説明

画像形成装置およびプロセスカートリッジ

【課題】プロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着するまで、感光体を保護することができる画像形成装置、および、その画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】
感光ドラム16、および、感光ドラム16を被覆するシャッタ31を備えるプロセスカートリッジ13を、プロセスフレーム12に装着し、その後、そのプロセスフレーム12を本体ケーシング2に押し込むと、その動作に応じて、シャッタ31が、感光ドラム16を被覆する閉位置から、感光ドラム16を露出する開位置へ移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーレーザプリンタなどの画像形成装置、およびその画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラーレーザプリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーに対応して、4つの感光ドラムを備えるタンデム型カラーレーザプリンタが知られている。
このようなタンデム型カラーレーザプリンタとして、たとえば、電子写真感光ドラムを備えた複数個のプロセスカートリッジが、移動部材に支持された状態で、装置本体から引出され、または、装置本体に押し込まれるカラー電子写真画像形成装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2008−165027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、特許文献1に記載の構成では、プロセスカートリッジは、電子写真感光ドラムを保護するための部材を備えていないので、プロセスカートリッジが装置本体から引き出されたときには、電子写真感光ドラムは、常時、露出している。
そのため、プロセスカートリッジが引き出されているときには、露出している電子写真感光ドラムが周辺の物品と接触して、破損してしまうというおそれがある。
【0004】
一方、プロセスカートリッジにシャッタを設けて、移動部材にプロセスカートリッジを装着したときにシャッタが開くような構成にすると、プロセスカートリッジを装着した移動部材を、カラー電子写真画像形成装置に押し込むときに、露出している電子写真感光ドラムが周辺の物品と接触して、破損してしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着するまで、感光体を保護することができる画像形成装置、および、その画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置であって、画像形成装置本体、前記画像形成装置本体に引き出し可能に装着されるプロセスフレーム、前記プロセスフレームに装着されるプロセスカートリッジ、前記プロセスカートリッジに設けられる感光体、および、前記プロセスカートリッジに設けられ、前記感光体を被覆する閉位置と、前記感光体を露出する開位置とに移動するシャッタ部材を備え、前記シャッタ部材は、前記プロセスフレームが前記画像形成装置本体に装着される動作によって、前記閉位置から前記開位置に移動することを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記画像形成装置本体は、前記プロセスフレームの装着方向最上流側において、前記シャッタ部材と当接する当接部を備え、前記当接部は、前記閉位置から前記開位置に向かって前記シャッタ部材を移動させることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記画像形成装置本体は、前記当接部によって前記シャッタ部材が移動された後、前記シャッタ部材と摺擦する規制部を備え、前記規制部は、前記当接部により移動した前記シャッタ部材の姿勢を維持することを特徴としている。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記当接部は、前記閉位置と前記開位置との真中の半開位置から前記開位置までの間の途中位置へ、前記シャッタ部材を移動させることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記シャッタ部材は、前記プロセスフレームの前記画像形成装置本体に対する装着が完了したときに、前記開位置に配置されることを特徴としている。
【0008】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記開位置は、前記閉位置に対して、前記プロセスフレームの装着方向上流側に位置することを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記プロセスカートリッジは、前記プロセスフレームの装着方向において、前記感光体に隣接する現像ユニットを備えており、前記開位置は、前記感光体に対して、前記現像ユニットと同じ側に位置することを特徴としている。
