説明

画像形成装置、電子ペーパー印刷方法及び電子ペーパー印刷プログラム

【課題】排紙トレイに排出された印刷物が第三者に見られることを防止することで、情報漏えいを防ぐことが可能な画像形成装置等を提供する。
【解決手段】モード決定手段6により電子ペーパーの画像データを表示する表示モードか、又は表示しない非表示モードかの決定がなされ、制御手段6は、モード決定手段6の結果に基づいて、送信手段14によって電子ペーパーに表示要求又は非表示要求を送信し、電子ペーパーのモード制御を行う。例えば、書込み手段によって画像が書き込まれた電子ペーパーを第三者に見られうる環境で排出する際には、モード決定手段6は画像データを非表示モードとする決定を行い、制御部6は前記結果を受けて、非表示要求を送信手段14によって送信することにより、前記電子ペーパーの画像データを非表示として排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像データが書き込まれた電子ペーパーから、前記画像データの第三者への漏洩を防止することが可能な画像形成装置、電子ペーパー印刷方法及び電子ペーパー印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の発展に伴い、複数台のパーソナルコンピュータ(以下では、パソコンという)とMFP(Multi function peripherals)等に代表される画像形成装置(以下では、印刷装置ともいう)とをネットワークに接続し、複数のパソコンで1台の印刷装置の使用が可能なようになされているオフィス等が増えつつある。
【0003】
このようなオフィス等では当該印刷装置は複数の者によって使用される。そのため、ユーザが自端末のパソコン上で文書等を作成した後、ネットワークを介して、当該作成した文書等の印刷を当該印刷装置に指示した場合、印刷の実行がなされてから印刷物を取りに行くまでの間は、当該印刷物が排紙トレイに放置されることになる。これによって、当該印刷物が印刷を指示したユーザ以外の者に見られるところなり、当該印刷物の内容が漏洩してしまう可能性がある。また、ユーザが当該印刷装置に印刷の指示をした後に、印刷物を取りに行くのを忘れてしまった場合などには、当該印刷物が長時間に亘り当該印刷装置の排紙トレイ上に放置され続けられることとなり、例えばその印刷物の内容が社内の機密等である場合には、その印刷物が多数の者の目に触れるところとなり、機密を守れないといった問題もある。
【0004】
なお、印刷ジョブ間に区分け用シートを挟み、ジョブ間を区別し易くする技術が提供されている(特許文献1参照)。また、周辺部に所定のパターンが付けられた仕切り紙データを印刷データに挿入し、前記仕切り紙データが印刷されることにより、ユーザ毎の印刷物の区分けを容易にする技術も提供されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−54112
【特許文献2】特開2003−266812
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、印刷ジョブの間に区分けシートを挟み、ジョブ間の区別し易くすることができるものの、印刷物が印刷装置の排紙トレイに放置されることによって当該印刷物が第三者に見られ、その結果、文書内容が漏洩するという根本的な問題の解決をし得るものではない。また、特許文献2に記載の技術においても、ユーザ毎の印刷物の区分けは容易になるものの、前述した根本的な問題を解決し得るものはない。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、排紙トレイに排出された印刷物が第三者に見られることを防止することで、情報の漏えいを防ぐことが可能な画像形成装置、電子ペーパー印刷方法及び電子ペーパー印刷プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0008】
(1)外部から書き込まれた画像データを表示する表示手段と、外部からの表示要求または非表示要求に基づいて、前記画像データを前記表示手段へ表示する表示モードと表示しない非表示モードを切り替えるモード切り替え手段と、を備えた電子ペーパーに、画像データを書き込んで印刷する画像形成装置であって、前記電子ペーパーに画像データを書き込む書き込み手段と、前記書き込み手段により電子ペーパーに書き込まれた画像データについての表示要求または非表示要求を電子ペーパーに送信する送信手段と、前記画像データが書き込まれた電子ペーパーを機外へ排出する排出手段と、前記電子ペーパーについて、表示モードと非表示モードのいずれを設定するかを決定するモード決定手段と、モード決定手段の結果に基づいて、前記電子ペーパーのモードを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0009】
(2)前記モード決定手段は、表示モードと非表示モードのいずれを設定するかを、前記排出手段による電子ペーパーの排出時の環境条件に基づいて決定する前項(1)に記載の画像形成装置。
【0010】
(3)人の存在を検知する人物検知手段を備え、前記人物検知手段によって前記画像形成装置の近傍に人の存在が検知されなかった場合には、前記決定手段は非表示モードに決定する前項(2)に記載の画像形成装置。
【0011】
(4)人の存在を検知する人物検知手段と、前記検知手段により人の存在が検知された場合、前記検知された人物が電子ペーパーへの印刷ジョブ指示者であるか否かを特定する人物特定手段と、を備え、前記人物特定手段により画像形成装置の近傍に人物が検知され、かつ、検知された人物が前記人物特定手段により印刷指示者であると特定された場合には、前記決定手段は表示モードに決定する前項(2)に記載の画像形成装置。
【0012】
(5)人の存在を検知する人物検知手段と、前記検知手段により人の存在が検知された場合、前記検知された人物が電子ペーパーへの印刷指示者であるか否かを特定する人物特定手段と、を備え、前記人物検知手段により画像形成装置の近傍に人物が検知され、かつ、検知された人物が前記人物特定手段により印刷指示者でないと特定された場合には、前記決定手段は非表示モードに決定する前項(2)に記載の画像形成装置。
【0013】
(6)印刷ジョブと前記印刷ジョブを指示したユーザとを関連付けて保存する保存手段と、前記保存手段に、電子ペーパーへの印刷ジョブを指示したユーザとは異なるユーザによる印刷ジョブが保存されている場合には、前記決定手段は非表示モードに決定する前項(2)に記載の画像形成装置。
【0014】
(7)前記排出手段は排紙トレイを備え、前記排紙トレイ上に、電子ペーパーへの印刷を指示したユーザとは異なるユーザの印刷ジョブによる記録材が存在している場合には、前記決定手段は非表示モードに決定する前項(2)に記載の画像形成装置。
【0015】
(8)ユーザからのユーザ情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けたユーザ情報から前記ユーザが印刷指示者であるか否かの判定を行う判定手段と、を備え、前記判定手段により印刷指示者であると判定された場合には、前記決定手段は表示モードに決定する前項(1)に記載の画像形成装置。
【0016】
(9)画像データが書き込まれる電子ペーパーが複数頁である場合には、前記制御手段は1頁目の電子ペーパーのみを表示モードに設定する前項(1)に記載の画像形成装置。
【0017】
(10)印刷情報を記録する区切りシートを作成する区切りシート作成手段を備え、前記制御手段は、前記画像データが書き込まれる電子ペーパーの先頭に位置するように、前記排出手段に前記区切りシートを排出させる前項(1)に記載の画像形成装置。
【0018】
(11)前記区切りシートは、画像データの表示または非表示を切り替え不可能な、電子ペーパーを含む記録材からなる前項(10)に記載の画像形成装置。
【0019】
(12)外部から書き込まれた画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶された画像データを表示する表示手段と、外部からの表示要求または非表示要求に基づいて、前記記憶手段に記憶された画像データを前記表示手段へ表示する表示モードと表示しない非表示モードとを切り替えるモード切り替え手段と、を備えた電子ペーパーに、画像データを書き込むステップと、前記電子ペーパーに書き込まれた画像データについての表示要求または非表示要求を電子ペーパーに送信するステップと、前記画像データが書き込まれた電子ペーパーを機外へ排出するステップと、前記電子ペーパーについて、表示モードと非表示モードのいずれを設定するかを決定するステップと、モード決定結果に基づいて、前記電子ペーパーのモードを制御するステップと、を備えたことを特徴とする電子ペーパー制御方法。
