。そして、制御部31は、スキャンデータ70から、検出した各原稿画像75を切り出す。
【0071】
この時、制御部31は、各原稿画像75に対して、画像位置情報を付与する。画像位置情報は、スキャンデータ70のサイズと、当該スキャンデータ70における当該原稿画像75の位置を示す情報を含む。
【0072】
S6に移行すると、S5で生成されたスキャンデータ70に含まれる各原稿画像75のデータを取得する。具体的には、多機能機30に対して、S5により生成されたスキャンデータ70を要求する。スキャンデータ70(各原稿画像75のデータ)を多機能機30から受信すると、当該スキャンデータ70をRAM14に格納する。
【0073】
スキャンデータ70の要求を受け付けると、多機能機30の制御部31は、S5の処理に基づいて生成されたスキャンデータ70を送信する。具体的には、各原稿画像75の画像データと、当該原稿画像75に対応する画像位置情報を、コンピュータ10に対して送信する。
【0074】
S7においては、S6で取得したスキャンデータ70に含まれる各原稿画像75に対して、画像識別情報を付与する。S7では、制御部11は、図7に示す画像識別情報付与プログラムを実行する。
【0075】
ここで、上記画像識別情報付与プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図7は、画像識別情報付与プログラムのフローチャートである。
【0076】
S31において、S6で取得したスキャンデータ70(各原稿画像75のデータ)をRAM14から読み出す。上述したように、スキャンデータ70は、複数枚の原稿夫々に基づく原稿画像75を含んでいるので、各原稿画像75のデータを読み出す。そして、各原稿画像75の画像位置情報に基づいて、スキャンデータ70における各原稿画像75の位置を再現する。
【0077】
尚、S31で読み出されるスキャンデータ70は、スキャナ部35による生成時と異なり、各原稿画像75以外の余白部分に係る無地画像を有していない。即ち、S31におけるスキャンデータ70は、スキャンデータ70における各原稿画像75の内容と、その位置関係を示す。
【0078】
S32では、現在設定されているテンプレートデータ50が縦原稿タイプであるか否かを判断する。具体的には、当該テンプレートデータ50の書式情報に基づいて、S32の判断を行う。テンプレートデータ50が縦原稿タイプである場合(S32:YES)、S35に処理を移行する。一方、テンプレートデータ50が横原稿タイプである場合(S32:NO)、S33に処理を移行する。
【0079】
先ず、テンプレートデータ50が横原稿である場合の処理(S33、S34)について、図8に示す説明図を参照しつつ説明する。
【0080】
S33に移行すると、各原稿画像75の画像位置座標76を取得する。具体的に説明すると、まず、スキャンデータ70のスキャン原点71を原点とする直交座標系を設定する。スキャン原点71は、スキャナ部35による原稿のスキャン時に最初に取得された画素を意味し、図8におけるスキャンデータ70の左上隅部に対応する。
【0081】
図8に示すように、スキャン原点71を算出座標原点72に設定し、当該算出座標原点72を基準とするX軸、Y軸を設定する。X軸は、算出座標原点72を基準とする横方向(図8中、右方向)への位置を示す基準となる。Y軸は、算出座標原点72を基準とする縦方向(図8中、下方向)を示す基準となる。
【0082】
その後、設定された直交座標系(図8参照)と、各原稿画像75の位置情報に基づいて、各原稿画像75の画像位置座標76を取得し、各原稿画像75の画像位置座標76の情報をRAM14に格納する。画像位置座標76は、スキャンデータ70における原稿画像75の左上隅の位置を示す。
【0083】
S34では、各原稿画像75の配置基準距離Lを算出する。具体的には、図8に示す直交座標系と、画像位置座標76に基づいて、各原稿画像75について、配置基準距離Lを算出し、各原稿画像75の配置基準距離LをRAM14に格納する。配置基準距離Lは、算出座標原点72の座標と、一の原稿画像75の画像位置座標76の間の直線距離である。
【0084】
次に、テンプレートデータ50が縦原稿である場合の処理(S35〜S37)について、図9に示す説明図を参照しつつ説明する。
【0085】
S35では、各原稿画像75の画像位置座標76を取得する。まず、S33と同様に、スキャンデータ70に対して直交座標系を設定する。この場合における直交座標系は、S33の場合の直交座標系と異なる。
【0086】
