説明

画像形成ユニットおよび画像形成装置

【課題】 画像形成装置の通信手段と交換体との位置関係によって、装置本体側の通信手段の信号が直接受信できない位置にタグ部材が配置されても良好に装置本体側の通信手段の信号を受信することができ、画像形成ユニットのコストを抑えることができる画像形成ユニットおよび画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成ユニットの枠体に収納された複数の交換体にそれぞれ取り付けられる複数のICタグのうち少なくともひとつを、該装置本体100に備えられた通信手段101からの信号を受信して、受信した信号を他のICタグ9a〜9dに送信する中継機能を持たせた中継ICタグ10とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1以上の交換体からなる画像形成ユニット、およびこの画像形成ユニットが装置本体から着脱可能に構成される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年環境保全の見地から、画像形成ユニットのリサイクルが行われている。ユーザから回収した画像形成ユニットを感光体、現像装置、クリーニング装置等の交換体毎に分解し、清掃などの所定の再生処理を施して、再生品として再び画像形成ユニットに取り付け販売される。上記交換体の再生処理を行う前に交換体の使用履歴を調べて再生可能かどうかを判断する必要がある。
そこで、各交換体にその使用履歴情報を記憶するためのICタグとして非接触型のICチップを設け、このICチップに各交換体の使用履歴情報を書き込む画像形成装置が提案されている(特許文献1)。この画像形成装置は、各交換体に設けられたICチップに、画像形成装置の通信手段を用いて使用経歴情報(使用時間、回転数、通電時間など)を無線信号で送信する。ICチップは、画像形成装置の通信手段から送信された無線信号を受信して、ICチップの不揮発性メモリに使用経歴情報を記憶する。上記交換体などの再生処理を行うときは、ICチップの不揮発性メモリから使用経歴情報を読み出すことで、再生可能かどうかを判断することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2003−5589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、画像形成ユニット内の交換体の配置位置やICチップの取り付け位置などによっては、ICチップと画像形成装置の通信手段との間の通信距離が遠くなってしまうものが現れる。この通信距離が遠いICチップには無線信号が届かず、使用情報を受信することができない場合があった。
【0005】
本出願人は、特願2004−310224号において、上記不具合を解決し得る画像形成ユニットを提案した。この画像形成ユニットは、装置本体に備えられた通信手段からの信号を受信して、受信した信号を各交換体に設けられた第1ICタグ(チップ)に送信する中継手段としての第2ICタグ(チップ)を画像形成ユニットの枠体に設けている。これにより、交換体に取り付けられた第1ICタグが受信する通信手段からの信号は、第2ICタグを介して受信される。第2ICタグは、画像形成ユニットから各第1ICタグに信号を送信するため、画像形成ユニットから離れた位置にある装置本体の通信手段から直接各第1ICタグ部材に信号を送信するものに比べて通信距離を短くすることができる。その結果、交換体と通信手段との位置関係によって、通信手段の信号が直接受信できない位置に第1ICタグ部材が配置されても、中継手段を介することで、良好に通信手段の信号を受信することができる。
【0006】
ところが、上記画像形成ユニットは、各交換体にその使用履歴情報を記憶するためのタグ部材(第1ICタグ)と別に、装置本体の通信手段と第1ICタグとの通信の中継を行うタグ部材(第2ICタグ)を設けるため、画像形成ユニットのコストが高くなってしまう問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置の通信手段と交換体との位置関係によって、装置本体側の通信手段の信号が直接受信できない位置にタグ部材が配置されても良好に装置本体側の通信手段の信号を受信することができ、画像形成ユニットのコストを抑えることができる画像形成ユニットおよび画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の交換体が枠体に収納され、装置本体に対して着脱可能に構成される画像形成ユニットにおいて、複数の交換体のうち、交換体の情報を記憶する不揮発性記憶手段と非接触通信手段とを有するICタグが取り付けられた交換体を少なくとも2以上設け、該交換体に取り付けられた2以上のICタグうち少なくともひとつに、該装置本体に備えられた通信手段からの信号を受信して、受信した信号を他のICタグに送信する中継機能を持たせたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成ユニットにおいて、上記中継機能を持たせたICタグは、装置本体内に装着された状態において、上記装置本体に備えられた通信手段と対向することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成ユニットにおいて、上記中継機能を持たせたICタグの不揮発性記憶手段には、画像形成ユニットの全体情報が記憶されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成ユニットにおいて、上記画像形成ユニットの全体情報は、画像形成ユニットの制御条件、製造情報、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報のうち少なくともひとつであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4の画像形成ユニットにおいて、上記中継機能を持たせたICタグは、上記交換体に着脱可能に取り付けられていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成ユニットにおいて、上記ICタグの不揮発性記憶手段に記憶される交換体の情報は、交換体の製造情報、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報のうち少なくともひとつであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの画像形成ユニットにおいて、上記中継機能を持たせたICタグは、CPUを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの画像形成ユニットにおいて、上記不揮発性記憶手段が、EEPROMであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成ユニットにおいて、上記再生可能な交換体が、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段、転写手段、トナー収納器のうち少なくともひとつであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの画像形成ユニットにおいて、上記交換体は、上記枠体に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、少なくとも1以上の交換体が一体となって装置本体に対して着脱可能に構成された画像形成ユニットを備えた画像形成装置において、該画像形成ユニットが請求項1乃至10いずれかの画像形成ユニットであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至11の発明によれば、各交換体にそれぞれ取り付けられた複数のICタグのうち少なくともひとつのICタグを装置本体に備えられた通信手段からの信号を受信して、受信した信号を他のICタグに送信する中継機能を備えたICタグとしている。これにより、各交換体にそれぞれ取り付けられたICタグと別に、中継手段を設ける必要がない。よって、交換体に取り付けられたICタグとは別に、中継手段を設けた画像形成ユニットに比べて、画像形成ユニットを安価にすることができる。また、装置本体の通信手段からの信号は、上記中継機能を持たせたICタグを介して中継機能を持たないICタグに受信される。通信手段との位置関係によって通信手段の信号が直接受信できない位置に配置された交換体のICタグとの間で通信可能であって、かつ、装置本体の通信手段との間でも通信可能な位置にあるICタグを、中継機能を持たせたICタグとすれば、以下のような効果を生じる。すなわち、通信手段との位置関係によって通信手段の信号が直接受信できない位置に配置された交換体のICタグであっても、この中継機能を持たせたICタグを介することで、良好に通信手段の信号を受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず、本実施形態におけるプロセスカートリッジがセットされる画像形成装置であるタンデム型間接転写方式のカラー複写機の概略構成及び動作について説明する。
