説明

画像形成装置、機密プリント方法および機密プリントプログラム

【課題】 省電力モードからの復帰後に機密プリントデータの画像を形成するまでの時間を短くすること。
【解決手段】 MFPは、RAMと、起動時間が画像形成部よりも長いHDDと、動作モードを切り換える切換部と、通常モードにおいてHDDおよび画像形成部に電力を供給し、省電力モードにおいてHDDおよび画像形成部に電力を供給しない電力制御部と、機密プリントデータを受信し、HDDに記憶する機密プリント受信部と、省電力モードに切り換えられると(S21でYES)、HDDに電力を供給させ、HDDに記憶されている機密プリントデータをRAMに転送する転送部(S22)と、通常モードに切り換えられると、RAMに記憶されている機密プリントデータに基づく認証が成功することを条件に、機密プリントデータの画像を画像形成部に形成させる機密プリント部と、備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、機密プリント方法および機密プリントプログラムに関し、特に機密プリントをすることが可能な画像形成装置、機密プリント方法および機密プリントプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費電力を低くすることが可能なMFP(Multi Function Peripheral)が知られている。特開2004−112718号公報には、画像データの処理を行う画像処理装置であって、装置全体の統括制御を行う第1の制御手段と、省エネルギモードに移行させる省エネルギモード移行手段と、該省エネルギモードから通常動作モードに復帰させる機能を有し、第1の制御手段よりも消費電力の小さい第2の制御手段と、省エネルギモードからの復帰トリガを検出する検出手段と、第1の制御手段の動作に必要なデータを記憶する第1の記憶手段と、第1の記憶手段よりも高速にアクセス可能な第2の記憶手段と、省エネルギモードからの復帰に必要なデータの少なくとも一部を第2の記憶手段に記憶させる手段とを備え、省エネルギモードに移行した場合には、第2の制御手段と検出手段と第2の記憶手段のみに給電し、該省エネルギモードからの復帰処理は、第2の記憶手段に記憶させたデータを利用して行うようにしたことを特徴とする画像処理装置が記載されている。
【0003】
しかしながら、従来の画像処理装置においては、第2の記憶手段に記憶させたデータを利用して復帰した後に、第1の記憶手段がアクセス可能でなければ、第1の記憶手段に記憶されたデータを用いた動作をすることができないといった問題がある。例えば、ユーザがログインすることに応じてプリントされる機密プリントデータが第1の記憶手段に記憶されていた場合、ユーザがログインすることに応じて省エネルギモードから復帰したとしても、第1の記憶手段がアクセス可能になるまで、機密プリントデータにアクセスすることができない。このため、ユーザがログインした後に、第1の記憶手段がアクセス可能になるまで、機密プリントデータの画像を形成することができないといった問題がある。
【特許文献1】特開2004−112718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、省電力モードからの復帰後に機密プリントデータの画像を形成するまでの時間を短くすることが可能な画像形成装置を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、省電力モードからの復帰後に機密プリントデータの画像を形成するまでの時間を短くすることが可能な機密プリント方法を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、省電力モードからの復帰後に機密プリントデータの画像を形成するまでの時間を短くすることが可能な機密プリントプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、データを記憶する半導体メモリと、画像を形成する画像形成手段と、データを不揮発的に記憶可能であり、電力が供給されてから記録されたデータを読出し可能となるまでの起動時間が、画像形成手段に電力が供給されてから画像形成可能となるまでの起動時間より長い磁気記録装置と、通常モードと、通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換える切換手段と、通常モードにおいて磁気記録装置および画像形成手段に電力を供給し、省電力モードにおいて磁気記録装置および画像形成手段に電力を供給しない電力制御手段と、認証情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、通常モードの場合に機密プリントデータを磁気記録装置に記憶する機密プリント受信手段と、切換手段が動作モードを省電力モードに切り換えた後、電力制御手段に磁器記録装置に電力を供給させるとともに、磁気記録装置に記憶されている機密プリントデータを半導体メモリに転送する転送手段と、切換手段が動作モードを省電力モードから通常モードに切り換えた後、半導体メモリに受信された機密プリントデータが記憶されている場合、該記憶されている機密プリントデータに含まれる認証情報に基づく認証が成功することを条件に、機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させる機密プリント手段と、を備える。
【0008】
この局面に従えば、通常モードの場合に機密プリントデータが磁気記録装置に記憶され、動作モードが省電力モードに切り換えられた後に、磁気記録装置に記憶されている機密プリントデータが半導体メモリに転送され、動作モードが省電力モードから通常モードに切り換えられた後、半導体メモリに機密プリントデータが記憶されている場合、該機密プリントデータに含まれる認証情報に基づく認証が成功することを条件に、機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像が形成される。磁気記録装置の起動時間は、動作モードが省電力モードから通常モードに切り換えた後に画像形成可能となるまでの時間よりも長いので、磁気記録装置が起動する前に機密プリントデータの画像を形成することができる。その結果、省電力モードからの復帰後に機密プリントデータの画像を形成するまでの時間を短くすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0009】
好ましくは、機密プリントデータに含まれる認証情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報であり、磁気記録装置は、ユーザ識別情報と個別情報とを含むユーザデータを記憶しており、ユーザデータに含まれるユーザ識別情報および個別情報と同一のユーザ識別情報と個別情報が受け付けられることを条件に、ユーザを認証する認証手段をさらに備え、転送手段は、切換手段が動作モードを省電力モードに切り換えた後、磁気記録装置に記憶されているユーザデータを半導体メモリにさらに転送し、機密プリント手段は、半導体メモリに記憶されている機密プリントデータのうち認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させる。
【0010】
この局面に従えば、半導体メモリに記憶されている機密プリントデータのうち認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像が形成される。このため、認証されたユーザは、ユーザ識別情報および個別情報を入力するだけで、機密プリントデータがプリントされるので、操作を簡便にすることができる。
【0011】
好ましくは、磁気記録装置に受信された機密プリントデータが複数記憶されている場合、複数の機密プリントデータのデータ量と、半導体メモリの空容量とを比較する比較手段と、機密プリント受信手段は、受信された機密プリントデータを、該機密プリントデータが受信された時刻と関連付けて記憶し、機密プリント手段により機密プリントデータに含まれるプリントデータがプリントされると、該機密プリントデータが受信されてから機密プリントデータに含まれるプリントデータがプリントされるまでの蓄積時間を、機密プリントデータに含まれる認証情報と関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶手段と、をさらに備え、転送手段は、記憶された履歴情報に基づいて、認証情報毎に蓄積されることが予測される予測時間を算出する予測手段を含み、転送手段は、複数の機密プリントデータのデータ量が、半導体メモリの空容量より大きい場合、複数の機密プリントデータのうちから予測手段により予測された予測時間が短い認証情報に関連付けられた機密プリントデータを優先して半導体メモリに転送し、複数の機密プリントデータのうち半導体メモリに転送されなかった機密プリントデータを磁気記録装置に記憶する。
【0012】
この局面に従えば、履歴情報に基づいて、認証情報毎に予測時間が算出され、複数の機密プリントデータのうちから予測時間が短い認証情報に関連付けられた機密プリントデータが優先して半導体メモリに転送される。このため、蓄積時間の短いユーザは、次に認証される確率が高いので、画像形成の対象となる確率の高い機密プリントデータを半導体メモリに記憶することができる。
【0013】
好ましくは、認証情報は、パスワードであり、機密プリント手段は、半導体メモリに記憶されている機密プリントデータに含まれる認証情報と同じパスワードが受け付けられることに応じて、機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させる。
【0014】
この局面に従えば、パスワードを入力すれば、機密プリントデータが画像形成されるので、操作を容易にすることができる。
【0015】
好ましくは、磁気記録装置に受信された機密プリントデータが複数記憶されている場合、複数の機密プリントデータのデータ量と、半導体メモリの空容量とを比較する比較手段を、さらに備え、転送手段は、複数の機密プリントデータのデータ量が、半導体メモリの空容量より大きい場合、複数の機密プリントデータのうちからデータ量の小さい順に半導体メモリに転送し、複数の機密プリントデータのうち半導体メモリに転送されなかった機密プリントデータを磁気記録装置に記憶する。
【0016】
この局面に従えば、磁気記録装置に受信された機密プリントデータが複数記憶されている場合、複数の機密プリントデータのデータ量が半導体メモリの空容量より大きい場合、複数の機密プリントデータのうちからデータ量の小さい順に揮発性メモリに転送される。このため、半導体メモリに記憶する機密プリントデータの数をできる限り多くすることができ、複数のユーザの機密プリントデータが半導体メモリに記憶される確率を高くすることができる。
【0017】
この発明の他の局面によれば、機密プリント方法は、データを記憶する半導体メモリと、画像を形成する画像形成手段と、データを不揮発的に記憶可能であり、電力が供給されてから記録されたデータを読出し可能となるまでの起動時間が、画像形成手段に電力が供給されてから画像形成可能となるまでの起動時間より長い磁気記録装置と、を備えた画像形成装置で実行される機密プリント方法であって、通常モードと、通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、通常モードにおいて磁気記録装置および画像形成手段に電力を供給するステップと、省電力モードにおいて磁気記録装置および画像形成手段に供給する電力を遮断するステップと、認証情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、通常モードの場合に機密プリントデータを磁気記録装置に記憶するステップと、切り換えるステップにおいて動作モードが通常モードから省電力モードに切り換えられた後、磁気記録装置に記憶されている機密プリントデータを半導体メモリに転送するステップと、切り換えるステップにおいて動作モードが省電力モードから通常モードに切り換えられた後、半導体メモリに受信された機密プリントデータが記憶されている場合、該記憶されている機密プリントデータに含まれる認証情報に基づく認証が成功することを条件に、機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させるステップと、を含み、電力を遮断するステップは、転送ステップにおける転送中は磁気記録装置に供給する電力を遮断することなく、電力を供給するステップを含む。
【0018】
この局面に従えば、省電力モードからの復帰後に機密プリントデータの画像を形成するまでの時間を短くすることが可能な機密プリント方法を提供することができる。
【0019】
この発明のさらに他の局面によれば、機密プリントプログラムは、データを記憶する半導体メモリと、画像を形成する画像形成手段と、データを不揮発的に記憶可能であり、電力が供給されてから記録されたデータを読出し可能となるまでの起動時間が、画像形成手段に電力が供給されてから画像形成可能となるまでの起動時間より長い磁気記録装置と、を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される機密プリントプログラムであって、通常モードと、通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、通常モードにおいて磁気記録装置および画像形成手段に電力を供給するステップと、省電力モードにおいて磁気記録装置および画像形成手段に供給する電力を遮断するステップと、認証情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、通常モードの場合に機密プリントデータを磁気記録装置に記憶するステップと、切り換えるステップにおいて動作モードが通常モードから省電力モードに切り換えられた後、磁気記録装置に記憶されている機密プリントデータを半導体メモリに転送するステップと、切り換えるステップにおいて動作モードが省電力モードから通常モードに切り換えられた後、半導体メモリに受信された機密プリントデータが記憶されている場合、該記憶されている機密プリントデータに含まれる認証情報に基づく認証が成功することを条件に、機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させるステップと、をコンピュータに実行させ、電力を遮断するステップは、転送ステップにおける転送中は磁気記録装置に供給する電力を遮断することなく、電力を供給するステップを含む。
