説明

画像形成装置、印刷指示装置及びプログラム

【課題】表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、ユーザの作業効率を向上させる。
【解決手段】画像形成装置10は、RAM112及び記憶部113に、給紙部情報として、用紙の表面固有の属性を示す表面情報、用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報、用紙自体の属性を示す共通情報、印刷制御条件情報を記憶する。そして、プリントジョブに基づいて両面印刷を行うに際し、画像形成装置10は、表面情報、共通情報に基づいて、印刷制御条件情報から該当する画像形成条件を読み出し、当該画像形成条件に基づいて、プリントジョブにおいて指定される用紙の表面に画像形成処理を行う。また、裏面情報、共通情報に基づいて、印刷制御条件情報から該当する画像形成条件を読み出し、当該画像形成条件に基づいて、プリントジョブにおいて指定される用紙の裏面に画像形成処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、印刷指示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置では、画像を形成する印刷用紙の用紙情報(用紙の紙質、用紙の色、用紙の坪量等)の入力を事前に受け付け、この用紙情報に基づいて画像形成処理の制御を切り換え、紙詰まりを軽減させたり画質を向上させたりしている。
【0003】
また、近年は、自動で印刷用紙の用紙情報を検知し、検知した用紙情報に基づいて画像形成処理の制御を切り換える画像形成装置も広く普及している。例えば、普通紙と厚紙とで定着温度を変更する電子写真方式の画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、表面と裏面で属性の異なる印刷用紙(例えば、表面と裏面で加工種類が異なる印刷用紙)に対して両面印刷を行う場合、画像形成装置では、片面の用紙情報の入力しか受け付けることができない。従って、仮に表面及び裏面の各々について最適な条件で画像形成を行う必要が生じた場合、ユーザは、以下のような作業を余儀なくされるであろう。
【0005】
即ち、まず、ユーザは、表面の用紙情報を画像形成装置に入力する。次に、ユーザは、画像形成装置に印刷用紙の表面に対しての片面印刷を行わせる。次に、ユーザは、片面印刷が行われた印刷用紙を給紙部に再セットする。次に、ユーザは、裏面の用紙情報を画像形成装置に入力する。次に、ユーザは、画像形成装置に印刷用紙の裏面に対しての片面印刷を行わせる。
【特許文献1】特開平5−27642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述したような、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合(両面印刷を行う場合)、片面印刷が行われた印刷用紙を給紙部に再セットし、且つ用紙情報の再入力を行う必要があるため、ユーザの作業効率が低下してしまう。
【0007】
本発明は、上述したような課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、ユーザの作業効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
プリントジョブに基づいて画像形成処理を行う画像形成装置であって、
用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを記憶する記憶部と、
前記プリントジョブに基づいて用紙の両面に画像形成処理を行うに際し、前記記憶部に記憶された表面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う制御部と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された表面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とをそれぞれ受け付ける操作部、
を更に備え、
前記制御部は、前記操作部により受け付けられた前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とを記憶部に記憶させる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記操作部により受け付けられる表面情報及び裏面情報に関する項目は、少なくとも用紙の加工種類及び用紙の色の何れかの項目を含み、
前記操作部により受け付けられる共通情報に関する項目は、少なくとも用紙の坪量及びパンチ穴の有無の何れかの項目を含む。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の発明において、
格納された用紙を供給する給紙部、
を更に備え、
前記制御部は、前記プリントジョブに基づいて用紙の両面に画像形成処理を行うに際し、当該プリントジョブにおいて指定された用紙を、前記記憶部に記憶された表面情報、裏面情報及び共通情報に基づいて特定し、当該特定した用紙を前記給紙部に供給させる。
【0013】
請求項6に記載のプログラムは、
プリントジョブに基づいて画像形成処理を行うコンピュータを、
用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを記憶する記憶部、
前記プリントジョブに基づいて用紙の両面に画像形成処理を行うに際し、前記記憶部に記憶された表面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う制御部、
として機能させる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
前記記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された表面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、
前記コンピュータを、
前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とをそれぞれ受け付ける操作部、
として更に機能させ、
前記制御部は、前記操作部により受け付けられた前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とを記憶部に記憶させる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、
画像形成装置にプリントジョブを送信して当該画像形成装置に画像形成を行わせる印刷指示装置であって、
用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、当該用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを少なくとも一時的に記憶する記憶部と、
ユーザにより前記用紙の両面に対する画像形成が指示された場合、前記表面情報及び前記裏面情報を含むプリントジョブを生成して、画像形成装置に送信する制御部と、
