説明

画像形成装置、画像形成プログラム、保守管理装置、保守管理プログラム、及び保守管理システム

【課題】不具合の状態を的確に表す情報を送信できる画像形成装置及び画像形成プログラムを提供する。
【解決手段】
画像を形成するために実行される制御プログラムが更新された更新時期を表す情報を記憶する第1記憶手段と、制御プログラムの実行により生じる不具合を検知する検知手段と、検知手段の検知した不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性の有無を、第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期と不具合の発生した発生時期とに基づいて判定する第1判定手段と、可能性が有ると第1判定手段が判定すると、可能性の有無を含む不具合の状態を表す状態情報を送信する送信手段とを備える。これによれば、不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の有無を精度良く判定できるだけでなく、判定した可能性の有無で不具合の状態を的確に表す情報を送信できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成プログラム、保守管理装置、保守管理プログラム、及び保守管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、事務機器を快適に利用可能な状態に維持できる事務機器管理システムが広く知られている(例えば、特許文献1)。
この事務機器管理システムは、異常発生を知らせる情報を送信する事務機器と、事務機器の異常発生を知らせる情報を受信すると、受信した情報に対応するマシン設定情報を返信して該事務機器を管理するサーバ装置とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−038347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的とするところは、不具合の状態を的確に表す情報を送信できる画像形成装置及び画像形成プログラム、並びに不具合に対する対処方法を早期かつ容易に特定できる保守管理装置、保守管理プログラム、及び保守管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像形成装置は、画像を形成するために実行される制御プログラムが更新された更新時期を表す情報を記憶する第1記憶手段と、制御プログラムの実行により生じる不具合を検知する検知手段と、検知手段の検知した不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性の有無を、第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期と不具合の発生した発生時期とに基づいて判定する第1判定手段と、可能性が有ると第1判定手段が判定すると、可能性の有無を含む不具合の状態を表す状態情報を送信する送信手段とを備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成において、第1判定手段は、更新された制御プログラムが試験的に実行された時期に、不具合の発生した時期が含まれる場合に、不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が有ると判定する構成を採用できる。
【0007】
上記構成において、第1判定手段は、更新された制御プログラムが最初に実行された時期に、不具合の発生した時期が含まれる場合に、不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が有ると判定する構成を採用できる。
【0008】
上記構成において、第1判定手段は、制御プログラムが更新された後から予め定める時間を経過するまでの時期に、不具合の発生した時期が含まれる場合に、不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が有ると判定する構成を採用できる。
【0009】
上記構成において、検知手段が不具合を検知した検知時期を表す情報を記憶する第2記憶手段と、第2記憶手段が記憶する情報で表される時期に検知された不具合が更新時期よりも前の時期に発生した回数に基づいて、可能性の高低を判定する第2判定手段とを更に備え、送信手段は、可能性が有ると第1判定手段が判定すると、第2判定手段が判定した可能性の高低を含む不具合の状態を表す状態情報を送信する構成を採用できる。
【0010】
上記構成において、第2判定手段は、更新時期よりも前の時期に不具合が検知されていない場合に、不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が高いと判定する構成を採用できる。
【0011】
上記構成において、第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期は、制御プログラムが更新された更新時刻で表され、第2記憶手段が記憶する情報で表される検知時期は、不具合が検知された検知時刻で表され、更新時期よりも前の時期に発生した不具合は、更新時刻から予め定める時間だけ早い時刻までの期間に発生した不具合を含む構成を採用できる。
【0012】
上記構成において、第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期は、更新されるまでに制御プログラムが実行された総実行回数で表され、第2記憶手段が記憶する情報で表される検知時期は、不具合が検知されるまでに制御プログラムが実行された総実行回数で表され、更新時期よりも前の時期に発生した不具合は、更新時の総実行回数から予め定める回数だけ少ない総実行回数までにおいて発生した不具合を含む構成を採用できる。
【0013】
上記構成において、第2判定手段は、第2記憶手段が記憶する情報で表される時期に検知された不具合が更新時期よりも後の時期において発生した発生頻度が、更新時期よりも前の時期の発生頻度よりも高い場合に、不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が高いと判定する構成を採用できる。
【0014】
上記構成において、第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期は、制御プログラムが更新された更新時刻で表され、第2記憶手段が記憶する情報で表される検知時期は、不具合が検知された検知時刻で表され、更新時期よりも前の時期における発生頻度は、更新時刻から予め定める時間だけ早い時刻までの期間に不具合が発生した頻度を含み、更新時期よりも後の時期における発生頻度は、更新時刻から予め定める時間だけ遅い時刻までの期間に不具合が発生した頻度を含む構成を採用できる。
【0015】
上記構成において、第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期は、更新されるまでに制御プログラムが実行された総実行回数で表され、第2記憶手段が記憶する情報で表される検知時期は、不具合が検知されるまでに制御プログラムが実行された総実行回数で表され、更新時期よりも前の時期において不具合が発生した発生頻度は、更新時の総実行回数から予め定める回数だけ少ない総実行回数までの期間に不具合が発生した頻度を含み、更新時期よりも後の時期において不具合が発生した発生頻度は、更新時の総実行回数から予め定める回数だけ多い総実行回数までの期間に不具合が発生した頻度を含む構成を採用できる。
【0016】
上記構成において、画像を形成する形成手段と、制御プログラムを実行することで、形成手段を制御する制御実行手段とを更に備え、検知手段は、制御実行手段により制御された形成手段に生じる不具合を検知する構成を採用できる。
【0017】
上記構成において、画像を印刷される印刷媒体を搬送する搬送手段と、搬送手段による印刷媒体の搬送を検出する検出手段とを更に備え、形成手段は、搬送手段によって搬送される印刷媒体に画像を印刷し、制御実行手段は、制御プログラムの実行により形成手段及び搬送手段のいずれか1つ以上を制御し、
検知手段は、検出手段の検出結果に基づいて、形成手段及び搬送手段のいずれか1つ以上における印刷媒体の詰まりを検知する構成を採用できる。
【0018】
上記構成において、第1記憶手段は、制御プログラムと制御プログラムの更新時期を表す情報と関連付けて記憶し、第1記憶手段が記憶する制御プログラムよりも新しい版の制御プログラムを受信する受信手段と、受信手段が受信した制御プログラムで、第1記憶手段に記憶された制御プログラムと更新時期を表す情報とを更新する更新手段とを備える構成を採用できる。
【0019】
上記構成において、送信手段は、可能性が無いと第1判定手段が判定した不具合の発生回数が予め定める回数を超えた場合、及び不具合の発生頻度が予め定める頻度を超えた場合のいずれか1つ以上の場合に、不具合の状態を表す状態情報を送信する構成を採用できる。
【0020】
本発明に係る画像形成プログラムは、コンピュータを、画像を形成するために実行される制御プログラムが更新された更新時期を表す情報を記憶する第1記憶手段と、制御プログラムの実行により生じる不具合を検知する検知手段と、検知手段の検知した不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性の有無を、第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期と不具合の発生した発生時期とに基づいて判定する第1判定手段と、可能性が有ると第1判定手段が判定すると、不具合の状態を表す状態情報を送信する送信手段に対して、可能性の有無を含む状態情報を送信するよう制御する制御実行手段として機能させる構成を採用できる。
【0021】
本発明に係る保守管理装置は、画像を形成するために実行される制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の有無を含む不具合の状態を表す状態情報を受信する受信手段と、制御プログラムを実行する画像形成装置に生じ得る不具合の状態を表す状態情報と、不具合に対する対処方法を表す対処情報とを関連付けて記憶する対処記憶手段と、受信手段が受信した状態情報と対処記憶手段が関連付けて記憶した対処情報を特定する対処特定手段と、対処特定手段が特定した対処情報を、画像形成装置及び画像形成装置の保守管理を担当する担当者によって使用される端末装置のいずれか1つ以上へ送信する送信手段とを備えることを特徴としている。
【0022】
本発明に係る保守管理プログラムは、コンピュータを、画像を形成するために実行される制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の有無を含む不具合の状態を表す状態情報を受信する受信手段と、制御プログラムを実行する画像形成装置に生じ得る不具合の状態を表す状態情報と、不具合に対する対処方法を表す対処情報とを関連付けて記憶する対処記憶手段と、受信手段が受信した状態情報と対処記憶手段が関連付けて記憶した対処情報を特定する対処特定手段と、
対処特定手段が特定した対処情報を、画像形成装置及び画像形成装置の保守管理を担当する担当者によって使用される端末装置のいずれか1つ以上へ送信する送信手段として機能させることを特徴としている。