図1は、同カラー複写機の概略構成図である。図中符号100はカラー複写機本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300はカラー複写機本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
カラー複写機本体100には、中央に、無端ベルト状の転写体としての中間転写体10を設けている。この中間転写体10は、3つの支持ローラ14、15、16に掛け回され、図中時計回りに回転搬送可能となっている。3つの支持ローラのうち第2の支持ローラ15の左には、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17が設けられている。また、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの4つの画像形成部18が横に並べて配置されている。
上記タンデム画像形成部20における個々の画像形成部18は、像担持体としての感光体40のまわりに、帯電装置、現像装置、転写手段としての1次転写ローラ62、感光体クリーニング装置、除電装置などを備えている。また、タンデム画像形成部20の上には、露光装置21が設けられている。そして、上記感光体40、帯電装置、現像装置、クリーニング装置は、同一の枠体に収納され、装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジとしている。
これらの4つの画像形成部18により、各感光体40上に互いに異なる色のトナー画像を形成する画像形成手段としてのタンデム画像形成部20が構成されている。
【0011】
また、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、転写手段としての2次転写装置22を備えている。この2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像を転写紙に転写する。
また、2次転写位置の転写紙搬送方向下流側には、転写紙上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。この定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てた構成となっている。
また、2次転写装置22及び定着装置25の下側には、タンデム画像形成部20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する転写紙反転装置28を備えている。
【0012】
上記構成のカラー複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動した後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モーターで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成部18で像担持体としての感光体ドラム40を回転して各感光体ドラム40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから転写紙を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間に転写紙を送り込み、2次転写装置22で転写して転写紙上にカラー画像を記録する。
【0013】
画像転写後の転写紙は、搬送ベルト24で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像が定着された後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で表面に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
【0014】
図2は本画像形成装置の電気回路の一部を示すブロック図である。図において、コントローラボード501は、スキャナアプリケーション、ファクシミリアプリケーション、プリンタアプリケーション、コピーアプリケーション等の複数のアプリケーション機能を有し、システム全体の制御を行うものである。このコントローラボード501は、CPU、システムコントローラボードの制御を行うROM、CPUが使用する作業メモリーであるSRAM、フレームメモリおよびワークメモリを備えている。また、上記SRAMのバックアップ機能を備え、時計およびリチウム電池を内蔵したNV−RAMや、コントローラボード501のシステムバス制御、フレームメモリ制御、FIFOなどCPUの周辺を制御するASIC、また、そのインターフェース回路等を備えている。コントローラボード501には、画像形成装置の操作部ボード502および画像データを記録するHDD503が接続されている。
【0015】
操作部ボード502は、ユーザが画像形成装置のパネルを操作し、システム設定の入力を行う入力を制御したり、ユーザにそのシステムの設定内容や状態を表示する表示を制御したりするものである。この操作部ボード502には、CPU、CPUで使用する作業用メモリであるRAM、操作ボード502の制御プログラムが書き込まれ、操作ボードの入力読み込みおよび表示出力を制御するROM、設定内容や状態を表示するLCD、キー入力を制御するASIC(LCDC)等が搭載されている。
【0016】
HDD503は、システムのアプリケーションプログラムならびにプリンタの作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベースとして用いられる。また、読取り画像や書込み画像のイメージデータ、すなわち画像データ、ならびにドキュメントデータを蓄える画像データベースとしても用いられるものである。HDD503とコントローラボード501とは、物理インターフェース、電気的インターフェース共に、ATA/ATAPI−4の準拠したインターフェースで接続されている。
【0017】
また、コントローラボード501には、LANインターフェースボード505が接続されている。管理システムとの通信は、LANインターフェースボード505を経由して行われる。LANインターフェースボード505は、社内LAN(インターネット)とコントローラーとの通信インターフェースボードである。LANインターフェースボード505は、PHYチップI/F及びI2CバスI/Fの標準的な通信インターフェースで接続されている。
【0018】
さらに、コントローラボード501には、汎用PCIバスが接続されており、PCIバスには、FAXのコントロールユニット(FCU)506等が接続されている。PCIバスは画像データバス/制御コマンドバスで、画像データと制御コマンドが時分割で転送されるようになっている。
【0019】
また、PCIバスには、エンジン制御ボード510が接続されており、このPCIバスを介して、エンジン制御ボード510とコントローラボード501とが接続されている。エンジン制御ボード510は、画像形成装置の作像作成制御を主として行うもので、CPU及び、画像処理を行うプログラマブルな演算処理手段であるIPP、複写およびプリントアウトを制御するため必要なプログラムを内蔵したROM、その制御に必要なSRAM、及びNV―RAMを搭載している。NV−RAMにはSRAMと、電源OFFを検知して、EEPROMにストアーするメモリーを搭載している。また、エンジン制御ボード510は、他の制御を行うCPUとの信号の送受信を行う、シリアルインターフェースも備えている。さらに、エンジン制御ボード510には、エンジン制御ボードが実装された近くのI/O(カウンター、ファン、ソレノイド、モーター等)を制御するI/OASICも搭載している。
【0020】
エンジン制御ボード510には、コピー原稿(画像)を読み込むスキャナ(SBU)ボード511、及び画像データを感光体上に書き込むLDBボード512が接続されている。また、エンジン制御ボード510には、画像形成ユニットに取り付けられているICタグと通信を行う、非接触通信手段516が接続されている。さらに、エンジン制御ボード510には、ドラム回転検出手段519、トナーエンドセンサー518等も接続されている。
SBUボード511は、アナログASIC、CCD、アナログASICの駆動タイミングを発生させる回路を備えている。
また、これらの画像形成装置を制御する電源供給するPSU514が設けられている。このPSU514には、メインSWにより、商用電源が供給されている。
【0021】
