説明

画像形成システム

【課題】画像形成装置と無給電画像表示手段との協調動作を行うことで、従来の紙では提供でき得ない機能を持った画像形成システムを提供する。
【解決手段】この画像形成システム1は、表示設定手段3で設定された表示項目の内容を制御部20で解析し、表示項目に画像形成装置100の状態表示が設定されている場合、この装置の動作状態を状態監視手段5で監視して画像形成装置の状態情報を取得し、得られた情報を画像形成装置の外装100Bに一体化あるいは着脱可能に当該画像形成装置の周囲から一瞥可能に装着された無給電画像表示手段400へ表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と無給電画像表示装置とを用いた画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発色(顔色)剤の熱的な履歴(ヒステリシス)を利用して、何度も繰り返して画像形成を可能にする、いわゆるリライタブルペーパーや、書込み時/消去時には電力を必要とするものの、常時は無給電で表示画像を保持できる電子ペーパーは、近年マイクロカプセル、液晶、電子粉流体など種々の方式で開発・実用化・製品化されており、ラベル、商品の値札、広告やガイドなどに広く利用され始めている。
特許文献1には、リライタブルペーパーや電子ペーパーを用いた商品画像形成システム及び方法が提案されている。
特許文献2には、複写機やプリンタなどの画像形成装置の補助表示装置として電子ペーパーを使い、装置本体の電源オフ時でも、カウンタや使用履歴、消耗品情報を得られるように構成した画像形成装置が提案されている。
特許文献3には、携帯電話の外装に電子ペーパーを用い、電子ペーパーに表示する内容を変更することでデザインを変える電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−352830号公報
【特許文献2】特開2006−201460号公報
【特許文献3】特開2006−173484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そもそもリライタプルペーパーや電子ペーパーは、紙のような形億や機能を求められながら紙ではなく、また紙に取って代わることを目指して開発されているものである。よって、紙とは対極にあるものと捉えられていることが多く、そのため複写機やプリンタ、あるいはこれらの複数機能を備えた複合機(MFP)はもとより孔版印刷装置のような紙の存在が本質的に必要不可欠な画像形成装置との協調について考慮されたものはほとんど見当たらない。
しかしながら、前記のような画像形成装置であっても、リライタブルペーパーや電子ペーパーなどの無給電画像表示装置と協調をとることにより、そのメリット享受することが十分可能である。例えば、近年デジタルサイネ−ジという言葉に表されるように、電子ペーパーを動的な広告・ポスターとして利用し、消費者やユーザにメッセージを発信するような使い方が提案され、実用化もなされている。これを直接的に応用すれば、画像形成装置の空いている外装面に、大サイズの電子ペーパーを取り付け、これに広告などを表示するといったことが可能である。
あるいは、コンビニエンスストアなどの不特定多数の人が出入りする場所に画像形成装置を設置してコピーサービスを行っている場合、電子ペーパーと課金装置とを連動させて、広告を表示している間は、コピー料金を割り引くなどのビジネスモデルを提供することも可能である。しかし、上記のような例であっても電子ペーパーに代表される無給電画像表示装置を広告手段という一面でしか活用していない。
本発明は、上記のような現状を鑑みてなされたものであり、画像形成装置と無給電画像表示手段との協調動作を行うことで、従来の紙では提供でき得ない機能を持った画像形成システムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像形成装置と、画像形成装置の外装に、一体化あるいは着脱可能に当該画像形成装置の周囲から一瞥可能に装着された無給電画像表示手段と、画像形成装置と無給電画像表示手段とを有線または無線で接続して各種データの送受信を行う通信手段と、無給電画像表示手段に表示を行うか否か、表示を行う場合の無給電画像表示装置に表示する表示項目を設定する表示設定手段と、表示設定手段により設定された表示項目のデータを保持する表示データ保持手段と、画像形成装置の動作状態を監視する状態監視手段と、表示データ保持手段に保持された表示項目に関するデータを解析し、表示項目として画像形成装置の状態表示が設定されている場合、状態監視手段により、画像形成装置の状態情報を取得し、得られた情報に基づき、無給電画像表示手段に画像形成装置の状態情報を表示させるように制御を行う制御部と、を備えていることを特徴としている。
【0006】
無給電画像表示手段としては、単一であってもよいが、表示する内容が多い場合、あるいは表示する内容の種類が異なる場合には、複数設けてそれぞれに異なる項目内容や情報を表示するようにしてもよい。
【0007】
請求項2に係る発明は、状態監視手段により監視され、無給電画像表示手段により表示される情報が、画像形成装置の電源のオン/オフ状態、アイドリング状態、省エネ状態、作像状態、ジャム状態、通信状態、サプライ状態、セキュリティ状態の少なくとも1つ以上を含む監視内容情報であることを特徴としている。
【0008】
請求項3に係る発明は、画像形成装置の状態がアイドリング状態であった場合、無給電画像表示装置に、監視内容情報以外の多目的情報の表示を行わせるように制御部で制御することを特徴としている。
【0009】
請求項4に係る発明は、画像形成装置の画像形成に係わるジョブに関する情報を管理するジョブ管理手段を有し、制御部は、表示データ保持手段に保持された表示項目に関するデータを解析し、表示項目にジョブ管理の状態表示が設定されている場合、ジョブ管理手段により画像形成装置のジョブ情報を取得し、得られた情報に基づき無給電画像表示手段に、当該画像形成装置のジョブ情報を表示させるように制御を行うことを特徴としている。
