説明

画像形成装置およびその制御方法ならびにコンピュータプログラム

【課題】ウェブページなどマークアップ言語で記述されるページの中の特定のオブジェクトを従来よりも見やすく表示する。
【解決手段】画像形成装置1に、マークアップ言語によって記述されるウェブページを解析することによって、このウェブページの中から、情報を入力しもしくは選択しまたは指令を与えるためのオブジェクトであるコントロールを抽出する、コントロール解析部103と、抽出されたコントロールを並べた集約リストページをディスプレイに表示させる集約リストページ描画部105と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マークアップ言語で記述されたページをディスプレイに表示させる機能を備えた画像形成装置およびその制御方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、PCプリント、スキャン、ファックス、およびファイルサーバなどの様々な機能を備えた画像形成装置が普及している。このような画像形成装置は、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれる。
【0003】
そのほか、ウェブページを閲覧するためのブラウザ(「ウェブブラウザ」または「WWWブラウザ」などと呼ばれることもある。)を備えた画像形成装置も提案されている。
【0004】
しかし、画像形成装置に設けることができるディスプレイの表示面のサイズには限度がある。したがって、パーソナルコンピュータで用いられるような大型の表示面を有するディスプレイを画像形成装置に設けることは、難しい。
【0005】
ところが、一般に、ウェブページは、パーソナルコンピュータ用のディスプレイの表示面のサイズに合わせて作成されていることが多い。したがって、せっかく画像形成装置にブラウザの機能が備わっていても、画像形成装置に設けられるディスプレイでは、ウェブページを縮小して表示しなければならない。そうすると、ユーザにとって、ウェブページを読んだり操作したりするのが難しくなる。または、ディスプレイに表示するウェブページの部分を、パーソナルコンピュータの場合よりも、より限定的にしなければならない。そうすると、ユーザは、スクロールの操作をパーソナルコンピュータの場合よりも頻繁に行わなければならず、面倒である。
【0006】
そこで、表示面のサイズの小さいディスプレイにおけるウェブページなどの表示または操作に関して、次のような方法が提案されている。携帯電話は、マークアップ言語形式で記載されたドキュメントを通信部から読み込み、表示部に表示する。また、この表示されたドキュメントからリンク情報を検出する。ここで、表示部にはポインタが表示されており、ポインタの位置座標を検出する。そして、ポインタの位置座標に基づいて、リンク情報と、ダイヤルボタンとを割り当てて、リンク割当テーブルに記憶する。そして、ユーザによりダイヤルボタンが押下されると、リンク割当テーブルからリンク先URLを読み出し、WEBページを移動する(特許文献1)。
【0007】
また、次のような方法も提案されている。MFPは、複数のキーを有し、ユーザの操作を受け付ける操作部と、マークアップ言語で記述されたWebページを取得するデータ取得部と、取得されたWebページに含まれるリンク情報を抽出する抽出部と、抽出されたリンク情報で特定されるリンク先のデータに対する処理を実行するための割当コマンドを複数のキーの少なくとも1つに割り当てる割当部と、を備える(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−269217号公報
【特許文献2】特開2010−3100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の従来の方法によると、リンクごとにボタンまたはキーが割り当てられるので、ウェブページが縮小されて表示されても、マウスポインタまたは指で選択する従来の方法よりも、リンクを容易に選択することができる。
【0010】
しかし、縮小されて表示される以上、ウェブページが見にくいことは、変わりない。特に、「コントロール」などと呼ばれる、リンクおよびフォームなど、ユーザが情報を入力しもしくは選択しまたは指令を与える操作を行うためのオブジェクトは、見やすいことが求められる。さもなければ、ユーザは、操作に手間取ったり操作ミスを起こしたりするからである。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑み、ウェブページなどマークアップ言語で記述されるページの中の特定のオブジェクトを従来よりも見やすく表示することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一形態に係る画像形成装置は、マークアップ言語によって記述されるページの中から、情報を入力しもしくは選択しまたは指令を与えるためのオブジェクトを抽出する、オブジェクト抽出手段と、抽出された前記オブジェクトを並べたリストをディスプレイに表示させるリスト表示処理手段と、を有する。