次に、画像形成の制御について説明する。カラーCCD520とSBUボード511を備えた原稿を光学的に読み取る読み取りユニット300に原稿をセットする。そして、この読み取りユニットに備えられた図示しない原稿照明光源の走査を行い、この原稿に対して光を照射する。この原稿に対する光の反射光をカラーCCD520で光電交換して画像信号を生成する。カラーCCD520は、3ラインカラーCCDであり、EVENch/ODDchのRGB画像信号を生成する。このR、G、B画像信号を、それぞれの画像信号に対応したSBUボード511のアナログASICにそれぞれ入力する。CCDから出力されたR、G、Bの画像信号は、アナログASIC内部のサンプリングホールド回路により、サンプリングホールドされた後、A/D変換され、R、G、Bのそれぞれの画像信号をそれぞれデータ信号に変換する。それとともに、R,G、BそれぞれのアナログASICでシェーディング補正され、出力I/F(インターフェース)520の画像データバスを介してエンジン制御ボード510の画像処理器IPPに送出する。SBUボード511からIPPに転送された画像データは、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正され、PCIバスの画像データバスを介してコントローラボード501のフレームメモリに書き込まれる。
コントローラボード501のワークメモリから出力されるブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色の書き込み信号は、LDBボード512のB、Y、M、CのそれぞれのLD書き込み回路(LDB)にそれぞれ入力される。そして、この各色のLD書込み回路(LDB)でLD電流制御(変調制御)が行われ、各色のLDに出力されて、レーザ光により、各色の感光体表面に書き込みを行う。
【0022】
次に、画像形成ユニットについて説明する。図3は、画像形成ユニット1の断面図である。図3に示すように、この画像形成ユニット1には、感光体40、クリーニングモジュール2、帯電モジュール4、現像モジュール5、トナー収容器6が枠体7からそれぞれ個別に交換可能な交換体として取付けられている。また、感光体40、クリーニングモジュール2、帯電モジュール4、現像モジュール5、トナーカートリッジ6などの交換体は、再生可能な交換体であり、これらの交換体を再生時に容易に再生できるようにそれぞれICタグ9a〜9d、10が取り付けられている。このICタグのうち、帯電モジュールに取り付けられているICタグは、装置本体側の通信手段としての第3ICタグ101と通信を行い受信した信号を他のICタグに送信する中継機能を備えたICタグとしての第2ICタグ10として機能する。帯電モジュール以外の交換体に取り付けられたICタグは、取り付けられている交換体に関する情報を記憶する不揮発性記録手段と、第2ICタグ10と通信を行う通信手段とを備えた第1ICタグ9a〜9dとして機能する。
【0023】
第2ICタグ10は、各第1ICタグ9a〜9dと通信を行う第1通信回路と、装置本体側と通信を行う第2通信回路を備えている。また、画像形成ユニット全体の情報と、帯電モジュールの情報とを記憶する不揮発性記憶手段、各第1ICタグ9a〜9dとの通信等の制御を行うCPU等を備えている。
【0024】
帯電モジュールに取り付けられている第2ICタグ10は、画像形成ユニットが装置本体内に装着された状態において、装置本体側の通信手段101と対向する位置に設けることが好ましい。これにより、第2ICタグ10と装置本体側との距離を最短とでき、良好な通信を行うことができる。
【0025】
クリーニングモジュール2は、感光体表面の残トナーをクリーニングするクリーニングブラシローラ2aと、クリーニングブレード2bを備えている。また、クリーニング装置2には、廃トナー回収コイル2cを備えている。クリーニングモジュール2に取り付けられている第1ICタグ9cは、ブラシローラ2aやクリーニングブレード2bなどの部品の寿命を管理する情報(例えば、使用経歴や保証時間等)やクリーニングモジュール自体の寿命を管理する情報、部品やユニットの製造情報や再生情報等を記憶している。
【0026】
帯電モジュール4は、帯電ローラ4aと、帯電ローラ4aをクリーニングする帯電用ブラシローラ4bを備えている。帯電モジュールに取り付けられている第2ICタグ10には、帯電ローラ4aや帯電用ブラシローラ4bなどの帯電モジュール内の部品の寿命を管理する情報や、帯電モジュール自体の寿命を管理する情報、および帯電モジュール内の部品やユニットの製造情報や再生情報等を記憶している。さらに、第2ICタグ10は、画像形成ユニット全体の情報として、感光体40、クリーニングモジュール2等の枠体から着脱可能に構成された各交換体の寿命情報、感光体40などを駆動させる駆動源や感光体の回転数を検知する検知手段などの画像形成ユニットに設けられている部品の寿命を管理する情報、画像形成ユニット自体の寿命を管理する情報、画像形成ユニットの製造情報や再生情報等を記憶している。
【0027】
現像モジュール5には、感光体40上の潜像にトナーを付着させるための現像ローラ5a、現像ローラ5a上の現像剤の付着量を規制するドクターブレード5b、この現像ローラ5aに現像剤を攪拌しながら搬送する2本の搬送スクリュー5c、5dを備えている。また、現像モジュール5は、透磁率センサ5eを備えており、現像剤中のトナー濃度を検知している。さらに、この現像モジュール5は、図示してないが、トナーカートリッジ6からトナーを搬送するためのエアポンプと、トナーエンドを検知するトナーエンド検知センサを備えている。現像モジュールに取り付けられる第1ICタグ9bには、現像ローラ5aやドクターブレード等の現像モジュール内の部品の寿命を管理する情報や、現像モジュール自体の寿命を管理する情報、および現像モジュール内の部品やユニットの製造情報や再生情報等を記憶している。また、トナーの種類や色等のトナー情報も記憶している。
【0028】
トナー収容器6に取り付けられている第1ICタグ9aには、トナー充填量、トナー充填時期、トナーの種類や、トナー残量等のトナー情報や、リサイクル回数や再生日時などの再生情報等を記憶している。
【0029】
感光体40に取り付けられている第1ICタグ9dは、第2ICタグ10との通信距離に変動がないように感光体軸の端面の軸中心に取り付けられている。感光体40に取り付けられている第1ICタグ9dは、使用経歴や保証時間等の感光体の寿命を管理する情報や、製造情報や再生情報等を記憶している。
【0030】
また、画像形成ユニット1には、図示しないが、感光体40などを駆動させる駆動源や、感光体の回転数を検知する検知手段などを適宜設けている。
【0031】
また、第2ICタグ10は、帯電モジュール4から着脱可能とされている。図4は、帯電モジュール4に取り付けられている第2ICタグ10周辺の拡大図である。図4に示すように、帯電モジュール4のケース表面4cには、ICソケット12を備えたプリント基板13を貼り付ける。そして、このICソケット12に第2ICタグ10を取り付ける。
【0032】
帯電モジュール4に寿命がきて画像形成ユニット1から取り外され、新たな帯電モジュール4が装着される際、この第2ICタグ10を寿命がきた帯電モジュール4から取り外し新たな帯電モジュール4に取り付ける。これにより、第2ICタグ10に記憶されている画像形成ユニットの情報を継続して使用することができる。なお、第2ICタグ10に記憶されている寿命がきた帯電モジュール4の情報は、新たな帯電モジュール4に取り付ける前に消去され、第2ICタグ10に新たな帯電モジュール4の情報が書き込まれる。
【0033】
図5は、画像形成ユニット1の斜視図である。この画像形成ユニット1は、感光体40と、クリーニングモジュール2、帯電モジュール4、現像モジュール5からなっているものである。
画像形成ユニット1は装置本体側100の開口100aに対し、感光体40の軸線方向に沿って進退させることによって着脱でき、交換可能である。枠体7は、感光体40の受け部を備えた第1枠体7a、クリーニングモジュール2を備えた第2枠体7b、及び、現像モジュール5を備えた第3枠体7cからなっている。第2枠体7bは回動自在な係合部7dで第1枠体に取り付けられ、第2枠体位置決部材74で位置決めされる。第3枠体7cは第3枠体位置決部材71によって第1枠体7aに取り付けられると共に位置決めされる。帯電モジュール4は、第2枠体7bに対して鉛直方向に着脱可能になっている(図5参照)。これらについて後に詳述する。そして、後に詳述するように、画像形成ユニット1を画像形成装置本体100から取り外した状態で、感光体40、帯電モジュール4、現像モジュール5、クリーニングモジュール2は、ユニット単位で新しいものと交換可能である。また、各ユニットはそれ自体でサービスマン、ユーザによる取り扱いが可能である。
【0034】
