説明

画像形成装置、プログラム、記録媒体

【課題】本発明は、上記課題に鑑み成されたものであり、小型でかつ低価格にて、改ざんや偽造を行い難い画像を出力することができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【解決手段】イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーをそれぞれ収容した現像器2Y、2M、2Cのうちの1つ2Cを、透明蛍光色トナーが収容された現像器2Uと置き換え、原稿画像は、黒と、黒以外の2色の可視トナーにて決まる再現色の範囲内の指定色とで表現し、改ざんや偽造を防止するため付加情報画像である付加パターンを、透明蛍光色トナーにて書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改ざんや偽造を行い難い画像を出力することのできる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、情報に係るOA器機の一つとして、多機能印刷装置(MFP装置)などの画像形成装置が普及している。このような画像形成装置では、LANにて接続されたパーソナルコンピュータなどのホスト機器より画像情報を送信することで、画像情報を容易に出力(印刷)させることができる。また、スキャナ機能を搭載しているものも多く、書類を容易に複写することもできる。
【0003】
ところが、上記画像形成装置を用いることで、画像情報の印刷や複写が容易にできて便利である反面、重要な情報の外部への持ち出しも簡単にできるといった問題がある。そのため、従来、上記画像形成装置においては、印刷や複写による情報の外部への流出を防止するための装置や方法が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、記録用紙上に画像を可視トナーを用いて形成する際に、本来の画像情報とは別の付加情報を不可視トナーを用いて形成することが記載されている。不可視トナーとは、可視光では視認し難いトナーであり、例えば、紫外線の照射にて発色する蛍光物質を含むトナーである。
【0005】
印刷物に不可視トナーにて付加情報を書き込むことで、この付加情報の有無を確認することにより、オリジナルか否かを判別することができる。つまり、印刷物に付加情報が存在するものはオリジナルであり、付加情報が消えてしまっているものは、オリジナルの印刷物を複写した複写物(偽造物)である。また、オリジナルの印刷物に対して改ざんを行って複写したものや、オリジナルの印刷物を一旦画像データ化し、これに対して改ざんを行った上で印刷し直したものにおいても、付加情報は消えてしまうため、付加情報の有無を確認することで、改ざんされたものかどうかを判別することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−251389号公報(2006年9月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の可視トナーに加えて、不可視トナーを用いる構成であるため、感光体ドラムを中心とする画像形成ステーションが5つ必要となる。
【0008】
今日、普及しているフルカラー画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応して4つの画像形成ステーションが設けられたものが主流である。画像形成ステーションが1つ増えることで、必然的に画像形成装置は大型化する。また、画像形成ステーションが1つ増えることにより、フルカラー画像形成装置と共用化できない、例えば、画像形成装置の筐体や、中間転写ベルト等の部品については、設計からやり直すことを余儀なくされる。
【0009】
そのため、特許文献1の技術の構成では、画像形成装置が大型かつ高価格となり、小型化、低価格化といった市場の要求にそぐわず、小型化、低価格化を図るための工夫が必須となっている。また、ユーザーからも、小型でかつ低価格にて、改ざんや偽造を行い難い画像を出力することができる画像形成装置の開発が要求されている。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑み成されたものであり、小型でかつ低価格にて、改ざんや偽造を行い難い画像を出力することができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願出願人は、上記したユーザーの要求に応えるべく、鋭意検討を重ねた結果、ユーザーが改ざんや偽造を防止したいと考える書類(以下、機密書類)、例えば、決済書や稟議書、証明書などは、フルカラー画像ではなく、もっぱら、黒と赤の2色画像であることに気がつきこの点に着目した。これは、日本や中国等の印鑑を用いる諸国においては、黒で記載された書類に、赤色(朱色)で印鑑が押されているものが多いためである。
【0012】
また、本願出願人は、たとえ印鑑を用いる習慣や文化がなくとも、デザイン関係などの機密書類がフルカラー画像であることが多い一部の業種を除いて、一般の企業や法人が扱う機密書類としては、フルカラー画像でなくとも、充分ではないかと考えた。
【0013】
そのように考えた場合、本願出願人は、フルカラー画像の作成に固持して、不可視トナーによる付加情報画像の書き込みをも考えるため、画像形成ステーションの増設が必要となるのであって、フルカラー画像の作成に固持しなければ、従前からあるフルカラーの画像形成装置を利用して、簡単に、不可視トナーによる付加情報画像の書き込みが可能でありながら、小型で価格も安い画像形成装置を提供することが可能であることを見出し、本願発明を行うに至った。
【0014】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、4つの現像器を備えることができる画像形成装置であって、可視光線下では視認し難い不可視トナーが収容された現像器と、黒の可視トナーが収容された現像器と、有彩色の可視トナーが収容された少なくとも1つの現像器とを備え、原稿画像の画像データより、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの各可視トナーの印刷データを生成するフルカラー画像処理手段の機能を用いて、黒の可視トナー、及び少なくとも1つ備えられた上記有彩色の可視トナーの各印刷データを生成する第1画像処理手段と、付加情報画像の画像データより、不可視トナーの印刷データを生成する第2画像処理手段と、記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、前記原稿画像の画像データに応じたトナー像を前記第1画像処理手段で生成された各可視トナーの印刷データを用いて形成し、前記付加情報画像の画像データに応じたトナー像を前記第2画像処理手段で生成された不可視トナーの印刷データを用いて形成する画像形成部とを備えることを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、第1画像処理手段がフルカラー画像処理手段の機能を用いて、黒の可視トナー、及び少なくとも1つ備えられた有彩色の可視トナーの印刷データを生成する。また、第2画像処理手段が、付加情報画像の画像データより不可視トナーの印刷データを生成する。そして、画像形成部が、生成された各可視トナーの印刷データに基づいて原稿画像を可視トナーで再現し、生成された不可視トナーの印刷データに基づいて付加情報画像を不可視トナーで再現する。
【0016】
ここで、原稿画像は、黒と、少なくとも1色の有彩色で表現される。有彩色の可視トナーが2色搭載されている場合は、原稿画像は、黒と、これら2色の有彩色の可視トナーの色の組み合わせに応じた再現色の範囲内の色で表現される。一方、付加情報画像は、第2現像器に収容された不可視トナーにて表現される。
【0017】
このように、本発明にかかる画像形成装置は、原稿画像としてフルカラー画像は再現できないものの、黒と、黒以外に用いられる1色の有彩色、或いは2色の有彩色の組み合わせにて決まる再現範囲内の色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。
【0018】
しかも、ここで本発明の画像形成装置が備え得る現像器は4つであるので、普及している4つの現像器を備えたフルカラー画像形成装置を、例えば、4つある現像器のうちの、黒を除く、イエロー、マゼンタ、シアンの3つの現像器のうちの1つを不可視トナーを収容した現像器に交換するなどの簡単な手法で、本発明の画像形成装置を、第1、第2の画像処理手段を除いて容易に実現することができる。
【0019】
また、第1、第2の画像処理手段についても、フルカラー画像形成装置の有するCPU等を含む演算処理部に、画像処理プログラムを読み込ませる、或いはこれに加えて画像形成装置のプリンタドライバを変更するといった、ソフトウェア上の変更にて充分に対応可能である。
【0020】
これにより、ユーザーが要求する、小型でかつ低価格にて、改ざんや偽造を行い難い画像を出力することができる画像形成装置を提供することができる。
【0021】
本発明の画像形成装置においては、さらに、前記不可視トナーが収容された第1現像器と、黒の可視トナーが収容された第2現像器と、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの1色の可視トナーが収容された第3現像器と、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの1色であって、前記第3現像器とは異なる色の可視トナーが収容された第4現像器とを備え、前記第1画像処理手段は、前記第2〜第4の現像器に収容された各可視トナーの印刷データを生成する構成とすることもできる。
【0022】
これによれば、上述したように、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの1色の現像器を不可視トナーが収容された現像器に入れ換えることで、黒と、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの残った2色の組み合わせにて決まる再現範囲内の色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。
【0023】
また、この場合、前記第3、第4の現像器に収容された2色の可視トナーが、イエローとマゼンタの可視トナーである構成とすることが好ましい。
【0024】
これは、上述したように、日本や中国等の印鑑を用いる諸国においては、機密書類は、黒で記載された書類に、赤色(朱色)で印鑑が押されているものが多いためである。つまり、上記構成によれば、イエローとマゼンタの2色にて赤を再現できるので、印鑑を用いる諸国において好適である。
【0025】
また、この場合、前記第1画像処理手段は、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、前記第3、第4の現像器に収容された各可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより前記第2現像器に収容された黒の可視トナーの印刷データを生成する構成とすることもできる。
【0026】
フルカラー画像作成の画像処理においては、原稿画像の画像データより、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色データを作成する。しかしながら、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの1色は、不可視トナーに置き換えられているので、このようなフルカラー画像用の色データに基づいてそのまま画像を形成しても、通常処理のフルカラーの色再現ができないことはもちろんであるが、不可視トナーに置き換えられた可視トナーの色に対応する色データを切り捨ててしまうと、その色のみを使用する画像部分が再現されなくなる。
【0027】
上記構成においては、第1画像処理手段は、原稿画像の画像データより分離した有彩色データを、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの2色の可視トナーにて再現する特定の色のデータに置き換えることで、前記第3、第4の現像器に収容された可視トナーの各色に対応するデータを作成し、不可視トナーに置き換えられた可視トナーの色のデータも、残りの2色のデータに含まれることになる。
【0028】
これにより、不可視トナーに置き換えられた可視トナーの色のみを使用する画像部分も置き換えられ、かつ、残りの2色のデータも同じになるので、黒以外の画像部分の色を、残りの2色の混色による上記した特定の色に揃えることができる。
【0029】
また、この場合、前記第3、第4の現像器に収容された2色の可視トナーの組み合わせで再現される色を、前記2色にて決定される色再現域内の任意の色の中からユーザーに指定させる指定色設定部を備え、前記第1画像処理手段は、前記指定色設定部にて設定された指定色となるように、前記第3、第4の現像器に収容された2色の可視トナーの印刷データを生成する構成とすることもできる。
【0030】
これによれば、前記第3、第4の現像器に収容された2色の可視トナーで再現する色をユーザーが指定色設定部を用いて指定することができる。例えば、前記2色がイエローとマゼンタであれば、イエローとマゼンタの組み合わせで再現できる色再現域内の色である、オレンジ色に近い赤や真紅色などの色の指定が可能となる。これにより、画像形成装置の利便性を向上できる。
【0031】
本発明の画像形成装置においては、さらに、前記不可視トナーが収容された第1現像器と、黒の可視トナーが収容された第2現像器と、有彩色である特定色の可視トナーが収容された第5現像器とを備え、前記第1画像処理手段は、黒の可視トナー、及び特定色の可視トナーの印刷データを生成する構成とすることもできる。
【0032】
これによれば、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。2つの有彩色の組み合わせで、特定色を出すことも可能であるが、混色による発色であるため、画像形成装置が設置されている空間の湿度や温度、或いは画像形成装置内部の温度等による色味の変化を完全になくすることは難しい。また、混色による発色の場合、如何様に画像処理を行っても、色再現域の関係で、所望する色に発色させることができないこともある。
【0033】
これに対し、予め所望する特定色を発色するように製造されている特定色の可視トナーを用いた場合には、当然、色再現域の問題はない。しかも、画像形成装置が設置されている空間の湿度や温度、或いは画像成装置内部の温度等による色味の変化を確実に回避することもできる。
【0034】
また、この場合、特定色の可視トナーとしては、朱肉の色を再現可能な単色の赤の可視トナーである構成とすることが好ましい。
【0035】
これによれば、環境の変化による色味の変化を確実に回避して、常に朱肉の色を問題なく再現できるので、日本や中国等の印鑑を用いる諸国において、より一層好適な構成となる。
【0036】
また、この場合、前記第1画像処理手段は、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、特定色の可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより黒の可視トナーの印刷データを生成する構成とすることもできる。
【0037】
上述したように、有彩色と無彩色の画像データに分けることで、有彩色の画像部分をすべて画像として表現することができ、ここでは有彩色の画像部分をすべて特定色の画像として表現することができる。
【0038】
本発明の画像形成装置においては、さらに、前記不可視トナーが収容された第1現像器と、黒の可視トナーが収容された第2現像器と、有彩色である特定色の可視トナーが収容された第5現像器と、第5現像器に収容された特定色の可視トナーと同じ色相を有し色味が異なる別の特定色の可視トナーが収容された第6現像器とを備え、特定色の可視トナーが収容された現像器として予め定めえられた条件に基づいて、前記第5現像器又は前記第6現像器の何れか一方を選択する現像器選択手段をさらに備え、前記第1画像処理手段は、黒の可視トナー、及び特定色の可視トナーの印刷データを生成し、前記画像形成部は、前記現像器選択手段にて選択された、第5現像器又は第6現像器の何れか一方を、特定色の可視トナーが収容された現像器として使用する構成することもできる。
【0039】
これによれば、上記画像形成装置と同様に、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。しかも、特定色の可視トナーとして色味が異なる2種類が搭載されており、現像器選択手段が、予め定めえられた条件に基づいて、何れか一方の特定色の可視トナーを選択する。
【0040】
これにより、同じ特定色であっても、アプリケージョンやユーザーによって、色味を変化させるといった使い方が可能となり、画像形成装置の利便性を一層向上できる。
【0041】
また、この場合も、特定色の可視トナーとしては、朱肉の色を再現可能な単色の赤の可視トナーである構成とすることが好ましい。
【0042】
上述したように、特定色を朱肉の色を再現可能な単色の赤の可視トナーとすることで、環境の変化による色味の変化を確実に回避して、常に朱肉の色を問題なく再現できるので、日本や中国等の印鑑を用いる諸国において、より一層好適な構成となる。しかも、朱肉の赤でも、公式な赤や、公式の赤とは少し色味の異なる非公式の赤など、朱肉の色に拘る文化圏の国では、他の色相に比べて赤に対してさまざまな要求がなされる。上記構成とすることで、少なくとも2つの赤を再現できるので、画像形成装置としての利便性を向上できる。
【0043】