を備える。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、
前記記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記プリントジョブとして前記共通情報を更に含むプリントジョブを生成する。
【0018】
請求項11に記載のプログラムは、
画像形成装置にプリントジョブを送信して当該画像形成装置に画像形成を行わせるコンピュータを、
用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、当該用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを少なくとも一時的に記憶する記憶部、
ユーザにより前記用紙の両面に対する画像形成が指示された場合、前記表面情報及び前記裏面情報を含むプリントジョブを生成して、画像形成装置に送信する制御部、
として機能させる。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、
前記記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記プリントジョブとして前記共通情報を更に含むプリントジョブを生成する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1、6に記載の発明によれば、画像形成装置は、用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを記憶する記憶部を備える。そして、画像形成装置の制御部は、プリントジョブに基づいて用紙の両面に画像形成処理を行うに際し、前記記憶部に記憶された表面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行う。また、前記記憶部に記憶された裏面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う。
【0021】
そのため、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、ユーザは、片面毎に用紙を再セットし、用紙の属性(用紙情報)を再入力する必要が無くなる。よって、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【0022】
請求項2、7に記載の発明によれば、前記記憶部は、用紙の表面及び裏面に共通である用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶する。そして、前記制御部は、前記記憶部に記憶された表面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う。従って、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、両面で共通する属性について効率よく指定を行うことができる。
【0023】
請求項3、8に記載の発明によれば、画像形成装置は、前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とをそれぞれ受け付ける操作部を備える。そのため、ユーザは、用紙自体の属性、つまり表面と裏面とに共通する属性に関する項目に対しては、表面と裏面別々に設定の入力を行う必要は無い。即ち、ユーザは、表面固有の属性、裏面固有の属性に関する項目に対してのみ、別々に設定の入力を行えばよい。よって、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、ユーザの作業効率を更に向上させることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、ユーザは、「用紙の加工種類」、「用紙の色」のような表面、裏面固有の属性については、表面と裏面別々に設定の入力を行い、「用紙の坪量」「パンチ穴の有無」のような用紙自体の属性については、表面と裏面別々に設定の入力を行う必要は無く、一度の入力で設定を行うことができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、プリントジョブにおいて指定された用紙に画像形成処理を行うことができる。
【0026】
請求項9、11に記載の発明によれば、印刷指示装置は、用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、当該用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを少なくとも一時的に記憶する記憶部を備える。そして、制御部は、ユーザにより前記用紙の両面に対する画像形成が指示された場合、前記表面情報及び前記裏面情報を含むプリントジョブを生成して、画像形成装置に送信する。
【0027】
そのため、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、ユーザは、表面用のプリントジョブを画像形成装置に送信した後に画像形成装置に出向いて用紙を再セットし用紙の属性(用紙情報)を再入力して、また印刷指示装置から裏面用のプリントジョブを画像形成装置に送信する必要が無くなる。よって、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【0028】
請求項10,12の発明によれば、記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶する。そして、制御部は、前記プリントジョブとして前記共通情報を更に含むプリントジョブを生成する。従って、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行うプリントジョブを生成する場合において、両面で共通する属性について効率よく指定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の一実施形態について説明する。
【0030】
[画像形成システムのシステム構成]
図1に、画像形成システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置10とクライアント端末20とから構成されており、各装置はLAN等の通信ネットワークNを介して、データ通信可能に接続されている。
【0031】
画像形成装置10は、コピー機能、画像読取機能、プリンタ機能を備えた、所謂MFP(Multi-Function Peripheral)であり、クライアント端末20から送信されるプリントジョブ(プリント指令)や、画像形成装置10に備えられているスキャナ等の画像読取部から読み込んだ画像データ等に基づき、用紙に画像を形成する。
【0032】