図6は、帯電モジュール4を画像形成ユニット1に装着する状態を説明する概略斜視図である。帯電モジュール4は、画像形成ユニット1の両側側板に設けられる帯電嵌合部7f、7rに挿入し、嵌合させて位置決めを行い、第2枠体7bにネジ止めなどで固定される。帯電モジュール4を画像形成ユニット1から取り外すときは、帯電モジュール4と第2枠体7bとの固定を外して帯電モジュール4を図中の上方に持ち上げることで容易に行うことができる。
【0035】
図7、図8は、画像形成ユニット1から感光体40を取り外して分離するときの状態を示す概略図である。また、感光体40は、以下のように分離することができる。図7に示すように、第2枠体7bを固定している位置決部材74を外し、第2枠体7bの係合部7dで回転させて画像形成ユニット1の上部を開放する。さらに、図8に示すように、画像形成ユニット1の枠体7aの支持部7eに支持されているだけで、固定されていない感光体40は、枠体7aを押し付けつつ上方に引き出すことで、容易に分離することができる。
【0036】
クリーニングモジュール2は、クリーニングモジュール2を第2枠体7bに固定している固定部材75を取り外すことで、容易に分離することができる。
【0037】
現像モジュール5は、第3枠体位置決部材71をはずすことで、画像形成ユニットから容易に分離することができる。
【0038】
本実施形態においては、各交換体に取り付けられた第1ICタグ9a〜9dは、中継機能を有するICタグとしての第2ICタグ10を介して、装置本体100と通信を行うようにしている。以下に、M色の画像形成ユニット1Mにおける装置本体100との通信の概要について説明するが、他の色の画像形成ユニットにおいても同様である。図9は、M色の画像形成ユニット1Mと装置本体100側の通信の様子を示した図である。図9に示すように、装置本体100側には、第2ICタグ10と通信を行う通信手段101を有している。帯電モジュールに取り付けられた第2ICタグ10は、画像形成装置本体側の通信手段と通信が行われるよう構成されている。一方、M色画像形成ユニット1Mから着脱可能に取り付けられている現像モジュール5や、感光体40などにそれぞれ取り付けられた第1ICタグ9a〜9dは、第2ICタグ10と通信が行われるよう構成されている。
【0039】
次に、第1ICタグ9について説明する。図10は、第1ICタグ9のブロック図である。第1ICタグ9は、取り付けられている交換体の情報を記憶するEEPROMなどの不揮発性メモリ9aと、第2ICタグ10と通信を行う送信アンテナ9bと受信アンテナ9cとを備えている。また、第1ICタグ9には、受信用アンテナ9cから情報を不揮発性メモリ9aに送信したり、不揮発性メモリ9aの情報を送信アンテナ9bに送信したりする第1ICタグ側通信回路90を備えている。
【0040】
不揮発性メモリ9aには、交換体の情報として交換体の製造情報や、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報などが記憶されている。交換体の製造情報として記憶される情報は、ロット番号、製造年月日、種類、保存期間、認識番号等である。また、再生した情報は、再生した交換体の寿命検知を行うために用いられる情報である。具体的には、取り付けられている交換体によって異なるが、例えば、交換日時、トナー充填量、トナー充填時期、トナー種類等である。また、使用経歴情報は、例えば、使用時間、保存期間、使用開始年月日、コピー枚数、ローラの回転数、トナー残量などが記憶されている。また、各交換体を再生するための情報は、交換体が再生可能か否かを判断するために用いられる情報であり、例えば、使用可能年月日、使用保証時間、使用限界コピー枚数、ローラの使用限界回転数等が記憶されている。また、上記使用経歴情報と上記再生するための情報は、各交換体の寿命を検知するために使用される情報として利用される。
【0041】
第1ICタグ側通信回路90は、受信アンテナ9cで受けた受信信号を増幅する受信回路90e、増幅した受信信号を伝送用の所定信号に復調する復調回路90gを備えている。また、受信信号に基づき、不揮発性メモリ9aに情報の書き込みを行ったり、不揮発性メモリ9aから情報を取り出したりする制御回路90hを備えている。さらに、不揮発性メモリ9aの情報を伝送用の所定信号に変調する変調回路90i、送信アンテナ9bに送信信号を送る送信ドライバー90jが備えられている。また、受信用アンテナ9cの電磁波を整流して電源を作成し、第1ICタグ9に電源を供給する電源回路90kも備えている。
【0042】
次に、第2ICタグ10について説明する。第2ICタグ10は、各交換体に取り付けられている第1ICタグ9a〜9dと装置本体100との通信を行うときの中継手段としての機能と、画像形成ユニット1の情報や第2ICタグが取り付けられている交換体としての帯電モジュール4の情報を記憶する機能とを有している。
図10は、第2ICタグ10のブロック図である。図11に示すように、第2ICタグ10は、CPU(10m)と、記憶手段として、不揮発性メモリ(EEPROM)10cとを備えている。また、第2ICタグ10には、第1ICタグと非接触通信行う第1通信回路(Contact−Less Interface)10dと、送信用アンテナ10aおよび受信用アンテナ10bとを備えている。また、装置本体側の通信回路101と非接触通信を行う第2通信回路(Contact−Less Interface)10eと送受信兼用アンテナ10fとを備えている。また、送受信兼用アンテナ10fの電磁波を整流して電源を作成し、第2ICタグ10に供給する電源回路(Power Spply)10gを有している。また、第2ICタグ10は、第2ICタグ10内部を制御する制御回路(System Control Logic)10h、プログラムメモリーであるROM(10i)、プログラムを実行するためのワーキングメモリーであるRAM(10j)、EEPROM(10c)へ書き込むための専用命令を記憶したE−EEPROM(10h)を備えている。
【0043】
第2ICタグ10のEEPROM(10c)には、制御条件や、製造情報、再生するための情報、再生した情報や使用経歴情報が画像形成ユニットの情報として記憶されている。制御条件は、画像形成ユニットの制御に必要な情報であり、例えば、露光量、帯電量、現像バイアスなどの作像条件等が挙げられる。また、ユニットの製造情報として記憶される情報は、ロット、製造年月日、種類、保存期間、認識番号等である。また、再生した情報とは、再生処理を行うときに画像形成ユニットが再生可能か否かを判断するための情報であり、例えば、リサイクル回数や交換した部品情報などが挙げられる。また、再生した情報には、再生した画像形成ユニットの寿命検知を行うために用いられる情報も記憶しており、再生日時、トナー充填量、トナー充填時期、トナー種類などが挙げられる。また、使用経歴情報は、画像形成ユニットの寿命を検知するために使用される情報で、例えば、使用時間、使用開始年月日、総コピー枚数、ローラ回転数、トナー残量等が挙げられる。また、再生するための情報は、画像形成ユニットが再生可能か否かを判断するために記憶される情報であり、例えば使用可能年月日、使用保証時間、保存期間、使用限界コピー枚数、ローラの使用限界回転数、再生時に交換すべき部品、画像形成ユニットの構成部品を交換する時期、リサイクル回数の上限、使用時に寿命を検出した部品コード、Tセンサー異常、帯電異常等のユニット異常情報等が挙げられる。また、再生するための情報は、画像形成ユニットの寿命を検知するために使用される情報として利用される。
【0044】
また、第2ICタグ10のEEPROM(10c)には、上述した交換体の情報として帯電モジュールの製造情報や、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報などが記憶されている。この帯電モジュールの製造情報や、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報は、上述したICタグ9a〜9dに記憶されている情報と同様の内容である。
【0045】
次に、装置本体側と第2ICタグ10および、第2ICタグ10と各第1ICタグ9a〜9dとの通信について具体的に説明する。図12は、装置本体100と第2ICタグ10、および第2ICタグ10と各第1ICタグ9a〜9dとの間のデータの授受を説明するタイムチャートである。
図12に示すように、装置本体100との通信は、まず、装置本体のCPUから、装置本体側通信手段101へ要求信号を送信する。CPUと本体側通信回路516とは、シリアルインターフェースで接続されており、このシリアルインターフェースによりCPUと本体側通信手段101とで信号の送受信が行われている。通信手段に送信された要求信号は、伝送用の所定の信号に変調されて、本体側送受信兼用アンテナ101aに送られて、第2ICタグ側送受信兼用アンテナ10fへ送信される。
【0046】