【0020】
この局面に従えば、省電力モードからの復帰後に機密プリントデータの画像を形成するまでの時間を短くすることが可能な機密プリントプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】MFPが備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。
【図3】機密プリントデータのフォーマットの一例を示す図である。
【図4】ユーザデータのデータフォーマットの一例を示す図である。
【図5】履歴レコードのフォーマットの一例を示す図である。
【図6】(A)は第1の実施の形態の通常モードにおけるHDDに記憶されるデータの一例を示す図であり、(B)は第1の実施の形態の省電力モードにおけるRAMに記憶されるデータの一例を示す図である。
【図7】データ受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態における転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態における部分転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態における機密プリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】履歴レコード生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態における機密プリントデータのフォーマットの一例を示す図である。
【図13】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。
【図14】通常機密プリント一覧画面の一例を示す図である。
【図15】残余データテーブルの一例を示す図である。
【図16】(A)は、第2の実施形態の通常モードにおけるHDDに記憶されるデータの一例を示す図であり、(B)は、第2の実施形態の省電力モードにおけるRAMに記憶されるデータの一例を示す図である。
【図17】省電力機密プリント一覧画面の一例を示す図である。
【図18】第2の実施の形態における転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施の形態における部分転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態における機密プリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0023】
<第1の実施の形態>
図1は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図1を参照して、MFP100は、メイン回路101と、自動原稿読取装置(ADF)10と、原稿読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、ユーザインターフェースとしての操作パネル13と、電源回路121と、を含む。
【0024】
ADF10は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、メモリに記憶する、または画像形成部30に出力する。
【0025】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0026】
メイン回路101は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、ネットワークI/F118と、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。CPU111は、ADF10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13および電源回路121と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0027】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、およびそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0028】
通信I/F部112は、MFP100を他の装置とシリアル通信ケーブルで接続するためのインターフェースである。なお、接続形態は、有線であっても無線であってもよい。
【0029】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部30に出力する。画像形成部30は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0030】
ネットワークI/F118は、MFP100をネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU111は、ネットワークI/F118を介してネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ(PC)と通信可能であり、PCとの間でデータを送受信する。
【0031】
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能であり、CD−ROM119Aに記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行可能である。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記憶されたプログラムに限られず、他の記憶媒体に記憶されたプログラムでもよく、HDD116に記憶されたプログラムであってもよく、さらに、ネットワークI/F118を介してネットワークに接続された他のコンピュータによりHDD116に書き込みされたプログラムであってもよい。
【0032】
なお、プログラムを記憶する記憶媒体としては、CD−ROM119Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリでもよい。
【0033】
ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0034】
操作パネル13は、MFP100の上面に設けられ、表示部103と、操作部105とを含む。表示部103は、液晶表示装置、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した表示データに関する情報等を表示する。操作部105は、ユーザの操作を受け付け、受け付けられた操作をCPU111に出力する。操作部105は、表示部103の上に重畳して配置されたタッチパネルを含む。タッチパネルは、透明な部材からなり、表示部103に重畳して配置される。タッチパネルは、ユーザがタッチパネルを指で触れると、触れられた位置を指示位置として検出し、CPU111に出力する。
【0035】
電源回路121は、商用電源から電力が供給され、供給された交流の電力を所定の電圧の直流に変換し、MFP100の全体に供給する。図においては、電源回路121と、HDD116およびRAM114との接続を具体的に示している。HDD116は、電源回路121とスイッチ123を介して接続される。スイッチ123が閉じた状態ではHDD116に電力が供給されるが、スイッチ123が開いた状態では、電源回路121からHDD116に電力が供給されない。RAM114は、電源回路121と接続され、電源回路121から電力が常に供給される。RAM114は、CPU111によって制御されるが、セルフリフレッシュ機能を有し、CPU111による制御とは独立して、記憶したデータを保持することが可能である。
【0036】
図2は、MFPが備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。図2に示すCPU111の機能は、CPU111がROM113、EEPROM115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより形成される。図2を参照して、MFP100が備えるCPU111は、機密プリントデータを受信する機密プリント受信部51と、ユーザを認証する認証部53と、機密プリントデータの画像を形成する機密プリント部55と、履歴を記憶する履歴記憶部57と、動作モードを切り換えるモード切換部61と、電源回路121を制御する電力制御部63と、機密プリントデータを転送する転送部65と、比較部67と、を含む。
【0037】
モード切換部61は、動作モードを通常モードと省電力モードとのいずれか一方に切り換える。モード切換部61は、動作モードを通常モードに切り換えているときに、操作部105において、ユーザによる操作が入力されることなく所定時間が経過すると、動作モードを省電力モードに切り換える。モード切換部61は、動作モードを通常モードから省電力モードに切り換える場合、省電力切換信号を機密プリント受信部51、認証部53、機密プリント部55、電力制御部63、転送部65および比較部67に出力する。
【0038】
モード切換部61は、動作モードを省電力モードに切り換えているときに、所定のトリガの発生に応じて動作モードを省電力モードから通常モードに切り換える。所定のトリガは、操作部105への操作の入力、ネットワークI/F118によるPC等からの機密プリントデータ以外のプリントデータの受信、またはファクシミリ部117によるファクシミリデータの受信である。操作部105に入力される操作は、例えば、ユーザが操作部105の備える各種キーまたはタッチパネルを指示する操作、原稿読取部20を開く操作を含む。モード切換部61は、動作モードを省電力モードから通常モードに切り換える場合、通常切換信号を、機密プリント受信部51、認証部53、機密プリント部55、電力制御部63および転送部65に出力する。
【0039】
電力制御部63は、電源回路121を制御して、MFP100に供給される電力を制御する。電力制御部63は、モード切換部61から通常切換信号が入力されると、電源回路121にMFP100の全体に電力を供給させる。例えば、HDD116に電力を供給するために、スイッチ123を閉状態に切り換えてHDD116に電力を供給する。
【0040】
電力制御部63は、モード切換部61から省電力切換信号が入力されると、少なくともCPU111、操作部105、RAM114およびネットワークI/F118に電力を供給するが、それらを除くMFP100の各部に供給する電力を遮断する。例えば、HDD116への電力を遮断するために、スイッチ123を開状態に切り換える。ただし、電力制御部63は、モード切換部61から省電力切換信号が入力される場合であっても後述する転送部65から転送中信号が入力されている間は、スイッチ123を開状態に維持する。
【0041】
電力制御部63は、モード切換部61から通常切換信号が入力されると、電源回路121に画像形成部30およびHDD116に電力を供給させるが、画像形成部30およびHDD116は、電源回路121から電力が供給されてから駆動するまでに所定の起動時間を必要とする。HDD116の起動時間は、画像形成部30の起動時間よりも長い。
【0042】
以下、通常モードと省電力モードとに場合を分けて説明する。
【0043】
<通常電力モードの場合>
機密プリント受信部51は、ネットワークI/F118がネットワークに接続されたPCから機密プリントデータを受信すると、ネットワークI/F118から機密プリントデータを取得する。図3は、機密プリントデータのフォーマットの一例を示す図である。図3を参照して、機密プリントデータは、ユーザ識別情報の項目と、プリントデータの項目とを含む。ユーザ識別情報の項目にはユーザ識別情報が設定され、ユーザ識別情報は、プリントデータの送信を指示したユーザを識別するための情報である。
【0044】
機密プリント受信部51は、ネットワークI/F118が機密プリントデータを受信すると、機密プリントデータが受信された日時を取得し、取得された日時を受信日時に設定する。機密プリント受信部51は、モード切換部61から通常切換信号が入力された後の通常モードにおいては、取得された機密プリントデータを受信日時と関連付けてHDD116に記憶する。これにより、機密プリントデータ83がHDD116に記憶される。受信日時を機密プリントデータ83に付加し、機密プリントデータをHDD116に記憶することにより、機密プリントデータを受信日時と関連付けてHDD116に記憶する。
【0045】
認証部53は、ユーザがユーザ識別情報および個別情報を操作部105に入力すると、操作部105からユーザ識別情報および個別情報が入力される。認証部53は、モード切換部61から通常切換信号が入力された後の通常モードにおいては、操作部105からユーザ識別情報および個別情報が入力されると、HDD116に記憶されているユーザデータに、操作部105から入力されたユーザ識別情報および個別情報を含むユーザデータが存在するか否かを判断する。認証部53は、HDD116に記憶されているユーザデータに、操作部105から入力されたユーザ識別情報および個別情報を含むユーザデータが存在するならば認証するが、存在しなければ認証しない。認証部53は、ユーザを認証する場合、認証されたユーザのユーザ識別情報を機密プリント部55に出力する。