また、この構成においても、前記第1画像処理手段は、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、特定色の可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより黒の可視トナーの印刷データを生成する構成とすることができる。
【0044】
本発明の画像形成装置においては、さらに、前記不可視トナーが収容された第1現像器と、黒の可視トナーが収容された第2現像器と、有彩色である特定色の可視トナーが収容された第5現像器と、画像に光沢を付与するための光沢付与トナーが収容された第7現像器とを備え、記録用紙全面をトナー像形成領域とした、光沢付与トナーの印刷データを生成するデータ生成手段をさらに備え、前記第1画像処理手段は、黒の可視トナー、及び特定色の可視トナーの印刷データを生成し、前記画像形成部は、さらに、前記光沢付与トナーの印刷データに応じたトナー像を、前記データ生成手段で生成された光沢付与トナーの印刷データを用いて形成する構成とすることもできる。
【0045】
これによれば、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を、さらに表面に光沢が付与されることで、出力後の改ざんや偽造をより一層困難にすると共により上質な状態で得ることができる。
【0046】
また、この構成においても、特定色の可視トナーとしては、上記と同じ理由により、朱肉の色を再現可能な赤の可視トナーである構成とすることが好ましい。
【0047】
また、この構成においても、前記第1画像処理手段は、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、特定色の可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより黒の可視トナーの印刷データを生成する構成とすることができる。
【0048】
本発明の上記画像形成装置においては、さらに、前記不可視トナーが、紫外線の照射により発光する蛍光物質を含んでいる構成とすることもできる。
【0049】
顔料や染料に代えて、紫外線の照射により発光する蛍光物質を含ませて製造したトナーは、可視光線下では視認し難く、かつ、紫外線を照射することで容易に視認することができるので、可視光線下では視認し難い不可視トナーとして用いることができる。
【0050】
本発明の上記画像形成装置においては、さらに、前記不可視トナーが、赤外線を吸収する赤外線吸収剤を含んでいる構成とすることもできる。
【0051】
顔料や染料に代えて、赤外線を吸収する赤外線吸収剤を含ませて製造したトナーは、可視光線下では視認し難く、赤外線を照射することで黒く見え、視認することができる。これにより、蛍光物質を含むトナーと同様、可視光線下では視認し難い不可視トナーとして用いることができる。
【0052】
また、不可視トナーとして、蛍光物質や赤外線吸収剤を含ませたトナーを使用する構成においては、各現像器は、第1現像器に収容された不可視トナーを用いて形成される付加情報画像のトナー像が、記録用紙上に転写された状態で、最上層になるように配されている構成とすることが好ましい。
【0053】
不可視トナーにて形成されたトナー像の上に可視トナーで形成されたトナー像が形成され、不可視トナーのトナー像が可視トナーのトナー像で覆われると、下層側の不可視トナーのトナー像を視認できない、或いは視認し辛くなるといった不具合が発生する。
【0054】
例えば、不可視トナーが、蛍光物質を含むトナーであれば、可視トナーで覆われた部分では紫外線光を反射させることができなくなり、可視トナーで覆われた部分の付加情報画像を確認できなくなる。
【0055】
また、不可視トナーが、赤外線吸収剤を含むトナーであれば、可視トナーが赤外線光を反射してしまい、不可視トナーにまで到達せず、可視トナーで覆われた部分の付加情報画像を確認できなくなる。
【0056】
上記構成によれば、記録用紙上において、不可視トナーにて形成された付加情報画像のトナー像が最上層に位置するように、第1〜第4の現像器が配置されているので、不可視トナーにて形成された付加情報画像と可視トナーで形成された原稿画像のトナー像とを積層させる場合でも、不可視トナーによるトナー像が、可視トナーによるトナー画像に覆われるようなことがない。
【0057】
そのため、蛍光物質を含む不可視トナーであっても、赤外線吸収剤を含む不可視トナーであっても、可視トナーにて遮られることなく、紫外線光或いは赤外線光の照射にて、付加情報画像を出現させることができる。
【0058】
なお、一般にフルカラー画像形成装置の場合、イエローのトナー像が記録用紙上に転写された状態で最上層になるように配されている。しかしながら、ここで、イエローのトナー像を最上層に位置させるのは、イエローが最も透過性が高く下層の色を通すことで、イエロー以外の色が最上層に位置するよりも、色再現域を広げることができるためである。つまり、イエローのトナー像を最上層とする考え方と、不可視トナーのトナー像を最上層とする考え方とは、技術思想が異なる。
【0059】
また、光沢付与トナーを用いる構成においては、各現像器は、第6現像器に収容された光沢付与トナーを用いて形成されるトナー像が、記録用紙上に転写された状態で最上層になるように配されている構成とすることが好ましい。
【0060】
光沢付与トナーのトナー像を最上層に配することで、可視トナーで形成されたトナー像や、不可視トナーで形成されたトナー像に対し、改ざんや偽造を試みようとした場合、まず、最上層の光沢付与トナーで形成されたトナー像(トナー層)を、剥がすなどの必要が生じる。そのため、改ざんや偽造のために手を加えられた部分の光沢性がほかの部分より低下することとなり、改ざんや偽造が行われたことが判明しやすい。
【0061】
つまり、光沢付与トナーのトナー像を最上層に配することで、より一層、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。
【0062】
本発明の別の画像形成装置は、上記課題を解決するために、4つの現像器を備えることのできる画像形成装置であって、原稿画像の画像データより、黒、イエロー、シアン、マゼンタの各可視トナーの印刷データを生成するフルカラー画像処理手段と、フルカラー画像処理手段の機能を利用して、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、有彩色の可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより黒の可視トナーの印刷データを生成する第1画像処理手段と、付加情報画像の画像データより、可視光線下では視認し難い不可視トナーの印刷データを生成する第2画像処理手段と、記録用紙にトナー像として画像を形成する画像形成部とを有し、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの可視トナーがそれぞれ収容された現像器が装着され、前記画像形成部が、記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、前記原稿画像の画像データに応じたトナー像を、前記フルカラー画像処理手段で生成された各可視トナーの印刷データを用いてフルカラー画像を形成するフルカラー仕様モードと、前記フルカラー仕様モードにおける4つの現像器のうちの黒の可視トナーを収容した現像器を除く3つの現像器のうちの少なくとも1つに代えて、前記不可視トナーが収容された現像器が少なくとも装着され、前記画像形成部が、記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、前記原稿画像の画像データに応じたトナー像を前記第1画像処理手段で生成された各可視トナーの印刷データを用いて形成し、前記付加情報画像の画像データに応じたトナー像を前記第2画像処理手段で生成された不可視トナーの印刷データを用いて形成する透明色仕様モードと、を有していることを特徴としている。
【0063】
上記構成によれば、1台の画像形成装置を、仕様モードを切り換えることで、フルカラー画像を作成するフルカラー画像形成装置としても、不可視トナーにて付加情報画像が書き込まれた、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる画像形成装置としても使用することができる。
【0064】
つまり、フルカラー仕様モードでは、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの可視トナーをそれぞれ収容した現像器を装着して、フルカラー画像処理手段を用いて原稿画像の画像データより、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの各可視トナーの印刷データを生成し、これを用いて画像形成部が、記録用紙に原稿画像のフルカラー画像を形成する。
【0065】
一方、透明色仕様モードでは、フルカラー仕様モードにおける4つの現像器のうちの黒の可視トナーを収容した現像器を除く3つの現像器のうちの少なくとも1つに代えて、前記不可視トナーが収容された現像器を少なくとも装着しており、第1画像処理手段を用いて、原稿画像データより、黒及び、搭載している有彩色の可視トナーの印刷データを生成すると共に、第2画像処理手段を用いて、付加情報画像の画像データより不可視トナーの印刷データを生成し、これらを用いて画像形成部が、付加情報付きの原稿画像を形成する。
【0066】
これにより、本発明の画像形成装置のユーザーや、画像形成装置を提供するサービスは、たとえ作業内容が、例えば機密書類を多く扱う状態からフルカラー画像を多く扱う状態に変わったとしても、画像形成装置を買い換えることなく、作業内容の変化に合わせて柔軟に対応することができる。
【0067】
本発明の別の画像形成装置においては、さらに、前記透明色仕様モードにおいては、黒の可視トナーが収容された現像器と、不可視トナーが収容された現像器と、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの何れか2色の可視トナーがそれぞれ収容された現像器とが装着され、前記第1画像処理手段は、黒、及び前記2色の各可視トナーの印刷データを生成する構成とすることができる。
【0068】
これによれば、透明色仕様モードでは、黒と、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの残った2色の組み合わせにて決まる再現範囲内の色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。
【0069】
また、この場合、さらに、不可視トナーが収容された現像器が装着されたことを検知する第1検知部と、前記第1検知部にて不可視トナーが収容された現像器が装着されたことが検知されると、当該画像形成装置の仕様モードを透明色仕様モードとするモード制御手段を備える構成とすることができる。
【0070】
上記構成によれば、不可視トナーが収容された現像器の装着を検知する検知部が備えられており、該検知部にて不可視トナーが収容された現像器の装着が検知されると、モード制御手段が、仕様モードを透明色仕様モードとする。
【0071】
これにより、フルカラー仕様モードで駆動されている状態の画像形成装置に、不可視トナーが収容された現像器を装着するだけで、透明色仕様モードへと自動的に切り換えられるので、サービスマンはもちろんのこと、ユーザー自身においても、仕様モードの切り換えが可能となり、装置の利便性がさらに向上する。
【0072】
本発明の別の画像形成装置においては、さらに、前記透明色仕様モードにおいては、黒の可視トナーが収容された現像器と、不可視トナーが収容された現像器と、特定色の可視トナーが収容された現像器とが装着され、前記第1画像処理手段は、黒及び特定色の各可視トナーの印刷データを生成する構成とすることもできる。
【0073】
これによれば、透明色仕様モードでは、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。
【0074】
また、この場合も、不可視トナーが収容された現像器が装着されたことを検知する第1検知部を備え、前記第1検知部にて不可視トナーが収容された現像器が装着されたことが検知されるこことで、透明色仕様モードへと切り換える構成とすることができる。
【0075】
本発明の別の画像形成装置においては、さらに、前記透明色仕様モードにおいては、黒の可視トナーが収容された現像器と、不可視トナーが収容された現像器と、有彩色である特定色の可視トナーが収容された第5現像器と、前記特定色の可視トナーと同じ色相を有し色味が異なる別の特定色の可視トナーが収容された第6現像器とを備え、特定色の可視トナーが収容された現像器として予め定めえられた条件に基づいて、前記第5現像器又は前記第6現像器の何れか一方を選択する現像器選択手段をさらに備え、前記第1画像処理手段は、黒の可視トナー、及び特定色の可視トナーの印刷データを生成し、前記画像形成部は、前記現像器選択手段にて選択された、第5現像器又は第6現像器の何れか一方を、特定色の可視トナーが収容された現像器として使用する構成とすることもできる。
【0076】
これによれば、上記画像形成装置と同様に、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。しかも、特定色の可視トナーとして色味の異なる2種類搭載されており、現像器選択手段が、予め定めえられた条件に基づいて、何れか一方の特定色の可視トナーを選択する。
【0077】
これにより、色相が同じ特定色であっても、アプリケージョンやユーザーによって、色味を変化させるといった使い方が可能となり、画像形成装置の利便性を一層向上できる。
【0078】
本発明の別の画像形成装置においては、さらに、前記透明色仕様モードにおいては、黒の可視トナーが収容された現像器と、不可視トナーが収容された現像器と、特定色の可視トナーが収容された現像器と、画像に光沢を付与するための光沢付与トナーが収容された現像器とが装着され、記録用紙全面をトナー像形成領域とした、光沢付与トナーの印刷データを生成するデータ生成手段を備え、前記第1画像処理手段は、黒及び特定色の各可視トナーの印刷データを生成を生成し、前記画像形成部が、さらに、前記光沢付与トナーの印刷データに応じたトナー像を、前記データ生成手段で生成された光沢付与トナーの印刷データを用いて形成する構成とすることもできる。
【0079】
これによれば、透明色仕様モードでは、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を、さらに表面に光沢が付与されることで、出力後の改ざんや偽造をより一層困難にすると共により上質な状態で得ることができる。
【0080】
また、この場合も、不可視トナーが収容された現像器が装着されたことを検知する第1検知部を備え、前記第1検知部にて不可視トナーが収容された現像器が装着されたことが検知されるこことで、透明色仕様モードへと切り換える構成とすることができる。
【0081】
そして、上記画像形成装置における各手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像形成装置の各手段として動作させることにより、上記画像形成装置をコンピュータにて実現させるプログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0082】
本発明によれば、不可視トナーにて付加情報画像が書き込まれた、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる画像形成装置を小型かつ価格にて提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1〜第4の実施の形態における画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】(a)は、第1の実施の形態の画像形成装置がフルカラー画像作成用として使用される場合の現像器の好ましい配置例を示す図であり、(b)は、第1の実施の形態の画像形成装置が機密書類作成用として使用される場合の現像器の好ましい配置例を示す図である。
【図3】第1〜第4の実施の形態における画像形成装置に備えられた現像器の概略の構成を示す斜視図である。
【図4】第1〜第4の実施の形態における画像形成装置に備えられた現像器の概略の構成を示す斜視図である。
【図5】第1〜第4の実施の形態における画像形成装置の制御系の要部のブロック図である。
【図6】第1の実施の形態の画像形成装置が、フルカラー画像作成用として使用された場合における画像処理を示す図である。
【図7】第1の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合における画像処理を示す図である。
【図8】第1の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合における別の画像処理を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【図10】第1の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【図12】(a)は、画像形成装置がフルカラー画像作成用として使用された場合の、印刷データの構成例と印刷結果とを示す図であり、(b)は、画像形成装置が機密書類作成用として使用された場合の、印刷データの構成例と印刷結果とを示す図である。
【図13】(a)は、第2の実施の形態の画像形成装置がフルカラー画像作成用として使用される場合の現像器の好ましい配置例を示す図であり、(b)は、第2の実施の形態の画像形成装置が機密書類作成用として使用される場合の現像器の好ましい配置例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合における画像処理を示す図である。