第2ICタグ10は、装置側の通信手段101の送信電波を第2ICタグ側送受信兼用アンテナ10fで受信する。電源回路10gは、この受信電波の電磁波を整流して電源を作成し、第2ICタグ10に供給する。また、これと同時に、第2ICタグ側送受信兼用アンテナ10fで受信した要求信号を第2通信回路10eで復調後パラレル信号に変化させ第2ICタグ10のCPU(10m)に送る。第2ICタグのCPU(10m)は、装置本体側の通信手段101からの要求信号の内容を判断する。要求信号が第1ICタグ9a〜9dに記憶された情報に関する要求の場合は、要求された情報を記憶する第1ICタグ9のアドレスを要求信号に付与する。アドレスが付与された要求信号は第2ICタグ10の第1通信回路10dで伝送用の所定信号に変調して、この信号を第2ICタグ送信用アンテナ10aから第1ICタグ9へ送信する。
【0047】
上記アドレスを有する第1ICタグ9は、第2ICタグ10からの送信電波をICタグ9の受信アンテナ9cで受信する。このとき、電源回路90kが受信アンテナ9cで受信した電磁波を整流して電源を作成し、第1ICタグ側通信回路90に供給する。これとほぼ同時に受信された要求信号は、増幅回路90eで増幅され、復調回路90gで所定信号に復調される。所定信号に復調された要求信号は、制御回路90hに送られ、この要求信号に基づき制御回路90hが不揮発性メモリ9aへ情報の書き込みや読み出し等の制御を行う。要求信号が不揮発性メモリ9aの情報を要求する信号である場合、制御回路90hは、不揮発性メモリ9aから必要な情報を読み出し、読み出した情報に画像形成ユニットのアドレスを付与する。アドレスが付与された情報は、変調回路90iに送られ、所定信号に変調されて送信アンテナ90bに送られる。送信アンテナ90bに送られた信号は、第2ICタグ10の受信アンテナ10bに受信される。
【0048】
第2ICタグ10は、第1ICタグ9から送信された信号を第1通信回路10dで復調後パラレル信号に変化させ第2ICタグ10のCPU(10m)に送る。そして、第2ICタグのCPU(10m)から第2通信回路10eに送られ、信号を伝送用の所定信号に変調して装置本体側に送信する。装置本体側は、通信手段101で受信した信号を復調して要求した情報を得る。
【0049】
一方、通信手段101からの要求信号が第2ICタグ10に記憶されている情報に関する要求信号の場合は、第2ICタグ10のCPU(10m)が、第2ICタグ10の不揮発性メモリ10cから情報を読み出して、情報にユニットアドレスを付与する。そして、ユニットアドレスが付与された情報を第2通信回路で伝送用の所定信号に変調して、装置本体側に送信する。装置本体側は、受信した信号を復調して要求した情報を得る。
【0050】
次に、各第1ICタグ9a〜9dおよび、第2ICタグ10に記憶されている情報を読み出して、画像形成ユニット18及び画像形成ユニット18の交換体となる各構成部品の寿命を検知する場合について説明する。
【0051】
まず、使用時間及び使用年月日による画像形成ユニット(図中、ユニットという)1及び画像形成ユニット1内の交換体(図中、部品)の寿命検知について説明する。図13は、使用時間及び使用年月日による画像形成ユニット及び部品の寿命を検知する寿命検知のフローチャートである。図13に示すように、まず、第2ICタグ10のCPU(10m)の内部タイマーのカウンターが1時間カウントしたかどうかチェックする(S1)。1時間カウントした場合(S1でYES)には、RAM(10j)のカウントタイマーのカウントに1時間加算する(S2)。RAM(10j)の情報は電源がOFFにされると消えるので、この時間は実動時間である。次に、RAM(10j)のカウントタイマーが24時間(任意の時間)をカウントしたかどうかを確認する(S3)、カウントタイマーが24時間カウントしたら(S3でYES)、第2ICタグ10のEEPROM(10c)のユニット使用時間記憶部、および第2ICタグ10が取り付けられている交換体の交換体使用時間記憶部に24時間を加算する(S4)。また、第2ICタグ10は、各交換体に取り付けられている各第1ICタグ9a〜9dと通信を行い、各第1ICタグ9a〜9dのEEPROM(9a)の部品使用時間記憶部に24時間をそれぞれ加算する(S5)。これら、使用時間記憶部の情報は、電源をOFFにしても消えないので、この使用時間は累積使用時間となる。RAMのカウントタイマーが24時間カウントしていない(S3でNO)場合は、本フローを終了する(S6)。
【0052】
次に、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶された画像形成ユニット1の累積使用時間と、予め書き込まれた画像ユニット1の使用保証時間とを読み出して、CPU(10m)で比較する(S7)。比較の結果、画像形成ユニット1の累積使用時間が画像形成ユニット1の使用保証時間を越えた(S7でYES)場合は、画像形成ユニット1の寿命と判断して、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に使用禁止コードまたは警告コードを書き込み(S11)、本フローを終了する(S12)。比較の結果、画像形成ユニット1の累積使用時間が画像形成ユニット1の使用保証時間を越えない(S7でNO)場合は、本フローを終了する(S12)。
【0053】
また、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶された画像形成ユニット1の累積使用時間と、各交換体の第1ICタグ9a〜9dおよび第2ICタグ10の不揮発性メモリに予め記憶されている交換体の使用保証時間をそれぞれ読み出して、第2ICタグ10のCPU(10m)で比較する(S8)。比較の結果、画像形成ユニット1の累積使用時間が個々の部品の使用保証時間を越えた(S8でYES)場合は、寿命を検出した部品(交換体)コードを第2ICタグ10のEEPROM(10c)に書き込む(S10)。そして、第2ICタグ10のEEPROM(10c)、および寿命がきた交換体に設けられているICタグのEEPROMにそれぞれ使用禁止コードを書き込み(S11)、本フローを終了する(S12)。比較の結果、ユニットの累積使用時間が個々の交換体の使用保証時間を越えない(S8でNO)場合は、本フローを終了する(S12)。
【0054】
また、交換体にそれぞれ取り付けられている第1ICタグ9a〜9dのEEPROM(9a)、および第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶された交換体の累積使用時間と、予め記憶されている交換体の使用保証時間とをそれぞれ読み出して、第2ICタグ10のCPU(10m)で比較する(S9)。比較の結果、累積使用時間が使用保証時間を越えた交換体がある(S9でYES)場合は、寿命を検出した部品(交換体)コードを第2ICタグ10のEEPROM(10c)に書き込む(S10)。そして、第2ICタグ10のEEPROM(10c)と寿命が検出された交換体に取り付けられているICタグのEEPROMにそれぞれ禁止コードを書き込み、本フローを終了する(S12)。比較の結果、いずれの交換体も累積使用時間が使用保証時間を越えない(S9でNO)場合は、本フローを終了する(S12)。
【0055】
一方、第2ICタグ10のCPU(10m)の内部タイマーのカウンターが1時間カウント信号を発信していない状態のとき(S1でNO)は、装置本体100側から時計情報信号(年月日信号)が送信されたか確認する(S14)。時計情報信号が送信された場合(S14でYES)は、第2ICタグ10のEEPROM(10c)の時計情報記憶部に時計情報(年月日情報)を書き込む(S15)。
【0056】
次に、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶された現在の年月日と、第2ICタグ10のEEPROM(10c)の予め記憶されている画像形成ユニット使用可能年月日とを比較する(S17)。比較した結果、現在の年月日が画像形成ユニット1の使用可能年月日を過ぎていた場合(S17でYES)には、画像形成ユニット1の寿命と判断して第2ICタグ10のEEPROM(10c)に使用禁止コードを書き込み(S20)、本フローを終了する(S21)。比較した結果、現在の年月日がユニットの使用可能年月日を過ぎていない場合(S17でNO)は、各交換体の第1ICタグ9のEEPROM(9a)および第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶されたに交換体の使用可能年月日をそれぞれ読み出して、第2ICタグ10のEEPRROM(10c)に記憶された現在の年月日とそれぞれ比較する(S18)。比較した結果、交換体のいずれかが現在の年月日が部品の使用可能年月日を過ぎていた場合(S18でYES)には、寿命と判断して、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に寿命を検出した部品コードを書き込む(S19)。第2ICタグ10のEEPROM(10c)と、寿命がきた交換体に取り付けられているICタグのEEPROMとにそれぞれ使用禁止コードを書き込み(S20)、本フローを終了する(S21)。比較した結果、いずれの交換体も現在の年月日が使用可能年月日を過ぎていない場合(S18でNO)には、本フローを終了する(S21)。
