説明

画像形成装置、前処理方法および前記方法を実行するためのプログラム

【課題】周囲の環境条件によらず感光体温度をshallow trapに束縛された電荷担体を解放されやすい温度にし、少ない静電疲労でVLを安定化させて画像濃度のばらつきを抑制するとともに、感光体温度、感光体履歴、インターバル時間に応じて静電疲労を与える度合いを変えて、必要最小限の前処理によりダウンタイムや過度の疲労を低減させること。
【解決手段】前記潜像担持体内ヒータに印加する加熱温度を調整しながら、前記画像形成装置の前記潜像担持体への画像形成動作前の前処理を、帯電手段または帯電手段と露光手段とにより行なわれ、前記前処理は、前記温度検知手段によって検知する前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からの時間であるインターバル時間に応じて決定されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置、前処理方法および前記方法を実行するためのプログラムに関し、詳しくは、画像形成動作前に前処理を行うことによって書込み露光部の電位を安定化させ、画像濃度のばらつきを抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真式画像形成装置に用いられる電子写真感光体は、導電性支持体上に直接または中間層を介して電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を設けた所謂、機能分離型積層感光体が用いられている。
この機能分離型積層感光体において、表面が帯電された感光体が露光されたとき、光は電荷輸送層を透過し、電荷発生層中の電荷発生材料に吸収され、電荷発生材料はこの光を吸収して電荷担体を発生する。しかし、この電荷担体が電荷輸送層を移動する過程で電荷輸送層に生成したトラップにより、VL(感光体を露光し、ベタ画像を形成する際のベタ画像部の感光体表面電位)が上昇したり、また画像形成動作のインターバル中に、このトラップされた電荷担体が解放されることにより一度上昇したVLが低下するなどのVLの変動により画像濃度が変動するという、画像品質の劣化を引き起こす問題点があった。
【0003】
このようなVLの変動に対して、たとえば特許文献1には、エージング露光時間の短縮化を図ると共に、過剰なエージング露光による感光層の劣化を防止できるようにするため、制御装置13は、装置の電源投入もしくはリセット後の画像形成待機状態となる以前に、感光ドラム1を駆動回転させながら、感光ドラム1表面の長手方向画像形成領域全体を露光装置3でエージング露光し、かつエージング露光時間を、温度センサ11で検知された装置内の温度と、記憶装置12に記憶された感光ドラム1の使用履歴に基づいて制御することにより、エージング露光時間の短縮化を図ることができ、また、過剰なエージング露光による感光層の劣化を防止することができる発明が開示されている。また未使用の感光ドラム1の場合は所定回転分エージング露光を行うと共に、未使品の感光ドラム1の場合は温度センサ11で検知した装置内の温度情報に基づいて露光装置3によるエージング露光時間を制御する旨の記載がされている(要約書、段落0030、0059など)。
しかしながらこの文献には、感光体ドラムの使用度合いに応じて感光体ドラムへの熱印加条件を変化させて所定時間帯電しながら露光処理する発明は、一切記載されていない。
【0004】
また特許文献2(特開2000−75742)には、画像形成装置において、ポジゴーストの発生を防止して、ポジゴーストのない良好な画像を作像するために、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加することで電子写真感光体の帯電を行う帯電装置と、前記電子写真感光体の帯電処理面に静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、前記電子写真感光体表面の現像剤像を被転写材Pに移動させる転写装置を具備する画像形成装置において、作像動作前に一定時間前記電子写真感光体を全面的に露光することを特徴とする画像形成装置の発明が記載されている(特許請求の範囲、発明の効果など参照)。
【0005】
また特許文献3(特開2000−75677)には、転写式画像形成装置において、ネガゴーストの発生を防止して、ネガゴーストのない良好な画像を作像するため、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加することで電子写真感光体の帯電を行う帯電装置と、前記電子写真感光体の帯電処理面に静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、前記電子写真感光体表面の現像剤像を被転写材に移動させる転写装置を具備する画像形成装置において、作像動作前に一定時間転写バイアスを前記電子写真感光体に印加することを特徴とする画像形成装置が記載されている(段落0029、請求項1参照)。
しかしながら、この文献での前処理は、感光体1周分に全面的に露光(全ベタ露光)を行うことであり、露光手段とともに帯電手段を用いて前処理を行う発明は、開示されていない。
【0006】