【図15】第2の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合における別の画像処理を示す図である。
【図16】第2の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【図17】第2の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【図18】(a)は、第3の実施の形態の画像形成装置がフルカラー画像作成用として使用される場合の現像器の好ましい配置例を示す図であり、(b)は、第3の実施の形態の画像形成装置が機密書類作成用として使用される場合の現像器の好ましい配置例を示す図である。
【図19】第3の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合における画像処理を示す図である。
【図20】第3の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合における別の画像処理を示す図である。
【図21】第3の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【図22】第3の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【図23】(a)は、第4実施の形態の画像形成装置がフルカラー画像作成用として使用される場合の現像器の好ましい配置例を示す図であり、(b)は、第4実施の形態の画像形成装置が機密書類作成用として使用される場合の現像器の好ましい配置例を示す図である。
【図24】第4の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合における画像処理を示す図である。
【図25】第4の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合における別の画像処理を示す図である。
【図26】第4の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【図27】第4の実施の形態の画像形成装置が、機密書類作成用として使用された場合におけるさらに別の画像処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図12を用いて詳細に説明する。
【0085】
図1は、本発明の画像形成装置の構成を示す図である。
【0086】
画像形成装置100は、図示しないパーソナルコンピュータ等の情報処理装置とLAN等を介して接続されており、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙(記録用紙、シート)に対して多色及び単色の画像を形成するプリンタである。
【0087】
画像形成装置100は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有している。
【0088】
本画像形成装置100においては、画像形成部として4つの画像形成ステーションP1〜P4を備えることができる構成である。4つの画像形成ステーションP1〜P4はそれぞれ、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4を備えており、基本的に同一の構成を有している。但し、各画像形成ステーションPは、それぞれ個々に識別情報を有しており、後述する制御部151は、画像形成ステーションPを個々に判別できるようになっている。4つの画像形成ステーションPを備えることで、本画像形成装置100は、4色のトナー(現像剤)を用いて画像を形成することができる。
【0089】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すような非接触型の他、ローラ型やブラシ型等の接触型の帯電器が用いられることもある。
【0090】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3の表面を、入力された画像データに応じて露光することにより、画像データに応じた静電潜像を形成するものである。図1に示すように、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成する他、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いることもできる。
【0091】
現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像をトナーを用いて顕像化するものであり、画像形成装置100に対して着脱自在に設けられている。詳細については後述するが、本画像形成装置100においては、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び透明蛍光色の5種類のトナーをそれぞれ収容した現像器2K、2Y、2M、2C、2Uを、所定の組み合わせにて装着できるようになっている。
【0092】
クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
【0093】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、4つの画像形成ステーションP1〜P4に対応して4本設けられている。
【0094】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0095】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上に多色のトナー像を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0096】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0097】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0098】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0099】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写されず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0100】
給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、画像形成装置100における露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する用紙を置くことができる。また、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みの用紙をフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0101】
また画像形成装置100には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82の用紙を転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0102】
搬送ローラ12a〜12dは、用紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0103】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている用紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端と用紙の先端を合わせるタイミングで用紙を転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0104】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、用紙を挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部151(図5参照)によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーを用紙に熱圧着することにより、用紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、用紙に対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
【0105】
次に用紙搬送路Sを詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予め用紙を収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82から用紙を給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、用紙を1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0106】
各給紙カセット81,82から搬送される用紙は用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、用紙の先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、用紙上に画像情報が書き込まれる。その後、用紙は定着ユニット7を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0107】
上記の搬送経路は、用紙に対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し、定着ユニット7を通過した用紙の後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによって用紙を搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経て用紙裏面に印字が行われた後に用紙が排紙トレイ91に排出される。
【0108】
そして、本画像形成装置100は、フルカラー画像用の画像形成装置(フルカラー仕様モード)としても、機密書類作成用の画像形成装置(透明色仕様モード)としても機能するようになっている。
【0109】
本画像形成装置100がフルカラー画像用の画像形成装置として機能する場合、図1に示す4つの画像形成ステーションP1〜P4には、フルカラー画像を作成するための、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のトナー(可視トナー)をそれぞれ収容した4つの現像器2が装着される。
【0110】
一方、本画像形成装置100が機密書類作成用の画像形成装置として機能する場合は、4つの画像形成ステーションP1〜P4には、シアン、マゼンタ、イエローの3色のうちの2色と、黒と、不可視トナーである透明蛍光色(透明光)トナーをそれぞれ収容した4つの現像器2が装着される。
【0111】
透明蛍光色トナーが用いられる場合、可視画像は、黒と、黒以外に用いられる2色の可視トナーにて決まる再現色の範囲内の色とで表現される。例えば、シアン、マゼンタ、イエローの3色のうちの2色が、イエローとマゼンタであれば、イエロートナーとマゼンタトナーとを混色して再現できる、赤や、オレンジ色等である。
【0112】
以下、本画像形成装置100においては、シアン、マゼンタ、イエローの3色のうちの2色として、マゼンタとイエローとが用いられる場合を例示して説明するが、上述したように、この2色の組み合わせに何ら限定されるものではない。但し、マゼンタとイエローの組み合わせわとすることで、再現色に赤の色相を含み、日本や中国等の印鑑を用いる諸国において、機密書類に捺印される印鑑の赤色(朱肉の色)を再現できるので、印鑑を用いる諸国において使用される画像形成装置として好適なものとなる。
【0113】
また、不可視トナーは、可視光線下では視認し難く、特殊な光を照射することで、視認できる透明(無色)トナーであり、例えば、紫外線(紫外線光、紫外光)の照射により発光する蛍光物質を含んでいる透明蛍光色トナーや、照射した赤外線(赤外線光、赤外光)を吸収する赤外線吸収剤を含んでいる無色赤外光吸収トナーを用いることができる。透明蛍光色トナーは、紫外線光を照射することで、発色し、視認できるようになる。一方、無色赤外光吸収トナーは、赤外線を照射することで、これを吸収して黒くなり、視認できるようになる。
【0114】
透明蛍光色トナーは、着色剤を含まず、着色剤の代わりに、蛍光染料或いは蛍光顔料を含む点を除いて、可視光で視認できる黒、シアン、マゼンタ、イエロー等の可視トナーと同様の構成を有しており、同様の製法で作ることができる。前記蛍光染料及び蛍光顔料は、近紫外線領域(400nm以下)の入力光に対し吸光ピークを持ち、可視光領域に発光ピークを有している。
【0115】
無色赤外光吸収トナーも、着色剤を含まず、着色剤の代わりに、赤外線吸収剤を含む点を除いて、可視トナーと同様の構成を有しており、同様の製法で作ることができる。前記赤外線吸収剤としては、例えば、イッテルビウムや、ネオジム系の化合物を用いることができる。イッテルビウムあるいはネオジム系の化合物は、赤外線領域(700nm以上)の入力光を効率よく吸収する。
【0116】
以下、本実施形態では、不可視トナーとして、紫外線の照射により発光する蛍光物質を含んでいる透明蛍光色トナーを用いる場合を例示する。
【0117】
図2(a)(b)に、本画像形成装置100がフルカラー画像作成用として使用される場合及び機密書類作成用として使用される場合それぞれにおける、4つ備えられる現像器2の好ましい配置例を示す。本画像形成装置100においては、このような配置が採用されている。
【0118】
図2(a)に示すように、フルカラー画像作成用として使用される場合、本実施形態では、矢印Xにて示す方向に回転する中間転写ベルト61に対し、転写ローラ10の配置位置を基点として、回転方向最上流側に位置する画像形成ステーションP1に、イエロートナーを収容したイエローの現像器2Yがセットされ、その下流側に位置する画像形成ステーションP2に、マゼンタトナーを収容したマゼンタの現像器2Mがセットされる。そして、さらに下流側に位置する画像形成ステーションP3に、シアントナーを収容したシアンの現像器2Cがセットされ、転写ローラ10に最も近い最下流側に位置する画像形成ステーションP4に、黒トナーを収容した黒の現像器2Kがセットされる。
【0119】
このような配置とすることで、中間転写ベルト61上では、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、黒トナー像の順に積層され、黒トナーが最上層に位置することとなる。そして、転写ローラ10にて用紙上に転写されることで、積層関係が逆転し、用紙上では黒トナー像が最下層となり、イエロートナー像が最上層に位置することとなる。イエロートナーは、マゼンタ、シアン、黒の各トナーに比べて透過性が高いため、このように最上層に位置させることで、下層の色を通して色再現域を広げることができるといった効果がある。
【0120】
また、図2(b)に示すように、機密書類作成用として使用される場合、本実施形態では、矢印Xにて示す方向に回転する中間転写ベルト61に対し、転写ローラ10の配置位置を基点として、回転方向最上流側に位置する画像形成ステーションP1に、透明蛍光色トナーを収容した透明蛍光色の現像器2U(第1現像器)がセットされ、その下流側に位置する画像形成ステーションP2に、イエローの現像器2Y(第3或いは第4現像器)がセットされる。そして、さらに下流側に位置する画像形成ステーションP3に、マゼンタトナーの現像器2M(第4或いは第3像器)がセットされ、転写ローラ10に最も近い最下流側に位置する画像形成ステーションP4に、黒の現像器2K(第2現像器)がセットされる。
【0121】
このような配置とすることで、中間転写ベルト61上では、透明蛍光色トナー像、イエロートナー像、マゼンタトナー像、黒トナー像の順に積層され、黒トナー像が最上層に位置することとなる。そして、転写ローラ10にて用紙上に転写されることで、積層関係が逆転し、用紙上では黒トナー像が最下層となり、透明蛍光色トナー像が最上層に位置することとなる。
【0122】
透明蛍光色トナーは、所定波長の紫外線が照射されることで、発光して(反射して)可視化されるものである。そのため、他の色のトナーと積層され、用紙上で、マゼンタや、シアン、黒のトナー像の下層に配置されると、上にあるトナーにて紫外線が遮られてしまって下層まで到達せず、発光できなくなる。このように、透明蛍光色トナーを最上層に位置させることで、たとえ、他の色のトナー像と積層される場合でも、透明蛍光色トナーで形成された付加情報画像を欠けさせることなく出現させることができる。
【0123】
不可視トナーとして、赤外線吸収剤を含む無色赤外光吸収トナーを用いた場合も、用紙上では無色赤外光吸収トナー像が最上層に位置することが好ましい。無色赤外光吸収トナー像が、可視トナー像に覆われると、視認する際に使用する赤外線光を可視トナーが反射してしまい、不可視トナーに到達せず吸収されないため、その部分が黒くならない。無色赤外光吸収トナーを最上層に位置させることで、たとえ可視トナーのトナー像と積層される場合でも、赤外線光を問題なく吸収して、無色赤外光吸収トナーで形成された付加情報画像を欠けさせることなく出現させることができる。
【0124】
なお、透明蛍光色トナー像を用紙上の最上層に位置させることだけが目的であれば、図2(a)に示す、画像形成ステーションP1より外したイエローの現像器2Yを、シアンの現像器2Cを外した画像形成ステーションP3にセットすることでも対応できる。