【0046】
図4は、ユーザデータのデータフォーマットの一例を示す図である。図4を参照して、ユーザデータ81は、ユーザ識別情報の項目と、個別情報の項目とを含む。ユーザ識別情報の項目には、ユーザ識別情報が設定され、個別情報の項目には、パスワードなどの個人情報が設定される。なお、個人情報は、ユーザ識別情報で特定されるユーザに特有の情報であればよく、例えば、パスワードの他、指紋の模様、静脈パターン、虹彩の模様または網膜に含まれる毛細血管の模様などを含む。
【0047】
機密プリント部55は、認証部53からユーザ識別情報が入力される。機密プリント部55は、モード切換部61から通常切換信号が入力された後の通常モードにおいては、認証部53からユーザ識別情報が入力されると、HDD116に記憶された機密プリントデータ83のうちから入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83を抽出する。機密プリント部55は、画像形成部30を制御して、抽出された機密プリントデータ83に含まれるプリントデータの画像を形成させる。機密プリント部55は、機密プリントデータ83に含まれるプリントデータの画像を形成した後、画像形成の対象となった機密プリントデータ83を識別するためのデータ識別情報を履歴記憶部57に出力する。データ識別情報は、ここでは機密プリントデータ83に付されたファイル名としている。
【0048】
機密プリント部55は、入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83が複数記憶されている場合、複数の機密プリントデータ83を抽出し、抽出された複数の機密プリントデータ83を順に処理対象に設定する。機密プリント部55は、処理対象に設定した機密プリントデータ83に含まれるプリントデータの画像を画像形成部30に形成させ、処理対象に設定した機密プリントデータ83のデータ識別情報を履歴記憶部57に出力する。
【0049】
履歴記憶部57は、機密プリント部55からデータ識別情報が入力されると、履歴レコードを生成し、生成した履歴レコードをHDD116に記憶されている履歴情報に追加する。
【0050】
図5は、履歴レコードのフォーマットの一例を示す図である。図5を参照して、履歴レコードは、ユーザ識別情報の項目と、受信日時の項目と、出力日時の項目とを含む。
【0051】
履歴記憶部57は、機密プリント部55からデータ識別情報が入力されると、データ識別情報が入力された日時を出力日時として取得する。また、履歴記憶部57は、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちから機密プリント部55から入力されたデータ識別情報で特定される機密プリントデータ83を抽出し、抽出された機密プリントデータ83に関連付けられた受信日時を取得する。履歴記憶部57は、取得されたデータ識別情報と、取得された受信日時と、取得された出力日時とを含む履歴レコードを生成し、生成した履歴レコードをHDD116に記憶されている履歴情報に追加する。そして、履歴記憶部57は、履歴レコードを履歴情報85に追加した後、入力されたデータ識別情報を含む記憶終了信号を機密プリント部55に出力する。
【0052】
機密プリント部55は、履歴記憶部57から記憶終了信号が入力されると、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうち履歴記憶部57から入力される記憶終了信号に含まれるデータ識別情報で特定される機密プリントデータ83をHDD116から削除する。履歴記憶部57が、履歴レコードをHDD116に記憶した後に、機密プリント部55によって機密プリントデータ83が削除されるので、履歴記憶部57において履歴レコードを生成することができる。
【0053】
比較部67は、モード切換部61から省電力切換信号が入力されると、HDD116に記憶されたユーザデータをRAM114に記憶した後のRAM114の空容量と、機密プリントデータ83のデータ量の合計とを比較し、比較結果を転送部65に出力する。
【0054】
転送部65は、比較部67から比較結果が入力され、モード切換部61から通常切換信号および省電力切換信号のいずれかが入力される。転送部65は、比較部67から入力される比較結果が機密プリントデータ83のデータ量の合計がRAM114の空容量以下であることを示す場合、モード切換部61から省電力切換信号が入力されると、HDD116に記憶されているユーザデータ81および機密プリントデータ83をRAM114に転送する。転送部65は、HDD116に記憶されているユーザデータ81および機密プリントデータ83をRAM114に転送している間、電力制御部63に転送中信号を出力する。転送部65は、HDD116に記憶された機密プリントデータ83を、RAM114に転送した後に、HDD116から削除する。
【0055】
転送部65は、比較部67から入力される比較結果が機密プリントデータ83のデータ量の合計がRAM114の空容量より大きいことを示す場合、モード切換部61から省電力切換信号が入力されると、HDD116に記憶されているユーザデータと、機密プリントデータ83の一部をRAM114に転送する。転送部65は、HDD116に記憶されているユーザデータ81および機密プリントデータ83の一部をRAM114に転送している間、電力制御部63に転送中信号を出力する。転送部65は、HDD116に記憶された機密プリントデータ83のうちRAM114に転送した機密プリントデータ83を、HDD116から削除する。
【0056】
転送部65は、予測部71を含む。予測部71は、HDD116に記憶されている履歴情報に基づいてユーザ識別情報ごとに予測時間を算出する。具体的には、予測部71は、HDD116に記憶されている履歴情報に含まれる複数の履歴レコードのうち同一のユーザ識別情報を含む少なくとも1つの履歴レコードから、そのユーザ識別情報に対する予測時間を算出する。同一のユーザ識別情報を含む少なくとも1つの履歴レコードごとに受信日時から出力日時までの時間を蓄積時間として算出し、履歴レコードごとに算出された蓄積時間の平均を予測時間とする。これにより、ユーザ識別情報ごとに予測時間が算出される。
【0057】
転送部65は、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうち予測時間の短いユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83を優先してRAM114に転送する。また、転送部65は、データ量の小さい機密プリントデータ83をデータ量の大きい機密プリントデータ83よりも優先してRAM114に転送する。転送部65は、機密プリントデータ83をRAM114に転送するごとに、転送された機密プリントデータ83をHDD116から削除する。
【0058】
具体的には、転送部65は、予測部71により予測された予測時間が短い順にユーザ識別情報を選択し、HDD116に記憶された機密プリントデータ83のうちから選択されたユーザ識別情報を含む少なくとも1つの機密プリントデータ83を抽出する。転送部65は、抽出された少なくとも1つの機密プリントデータ83をデータ量の小さい順にRAM114に、RAM114の空容量がなくなるまで転送する。転送部65は、抽出された少なくとも1つの機密プリントデータ83の全部をRAM114に転送した場合、RAM114に空容量があれば、次に予測時間の短いユーザ識別情報を選択し、選択されたユーザ識別情報を含む少なくとも1つの機密プリントデータ83を、データ量の小さい順にRAM114にRAM114の空容量がなくなるまで転送する。転送部65は、RAM114の空容量が存在する場合、次に予測時間の短いユーザ識別情報を処理対象に選択する。このように、RAM114の空容量がなくなるまで、HDD116に記憶された機密プリントデータ83が選択され、RAM114に転送される。データ量の小さい順にRAM114に機密プリントデータ83を転送するのは、できるだけ多くの数の機密プリントデータ83を転送するためである。
【0059】
転送部65は、RAM114の空容量がなくなると、RAM114に転送さることなくHDD116に記憶されている機密プリントデータ83に基づいて、残余データリストを生成し、生成された残余データリストをRAM114に転送する。残余データリストは、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83に含まれるユーザ識別情報を含む。具体的には、転送部65は、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83を順に処理対象に選択し、処理対象の機密プリントデータに含まれるユーザ識別情報を、残余データリストに追加する。転送部65は、追加しようとするユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報が既に残余データリストに登録されている場合、そのユーザ識別情報を追加することなく、次の機密プリントデータ83を処理対象に選択し、同様の処理を、機密プリントデータ83の全てが処理対象となるまで繰り返す。
【0060】
転送部65は、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83の全部または一部をRAM114に転送している間、転送中信号を電力制御部63に出力する。HDD116に記憶されている機密プリントデータ83の全部または一部が、RAM114に転送されるまで、電力制御部63が、HDD116およびCPU111に供給する電力を遮断しないようにするためである。上述したように、電力制御部63は、モード切換部61から省電力切換信号が入力される場合であっても転送中信号が入力されている間は、スイッチ123を開かないので、HDD116に電力が供給される。
【0061】
図6(A)は、第1の実施の形態の通常モードにおけるHDDに記憶されるデータの一例を示す図である。図6(B)は、第1の実施の形態の省電力モードにおけるRAMに記憶されるデータの一例を示す図である。ここでは、HDD116に記憶される機密プリントデータの一部がRAM114に転送される場合を例に示している。図6(A)を参照して、HDD116は、ユーザデータ81と、機密プリントデータ83と、履歴情報85とを記憶する。
【0062】
図6(B)を参照して、RAM114は、図6(A)に示すHDD116に記憶されていたユーザデータ81と、図6(A)に示すHDD116に記憶されていた機密プリントデータ83のうち一部の機密プリントデータ83Aと、残余データリスト91とが記憶される。また、RAM114は、リザーブ領域93を含む。残余データリスト91は、図6(A)に示すHDD116に記憶されていた機密プリントデータ83のうちRAM114に転送された機密プリントデータ83Aを除く機密プリントデータ83Bに基づいて生成されるデータである。このため、図6(A)に示すHDD116に記憶されていた機密プリントデータ83の全部がRAM114に転送される場合には、残余データリスト91はRAM114に記憶されない。リザーブ領域93は、省電力モードで受信されたプリントデータ、機密プリントデータまたはファクシミリデータを一時記憶するための領域である。
【0063】
<省電力モードの場合>
機密プリント受信部51は、モード切換部61から通常切換信号および省電力切換信号のいずれかが入力され、ネットワークI/F118から機密プリントデータが入力される。機密プリント受信部51は、機密プリントデータが入力されると、機密プリントデータが入力された日時を取得し、取得された日時を受信日時に設定する。機密プリント受信部51は、省電力切換信号が入力された後の省電力モードにおいては、取得された機密プリントデータを受信日時と関連付けてRAM114のリザーブ領域93に記憶する。
【0064】
認証部53は、モード切換部61から通常切換信号および省電力切換信号のいずれかが入力され、操作部105からユーザ識別情報および個別情報が入力される。認証部53は、省電力切換信号が入力された後の省電力モードにおいては、ユーザ識別情報および個別情報が入力されると、RAM114に記憶されているユーザデータ81に、入力されたユーザ識別情報および個別情報を含むユーザデータが存在するか否かを判断する。認証部53は、RAM114に記憶されているユーザデータ81に、入力されたユーザ識別情報および個別情報を含むユーザデータが存在するならば認証するが、存在しなければ認証しない。認証部53は、ユーザを認証する場合、認証されたユーザのユーザ識別情報を機密プリント部55に出力する。
【0065】
モード切換部61は、操作部105にユーザ識別情報および個別情報が入力されると、動作モードを省電力モードから通常モードに切り換える。このため、電力制御部63によって電源回路121からHDD116に電力が供給されるが、HDD116は電力が供給されてからデータの読み出しが可能になるまでに起動時間を要する。認証部53は、RAM114に記憶されているユーザデータ81を用いてユーザを認証するので、HDD116がデータの読み出しが可能になるまで待つことなく、ユーザを認証することができる。
【0066】
機密プリント部55は、認証部53からユーザ識別情報が入力される。機密プリント部55は、モード切換部61から省電力切換信号が入力された後の省電力モードにおいては、認証部53からユーザ識別情報が入力されると、RAM114に機密プリントデータ83Aが記憶されている場合には、RAM114に記憶された機密プリントデータ83Aのうちから入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータを抽出する。機密プリント部55は、画像形成部30が画像を形成可能な状態に復帰した後、抽出された機密プリントデータ83Aに含まれるプリントデータの画像を形成させる。上述したように、画像形成部30の起動時間は、HDD116の起動時間より短いので、HDD116が読み出し可能な状態になる前に、機密プリントデータ83Aに含まれるプリントデータの画像を形成することができる。