クライアント端末20は、所謂パーソナルコンピュータであり、画像形成装置10にプリントジョブを送信する機能を有し、印刷指示装置として振舞う。クライアント端末20には、プリンタドライバプログラム(以下、単にプリンタドライバと称することがある。)がインストールされており、このプリンタドライバの機能を用いて画像形成時に適用されるプリント条件のデータ(印刷ジョブ情報)、画像データ等を含んだプリントジョブを生成し画像形成装置10に送信する。
【0033】
[画像形成装置の機能構成]
図2に、画像形成装置10の構成を示す。図2に示すように、画像形成装置10は、制御部11、ADF(Auto Document Feeder)12、画像読取部13、操作部14、表示部15、画像出力部16、画像形成部17、第1給紙部18a、第2給紙部18b、第3給紙部18c、第4給紙部18dを備えて構成されている。
【0034】
ADF12は、自動原稿送り装置であり、単数又は複数枚の原稿を自動で画像読取部13に搬送する。
【0035】
画像読取部13は、原稿台上の原稿の画像を光学的に読み取り画像データを生成する機能部である。詳しくは、画像読取部13は、ADF12により搬送された原稿をコンタクトガラスを介して光走査し、又はプラテンガラス上に載置された原稿を光走査して、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサにより光電変換して原稿画像に記録された画像を読み取り、その画像の画像データを生成して画像形成部17に出力する。
【0036】
画像形成部17は、画像を形成する機能部であり、図示しない感光体、転写ベルト、定着器、各種搬送ベルト等により構成される。画像形成部17は、画像読取部13により読み込まれた画像データ、又は通信I/F部を介して受け取ったプリントジョブから、印刷用紙に画像を形成し、画像出力部16に送り出す。画像の形成方式としては、電子写真方式や静電記録方式等の既知の作像プロセスを利用する。また、画像形成部17は、印刷用紙の表面と裏面の両面に画像を形成することが可能である。
【0037】
制御部11は、各機能部を制御し、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記憶部等から構成される。詳しくは後述する。
【0038】
第1給紙部18a、第2給紙部18b、第3給紙部18c、第4給紙部18dは、用紙(印刷用紙)を格納する。また、格納された印刷用紙を画像形成部17に送り出す。以下、第1給紙部18a〜第4給紙部18dをまとめて給紙部18と称す。
【0039】
操作部14、表示部15は、操作入力キーやタッチパネル等により一体となって構成される。操作部14は、押下されたキーに対応する押下信号や、当接されたタッチパネルの位置に対応する位置信号等の操作信号を制御部11に出力する。また、表示部15は、給紙部情報設定画面(図7、図8参照)や印刷ジョブ情報入力画面(図9参照)等を表示する。
【0040】
ユーザは、操作部14や表示部15を構成するタッチパネルにより、後述する給紙部情報の設定操作、印刷ジョブ情報の設定操作、印刷の開始操作等を行う。
【0041】
画像出力部16は、画像形成部17から搬送される用紙を、制御部11からの指示により、パンチ・ステープル・製本等のフィニッシング処理を加えて出力する機能部である。
【0042】
[制御部の機能構成とデータ構成]
図3は、制御部11と各機能部のブロック図である。制御部11は、CPU111、RAM112、記憶部113及び通信I/F部114を備えて構成されており、それぞれがバスを介して通信可能に接続されている。また、制御部11を構成する各機能部は、ADF12、画像読取部13、操作部14、表示部15、画像出力部16、画像形成部17及び給紙部18にバスを介して通信可能に接続されている。また、通信I/F部114はLAN等の通信ネットワークNに通信可能に接続されている。
【0043】
CPU111は、記憶部113に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM112内に形成されたワークエリア等に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。例えば、CPU111は、各機能部の動作の制御と、各機能部間のデータ入出力の制御等を行うことで画像形成装置10を統括的に管理・制御する。各機能部とは具体的には、ADF12、画像読取部13、操作部14、表示部15、画像出力部16、画像形成部17及び給紙部18をいう。また、CPU111は、プリントジョブを受信すると、当該プリントジョブを解析して各機能部に画像形成処理のための各命令を出力する。
【0044】
RAM112は、画像読取部13から読み取った又は通信I/F部114から入力した種々のデータを一時的に記憶する部分で、記憶された画像データはCPU111によって処理され、必要に応じて記憶部113や画像形成部17に転送される。
【0045】
また、RAM112は、プリントジョブを記憶する。プリントジョブとは、例えば印刷条件を示した印刷ジョブ情報と印刷対象の画像を示した画像データとから構成されている。画像データは、例えば、C(シアン)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、K(ブラック)の4色から成る。CPU111は、通信I/F部114を介して他の通信機器からプリントジョブを受信する。尚、画像データは、画像読取部13から読み取られた情報、印刷ジョブ情報は、操作部14からの入力信号によって設定された情報でもよい。通信I/F部114がプリントジョブを受信すると、CPU111は、RAM112に当該プリントジョブを記憶させる。尚、プリントジョブは、画像データに代えて印刷対象の画像を、たとえばPDF(Portable Document Format)形式やXPS(XML Paper Specification)形式等のファイル形式で有していてもよく、或いはPS(PostScript(登録商標))、PCL(Printer Control Language)等のPDL(Page Description Language)の形式であってもよい。
【0046】
印刷ジョブ情報のデータ構成を図4に示す。印刷ジョブ情報d1は、「ジョブID」「ユーザ名」「ジョブ名」「部数」「印刷方法」「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」「坪量」等の情報を有している。「印刷方法」とは、両面印刷か片面印刷かを示す情報であり、「両面」「片面」のいずれかの値をとる。ここで、「両面」は両面印刷、「片面」は片面印刷に対応する。
【0047】
「用紙種類(表)」は、印刷用紙の表面における加工種類の情報、「用紙種類(裏)」は、印刷用紙の裏面における加工種類の情報であり、それぞれ「普通」「塗工」「ラフ」等の値をとる。ここで、「普通」は普通紙、「塗工」は塗工紙、「ラフ」はラフ紙に対応する。尚、「印刷方法」の値が「片面」の場合、「用紙種類(裏)」の値は無効となる。
【0048】
「坪量」は、印刷用紙の1平方メートル当たりの重さである。「用紙種類(表)」は表面固有の属性、「用紙種類(裏)」は裏面固有の属性であるのに対し、「坪量」は用紙自体の属性である。また、用紙自体の属性は、表面と裏面に共通の属性でもある。
【0049】
