説明

画像形成装置、携帯端末装置およびプログラム

【課題】転送されてきた画像データを受信した装置において、その画像データの転送を指示した携帯端末装置のアドレス情報を知ることができるようにする。
【解決手段】画像形成装置10から端末装置40に画像データを転送しようとする場合、携帯端末装置20から画像形成装置10に対して、宛先情報(端末装置40のアドレス情報)と自装置のアドレス情報(携帯端末装置20のアドレス情報)が含まれた転送指示を送信する(ステップS301)。この携帯端末装置20からの転送指示を画像形成装置10が受信すると(ステップS302)、転送指示を送信してきた携帯端末装置20のアドレス情報を送信元として、指定された画像データを端末装置40に転送する(ステップS303)。端末装置40では、送信元が携帯端末装置20のアドレス情報となっている画像データを画像形成装置10から受信する(ステップS304)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、携帯端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ローカルデータベースに毎回アクセスすることなく、共用名簿データベースと個人用名簿データベースとの間で不一致が発生することを防止するための名簿管理システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、ネットワークを介してアドレス帳を保持する複数のデータ通信装置が接続されるシステムにおいて、同一アドレスの重複登録を防止するようにしたデータ通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−290279号公報
【特許文献2】特開2007−87217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、転送されてきた画像データを受信した装置において、その画像データの転送を指示した携帯端末装置のアドレス情報を知ることができる画像形成装置、携帯端末装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[画像形成装置]
請求項1に係る本発明は、画像データを記憶する記憶手段と、
指定された画像データを外部の装置に対して転送する転送指示を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された転送指示を送信してきた装置のアドレス情報を、前記記憶手段に記憶されている画像データの中うちの前記転送指示により指定された画像データを指定された宛先に対して転送する転送手段とを有する画像形成装置である。
【0007】
[携帯端末装置]
請求項2に係る本発明は、複数のアドレス情報を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている複数のアドレス情報の中から、画像データを転送する装置のアドレス情報を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたアドレス情報を画像データを転送する宛先として指定した転送指示を、自装置のアドレス情報を含めて画像形成装置に送信する送信手段とを有する携帯端末装置である。
【0008】
[プログラム]
請求項3に係る本発明は、指定された画像データを外部の装置に対して転送する転送指示を受信するステップと、
受信された転送指示を送信してきた装置のアドレス情報を、前記転送指示により指定された画像データを指定された宛先に対して転送するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
請求項4に係る本発明は、格納されている複数のアドレス情報の中から、画像データを転送する装置のアドレス情報を選択するステップと、
選択されたアドレス情報を画像データを転送する宛先として指定した転送指示を、自装置のアドレス情報を含めて画像形成装置に送信するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明によれば、転送されてきた画像データを受信した装置において、その画像データの転送を指示した携帯端末装置のアドレス情報を知ることができる画像形成装置を提供することができる。
【0011】
請求項2に係る本発明によれば、転送されてきた画像データを受信した装置において、その画像データの転送を指示した携帯端末装置のアドレス情報を知ることができる携帯端末装置を提供することができる。
【0012】
請求項3に係る本発明によれば、転送されてきた画像データを受信した装置において、その画像データの転送を指示した携帯端末装置のアドレス情報を知ることができるプログラムを提供することができる。
【0013】
請求項4に係る本発明によれば、転送されてきた画像データを受信した装置において、その画像データの転送を指示した携帯端末装置のアドレス情報を知ることができるプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成装置のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における画像形成装置10および携帯端末装置20の機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態の携帯端末装置30の動作を示すフローチャートである。
【図5】アドレス帳格納部21に格納されているアドレス帳の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
【図7】画像形成装置10、携帯端末装置20、端末装置40の間のデータの送受信を説明するためのシーケンスチャートである。
【図8】画像データが転送されてきた端末装置40に表示される情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
本発明の一実施形態の画像形成システムは、図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された画像形成装置10、および端末装置40と、画像形成装置10との間で通信可能な携帯端末装置20とにより構成される。なお、本実施形態では、説明を簡単にするために画像形成装置10、携帯端末装置20、端末装置40が、それぞれ1つの場合を用いて説明しているが、画像形成装置10、携帯端末装置20、端末装置40が複数存在する場合でも本願発明は同様に適用可能である。
【0017】
画像形成装置10は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。ここで、携帯端末装置20は、赤外線通信、無線LAN、非接触ICカードリーダとの間の通信等の各種通信手段により、画像形成装置10との間でデータの送受信を行う機能を有している。
【0018】
なお、以下の説明では、携帯端末装置20の電子メールアドレスは「aaa@abcdefg.co.jp」であり、画像形成装置10の電子メールアドレスは「bbb@abcdefg.co.jp」であり、端末装置40の電子メールアドレスは「ccc@abcdefg.co.jp」であるものとして説明する。
【0019】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を図2に示す。
【0020】
画像形成装置10は、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0021】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0022】
また、携帯端末装置20も、図2に示した画像形成装置10のハードウェア構成と同様に、CPU、メモリ、記憶装置、通信IF、UI装置等から構成される。そして、CPUは、メモリや記憶装置内に格納された制御プログラムに基づいて処理の処理を実行して携帯端末装置20の動作を制御する。
【0023】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成および、携帯端末装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0024】