【0013】
好ましくは、前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが選択された際に、当該選択されたオブジェクトが前記ページにおいて選択された場合と同様の処理を実行する、オブジェクト関連処理手段、を有する。
【0014】
または、前記オブジェクト関連処理手段は、前記選択されたオブジェクトがハイパーリンクである場合は、前記処理として、当該選択されたオブジェクトに設定されているURL(Uniform Resource Locator)に基づいて他のページをダウンロードする処理を行う。
【0015】
または、前記ディスプレイは、表示面にタッチパネルを備えており、前記オブジェクト関連処理手段は、前記選択されたオブジェクトがテキストボックスである場合は、前記処理として、当該選択されたオブジェクトへ情報を入力するためのキーボードの画像を前記ディスプレイに表示させる処理を行う。
【0016】
または、前記オブジェクト関連処理手段は、前記選択されたオブジェクトが情報の送信の指令のボタンである場合は、当該選択されたオブジェクトに係る情報を当該選択されたオブジェクトに設定されている送信先へ送信する処理を行う。
【0017】
または、前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが選択された際に、前記ページを、当該選択されたオブジェクトが中央に配置されるようにしてかつ拡大して前記ディスプレイに表示させる、拡大表示処理手段、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、マークアップ言語で記述されるページの中の、情報を入力しもしくは選択しまたは指令を与えるためのオブジェクトを、従来よりも見やすく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置を有するネットワークシステムの構成の例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】操作パネルの構成の例を示す図である。
【図4】画像形成装置のソフトウェアモジュールの構成の例を示す図である。
【図5】ブラウザエンジンによって実現される機能的構成の例を示す図である。
【図6】コントロールマネージャによって実現される機能的構成の例を示す図である。
【図7】操作パネルコントローラによって実現される機能的構成の例を示す図である。
【図8】ウェブページの例を示す図である。
【図9】画像形成装置の処理の手順の例を示すシーケンス図である。
【図10】画像形成装置の処理の手順の例を示すシーケンス図である。
【図11】画像形成装置の処理の手順の例を示すシーケンス図である。
【図12】ブラウザ画面の構成の例を示す図である。
【図13】ウェブページを表示した際のブラウザ画面の例を示す図である。
【図14】HTML解析処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図15】集約リストページの例を示す図である。
【図16】ウェブページを拡大した際のブラウザ画面の例を示す図である。
【図17】キーボードの画像の例を示す図である。
【図18】集約リストページの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、画像形成装置1を有するネットワークシステムの構成の例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、操作パネル10eの構成の例を示す図である。図4は、画像形成装置1のソフトウェアモジュールの構成の例を示す図である。図5は、ブラウザエンジン10によって実現される機能的構成の例を示す図である。図6は、コントロールマネージャ12によって実現される機能的構成の例を示す図である。図7は、操作パネルコントローラ13によって実現される機能的構成の例を示す図である。
【0021】
画像形成装置1は、一般に複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる画像処理装置であって、コピー、PCプリント(ネットワークプリンティング)、ファックス、およびスキャナなどの機能を集約した装置である。
【0022】
画像形成装置1は、図1に示すように、通信回線4を介してウェブサーバ2およびパーソナルコンピュータ3などの装置と接続することができる。通信回線4として、インターネットまたはいわゆるLAN(Local Area Network)回線などが用いられる。
【0023】