【0009】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明において、前記シャッタ部材は、その一端が揺動軸を介して前記プロセスカートリッジに支持され、その他端が前記揺動軸を支点として揺動することにより、前記閉位置と前記開位置とに移動することを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の発明において、前記画像形成装置は、前記感光体と接触するエンドレスベルトを備え、前記規制部は、前記エンドレスベルトの移動方向と直交する左右方向において、前記エンドレスベルトの外側、かつ、前記エンドレスベルトと前記感光体との接触面よりも前記エンドレスベルト側に、配置されており、前記プロセスフレームの装着方向に沿って延びるように、形成されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項10に記載の発明は、プロセスカートリッジであって、感光体を収容する感光体ユニット、現像剤担持体を備える現像ユニット、および、閉位置と開位置とに移動するシャッタ部材を備えており、前記感光体は、前記感光体ユニットから一部露出されており、前記現像ユニットは、前記現像剤担持体が前記感光体と隣接するように、前記感光体ユニットと隣接しており、前記シャッタ部材は、前記閉位置において、前記感光体を被覆し、前記開位置において、前記現像ユニットと対向し、前記感光体を露出することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、引き出し可能なプロセスフレームに、感光体を備えたプロセスカートリッジが装着されている。そして、そのプロセスフレームを画像形成装置本体に装着する動作によって、プロセスカートリッジに設けられているシャッタ部材が、感光体を被覆する閉位置から感光体を露出する開位置に移動する。
そのため、画像形成装置本体から引き出されたプロセスフレームに、プロセスカートリッジを装着した段階では、シャッタ部材は、感光体を被覆する閉位置に位置している。そして、プロセスフレームを画像形成装置本体に装着する動作によって、初めて、シャッタ部材は、感光体を被覆する閉位置から、感光体を露出する開位置に移動する。
【0012】
その結果、プロセスフレームを画像形成装置本体に装着するまで、感光体を保護することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、画像形成装置本体は、プロセスフレームの装着方向における最上流側に、シャッタ部材と当接する当接部を備えている。そして、シャッタ部材は、その当接部に当接することにより、閉位置から開位置に向かって移動する。
【0013】
そのため、シャッタ部材を、プロセスフレームを画像形成装置本体に装着するときに、画像形成装置本体の内部に入る直前で、当接部と当接させて、閉位置から開位置に向かって、確実に、移動させることができる。
また、これにより、画像形成装置本体の内部には、シャッタ部材を閉位置から開位置に向かって移動させるための空間を必要とせず、画像形成装置のコンパクト化を図ることができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、シャッタ部材は、当接部によって移動された後、規制部により、その姿勢が維持される。
そのため、プロセスフレームを画像形成装置本体に装着するときに、シャッタ部材が画像形成装置本体の内部に入った後においても、閉位置から開位置に向かって移動したシャッタ部材の姿勢を、維持することができる。これにより、シャッタ部材を閉位置から開位置に向かって移動させたまま、プロセスフレームを画像形成装置に装着する動作を、継続することができる。
【0015】
その結果、画像形成装置本体の内部において、閉位置から開位置に向かって移動したシャッタ部材の姿勢を、確実に、維持することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、シャッタ部材は、半開位置から開位置までの間の途中位置まで移動した状態で、画像形成装置本体の内部に入る。
そのため、途中位置から開位置までの間を遊びとして、シャッタ部材を画像形成装置本体の内部に入れることができる。これにより、シャッタ部材が画像形成装置本体の他の部材と干渉しても、遊びによって緩衝することができるので、シャッタ部材が損傷することを防止することができる。
【0016】
さらに、途中位置は、半開位置から開位置までの間にあるので、画像形成装置本体において、シャッタ部材を途中位置から開位置に向かって移動させるための空間を小さくすることができる。
