説明

画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラム

【課題】 折り曲げることのできる上限値を超えるページの画像を形成することができるとともに、画像が形成された紙媒体の複数組を関連付ける作業を容易にすること。
【解決手段】 MFPは、印刷条件にしたがって、画像データの画像を形成した場合に画像が形成される紙媒体の画像形成枚数を算出する画像形成枚数算出部115と、画像形成枚数が後処理部が一度に折り曲げ可能な上限値を超える場合、画像データに含まれる複数ページを複数の組に分割する分割部117と、複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを画像データに追加する画像データ変更部119と、複数の組各々に属する複数ページの画像が形成される複数の紙媒体のうち1枚の代表紙媒体の裏面に関連付情報を含むページが形成されるように印刷条件を変更する条件変更部121と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムに関し、特に画像形成後の用紙を折り曲げる機能を備えた画像形成装置、その画像形成装置で実行される画像形成方法および画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Periferal)で代表される画像形成装置は、画像が形成された用紙を折り曲げる機能を備えたものが登場している。折り曲げ方法としては、断面がZの文字の形成になるZ折、用紙を3分割して分割線で両端部分を内側に折り曲げる内折とがある。
【0003】
一方、折り曲げ機構の制約により、同時に折り曲げることのできる用紙の枚数には上限があり、上限値を超える枚数の用紙を重ねて折り曲げることができない。このため、本来同時に折り曲げるべき複数の用紙を、2以上の組に分割して別々に折り曲げて出力し、出力後に2以上の組を手作業で合体させることが考えられる。しかしながら、2以上の組を手作業で合体させる作業は、2以上の組の内容を確認するために、既に折り曲げられた用紙を開く必要があり、また、内容を確認して重ねる方向を決定しなければならない。このため、作業が煩雑になるといった問題があった。
【0004】
特開2006−069047号公報には、各々内容を一部分異ならせた複数の冊子であって各冊子が複数の分冊で構成された複数の冊子を作成するための画像データ、及び作成されたときに各冊子を目視で識別可能な識別情報を取得する取得手段と、前記識別情報に対応する記録データを各分冊毎に生成する生成手段と、前記画像データの前記分冊を作成するために重ねて2つ折りしたときに外側に位置する記録用紙に画像を記録するための部分に、前記生成手段によって生成された分冊毎の記録データを合成して出力する合成出力手段と、を備えた画像データ処理装置が記載されている。この画像データ処理装置は、記録用紙の綴じ代領域又は製本されるときに裁断される裁断領域に識別情報が記録されるように、画像データの部分に記録データを合成して出力する。このため、綴じ代領域または裁断領域が存在しない場合には、適用することができないといった問題があった。
【特許文献1】特開2006−069047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、折り曲げることのできる上限値を超えるページの画像を形成することができるとともに、画像が形成された紙媒体の複数組を関連付ける作業を容易にした画像形成装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、折り曲げることのできる上限値を超えるページの画像を形成することができるとともに、画像が形成された紙媒体の複数組を関連付ける作業を容易にした画像形成方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、折り曲げることのできる上限値を超えるページの画像を形成することができるとともに、画像が形成された紙媒体の複数組を関連付ける作業を容易にした画像形成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、画像データに基づいて、画像データの画像を紙媒体に形成する画像形成手段と、画像形成手段により画像が形成された1以上の紙媒体を折り曲げる折手段と、複数ページを含む画像データを取得する画像データ取得手段と、取得された画像データの画像を形成する印刷条件を受け付ける印刷条件受付手段と、受け付けられた印刷条件にしたがって、取得された画像データの画像を形成した場合に画像が形成される紙媒体の画像形成枚数を算出する画像形成枚数算出手段と、算出された画像形成枚数が折手段が一度に折り曲げ可能な枚数として予め定められた上限値を超える場合、画像データに含まれる複数ページを上限値以下の数のページを含む複数の組に分割する分割手段と、分割手段により画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを画像データに追加する画像データ変更手段と、分割手段により画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組各々に属する複数ページの画像が形成される複数の紙媒体のうち1枚の代表紙媒体の裏面に関連付情報を含むページが形成されるように印刷条件を変更する印刷条件変更手段と、画像形成手段を制御して、変更された印刷条件にしたがって、変更後の画像データに含まれる複数ページの画像を順に紙媒体に形成させる画像形成制御手段と、折手段を制御して、分割手段により画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組ごとに1以上の紙媒体を折り曲げさせる折制御手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、印刷条件にしたがって、画像データの画像を形成した場合に画像が形成される紙媒体の画像形成枚数が算出され、画像形成枚数が上限値を超える場合、画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割され、複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページが画像データに追加され、複数の組各々に属する複数ページの画像が形成される複数の紙媒体のうち1枚の代表紙媒体の裏面に関連付情報を含むページが形成されるように印刷条件が変更され、変更された印刷条件にしたがって、変更後の画像データに含まれる複数ページの画像が順に紙媒体に形成され、複数の組ごとに1以上の紙媒体が折り曲げられる。このため、折り曲げることのできる上限値を超えるページ数の画像データを紙媒体に画像形成することができるとともに、複数の組ごとに折り曲げられた紙媒体の束を、最終ページの裏面に形成された関連付情報で関連付けることができる。その結果、折り曲げることのできる上限値を超えるページの画像を形成することができるとともに、画像が形成された紙媒体の複数組を関連付ける作業を容易にした画像形成装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、画像データ変更手段は、複数の組各々において折手段により折り曲げられた状態で視認可能な位置に関連付情報の画像を配置したページを追加し、印刷条件変更手段は、複数の組各々において追加されたページの画像を、当該組に属する複数のページのうちページ番号が最も後のページの裏面に形成する条件を設定する。
【0011】