具体的には、S35の場合、スキャン原点71ではなく、スキャンデータ70の左下隅部を、算出座標原点72とする直交座標系を設定する。この場合、X軸は、左下隅部の算出座標原点72から上方に向かって設定される(図9参照)。Y軸は、左下隅部の算出座標原点72から右方向に向かって設定される。つまり、S35の場合の直交座標系は、S33の場合の直交座標系を反時計回りに90度回転させた状態で設定される。
【0087】
その後、設定された直交座標系(図9参照)と、各原稿画像75の位置情報に基づいて、各原稿画像75の画像位置座標76を取得し、各原稿画像75の画像位置座標76の情報をRAM14に格納する。画像位置座標76は、スキャンデータ70における原稿画像75の左下隅の位置を示す。
【0088】
S36に移行すると、各原稿画像75の配置基準距離Lを算出する。具体的には、図9に示す直交座標系と、画像位置座標76に基づいて、各原稿画像75について、配置基準距離Lを算出し、算出した各原稿画像75の配置基準距離LをRAM14に格納する。
【0089】
S37においては、スキャンデータ70を時計回りに90度回転する。具体的には、スキャンデータ70に含まれる全ての原稿画像75を時計回りに90度回転する。S37の処理により、原稿画像75の向きは、縦原稿タイプのテンプレートデータ50の向きと一致する。
【0090】
S38では、カウンタIの値を「0」にセットする。カウンタIの数値は、画像識別情報が付与された原稿画像75の数を示す。
【0091】
S39に移行すると、カウンタIの数値が原稿画像数Nであるか否かを判断する。即ち、スキャンデータ70に含まれるすべての原稿画像75に画像識別情報を付与したか否かを判断する。カウンタIの値が原稿画像数Nである場合(S39:YES)、画像識別情報付与プログラムを終了する。一方、カウンタIの値が未だ原稿画像数Nに至っていない場合(S39:NO)、S40に処理を移行する。
【0092】
S40においては、スキャンデータ70に含まれる原稿画像75から、対象原稿画像を特定する。対象原稿画像は、画像識別情報が付与される対象となる一の原稿画像を意味する。
【0093】
具体的には、画像識別情報が付与されていない原稿画像75の配置基準距離LをRAM14から読み出し、最も短い配置基準距離Lが対応付けられた原稿画像75を、対象原稿画像に特定する。
【0094】
例えば、図8に示す場合においては、配置基準距離Lが最も短い「風景」の原稿画像75が単位原稿画像に特定される。その後の処理において、配置基準距離Lに基づいて、「花」の原稿画像75、「人物」の原稿画像75の順に、単位原稿画像に特定する。又、図9に示す場合も同様に、配置基準距離Lに基づいて、「風景」の原稿画像75、「花」の原稿画像75、「人物」の原稿画像75の順に、単位原稿画像に特定する。
【0095】
尚、配置基準距離Lが等しい原稿画像75が複数存在する場合、画像位置座標76のX座標が最も小さい原稿画像を、対象原稿画像に特定する。更に、配置基準距離L及び画像位置座標76のX座標が等しい原稿画像75が複数存在する場合、画像位置座標76のY座標が最も小さい原稿画像75を、対象原稿画像に特定する。
【0096】
S41では、当該対象原稿画像に対して、画像識別情報を付与する。画像識別情報は、領域識別情報と同様に、「1」から順に識別番号として付与される。
【0097】
図8に示す場合、S41により、「風景」の原稿画像75には、「識別番号:1」の画像識別情報が付与される。又、その後の処理により、「花」の原稿画像75に「識別番号:2」の画像識別情報が付与され、「人物」の原稿画像75には、「識別番号:3」の画像識別情報が付与される。尚、図9の場合、各原稿画像75の配置基準距離Lの長短は、図8の場合と同様であるので、各原稿画像75の識別情報も同様となる。
【0098】
S42に移行すると、カウンタIの数値に「1」を加算する。これにより、その後、未処理の原稿画像75に対して、画像識別情報が付与される。
【0099】
図2に示すように、スキャンデータ70に含まれる全ての原稿画像75に画像識別情報を付与すると、S8に処理を移行する。当該S8では、テンプレートデータ50中の各配置領域55の検索処理及びスキャンデータ70に含まれる各原稿画像75の検索処理を完了したか否かを判断する。配置領域55及び原稿画像75に対する処理を完了している場合(S8:YES)、S9に処理を移行する。一方、配置領域55に対する処理又は原稿画像75に対する処理の何れかを未だ実行していない場合(S8:NO)、S1に処理を戻す。
【0100】
S9に移行すると、原稿画像数Nと配置領域数Mが等しいか否かを判断する。原稿画像数Nと配置領域数Mが等しい場合(S9:YES)、S10に処理を移行する。一方、原稿画像数Nと配置領域数Mが異なる場合(S9:NO)、S16に処理を移行する。