図3に戻り、記憶部113は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。記憶部113は、CPU111が各機能部を制御するためのプログラム、画像形成装置10の処理機能に関する情報等を格納し、CPU111により必要に応じて読み出され、RAM112上で実行処理される。
【0050】
例えば、記憶部113は、給紙部情報d2(図5参照)、印刷制御条件情報d3(図6参照)等を記憶する。給紙部情報d2は、給紙部18に格納されている印刷用紙の属性を示す用紙情報である。また、印刷制御条件情報d3は、印刷用紙の属性(用紙種類等)に応じた、印刷制御(画像形成処理)の処理パラメータ(画像形成条件)を示す情報である。これらの給紙部情報d2と印刷制御条件情報d3は、画像形成装置10が電源を投入されて起動した時に、CPU111によってRAM112に読み出される。
【0051】
図5に給紙部情報d2のデータ構成を示す。給紙部情報d2は、第1給紙部18aに格納されている印刷用紙の用紙情報である第1給紙部情報d21、第2給紙部18bに格納されている印刷用紙の用紙情報である第2給紙部情報d22、第3給紙部18cに格納されている印刷用紙の用紙情報である第3給紙部情報d23、第4給紙部18dに格納されている印刷用紙の用紙情報である第4給紙部情報d24から成る。第1給紙部情報d21〜第4給紙部情報d24のそれぞれは、「用紙サイズ」「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」「坪量」「色紙」「パンチ穴」等の用紙情報を有している。
【0052】
ここで、用紙情報には、用紙の表面固有の属性を示す表面情報、用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報、用紙自体の属性を示す共通情報がある。表面情報の例としては「用紙種類(表)」、裏面情報の例としては「用紙種類(裏)」、共通情報の例としては「用紙サイズ」「坪量」「色紙」「パンチ穴」が挙げられる。
【0053】
図6に印刷制御条件情報d3のデータ構成の一部を示す。図6に示す印刷制御条件情報d3は、表面情報の一つである「用紙種類(表)」及び裏面の一つである「用紙種類(裏)」に応じた共通情報「坪量」毎の「定着温度」、「転写電流」「分離DC電圧」「給紙アシストファン」等の情報を表す。CPU111は、これらの値に基づいて、各機能部に対して印刷制御に関する命令を送信する。具体的に、CPU111は、該当する「定着温度」、「転写電流」「分離DC電圧」の値に基づいて、画像形成部17に対して印刷制御に関する命令を送信する。また、CPU111は、該当する「給紙アシストファン」の値に基づいて、給紙部18に対して印刷制御に関する命令を送信する。
【0054】
例えば、印刷ジョブ情報d1に含まれる「用紙種類(表)」又は「用紙種類(裏)」が「塗工」、「坪量」が「72−91(g/m2)」の場合、CPU111は、定着温度を150℃、転写電流を10μA、分離DC電圧を500Vとして画像を形成させる命令を画像形成部17に送信し、給紙アシストファンをonにして印刷用紙を給紙させる命令を給紙部18に送信する。
【0055】
また、印刷ジョブ情報d1に含まれる「用紙種類(表)」又は「用紙種類(裏)」が「普通」、「坪量」が「131−161g」の場合、CPU111は、定着温度を165℃、転写電流を25μA、分離DC電圧を400Vとして画像を形成させる命令を画像形成部17に送信し、給紙アシストファンをoffにして印刷用紙を給紙させる命令を給紙部18に送信する。
【0056】
そして、各機能部は、CPU111から送信される命令に従って、印刷制御に関する処理を実行する。
【0057】
図3に戻り、通信I/F部114は、LANインターフェイスやモデム等により構成され、通信ネットワークN等を介してサーバ、クライアント、他の装置等の外部の機器とデータ通信を行う機能部である。通信I/F部114は、他の通信機器から給紙部情報設定データ、給紙部情報取得要求、プリントジョブ等を受信する。
【0058】
CPU111は、通信I/F部114によって給紙部情報設定データを受信すると、当該給紙部情報設定データに基づいて、給紙部情報d2の値を更新する。具体的に、CPU111は、第1給紙部18aに関する給紙部情報設定データを受信すると、当該給紙部情報設定データに基づいて、RAM112及び記憶部113に記憶されている第1給紙部情報d21の「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」「坪量」「色紙」「パンチ穴」等の項目を更新する。
【0059】
また、CPU111は、通信I/F部114によってプリントジョブを受信すると、当該プリントジョブをRAM112に一時的に記憶させる。そして、プリントジョブに含まれる画像データを、画像形成部17で印刷用紙に画像形成可能な印刷画像データに変換する変換処理をRAM112上で行う。画像データを画像形成可能な印刷画像データへと変換するための各種プログラムは記憶部113に格納されており、CPU111によって必要なプログラムが読み出される。
【0060】
また、CPU111は、操作部14からの入力信号に基づいて、給紙部情報d2の値を更新する。具体的に、CPU111は、第1給紙部18aに関する給紙部情報d2を更新する旨の入力信号を操作部14から受信すると、当該入力信号に基づいて、RAM112及び記憶部113に記憶されている第1給紙部情報d21の「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」「坪量」「色紙」「パンチ穴」等の項目を更新する。
【0061】
また、CPU111は、画像読取部13から画像データを受信し、操作部14からの入力信号に基づいて印刷ジョブ情報を生成(設定)すると、当該画像データと印刷ジョブ情報とをプリントジョブとしてRAM112に一時的に記憶させる。そして、プリントジョブに含まれる画像データを、画像形成部17で印刷用紙に画像形成可能な印刷画像データに変換する変換処理をRAM112上で行う。
【0062】
また、CPU111は、操作部14からの入力信号に基づいて、給紙部情報設定画面151(図7、図8参照)、印刷ジョブ情報入力画面152(図9)を表示部15に表示させる。
【0063】
また、CPU111は、通信I/F部114によって給紙部情報取得要求を受信すると、RAM112に記憶されている給紙部情報d2を当該給紙部情報取得要求の送信元に送信する。
【0064】
[給紙部情報設定画面]
次に、図7、図8に表示部15が表示する給紙部情報設定画面151の画面例を示す。図7、図8は同一の画面である。
【0065】
図7、図8に示すように、給紙部情報設定画面151は、設定項目表示領域e1、設定値表示領域e2、候補値表示領域e3等から構成される。
【0066】
設定項目表示領域e1には、この給紙部情報設定画面151において設定する、給紙部情報d2に含まれる用紙情報(表面情報、裏面情報、共通情報)の一覧が表示される。具体的に、当該設定項目表示領域e1には、給紙部情報d2に含まれる用紙情報のうち、「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」「坪量」「色紙」「パンチ穴」等の設定項目が表示される。ユーザ操作に基づいて、これらの設定項目のいずれかが選択される。例えば、図7では表面情報の「用紙種類(表)」が選択されており、図8では共通情報の「坪量」が選択されている。