【0067】
機密プリント部55は、機密プリントデータ83Aに含まれるプリントデータの画像を形成した後、画像形成の対象となった機密プリントデータ83Aのデータ識別情報を履歴記憶部57に出力する。
【0068】
履歴記憶部57は、機密プリント部55からデータ識別情報が入力されると、履歴レコードを生成し、生成した履歴レコードをHDD116に記憶されている履歴情報85に追加する。履歴記憶部57は、履歴レコードを履歴情報85に追加した後、入力されたデータ識別情報を含む記憶終了信号を機密プリント部55に出力する。履歴記憶部57は、履歴レコードを生成した後に、HDD116が未だデータの書込み可能な状態に復帰していない場合、HDD116が復帰するのを待つことなく、履歴データをRAM114に一時記憶し、記憶終了信号を機密プリント部55に出力する。
【0069】
機密プリント部55は、履歴記憶部57から記憶終了信号が入力されると、記憶終了信号に含まれるデータ識別情報で特定される機密プリントデータ83AをRAM114から削除する。
【0070】
機密プリント部55は、RAM114に残余データリスト91が記憶されている場合、認証部53から入力されたユーザ識別情報が残余データリスト91に含まれているか否かを判断する。機密プリント部55は、認証部53から入力されたユーザ識別情報が残余データリスト91に含まれているならば、HDD116がデータ読み出し可能な状態に復帰するまで待機し、HDD116が復帰した後、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83Bのうちから認証部53から入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83Bを抽出する。機密プリント部55は、認証部53から入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83Bを抽出する場合、抽出された機密プリントデータ83Bに含まれるプリントデータの画像を画像形成部30に形成させる。機密プリント部55は、機密プリントデータ83Bに含まれるプリントデータの画像を形成した後、画像形成の対象となった機密プリントデータ83Bのデータ識別情報を履歴記憶部57に出力する。
【0071】
履歴記憶部57は、機密プリント部55からデータ識別情報が入力されると、履歴レコードを生成し、生成した履歴レコードをHDD116に記憶されている履歴情報85に追加する。そして、履歴記憶部57は、履歴レコードを履歴情報85に追加した後、入力されたデータ識別情報を含む記憶終了信号を機密プリント部55に出力する。
【0072】
機密プリント部55は、履歴記憶部57から記憶終了信号が入力されると、記憶終了信号に含まれるデータ識別情報で特定される機密プリントデータ83BをHDD116から削除する。
【0073】
転送部65は、モード切換部61から通常切換信号が入力された後、HDD116が読み出し可能な状態に復帰すると、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83AをHDD116に転送する。そして、転送部65は、ユーザデータ81および機密プリントデータ83AをRAM114から削除する。
【0074】
図7は、データ受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。データ受信処理は、CPU111がROM113、EEPROM115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図7を参照して、CPU111は、プリントデータを受信したか否かを判断する(ステップS01)。ネットワークI/F部118がネットワークに接続されたPC等からプリントデータを受信するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、ネットワークI/F部118がプリントデータを受信したならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
【0075】
次のステップS02においては、現在日時を検出する。次のステップS03においては、ステップS01において受信されたプリントデータが、機密プリントデータか否かを判断する。ステップS01において受信したプリントデータが機密プリントデータならば、処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS07に進める。
【0076】
ステップS04においては、省電力モードか否かを判断する。省電力モードならば処理をステップS05に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に進める。ステップS05においては、ステップS02において検出された受信日時とステップS01において受信された機密プリントデータとの組をRAM114に記憶し、データ受信処理を終了する。省電力モードにおいては、HDD116は駆動していないので、駆動しているRAM114に受信された機密プリントデータを記憶する。
【0077】
一方、ステップS06においては、ステップS02において検出された受信日時とステップS01において受信された機密プリントデータとの組をHDD116に記憶し、データ受信処理を終了する。通常モードにおいてはHDD116が駆動しているので、機密プリントデータをHDD116に記憶する。RAM114の記憶領域を有効に利用するためである。
【0078】
ステップS07においては、動作モードが省電力モードであるか否かを判断する。省電力モードならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS10に進める。ステップS08においては、ステップS01において受信されたプリントデータをRAM114に一時的に記憶する。そして、画像形成部30が画像形成可能な状態に復帰するまで待機状態となる(ステップS09でNO)。画像形成部30が画像形成可能な状態に復帰したならば(ステップS09でYES)、処理をステップS10に進める。
【0079】
ステップS10においては、処理がステップS09から進む場合、ステップS08においてRAM114に一時記憶されたプリントデータの画像を画像形成部30に形成させ、処理を終了する。処理がステップS07から進む場合、ステップS01において受信されたプリントデータの画像を画像形成部30に形成させ、処理を終了する。
【0080】
図8は、第1の実施の形態における転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。転送処理は、CPU111がROM113、EEPROM115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、動作モードが通常モードから省電力モードに切り換わったか否かを判断する(ステップS21)。動作モードが通常モードから省電力モードに切り換わったならば、処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理をステップS32に進める。
【0081】
ステップS22においては、HDD116に記憶されたユーザデータ81をRAM114に転送し、処理をステップS23に進める。次のステップS23においては、HDD116に機密プリントデータ83が記憶されているか否かを判断する。HDD116に機密プリントデータ83が記憶されているならば、処理をステップS24に進めるが、そうでなければ転送処理を終了する。
【0082】
ステップS24においては、HDD116に記憶されている全ての機密プリントデータ83のデータ量を算出し、処理をステップS25に進める。次のステップS25においては、RAM114の空容量を検出し、処理をステップS26に進める。ここでの空き容量は、リザーブ領域93を除く部分において記憶可能な領域の容量である。
【0083】
ステップS26においては、ステップS24において算出されたデータ量がステップS25において検出された空容量以下であるか否かを判断する。全機密プリントデータのデータ量がRAM114の空容量以下ならば、処理をステップS27に進めるが、RAM114の空容量より大きければ処理をステップS31に進める。ステップS31においては、部分転送処理を実行し、転送処理を終了する。部分転送処理の詳細は後述するが、HDD116に記憶された機密プリントデータ83のうちの一部をRAM114に転送する処理である。
【0084】
ステップS27においては、HDD116から1つの機密プリントデータを読み出し、処理をステップS28に進める。次のステップS28においては、ステップS27において読み出された機密プリントデータをRAM114に転送し、処理をステップS29に進める。ステップS29においては、ステップS27において読み出された機密プリントデータをHDD116から削除する。次のステップS30においては、HDD116に次に処理対象とする機密プリントデータが記憶されているか否かを判断する。次に処理対象とする機密プリントデータが記憶されているならば、処理をステップS27に戻すが、そうでなければ転送処理を終了する。これにより、HDD116に記憶されている全ての機密プリントデータ83がRAM114に転送される。
【0085】
一方、ステップS32においては、動作モードが省電力モードから通常モードに切り換わったか否かを判断する。動作モードが省電力モードから通常モードに切り換わったならば、処理をステップS33に進めるが、そうでなければ転送処理を終了する。
【0086】
ステップS33においては、RAM114に機密プリントデータ83Aが記憶されているか否かを判断する。RAM114に機密プリントデータ83Aが記憶されているならば、処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS38に進める。ステップS34においては、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83Aを読み出す。次のステップS35においては、読み出された機密プリントデータ83AをHDD116に転送する。そして、ステップS35において転送した機密プリントデータ83AをRAM114から削除する(ステップS36)。
【0087】
次のステップS37においては、RAM114に機密プリントデータ83Aが記憶されているか否かを判断する。RAM114に機密プリントデータ83Aが記憶されているならば、処理をステップS34に戻し、そうでなければ処理をステップS38に進める。ステップS38においては、RAM114に記憶されているユーザデータ81を削除し、処理を転送処理に戻す。
【0088】
図9は、第1の実施の形態における部分転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。部分転送処理は、図8に示した転送処理のステップS31において実行される処理である。図9を参照して、ステップS41においては、HDD116に記憶されている履歴情報に含まれる履歴レコードを読み出す。次のステップS42においては、読み出された履歴レコードに基づいてユーザ識別情報ごとに予測時間を算出する。ユーザ識別情報ごとに履歴レコードに含まれる受信日時および出力日時に基づいて蓄積時間を算出し、算出された蓄積時間の平均を予測時間とする。次のステップS43においては、ユーザ識別情報をステップS42において算出された予測時間の短い順に並び替える。
【0089】
ステップS44においては、予測時間が最短のユーザ識別情報を選択する。次のステップS45においては、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちステップS44において選択されたユーザ識別情報を含む全ての機密プリントデータ83を処理対象に設定する。次のステップS46においては、処理対象とされた全ての機密プリントデータをデータ量の小さい順に並び替える。
【0090】
ステップS47においては、データ量が最小の機密プリントデータ83を選択する。そして、RAM114に空容量があるか否かを判断する(ステップS48)。ステップS47において選択された機密プリントデータ83を記憶するだけの空容量がRAM114にあるならば処理をステップS49に進めるが、空容量がなければ処理をステップS51に進める。
【0091】
ステップS49においては、ステップS47において選択された機密プリントデータ83をRAM114に転送する。次のステップS50においては、ステップS49においてRAM114に転送された機密プリントデータをHDD116から削除する。ステップS53においては、ステップS45において処理対象に設定された機密プリントデータ83のうちに、未だステップS47において選択されていない機密プリントデータ83が存在するか否かを判断する。未処理の機密プリントデータ83が存在するならば、処理をステップS47に戻すが、そうでなければ処理をステップS54に進める。
【0092】
ステップS54においては、ステップS43において並び換えられたユーザ識別情報のうちで、ステップS44において未だ選択されていないユーザ識別情報が存在するか否かを判断する。未選択のユーザ識別情報が存在するならば、処理をステップS44に戻すが、そうでなければ処理を転送処理に戻す。
【0093】
処理がステップS51に進む場合、RAM114に機密プリントデータ83を記憶するための空容量がなくなった場合である。この場合、残余データリストを生成する(ステップS51)。HDD116に記憶されている機密プリントデータ83Bに含まれるユーザ識別情報の全てを含む残余データリストを生成する。次のステップS52においては、ステップS51において生成された残余データリストをRAM114に記憶し、処理を転送処理に戻す。