【0020】
(13)外部から書き込まれた画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶された画像データを表示する表示手段と、外部からの表示要求または非表示要求に基づいて、前記記憶手段に記憶された画像データを前記表示手段へ表示する表示モードと表示しない非表示モードとを切り替えるモード切り替え手段と、を備えた電子ペーパーに、画像データを書き込むステップと、前記電子ペーパーに書き込まれた画像データについての表示要求または非表示要求を電子ペーパーに送信するステップと、前記画像データが書き込まれた電子ペーパーを機外へ排出するステップと、前記電子ペーパーについて、表示モードと非表示モードのいずれを設定するかを決定するステップと、モード決定結果に基づいて、前記電子ペーパーのモードを制御するステップと、を画像形成装置のコンピュータに実行させるための電子ペーパー印刷プログラム。
【発明の効果】
【0021】
前項(1)に記載の発明によれば、画像データが電子ペーパーに書き込まれるとともに、当該画像データを表示する表示モードか、或いは非表示とする非表示モードかの決定がなされ、前記決定に基づいて、送信手段により前記表示要求又は非表示要求が、電子ペーパーに送信される。これにより、非表示要求が送信された場合、電子ペーパーに書き込まれた画像データは非表示の状態で排出されるので、印刷を指示したユーザは、当該電子ペーパーの画像データの内容が第三者に漏洩するのを防止することが可能となる。
【0022】
前項(2)に記載の発明によれば、電子ペーパーの排出時の環境条件に基づいて、
電子ペーパーを表示モードとするか、或いは非表示モードとするかの決定がなされるから、ユーザは、環境条件に応じて、排出される電子ペーパーを表示状態で、或いは非表示状態で入手することが可能となる。
【0023】
前項(3)に記載の発明によれば、画像形成装置の近傍に人物の存在が検知されない場合には、電子ペーパーの画像データを非表示とする決定がなされる。これにより、電子ペーパーの画像データは非表示状態で排出され、排出された電子ペーパーの画像データが表示状態で放置されるのを防止することができる。
【0024】
前項(4)に記載の発明によれば、排出された電子ペーパーの所持者を特定することが可能となされ、当該電子ペーパーの所持者と特定され場合には、排出された電子ペーパーの画像データを表示する決定がなされる。これにより、印刷指示者が当該印刷物を取りに来た場合のみ、当該電子ペーパーの画像データを表示するこが可能となる。
【0025】
前項(5)に記載の発明によれば、検知手段により人が検知され、かつ、人物特定手段により前記人物が印刷指示者でないと特定された場合には、電子ペーパーの画像データを非表示とする決定がなされる。これにより、印刷指示者以外の人物に当該電子ペーパーの画像データが漏洩するのを防止することが可能となる。
【0026】
前項(6)に記載の発明によれば、複数の印刷ジョブが存在する場合、前記複数の印刷ジョブの印刷指示者が一致するか否かの判定がなされ、両者が一致しないと判定された場合には電子ペーパーの画像データを非表示とする決定がなされる。これにより、他の印刷指示者が印刷物を取りに来た場合などに、当該電子ペーパーの画像データが前記印刷指示者に漏洩するのを防止することが可能となる。
【0027】
前項(7)に記載の発明によれば、排紙トレイ上に他のユーザの記録材が存在している場合に、決定手段により電子ペーパーを非表示モードとする決定がなされる。これにより、電子ペーパーの画像データを非表示として排紙トレイに排出することが可能となり、排紙トレイ上に存在する印刷物を取りに来た他のユーザに当該電子ペーパーの内容が漏洩するのを防止することが可能となる。
【0028】
前項(8)に記載の発明によれば、受付手段により、受け付けたユーザ情報が印刷指示者からのものであると判定された場合、電子ペーパーを表示モードとする決定がなされる。これにより、ユーザは自らの意思で、電子ペーパーの非表示状態を表示状態に切り替えることが可能となる。
【0029】
前項(9)に記載の発明によれば、1枚目の電子ペーパーは表示モード、2枚目以降の電子ペーパーは非表示モードとする決定がなされることとなる。これにより、ユーザは当該電子ペーパーの画像内容の漏洩を最小限に抑えることができ、かつ、当該印刷物を取りに行った際には、他のユーザの印刷物との区別を容易に行うことが可能となる。
【0030】
前項(10)に記載の発明によれば、区切りシート制御手段により印刷情報が記録された区切りシートが生成され、前記区切りシートは電子ペーパーの先頭に位置するように排出される。これにより、ユーザは当該印刷物を取りに行った際に、他のユーザの印刷物と当該自分の印刷物との判別が容易になる。
【0031】
前項(11)に記載の発明によれば、電子ペーパー以外の記録材を用いての区切りシートの作成が可能となるので、ユーザは電子ペーパーの消耗を防止することが可能となる。
【0032】
前項(12)に記載の発明によれば、電子ペーパーへ画像が書き込まれ、前記画像が書き込まれた電子ペーパーの画像データを表示モードとするか、或いは非表示モードするかの決定がなされ、その決定結果が送信手段により電子ペーパーに送信される。これにより、ユーザは、自動的に第三者への前記電子ペーパーの画像データが漏洩するのを防止することが可能となる。
【0033】
前項(13)に記載の発明によれば、電子ペーパーへの画像の書き込み、前記画像が書き込まれた電子ペーパーの画像データを表示モードとするか、或いは非表示モードするかの決定、その決定結果の電子ペーパーへの送信、という一連の処理を画像形成装置のコンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、この発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
[実施形態1]
図1は、この発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示した図である。
【0035】
この画像形成装置1(印刷装置)は、プリンタからなり、図2に示すネットワーク30を介して、パソコン等のユーザ端末装置から送信されたてきた印刷ジョブ(以下では、印刷要求ともいう)を実行したり、操作表示部25(図2に示す)からのユーザによる直接操作による指示により、プラテンガラス(図示せず)上などにセットされた原稿の画像を読み取り、その後、当該読み取られた原稿の画像データを電子ペーパーに書き込み等を行なう。
【0036】
この印刷装置1は、図1に示すように、制御部5、電子ペーパー搬送ローラ10、11及び12、画像書込み部13、前RFID(Radio frequency identification)通信部14、後RFID通信部15、排紙トレイ16及び給紙トレイ17、18などから構成されている。
【0037】
制御部5は、CPU6(図2に示す)を備え、印刷装置1の全体を統括的に制御する。さらに、必要に応じて電子ペーパーに画像データを表示させる(表示モードとするか)或いは表示させない(非表示モードとするか)の決定や、当該印刷装置1の近傍に人がいるか否かの判定処理などを行うが、詳しくは後述する。
【0038】
電子ペーパー搬送ローラ10,11及び12は、給紙トレイ17又は18に収容されている電子ペーパーの搬送などを行うものである。具体的には、電子ペーパー搬送ローラ10又は11は、電子ペーパーが収容されている給紙トレイ17又は18から電子ペーパーを1枚ずつ分離し、画像書込み部13の書込み可能領域まで搬送する。また、書込み終了後に、当該電子ペーパーは、電子ペーパー搬送ローラ12によって搬送され、排紙トレイ16に排出される。なお、この動作は、制御部5のCPU6の制御によって電子ペーパー搬送駆動部26が駆動することにより実現される。
【0039】
画像書込み部13は、ユーザの端末装置などから送信され、画像処理部23によって所定の処理が施された画像データを、給紙トレイ17又は18から搬送されてきた電子ペーパーに書き込むものである。なお、この動作は、図2に示す制御部5のCPU6の制御によって画像書き込み駆動部22(図2に示す)が駆動することにより実現される。また、電子ペーパーに書き込まれる画像データは、スキャナ等からなる画像読取装置(図示せず)によって読み取られたものであっても良い。