【0101】
S10では、カウンタAを「0」にセットする。カウンタAの数値は、対応する配置領域55に配置、合成された原稿画像75の数を示す。
【0102】
S11においては、カウンタAの値が原稿画像数Nになったか否かを判断する。つまり、全ての原稿画像75を夫々対応する配置領域55に配置、合成したか否かを判断する。カウンタAが原稿画像数Nになっている場合(S11:YES)、S15に処理を移行する。一方、カウンタAが未だ原稿画像数Nになっていない場合(S11:NO)、S12に処理を移行する。
【0103】
S12においては、単位原稿画像を編集する。先ず、スキャンデータ70に含まれる原稿画像75から、画像識別情報に係る識別番号が最も小さい原稿画像75を、単位原稿画像に特定する。単位原稿画像は、S12、S13における処理対象となる一の原稿画像を意味する。
【0104】
次に、当該単位原稿画像に係る画像識別情報と、各配置領域55の領域識別情報に基づいて、テンプレートデータ50における当該単位原稿画像に対応する配置領域55を特定する。具体的には、当該単位原稿画像の識別番号と同一の識別番号が付与された配置領域を、単位原稿画像に対応する配置領域55に特定する。
【0105】
そして、当該単位原稿画像に対応する配置領域55の位置情報をRAM14から読み出す。その後、読み出した配置領域55の位置情報に応じて、当該単位原稿画像を編集する。具体的には、単位原稿画像に対応する配置領域55のサイズ、形状に応じて、当該単位原稿画像を編集する。当該単位原稿画像データの編集には、画像の拡大、縮小、トリミングが含まれる。
【0106】
S13では、編集された単位原稿画像を、当該単位原稿画像に対応する配置領域55に合成する。
【0107】
S14に移行すると、カウンタAの数値に「1」を加算する。これにより、その後の処理において、次の単位原稿画像(例えば、「識別番号:2」に係る原稿画像75)を編集し、当該単位原稿画像対応する配置領域55に合成する。
【0108】
S15では、印刷処理を実行する。S15に移行した時点で、スキャンデータ70に含まれる原稿画像75は、夫々、テンプレートデータ50における対応する配置領域55に合成されている(図10参照)。つまり、S15移行時においては、合成データ100の生成を完了している。
【0109】
従って、印刷処理(S15)においては、印刷実行指示と当該合成データ100を、多機能機30に送信し、当該制御プログラムを終了する。合成データ100及び印刷実行指示を受信すると、多機能機30の制御部31は、印刷部36を制御し、当該合成データ100を用紙に印刷する。
【0110】
これにより、当該印刷システム1は、複数枚の原稿の内容をユーザ所望の位置に挿入した印刷出力を行い得る。従って、当該印刷システム1は、複数枚の原稿の内容をユーザ所望の位置に挿入した出力結果を欲する場合に、ユーザの作業負担を低減しつつ、ユーザ所望の内容の出力結果を提供し得る。
【0111】
原稿画像数Nと配置領域数Mが一致しない場合に移行するS16では、例外処理を実行する。当該例外処理(S16)では、原稿画像の不足に基づくエラーの報知等の処理を実行し、当該制御プログラムを終了する。
【0112】
以上、説明したように、第1実施形態に係る印刷システム1及び制御プログラム(図2等)は、複数枚の原稿の内容を一度のスキャンで読み取り、各原稿の内容をユーザ所望の位置に挿入した出力結果を提供し得る。この時、原稿毎にスキャンを行う必要はないので、印刷システム1及び制御プログラムは、ユーザの作業負担を低減し得る。
【0113】
更に、当該印刷システム1及び制御プログラムは、原稿セットガイド画面60をディスプレイ25に表示する(図5、図6参照)。原稿セットガイド画面60の表示内容を確認することで、ユーザは、適切な原稿のフラットベットに対するセット位置を把握し得る。この結果、当該印刷システム及び制御プログラムは、確実にユーザ所望の出力結果を提供し得る。
【0114】
又、原稿セットガイド画面60には、表示方向報知画像62、テンプレート方向報知画像63、セット方向報知画像64が含まれる。これらの表示内容を確認することで、ユーザは、現実の状況と表示内容の対応や、セットする原稿の適切な方向を把握し得る。従って、当該印刷システム及び制御プログラムは、より確実に、ユーザ所望の出力結果を提供し得る。
【0115】
そして、当該印刷システム及び制御プログラムは、テンプレートデータ50のタイプ(縦原稿又は横原稿)に応じて、原稿セットガイド画面60の表示態様(図5、図6参照)や、画像識別情報の付与に係る処理内容(S32〜S37)を変更する。これにより、当該印刷システム及び制御プログラムは、縦原稿、横原稿の種別を問わずに、ユーザ所望の出力結果を提供し得る。
