説明

画像形成システム

【課題】本発明は、綴じ処理可能な用紙数に下限値を有する後処理装置を備えた画像形成システムであり、処理中のジョブが中断した時に画像形成システム内に残余する滞留用紙の数が下限値未満である場合にも滞留用紙を綴じ処理された状態で排出させることを可能にする画像形成システムの提供を目的とする。
【解決手段】滞留用紙の数が下限値未満、且つ1以上であると判定された場合に画像形成システム内の用紙収容部より補充用紙を給紙させ後処理装置に搬送して補充用紙及び滞留用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出させる画像形成システムの提供により、本発明の目的を達成可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後処理装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成された用紙に対して後処理を行う後処理装置を画像形成装置に装着した画像形成装置システムが提供されている。
【0003】
特に、複数枚の用紙で成る用紙束を整合して用紙束の側部をステープルで綴じ、あるいは用紙束の背部を糊付けする後処理を施して、後処理済み用紙束を排紙部に、あるいは接続する用紙排出装置に排出する後処理装置を装着する画像形成システムがある。
【0004】
このような画像形成システムでは、操作部等からジョブ中止の指示が入力されたとき、処理中の画像形成装置のジョブを直ちに中断させる際に、綴じ、排紙等の後処理装置の処理を中断させず継続させて、後処理装置内から全て用紙を排出させる技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。結果として、後処理装置内に残留する滞留用紙を取り出すなどの操作者の手間、あるいは煩わしさを要しない、生産性及びユーザビリティに優れた画像形成システムの提供を可能にしている。
【0005】
特許文献1に記載される画像形成システムは、一連のジョブを中止する指令が画像形成装置から出力されると、ステープル処理部に積載された用紙束の枚数が下限数に達していない場合でも用紙束に対し綴じ処理を行い、後処理装置内の滞留用紙を綴じて排出トレイに排出するよう、制御している。
【0006】
コピー/積載中のジョブの中止を行う場合、ステープル処理部に用紙を積載したままの状態で中止してしまうと、ユーザがその用紙を取り除く必要があり、その際用紙がばらばらになるために操作者が煩雑な処理・操作を強いられる。特許文献1の画像形成システムは、このような問題を解消している。
【0007】
特許文献2に記載される画像形成システムの後処理装置は、実行中の中綴じジョブが中断された場合、滞留用紙を中綴じせずに排出トレイに排出させるよう制御している。但し、滞留用紙の数が未綴じの状態で排出トレイに搬送できる上限数を超えている場合に、滞留用紙に中綴じ処理を施した後に排出させるよう制御している。原則として滞留用紙を綴じ処理せずに排出させ、例外的に綴じ処理を施した後に排出させるものである。機内の滞留用紙を自動的に排出させることを可能にして、扉を開き機内の滞留用紙を取り出すなどの操作者における煩わしさを解消している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−177919号公報
【特許文献2】特開2007−55792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、用紙束の背部に糊を塗布して冊子を作成する後処理装置のような後処理装置は、綴じ処理可能な用紙枚数の仕様において下限数を有するために、実行中のジョブが中断したときに後処理装置内に残余する滞留用紙の枚数が下限数未満である場合に、実行中の冊子作成処理を中断させ、システム内から滞留用紙を取り除く等々のジョブ復帰の操作が終了するまで中断状態を継続させるよう、制御している。そのために、操作者は画像形成システム内の各装置の扉を開放して画像形成システム内の滞留用紙を取り除くための手間及び煩わしさを負わされていた。
【0010】
本発明は、綴じ処理可能な用紙数に下限値を有する後処理装置を備え、処理中のジョブが中断した時に画像形成システム内に残余する滞留用紙の数が下限値未満である場合にも滞留用紙を綴じ処理された状態で排出させることを可能にする画像形成システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
【0012】
1.用紙に画像形成する画像形成装置と、
所定の下限数以上の用紙に綴じ処理を施して冊子を作成することが可能な後処理装置と、
前記画像形成装置及び前記後処理装置を制御して画像形成された前記下限数以上の用紙で成る冊子を作成・排出させる制御部と、を備える画像形成システムであって、
前記制御部は、動作中の冊子作成ジョブが中止された時に前記画像形成システム内に残留する滞留用紙の数が前記下限数以上であるか否かを判定し、前記滞留用紙の数が前記下限数以上であると判定された場合に前記滞留用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出させ、前記滞留用紙の数が前記下限数未満、且つ1以上であると判定された場合に前記画像形成システム内の用紙収容部に収容する用紙を補充用紙として前記後処理装置に給紙・搬送させて前記滞留用紙及び前記補充用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出させることを特徴とする画像形成システム。
【0013】
2.前記滞留用紙の数が前記下限数未満、且つ1以上であると判定される場合に前記画像形成システム内の用紙収容部に収容する補充用紙を前記後処理装置に給紙・搬送させて前記滞留用紙及び前記補充用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出させる追加給紙モードと、前記滞留用紙を画像形成システム内に残留させるシステム停止モードと、を備え、
前記追加給紙モード、あるいは前記システム停止モードが選択可能であることを特徴とする前記1に記載の画像形成システム。
【0014】
3.前記後処理装置に給紙・搬送される前記補充用紙の数Naが下記の条件を満たすことを特徴とする前記1、又は2に記載の画像形成システム。
Na≧Nc−Nr
Nc;下限数、Nr;滞留用紙の数
4.前記補充用紙が搬送される前記用紙収容部の設定は、予め、あるいは冊子作成ジョブの中止時に設定可能であることを特徴とする前記1から3までの何れか1項に記載の画像形成システム。
【0015】
5.前記廃棄用冊子を作成する際に前記後処理装置で冊子を作成させる複数の処理モードを備え、予め、あるいは冊子作成ジョブの中止時に前記複数の処理モードから1つの処理モードを設定可能であることを特徴とする前記1から4までの何れか1項に記載の画像形成システム。
【0016】
6.前記補充用紙を前記後処理装置に給紙・搬送させる時にメッセージ等で成る特殊画像を前記補充用紙上に形成する特殊画像形成モードを備え、予め、あるいは冊子作成ジョブの中止時に前記特殊画像形成モードの設定、あるいは前記メッセージの内容が設定可能であることを特徴とする前記1から5までの何れか1項に記載の画像形成システム。