【0023】
本発明に係る保守管理システムは、画像を形成するために実行される制御プログラムが更新された更新時期を表す情報を記憶する第1記憶手段と、制御プログラムの実行により生じる不具合を検知する検知手段と、検知手段の検知した不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性の有無を、第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期と不具合の発生した発生時期とに基づいて判定する第1判定手段と、制御プログラムを実行する画像形成装置に生じ得る不具合の状態を表す状態情報と、不具合に対する対処方法を表す対処情報とを関連付けて記憶する対処記憶手段と、可能性が有ると第1判定手段が判定すると、第1判定手段が判定した可能性の有無を含む状態情報と対処記憶手段が関連付けて記憶した対処情報を特定する対処特定手段と、対処特定手段が特定した対処情報が表す対処を通知する通知手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の構成によれば、制御プログラムの更新時期と不具合の発生時期とに基づいて不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の有無を精度良く判定できるだけでなく、判定した可能性の有無で不具合の状態を的確に表す情報を送信できる。
【0025】
請求項2の構成によれば、制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の有無を試験時期に基づいて精度良く判定できる。
【0026】
請求項3の構成によれば、更新後における最初の実行時期に生じた不具合であるか否かに基づいて、制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の有無を精度良く判定できる。
【0027】
請求項4の構成によれば、経年劣化により生じる不具合と制御プログラムの更新によって生じた可能性の有る不具合とを精度良く判定できる。
【0028】
請求項5の構成によれば、更新時期よりも前における不具合の発生回数に基づいて不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の高低を判定できるだけでなく、判定した可能性の高低で不具合の状態を的確に表す情報を送信できる。
【0029】
請求項6の構成によれば、不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の高低を精度良く判定できる。
【0030】
請求項7の構成によれば、時間の経過に伴って発生する不具合の影響を排除して、制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の高低を精度良く判定できる。
【0031】
請求項8の構成によれば、画像の形成した回数の増加に伴って発生する不具合の影響を排除して、制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の高低を精度良く判定できる。
【0032】
請求項9の構成によれば、更新時期よりも前における不具合の発生頻度と、更新時期よりも後における不具合の発生頻度との差異に基づいて、不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の高低を精度良く判定できる。
【0033】
請求項10の構成によれば、時間の経過に伴って発生する不具合の影響を排除して、制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の高低を精度良く判定できる。
【0034】
請求項11の構成によれば、画像の形成した回数の増加に伴って発生する不具合の影響を排除して、制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の高低を精度良く判定できる。
【0035】
請求項12の構成によれば、形成手段に生じた不具合が、形成手段の制御に用いられる制御プログラムの更新により生じた不具合である可能性について精度良く判定できる。
【0036】
請求項13の構成によれば、印刷媒体の詰まりが、印刷媒体の搬送又は印刷媒体への印刷を制御する制御プログラムの更新により生じた不具合である可能性について精度良く判定できる。
【0037】
請求項14の構成によれば、受信したプログラムで制御プログラムを効率良く更新できる。
【0038】
請求項15の構成によれば、制御プログラムの更新により生じた不具合である可能性が有る場合に、そうでない場合と比べて、可能性の有無で不具合の状態を的確に表す情報を早期かつ効率的に送信できる。
【0039】
請求項16の構成によれば、制御プログラムの更新時期と不具合の発生時期とに基づいて不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の有無を精度良く判定できるだけでなく、判定した可能性の有無で不具合の状態を的確に表す情報を送信できる。
【0040】
請求項17の構成によれば、不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の有無に基づいて、不具合に対する対処方法を早期かつ容易に特定できるだけでなく、特定した対処方法を早期に送信できる。
【0041】
請求項18の構成によれば、不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の有無に基づいて、不具合に対する対処方法を早期かつ容易に特定できるだけでなく、特定した対処方法を早期に送信できる。
【0042】
請求項19の構成によれば、制御プログラムの更新時期と不具合の発生時期とに基づいて不具合が制御プログラムの更新によって生じた可能性の有無を精度良く判定すると共に、可能性の有無に基づいて容易に不具合に対する対処方法を特定できるだけでなく、特定した対処方法を早期に通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の画像形成装置及び保守管理装置を備えた保守管理システムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】画像形成装置を備える保守管理システム1の処理順序の一例を表すシーケンス図である。
【図3】画像形成装置を備える保守管理システム1の処理順序の他例を表すシーケンス図である。
【図4】画像形成装置を備える保守管理システム1の処理順序の他例を表すシーケンス図である。
【図5】画像形成装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図6】制御部の一構成例を表す機能ブロック図である。
【図7】画像形成装置が実行する画像形成処理の一例を表すフローチャートである。
【図8】第1管理装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図9】第1管理装置が実行する第1管理処理の一例を表すフローチャートである。
【図10】実施例2における判定部の一構成例を表す機能ブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0045】
図1は、本発明の画像形成装置及び保守管理装置を備えた保守管理システムの一実施形態を示す構成図である。
図1に示す保守管理システム1は、通信網10から30、携帯電話機器111及び112、基地局113、固定電話機器114、端末機器115、第1管理装置160、第2管理装置170、並びに画像形成装置200から400を備える。尚、図1に示す保守管理システム1は、3つの画像形成装置200から400を備えるとして説明するが、これに限定されるのではなく、例えば、唯1つ、2つ、又は4つ以上の画像形成装置を備える構成を採用できる。尚、画像形成装置200から400は、それぞれ同様の構成であるため、画像形成装置200について主に説明する。
【0046】
通信網10及び20は、例えば、LAN(Local Area Network )、WAN(Wide Area Network)、又はMAN(Metropolitan Area Network)で構成される。通信網30は、例えば、公衆回線網で構成される。
【0047】
携帯電話機器111及び112は、それぞれ同様の構成を有するため、携帯電話機器111について主に説明を行う。携帯電話機器111は、例えば、携帯電話又はPHS(Personal Handy Phone)で構成される。携帯電話機器111は、画像形成装置200から400の保守管理を担当する担当者PC1からPC3によって使用される。尚、保守管理を担当する担当者は、例えば、サービスエンジニアであることが望ましいが、これに限定されるのではなく、営業担当者が担当しても構わない。
【0048】
携帯電話機器111は、図1(b)に示すように、例えば、液晶パネル又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイで構成される通知部111aを備える。携帯電話機器111は、対処情報を基地局113から無線を用いて受信する。尚、対処情報は、携帯電話機器111を使用する担当者SE1によって担当された画像形成装置200から400に生じた不具合に対する対処方法を表す情報をいう。次に、携帯電話機器111は、受信した対処情報によって表される対処方法を通知部111aに表示する。また、携帯電話機器111は、図1(b)に示す、例えば、スピーカで構成される通知部111bを備え、対処方法を通知部111bから音声出力する構成を採用できる。その後、担当者SE1は、保守管理を担当する画像形成装置200から400の設置場所を訪問する。次に、担当者SE1は、画像形成装置200から400へ携帯電話機器111から通知された対処方法を施すことで、画像形成装置200から400に生じた不具合を解消する。
【0049】
基地局113は、通信網30を介して接続する第1管理装置160から対処情報を受信する。また、基地局113は、受信した情報を携帯電話機器111へ無線送信する。尚、基地局113は、携帯電話機器111から情報を無線受信した後に、受信した情報を第1管理装置160へ有線送信する構成を採用できる。
【0050】
固定電話機器114は、通信網20を介して接続する第1管理装置160と音声を表す音声情報を通信する。固定電話機器114が第1管理装置160と通信する音声情報によって表わされる音声の内容は、携帯電話機器111が第1管理装置160と通信する情報で表される対処方法を含む。また、固定電話機器114は、携帯電話機器111と同様に、受信した音声情報が表す対処方法を音声で通知する、例えば、スピーカで構成された通知部を有する。
【0051】
端末機器115は、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)又はパーソナルコンピュータで構成される。尚、端末機器115を構成するパーソナルコンピュータは、ノードブック型又はデスクトップ型のいずれであっても良い。端末機器115は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等のプロトコルに従って、通信網30を介して接続する第1管理装置160と通信を行う。端末機器115が第1管理装置160と通信する情報は、携帯電話機器111が第1管理装置160と通信する情報と同様であるため説明を省略する。また、端末機器115は、携帯電話機器111と同様に、第1管理装置160から受信した対処情報によって表される対処方法を通知する通知部を有する。