この局面に従えば、複数の組各々において折り曲げられた状態で視認可能な位置に、関連情報の画像を形成することができる。
【0012】
好ましくは、画像データ変更手段は、複数の組各々においてページ番号が後のページを含む組が存在する場合には、ページの上部3分の1の最下部にページ番号が後のページを含む組が続くことを示す第1作業情報の画像を配置し、ページ番号が前のページを含む組が存在する場合には、ページの下部3分の1の最上部にページ番号が前のページを含む組に続くことを示す第2作業情報の画像を配置する作業情報付加手段を含む。
【0013】
この局面に従えば、ページの上部3分の1の最下部に第1作業情報の画像が配置され、ページの下部3分の1の最上部に第2作業情報の画像が配置される。このため、前の組に形成された第1作業情報と、後の組に形成された第2作業情報とで、前後の2つの組の方向を関連付けることができる。
【0014】
好ましくは、関連付情報は、画像データの出力先を識別するための識別情報と、組に含まれる1以上のページのページ番号と、を少なくとも含む。
【0015】
この局面に従えば、識別情報によって複数の組を関連付けることができ、ページ番号によって複数の組の前後関係を関連付けることができる。
【0016】
好ましくは、識別情報は、宛先情報を示す文字列である。
【0017】
この局面に従えば、同じ宛先に複数の組を関連付けることができる。
【0018】
好ましくは、印刷条件設定手段は、折手段による折り方法を、紙媒体を3分割した2つの直線に沿って断面がZ形状となるように折り曲げるZ折方法と、紙媒体を3分割した2つの直線に沿って両端を内側に折り曲げる内折方法とのいずれかに設定する折方法設定手段を含み、画像データ変更手段は、折方法設定手段によってZ折方法の折方法が設定される場合は、画像データを変更しない。
【0019】
この局面に従えば、内折方法が設定される場合に限って、複数の組を関連付けることができる。
【0020】
好ましくは、画像データ変更手段は、算出された画像形成枚数が上限値を超えない場合、画像データを変更しない。
【0021】
この局面に従えば、上限値を超える場合に限って、複数の組を関連付けることができる。
【0022】
この発明の他の局面によれば、画像形成方法は、画像形成装置で実行される画像形成方法であって、画像形成装置は、画像データに基づいて、画像データの画像を紙媒体に形成する画像形成手段と、画像形成手段により画像が形成された1以上の紙媒体を折り曲げる折手段と、を備え、複数ページを含む画像データを取得するステップと、取得された画像データの画像を形成する印刷条件を受け付けるステップと、受け付けられた印刷条件にしたがって、取得された画像データの画像を形成した場合に画像が形成される紙媒体の画像形成枚数を算出するステップと、算出された画像形成枚数が折手段が一度に折り曲げ可能な枚数として予め定められた上限値を超える場合、画像データに含まれる複数ページを上限値以下の数のページを含む複数の組に分割する分割ステップと、分割ステップにおいて画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを画像データに追加するステップと、分割ステップにおいて画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組各々に属する複数ページの画像が形成される複数の紙媒体のうち1枚の代表紙媒体の裏面に関連付情報を含むページが形成されるように印刷条件を変更するステップと、画像形成手段を制御して、変更された印刷条件にしたがって、変更後の画像データに含まれる複数ページの画像を順に紙媒体に形成させるステップと、折手段を制御して、分割ステップにおいて画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組ごとに1以上の紙媒体を折り曲げさせるステップと、を含む。
【0023】
この局面に従えば、折り曲げることのできる上限値を超えるページの画像を形成することができるとともに、画像が形成された紙媒体の複数組を関連付ける作業を容易にした画像形成方法を提供することができる。
【0024】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成プログラムは、画像形成装置を制御するコンピュータで実行される画像形成プログラムであって、画像形成装置は、画像データに基づいて、画像データの画像を紙媒体に形成する画像形成手段と、画像形成手段により画像が形成された1以上の紙媒体を折り曲げる折手段と、を備え、画像形成プログラムは、複数ページを含む画像データを取得するステップと、取得された画像データの画像を形成する印刷条件を受け付けるステップと、受け付けられた印刷条件にしたがって、取得された画像データの画像を形成した場合に画像が形成される紙媒体の画像形成枚数を算出する算出するステップと、算出された画像形成枚数が折手段が一度に折り曲げ可能な枚数として予め定められた上限値を超える場合、画像データに含まれる複数ページを上限値以下の数のページを含む複数の組に分割する分割ステップと、分割ステップにおいて画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを画像データに追加するステップと、分割ステップにおいて画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組各々に属する複数ページの画像が形成される複数の紙媒体のうち1枚の代表紙媒体の裏面に関連付情報を含むページが形成されるように印刷条件を変更するステップと、画像形成手段を制御して、変更された印刷条件にしたがって、変更後の画像データに含まれる複数ページの画像を順に紙媒体に形成させるステップと、折手段を制御して、分割ステップにおいて画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、複数の組ごとに1以上の紙媒体を折り曲げさせるステップと、をコンピュータに実行させる。
【0025】
この局面に従えば、折り曲げることのできる上限値を超えるページの画像を形成することができるとともに、画像が形成された紙媒体の複数組を関連付ける作業を容易にした画像形成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】MFPの外観を示す斜視図である。
【図2】MFPの機能の概要を示すブロック図である。
【図3】CPUの機能の一例を示すブロック図である。
【図4】(A)は、第1組の関連情報のページの一例を示す図であり、B)は、第1組の7枚の用紙の内折した状態の束の斜視図である。
【図5】(A)は、第2組の関連情報のページの一例を示す図であり、(B)は、第2組の3枚の用紙の内折した状態の束の斜視図である。
【図6】第1組の用紙束と、第2組の用紙束とのまとめ作業を説明する図である。
【図7】画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】第1関連情報ページ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】第2関連情報ページ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】第3関連情報ページ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0028】
