説明

画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラム

【課題】個人情報を含む原稿の集約コピーを確実に実行することで無駄な印刷を回避できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、圧板において原稿を読み取るスキャナエンジン105と、スキャナエンジン105が読み取った原稿の画像データを蓄積するRAM103と、読み取る原稿の総枚数を予め規定する所定のコピーモードに従い、RAM103に蓄積された画像データを集約する画像処理部108と、前記所定のコピーモードに従い、前記画像データを印刷出力するプリンタエンジン114と、指示入力を受け付ける操作部111と、を備える。スキャナエンジン105が読み取った原稿の総枚数が前記所定のコピーモードにより予め規定された総枚数よりも少なく、かつ、操作部111が所定時間内に読取指示を入力しない場合、RAM103に蓄積された画像データは破棄される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムに関し、より詳しくは、個人情報を含む原稿の集約コピーを確実に実行することで無駄な印刷を回避できる画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚の原稿を読み取り、集約して1枚にまとめて印刷出力する技術(以下、集約コピーと称する。)が知られている。複数枚の原稿の読み取りは、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)等を使用して自動的に原稿の給紙を行ったり、手動で原稿ガラス上に原稿を配置して1枚ずつ読み取らせたりすることで行われる。IDカード等、ADFでは搬送できない形状の原稿は手動で原稿ガラス上に配置して読み取ることが一般的である。
【0003】
原稿ガラス上で複数枚の原稿を1枚ずつ手動で配置して読み取らせる集約コピーでは、全ての原稿の読取が終了したか否かを自動的に装置が判断することができない。そのため、予め所定の読取時間を設定したり、特定のボタンの押下等によりユーザがトリガをかけたりして、装置に、全ての原稿の読み取りの終了を知らせている。具体的には、装置は、所定の読取時間内に次の原稿の読み取りが開始されない場合またはトリガが発生しない場合に、読取終了と判断して印刷出力を行う。
【0004】
ところで、今日、個人情報が記載された運転免許証等の書類を複写機でコピーして、個人認証のために利用する機会が多い。個人情報が含まれた書類をコピーする場合には、個人情報が不正利用されたり流出したりすることを防止するため、特に配慮が要求される。そのため、個人情報を含む書類の複写のための画像処理技術が開発されている。
【0005】
例えば、特許文献1の画像処理装置は、個人情報を含む所定サイズの原稿をコピーする際に、原稿に含まれる所望の情報のみを選択的に出力する。具体的には、所定サイズの原稿(運転免許証等)に含まれる個人情報の座標位置を保持しておくことで、見せたくない情報にマスキング等の処理を施して出力する。
【0006】
また、特許文献2の画像処理装置も同様に、入力画像から情報媒体のサイズを算出して情報媒体の種類を特定し、情報媒体の種類に応じて個人情報を表す特有画像の位置を判定して、特有画像の存在する領域をマスクする。これによって、不所望の画像がコピーされることを防止できる。
【0007】
【特許文献1】特開2007−074088号公報
【特許文献2】特開2008−199428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1、2の画像処理装置は、不所望の情報が印刷されないようにすることはできるが、画像データの読取・蓄積が完了していない場合に誤って個人情報の印刷を行ってしまうことを防止できない。すなわち、手動で原稿ガラス上に原稿を配置して1枚ずつ原稿を読み取らせ、読み取った複数枚の原稿を集約コピーする場合には、装置が読み取り終了を正しく判断できないために、まだ読取が終了していない場合でも、既に蓄積した画像データのみで出力を行ってしまうことがあるが、特許文献1、2の画像処理装置は、かかる事態の防止については考慮されていない。
【0009】
個人情報を含む書類等は管理が重要であり、不要なコピーが発生することは好ましくない。したがって、画像データの読取・蓄積が完了した場合にのみ印刷を行い、不要なコピーの発生を防止することが望ましい。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、個人情報を含む原稿を集約コピーする際に、所望の枚数の原稿の読み取りが完了しなければ、既に読取・蓄積した画像データを破棄して処理を中止することにより、個人情報を含む不要なコピーの発生を防止することができる画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、圧板において原稿を電子的に読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った原稿の画像データを蓄積する蓄積手段と、読み取る原稿の総枚数を予め規定する所定のコピーモードに従い、前記蓄積手段に蓄積された画像データを1枚の印刷用紙に収まるように集約する集約手段と、前記所定のコピーモードに従い、前記画像データを印刷出力する出力手段と、指示入力を受け付ける入力手段と、前記読取手段が読み取った原稿の総枚数が前記所定のコピーモードにより予め規定された総枚数よりも少なく、かつ、前記入力手段が所定時間内に読取指示の入力を受け付けない場合、前記蓄積手段に蓄積された画像データを破棄し処理を終了する破棄判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる画像形成方法は、画像形成装置で実行される画像形成方法において、前記画像形成装置の圧板において読取手段によって電子的に原稿を読み取る読取工程と、読み取った原稿の画像データを蓄積手段に蓄積する蓄積工程と、前記読取手段によって読み取られた原稿の読取総枚数が、所定のコピーモードにおいて予め規定された総枚数に達したか否かを判定する比較判定工程と、前記比較判定工程において、前記読取総枚数が前記予め規定された総枚数に達していないと判定された