【0052】
尚、携帯電話機器111及び携帯電話機器112は、画像形成装置400の保守管理を担当する担当者PC1、及び画像形成装置300の保守管理を担当する担当者PC2によってそれぞれ携帯される。また、端末機器115は、画像形成装置200の保守管理を担当する担当者PC3によって使用される。更に、固定電話機器114は、担当者PC1が所属し、かつ勤務する担当営業所に設置される。よって、固定電話機器114は、担当者PC1によって使用される。このため、携帯電話機器111及び携帯電話機器112、固定電話機器114、及び端末機器115は、担当者PC1からPC3に使用される端末装置に含まれる。また、画像形成装置200から400は、それぞれ使用者U1からU3によって使用される。
【0053】
第1管理装置160は、例えば、サーバー機器で構成される。第1管理装置160は、通信網10を介して接続する画像形成装置200から400を保守管理する。本実施例においては、第1管理装置160は、遠隔地に設置された画像形成装置200から400を遠隔管理するとして説明するが、これに限定される訳ではない。
【0054】
具体的には、第1管理装置160は、画像形成装置200から400が画像を形成するために実行する制御プログラムの画像形成装置200から400による更新を管理する。また、第1管理装置160は、画像形成装置200から400に生じた不具合に対する対処方法を表す対処情報を、画像形成装置200から400、又は画像形成装置200から400の保守管理を担当する担当者によって使用される携帯電話機器111及び112、固定電話機器114、並びに端末機器115(つまり、端末装置)へ送信する。尚、第1管理装置160の構成については、画像形成装置200の後に説明する。
【0055】
第2管理装置170は、例えば、サーバー機器で構成される。第2管理装置170は、画像形成装置200から400で使用される制御プログラムを管理する。第2管理装置170が管理する制御プログラムは、画像形成装置200から400が画像を形成するために実行するプログラムを含む。具体的には、第2管理装置170は、アパッチ(Apache)等のサーバープログラムを実行するウェブサーバーで構成され、それぞれ異なる版(つまり、バージョン)の複数の制御プログラムを記憶している。第2管理装置170は、例えば、URL(Uniform Resource Locator)等の情報で表された所在に在る制御プログラムの送信要求を画像形成装置200から400のいずれかから受信すると、受信した要求に応じて制御プログラムを返信する。
【0056】
画像形成装置200は、例えば、複合機で構成される。画像形成装置200は、例えば、文書読取機能、文書印刷機能、複写機能、FAX通信機能、情報通信機能等を有する。ここで、文書読取機能は、文書原稿を光学的に読取ると共に、読取った文書を表す文書情報を生成する機能をいう。また、文書印刷機能は、印刷媒体に文書情報が表す文書を印刷する機能をいう。複写機能は、文書読取機能により読取った文書を、文書印刷機能により印刷して複製する機能をいう。FAX通信機能及び情報通信機能は、例えば、それぞれTCP/IP及びG3のプロトコルを用いて文書情報を送受信する機能をいう。
【0057】
画像形成装置200は、画像を形成するために制御プログラムを実行する。また、画像形成装置200は、実行する制御プログラム(つまり、更新前の制御プログラム)を、第1管理装置160によって管理されるより新しい版の制御プログラムに更新する。更に、画像形成装置200は、更新した制御プログラムの実行によって生じた不具合を検知し、検知した不具合に対する第1管理装置160によって管理された対処方法を、画像形成装置200の使用者U1へ通知する。
【0058】
次に、図2を参照して、画像形成装置200を備える保守管理システム1が実行する処理について概説する。図2は、画像装置200を備える保守管理システム1の処理順序の一例を表すシーケンス図である。
先ず、画像形成装置200の使用者U1は、画像形成装置200が実行する制御プログラム(つまり、ソフトウェア)の更新(つまり、バージョンアップ)を、画像形成装置200に対して指示する。次に、画像形成装置200は、指示に従って、第1管理装置160へ適当な制御プログラムの問合せ(ソフトウェアバージョンアップ情報とも図示する)を送信する。
【0059】
ここで、適当な制御プログラムの問合せとは、画像形成装置200にとって適当な制御プログラムの所在を、例えば、URLで表した情報を返信するよう求める要求をいう。ここで、適当な制御プログラムは、画像形成装置200にとって適当な版の制御プログラムを含む。また、適当な版の制御プログラムは、更新前の制御プログラム(つまり、インストールされているソフトウェア)よりも版が新しい制御プログラムを含む。しかし、これに限定される訳ではなく、適当な制御プログラムは、例えば、更新前の制御プログラムよりも安定している制御プログラムをいう構成を採用できる。
【0060】
また、画像形成装置200にとって適当な制御プログラムは、画像形成装置200にとって最適な制御プログラムを含む。よって、適当な版の制御プログラムは、画像形成装置200にとって最適な版の制御プログラム(以下、最適バージョンソフトウェアともいう)を含む。また、最適な版の制御プログラムは、例えば、最新版の制御プログラム、又は最も安定した制御プログラムを含む。
【0061】
その後、問合せを受信すると、第1管理装置160は、問合せを送信した画像形成装置200が実行する制御プログラムの最適バージョンを決定する。次に、第1管理装置160は、決定したバージョンのプログラムの所在を表す情報(最適バージョンソフトウェアの情報とも図示する)を生成し、生成した情報及び最適バージョンを表す情報を関連付けて画像形成装置200へ返信する。尚、問合せ及び問合せに基づいた最適バージョンの決定方法、並びに決定した最適バージョンから最適バージョンソフトウェアの情報を生成する生成方法については、第1管理装置160の構成について説明する段落で詳細に説明する。
【0062】
次に、画像形成装置200は、受信した情報を使用者U1に通知する。使用者U1は、制御プログラムの最適バージョン及び最適バージョンの制御プログラムの所在のいずれか1つ以上に基づいて、制御プログラムの更新を継続するよう指示するか否かを判断する。使用者U1は、更新を継続させると判断した場合には、更新の継続を画像形成装置200に対して指示する。
【0063】
その後、画像形成装置200は、指示に従って、第2管理装置170から最適バージョンの制御プログラムをダウンロードする。次に、ダウンロードしたプログラムで更新前の制御プログラムを更新する(つまり、バージョンアップする)。その後、画像形成装置200は、更新された制御プログラムを試験的に実行して、画像を試験的に形成する(つまり、テストプリントする)。
【0064】
次に、画像形成装置200は、例えば、紙詰まり(つまり、ジャム)等の不具合の発生を検知する。尚、画像形成装置200が検知する不具合については、画像形成装置200の構成について説明する段落において詳細に説明する。その後、画像形成装置200は、発生した不具合が制御プログラムの更新によって生じた不具合(以下単に、更新エラーという)である可能性の有無及び高低を判定する。
【0065】
次に、画像形成装置200は、更新エラーの可能性が高いと判定した場合には、検知した不具合は更新エラーの可能性が有ることを表す情報、及び更新エラーの可能性の高低を表す情報を用いて不具合の状態を表す状態情報を第1管理装置160へ送信する。
【0066】
その後、第1管理装置160は、受信した情報が表す更新エラーの可能性の有無及び高低を含む不具合の状態に基づいて、第1管理装置160が備える記憶部から不具合の対処方法を取得する。次に、第1管理装置160は、取得した対処方法を表す対処情報を画像形成装置200へ返信する。尚、第1管理装置160が対処方法を取得する取得方法については、第1管理装置160の構成について説明する段落において詳細に説明する。
【0067】
次に、画像形成装置200は、受信した対処情報が表す対処方法を使用者U1へ通知する。その後、使用者U1は、画像形成装置200が通知した対処方法に従って、画像形成装置200に生じた不具合に対する対処を、画像形成装置200に対して施す。
【0068】
図2において、第1管理装置160は、第1管理装置160が備える記憶部から不具合の対処方法を取得するとして説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、例えば、図3に示す様に、保守管理システム1は、画像形成装置200から400に生じた不具合に対する対処方法を表す対処情報を管理する、例えば、サーバー機器で構成される第3管理装置180を備える構成を採用できる。この構成において、第1管理装置160は、第1管理装置160が備える記憶部から不具合の対処方法を取得できない場合に、第3管理装置180に対して状態情報に基づいて対処方法を検索するよう求める要求を送信した後に、第3管理装置180から検索結果(つまり、対処方法)を表す情報を受信する構成を採用できる。
【0069】
また、これに限定される訳ではなく、例えば、図4(a)に示す構成を採用できる。この構成において、第1管理装置160は、不具合の対処方法を取得できない場合に、不具合が生じた画像形成装置200の保守管理を担当する担当者PC3を検索する構成を採用できる。次に、第1管理装置160は、検索した担当者PC3が使用する端末機器115へ、画像形成装置200に生じた不具合の状態を表す状態情報を送信する。担当者PC3は、端末機器115が通知する状態情報で表される更新エラーの可能性の有無及び高低等に基づいて、不具合に対する対処方法を特定する。その後、担当者PC3は、特定した対処方法を端末機器115へ入力する。端末機器115は、入力された対処方法を表す対処情報を、第1管理装置160を介して、又は直接に画像形成装置200へ返信する。
【0070】
更に、これに限定される訳ではなく、例えば、図4(b)に示す構成を採用できる。この構成において、第1管理装置160は、第1管理装置160が備える記憶部から不具合の対処方法を検索することなく、不具合が生じた画像形成装置200の保守管理を担当する担当者PC3を検索する構成を採用できる。また、担当者PC3を検索した後に、第1管理装置160は、検索した担当者PC3が所属する営業所Oの固定電話機器114へ、画像形成装置200に生じた不具合の状態を表す状態情報を送信する。更に、担当者PC3は、固定電話機器114が音声出力した不具合の状態に基づいて、不具合に対する対処方法を特定する。その後、担当者PC3は、画像形成装置200の設置場所へ訪問して、既に特定した対処方法を画像形成装置200へ施す。
【0071】
次に、図5を参照して、画像形成装置200の構成について説明を行う。図5(a)は、画像形成装置200の一構成例を表すハードウェア構成図である。
画像形成装置200は、画像読取部211及び画像形成部212、搬送部220及び検出部230、情報受信部241及び情報送信部242、FAX受信部251及びFAX送信部252、入力部261及び通知部262、並びに制御部290で構成される。
【0072】