【0017】
7.前記後処理装置が用紙束の背部に糊付け処理を施して冊子を作成するくるみ製本装置であることを特徴とする前記1から6までの何れか1項に記載の画像形成システム。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、綴じ処理可能な用紙数に下限値を有する後処理装置を備え、処理中のジョブが中断した時に画像形成システム内に残余する滞留用紙の数が下限値未満である場合にも滞留用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出させることを可能にし、滞留用紙の処理におけるユーザビリティに優れた画像形成システムの提供を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適応される画像形成システムの概念図である。
【図2】画像形成装置Gを説明する概念図である。
【図3】頁挿入装置Bの全体構成図である。
【図4】本発明に係る後処理装置としてのくるみ製本装置Kを示す概念図である。
【図5】くるみ製本装置Kの製本動作を説明する図である。
【図6】画像形成システムの制御を示すブロック図である。
【図7】通常の製本動作が正常に終了したときの用紙管理に関する通信手順を示すシークエスチャートである。
【図8】動作中の製本ジョブが中止されたジョブ中止時の通信手順を示すシーケンスチャートである。
【図9】動作中の冊子作成ジョブが強制的に中止された際に本発明に係る本体制御部CGによって実行される廃棄用冊子の作成・排出に関する制御を示すフロー図である。
【図10】本発明に係る本体制御部CGが司る滞留用紙管理の制御を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る本体制御部CGが司る追加給紙トレイの登録に関する制御を示すフローチャートである。
【図12】追加給紙トレイを選択するトレイ設定画面G1を示す平面図である。
【図13】特殊メッセージ及び特殊条件で構成される廃棄冊子条件の設定を変更する制御を示すフローチャートである。
【図14】廃棄冊子条件を設定変更するためのガイド画面G2を示す平面図である。
【図15】特殊画像形成モードの設定及び特殊メッセージを変更するための特殊メッセージ設定画面G3を示す平面図である。
【図16】くるみ製本装置で廃棄冊子作成を処理する特殊条件を設定・変更するための特殊条件設定画面G4を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は説明する本実施の形態に限定されるものではない。
【0021】
[画像形成システム]
図1は、本発明が適応される画像形成システムの概念図である。図示の画像形成システムTは、画像形成装置G、頁挿入装置B、中綴じ装置N、本発明に係る後処理装置としてのくるみ製本装置Kとから構成される。
【0022】
画像形成装置Gは自動原稿送り装置ADF及び大容量給紙装置PSを備え、中綴じ装置Nは中綴じされた冊子を収容する中綴じ冊子収容トレイTR1、くるみ製本装置Kはくるみ製本された冊子を収容するくるみ冊子収容トレイTR2を備えている。
【0023】
操作者は、画像形成装置Gの操作表示部Dを用いて、画像形成システムで実行するジョブの設定を行う。
【0024】
[画像形成装置G]
図2は、画像形成装置Gを説明する概念図である。
【0025】
例示した画像形成装置Gは、複数の感光体31Y、M、C、Kを一本の中間転写ベルト41に対面させて縦列に配列し、フルカラーの画像を形成するタンデム型カラー画像形成装置と称されるものである。
【0026】
この画像形成装置Gは、通信手段を介して他の装置から画像形成に用いるジョブデータや画像データを取得する、あるいはその上部に備える自動原稿送り装置ADFが原稿410を走査して読み取った読取情報から画像データを生成する。
【0027】
自動原稿送り装置ADFの原稿載置台403に載置された原稿410は、一枚ずつに分離され原稿搬送路に送り出され、搬送ドラム408により搬送される。
【0028】
搬送中の原稿410の画像は原稿画像読み取り位置RPにて原稿読取部1により、読み取りがなされる。読み取りが終了した原稿410は複数の搬送ガイド、及び原稿排出ローラ405により原稿排紙台407に排出される。
【0029】
画像形成装置Gは、原稿読取部1、露光部2Y、2M、2C、2K、画像形成部3Y、3M、3C、3K、中間転写部4、定着部5、反転排紙部6、再給紙部7、給紙部8、操作表示部D、制御部CG等から構成され、それらが一つの筐体内に収められている。
【0030】
原稿読取部1は、原稿読取り位置RPにて原稿の画像をランプLにて照射し、その反射光を第1ミラーユニット11、第2ミラーユニット12、レンズ13によって導き、撮像素子CCDの受光面に結像させる。
【0031】
撮像素子CCDにより光電変換された画像信号は、画像読取制御部14にてA/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理がなされ、制御部CGの記憶手段MGに画像データとして格納される。
【0032】
メモリに格納された前記画像データには、ユーザにより設定されている条件により適宜な画像処理が施されて、出力画像データが生成される。
【0033】
露光部2Y、2M、2C、2Kは、レーザ光源、ポリゴンミラー、複数のレンズ等から構成され、レーザビームを生成する。
【0034】
前記露光部2Y、2M、2C、2Kは、制御部Cから送られる前記出力画像データを基に出力される出力情報に対応して、画像形成部3Y、3M、3C、3Kの構成要素である感光体31Y、31M、31C、31Kの表面をレーザビームにより走査露光する。
【0035】
前記レーザビームの走査露光により、感光体31Y、31M、31C、31Kには潜像が形成される。
【0036】
画像形成部3Yは、感光体31Yと、その周辺に配置されている、主帯電部32Y、現像部33Y、第1転写ローラ34Y、クリーニング部35Yからなる。感光体31M、31C、31Kについても同様である。
【0037】
感光体31Y、31M、31C、31K上の潜像は、対応する現像部33Y、33M、33C、33Kにより現像されて、各感光体上にはトナー画像が形成される。
【0038】
像担持体である感光体31Y、31M、31C、31K上に形成された前記トナー画像は中間転写部4の第1転写ローラ34Y、34M、34C、34Kにより、中間転写体である中間転写ベルト41上の所定位置に逐次転写される。
【0039】
トナー画像の転写を終えた感光体の表面はクリーニング部35Y、M、C、Kによって残留トナーが除去される。
【0040】
一方、像担持体となった前記中間転写ベルト41上に転写された前記トナー画像は、第2転写ローラ42によって、大容量給紙装置PS又は給紙部8の上段給紙トレイPG1、中段給紙トレイPG2、下段給紙トレイPG3から搬送され、給紙ローラ81によってタイミングが取られて送り出された転写材である用紙Pに転写される。
【0041】