また特許文献4(特開2001−296705)には、装置立ち上がり時のリセット後のような立ち上がり時間の増加につながるエージング露光を廃止し、さらに、露光メモリによるVLの低下現象だけでなく、露光メモリによるVLの増加による濃度の変動にも抑制効果を有する画像形成装置を提供するために、静電潜像を担持する感光体と、該感光体表面を帯電する帯電手段と、該帯電手段により帯電された前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段とを、少なくとも備えた画像形成装置において、画像の出力命令が出されてから前記帯電手段により帯電され前記感光体上に前記露光手段により静電潜像形成が行われるまでの前帯電区間において、前帯電区間における前記感光体の表面電位が、潜像形成が行われた際の前記感光体の画像形成領域の表面電位よりも前記帯電手段によって大きくされると共に、前記前帯電区間において、前記露光手段により前記感光体が前露光されることを特徴とする画像形成装置が記載されている(段落0024〜25参照)。
しかしながら潜像担持体を加熱するヒータに印加する加熱温度を調整しながら、画像形成動作前の前処理を、帯電手段または帯電手段と露光手段とにより行うことまでは、開示されていない。
【0007】
また特許文献5(特開2006−317532)には、低温、低湿時に、画像品質が劣化したり、異常画像が発生したりすることを防止することができる画像形成装置を実現するため、少なくとも像担持体と、該像担持体に近接または接触する帯電部材を有する帯電手段と、周囲の環境温度と湿度を検出する温・湿度センサと、前記帯電手段へ印加電圧を供給する電気回路と、前記電気回路を制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、前記制御手段は少なくとも立ち上がり時に、前記温・湿度センサの検出値に応じて画像形成動作前の予備回転時の帯電手段への印加電圧を制御することを特徴とする画像形成装置の発明が開示されている。
この公報に開示されている発明には、温度検知手段によって潜像担持体の温度を検知しこの検知した温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からの時間であるインターバル時間に応じて前処理をどのように決定されることまでは、開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した、トラップについて考察すると、電荷担体がトラップされる形態は、半永久的にトラップされるdeep trapと、一定の寿命で解放されるshallow trapに分けられる。このうちshallow trapは一定の寿命で解放されるので、短期的にVLが変動する要因となるトラップである。このshallow trapに束縛された電荷担体は、感光体の温度が高いほど活性化され、解放されやすくなる。他方Deep trapによるVL上昇は長期的なVL変動であり、電位センサによってVLを検知して補正する等の制御で対処可能である。
本発明では、前記したトラップのうち、shallow trapにより数枚の印刷中で生じるVL変動による画像濃度のばらつきを如何に解決するかを課題としている。すなわち本発明は、周囲の環境条件によらず感光体温度をshallow trapに束縛された電荷担体を解放されやすい温度にし、少ない静電疲労でVLを安定化させて画像濃度のばらつきを抑制するとともに、感光体温度、感光体履歴、インターバル時間に応じて静電疲労を与える度合いを変えて、必要最小限の前処理によりダウンタイムや過度の疲労を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の解決手段を有する。
請求項1にかかる発明は、潜像担持体の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知する前記潜像担持体の温度に応じて前記潜像担持体を加熱する潜像担持体内ヒータと、前記潜像担持体の使用履歴を記憶する履歴記憶手段とを有する画像形成装置であって、前記潜像担持体内ヒータにより前記潜像担持体に印加する加熱温度を調整しながら、前記画像形成装置の前記潜像担持体への画像形成動作前の前処理を、帯電手段または帯電手段と露光手段とにより行なわれ、前記前処理は、前記温度検知手段によって検知する前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からの時間であるインターバル時間に応じて決定されることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、前記において、前記前処理は、前記温度検知手段によって検知する前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からの時間であるインターバル時間に加え、さらに潜像担持体の1周分の周長が記録媒体の辺長の1つと等しいか否かに応じて決定されることを特徴とする。
【0010】
請求項3にかかる発明は、前記請求項1または2において、前記前処理が帯電手段と露光手段により行われる際に用いられる前記帯電手段は、前記画像形成装置内の帯電ローラであることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、前記請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記露光手段は、潜像担持体を露光する潜像形成手段が用いられることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、前記請求項1または2において、前記前処理が帯電手段により行われる際の帯電手段は、転写バイアスを用いて行われることを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、前記請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記画像形成装置は前記温度検知手段と、前記ヒータとを有する前記潜像担持体温度制御機構を構成し、前記画像形成装置のメインスイッチがOFF状態でも、前記潜像担持体の温度が、所定の温度未満の場合には、前記潜像担持体を所定温度に調整することを特徴とする。