【0010】
請求項5に係る発明は、ジョブ管理手段により管理され、無給電画像表示手段により表示される情報は、画像形成装置で現在行われている画像形成ジョブの画像形成状態、現在行われているジョブ終了予定時刻、予め予約登録された実行前の画像形成のジョブ、予約されているジョブの開始予定日時または終了予定日時の少なくとも1つ以上含む情報であることを特徴としている。
【0011】
請求項6に係る発明は、無給電画像表示手段は、自身への電子的な仮想書込みが行える書込み手段と、書込み手段で書込みされた描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データを前記画像形成装置に転送する転送手段を有し、画像形成装置は、無給電画像表示手段から転送された描画データまたは描画データを含む画像データを受け取る受信手段と、受信した描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データを画像形成の制御、管理あるいは文書そのものとして利用するように制御を行う制御手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項7に係る発明は、画像形成装置が、受け取った描画データから所定の処理を行うことでコンテンツ情報を得るコンテンツ抽出手段を有し、制御手段が、コンテンツ抽出手段で抽出したコンテンツ情報を画像形成の制御や管理あるいは文書そのものとして利用するように制御を行うことを特徴としている。
【0013】
請求項8に係る発明は、画像形成装置が、熱可塑性フイルムからなるマスタに熱穿孔プロセスを用いて潜像を形成する製版手段と、潜像が形成されたマスタを、インキが充填された印刷ドラムに巻装し、マスタが装填された前記印刷ドラムを回転させ、給紙手段から給紙された用紙と圧接させることにより、当該用紙に可視画像を形成する印刷手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像形成装置の外装に一体化あるいは着脱可能に当該画像形成装置の周囲から一瞥可能に装着される無給電画像表示手段に、画像形成装置の状態を表示させることにより、画像形成装置の動作状況が遠方からでも一目で認識できるようになるため、画像形成装置の使用状況をユーザが素早く確認することができる。また、ユーザが装置使用状態を見て、画像形成を行うことができるようになるので、ユーザ作業効率を高めることができ、従来の紙では提供でき得ない機能を持った画像形成装置を提供することができる。
【0015】
本発明によれば、無給電画像表示手段により表示される情報が、画像形成装置の電源のオン/オフ状態、アイドリング状態、省エネ状態、作像状態、ジャム状態、通信状態、サプライ状態、セキュリティ状態の少なくとも1つ以上を含む監視内容情報であるので、画像形成装置にジャムや故障などの不具合が起こった場合でも、その情報が無給電画像表示手段に表示されるため、装置の不具合の露見が早くなり、速やかに管理者や保守エンジニアに連絡・対処がとれるため、結果として画像形成装置の可用性を高めることができる。
本発明によれば、画像形成装置の状態がアイドリング状態であった場合、無給電画像表示装置には、監視内容情報以外の多目的情報が表示されるので、ユーザの利便性を向上させながらアプライアンスを向上させることができる。
【0016】
本発明によれば、無給電画像表示手段に書込み手段で電子的に書込みされた描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データが転送手段で画像形成装置に転送されると、画像形成装置は受信手段で描画データまたは描画データを含む画像データを受け取り、受信した描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データが画像形成の制御、管理あるいは文書そのものとして利用されるので、無給電画像表示手段に表示されたデータの新たな使い道を見出すことができ、ユーザの利便性を向上させながらアプライアンスを向上させて、従来の紙では提供でき得ない機能を持った画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかる画像形成システムを構成する画像形成装置の一形態である孔版印刷装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す孔版印刷装置の制御部の基本構成を示すブロック図である。
【図3】無給電画像表示手段の一例となる電子ペーパーの基本構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係る画像形成システムの動作時に孔版印刷装置の操作表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る表示設定手段となる設定スイッチと、設定状態が表示された画面の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る、無給電画像表示手段への情報の出力制御の処理内容の一形態を示すフローチャートである。
【図8】設定項目として装置の状態が設定されたときの内容が表示された無給電画像表示手段の概略図である。
【図9】図7に示す状態とは別な設定状態が表示された画面の一例を示す図である。
【図10】設定項目としてジョブ管理の状態が設定されたときの内容が表示された無給電画像表示手段の概略図である。
【図11】第2の実施形態で用いる書込み手段を備えた無給電画像表示手段の一例となる電子ペーパーの基本構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施形態に係る表示設定手段となる設定スイッチと、設定状態が表示された画面の一例を示す図である。
【図14】第2の実施形態に係る、無給電画像表示手段への情報の出力制御の処理内容の一形態を示すフローチャートである。