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、操作パネル10e、ネットワークインタフェース10f、印刷装置10g、スキャナ10h、およびモデム10iのほか画像処理回路などの種々のハードウェアによって構成される。
【0024】
スキャナ10hは、写真、文字、絵、図表などによって構成される原稿の画像を用紙から読み取って画像データを生成する装置である。
【0025】
印刷装置10gは、スキャナ10hによって読み取られた画像を用紙に印刷する。また、ウェブサーバ2またはパーソナルコンピュータ3などから送信されてきたデータに基づいて再生されるウェブページなどの画像を用紙に印刷する。
【0026】
操作パネル10eは、図3に示すように、液晶ディスプレイ10e1およびキー群10e2などによって構成される。
【0027】
液晶ディスプレイ10e1には、ウェブページのほか、ユーザに対するメッセージを与えるための画面、処理の結果を示す画面、またはユーザが画像形成装置1に対して指示を入力するための画面などが表示される。また、液晶ディスプレイ10e1の表示面にはタッチパネルが備えられており、タッチされた位置を検知しCPU10aにその位置を通知する。
【0028】
キー群10e2は、テンキー、スタートキー、ストップキー、およびファンクションキーなどのキーによって構成される入力装置である。
【0029】
ユーザは、操作パネル10eを操作することによって、画像形成装置1に対してコマンドを与えたりデータを入力したりすることができる。
【0030】
ネットワークインタフェース10fは、通信回線4を介してTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)によってウェブサーバ2およびパーソナルコンピュータ3と通信を行うためのNIC(Network Interface Card)である。
【0031】
モデム10iは、固定電話網を介してG3のプロトコルによって他のファックス端末と通信を行う。
【0032】
ROM10cまたは大容量記憶装置10dには、図4に示すブラウザエンジン10、コントロールマネージャ12、および操作パネルコントローラ13を実現するためのソフトウェアモジュールが記憶されている。これらのソフトウェアモジュールは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。大容量記憶装置10dとして、ハードディスク、フラッシュメモリ、またはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
【0033】
ブラウザエンジン10は、従来のウェブブラウザを拡張したものであって、図5に示すように、ブラウザ画面描画部101、ウェブページデータ取得部102、コントロール解析部103、全体ウェブページ描画部104、集約リストページ描画部105、キーボード画像描画部106、入力データ送信制御部107、ウェブページ拡大描画部108などによって構成される。
【0034】
「コントロール」は、ウェブページを構成するオブジェクトのうちのユーザによる操作の対象であるオブジェクトである。「操作」として、情報を入力したり選択したりする操作のほか、指令を与える操作などが挙げられる。
【0035】
例えば、ハイパーリンクがコントロールに該当する。ハイパーリンクは、他のウェブページのURL(Uniform Resource Locator)をユーザが選択するためのオブジェクトである。単に「リンク」と呼ばれることもある。
【0036】
また、フォームを構成するテキストボックス、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンメニュー、リセットボタン、および転送ボタンなどのオブジェクトも、コントロールに該当する。フォームは、ユーザがデータを入力したり選択したり、指令を与えたりするために、用いられる。
【0037】
コントロールマネージャ12は、図6に示すように、コントロール登録部121、リストページデータ提供部122、および押下コントロール判定部123などによって構成される。このような構成により、コントロールマネージャ12は、ブラウザエンジン10によってダウンロードされたウェブページのコントロールの情報の管理のための処理を行う。
【0038】
操作パネルコントローラ13は、図7に示すように、イベント通知部131および画面表示制御部132などによって構成される。このような構成により、操作パネルコントローラ13は、液晶ディスプレイ10e1にブラウザの画面などを表示させる処理および操作パネル10eに対して行われた操作をブラウザエンジン10またはコントロールマネージャ12に通知する処理を行う。
【0039】