画像読取部211は、例えば、IIT(Image Input Terminal)で構成される。画像読取部211は、制御部290の制御に従って、例えば、プラテンに置かれた文書に表された画像を光学的に読取る。次に、画像読取部211は、読み取った画像を表す画像情報を制御部290へ出力する。
【0073】
画像形成部212は、例えば、IOT(Image Output Terminal)で構成される。画像形成部211は、制御部290の制御に従って、搬送部220が搬送する印刷媒体に画像を印刷することで画像を形成する。
【0074】
ここで、図5(b)を参照して、画像形成部212の構成について説明を行う。図5(b)は、画像形成部212の一構成例を表す図である。
画像形成部212は、帯電器212a、感光体212b、露光光源212c、現像器212d 、及び転写ベルト212eを備える。帯電器212aは、制御部290の制御に従って感光体212bをほぼ一様に帯電させる。感光体212bは、例えば、感光性ドラムで構成され、制御部290の制御に従って回転又は停止する。感光体212bは、露光光源212cによって光が照射された部分の帯電電化を除去されると共に、除去されずに残存した帯電電荷によって形成する画像を潜像画像として表す。露光光源212cは、例えば、LED(Light Emitting Diode)等を列状に配列して構成される。露光光源212cは、制御部290の制御に従って感光体212bを露光する。現像器212dは、感光体212bが有する帯電電荷によって電気的にトナーを感光体212bに吸着させる。転写ベルト212eは、感光体212bが吸着したトナーを転写される。次に、転写ベルト212eは、制御部290の制御に従って転写されたトナーを搬送部220が搬送する印刷媒体に転写する。その後、転写されたトナーは、熱と圧力を加えられて印刷媒体に定着させられる。
【0075】
ここで、図3(a)に戻り、画像形成装置200の構成について引き続き説明を続ける。
搬送部220は、例えば、印刷媒体が搬送される搬送路と、印刷媒体を搬送路に沿って搬送するフィードロールとで構成される。搬送部220は、制御部290の制御に従って、印刷媒体を搬送する。具体的には、図3(b)に示す様に、搬送部220は、例えば、印刷媒体を積載したトレイから画像形成部212へ印刷媒体を搬送する。次に、搬送部220は、画像形成部212で画像を印刷された印刷媒体を印刷媒体の出力口へ搬送する。
【0076】
検出部230は、例えば、赤外線センサーで構成される。検出部230は、搬送部220による印刷媒体の搬送を検出する。具体的には、検出部230は、図3(b)に示す様に、搬送部220が備える搬送路の予め定められた位置における印刷媒体の通過を検出する。その後、検出部230は、検出結果を制御部290へ出力する。
【0077】
情報受信部241は、例えば、ネットワークカードで構成される。情報受信部241は、制御部290の制御に従って、例えば、TCP/IPプロトコルを用いて上記及び下記の情報を受信する。具体的には、情報受信部241は、第1管理装置160から最適バージョンのソフトウェアの所在を表す情報(最適バージョンソフトウェアの情報)を受信する。次に、情報受信部241は、最適バージョンソフトウェアの情報で表された所在に在る最適バージョンの制御プログラムを、第2管理装置170から受信する。その後、画像形成装置200が不具合の発生を検知すると、情報受信部241は、発生した不具合の対処方法を表す対処情報を第1管理装置160から受信する。
【0078】
情報送信部242は、情報受信部241と同様に、ネットワークカードで構成される。情報送信部242は、制御部290の制御に従って、TCP/IPプロトコルを用いて上記及び下記の情報を送信する。具体的には、情報送信部242は、適当な制御プログラムの問合せを第2管理装置170へ送信する。また、情報送信部242は、問合せに応じた第1管理装置160から情報受信部241が受信した最適バージョンソフトウェアの情報に基づいて、第2管理装置170へ最適バージョンソフトウェアのダウンロード通知を送信する。尚、最適バージョンソフトウェアのダウンロード通知とは、例えば、最適バージョンの制御プログラムを管理する第2管理装置170に対して、最適バージョンの制御プログラムを送信するよう要求することをいう。その後、画像形成装置200が不具合の発生を検知すると、画像形成装置200が更新エラーの可能性があると判定した場合に、状態情報を第1管理装置160へ送信する。
【0079】
尚、更新エラーの可能性があると判定した場合に情報送信部242が送信する状態情報は、検知した不具合が更新エラーである可能性の有無及び高低を用いて不具合の状態を表す情報である。具体的には、状態情報は、リンク(link)情報と、チェイン(Chain)情報と、不具合の診断に用いる診断情報を含む。リンク情報は、不具合が画像形成装置200へ及ぼす影響の程度(つまり、フォルトレベル)を表す。尚、予め定める程度(レベル)を示すリンク情報は、更新エラーの可能性があることを表す。チェイン情報は、不具合の生じた部品又は部位を表す情報である。診断情報は、例えば、IIT又はIOT等のチェイン情報が表す部品又は部位を故障診断した結果を表す情報、及び更新エラーの可能性の高低を表す情報を含む。
【0080】
FAX受信部251及びFAX送信部252は、例えば、FAXモデムで構成される。FAX受信部251及びFAX送信部252は、例えば、G3プロトコルを用いて画像情報を送受信する。
【0081】
入力部261は、例えば、タッチパネル又はメカニカルスイッチで構成される。入力部261は、使用者U1に操作されて、上記及び下記の指令を画像形成装置200へ入力する。具体的には、入力部261は、制御プログラムの更新を命じる指令及び更新を継続するよう命じる指令を入力する。しかし、これに限定される訳ではなく、入力部261は、画像形成装置200に生じた不具合に対する対処として、画像形成装置200が実行する制御プログラムを更新前のプログラムへ戻すよう命じる指令を入力する構成を採用できる。
【0082】
通知部262は、例えば、液晶パネル又は有機ELディスプレイで構成される。通知部262は、制御部290に制御されて、上記及び下記の通知を行う。具体的には、通知部262は、情報受信部241が受信した対処情報で表される対処方法を使用者U1へ表示する。しかし、これに限定される訳ではなく、通知部262は、例えば、スピーカで構成され、対処方法を音声出力する構成を採用できる。
【0083】
制御部290は、例えば、マイクロコンピュータで構成される。制御部290は、ソフトウェア処理を実行することで、制御部290に接続する各部を制御する。
ここで、図5(c)を参照して、制御部290の構成について説明を行う。図5(c)は、制御部290の一構成例を表すハードウェア構成図である。
図5(c)に示す制御部290は、演算部290a、記憶部290b、及び入出力部290cを備える。演算部290aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される。記憶部290bは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はハードディスクで構成される。入出力部290cは、例えば、A/D変換器で構成される。演算部290aから入出力部290cは、互いにバス290eによって情報の授受が可能なように接続している。
【0084】
ソフトウェア処理は、演算部290aが記憶部290bに格納されたプログラムを読み込み、読み込んだプログラムが表すソフトウェア処理の実行手順に従って演算を行うことにより実現される。尚、記憶部290bには、演算部290aによって演算結果を表す情報が書き込まれる。また、必要に応じて入出力部290cは、接続する各種の部及び装置との間で入出力する情報を、演算部290aが演算対象とする情報又は演算した結果を表す情報として入出力する。
【0085】
次に、図6(a)を参照して、制御部290の構成について機能に着目して説明する。図6(a)は、制御部290の一構成例を表す機能ブロック図である。
制御部290は、取得部291、検知部292、更新部293、第1記憶部294、制御実行部295、判定部296、登録部297、及び第2記憶部298で構成される。
【0086】
取得部291は、演算部290aが取得処理を実行することで実現される。取得部291は、画像読取部211が読取った画像情報、情報受信部241が受信した情報、FAX受信部251が受信した情報、入力部261が入力した指令、及び検出部230が検出した検出結果を表す情報を取得する。
【0087】
検知部292は、演算部290aが検知処理を実行することで実現される。検知部292は、制御実行部295が制御プログラムを実行することで生じる不具合を検知する。具体的には、検知部292は、制御実行部295により制御された画像形成部212に生じる不具合を検知する。より具体的には、検知部292は、検出部230の検出結果に基づいて、画像形成部212及び搬送部220のいずれか1つ以上における印刷媒体の詰まりを検知する。
【0088】
しかし、これに限定される訳ではなく、画像読取部211、画像形成部222、情報受信部241、情報送信部242、FAX受信部251、及びFAX送信部252(以下、画像読取部211ないしFAX送信部252という)は、制御部290の制御によってそれぞれ画像読取部211ないしFAX送信部252に生じた不具合を検出する構成を採用できる。この構成において、取得部291は、検出された不具合を表す情報を画像読取部211ないしFAX送信部252から取得し、検知部292は、取得部291が取得した情報に基づいて不具合を検知する構成を採用できる。
【0089】
また、検知部292は、画像形成部222の制御に用いられた画像情報と、画像形成部222が印刷媒体に印刷した画像を画像読取部211が読取ることで生成した画像情報とを比較した結果に基づいて不具合を検知する構成を採用できる。具体的には、検知部292は、比較結果に基づいて、画像形成部222に生じたレジズレを検知する構成を採用できる。尚、レジズレは、画像形成部222を構成する露光光源212cが感光体212bを露光する位置の変化により生じ得る。また、検知部292は、比較結果に基づいて、画像形成部222が画像を印刷した印刷媒体に対してパンチ孔を空けた位置のズレ又はステープラーで綴じた位置のズレを検知する構成を採用できる。
【0090】
更新部293について説明する前に、第1記憶部294について説明を行う。
第1記憶部294は、記憶部290bで構成される。第1記憶部294は、画像を形成するために制御実行部295によって実行される制御プログラムと、制御プログラムの版を表す情報と、制御プログラムが更新された更新時期を表す情報とを関連付けて記憶する。尚、本実施例において、更新時期は、例えば、制御プログラムが更新された更新時刻で表される構成、又は更新されるまでに制御プログラムが実行された総実行回数で表される構成を採用できる。ここで、制御プログラムが実行された総実行回数は、例えば、制御プログラムを用いて画像を形成した回数で表される。また、画像を形成した回数は、例えば、ビリングカウンターによって計数される。
【0091】