【0057】
次に、総コピー枚数及び回転体(以下、ローラという)の回転数によるユニット及び交換体の寿命検知について説明する。一般に、部品(回転体)である現像ローラ、クリーニングローラ、帯電ローラ等の部品の寿命は、総回転数と相対関係にある。そのため、ローラの回転数の検知、又は感光体の総回転数から算出される個々のローラの総回転数を、予め記憶されている限界回転数と比較して、個々のローラ寿命を検知するとよい。もちろん、総コピー枚数から寿命を検知してもよい。クリーニングブレード等の部品の寿命は、一般にコピー枚数と相関関係にある。そのため、総コピー枚数と予め記憶されている限界コピー枚数とを比較して、クリーニングブレードの寿命を検知するとよい。
【0058】
図14は、総コピー枚数及びローラの総回転数によるユニット及び交換体(部品)の寿命を検知する寿命検知のフローチャートである。図14に示すように、まず、装置本体側からコピー枚数信号があるかチェックする(S22)。コピー枚数信号がある場合(S22でYES)は、第2ICタグ10に送信されたコピー枚数を第2ICタグ10のEEPROM(10c)のユニット総コピー枚数記憶部および第2ICタグ10が取り付けられている交換体の部品総コピー枚数記憶部にそれぞれ加算する(S23)。次に、装置本体部から送信されたコピー枚数を第2ICタグ10から各交換体の第1ICタグ9に送信する。各第1ICタグ9は、第2ICタグ10から送信されたコピー枚数を第1ICタグのEEPROM(9a)の部品総コピー枚数記憶部にそれぞれ加算する(S24)。
【0059】
次に第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶された画像形成ユニット1の総コピー枚数と、EEPROM(10c)に予め書き込まれた画像形成ユニット1の使用限界コピー枚数を比較する(S25)。比較の結果、画像形成ユニット1の総コピー枚数が画像形成ユニット1の使用限界コピー枚数を越える場合(S25でYES)には、画像形成ユニット1の寿命と判断して、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に使用禁止コードを書き込み(S29)、本フォローを終了する(S20)。比較の結果、画像形成ユニット1の総コピー枚数が画像形成ユニット1の使用限界コピー枚数を越えない場合(S25でNO)には、本フォローを終了する(S20)。
【0060】
または、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶されたユニットの総コピー枚数と、各交換体の第1ICタグ9のEEPROM(9a)、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶されている交換体の使用限界コピー枚数をそれぞれ読み込んで、それぞれ比較を行う(S27)。ユニットの総コピー枚数が使用限界コピー枚数を超えている交換体があった場合(S27でYES)には、その交換体を寿命と判断し、寿命が検出された部品(交換体)コードを第2ICタグ10のEEPROM(10c)に書き込む(S28)。そして、第2ICタグ10のEEPROM(10c)と、寿命が検知された交換体に取り付けられているICタグのEEPROMにそれぞれ使用禁止コードを書き込み(S29)、本フォローを終了する(S20)。ユニットの総コピー枚数が、交換体の使用限界枚数を超えていない場合(S27でNO)には、本フォローを終了する(S21)。
【0061】
または、第1ICタグ9のEEPROM(9a)および第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶した部品総コピー枚数と、予め記憶されている交換体の使用限界コピー枚数とを、交換体毎に読み出して、第2ICタグのCPUで比較する(S27)。比較の結果、部品総コピー枚数が交換体の使用限界コピー枚数を越える交換体があった(S27でYES)場合には、その交換体を寿命と判断し、寿命が検出された部品(交換体)コードを第2ICタグ10のEEPROM(10c)に書き込む(S28)。そして、第2ICタグ10のEEPROM(10c)と、寿命が検知された交換体に取り付けられているICタグのEEPROMにそれぞれ使用禁止コードを書き込み(S29)、本フォローを終了する(S20)。いずれの交換体も総コピー枚数が、交換体の使用限界枚数を超えていない場合(S27でNO)には、本フォローを終了する(S21)。
【0062】
一方、装置本体部からの信号がコピー枚数信号でない場合は、感光体ドラム40の回転数信号であるかを確認する(S32)。感光体ドラム40の回転数信号の場合(S32でYES)には、感光体ドラム40の回転数を第2ICタグ10のEEPROM(10c)のユニット累計回転数記憶部および第2ICタグが取り付けられている交換体の総ローラ回転数記憶部に加算する(S33)。次に、装置本体部から送信された感光体ドラム40の回転数信号を第2ICタグ10から各交換体の第1ICタグ9a〜9dに送信する。各第1ICタグ9a〜9dは、第2ICタグ10から送信された感光体ドラム40の回転数を第1ICタグ9のEEPROM(9a)の総ローラ回転数記憶部に加算する(S34)。感光体ドラム40の回転数信号がない場合(S32でNO)には、本フローを終了する(S25)。
【0063】
次に第1ICタグ9のEEPROM(9a)および第2ICタグ10のEEPROM(10c)に予め記憶された交換体のローラの使用限界回転数をそれぞれの交換体から読み出して、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶されたユニット累計回転数とそれぞれ比較を行う(S36)。ユニット累計回転数が交換体のローラの使用限界回転数を超えている交換体があった場合(S36でYES)には、その交換体を寿命と判断して、寿命を検出した部品(交換体)コードを第2ICタグ10のEEPROM(10c)に書き込む(S38)。そして、第2ICタグ10のEEPROM(10c)、および寿命と判断された交換体に取り付けられているICタグのEEPROMにそれぞれに使用禁止コードを書き込み(S39)、本フォローを終了する(S40)。いずれの交換体もユニット累計回転数が、交換体のローラの使用限界回転数を超えていない場合(S36でNO)には、本フォローを終了する(S40)。
【0064】
または、第1ICタグ9のEEPROM(9a)および第2ICタグのEEPROM(10c)に記憶した総ローラ回転数と、予め記憶されている交換体のローラの使用限界回転数とを、交換体毎に読み出して、第2ICタグ10のCPU(10m)で比較する(S36)。比較の結果、総ローラ回転数が交換体のローラの使用限界回転数を越える交換体があった(S36でYES)には、その交換体を寿命と判断し、寿命が検出された部品(交換体)コードを第2ICタグ10のEEPROM(10c)に書き込む(S38)。そして、第2ICタグ10のEEPROM(10c)と、寿命が検知された交換体に取り付けられているICタグのEEPROM(9a)にそれぞれ使用禁止コードを書き込み(S39)、本フォローを終了する(S40)。いずれの交換体もユニット累計回転数が、交換体のローラの使用限界回転数を超えていない場合(S36でNO)には、本フォローを終了する(S40)。
【0065】
感光体ドラム40の回転数の検知には、例えば反射型光学センサーを用いることができる。図15は、感光体の回転数の検知する反射型光学センサーを説明する斜視図である。図15に示すように、感光体ドラム40の画像形成領域外には、ドラム回転検知マーク60が設けられ、感光体ドラム40の周囲に感光体ドラム40が1回転する毎にドラム回転検知マーク60を検知する反射型光学センサー61が設けられる。図16は、反射型光学センサーによるドラム回転検知マークの検出回路である。図16に示すように、反射型光学センサー61からのドラム回転信号は、I/Oボードを介して装置本体側のCPUに送信される。CPUは、このドラム回転信号をカウントして、感光体ドラム40の回転数を検知し、この検知信号を第2ICタグに送信する。また、これに限らず、反射型光学センサー61からのドラム回転信号を第2ICタグのCPU(10m)に送信して、第2ICタグのCPU(10m)でドラム回転信号をカウントして、感光体ドラム40の回転数を検知するようにしてもよい。また、図14に示すフローチャートでは、感光体40の回転数から他のローラの寿命検知を行っているが、各ローラにそれぞれ上述した回転数検出手段を設け、この回転数検出手段から検出される回転数から直接各ローラの寿命を検知してよい。
【0066】