【0040】
前RFID通信部14及び後RFID通信部15は、無線通信可能な通信システムを構成するものであり、電子ペーパーに付加されているRFIDタグ33(図3に示す)との間で各種情報の通信を行う。具体的には、前RFID通信部14は、排紙トレイ16に排出される前の電子ペーパーに対して、画像データを表示するための表示要求や画像データを非表示にするための非表示要求の送信を行う。また、画像データを表示しない非表示状態から画像データを表示する表示状態に切り替える際に必要となる非表示解除パスワードの送信などを行う。一方、後RFID通信部15は、画像データが書き込まれ排紙トレイ16に排出された電子ペーパーに対して、前記表示要求の送信や非表示解除パスワードの送受信などを行う。
【0041】
排紙トレイ16は、画像書込み部13による画像の書込みが終了した電子ペーパーが最終的に搬送される場所である。
【0042】
給紙トレイ17及び18は、ユーザによって、書き込みを行う電子ペーパーが繰り出し可能に積載収納される場所である。
【0043】
さらに、印刷装置1には、赤外線センサ19が備え付けられており、当該印刷装置1の近傍にいる人物の検知が可能となされている。また、印刷装置1には非接触ICカードリーダ20も備えられており、ユーザが所持するICカードとの間で無線通信が可能となされている。なお、赤外線センサ19による人物検知技術、及び非接触ICカードリーダ20によるICカードとの通信技術は、公知技術であるためここでは説明を省略する。
【0044】
次に、印刷装置1の制御ブロックの構成を、図2を用いて説明する。
【0045】
図2に示すように、制御ブロックは、制御部5、画像書込み駆動部22、画像処理部23、前RFID通信部14、後RFID通信部15、操作表示部25、電子ペーパー搬送駆動部26、RAM27、ROM28及び通信インターフェイス(I/F)部29などから構成されている。
【0046】
画像書込み駆動部22は、制御部5のCPU6の制御の下、画像書き込み部13を駆動させることにより画像処理部23によって所定の処理が施された原稿の画像データを電子ペーパーに書き込むものである。
【0047】
画像処理部23は、ユーザ端末から送信された画像データ、或いはスキャナ等からなる画像読取装置から読み取られた原稿の画像データに対し、所定の周知の画像処理を施すものである。
【0048】
操作表示部25は、各種のメッセージやユーザに対して入力受付画面及び選択画面等を表示したり、ユーザにより印刷装置1が有する各種機能の操作設定がなされる際に用いられるものであり、テンキーなどのキー入力部とタッチパネル式の液晶表示部等を備えている。
【0049】
電子ペーパー搬送駆動部26は、制御部5のCPU6の制御により電子ペーパー搬送ローラ10、11及び12を駆動させものである。
【0050】
RAM27は、一次記憶媒体であり制御部5のCPU6が実行する際の作業領域となるものであり、プログラム、プログラムを実行する際のデータ及びユーザからの印刷用要求等を一時保存する。
【0051】
ROM28は、制御部5のCPU6が実行するプログラムやその他のデータを記憶する。
【0052】
通信インターフェイス29は、ユーザ端末等の外部装置との間で、ネットワーク30を通じてデータの送受信を行うものである。
【0053】
なお、制御部5、前RFID通信部14及び後RFID通信部15については、既に説明したので、ここでは説明を省略する。
[電子ペーパー]
次に、電子ペーパーの構造を説明する。
【0054】
電子ペーパーの構造には、様々なものがあるが、フィルタ層、インク層、ドライバ層、フィルタ層のサンドイッチ構造が一般的である。
【0055】
フィルタ層は、インク層及びドライバ層を保護するものである。
【0056】
インク層は、白と青の2色の液体を収めた「マイクロカプセル」や、上下で2色の塗り分けられた「帯電ビーズ」が敷き詰められている。いずれも、通常は表面を「白」に表現する状態になっている。
【0057】
ドライバ層は、表示させたい内容に応じてインク層の必要部分にマイナスの電場を与える。すると、マイクロカプセルの場合は「電気泳動」現象によって白い液体の粒子が裏面に引き込まれ、表面には青い液体だけが集まる。これが電子ペーパー上で「黒」として表示される。帯電ビーズの場合も同様に、電荷に応じてビーズが回転し、白と黒を表現する。また、コストダウンと形状/サイズの自由化を目的に、ドライバ層をなくし、外部の装置によって書き換えるタイプも考案されている。
【0058】
次に、図3及び図4を用いて、この実施形態で使用する電子ペーパー3の構成等を説明する。なお、この電子ペーパー3は、ドライバ層を有しない、外部書き換え型電子ペーパーを前提としているが、もちろんこれに限定されるものではなく、自己書き換え型であっても良い。
【0059】
図3に示すように、電子ペーパー3は、RFIDタグ33、マスク層34、インク層35及びフィルタ層36などから構成されている。
【0060】
RFIDタグ33は、前RFID14又は後RFID通信部15からの、表示要求や非表示要求の受信、非表示解除パスワードの送受信などを行う。また、前記非表示解除パスワードを記憶する記憶領域が確保されている。
【0061】
マスク層34は、前述した画像形成装置1からの表示要求または非表示要求に応じて、透過又は非透過の切り替えが可能となされている。即ち、マスク層が透過状態(表示状態)のときは、インク層に形成された画像が表示される一方、マスク層が非透過状態(非表示状態)のときには、インク層に形成された画像は表示されない。なお、この動作は、制御部37のCPUの制御の下、マスク層駆動部38が駆動することにより実現される。
【0062】
なお、インク層42については、既に説明したのでここでは説明を省略する。
【0063】
次に、電子ペーパー3の制御ブロックの構成を、図4を用いて説明する。
【0064】
図4に示すように、制御ブロックは、RFIDタグ33、制御部37、マスク層駆動部38及びバッテリ39などから構成されている。
【0065】
制御部37は、CPU(図示せず)を備え、RFIDタグ33に保存されている非表示解除パスワードと、印刷装置1から送信されてきた非表示解除パスワードが一致するか否かの判定などを行う他、電子ペーパー3の全体を統括的に制御するが、詳しくは後述する。
【0066】
マスク層駆動部38は、マスク層34を透過或いは非透過のいずれかの状態に駆動させるものである。
【0067】
バッテリ39は、電子ペーパー3全体の動作に必要な電力を供給するものである。
【0068】
次に、RFIDタグ33が、印刷装置1の前RFID通信部14又は後RFID通信部15からの表示要求或いは非表示要求を受信した際の電子ペーパー3の動作を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0069】
制御部37のCPUは、印刷装置1の前RFID通信部14又は後RFID通信部15からの要求コマンドを受信し(ステップS43)、次に非表示解除パスワードを受信すると(ステップS44)、前RFID通信部14又は後RFID通信部15からの当該要求コマンドが表示要求であるか否かの判定を行う(ステップS45)。
【0070】
表示要求でないと判定された場合(ステップS45でNO)、表示要求がなされた際に用いるため、制御部37のCPUは、受信した非表示解除パスワードをRFIDタグ33の記憶領域に保存し(ステップS46)、マスク層駆動部38を駆動させ、マスク層を非透過にすることによって、当該電子ペーパー3の画像データを非表示の状態とし(ステップS47)、処理を終了する。一方、表示要求であると判定された場合(ステップS45でYES)、当該表示要求が印刷指示者からのものであるか否かを確かめるために、制御部37のCPUは、受信した非表示解除パスワードが、RFIDタグ33の記憶領域に保存されている非表示解除パスワードと等しいか否かの判定を行う(ステップS48)。
【0071】
ステップS48で、2つのパスワードが一致しないと判定された場合(ステップS48でNO)、当該表示要求は印刷指示者からのものではないから、制御部37のCPUは、処理を終了する。一方、2つのパスワードが等しいと判定された場合(ステップS48でYES)、当該表示要求は印刷指示者からのものであるから、制御部37のCPUは、マスク層駆動部38を駆動させることによってマスク層を透過とすることによって、当該電子ペーパー3の画像データを表示状態に切り替え(ステップS49)、処理を終了する。