【0067】
設定値表示領域e2には、設定項目表示領域e1に表示されている用紙情報に設定されている値が表示される。例えば、図7、図8において、「用紙種類(表)」には「塗工」が、「用紙情報(裏)」には「普通」が、「坪量」には「62−71g」が、「色紙」には「白」が、「パンチ穴」には「なし」が設定されている。
【0068】
候補値表示領域e3には、設定項目表示領域e1において選択されている用紙情報に設定可能な値の候補が表示されている。例えば、図7では、設定項目表示領域e1において選択されている「用紙種類(表)」に設定可能な値の候補として「塗工」「追い刷り」「上質」「普通」「書籍用」「ラフ」「未印字挿入」が表示される。図8では、設定項目表示領域e1において選択されている「坪量」に設定可能な値の候補として「40−49g」「50−61g」「62−71g」「72−91g」「92−130g」「131−161g」「162−216g」「217−244g」が表示される。ユーザ操作に基づいて、これらの候補値の何れかが選択される。例えば、図7では、「塗工」が選択されており、図8では「62−71g」が選択されている。候補値の何れかが選択されると、CPU111は、選択された値を、設定項目表示領域e1において選択されている用紙情報の値として設定する。そして、CPU111は、設定した用紙情報の値を設定値表示領域e2に反映する。
【0069】
ここで、前述のように、設定項目表示領域e1に表示されている用紙情報のうち、「用紙種類(表)」は、印刷用紙の表面固有の属性を示す表面情報、「用紙種類(裏)」は、印刷用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報である。また、「坪量」「色紙」「パンチ穴」は、印刷用紙自体の属性を示す共通情報である。
【0070】
このように、給紙部情報設定画面151上で、ユーザは、印刷用紙について、表面の属性、裏面の属性の各々を指定することができる。従って、同一の印刷用紙についても、表面と裏面とを独立して登録することができる。又、給紙部情報設定画面151上で、ユーザは、印刷用紙自体の属性、つまり表面と裏面とに共通する属性に関する項目「坪量」「色紙」「パンチ穴」に対しては、表面と裏面別々に設定の入力を行う必要は無い。即ち、ユーザは、表面固有の属性、裏面固有の属性に関する項目「用紙情報」(「用紙情報(表)」と「用紙情報(裏)」)に対してのみ、別々に設定の入力を行えばよい。よって、表面と裏面で属性の異なる印刷用紙の両面の各々に最適な条件で画像形成処理を行う場合において、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【0071】
[印刷ジョブ情報入力画面]
次に、図9に表示部15が表示する印刷ジョブ情報入力画面152の画面例を示す。
【0072】
図9に示すように、印刷ジョブ情報入力画面152は、両面片面設定領域e4、給紙部情報表示領域e5等から構成される。
【0073】
両面片面設定領域e4は、印刷ジョブ情報d1の「印刷方法」の値を設定するための領域である。
【0074】
給紙部情報表示領域e5には、RAM112及び記憶部113に記憶されている給紙部情報d2の値が表示される。CPU111は、印刷ジョブ情報入力画面152を表示する旨の入力信号を操作部14から受信すると、RAM112に記憶されている給紙部情報d2に基づいて給紙部情報表示領域e5に情報を表示させる。
【0075】
[クライアント端末の機能的構成]
図10に、クライアント端末20の構成を示す。図10に示すように、クライアント端末20は、CPU21、操作部22、表示部23、通信部24、RAM(Random Access Memory)25、記憶部26を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
【0076】
CPU21は、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、記憶部26に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM25内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0077】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウスなどのポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU21に出力する。
【0078】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、操作部22からの入力指示やデータ等を表示する。
【0079】
通信部24は、LANアダプタ、ルータ、TA等を備え、通信ネットワークNを介して接続された画像形成装置10等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0080】
RAM25は、CPU21により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0081】
記憶部26は、HDDや半導体の不揮発性メモリ等により構成される記憶装置であり、各種プログラム、設定データ、画像データ等を記憶する。また、記憶部26は、プリンタドライバプログラム261を記憶している。
【0082】
CPU21は、当該プリンタドライバプログラム261を記憶部26から読み出してRAM25に展開し、当該プログラムとの協働により画像形成装置10に送信するプリントジョブを生成する。そして、CPU21は、当該プリントジョブを通信部24を介して画像形成装置10に送信する。
【0083】
具体的には、CPU21は、操作部22を介して行われるユーザ操作に基づいて、プリント対象となる画像データ(画像ファイル或いは原稿ファイル)等を指定し、プリンタドライバ画面231(図12、図13参照)を表示部23に表示させる。そして、CPU21は、操作部22からの入力信号に基づいて、部数(印刷部数)、印刷範囲、印刷方法(両面印刷/片面印刷)等の情報を設定し、印刷ジョブ情報を生成する。そして、CPU21は、この印刷ジョブ情報と指定した画像データとに基づいてプリントジョブを生成する。そして、CPU21は、このプリントジョブを通信部24を介して画像形成装置10に送信する。
【0084】
また、CPU21は、前記プリンタドライバプログラム261との協働により画像形成装置10に送信する給紙部情報設定データを生成する。そして、CPU21は、当該給紙部情報設定データを通信部24を介して画像形成装置10に送信する。
【0085】