さらに、トナーカ収容器6を備えた画像形成ユニット1においては、トナーエンドを検知するトナーエンドセンサー518の検知結果から画像形成ユニット1又はトナー収容器6の寿命を検知してもよい。
【0067】
図17は、トナーエンドセンサー518からの検知結果により画像形成ユニットの寿命を検知するフローチャートである。図17に示すように、まず、第2ICタグ10CPU(10m)は、I/O制御ボード513を介して、トナーエンドセンサー518からの出力信号を読み込む(S41)。そして、読み込まれた信号から、トナーエンド信号かどうか判定する(S42)。トナーエンドと判定した場合(S42でYES)には、トナー収容器6の第1ICタグ9のEEPROM(9a)にトナー残量0と記憶させる(S43)。そして、第2ICタグ10のEEPROM(10c)に使用禁止コードを書き込み(S44)、本フローを終了する(S45)。一方、トナーエンドでない場合(S42でNO)の場合は、本フローを終了する(S45)。
【0068】
トナーエンドの検知には、透過型光学センサーや、アンテナ方式のトナーエンドセンサー等を用いることができる。透過型光学センサーは、トナーカートリッジと現像ケースとを繋ぐ搬送ノズルに設けられ、透過率を検出してトナーエンドを検知する。アンテナ方式のトナーエンドセンサーは、現像ケース内に設けられ、トナー量によって変化する現像ローラとアンテナとの間の静電容量を検出して、現像ケース内のトナーエンドを検知する。
【0069】
上記説明したように、画像形成ユニットや交換体に寿命がきた場合は、第2ICタグ10のEEPROM(10c)および、第1ICタグ9のEEPROM(9a)にそれぞれ禁止コードが書き込まれる。これら禁止コードによって、画像形成ユニット1が使用可能であるかどうかをチェックすることができる。
例えば、画像形成ユニットの電源投入時、コピー終了時、画像形成装置のドアのオープン時等に第2ICタグ1と通信を行い、第2ICタグ10のEEPROM(10c)および第1ICタグ9のEEPROM(9a)に禁止コードが記憶されているかどうかをチェックする。禁止コードが記憶されている場合は、画像形成装置の表示部に、寿命がきた画像形成ユニットがある旨を警告表示し、画像形成動作を禁止する。これにより、寿命がきた画像形成ユニットが使用されることを防止することができる。また、寿命がきた第1ICタグ9のEEPROM(9a)に禁止コードを書き込んで、画像形成ユニットの電源投入時や、画像形成装置のドアのオープン時にチェックすることで、誤って、寿命がきた交換体を交換してしまった場合であっても、画像形成ユニットが使用されることがない。
【0070】
また、寿命がきた部品(交換体)のコードを第2ICタグ10のEEPROM(10c)に記憶することで、画像形成ユニットの再生時にリードライターで第2ICタグ10から情報を読み出せば、画像形成ユニットのどの交換体が寿命であるかを把握することができる。よって、リードライターで交換体に取り付けられた第1ICタグひとつひとつの情報を読み出して寿命がきた交換体を探すような手間がなくなり、再生作業の能率を上げることができる。
【0071】
さらに、各交換体に取り付けられたICタグのEEPROMには、総コピー枚数やローラ回転数、累計使用時間などの使用経歴情報が記憶される。これにより、交換体の再生時に交換体に取り付けられたICタグのEEPROMから使用経歴を読み出せば、この交換体が再生可能かどうかを判断することができる。
【0072】
また、本実施形態においては、帯電モジュール4に取り付けらているICタグを各交換体に取り付けられたICタグと装置本体の通信手段との中継手段を備えた第2ICタグとしているが、これに限られない。クリーニングモジュールに取り付けられたICタグを第2ICタグとしても良いし、現像モジュールに取り付けられたICタグを第2ICタグとしても良い。
【0073】
また、ICタグは、画像形成ユニットのすべての交換体に取り付ける必要はなく、複数の交換体のうち、少なくとも再生可能な交換体や、寿命がきて使用し続けると画像に著しく影響を及ぼす交換体等にのみICタグを取り付けるようにしても良い。
【0074】
(1)
以上、本実施形態の画像形成ユニットによれば、各交換体にそれぞれ取り付けられた複数のICタグのうち少なくともひとつを装置本体に備えられた通信手段からの信号を受信して、受信した信号を他のICタグ(第1ICタグ)に送信する中継機能を備えたICタグとしての第2ICタグとしている。これにより、各交換体にそれぞれ取り付けられるICタグとは別に、中継手段を設けた画像形成ユニットに比べて、画像形成ユニットを安価にすることができる。また、装置本体の通信手段からの信号は、上記第2ICタグを介して他のタグ部材(第1ICタグ)に受信される。また、通信手段との位置関係によって通信手段の信号が直接受信できない位置に配置された第1ICタグとの間で通信可能であって、かつ、装置本体の通信手段との間でも通信可能な位置にあるICタグを、中継機能を持たせた第2ICタグとすれば、以下のような効果を生じる。すなわち、通信手段との位置関係によって通信手段の信号が直接受信できない位置に配置された第1ICタグであっても、この中継機能を持たせた第2ICタグを介することで、良好に通信手段の信号を受信することができる。
(2)
また、本実施形態の画像形成ユニットによれば、画像形成ユニットが装置本体に取り付けられた状態のとき、第2ICタグを、装置本体側の通信手段101と対向させている。これにより、第2ICタグと通信手段101との通信距離を最短にでき、良好な通信を行うことができる。
(3)、(4)
また、本実施形態の画像形成ユニットによれば、画像形成ユニットの全体情報として第2ICタグの不揮発記憶手段に、画像形成ユニットの制御条件、製造情報、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報のうち少なくともひとつ記憶する。例えば、第2ICタグに画像形成ユニットの制御条件(作像条件)を記憶することで、この画像形成ユニットを装置本体に取り付けた際、装置が上記制御条件(作像条件)を読み出して、装置本体の制御条件をこの画像形成ユニットに合った制御条件に変更することができる。
また、製造情報、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報等を記憶しておけば、画像形成ユニットの再生を確実に実施することができる。例えば、使用経歴情報(使用時間、使用開始年月日、コピー枚数、ローラの回転数)と、再生するための情報(使用保証時間、使用可能年月日、限界コピー枚数、限界ローラ回転数)とを読み出し、使用経歴情報と、再生するための情報とを比較して、画像形成ユニットが再生可能かどうかを判定することができる。また、再生時に製造情報を読み出すことで、この画像形成ユニットの再生処理の方法などを認識することができる。
また、使用経歴情報(使用時間、使用開始年月日、コピー枚数、ローラの回転数)と、再生するための情報(使用保証時間、使用可能年月日、限界コピー枚数、限界ローラ回転数)とを読み出し、使用経歴情報と、再生するための情報とを比較して、画像形成ユニットの寿命がきたかどうかを判定することができる。
また、第2ICタグには、再生するための情報として、使用時に寿命を検出した部品(交換体)コードを記憶している。これにより、交換体個々に設けられている第1ICタグのひとつひとつの内容を読み出して、交換が必要な交換体であるかどうかを把握する必要がない。つまり、第2ICタグから使用時に寿命を検出した部品(交換体)コードを読み出すだけで、交換が必要な交換体を把握することができる。よって、上記第1ICタグのひとつひとつを読み出して、交換体の寿命を把握するものに比べて、画像形成ユニットの再生作業を早めることができる。
(5)
また、本実施形態の画像形成ユニットによれば、上記第2ICタグは、交換体から着脱可能に取り付けられている。第2ICタグに取り付けられている交換体に寿命きて、画像形成ユニットに新たな交換体が取り付けられる際、寿命がきた交換体から上記第2ICタグを取り外して、この新たな交換体に取り付ける。そして、第2ICタグから、寿命が来た交換体の情報を消去して、交換される新たな交換体の情報を書き込む。第2ICタグには、上述したように、画像形成ユニットの情報が記憶されている。よって、上記のようにして寿命がきた交換体に取り付けられていた第2ICタグを交換される新たな交換体に取り付けることで、画像形成ユニットの情報が引き続き使用することができる。
(6)
また、本実施形態の画像形成ユニットによれば、第1ICタグおよび第2ICタグの不揮発性記憶手段には、交換体の製造情報、再生した情報、再生するための情報、使用経歴情報のうち少なくともひとつが記憶されている。交換体の再生処理を行う際、リードライターなどICタグに記憶してある使用経歴情報(使用時間、使用開始年月日、コピー枚数、ローラの回転数)と、再生するための情報(使用保証時間、使用可能年月日、限界コピー枚数、限界ローラ回転数)とを読み出す。そして、使用経歴情報と、再生するための情報とを比較し、交換体が再生可能かどうかを判定することができる。例えば、使用保証時間と使用時間とを比べて使用時間が使用保証時間に近い場合や以上の場合は、上記交換体は、再生不可能と判定される。また、使用時間と使用保証時間との時間間隔が十分あいている場合は、この交換体を清掃するなどの所定の再生処理を施して、再生される。