【0125】
しかしながら、上述したように、イエロートナーは、マゼンタトナーよりも透過性が高いため、マゼンタトナーよりも上層に位置させることで、下層のマゼンタの色を通して色再現域を広げることができる。
【0126】
ところで、一般的にフルカラーの画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各トナーを収容した現像器と、これをセットする画像形成ステーションPとは、1対1で対応付けられており、画像形成装置においては、セットされた現像器が正しいかどうか(収容するトナーの色が正しいかどうか)を確認するようになっている。そして、画像形成装置においては、各画像形成ステーションPにおいて、もしも設定とは異なる色のトナーを収容した現像器がセットされると、セット位置が誤りであることをユーザーに報知すると共に、画像形成動作を行わないようになっている。
【0127】
このような所定の画像形成ステーションPに所定の現像器がセットされたかどうかの確認は、例えば、各現像器2にICタグを設けておき、現像器2が画像形成ステーションPに取り付けられたときに、画像形成装置がICタグ内の情報を読み出すことで確認するようになっている。
【0128】
図3、図4は、現像器2の概略の構成を示す斜視図である。図3に示すように、現像器2は、現像槽200及びトナーカートリッジ201を備えており、画像形成装置100に着脱可能となっている。
【0129】
トナーカートリッジ201は、現像剤であるトナーを収容するものである。トナーカートリッジ201は、図4に示すように、攪拌部材202及びICタグ203、透明窓204を備えている。攪拌部材202は、トナーカートリッジ201に収容されたトナーを攪拌するものである。現像器2が画像形成装置100の画像形成ステーションPに装着されると、攪拌部材202の回転軸に取り付けられているドッグクラッチ205と、画像形成装置100に設けられているドッグクラッチ205とが嵌合し、画像形成装置100に設けられたドッグクラッチ205と接続された図示しない駆動源からの駆動力に攪拌部材202は回転する。透明窓204は、画像形成装置100に設けられた検出部である本体側センサ206が、当該現像器2が装着されたか否かを検出するために設けられている。
【0130】
ICタグ203には、例えば、少なくとも、当該現像器2が収容しているトナーの色を表す情報が記録されている。その他、交換部品の製品名、交換部品の製造番号、交換部品の製造者名、収容物の製品名、収容物の製造者名、収容物の原材料名、収容物の内容量、収容物の使用期限などの情報が記録されていてもよい。
【0131】
ICタグ203に記憶された情報は、画像形成装置100の通信部207によって読み取られる。通信部207は、画像形成ステーションP1〜P4にそれぞれ備えられている。画像形成装置100は、画像形成ステーションP1〜P4の各通信部207−1〜207−4が、ICタグ203より読み取ったこれらの情報より、該当する画像形成ステーションPに対する当該現像器2のセットを許可するか否かを判断する。
【0132】
図2(a)(b)よりわかるように、本画像形成装置100では、黒の現像器2Kがセットされる画像形成ステーションP4以外の画像形成ステーションP1〜P3においては、画像形成装置100がフルカラー画像作成用として使用される場合と機密書類作成用として使用される場合とで、セットされる現像器2が異なる。
【0133】
このような各画像形成ステーションPにおける現像器2の入れ代えを可能にするために、本画像形成装置100では、制御部151が、画像形成ステーションP1にセットされた現像器2に基づいて、当該画像形成装置100の仕様モードを判断し、画像形成装置100がフルカラー画像作成用として使用される場合と、機密書類作成用として使用される場合とで、各画像形成ステーションPに対してセットを許可する現像器2の種類(色)を切り換えるようになっている。
【0134】
図5に、画像形成装置100の制御系の要部のブロック図を示す。
【0135】
制御部151は、CPU,ROM,RAMより構成されており、本画像形成装置100の各部を制御する制御中枢である。制御部151は、データバス155を介して、本画像形成装置100における各部(画像形成ステーションP1〜P4、露光ユニット1、画像読取部90…)と接続されており、これら各部の動作を制御する。
【0136】
通信部207−1〜207−4は、画像形成ステーションP1〜P4に設けられ、各画像形成ステーションPにセットされた現像器2より、ICタグ203内の情報を読み出すものである。通信部207−1が画像形成ステーションP1に設けられており、通信部207−2が画像形成ステーションP2に、通信部207−3が画像形成ステーションP3に、通信部207−4が画像形成ステーションP4に設けられている。通信部207−1〜207−4が読み出した情報は、データバス155を介して制御部151へと入力される。
【0137】
制御部151は、通信部207−1〜207−4から入力される情報を基に、本画像形成装置100が、機密書類作成用として使用されるのか、或いはフルカラー画像作成用として使用されるのか(自身の仕様モード)を特定する。
【0138】
本画像形成装置100の場合、透明蛍光色の現像器2Uは、画像形成ステーションP1にセットされるように設定されている。したがって、制御部151は、通信部207−1から入力される情報より、画像形成ステーションP1に透明蛍光色の現像器2Uの装着を検知すると、機密書類作成用としての使用であると特定する。
【0139】
また、本画像形成装置100の場合、フルカラー画像作成時には、イエローの現像器2Yは、画像形成ステーションP1にセットされるように設定されている。したがって、制御部151は、通信部207−1から入力される情報より、画像形成ステーションP1にイエロの現像器2Yの装着を検知すると、フルカラー画像作成用としての使用であると特定する。
【0140】
そして、制御部151は、仕様モードを特定すると、各仕様モードに応じて、画像形成ステーションP1〜P3においてセット(装着)を許可する現像器2の種類(色)を決定する。つまり、機密書類作成用としての使用である場合は、画像形成ステーションP1においてセットを許可する現像器2は透明蛍光色の現像器2U、画像形成ステーションP2においてはイエローの現像器2Y、画像形成ステーションP3においてはマゼンタの現像器2Mと決定する。
【0141】
一方、フルカラー画像作成用としての使用である場合は、画像形成ステーションP1においてセットを許可する現像器2はイエローの現像器2Y、画像形成ステーションP2においてはマゼンタトナーの現像器2M、画像形成ステーションP3においてはシアンの現像器2Cと決定する。
【0142】
なお、画像形成ステーションP4については、仕様モードに関わりなくセットを許可する現像器2は、黒の現像器2Kとする。
【0143】
これにより、画像形成装置100がフルカラー画像作成用として使用される場合と機密書類作成用として使用される場合とで、画像形成ステーションP1〜P3に対する現像器2の入れ換えが可能となる。
【0144】
外部通信インターフェース153は、LANやネットワーク等を介して、外部のパーソナルコンピュータからなるホスト機器やサーバー機器と、本画像形成装置100とを接続するものである。外部通信インターフェース153にて、ホスト機器から送信されてきた印刷すべき画像データを受信すると、制御部151は、受信した画像データを画像処理部154に送る。
【0145】
画像処理部154は、入力された画像データに対して画像処理を行ってトナーの色に応じたトナー像を作成するための印刷データに変換し、露光ユニット1へと出力するものである。
【0146】
本画像形成装置100においては、上記画像処理部154における画像処理の内容が、本画像形成装置100が、フルカラー画像作成用として使用される場合と、機密書類作成用として使用される場合とで、切り換えられるようになっている。
【0147】
そのため、画像処理部154は、フルカラー画像作成用として使用される場合の画像処理部であるフルカラー用画像処理部154aと、機密書類作成用として使用される場合の画像処理部である機密書類用画像処理部(第1、第2画像処理手段)154bとを備えている。なお、図5においては、フルカラー用画像処理部154aと、機密書類用画像処理部154bとを分けて記載しているが、機密書類用画像処理部154bは、フルカラー用画像処理部154aの機能を共用するものである。
【0148】
フルカラー用画像処理部154aは、画像処理部154に入力される画像データに対して、従前からのフルカラー画像を形成するために画像処理を実施して、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各印刷データを作成する(フルカラー画像処理手段の機能)。
【0149】
一方、機密書類用画像処理部154bは、画像処理部154に入力される画像データに対して、2色画像用の画像処理を実施して、イエロー、マゼンタ、黒の印刷データを作成する(第1画像処理手段の機能)一方、付加情報のトナー像を作成するための、透明蛍光色の印刷データも生成する(第2画像処理手段の機能)。
【0150】
ここで、機密書類用画像処理部154bは、透明蛍光色の印刷データを付加パターンに基づいて作成する。付加パターンは、例えば、画像形成装置100の供えるハードディスク(HD)152に格納されていてもよいし、制御部151が供える図示しないRAM、ROMに格納されていてもよい。また、外部通信インターフェース153を介して、外部のパーソナルコンピュータからなるホスト機器やサーバー機器、さらにはWEB上のアプリケーションより取り込むことも可能である。
【0151】
また、このような透明蛍光色の印刷データを作成する処理、つまり、画像形成物(印刷物、複写物)に付加情報画像を付ける処理は、画像形成装置100にて画像形成される全ての画像形成物に対して、強制的に実施させることもできる。また、外部通信インターフェース153を介して接続されたホスト機器にインストールされているプリンタドライバの設定画面を用いて、ユーザーが、画像形成物に対する付加情報画像を付けるかどうかを、画像形成毎(印刷或いは複写のジョブ毎)に設定するようにしてもよい。
【0152】
また、プリンタドライバの設定画面を用いて要否を入力可能とする構成においては、複数ある付加パターンの中から使用する付加パターンを、プリンタドライバの設定画面にて選択させたり、ユーザーに付加パターンの作成を可能にしたりしてもよい。さらに、プリンタドライバの設定画面にて、選択或いは作成した付加パターンを、原稿画像に対してどのようなに配置するかを入力設定できるようにしてもよい。ここで言う付加パターンの配置を決める情報としは、付加パターンの大きさの情報や、付加パターンを複数配置する場合には、その配置例の情報などである。
【0153】
また、プリンタドライバの設定画面を用いて要否を入力可能とする構成においては、イエローとマゼンタとで再現する色を、再現色の範囲内で指定できるようにしてもよい。
【0154】
露光ユニット1は、画像処理部154より受け取った印刷データにて、画像形成ステーションP1〜P4の感光体ドラム3を露光するものである。制御部151は、露光ユニット1の露光に間に合うように、画像形成ステーションP1〜P4の各部を動作させる。
【0155】
図6に、本画像形成装置100が、フルカラー画像作成用として使用された場合における画像処理を示す。
【0156】
外部のパーソナルコンピュータ(PC)より発せられた印刷ジョブの原稿画像の画像データは、印刷条件を設定するドライバ処理を経て、LANを介して画像形成装置100へと送信される。画像形成装置100は、外部通信インターフェース153(図5参照)を介してこれを受信する。
【0157】
画像形成装置100のフルカラー用画像処理部154aは、RGB to Lab 変換部170、カラー変換部171、Lab to YMCK 変換部172、及び中間調処理部173より構成されている。
【0158】
まず、入力された画像データであるRGBデータを、RGB to Lab 変換部170がLabデータに変換する。ここで、Lは明度指数であり、a,bは色度指数である。次に、Labデータに対し、カラー変換部171が、本画像形成装置100の有する出力の色再現域に合うように、色域圧縮などのカラー変換処理を施す。次に、Lab to YMCK 変換部172が、Labデータを所定のテーブルに基づいて、画像形成ステーションP1〜P4の設定色に応じたイエロー、マゼンタ、シアン、黒のYMCKデータに変換する。その後、中間調処理部173が、YMCKデータの中間調データを生成し、これにより、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の印刷データが生成される。
【0159】
中間調処理部173には、4つの出力部OUT1〜OUT4が設けられており、イエローデータの中間調データ(印刷データ)は出力部OUT1より出力される。マゼンタデータの中間調データは、出力部OUT2より出力され、シアンデータの中間調データは出力部OUT3より、黒データの中間調データは、出力部OUT4より出力される。
【0160】
一方、露光ユニット1には、4つの画像形成ステーションP1〜P4に対応した入力部IN1〜IN4が設けられており、入力部IN1に入力された中間調データ(印刷データ)にて、画像形成ステーションP1の感光体ドラム3に静電潜像が書き込まれ、入力部IN2、IN3,IN4にそれぞれ入力された印刷データにて、画像形成ステーションP2、P3、P4の感光体ドラム3に静電潜像が書き込まれる。
【0161】
フルカラー用画像処理部154aによる画像処理の場合、制御部151は、中間調処理部173の出力部OUT1と、露光ユニット1の入力部IN1とを接続し、出力部OUT2と入力部IN2、出力部OUT3と入力部IN3、出力部OUT4と入力部IN4とを接続する。
【0162】
これにより、イエローの現像器2Yのセットされた画像形成ステーションP1にはイエローの印刷データで静電潜像が形成され、マゼンタの現像器2Mのセットされた画像形成ステーションP2にはマゼンタの印刷データで静電潜像が形成される。また、シアンの現像器2Cのセットされた画像形成ステーションP3にはシアンの印刷データで静電潜像が形成され、黒の現像器2Kのセットされた画像形成ステーションP4には黒の印刷データで静電潜像が形成される。
【0163】
続いて、図7、図8に、本画像形成装置100が、機密書類作成用として使用された場合における画像処理を示す。このうち、図7は、プリンタドライバの設定画面を用いて、付加パターンとその配置例を決定し、プリンタドライバにて付加情報データを生成する例を示している。また、図8は、画像形成装置100内部にて、付加情報データを生成する例を示している。
【0164】
まず、図7から説明する。図7の構成では、ドライバ処理において、付加パターン生成及び付加情報データ生成が行われるようになっており、プリンタドライバに、付加パターン生成部111aと付加情報データ生成部111bとが設けられている。ユーザーは、プリンタドライバの設定画面を用いて、付加パターンの要否設定や、付加パターンの選択、配置等を指定する。生成された付加情報データは、印刷ジョブの原稿画像の画像データと共に画像形成装置100へと送信される。
【0165】
画像形成装置100の機密書類用画像処理部154bは、有彩色抽出部180、グレー変換部181、指定色変換部182、グレー階調補正部183、付加パターン抽出部184、階調補正部185、透明蛍光色用データ生成部186、及び前述の中間調処理部173より構成されている。
【0166】
まず、入力された画像データであるRGBデータを基に、有彩色抽出部180が、有彩色を抽出し、これによりRGBデータを有彩色データと無彩色データとに分離する。この処理は、黒と、黒以外の色、つまり、ここではイエローとマゼンタを使用した指定色の出力を決めるためである。指定色は、イエロートナーのマゼンタトナーとで再現できる再現色の範囲内の色であり、図7及び図8の例では、指定色は予め設定されている場合を例示している。
【0167】
分離された全ての有彩色データを、グレー変換部181が、指定色に変換するため明るさ(明度)を維持した状態でグレーへと変換する。その後、指定色を表現する色相(本実施形態では赤)に合わせて、指定色変換部182が、グレーのデータを指定色を構成するイエロー、マゼンタの比率に変換して、イエローデータとマゼンタデータとする。その後、中間調処理部173が、指定色を構成するイエローデータ、マゼンタの中間調データを生成し、各プレーンの出力データ(印刷データ)とする。
【0168】
一方、有彩色抽出部180にて分離された無彩色データは、グレー階調補正部183に送られ、グレー階調補正部183が、グレー階調補正を実施し、黒データを生成する。その後、中間調処理部173が、黒データの中間調データを生成し、黒プレーンの出力データ(印刷データ)とする。
【0169】
また、画像データの処理と並行して、入力された付加情報データを基に付加パターン抽出部184が、付加パターンを抽出し、抽出した付加パターンに対して階調補正部185が階調補正を行い、透明蛍光色用データ生成部186が、透明蛍光色データを生成する。その後、中間調処理部173が、透明蛍光色データの中間調データを生成し、透明蛍光色プレーンの出力データ(印刷データ)とする。透明蛍光色データは、中間調処理部173に、あたかもシアンデータであるかのように入力される。
【0170】
中間調処理部173は、フルカラー画像作成用として動作する場合と同様に、イエローデータの中間調データは出力部OUT1より出力し、マゼンタデータの中間調データは、出力部OUT2より出力する。そして、透明蛍光色データの中間調データは、シアンに対応した出力部OUT3より出力し、黒データの中間調データは、出力部OUT4より出力する。