具体的に、CPU21は操作部22を介して行われるユーザ操作に基づいて、プリンタドライバ画面231(図11参照)を表示部23に表示させる。そして、CPU21は、操作部22からの入力信号に基づいて、「用紙サイズ」「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」「坪量」「色紙」等の用紙属性情報を含む給紙部情報設定データを生成する。そして、CPU21は、この給紙部情報設定データを通信部24を介して画像形成装置10に送信する。
【0086】
尚、この給紙部情報設定データは、それぞれの給紙部毎に対応するデータとして生成される。例えば、第1給紙部18aに関する給紙部情報設定データ、第2給紙部18bに関する給紙部情報設定データ、第3給紙部18cに関する給紙部情報設定データ、第4給紙部18dに関する給紙部情報設定データとして生成される。
【0087】
[プリンタドライバ画面]
次に、図11〜図13に表示部23が表示するプリンタドライバ画面231の画面例を示す。図11は給紙部情報を設定する為のプリンタドライバ画面231a、図12、図13は印刷ジョブ情報を設定する為のプリンタドライバ画面231b、231cである。
【0088】
図11〜図13に示すように、プリンタドライバ画面231a〜231cは、設定項目選択領域e6、情報設定領域e7等から構成される。
【0089】
設定項目選択領域e6は、プリンタドライバ画面231において設定する項目を選択するための領域である。この設定項目選択領域e6には、「簡易設定」「レイアウト」「仕上げ」「用紙」「表紙」「ページ設定」等の項目が表示される。ユーザ操作に基づいて、これらの項目のいずれかが選択される。
【0090】
情報設定領域e7は、設定項目選択領域e6において選択されている項目に関する情報を設定するための領域である。
【0091】
図11は、項目「用紙」が選択された場合に表示される。図11に示すように、情報設定領域e7には、トレイ/用紙情報取得ボタンb1と候補値表示ボタンb2と給紙部情報d2を設定するための情報とが表示される。具体的に、情報設定領域e7には、各給紙部(第1給紙部18a〜第4給紙部18d)の「用紙サイズ」「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」「坪量」「色紙」「穴あき」等の用紙情報が表示される。尚、「穴あき」は「パンチ穴」に対応する。
【0092】
トレイ/用紙情報取得ボタンb1がユーザ操作に基づいて押下されると、CPU21は、通信部24を介して画像形成装置10に給紙部情報取得要求を送信する。そして、CPU21は、画像形成装置10から給紙部情報d2を受信し、RAM25に記憶させる。そして、CPU21は、当該給紙部情報d2に基づいて、各給紙部(第1給紙部18a〜第4給紙部18d)の用紙情報を表示部23に表示させる。また、CPU21は、給紙部情報d2を給紙部情報設定データの初期値とする。
【0093】
また、各用紙情報の候補値表示ボタンb2がユーザ操作に基づいて押下されると、対応する用紙情報に設定可能な値の候補が表示される。例えば、トレイ1の「用紙種類(表)」の候補値表示ボタンb2を押下すると、「塗工」「追い刷り」「上質」「普通」「書籍用」「ラフ」「未印字挿入」が表示される。ユーザ操作に基づいて、これらの候補値の何れかが選択される。候補値の何れかが選択されると、CPU21は、選択された値を給紙部情報設定データに設定し更新する。また、情報設定領域e7に表示されている情報を更新する。
【0094】
そして、OKボタンb3や、適用ボタンb4がユーザ操作に基づいて押下されると、CPU21は、通信部24を介して給紙部情報設定データを画像形成装置10に送信する。
【0095】
ここで、前述のように、情報設定領域e7に表示されている用紙情報のうち、「用紙種類(表)」は、印刷用紙の表面固有の属性を示す表面情報、「用紙種類(裏)」は、印刷用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報である。また、「用紙サイズ」「坪量」「色紙」「穴あき」は、印刷用紙自体の属性を示す共通情報である。
【0096】
このように、プリンタドライバ画面231a上で、ユーザは、印刷用紙自体の属性、つまり表面と裏面とに共通する属性に関する項目「坪量」「色紙」「穴あき」に対しては、表面と裏面別々に設定の入力を行う必要は無い。即ち、ユーザは、表面固有の属性、裏面固有の属性に関する項目「用紙情報」(「用紙情報(表)」と「用紙情報(裏)」)に対してのみ、別々に設定の入力を行えばよい。よって、表面と裏面で属性の異なる印刷用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【0097】
図12は、設定項目選択領域e6において、項目「レイアウト」が選択された場合に表示される。図12に示すように、情報設定領域e7には、印刷ジョブ情報d1の「印刷方法」の値を設定するための領域である印刷方法設定領域e71等が表示される。
【0098】
ユーザ操作に基づいて、印刷方法設定領域e71のチェックボックスにチェックを入れたり外したりすることにより、CPU21は、印刷ジョブ情報d1の「印刷方法」の設定を行う。
【0099】
そして、OKボタンb3や、適用ボタンb4がユーザ操作に基づいて押下されると、CPU21は、「印刷方法」やその他の項目を、画像形成装置10に送信するための印刷ジョブ情報d1に反映する。
【0100】
図13は、設定項目選択領域e6において、項目「仕上げ」が選択された場合に表示される。図13に示すように、情報設定領域e7には、給紙部18(第1給紙部18a〜第4給紙部18d)を選択するための領域である給紙部選択領域e72等が表示される。
【0101】
ユーザ操作に基づいて、給紙部選択領域e72から第1給紙部18a(トレイ1)、第2給紙部18b(トレイ2)、第3給紙部18c(トレイ3)、第4給紙部18d(トレイ4)、自動の何れかが選択されると、CPU21は、選択された給紙部18の給紙部情報d2(第1給紙部情報d21〜第4給紙部情報d24)の値を、画像形成装置10に送信するための印刷ジョブ情報d1に反映する。尚、CPU21は、通信部24を介して画像形成装置10に給紙部情報取得要求を送信し、給紙部情報d2を取得する。
【0102】
ユーザ操作に基づいて図示しない印刷ボタンが押下されると、CPU21は、プリンタドライバ画面231b、231c等で設定された印刷ジョブ情報d1を含むプリントジョブを通信部24を介して画像形成装置10に送信し、画像形成処理を実行させる。即ち、図4の例に従えば、画像形成装置10に送信されるプリントジョブは、印刷用紙表面に固有の属性として塗工紙を示す情報を含み、用紙裏面に固有の属性として普通紙を示す情報を含んだ印刷ジョブ情報を有している。
【0103】
[画像形成装置の具体的な動作]
次に、図14を用いて、CPU111が行う画像形成に関する一覧の処理の具体的な動作について説明する。図14は、画像形成に関する一覧の処理を示すフローチャートである。尚、本フローチャートでは、クライアント端末20からプリントジョブが送信される場合を想定している。
【0104】
まず、CPU111は、通信I/F部114によりクライアント端末20からプリントジョブを受信すると(ステップS1;YES)、当該プリントジョブの解析を行う(ステップS2)。