図1は、MFPの外観を示す斜視図である。図2は、MFPの機能の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、MFP1は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、原稿読取部20と、画像形成部30と、自動両面ユニット40と、給紙部50と、後処理部60と、ユーザインターフェースとして用いられる操作パネル80と、メイン回路100と、を含む。
【0029】
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ12上に排出する。原稿読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部30に出力する。
【0030】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部50により搬送される用紙(紙媒体)に画像を形成する。給紙部50は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。また、画像形成部30が用紙に画像を形成するための画像データは、後述するファクシミリ部107、通信I/F部102およびHDD106から入力される画像データを含む。
【0031】
給紙部50は、用紙を収納しておくための複数の給紙トレイ51,53,55を備え、給紙トレイ51,53,55に収納された用紙を画像形成部30に搬送する。自動両面ユニット40は、画像形成部30によって片面(表面)に画像が形成された用紙を裏表反転させるために、通紙経路上で用紙を一旦スイッチバックさせ、画像形成部30に再度給紙する。これにより、画像形成部30は、用紙の裏面に画像を形成することが可能となる。
【0032】
後処理部60は、画像形成部30により画像が形成された複数枚の用紙をまとめて折り曲げる折り曲げ機構を備えている。後処理部60が備える折り曲げ機構は、複数の折り曲げ方法で、複数枚の用紙を折り曲げる。ここでは、後処理部60が備える折り曲げ機構は、Z折方法と、内折方法とで、複数枚が重ねられた用紙を折り曲げることが可能である。
Z折方法は、紙媒体を方向が同じ2つの直線で3分割し、分割した2つの直線の一方を谷折、他方を山折で折り曲げることにより、断面がZ形状となるように折り曲げる折方法である。内折方法は、紙媒体を方向が同じ2つの直線で3分割し、分割した2つの直線を谷折で折り曲げることにより、両端部分を内側に折り曲げる折方法である。打折方法は、内側の面が、外部から見えなくなるので、封書などに入れて発送する書類を折り曲げる際に使用される。
【0033】
また、後処理部60は、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えており、パンチ穴加工、またはステープル加工することが可能である。さらに、後処理部60は、折り曲げた複数枚の用紙の束を、排紙トレイに排出する。また、後処理部60は、複数の排紙トレイを有し、画像が形成された用紙をソートして排紙することが可能である。
【0034】
操作パネル80は、MFP1の上面に設けられ、MFP1を操作するユーザに対してユーザインターフェースとして機能する。操作パネル80は、表示部80Aと、操作部80Bと、を含む。表示部80Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部80Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部80Bは、表示部80A上に設けられたタッチパネルを含む。
【0035】
メイン回路100は、CPU101と、通信インターフェース(I/F)部102と、ROM(Read Only Memory)103と、RAM(Random Access Memory)104と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)105と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)106と、ファクシミリ部107と、外部記憶装置108と、を含む。CPU101は、自動原稿搬送装置10、原稿読取部20、画像形成部30、自動両面ユニット40、給紙部50、後処理部60および操作パネル80と接続され、MFP1の全体を制御する。
【0036】
ROM103およびEEPROM105は、CPU101が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM104は、CPU101がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM104は、原稿読取部20から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0037】
通信I/F部102は、パーソナルコンピュータ等が接続されたネットワークに接続するためのインターフェースである。通信プロトコルは、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等を用いることができる。
【0038】
ファクシミリ部107は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部107は、受信したファクシミリデータを、HDD106に記憶する、または画像形成部30に出力する。画像形成部30は、ファクシミリ部107により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部107は、HDD106に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリに送信する。
【0039】
外部記憶装置108は、プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)108Aが装着される。CPU101は、外部記憶装置108を介してCD−ROM108Aに記憶されたプログラムをRAM104にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM108Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、EEPROM105に記憶されたプログラムをRAM103にロードして実行するようにしてもよい。この場合、通信I/F102を介してネットワークに接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをEEPROM105に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU101が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0040】
図3は、CPUの機能の一例を示すブロック図である。図3に示す機能は、MFP1が備えるCPU101が、ROM103、EEPROM105またはCD−ROM108Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU101に実現される機能である。図3を参照して、CPU101は、画像データを取得する画像データ取得部111と、画像データの画像を形成するための印刷条件を受け付ける条件受付部113と、印刷条件にしたがって画像データの画像を形成した場合に画像が形成される用紙(紙媒体)の画像形成枚数を算出する画像形成枚数算出部115と、画像データに含まれる複数ページを複数の組に分割する分割部117と、複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを画像データに追加する画像データ変更部119と、関連付情報を含むページが形成されるように印刷条件を変更する条件変更部121と、画像形成部30を制御する画像形成制御部123と、後処理部60を制御する折制御部125と、を含む。