【0171】
一方、前述したように、露光ユニット1の入力部IN1〜IN4は、順に画像形成ステーションP1〜P4に対応している。
【0172】
そこで、図5の制御部151は、画像形成ステーションP1〜P3にセットされている現像器2U,2Y,2Mと対応するように、中間調処理部173における出力部OUT1〜OUT3と、露光ユニット1の入力部IN1〜IN3との接続関係を切り換える。
【0173】
つまり、透明蛍光色の現像器2Uがセットされている画像形成ステーションP1に対応する入力部IN1と出力部OUT3とを接続し、イエローの現像器2Yがセットされている画像形成ステーションP2に対応する入力部IN2と出力部OUT1とを接続し、マゼンタの現像器2Mがセットされている画像形成ステーションP3に対応する入力部IN3とマゼンタ用の出力部OUT2とを接続する。
【0174】
これにより、透明蛍光色の現像器2Uのセットされた画像形成ステーションP1には透明蛍光色の印刷データで静電潜像が形成され、イエローの現像器2Yのセットされた画像形成ステーションP2にはイエローの印刷データで静電潜像が形成され、マゼンタの現像器2Mのセットされた画像形成ステーションP3にはマゼンタの印刷データで静電潜像が形成される。
【0175】
なお、黒データの中間調データが出力される出力部OUT4は、仕様モードに関わらず、常に、黒の現像器2Kセットされている画像形成ステーションP4に対応する入力部IN4に接続され、切り換えられることはない。
【0176】
一方、図8は、前述したように、画像形成装置100内部にて、付加情報データを生成する例を示している。画像形成装置100の機密書類用画像処理部154b1に付加パターン生成部188を備え、図5に示したハードディスク(HD)152や、制御部151のRAM,ROMに格納されている付加パターンを基に、画像形成装置100内部にて付加パターンを生成するものである。
【0177】
このように画像形成装置100内部にて、付加パターンデータを生成する場合、強制的に全ての印刷、複写画像に、透明蛍光色トナーによる付加情報画像を付けるようにしてもよいし、また、外部のパーソナルコンピュータPCのプリンタドライバにて、本来の画像に透明蛍光色トナーによる付加情報画像を付けるかどうかを選択するようにしてもよい。
【0178】
また、図9に、機密書類作成用として使用された場合のさらに別の画像処理を示す。これにおいては、プリンタドライバの設定画面を用いて、さらに、指定色も設定できるように構成している。
【0179】
ドライバ処理において、付加パターン生成、付加情報データ生成、指定色設定が行われるようになっており、プリンタドライバには、付加パターン生成部111a、付加情報データ生成部111bに加えて、指定色設定部112が設けられている。
【0180】
ユーザーは、プリンタドライバの設定画面を用いて、付加パターンの要否設定や、付加パターンの選択、配置等を指定するとともに、指定色も設定する。生成された付加情報データ及び、指定色の情報は、印刷ジョブの原稿画像の画像データと共に画像形成装置100へと送信される。機密書類用画像処理部154b’は、イエロー、マゼンタにて決定される色再現域内で任意に指定されたユーザー指定色を検出し、検出したユーザー指定色となるように、イエロー及びマゼンタの印刷データを生成する。つまり、指定色変換部182では、グレーのデータを、プリンタドライバの設定画面にて指定されたユーザー指定色を構成するイエロー、マゼンタの比率へ変換する。
【0181】
これによれば、黒以外の2色の可視トナーで再現する色をユーザーが指定することができるので、画像形成装置100の利便性を向上できる。なお、ドライバ処理において、指定色を設定する以外は、図7と同じであるので、これ以上の説明は省略する。
【0182】
また、図10に、さらなる別の構成例として、画像処理部154における中間調処理部173の出力部OUT1〜OUT4と、露光ユニット1の入力部IN1〜IN4との接続関係は、フルカラー画像作成として使用される場合の関係(図6)を保持し、機密書類用画像処理部154’の内部で対応する構成を示す。
【0183】
前述したように、中間調処理部173には、4つの出力部OUT1〜OUT4が設けられており、フルカラー画像作成用として使用される場合、イエローデータの中間調データは出力部OUT1より出力され、マゼンタデータの中間調データは、出力部OUT2より出力され、シアンデータの中間調データは出力部OUT3より出力され、黒データの中間調データは、出力部OUT4より出力される。
【0184】
図10の構成では、機密書類用画像処理部154b’は、指定色変換部182で変換したイエローデータ、マゼンタデータ、及び透明蛍光色用データ生成部186にて生成された透明蛍光色データを、中間調処理部173へ入力させる際の入力経路を切り換えるようになっている。
【0185】
つまり、透明蛍光色用データ生成部186にて生成された透明蛍光色データは、透明蛍光色の現像器2Uがセットされている、フルカラー画像作成用におけるイエローに対応した画像形成ステーションP1より中間調データ(印刷データ)が出力されるように、あたかもイエローデータであるかのように中間調処理部173に入力させる。
【0186】
また、指定色変換部182にて生成されたイエローデータは、イエローの現像器2Yがセットされている、フルカラー画像作成用におけるマゼンタに対応した画像形成ステーションP2より中間調データ(印刷データ)が出力されるように、あたかもマゼンタデータであるかのように中間調処理部173に入力させる。
【0187】
また、指定色変換部182にて生成されたマゼンタデータは、マゼンタの現像器2Mがセットされている、フルカラー画像作成用におけるシアンに対応した画像形成ステーションP3より中間調データ(印刷データ)が出力されるように、あたかもシアンデータであるかのように中間調処理部173に入力させる。
【0188】
これにより、中間調処理部173と露光ユニット1との接続関係は、フルカラー画像作成として使用される場合の関係(図6)を保持しながら、透明蛍光色の現像器2Uがセットされた画像形成ステーションP1には透明蛍光色の印刷データで静電潜像が形成され、イエローの現像器2Yがセットされた画像形成ステーションP2にはイエローの印刷データで静電潜像が形成され、マゼンタの現像器2Mがセットされた画像形成ステーションP3にはマゼンタの印刷データで静電潜像が形成される。
【0189】
図10の構成とすることで、画像形成ステーションP1〜P3の入れ替えに対する検出機能がない、既存のフルカラー画像形成装置においても、機密書類用画像処理部154bによる画像処理が、フルカラー用画像処理部154aを共用でき、ソフトウェア上で変更で対応可能であれば、プリンタドライバを含むソフトウェアの更新にて、機密書類作成が可能な本発明の画像形成装置に改良することが可能である。
【0190】
さらに、図11は、図9の構成例において、さらに、プリンタドライバの設定画面を用いて、単色可視パターンも設定できる例を示している。つまり、ドライバ処理において、付加パターン生成、付加情報データ生成、指定色設定、単色可視パターン設定が行われるようになっており、プリンタドライバに、付加パターン生成部111a、付加情報データ生成部111b、指定色設定部112に加えて、単色可視パターン生成部113が設けられている。
【0191】
ユーザーは、プリンタドライバの設定画面を用いて、付加パターンの要否設定や、付加パターンの選択、配置等を指定するとともに、指定色、及び、単色可視パターンの要否設定設も行う。単色可視パターンとしては、透明蛍光色トナーで形成される付加パターンと同様に、画像形成装置100の供えるハードディスク(HD)152に格納されている中から選んでもよいし、外部通信インターフェース153を介して、外部のパーソナルコンピュータからなるホスト機器やサーバー機器、さらにはWEB上のアプリケーションより取り込むことも可能である。
【0192】
機密書類用画像処理部154b”には、単色可視パターン生成部113にて生成された単色可視パターンのデータを、指定色変換部182より出力されたイエローデータとマゼンタデータに合成する単色可視パターン合成部187がさらに設けられており、合成後のデータが、中間調処理部173へと送られる。
【0193】
このような単色可視パターン生成部113を設けておくことで、イエロートナーとマゼンタトナーの2色の可視トナーにて決まる再現色の範囲内の色ではあるが、指定色とは別に、指定色とは異なる有彩色の画像を表現することができ、画像形成装置の利便性が向上する。なお、その他の処理は、図9と同じであるので、これ以上の説明は省略する。
【0194】
図12(a)に、画像形成装置をフルカラー画像作成用として使用して、RGBデータの原稿画像の画像データを印刷する場合の、印刷データの構成例と印刷結果とを示し、図12(b)に、画像形成装置を機密書類作成用として使用して、RGBデータの原稿画像の画像データを印刷する場合の、印刷データの構成例と印刷結果とを示す。
【0195】
参照符号309にて示す「証明書…」を含む黒データは、両仕様とも同じである。これに対し、イエローデータとマゼンタデータは仕様によって異なる。これは、参照符号310にて示す、シアントナーで形成されるべきシアンデータを、画像形成装置100を機密書類作成用として使用する印刷では、イエローデータとマゼンタデータとで再現するためである。なお、本画像形成装置100では、シアンデータをイエローデータとマゼンタデータとで再現する画像処理としたが、シアンデータを切り捨てる画像処理であってもよい。
【0196】
また、参照符号308にて示す「認」が、指定色で再現された、原稿画像における印鑑が押された部分の画像である。
【0197】
そして、付加パターンとしては、この例では、参照符号311で示す「原本」といった文字が記録用紙の全体に一定の間隔で配置されると共に、原稿の左下位置に、参照符号312で示す二次元バーコードが付されている。
【0198】
以上のように、本実施形態の画像形成装置100によれば、機密書類用画像処理部154bがフルカラー用画像処理部154aの機能を用いて、原稿画像の画像データより黒、イエロー、マゼンタの可視トナーの印刷データを生成し、付加情報データより透明蛍光色トナー用の印刷データを生成する。そして、画像形成部である画像形成ステーションP1〜P4が、生成された各可視トナーの印刷データに基づいて原稿画像を可視トナーで再現し、生成された透明蛍光色用の印刷データに基づいて付加情報画像を透明蛍光トナーで再現する。
【0199】
これによれば、原稿画像としてフルカラー画像は再現できないものの、黒と、黒以外に用いられる2色の可視トナーにて決まる再現色の範囲内の色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が透明蛍光色トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。
【0200】
しかも、現像器2は4つであるので、普及しているフルカラー画像形成装置の4つある現像器のうちの、黒を除く、イエロー、マゼンタ、シアンの3つの現像器のうちの1つを、不可視トナーを収容した現像器2Uに交換することで、機密書類用画像処理部154b、154b1、154b’或いは154b”を除いて容易に実現することができる。
【0201】
また、機密書類用画像処理部154b、154b1、154b’或いは154b”についても、フルカラー画像形成装置の有するCPU等を含む演算処理部に、画像処理プログラムを読み込ませる、或いはこれに加えて画像形成装置のプリンタドライバを変更するといった、ソフトウェア上の変更にて充分に対応可能である。
【0202】
これにより、ユーザーが要求する、小型でかつ低価格にて、改ざんや偽造を行い難い画像を出力することができる画像形成装置を提供することができる。
【0203】
なお、上記説明においては、画像形成装置100がプリンタであり、外部より入力された画像データを処理する場合を説明したが、複写機に適用することも考えられる。複写機に適用した場合は、付加パターンの設定や、指定色の指定は、操作パネル等を用いて行うこととなる。
【0204】
本発明の機能を複写機に適用することで、付加パターンの付加されていない原稿をコピーすることで付加パターンを画像に埋め込むことができる。これにより、本発明の機能を具備しない通常のプリンタで作成された原稿でも、本発明の機能の有する複写機にてコピーすることで、付加パターンが埋め込まれた原稿へと加工でき、以後は、付加パターン付きを原本として管理すればよい。
【0205】
次に、画像形成装置100をフルカラー画像作成用として使用するか、機密書類作成用として使用するか、画像形成装置100の仕様の切り換えについて説明する。
【0206】
上述したように、画像形成装置100をフルカラー画像作成用として使用する場合と、機密書類作成用として使用する場合とでは、画像形成ステーションP1〜P3にセットされる現像器2が異なるため、制御部151における、セットされた現像器2の許可不許可を判断する基準を切り換える必要がある。また、画像処理部154で実施する画像処理の内容や、画像処理部154の出力部と露光ユニット1の入力部との対応関係等も切り換える必要がある。
【0207】
上述したように、本画像形成装置100では、制御部151が、画像形成ステーションP1にセットされた現像器2に基づいて、当該画像形成装置100の仕様モードを特定する。
【0208】
画像形成ステーションP1に、イエローの現像器2Yがセットされると、制御部151は、フルカラー画像作成用としての使用であると特定する。そして、画像形成ステーションP1、P2、P3、P4に対してセットを許可する現像器2は、順に、現像器2Y、2M、2C、2Kとする。
【0209】
一方、画像形成ステーションP1に、透明蛍光色の現像器2Uがセットされると、機密書類作成用としての使用であると特定する。そして、画像形成ステーションP1、P2、P3、P4に対してセットを許可する現像器2は、順に、現像器2U、2Y、2M、2Kとする。
【0210】
また、制御部151は、フルカラー画像作成用としての使用であると特定した場合に、以前の仕様モードが機密書類作成用であった場合は、画像処理部154において使用する処理系を、機密書類用画像処理部154b、154b1、154b’或いは154b”から、フルカラー用画像処理部154aに切り換える。さらに、画像処理部154において使用していた機密書類用画像処理部が、154b、154b1、154b”の場合は、画像処理部154の出力部(中間調処理部173の出力部)と露光ユニット1の入力部との接続関係を、図6に示すフルカラー画像作成時の接続関係に変更する。
【0211】
また、制御部151は、機密書類作成用としての使用であると特定した場合に、以前の仕様モードがフルカラー画像成用であった場合は、画像処理部154において使用する処理系を、フルカラー用画像処理部154aから、機密書類用画像処理部154b、154b1、154b'或いは154b”に切り換える。さらに、画像処理部154において使用する機密書類用画像処理部が、154b、154b1、154b”の場合は、画像処理部154の出力部(中間調処理部173の出力部)と露光ユニット1の入力部との接続関係を、図7、図8、図9、図11に示す機密書類作成時の接続関係に変更する。
【0212】
また、他の例として、画像形成ステーションP1、P2にセットされた2つの現像器2に基づいて仕様モードを特定する構成としてもよい。この構成では、制御部151は、通信部207−1〜207−4から入力される情報を基に、画像形成ステーションP1、P2にセットされた2つの現像器2の種類(色)に基づいて、フルカラー画像作成用として使用されるのか、機密書類作成用として使用されるのか(自身の仕様モード)を特定し、各仕様モードに応じて、画像形成ステーションP1〜P3においてセット(装着)を許可する現像器2の種類(色)を決定する。
【0213】
具体的には、通信部207−1、207−24からから入力される情報を基に、画像形成ステーションP1に、透明蛍光色の現像器2Uがセットされ、画像形成ステーションP2に、イエローの現像器2Yがセットされたことを検知すると、制御部151は、機密書類作成用としての使用であると特定する。そして、画像形成ステーションP1においてセットを許可する現像器2は透明蛍光色の現像器2U、画像形成ステーションP2においてはイエローの現像器2Y、画像形成ステーションP3においてはマゼンタの現像器2Mと決定する。
【0214】
一方、通信部207−1、207−2から入力される情報を基に、画像形成ステーションP1に、イエローの現像器2Yがセットされ、画像形成ステーションP2に、マゼンタの現像器2Mがセットされたことを検知すると、制御部151は、フルカラー画像作成用としての使用であると特定する。そして、画像形成ステーションP1においてセットを許可する現像器2は、イエローの現像器2Y、画像形成ステーションP2においてはマゼンタの現像器2M、画像形成ステーションP3においてはシアンの現像器2Cと決定する。
【0215】
例えば、ユーザーが画像形成装置100に不慣れな場合など、フルカラー画像作成用としての使用を希望しているにも係らず、誤って、画像形成ステーションP1に透明蛍光色の現像器2Uをセットしてしまうことが想定される。画像形成ステーションP1にセットされた現像器2のみに基づいて仕様モードを特定する構成の場合、間違いであっても、透明蛍光色の現像器2Uをセットした時点で、仕様モードが切り換わってしまう。
【0216】
これに対し、画像形成ステーションP1、P2にセットされた2つの現像器2に基づいて仕様モードを特定する構成では、画像形成ステーションP2に、イエローの現像器2Yがセットされるまでは仕様モードは特定されないので、仕様モードの変更がより慎重に行われるようになり、上記のような現像器2のセットミスによる無駄な仕様モードの変更を回避できる。
【0217】