【0105】
具体的に、CPU111は、プリントジョブに含まれる印刷ジョブ情報d1の「印刷方法」の値を参照する。そして、「印刷方法」の値が「両面」の場合、CPU111は、当該プリントジョブによる画像形成処理は両面印刷であると判定する(ステップS3;YES)。一方、「印刷方法」の値が「片面」の場合、CPU111は、当該プリントジョブによる画像形成処理は片面印刷であると判定する(ステップS3;NO)。
【0106】
両面印刷の場合(ステップS3;YES)、CPU111は、処理中の印刷面の表裏を判定する(ステップS4)。
【0107】
印刷面が表面の場合(ステップS4;YES)、CPU111は、印刷ジョブ情報d1に含まれる表面情報、共通情報、RAM112に記憶されている印刷制御条件情報d3(図5参照)等に基づいて画像形成処理の制御を行う(ステップS5)。
【0108】
具体的に、図4の例で説明すると、CPU111は、「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」のうち、表面情報「用紙情報(表)」の値である「塗工」を「用紙種類」の値とする。そして、CPU111は、印刷制御条件情報(図5参照)を参照し、「用紙種類」が「塗工」で、共通情報「坪量」が「62−71(g/m2)」である場合の各パラメータの値に基づいて、印刷制御に関する命令を各機能部に出力する。そして、各機能部は、CPU111から送信される命令に従って、印刷制御に関する処理を実行する。ここで、各パラメータの値は、「定着温度」が150℃、「転写電流」が10(μA)、「分離DC電圧」が500V、「給紙アシストファン」がonとなる。
【0109】
一方、印刷面が裏面の場合(ステップS4;NO)、CPU111は、印刷ジョブ情報d1に含まれる裏面情報、共通情報、RAM112に記憶されている印刷制御条件情報d3等に基づいて画像形成処理の制御を行う(ステップS6)。
【0110】
具体的に、図4の例で説明すると、CPU111は、「用紙種類(表)」「用紙種類(裏)」のうち、裏面情報「用紙情報(裏)」の値である「普通」を「用紙種類」の値とする。そして、CPU111は、印刷制御条件情報(図5参照)を参照し、「用紙種類」が「普通」で、共通情報「坪量」が「62−71(g/m2)」である場合の各パラメータの値に基づいて、印刷制御に関する命令を各機能部に出力する。そして、各機能部は、CPU111から送信される命令に従って、印刷制御(画像形成制御)に関する処理を実行する。ここで、各パラメータの値は、「定着温度」が160℃、「転写電流」が20(μA)、「分離DC電圧」が500V、「給紙アシストファン」がoffとなる。
【0111】
そして、ステップS5、S6における処理が終了すると、CPU111は、印刷する次ページ分の画像データが有るか否かを判定する。つまりCPU111は、印刷が終了したか否かを判定する(ステップS8)。
【0112】
印刷が終了したと判定すると(ステップS8;YES)、CPU111は、画像形成に関する一連の処理を終了する。一方、印刷が終了していないと判定すると(ステップS8;NO)、CPU111は、次の印刷用紙の印刷面の表裏を判定する(ステップS4)。そして、画像形成に関する一連の処理を続行する。
【0113】
ステップS3に戻り、片面印刷の場合(ステップS3;NO)、CPU111は、印刷ジョブ情報d1に含まれる表面情報、共通情報、RAM112に記憶されている印刷制御条件情報d3等に基づいて画像形成処理の制御を行う(ステップS7)。
【0114】
そして、ステップ7における処理が終了すると、CPU111は、印刷する次ページ分の画像データが有るか否かを判定する。つまりCPU111は、印刷が終了したか否かを判定する(ステップS9)。
【0115】
印刷が終了したと判定すると(ステップS9;YES)、CPU111は、画像形成に関する一連の処理を終了する。一方、印刷が終了していないと判定すると(ステップS9;NO)、CPU111は、印刷ジョブ情報d1に含まれる表面情報、共通情報、RAM112に記憶されている印刷制御条件情報d3等に基づいて、次のページの画像形成処理の制御を行う(ステップS7)。
【0116】
以上、本実施の形態によれば、画像形成装置10は、RAM112及び記憶部113に、給紙部情報d2として、用紙の表面固有の属性を示す表面情報(「用紙種類(表)」)、用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報(「用紙種類(裏)」)、用紙自体の属性を示す共通情報(「用紙サイズ」「坪量」「パンチ穴」)を記憶する。
【0117】
そして、プリントジョブに基づいて両面印刷を行うに際し、画像形成装置10は、表面情報、共通情報に基づいて、印刷制御条件情報d3から該当する画像形成条件(「定着温度」「転写電流」等)を読み出し、当該画像形成条件に基づいて、プリントジョブにおいて指定される用紙の表面に画像形成処理を行う。また、裏面情報、共通情報に基づいて、印刷制御条件情報d3から該当する画像形成条件を読み出し、当該画像形成条件に基づいて、プリントジョブにおいて指定される用紙の裏面に画像形成処理を行う。
【0118】
そのため、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【0119】
具体的には、ユーザは、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面への画像形成処理に先立ち、給紙部情報設定画面151又はプリンタドライバ画面231aから給紙部情報d2を
設定するための入力を行う。そして、表面と裏面で属性の異なる用紙の両面に画像形成処理を行う場合において、ユーザは、印刷ジョブ情報入力画面152又はプリンタドライバ画面231b、231cから両面印刷の印刷ジョブ情報d1を設定するための入力を行い、画像形成装置10に画像形成処理を実行させる。そのため、ユーザは、片面毎に用紙を再セットし、用紙の属性(用紙情報)を再入力する必要が無くなり、作業効率を向上させることができる。
【0120】
尚、上記実施の形態において、用紙情報「色紙」を共通情報としたが、「色紙」を「色紙(表)」「色紙(裏)」とし、それぞれ表面情報、裏面情報としてもよい。
【0121】
尚、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。画像形成装置を構成する各機能部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0122】
また、上述実施の形態では、プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMやHDDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】画像形成システムのシステム構成図である。
【図2】画像形成装置の装置構成図である。
【図3】画像形成装置のブロック図である。
【図4】印刷ジョブ情報のデータ構成図である。
【図5】給紙部情報のデータ構成図である。
【図6】印刷制御条件情報のデータ構成図である。
【図7】画像形成装置における給紙部情報設定画面の画面例である。