【図15】設定項目としてFAXの状態が設定されたときの内容が表示された無給電画像表示手段の概略図である。
【図16】無給電画像表示手段から画像形成装置に転送されたデータの処理内容の一形態を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施形態における画像形成装置と無給電画像表示手段間でのデータ処理内容と無給電画像表示手段に表示される表示内容とを対応させたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて順に説明する。各実施形態において、第1の実施形態と同一の機能を有する構成要素には、第1の実施形態と同一の符号を付し、第2の実施形億以降での重複説明は極力省略する。本発明にかかる画像形成システムは、画像形成装置の一形態となるデジタル式の孔版印刷装置と、無給電画像表示装置とを備えている。各実施形態で説明する画像形成システムに適用可能な画像形成装置は、孔版印刷装置に限定されるものではなく、複写機やプリンタ、あるいは複写機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ機能のうち、少なくとも2つ以上の機能を備えた複合機(MFP)であってもよい。画像形成方式は、孔版印刷方式に限定されるものではなく、周知の電子写真方式やインクジェット方式であってもよい。
(第1の実施形態)
図1において、画像形成システム1を構成する孔版印刷装置100の基本構成について説明する。孔版印刷装置100は、装置本体100Aの内部に、マスタ107が外周面に巻着される印刷ドラム101と印圧手段となるプレスローラ102で構成する印刷手段120と、製版装置となるプロッタ103と、排版手段104とを備え、装置本体100Aの右側に配置された給紙手段105から給紙される記録紙106をプレスローラ102で印刷ドラム101に押し当てることで、巻着されたマスタ107の画像を記録紙106に転写し、画像転写された記録紙106を搬送手段108で装置本体100Aの左側に配置された排紙手段109に搬送する周知の構成をとる。
孔版印刷装置100は、装置本体100Aの上部に画像読取手段となるスキャナ110が配置されていて、スキャナ110で原稿画像を読み取ることで製版に用いる画像データを取得している。装置本体100Aの上部正面には、孔版印刷装置100の操作部となる操作パネル111が配設されている。操作パネル111には、印刷や製版の切り替えキー113、スタートキー114、表示操作部115、初期設定/プリンタ設定キー116、印刷位置調整キー117、プリントスピード設定キー118などの周知の構成が配備されている。表示操作部115は、LCDのタッチパネルで構成されていて、その画面には、各種案内情報や各種操作画面が適宜表示され、操作画面が装置使用者(以下「ユーザ」と記す)によって操作されると、各画面に表示された設定項目や設定スイッチ類に対応した内容が制御手段20Aや孔版印刷装置100に設定される。
装置本体100A内には、孔版印刷装置100の各部を制御する制御手段20Aが配設されている。制御手段20Aは、周知のコンピュータで構成されていて、図2に示すように、実装基板となるACU200(Application Control Unit)とECU300(Engine Control Unit)の二つに大きく分かれている。ACU200は、孔版印刷装置100の操作パネル111が接続される操作パネル用インターフェース205、メモリーカードやUSBメモリなどの携帯型大容量記憶手段が接続されるインターフェース(SD I/F206、USB I/F209)、大容量記憶装置となるハードディスク207が接続されるインターフェース208、パソコンなどの情報端末に対し、LANやインターネットなどのネットワークを介してアクセスするためのネットワークインターフェースカード202や無縁LANカードを接続するための通信インターフェース(NIC I/F212、無線LAN I/F214)、無給電画像表示装置となる電子ペーパー400,400Aを接続するためのI/OI/F221,221A、FAXモジュール223を接続するためのFAXI/F222、ECU300が接続されるECUI/F215と、中央演算回路となるCPU216、記憶手段となるRAM217とROM218が、ASIC220(Application Specific Integrated Circuit)に接続されている。
ACU200は、孔版印刷装置100の製版やデータ蓄積の制御等を行い、スキャナ110あるいはネットワーク経由で転送されてくる文書を蓄積文書としてハードディスク207に蓄積すること、スキャナ100あるいはハードディスク207に蓄積された蓄積文書あるいはネットワーク経由で転送された文書データから、最終的に製版データを作成したのち、ECU300に転送するという働きを受け持ち、本発明の機能は、主にこのACU200に属する。
ECU300は、中央演算回路となるCPU321、記憶手段となるRAM322とROM323、ACU200が有するECUインターフェース215と接続されるACUインターフェース324、スキャナ110が接続されるスキャナインターフェース326、プロッタ103が接続されるプロッタインターフェース328が、それぞれASIC329に接続されている。
ECU300は、ACU200により作成された製版データを基に、プロッタ103により、周知の孔版原紙となるマスク107の感熱孔版フイルム119に、熱的プロセスによって穿孔を行うことにより、製版済みのマスタ107を作成し、この製版済みのマスタ107を印刷ドラム101の外周面に巻装し、ドラム内部に設置されたインキパックから、インキを供給しながら印刷ドラム101を回転させ、それに呼応させるように印刷用紙106を給紙することにより、印刷成果物を得る、という一連のデジタル式孔版印刷装置の製版から印刷に至る動作全般を制御するものである。孔版印刷装置100としては、片面印刷機や両面印刷機の何れであってもよい。