[印刷装置1の動作]
この第1実施形態は、電子ペーパー3の画像データを非表示モードとして排紙トレイ16に排出し、その後、当該印刷装置1の近傍に人の存在を検知した場合には、当該電子ペーパー3を表示モードに切り替えるものであるが、この処理を実行する際の印刷装置1の動作を、図6及び図7に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この動作は制御部5のCPU6が、ROM28等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより実現される。
【0072】
制御部5のCPU6は、ネットワーク30を介してユーザ端末からの印刷要求をI/F部29で受信すると(ステップS51)、印刷指示者情報を受信し(ステップS52)、次に非表示解除パスワードを受信し(ステップS53)、最後に印刷データを受信する(ステップS54)。
【0073】
次に、制御部5のCPU6は、電子ペーパー搬送駆動部26を介して電子ペーパー搬送ローラ10又は11を駆動させ、給紙トレイ17又は18に繰り出し可能に収容されている電子ペーパー3を1枚引き出し、画像書込み部13の書き込み可能領域まで、当該電子ペーパー3の搬送を行う(ステップS55)。
【0074】
次に、制御部5のCPU6は、前RFID通信部14を介して当該電子ペーパー3のRFIDタグ33に非表示解除パスワードを送信し(ステップS56)、次いで非表示要求を送信する(ステップS57)。
【0075】
制御部5のCPU6は、画像書き込み駆動部22を介して画像書込み部13を駆動させることにより、当該電子ペーパー3に画像データを書き込む(ステップS58)。次に、電子ペーパー搬送駆動部26を介して電子ペーパー搬送ローラ12を駆動させることにより、当該電子ペーパーを排紙トレイ16に排出し(ステップS59)、ステップS60に進み、図7のフローチャートに示す表示/非表示判定処理に進む。
【0076】
図7に示すフローチャートのステップS601で、制御部5のCPU6は、人物探知センサである赤外線センサ19を用いて、当該印刷装置1の近傍の人物検出を実施し、近くに人が存在するか否かの判定を行なう(ステップS602)。
【0077】
近くに人がいないと判定された場合(ステップS602でNO)、印刷指示者が当該電子ペーパー3を取りに来ていないのであるから、制御部5のCPU6は排出された当該電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い(ステップS603)、リターンして、図6に戻り処理を終了する。一方、近くに人がいると判定された場合(ステップS602でYES)、印刷指示者が当該電子ペーパー3を取りに来ていると考えられ、電子ペーパー3に画像データを表示させても第三者への漏洩の恐れは少ないため、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを表示モードする決定を行い(ステップS604)、リターンして、図6に示すフローチャートのステップS61へ進む。
【0078】
ステップS61で、制御部5のCPU6は、後RFID通信部15を介して、排紙トレイ16に排出された電子ペーパー3のRFIDタグ33に表示要求の送信を行い、その後、処理を終了する。
【0079】
なお、この実施形態では、赤外線センサ19によって、人物の検出を行ったが、これに限定されるものではない。
【0080】
このように、この実施形態によれば印刷装置1の近くに人が存在するか否かの判定が可能となされており、人の存在が検知された場合にのみ、非表示モードで排出された電子ペーパー3の画像データが表示モードに切り替えられることとなる。これにより、印刷指示者が当該電子ペーパーを取りに行くまでの間、当該電子ペーパーに画像データが表示された状態で放置されることを防止することができる。
[実施形態2]
次に、この発明に係る第2実施形態を説明する。
【0081】
この第2実施形態は、当該印刷装置1の近傍に人を検知し、その検知された人物が印刷指示者だと特定された場合にのみ、非表示モードで排出された電子ペーパー3を表示モードに切り替え、画像データを表示するものである。
【0082】
この実施形態に係る印刷装置1には、第1実施形態に係る印刷装置1に備え付けられている赤外線センサ19に加え、非接触ICカードリーダ20を用いるものである。この非接触ICカードリーダ20は、前RFID通信部14及び後RFID通信部15とは異なる周波数で、各ユーザがIDカードとして所持し、ユーザ識別情報等が保存されているICカードとの間で、非接触での通信が可能となされており、これらを用いて印刷装置1を利用するユーザの識別が可能となされている。なお、第2実施形態に係る印刷装置1の構成は、非接触ICカードリーダ20が備えられている以外は第1実施形態と同じなので、ここでは説明を省略する。
[印刷装置1の動作]
次に、上述した処理を行う際の印刷装置1の動作を、図6及び図8に示すフローチャートを用いて説明するが、この動作は、図6に示すフローチャートのステップS60の表示/非表示判定の方法のみ第1実施形態と異なるため、ここでは表示/非表示判定処理のみを説明する。なお、この動作は制御部5のCPU6が、ROM28等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより実現される。
【0083】
制御部5のCPU6は、赤外線センサ19を用いて当該印刷装置1の近傍の人物検出を実施し(ステップS610)、近くに人がいるか否かの判定を行う(ステップS611)。
【0084】
近傍に人が存在しないと判定された場合(ステップS611でNO)、印刷指示者が当該電子ペーパー3を取りに来ていないから、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い(ステップS614)、リターンして、図6に戻り、処理を終了する。一方、近傍に人がいると判定された場合(ステップS611でYES)、当該人物が印刷指示者か否かを判定するために、制御部5のCPU6は、非接触ICカードリーダ20を介して、検出された人物が所持するIDカードと通信を行うことで、当該人物のユーザ識別情報を取得し(ステップS612)、前記ユーザ識別情報と図6のフローチャートに示すステップS52で受信した印刷指示者情報とを比較することで、当該人物が印刷指示者か否かの判定を行なう(ステップS613)。
【0085】
当該人物が印刷指示者でないと判定された場合(ステップS613でNO)、電子ペーパー3の画像データの内容が当該人物に漏洩するのを防ぐために、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い(ステップS614)、リターンして、図6に戻り、処理を終了する。一方、ステップS613で、当該人物が印刷指示者であると判定された場合(ステップS613でYES)、印刷指示者が当該電子ペーパー3を取りにきているのであるから、制御部5のCPU6は、当該電子ペーパーの画像データを表示モードとする決定を行い(ステップS615)、リターンして、図6に示すフローチャートのステップS61へ進む。
【0086】
このように、この実施形態によれば、印刷装置1の近傍に人がいるか否かの判定が可能なことに加え、人の存在が検知された場合には当該人物が当該印刷を指示した人物が否かの判定が可能となされており、また当該人物が印刷指示者だと判定された場合にのみ、表示モードに切り替えられ、排出された電子ペーパー3の画像データが表示されることとなる。これにより、当該排出された電子ペーパー3の表示内容が、当該印刷装置1の近くに来た他のユーザ等に漏洩することを防ぐことが可能となる。
[実施形態3]
次に、この発明に係る第3実施形態を説明する。
【0087】
この第3実施形態は、第2実施形態おいて、印刷装置1の近傍に印刷指示者の存在を検知した場合に排出された電子ペーパー3の画像データを表示するものとしたが、この場合であっても、印刷指示者以外の人物の存在が印刷装置1の近傍に検知された際には、当該電子ペーパー3の画像データを非表示のままとしておくものである。
【0088】
なお、この第3実施形態に係る印刷装置1の構成は第2実施形態と同じなので、ここでは説明を省略する。
[印刷装置1の動作]