その結果、画像形成装置をコンパクトにできながら、シャッタ部材の損傷を防止することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明によれば、プロセスフレームの画像形成装置本体に対する装着が完了したときには、シャッタ部材が開位置に配置される。
そのため、プロセスフレームの画像形成装置本体に対する装着が完了したときには、感光体を確実に露出させることができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、開位置は、閉位置に対して、プロセスフレームの装着方向上流側に位置している。そのため、プロセスフレームを画像形成装置本体に装着する動作を利用して、シャッタ部材を閉位置から開位置に向かって移動させることができる。
【0018】
その結果、プロセスフレームを画像形成装置本体に装着する動作に連動させて、シャッタ部材を閉位置から開位置に向かって移動させることができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、開位置は、感光体に対して、プロセスフレームの装着方向において、感光体に隣接する現像ユニットと同じ側に位置している。
そのため、プロセスカートリッジにおける現像ユニット側の空間に、シャッタ部材を退避させることができ、シャッタ部材が開位置に位置しているときにシャッタ部材を退避させるための空間を、別途、設けることを不要とすることができる。
【0019】
その結果、画像形成装置をコンパクトにすることができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、シャッタ部材は、その一端が揺動軸を介してプロセスカートリッジに支持され、その他端が揺動軸を支点として揺動することにより、閉位置と開位置とに移動する。
そのため、揺動軸により揺動自在に支持するという簡易な構成により、シャッタ部材を構成することができる。
【0020】
また、請求項9に記載の発明によれば、規制部は、エンドレスベルトの左右方向外側、かつ、エンドレスベルトと感光体との接触面よりもエンドレスベルト側に、配置されている。
そのため、プロセスカートリッジを装着するときに、感光体とエンドレスベルトとの間隔を狭くすることができ、画像形成装置をコンパクトにすることができる。
【0021】
しかも、規制部は、プロセスフレームの装着方向に沿って延びるように、形成されている。
そのため、プロセスカートリッジを装着する動作を通して、確実に、シャッタ部材の姿勢を維持することができる。
その結果、画像形成装置をコンパクトにすることができながら、プロセスフレームを画像形成装置本体に装着する動作に連動させて、確実に、シャッタ部材を閉位置から開位置に向かって移動させることができる。
【0022】
また、請求項10に記載の発明によれば、シャッタ部材は、開位置において、現像ユニットと対向する。
そのため、現像ユニットと対向する空間に、シャッタ部材を退避させることができ、シャッタ部材が開位置に位置しているときにシャッタ部材を退避させるための空間を、別途、設けることを不要とすることができる。
【0023】
その結果、プロセスカートリッジをコンパクトにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
このカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、画像形成装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、後述するプロセスフレーム12を着脱させるためのフロントカバー5が設けられている。
【0025】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における左側)を前側とし、その反対側(図1における右側)を後側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。給紙トレイ6は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ6の前端部上方には、給紙ローラ7と、Uターンパスからなる給紙パス(図示せず)とが配置されている。
【0026】
給紙ローラ7の回転により、給紙トレイ6に収容されている用紙Pが給紙パス(図示せず)に向けて1枚ずつ給紙される。その後、用紙Pは、給紙パス(図示せず)から、画像形成部4(感光ドラム16(後述)と搬送ベルト24(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナ部8、プロセス部9、転写部10、および定着部11を備えている。
(3−1)スキャナ部
スキャナ部8は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナ部8は、鎖線で示すように、4つの感光ドラム16(後述)に向けて、画像データに基づくレーザビームをそれぞれ出射し、感光ドラム16(後述)を露光する。
(3−2)プロセス部