ブラウザエンジン10、コントロールマネージャ12、および操作パネルコントローラ13によると、ユーザは、インターネット上で公開されている様々なウェブページを閲覧することができる。さらに、ウェブページに含まれるコントロールを集約したリスト(図15参照)を使って容易にコントロールの操作を行うことができる。
【0040】
図8は、ウェブページ5WBの例を示す図である。図9、図10、および図11は、画像形成装置1の処理の手順の例を示すシーケンス図である。図12は、ブラウザ画面50の構成の例を示す図である。図13は、ウェブページ5WBを表示した際のブラウザ画面50の例を示す図である。図14は、HTML解析処理の流れの例を説明するフローチャートである。図15は、集約リストページ5LTの例を示す図である。図16は、ウェブページ5WBを拡大した際のブラウザ画面50の例を示す図である。図17は、キーボードの画像の例を示す図である。
【0041】
次に、図8に示すウェブページ5WBをユーザが閲覧する場合を例に、図5に示すブラウザエンジン10の各部、図6に示すコントロールマネージャ12の各部、および図7に示す操作パネルコントローラ13の各部の処理内容などを、図9〜図11に示すシーケンス図などを参照しながら説明する。
【0042】
操作パネルコントローラ13のイベント通知部131は、ユーザが操作パネル10eの操作を行うごとにその操作を検知し、ブラウザエンジン10またはコントロールマネージャ12へ検知した操作を通知する。
【0043】
ユーザがブラウザの呼出用のファンクションキーを押すと、イベント通知部131は、ブラウザの呼出用のファンクションキーが押されたことをブラウザエンジン10へ通知する(図9の#761)。
【0044】
すると、ブラウザエンジン10のブラウザ画面描画部101は、図12のようなブラウザ画面50のビットマップを生成する(#701)。つまり、ブラウザ画面50の描画を行う。ブラウザ画面50は、主にURL指定ボックス51およびウェブページ領域52などによって構成される。
【0045】
画面表示制御部132は、ブラウザ画面描画部101によって生成されたブラウザ画面50のビットマップを液晶ディスプレイ10e1(図3参照)に表示させる(#762)。なお、画面表示制御部132は、そのほか、後述する全体ウェブページ描画部104、集約リストページ描画部105、キーボード画像描画部106、またはウェブページ拡大描画部108によって生成されるビットマップを液晶ディスプレイ10e1のウェブページ領域52の位置に表示させる。
【0046】
URL指定ボックス51は、ウェブページのURLを指定するためのテキストボックスである。
【0047】
ユーザは、閲覧したいウェブページのURLを、URL指定ボックス51に入力することによって指定することができる。または、ユーザは、ウェブページ領域52に表示されているウェブページの中のハイパーリンクを押下することによっても、閲覧したいウェブページのURLを指定することができる。
【0048】
イベント通知部131は、ウェブページのURLを指定する操作をブラウザエンジン10へ通知する(#763)。
【0049】
すると、ウェブページデータ取得部102は、ユーザによって指定されたURLに基づいて、ウェブサーバ2からウェブページのデータがダウンロード(取得)されるようにネットワークインタフェース10fを制御する(#702、#801)。ウェブページのデータは、主に、HTML(Hypertext Markup Language)で記述されたファイル(いわゆるHTMLファイル)のほか、そのHTMLファイルに示される画像ファイルなどである。
【0050】
全体ウェブページ描画部104は、ダウンロードされたHTMLファイルおよび画像ファイルに基づいてウェブページ全体のビットマップを生成する(#703)。つまり、ウェブページの描画を行う。本例では、図8に示すウェブページ5WBのビットマップを生成する。
【0051】
画面表示制御部132は、全体ウェブページ描画部104によってビットマップ化されたウェブページ5WBを、図13のようにウェブページ領域52に表示させる(#764)。
【0052】
なお、ウェブページ5WBの全体をウェブページ領域52に納める必要は、ない。全体ウェブページ描画部104は、文字のサイズが所定のサイズ以上になるように、ウェブページ5WBの描画を行う。その結果、ウェブページ5WBがウェブページ領域52に納まりきらない場合は、画面表示制御部132は、ウェブページ5WBの一部分をウェブページ領域52に表示させる。そして、ユーザの操作に応じてウェブページ5WBをスクロールさせ、残りの部分を表示させる。
【0053】
ウェブページ5WBの描画および表示の処理と並行してまたは前後して、コントロール解析部103は、ダウンロードされたHTMLファイルを解析することによって、ウェブページ5WBに含まれるコントロールを抽出する(#704)。
【0054】
コントロールマネージャ12のコントロール登録部121は、コントロール解析部103によって抽出されたコントロールの登録の処理を行う(#731)。