【0116】
(第2実施形態)
次に、本発明を多機能機30単体に適用した一実施形態を、第2実施形態として説明する。第2実施形態における多機能機30の基本的構成は、第1実施形態に係る多機能機30と同一である。従って、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0117】
当該多機能機30においては、上記第1実施形態に係る制御プログラム等(図2、図3、図7)は、多機能機30が有する記憶装置(例えば、ROM33)に記憶されている。そして、当該制御プログラム等は、多機能機30の制御部31により実行される。
【0118】
そして、第2実施形態に係る制御プログラムにおいては、S3〜S6、S7の処理内容が、第1実施形態に係る制御プログラムと相違し、その他の処理内容は、第1実施形態と同一である。次に、第2実施形態に係る制御プログラムの相違点について説明する。
【0119】
先ず、S3においては、制御部31は、原稿セットガイド画面60を表示パネル38に表示する。この点、S3の処理内容は、原稿セットガイド画面60の表示出力が行われる装置が異なる点を除き、第1実施形態と同一である。
【0120】
S4では、制御部31は、キーパッド39の操作に基づいて、S4の判断処理を行う。その他の点については、第1実施形態と同様の処理を行う。
【0121】
第2実施形態のS5では、制御部31は、コンピュータ10側との通信することなく、自らスキャナ部35を制御し、オートクロップスキャンを実行する。S5における多機能機30の処理内容は、スキャナ実行に関する指示の受信を開始条件としない点を除き、上記第1実施形態と同様である。
【0122】
S6では、制御部31は、コンピュータ10側との通信することなく、S5で生成したスキャンデータ70をRAM34に格納する。その他の点については、第1実施形態と同様である。
【0123】
そして、S15においては、制御部31は、コンピュータ10側と通信することなく、印刷部36を制御し、RAM34に格納されている合成データ100を用紙に印刷出力する。第2実施形態のS15における多機能機30の処理内容は、合成データ100及び印刷指示をコンピュータ10から受信したことを開始条件としない点を除き、第1実施形態と同様である。
【0124】
このように構成することで、第2実施形態に係る多機能機30及び制御プログラムは、第1実施形態に係る印刷システム1及び制御プログラムと同様の効果を奏する。即ち、当該多機能機30及び制御プログラムは、複数の原稿の内容を挿入した出力結果を得る場合におけるユーザの作業負担を低減することができ、確実に、複数の原稿の内容がユーザ所望の態様で合成された出力結果を提供し得る。
【0125】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【0126】
例えば、上記実施形態においては、合成データ100の出力方式として、用紙への印刷出力を採用していたが、この態様に限定するものではない。本発明は、合成データ100を出力するものであれば、種々の態様を採用し得る。具体的には、本発明は、ファックス部37を用いて、合成データ100に基づくファクシミリ送信を行ってもよい。又、本発明は、当該合成データ100を、記憶装置に出力し、保存する構成を採用することも可能である。
【0127】
又、上記実施形態においては、ユーザが作成したテンプレートデータ50を用いていたが、本発明は、この態様に限定されるものではない。即ち、本発明は、規定のテンプレートデータを用いて処理を行うように構成することも可能である。この場合、当該テンプレートデータにおける配置領域も規定済であるため、S1、S2の処理を省略し得る。この場合、配置領域の検索等の処理負担が低減される。
【0128】
更に、上記実施形態においては、配置領域55の形状を長方形状として記載していたが、この態様に限定するものではない。配置領域55の形状は、楕円形状等、種々の形状を採用し得る。この場合には、S12において、原稿画像75は、配置領域55に対応する形状(例えば、楕円形状)に、トリミングされる。この結果、本発明は、より多様な態様で原稿画像75が配置された合成データを提供し得る。
【0129】
又、第1実施形態においては、多機能機30がオートクロップスキャンを行い、スキャンデータ70から各原稿画像を切り出している。この点、本発明は、この態様に限定されるものではない。即ち、多機能機30は、原稿画像75を切り出すことなく、スキャンデータ70をコンピュータ10に送信し、コンピュータ10がスキャンデータ70から各原稿画像75を切り出すように構成し得る。