【0094】
部分転送処理においては、履歴情報85から算出される平均蓄積時間(予測時間)が短いユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが、予測時間の長いユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータより優先して、RAM114に転送される。動作モードが省電力モードに切り換わった後に、ログインする確率の高いユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータを、RAM114に記憶しておくことができる。
【0095】
図10は、第1の実施の形態における機密プリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。機密プリント処理は、CPU111がROM113、EEPROM115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図10を参照して、CPU111は、ユーザ識別情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS61)。ユーザが操作部105にユーザ識別情報を入力したならばユーザ識別情報を受け付ける。ユーザ識別情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS61でNO)、ユーザ識別情報を受け付けたならば(ステップS61でYES)、処理をステップS62に進める。
【0096】
ステップS62においては、動作モードによって処理を分岐させる。動作モードが省電力モードならば、処理をステップS63に進めるが、動作モードが通常モードならば、処理をステップS78に進める。
【0097】
ステップS63においては、RAM114に記憶されているユーザデータ81を読み出す。次のステップS64においては、認証に成功したか否かを判断する。ユーザが操作部105に入力する個人情報を受け付け、ステップS63において読み出されたユーザデータ81に、ステップS61において受け付けたユーザ識別情報と受け付けられた個人情報とを含むユーザデータが含まれるならばユーザを認証する。認証に成功したならば、処理をステップS65に進めるが、そうでなければ処理をステップS61に戻す。
【0098】
ステップS65においては、RAM114にステップS61において受け付けられたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83Aが記憶されているか否かを判断する。そのような機密プリントデータ83AがRAM114に記憶されているならば、処理をステップS66に進めるが、そうでなければ処理をステップS70に進める。ステップS66においては、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83AのうちステップS61において受け付けられたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83Aを選択する。次のステップS67においては、ステップS66において選択された機密プリントデータ83Aに含まれるプリントデータの画像を形成する。次のステップS68においては、履歴レコード生成処理を実行する。履歴レコード生成処理の詳細は後述する。次のステップS69においては、ステップS66において選択された機密プリントデータをRAM114から削除し、処理をステップS65に戻す。
【0099】
ステップS70においては、RAM114に残余データリストが記憶されているか否かを判断する。RAM114に残余データリストが記憶されているならば処理をステップS71に進めるが、記憶されていなければ処理をステップS85に進める。
【0100】
ステップS71においては、認証ユーザの機密プリントデータ83BがHDD116に記憶されているか否かを判断する。残余データリストにステップS61において受け付けられたユーザ識別情報が含まれるならば、機密プリントデータ83BがHDD116に記憶されているか否かを判断する。残余データリストにステップS61において受け付けられたユーザ識別情報が含まれるならば処理をステップS72に進めるが、そうでなければ処理をステップS85に進める。
【0101】
ステップS72においては、HDD116が読み出し可能な状態に復帰したか否かを判断する。HDD116が復帰するまで待機状態となり(ステップS72でNO)、HDD116が復帰したならば(ステップS72でYES)、処理をステップS73に進める。ステップS73においては、HDD116に記憶された機密プリントデータ83BのうちステップS61において受け付けたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83Bを選択する。
【0102】
次のステップS74においては、ステップS73において選択された機密プリントデータ83Bに含まれるプリントデータの画像を形成する。そして、履歴レコード生成処理を実行し(ステップS75)、ステップS73において選択された機密プリントデータ83BをHDD116から削除する(ステップS76)。
【0103】
ステップS77においては、HDD116にステップS61において受け付けられたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83Bが記憶されているか否かを判断する。ステップS61において受け付けられたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83BがHDD116に記憶されているならば、処理をステップS73に戻すが、そうでなければ処理をステップS85に進める。
【0104】
一方、処理がステップS78に進む場合、動作モードが通常モードの場合である。この場合には、HDD116がデータの読み出しが可能な状態なので、ステップS78においては、HDD116に記憶されているユーザデータ81を読み出す。
【0105】
そして、認証に成功したか否かを判断する。ユーザが操作部105に入力する個人情報を受け付け、ステップS78においてHDD116から読み出されたユーザデータ81に、ステップS61において受け付けたユーザ識別情報と受け付けられた個人情報とを含むユーザデータが含まれるならばユーザを認証する。認証に成功したならば、処理をステップS80に進めるが、そうでなければ処理をステップS61に戻す。
【0106】
ステップS80においては、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちにステップS61において受け付けたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83が記憶されているか否かを判断する。HDD116にステップS61において受け付けたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83が記憶されているならば、処理をステップS81に進めるが、そうでなければ処理をステップS85に進める。
【0107】
ステップS81においては、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちからステップS61において受け付けたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83を選択する。次のステップS82においては、ステップS81において選択された機密プリントデータ83に含まれるプリントデータの画像を形成する。そして、履歴レコード生成処理を実行し(ステップS83)、ステップS81において選択された機密プリントデータ83をHDD116から削除し(ステップS84)、処理をステップS80に戻す。
【0108】
ステップS85においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作部105に操作が入力されたならば、処理をステップS86に進めるが、そうでなければ処理をステップS88に進める。ステップS88においては、最後に操作を受け付けてから所定時間が経過したか否かを判断する。操作部105に操作が入力されることなく所定の時間が経過したならば、処理をステップS89に進めるが、そうでなければ処理をステップS85に戻す。
【0109】
ステップS86においては、ステップS85において受け付けられた操作がログアウト指示か否かを判断する。ステップS85において受け付けられた操作がログアウト指示ならば、処理をステップS89に進めるが、そうでなければ処理をステップS87に進める。ステップS87においては、ステップS85において受け付けた操作に対応する処理を実行し、処理をステップS85に戻す。ステップS89においては、ログアウトし、機密プリント処理を終了する。
【0110】
図11は、履歴レコード生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。履歴レコード生成処理は、図10に示した機密プリント処理のステップS68、ステップS75およびステップS83において、機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像が形成された後に実行される処理であり、画像形成の対象となった機密プリントデータに対する履歴レコードを生成する処理である。ここでは、画像形成の対象となった機密プリントデータを、処理対象機密プリントデータという。
【0111】
図11を参照して、ステップS101において、現在の日時を検出する。検出される日時は、処理対象機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を形成した出力日時である。次のステップS102においては、処理対象機密プリントデータに関連付けて記憶されている受信日時を取得する。そして、図10のステップS61において受け付けたユーザ識別情報を取得する(ステップS103)。
【0112】
次のステップS104においては、ステップS101において検出された出力日時と、ステップS102において取得された受信日時と、ステップS103において取得されたユーザ識別情報を含む履歴レコードを生成する。次のステップS105においては、ステップS104において生成された履歴レコードをHDD116に記憶されている履歴情報85に追加し、処理を終了する。
【0113】
<転送部の変形例>
第1の実施の形態における転送部65は、比較部67によってHDD116に記憶されている機密プリントデータ83のデータ量とユーザデータ81との合計がRAM114の空容量より大きい場合に、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83の一部をRAM114に転送するために、予測時間の短いユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83Aを優先してRAM114に転送するようにした。
【0114】
変形例における転送部65は、ユーザ識別情報に関係なく、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちからデータ量の小さいものを優先してRAM114に転送するようにしたものである。具体的には、転送部65は、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83をデータ量の小さい順に選択し、RAM114の空容量がなくなるまで、選択した機密プリントデータ83をRAM114に転送する。転送部65は、機密プリントデータ83をRAM114に転送するごとに、転送された機密プリントデータ83をHDD116から削除する。変形例における転送部65は、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちからデータ量の小さいものを優先してRAM114に転送するので、できるだけ多くの機密プリントデータ83をRAM114に転送することができる。このため、ログインユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータがRAM114に記憶される確率を高くすることができる。
【0115】
なお、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちから受信日時が後のものを、先のものより優先してRAM114に転送するようにしてもよいし、受信日時が先のものを、後のものより優先してRAM114に転送するようにしてもよい。
【0116】
以上説明したように第1の実施の形態におけるMFP100は、通常モードの場合に機密プリントデータをHDD116に記憶し、動作モードが省電力モードに切り換えられると、HDD116に記憶されているユーザデータ81と機密プリントデータ83とをRAM114に転送し、ユーザがMFP100にログインすると、動作モードが省電力モードから通常モードに切り換えられ、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83のうちログインしたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像が形成される。ユーザは、ユーザ識別情報とパスワードとを入力すれば、機密プリントデータの画像が形成されるので、操作が容易である。また、HDD116の起動時間は、画像形成部30の起動時間よりも長いので、HDD116が起動する前に機密プリントデータ83の画像を形成することができる。このため、MFP100が省電力モードのときにユーザがログインしてから機密プリントデータの画像が形成されるまでの時間を短くすることができる。
【0117】