トナー画像の用紙Pへの転写を終えた中間転写ベルト41はベルトクリーニング部43により、表面が清掃され、次の画像転写に供される。
【0042】
一方、トナー画像を担持した用紙Pは、定着部5に送られ、対向して配置されたローラ又はベルトによって加圧加熱されることによって、トナー画像が用紙Pへ定着される。
【0043】
定着部5による定着処理を終えた用紙Pは、用紙搬送路切替部6により進路が選択される。
【0044】
用紙Pの片面に画像形成をして表裏反転せずに送り出す用紙Pは、そのまま排紙ローラ64に向け進行し、頁挿入装置Bに送られる。
【0045】
なお、用紙Pの裏面にも画像形成を行う場合には、表面の画像定着を終えた用紙Pを用紙ガイド部材62により下方にある再給紙部7に搬送し、再給紙反転ローラ71により後端を挟持させた後、逆送することによって用紙Pを反転させて、再給紙搬送路72に送り出し、裏面への画像形成に供する。
【0046】
[頁挿入装置]
図3は、頁挿入装置Bの全体構成図である。頁挿入装置Bの各機構部は、用紙搬送手段710、挿入紙収納部730、穴明け処理部740、折り搬送部750および折り処理部760を有する。
【0047】
用紙搬送手段710は、入口ローラ712、搬送ローラ713、714、排紙ローラ715、給紙ローラ722、搬送ローラ723、724、725、726を有し、用紙受入部711から受け入れた用紙P、あるいは、挿入紙収納部730に収納されている挿入紙Pbを搬送し、用紙排出部716から排出する。
【0048】
挿入紙収納部730は上下2段の上給紙トレイ731を有する。上下2段の下給紙トレイ732は、挿入紙(用紙に挿入する順序、位置により、カバー用紙、インサート用紙、後カバー用紙、等とも呼称される)を収納可能である。収納された挿入紙Pbは給紙ローラ722により分離、給送され、搬送路r15の搬送ローラ723、724、725、726に挟持されて、分岐部の上流側の入口ローラ712により用紙Pの搬送経路に合流される。以下、用紙P、挿入紙Pbを一括して用紙Pと総称する。
【0049】
入口ローラ712に導入された用紙Pは、非図示の駆動手段により切り換え駆動される搬送路切換手段GT1によって用紙排出部716に向かう搬送路r11、あるいは穴明け処理部740に向かう搬送路r12の何れかに分岐される。用紙Pに穴明け処理及び折り処理が設定されない場合、搬送路切換手段GT1は穴明け処理部740への搬送路を遮断し、用紙排出部716への搬送路を開放する。
【0050】
用紙排出部716に向かう搬送路r11を通過する用紙Pは、搬送ローラ713、714に挟持されて直進し排紙ローラ715により用紙排出部716から排出され、頁挿入装置Bに接続される後述の第2の後処理装置である中綴じ装置Nに導入される。
【0051】
[中綴じ製本装置]
中綴じ装置Nは、特開2006−178293号公報等で公知となっている構成を有し、図1に示すように頁挿入装置Bの下流に接続されている。中綴じ処理を施す場合、頁挿入装置Bから搬入された用紙Pを非図示の中折り処理部に搬送し中折り処理を施し、更に中折りされた用紙Pを非図示の中綴じ処理部に順次集積し中綴じ処理を施す。そして、中折り・中綴じされた用紙(冊子)を中綴じ装置Nの下部に配置された非図示のサブ排紙トレイ上に排出する。
【0052】
中綴じ処理を必要としない場合、頁挿入装置Bから搬入された用紙Pを中折り処理部及び中綴じ処理部に搬送させず、くるみ製本装置Kに排出する。
【0053】
[くるみ製本装置]
図4は、本発明に係る後処理装置としてのくるみ製本装置Kを示す概念図である。また、図5は、くるみ製本装置Kの製本動作を示すである。
【0054】
くるみ製本装置Kは、用紙搬送手段510、排紙手段520、用紙束収容手段530、用紙束搬送手段540、糊塗布手段550、表紙供給手段560、表紙断裁手段570、表紙支持手段580を備えている。
【0055】
くるみ製本処理の設定がされていないジョブの場合には、中綴じ装置Nの用紙搬送路を経由して進行してきた用紙Pは、搬送路切替ゲートGT2の設定により排紙手段520の排紙トレイに送られる。
【0056】
また、くるみ製本処理を行うジョブが設定されていた場合には、用紙Pは、用紙搬送手段510により搬送され用紙束収納手段530に集積され、用紙束S1が形成される。
【0057】
用紙束S1は用紙束搬送手段540により所定位置に搬送され、糊塗布手段550により用紙束S1の背に糊NRが塗布される。
【0058】
糊NRが塗布された用紙束S1の背には、表紙支持手段580に支持された表紙用紙S2が接着され、接着された用紙束S1の背は両縁に沿って折り曲げられ冊子Bfが完成する。
【0059】
図5は、くるみ製本装置の用紙束S1の形成と以降の工程を説明する図である。
【0060】
用紙束収容手段530は、傾斜配置された用紙載置台535、移動可能な用紙後端位置決め部材536、用紙の幅方向の整合を行う整合部材537、等を有する。
【0061】
画像形成装置Gから排出され前記用紙搬送手段510によって送られた用紙Pは、前記用紙載置台535に順次載置され、所定枚数の用紙からなる用紙束S1を形成する。
【0062】
用紙束収容手段530の用紙載置台535上に積載された用紙束S1は、整合が終わると、把持手段541によって把持される。把持手段541による用紙束S1の把持がなされると、用紙後端位置決め部材536は図示しない駆動手段により移動されて用紙載置台535の下方に待避する。
【0063】
用紙束S1を把持した把持手段541は、図示の破線で示す斜め下方に移動したのち旋回して、用紙束S1に糊塗布処理が施された背Saが下側になるように用紙束S1を直立状態に保持して、所定位置に停止する。
【0064】
一方、表紙供給手段560の表紙積載手段561内に収容された表紙用紙S2は、給紙手段562により分離、給送され搬送ローラ563、564、565に挟持され、表紙支持手段580の搬送ローラ581、582によって搬送されて所定位置に停止される。
【0065】
表紙用紙S2が用紙束S1に対してくるみ製本処理を行う際に必要な長さよりも長い場合には、搬送ローラ565の図示右方に配置された表紙断裁手段570によって表紙用紙S2の断裁を行い、予め余分な部分が取り除かれる。
【0066】
糊塗布手段550は、糊NRを収容する収容部材としての溶融タンク553、塗布部材としての塗布ローラ551及び図示しない規制部材、掻取手段、ヒータ、糊温度センサ、及び残量センサ等を有する。
【0067】
溶融タンク553には、タンク内の糊量を検知する残量センサ(不図示)の信号に基づいて団塊状の固形糊が補給される。溶融タンク553の外周部と塗布ローラ51の内部にはヒータが備えられており、溶融タンク53に補給された固形糊は塗布前に所定温度に加熱されて溶融状態に達している。
【0068】
直立状態に保持された用紙束S1の背Saへの糊の塗布は、溶融タンク553中の糊に浸漬され、モータM及び駆動手段552により回転する塗布ローラ551を用紙束の背Saに対して往復運動させることにより行われる。
【0069】
塗布ローラ551を往復運動させる速度は、後述で示す製本制御装置により変更可能であり、通常の冊子作成に用いる通常速度モードと、通常速度モードに対し2倍の速度で往復運動させる倍速モードを備えている。倍速モードは、消費される糊NRの消費量を概ね半減でき、又糊塗布に要する処理時間も大幅に低減可能でき、コスト及び処理時間の低減に有効である。