【0055】
ここで、HTMLファイルの解析の処理およびコントロールの登録の処理を、図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
コントロール解析部103は、HTMLファイルがダウンロードされると(図14の#601)、HTMLファイルの先頭から順に、コントロールを表わすタグのセットを検索する(#602)。
【0057】
コントロールの例として、ハイパーリンクが挙げられる。さらに、フォームを構成する上述のテキストボックスおよびラジオボタンなどが挙げられる。
【0058】
ハイパーリンクのコードは、<A HREF>タグおよび</A>タグのセットおよび両タグに挟まれたコードである。一方、フォームのコードは、<FORM>タグおよび</FORM>タグのセットおよび両タグに挟まれたコードである。両タグの間に、<INPUT TYPE>タグのほか、<TEXT AREA>および</TEXT AREA>のセットなどによって、上述の入力用のオブジェクトのコードが記されている。以下、コントロールを表わすコードを、「コントロールコード6」と記載する。
【0059】
そして、コントロール解析部103は、コントロールコード6を見つけるごとに(#603でYes)、コントロールマネージャ12のコントロール登録部121に対して、そのコントロールの登録を要求する(#604)。この際に、そのコントロールのコントロールコード6をコントロール登録部121に渡す。
【0060】
コントロール登録部121は、コントロール解析部103から渡されたコントロールコード6を記憶する。この際に、渡された順番を表わすシーケンシャル番号を付す。つまり、1番目、2番目、…、N番目に渡された各コントロールコード6に、それぞれ、シーケンシャル番号として「1」、「2」、…「N」を付す。
【0061】
コントロール解析部103は、ダウンロードされたHTMLファイルの末尾まで検索したら(#605でYes)、解析の処理を終了する。
【0062】
図9〜図11のシーケンス図に戻って、ユーザが集約リストページの呼出用のボタンを押すと、イベント通知部131は、集約リストページの呼出用のボタンが押されたことをブラウザエンジン10へ通知する(図10の#765)。
【0063】
すると、集約リストページ描画部105は、図15のような集約リストページ5LTのビットマップの生成、つまり、集約リストページの描画を、次のように行う(#704、#705)。
【0064】
集約リストページ描画部105は、コントロールコード6をコントロールマネージャ12に対して要求する(#704)。すると、コントロールマネージャ12のリストページデータ提供部122は、コントロール登録部121に記憶されているコントロールコード6を集約リストページ描画部105に対して与える(#732)。
【0065】
ところで、集約リストページ5LTには、ウェブサーバ2からダウンロードされたウェブページ5WBのコントロールを集約したリストが配置されている。図15の例では、集約リストページ5LTは、2段組になっているが、表示領域のサイズまたは形状などに応じて、1段であってもよいし、3段組以上であってもよい。
【0066】
集約リストページ描画部105は、リストページデータ提供部122から与えられた各コントロールコード6に基づいてコントロールの画像(ビットマップ)を再生する。そして、各コントロールコード6のシーケンシャル番号(左から1列目、3列目)および再生した画像(左から2列目、4列目)をシーケンシャル番号の小さい順に並べることによって、集約リストページ5LTを生成する(#705)。
【0067】
画面表示制御部132は、集約リストページ描画部105によってビットマップ化された集約リストページ5LTを液晶ディスプレイ10e1に表示させる(#766)。集約リストページ5LTは、ウェブページ5WBの上に重ねて表示させてもよい。
【0068】
ユーザは、集約リストページ5LTの中のコントロールの画像またはシーケンシャル番号を押すことによって、ウェブページ5WBを操作することができる。
【0069】
イベント通知部131は、集約リストページ5LTの押された位置を押下コントロール判定部123へ通知する(#767)。
【0070】
すると、押下コントロール判定部123は、イベント通知部131から通知された位置に基づいて、ユーザがどのコントロールの画像またはシーケンシャル番号を押したのかを判定し、判定の結果をブラウザエンジン10へ与える(#733)。
【0071】
ウェブページデータ取得部102、全体ウェブページ描画部104、キーボード画像描画部106、ウェブページデータ取得部102、入力データ送信制御部107、およびウェブページ拡大描画部108は、押下コントロール判定部123による判定の結果に応じて、次のいずれかの処理を行う。
【0072】