【0041】
画像データ取得部111は、原稿読取部20が原稿を読み取って出力する画像データを取得する。画像データ取得部111は、原稿読取部20が複数枚の原稿を読み取って複数ページの画像データを出力する場合、複数ページを含む画像データを取得する。また、画像データ取得部111は、通信I/F102がネットワークに接続されたPCからプリントデータを受信する場合、受信されたプリントデータを画像データとして取得する。プリントデータが複数ページを含む場合、プリントデータを複数ページの画像データとして取得する。画像データ取得部111は、取得された画像データを画像形成枚数算出部115および分割部117に出力する。
【0042】
条件受付部113は、画像データの画像を形成する印刷条件を受け付ける。原稿読取部20が画像データを出力する場合、ユーザが操作部80Bに入力する印刷条件を受け付ける。条件受付部113は、通信I/F102がプリントデータを受信する場合、通信I/F102がプリントデータとともにPCから受信するプリント条件を印刷条件として受け付ける。印刷条件は、1枚の用紙に画像を形成するページ数、折方法、および出力先としての宛先情報を含む。宛先情報は、例えば、画像が形成された用紙を、郵便等で発送するための宛先である。条件受付部113は、受け付けられた印刷条件を画像形成枚数算出部115および条件変更部121に出力する。
【0043】
画像形成枚数算出部115は、条件受付部113から印刷条件が入力される。画像形成枚数算出部115は、印刷条件の折方法が内折に設定されている場合、画像データ取得部111から入力される画像データに含まれる複数ページの画像を印刷条件にしたがって画像形成した場合に画像が形成される用紙の枚数を画像形成枚数として算出する。画像形成枚数算出部115は、算出された画像形成枚数を分割部117に出力するとともに、画像データ取得部111から入力される画像データを、画像データ変更部119に出力する。
【0044】
画像形成枚数算出部115は、印刷条件の折方法が内折に設定されていない場合、画像形成枚数を算出することなく、分割部117に画像形成枚数を出力しない。さらに、画像形成枚数算出部115は、印刷条件の折方法が内折に設定されていない場合、画像データ取得部111から入力される画像データを、画像形成制御部123に出力する。
【0045】
分割部117は、画像データ取得部111から画像データが入力され、画像形成枚数算出部115から画像形成枚数が入力される。後処理部60が備える折り曲げ機構は、複数の用紙の束をまとめて折り曲げるが、束に含まれる用紙の枚数に上限値が予め定められている。分割部117は、画像形成枚数算出部115から画像形成枚数が入力される場合、画像形成枚数を後処理部60に対して定められた上限値と比較し、画像データに含まれる複数のページの画像が形成された複数の用紙の束を一度に折り曲げることができるか否かを判断する。
【0046】
分割部117は、画像形成枚数が上限値以下ならば、画像データに含まれる複数のページの画像が形成された複数の用紙の束を一度に折り曲げることができると判断し、画像データに含まれる複数のページを複数の組に分割しない。一方、分割部117は、画像形成枚数が上限値より大きければ、画像データに含まれる複数のページの画像が形成された複数の用紙の束を一度に折り曲げることができないと判断し、画像データに含まれる複数のページを複数の組に分割する。ここでは、第1頁から上限値と同じ値のページまでの第1組と、上限値と同じ値のページの次のページから最後のページまでの第2組に分割する場合を例に説明する。例えば、画像データが第1〜第10ページを含んでおり、上限値が7ならば、第1〜第7ページを含む第1組と、第8〜第10ページを含む第2組と、を含む。
【0047】
分割部117は、画像データを分割する場合、組情報を画像データ変更部119および条件変更部121に出力し、画像データを分割しない場合、分割しないことを示す信号を画像データ変更部119および条件変更部121に出力する。組情報は、組識別情報と、組に含まれるページ番号とを含む。具体的には、組情報は、第1組の組情報と第2組の組情報とを含む。第1組の組情報は、組識別情報「第1組」と、第1〜第7ページのページ番号とを含み、第2組の組情報は、組識別情報「第2組」と、第8〜第10ページのページ番号とを含む。関連付情報は、第1組と第2組とを関連付ける情報である。
【0048】
画像データ変更部119は、分割部117から組情報が入力される場合、画像形成枚数算出部115から入力される画像データを変更し、変更後の画像データを画像形成制御部123に出力する。画像データ変更部119は、分割部117から分割しないことを示す信号が入力される場合、画像形成枚数算出部115から入力される画像データを変更することなく、画像データを画像形成制御部123に出力する。
【0049】
画像データ変更部119が画像データを変更する場合、画像データ変更部119は、画像形成枚数算出部115から入力される画像データに、分割部117から入力される組情報に含まれる複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを画像データに追加することにより、画像データを変更する。画像データ変更部119は、複数の組各々に対応する関連付情報を含むページを生成し、複数の組ごとに、当該組に対応する関連付情報を含むページを、当該組に含まれる複数のページのうち最終ページの後に追加する。具体的には、第1組に対応する関連付情報を含むページを第1組に含まれる第1〜第7ページのうち最終の第7ページの後に追加し、第2組に対応する関連付情報を含むページを第2組に含まれる第8〜第10ページのうち最終の第10ページの後に追加する。
【0050】
複数の組を関連付けるための関連付情報は、画像データの出力先を識別するための宛先情報と、組に含まれる1以上のページすべてのページ番号と、作業情報とを含む。画像データの出力先を識別するための宛先情報は、プリント条件に含まれる宛先情報であり、条件変更部121から入力される。関連付情報は、複数の組それぞれについて、宛先情報と、組に含まれるページ番号と、画像データに含まれるページ数と、を含む。例えば、宛先情報「ユーザA」とする場合、第1組に対応する関連付情報は、「ユーザA様 1〜7/10」であり、第2組に対応する関連付情報は、「ユーザA様 8〜10/10」である。第1組に対応する関連付情報と、第2組に対応する関連付情報とは、同じ宛先情報「ユーザA様」と画像データに含まれるページ数「/10」を含んでおり、第1組と第2組とが関連付けられる。また、第1組に対応する関連付情報はページ番号「1〜7」を含み、第2組に対応する関連付情報はページ番号「8〜10」を含み、第1組の後に第2組が続く関係にあることを示す情報として関連付けられる。
【0051】
宛先情報とページ番号とは、関連付情報の画像が形成されるページの上部3分の1の部分に配置される。内折の場合、下部3分の1の部分の上側に、上部3分の1の部分が重なるからである。このため、関連付情報の宛先情報とページ番号の画像は、内折された用紙の束において、ユーザが視認可能な部分に形成される。
【0052】