【0011】
請求項7にかかる発明は、潜像担持体の温度を読み取り、前記潜像担持体の温度が所定温度であるか否かを判断し、所定温度で無い場合には前記潜像担持体の温度を検知しながら前記潜像担持体温度の制御を行ない、前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からのインターバル時間に応じて、または前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からのインターバル時間に加え、さらに潜像担持体の1周分の周長が記録媒体の辺長の1つと等しいか否かに応じて、前記潜像担持体への画像形成動作前の前処理を決定する前記潜像担持体への画像形成動作前の前処理方法であることを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、前記請求項7に記載の前処理方法を画像形成装置に実行するためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ドラムヒータを感光体内に備えているので感光体温度を所定の値以上に保てるので画像形成前処理時間を短くすることができ、待ち時間の短縮や静電疲労の低減が図れる。
また、雰囲気温度ではなく感光体温度を検知(例えばNC等の温度センサによって)しているので、雰囲気温度と感光体温度の間に大きな差が生じている場合(例えば低温環境下にて両面印刷を繰り返した場合等)でも、的確な画像形成前処理を行うことができるため、無駄なダウンタイムや必要以上の疲労を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】各プロセスユニットの要部構成を説明するための図である。
【図3】走行距離0mの感光体ドラムを用いた場合のインターバル時間(前回の作像動作からの時間)毎の、感光体温度と、感光体のVL変動(印刷動作中とインターバル後のVL偏差)との関係をグラフで示す図である。
【図4】走行距離16000mの感光体ドラムを用いた場合のインターバル時間毎の感光体温度と、感光体VL変動(印刷動作中とインターバル後のVL偏差)との関係をグラフで示す図である。
【図5】インターバル時間60secの場合の感光体走行距離毎の感光体温度と、感光体VL変動との関係をグラフで示す図である。
【図6】帯電と露光を組み合わせた前処理の回数(感光体周回数)と、感光体VL変動との関係をグラフで示す図である。
【図7】温度10℃相対湿度15%RHの環境下において、走行距離0mの感光体ドラムを用いた印刷枚数と、インターバルを設けた際のVL(ベタ画像電位)の推移をグラフで示す図である。
【図8】転写バイアス印加による前処理と、VL偏差量の関係とをグラフで示す図である。
【図9】メインスイッチがOFF状態であっても、感光体温度制御機構における温度センサにより、感光体温度が所定温度未満を検知してヒータを点灯させる構成感光体温度制御機構を有する構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタを例にして説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、トナー像形成手段(作像手段)のプロセスユニットとして、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、これらを順にY、C、M、Kと記す)用の4組のプロセスユニットを備えている。これらは、画像を形成するY、C、M、Kトナーを用い、その他は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのプロセスユニットにより以下に説明する。図2に示すように、感光体ユニットと現像ユニットとを有している。これら感光体ユニットと現像ユニットは一体的にプリンタ本体に対して着脱可能となっている。
【0015】
図2に作像手段であるプロセスユニットの断面概略図を示す。
感光体ユニットは、潜像担持体であるドラム状の感光体、感光体に付着した転写残トナー等を除去し回収する潜像担持体クリーニング手段のドラムクリーニング装置、感光体ドラムの表面摩擦係数を所定の値にするための滑剤塗布ブラシおよび滑剤(たとえばステアリン酸亜鉛)、この滑剤を感光体ドラム上に均一に塗布するための滑剤塗布ブレード、感光体ドラムを均一に帯電するための帯電ローラなどを有している。
帯電ローラは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動する感光体ドラムの表面を、図示しない帯電バイアス印加手段からAC電圧にDC電圧を重畳した帯電バイアスを印加して一様に帯電させる。つづいて、画像信号に対応した図示しない露光手段から発せられるレーザ光によって露光走査されて静電潜像を形成する。
【0016】