【0070】
《表紙糊付け処理》
用紙束S1への糊塗布工程終了後、図示しない駆動手段により昇降手段586が移動筐体584を上部の所定位置まで移動させる。この上昇位置において、加圧部材583上に載置された表紙用紙S2の中央部は、用紙束S1の糊塗布面に圧接され接着される。
【0071】
《角背成形処理》
糊NRが塗布された用紙束S1の背Saに表紙用紙S2を接着したのち、表紙支持手段580の上昇状態において、一対の折曲部材588が図示しない駆動手段によって駆動される。用紙束S1を把持した把持手段541が下降して用紙束S1が下降することにより、表紙用紙S2は一対の折曲部材588に挟持されて下降し、用紙束S1の糊塗布面の側縁部から湾曲される。
【0072】
その後、一対の折曲部材588は、用紙束S1の糊塗布面側へ向かって水平方向に移動して用紙束S1の両側面を圧迫して整形し、冊子Bfを作成する。
【0073】
排出ベルト587により排出された冊子Bfは、図5に示す昇降可能な搬送ベルト91を有するくるみ冊子収容トレイTR2に順次収容される。
【0074】
以上のように表紙糊付け処理及び角背成形処理が施された冊子Bfは最も高品質な冊子であるが、表紙糊付け処理、あるいは角背成形処理を省略することも可能である。省略により冊子作成の時間を短縮できる、あるいは冊子を安価に作成できるという長所がある。
【0075】
なお、上述したような機構を有するくるみ製本装置は、特開2008−272963号公報等で公知のものである。
【0076】
上述のように、本発明に係るくるみ製本装置Kは、用紙束の背部に糊を塗布しており、用紙束の用紙枚数が少ない場合には接着面積が確保できず用紙束が十分に接着されない。従って、スタックされる用紙束の用紙数が下限数未満にならないよう、つまり下限数以上を担保するよう、後述のくるみ製本装置Kの制御を司る製本制御部によって管理されている。
【0077】
[画像形成システムの制御]
図6は、画像形成システムTの制御を示すブロック図である。なお、本図では、本発明の説明に直接関係しないブロックの記載が省略されている。
【0078】
画像形成システムTを構成する画像形成装置G、頁挿入装置B、中綴じ装置N、くるみ製本装置Kは、それぞれ自身の制御部として、本体制御部CG、頁挿入制御部CB、中綴じ制御部CN、製本制御部CKを備えている。
【0079】
各制御部はCPU、内部メモリMG、MB、MN、KK、外部メモリ、例えば、半導体フラッシュメモリ、磁気ディスク等の大容量の記憶手段である記憶手段MMG、MMC、MMN、MMK、入出力I/O、通信用インターフェイス、駆動回路等を有するコンピュータシステムである。また、各制御部は各々が有するメモリ内に格納されているプログラムを実行させることにより所定の制御を行う。
【0080】
各装置の制御部は通信手段を利用して各装置が把握すべき情報を必要に応じて通信しあい、共有している。本発明に係る制御部として本体制御部CGは、頁挿入制御部CB、中綴じ制御部CN及び製本制御部CKを統括的に管理し、画像形成システムが司る各種ジョブを遂行する。
【0081】
画像形成システムに関する各種の設定は、複数のジョブを画像形成装置Gの操作表示部Dより変更・選択可能である。システム全体を統括的に制御する本体制御部CGは、ジョブの内容に関するジョブデータを画像データと共に一旦格納し、設定された予め定めた手順に基づき各ジョブの実行を進める。本体制御部CGは、ジョブの開始に先立って、ジョブデータを各装置の制御部に転送する。
【0082】
各制御部は、第1通信手段TT1及び第2通信手段TT2で構成される通信手段によって大量の情報を高速に交換可能できるように接続されている。本実施の形態では、大量の画像データの短時間転送を可能にする第2通信手段TT2を設けているが、通信手段は大量の画像データと共に、実行中のジョブに関する各装置の進行情報(ステータス情報)を各制御部の間で相互に交換している。ここでは通信手段は第1通信手段TT1及び第2通信手段TT2を有しているが、1つでもよい。
【0083】
例えば、製本作成ジョブを司る場合に、本体制御部CGは他の各制御部CB、CKとの間で以下に示す通信手順に基づき、用紙処理のステータス情報を交換している。ここでは、本発明に係る『実行中のジョブを中止する指令が発信された場合に画像形成システム内に残留する残留用紙の枚数を取得する残留用紙取得管理』に関連するステータス情報を主に示しているが、実際に製本作成ジョブを遂行する場合に多くステータス情報を交換している。
【0084】
また、画像形成装置Gの通信手段は画像形成システム以外の外部装置との通信も通信可能なものであり、外部装置から画像形成システム送られたジョブデータや画像データを受信することもできる。
【0085】
[用紙処理の通信手順(その1)]
図7は、冊子作成ジョブの実行時の通信手順を示すシーケンスチャートである。上部に右側から、本体制御部CG、頁挿入制御部CB、中綴じ制御部CN、製本制御部CKが配列し、左右方向の矢印は各制御部の間で交換される通信手順を示す。時間は下方に進行しており、図示のT1〜T9に示す各タイミングにおいて各制御部間で通信が交換されている。
【0086】
F01からF05に示す吹き出しは各装置で生じた状態を示す。F01の吹き出しは画像形成装置Gで冊子作成ジョブを開始したジョブ開始状態を示し、F02の『Dpf』で示す吹き出しは画像形成装置Gの給紙部から用紙が給送された給紙開始状態を示す。F03の『Dpe』で示す吹き出しは、各装置から用紙Pが下流側の装置に排出された用紙排出完了状態を示す。F04の『Dps』で示す吹き出しは、くるみ製本装置Kのスタック部に用紙Pがスタックされた用紙スタック終了状態を示す。F05の『Dbe』で示す吹き出しは、くるみ製本装置Kで冊子が完成されて排紙トレイに排出された冊子排出完了状態を示す。F06の『冊子作成ジョブ完了』で示す吹き出しは本体制御部CGが一連の冊子作成ジョブの完了を判定した状態を示す。
【0087】
T1のタイミングに、本体制御部CGが『冊子作成ジョブの指令』を受けて『冊子作成ジョブ開始』の通知を各装置に発信している。
【0088】
T2のタイミングに、本体制御部CGは、最初の冊子を作成するために最初の用紙が画像形成装置の給紙部から給紙された状態を検知すると、用紙の給紙通知を各装置に送信している。
【0089】
T3のタイミングに、頁挿入制御部CBは、ジョブに準じて用紙Pを処理し中綴じ装置への用紙排出完了状態を検知すると、用紙の排出通知を本体制御部CGに送信する。
【0090】
T4のタイミングに、中綴じ制御部CNは、ジョブに準じて用紙Pを処理しくるみ製本装置への用紙排出完了状態を検知すると、用紙の排出通知を本体制御部CGに送信する。
【0091】
T5のタイミングに、製本制御部CKはくるみ製本装置Kのスタック部に用紙Pが積載された旨の通知を本体制御部CGへ送信する。
【0092】
T6のタイミングに、本体制御部CGは、m枚目の用紙が画像形成装置の給紙部から給紙された状態を検知すると、用紙の給紙通知を各装置に送信している。