あるコントロールの画像が押されたと判定された場合は(Case_1)、ウェブページ拡大描画部108は、ウェブページ5WBを、そのコントロールの画像が所定の大きさ以上になるように拡大して描画し直す(#706)。そして、画面表示制御部132は、拡大されたウェブページ5WBを、そのコントロールの画像が中心になるようにウェブページ領域52に表示し直す(#768)。例えば、「詳細」というハイパーリングの画像が押されたと判定された場合は、ウェブページ拡大描画部108および画面表示制御部132によって、図16のようにウェブページ5WBが表示し直される。なお、そのコントロールの画像が押された時点で、集約リストページ5LTの表示は中止される。後述の、シーケンシャル番号が押された場合も同様に、集約リストページ5LTの表示は中止される。
【0073】
または、あるコントロールのシーケンシャル番号が押されたと判定された場合は、全体ウェブページ描画部104、キーボード画像描画部106、ウェブページデータ取得部102、または入力データ送信制御部107は、ウェブページ5WBの中の、そのコントロールと同じコントロールが押された場合と同様の処理を行う。
【0074】
ハイパーリンクのシーケンシャル番号(例えば、図15に示す集約リストページ5LTの「1」。)が押されたと判定された場合は(Case_2)、ウェブページデータ取得部102は、そのハイパーリンクに係るURLに基づいて、ウェブサーバ2からウェブページのHTMLファイルなどのデータがダウンロードされるようにネットワークインタフェース10fを制御する(図11の#707、#802)。
【0075】
そして、全体ウェブページ描画部104は、ダウンロードされたデータに基づいてウェブページ全体のビットマップを生成し(#708)、画面表示制御部132は、ウェブページ5WBに代えて、ビットマップ化されたウェブページを液晶ディスプレイ10e1に新たに表示させる(#769)。また、この際に、コントロール解析部103は、ダウンロードされたHTMLファイルを解析することによって、新たなウェブページに含まれるコントロールを抽出し(#709)、コントロール登録部121に記憶させる(#734)。
【0076】
ただし、新たなウェブページのコントロールコード6が前のウェブページ(本例では、ウェブページ5WB)のコントロールコード6と混ざらないように、各コントロールコード6を、基のウェブページの識別子と対応付けてコントロール登録部121に記憶させてもよい。または、前のウェブページのコントロールコード6をコントロール登録部121から消去してもよい。
【0077】
または、テキストボックスのような、キーボードによって入力を行う必要のあるコントロールが押されたと判定された場合は(Case_3)、キーボード画像描画部106は、図17のような、キーボードの画像を描画する(#710)。そして、画面表示制御部132は、キーボードの画像をウェブページ5WBの上に重ねて表示させる(#770)。ただし、キーボードの画像の位置は、そのコントロールに重ならないように調整される。
【0078】
または、ラジオボタンまたはチェックボタンなどの選択用のコントロールのシーケンシャル番号(例えば、図15に示す集約リストページ5LTの「4」。)が押されたと判定された場合は(Case_4)、全体ウェブページ描画部104は、押されたコントロールに対応するアイテムが選択されたようにウェブページ5WBを描画し直し(#711)、画面表示制御部132は、ウェブページ5WBを表示し直す(#771)。
【0079】
または、転送ボタン(Submitのボタン)のシーケンシャル番号(例えば、図15に示す集約リストページ5LTの「5」。)が押されたと判定された場合は(Case_5)、入力データ送信制御部107は、その転送ボタンに係るフォームのコントロールに対して行われた入力または選択の内容がウェブサーバ2へ転送されるようにネットワークインタフェース10fを制御する(#712、#803)。
【0080】
以上説明したように、本実施形態によると、ウェブページの中のコントロールを従来よりも見やすく表示することができる。さらに、コントロールの操作を従来よりも容易にユーザに行わせることができる。
【0081】
図18は、集約リストページ5LTの変形例を示す図である。本実施形態では、図15に示したように、集約リストページ5LTにおけるコントロールの画像をコントロールコード6によって再現したが、基のウェブページ5WBの画像(ビットマップ)の中からコントロールを含む部分(部分画像)を切り取って保存しておき、部分画像を用いて、図18のように再現してもよい。
【0082】
このように再現することによって、シーケンシャル番号が「1」のコントロールの画像のように、コントロールだけでなくその周囲の様子をもユーザに分からせることができる。
【0083】
ただし、他のコントロールと混同しないように、部分画像は、次の規則に基づいて取得するのが望ましい。