本形態に係る無給電画像表示装置は、所謂、電子ペーパー400である。電子ペーパー400は、図3に示すように、電子ペーパー400の動作を制御するCPU401、プログラムや画像データを保持するROM402とRAM403を有するペーパー制御手段20Bと、画像を表示する表示パネル406、電子ペーパーを換作するための操作部404、孔版印刷装置100とのインターフェースとなる外部I/F407、電子ペーパー400の動作に必要な電力供給するバッテリ409と、バッテリ408を制御する電源制御部408などから構成されている。
【0019】
本形態に係る画像形成システム1は、図4に示すように、装置本体100Aの外装100Bに、一体化あるいは着脱可能に、当該孔版印刷装置100の周囲から一瞥可能に取り付けられる大サイズの電子ペーパー400と、孔版印刷装置100と電子ペーパー400とを有線または無線で接続し、データ転送や制御データの受信を行う通信手段2、7と、電子ペーパー400に表示を行うか否か、表示を行う場合、どのような情報をどのように表示させるかなどの項目内容の設定を行う表示設定手段3と、表示設定手段3により設定された設定データを保持する表示データ保持手段4と、孔版印刷装置100の作動状態となる、アイドリング状態、省エネ中、ジャム発生などを監視する状態監視手段5と、孔版印刷装置100の画像形成に関わるジョブに関する情報を管理するジョブ管理手段6と、制御部20とを備えている。
【0020】
制御部20は、表示設定手段3により設定されて表示データ保持手段4に保持されているデータの表示項目を解析し、表示項目に孔版印刷装置100の状態表示が含まれる場合、状態監視手段5により孔版印刷装置100の状態情報を取得し、得られた情報を基に、電子ペーパー400に孔版印刷装置100の状態情報を表示させるように電子ペーパー400と孔版印刷装置100への制御を実行する機能と、
表示項目にジョブ管理の状態表示が設定されている場合、ジョブ管理手段6により孔版印刷装置100で現在行われている画像形成ジョブの画像形成(印刷)終了予定時刻や、予め予約されている画像形成予定およびその日時およびその終了予定日時を電子ペーパー400に表示させるように電子ペーパー400と孔版印刷装置100への制御を実行する機能を備えている。
【0021】
本形態では、表示設定手段3は操作表示部115に表示される画面40(図6参照)で、表示データ保持手段4はフラッシュROM218で、状態監視手段5はACU200上で動作するプログラムで、ジョブ管理手段6はACU200上で動作するプログラムとフラッシュROM218でそれぞれ実現される。
【0022】
電子ペーパー400は、主に画像データの送受などを行う通信手段7と、孔版印刷装置100から転送された画像データを保持する画像データ保持手段8と、転送された画像データを表示する画像表示手段9と、電子ペーパー全般にわたる制御を行うペーパー制御手段20Bとを備えている。本形態では、通信手段7は外部I/F407で、画像データ保持手段8はフラッシュROM402で、画像表示手段9は表示パネル406でそれぞれ実現される。
【0023】
制御部20は、ハードウエアの構成としては孔版印刷装置の制御手段20Aと電子ペーパー400のペーパー制御手段20Bで構成され、ソフトウエア的には、ACU200上とペーパー制御手段20Bで作動するプログラムで構成される。
【0024】
次に、孔版印刷装置100の外装100Bに取り付けられた電子ペーパー400の表示設定方法とその処理について図5,図6を用いて説明する。
【0025】
図5,図6は、操作表示部115(以下、単に「操作パネル」、「タッチパネル」、「LCD」などと記すことがある)に表示される操作/表示画面の一例である。図5は、操作表示部115に表示されるシステム初期値設定画面(以下「初期値設定画面」と記す)30の「管理者用設定」項目ボタン31をユーザが選択操作した時の内容を表している。この画面により、ユーザは孔版印刷装置100の管理に関する設定を行うことができる。図5に示す初期値設定画面30では、表示内容として、「電子ペーパー表示設定」に関する設定内容の表示部32が「マシン状態」となっているが、これは後述するユーザの操作により設定された結果が表示されたものである。この表示部32に表示される設定内容は、ユーザの操作によって異なってくる。この初期値設定画面30には、各種項目ボタンとともに、「管理者用設定」項目ボタン31と、表示部32と、表示部32に表示される内容を設定する「電子ペーパー表示設定」項目ボタン33が表示される。この「電子ペーパー表示設定」項目ボタン33がユーザによって選択操作(押下)されると、操作表示部115には、図6に示すサブメニュー画面40が表示される。このサブメニュー画面40には、電子ペーパー400の表示をするか否か(表示の有無)や、表示を行う場合、どの表示をどのように行うかの項目設定を行う各種設定ボタン41〜44と、設定内容を有効にするための設定ボタン45と、設定内容を無効にする取消ボタン46が表示される。本形態では、電子ペーパー400に表示する内容の選択肢として、「マシン状態」と「ジョブ状態」を設定する設定ボタン43,44が表示されている。図6では、電子ペーパー400に表示することが設定されていて、表示内容としては設定ボタン43が操作されて「マシン状態」が設定された状態を示している。
【0026】
このような初期設定がなされた場合の画像形成システム1の制御の詳細について、図7のフローチャートを中心に説明する。
孔版印刷装置100が起動されると、あるいは前述の表示設定変更がなされると、制御手段20Aに記憶されているプログラムは、ステップST1において、図6に示すサブメニュー画面40で設定された表示設定項目を参照する。ST2では、「する」設定ボタン41が操作されて、電子ペーパー400に情報を表示することが設定されている場合には、ステップST3に進んでどの情報を表示するのかという設定項目情報を取得して判断する。ここでは、図6に示すサブメニュー画面40において、「マシン状態」設定スイッチ43が操作されて、マシン状態を表示すことが設定されているので、孔版印刷装置100のマシン状態監視フラグを状態監視手段5で取得して、現在のマシン(孔版印刷装置)の状態をステップST4で把握する。