【0093】
T7のタイミングに、製本制御部CKは、ジョブに基づきスタックされた用紙束の背部に糊付け処理を施し表紙を接着して最初の冊子を作成し、更にくるみ冊子収容トレイに冊子排出された状態を検出すると、冊子の排出通知を本体制御部CGに送信する。
【0094】
T8のタイミングに、製本制御部CKは、最後冊子の作成・排出を検出すると、冊子の排出通知を本体制御部CGに送信する。
【0095】
T9のタイミングに、製本制御部CKは一連の冊子作成ジョブの完了を判断し冊子作成ジョブの完了通知を各制御部に送信している。
【0096】
上記のように、各制御部は各種の状態を検知すると他の装置に対し状態(ステータス)情報を送信する。本体制御部CGは、他の装置から送信されるステータス情報に基づき、画像形成システムで実行される冊子作成等の各種ジョブに関する統括的な進行を制御している。
【0097】
図7は、冊子作成ジョブが中止されることなく正常に終了した場合のシーケンスチャートであるが、画像形成装置の本体制御部CGは、各装置から送信されるステータス情報に基づき随時画像形成システム内に未冊子状態で残存している用紙の枚数を把握している。
【0098】
[用紙管理に関する通信シーケンス(その2)]
図8は、動作中の製本ジョブが中止されたとき通信手順を示すシーケンスチャートである。
【0099】
ここでは、第1冊目の冊子が未だ作成されていない状態で、且つ次冊子の第1用紙が画像形成装置から給紙された後に、画像形成装置の操作表示部より動作中の冊子作成ジョブを強制的に中止(キャンセル)する操作が入力された場合を示している。
【0100】
T1からT6までの各タイミングに為される制御は、図7と同一であり、省略する。
【0101】
T7のタイミングに、本体制御部CGは、ジョブ強制中止の入力を検知すると、中止時に画像形成システム内に残留する滞留用紙Prの数Nrを判定する処理を行う。そして、その判定結果に基づき中止時に他の装置に動作させるための中止情報を設定し、各制御部CB、CN、CKに中止情報を送信する。くるみ製本装置Kの制御を司る製本制御部CKに送信される中止情報は、例えば、製本制御部CKが正規の冊子Bfとして排出する用紙と操作者によって廃棄されるべき廃棄用冊子Bdとして排出する滞留用紙Prとを区分できるような情報である。
【0102】
なお、廃棄用冊子Bdは仮称であり、ジョブの強制中止によって生じた画像形成システム内の滞留用紙Prを用紙束としてスタック部に積載し更にその用紙束の背部に糊付けを施して排出されるものである。そして排出後に操作者によって廃棄される。
【0103】
F11の『中止検知』の吹き出しは、本体制御部CGが動作中ジョブの強制中止の入力を検知した状態を示す。F12の『滞留用紙数判定』のブロックは、本体制御部CGが中止時に画像形成システム内に残留する滞留用紙の枚数を判定する処理を示す。F13の『中止情報設定』の吹き出しは、中止時に他の装置に動作させるための中止情報(例えば、滞留用紙の枚数等で成る)を設定する状態を示す。
【0104】
T2のタイミングに、製本制御部CKは本体制御部CGから送信された中止情報に基づき、正規冊子、又は廃棄用冊子の作成・排出を終了すると、『冊子排出通知』を本体制御部CGに送信する。F05の『Dbe』で示す吹き出しは、廃棄用冊子の排出を完了した状態を示す。
【0105】
以上のように、本発明に係る画像形成システムの本体制御部CGは、強制中止された場合に自動的に廃棄用冊子を作成・排出している。
【0106】
また、強制中止時に画像形成システム内に滞留する滞留用紙Prの数Nrがくるみ製本装置Kによって糊付け可能な下限数Nc未満である場合には、数Naの補充用紙Paを画像形成システム内の給紙トレイからくるみ製本装置Kに追加的に給紙・搬送させる。
【0107】
製本制御部CKは、くるみ製本装置Kの各部を制御して、本体制御部CGから送信された中止情報に基づき、搬入された補充用紙Paを既に積載された滞留用紙Prの上部に積載させ、補充用紙Paと滞留用紙Prで構成される用紙束の背部に糊付けを施し廃棄用冊子Bdを作成する。更に、廃棄用冊子Bdをくるみ排紙トレイ上に排出させる。
【0108】
なお、Na、Nc、Nrは、次式のような関係である。
【0109】
Na≧Nc−Nr
以上のように、画像形成システム内の滞留用紙Prの数Nrが如何なる場合でも常に下限数Nc以上の用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出できるために、画像形成システム内の滞留用紙を取り除くことが不要になり操作者の手間及び煩雑な操作が解消され、ユーザビリティにおいて大幅な改善が達成できる。
【0110】
[廃棄用冊子の作成・排出に関する制御]
図9は、動作中の冊子作成ジョブが強制的に中止された際に本発明に係る本体制御部CGによって実行される廃棄用冊子の作成・排出に関する制御を示すフロー図である。
【0111】
S1は、動作中の冊子作成ジョブが強制的に中止した場合に廃棄用冊子の作成と排出を自動的に実行する冊子排出モードが予め設定されている否かを判定する工程である。
【0112】
本発明の画像形成システムは、画像形成装置の操作表示部に所定の操作を行うことによって、冊子排出モードを事前に設定することが可能である。
【0113】
S1で『NO』の場合には、S2の工程へ移行し、『YES』の場合にはS4の工程に移行する。
【0114】
S2は、『滞留用紙を冊子として排出させるか?画像形成システムをそのまま停止させて、滞留用紙を取り除くか?』のメッセージを有する第1選択画面を画像形成装置の操作表示部に表示させる工程である。そしてS3の工程に移行する。
【0115】
S3は、上記選択画面で冊子排出モードが設定されているか否かを判定する工程であり、操作者が冊子排出モードを選択すると(YESの場合に)、S4の工程に移行する。NOの場合には、S10の工程に移行し画像形成システムを停止させて、操作者により画像形成システム内の滞留用紙が取り除かれるまでその状態を維持させる。
【0116】
S4は、画像システム内の滞留用紙の数Nrがくるみ製本装置Kによって糊付け可能な下限数Nc以上であるか否かを判定する工程である。下限数Nc以上である場合(YESの場合)にS10の工程に移行し、下限数Nc未満の場合(NOの場合)にS5の工程に移行する。S5は滞留用紙の数Nrが1以上であるか否かを判定する工程である。S5工程で1以上の場合(YESの場合)にS6工程に移行し、0の場合にS11に移行するものである。
【0117】
つまり、画像システム内の滞留用紙の数Nrが下限数以上の場合にS10工程に移行し、Nc未満、且つ1以上の場合にS6工程に移行し、0の場合にS11工程に移行する。
【0118】
S6は、滞留用紙Prの数Nrが下限数Nc未満の場合に補充用紙Paを追加的に給紙する追加給紙モードMafが事前に設定されているか否か?を判断する工程である。事前に追加給紙モードMafが設定されている場合(YESの場合)に、S7の工程に移行する。追加給紙モードMafが設定されていない場合(NOの場合)、S8の工程に移行する。
【0119】
本発明に係る画像形成システムの実施形態では、操作者等の操作によって追加給紙モードが事前に設定可能である。