本実施形態の画像形成装置10は、図3に示されるように、画像読取部31と、画像データ記憶部32と、転送指示受信部33と、データ転送部34とを備えている。
【0025】
画像読取部31は、セットされた原稿画像を読み取って、画像データに変換する。画像データ記憶部32は、画像読取部31により読み取られた画像データを、他の装置に転送するための画像データとして記憶する。
【0026】
転送指示受信部33は、指定された画像データを外部の装置に対して転送する転送指示を、携帯端末装置20から受信する。
【0027】
データ転送部34は、転送指示受信部33により受信された転送指示を送信してきた装置のアドレス情報を送信元の情報として、画像データ記憶部32に記憶されている画像データの中うちの転送指示により指定された画像データを指定された宛先に対して転送する。
【0028】
また、携帯端末装置20は、図3に示されるように、アドレス帳格納部21と、アドレス選択部22と、転送指示送信部23とを備えている。
【0029】
アドレス帳格納部21は、電子メールアドレス等の複数のアドレス情報がリスト化されているアドレス帳を格納する。
【0030】
アドレス選択部22は、アドレス帳格納部21に格納されている複数のアドレス情報の中から、画像データを転送する装置のアドレス情報を選択する。
【0031】
転送指示送信部23は、アドレス選択部22により選択されたアドレス情報を画像データを転送する宛先として指定した転送指示を、自装置のアドレス情報を含めて画像形成装置10に送信する。
【0032】
次に、本実施形態の画像形成システムの動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
先ず、携帯端末装置20の動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
画像形成装置10に対して転送指示を送信しようとする場合、ユーザによる操作により携帯端末装置20では、図5に示すように、アドレス帳格納部21に格納されたアドレス帳を表示することにより宛先一覧表示が行われる(ステップS101)。
【0034】
そして、表示されたアドレス帳から画像データを転送しようとする宛先が選択される(ステップS102)。図5に示したアドレス帳の例では、画像データを転送しようとして、電子メールアドレスが「ccc@abcdefg.co.jp」である端末装置40が選択された場合が示されている。
【0035】
そして、宛先が確定すると、この宛先の情報「ccc@abcdefg.co.jp」と自装置のアドレス情報「aaa@abcdefg.co.jp」を含む転送指示が、転送指示送信部23を介して画像形成装置10に送信される(ステップS103)
【0036】
次に、画像形成装置10の動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末装置20からの転送指示を転送指示受信部33が受信すると(ステップS201)、受信した転送指示に含まれる宛先情報および転送指示を送信してきた装置のアドレス情報(携帯端末装置20のアドレス情報)がアドレス情報として適正なものであるか否かの確認が行われる(ステップS202)。
【0037】
そして、転送しようとする画像データが既にスキャン済みのデータなのか、これからスキャンすべきなのかが判定され(ステップS203)、スキャンを実行すべき場合には画像読取部31においてスキャン処理が行われる(ステップS203)。
【0038】
そして、データ転送部34は、転送指示受信部33により受信された転送指示を送信してきた装置のアドレス情報(携帯端末装置20のアドレス情報「aaa@abcdefg.co.jp」)を送信元の情報として、画像データ記憶部32に記憶されている画像データの中うちの転送指示により指定された画像データを指定された宛先に対して転送する(ステップS205)。
【0039】
次に、上記のような処理により実行される画像形成システム全体の動作を図7を参照して説明する。図7は、画像形成装置10、携帯端末装置20、端末装置40の間のデータの送受信を説明するためのシーケンスチャートである。
【0040】
画像形成装置10でスキャンされた画像データを端末装置40に転送しようとする場合、携帯端末装置20から画像形成装置10に対して、宛先情報(端末装置40のアドレス情報「「ccc@abcdefg.co.jp」」)と自装置のアドレス情報(携帯端末装置20のアドレス情報「aaa@abcdefg.co.jp」)が含まれた転送指示が送信される(ステップS301)。
【0041】
この携帯端末装置20からの転送指示を画像形成装置10が受信すると(ステップS302)、転送指示を送信してきた携帯端末装置20のアドレス情報「aaa@abcdefg.co.jp」を送信元として、指定された画像データを端末装置40に転送する(ステップS303)。
【0042】
端末装置40では、図8に示されるように、送信元が携帯端末装置20のアドレス情報「aaa@abcdefg.co.jp」となっている画像データを画像形成装置10から受信する(ステップS304)。
【0043】
[変形例]
上記実施形態では、アドレス情報として電子メールアドレスを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ファクシミリ番号、ネットワークアドレス等の他の情報をアドレス情報として用いる場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【符号の説明】
【0044】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 ユーザインタフェース(UI)装置
16 スキャナ
17 プリントエンジン
18 制御バス
20 携帯端末装置
21 アドレス帳格納部
22 アドレス選択部
23 転送指示送信部
30 ネットワーク
31 画像読取部
32 画像データ記憶部
33 転送指示受信部
34 データ転送部
40 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する記憶手段と、
指定された画像データを外部の装置に対して転送する転送指示を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された転送指示を送信してきた装置のアドレス情報を、前記記憶手段に記憶されている画像データの中うちの前記転送指示により指定された画像データを指定された宛先に対して転送する転送手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
複数のアドレス情報を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている複数のアドレス情報の中から、画像データを転送する装置のアドレス情報を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたアドレス情報を画像データを転送する宛先として指定した転送指示を、自装置のアドレス情報を含めて画像形成装置に送信する送信手段と、
を有する携帯端末装置。
【請求項3】
指定された画像データを外部の装置に対して転送する転送指示を受信するステップと、
受信された転送指示を送信してきた装置のアドレス情報を、前記転送指示により指定された画像データを指定された宛先に対して転送するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項4】
格納されている複数のアドレス情報の中から、画像データを転送する装置のアドレス情報を選択するステップと、
選択されたアドレス情報を画像データを転送する宛先として指定した転送指示を、自装置のアドレス情報を含めて画像形成装置に送信するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−55380(P2011−55380A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204229(P2009−204229)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】