また、画像形成装置100が仕様モードを自身で判断する構成にかぎらず、サービスマンが、ユーザーの希望に応じて、仕様モードを決定し、制御部151が画像形成ステーションP1〜P4において、セットされた現像器2の許可不許可を判断する基準を、事前に設定するようにし、画像処理部154において使用する処理系、並びに画像処理部154の出力部と露光ユニット1の入力部の対応関係を強制的に切り換える構成としてもよい。こうすることで、事前に設定された組み合わせ以外を排除することができる。
【0218】
また、サービスマンが、ユーザーの希望に応じて、画像形成装置100を動作させるソフトウェアであるファームウェアを入れ換えて、制御部151における、セットされた現像器2の許可不許可を判断する基準、画像処理部154において使用する処理系、並びに画像処理部154の出力部と露光ユニット1の入力部の対応関係のすべて一括して切り換えるようにしてもよい。この場合、ファームウェアを入れ換えるため、上述した画像形成装置100のように、1台の画像形成装置を、フルカラー画像作成用と機密書類作成用とを、現像器2の入れ換え等にて切り換えることはできなくなり、見かけ上、あたかもいずれか一方の使い方しかできないように見えるが、このような構成も、本発明の範疇に含まれる。
【0219】
以上のように、本発明の画像形成装置は、換言すると、4つの現像器を備えることのできる画像形成装置であって、可視光線下では視認し難い不可視トナーが収容された現像器2Uと、黒の可視トナーが収容された現像器2Kと、イエロー、マゼンタ、シアンの各現像器2Y・2M・2Cのうちの2つを備え、原稿画像の画像データより、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの各可視トナーの印刷データを生成するフルカラー用画像処理部154aの機能を用いて、機密書類用画像処理部154bが、黒の可視トナー、及びイエロー、マゼンタ、シアンのうちの2つの可視トナーの各印刷データを生成し、付加情報画像の画像データより、不可視トナーの印刷データを生成するものである。
【0220】
そして、画像形成ステーションP1〜P4は、記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、原稿画像の画像データに応じたトナー像を、機密書類用画像処理部154bで生成された各可視トナーの印刷データを用いて形成し、付加情報画像の画像データに応じたトナー像を、機密書類用画像処理部154bで生成された不可視トナーの印刷データを用いて形成するものである。
【0221】
また、本発明の画像形成装置は、換言すると、4つの現像器を備えることのできる画像形成装置であって、原稿画像の画像データより、黒、イエロー、シアン、マゼンタの各可視トナーの印刷データを生成するフルカラー用画像処理部154aと、フルカラー用画像処理部154aの機能を利用して、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、有彩色の可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより黒の可視トナーの印刷データを生成し、付加情報画像の画像データより、可視光線下では視認し難い不可視トナーの印刷データを生成する機密書類用画像処理部154bとを備えるものである。
【0222】
そして、フルカラー仕様モードでは、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの可視トナーがそれぞれ収容された現像器2K・2Y・2M・2Cが装着され、画像形成ステーションP1〜P4は、記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、原稿画像の画像データに応じたトナー像を、フルカラー用画像処理部152aで生成された各可視トナーの印刷データを用いてフルカラー画像を形成するものである。
【0223】
また、透明色仕様モードでは、フルカラー仕様モードにおける4つの現像器のうちの黒の現像器2Kを除くイエロー、シアン、マゼンタの3つの現像器2Y・2M・2Cの1つに代えて、不可視トナーが収容された現像器2Uが装着され、画像形成ステーションP1〜P4は、記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、原稿画像の画像データに応じたトナー像を機密書類用画像処理部154bで生成された各可視トナーの印刷データを用いて形成し、前記付加情報画像の画像データに応じたトナー像を機密書類用画像処理部154bで生成された不可視トナーの印刷データを用いて形成するものである。
【0224】
〔第2の実施の形態〕
本実施形態においては、機密書類作成用の画像形成装置として機能する場合に、不可視トナーが収容された現像器と、黒の可視トナーが収容された現像器と、特定色の有彩色の可視トナーが収容された現像器の3つを備える構成を例示する。
【0225】
なお、説明の便宜上、第1の実施の形態で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0226】
第1の実施の形態における画像形成装置100と同様、第2の実施の形態における画像形成装置101も、フルカラー画像用の画像形成装置(フルカラー仕様モード)としても、機密書類作成用の画像形成装置(透明色仕様モード)としても機能するようになっている。
【0227】
画像形成装置101がフルカラー画像用の画像形成装置として機能する場合は、画像形成装置100と同様、図13(a)に示すように、4つの画像形成ステーションP1〜P4(図1参照)には、フルカラー画像を作成するための、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のトナー(可視トナー)をそれぞれ収容した現像器2K・2C・2M・2Yが装着される。
【0228】
画像形成装置100と本画像形成装置101との違いは、機密書類作成用の画像形成装置(透明色仕様モード)にある。
【0229】
本画像形成装置101が機密書類作成用の画像形成装置として機能する場合には、図13(b)のように、4つの画像形成ステーションP1〜P4のうち、3つのステーションに、黒の現像器2K、透明蛍光色の現像器2U、及び特定色の可視トナーが収容された特定色の現像器2Rがセットされ、ステーションの1つは空きとなる。
【0230】
これにより、機密書類作成用として使用される画像形成装置101は、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーである透明蛍光トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を出力することができる。
【0231】
上記特定色としては、ユーザーが希望する有彩色であれば何色でもよいが、本画像形成装置101では、朱肉の色を再現できる赤を採用している。
【0232】
特定色が2つの有彩色の組み合わせで表現できる色再現域に入っている色であれば、混色にて特定色を出すことも可能である。しかしながら、混色による発色である場合、画像形成装置が設置されている空間の湿度や温度、或いは画像形成装置内部の温度等による色味の変化を完全になくすることは難しい。また、混色による発色の場合、如何様に画像処理を行っても、色再現域の関係で、所望する色に発色させることができないこともある。
【0233】
前述したように、日本や中国等の印鑑を用いる諸国においては、朱肉の赤の色を重要視することがあり、特に中国においては、種々の赤が存在する中で、朱肉の赤へのこだわりも大きい。
【0234】
そこで、本画像形成装置101では、予め所望する特定色を単色にて発色するように製造されている特定色の可視トナーを搭載させている。これにより、当然のこと色再現域の問題はなく、しかも、画像形成装置が設置されている空間の湿度や温度、或いは画像成装置内部の温度等による色味の変化を確実に回避することもできる。
【0235】
その結果、日本や中国等の印鑑を用いる諸国において、本画像形成装置101は、機密書類作成用として使用された場合に、常に、安定して所望する朱肉の色を良好に再現できる装置となり、付加価値の高いものとなる。
【0236】
また、本画像形成装置101においては、黒の現像器2K、透明蛍光色の現像器2Uと、特定色の現像器2Rの配置としては、図13(b)に示す配置が好ましい。
【0237】
つまり、矢印Xにて示す方向に回転する中間転写ベルト61に対し、転写ローラ10の配置位置を基点として、回転方向上流側から順に、透明蛍光色の現像器2U(第1現像器)、特定色の現像器2R(第5現像器)、黒の現像器2K(第2現像器)と配置されることが好ましい。
【0238】
このような配置とすることで、中間転写ベルト61上では、透明蛍光色トナー像、特定色のトナー像、黒トナー像の順に積層され、黒トナー像が最上層に位置することとなる。そして、転写ローラ10にて用紙上に転写されることで、積層関係が逆転し、用紙上では黒トナー像が最下層となり、透明蛍光色トナー像が最上層に位置することとなる。
【0239】
これにより、画像形成装置100と同様に、透明蛍光色トナーが最上層に位置することとなり、たとえ、他の色のトナー像と積層される場合でも、透明蛍光色トナーで形成された付加情報画像(付加情報画像)を欠けさせることなく出現させることができる。
【0240】
なお、図13(b)の例では、画像形成ステーションP2を空きステーションとしているが、画像形成ステーションP1、P3を空きステーションとすることもできる。
【0241】
但し、本画像形成装置101においても、画像形成装置100と同様に、制御部151(図5参照)が、回転方向最上流側に位置する画像形成ステーションP1にセットされた現像器2に基づいて、当該画像形成装置101の仕様モードを判断する構成を採用している。このような構成においては、画像形成ステーションP1が空きステーションとなる構成は採用できなない。
【0242】
制御部151は、画像形成装置101がフルカラー画像作成用として使用される場合と、機密書類作成用として使用される場合とで、各画像形成ステーションPに対してセットを許可する現像器2の種類(色)を以下のように切り換える。
【0243】
ここでも、制御部151は、通信部207−1〜207−4から入力される情報を基に、本画像形成装置101が、機密書類作成用として使用されるのか、或いはフルカラー画像作成用として使用されるのか(自身の仕様モード)を特定する。
【0244】
制御部151は、画像形成装置100と同様に、画像形成ステーションP1にイエローの現像器2Yの装着を検知すると、フルカラー画像作成用としての使用であると特定する。また、制御部151は、画像形成ステーションP1に透明蛍光色の現像器2Uの装着を検知すると、機密書類作成用としての使用であると特定する。
【0245】
制御部151は、機密書類作成用としての使用であると特定すると、画像形成ステーションP1においてセットを許可する現像器2は透明蛍光色の現像器2U、画像形成ステーションP2においては現像器なし、画像形成ステーションP3においては特定色の現像器2R、画像形成ステーションP4においては黒の現像器2Kと決定する。
【0246】
図14に、本画像形成装置101が、機密書類作成用として使用された場合における画像処理を示す。図14は、第1の実施の形態の図7に対応しており、プリンタドライバの設定画面を用いて、付加パターンとその配置例を決定し、プリンタドライバにて付加情報データを生成する例を示したものである。
【0247】
これによれば、入力された画像データであるRGBデータを基に、有彩色抽出部180が、有彩色を抽出し、これによりRGBデータを有彩色データと無彩色データとに分離する。この処理は、黒と、黒以外の色、つまり、ここでは特定色の出力を決めるためである。
【0248】
分離された全ての有彩色データを、グレー変換部181が、特定色に変換するため明るさ(明度)を維持した状態でグレーへと変換する。その後、指定色変換部182が、グレーのデータより特定色データを生成し、中間調処理部173が、特定色データの中間調データを生成し、特定色プレーンの出力データ(印刷データ)とする。中間調処理部173には、特定色データが、あたかもマゼンタデータであるかのように入力される。
【0249】
なお、黒プレーンの出力データ(印刷データ)、及び透明蛍光色プレーンの出力データ(印刷データ)を生成する処理は、図7を用いて説明したものと同じであるので、ここでは記載を省略する。
【0250】
中間調処理部173は、フルカラー画像作成用として動作する場合と同様に、マゼンタの印刷データを装う特定色の印刷データをOUT2より出力する。また、シアンの印刷データを装う透明蛍光色の印刷データをOUT3より出力し、黒データの中間調データを出力部OUT4より出力する。
【0251】
制御部151は、中間調処理部173における出力部OUT2、OUT3と、露光ユニット1の入力部IN1、IN3との接続関係を、中間調処理部173より出力される透明蛍光色の印刷データ及び特定色の印刷データが、画像形成ステーションP1、P3にセットされている現像器2U,2Rと対応するように切り換える。
【0252】
つまり、透明蛍光色の現像器2Uがセットされている画像形成ステーションP1に対応する入力部IN1と中間調処理部173のシアン用の出力部OUT3とを接続し、特定色の現像器2Rがセットされている画像形成ステーションP3に対応する入力部IN3と、中間調処理部173にマゼンタ用の出力部OUT2とを接続する。
【0253】
なお、中間調処理部173における出力部OUT4と、露光ユニット1の入力部IN4との接続関係が切り換えられることはない。
【0254】
ここでは、第1の実施の形態の図7に対応する図14を例示したが、図15に示すように、第1の実施の形態の図8に対応する構成とすることもできる。これは、機密書類用画像処理部154b1に付加パターン生成部188を備え、図5に示したハードディスク(HD)152や、制御部151のRAM,ROMに格納されている付加パターンを基に、画像形成装置101内部にて付加パターンを生成するものである。
【0255】
また、図16に示すように、第1の実施の形態の図10に対応する構成とすることもできる。これは、画像処理部154における中間調処理部173の出力部OUT1〜OUT4と、露光ユニット1の入力部IN1〜IN4との接続関係については、フルカラー画像作成として使用される場合の関係(図6)を保持し、機密書類用画像処理部154b’の内部で対応するものである。但し、本画像形成装置101では、特定色の可視トナーを搭載したもので、指定色の指定はできないため、図10に示される指定色設定部112は設けられていない。
【0256】
透明蛍光色用データ生成部186にて生成された透明蛍光色データは、あたかもイエローデータであるかのように中間調処理部173に入力される。また、指定色変換部182にて生成された特定色データは、あたかもシアンデータであるかのように中間調処理部173に入力される。
【0257】
これにより、透明蛍光色の現像器2Uがセットされている、フルカラー画像作成用におけるイエローに対応した画像形成ステーションP1より、透明蛍光色の中間調データ(印刷データ)が出力される。また、特定色の現像器2Rがセットされている、フルカラー画像作成用におけるシアンに対応した画像形成ステーションP3より、特定色の中間調データ(印刷データ)が出力される。
【0258】
さらに、図17に示すように、第1の実施の形態の図11に対応する構成とすることもできる。これは、プリンタドライバに、付加パターン生成部111a、付加情報データ生成部111bに加えて、単色可視パターン生成部113が設けられており、プリンタドライバの設定画面を用いて、単色可視パターンを設定できるものである。これにおいても、本画像形成装置101では、特定色の可視トナーを搭載したもので、指定色の指定はできないため、図11に示される指定色設定部112は設けられていない。
【0259】
〔第3の実施の形態〕
本実施形態においては、機密書類作成用の画像形成装置として機能する場合に、不可視トナーが収容された現像器及び黒の可視トナーが収容された現像器に加え、特定色の可視トナーが収容された現像器として、第1の可視トナーが収容された現像器と、第2の可視トナーが収容された現像器との2つを備え、さらに、予め定めえられた条件に基づいて、特定色の可視トナーが収容された2つの現像器の何れか一方を選択する特定色切換部(現像器選択手段)を備えた構成を例示する。
【0260】
なお、説明の便宜上、第1、第2の実施の形態で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0261】
第1、第2の実施の形態における画像形成装置100、101と同様、第3の実施の形態における画像形成装置102も、フルカラー画像用の画像形成装置(フルカラー仕様モード)としても、機密書類作成用の画像形成装置(透明色仕様モード)としても機能する。
【0262】
画像形成装置102がフルカラー画像用の画像形成装置として機能する場合は、画像形成装置100、101と同様、図18(a)に示すように、4つの画像形成ステーションP1〜P4(図1参照)には、フルカラー画像を作成するための、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のトナー(可視トナー)をそれぞれ収容した現像器2K・2C・2M・2Yが装着される。
【0263】
画像形成装置100、101と本画像形成装置102との違いは、機密書類作成用の画像形成装置(透明色仕様モード)にある。
【0264】
本画像形成装置102が機密書類作成用の画像形成装置として機能する場合には、図18(b)のように、4つの画像形成ステーションP1〜P4に、黒の現像器2K、透明蛍光色の現像器2U、及び特定色の可視トナーが収容された現像器として、色相は同じであるが、色味が異なる可視トナーを収容した2つの現像器2R・2R’が装着される。