【図8】画像形成装置における給紙部情報設定画面の画面例である。
【図9】画像形成装置における印刷ジョブ情報入力画面の画面例である。
【図10】クライアント端末のブロック図である。
【図11】プリンタドライバ画面の画面例である。
【図12】プリンタドライバ画面の画面例である。
【図13】プリンタドライバ画面の画面例である。
【図14】画像形成装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0124】
10 画像形成装置
11 制御部
12 ADF
13 画像読取部
14 操作部
15 表示部
16 画像出力部
17 画像形成部
18 給紙部
18a 第1給紙部
18b 第2給紙部
18c 第3給紙部
18d 第4給紙部
20 クライアント端末
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 RAM
26 記憶部
27 バス
100 画像形成システム
111 CPU
112 RAM
113 記憶部
114 通信I/F部
151 給紙部情報設定画面
152 印刷ジョブ情報入力画面
231 プリンタドライバ画面
261 プリンタドライバプログラム
d1 印刷ジョブ情報
d2 給紙部情報
d3 印刷制御条件情報
d21 第1給紙部情報
d22 第2給紙部情報
d23 第3給紙部情報
d24 第4給紙部情報
b1 トレイ/用紙情報取得ボタン
b2 候補値表示ボタン
b3 OKボタン
b4 適用ボタン
e1 設定項目表示領域
e2 設定値表示領域
e3 候補値表示領域
e4 両面片面設定領域
e5 給紙部情報表示領域
e6 設定項目選択領域
e7 情報設定領域
e71 印刷方法設定領域
e72 給紙部選択領域
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントジョブに基づいて画像形成処理を行う画像形成装置であって、
用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを記憶する記憶部と、
前記プリントジョブに基づいて用紙の両面に画像形成処理を行うに際し、前記記憶部に記憶された表面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された表面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とをそれぞれ受け付ける操作部、
を更に備え、
前記制御部は、前記操作部により受け付けられた前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とを記憶部に記憶させる、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作部により受け付けられる表面情報及び裏面情報に関する項目は、少なくとも用紙の加工種類及び用紙の色の何れかの項目を含み、
前記操作部により受け付けられる共通情報に関する項目は、少なくとも用紙の坪量及びパンチ穴の有無の何れかの項目を含む、
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
格納された用紙を供給する給紙部、
を更に備え、
前記制御部は、前記プリントジョブに基づいて用紙の両面に画像形成処理を行うに際し、当該プリントジョブにおいて指定された用紙を、前記記憶部に記憶された表面情報、裏面情報及び共通情報に基づいて特定し、当該特定した用紙を前記給紙部に供給させる、
請求項2〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
プリントジョブに基づいて画像形成処理を行うコンピュータを、
用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを記憶する記憶部、
前記プリントジョブに基づいて用紙の両面に画像形成処理を行うに際し、前記記憶部に記憶された表面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
前記記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された表面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の表面に画像形成処理を行い、前記記憶部に記憶された裏面情報及び共通情報に応じた画像形成条件で前記用紙の裏面に画像形成処理を行う、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とをそれぞれ受け付ける操作部、
として更に機能させ、
前記制御部は、前記操作部により受け付けられた前記表面情報と前記裏面情報と前記共通情報とを記憶部に記憶させる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
画像形成装置にプリントジョブを送信して当該画像形成装置に画像形成を行わせる印刷指示装置であって、
用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、当該用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを少なくとも一時的に記憶する記憶部と、
ユーザにより前記用紙の両面に対する画像形成が指示された場合、前記表面情報及び前記裏面情報を含むプリントジョブを生成して、画像形成装置に送信する制御部と、
を備える印刷指示装置。
【請求項10】
前記記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記プリントジョブとして前記共通情報を更に含むプリントジョブを生成する、
請求項9に記載の印刷指示装置。
【請求項11】
画像形成装置にプリントジョブを送信して当該画像形成装置に画像形成を行わせるコンピュータを、
用紙の表面固有の属性を示す表面情報と、当該用紙の裏面固有の属性を示す裏面情報とを少なくとも一時的に記憶する記憶部、
ユーザにより前記用紙の両面に対する画像形成が指示された場合、前記表面情報及び前記裏面情報を含むプリントジョブを生成して、画像形成装置に送信する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
前記記憶部は、更に前記用紙について、前記用紙の表面、裏面に共通である前記用紙自体の属性を示す共通情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記プリントジョブとして前記共通情報を更に含むプリントジョブを生成する、
請求項11に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−23363(P2010−23363A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188396(P2008−188396)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】