以下の説明では、現像剤としてキャリア粒子とトナーからなる2成分現像剤を用いた例で説明する。図2に示すように、現像ユニット7は、第一搬送スクリュー8が配設された第一現像剤収容部9と、第二搬送スクリュー11が配設された第二現像剤収容部14を有しており、第一現像剤収容部9の下面には、トナー濃度センサ(透磁率センサ)101が設置されており、磁性体であるキャリア粒子とトナーの混合比をセンサによって得られた透磁率から算出し、所定のトナー濃度になるように、トナー補給装置(図示せず)から必要なトナーを補給している。
第一搬送スクリュー8は、図示しない駆動手段によって回転駆動され、第一現像剤収容部9内の現像剤を図面に直交する方向の奥側から手前側に搬送し、第一現像剤収容部9と第二現像剤収容部14との間の仕切り壁に設けられた図示しない連通口を経て第二現像剤収容部14内に進入させる。
第二現像剤収容部14内の第二搬送スクリュー11は、図示しない駆動手段によって回転駆動され、現像剤を図中手前側から奥側に搬送させる。第二搬送スクリュー11の上方には、現像スリーブ15が第二搬送スクリュー11と平行に配設され、現像スリーブ15は図中反時計回り方向に回転駆動される。
【0017】
現像スリーブ15は非磁性材料(アルミ)パイプからなり、表面をサンドブラストで粗面化処理されている。現像スリーブ15の内部には、図示しないマグネットが配設されており、第二搬送スクリュー11によって搬送される現像剤の一部は、このマグネットの発する磁力によって現像スリーブ15表面に汲み上げられる。
そして汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ15と所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード17によってその層厚が規制された後、感光体と対向する現像領域まで搬送され、図示しない現像バイアス印加手段から現像スリーブに印加される現像バイアスによって、感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させ、トナー像を形成する。現像によってトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ15の回転に伴って第二搬送スクリュー11上に戻される。そして、図中奥端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第一収容部9内に戻り、以降、現像剤は前記と同様に循環されて使用される。
トナー濃度センサ101による現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。現像剤の透磁率は、現像剤のトナー濃度と相関があるため、トナー濃度センサ101はトナー濃度に応じた値の電圧を出力する。
【0018】
上記制御部はRAM等の情報記憶手段を備えており、この情報記憶手段中にトナー濃度センサ101からの出力電圧の目標値であるVrefを格納しており、トナー濃度センサ101からの出力電圧値と格納されているVrefを比較し、図示しないトナー供給装置から比較結果に応じたトナー量を現像ユニット7中の第一現像剤収容部9の図中奥側からトナーを補給し、現像剤中のトナー濃度を所望の値に維持する。トナー濃度センサ101とトナー供給装置による制御は、各色の現像装置により個別に実施されている。
プロセスユニット1の図中下方には、露光ユニット2が配設されている。潜像書き込み手段である露光ユニット2は、画像情報に基づいてレーザ光を各プロセスユニット(1Y、1C、1M、1K)の感光体(3Y、3C、3M、3K)表面に照射する。これによって、感光体(3Y、3C、3M、3K)上に静電潜像を形成する。なお、露光ユニット2は、光源であるレーザーダイオードから発したレーザ光をモータによって回転駆動されるポリゴンミラー22Y、22C、22M、22Kによって走査され、複数の光学レンズやミラーを介して感光体(3Y、3C、3M、3K)に照射するものである。かかる構成に代えて、LEDアレイによる露光手段を採用することもできる。
【0019】
図1に示すように、露光ユニット2の下方には、第一給紙カセット31、第二給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット31、32内には、それぞれ、記録媒体である記録紙pが収容されており、一番上の記録紙には、第一給紙ローラ31a、第二給紙ローラ32bがそれぞれ当接している。図示しない駆動手段によって、所定のタイミングで給紙ローラ31a、32aが反時計回りに回転駆動されると、記録紙pがカセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路に向けて排出される。給紙路には複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路に送られた記録紙pは、これらの搬送ローラ対34によって上方に向けて搬送される。
給紙路には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35の直前に記録紙pが搬送ローラ34から送られてくると、記録紙pは一旦停止される。そして、中間転写ベルト上に形成されたトナー画像が二次転写ニップに到達するタイミングに合わせて、レジストローラ35を所定のタイミングで駆動し、記録紙pを二次転写ニップに向けて送り出す。
【0020】