制御装置20Aは、取得したマシン状態の情報に基づき、電子ペーパー表示用のデータをステップST7で生成し、ステップST8において電子ペーパー400に送信する。
【0027】
一方、電子ペーパー400では、孔版印刷装置100の通信手段2を介して制御装置20Aから送信された表示用データをステップST9において通信手段7(外部I/F407)で受信することで取得し、ステップST10において画像表示手段9(表示パネル406)に当該表示データを表示する。図8は、電子ペーパー400の画像表示手段9(表示パネル406)に表示された内容を示す一例であり、ここでは印刷用紙のジャムが発生していることが示されている。
【0028】
本形態では、電子ペーパー400による孔版印刷装置のマシン状態の表示として、「電源OFF」、「製版・印刷可能」または「レディ」、または「待機中」、「省エネ中」、「製版中」、「印刷中」、「通信中」、「ただいまロックされています」、「ジャムが発生しました!」、「インキ切れです!」、「マスタ切れです!」などの諸状態を考慮している。つまり、これらの状態が孔版印刷装置100側で発生した事が図示しないセンサなどによって検出されると、何れかの内容が電子ペーパー400に表示されるようにしたが、これら文言や、状態の種類に限定されるものではない。例えば、印刷済み用紙がある規定時間以上回収されることなく放置されている時には「未回収の印刷済み用紙があります!!」などの警告メッセージを表示するような、言うなれば放置状態を表示させることにより印刷用紙106の速やかな回収を促すようなセキュリティを視野に入れた適用も可能になっている。
図6では、表示する設定項目として「マシン状態」と「ジョブ状態」の2つについて想定されているが、孔版印刷装置100では、この他にも多種多様な状態や形態があり、この形態の内容に限定されるものではない。例えば、孔版印刷装置100はFAXモジュールI/F222を備えているので、FAXモジュール223からFAXデータを受信した時に「FAXを受信しました!」と表示することや、FAX受信用紙が長時間回収されていない時に、「未回収のFAX受信用紙があります!」などのFAXの状態を示すメッセージを表示させてもよい。
【0029】
一方、図6にサブメニュー画面40において、「マシン状態」ではなく、図9に示すように「ジョブ状態」設定ボタン44が操作されて、表示項目として「ジョブ状態」が設定されている場合、制御手段20Aは、図7のステップST3において、孔版印刷装置のジョブ状態監視フラグをジョブ管理手段6で取得して、現在のジョブ(製版中、印刷中)の状態をステップST5において把握する。さらに、ここでは、ステップST6において、現在のジョブだけでなく、孔版印刷装置100に予め予約され製版・印刷のジョブについての情報を取得している。これら情報は、図4に示す予約情報保持手段6Aに保存されている。制御装置20は、予約情報保持手段6Aから取得したジョブ状態と予約済みジョブの情報に基づき、ステップST7で電子ペーパー表示用のデータを生成し、ステップST8において電子ペーパー400に送信する。
【0030】
この場合、電子ペーパー400は、図4に示す孔版印刷装置100の通信手段2を介して制御装置20Aから送信された表示用データをステップST9において通信手段7(外部I/F407)で受信することで取得し、取得した情報を画像データ保持手段8に保存し、ステップST10において画像表示手段9(表示パネル406)に当該表示データを表示する。図10は、電子ペーパー400の画像表示手段9(表示パネル406)に表示された内容を示す一例である。この例では、次の直近の製版・印刷ジョブの情報を1件だけ表示しているが、電子ペーパー400のサイズや表示レイアウトなどを工夫することにより、予約されているジョブをリスト形式ですべて表示させるようにしてもよく、本実施形態に限定されるものではない。
なお、印刷ジョブについては、印刷開始前に、その印刷枚数、印刷速度などから、終了予定時刻を算出して、印刷ジョブが開始された時に、ジョブ状態とともに表示している。これは、複写機やプリンタでは、少部数の複写が多数であるため、当該画像形成装置を占有している時間がそれほど長時間に渡ることが少ないのに対し、印刷装置はその性質上、何百部、何千部という大部数の複写(印刷)であることが多く、一度ジョブが実行されると、長時間孔版印刷装置を占有してしまうことが多いからである。
なお、電子ペーパー400を孔版印刷装置100に接続し、使用可能になるまでの初期化.ネゴシエーションに関するプロセスについては、本発明の主たる事項ではないので、説明を省略している。
このように孔版印刷装置100の外装100Bに装着された電子ペーパー400に、マシン状態やジョブ内容を表示させることにより、孔版印刷装置100の動作状況が遠方からでも一目でわかる。このため、孔版印刷装置100の使用状況を素早く確認でき、空きを見て製版・印刷などの画像形成動作を行うなど、ユーザの作業効率を高めることができる。また、孔版印刷装置100にジャムや故障などの不具合が起こった場合でも、その情報が電子ペーパー400に表示されるため、不具合の露見が早くなり、速やかに管理者や保守エンジニアに連絡・対処が取れる。この結果、孔版印刷装置100の可用性を高めることができる。さらに、製版・印刷したにも関わらず、回収されず長期間放置されているような状態も警告することにより、セキュリティ向上にも資することができる。
(第2の実施形態)
本形態で使用する、電子ペーパー400Aは、図11に示すように、第1の実施形態で説明した電子ペーパー400の構成に、表示パネル406に電子的な仮想書込みが行えるペン入力部411を付加したものである。これにより、電子ペーパー400Aは、表示パネル406に表示された画像に対し、仮想的に書き込みを行うことができるように構成されている。