【0120】
S7は、補充数Naの補充用紙Paを画像形成システム内の給紙トレイより給紙してくるみ製本装置Kまで搬送する追加給紙処理を行う工程である。
【0121】
S8は、操作者等が追加給紙モードを手動的に選択できる第2選択画面を操作表示部に表示する工程である。
【0122】
S9は、第2選択画面で追加給紙モードMafを選択するか否かを判定する工程である。操作者によって追加給紙モードMafが選択されると(YESの場合)、S6の工程に移行し、数Naの補充用紙Paがしくるみ製本装置Kに給紙搬送される。NOの場合に、S11の工程に移行する。
【0123】
S6、又はS9の工程で『YES』と判定されると補充数Naの補充用紙Paをくるみ製本装置Kに給紙搬送する追加給紙モードMafを実行する。
【0124】
S10は、画像形成システム内の滞留用紙Prの全てをくるみ製本装置のスタック部に搬送させ、滞留用紙Prで成る用紙束の背部に糊付け処理を施し廃棄用冊子Pdを作成・排出する廃棄用冊子処理モードMbdを製本制御部CKに実行させる工程である。
【0125】
S4工程で『YES』と判定された場合は、S10の追加給紙処理を行わず廃棄用冊子処理モードMbdを直ちに製本制御部CKに実行させる。
【0126】
S11は、画像形成システムを停止させるシステム停止モードMshを実行する工程であり、操作者によって滞留用紙が取り除かれるまで画像形成システム内の停止状態を維持させる。
【0127】
S5工程でNOが判定された場合は、ジョブ中断した際に画像形成システム内に滞留用紙が存在しない状態であり、S11に移行し正常な冊子Bfの作成・排出を完了した上で画像形成システムを停止させる。
【0128】
[滞留用紙管理の制御]
図10は、本発明に係る本体制御部CGが司る滞留用紙管理の制御を示すフローチャートである。
【0129】
本体制御部CGは、他の制御部CB、CKとの間でステータス情報の交換を行い、画像形成システムを構成する各装置に滞留している用紙数、あるいは画像形成システム内に未綴じ状態で滞留している用紙数を常時管理している。滞留用紙管理の制御の一例について以下説明する。
【0130】
S201は、冊子作成ジョブを開始する際の初期化処理である。用紙カウントCntをリセットし、冊子の用紙数Cpをセットする。
【0131】
S202は、動作中ジョブ中止の有無をチェックする工程である。通常は『NO』であるために、S203工程へ移行する。
【0132】
S203は、給紙の有無を判定する工程である。給紙が有の場合(YESの場合)に、S204工程に移行し、S204はカウントアップ工程であり、用紙カウントCntが1カウント加算される。給紙が無の場合(NOの場合)にS205工程に移行する。
【0133】
S205は冊子排出検知の有無を判定する工程である。そして、冊子排出が有の場合(YESの場合)に、S206工程に移行する。
【0134】
S206は、用紙カウントCntから冊子の用紙数Cpを減算する工程である。従って、冊子排出毎に用紙カウントCntからCpが減算される。
【0135】
S205工程で冊子排出が無の場合(NOの場合)に、S202工程に戻る。
【0136】
そして、S202工程でジョブ中止と判定されると、S207工程に移行し、滞留用紙Prの数Nrに進行中の用紙カウント用紙カウントCntを代入する。
【0137】
以上のように、動作中の印刷ジョブが強制的に停止するような事態が起きた場合でも、本体制御部CGは、画像形成システム内の滞留用紙Prの数Nrを瞬時に把握可能である。つまり、本体制御部CGは、画像形成システム内に残留する全ての滞留用紙Prを後段のくるみ製本装置に搬送させて廃棄用冊子Bdを作成させることが可能であるか否かを瞬時に判断している。
【0138】
滞留用紙の数Nrが下限数Nc以上の場合に、画像形成システム内の全ての滞留用紙Prをくるみ製本装置に搬送させて廃棄用冊子Pdを作成させ冊子収容トレイに排出させる。他方、滞留用紙の数Nrが下限数Nc未満の場合に、画像形成システム内の給紙トレイから補充用紙Paを追加的に給紙・搬送させて滞留用紙Prと合体させた廃棄用冊子Bdを作成させ、冊子収容トレイに排出させる。本体制御部CGは、上記のような処理が実行されるよう、画像形成システムの各制御部を制御している。
【0139】
[追加給紙トレイの設定に関する制御]
図11は、本発明に係る本体制御部CGが司る追加給紙トレイの設定に関する制御を示すフローチャートである。
【0140】
以下に追加給紙トレイの設定に係る実施形態を以下に説明する。補充用紙Paを収容する画像形成システム内の用紙収容部としての追加給紙トレイは、予め、あるいは冊子作成ジョブの強制中止時に変更可能である。操作者及び管理者等は、補充用紙Paを所定の給紙トレイに装填しその給紙トレイを追加給紙トレイとして設定することにより、廃棄用冊子用としてふさわしい用紙を補充用紙として適宜利用可能である。例えば、印刷済みで廃棄待ちにある用紙、安価な用紙を利用することで廃棄用冊子の作成に伴う資源及びコストを抑制できる。又は色紙の補充用紙、『廃棄冊子です』等のメッセージが印刷された用紙を利用することで、正規冊子と判別し易く廃棄用冊子を誤って廃棄するような事態の発生を未然に抑制できる。
【0141】
S301は、画像形成装置の操作表示部等より追加給紙トレイを選択するための指示が為されたか否かをチェックする工程である。操作者等によりトレイ選択指示が有る場合(YESの場合)、S304工程に移行する。
【0142】
S304は操作者、管理者にトレイ選択させるためのトレイ設定画面を操作表示部に表示させる工程である。
【0143】
図12は、追加給紙トレイの設定を選択するトレイ設定画面G1を示す平面図である。
【0144】
トレイ設定画面G1は、画像形成装置に配設された複数の給紙トレイを選択するための選択肢を表示する第1表示領域G11、頁挿入装置に配設された複数の給紙トレイを選択するための選択肢を表示する第2表示領域G12、複数の操作釦G13、G14、G15、G16を有する。
【0145】
第1表示領域G11には上段給紙トレイの選択肢G111、中段給紙トレイの選択肢G112、下段給紙トレイの選択肢G113が配設され、第2表示領域G12には上段給紙トレイの選択肢G121と下段給紙トレイの選択肢G122が配設されている。各選択肢は、○、あるいは●で示す釦と、釦の右側に表示される名称欄とで構成される。各選択肢の名称欄は給紙トレイに対応するものであり、各選択肢の釦は各選択肢に対応する給紙トレイが追加給紙トレイに選択されているか否かの状態を表す。●は選択状態を示し、○は非選択状態を示す。例えば、G121は頁挿入装置の上段給紙トレイに対応する選択肢であり、追加給紙トレイに選択されていることを明示している。
【0146】
G13、G14は各選択肢を順次切替るための操作釦であり、G13を押下する毎に●釦は下方に順次シフトし、●釦がG122の選択肢にある場合にはG111の選択肢にシフトし、G113の選択肢にある場合にはG121の選択肢にシフトする。G14を押下する毎に●釦はG13押下と反対方向に上方に順次シフトし、●釦がG111の選択肢にある場合にはG122の選択肢にシフトし、G111の選択肢にある場合はG123の選択肢にシフトする。