各プロセスユニット1Y、1C、1M、1Kの図中上方には、表面無端移動体である中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。転写手段である転写ユニット40は、中間転写ベルト41の他、ベルトクリーニングユニット42、各色の感光体ドラムの対向する位置に配設された一次転写ローラ45Y、45C、45M、45K、外部からの駆動を受け、中間転写ベルトを駆動せしめる駆動ローラ66、ベルトテンションローラ67等で構成されている。なお、駆動ローラは、二次転写ローラ50の対向ローラを兼ねている。
一次転写ローラ45はベルト41を挟んで感光体ドラム3に当接し、一次転写ニップを形成している。感光体3上に形成されたトナー画像のトナーとは逆極性の転写バイアスを一次転写ローラ45に印加することで、感光体3上のトナー画像を中間転写ベルト41上に転写する。各色毎の作像ユニット7Y、7C、7M、7Kで形成された各色のトナー画像は、中間転写ベルト41上に順次一次転写され、中間転写ベルト41上にカラー画像が形成される。
駆動ローラである二次転写対向ローラ46とベルト41を挟んで対向する位置に、二次転写ローラ50は配設され、バネ荷重によって、二次転写対向ローラ46に所定の荷重で当接し、二次転写ニップが形成されている。
【0021】
中間転写ベルト41上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト41の回転駆動によって二次転写ニップに移動され、レジストローラ35からトナー画像の二次転写ニップ進入と同期して記録紙pが二次転写ニップに進入される。
トナー像は、二次転写ローラ50と二次転写対抗ローラ46との間に形成される二次転写電界とニップ圧によって、記録紙pに二次転写される。二次転写対向ローラ46にトナーと同極性の転写バイアスを印加し、二次転写ローラ50を接地することで二次転写の電界を形成している。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41上には、記録紙に転写されなかったトナーが僅かに付着している。このトナー(ベルト上の転写残トナー)は、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41の表面に当接させ、ベルト41上の転写残トナーを掻きとる。
中間転写ベルト41上から除去された転写残トナーは、廃トナーボトル36に収容され、廃棄される。
【0022】
二次転写ニップの上方には、定着ユニットが配設されている。この定着ユニットは、電磁誘導発熱層を内包する定着ローラ63、定着ローラ63と所定圧力で当接され、所定のニップ幅を形成する加圧ローラ62、図示しない温度センサ等で構成されている。定着ローラ63の図中左側に、定着ローラ63内の電磁誘導発熱層を発熱させるための電磁誘導手段であるIH(Induction Heater)コイルユニットを有する。定着ローラは、IHコイルによる電磁誘導で加熱される。各ローラは図示しない駆動源によって加圧ローラ62が時計方向に、定着ローラ63は反時計方向に回転移動する。
二次転写ニップを通過した記録紙pは、中間転写ベルト61から分離した後、定着ユニット内に送られる。そして、定着ユニットの定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ローラ63によって加熱され、同時に定着ニップで加圧されてトナー画像が記録紙p上に定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙pは、排紙ローラ対67を経由して機外に排出され、プリンタ本体の上面68にスタックされる。
また、転写ユニットの上方には、Y、C、M、Kトナーを収容する各色のトナーボトル72Y、72C、72M、72Kが配設されている。トナーボトル72Y、72C、72M、72Kに収容された各色のトナーは、各色のプロセスユニットの現像ユニット7に適宜供給される。これらトナーボトル72は、プリンタ本体から脱着可能となっており、ボトル内のトナー残量がなくなると、トナーボトルを交換できるようになっている。
【0023】
<第1実施形態>
本発明の一実施形態として、画像形成装置はリコーImagio MPC4500をベースとしている。本装置の印刷速度は35枚/分(A4Y:A4版横)で、プロセス速度は205mm/sである。
図2に示すように感光体ドラムの外周近傍に感光体温度センサ102(図2参照)として非接触型赤外線温度センサを備え、感光体ドラムの温度を検知している。なお、温度センサ102は赤外線温度センサでなくてもよく、感光体ドラム3の温度を精度よく検知できれば良い。また、感光体ドラム3内部にはハロゲンヒータ3hを備えている。この実施形態において、画像濃度のばらつきが視覚的に問題ないレベルとなるには、印刷動作中とインターバル後のVL偏差量が10V以下である必要がある。このため、目標VL偏差量は10V以下としている。この目標値は、実施形態によって変わるため、制御自体も実施形態毎に変わる。
【0024】
[実施例1]
本実施例では、感光体3の表面温度が27℃以下の場合に、感光体内部に設置されたハロゲンヒータ3hを点灯させて感光体3(3Y、3C、3M、3K)を加熱している。
図3に、走行距離0mの感光体ドラム3を用いた場合の、インターバル時間(前回の作像動作からの時間)毎の、感光体3の温度と感光体3のVL変動(印刷動作中とインターバル後のVL偏差)との関係を示す。