【0031】
図12は、本形態における画像形成システム1Aの構成を示すものである。電子ペーパー400Aに設けられたペン入力部411は仮想書込み手段12として機能し、通信手段7は、書込み手段12で書込みされた描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データを孔版印刷装置100に転送する転送手段としても機能する。
【0032】
本形態において、孔版印刷装置100には、文書蓄積のための画像データ保持手段13と、FAX送受信のためのFAX通信手段14と、コンテンツ抽出手段15が付加されている。画像データ保持手段13は図2に示すハードディスク207で実現され、FAX通信手段14はFAXモジュール223で実現される。
【0033】
画像形成システム1Aは、孔版印刷装置100の外装100Bに装着されてFAX状態を表示可能な電子ペーパー400と、着脱可能かつ携帯可能で、スキャン画像/蓄積文書/FAX受信文書、電子ペーパー400Aから送信されたデータなどの汎用的な画像表示のための電子ペーパー400Aとをそれぞれ備えている。このため、本形態では、図2に示すI/OI/F221,221Aに対して電子ペーパー400と電子ペーパー400Aをそれぞれ接続して用いる。
【0034】
本形態にかかる孔版印刷装置100では、FAX情報を受信した時、その旨を外装100Bに装着された電子ペーパー400に表示し、さらに受信したFAX文書を、書込み機能を有する電子ペーパー400Aに出力し、仮想書込み手段12(ペン入力部411)で必要事項を記入した後、再び孔版印刷装置100に書込まれた情報を取り込み、FAXで返信するという事例を想定している。このため、孔版印刷装置100の通信手段2は、電子ペーパー400Aから転送された描画データまたは描画データを含む画像データを受け取る受信手段としても機能し、制御手段20Aは、受信した描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データを画像形成の制御、管理あるいは文書そのものとして利用する機能も兼ね備えている。
【0035】
仮想書込み手段12(ペン入力部411)で入力された内容は、描画データとして処理される。コンテンツ抽出手段15は、電子ペーパー400Aから転送されて孔版印刷装置100が受け取った描画データに対して、所定の処理を行うことでコンテンツ情報を得るものである。ここでは、コンテンツ抽出手段15は、制御手段20Aに記憶されていて、描画データから文字を識別して文書に変換する周知のOCRプログラムによって実現される。
【0036】
「電子ペーパー表示設定」に関わる部分は、図13に示すように、設定ボタンとして「FAX状態」ボタン47を、サブメニュー画面40に追加して表示するように構成している。本形態では、すでに「する」設定ボタン41と「FAX状態」設定ボタン47とがユーザに操作されて、電子ペーパー400での表示項目としてFAX状態が設定されているものとする。
【0037】
このような初期設定がなされた場合の画像形成システム1Aの制御の詳細について、図14のフローチャートを中心に説明する。
図14に示すフローチャートは、図7に示したフローチャートに対し、ステップST3の後にステップST11を追加したものである。これにより制御手段20Aは、ステップST1において表示設定項目を参照し、ステップST2で表示するか否かを判断し、表示することが設定されている場合にはステップST3において電子ペーパー400に表示する設定項目内容を判定する。ここでは、FAX状態を表示することが図13のサブメニュー画面40で既に設定されているので、制御手段20AはステップST11に進んで孔版印刷装置の状態監視手段5からFAX状態監視フラグを取得して、現在のFAXの状態(受信中、受信文書あり、送信中など)を把握する。
制御手段20Aは、取得したFAX状態の情報に基づき、外装表示用の電子ペーパー400への表示用のデータをステップST7で生成し、ステップST8で電子ペーパー400に送信する。
この場合、電子ペーパー400は、孔版印刷装置100の通信手段2を介して制御装置20から送信された表示用データをステップST9において通信手段7(外部I/F407)で受信することで取得し、ステップST10において画像表示手段9(表示パネル406)に当該表示データを表示する。図15は、電子ペーパー400の画像表示手段9(表示パネル406)に表示されたFAX状態を示す一例である。この例では、FAX文書を受信したことが表示される。
次に、FAX受信文書の処理について、図16,図17を用いて説明する。図16はFAX受信文書の処理制御に関するフローチャートし、図17はデータ処理内容と電子ペーパー400Aに表示される表示内容とを対応させたブロック図である。
【0038】
制御手段20Aは、図16のステップST21においてFAXを受信し、ステップST22において受信文書を孔版印刷差装置100の文書蓄積モジュールとなるハードディスク207に蓄積する。ユーザは、受信/蓄積されたFAX受信文書を汎用画像表示用電子ペーパー400Aに出力したい場合、図示しない操作をステップST23で行う。この操作により孔版印刷装置100はステップST24において当該文書を汎用画像表示用の電子ペーパー400Aに送信してFAX情報を書き込む。電子ペーパー400Aは、送信された当該文書をステップST25で受信し、受信した文書をステップST26において表示パネル406上に表示する。
【0039】
ユーザは、当該文書が表示された電子ペーパー400Aを孔版印刷装置100から取り外し、必要に応じて回覧などを行う。回覧者は、必要事項などを電子ペーパー400Aのペン入力機能を使って電子ペーパー400Aの画像表示手段9(表示パネル406)に書き込む(ステップST27,28)。書き込まれた描画オブジェクトは、描画データとしてステップST29において電子ペーパー400A内の画像データ保持手段8に記録される。
【0040】