場合、所定時間内にさらに前記読取手段によって他の原稿の読取がおこなわれなければ、前記蓄積手段に蓄積された前記画像データを破棄して処理を終了し、前記読取総枚数が前記予め規定された総枚数に達したと判定された場合、前記所定のコピーモードに従い前記蓄積手段に蓄積された前記画像データを1枚の印刷用紙に収まるように集約する画像処理工程と、集約された前記画像データを印刷出力する印刷出力工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる画像形成プログラムは、上記の画像形成方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、個人情報を含む原稿を集約コピーする際に、所望の枚数の原稿の読み取りが完了しなければ、既に読取・蓄積した画像データを破棄して処理を中止することにより、個人情報を含む不要なコピーの発生を防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1に示す画像形成装置10はコピー機能を有し、CPUバス100、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read-Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、RAM制御部104、スキャナエンジン105、スキャナ制御部106、画像読取部107、画像処理部108、課金部109、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)110、操作部111、操作部I/F制御部112、プリンタ制御部113、プリンタエンジン114、画像書込部115、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)116を備える。
【0016】
CPU101は、CPUバス100を介して上記各部に指示を出し上記各部を制御する。CPU101は1つでも複数でもよく、複数のCPUを搭載することで処理性能を向上させることもできる。画像形成装置10が実行するプログラムはROM102に格納されている。RAM103は、RAM制御部104を介してCPU101等と接続され、各部の処理データを一時的に保存する。NVRAM116は、不揮発性メモリであり、機器固有の情報(例えばコピー枚数のカウンタ値等)を保持する。
【0017】
スキャナエンジン105は、画像を読み取るための機構であり、スキャナ制御部106の制御を受けて原稿画像を読み取る。読み取られた原稿画像のデータは、画像読取部107に送られ、さらに画像処理部108にてデジタル信号処理等の処理が適宜行われる。
【0018】
プリンタエンジン114は、プリンタ制御部113の制御を受けて画像書込部115からの印刷データ入力を受け付け、画像の印刷出力を行う機構である。プリンタエンジン114は、レーザー方式、LED方式、インクジェット方式等の方式で画像を形成することができる。
【0019】
操作部111は、操作部I/F制御部112の制御を受けて、画像形成装置10のユーザからの入力を受け付け、かつ、ユーザに対して情報を提示するマンマシン・インタフェース部である。操作部111は、機器操作のためのボタンや機器状態表示のためのインジケータ(LED、LCD等の表示器、スピーカ等)を備える。
【0020】
課金部109は、内部に搭載されたCPU(図示せず)と表示部(図示せず)とを備え、金銭の投入を受け付け、残金額を表示する。課金部109内のCPUとCPU101とはUART110およびCPUバス100を介して接続される。これにより、CPU101は課金部109が受け付けた金銭の金額情報を取得し、課金部109に残金額の通知を行う。課金部109は、所定の料金の投入があった場合にのみ画像形成装置10を動作させるためのものであり、省略することもできる。課金部109は、コインラック等で構成することができる。
【0021】
上記の画像形成装置10において、スキャナエンジン105は圧板において電子的に原稿を読み取る読取手段、RAM103は読取手段が読み取った原稿の画像データを蓄積する蓄積手段、画像処理部108は蓄積手段に蓄積された画像データを集約する集約手段、プリンタエンジン114は画像データを印刷出力する出力手段、操作部111は指示入力を受け付ける入力手段、CPU101は所定の条件が満たされた場合に蓄積手段に蓄積された画像データを破棄し処理を終了する破棄判定手段としても機能する。
【0022】
次に、画像形成装置10の画像読取処理部、すなわち、スキャナエンジン105、画像読取部107、画像処理部108につきさらに詳細に説明する。図2に画像読取処理部の詳細を示す。図2中、圧板201が原稿ガラス202上に配置されている。圧板201は、原稿ガラス202上に載置された原稿を押さえ、原稿ガラス202を保護する役割を果たす。原稿ガラス202の下には原稿に光を照射するための露光ランプ203が配置されている。露光ランプ203から照射された光は原稿ガラス202上の原稿によって反射された後、ミラー204、205、206によって反射されて、レンズ207に入射し集光されてCCD208上で結像する。CCD208は、結像された光をアナログ電気信号に変換し、スキャナ画像処理部213(図1の画像処理部108に相当)へ送る。露光ランプ203とミラー204とは、走行体212上に配置されており、走行体212に装着されたワイヤ211がモータ214の回転により図中矢印方向に引っ張られることにともない、同矢印方向(副走査方向)に移動して原稿面の副走査を行う。なお、図2に示す画像読取処理部は、一例にすぎず、他の構成をとってもよいことはいうまでもない。
【0023】
図2の原稿ガラス202を上から見た図を図3−1に示す。原稿ガラス202上面には原稿読取領域と読取基準位置とが規定されている。本実施の形態においては、最大読取領域サイズをA4とし、図3−1の左上端を読取基準位置とする。また、図3−1中、左右方向を副走査方向、上下方向を主走査方向とする。ここでは、主走査方向に原稿の短辺をあわせて置くものとする。この場合、A4原稿の読取領域は図3−2、A5原稿の読取領域は図3−3のようになる。
【0024】