また、機密プリントデータをMFP100に送信してから画像形成するまでの蓄積時間の短いユーザは、次にMFP100にログインする確率が高い。履歴情報に基づいて、ユーザ毎に予測時間を算出し、予測時間が短いユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータを優先してRAM114に転送するようにしたので、画像形成の対象となる確率の高い機密プリントデータをRAM114に転送することができる。
【0118】
また、HDD116に記憶されている複数の機密プリントデータのデータ量がRAM114の空容量より大きい場合、複数の機密プリントデータのうちからデータ量の小さい順にRAM114に転送するので、RAM114に記憶する機密プリントデータの数をできる限り多くすることができる。
【0119】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態における機密プリントデータは、ユーザ識別情報とプリントデータとを含むものであった。第2の実施の形態における機密プリントデータは、パスワードとプリントデータとを含むようにしたものである。以下、第1の実施の形態におけるMFP100と異なる部分を主に説明する。
【0120】
図12は、第2の実施の形態における機密プリントデータのフォーマットの一例を示す図である。図12を参照して、機密プリントデータは、パスワードの項目と、プリントデータの項目とを含む。パスワードの項目に設定されるパスワードは、PCを操作するユーザが、MFP100にプリントデータを送信するときにPCに入力するパスワードである。
【0121】
図13は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。図13を参照して、図2に示したブロック図と異なる点は、履歴記憶部57が削除された点、機密プリント受信部51、認証部53、機密プリント部55および転送部65が機密プリント受信部51A、認証部53A、機密プリント部55Aおよび転送部65Aにそれぞれ変更された点である。その他の機能は、図2に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0122】
<通常モードの場合>
機密プリント受信部51Aは、ネットワークI/F118がネットワークに接続されたPCから機密プリントデータを受信すると、ネットワークI/F118から機密プリントデータを取得する。機密プリント受信部51Aは、ネットワークI/F118が機密プリントデータを受信すると、機密プリントデータが受信された受信日時と、機密プリントデータを送信してきたPCを識別するための装置識別情報とを取得する。機密プリント受信部51Aは、モード切換部61から通常切換信号が入力された後の通常モードにおいては、取得された機密プリントデータを、取得された受信日時と、装置識別情報と関連付けてHDD116に記憶する。これにより、機密プリントデータ83がHDD116に記憶される。受信日時と装置識別情報とは、機密プリントデータ83に付加してHDD116に記憶することにより、機密プリントデータを受信日時および装置識別情報と関連付けてHDD116に記憶する。
【0123】
認証部53Aは、ユーザが操作部105に入力する機密プリント指示が入力される。認証部53Aは、モード切換部61から通常切換信号が入力された後の通常モードにおいて、操作部105から機密プリント指示が入力されると、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83に基づいて通常機密プリント一覧画面を生成し、表示部103に表示する。
【0124】
図14は、通常機密プリント一覧画面の一例を示す図である。図14を参照して、通常機密プリント一覧画面131は、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83ごとに、ファイル名と、送信元と、送信日時と、を表示する。ファイル名は、機密プリントデータ83のデータ識別情報であり、送信元は、機密プリントデータ83を送信してきたPCの装置識別情報であり、機密プリント受信部51によって、送信元のPCの装置識別情報を、機密プリントデータ83に付加してHDD116に記憶されている。送信日時は、機密プリントデータ83が受信された受信日時であり、機密プリント受信部51Aによって、機密プリントデータ83と関連付けてHDD116に記憶されている。ここでは、ファイル名が「ファイルA」、「ファイルB」、「ファイルC」、「ファイルD」、「ファイルE」の5つの機密プリントデータ83が、HDD116に記憶されている場合を例に示している。
【0125】
認証部53Aは、ユーザが、通常機密プリント一覧画面に表示された5つのファイル名のいずれかを指示すれば、そのファイル名が選択されたことを示すために、反転表示される。図14においては、ファイル名「ファイルA」が選択された例を示している。
【0126】
図13に戻って、認証部53Aは、機密プリント一覧画面131において、ユーザによりファイル名「ファイルA」が選択されると、パスワード画面を表示部103に表示する。認証部53Aは、ユーザがパスワード画面に従って操作部105にパスワードを入力すると、入力されたパスワードを操作部105から取得する。認証部53Aは、HDD116に記憶された機密プリントデータ83のうちからユーザにより選択されたファイル名で特定される機密プリントデータ83を抽出し、操作部105から入力されたパスワードと、抽出した機密プリントデータ83に含まれるパスワードとが一致するか否かを判断する。認証部53Aは、操作部105から入力されたパスワードと、抽出した機密プリントデータ83に含まれるパスワードとが一致するならば、ファイル名を含むプリント指示を機密プリント部55に出力する。
【0127】
機密プリント部55Aは、認証部53Aからプリント指示が入力されることに応じて、HDD116に記憶された機密プリントデータ83のうちから入力されたプリント指示に含まれるファイル名で特定される機密プリントデータ83を読み出し、読み出された機密プリントデータ83に含まれるプリントデータの画像を画像形成部30に形成させる。機密プリント部55Aは、画像形成された機密プリントデータ83を、HDD116から削除する。
【0128】
転送部65Aは、比較部67から比較結果が入力され、モード切換部61から通常切換信号および省電力切換信号のいずれかが入力される。転送部65Aは、比較部67から入力される比較結果が機密プリントデータ83のデータ量がRAM114の空容量以下であることを示す場合、モード切換部61から省電力切換信号が入力されると、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83をRAM114に転送する。転送部65Aは、HDD116に記憶された機密プリントデータ83をRAM114に転送した後に、HDD116Aから機密プリントデータ83を削除する。
【0129】
転送部65Aは、比較部67から入力される比較結果が機密プリントデータ83のデータ量がRAM114の空容量より大きいことを示す場合、モード切換部61から省電力切換信号が入力されると、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83をデータ量の小さい順に選択し、RAM114の空容量がなくなるまで、選択した機密プリントデータ83をRAM114に転送する。転送部65Aは、機密プリントデータ83をRAM114に転送するごとに、転送された機密プリントデータ83をHDD116から削除する。転送部65Aは、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちからデータ量の小さいものを優先してRAM114に転送するので、できるだけ多くの機密プリントデータ83をRAM114に転送することができる。このため、MFP100を操作するユーザが送信した機密プリントデータがRAM114に記憶されている確率を高くすることができる。
【0130】
転送部65Aは、RAM114に機密プリントデータ83を記憶するための空容量がなくなると、RAM114に転送さることなくHDD116に記憶されている機密プリントデータ83Bに基づいて、残余データテーブルを生成し、生成された残余データテーブルをRAM114に転送する。
【0131】
図15は、残余データテーブルの一例を示す図である。図15を参照して、残余データテーブル95は、機密プリントデータ83Bごとの残余データレコードを含む。残余データレコードは、ファイル名の項目と、送信元の項目と、受信日時の項目と、を含む。残余データレコードのファイル名の項目には、機密プリントデータ83Bのファイル名が設定され、送信元の項目には、機密プリントデータ83Bに付加されている送信元の装置識別情報が設定され、受信日時の項目には、機密プリントデータ83Bに付加されている受信日時が設定される。
【0132】
転送部65Aは、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83の全部または一部をRAM114に転送している間、一部を送信する場合には残余データテーブルをRAM114に転送している間、転送中信号を電力制御部63に出力する。HDD116に記憶されている機密プリントデータ83の全部または一部が、RAM114に転送されるまで、電力制御部63が、HDD116およびCPU111に供給する電力を遮断しないようにするためである。
【0133】
図16(A)は、第2の実施形態の通常モードにおけるHDDに記憶されるデータの一例を示す図である。図16(B)は、第2の実施形態の省電力モードにおけるRAMに記憶されるデータの一例を示す図である。
図16(A)を参照して、HDD116は、機密プリントデータ83を記憶する。図6(B)を参照して、RAM114は、図16(A)に示すHDD116に記憶されていた機密プリントデータ83のうち一部の機密プリントデータ83Aと、残余データテーブル95とが記憶される。また、RAM114は、リザーブ領域93を含む。残余データテーブル95は、図16(A)に示すHDD116に記憶されていた機密プリントデータ83のうちRAM114に転送された機密プリントデータ83Aを除く機密プリントデータ83Bに基づいて生成される。このため、図16(A)に示すHDD116に記憶されていた機密プリントデータ83の全部がRAM114に転送される場合には、残余データテーブル95はRAM114に記憶されない。リザーブ領域93は、省電力モードで受信されたプリントデータ、機密プリントデータまたはファクシミリデータを一時記憶するための領域である。
【0134】
<省電力モードの場合>
機密プリント受信部51Aは、モード切換部61から省電力切換信号が入力された後の省電力モードにおいては、ネットワークI/F118により機密プリントデータが受信されると、ネットワークI/F118から取得された機密プリントデータを、装置識別情報および受信日時と関連付けてRAM114に記憶する。装置識別情報は、機密プリントデータを送信してきたPCを識別するための情報であり、受信日時は、機密プリントデータが受信された日時である。これにより、機密プリントデータ83がRAM114のリザーブ領域93に記憶される。受信日時と装置識別情報とは、機密プリントデータ83に付加してRAM114に記憶することにより、機密プリントデータを受信日時および装置識別情報と関連付ける。
【0135】
認証部53Aは、モード切換部61から省電力切換信号が入力された後の省電力モードにおいては、操作部105から機密プリント指示が入力されると、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83Bおよび残余データテーブル95に基づいて省電力機密プリント一覧画面を生成し、表示部103に表示する。
【0136】
図17は、省電力機密プリント一覧画面の一例を示す図である。図17を参照して、省電力機密プリント一覧画面133は、第1領域135と第2領域137とを含み、第1領域135と第2領域137とは、分離して表示される。
【0137】
第1領域135は、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83Aごとに、ファイル名と、送信元と、送信日時と、を表示する領域である。ファイル名は、機密プリントデータ83Aのデータ識別情報であり、送信元は、機密プリントデータ83Aを送信してきたPCの装置識別情報であり、機密プリント受信部51Aによって、送信元のPCの装置識別情報を、機密プリントデータ83Aに付加してRAM114に記憶される。送信日時は、機密プリントデータ83Aが受信された受信日時であり、機密プリント受信部51Aによって、機密プリントデータ83Aと関連付けてRAM114に記憶されている。ここでは、ファイル名が「ファイルA」、「ファイルB」、「ファイルC」の3つの機密プリントデータ83Aが、RAM114に記憶されている場合を例に示している。
【0138】
第2領域137は、RAM114に記憶されている残余データテーブル95に基づいて生成され、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83Bごとに、ファイル名と、送信元と、送信日時と、を表示する領域である。ファイル名は、機密プリントデータ83Bのデータ識別情報であり、送信元は、機密プリントデータ83Bを送信してきたPCの装置識別情報であり、送信日時は、機密プリントデータ83Bが受信された受信日時である。ここでは、ファイル名が「ファイルD」および「ファイルE」の2つの機密プリントデータ83Bが、HDD116に記憶されている場合を例に示している。
【0139】
したがって、MFP100を操作するユーザは、省電力機密プリント一覧画面133を見れば、これからプリントしようとする機密プリントデータのファイル名が、第1領域135に表示されていれば、その機密プリントデータがRAM114に記憶されていることを知ることができ、HDD116が復帰するまで待つことなく直ちにプリントすることができるのが分かる。一方、これからプリントしようとする機密プリントデータのファイル名が、第2領域137に表示されていれば、その機密プリントデータがHDD116に記憶されていることを知ることができ、HDD116が復帰するまで待たなければならないことが分かる。