【0147】
このように、操作者等は、操作釦G13、G14の押下操作により追加給紙トレイを適宜選択可能である。
【0148】
G15はトレイ設定画面G1の下で選択されている給紙トレイを追加給紙トレイに確定する操作釦であり、G15の操作釦が押下されると追加給紙トレイを確定し、トレイ設定画面G1を消去する。
【0149】
G16は、現行設定されている、及びトレイ設定画面G1で選択されている追加給紙トレイを無効にする操作釦である。G16の操作釦が押下されると、追加給紙トレイの設定は無効になりトレイ設定画面G1は消去される。追加給紙トレイの設定が無効にされると、実行中のジョブに使われている給紙トレイが自動的に追加給紙トレイとして転用される。
【0150】
S305は、図12のトレイ設定画面G1において確定釦G15が押下されたか否かをチェックする工程である。G15の操作釦が押下されると(YESの場合に)、S306工程に移行する。S306は、トレイ設定画面G1で設定された追加給紙トレイを本体制御部CG内の不揮発メモリに格納・登録する工程である。また、G16の操作釦が押されると、既に不揮発メモリに記憶された追加給紙トレイを消去させる。
【0151】
S301工程からS303工程までに示すように、動作中のジョブが強制的に中止した際にも追加給紙トレイの設定・変更を可能にするものである。
【0152】
S301工程は『NO』であってもS302工程で動作中ジョブの中止を判定されると(YESの場合に)、S303工程に移行する。S303は、自動的にトレイ設定画面に移行するモードが登録されているか否かをチェックする工程であり、この工程で登録済みと判定された場合にS304工程へ移行する。
【0153】
つまり、自動的にトレイ設定画面に移行するモードが登録されていると、動作中ジョブの強制中止時にトレイ設定画面G1が自動的に表示され、操作者等は追加給紙トレイを適宜設定可能である。
【0154】
但し、S303工程で『NO』と判定された場合、つまり、自動的にトレイ設定画面に移行するモードが登録されていない場合、追加給紙トレイの変更は行われない。
【0155】
なお、本発明に係る画像形成システムは、上記のように追加給紙トレイを選択する機能を備えていない形態でもよく、その場合には当然であるが、強制中止の冊子作成ジョブに使われていた給紙トレイから補充用紙Paの追加給紙が行われる。
【0156】
[特殊画像形成モード]
以下に示す実施形態は、補充用紙が画像形成装置内を移動する際に、『これは廃棄する冊子です』等の特殊メッセージを用紙上に形成させる特殊画像形成モードMsgを備えるものである。特殊画像形成モードMsgの設定及び特殊メッセージの内容は、予め、あるいは冊子作成ジョブの強制中止時に操作者等の操作により設定可能である。
【0157】
また、以下に示す実施形態は、動作中ジョブが強制的に中止された際に廃棄用冊子Pdを正規の冊子と異なる特殊条件で作成させるような廃棄用冊子処理モードMbdを備えるものである。特殊冊子作成モードは、予め、あるいは冊子作成ジョブの強制中止時に操作者等の操作により設定可能である。
【0158】
図13は、特殊メッセージ及び特殊条件で構成される廃棄冊子条件を設定する制御を示すフローチャートである。
【0159】
S401は、画像形成装置の操作表示部等で廃棄冊子条件の変更が指示されたか否かをチェックする工程である。操作者等により廃棄冊子条件の変更が指示される(YESの場合)と、S404工程に移行する。
【0160】
S404は廃棄冊子条件の設定を変更するためのガイド画面G2を画像形成装置の操作表示部等に表示させる工程である。
【0161】
図14はガイド画面G2を示す平面図である。図示のように、ガイド画面G2には、現在設定されている廃棄冊子条件が表示される現行条件表示領域G21と、3つの選択釦G22、G23、G24が配設されている。
【0162】
現行条件表示領域G21には、特殊メッセージを示すメッセージ表示欄と、特殊条件を示す条件表示欄を有する。図示では『廃棄冊子です。』がメッセージ表示欄に、『倍速糊付け処理』が条件表示欄に表示されている。
【0163】
G22は特殊メッセージを変更するための選択釦である。そして、G23は特殊条件の設定を変更するための選択釦である。G24は現行の冊子作成条件を継続させるための選択釦G24である。
【0164】
ガイド画面G2の表示の下でG22の選択釦が選択されると、S406工程に移行し、ガイド画面G2に代わり特殊メッセージ設定画面G3が画像形成装置の操作表示部に表示される。
【0165】
図15は、特殊画像形成モードMsgの設定及び特殊メッセージを変更するための特殊メッセージ設定画面G3を示す平面図である。
【0166】
特殊メッセージ設定画面G3には、図示のように現行の特殊メッセージを表示する欄G31と、操作者等によって表示操作部のキー操作で変更された特殊メッセージを表示する欄G32が配設されている。G32には『注意!廃棄用冊子です。』が入力され、表示している。
【0167】
特殊メッセージ設定画面G3の下部には、『中止』で示す操作釦G35、『クリア』で示す操作釦G33、『確定』で示す操作釦G34が右から配設されている。G33はG32に表示された変更する特殊メッセージを消去する操作釦である。G34はG32に表示された変更用の特殊メッセージを確定する操作釦である。G35は、現行の特殊メッセージ及び変更用のメッセージを全て無効にする、つまり、特殊画像形成モードMsgを無効にする操作釦である。G34の操作釦が押下されると特殊メッセージ設定画面G3は消えて特殊メッセージの変更が確定する。G35の操作釦が押下されると特殊メッセージ設定画面G3は消え、特殊画像形成モードMsgの無効が確定する。G33の操作釦が押下しても特殊メッセージ設定画面G3は消えず、G32に表示された特殊メッセージが消えるだけである。
【0168】
特殊メッセージ設定画面G3でG34の設定釦及びG35の設定釦が押下されると、S407工程に移行する。S407は、ガイド画面G2の表示の下でG23の選択釦が押下されたか否かを判定する工程である。そして、選択釦G23が選択された場合(YESの場合)に、S408工程に移り、NOの場合にはS409工程に移行する。
【0169】
S408は、くるみ製本装置で廃棄用冊子の作成を処理する特殊条件を設定・変更するための特殊条件設定画面G4を表示する工程である。
【0170】
図16は、特殊条件設定画面G4を示す、平面図である。
【0171】
特殊条件設定画面G4には、図示のように廃棄用冊子処理モードMbdとして既に設定されている現行の特殊条件を表示する現行条件表示欄G41と、廃棄用冊子処理モードMbdとして動作可能な複数の特殊条件に対応する選択肢を表示する変更条件表示欄G42とを有し、その下方に操作釦G43、G45,G46、G44を配設する。
【0172】
現行条件表示欄G41には現行の特殊条件として『糊付け速度は倍速である』の内容が表示されている。変更条件表示欄G42には、変更する特殊条件として3つの選択肢G421、G422、G423が上下に配設されている。各選択肢は○、あるいは●で示す釦と、その釦の右側の特殊条件に対応する内容を表示する名称欄で構成される。各選択肢の釦は各選択肢に対応する特殊条件が選択されているか否かの状態を表す。●は選択状態を示し、○は非選択状態を示す。