図3−1、図3−2、図3−3に示すような原稿ガラス202を介して複数の原稿を読み取り集約コピーした場合の例を図4−1から図4−3に示す。まず、図4−1の(a)に示すような2枚のA5原稿D1、D2を図3−3に示すように原稿ガラス202上の原稿読取領域内に1枚ずつ載置して読み取り、等倍集約コピーすると、図4−1の(b)に示すようなA4サイズのコピーが得られる。また、図4−2の(a)に示すような1枚のA5原稿D1を等倍集約コピーすると、図4−2の(b)に示すように、A4サイズ転写紙の下半分は空白のまま出力される。また、図4−3の(a)に示すような4枚のA5原稿D1、D2、D3、D4を等倍集約コピーすると、A4転写紙の表側にD1、D2が、裏側にD3、D4がそれぞれ印刷されて図4−3の(b)に示すようなコピーが得られる。なお、等倍集約コピー時には、画像の回転処理等もあわせて実行される。
【0025】
次に、操作部111の詳細な構成を図5に示す。上述の通り、操作部111は、ユーザからの入力を受け付ける入力手段として、また、ユーザに情報を提示する表示手段として機能する。図5に示すように、操作部111は、表示部502、テンキー503、リセットキー504、スタートキー505、アプリケーション切替キー506、クリアストップキー507、試しコピーキー508、および初期設定キー509を備える。表示部502は、文字列やビットマップ画像等を表示する。テンキー503は、原稿を複写する部数等の入力操作に使用される。リセットキー504は、モードのリセット時等に使用される。スタートキー505は、コピーや原稿読取の開始を指示するための操作に使用される。アプリケーション切替キー506は、コピー、ファックス、プリンタ、スキャナの4つのキーからなり、コピー機能、ファックス機能、プリンタ機能、スキャナ機能を切り替えるために使用される。クリアストップキー507は、コピー動作の中断やコピー枚数のリセットに使用される。試しコピーキー508は、コピー条件設定後の仕上がりイメージを確認するために1部だけのコピーを行う指示に使用される。初期設定キー509は、コピー機能、ファックス機能、プリンタ機能、スキャナ機能のそれぞれについて使用する設定の初期値設定のために使用される。なお、図5に示す操作部111は、ハードキーでキーボードを構成するものとしているが、液晶タッチパネル上に表示されるソフトキーボードも同様に使用できる。なお、操作部111の各部は画像形成装置の備える機能に応じて適宜追加・変更・省略できる。
【0026】
図5に示す操作部111において、ユーザがアプリケーション切替キー506を用いて「コピー」を選択すると、図5に示すように表示部502内には、コピー条件設定画面が表示される。ユーザは、コピー条件設定画面を使用して、複写紙のサイズや画質、コピーモード等を選択することができる。図5中、「簡単コピー」および「IDカードコピー」がコピーモードである。図5においては、ユーザが「A5」、「カラー」、「高速」、「IDカードコピー」を選択した状態を示している。第1の実施の形態において実行される「IDカードコピー」モードを、以下「第1のコピーモード」とも呼ぶ。
【0027】
図5の「簡単コピー」とは、特に動作を限定しない一般的なコピーモードを指し、「IDカードコピー」モード(第1のコピーモード)とは、免許証等の所定のIDカードの表面および裏面をA5用紙対応読取領域に順次配置して読み込み、読み込んだデータを等倍集約してA4用紙の片面に印刷するものを指す。IDカードコピーモード選択時には、一定の条件を固定化し、変更できないように設定している。このように、本実施の形態においては、一定の条件が予め設定されたコピーモードを容易に選択できるようにしてユーザビリティを向上させている。ただし、使用状況、ユーザの種類等により、固定条件とは別にユーザが自由に選択できる条件を設けることもできる。また、用途に応じて単一のコピーモードしかもたない画像形成装置も構成可能である。
【0028】
図6に「IDカードコピー」モードでIDカードをコピーする際の手順を概略的に示す。まず、ユーザは、「IDカードコピー」モードを選択する。そして、免許証等のIDカードの表側を原稿ガラス面に向けて原稿ガラスの読取領域上に載置する。本実施の形態では、A5用紙に対応する読取領域内にIDカードを載置する。A5用紙に対応する読取領域は、図6に示すように、副走査読取幅が210mm、主走査読取幅が148mmである。IDカードが載置され読取開始指示が入力されると、画像形成装置10はIDカードの表面の画像を読み取りそのデータを蓄積する。次に、ユーザはIDカードの裏面を原稿ガラス面に向けて原稿ガラスの読取領域上に載置し読取開始指示を入力する。画像形成装置10は、表面と同様にIDカードの裏面の画像を読み取りそのデータを蓄積する。表面および裏面の画像データが蓄積されると、画像形成装置10は、二つの画像データを等倍集約してA4用紙に対応する領域に配置して印刷・出力する。最終的に得られるコピーは、A4用紙(210mm×297mm)にIDカードの表面と裏面とが並べて配置されたものとなる(図6を参照)。なお、各原稿の間には仕切り線が印刷されるようにしてもよい。
【0029】
次に、「IDカードコピー」モードでのコピー処理手順を図7のフローチャートを参照して詳細に説明する。ユーザが操作部111上で「IDカードコピー」モードを選択し、スタートキー505を押下すると図7のIDカードコピー処理が開始される。まず、ステップS701において、IDカード総読み取り回数Sが2に設定される。IDカード総読み取り回数Sは、読み取るIDカード面の総数である。次にステップS702において、IDカード読み取り回数sが1に設定される。IDカード読み取り回数sは、その後に行われる読み取り処理が何番目の読み取り処理であるかを示す。IDカード読み取り回数sが設定されると、ステップS703で原稿の読み取りおよび蓄積が実行される。上記の通り、本実施の形態においては、IDカードの各面はA5用紙対応読取領域で読み取られる。1面目の読み取りおよび蓄積が終了すると、IDカード読み取り回数sがインクリメントされる(ステップS704)。そして、インクリメントしたIDカード読み取り回数sとIDカード総読み取り回数Sとを比較する(ステップS705)。インクリメントしたIDカード読み取り回数sがIDカード総読み取り回数Sよりも大きい場合(ステップS705、Yes)、必要な読み取りは終了しているので、すでに読み取った二つの画像のデータを結合して(ステップS706)、画像を印刷し(ステップS707)、処理を終了する。この場合の印刷出力は、図6に示した出力と同様である。