【0140】
認証部53Aは、ユーザが、通常機密プリント一覧画面に表示された5つのファイル名のいずれかを指示すれば、そのファイル名が選択されたことを示すために、反転表示される。図17においては、ファイル名「ファイルA」が選択された例を示している。
【0141】
図13に戻って、認証部53Aは、省電力機密プリント一覧画面においてユーザが操作部105を操作することによりファイル名が選択されると、選択されたファイル名が操作部105から入力される。認証部53Aは、操作部105からファイル名が入力されると、入力されたファイル名の機密プリントデータからパスワードを取得する。
【0142】
認証部53Aは、ユーザにより選択されたファイル名が、省電力機密プリント一覧画面133の第1領域135に表示されたファイル名の場合、RAM114に記憶された機密プリントデータ83Bのうちからユーザにより選択されたファイル名で特定される機密プリントデータ83Bを抽出し、抽出された機密プリントデータ83Bに含まれるパスワードを取得する。認証部53Aは、パスワードを取得すると、パスワード画面を表示部103に表示し、ユーザがパスワード画面に従って操作部105に入力するパスワードを取得する。認証部53Aは、ユーザにより入力されたパスワードと、機密プリントデータ83Bに含まれるパスワードとが一致するか否かを判断し、両者が一致するならば、ファイル名を含むプリント指示を機密プリント部55Aに出力する。
【0143】
機密プリント部55Aは、認証部53Aからプリント指示が入力されることに応じて、RAM114に記憶された機密プリントデータ83Aのうちから入力されたプリント指示に含まれるファイル名で特定される機密プリントデータ83Aを読み出し、読み出された機密プリントデータ83Aに含まれるプリントデータの画像を画像形成部30に形成させる。機密プリント部55Aは、画像形成された機密プリントデータ83Aを、RAM114から削除する。
【0144】
一方、認証部53Aは、ユーザにより選択されたファイル名が、省電力機密プリント一覧画面133の第2領域137に表示されたファイル名の場合、ファイル名を含むパスワード検出指示を機密プリント部55Aに出力する。
【0145】
機密プリント部55Aは、認証部53Aからパスワード検出指示が入力されることに応じて、HDD116に記憶された機密プリントデータ83Bのうちから入力されたプリント指示に含まれるファイル名で特定される機密プリントデータ83Bを読み出し、読み出された機密プリントデータ83Bに含まれるパスワードを、認証部53Aに出力する。機密プリント部55Aが、認証部53Aからパスワード検出指示が入力される段階において、HDD116がデータの読み出し可能な状態に復帰していない場合は、HDD116がデータの読み出し可能な状態に復帰した後に、機密プリントデータ83Bを読み出すことになる。
【0146】
認証部53Aは、機密プリント部55Aからパスワードが入力されると、パスワード画面を表示部103に表示し、ユーザがパスワード画面に従って操作部105に入力するパスワードを取得する。認証部53Aは、機密プリント部55Aから入力されるパスワードとユーザがパスワード画面に入力したパスワードとを比較し、両者が一致するならば、ユーザにより選択されたファイル名を含むプリント指示を機密プリント部55Aに出力する。
【0147】
機密プリント部55Aは、認証部53Aからプリント指示が入力されることに応じて、HDD116に記憶された機密プリントデータ83Bのうちから入力されたプリント指示に含まれるファイル名で特定される機密プリントデータ83Bを読み出し、読み出された機密プリントデータ83Bに含まれるプリントデータの画像を画像形成部30に形成させる。機密プリント部55Aは、画像形成された機密プリントデータ83Bを、HDD116から削除する。
【0148】
転送部65Aは、モード切換部61から通常切換信号が入力された後、HDD116が読み出し可能な状態に復帰すると、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83AをHDD116に転送する。そして、転送部65Aは、機密プリントデータ83Aおよび残余データテーブル95をRAM114から削除する。
【0149】
図18は、第2の実施の形態における転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。転送処理は、CPU111がROM113、EEPROM115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図18を参照して、図8に示した転送処理と異なる点は、ステップS22およびステップS38が削除された点、ステップS31がステップS31Aに変更された点である。その他の処理は、図8に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。ステップS31Aにおいては、部分転送処理を実行する。
【0150】
図19は、第2の実施の形態における部分転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。部分転送処理は、図18に示したステップS31Aにおいて実行される処理である。図19を参照して、CPU111は、HDD116に記憶されている全ての機密プリントデータ83をデータ量の小さい順に並び替える(ステップS201)。次のステップS202においては、データ量が最小の機密プリントデータ83を選択する。そして、RAM114に空容量があるか否かを判断する(ステップS203)。ステップS202において選択された機密プリントデータ83を記憶するだけの空容量がRAM114にあるならば処理をステップS204に進めるが、空容量がなければ処理をステップS207に進める。
【0151】
ステップS204においては、ステップS202において選択された機密プリントデータ83をRAM114に転送する。次のステップS203においては、ステップS204においてRAM114に転送された機密プリントデータ83をHDD116から削除する。そして、HDD116に機密プリントデータ83が記憶されているか否かを判断する(ステップS206)。HDD116にステップS202において選択されていない機密プリントデータ83が記憶されているならば、処理をステップS202に戻すが、そうでなければ処理を転送処理に戻す。
【0152】
処理がステップS207に進む場合、RAM114に機密プリントデータ83を記憶するための空容量がなくなった場合である。この場合、残余データテーブルを生成する(ステップS207)。HDD116に記憶されている機密プリントデータ83Bごとに、残余データレコードを生成し、残余データレコードを残余データテーブルに追加する。具体的には、ファイル名の項目に機密プリントデータ83Bのファイル名を設定し、送信元の項目に機密プリントデータ83Bに付加されている送信元の装置識別情報を設定し、受信日時の項目に機密プリントデータ83Bに付加されている受信日時を設定することによって、残余データレコードを生成する。次のステップS208においては、生成された残余データテーブルをRAM114に記憶し、処理を転送処理に戻す。
【0153】
図20は、第2の実施の形態における機密プリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。機密プリント処理は、CPU111がROM113、EEPROM115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0154】
図20を参照して、ステップS211においては、機密プリント指示を受け付けたか否かを判断する。機密プリント指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS211でNO)、機密プリント指示を受け付けたならば(ステップS211でYES)、処理をステップS212に進める。換言すれば、機密プリント処理は、ユーザが操作部105に機密プリント指示を入力することを条件に実行される処理である。
【0155】
ステップS212においては、動作モードによって処理を分岐させる。動作モードが省電力モードならば、処理をステップS213に進めるが、動作モードが通常モードならば、処理をステップS229に進める。
【0156】
ステップS213においては、省電力機密プリント一覧画面を生成する。RAM114に記憶されている機密プリントデータ83Aと、RAM114に残余データテーブル95が記憶されているならば、その残余データテーブル95とを用いて、省電力機密プリント一覧画面を生成する。そして、省電力機密プリント一覧画面を表示部103に表示する(ステップS214)。ここでは、図17に示した省電力機密プリント一覧画面133が表示される場合を例に説明する。
【0157】
次のステップS215においては、省電力機密プリント一覧画面133に含まれるファイル名が選択されたか否かを判断する。ファイル名が選択されるまで待機状態となり(ステップS215でNO)、ファイル名が選択されたならば、処理をステップS216に進める。そして、選択されたファイル名で特定される機密プリントデータがRAM114に記憶されているか否かを判断する(ステップS216)。選択されたファイル名が、省電力機密プリント一覧画面133の第1領域135に含まれるならばRAM114に記憶されていると判断する。選択されたファイル名で特定される機密プリントデータがRAM114に記憶されていると判断すると処理をステップS217に進めるが、そうでなければ処理をステップS222に進める。
【0158】
ステップS217においては、パスワード画面を表示部103に表示する。そして、パスワードを受け付けるまで待機状態となり(ステップS218でNO)、パスワードを受け付けたならば(ステップS218でYES)、処理をステップS219に進める。ステップS219においては、認証に成功したか否かを判断する。RAM114に記憶されている機密プリントデータ83AのうちからステップS215において選択されたファイル名で特定される機密プリントデータ83Aを抽出し、抽出された機密プリントデータ83Aに含まれるパスワードと、ステップS218でユーザにより入力されたパスワードとが一致するならば、認証に成功すると判断する。認証に成功したならば処理をステップS220に進めるが、そうでなければ処理をステップS237に進める。
【0159】
ステップS220においては、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83AのうちからステップS215において受け付けられたファイル名で特定される機密プリントデータ83Aを選択する。そして、選択された機密プリントデータ83Aに含まれるプリントデータの画像を形成する(ステップS220)。次のステップS221においては、ステップS215において受け付けられたファイル名で特定される機密プリントデータ83AをRAM114から削除し、処理をステップS237に進める。
【0160】
一方、処理がステップS222に進む場合、ステップS215において選択されたファイル名で特定される機密プリントデータがHDD116に記憶されている場合である。この場合、HDD116がデータの読み出しが可能な状態に復帰するまで待機状態となり(ステップS222でNO)、HDD116が復帰すると(ステップS222でYES)、処理をステップS223に進める。
【0161】
ステップS223においては、ステップS215において受け付けられたファイル名で特定される機密プリントデータ83Bのパスワードを取得する。HDD116に記憶されている機密プリントデータ83BのうちからステップS215において受け付けられたファイル名で特定される機密プリントデータ83Bを選択する。そして、選択された機密プリントデータ83Bに含まれるパスワードを取得する。
【0162】
次のステップS223においては、パスワード画面を表示部103に表示する。そして、パスワードを受け付けるまで待機状態となり(ステップS224でNO)、パスワードを受け付けたならば処理をステップS225に進める。ステップS225においては、認証に成功したか否かを判断する。ステップS223において取得されたパスワードと、ステップS225でユーザにより入力されたパスワードとが一致するならば、認証に成功すると判断する。認証に成功したならば処理をステップS227に進めるが、そうでなければ処理をステップS237に進める。
【0163】
ステップS227においては、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83BのうちからステップS215において受け付けられたファイル名で特定される機密プリントデータ83Bを選択し、選択された機密プリントデータ83Bに含まれるプリントデータの画像を形成する。次のステップS228においては、ステップS215において受け付けられたファイル名で特定される機密プリントデータ83BをHDD116から削除し、処理をステップS237に進める。
【0164】
一方、処理がステップS229に進む場合、動作モードが通常モードの場合である。この場合には、HDD116がデータの読み出しが可能な状態なので、ステップS229においては、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83に基づいて、通常機密プリント一覧画面を生成する。そして、通常機密プリント一覧画面を表示部103に表示する(ステップS230)。ここでは、図14に示した通常機密プリント一覧画面131が表示される場合を例に説明する。
【0165】