また、使用経歴情報(使用時間、使用開始年月日、コピー枚数、ローラの回転数)と、再生するための情報(使用保証時間、使用可能年月日、限界コピー枚数、限界ローラ回転数)とを読み出し、使用経歴情報と、再生するための情報とを比較して、交換体の寿命がきたかどうかを判定することができる。
また、交換体の再生処理を行う際に、第1ICタグから製造情報(ロット番号、製造年月日、種類、保存期間、認識番号等)を読み出すことで、この交換体の再生処理の方法などを認識することができる。例えば、現像装置を再生する場合、現像装置の種類によっては、磁性キャリアを入れて再生するものや、磁性キャリアを入れずに再生するものがある。また、製造時期によっては、入れる磁性キャリアの種類が異なる場合がある。しかし、上記のように第1ICタグに製造情報を記憶しておけば、画像形成ユニットから分解された交換体を再生する際に、第1ICタグから製造情報を読み出して、この交換体にあった再生処理を施すことができる。
このように、第1ICタグの不揮発性記憶手段に、交換体の製造情報、再生した情報、再生するための情報、使用経歴情報を記憶することで、交換体の再生を確実に実施することができたり、交換体の寿命を判定できたりすることができる。
また、再生時に必要な情報を記憶した第1ICタグを再生処理可能な交換体にそれぞれ取り付けることで、画像形成ユニットから分解された状態でも交換体の製造情報や、再生するための情報、使用経歴情報等を読み出すことができる。
(7)
また、本実施形態の画像形成ユニットによれば、第2ICタグは、CPUを備えている。第2ICタグにCPUを備えることで、装置本体に備えられた通信手段からの信号に基づき、信号を第1ICタグに送信するか、第2ICタグの不揮発性記憶手段に記憶されている情報の読み出し/書き込みを行うかを判断することができる。また、上記CPUで使用経歴情報としての画像形成ユニットや交換体の使用時間を演算することもできる。
(8)
また、本実施形態の画像形成ユニットによれば、第1ICタグ、第2ICタグの不揮発性記憶手段を、EEPROMとすることで、電気的な信号でメモリへのデータの書込みや記憶の消去することができ、データの消去書込みを容易に行うことができる。
(9)
また、本実施形態の画像形成ユニットによれば、上記交換体を感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段、転写手段、トナー収納器のうちいずれかひとつとしている。
(10)
また、本実施形態の画像形成ユニットによれば、交換体を収納する枠体を備え、交換体は、枠体に対して着脱可能に取り付けられている。これにより、寿命がきた交換体を画像形成ユニットから容易に取り外して、新たな交換体を容易に取り付けることができる。
(11)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、画像形成ユニットを上記(1)〜(10)の画像形成ユニットとすることで、画像形成装置から発信される、第1ICタグに記憶されている情報の読み出し/書き込みを要求する要求信号を第1ICタグが確実に受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態にかかる画像形成装置の概略構成図。
【図2】画像形成装置の制御部のブロック図。
【図3】プロセスカートリッジの断面図。
【図4】帯電モジュール4に取り付けられている第2ICタグ10周辺の拡大図。
【図5】プロセスカートリッジの斜視図。
【図6】帯電装置がプロセスカートリッジに取り付けられる様子を説明した説明図。
【図7】感光体が取り外される前の状態を示す図。
【図8】感光体が取り外された状態を示す図。
【図9】画像形成ユニットと装置本体側の通信の様子を示した図。
【図10】第1ICタグのブロック図。
【図11】第2ICタグのブロック図。
【図12】装置本体と第2ICタグと第1ICタグとの間データの授受を説明するタイムチャート。
【図13】使用時間及び使用年月日によるユニット及び部品の寿命を検知する寿命検知のフローチャート。
【図14】総コピー枚数及びローラーの総回転数によるユニット及び部品の寿命を検知する寿命検知のフローチャート。
【図15】感光体の回転数の検知する反射型光学センサーを説明する斜視図。
【図16】反射型光学センサーによるドラム回転検知マークの検出回路図。
【図17】トナーエンド検知センサーからの検知結果によりユニットの寿命を検知するフローチャート。
【符号の説明】
【0076】
1 画像形成ユニット
2 クリーニングモジュール
4 帯電モジュール
5 現像モジュール
6 トナー収納器
7 枠体
9 第1ICタグ
10 第2ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の交換体が枠体に収納され、装置本体に対して着脱可能に構成される画像形成ユニットにおいて、
複数の交換体のうち、交換体の情報を記憶する不揮発性記憶手段と非接触通信手段とを有するICタグが取り付けられた交換体を少なくとも2以上設け、該交換体に取り付けられた2以上のICタグうち少なくともひとつに、該装置本体に備えられた通信手段からの信号を受信して、受信した信号を他のICタグに送信する中継機能を持たせたことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
請求項1の画像形成ユニットにおいて、
上記中継機能を持たせたICタグは、装置本体内に装着された状態において、上記装置本体に備えられた通信手段と対向することを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成ユニットにおいて、
上記中継機能を持たせたICタグの不揮発性記憶手段には、画像形成ユニットの全体情報が記憶されていることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項4】
請求項3の画像形成ユニットにおいて、
上記画像形成ユニットの全体情報は、画像形成ユニットの制御条件、製造情報、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報のうち少なくともひとつであることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項5】
請求項3または4の画像形成ユニットにおいて、
上記中継機能を持たせたICタグは、上記交換体に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの画像形成ユニットにおいて、
上記ICタグの不揮発性記憶手段に記憶される交換体の情報は、交換体の製造情報、再生するための情報、再生した情報、使用経歴情報のうち少なくともひとつであることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの画像形成ユニットにおいて、
上記中継機能を持たせたICタグは、CPUを備えたことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかの画像形成ユニットにおいて、
上記不揮発性記憶手段が、EEPROMであることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかの画像形成ユニットにおいて、
上記再生可能な交換体が、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段、転写手段、トナー収納器のうち少なくともひとつであることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれかの画像形成ユニットにおいて、
上記交換体は、上記枠体に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項11】
少なくとも1以上の交換体が一体となって装置本体に対して着脱可能に構成された画像形成ユニットを備えた画像形成装置において、該画像形成ユニットが請求項1乃至10いずれかの画像形成ユニットであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−209038(P2006−209038A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34295(P2005−34295)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】