【0030】
これに対し、インクリメントしたIDカード読み取り回数sがIDカード総読み取り回数Sより大きくない場合(すなわち、sとSとが等しい場合:ステップS705、No)、2枚目の原稿の読取・蓄積が未完了であるため、2枚目の原稿、すなわちIDカードの2面目(裏面)をセットするよう促す画面が表示部502に表示される(ステップS708)。このとき、表示部502には図8−1に示すようなメッセージが表示される。表示と同時に所定時間(例えば30秒)のカウントが開始される。所定時間内に裏面の読取開始指示があれば(例えば、ユーザがスタートキー505を押下すれば)(ステップS709、Yes)、ステップS703に戻り、A5用紙対応読取領域から裏面画像を読み取って画像データを蓄積する。IDカードの表面、裏面の読み取り・蓄積が終了した時点で、IDカード読み取り回数sをインクリメントすると(ステップS704)、s=3>Sとなるので(ステップS705、Yes)、二つの画像のデータを結合して(ステップS706)、画像を印刷し(ステップS707)、処理を終了する。この場合の印刷出力は、図6に示した出力と同様である。
【0031】
ステップS709において、所定時間内に裏面の読取開始指示がない場合(例えば、ユーザがスタートキー505を押下せず放置していれば)(ステップS709、No)、既に読取・蓄積した1枚目の画像を破棄し(ステップS710)処理を終了する。この場合は、印刷出力はなく、画像を破棄し処理を終了した旨を通知するため、図8−2に示すように「IDカードコピーを強制終了しました。」等のメッセージが表示部502に表示される。
【0032】
個人認証のために使用されるIDカード等についてコピーが必要となる場合、表面・裏面がそろってはじめて個人認証が可能となる場合が多い。例えば、運転免許証を個人認証に利用する場合、裏面に記載がないとしても、住所変更等がないことを証明するために裏面のコピーも必要である。このような場合、通常の集約コピーとは異なり、表面のみでの印刷、裏面のみでの印刷では無意味である。そのため、上記のように1面のみのデータしか取得されない場合は印刷出力せず、データを破棄することとしている。これによって、不完全なコピー出力が防止されると同時に、個人情報の流出や紙の無駄を防止することができる。
【0033】
なお、原稿のセットおよび読取開始指示のための所定時間は、合理的な範囲内で変更できるようにしてもよいし、管理者権限を持つユーザのみが変更できるようにしてもよい。
【0034】
(変形例)
上記第1の実施の形態においては、常にIDカードの表面・裏面の印刷が必要である場合に対応する画像形成装置について説明した。しかし、ユーザのニーズに応じて、1面のみを印刷することを許可できるようにすると便宜である。例えば、個人認証用のコピーは信頼できる店員等しか行わない場合等、状況によっては、裏面に記載がないことを確認して裏面のコピーを省略しても問題はない。かかる場合にインクの節約等のため1面のみの印刷を許可できるようにしてもよい。そこで実施の形態1の変形例としてかかる場合の処理について図9のフローチャートを参照して説明する。
【0035】
図9において、まず、「IDカードコピー」モードを選択すると、原稿1枚のみのコピーが許可されるか否かを判断する(ステップS901)。1枚のみのコピーを許可するか否かについては、画像形成装置自体に固定設定してもよいし、初期設定において選択できるようにしてもよいし、管理者権限をもつユーザのみが設定変更できるようにしてもよい。
【0036】
1枚のみのコピーが許可されない場合(ステップS901、No)、以降の処理は図7と同様である(ステップS902、S904〜S913:なお、この場合S908は常にNoとなる)。これに対し、1枚のみのコピーが許可される場合(ステップS901、Yes)、IDカード総読み取り回数Sが1に設定される(ステップS903)。そして、IDカード読み取り回数sが1に設定され(ステップS904)、A5対応読取領域における原稿を読み取って蓄積する(ステップS905)。次に、IDカード読み取り回数sがインクリメントされると(ステップS906)、s=2、S=1となるため、両者を比較すると、sが大きい(ステップS907、Yes)。また、S=1であるからステップS908においてYesとなる(ステップS908、Yes)。
【0037】
ここで、原稿1枚のコピーを許可していても、2枚目のコピーを禁止する必要はない。そこで、ステップS908においてYesとなった場合には、ステップS914に進んで、原稿1枚目で読み取りを終了するか、または、原稿2枚目をセットするか、の選択を促す画面を表示部502に表示する(ステップS914)。この場合の表示は、図8−1と同様であるが、加えて「表面のみの場合は#キーを押してください」等のメッセージが表示される。そして、図7の処理におけるステップS709と同様、所定時間内に読取開始指示があれば(ステップS915、Yes)、IDカード読み取り回数Sを2に再設定してステップS905に戻る(ステップS916)。所定時間内に読取開始指示がない場合は(読取完了指示がある場合(#キーの押下がある場合等)も含む:ステップS915、No)、読み取り終了と判断する。この場合、読み取り画像は1枚分であるため、画像の結合は不要であり、読み取った画像をそのまま印刷して(ステップS910)処理を終了する。
【0038】
なお、原稿1枚のコピーを印刷出力する場合も、白紙ページ画像を準備しておいて白紙ページ画像と結合するようにしてもよい。この場合に印刷される画像は図10のようになる。この場合は、図9の処理中、ステップS915でNoであればステップS909に進むことになる。
【0039】
このような構成とすることで、印刷が必要な原稿面が1面である場合にも対応できる。運転免許証等の場合、裏面は備考欄となっており、特記事項がなければ印刷の必要はない。このような場合には上記変形例を利用して1面を印刷出力すればよい。また、上記変形例においては、ユーザが1枚のみの印刷を確定することができるので、それによって、裏面に対応する部分を白紙とすることができ、また、表面のみが有効面であることを確認できる。また、無駄な印刷を防止できるため、トナー、インク等の無駄が防止され、出力速度も向上する。