ユーザは、電子ペーパー400Aの書き込まれた描画オブジェクト(描画データ)を表示パネル406に表示されている画像データとなるFAX情報と結合するために、合成操作を行う(ステップST30,31)。すると電子ペーパー400Aは、現在表示している画像データ(FAX情報)と描画された描画オブジェクトを合成し、ステップST32で描画データと画像データが構成された合成画像データを生成する。ユーザは、回覧が終了した電子ペーパー400Aを回収して再び孔版印刷装置100のインターフェース221Aに接続し、合成画像データを孔版印刷装置100に蓄積文書として取り込む操作をステップST33で行う。
【0041】
この操作信号を通信手段2が受け取ると、制御手段20Aは、電子ペーパー400Aから転送された合成画像データをステップST34において孔版印刷装置100に取り込み、取り込んだ合成画像データをハードディスク207に転送して保存(蓄積)する(ステップST36)。つまり、電子ペーパー400Aからは合成画像データが孔版印刷装置100に送信されることになる。(ステップST35)。
【0042】
ユーザが孔版印刷装置100で蓄積文書として取り込まれた合成画像データのFAX送信操作をすると(ステップST37)、制御手段20Aは、蓄積文書として取り込まれた合成画像データをFAXモジュール223から送信する(ステップST38)。
【0043】
本形態では、外装100Bに装着されFAX状態を表示する電子ペーパー400と外装100Bに対して着脱可能な汎用的な文書表示用の電子ペーパー400Aという複数の電子ペーパーを使って画像形成システム1Aを構成したが、前者(電子ペーパー400)が書き込み機能と具備し外装100Bに脱着可能であれば、前者(電子ペーパー400)が後者(電子ペーパー400A)を兼ねる構成であってもよく、本形態のように複数の電子ペーパーを使わなくてもよい。
【0044】
なお、電子ペーパー400,400Aを孔版印刷装置100に接続し、使用可能になるまでの初期化・ネゴシエーションに関するプロセスについては、第1の実施形態同様説明を省略している。また、電子ペーパー400と電子ペーパー400Aの選択や振り分けのための孔版印刷装置の操作表示部115上の設定表示画面についても省略している。
本形態では、電子ペーパー400A側でペン入力された描画データをコンテンツ抽出手段15で所定の変換処理することなく、画像データとしてFAXモジュール223で外部に送信したが、コンテンツ抽出手段15を用いて文字を識別して文書に変換し、ハードディスク207に保存する形態としてもよい。
【0045】
このように、孔版印刷装置100の外装100Bに装着された電子ペーパー400に、FAX状態を表示させることにより孔版印刷装置100の動作状況が遠方からでも一目でわかるため、FAX文書を受信しているか否かの状況を素早く確認でき、ユーザ作業効率を高めることができる。
また、受信したFAX文書は、蓄積文書として孔版印刷装置のハードディスク207内に蓄積し、必要に応じて電子ペーパー400Aに出力しているが、従来のように受信文書を紙に出力する場合でも、紙出力した受信文書が、ある規定時間以上回収されることなく放置されている時に、「未回収のFAX受信用紙があります!」などという警告メッセージを電子ペーパー400に表示させ、回収を促すようなセキュリティを視野に入れた対応にも適用可能である。
【0046】
孔版印刷装置100に蓄積されたFAX情報は、外装100Bから着脱可能な電子ペーパー400Aに出力されて、その内容が表示されるので、従来のように用紙106に一々プリントする必要がなく、用紙106の使用量を低減することができる。電子ペーパー400Aに書込み手段12で電子的に書込みされた描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データが転送手段7で孔版印刷装置100に転送されると、孔版印刷装置100は受信手段2で描画データまたは描画データを含む画像データを受け取り、受信した描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データを画像形成の制御、管理あるいは文書そのものとして利用されるので、電子ペーパー400Aに表示されたデータの新たな使い道を見出すことができ、ユーザの利便性を向上させながらアプライアンスを向上させて、従来の紙では提供でき得ない機能を持った画像形成装置を提供することができる。
【0047】
上記各形態では、電子ペーパー400に孔版印刷装置100の状態として、画像形成装置の電源のオン/オフ状態、アイドリング状態、省エネ状態、作像状態、ジャム状態、通信状態、サプライ状態、セキュリティ状態を表示するようにしたが、例えば、装置の操作マニュアルや保守点検用のマニュアル多目的情報として表示するようにしてもよい。この場合に電子ペーパー400に表示する時期は、孔版印刷装置100が使われていないアイドリング状態時であると、孔版印刷装置100の動作の邪魔になることが無いので、好ましい。多目的情報としては、マニュアル類に限定されるものではなく、広告情報であってもよい。
【0048】
例えば、第1の実施形態においては、孔版印刷装置100の外部インターフェースとなるUSBI/F209Bに広告情報が記憶されたUSBメモリを接続し、制御手段200Aで、広告情報を読み出して電子ペーパー400に出力すればよい。第2の実施形態では、広告情報を孔版印刷装置100にFAX送信し、その情報を電子ペーパー400あるいは電子ペーパー400Aに出力して表示すればよい。
【0049】
このように多目的情報が電子ペーパー400や電子ペーパー400Aに表示されると、ユーザの利便性を向上させながらアプライアンスを向上させることができる。つまり、情報発信者が、孔版印刷装置100に情報を入力あるいは送信するだけで、孔版印刷装置100が使われていないアイドリング状態時にその情報が電子ペーパー400や電子ペーパー400Aに表示されるので、広告効果を期待することができ、広告表示と画像形成の融合という新たな使用形態を提供することができる。