作業情報は、第1作業情報と第2作業情報とを含む。第1作業情報は、関連する別の組が後に続くことを示す情報であり、第2作業情報は、関連する別の組が前に続くことを示す情報である。第1作業情報と第2作業情報とは対となり、同じ文字または形状であるが、ページ中で配置される位置が異なる。具体的には、第1組と第2組とでは、第1組の後に第2組が続くため、第1組の関連付情報は第1作業情報を含み、第2組の関連付情報は第2作業情報を含む。第1組の関連付情報に含まれる第1作業情報を「1」とすれば、第2組の関連付情報に含まれる第2作業情報は「1」である。第1作業情報は、関連付情報の画像が形成されるページの上部3分の1の部分であって最下部に配置される。第2作業情報は、関連付情報の画像が形成されるページの下部3分の1の部分であって最上部に配置される。
【0053】
条件変更部121は、分割部117から組情報が入力される場合、条件受付部113から入力される印刷条件を変更し、変更後の印刷条件を画像形成制御部123および折制御部125に出力する。具体的には、条件受付部113から入力される印刷条件に基づいて、組情報に含まれる複数の組ごとの印刷条件を生成する。条件変更部121は、複数の組ごとに生成した印刷条件を画像形成制御部123および折制御部125に出力する。
【0054】
条件変更部121が分割部117から入力される組情報に含まれる複数の組ごとに生成する印刷条件は、複数の組各々において、当該組に属する複数ページの画像がそれぞれ形成される複数の用紙のうち最後のページの画像が形成される用紙の裏面に関連付情報を含むページを形成する設定を含む。具体的には、第1組に対応する関連付情報を含むページの画像を第1組に含まれる第1〜第7ページのうち最終の第7ページの画像が形成される用紙の裏面に形成する設定を含み、第2組に対応する関連付情報を含むページの画像を第2組に含まれる第8〜第10ページのうち最終の第10ページの画像が形成される用紙の裏面に形成する設定を含む。条件変更部121は、複数の組ごとに生成した印刷条件を、複数の組と関連付けて画像形成制御部123および折制御部125に出力する。
【0055】
条件変更部121は、分割部117から分割しないことを示す信号が入力される場合、条件受付部113から入力される印刷条件を変更することなく、印刷条件を画像形成制御部123および折制御部125に出力する。
【0056】
画像形成制御部123は、画像形成枚数算出部115または画像データ変更部119から画像データが入力される。画像形成制御部123は、画像形成部30を制御し、条件変更部121から入力される印刷条件にしたがって、画像データの画像を用紙に形成する。画像データが画像形成枚数算出部115から入力される場合は、印刷条件において折り方法が内折りに設定されていない場合である。この場合において、条件変更部121から入力される印刷条件は、条件変更部121により変更されておらず、条件受付部113において受け付けられた印刷条件と同じである。画像形成制御部123は、画像形成部30を制御して、画像データに含まれる複数ページの画像を印刷条件にしたがって用紙に形成させる。
【0057】
一方、画像データが画像データ変更部119から入力される場合、分割部117により画像データが分割されている場合と、分割されていない場合とがある。分割部117により画像データが分割されていない場合には、画像データは画像データ変更部119により変更されていない。したがって、画像形成制御部123は、画像形成枚数算出部115から画像データが入力される場合と同様に、画像データ変更部119から入力される画像データの画像を条件変更部121から入力される印刷条件にしたがって用紙に形成する。
【0058】
分割部117により画像データが分割される場合、画像データ変更部119から複数の組ごとに変更後の画像データが入力され、条件変更部121から複数の組ごとに生成された変更後の印刷条件が入力される。画像形成制御部123は、画像データ変更部119から複数の組ごとに入力される画像データに含まれる複数ページの画像を、対応する組の印刷条件にしたがって形成する。画像データ変更部119により変更された画像データは、複数の組ごとに最終ページの後に関連付情報を含むページが追加されており、条件変更部121から入力される変更後の印刷条件によって、最終ページの画像を形成した用紙の裏面に関連付情報のページの画像を形成する条件が設定されている。このため、画像形成制御部123は、自動両面ユニット40を制御して、最終ページの画像を形成した用紙をスイッチバックさせ、最終ページの画像を形成した用紙の裏面に関連付情報のページの画像を形成する。これにより、第1組の第1〜第6ページの画像が表面にそれぞれ形成された6枚の用紙が後処理部60に出力され、第7ページの画像が表面に形成され、第1組の関連付情報の画像が裏面に形成された用紙が後処理部60に出力される。さらに、第2組の第8〜第9ページの画像が表面にそれぞれ形成された2枚の用紙が後処理部60に出力され、第10ページの画像が表面に形成され、第2組の関連付情報の画像が裏面に形成された用紙が後処理部60に出力される。
【0059】
折制御部125は、後処理部60を制御し、条件変更部121から入力される印刷条件にしたがって、画像形成部30により画像が形成された複数の用紙の束を折り曲げる。分割部117により画像データが分割される場合、条件変更部121からは、分割された複数の組ごとに生成された印刷条件が入力される。複数の組ごとに生成される印刷条件は、内折の設定を含む。折制御部125は、後処理部60を制御し、複数の組ごとに画像形成部30により画像が形成された複数の用紙の束を内折りさせ、排紙させる。これにより、第1組の第1〜第7ページの画像が形成された7枚の用紙の束が、内折されて排紙トレイに排紙され、第2組の第8〜第10ページの画像が形成された3枚の用紙の束が、内折されて排紙トレイに排紙される。第1組の7枚の用紙の束は、第7ページの画像が形成された用紙が最も下になっているので、束が内折されることにより、第7ページの画像が形成された用紙の裏面が表になる。第7ページの画像が形成された用紙の裏面には、第1組の関連付情報の画像が形成されているので、第1組の束から関連付情報を容易に視認することができる。同様に、第2組の3枚の用紙の束は、第10ページの画像が形成された用紙が最も下になっているので、束が内折されることにより、第10ページの画像が形成された用紙の裏面が表になる。第10ページの画像が形成された用紙の裏面には、第2組の関連付情報の画像が形成されているので、第2組の束から関連付情報を容易に視認することができる。
【0060】
一方、分割部117により画像データが分割されない場合、条件変更部121からは条件受付部113により受け付けられた印刷情報が入力される。折制御部125は、後処理部60を制御し、印刷条件が内折の設定を含む場合には、画像形成部30により画像が形成された複数の用紙の束を内折りさせた後に排紙させ、印刷条件がZ折の設定を含む場合には、画像形成部30により画像が形成された複数の用紙の束をZ折りさせ後に排紙させ、印刷条件が折り方法が設定されていない場合には、画像形成部30により画像が形成された複数の用紙の束をそのまま排紙させる。
【0061】
図4(A)は、第1組の関連情報のページの一例を示す図である。図4(B)は、第1組の7枚の用紙の内折した状態の束の斜視図である。図4(A)を参照して、第1組の関連情報のページ301は、上部3分の1の上部303と、中部304と、下部305とを含む。上部303には、宛先情報とページ番号「ユーザA様 1〜7/10」の画像307と、第1作業情報309と、を含む。第1作業情報309は、上部303の最下部に配置される。図4(B)を参照して、第1組の7枚の用紙の束を内折した状態では、下部305の上に上部303が重なる。
【0062】