図4は、走行距離16000mの感光体ドラム3を用いた場合のインターバル時間(前回の画像形成動作からの時間)毎の、感光体3の温度と感光体3のVL変動(印刷動作中とインターバル後のVL偏差)との関係を示す。また図5は、インターバル時間が60secの場合の感光体3の走行距離毎の感光体3の温度と感光体3のVL変動との関係を示す。
図3、図5に示すように、感光体3の温度が27℃以上の場合、感光体3のVL変動(ΔV)が10V以下となるため、画像形成動作における前処理は行う必要がないことが判る。しかし、例えば画像形成装置の立ち上げ直後等に感光体3の温度が27℃に満たない状態で画像形成動作を行わなくてはならない場合には、印刷開始直後と連続印刷中とで、VL偏差が10Vを越してしまい、画像濃度がばらつくことになる。
【0025】
このような場合には、画像形成動作前に、帯電ローラ6により感光体表面を均一に、画像形成動作時と同様に帯電させ、同時に露光を行うようにする。この際の露光手段は特に限定されず、露光手段を新たに設けても良いし、除電ランプ等を利用しても良い。
この帯電と露光による前処理を行うことにより、図6に示すように、VL偏差量を小さくすることができる。この図6は帯電と露光を組み合わせた前処理の回数(感光体周回数)と、感光体VL変動との関係を示している。この図6に示すように、前処理の回数が0(前処理なし)よりも前処理ありのほうが感光体VL偏差が小さくなり、その回数が1回よりも2回のほうが良好となっているのがわかる。
VL偏差量は、感光体3の表面温度の他に、感光体履歴、前回の画像形成からのインターバル時間によって変動するため、これらの検知結果毎のVL偏差量を図3〜図5を用いて予測し、VL偏差を10V以下にするために必要な量の前処理量が決定される。なお感光体履歴として、感光体3の走行距離を用いた。
【0026】
また、感光体3の周長を、A4サイズ定型用紙の横の長さと等しい210mmとしているため、使用する用紙がA4サイズであり、なおかつ横方向の通紙であった場合にはVL偏差が生じる条件であっても、ファーストプリントのページ内はVL偏差が生じないため、VL偏差による画像濃度のばらつきの影響を受けにくい。よって、そのような条件の場合には前処理を行わない、もしくは前処理の時間を短縮することが可能である。この条件(感光体の周長を、A4サイズ定型用紙の横の長さと等しい場合の条件)も前記した前処理量の決定に用いることができ、この条件を加味した条件で決定された前処理は、その前処理時間を短縮することができるため、よりダウンタイムの低減が図れる。そのため、使用する用紙の通紙方向の長さと感光体の周長が等しいかどうかによっても、前処理の量を変化させる構成とした。
また、用紙の通紙方向長さと感光体の周長が等しく、ファーストプリントのページ内画像濃度変動が生じない場合においても、ファーストプリントとそれ以降の画像濃度を比較した場合、画像濃度が若干異なることになるため、その差を生じさせないモードとして、使用する用紙の通紙方向の長さと感光体の周長が等しい場合でも、等しくない場合の制御を用いるモードも備えることで、使用者のニーズに対応できるようにしている。
また、前処理は感光体3の回転周期の整数倍に等しい時間行うことによって、ムラを生じさせないようにしており、前処理量は、感光体3の周回数で規定している。
【0027】
以上のようにして、本実施例では、前処理の制御を表1に示すマトリクスにより決定される前処理を行うことによって、図7に示すように、VL偏差を低減し、画像濃度がばらつくという問題を解消している。この図7はヒータや前処理のない構成と本実施例の構成について、温度10℃湿度15%RHの環境下において走行距離0mの感光体ドラム3を用いて印刷動作を行い、100枚毎に60secのインターバルを設けた際のVL推移を表している。
本実施例では、VLの変動を10V以内に低減することができている。

【0028】
[実施例2]
本実施例は、実施例1をベースとして、感光体3の走行距離に応じて、ハロゲンヒータ3hにより感光体3を加熱する目標温度を変えている。図5のような感光体3の走行距離が長い(図5において16000m以上)場合、VL偏差は小さくなる傾向がある。このため、この感光体3の走行距離に応じて感光体3の温度の目標値を変えることとしている。このようにすれば、必要以上に感光体を加熱する必要がなく、省エネに寄与することができる。図4〜図5に基づいて、本実施例における感光体3の走行距離と目標温度を決定することができる。
この決定結果を表2に示す。これにより、実施例1において、感光体3の温度(表面温度)が23℃以上の場合に、ハロゲンヒータ3hにより感光体3を加熱していたエネルギー分の省エネ化を図ることができ、なおかつ実施例1と同様に表1に示すマトリクスを用いて前処理の制御を行うことにより、VL偏差を抑制し、画像濃度がばらつくという問題を解消することができる。

【0029】
[実施例3]
実施例3は、実施例1もしくは実施例2をベースにし、前処理時の露光手段として潜像書込み手段の露光ユニット2を用いている。露光時の光量は、ベタ画像形成時と同じ光量とした。これにより新たな露光手段を省略でき、低コスト化、省スペース化を図ることができる。さらに実施例1と同様に、表1に示すマトリクスを用いて前処理の制御を行うことにより、VL偏差を抑制し、画像濃度のばらつく問題を解消している。
【0030】
[実施例4]
実施例4は、実施例1をベースとしているが、本実施例4では、VL偏差低減を、転写バイアスを印加する前処理(45による前処理)により行う。このような転写バイアス印加による前処理とVL偏差量との関係を、図8に示す。