【0050】
電子ペーパー400,400Aは孔版印刷装置100の外装100Bに固定、あるいは着脱可能として、表示内容の視認性が要求されることから、その大きさとしては少なくとも操作パネル11に設けられる操作表示部115(タッチパネル)よりも大きいことが、好ましいく、B5サイズやA4サイズ程度の大きさを想定している。また、電子ペーパー400を複数装着する場合には、各電子ペーパー400に装置の状態に関する情報やジョブに関する情報を表示することで、様々な方向から表示内容を確認することができるので、より孔版印刷装置100の動作状況を遠方からでも一目で把握することができる。
【符号の説明】
【0051】
1,1A 画像形成システム
2,7 通信手段
3 表示設定手段
4 表示データ保持手段
5 状態監視手段
6 ジョブ管理手段
12 書込み手段
15 コンテンツ抽出手段
20 制御部
20A 制御手段
100 画像形成装置
100B 外装
101 印刷ドラム
103 製版手段
105 給紙手段
106 用紙
107 マスタ
119 感熱孔版フイルム
120 印刷手段
221 受信手段
400,400A 無給電画像表示手段
407 転送手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、
前記画像形成装置の外装に、一体化あるいは着脱可能に当該画像形成装置の周囲から一瞥可能に装着される無給電画像表示手段と、
前記画像形成装置と無給電画像表示手段とを、有線または無線で接続し、各種データの送受信を行う通信手段と、
前記無給電画像表示手段に表示を行うか否か、表示を行う場合の前記無給電画像表示装置に表示する表示項目を設定する表示設定手段と、
前記表示設定手段により設定された表示項目のデータを保持する表示データ保持手段と、
前記画像形成装置の動作状態を監視する状態監視手段と、
前記表示データ保持手段に保持された表示項目に関するデータを解析し、表示項目として前記画像形成装置の状態表示が設定されている場合、前記状態監視手段により、該画像形成装置の状態情報を取得し、得られた情報に基づき、前記無給電画像表示手段に前記画像形成装置の状態情報を表示させるように制御を行う制御部と、
を備えていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記状態監視手段により監視され、前記無給電画像表示手段により表示される情報は、前記画像形成装置の電源のオン/オフ状態、アイドリング状態、省エネ状態、作像状態、ジャム状態、通信状態、サプライ状態、セキュリティ状態の少なくとも1つ以上を含む監視内容情報であることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記画像形成装置の状態がアイドリング状態であった場合、前記無給電画像表示装置に、前記監視内容情報以外の多目的情報の表示を行わせるよう制御することを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置の画像形成に係わるジョブに関する情報を管理するジョブ管理手段を有し、
前記制御部は、前記表示データ保持手段に保持された表示項目に関するデータを解析し、表示項目にジョブ管理の状態表示が設定されている場合、前記ジョブ管理手段により前記画像形成装置のジョブ情報を取得し、得られた情報に基づき前記無給電画像表示手段に、当該画像形成装置のジョブ情報を表示させるように制御を行うことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記ジョブ管理手段により管理され、前記無給電画像表示手段により表示される情報は、前記画像形成装置で現在行われている画像形成ジョブの画像形成状態、現在行われているジョブ終了予定時刻、予め予約登録された実行前の画像形成のジョブ、予約されているジョブの開始予定日時または終了予定日時の少なくとも1つ以上含む情報であることを特徴とする請求項4記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記無給電画像表示手段は、自身への電子的な仮想書込みが行える書込み手段と、前記書込み手段で書込みされた描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データを前記画像形成装置に転送する転送手段を有し、
前記画像形成装置は、前記無給電画像表示手段から転送された描画データまたは描画データを含む画像データを受け取る受信手段と、受信した描画データまたは書込みされた描画データを含む画像データを画像形成の制御、管理あるいは文書そのものとして利用するように制御を行う制御手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成装置は、受け取った描画データから、所定の処理を行うことでコンテンツ情報を得るコンテンツ抽出手段を有し、
前記制御手段は、前記コンテンツ抽出手段で抽出したコンテンツ情報を画像形成の制御や管理あるいは文書そのものとして利用するように制御を行うことを特徴とする請求項6記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、熱可塑性フイルムからなるマスタに熱穿孔プロセスを用いて潜像を形成する製版手段と、前記潜像が形成されたマスタを、インキが充填された印刷ドラムに巻装し、このマスタが巻装された印刷ドラムを回転させ、給紙手段から給紙された用紙と圧接させることにより、前記用紙に可視画像を形成する印刷手段を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−177776(P2010−177776A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15523(P2009−15523)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
【Fターム(参考)】