更新部293は、演算部290aが更新処理を実行することで実現される。更新部293は、情報受信部241が受信した制御プログラムと、受信したプログラムの版を表す情報とを用いて、第1記憶部294に記憶された制御プログラムと、制御プログラムの版と、制御プログラムの更新時期を表す情報とを更新する。具体的には、更新部293は、更新前の制御プログラムを複製(つまり、バックアップ)した後に、受信した制御プログラムで更新前の制御プログラムを上書きする構成を採用できる。また、これに限定される訳ではなく、更新部293は、制御実行部295が実行する制御プログラムの所在を記述する設定ファイル、又は環境変数の値を、更新前の制御プログラムの所在から最適バージョンの制御プログラムの所在へ書き換える構成を採用できる。
更に、更新部293は、制御プログラムの更新後から試験期間を経過するまでに検知部292が不具合を検知すると、更新した制御プログラムを更新前の制御プログラムへ戻す(つまり、バージョンダウンする)構成を採用できる。
【0092】
制御実行部295は、例えば、演算部290aが制御処理を実行することで実現される。制御実行部295は、第1記憶部294が記憶する制御プログラムを実行する。具体的には、制御実行部295は、第1記憶部294が記憶する制御プログラムの内で、最も遅い更新時期を表す情報と関連付けられたプログラムを実行する。しかし、これに限定される訳ではなく、制御実行部295は、最も新しい版を表す情報と関連付けられたプログラムを実行する構成を採用できる。制御実行部295は、制御プログラムの実行により画像読取部211ないしFAX送信部252を制御して印刷媒体に画像を形成させる。
【0093】
ここで、図5(b)を参照して、制御実行部295の構成について説明を行う。制御実行部295は、試験制御実行部295aと、通常制御実行部295bとを備える。
試験制御実行部295aは、第1記憶部294に記憶された制御プログラムを試験的に実行する。試験的な実行とは、制御プログラムが更新部293によって更新された後の試験時期における更新された制御プログラムの実行をいう。具体的には、試験制御実行部295aは、試験的に画像形成部212を制御して画像を形成する。より具体的には、試験制御実行部295aは、例えば、印刷媒体の片面への印刷、両面への印刷、及び印刷面への複数頁の印刷(つまり、Nup印刷)等の画像形成に関する機能であって、画像形成装置200が有する機能を実現する処理を一通り試験的に実行する。また、試験制御実行部295aは、例えば、上記のレジズレを含む不具合の検知に用いられる画像(つまり、テスト画像)を印刷するよう画像形成部212を制御する構成を採用できる。
【0094】
尚、試験時期の具体例としては、例えば、制御プログラムが更新された時から予め定める時間を経過する前までの時期、又は制御プログラムが更新された時から更新後の制御プログラムの実行により予め定める回数に渡って画像が形成されるまでの時期を挙げることができる。尚、試験制御実行部295aは、使用者U1が操作した入力部261によって入力された指令に従って、試験的に制御プログラムを実行する構成のみならず、更新部293による制御プログラムの更新を契機に自動で試験的に制御プログラムを実行する構成を採用できる。
尚、通常制御実行部295aは、試験時期以外の時期において、第1記憶部294に記憶された制御プログラムを実行する。
【0095】
また、制御実行部295は、検知部292で検知された不具合が更新エラーである可能性が有ると判定部296が判定すると、判定部296が判定した可能性の有無及び高低を含む状態情報を送信するよう情報送信部242を制御する。一方で、制御実行部295は、更新エラーである可能性が無いと判定部296が判定した場合であっても、不具合の発生回数が予め定める回数を超えた場合に、不具合の状態を表す状態情報を送信するよう情報送信部242を制御する。より具体的には、同じ種類の更新エラーの可能性が無い同じ種類の不具合が予め定める回数を超えて連続して検知された場合に、制御実行部295は、検知された不具合の状態を表す状態情報を送信するよう制御する。本実施例においては、3回以上連続して更新エラーの可能性が無い同じ種類の不具合を検知した場合に、制御実行部295は状態情報を送信するよう制御するとして説明するが、これに限定される訳ではない。より好適な回数は、当業者が実験又は理論により定めることができる。
【0096】
また、これに限定される訳ではなく、制御実行部295は、更新エラーである可能性が無いと判定部296が判定しても、不具合の発生頻度が予め定める頻度を超えた場合に、状態情報を送信するよう情報送信部242を制御する構成を採用し得る。より具体的には、予め定める回数に渡って画像を形成する間に、予め定める回数を超えて更新エラーの可能性が無い同じ種類の不具合が連続せずに検知された場合に、制御実行部295は、状態情報を送信するよう制御する。本実施例においては、5回数に渡って画像を形成する間に、3回数を超えて同じ種類の不具合を連続せずに検知した場合に、通常制御実行部295aは状態情報を送信するよう制御するとして説明するが、これに限定される訳ではない。より好適な回数は、当業者が実験又は理論により定めることができる。
【0097】
判定部296について説明する前に、登録部297及び第2記憶部298について説明を行う。
登録部297は、演算部290aが登録処理を実行することで実現される。登録部297は、検知部292が検知した不具合を表す情報と、不具合を検知した検知時期を表す情報とを関連付けて第2記憶部298に登録する。尚、不具合を表す情報は、例えば、不具合の種類を識別する情報を含む。また、検知時期は、例えば、不具合が検知されるまでに制御プログラムが実行された総実行回数、又は検知時刻で表される構成を採用できる。
第2記憶部298は、例えば、記憶部290bで構成される。第2記憶部298は、登録部297によって登録された情報を記憶する。
【0098】
判定部296は、演算部290aが判定処理を実行することで実現される。判定部296は、検知部292の検知した不具合が更新エラーである可能性の有無及び高低を判定する。
ここで、図6(c)を参照して、判定部296の構成について説明を行う。図6(c)は、判定部296の一構成例を表す機能ブロック図である。
【0099】
図6(c)に示す判定部296は、第1判定部296a、第1検索部296b、及び第2判定部296fを備える。
第1判定部296aは、演算部290aが第1判定処理を実行することで実現される。第1判定部296aは、検知部292の検知した不具合が更新エラーである可能性の有無を、第1記憶部294が記憶する情報で表される更新時期と不具合の発生した発生時期とに基づいて判定する。具体的には、判定部296は、更新された制御プログラムが制御実行部298によって試験的に実行された時期に不具合の発生した時期が含まれる場合に、不具合が更新エラーである可能性が有ると判定する。しかし、これに限定される訳ではなく、例えば、判定部296は、更新された制御プログラムが制御実行部298によって最初に実行された時期に不具合の発生した時期が含まれる場合に、不具合が更新エラーである可能性が有ると判定する構成を採用できる。更に、例えば、判定部296は、制御プログラムの更新後から予め定める期間を経過するまでの時期に不具合の発生した時期が含まれる場合に、不具合が更新エラーである可能性が有ると判定する構成を採用できる。
【0100】
ここで、更新エラーの具体例としては、画像形成装置200が、更新前の制御プログラムによって要求される環境を有しているが、更新後の制御プログラムによって要求される環境を有していないために生じる不具合を挙げることができる。制御プログラムによって要求される環境は、画像形成装置200の構成のみならず、例えば、画像形成装置200に設置された付属の装置の構成を含む。画像形成装置200に設置された付属の装置は、例えば、印刷媒体に対してパンチ孔を空ける装置又は印刷媒体を針で綴じるステープラーを含む。また、制御プログラムの更新後から予め定める期間は、制御プログラムの更新後から予め定める時間であっても、制御プログラムの更新後から予め定める回数だけ画像を形成するまでの期間であっても構わない。
【0101】
第1検索部296bは、演算部290aが第1検索処理を実行することで実現される。第1検索部296bは、検知部292の検知した不具合と同種の不具合であって、更新時期より前に発生した不具合を表す情報を第2記憶部298から検索する。具体的には、第1検索部296bは、第1記憶部294が記憶する情報で表される更新時期よりも前の時期を表す情報に関連付けて第2記憶部298が記憶する情報を検索する。次に、第1検索部296bは、検索した情報から、検知部292が検知した不具合と同じ種類の不具合を表す情報を検索する。尚、第1検索部296bが検索する更新時期よりも前の時期に発生した不具合は、更新時刻から予め定める時間だけ早い時刻までの期間に発生した不具合を含む構成を採用できる。また、これに限定されるのではなく、第1検索部296bが検索する更新時期よりも前の時期に発生した不具合は、更新時の総実行回数から予め定める回数だけ少ない総実行回数までにおいて発生した不具合を含む構成を採用できる。
【0102】
第2判定部296fは、演算部290aが第2判定処理を実行することで実現される。第2判定部296fは、検知部292の検知した不具合が更新エラーである可能性の高低を判定する。具体的には、第2判定部296fは、第2記憶部298が記憶する情報で表される時期に検知された不具合が、制御プログラムの更新時期よりも前の時期に発生した回数に基づいて、更新エラーの可能性の高低を判定する。具体例としては、第2判定部296fは、更新時期よりも前の時期に不具合が検知されていない場合、又は更新時期よりも前の時期における不具合の発生件数が予め定める件数よりも少ない場合に、検知した不具合が更新エラーである可能性が高いと判定する。より具体的には、第2判定部296fは、第1検索部296bが検索した情報で表される更新前における同種の不具合の発生件数(例えば、検索レコード件数)が、0件又は予め定める件数よりも少ない場合に、更新エラーの可能性が高いと判定する。
【0103】
次に、図7を参照して、画像形成装置200が実行する処理について説明を行う。図7は、画像形成装置200が実行する画像形成処理の一例を表すフローチャートである。
先ず、画像形成装置200は、使用者U1の操作に従って、予め定められた処理の実行を指示する実行指示を入力する(ステップS01)。次に、画像形成装置200は、入力した指示が制御プログラム(つまり、ソフトウェア)の更新を指示する更新指示であるか否かを判断する(ステップS02)。画像形成装置200は、更新指示であると判断する場合にはステップS03の処理を実行し、そうでない場合にはステップS09の処理を実行する。
【0104】
ステップS02において、更新指示であると判断した場合には、画像形成装置200は、制御プログラムの最適版(最適バージョン)の問合せを第1管理装置160へ送信する(ステップS03)。次に、画像形成装置200は、問合せに対する応答を受信する(ステップS04)。その後、画像形成装置200は、受信した応答が表す最適バージョン及び最適バージョンの制御プログラムの所在を使用者U1へ通知する。次に、使用者U1が、通知した最適バージョンの制御プログラムへの更新を指示すると、画像形成装置200は、最適バージョンの制御プログラムを送信するように第2管理装置170へ要求する(ステップS05)。次に、画像形成装置200は、要求した制御プログラムを第2管理装置170から受信する(ステップS06)。次に、画像形成装置200は、受信した制御プログラムで、更新前の制御プログラムを更新する(ステップS07)。また、画像形成装置200は、更新時におけるビリングカウンターを第1記憶部294に登録する。その後、画像形成装置200は、更新後の制御プログラムを試験的に実行して、画像を試験的に印刷(テストプリント)する(ステップS08)。