図8に示すように、本実施例4では、帯電と露光とを組み合わせた前処理とほぼ同様の効果を、帯電バイアス印加による前処理によって得られることが判る。そのため本実施例4では、実施例1と同様に表1に示す感光体走行距離に応じて本実施例における前処理の制御を行っている。なお転写バイアス印加処理(45による前処理)は感光体3の回転周期の整数倍に等しい時間行うことによって、ムラを生じさせないようにしている。
転写バイアス印加位置は図2に示す通り、画像形成動作開始位置である帯電位置よりも下流側にあるため、前処理の開始位置が帯電と露光を前処理として用いている実施例1(6およびLによる前処理)よりも下流側となり、前処理を行ってから画像形成動作を開始するまでの時間が短くなるのでダウンタイムを低減でき、なおかつ実施例1と同様、表1に示す感光体走行距離に応じて本実施例における前処理の制御を行っているため、VL偏差を抑制し、画像濃度がばらつくという問題を解消している。
【0031】
[実施例5]
実施例5は、実施例2をベースとして、前処理による感光体のVL偏差低減を、帯電と露光ではなく、転写バイアスの印加(45による前処理)により行なっている。転写バイアス印加による前処理とVL偏差量との関係を図8に示す。
図8に示すとおり、帯電と露光を組み合わせた実施例2における前処理とほぼ同様の効果を、帯電バイアス印加による本実施例5における前処理を行うことによって得られている。本実施例5においても実施例2と同様に表1に示す制御方法を選択して用いて制御を行なっている。なお転写バイアス印加処理は感光体3の回転周期の整数倍に等しい時間行うことによって、ムラを生じさせないようにしている。転写バイアス印加位置は前記したように、図2に示す、画像形成動作開始位置である帯電位置よりも下流側にあるため、前処理の開始位置が帯電と露光を前処理として用いている実施例1よりも下流側となり、前処理を行ってから画像形成動作を開始するまでの時間が短くなりダウンタイムを低減でき、しかも、実施例2と同様に感光体履歴に応じてハロゲンヒータによる感光体を加熱する目標温度を表2に従って変えているため、省エネ化を図ることができる。さらに、表1に示すマトリクスを用いて前処理の制御を行っているため、感光体3のVL偏差を抑制し、画像濃度がばらつくという問題を解消している。
【0032】
[実施例6]
実施例6は、実施例1〜5をベースとして、メインスイッチがOFF状態であっても、感光体温度制御機構における温度センサ(図2に示す感光体温度センサを含む構成とすることもできる:図9参照)が、感光体温度が15℃以下の場合を検知してハロゲンヒータ3hを点灯させることができる構成とした。このような構成を図9に示す。本実施例6においては、図9に示すように、内部電源も備える構成とすることで、外部主電源がOFFとされている場合でも、ハロゲンヒータ3hを点灯させることができるようにしている。しかしながら、外部主電源が外されるケースは少ないため、外部主電源が外されない場合には、内部電源は省略可能である。これによって、低温環境下における放置後の立ち上がり直後においても、感光体3の温度を15℃以上に保つことができるため、立ち上がり直後に前処理によるダウンタイムが長くなるのを防ぐことができ、かつ、表1に示すような前処理を選択してその制御を行っているため、感光体3のVL偏差を抑制し、画像濃度がばらつく問題を解消している。なお図9中、PSUは電源ユニットである。
【0033】
本発明の画像形成装置において、前記した実施例1〜6において、前処理は、画像形成装置内の制御部(図示せず)により、行うことができる。たとえば感光体3の温度を図2に示す感光体温度センサ102で読み取り、あるいは図9に示す感光体温度制御機構内の温度感知部で検知した温度値により感光体3の温度を求め、感光体3の温度(表面温度)が所定温度であるか否かを判断し、所定温度で無い場合にはハロゲンヒータ3hにより感光体3の温度を検知しながら感光体3の温度の制御を行ない、所定の前処理動作を行うことができる。
この際に制御部は、感光体3の使用履歴を、例えば制御部内の履歴記憶手段から読み出して、感光体への前処理を行う。その際に感光体3への印加温度を、前記した実施例における前回の画像形成動作からのインターバル時間に応じてVL変化量を予測し、前処理の内容を決定する。この際の前処理の手段としては、実施例1〜5において異なっているが、各実施例に応じて、制御部では前処理手段として、帯電ローラと露光手段(実施例1など)、あるいは帯電手段(帯電ローラ6または転写バイアスの印加による前処理(45による前処理):実施例4、5など)により、その画像形成装置に従って用いるようにすることができる。なお制御部では、前処理内容の決定の際に、前記した表1、表2をテーブルとして保存しておき、この保存したテーブルを制御部で読み出して前処理内容を決定することができる。
【0034】
この前処理内容を決定する際に制御部は、潜像担持体である感光体3の温度、感光体3の使用履歴、前回の画像形成動作からのインターバル時間に応じて、または感光体3の温度、感光体3の使用履歴、前回の画像形成動作からのインターバル時間に加え、さらに感光体3の1周分の周長が紙などの記録媒体の辺長の1つと等しいか否かの条件に応じて、感光体3への画像形成動作前の前処理を決定することができる。
このような制御部としては、CPUと、RAM、ROMなどの記憶手段とを有して構成される、コンピュータ機能を発揮できる構成を挙げることができる。