(1) 部分画像の最大のサイズを縦Lh、横Lwとする。したがって、対象のコントロールのサイズがこの最大のサイズを超える場合は、コントロールの一部分を部分画像として切り出す。
(2) 部分画像に他のコントロールが入らないように範囲を調整する。例えば、「New!」というハイパーリンクのコントロールの周囲には「アカウントを作成する>>」というボタン、「XXXについて」というハイパーリンク、および「利用規約」というハイパーリンクなど別のコントロールが存在するが(図8参照)、このコントロールの部分画像を切り出す際には、これらの別のコントロールが含まれないように範囲を調整する。
【0084】
本実施形態では、集約リストページ5LTの中のシーケンシャル番号が選択されたときにコントロールがウェブページ5WBにおいてそのコントロールが選択された場合と同様の処理を行い、画像が選択されたときにそのコントロールが中央に配置されるようにウェブページ5WBを拡大して表示し直した。これを、逆にしてもよい。つまり、画像が選択されたときにそのコントロールが選択された場合と同様の処理を行い、シーケンシャル番号が選択されたときにそのコントロールが中央に配置されるようにウェブページ5WBを拡大して表示し直してもよい。
【0085】
シーケンシャル番号を、キー群10e2(図3参照)のテンキーから選べるようにしてもよい。また、テンキーからシーケンシャル番号が選択されたときに、このシーケンシャル番号に対応するコントロールがウェブページ5WBにおいて選択された場合と同様の処理を行ってもよいし、そのコントロールが中央に配置されるようにウェブページ5WBを拡大して表示し直してもよい。
【0086】
キー群10e2にアルファベットなどの文字を入力するキーが設けられている場合は、シーケンシャル番号の代わりに文字をコントロールごとに対応付け、集約リストページ5LTにおいて用いてもよい。
【0087】
本実施形態では、HMTLで記述されたウェブページを例に説明したが、XML(Extensible Markup Language)など他のマークアップ言語で記述されたウェブページにも、本発明を適用することができる。
【0088】
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、リストの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成装置
102 ウェブページデータ取得部(オブジェクト関連処理手段)
103 コントロール解析部(オブジェクト抽出手段)
105 集約リストページ描画部(リスト表示処理手段)
106 キーボード画像描画部(オブジェクト関連処理手段)
107 入力データ送信制御部(オブジェクト関連処理手段)
108 ウェブページ拡大描画部(拡大表示処理手段)
10e1 液晶ディスプレイ
10e2 キー群
5LT 集約リストページ
5WB ウェブページ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マークアップ言語によって記述されるページの中から、情報を入力しもしくは選択しまたは指令を与えるためのオブジェクトを抽出する、オブジェクト抽出手段と、
抽出された前記オブジェクトを並べたリストをディスプレイに表示させるリスト表示処理手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが選択された際に、当該選択されたオブジェクトが前記ページにおいて選択された場合と同様の処理を実行する、オブジェクト関連処理手段、を有する、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記オブジェクト関連処理手段は、前記選択されたオブジェクトがハイパーリンクである場合は、前記処理として、当該選択されたオブジェクトに設定されているURL(Uniform Resource Locator)に基づいて他のページをダウンロードする処理を行う、
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ディスプレイは、表示面にタッチパネルを備えており、
前記オブジェクト関連処理手段は、前記選択されたオブジェクトがテキストボックスである場合は、前記処理として、当該選択されたオブジェクトへ情報を入力するためのキーボードの画像を前記ディスプレイに表示させる処理を行う、
請求項2または請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記オブジェクト関連処理手段は、前記選択されたオブジェクトが情報の送信の指令のボタンである場合は、当該選択されたオブジェクトに係る情報を当該選択されたオブジェクトに設定されている送信先へ送信する処理を行う、
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