ステップS02において、更新指示でないと判断した場合には、画像形成装置200は、ステップS01で入力した実行指示に従って、例えば、文書印刷機能などの各種機能を発揮する処理を行う(ステップS09)。
【0105】
ステップS08又はS09を実行した後に、画像形成装置200は、不具合を検知したか否かを判断する(ステップS10)。画像形成装置200は、不具合を検知したと判断した場合には、ステップS11の処理を実行し、そうでない場合には、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0106】
ステップS10において、不具合を検知したと判断した場合には、画像形成装置200は、検知した不具合が更新直後の不具合であるか否かを判断する(ステップS11)。更新直後の不具合とは、例えば、制御プログラムの更新後から上記の試験時期を経過するまでの期間に生じた不具合をいう。画像形成装置200は、更新直後の不具合であると判断する場合にはステップS12の処理を実行し、そうでない場合にはステップS18の処理を実行する。
【0107】
ステップS11において、更新直後の不具合であると判断した場合には、画像形成装置200は、更新エラーの可能性が有ると判定する(ステップS12)。次に、画像形成装置200は、更新エラーの可能性の高低を判定する第2判定処理を実行する(ステップS13)。その後、画像形成装置200は、検知した不具合の種類を識別する情報と、不具合の発生時におけるビリングカウンターとを関連付けて第2記憶部298に登録する(ステップS14)。
【0108】
その後、画像形成装置200は、今回に検知した不具合が発生した回を含め、今回に不具合を検知した回から5回前の回までに、今回に検知した不具合と同種の不具合が発生した頻度を集計する(ステップS15)。次に、画像形成装置200は、5回中1回以上不具合が発生したか否かを判断する(ステップS16)。画像形成装置200は、5回中1回以上不具合が発生したと判断する場合にはステップS17の処理を、そうでない場合にはステップS23の処理を実行する。尚、ステップS16の判断は、常に真と判断される。
【0109】
ステップS16において、5回中1回以上不具合が発生したと判断した場合には、画像形成装置200は、ステップS12及びS13で判定した更新エラーの可能性の有無及び高低を用いて不具合の状態を表す状態情報を第1管理装置160へ送信する(ステップS17)。
【0110】
ステップS11において、更新直後の不具合でないと判断した場合には、画像形成装置200は、更新エラーの可能性が無いと判定する(ステップS18)。その後、画像形成装置200は、ステップS14及びS15と同様の処理を実行する(ステップS19及びS20)。次に、画像形成装置200は、5回中3回以上同種の不具合が発生したか否かを判断する(ステップS21)。画像形成装置200は、5回中3回以上不具合が発生したと判断する場合にはステップS22の処理を、そうでない場合にはステップS23の処理を実行する。
ステップS21において5回中3回以上不具合が発生したと判断した場合には、画像形成装置200は、ステップS17と同様の処理を実行する(ステップS22)。
【0111】
ステップS16において5回中1回以上不具合が発生しなかったと判断した場合、ステップS17を実行した後、ステップS21において5回中3回以上不具合が発生しなかったと判断した場合、及びステップS22を実行した後に、画像形成装置200は、不具合に対する対処方法を表す対処情報を第1管理装置160から受信する(ステップS23)。その後、画像形成装置200は、受信した情報が表す対処方法を使用者U1へ通知する(ステップS24)。その後、画像形成装置200は、画像形成処理の実行を終了する。
【0112】
尚、図7において、ステップS01の処理が入力部261で実行される処理の一例に相当し、ステップS03、S05、S17、及びS22の処理が情報送信部242で実行される処理の一例に相当する。また、ステップS04、S06、及びS23の処理が情報受信部241で実行される処理の一例に相当し、ステップS07の処理が更新部293を実現するための更新処理の一例に相当する。更に、ステップS08の処理が画像形成部212で実行される処理の一例に相当し、ステップS10の処理が検知部292を実現するための検知処理の一例に相当する。また更に、ステップS11、S12、及びS18の処理が第1判定部296aを実現するための第1判定処理の一例に相当し、ステップS13の処理が第2判定部296fを実現するための第2判定処理の一例に相当する。また、ステップS14及びS19の処理が登録部297を実現するための登録処理の一例に相当し、ステップS15、S16、S20、及びS21の処理が実行制御部295を実現するための実行制御処理の一例に相当する。ステップS24の処理が通知部262で実行される処理の一例に相当する。
【0113】
次に、図8を参照して、第1管理装置160の構成について説明を行う。図8(a)は、第1管理装置160の一構成例を表すハードウェア構成図である。
図8(a)に示す第1管理装置160は、演算部160a、記憶部160b、入出力部160c、通信部160d、及びバス160eを備える。演算部160a、記憶部160b、入出力部160c、及びバス160eは、図5(c)を参照して説明した演算部290a、記憶部290b、入出力部290c、及びバス290eと同様であるので説明を省略する。
通信部160dは、例えば、通信コントローラで構成される。通信部160dは、例えば、TCP/IPプロトコルを用いて、通信部160dに接続する装置との間で演算部160aが演算対象とする情報を通信する。また、通信部160dは、接続する装置との間で演算部160aが演算した結果を表す情報を通信する。
【0114】
次に、図8(b)を参照して、第1管理装置160の構成について機能に着目して説明を行う。図8(b)は、第1管理装置160の一構成例を表す機能ブロック図である。
第1管理装置160は、受信部161、ソフトウェア管理部162、保守管理部163、及び送信部164を備える。
受信部161は、例えば、通信部160dで実現される。受信部161は、画像形成装置200ないし400からソフトウェアバージョンアップ情報の問合せを受信する。また、受信部161は、画像形成装置200ないし400から、画像形成装置200ないし400に生じた不具合の状態を表す状態情報を受信する。
更に、受信部161は、画像形成装置200を保守管理する担当者の端末装置から、画像形成装置200に生じた不具合に対する対処方法を表す対処情報を受信しても良い。
【0115】
ここで、ソフトウェアバージョンアップ情報の問合せは、例えば、問合せを送信した画像形成装置200ないし400の構成を表す情報を含む。尚、画像形成装置200ないし400は、同様の構成を有するため、以下主に画像形成装置200のみに言及して説明を行う。
画像形成装置200の構成を表す情報は、画像形成装置200の種別を表す種別情報と、画像形成装置200に設置された付属装置を表す情報と、画像形成装置200及び画像形成装置200に設置された付属装置のいずれか1つ以上を制御する更新前の制御プログラムの版(つまり、バージョン)とを関連付けた情報を含む。
【0116】
ソフトウェア管理部162は、演算部160aがソフトウェア管理処理を実行することで実現される。ソフトウェア管理部162は、画像形成装置200が実行するソフトウェアを管理する。具体的には、ソフトウェア管理部162は、画像形成装置200が実行する制御プログラムの所在を表す情報と、制御プログラムの版を表す情報と、制御プログラムを実行可能な画像形成装置の種別を表す種別情報と、制御プログラムの実行に必要な付属装置を表す情報とを関連付けて記憶する。更に、ソフトウェア管理部162は、制御プログラムの版と、制御プログラムの安定性を表す情報とを関連付けて記憶する構成を採用できる。
【0117】
ソフトウェア管理部162は、受信部161が受信した問合せに基づいて、問合せを送信した画像形成装置にとって適当な制御プログラムの版を決定する。具体的には、ソフトウェア管理部162は、問合せが表す画像形成装置の種別と、画像形成装置に取付けられた付属装置とに関連付けて記憶する制御プログラムの所在と制御プログラムの版とを検索する。次に、ソフトウェア管理部162は、検索した制御プログラムの版の内で、問合せが表す更新前の制御プログラムの版よりも新しい版と関連付けた制御プログラムの所在を特定する。尚、ソフトウェア管理部162は、複数の新しい制御プログラムの所在を特定した場合には、最新の版と関連付けた制御プログラムを最適な制御プログラムと決定する。尚、これに限定される訳ではなく、ソフトウェア管理部162は、最も安定した制御プログラムを最適な制御プログラムと決定する構成を採用できる。その後、ソフトウェア管理部162は、決定した最適バージョンと関連付けて記憶する制御プログラムの所在を表す最適バージョンソフトウェアの情報を生成する。
【0118】
保守管理部163は、演算部160aが保守管理処理を実行することで実現される。保守管理部163は、画像形成装置200から400の保守管理を行う。
ここで、図8(c)を参照して、保守管理部163の構成について説明を行う。図8(c)は、保守管理部163の一構成例を表す機能ブロック図である。
図8(c)に示す保守管理部163は、対処記憶部163a、対処特定部163b、担当記憶部163c、及び担当特定部163dを備える。
【0119】
対処記憶部163aは、例えば、記憶部160bで実現される。対処記憶部163aは、制御プログラムを実行する画像形成装置に生じ得る不具合の状態を表す状態情報と、不具合に対する対処方法を表す対処情報とを関連付けて記憶する。特に、対処記憶部163aが記憶する状態情報は、不具合が更新エラーである可能性の有無及び高低を表す情報を含む。
【0120】
対処特定部163bは、演算部160aが対処特定処理を実行することで実現される。対処特定部163bは、受信部161が受信した状態情報によって表される不具合に対する対処方法を特定する。具体的には、対処特定部163bは、受信部161によって受信された状態情報と対処記憶部163aが関連付けて記憶した対処情報を特定する。より具体的な例について説明すると、対処特定部163bは、受信された状態情報が表す不具合が更新エラーである可能性の有無によって、状態情報が表す不具合に対する対処方法を絞り込む。次に、対処特定部163bは、受信された状態情報が表す更新エラーの可能性の高低によって対処方法を更に絞り込む。その後、対処特定部163bは、例えば、診断情報等の状態情報が表す他の状態に基づいて不具合に対する対処方法を特定する。
【0121】
担当記憶部163cは、例えば、記憶部160bで実現される。担当記憶部163cは、画像形成装置を識別する情報と、画像形成装置の保守管理を担当する担当者によって使用される端末装置を識別する情報とを関連付けて記憶する。
【0122】
担当特定部163dは、演算部160aが担当特定処理を実行することで実現される。担当特定部163dは、受信部161が受信した状態情報によって表される不具合が生じた画像形成装置の保守管理を担当する担当者によって使用される端末装置を特定する。具体的には、担当特定部163dは、不具合が生じた画像形成装置を識別する情報と担当記憶部163cが関連付けて記憶した情報を特定する。