図5(A)は、第2組の関連情報のページの一例を示す図である。図5(B)は、第2組の3枚の用紙の内折した状態の束の斜視図である。図5(A)を参照して、第2組の関連情報のページ311は、上部3分の1の上部313と、中部314と、下部315とを含む。上部313に、宛先情報とページ番号「ユーザA様 8〜10/10」の画像317を含み、下部315の最上部に第2作業情報319を含む。図5(B)を参照して、第2組の3枚の用紙の束を内折した状態では、下部315の上に上部313が重なる。
【0063】
図6は、第1組の用紙束と、第2組の用紙束とのまとめ作業を説明する図である。図6を参照して、第1組の用紙束は第1組の関連情報のページ301が視認可能であり、第2組の用紙束は第2組の関連情報のページ311が視認可能である。特に、第1組の関連情報のページ301は、3分の1の上部303に第1作業情報309が配置されるので、第1作業情報309が視認可能である。
【0064】
第2組の関連情報のページ311は、3分の1の上部313に宛先情報とページ番号との画像317が配置されるので、第1組の関連情報のページ301の上部303に配置された宛先情報とページ番号307から、2つの組の束を容易に関連付けることができる。また、第2組の関連情報のページ311の3分の1上部313を開けば、3分の1下部315の第2作業情報319を視認することができる。第1作業情報309と、第2作業情報319との方向を合わせて、第2組の用紙の束に第1組の用紙の束を重ねれば、第1組と第2組をページ順が連続するように1つの束にすることができる。
【0065】
図7は、画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成処理は、MFP1が備えるCPU101が、ROM103、EEPROM105またはCD−ROM108Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU101により実行される処理である。図7を参照して、CPU101は、画像データを取得したか否かを判断する(ステップS01)。画像データを取得するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、画像データを取得したならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。原稿読取部20が原稿を読み取る場合、原稿読取部20が出力する画像データを取得する。通信I/F102がプリントデータを受信する場合、プリントデータを画像データとして取得する。
【0066】
ステップS02においては、印刷条件を取得したか否かを判断する。印刷条件を取得するまで待機状態となり(ステップS02でNO)、印刷条件を取得したならば(ステップS02でYES)、処理をステップS03に進める。原稿読取部20から画像データを取得する場合、ユーザが操作部80Bに入力する印刷条件を取得する。通信I/F102がプリントデータを受信する場合、プリントデータとともに受信される印刷条件を取得する。
【0067】
ステップS03においては、印刷条件で設定された折方法によって処理を分岐する。折方法として内折が設定されているならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS20に進める。ステップS20においては、ステップS01において取得された画像データを、ステップS02において取得された印刷条件にしたがって印刷し、処理を終了する。
【0068】
ステップS04においては、画像形成枚数が上限値Tを超えるか否かを判断する。画像形成枚数は、ステップS02において取得された印刷条件で、ステップS01において取得された画像データの画像が形成される用紙の枚数である。上限値Tは、後処理部60が備える折り曲げ機構によって内折することのできる用紙の枚数の上限値である。画像形成枚数が上限値Tより大きいならば処理をステップS05に進めるが、そうでなければ処理をステップS20に進める。
【0069】
ステップS05においては、宛先情報を取得する。宛先情報は、ステップS02において取得された印刷条件により定められ、画像データの出力先を示す情報である。印刷条件に設定されている宛先情報を取得する。そして、画像データに含まれる複数のページを複数の組に分割する(ステップS06)。複数の組は、上限値T以下のページを含む。画像データに含まれる複数のページを、最初のページから上限値Tの数だけ順に選択することにより、複数のページを複数の組に分割する。ここでは、画像データのページ数を「10」、上限値Tを「7」としているので、第1〜第7ページを含む第1組と、第8ページ〜第10ページを含む第2組と、に分割する。
【0070】
ステップS07においては、最初の組を選択する。画像データに含まれる複数のページのうち最初の第1ページを含む組を最初の組として選択する。ここでは、第1組を選択する。そして、第1関連情報ページ生成処理を実行する。第1関連情報ページ生成処理の詳細は後述するが、後に続く組が存在し、先の組が存在しない組の関連情報の画像を含むページを生成する処理である。以下、関連情報の画像を含むページを関連情報ページという。次のステップS09においては、ステップS08において生成された関連情報ページをステップS07において選択された組に含まれる最終ページの後に追加する。そして、最終ページを両面印刷する印刷条件に変更する(ステップS10)。ステップS10が実行された段階で、第1組に含まれる複数のページの画像を形成するための第1組の画像データと、第1組の印刷条件と、が生成される。
【0071】
次のステップS11においては、第1組を印刷する。具体的には、第1組に含まれる複数のページの画像を、第1組の印刷条件にしたがって用紙に形成する。これにより第1組に含まれる第1〜第7ページの画像を形成した7枚の用紙の束が、内折された状態で排紙トレイに排紙される。
【0072】
次のステップS12においては、次の組を選択する。次のステップS13においては、後に続く次の組が存在するか否かを判断する。後に続く次の組が存在するならば処理をステップS14に進めるが、存在しなければ処理をステップS15に進める。ここでは、第1組の次に第2組が続くが、第2組の後に組は存在しないので、処理をステップS15に進めることになる。
【0073】
ステップS14においては、第3関連情報ページ生成処理を実行し、処理をステップS16に進める。第3関連情報ページ生成処理の詳細は後述するが、先の組が存在し、かつ、後に続く組が存在する組の関連情報ページを生成する処理である。一方、ステップS15においては、第2関連情報ページ生成処理を実行し、処理をステップS16に進める。第2関連情報ページ生成処理の詳細は後述するが、先の組が存在するが、後に続く組が存在しない組の関連情報ページを生成する処理である。
【0074】
ステップS16においては、ステップS14またはステップS15において生成された関連情報ページをステップS12において選択された組に含まれる最終ページの後に追加する。そして、最終ページを両面印刷する印刷条件に変更する(ステップS17)。ステップS17が実行された段階で、ステップS12において選択された組に含まれる複数のページの画像を形成するための画像データと、選択された組の印刷条件と、が生成される。
【0075】
次のステップS18においては、ステップS12において処理対象に選択された組を印刷する。具体的には、処理対象の組に含まれる複数のページの画像を、処理対象の組の印刷条件にしたがって用紙に形成する。これにより処理対象の組、ここでは、第2組に含まれる第8〜第10ページの画像を形成した3枚の用紙の束が、内折された状態で排紙トレイに排紙される。