【0040】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態においては、IDカードの表面・裏面を無駄なく等倍集約コピーする画像形成装置について説明した。しかし、IDカードの表面・裏面だけでなく、補足的な情報を合わせてコピーしたい場合も考えられる。このような場合に、1枚の複写紙の表面にIDカードの表面・裏面を等倍集約コピーし、複写紙の裏面に補足情報を集約処理せずにコピーする画像形成装置を第2の実施の形態として説明する。このような形式のコピー処理をここでは第2のコピーモードと呼ぶ。
【0041】
図11は、第2のコピーモードにおけるIDカードコピー処理を示すフローチャートである。図11中、ステップS1101〜S1106までの処理およびステップS1111〜S1113までの処理は、図7のステップS701〜S706までの処理およびステップS708〜S710までの処理と同様である。図11の処理においては、IDカードの表面・裏面の画像を取得、結合した後の処理(ステップS1107〜S1110)が図7の処理と異なる。
【0042】
IDカードの表面・裏面の画像を取得し、結合した(ステップS1106)後、表示部502は、3枚目の原稿を原稿ガラス上にセットするよう促すメッセージを表示する(ステップS1107)。このときに表示部502に表示されるメッセージは、図8−1に示すメッセージと同様であり、例えば、「30秒以内に補足書類をセットし、スタートキーを押して下さい」等となる。
【0043】
所定時間内に補足書類読取開始指示があれば(例えばユーザがスタートキー505を押下すれば)(ステップS1108、Yes)、補足書類をA4対応読取領域から読み取って画像データを蓄積する(ステップS1109)。そして、IDカードの表面・裏面から読み取った画像データを等倍集約したものを複写紙の表面に、補足書類から読み取った画像データを複写紙の裏面に印刷出力して(ステップS1110)、処理を終了する。この場合、IDカードの表面・裏面を結合した画像データも、補足書類の画像データも、ともにA4サイズで印刷出力される。印刷されたデータの例を図12に示す。
【0044】
所定時間内に補足書類読取開始指示がなければ(ステップS1108、No)、蓄積された画像を破棄して(ステップS1113)、印刷出力は行わずに処理を終了する。この場合には、表示部502に、「IDカード+補足書類コピーを強制終了しました。」等のメッセージが表示される。
【0045】
第2のコピーモードにおいて処理する補足書類とは、IDカードのほかに、個人認証を補足する書類である。例えば、住所を変更した後に、住所変更手続が完了していない運転免許証をIDカードとして提示するのであれば、新住所に届いた郵便物や新住所の住民票等の書類を新住所を公的に確認できる補足書類として、あわせてコピーすることが考えられる。これ以外の場合にも、IDカード単独では個人認証が不十分であると考えられる場合に、補足書類をあわせて印刷出力することで利便性を高めることができる。また、第2のコピーモードにおいては、1枚の複写紙の表面にIDカードの表面・裏面を、複写紙の裏面に補足情報をコピーすることとしているので、1枚の紙に必要な情報をまとめることができ、個人情報の管理を容易にすることができる。
【0046】
また、補足書類の読取領域をA4サイズとしているため、A4サイズが多い住民票等を無理なく読み取ることができ、また、葉書サイズの書類であれば最大4枚まで読み取ることができる。
【0047】
(変形例1)
上記第2の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した第1のコピーモードに補足書類コピー処理を直列的に追加した第2のコピーモードにより処理するものとした。すなわち、IDカードの表面・裏面の画像データを蓄積した後に、補足書類コピーを行うか否かを指示するようにした。かかる構成にかえて、第1のコピーモードをデフォルトとして、所定の指示を入力した場合のみ第2のコピーモードに切り替わるように構成することもできる。
【0048】
かかる処理の例を図13のフローチャートに示す。ユーザが表示部502を介して「IDカードコピー」モードを選択すると、処理が開始される。「IDカードコピー」モードに入ると自動的に第1のコピーモードに設定される(ステップS1301)。第2のコピーモードに切り替えるための指示入力は様々な形で実現できるが、操作性を高めるため容易に実行できる形態とすることが好ましい。具体的には、予め設定された所定のキーの押下等で実行される。例えば、「IDカードコピー」モードに入った後に、*キーを押下することによって、第2のコピーモードへの切替指示が行われる。このとき、表示部502は、切替指示を促すため、「IDカード+補足書類モードの場合は、*キーを押してください」等のメッセージを表示する。切替指示がなく(ステップS1302、No)、所定時間内にコピー開始指示がない場合(ステップS1303、No)、処理は終了する。この場合の処理の終了は従来の「オートクリア」機能等で実現される。なお、IDカードコピーモード以外のモード選択があった場合や、他の機能が選択された場合も、IDカードコピーモード終了のトリガとなる。所定時間内にコピー開始指示があれば(ステップS1303、Yes)、図7に示す第1のコピーモードによる処理が開始される(ステップS1304)。第1のコピーモードによる処理が終了すると、ステップS1301に戻る。
【0049】
切替指示があった場合(S1302、Yes)、第2のコピーモードに切り替わる(ステップS1305)。そして所定時間内にコピー開始指示がなければ(ステップS1306、No)、ステップS1301に戻る。この場合、ステップS1303でコピー開始指示がなかった場合と同様、処理を終了することとしてもよい。所定時間内にコピー開始指示があれば(ステップS1306、Yes)、表示部502は、「コピーできます」等のメッセージを表示する。この時、コピーモードが変更されたことを示すため、「IDカードコピー」の表示(図5参照)が「IDカードコピー(+補足書類)」等に変化する。そして、図11に示す第2のコピーモードによるIDカードコピー処理が開始される(ステップS1307)。ステップS1307の処理が終了すると、表示部502は「IDカード+補足書類コピーを終了しました。」等のメッセージを表示する。その後ステップ1301に戻る。ステップ1301に戻ると、コピーモードがデフォルトに戻ったことを示すため、表示部502の「IDカードコピー(+補足書類)」が「IDカードコピー」に変化する。