【0265】
これにより、機密書類作成用として使用される画像形成装置101は、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーである透明蛍光トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を、特定色としての色相は同じでありながら、色味が異なる2種類の画像を作成できる。
【0266】
特定色としては、第2の実施の形態で説明した理由により、朱肉の色を再現できる赤が好適である。朱肉の赤でも、公式な赤や、公式の赤とは少し色味の異なる非公式の赤など、朱肉の色に拘る文化圏の国では、他の色相に比べて赤に対してさまざまな要求がなされるが、上記構成とすることで、少なくとも2種類の赤を単色にて再現できるので、画像形成装置としての利便性を向上して、より一層、付加価値の高いものとできる。
【0267】
2つの現像器2R・2R’に収容されている2種類の特定色(R1)(R2)のトナーのうち、いずれを使用するかは、ユーザーの指示にて切り換えたり、ユーザー認証技術を用いて、ユーザーに応じて切り換えたり、あるいは、アプリケーションに応じて切り換えたりする構成などが考えられる。
【0268】
また、黒の現像器2K、透明蛍光色の現像器2Uと、及び特定色(R1)(R2)の2つの現像器2R・2R’の配置としては、図18(b)に示す配置が好ましい。
【0269】
つまり、矢印Xにて示す方向に回転する中間転写ベルト61に対し、転写ローラ10の配置位置を基点として、回転方向上流側から順に、透明蛍光色の現像器2U(第1現像器)、特定色(R2)の現像器2R’(第6現像器)、特定色(R1)の現像器2R(第5現像器)、黒の現像器2K(第2現像器)と配置されることが好ましい。もちろん、特定色(R2)の現像器2R’、特定色(R1)の現像器2Rの配置順は逆であってもよい。
【0270】
このような配置とすることで、中間転写ベルト61上では、透明蛍光色トナー像、特定色のトナー像、黒トナー像の順に積層され、黒トナー像が最上層に位置することとなる。そして、転写ローラ10にて用紙上に転写されることで、積層関係が逆転し、用紙上では黒トナー像が最下層となり、透明蛍光色トナー像が最上層に位置することとなる。
【0271】
これにより、画像形成装置100,101と同様に、透明蛍光色トナーが最上層に位置することとなり、たとえ、他の色のトナー像と積層される場合でも、透明蛍光色トナーで形成された付加情報画像(付加情報画像)を欠けさせることなく出現させることができる。
【0272】
ここでも、制御部151は、通信部207−1〜207−4から入力される情報を基に、本画像形成装置102が、機密書類作成用として使用されるのか、或いはフルカラー画像作成用として使用されるのか(自身の仕様モード)を特定する。
【0273】
制御部151は、画像形成装置100、101と同様に、画像形成ステーションP1にイエローの現像器2Yの装着を検知すると、フルカラー画像作成用としての使用であると特定する。また、制御部151は、画像形成ステーションP1に透明蛍光色の現像器2Uの装着を検知すると、機密書類作成用としての使用であると特定する。
【0274】
制御部151は、機密書類作成用としての使用であると特定すると、画像形成ステーションP1においてセットを許可する現像器2は透明蛍光色の現像器2U、画像形成ステーションP2においては特定色(R2)の現像器2R’、画像形成ステーションP3においては特定色(R1)の現像器2R、画像形成ステーションP4においては黒の現像器2Kと決定する。
【0275】
図19に、本画像形成装置102が、機密書類作成用として使用された場合における画像処理を示す。図19は、第1の実施の形態の図7、第2の実施の形態の図14に対応しており、プリンタドライバの設定画面を用いて、付加パターンとその配置例を決定し、プリンタドライバにて付加情報データを生成する例を示したものである。
【0276】
これによれば、指定色変換部182にて生成された指定色データは、中間調処理部173に入力され、特定色データの中間調データを生成し、特定色プレーンの出力データ(印刷データ)とする。指定色データは、中間調処理部173に対して、あたかもマゼンタデータであるかのように入力される。
【0277】
なお、黒プレーンの出力データ(印刷データ)、及び透明蛍光色プレーンの出力データ(印刷データ)を生成する処理は、図7を用いて説明したものと同じであるので、ここでは記載を省略する。
【0278】
中間調処理部173は、フルカラー画像作成用として動作する場合と同様に、マゼンタの印刷データを装う特定色の印刷データをOUT2より出力する。また、シアンの印刷データを装う透明蛍光色の印刷データをOUT3より出力し、黒データの中間調データを出力部OUT4より出力する。
【0279】
制御部151は、中間調処理部173における出力部OUT2、OUT3と、露光ユニット1の入力部IN1、IN3との接続関係を、中間調処理部173より出力される透明蛍光色の印刷データ及び特定色の印刷データが、画像形成ステーションP1、P3にセットされている現像器2U,2Rと対応するように切り換える。
【0280】
つまり、透明蛍光色の現像器2Uがセットされている画像形成ステーションP1に対応する入力部IN1と中間調処理部173のシアン用の出力部OUT3とを接続し、特定色(R1)の現像器2Rがセットされている画像形成ステーションP3に対応する入力部IN3と、中間調処理部173にマゼンタ用の出力部OUT2とを接続する。
【0281】
なお、中間調処理部173における出力部OUT4と、露光ユニット1の入力部IN4との接続関係が切り換えられることはない。
【0282】
そして、さらに、本画像形成装置102においては、図19に示すように、特定色切換部(現像器選択手段)175が備えられている。特定色切換部175は、中間調処理部173における特定色の印刷データが出力される出力部OUT2の接続先を、制御部151が切り換えた入力部IN3以外に、特定色(R2)の現像器2R’がセットされている画像形成ステーションP2に対応する入力部IN2にも接続可能に切り換え制御するものである。
【0283】
ここで、特定色切換部175は、出力部OUT2の接続先を、露光ユニット1の入力部IN2あるいは入力部IN3のいずれか一方に、予め定められた条件に基づいて切り換える。
【0284】
特定色切換部175は、例えば、図示しないユーザー認証装置の認証結果や、アプリケーションに基づいて、出力部OUT2と接続される露光ユニット1の入力部を入力部IN2あるいは入力部IN3とする。なお、プリンタドライバにおいて、特定色を指定する構成とすることもできる。
【0285】
ここでは、第1の実施の形態の図7、第2の実施の形態の図14に対応する図19を例示したが、図20に示すように、第1の実施の形態の図8、第2の実施の形態の図15に対応する構成とすることもできる。これは、機密書類用画像処理部154b1に付加パターン生成部188を備え、図5に示したハードディスク(HD)152や、制御部151のRAM,ROMに格納されている付加パターンを基に、画像形成装置101内部にて付加パターンを生成するものである。
【0286】
また、図21示すように、第1の実施の形態の図10、第2の実施の形態の図16に対応する構成とすることもできる。これは、画像処理部154における中間調処理部173の出力部OUT1〜OUT4と、露光ユニット1の入力部IN1〜IN4との接続関係については、フルカラー画像作成として使用される場合の関係(図6)を保持し、機密書類用画像処理部154b’の内部で対応するものである。但し、本画像形成装置101では、特定色の可視トナーを搭載したもので、指定色の指定はできないため、指定色設定部112は設けられていない。
【0287】
透明蛍光色用データ生成部186にて生成された透明蛍光色データは、あたかもイエローデータであるかのように中間調処理部173に入力される。これにより、透明蛍光色の現像器2Uがセットされている、フルカラー画像作成用におけるイエローに対応した画像形成ステーションP1より、透明蛍光色の中間調データ(印刷データ)が出力される。
【0288】
一方、指定色変換部182にて生成された特定色データは、あたかもシアンデータであるかのように中間調処理部173に入力される。そして、特定色切換部175の切り換え制御のもと、特定色の中間調データ(印刷データ)は、特定色(R1)の現像器2Rがセットされている、フルカラー画像作成用におけるシアンに対応した画像形成ステーションP3より出力されるか、あるいは、特定色(R2)の現像器2R’がセットされている、フルカラー画像作成用におけるマゼンタに対応した画像形成ステーションP2より出力される。
【0289】
さらに、図21に示すように、第1の実施の形態の図11、第2の実施の形態の図17に対応する構成とすることもできる。これは、プリンタドライバに、付加パターン生成部111a、付加情報データ生成部111bに加えて、単色可視パターン生成部113が設けられており、プリンタドライバの設定画面を用いて、単色可視パターンを設定できるものである。これにおいても、本画像形成装置101では、特定色の可視トナーを搭載したもので、指定色の指定はできないため、指定色設定部112は設けられていない。
【0290】
〔第4の実施の形態〕
本実施形態においては、機密書類作成用の画像形成装置として機能する場合に、不可視トナーが収容された現像器と、黒の可視トナーが収容された現像器と、特定色の可視トナーが収容された現像器と、光沢付与トナーが収容された現像器とを備え、光沢付与トナーの印刷データを生成するデータ生成手段をさらに備えた構成を例示する。
【0291】
なお、説明の便宜上、第1、第2、第3の実施の形態で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0292】
第1、第2、第3の実施の形態における画像形成装置100、101,102と同様、第4の実施の形態における画像形成装置103も、フルカラー画像用の画像形成装置(フルカラー仕様モード)としても、機密書類作成用の画像形成装置(透明色仕様モード)としても機能する。
【0293】
画像形成装置103がフルカラー画像用の画像形成装置として機能する場合は、画像形成装置100、101,102と同様、図18(a)に示すように、4つの画像形成ステーションP1〜P4(図1参照)には、フルカラー画像を作成するための、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のトナー(可視トナー)をそれぞれ収容した現像器2K・2C・2M・2Yが装着される。
【0294】
画像形成装置100、101,102と本画像形成装置103との違いは、機密書類作成用の画像形成装置(透明色仕様モード)にある。
【0295】
本画像形成装置103が機密書類作成用の画像形成装置として機能する場合には、図23(b)のように、4つの画像形成ステーションP1〜P4に、黒の現像器2K、透明蛍光色の現像器2U、特定色の現像器2R、及び光沢付与トナーが収容された光沢付与用の現像器2Zが装着される。
【0296】
これにより、機密書類作成用として使用される画像形成装置101は、黒と、特定色とで表現された原稿画像に、付加情報画像が不可視トナーである透明蛍光トナーにて書き込まれてなる、改ざんや偽造が行われ難い画像を、さらに表面に光沢が付与されることで、出力後の改ざんや偽造をより一層困難にすると共により上質な状態で得ることができる。
【0297】
特定色としては、第2の実施の形態で説明した理由により、朱肉の色を再現できる赤が好適である。
【0298】
光沢付与用の現像器2Zに収容されている光沢付与トナーは、着色剤を含まない点を除いて、可視光で視認できる黒、シアン、マゼンタ、イエロー等の可視トナーと同様の構成を有しており、同様の製法で作ることができる。より光沢を出すために、ワックスの割合を増やしたものであってもよい。
【0299】
また、黒の現像器2K、透明蛍光色の現像器2Uと、特定色の現像器2R、光沢付与用の現像器2Zの配置としては、図23(b)に示す配置が好ましい。
【0300】
つまり、矢印Xにて示す方向に回転する中間転写ベルト61に対し、転写ローラ10の配置位置を基点として、回転方向上流側から順に、光沢付与用の現像器(第7現像器)2Z、透明蛍光色の現像器2U(第1現像器)、特定色の現像器2R(第5現像器)、黒の現像器2K(第2現像器)と配置されることが好ましい。
【0301】
このような配置とすることで、中間転写ベルト61上では、光沢付与のトナー像、透明蛍光色トナー像、特定色のトナー像、黒トナー像の順に積層され、黒トナー像が最上層に位置することとなる。そして、転写ローラ10にて用紙上に転写されることで、積層関係が逆転し、用紙上では黒トナー像が最下層となり、光沢付与トナー像が最上層に位置し、その下に透明蛍光色トナー像が位置することとなる。
【0302】
これにより、画像形成装置100,101,102と同様に、透明蛍光色トナーが黒や特定色のトナー像よりも上に位置することとなり、たとえ、他の色のトナー像と積層される場合でも、透明蛍光色トナーで形成された付加情報画像(付加情報画像)を欠けさせることなく出現させることができる。
【0303】
加えて、光沢付与トナーのトナー像が最上層に位置することで、黒や特定色で形成されたトナー像や、透明蛍光色トナーで形成されたトナー像に対し、改ざんや偽造を試みようとした場合、まず、最上層の光沢付与トナーで形成されたトナー像(トナー層)を、剥がすなどの必要が生じることとなる。そのため、改ざんや偽造のために手を加えられた部分の光沢性がほかの部分より低下することとなり、改ざんや偽造が行われたことが判明しやすくなり、より一層、改ざんや偽造が行われ難い画像を得ることができる。
【0304】
ここでも、制御部151は、通信部207−1〜207−4から入力される情報を基に、本画像形成装置102が、機密書類作成用として使用されるのか、或いはフルカラー画像作成用として使用されるのか(自身の仕様モード)を特定する。
【0305】
制御部151は、画像形成装置100、101,102と同様に、画像形成ステーションP1にイエローの現像器2Yの装着を検知すると、フルカラー画像作成用としての使用であると特定する。
【0306】
一方、機密書類作成用としての使用については、画像形成装置103の制御部151は、画像形成ステーションP2に透明蛍光色の現像器2Uの装着を検知することで特定する。
【0307】
制御部151は、機密書類作成用としての使用であると特定すると、画像形成ステーションP2においてセットを許可する現像器2は光沢付与用の現像器2Z、画像形成ステーションP2においては透明蛍光色の現像器2U、画像形成ステーションP3においては特定色の現像器2R、画像形成ステーションP4においては黒の現像器2Kと決定する。
【0308】
図24に、本画像形成装置102が、機密書類作成用として使用された場合における画像処理を示す。図24は、第1の実施の形態の図7、第2の実施の形態の図14に対応しており、プリンタドライバの設定画面を用いて、付加パターンとその配置例を決定し、プリンタドライバにて付加情報データを生成する例を示したものである。
【0309】
これによれば、指定色変換部182にて生成された特定色データは、中間調処理部173に入力され、特定色データの中間調データを生成し、特定色プレーンの出力データ(印刷データ)とする。特定色データは、中間調処理部173に対して、あたかもマゼンタデータであるかのように入力される。
【0310】
なお、黒プレーンの出力データ(印刷データ)、及び透明蛍光色プレーンの出力データ(印刷データ)を生成する処理は、図7を用いて説明したものと同じであるので、ここでは記載を省略する。
【0311】
全面データ生成部(データ生成手段)176は、画像形成ステーションP1にセットされた光沢付与用の現像器2Zに収容された光沢付与トナーの印刷データを作成するためのものである。全面データ生成部176にて生成された用紙全面、あるいは、画像形成領域全体に、光沢付与トナーを打ち込むための印刷データは、イエロー中間調処理部173に入力され、中間調処理部173の出力OUT1より、イエローの印刷データを装って出力される。
【0312】
中間調処理部173は、フルカラー画像作成用として動作する場合と同様に、マゼンタの印刷データを装う特定色の印刷データを、OUT2より出力する。また、シアンの印刷データを装う透明蛍光色の印刷データをOUT3より出力し、黒データの中間調データを出力部OUT4より出力する。また、全面データ生成部176にて生成された光沢付与トナーを打ち込むための印刷データは、イエローに対応した出力部OUT1より出力する。
【0313】
制御部151は、中間調処理部173における出力部OUT2、OUT3と、露光ユニット1の入力部IN1、IN3との接続関係を、中間調処理部173より出力される透明蛍光色の印刷データ及び特定色の印刷データが、画像形成ステーションP1、P3にセットされている現像器2U,2Rと対応するように切り換える。
【0314】
つまり、透明蛍光色の現像器2Uがセットされている画像形成ステーションP1に対応する入力部IN1と中間調処理部173のシアン用の出力部OUT3とを接続し、特定色(R1)の現像器2Rがセットされている画像形成ステーションP3に対応する入力部IN3と、中間調処理部173にマゼンタ用の出力部OUT2とを接続する。
【0315】
なお、中間調処理部173における出力部OUT4と、露光ユニット1の入力部IN4との接続関係、ならびに、中間調処理部173における出力部OUT1と、露光ユニット1の入力部IN1との接続関係が切り換えられることはない。
【0316】
ここでは、第1の実施の形態の図7、第2の実施の形態の図14に対応する図24を例示したが、図25に示すように、第1の実施の形態の図8、第2の実施の形態の図15に対応する構成とすることもできる。これは、機密書類用画像処理部154b1に付加パターン生成部188を備え、図5に示したハードディスク(HD)152や、制御部151のRAM,ROMに格納されている付加パターンを基に、画像形成装置101内部にて付加パターンを生成するものである。