【0123】
次に、図8(b)に戻り、第1管理装置160の構成について引き続き説明を行う。
送信部164は、例えば、通信部160dで実現される。送信部164は、ソフトウェア管理部162が決定した最適バージョン、及び最適バージョンの制御プログラムの所在を表す最適バージョンソフトウェアの情報を、問合せを送信した画像形成装置へ返信する。
また、送信部164は、対処特定部163bが特定した対処を表す対処情報を、問合せを送信した画像形成装置、並びに担当特定部163dが特定した端末装置のいずれか1つ以上へ返信する。更に、対処特定部163bが対処情報を特定できなかった場合に、担当特定部163dが特定した担当者の端末装置へ状態情報を送信し、その後、担当者が特定した対処情報を、問合せを送信した画像形成装置へ返信しても良い。
【0124】
次に、図9を参照して、第1管理装置160が実行するソフトウェア処理について説明を行う。図9は、第1管理装置160が実行する第1管理処理の一例を表すフローチャートである。
先ず、第1管理装置160は、不具合の生じた画像形成装置200の種別を表す種別情報等を含む上記問合せを受信する(ステップS41)。次に、第1管理装置160は、受信した問合せに含まれる種別情報等に基づいて、上記の様に制御プログラムの最適版(最適バージョン)を決定する(ステップS42)。その後、第1管理装置160は、決定した最適版を表す情報、及び最適版の制御プログラムの所在を表す情報を、画像形成装置200へ返信する。
【0125】
次に、第1管理装置160は、最適版の制御プログラムに更新した画像形成装置200から、画像形成装置200に生じた不具合が更新エラーである可能性の有無及び高低を用いて不具合の状態を表す状態情報を受信したか否かを判断する(ステップS43)。第1管理装置160は、状態情報を受信したと判断する場合にはステップS45の処理を、そうでない場合には保守管理処理の実行を終了する。
【0126】
ステップS43において、状態情報を受信したと判断した場合には、第1管理装置160は、状態情報で表される更新エラーの可能性の有無及び高低に基づいて、不具合に対する対処方法を特定する(ステップS45)。その後、第1管理装置160は、対処方法を特定できたか否かを判断する(ステップS46)。第1管理装置160は、対処方法を特定できたと判断する場合にはステップS50の処理を実行し、そうでない場合にはステップS47の処理を実行する。
【0127】
ステップS46において、対処方法を特定できないと判断した場合には、第1管理装置160は、不具合の生じた画像形成装置200の保守管理を担当する担当者の使用する端末装置を特定する(ステップS47)。次に、第1管理装置160は、受信した状態情報を特定した端末装置へ送信する(ステップS48)。その後、送信した状態情報が表す状態の不具合に対する対処方法を表す対処情報を、端末装置から受信する(ステップS49)。
ステップS46において、対処方法を特定できたと判断した場合、又はステップS49を実行した後に、第1管理装置160は、対処情報を画像形成装置200へ返信する。その後、第1管理装置160は、第1管理装処理の実行を終了する。
【0128】
尚、図9において、ステップS41及びS49の処理が受信部161で実行される受信処理の一例に相当し、ステップS42の処理がソフトウェア管理部162を実現するためのソフトウェア管理処理の一例に相当する。また、ステップS43、S48、及びS50の処理が送信部164で実行される送信処理の一例に相当し、ステップS45の処理が対処特定部163bを実現するための対処特定処理の一例に相当し、ステップS47の処理が担当特定部163dを実現するための担当特定処理の一例に相当する。
【0129】
本実施例において、携帯電話機器111が備える通知部111a及び111b、並びに携帯電話機器112、固定電話機器114、及び端末機器115が備える通知部111a及び111bに相当する部、画像形成装置200が備える通知部262が通知手段の一例に相当する。
【0130】
また、画像形成部212が形成手段の一例に相当し、搬送部220が搬送手段の一例に相当し、検出部230が検出手段の一例に相当する。更に、情報受信部241が画像形成装置の備える受信手段の一例に相当し、情報送信部242が画像形成装置の備える送信手段の一例に相当する。更に、検知部292が検知手段の一例に相当し、更新部293が更新手段の一例に相当し、第1記憶部294が第1記憶手段の一例に相当し、制御実行部295が制御実行手段の一例に相当する。また更に、第1判定部296aが第1判定手段の一例に相当し、第2判定部296fが第2判定手段の一例に相当し、第2記憶部298が第2記憶手段の一例に相当する。
【0131】
更に、受信部161が保守管理装置の備える受信手段の一例に相当し、対処記憶部163aが対処記憶手段の一例に相当し、対処特定部163dが対処特定手段の一例に相当し、受信部164が保守管理装置の備える送信手段に相当する。
【0132】
また更に、第1管理装置160が保守管理装置の一例に相当し、携帯電話機器111及び携帯電話機器112、固定電話機器114、及び端末機器115が、担当者によって使用される端末装置の一例に相当する。
【実施例2】
【0133】
次に、図10を参照して、実施例2における画像形成装置が備える判定部の構成について説明する。図10は、実施例2における判定部の一構成例を表す機能ブロック図である。
【0134】
尚、本実施例で説明する画像形成装置は、実施例1で説明した画像形成装置200と同様の構成を有するため、画像形成装置の構成は、主に実施例1と同じ番号を用いて説明する。よって、以下主に、実施例1の画像形成装置200と本実施例の画像形成装置との相違点について説明し、相違点については、実施例1で用いた番号と異なる番号を使用する。
【0135】
図10に示す判定部299は、第1判定部299a、第1検索部299b及び第2判定部299fのみならず、第2検索部299c、第1算出部299d、及び第2算出部299eを備える。第1判定部299a、第1検索部299b、第2検索部299c、及び第2判定部299fは、実施例1で説明した第1判定部296a、第1検索部296b、及び第2判定部296fとほぼ同様であるため、以下主に相違点について説明を行う。
【0136】
第2検索部299cは、検知部292の検知した不具合と同種の不具合であって、更新時期より後に発生した不具合を表す情報を第2記憶部298から検索する。具体的には、第2検索部299cは、第1記憶部294が記憶する情報で表される更新時期よりも後の時期を表す情報に関連付けて第2記憶部298が記憶する情報を検索する。次に、第2検索部299cは、検索した情報から、検知部292が検知した不具合と同じ種類の不具合を表す情報を検索する。尚、第2検索部299cが検索する更新時期よりも後の時期に発生した不具合は、更新時刻から予め定める時間だけ遅い時刻までの期間に発生した不具合を含む構成を採用できる。また、これに限定されるのではなく、第2検索部299cが検索する更新時期よりも後の時期に発生した不具合は、更新時の総実行回数から予め定める回数だけ多い総実行回数までにおいて発生した不具合を含む構成を採用できる。
【0137】
第1算出部299dは、演算部290aが第1算出処理を実行することで実現される。第1算出部299dは、検知部230が検知した不具合と同じ不具合が制御プログラムの更新時期よりも「前」の時期において発生した発生頻度を算出する。具体的には、第1算出部299dは、第2記憶部298が記憶する情報で表される時期に検知された今回の不具合と同種の不具合が更新時期よりも前の時期において発生した発生頻度を算出する。より具体的な例を挙げると、第1検索部299bが検索した不具合を表す情報の数(つまり、レコード件数)を、第1検索部299bが検索対象とした期間で除算して頻度を算出する。
【0138】
第2算出部299eは、演算部290aが第2算出処理を実行することで実現される。第2算出部299eは、第1算出部299dと異なり、検知部230が検知した不具合と同じ不具合が制御プログラムの更新時期よりも「後」の時期において発生した発生頻度を算出する。より具体的な例を挙げると、第2検索部299cが検索した不具合を表す情報の数(つまり、レコード件数)を、第2検索部299cが検索対象とした期間で除算して頻度を算出する。
【0139】
第2判定部296fは、第2算出部299eが算出した発生頻度が、第1算出部299dが算出した発生頻度よりも高い場合に、検知部230によって検知された不具合が更新エラーである可能性が高いと判定する。逆に、第2判定部296fは、第2算出部299eが算出した発生頻度が、第1算出部299dが算出した発生頻度よりも低い又は同じ場合に、検知部230によって検知された不具合が更新エラーである可能性が低いと判定する。
【0140】
画像形成装置200から400及び第1管理装置160が実行するプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
更に、画像形成装置200から400及び第1管理装置160がソフトウェア処理を実行することで実現する機能の一部又は全部は、ハードウェア回路を用いて実現することができる。逆に、画像形成装置200から400及び第1管理装置160がハードウェア回路を用いて実現する機能の一部又は全部は、ソフトウェア処理を実行することで実現することができる。
【0141】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0142】
1…保守管理システム 10、20、30…通信網
111、112…携帯電話機器(端末装置)
111a…通知部(通知手段) 111b…通知部(通知手段)
113…基地局 114…固定電話機器(端末装置)
115…端末機器(端末装置) 160…第1管理装置(保守管理装置)
160a…演算部 160b…記憶部
160c…入出力部 160d…通信部
160e…バス 161…受信部(受信手段)
162…ソフトウェア管理部 163…保守管理部
163a…対処記憶部(対処記憶手段) 163b…対処特定部(対処特定手段)
163c…担当記憶部 163d…担当特定部
164…送信部(送信手段) 170…第2管理装置
200、300、400…画像形成装置 211…画像読取部
212…画像形成部(形成手段) 220…搬送部(搬送手段)
230…検出部(検出手段) 241…情報受信部(受信手段)
242…情報送信部(送信手段) 251…FAX受信部
252…FAX送信部 261…入力部
262…通知部(通知手段) 290…制御部
291…取得部 292…検知部(検知手段)
293…更新部(更新手段) 294…第1記憶部(第1記憶手段)
295…制御実行部(制御実行手段) 295a…試験制御実行部
295b…通常制御実行部 296…判定部
296a…第1判定部(第1判定手段) 296b…第1検索部
296f…第2判定部(第2判定手段) 297…登録部
298…第2記憶部 299…判定部
299a…第1判定部(第1判定手段) 299b…第1検索部
299c…第2検索部 299d…第1算出部
299e…第2算出部 299f…第2判定部(第2判定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成するために実行される制御プログラムが更新された更新時期を表す情報を記憶する第1記憶手段と、