【0050】
上記変形例1では、第1のコピーモードおよび第2のコピーモードのうち実行頻度が高いのは第1のコピーモードであるという前提で、第1のコピーモードをデフォルトとし、第2のコピーモード実行後は自動的に第1のコピーモードに戻るようにしている。このように構成することで、連続してIDカードコピーを実行する場合の操作性を高めることができる。第2のコピーモードの方が実行頻度が高い環境下であれば、第2のコピーモードをデフォルトに設定すればよい。
【0051】
なお、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の変形例と同様に規定枚数よりも少ない枚数の原稿の画像データの印刷出力を許可できるようにすることも可能である。
【0052】
さらに、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態のそれぞれについて、以下のように変更を加えることもできる。
【0053】
(変形例2)
運転免許証等のIDカードは写真を含む表面についてはカラーコピーが望ましいが、裏面については白黒コピーで十分な場合がある。かかる場合に、必要なページのみをカラー印刷することでトナーやインクの無駄を防止することができる。
【0054】
そこで、例えば、図11に示すフローチャートにおいて、IDカードの表面読取時にはカラーで読み取り、裏面読取時および補足情報読取時には白黒で読み取るように変更を加えることができる。すなわち、ステップS1103においてIDカードの表面を読み取る際は初めからカラーで読み取るように設定する。そしてステップS1112でYesの場合にステップS1103に戻る場合には(IDカードの裏面を読み取る際には)白黒で読み取るように設定する。さらに、ステップS1109で補足情報を読み取る際には初めから白黒で読み取るように設定する。
【0055】
このようにカラーで読み取るか白黒で読み取るかが処理内容に依存して予め決定されている場合には、操作部111にカラースタートキー、モノクロスタートキーが備えられていても、それぞれ単なるスタートキーとして機能するよう制御する。
【0056】
ただし、モノクロ・カラーの切替がスタートキーとは別のキーで行われる構成の場合には、ユーザがあえてコピーモードのデフォルト設定とは異なる指示を与えることで、該指示にしたがってカラー、モノクロを切り替えるように構成してもよい。
【0057】
(変形例3)
また、図1に示した課金部109の動作として、上述した画像形成装置10の機能特有の課金方法を適用することもできる。以下、これを変形例3として説明する。
【0058】
変形例2にかかる画像形成装置では、1枚の用紙内において、カラー領域とモノクロ領域とを明確に区別する。そこで、入力原稿のサイズだけでなく、カラー・モノクロ出力を区別して課金額を変更することもできる。図14に示すように、例えば、入力原稿・出力用紙がともにA4サイズの場合には、カラー20円、モノクロ10円とし、A5サイズの入力原稿を等倍集約してA4出力とする場合には、A5入力原稿1枚あたりカラー10円、モノクロ5円とする。具体的には、IDカードの表面のみ等倍集約してカラー印刷する場合には、A5カラー入力1枚なので、10円となる。また、IDカードの両面を等倍集約してカラー印刷する場合、A5カラー入力2枚なので、20円となる。また、IDカードの両面を等倍集約して、表面をカラー、裏面をモノクロで印刷する場合、A5カラー入力1枚、A5モノクロ入力1枚なので、10円+5円=15円となる。また、IDカードの両面および補足書類を、IDカードについては等倍集約し、すべてカラーで印刷する場合、A5カラー入力2枚+A4カラー入力1枚なので、10円×2+20=40円となる。また、IDカード両面および補足書類を、IDカードについては等倍集約し、IDカードの表面のみをカラーとして印刷する場合、A5カラー入力1枚、A5モノクロ入力1枚、A4モノクロ入力1枚なので、10+5+10=25円となる。
【0059】
このように用紙サイズ、カラー/モノクロの別に応じて課金することで適切な課金を行うことができる。
【0060】
(変形例4)
図5に示すように、操作部111は試しコピーキー508を備える場合がある。通常は、試しコピーキー508を押下すると、出力結果を確認するために1枚だけコピーが実行されるように設定されている。これに対し、IDカードコピーモード選択時は、試しコピーキー508を無効化することができる。この場合、図15に示すように、試しコピーキー508が押下されると、試しコピーキーは使用できない旨のメッセージが表示部502に表示される。なお、IDカードコピーモードしか実行しない画像形成装置であれば、試しコピーキー508そのものを省略すればよい。
【0061】
なお、従来の画像形成装置においては、試しコピー機能がソート選択時のみ有効となるように構成されている場合もある。したがって、スタック選択時には試しコピーキーは無効化されている。上記各実施の形態において、IDカードコピーモードは1枚の用紙に印刷出力を行うモードとして構成されているため、IDカードコピーモードにおいては自動的にスタックが選択されるようにすることも考えられる。このように、IDカードコピーとソートとの組み合わせができない構成をとる場合には、試しコピーの禁止制御は特に必要ない。
【0062】
(変形例5)
上の変形例4のように、IDカードコピーモード選択時には試しコピーキー508を無効とすると、出力画像を確認することはできない。そこで、表示部502でプレビュー表示を行ってもよい。すなわち、IDカードコピーモード選択時には、読取終了後・印刷出力前に、表示部502にプレビュー画像が表示され、プレビュー画像表示画面から出力するか、キャンセルするかを選択できるようにするとよい(図16参照)。
【0063】
このように正しく個人認証できる印刷出力がなされることがプレビュー画像により確認された場合のみ、実際に印刷出力することにより、不必要な印刷による個人情報の流出、紙の無駄を防止することができる。
【0064】