【0130】
又、本発明は、原稿セットガイド画面60を表示しない構成も採用し得る。この場合には、テンプレートデータ50に対する処理の後に、スキャンデータ70に対する処理を行う必要はない。つまり、スキャンデータ70に対する処理の後、テンプレートデータ50に対する処理を行う構成としてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 印刷システム
10 コンピュータ
11 制御部
16 アプリケーションプログラム
23 マウス
24 キーボード
25 ディスプレイ
30 多機能機
31 制御部
35 スキャナ部
36 印刷部
50 テンプレートデータ
55 配置領域
60 原稿セットガイド画面
62 表示方向報知画像
63 テンプレート方向報知画像
64 セット方向報知画像
70 スキャンデータ
75 原稿画像
100 合成データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
原稿画像が配置される配置領域が複数規定されたテンプレートデータから、各配置領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段により抽出された各配置領域について、前記テンプレートデータにおける当該配置領域の位置を特定する領域位置特定手段と、
前記領域位置特定手段により特定された各配置領域の位置に基づく第1の基準に従って、各配置領域を識別可能な領域識別情報を付与する領域識別情報付与手段と、
セットされた原稿に基づいて、画像データを取得可能な取得手段と、
前記取得手段より取得され、前記原稿に基づく原稿画像を複数含む一の画像データから、各原稿画像を夫々抽出する画像抽出手段と、
前記画像抽出手段により抽出された各原稿画像について、前記一の画像データにおける当該原稿画像の位置を特定する画像位置特定手段と、
前記画像位置特定手段により特定された各原稿画像の位置に基づくと共に、前記第1の基準に対応する第2の基準に従って、各原稿画像を識別可能な画像識別情報を付与する画像識別情報付与手段と、
前記画像識別情報と、前記領域識別情報とに基づいて、各原稿画像に対応する配置領域を夫々特定する配置領域特定手段と、
前記配置領域特定手段により特定された配置領域内に対して、当該配置領域に対応する原稿画像が配置可能な状態に、各原稿画像を編集する原稿画像編集手段と、
前記原稿画像編集手段により編集された各原稿画像を、前記配置領域特定手段によって特定された配置領域に配置し、一の合成データを生成する合成手段と、
前記合成手段により合成された合成データを出力する出力手段と、
して機能させるための画像合成出力プログラム。
【請求項2】
前記請求項1記載の画像合成出力プログラムであって、
コンピュータを、
前記取得手段による一の画像データを取得に際し、複数の原稿を前記取得手段にセットする場合に、前記テンプレートデータに基づいて、前記テンプレートデータにおける各指定領域に対応し、前記原稿がセットされるセット位置を、前記テンプレートデータにおける他の部分と判別可能な表示態様で表示する表示手段と、
して機能させるための画像合成出力プログラム。
【請求項3】
前記請求項2記載の画像合成出力プログラムであって、
コンピュータを、
前記取得手段による一の画像データを取得に際し、複数の原稿をセットする場合に、当該取得手段の向きと、前記表示手段に表示された表示内容の向きとの対応関係を示す表示方向画像を追加表示する制御を行う第1表示制御手段と、
して機能させるための画像合成出力プログラム。
【請求項4】
前記請求項2又は3に記載の画像合成出力プログラムであって、
コンピュータを、
前記表示手段に前記セット位置が表示されている場合に、当該テンプレートデータの向きを示すテンプレート方向画像を追加表示する制御を行う第2表示制御手段と、
して機能させるための画像合成出力プログラム。
【請求項5】
前記請求項1乃至4の何れかに記載の画像合成出力プログラムであって、
コンピュータを、
前記領域識別情報付与手段により各配置領域に領域識別情報を付与する際に、前記テンプレートデータの左上隅部を原点とし、当該原点を通過する縦座標軸及び横座標軸からなる直交座標系を、前記第1の基準として設定する第1基準設定手段と、
当該テンプレートデータに含まれる書式情報に基づいて、当該テンプレートデータが横原稿であるか縦原稿であるかを判断する判断手段と、
前記画像識別情報付与手段により各原稿画像に画像識別情報を付与する際に、前記判断手段により当該テンプレートデータが横原稿と判断された場合、前記第1の基準と同一の直交座標系を、前記第2の基準に設定し、