文字または数字を入力するためのキーを複数個、有し、
前記リスト表示処理手段は、前記リストとして、前記オブジェクトの画像および当該オブジェクトを識別する文字または数字とを対応付けて並べたリストを表示し、
前記オブジェクト関連処理手段は、前記キーのうちの押されたキーの文字または数字に対応する前記オブジェクトについて前記処理を行う、
請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが選択された際に、前記ページを、当該選択されたオブジェクトが中央に配置されるようにしてかつ拡大して前記ディスプレイに表示させる、拡大表示処理手段、を有する、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
文字または数字を入力するためのキーを複数個、有し、
前記リスト表示処理手段は、前記リストとして、前記オブジェクトの画像と当該オブジェクトを識別する文字または数字とを対応付けて並べたリストを表示し、
前記拡大表示処理手段は、前記キーのうちの押されたキーの文字または数字に対応する前記オブジェクトが中央に配置されるように前記ページを表示させる、
請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
オブジェクト関連処理手段と、
拡大表示処理手段と、
を有し、
前記ディスプレイは、表示面にタッチパネルを備えており、
前記リスト表示処理手段は、前記リストとして、前記オブジェクトごとに当該オブジェクトを選択するための第一の画像および第二の画像を並べたリストを表示させ、
前記オブジェクト関連処理手段は、前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが前記第一の画像によって選択された際に、当該選択されたオブジェクトが前記ページにおいて選択された場合と同様の処理を実行し、
前記拡大表示処理手段は、前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが前記第二の画像によって選択された際に、前記ページを、当該選択されたオブジェクトが中央に配置されるようにしてかつ拡大して前記ディスプレイに表示させる、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置に、
マークアップ言語によって記述されるページの中から、情報を入力しもしくは選択しまたは指令を与えるためのオブジェクトを抽出する処理を実行させ、
抽出された前記オブジェクトを並べたリストをディスプレイに表示させる処理を実行させる、
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが選択された際に、当該選択されたオブジェクトが前記ページにおいて選択された場合と同様の処理を、前記画像形成装置に実行させる、
請求項10記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが選択された際に、前記ページを、当該選択されたオブジェクトが中央に配置されるようにしてかつ拡大して前記ディスプレイに表示させる処理を、前記画像形成装置に実行させる、
請求項10記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
画像形成装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、
前記画像形成装置に、
マークアップ言語によって記述されるページの中から、情報を入力しもしくは選択しまたは指令を与えるためのオブジェクトを抽出する処理を実行させ、
抽出された前記オブジェクトを並べたリストをディスプレイに表示させる処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが選択された際に、当該選択されたオブジェクトが前記ページにおいて選択された場合と同様の処理を、前記画像形成装置に実行させる、
請求項13記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記リストの中から前記オブジェクトのうちのいずれかが選択された際に、前記ページを、当該選択されたオブジェクトが中央に配置されるようにしてかつ拡大して前記ディスプレイに表示させる処理を、前記画像形成装置に実行させる、
請求項13記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−56187(P2012−56187A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201303(P2010−201303)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】