この場合、プレビュー表示指示用のキーを独立して設けてもよいし、IDカードコピーモード選択時には、試しコピーキー508の押下がプレビュー画像表示のトリガとして機能するようにしてもよい。そうすると、印刷前に常にプレビュー画像表示が表示されるのではなく、ユーザが所望の場合のみ表示される。
【0065】
また、常にプレビュー表示を行うか否かもユーザが初期設定等で選択するようにしてもよい。さらに、プレビュー表示が所定時間のみ行われるようにして、所定時間内に指示がない場合は、プレビュー表示された画像の印刷をキャンセルし画像を破棄するように設定してもよい。かかる構成はセキュリティ上好ましい。プレビュー表示の時間は、表示部の性能や機能に応じて設定してもよいし、ユーザが変更できるようにしてもよい。かかる構成によってプレビュー機能をより効果的に利用することができる。
【0066】
上述した第1〜2の実施の形態の画像形成装置は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置とを備えた通常のコンピュータのハードウェア構成(図1に一部図示)を利用して実現することができる。
【0067】
よって、第1〜2の実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0068】
また、第1〜2の実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、第1〜2の実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0069】
また、第1〜2の実施の形態の画像形成プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0070】
第1〜2の実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、上述した各部(読取手段、蓄積手段、集約手段等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、読取手段、蓄積手段、集約手段等が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムに有用であり、より詳しくは、失敗したコピーを印刷出力することなく、個人情報を含む原稿の集約コピーを確実に実行できる画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施の形態の画像形成装置のブロック図である
【図2】図1に示す画像形成装置が備える画像読取部の詳細を示す図である。
【図3−1】図2に示す画像読取部が備える原稿ガラス上の読取領域を概括的に示す図である。
【図3−2】図2に示す画像読取部が備える原稿ガラス上のA4対応読取領域を概括的に示す図である。
【図3−3】図2に示す画像読取部が備える原稿ガラス上のA5対応読取領域を概括的に示す図である。
【図4−1】等倍集約の前の原稿と等倍集約後の印刷出力の例を示す図である。
【図4−2】等倍集約の前の原稿と等倍集約後の印刷出力の別の例を示す図である。
【図4−3】等倍集約の前の原稿と等倍集約後の印刷出力のさらに別の例を示す図である。
【図5】図1に示す画像形成装置が備える操作部の詳細を示す図である。
【図6】第1のコピーモードにおける処理手順の概要を示す図である。
【図7】第1のコピーモードにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図8−1】第1のコピーモードにおける処理中の表示部の例を示す図である。
【図8−2】第1のコピーモードにおける処理中の表示部の別の例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の変形例1による処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態の変形例1による、IDカードの片面のみを印刷出力した例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態による、第2のコピーモードにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態において、IDカードおよび補足書類を印刷出力した例を示す図である。
【図13】第2の実施の形態の変形例1による処理手順を示すフローチャートである。
【図14】画像形成装置の課金方式の例を示す図である。
【図15】IDカードコピーモード選択中は試しコピーを禁止する場合の表示画面の例を示す図である。
【図16】プレビュー画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
10 画像形成装置
100 CPUバス
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 RAM制御部
105 スキャナエンジン
106 スキャナ制御部
107 画像読取部
108 画像処理部
109 課金部
110 UART
111 操作部
112 操作部I/F制御部
113 プリンタ制御部
114 プリンタエンジン
115 画像書込部
116 NVRAM
201 圧板
202 原稿ガラス
203 露光ランプ
204、205、206 ミラー
207 レンズ
208 CCD
211 ワイヤ
212 走行体
213 スキャナ画像処理部
214 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧板において原稿を電子的に読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った原稿の画像データを蓄積する蓄積手段と、
読み取る原稿の総枚数を予め規定する所定のコピーモードに従い、前記蓄積手段に蓄積された画像データを1枚の印刷用紙に収まるように集約する集約手段と、
前記所定のコピーモードに従い、前記画像データを印刷出力する出力手段と、
指示入力を受け付ける入力手段と、