また本発明は、前記した実施例に例示される感光体3の前処理方法も含んでいる。このような前処理方法は、前記したROMなどに、この前処理方法を実行するためのプログラムとして格納されていることができる。このようなプログラムも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1Y、1C、1M、1K プロセスユニット、2 光書込ユニット、3(3Y、3C、3M、3K) 感光体、7(7Y、7C、7M、7K) 現像ユニット、8 第1搬送スクリュー、9 第1剤収容部、10(10Y、10C、10M、10K) トナー濃度センサ、11 第2搬送スクリュー、12 現像ロール、13 ドクターブレード、14 第2剤収容部、15 現像スリーブ、21 光源(LDまたはLDアレイ)、22(22Y、22C、22M、22K) ポリゴンミラー、31、32 給紙カセット、31a、32a 給紙ローラ、35 レジストローラ、36 廃トナーボトル、40 転写ユニット、41 中間転写ベルト、42 ベルトクリーニングユニット、45 一次転写ローラ、50 2次転写ローラ、60 定着ユニット、62 加圧ローラ、63 定着ローラ、66 中間転写駆動ローラ、67 ベルトテンションローラ、70 トナー補給装置、71Y 駆動源、72(72Y、72C、72M、72K) トナーカートリッジ、101 トナー濃度センサ、102 感光体温度センサ、136 付着量センサ、L 走査手段からの走査光
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開平11−202705号公報
【特許文献2】特開2000−075742公報
【特許文献3】特開2000−075677公報
【特許文献4】特開2001−296705公報
【特許文献5】特開2006−317532公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像担持体の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知する前記潜像担持体の温度に応じて前記潜像担持体を加熱する潜像担持体内ヒータと、前記潜像担持体の使用履歴を記憶する履歴記憶手段とを有する画像形成装置であって、
前記潜像担持体内ヒータにより前記潜像担持体に印加する加熱温度を調整しながら、前記画像形成装置の前記潜像担持体への画像形成動作前の前処理を、帯電手段または帯電手段と露光手段とにより行なわれ、
前記前処理は、前記温度検知手段によって検知する前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からの時間であるインターバル時間に応じて決定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記前処理は、前記温度検知手段によって検知する前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からの時間であるインターバル時間に加え、さらに潜像担持体の1周分の周長が記録媒体の辺長の1つと等しいか否かに応じて決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記前処理が帯電手段と露光手段により行われる際に用いられる前記帯電手段は、前記画像形成装置内の帯電ローラであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記露光手段は、潜像担持体を露光する潜像形成手段が用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記前処理が帯電手段により行われる際の帯電手段は、転写バイアスを用いて行われることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は前記温度検知手段と、前記ヒータとを有する前記潜像担持体温度制御機構を構成し、前記画像形成装置のメインスイッチがOFF状態でも、前記潜像担持体の温度が、所定の温度未満の場合には、前記潜像担持体を所定温度に調整することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
潜像担持体の温度を読み取り、前記潜像担持体の温度が所定温度であるか否かを判断し、所定温度で無い場合には前記潜像担持体の温度を検知しながら前記潜像担持体温度の制御を行ない、前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からのインターバル時間に応じて、または前記潜像担持体の温度、前記潜像担持体の使用履歴、前回の画像形成動作からのインターバル時間に加え、さらに潜像担持体の1周分の周長が記録媒体の辺長の1つと等しいか否かに応じて、前記潜像担持体への画像形成動作前の前処理を決定することを特徴とする前記潜像担持体への画像形成動作前の前処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の前処理方法を画像形成装置に実行するためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−271634(P2010−271634A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125276(P2009−125276)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】