プロセス部9は、スキャナ部8の下方であって、給紙部3の上方に配置されており、1つのプロセスフレーム12と、各色に対応する4つのプロセスカートリッジ13とを備えている。
【0027】
プロセスフレーム12は、本体ケーシング2に、前後方向に沿って挿入または引き出し可能に装着されている。
プロセスカートリッジ13は、前後方向に沿って並列配置されるように、プロセスフレーム12に着脱自在に装着されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ13K、イエロープロセスカートリッジ13Y、マゼンタプロセスカートリッジ13Mおよびシアンプロセスカートリッジ13Cが、順次配置されている。
(3−2−1)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ13は、それぞれ、左右1対のユニット側壁59と、両ユニット側壁59間に支持される感光体ユニットの一例としてのドラムユニット14および現像ユニット15とを備えている。
【0028】
両ユニット側壁59は、側面視矩形状に形成され、左右方向に間隔を隔てて対向配置されている(図2参照。)。
ドラムユニット14は、両ユニット側壁59間の後側において、下方が開放されるドラム仕切壁60によって区画されており、感光体の一例としての感光ドラム16、スコロトロン型帯電器17およびクリーニングフィルム18を備えている。
【0029】
感光ドラム16は、左右方向に沿って配置され、下方に向けて露出されるように、両ユニット側壁59に回転自在に支持されている。
スコロトロン型帯電器17は、感光ドラム16の斜め後側上方に、感光ドラム16と間隔を隔てて対向配置され、ドラム仕切壁60に支持されている。
クリーニングフィルム18は、感光ドラム16の後方において、感光ドラム16と対向して接触するように配置され、ドラム仕切壁60に支持されている。
【0030】
現像ユニット15は、両ユニット側壁59間の前側において、感光ドラム16に対向する後側が開放される現像仕切壁61によって区画されており、供給ローラ19、現像剤担持体の一例としての現像ローラ20および層厚規制ブレード21を備えている。
現像ローラ20は、現像仕切壁61から露出し、感光ドラム16と接触するように配置されている。供給ローラ19は、現像ローラ20の前側に配置され、層厚規制ブレード21は、現像ローラ20の上側に配置されており、それらの上方の現像仕切壁61内の空間には、各色に対応するトナーが収容されている。
(3−2−2)プロセスカートリッジでの現像動作
現像ユニット15内のトナーは、供給ローラ19に供給され、さらに、現像ローラ20に供給され、供給ローラ19と現像ローラ20との間で正極性に摩擦帯電される。
【0031】
現像ローラ20に供給されたトナーは、現像ローラ20の回転に伴って、層厚規制ブレード21によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ20の表面に担持される。
一方、感光ドラム16の表面は、感光ドラム16の回転に伴って、スコロトロン型帯電器17により一様に正帯電された後、ドラム仕切壁60と現像仕切壁61との間を通過するスキャナ部8からのレーザビーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム16の表面に形成される。
【0032】
感光ドラム16がさらに回転すると、現像ローラ20の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム16の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム16の静電潜像は可視像化され、感光ドラム16の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写部
転写部10は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上方であって、プロセス部9の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部10は、駆動ローラ22、従動ローラ23、エンドレスベルトの一例としての搬送ベルト24および転写ローラ25を備えている。
【0033】
駆動ローラ22および従動ローラ23は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されており、それらの周りに搬送ベルト24が巻回されている。
転写ローラ25は、各感光ドラム16と、搬送ベルト24を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト24によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム16と各転写ローラ25とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム16に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