【0317】
また、図26示すように、第1の実施の形態の図10、第2の実施の形態の図16に対応する構成とすることもできる。これは、画像処理部154における中間調処理部173の出力部OUT1〜OUT4と、露光ユニット1の入力部IN1〜IN4との接続関係については、フルカラー画像作成として使用される場合の関係(図6)を保持し、
機密書類用画像処理部154b’の内部で対応するものである。但し、本画像形成装置101では、特定色の可視トナーを搭載したもので、指定色の指定はできないため、指定色設定部112は設けられていない。
【0318】
透明蛍光色用データ生成部186にて生成された透明蛍光色データは、あたかもイエローデータであるかのように中間調処理部173に入力される。これにより、透明蛍光色の現像器2Uがセットされている、フルカラー画像作成用におけるイエローに対応した画像形成ステーションP1より、透明蛍光色の中間調データ(印刷データ)が出力される。
【0319】
一方、指定色変換部182にて生成された特定色データは、あたかもシアンデータであるかのように中間調処理部173に入力される。そして、特定色切換部175の切り換え制御のもと、特定色の中間調データ(印刷データ)は、特定色の現像器2Rがセットされている、フルカラー画像作成用におけるシアンに対応した画像形成ステーションP3より出力される。
【0320】
そして、全面データ生成部176にて生成された光沢付与用の印刷データは、イエローデータであるかのように中間調処理部173より出力される。これにより、光沢付与用の現像器2Zがセットされている、フルカラー画像作成用におけるイエローに対応した画像形成ステーションP1より、光沢付与用の中間調データ(印刷データ)が出力される。
【0321】
さらに、図27に示すように、第1の実施の形態の図11、第2の実施の形態の図17に対応する構成とすることもできる。これは、プリンタドライバに、付加パターン生成部111a、付加情報データ生成部111bに加えて、単色可視パターン生成部113が設けられており、プリンタドライバの設定画面を用いて、単色可視パターンを設定できるものである。これにおいても、本画像形成装置101では、特定色の可視トナーを搭載したもので、指定色の指定はできないため、指定色設定部112は設けられていない。
【0322】
上記した本発明は、ソフトウェアによって実現してもよい。すなわち、各機能(各手段)を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記画像形成装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0323】
また、画像形成装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0324】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0325】
例えば、第1〜第4の実施の形態を分けて、透明色仕様モードが異なる4種類の画像形成装置100〜103を例示したが、例えば画像形成装置100に、他の画像形成装置101〜103の各透明色仕様モードが設定されており、選択により制御部151が、各画像形成ステーションP1〜P3におけるセット可能な現像器2の組み合わせを切り換える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0326】
2 現像器
2K 黒の現像器
2U 透明蛍光色の現像器
2C シアンの現像器
2Y イエローの現像器
2M マゼンタの現像器
2Z 光沢付与用の現像器
2R 特定色の現像器
2R’ 特定色の現像器
100〜103 画像形成装置
151 制御部(検知部、モード制御手段)
154a フルカラー用画像処理部(フルカラー画像処理手段)
154b 機密書類用画像処理部(第1、第2画像処理手段)
154b’ 機密書類用画像処理部(第1、第2画像処理手段)
154b” 機密書類用画像処理部(第1、第2画像処理手段)
154b1 機密書類用画像処理部(第1、第2画像処理手段)
175 特定色切換部(現像器切換手段)
176 全面データ生成部(データ生成手段)
P1〜P4 画像形成ステーション(画像形成部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの現像器を備えることができる画像形成装置であって、
可視光線下では視認し難い不可視トナーが収容された現像器と、黒の可視トナーが収容された現像器と、有彩色の可視トナーが収容された少なくとも1つの現像器とを備え、
原稿画像の画像データより、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの各可視トナーの印刷データを生成するフルカラー画像処理手段の機能を用いて、黒の可視トナー、及び少なくとも1つ備えられた上記有彩色の可視トナーの各印刷データを生成する第1画像処理手段と、
付加情報画像の画像データより、不可視トナーの印刷データを生成する第2画像処理手段と、
記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、前記原稿画像の画像データに応じたトナー像を前記第1画像処理手段で生成された各可視トナーの印刷データを用いて形成し、前記付加情報画像の画像データに応じたトナー像を前記第2画像処理手段で生成された不可視トナーの印刷データを用いて形成する画像形成部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記不可視トナーが収容された第1現像器と、
黒の可視トナーが収容された第2現像器と、
イエロー、マゼンタ、シアンのうちの1色の可視トナーが収容された第3現像器と、
イエロー、マゼンタ、シアンのうちの1色であって、前記第3現像器とは異なる色の可視トナーが収容された第4現像器とを備え、
前記第1画像処理手段は、前記第2〜第4の現像器に収容された各可視トナーの印刷データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記不可視トナーが収容された第1現像器と、
黒の可視トナーが収容された第2現像器と、
有彩色である特定色の可視トナーが収容された第5現像器とを備え、
前記第1画像処理手段は、黒の可視トナー、及び特定色の可視トナーの印刷データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記不可視トナーが収容された第1現像器と、
黒の可視トナーが収容された第2現像器と、
有彩色である特定色の可視トナーが収容された第5現像器と、
第5現像器に収容された特定色の可視トナーと同じ色相を有し色味が異なる別の特定色の可視トナーが収容された第6現像器とを備え、
特定色の可視トナーが収容された現像器として予め定めえられた条件に基づいて、前記第5現像器又は前記第6現像器の何れか一方を選択する現像器選択手段をさらに備え、前記第1画像処理手段は、黒の可視トナー、及び特定色の可視トナーの印刷データを生成し、前記画像形成部は、前記現像器選択手段にて選択された、第5現像器又は第6現像器の何れか一方を、特定色の可視トナーが収容された現像器として使用する構成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記不可視トナーが収容された第1現像器と、
黒の可視トナーが収容された第2現像器と、
有彩色である特定色の可視トナーが収容された第5現像器と、
画像に光沢を付与するための光沢付与トナーが収容された第7現像器とを備え、
記録用紙全面をトナー像形成領域とした、光沢付与トナーの印刷データを生成するデータ生成手段をさらに備え、
前記第1画像処理手段は、黒の可視トナー、及び特定色の可視トナーの印刷データを生成し、
前記画像形成部は、さらに、前記光沢付与トナーの印刷データに応じたトナー像を、前記データ生成手段で生成された光沢付与トナーの印刷データを用いて形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1画像処理手段は、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、前記第3、第4の現像器に収容された各可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより前記第2現像器に収容された黒の可視トナーの印刷データを生成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第3、第4の現像器に収容された2色の可視トナーの組み合わせで再現される色を、前記2色にて決定される色再現域内の任意の色の中からユーザーに指定させる指定色設定部を備え、
前記第1画像処理手段は、前記指定色設定部にて設定された指定色となるように、前記第3、第4の現像器に収容された2色の可視トナーの印刷データを生成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1画像処理手段は、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、特定色の可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより黒の可視トナーの印刷データを生成することを特徴とする請求項3、4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記不可視トナーは、紫外線の照射により発光する蛍光物質を含んでいることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記不可視トナーは、赤外線を吸収する赤外線吸収剤を含んでいることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記不可視トナーは、紫外線の照射により発光する蛍光物質を含んでおり、
前記各現像器は、第1現像器に収容された不可視トナーを用いて形成される付加情報画像のトナー像が、記録用紙上に転写された状態で最上層になるように配されていることを特徴とする請求項2、3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記不可視トナーは、赤外線を吸収する赤外線吸収剤を含んでおり、
前記各現像器は、第1現像器に収容された不可視トナーを用いて形成される付加情報画像のトナー像が、記録用紙上に転写された状態で最上層になるように配されていることを特徴とする請求項2、3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記各現像器は、第6現像器に収容された光沢付与トナーを用いて形成されるトナー像が、記録用紙上に転写された状態で最上層になるように配されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第3、第4の現像器に収容された2色の可視トナーが、イエローとマゼンタの可視トナーであることを特徴とする請求項2、5、6、10又は11に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記特定色が、単色で朱肉の色を再現可能な赤の可視トナーであることを特徴とする請求項3、4、5、又は8に記載の画像形成装置。
【請求項16】
4つの現像器を備えることのできる画像形成装置であって、
原稿画像の画像データより、黒、イエロー、シアン、マゼンタの各可視トナーの印刷データを生成するフルカラー画像処理手段と、
フルカラー画像処理手段の機能を利用して、原稿画像の画像データを有彩色データと無彩色データとに分離し、有彩色データより、有彩色の可視トナーの印刷データを生成する一方、無彩色データより黒の可視トナーの印刷データを生成する第1画像処理手段と、
付加情報画像の画像データより、可視光線下では視認し難い不可視トナーの印刷データを生成する第2画像処理手段と、
記録用紙にトナー像として画像を形成する画像形成部とを有し、
黒、イエロー、マゼンタ、シアンの可視トナーがそれぞれ収容された現像器が装着され、前記画像形成部が、記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、前記原稿画像の画像データに応じたトナー像を、前記フルカラー画像処理手段で生成された各可視トナーの印刷データを用いてフルカラー画像を形成するフルカラー仕様モードと、
前記フルカラー仕様モードにおける4つの現像器のうちの黒の可視トナーを収容した現像器を除く3つの現像器のうちの少なくとも1つに代えて、前記不可視トナーが収容された現像器が少なくとも装着され、前記画像形成部が、記録用紙にトナー像として画像を形成する際に、前記原稿画像の画像データに応じたトナー像を前記第1画像処理手段で生成された各可視トナーの印刷データを用いて形成し、前記付加情報画像の画像データに応じたトナー像を前記第2画像処理手段で生成された不可視トナーの印刷データを用いて形成する透明色仕様モードと、を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
前記透明色仕様モードにおいては、黒の可視トナーが収容された現像器と、不可視トナーが収容された現像器と、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの何れか2色の可視トナーがそれぞれ収容された現像器とが装着され、
前記第1画像処理手段は、黒、及び前記2色の各可視トナーの印刷データを生成することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記透明色仕様モードにおいては、黒の可視トナーが収容された現像器と、不可視トナーが収容された現像器と、有彩色である特定色の可視トナーが収容された現像器とが装着され、
前記第1画像処理手段は、黒及び特定色の各可視トナーの印刷データを生成することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記透明色仕様モードにおいては、黒の可視トナーが収容された現像器と、不可視トナーが収容された現像器と、有彩色である特定色の可視トナーが収容された第5現像器と、前記特定色の可視トナーと同じ色相を有し色味が異なる別の特定色の可視トナーが収容された第6現像器とを備え、
特定色の可視トナーが収容された現像器として予め定めえられた条件に基づいて、前記第5現像器又は前記第6現像器の何れか一方を選択する現像器選択手段をさらに備え、
前記第1画像処理手段は、黒の可視トナー、及び特定色の可視トナーの印刷データを生成し、前記画像形成部は、前記現像器選択手段にて選択された、第5現像器又は第6現像器の何れか一方を、特定色の可視トナーが収容された現像器として使用することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記透明色仕様モードにおいては、黒の可視トナーが収容された現像器と、不可視トナーが収容された現像器と、有彩色である特定色の可視トナーが収容された現像器と、画像に光沢を付与するための光沢付与トナーが収容された現像器とが装着され、
記録用紙全面をトナー像形成領域とした、光沢付与トナーの印刷データを生成するデータ生成手段を備え、
前記第1画像処理手段は、黒及び特定色の各可視トナーの印刷データを生成し、
前記画像形成部が、さらに、前記光沢付与トナーの印刷データに応じたトナー像を、前記データ生成手段で生成された光沢付与トナーの印刷データを用いて形成することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項21】
不可視トナーが収容された現像器が装着されたことを検知する第1検知部と、
前記第1検知部にて不可視トナーが収容された現像器が装着されたことが検知されると、当該画像形成装置の仕様モードを透明色仕様モードとするモード制御手段を備えることを特徴とする請求項16〜20の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記不可視トナーは、紫外線の照射により発光する蛍光物質を含んでいることを特徴とする請求項16〜21の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項23】
前記不可視トナーは、赤外線を吸収する赤外線吸収剤を含んでいることを特徴とする請求項16〜21の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項24】
イエロー、マゼンタ、シアンのうちの何れか2色の可視トナーが、イエローとマゼンタの可視トナーであることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項25】
前記特定色の可視トナーが、朱肉の色を単色で再現可能な赤の可視トナーであることを特徴とする18,19又は20に記載の画像形成装置。
【請求項26】
請求項1〜25の何れか1項に記載の画像形成装置における各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項27】
請求項26に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−227442(P2011−227442A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240840(P2010−240840)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】