次に、上述した処理を行う際の印刷装置1の動作を、図6及び図9に示すフローチャートを用いて説明するが、この動作は、図6に示すフローチャートのステップS60の表示/非表示判定の方法のみ第1実施形態と異なるため、ここでは表示/非表示判定処理のみを説明する。なお、この動作は制御部5のCPU6が、ROM28等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより実現される。
【0089】
制御部5のCPU6は、赤外線センサ19を用いて印刷装置1の近傍の人物検出を実施し(ステップS620)、近傍に人が存在するか否かの判定を行う(ステップS621)。
【0090】
近傍に人が存在していないと判定された場合(ステップS621でNO)、印刷指示者が当該電子ペーパー3を取りに来ていないのだから、制御部5のCPU6は当該電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い(ステップS625)、リターンして、図6に戻り、処理を終了する。一方、近傍に人が存在すると判定された場合(ステップS621でYES)、当該検出された人物が印刷指示者か否かを判定するために、制御部5のCPU6は、非接触ICカードリーダ20を介して検出された人物が所持するIDカードと通信を行うことで、ユーザ識別情報を取得し(ステップS622)、前記ユーザ識別情報と図6のフローチャートに示すステップS52で受信した印刷指示者情報とを比較することにより、制御部5のCPU6は、当該人物が印刷指示者か否かの判定を行う(ステップS623)。
【0091】
当該人物が印刷指示者でないと判定された場合(ステップS623でNO)、当該人物に当該電子ペーパー3の内容が漏洩するのを防止するために、制御部5のCPU6は、当該電子ペーパーの画像データを非表示モードとする決定を行い(ステップS625)、リターンして、図6に戻り、処理を終了する。一方、当該人物が印刷指示者であると判定された場合(ステップS623でYES)、当該電子ペーパー3の画像データの第三者への漏洩を防止するために、制御部5のCPU6は、赤外線センサ19を用いて当該印刷装置1の近傍に印刷指示者以外の人物が存在するか否かの判定を行う(ステップS624)。
【0092】
ステップS624で、印刷装置1の近傍に印刷指示者以外の人が存在すると判定された場合(ステップS624でYES)、当該人物に電子ペーパー3の内容が漏洩するのを防止するために、制御部5のCPU6は当該電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い(ステップS625)、リターンして図6に戻り、処理を終了する。一方、印刷装置1の近傍に印刷指示者以外の人物がいないと判定された場合(ステップS624でNO)、当該電子ペーパー3の画像データの内容が漏洩する恐れはないから、制御部5のCPU6は当該電子ペーパーの画像データを表示モードとする決定を行い(ステップS626)、リターンして図6に示すフローチャートのステップS61に戻る。
【0093】
このように、この実施形態によれば、印刷装置1の近傍に印刷指示者がいた場合であっても、当該印刷装置1の近傍に他の人物の存在が検知された際には、電子ペーパーの画像データの表示がなされないので、当該他の人物に当該電子ペーパーの画像データの内容が漏洩することを防止することが可能となる。
[実施形態4]
次に、本発明に係る第4実施形態を説明する。
【0094】
この第4実施形態は、印刷ジョブと前記印刷ジョブを指示したユーザ情報とが関連付けられてRAM27等の記録媒体に保存され、前記記録媒体に印刷ジョブを指示したユーザと異なるユーザによる印刷ジョブが保存されていると判定された場合、現在処理中の電子ペーパー3の画像データを非表示の状態で排出するものである。なお、この第4実施形態に係る印刷装置1は、第1実施形態に係る印刷装置と構成は同じなので、ここでは説明を省略する。
[印刷装置1の動作]
次に、上述した処理を行う際の印刷装置1の動作を、図6及び図10に示すフローチャートを用いて説明するが、この動作は、図6に示すフローチャートのステップS60の表示/非表示の判定方法のみ第1実施形態と異なるため、ここでは表示/非表示判定処理のみを説明する。なお、この動作は制御部5のCPU6が、ROM28等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより実現される。
【0095】
制御部5のCPU6は、RAM27に次の印刷要求が存在するか否かの判定を行い(ステップS630)、次の印刷要求が存在しないと判定された場合(ステップS630でNO)、第三者に画像データが漏洩する可能性は少ないから、制御部5のCPU6は電子ペーパー3の画像データを表示モードとする決定を行い(ステップS635)、リターンして、図6に示すフローチャートのステップS61に進む。一方、次の印刷要求が存在すると判定された場合(ステップS630でYES)、制御部5のCPU6は、現在処理中の印刷要求の印刷指示者情報をRAM27から取得し(ステップS631)、次の印刷要求の印刷指示者情報を同じくRAM27から取得し(ステップS632)、前記2つの印刷指示者が一致するか否かの判定を行う(ステップS633)。
【0096】
前記2人の印刷指示者が一致しないと判定された場合(ステップS633でNO)、当該処理中の電子ペーパー3の画像データの内容の漏洩を防止するために、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い(ステップS636)、リターンして図6に戻り、処理を終了する。一方、前記2人の印刷指示者が一致すると判定された場合(ステップS633でYES)、制御部5のCPU6は、RAM27に更に次の印刷要求が存在するか否かの判定を行う(ステップS634)。
【0097】
次の印刷要求が存在すると判定された場合(ステップS634でYES)、制御部5のCPU6は、ステップS632に戻り、次の印刷要求が存在しないと判定されるまで、ステップS632〜ステップS634を繰り返す。一方、次の印刷要求が存在しないと判定された場合(ステップS634でNO)、画像データが第三者に漏洩する可能性は少ないから、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを表示モードとする決定を行い(ステップS635)、リターンして、図6のフローチャートのステップS61に戻る。
【0098】
このように、この実施形態によれば、現在処理中の印刷要求の他に印刷要求が存在する場合には、書き込まれた電子ペーパー3の画像データを非表示とすることが可能となされている。これにより、ユーザは、他の印刷指示者が印刷物を取りにきた際に、当該他の印刷指示者に当該電子ペーパー3の画像データの内容が漏洩することを防止することが可能となる。
[実施形態5]
次に、本発明に係る第5実施形態を説明する。
【0099】
この第5実施形態は、排紙トレイ16に他人の印刷物である電子ペーパーが存在するか否かによって、現在処理中の電子ペーパー3の画像データを表示モードとするか、或いは非表示モードとするかの決定がなされるものである。なお、この第5実施形態に係る印刷装置1は、第1実施形態に係る印刷装置と構成は同じなので、ここでは説明を省略する。
[印刷装置1の動作]
次に、上述した処理を行う際の印刷装置1の動作を、図11及び図12に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この動作は、制御部5のCPU6が、ROM28等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより実現される。
【0100】
制御部5のCPU6は、ネットワーク30を介してユーザからの印刷要求をI/F部29で受信すると(ステップS640)、印刷指示者情報を含む印刷情報を受信し(ステップS641)、次に非表示解除パスワードを受信し(ステップS642)、最後に印刷データを受信する(ステップS643)。
【0101】
制御部5のCPU6は、後RFID通信部15を介して排紙トレイ16上の電子ペーパー3の検出を行い(ステップS644)、排紙トレイ16上に電子ペーパー3が存在するか否かの判定を行う(ステップS645)。
【0102】