前記判断手段により当該テンプレートデータが縦原稿と判断された場合に、前記原点を左下隅部とし、当該原点を通過する縦座標軸及び横座標軸からなる直交座標系を、第2の基準に設定する第2基準設定手段と、
前記テンプレートデータが縦原稿の場合、前記各原稿画像を90度回転させる画像回転手段と、
して機能させるための画像合成出力プログラム。
【請求項6】
セットされた原稿に基づいて、画像データを取得可能な取得手段と、を有する第1の情報端末と、
前記第1の情報端末と通信可能に接続された第2の情報端末と、を有する画像合成出力システムであって、
原稿画像が配置される配置領域が複数規定されたテンプレートデータから、各配置領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段により抽出された各配置領域について、前記テンプレートデータにおける当該配置領域の位置を特定する領域位置特定手段と、
前記領域位置特定手段により特定された各配置領域の位置に基づく第1の基準に従って、各配置領域を識別可能な領域識別情報を付与する領域識別情報付与手段と、
前記取得手段より取得され、前記原稿に基づく原稿画像を複数含む一の画像データから、前記各原稿画像を夫々抽出する画像抽出手段と、
前記画像抽出手段により抽出された各原稿画像について、前記一の画像データにおける当該原稿画像の位置を特定する画像位置特定手段と、
前記画像位置特定手段により特定された各原稿画像の位置に基づくと共に前記第1の基準に対応する第2の基準に従って、各原稿画像を識別可能な画像識別情報を付与する画像識別情報付与手段と、
前記画像識別情報と、前記領域識別情報とに基づいて、各原稿画像に対応する配置領域を夫々特定する配置領域特定手段と、
前記配置領域特定手段により特定された配置領域内に対して、当該配置領域に対応する原稿画像が配置可能な状態に、各原稿画像を編集する原稿画像編集手段と、
前記原稿画像編集手段により編集された各原稿画像を、前記配置領域特定手段によって特定された配置領域に配置し、一の合成データを生成する合成手段と、
前記合成手段により合成された合成データを出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像合成出力システム。
【請求項7】
原稿画像が配置される配置領域が複数規定されたテンプレートデータから、各配置領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段により抽出された各配置領域について、前記テンプレートデータにおける当該配置領域の位置を特定する領域位置特定手段と、
前記領域位置特定手段により特定された各配置領域の位置に基づく第1の基準に従って、各配置領域を識別可能な領域識別情報を付与する領域識別情報付与手段と、
セットされた原稿に基づいて、画像データを取得可能な取得手段と、
前記取得手段より取得され、前記原稿に基づく原稿画像を複数含む一の画像データから、前記各原稿画像を夫々抽出する画像抽出手段と、
前記画像抽出手段により抽出された各原稿画像について、前記一の画像データにおける当該原稿画像の位置を特定する画像位置特定手段と、
前記画像位置特定手段により特定された各原稿画像の位置に基づくと共に前記第1の基準に対応する第2の基準に従って、各原稿画像を識別可能な画像識別情報を付与する画像識別情報付与手段と、
前記画像識別情報と、前記領域識別情報とに基づいて、各原稿画像に対応する配置領域を夫々特定する配置領域特定手段と、
前記配置領域特定手段により特定された配置領域内に対して、当該配置領域に対応する原稿画像が配置可能な状態に、各原稿画像を編集する原稿画像編集手段と、
前記原稿画像編集手段により編集された各原稿画像を、前記配置領域特定手段によって特定された配置領域に配置し、一の合成データを生成する合成手段と、
前記合成手段により合成された合成データを出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像合成出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図10】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−200070(P2010−200070A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43466(P2009−43466)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】