(3−4)定着部
定着部11は、転写部10の後方に配置され、加熱ローラ26、および加熱ローラ26に対向する加圧ローラ27を備えている。転写部10において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ26と加圧ローラ27との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、Uターンパスからなる排紙パス(図示せず)を通過して、排紙ローラ28に向けて搬送され、排紙ローラ28によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ29上に排紙される。
2.プロセス部の詳細
図2は、図1に示すプロセスカートリッジを下方から見た斜視図であって、(a)は、シャッタが閉位置に配置されている状態、(b)は、シャッタが半開位置に配置されている状態、(c)は、シャッタが開位置に配置されている状態を示す。
【0034】
図3は、図1に示すプロセスフレームが本体ケーシングから引き出され、そのプロセスフレームに対してプロセスカートリッジを着脱する状態を示す斜視図である。
(1)プロセスカートリッジの詳細
プロセスカートリッジ13では、図2に示すように、上記したように、両ユニット側壁59間に、後側においてドラム仕切壁60が架設され、前側において、現像仕切壁61架設されている。両ユニット側壁59は、ドラム仕切壁60の後壁および現像仕切壁61の前壁よりも下方に長く形成されている。これによってプロセスカートリッジ13は、正面視において、略逆凹形状に形成されている。そして、両ユニット側壁59間の下端部には、シャッタ部材の一例としてのシャッタ31が設けられている。
【0035】
シャッタ31は、硬質の樹脂から形成され、被覆部32、左右1対のシャッタ側板33、および、揺動軸の一例としての軸部34を一体的に備えている。また、シャッタ31は、後で詳述するが、感光ドラム16を被覆する閉位置(図2(a)参照。)と、閉位置よりも前側において、現像ユニット15と対向し、感光ドラム16を露出する開位置(図2(c)参照。)とに移動するように設けられている。
【0036】
被覆部32は、左右方向に沿って延びる板状をなし、感光ドラム16の外周面に沿う断面湾曲形状に形成されている。
シャッタ側板33は、図2(c)に示すように、被覆部32の左右両端部から連続して、上下方向に沿って延びる略V字板状に、形成されている。
また、左側のシャッタ側板33には、軸部34と反対側の端部において、摺擦部36と係合部35とが備えられている。
【0037】
摺擦部36は、シャッタ31が開位置に配置されているときに、下方に向かって膨出する、丸みを帯びた側面視三角形状に形成されている。
係合部35は、図2(a)に示すように、シャッタ31が閉位置に配置されているときに、下方に向かうにつれ後方に向かって突出するように、側面視楔形状に形成されている。
【0038】
軸部34は、シャッタ31が閉位置に配置されているときに、被覆部32の前端部と連続するように、左右方向に沿って延びる棒状に形成されている。また、軸部34は、両ユニット側壁59の下端部における前後方向略中央、すなわち、ドラムユニット14と現像ユニット15との間に配置され、その左右方向両端部が、両ユニット側壁59に、相対回転可能に支持されている。
【0039】
また、軸部34には、一端がユニット側壁59に係止され、他端が被覆部32に係止されるコイルバネ(図示せず)が巻回されている。
シャッタ31は、常には、コイルバネの付勢力によって、閉位置に配置されている。
また、シャッタ31は、軸部34の中心軸線を支点として揺動自在であり、コイルバネの付勢力に抗して、閉位置(図2(a)参照。)から、半開位置(図2(b)参照。)を経て、開位置(図2(c)参照。)へ移動する。また、逆に、コイルバネの付勢力により、開位置(図2(c)参照。)から、半開位置(図2(b)参照。)を経て、閉位置(図2(a)参照。)へ移動する。
【0040】
シャッタ31は、図2(a)に示すように、閉位置では、感光ドラム16を下方から完全に被覆する。また、シャッタ31は、図2(b)に示すように、半開位置では、鉛直方向下方に垂下する。なお、半開位置は、閉位置と開位置とのちょうど真中の中間位置である。
また、シャッタ31は、図2(c)に示すように、開位置では、感光ドラム16を下方から完全に露出させるとともに、現像仕切壁61の下壁に対して下方から対向するように配置される。
【0041】
なお、プロセスカートリッジ13には、図3に示すように、ドラム仕切壁60の上壁において、プロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12に着脱するときに、ユーザが把持するためのユニット把持部37が設けられている。