次のステップS231においては、通常機密プリント一覧画面131に含まれるファイル名が選択されたか否かを判断する。ファイル名が選択されるまで待機状態となり(ステップS231でNO)、ファイル名が選択されたならば、処理をステップS232に進める。
【0166】
ステップS232においては、パスワード画面を表示部103に表示する。そして、パスワードを受け付けるまで待機状態となり(ステップS233でNO)、パスワードを受け付けたならば処理をステップS234に進める。ステップS234においては、認証に成功したか否かを判断する。HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちからステップS231において選択されたファイル名で特定される機密プリントデータ83を抽出し、抽出された機密プリントデータ83に含まれるパスワードと、ステップS233でユーザにより入力されたパスワードとが一致するならば、認証に成功すると判断する。認証に成功したならば処理をステップS235に進めるが、そうでなければ処理をステップS237に進める。
【0167】
ステップS235においては、HDD116に記憶されている機密プリントデータ83のうちからステップS231において選択されたファイル名で特定される機密プリントデータ83を選択する。そして、選択された機密プリントデータ83に含まれるプリントデータの画像を形成する(ステップS235)。次のステップS236においては、ステップS231において選択されたファイル名で特定される機密プリントデータ83をHDD116から削除し、処理をステップS237に進める。
【0168】
ステップS237〜ステップS241の処理は、図10に示したステップS85〜ステップS89の処理とそれぞれ同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0169】
第2の実施の形態におけるMFP100は、通常モードの場合に機密プリントデータをHDD116に記憶し、動作モードが省電力モードに切り換えられると、HDD116に記憶されているユーザデータ81と機密プリントデータ83とをRAM114に転送し、ユーザがMFP100に機密プリント指示を入力すると、動作モードが省電力モードから通常モードに切り換えられ、RAM114に記憶されている機密プリントデータ83のうちユーザにより指定された機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像が、パスワードが入力されることを条件に形成される。ユーザは、機密プリントデータの指定とパスワードとを入力すれば、機密プリントデータの画像が形成されるので、操作が容易である。また、HDD116の起動時間は、画像形成部30の起動時間よりも長いので、HDD116が起動する前に機密プリントデータ83の画像を形成することができる。このため、MFP100が省電力モードのときにユーザがログインしてから機密プリントデータの画像が形成されるまでの時間を短くすることができる。
【0170】
また、HDD116に記憶されている複数の機密プリントデータのデータ量がRAM114の空容量より大きい場合、複数の機密プリントデータのうちからデータ量の小さい順にRAM114に転送するので、RAM114に記憶する機密プリントデータの数をできる限り多くすることができ、複数のユーザの機密プリントデータが半導体メモリに記憶される確率を高くすることができる。
【0171】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0172】
<付記>
(1) ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、
前記切換手段は、前記操作受付手段により操作が受け付けられることに応じて、動作モードを省電力モードから通常モードに切り換える、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0173】
10 ADF、13 操作パネル、20 原稿読取部、30 画像形成部、40 給紙部、51,51A 機密プリント受信部、53,53A 認証部、55,55A 機密プリント部、57 履歴記憶部、61 モード切換部、63 電力制御部、65,65A 転送部、67 比較部、71 予測部、100 MFP、101 メイン回路、103 表示部、105 操作部、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 EEPROM、116 HDD、117 ファクシミリ部、118 ネットワークI/F部、119 外部記憶装置、119A CD−ROM、121 電源回路、123 スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する半導体メモリと、
画像を形成する画像形成手段と、
データを不揮発的に記憶可能であり、電力が供給されてから記録されたデータを読出し可能となるまでの起動時間が、前記画像形成手段に電力が供給されてから画像形成可能となるまでの起動時間より長い磁気記録装置と、
通常モードと、前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換える切換手段と、
前記通常モードにおいて前記磁気記録装置および前記画像形成手段に電力を供給し、前記省電力モードにおいて前記磁気記録装置および前記画像形成手段に電力を供給しない電力制御手段と、
認証情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、前記通常モードの場合に前記機密プリントデータを前記磁気記録装置に記憶する機密プリント受信手段と、
前記切換手段が動作モードを省電力モードに切り換えた後、前記電力制御手段に前記磁器記録装置に電力を供給させるとともに、前記磁気記録装置に記憶されている機密プリントデータを前記半導体メモリに転送する転送手段と、
前記切換手段が動作モードを省電力モードから通常モードに切り換えた後、前記半導体メモリに前記受信された機密プリントデータが記憶されている場合、該記憶されている機密プリントデータに含まれる認証情報に基づく認証が成功することを条件に、前記機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させる機密プリント手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記機密プリントデータに含まれる前記認証情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報であり、
前記磁気記録装置は、ユーザ識別情報と個別情報とを含むユーザデータを記憶しており、
前記ユーザデータに含まれるユーザ識別情報および個別情報と同一のユーザ識別情報と個別情報が受け付けられることを条件に、ユーザを認証する認証手段をさらに備え、
前記転送手段は、前記切換手段が動作モードを省電力モードに切り換えた後、前記磁気記録装置に記憶されている前記ユーザデータを前記半導体メモリにさらに転送し、
前記機密プリント手段は、前記半導体メモリに記憶されている機密プリントデータのうち前記認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記磁気記録装置に前記受信された機密プリントデータが複数記憶されている場合、複数の機密プリントデータのデータ量と、前記半導体メモリの空容量とを比較する比較手段と、
前記機密プリント受信手段は、前記受信された機密プリントデータを、該機密プリントデータが受信された時刻と関連付けて記憶し、
前記機密プリント手段により前記機密プリントデータに含まれるプリントデータがプリントされると、該機密プリントデータが受信されてから前記機密プリントデータに含まれるプリントデータがプリントされるまでの蓄積時間を、前記機密プリントデータに含まれる認証情報と関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶手段と、をさらに備え、
前記転送手段は、前記記憶された履歴情報に基づいて、認証情報毎に蓄積されることが予測される予測時間を算出する予測手段を含み、
前記転送手段は、前記複数の機密プリントデータのデータ量が、前記半導体メモリの空容量より大きい場合、前記複数の機密プリントデータのうちから前記予測手段により予測された予測時間が短い認証情報に関連付けられた機密プリントデータを優先して前記半導体メモリに転送し、前記複数の機密プリントデータのうち前記半導体メモリに転送されなかった機密プリントデータを前記磁気記録装置に記憶する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記認証情報は、パスワードであり、
前記機密プリント手段は、前記半導体メモリに記憶されている機密プリントデータに含まれる認証情報と同じパスワードが受け付けられることに応じて、前記機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記磁気記録装置に前記受信された機密プリントデータが複数記憶されている場合、複数の機密プリントデータのデータ量と、前記半導体メモリの空容量とを比較する比較手段を、さらに備え、
前記転送手段は、前記複数の機密プリントデータのデータ量が、前記半導体メモリの空容量より大きい場合、前記複数の機密プリントデータのうちからデータ量の小さい順に前記半導体メモリに転送し、前記複数の機密プリントデータのうち前記半導体メモリに転送されなかった機密プリントデータを前記磁気記録装置に記憶する、請求項1、2または4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
データを記憶する半導体メモリと、
画像を形成する画像形成手段と、
データを不揮発的に記憶可能であり、電力が供給されてから記録されたデータを読出し可能となるまでの起動時間が、前記画像形成手段に電力が供給されてから画像形成可能となるまでの起動時間より長い磁気記録装置と、を備えた画像形成装置で実行される機密プリント方法であって、
通常モードと、前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、
前記通常モードにおいて前記磁気記録装置および前記画像形成手段に電力を供給するステップと、
前記省電力モードにおいて前記磁気記録装置および前記画像形成手段に供給する電力を遮断するステップと、
認証情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、前記通常モードの場合に前記機密プリントデータを前記磁気記録装置に記憶するステップと、
前記切り換えるステップにおいて動作モードが通常モードから省電力モードに切り換えられた後、前記磁気記録装置に記憶されている機密プリントデータを前記半導体メモリに転送するステップと、
前記切り換えるステップにおいて動作モードが省電力モードから通常モードに切り換えられた後、前記半導体メモリに前記受信された機密プリントデータが記憶されている場合、該記憶されている機密プリントデータに含まれる認証情報に基づく認証が成功することを条件に、前記機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させるステップと、を含み、
前記電力を遮断するステップは、前記転送ステップにおける転送中は前記磁気記録装置に供給する電力を遮断することなく、電力を供給するステップを含む、機密プリント方法。
【請求項7】
データを記憶する半導体メモリと、
画像を形成する画像形成手段と、
データを不揮発的に記憶可能であり、電力が供給されてから記録されたデータを読出し可能となるまでの起動時間が、前記画像形成手段に電力が供給されてから画像形成可能となるまでの起動時間より長い磁気記録装置と、を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される機密プリントプログラムであって、
通常モードと、前記通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、
前記通常モードにおいて前記磁気記録装置および前記画像形成手段に電力を供給するステップと、
前記省電力モードにおいて前記磁気記録装置および前記画像形成手段に供給する電力を遮断するステップと、
認証情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、前記通常モードの場合に前記機密プリントデータを前記磁気記録装置に記憶するステップと、
前記切り換えるステップにおいて動作モードが通常モードから省電力モードに切り換えられた後、前記磁気記録装置に記憶されている機密プリントデータを前記半導体メモリに転送するステップと、
前記切り換えるステップにおいて動作モードが省電力モードから通常モードに切り換えられた後、前記半導体メモリに前記受信された機密プリントデータが記憶されている場合、該記憶されている機密プリントデータに含まれる認証情報に基づく認証が成功することを条件に、前記機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させるステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記電力を遮断するステップは、前記転送ステップにおける転送中は前記磁気記録装置に供給する電力を遮断することなく、電力を供給するステップを含む、機密プリントプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−6309(P2012−6309A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145445(P2010−145445)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】