排紙トレイ16上に電子ペーパー3が存在しないと判定された場合(ステップS645でNO)、他のユーザが当該印刷装置1に電子ペーパー3を取りに来ることはないから、制御部5のCPU6は電子ペーパー3の画像データを表示モードとする決定を行い(ステップS651)、図12に示すフローチャートのステップS652に進む。一方、排紙トレイ16上に電子ペーパー3が存在すると判定された場合(ステップS645でYES)、制御部5のCPU6は、RAM27から現在処理中の印刷要求の印刷指示者情報を取得し(ステップS646)、後RFID通信部15を介して排紙トレイ16に排出されている電子ペーパー3の印刷指示者情報を取得し(ステップS647)、前記取得した2つの印刷指示者情報が一致するか否かの判定を行う(ステップS648)。
【0103】
一致しないと判定された場合(ステップS648でNO)、他のユーザが排紙トレイ16上にある電子ペーパー3を取りに来た際に、現在処理中の電子ペーパー3の画像データの内容が漏洩する可能性があるから、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い(ステップS650)、図12に示すフローチャートのステップS652に進む。一方、一致すると判定された場合(ステップS648でYES)、制御部5のCPU6は、排紙トレイ16に更に前に排出された電子ペーパー3が存在するか否かの判定を行い(ステップS649)、更に前に排出された電子ペーパー3が存在すると判定された場合(ステップS649でYES)、ステップS647に戻り、ステップS647〜ステップS649を、更に前に排出された電子ペーパー3がないと判定されるまで繰り返す。一方、更に前に排出された電子ペーパー3が存在しないと判定された場合(ステップS649でNO)、他のユーザの電子ペーパー3が排紙トレイ16上に存在しないため、他のユーザが当該印刷装置1に電子ペーパー3を取りに来る可能性はないから、制御部5のCPU6は電子ペーパー3の画像データを表示モードとする決定を行い(ステップS651)、図12のフローチャートのステップS652に進む。
【0104】
ステップS652で、制御部5のCPU6は、電子ペーパー搬送駆動部26を介して電子ペーパー搬送ローラ10又は11を駆動させることにより電子ペーパー3を1枚搬送し(ステップS652)、図11のフローチャートのステップS650又はステップS651の決定に基づいて、当該電子ペーパー3の画像データを表示モードとするか、或いは非表示モードにするかの判定を行う(ステップS653)。
【0105】
ステップS653で、表示モードとする判定がなされた場合(ステップS653でYES)、制御部5のCPU6は、前RFID通信部14を介して当該電子ペーパー3に表示要求を送信し(ステップS656)、ステップS657に進む。一方、ステップS653で、非表示モードとする判定がなされた場合(ステップS653でNO)、制御部5のCPU6は前RFID通信部14を介して電子ペーパー3に非表示解除パスワード及び印刷指示者情報などを含む印刷情報の送信を行い(ステップS654)、非表示要求を電子ペーパー3に送信し(ステップS655)、ステップS657に進む。
【0106】
ステップS657で、制御部5のCPU6は、画像書き込み駆動部22を介して画像書込み部13を駆動させることにより当該電子ペーパー3に画像データを書き込み(ステップS657)、電子ペーパー搬送駆動部26を介して電子ペーパー搬送ローラ12を駆動させることにより排紙トレイ16に当該電子ペーパー3を排出して(ステップS658)、処理を終了する。
【0107】
このように、この実施形態によれば、現在処理中の電子ペーパー3の印刷指示者と排紙トレイ16上に残されている電子ペーパー3の印刷指示者とが異なるか否かの判定が可能となされており、前記両方の印刷指示者が異なると判定された場合には、現在処理中の電子ペーパー3の画像データが非表示となされて、排紙トレイ16に排出される。これにより、他のユーザが当該印刷装置1に電子ペーパー3を取りにきた場合に、当該処理中の電子ペーパー3の画像データが当該他のユーザに漏洩することを防止することが可能となる。
[実施形態6]
次に、この発明に係る第6実施形態を説明する。
【0108】
この実施形態は、第5実施形態において、電子ペーパー3の画像データが非表示で排紙トレイ16に排出された場合に、ユーザによるパネル操作等により当該電子ペーパー3の非表示の解除処理がなされ、当該電子ペーパー3の画像データの表示がなされるものである。なお、この第6実施形態に係る印刷装置1は、第1実施形態に係る印刷装置と構成は同じなので、ここでは説明を省略する。
[印刷装置1の動作]
次に、上記した処理を行う際の印刷装置1の動作について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この動作は制御部5のCPU6が、ROM28等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより実現される。
【0109】
制御部5のCPU6は、操作表示部25を介してユーザからの非表示解除処理を受け付けると(ステップS670)、後RFID通信部15を介して電波の送信を行い(ステップS671)、排紙トレイ16に排出されている電子ペーパー3からの印刷情報と非表示解除パスワードの受信を待つ(ステップS672)。
【0110】
電子ペーパー3からの印刷情報及び非表示解除パスワードを受信できなかった場合(ステップS672でNO)、排紙トレイ16上に電子ペーパー3は存在しないのであるから、制御部5のCPU6は、処理を終了する。一方、電子ペーパー3からの印刷情報及び非表示解除パスワードを受信した場合(ステップS672でYES)、受信した印刷情報に基づいて、制御部5のCPU6は、操作表示部25に図14に示すドキュメント選択画面680を表示し(ステップS673)、ユーザからのドキュメントの選択受け付けを待つ。なお、ドキュメント選択画面680には、図14に示すように排紙トレイ16上に排出されているすべての電子ペーパー3のドキュメントNo、印刷者名、ドキュメント名、印刷日時、枚数、部数、電子ペーパーの表示状態、及びユーザからのパスワード入力画面682への移行を受け付ける「パスワード入力画面」ボタン681が表示されている。
【0111】
ユーザによりドキュメントが選択され、「パスワード入力画面」ボタン681が押されると、制御部5のCPU6はこれを受け付け(ステップS674),操作表示部25に、図15に示すパスワード入力受付画面682を表示する(ステップS675)。なお、パスワード入力受付画面682には、「決定」ボタン683、「戻る」ボタン684等が表示されている。
【0112】
ユーザにより非表示解除パスワードが入力された後、「決定」ボタン683が押されると、制御部5のCPU6は、非表示解除パスワードを受け付け(ステップS676)、当該入力された非表示解除パスワードが、電子ペーパー3から受信した非表示解除パスワードと一致するか否かの判定を行う(ステップS677)。
【0113】
2つのパスワードが一致しないと判定された場合(ステップS677でNO)、当該ユーザは当該電子ペーパー3に印刷を指示したユーザではないから、制御部5のCPU6は、処理を終了する。一方、2つのパスワードが一致すると判定された場合(ステップS677でYES)、当該ユーザは当該電子ペーパー3に印刷を指示したユーザであるから、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを表示モードとする決定を行い、後RFID通信部15を介して当該ユーザに選択された、電子ペーパー3からなるドキュメントに表示要求を送信し(ステップS678)、処理を終了する。なお、ステップS676において、ユーザにより「決定」ボタン683の代わりに、「戻る」ボタン684が押された場合には、制御部5のCPU6は、処理を終了する。
【0114】
このように、この実施形態によれば、非表示モードで排出された電子ペーパーを、ユーザの指示により表示モードに切り替えることができる。これにより、ユーザは自らの操作により、非表示として排出された電子ペーパー3の画像データを表示させることが可能となる。
[実施形態7]
次に、この発明に係る第7実施形態を説明する。
【0115】
この実施形態は、複数ページに亘る文書を電子ペーパー3に書き込む際に、1ページ目の電子ペーパー3のみ画像データを表示し、2ページ目以降の電子ペーパー3の画像データを非表示とするものである。なお、この第7実施形態に係る印刷装置1は、第1実施形態に係る印刷装置と構成は同じなので、ここでは説明を省略する。
[印刷装置1の動作]