前記制御プログラムの実行により生じる不具合を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知した前記不具合が前記制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性の有無を、前記第1記憶手段が記憶する情報で表される前記更新時期と前記不具合の発生した発生時期とに基づいて判定する第1判定手段と、
前記可能性が有ると前記第1判定手段が判定すると、前記可能性の有無を含む前記不具合の状態を表す状態情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1判定手段は、更新された前記制御プログラムが試験的に実行された時期に、前記不具合の発生した時期が含まれる場合に、前記不具合が前記制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1判定手段は、更新された前記制御プログラムが最初に実行された時期に、前記不具合の発生した時期が含まれる場合に、前記不具合が前記制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1判定手段は、前記制御プログラムが更新された後から予め定める時間を経過するまでの時期に、前記不具合の発生した時期が含まれる場合に、前記不具合が前記制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検知手段が前記不具合を検知した検知時期を表す情報を記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段が記憶する情報で表される時期に検知された前記不具合が前記更新時期よりも前の時期に発生した回数に基づいて、前記可能性の高低を判定する第2判定手段とを更に備え、
前記送信手段は、前記可能性が有ると前記第1判定手段が判定すると、前記第2判定手段が判定した前記可能性の高低を含む前記不具合の状態を表す前記状態情報を送信することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2判定手段は、前記更新時期よりも前の時期に前記不具合が検知されていない場合に、前記不具合が前記制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が高いと判定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期は、前記制御プログラムが更新された更新時刻で表され、
前記第2記憶手段が記憶する情報で表される検知時期は、前記不具合が検知された検知時刻で表され、
前記更新時期よりも前の時期に発生した前記不具合は、前記更新時刻から予め定める時間だけ早い時刻までの期間に発生した前記不具合を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期は、更新されるまでに前記制御プログラムが実行された総実行回数で表され、
前記第2記憶手段が記憶する情報で表される検知時期は、前記不具合が検知されるまでに前記制御プログラムが実行された総実行回数で表され、
前記更新時期よりも前の時期に発生した前記不具合は、更新時の総実行回数から予め定める回数だけ少ない総実行回数までにおいて発生した前記不具合を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2判定手段は、前記第2記憶手段が記憶する情報で表される時期に検知された前記不具合が前記更新時期よりも後の時期において発生した発生頻度が、前記更新時期よりも前の時期の発生頻度よりも高い場合に、前記不具合が前記制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性が高いと判定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期は、前記制御プログラムが更新された更新時刻で表され、
前記第2記憶手段が記憶する情報で表される検知時期は、前記不具合が検知された検知時刻で表され、
前記更新時期よりも前の時期における発生頻度は、前記更新時刻から予め定める時間だけ早い時刻までの期間に前記不具合が発生した頻度を含み、
前記更新時期よりも後の時期における発生頻度は、前記更新時刻から予め定める時間だけ遅い時刻までの期間に前記不具合が発生した頻度を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1記憶手段が記憶する情報で表される更新時期は、更新されるまでに前記制御プログラムが実行された総実行回数で表され、
前記第2記憶手段が記憶する情報で表される検知時期は、前記不具合が検知されるまでに前記制御プログラムが実行された総実行回数で表され、
前記更新時期よりも前の時期において前記不具合が発生した発生頻度は、更新時の総実行回数から予め定める回数だけ少ない総実行回数までの期間に前記不具合が発生した頻度を含み、
前記更新時期よりも後の時期において前記不具合が発生した発生頻度は、更新時の総実行回数から予め定める回数だけ多い総実行回数までの期間に前記不具合が発生した頻度を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像を形成する形成手段と、
前記制御プログラムを実行することで、前記形成手段を制御する制御実行手段とを更に備え、
前記検知手段は、前記制御実行手段により制御された前記形成手段に生じる不具合を検知することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像を印刷される印刷媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による前記印刷媒体の搬送を検出する検出手段とを更に備え、
前記形成手段は、前記搬送手段によって搬送される前記印刷媒体に画像を印刷し、
前記制御実行手段は、前記制御プログラムの実行により前記形成手段及び前記搬送手段のいずれか1つ以上を制御し、
前記検知手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記形成手段及び前記搬送手段のいずれか1つ以上における前記印刷媒体の詰まりを検知することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1記憶手段は、前記制御プログラムと前記制御プログラムの更新時期を表す情報と関連付けて記憶し、
前記第1記憶手段が記憶する前記制御プログラムよりも新しい版の前記制御プログラムを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記制御プログラムで、前記第1記憶手段に記憶された前記制御プログラムと前記更新時期を表す情報とを更新する更新手段とを備えることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記送信手段は、前記可能性が無いと前記第1判定手段が判定した前記不具合の発生回数が予め定める回数を超えた場合、及び前記不具合の発生頻度が予め定める頻度を超えた場合のいずれか1つ以上の場合に、前記不具合の状態を表す状態情報を送信することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
コンピュータを、
画像を形成するために実行される制御プログラムが更新された更新時期を表す情報を記憶する第1記憶手段と、
前記制御プログラムの実行により生じる不具合を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知した前記不具合が前記制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性の有無を、前記第1記憶手段が記憶する情報で表される前記更新時期と前記不具合の発生した発生時期とに基づいて判定する第1判定手段と、
前記可能性が有ると前記第1判定手段が判定すると、前記不具合の状態を表す状態情報を送信する送信手段に対して、前記可能性の有無を含む前記状態情報を送信するよう制御する制御実行手段として機能させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項17】
画像を形成するために実行される制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の有無を含む前記不具合の状態を表す状態情報を受信する受信手段と、
前記制御プログラムを実行する画像形成装置に生じ得る不具合の状態を表す状態情報と、前記不具合に対する対処方法を表す対処情報とを関連付けて記憶する対処記憶手段と、
前記受信手段が受信した前記状態情報と前記対処記憶手段が関連付けて記憶した前記対処情報を特定する対処特定手段と、
前記対処特定手段が特定した対処情報を、前記画像形成装置及び前記画像形成装置の保守管理を担当する担当者によって使用される端末装置のいずれか1つ以上へ送信する送信手段とを備えることを特徴とする保守管理装置。
【請求項18】
コンピュータを、
画像を形成するために実行される制御プログラムの更新によって不具合が生じた可能性の有無を含む前記不具合の状態を表す状態情報を受信する受信手段と、
前記制御プログラムを実行する画像形成装置に生じ得る不具合の状態を表す状態情報と、前記不具合に対する対処方法を表す対処情報とを関連付けて記憶する対処記憶手段と、
前記受信手段が受信した前記状態情報と前記対処記憶手段が関連付けて記憶した前記対処情報を特定する対処特定手段と、
前記対処特定手段が特定した対処情報を、前記画像形成装置及び前記画像形成装置の保守管理を担当する担当者によって使用される端末装置のいずれか1つ以上へ送信する送信手段として機能させることを特徴とする保守管理プログラム。
【請求項19】
画像を形成するために実行される制御プログラムが更新された更新時期を表す情報を記憶する第1記憶手段と、
前記制御プログラムの実行により生じる不具合を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知した前記不具合が前記制御プログラムの更新によって生じた不具合である可能性の有無を、前記第1記憶手段が記憶する情報で表される前記更新時期と前記不具合の発生した発生時期とに基づいて判定する第1判定手段と、
前記制御プログラムを実行する画像形成装置に生じ得る不具合の状態を表す状態情報と、前記不具合に対する対処方法を表す対処情報とを関連付けて記憶する対処記憶手段と、
前記可能性が有ると前記第1判定手段が判定すると、前記第1判定手段が判定した前記可能性の有無を含む前記状態情報と前記対処記憶手段が関連付けて記憶した前記対処情報を特定する対処特定手段と、
前記対処特定手段が特定した前記対処情報が表す対処を通知する通知手段とを備えることを特徴とする保守管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−55031(P2011−55031A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199259(P2009−199259)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】