【0173】
G421の選択肢に対応する特殊条件は用紙束の背部に糊塗布するために用紙束の背部に対して往復運動する塗布ローラの速度を2倍に増加させるくるみ製本装置の動作条件である。この廃棄用冊子処理モードMbdを動作させることによって、廃棄用冊子Mdの作成に要する時間が短縮でき糊消費量も削減でき、生産性向上及びコスト削減において有効である。
【0174】
G422の選択肢に対応する特殊条件は、図5,6のくるみ製本装置の記載で述べた角背成形処理が省略されるくるみ製本装置の動作条件である。この特殊処理モードの動作により廃棄冊子の作成に要する時間が短縮でき、生産性向上において有効である。
【0175】
G423の選択肢に対応する特殊条件は、G421の選択肢に対応する特殊条件とG422の選択肢に対応する特殊条件を併用させるくるみ製本装置の動作条件である。この特殊処理モードの動作により廃棄冊子の作成に要する時間が短縮できる。この特殊処理モードは上記の2つの特殊条件に比較し、廃棄冊子の作成に要する時間及びコストで最も優れている。生産性向上及びコスト削減において最も優れている。
【0176】
G45、G46は各選択肢を順次切替るための操作釦であり、●釦はG45を押下するとM2で示す矢印の方向に一つシフトし、G46を押下すると該矢印の反対方向に一つシフトする。操作釦G45、G46の押下操作により、操作者等は追加給紙トレイを適宜選択可能である。
【0177】
G44はG42に表示された変更用の特殊条件における選択を確定する操作釦である。G44の操作釦が押下されると特殊条件設定画面G4は消え、特殊条件の設定・変更は確定する。
【0178】
G43は、G41に表示された現行の特殊条件及びG42で選択されている変更用の特殊条件を全て無効にする、つまり、廃棄用冊子処理モードMbdを無効にする操作釦である。G43の操作釦が押下されると特殊条件設定画面G3は消え、廃棄用冊子処理モードMbdは無効になる。
【0179】
特殊条件設定画面G4の表示の下でG44及びG43の操作釦が押下されると、画像形成装置の操作表示部に表示された特殊条件設定画面G4は消去され、S409工程に移行する。そして、G44操作釦の押下により特殊条件設定画面G4で選択されている特殊条件の廃棄用冊子処理モードMbdが設定される。また、G43操作釦の押下により廃棄用冊子処理モードMbdの設定が無効にされる。
【0180】
上記の実施形態では、S401工程からS403工程までに示すように、動作中のジョブが強制的に中止した際にもS404工程に移行し選択ガイド画面G2が表示され、特殊画像形成モードMsg及び廃棄用冊子処理モードMbdを選択可能である。
【0181】
図15の特殊メッセージ設定画面G3及び図16の特殊条件設定画面G4において確定釦G34、G44が押下されると、S409工程に移行し、特殊メッセージ設定画面G3及び特殊条件設定画面G4の設定・変更を確定する。
【0182】
なお、本発明に係る画像形成システムは、上記実施形態に限定されるものでなく、LAN等及びバスを介して画像形成装置に接続する情報処理装置を含む画像形成システムでものよい。
【符号の説明】
【0183】
T 画像形成システム
G 画像形成装置
G1 トレイ選択画面
G2 ガイド画面
G3 特殊メッセージ設定画面
G4 特殊条件設定画面
K くるみ製本装置(後処理装置)
P 用紙
Pr 滞留用紙
CG 本体制御部(制御部)
Pa 補充用紙
Bf 冊子
Bd 廃棄用冊子
Nc 下限数
Nr 滞留用紙の数
Na 補充用紙の数
Maf 追加給紙モード
Msh システム停止モード
Msg 特殊画像形成モード
Mdb 廃棄用冊子処理モード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像形成する画像形成装置と、
所定の下限数以上の用紙に綴じ処理を施して冊子を作成することが可能な後処理装置と、
前記画像形成装置及び前記後処理装置を制御して画像形成された前記下限数以上の用紙で成る冊子を作成・排出させる制御部と、を備える画像形成システムであって、
前記制御部は、動作中の冊子作成ジョブが中止された時に前記画像形成システム内に残留する滞留用紙の数が前記下限数以上であるか否かを判定し、前記滞留用紙の数が前記下限数以上であると判定された場合に前記滞留用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出させ、前記滞留用紙の数が前記下限数未満、且つ1以上であると判定された場合に前記画像形成システム内の用紙収容部に収容する用紙を補充用紙として前記後処理装置に給紙・搬送させて前記滞留用紙及び前記補充用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記滞留用紙の数が前記下限数未満、且つ1以上であると判定される場合に前記画像形成システム内の用紙収容部に収容する補充用紙を前記後処理装置に給紙・搬送させて前記滞留用紙及び前記補充用紙で成る廃棄用冊子を作成・排出させる追加給紙モードと、前記滞留用紙を画像形成システム内に残留させるシステム停止モードと、を備え、
前記追加給紙モード、あるいは前記システム停止モードが選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記後処理装置に給紙・搬送される前記補充用紙の数Naが下記の条件を満たすことを特徴とする請求項1、又は2に記載の画像形成システム。
Na≧Nc−Nr
Nc;下限数、Nr;滞留用紙の数
【請求項4】
前記補充用紙が搬送される前記用紙収容部の設定は、予め、あるいは冊子作成ジョブの中止時に設定可能であることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記廃棄用冊子を作成する際に前記後処理装置で冊子を作成させる複数の処理モードを備え、予め、あるいは冊子作成ジョブの中止時に前記複数の処理モードから1つの処理モードを設定可能であることを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記補充用紙を前記後処理装置に給紙・搬送させる時にメッセージ等で成る特殊画像を前記補充用紙上に形成する特殊画像形成モードを備え、予め、あるいは冊子作成ジョブの中止時に前記特殊画像形成モードの設定、あるいは前記メッセージの内容が設定可能であることを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記後処理装置が用紙束の背部に糊付け処理を施して冊子を作成するくるみ製本装置であることを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−162290(P2011−162290A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25295(P2010−25295)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】