【0076】
次のステップS19においては、ステップS06において分割された複数の組のうちに、処理対象に選択されていない組が存在するか否かを判断する。未処理の組が存在するならば処理をステップS12に戻すが、存在しなければ処理を終了する。
【0077】
図8は、第1関連情報ページ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1関連情報ページ生成処理は、図7のステップS08において実行される処理である。図8を参照して、宛先情報とページ番号とを、ページの3分の1上部に配置する(ステップS21)。次のステップS22においては、第1作業情報をページの3分の1上部の最下部に配置し、処理を画像形成処理に戻す。第1作業情報は、第1組の組識別情報の一部「1」を含む。このため、第1作業情報が形成される第1組を1つ後の第2組と関連付けることができる。
【0078】
図9は、第2関連情報ページ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2関連情報ページ生成処理は、図7のステップS15において実行される処理である。図9を参照して、宛先情報とページ番号とをページの3分の1上部に配置する(ステップS31)。次のステップS32においては、第2作業情報をページの3分の1下部の最上部に配置し、処理を画像形成処理に戻す。第2作業情報は、1つ前の組の組識別情報の一部を含む。例えば、処理対象とする組が第2組の場合、1つ前の第1組の組識別情報「第1組」の一部「1」を含む。このため、第2作業情報が形成される第2組を1つ前の第1組と関連付けることができる。
【0079】
図10は、第3関連情報ページ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。第3関連情報ページ生成処理は、図7のステップS14において実行される処理である。図10を参照して、宛先情報とページ番号とをページの3分の1上部に配置する(ステップS41)。次のステップS42においては、第1作業情報をページの3分の1上部の最下部に配置する。第1作業情報は、処理対象の組の組識別情報の一部を含む。このため、第1作業情報が形成される組を1つ後の組と関連付けることができる。
【0080】
次のステップS43においては、第2作業情報をページの3分の1下部の最上部に配置し、処理を画像形成処理に戻す。第2作業情報は、1つ前の組の組識別情報の一部を含む。このため、第2作業情報が形成される組を1つ前の組と関連付けることができる。
【0081】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP1は、印刷条件にしたがって、画像データの画像を形成した場合に画像が形成される用紙の画像形成枚数が、後処理部60が有する折り曲げ機構で折り曲げることのできる用紙の枚数の上限値を超える場合、画像データに含まれる10ページを2つの第1組と第2組に分割し、第1組と第2組とを関連付けるための関連付情報を含むページが第1組の最終ページの第7ページの後に追加されるとともに、第7ページの裏面に形成されるように印刷条件が変更され、第2組の最終ページの第10ページの後に追加されるとともに第10ページの裏面に形成されるように印刷条件が変更される。このため、第1組の第1〜第7ページの画像が形成された7枚の用紙が内折りされた束と、第2組の第8〜第10おエージの画像が形成された3舞の用紙が内折された束とが排紙される。第7ページの裏面に形成された関連付情報は、第1組の束の表面となり、第10ページの裏面に形成された関連付情報は第2組の束の表面となる。このため、後処理部60が折り曲げることのできる上限値を超えるページ数の画像データの画像を第1組と第2組とに分割して用紙に形成することができる。さらに、第1組と第2組ごとに折り曲げられた用紙の束を、それぞれに形成された関連付情報で関連付けることができる。このため、第1組の束と第2組の束とを組み合わせる作業を容易にすることができる。
【0082】
さらに、関連付情報は、画像データの出力先を識別するための宛先情報と、組に含まれる1以上のページのページ番号と、を少なくとも含むので、同じ宛先情報によって第1組と第2組とを関連付けることができ、ページ番号によって、第1組が第2組より前に関連付けることができる。
【0083】
さらに、宛先情報によって、宛先情報が形成された封筒が存在すれば、封筒と関連付ける作業を容易にすることができる。
【0084】
さらに、関連付情報は、組に含まれる最終ページの裏面のページの3分の1上部に形成されるので、内折された状態で視認可能な位置に形成することができる。したがって、内折された用紙の束を開くことなく、関連付情報を容易に確認することができる。
【0085】
さらに、第1組には、ページ番号が後のページを含む第2組が存在するので、ページの上部3分の1の最下部に第2組が続くことを示す第1作業情報の画像が配置され、第2組には、ページ番号が前のページを含む第1組が存在するので、ページの下部3分の1の最上部に第1組に続くことを示す第2作業情報の画像が配置されるので、第1組に形成された第1作業情報と、第2組に形成された第2作業情報とで、前後の2つの組の方向を関連付けることができる。このため、第1組と第2組とを組み合わせる作業を容易とすることができる。
【0086】
さらに、印刷条件にZ折方法の折方法が設定される場合は、画像データを変更しないので、内折方法が設定される場合に限って、複数の組を関連付けることができる。
【0087】
また、画像形成枚数が上限値を超えない場合は、画像データを変更しないので、上限値を超える場合に限って、複数の組に分割して、複数の組を関連付けることができる。
【0088】
なお、上述した実施の形態においては、画像形成装置の一例としてMFP1を説明したが、図7〜図10に示した画像形成処理をMFP1に実行させるための画像形成方法、その画像形成方法をMFP1を制御するCPU101に実行させる画像形成プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
1 MFP、10 自動原稿搬送装置、20 原稿読取部、30 画像形成部、40 自動両面ユニット、50 給紙部、60 後処理部、80 操作パネル、80A 表示部、80B 操作部、100 メイン回路、101 CPU、102 通信I/F部、103 ROM、104 RAM、105 EEPROM、106 HDD、107 ファクシミリ部、108 外部記憶装置、108A CD−ROM、111 画像データ取得部、113 条件受付部、115 画像形成枚数算出部、117 分割部、119 画像データ変更部、121 条件変更部、123 画像形成制御部、125 折制御部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて、画像データの画像を紙媒体に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像が形成された1以上の紙媒体を折り曲げる折手段と、
複数ページを含む画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記取得された画像データの画像を形成する印刷条件を受け付ける印刷条件受付手段と、
前記受け付けられた印刷条件にしたがって、前記取得された画像データの画像を形成した場合に画像が形成される紙媒体の画像形成枚数を算出する画像形成枚数算出手段と、