次に、上記した処理を行う際の印刷装置1の動作を、図16に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この動作は制御部5のCPU6が、ROM28等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより実現される。
【0116】
制御部5のCPU6は、ネットワーク30を介して外部端末からの印刷要求をI/F部29で受信すると(ステップS801)、印刷指示者情報を受信し(ステップS802)、次に非表示解除パスワード受信し(ステップS803)、最後に印刷データを受信する(ステップS804)。
【0117】
制御部5のCPU6は、電子ペーパー搬送駆動部26介して電子ペーパー搬送ローラ10又は11を駆動させることにより、給紙トレイ17又は18から電子ペーパー3を1枚搬送し(ステップS805)、前RFID通信部14を介して当該搬送された電子ペーパー3のRFIDタ33に非表示解除パスワードの送信を行い(ステップS806)、受信した印刷データの1ページ目の書込みであるか否かの判定を行う(ステップS807)。
【0118】
1ページ目の書き込みであると判定された場合(ステップS807でYES)、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを表示モードとする決定を行い、前RFID通信部14を介して当該電子ペーパー3に表示要求の送信を行い(ステップS810)、ステップS811に進む。一方、1ページ目の書込みでないと判断された場合(ステップS807でNO)、制御部5のCPU6は、電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い、前RFID通信部14を介して当該電子ペーパー3に非表示要求の送信を行い(ステップS809)、ステップS811に進む。
【0119】
ステップS811で、制御部5のCPU6は、画像書き込み駆動部22を介して画像書込み部13を駆動させることにより、当該電子ペーパー3に画像データを書き込み(ステップS811)、電子ペーパー駆動部26を介して電子ペーパー搬送ローラ12を駆動させることにより、当該電子ペーパー3を排紙トレイ16に排出し(ステップS812)、最終ページの書込みが終了したか否かの判定を行う(ステップS813)。
【0120】
最終ページの書込みが終了したと判定された場合(ステップS813でYES)、これ以上書き込む必要のある印刷データは存在しないので、制御部5のCPU6は処理を終了する。一方、最終ページの書込みが終了していないと判定された場合(ステップS813でNO)、まだ書き込む必要のある印刷データが残っているから、制御部5のCPU6は、ステップS804に戻り、ステップS804〜ステップS813までの処理を、最終ページの書込みが終了したと判定されるまで繰り返し、その後終了する。
【0121】
このように、この実施形態によれば、1枚目の電子ペーパー3は表示状態で排出され、2枚目以降の電子ペーパー3は非表示状態で排出されることとなる。これにより、1枚目が表示されるため、ユーザは、印刷物を取りに行った際に自分の印刷物か否かの判別が容易になる。また、2枚目以降の電子ペーパー3は、非表示状態となるため、当該電子ペーパーの画像データの内容が第三者に漏洩することを最小限に抑えることができる。
[実施形態8]
次に、この発明に係る第8実施形態を説明する。
【0122】
この実施形態では、ユーザからの印刷要求を受信すると、まず当該ユーザの名前を含む印刷情報を区切りシートに書き込み、その後に印刷データを書き込んでいくものである。なお、この第8実施形態に係る印刷装置1には、第1実施形態に係る印刷装置と構成は同じなので、ここでは説明を省略する。
[印刷装置1の動作]
次に、上記した処理を行う際の印刷装置1の動作について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この動作は制御部5のCPU6が、ROM28等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより実現される。
【0123】
制御部5のCPU6は、ネットワーク30を介して外部端末からの印刷要求をI/F部29で受信すると(ステップS901)、次に印刷指示者名、ドキュメント名、印刷日時及びページ数を含む印刷情報を受信し(ステップS902)、最後に非表示解除パスワードを受信する(ステップS903)。
【0124】
制御部5のCPU6は、印刷物の区切りを容易に判別させる為に、前記印刷情報から区切りシート情報を生成し(ステップS904)、制御部5のCPU6は、電子ペーパー搬送駆動部26を介して電子ペーパー搬送ローラ10又は11を駆動することにより給紙17又は18に収容されている電子ペーパー3を1枚搬送し(ステップS905)、前RFID通信部14を介して、当該電子ペーパー3に表示要求の送信を行う(ステップS906)。
【0125】
次に、画像書込み駆動部22を介して画像書込み部13を駆動させることにより当該電子ペーパー3に前記区切りシート情報の書き込みを行うことにより、図18に示す区切りシート950を生成し(ステップS907)、電子ペーパー搬送駆動部26を介して電子ペーパー搬送ローラ12を駆動させることにより当該電子ペーパー3を排紙トレイ16に排出し(ステップS908)、ステップS910に進む。なお、この区切りシート950には、当該印刷を指示した印刷者名、ドキュメント名、印刷日時及び当該印刷データが有するページ数が書き込まれている。
【0126】
ステップS910で、制御部5のCPU6は、ネットワーク30を介して印刷データをI/F部29で受信すると(ステップS910)、電子ペーパー搬送駆動部26を介して電子ペーパー搬送ローラ10又は11を駆動させることにより給紙トレイ17又は18に収容されている電子ペーパー3を1枚搬送し(ステップS911)、前RFID通信部14を介して当該搬送されてきた電子ペーパー3に非表示解除パスワードの送信を行う(ステップS912)。
【0127】
次に、制御部5のCPU6は、当該電子ペーパー3の画像データを非表示モードとする決定を行い、前RFID通信部14を介して当該電子ペーパー3に非表示要求を送信し(ステップS913)、当該電子ペーパー3に画像データを書き込んだ後(ステップS914)、当該電子ペーパー3を排紙トレイ16に排出し(ステップS915)、ステップS916に進む。
【0128】
ステップS916で、制御部5のCPU6は、当該書き込んだ画像データが受信した印刷データの最終ページであるか否かの判定を行う。
【0129】
最終ページでないと判定された場合(ステップS916でNO)、まだ書き込む必要のある印刷データが残っているから、制御部5のCPU6は、ステップS911に戻り、書き込んだ画像が最終ページであると判定されるまで、ステップS911〜ステップS916を繰り返す。一方、最終ページであると判定された場合(ステップS916)、書き込む必要のある印刷データは残っていないから、制御部5のCPU6は、処理を終了する。
【0130】
なお、この実施形態では、区切りシート情報を電子ペーパー3に書き込むものとしたが、これに限られず、例えば普通紙やOHP紙などの電子ペーパーとは異なる記録媒体に印刷することにより、当該記録媒体の手触りなどで、当該印刷物の判別を行う構成としても良い。
【0131】
このように、この実施形態によれば、ユーザからの印刷指示を受信すると、まず区切りシートの作成がなされる。これにより、ユーザが当該印刷装置1に印刷物を取りに行った際に、複数の印刷物が存在した場合などに、どれが自分の印刷物かを容易に判別することが可能となる。また、区切りシート以外の電子ペーパー3の画像データは非表示として排紙トレイ16に排出されるため、当該電子ペーパー3の画像データの内容が第三者に漏洩するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示した図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図を示した図である。
【図3】電子ペーパーの構成を示した図である。
【図4】この発明の一実施形態で用いる電子ペーパーの機能ブロック図を示した図である。
【図5】電子ペーパーが、画像形成装置からの要求コマンドを受信した際の当該電子ペーパーの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】第1実施形態にかかる表示/非表示判定処理を示すサブルーチンである。
【図8】第2実施形態にかかる表示/非表示判定処理を示すサブルーチンである。