また、プロセスカートリッジ13には、左側のユニット側壁59において、感光ドラム16に本体ケーシング2からの駆動力を入力するためのドラムカップリング部38、および、現像ユニット15に本体ケーシング2からの駆動力を入力するための現像カップリング部39が設けられている。
(2)プロセスフレームの詳細
プロセスフレーム12は、図3に示すように、硬質の樹脂から、4つのプロセスカートリッジ13を収容する枠状に形成され、左右1対のフレーム側壁41、フロントビーム42、リヤビーム43および複数の位置決め板44を一体的に備えている。
【0042】
フレーム側壁41は、4つのプロセスカートリッジ13を左右方向に挟んで対向配置される。また、各フレーム側壁41には、各プロセスカートリッジ13と対向する位置において、その上端から下方に向かって切り欠かれる4つの切欠部45と、切欠部45の下端から下方に向かって切り欠かれる4つの位置決め溝46とが形成されている。
切欠部45は、ドラムカップリング部38および現像カップリング部39を露出するような大きさで、側面視略矩形状に形成されている。
【0043】
位置決め溝46は、ドラムカップリング部38の外周面と当接するように、上側に向かって開く側面視略U字状に形成されている。
また、各フレーム側壁41の対向方向内側面の下端部には、プロセスカートリッジ13のユニット側壁59の下端部が係止される突条62が、前後方向に沿って設けられている(図5参照)。
【0044】
フロントビーム42は、左右方向に延びる断面視略U字状に形成され、各フレーム側壁41の前端部間に架設されている。フロントビーム42の前面には、プロセスフレーム12を本体ケーシング2に着脱するときに、ユーザが把持するためのフレーム把持部47が一体的に形成されている。
リヤビーム43は、左右方向に延びる断面視略U字状に形成され、各フレーム側壁41の後端部間に架設されている。また、リヤビーム43の下方には、プロセスフレームの装着が完了したときに、本体ケーシング2の基準軸52(後述)を嵌合する、後方に向かって開放される基準溝50が形成されている(図1参照。)。
【0045】
位置決め板44は、フロントビーム42とリヤビーム43との間において、等間隔を隔てて並列配置されるように、両フレーム側壁41間に3枚架設されている。また、位置決め板44は、左右方向および上下方向に延び、その左右方向両端部は、互いに隣り合う切欠部45の間において、両フレーム側壁41に連続している。
これにより、フロントビーム42、リヤビーム43および左右1対のフレーム側壁41に囲まれる空間は、3枚の位置決め板44により、前後方向に4等分されている。
【0046】
また、プロセスフレーム12の後端部には、第1ガイド軸48が、プロセスフレーム12の前端部には、第2ガイド軸49が、左右方向にわたって貫通されており、第1ガイド軸48および第2ガイド軸49の両端部は、両フレーム側壁41から左右方向外側に突出している。
3.本体ケーシングの詳細
図4は、図3に対応する正面図である。
【0047】
図5は、プロセスカートリッジを装着したプロセスフレームを本体ケーシングに装着する動作を説明する説明図であって、プロセスフレームが引き出されている状態を示す。
本体ケーシング2は、図4および図5に示すように、左右1対のケーシング側壁51、両ケーシング側壁51間に架設される基準軸52を備えている。
各ケーシング側壁51は、それぞれ、フレーム支持部53を備えている。また、各ケーシング側壁51には、第1ガイド溝54および第2ガイド溝55が形成されている。
【0048】
フレーム支持部53は、各ケーシング側壁51の対向方向内面側の下端部において、対向方向内側に膨出するように、前後方向に沿ってそれぞれ設けられている。
また、フレーム支持部53の上端縁は、プロセスフレーム12の本体ケーシング2への装着が完了したときには、プロセスフレーム12の左右方向両端部の下端縁と当接し、プロセスフレーム12を下方から支持する。
【0049】
第1ガイド溝54は、ケーシング側壁51の上下方向略中央において、前後方向に沿って延びるように形成されている。
また、第1ガイド溝54には、プロセスカートリッジ13の第1ガイド軸48がスライド自在に挿入されている。
また、第1ガイド溝54の後端部には、第1ガイド軸48を後方に向かうにつれ下方へ傾斜するように案内する屈曲部分63が形成されている。
【0050】
第2ガイド溝55は、第1ガイド溝54よりもやや下方において、ケーシング側壁51の前端部から後方に向かって切り欠かれるように形成されている。
また、第2ガイド溝55は、プロセスフレーム12の本体ケーシング2への装着が完了したときには、プロセスカートリッジ13の第2ガイド軸49を受け入れる。
また、第2ガイド溝55の後端部には、第1ガイド溝54の後端部と同様に、第2ガイド軸49を後方に向かうにつれ下方へ傾斜するように案内する屈曲部分64が形成されている。
【0051】