前記算出された画像形成枚数が前記折手段が一度に折り曲げ可能な枚数として予め定められた上限値を超える場合、前記画像データに含まれる複数ページを前記上限値以下の数のページを含む複数の組に分割する分割手段と、
前記分割手段により前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを前記画像データに追加する画像データ変更手段と、
前記分割手段により前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組各々に属する複数ページの画像が形成される複数の紙媒体のうち1枚の代表紙媒体の裏面に前記関連付情報を含むページが形成されるように前記印刷条件を変更する印刷条件変更手段と、
前記画像形成手段を制御して、前記変更された印刷条件にしたがって、前記変更後の画像データに含まれる複数ページの画像を順に紙媒体に形成させる画像形成制御手段と、
前記折手段を制御して、前記分割手段により前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組ごとに1以上の紙媒体を折り曲げさせる折制御手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データ変更手段は、前記複数の組各々において前記折手段により折り曲げられた状態で視認可能な位置に前記関連付情報の画像を配置したページを追加し、
前記印刷条件変更手段は、前記複数の組各々において前記追加されたページの画像を、当該組に属する複数のページのうちページ番号が最も後のページの裏面に形成する条件を設定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像データ変更手段は、前記複数の組各々においてページ番号が後のページを含む組が存在する場合には、ページの上部3分の1の最下部にページ番号が後のページを含む組が続くことを示す第1作業情報の画像を配置し、前記ページ番号が前のページを含む組が存在する場合には、ページの下部3分の1の最上部にページ番号が前のページを含む組に続くことを示す第2作業情報の画像を配置する作業情報付加手段を含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記関連付情報は、前記画像データの出力先を識別するための識別情報と、組に含まれる1以上のページのページ番号と、を少なくとも含む、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記識別情報は、宛先情報を示す文字列である、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷条件設定手段は、前記折手段による折り方法を、紙媒体を3分割した2つの直線に沿って断面がZ形状となるように折り曲げるZ折方法と、紙媒体を3分割した2つの直線に沿って両端を内側に折り曲げる内折方法とのいずれかに設定する折方法設定手段を含み、
前記画像データ変更手段は、前記折方法設定手段によってZ折方法の折方法が設定される場合は、前記画像データを変更しない、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像データ変更手段は、前記算出された画像形成枚数が前記上限値を超えない場合、前記画像データを変更しない、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記画像形成装置は、画像データに基づいて、画像データの画像を紙媒体に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像が形成された1以上の紙媒体を折り曲げる折手段と、を備え、
複数ページを含む画像データを取得するステップと、
前記取得された画像データの画像を形成する印刷条件を受け付けるステップと、
前記受け付けられた印刷条件にしたがって、前記取得された画像データの画像を形成した場合に画像が形成される紙媒体の画像形成枚数を算出するステップと、
前記算出された画像形成枚数が前記折手段が一度に折り曲げ可能な枚数として予め定められた上限値を超える場合、前記画像データに含まれる複数ページを前記上限値以下の数のページを含む複数の組に分割する分割ステップと、
前記分割ステップにおいて前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを前記画像データに追加するステップと、
前記分割ステップにおいて前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組各々に属する複数ページの画像が形成される複数の紙媒体のうち1枚の代表紙媒体の裏面に前記関連付情報を含むページが形成されるように前記印刷条件を変更するステップと、
前記画像形成手段を制御して、前記変更された印刷条件にしたがって、前記変更後の画像データに含まれる複数ページの画像を順に紙媒体に形成させるステップと、
前記折手段を制御して、前記分割ステップにおいて前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組ごとに1以上の紙媒体を折り曲げさせるステップと、を含む画像形成方法。
【請求項9】
画像形成装置を制御するコンピュータで実行される画像形成プログラムであって、
前記画像形成装置は、画像データに基づいて、画像データの画像を紙媒体に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像が形成された1以上の紙媒体を折り曲げる折手段と、を備え、
前記画像形成プログラムは、複数ページを含む画像データを取得するステップと、
前記取得された画像データの画像を形成する印刷条件を受け付けるステップと、
前記受け付けられた印刷条件にしたがって、前記取得された画像データの画像を形成した場合に画像が形成される紙媒体の画像形成枚数を算出する算出するステップと、
前記算出された画像形成枚数が前記折手段が一度に折り曲げ可能な枚数として予め定められた上限値を超える場合、前記画像データに含まれる複数ページを前記上限値以下の数のページを含む複数の組に分割する分割ステップと、
前記分割ステップにおいて前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組を関連付けるための関連付情報を含むページを前記画像データに追加するステップと、
前記分割ステップにおいて前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組各々に属する複数ページの画像が形成される複数の紙媒体のうち1枚の代表紙媒体の裏面に前記関連付情報を含むページが形成されるように前記印刷条件を変更するステップと、
前記画像形成手段を制御して、前記変更された印刷条件にしたがって、前記変更後の画像データに含まれる複数ページの画像を順に紙媒体に形成させるステップと、
前記折手段を制御して、前記分割ステップにおいて前記画像データに含まれる複数ページが複数の組に分割される場合、前記複数の組ごとに1以上の紙媒体を折り曲げさせるステップと、を前記コンピュータに実行させる画像形成プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−254571(P2012−254571A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129048(P2011−129048)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】