【図9】第3実施形態にかかる表示/非表示判定処理を示すサブルーチンである。
【図10】第4実施形態にかかる表示/非表示判定処理を示すサブルーチンである。
【図11】第5実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】第5実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートの続きである。
【図13】第6実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】ドキュメント選択画面の一例を示す図である。
【図15】ユーザからのパスワードを受け付けるパスワード受付画面の一例を示す図である。
【図16】第7実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】第8実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】区切りシートの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0133】
1・・・印刷装置
5・・・制御部
6・・・CPU
10〜12・・・電子ペーパー搬送用ローラ
13・・・画像書込み部
14・・・前RFID通信部
15・・・後RFID通信部
16・・・排紙トレイ
17、18・・・給紙トレイ
33・・・RFIDタグ
37・・・制御部
38・・・マスク駆動部
39・・・バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から書き込まれた画像データを表示する表示手段と、外部からの表示要求または非表示要求に基づいて、前記画像データを前記表示手段へ表示する表示モードと表示しない非表示モードを切り替えるモード切り替え手段と、を備えた電子ペーパーに、画像データを書き込んで印刷する画像形成装置であって、
前記電子ペーパーに画像データを書き込む書き込み手段と、
前記書き込み手段により電子ペーパーに書き込まれた画像データについての表示要求または非表示要求を電子ペーパーに送信する送信手段と、
前記画像データが書き込まれた電子ペーパーを機外へ排出する排出手段と、
前記電子ペーパーについて、表示モードと非表示モードのいずれを設定するかを決定するモード決定手段と、
モード決定手段の結果に基づいて、前記電子ペーパーのモードを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記モード決定手段は、表示モードと非表示モードのいずれを設定するかを、前記排出手段による電子ペーパーの排出時の環境条件に基づいて決定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
人の存在を検知する人物検知手段を備え、
前記人物検知手段によって前記画像形成装置の近傍に人の存在が検知されなかった場合には、前記決定手段は非表示モードに決定する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
人の存在を検知する人物検知手段と、
前記検知手段により人の存在が検知された場合、前記検知された人物が電子ペーパーへの印刷ジョブ指示者であるか否かを特定する人物特定手段と、
を備え、
前記人物特定手段により画像形成装置の近傍に人物が検知され、かつ、検知された人物が前記人物特定手段により印刷指示者であると特定された場合には、前記決定手段は表示モードに決定する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
人の存在を検知する人物検知手段と、
前記検知手段により人の存在が検知された場合、前記検知された人物が電子ペーパーへの印刷指示者であるか否かを特定する人物特定手段と、
を備え、
前記人物検知手段により画像形成装置の近傍に人物が検知され、かつ、検知された人物が前記人物特定手段により印刷指示者でないと特定された場合には、前記決定手段は非表示モードに決定する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
印刷ジョブと前記印刷ジョブを指示したユーザとを関連付けて保存する保存手段と、
前記保存手段に、電子ペーパーへの印刷ジョブを指示したユーザとは異なるユーザによる印刷ジョブが保存されている場合には、前記決定手段は非表示モードに決定する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記排出手段は排紙トレイを備え、
前記排紙トレイ上に、電子ペーパーへの印刷を指示したユーザとは異なるユーザの印刷ジョブによる記録材が存在している場合には、前記決定手段は非表示モードに決定する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザからのユーザ情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けたユーザ情報から前記ユーザが印刷指示者であるか否かの判定を行う判定手段と、
を備え、
前記判定手段により印刷指示者であると判定された場合には、前記決定手段は表示モードに決定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像データが書き込まれる電子ペーパーが複数頁である場合には、前記制御手段は1頁目の電子ペーパーのみを表示モードに設定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
印刷情報を記録する区切りシートを作成する区切りシート作成手段を備え、
前記制御手段は、前記画像データが書き込まれる電子ペーパーの先頭に位置するように、前記排出手段に前記区切りシートを排出させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記区切りシートは、画像データの表示または非表示を切り替え不可能な、電子ペーパーを含む記録材からなる請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
外部から書き込まれた画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶された画像データを表示する表示手段と、外部からの表示要求または非表示要求に基づいて、前記記憶手段に記憶された画像データを前記表示手段へ表示する表示モードと表示しない非表示モードとを切り替えるモード切り替え手段と、を備えた電子ペーパーに、画像データを書き込むステップと、
前記電子ペーパーに書き込まれた画像データについての表示要求または非表示要求を電子ペーパーに送信するステップと、
前記画像データが書き込まれた電子ペーパーを機外へ排出するステップと、
前記電子ペーパーについて、表示モードと非表示モードのいずれを設定するかを決定するステップと、
モード決定結果に基づいて、前記電子ペーパーのモードを制御するステップと、
を備えたことを特徴とする電子ペーパー制御方法。
【請求項13】
外部から書き込まれた画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶された画像データを表示する表示手段と、外部からの表示要求または非表示要求に基づいて、前記記憶手段に記憶された画像データを前記表示手段へ表示する表示モードと表示しない非表示モードとを切り替えるモード切り替え手段と、を備えた電子ペーパーに、画像データを書き込むステップと、
前記電子ペーパーに書き込まれた画像データについての表示要求または非表示要求を電子ペーパーに送信するステップと、
前記画像データが書き込まれた電子ペーパーを機外へ排出するステップと、
前記電子ペーパーについて、表示モードと非表示モードのいずれを設定するかを決定するステップと、
モード決定結果に基づいて、前記電子ペーパーのモードを制御するステップと、
を画像形成装置のコンピュータに実行させるための電子ペーパー印刷プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−149492(P2008−149492A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337536(P2006−337536)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】