前記読取手段が読み取った原稿の総枚数が前記所定のコピーモードにより予め規定された総枚数よりも少なく、かつ、前記入力手段が所定時間内に読取指示の入力を受け付けない場合、前記蓄積手段に蓄積された画像データを破棄し処理を終了する破棄判定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定のコピーモードは、前記予め規定された原稿の総枚数を2枚とし、等倍集約で片面印刷する第1のコピーモードであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定のコピーモードは、前記予め規定された原稿の総枚数を3枚とし、1、2枚目を等倍集約して表面に印刷し、3枚目を集約せずに裏面に印刷する第2のコピーモードであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記入力手段は、前記所定のコピーモードとして、前記予め規定された原稿の総枚数を2枚とし、等倍集約で片面印刷する第1のコピーモード、および、前記予め規定された原稿の総枚数を3枚とし、1、2枚目を等倍集約して表面に印刷し、3枚目を集約せずに裏面に印刷する第2のコピーモードのいずれかの選択を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記入力手段から所定の指示入力がない場合は前記第1のコピーモードを実行し、前記入力手段から前記所定の指示入力があった場合は前記第2のコピーモードを実行した後、前記第1のコピーモードに戻ることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記入力手段は、前記予め規定された原稿の総枚数より少ない画像データの印刷出力を許可する出力許可指示の入力を受け付け、
前記出力許可指示の入力があった場合に、前記破棄判定手段を無効化する破棄判定無効化手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記所定のコピーモードの実行中は、前記出力手段が印刷出力を行う前に、印刷画像をプレビュー表示するプレビュー表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記読取手段が読み取った原稿のうち、1枚目をカラーで出力し、2枚目以降をモノクロで出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記集約手段が集約を行ったか否かおよび前記出力手段がカラーまたはモノクロのいずれで出力したかにより、読取手段が読み取った原稿の枚数に応じて、課金額を変更して課金する課金手段をさらに備えることを特徴する請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置で実行される画像形成方法において、
前記画像形成装置の圧板において読取手段によって電子的に原稿を読み取る読取工程と、
読み取った原稿の画像データを蓄積手段に蓄積する蓄積工程と、
前記読取手段によって読み取られた原稿の読取総枚数が、所定のコピーモードにおいて予め規定された総枚数に達したか否かを判定する比較判定工程と、
前記比較判定工程において、前記読取総枚数が前記予め規定された総枚数に達していないと判定された場合、所定時間内にさらに前記読取手段によって他の原稿の読取がおこなわれなければ、前記蓄積手段に蓄積された前記画像データを破棄して処理を終了し、前記読取総枚数が前記予め規定された総枚数に達したと判定された場合、前記所定のコピーモードに従い前記蓄積手段に蓄積された前記画像データを1枚の印刷用紙に収まるように集約する画像処理工程と、
集約された前記画像データを印刷出力する印刷出力工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
前記比較判定工程において、前記原稿の前記読取総枚数が、前記所定のコピーモードにおいて予め規定された総枚数である2枚に達したと判定された場合、
前記画像処理工程において、読み取った2枚の原稿の画像データを印刷用紙の片面に収まるように等倍集約し、
前記印刷出力工程において、等倍集約した前記画像データを片面印刷することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
【請求項12】
前記比較判定工程において、前記原稿の前記読取総枚数が、前記所定のコピーモードにおいて予め規定された総枚数である3枚に達したと判定された場合、
前記画像処理工程において、読み取った1、2枚目の原稿の画像データを等倍集約し、読み取った3枚目の原稿の画像データは集約せず、
前記印刷出力工程において、等倍集約した前記1、2枚目の原稿の画像データを表面に、前記画像処理工程において集約しなかった前記3枚目の原稿の画像データを裏面に印刷出力することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
【請求項13】
前記所定のコピーモードに予め規定された総枚数より少ない画像データの印刷出力を許可することを示す出力許可指示を、入力手段を介して受け付け、前記破棄判定工程を無効化する破棄判定無効化工程をさらに備えることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項14】
前記印刷出力工程において、前記読取手段によって読み取られた1枚目の原稿をカラー出力し、2枚目以降の原稿をモノクロ出力することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項15】
前記画像処理工程において集約を行ったか否かおよび前記印刷出力工程においてカラーまたはモノクロのいずれで出力したかにより、読み取った原稿の枚数に応じて課金額を変更して課金する課金工程をさらに備えることを特徴する請求項10〜14のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項16】
請求項10〜15のいずれか1項に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるための画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−130561(P2010−130561A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305338(P2008−305338)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】