基準軸52は、金属などから棒状に形成されており、1対のケーシング側壁51の後端部下方において架設されている。基準軸52には、プロセスフレーム12の本体ケーシング2への装着が完了したときに、プロセスフレーム12の基準溝50が嵌合する。
また、左側のケーシング側壁51のフレーム支持部53には、搬送ベルト24の左側、かつ、搬送ベルト24の上端面よりも搬送ベルト24側において、当接部56と規制部57とを一体的に備えるシャッタ開放板65が設けられている。
【0052】
シャッタ開放板65は、前後方向に沿って延びる略矩形板状に形成されており、左側のケーシング側壁51のフレーム支持部53の右側面に沿って設けられている。また、シャッタ開放板65は、前後方向において、ケーシング側壁51の前端縁から前後方向中央よりやや後方までの間に設けられている。
当接部56は、シャッタ開放板65の前端縁の上部から前方に突出するように、側面視楔形状に形成されている。
【0053】
規制部57は、当接部56と連続し、シャッタ開放板65の上端縁として設けられており、前後方向において平坦形状に形成されている。
4.プロセスカートリッジおよびプロセスフレームの装着動作
図6〜9は、プロセスカートリッジを装着したプロセスフレームを本体ケーシングに装着する動作を説明する説明図であって、図6は、シアンプロセスカートリッジのシャッタが半開位置まで移動した状態を示し、図7は、シアンプロセスカートリッジのシャッタが途中位置まで移動した状態を示し、図8は、全てのプロセスカートリッジのシャッタが途中位置まで移動した状態を示し、図9は、プロセスフレームの装着が完了した状態を示す。
(1)プロセスフレームへのプロセスカートリッジの装着
プロセスフレーム12にプロセスカートリッジ13を装着するには、図3に示すように、まず、プロセスフレーム12を本体ケーシング2から引き出す。
【0054】
プロセスフレーム12を本体ケーシング2から引き出すと、図5に示すように、プロセスフレーム12の第1ガイド軸48は、本体ケーシング2の第1ガイド溝54の最前端部に配置される。また、シアンプロセスカートリッジ13Cのシャッタ31の係合部35は、本体ケーシング2の当接部56と、前後方向において対向する。
そして、プロセスカートリッジ13のユニット把持部37を把持して、プロセスカートリッジ13の前端部および後端部が位置決め板44に沿うように、かつ、ドラムカップリング部38が位置決め溝46に嵌合するように、位置を合わせて、上方からプロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12へ挿入する。
【0055】
すると、プロセスカートリッジ13の両ユニット側壁59の下端部が両フレーム側壁41の突条62に係止して、プロセスカートリッジ13がプロセスフレーム12に装着される。
プロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12に装着した段階では、シャッタ31は閉位置にあり、感光ドラム16は、シャッタ31によって被覆されている。
(2)本体ケーシングへのプロセスフレームの装着
そして、本体ケーシング2にプロセスフレーム12を装着するには、フレーム把持部47を把持して、本体ケーシング2に対して、後方に向かってプロセスフレーム12を押し込む。
【0056】
すると、プロセスフレーム12の第1ガイド軸48が、本体ケーシング2の第1ガイド溝54に沿って後方に向かって案内され、シアンプロセスカートリッジ13Cの係合部35の先端が、本体ケーシング2の当接部56先端の下側に入り込むように、係合部35が当接部56と当接する。
そして、さらに後方に向かってプロセスフレーム12を押し込むと、シャッタ31は、係合部35が当接部56から反作用を受けることにより、コイルバネの付勢力に抗して、前方に向かって揺動する。すなわち、閉位置から開位置に向かって移動し始める。
【0057】
そして、引き続き、プロセスフレーム12を押し込むと、シャッタ31は、係合部35が当接部56から反作用を受けることにより、コイルバネの付勢力に抗して、図6に示すように、半開位置を経て、図7に示すように、半開位置から開位置までの間の途中位置まで移動して、本体ケーシング2内に入る。
このとき、シアンプロセスカートリッジ13Cのシャッタ31の摺擦部36は、本体ケーシング2の規制部57と当接する。
【0058】
そして、引き続き、プロセスフレーム12を押し込むと、シアンプロセスカートリッジ13Cのシャッタ31は、その摺擦部36が規制部57と摺擦することにより、その姿勢が維持されたまま、本体ケーシング2の奥まで移動する。
そして、図8に示すように、シアンプロセスカートリッジ13Cと同様に、マゼンタプロセスカートリッジ13M、イエロープロセスカートリッジ13Y、ブラックプロセスカートリッジ13Kも、シャッタ31が閉位置から途中位置まで移動された姿勢で、順次、本体ケーシング2内に入る。
【0059】
このとき、プロセスフレーム12の第1ガイド軸48は、本体ケーシング2の第1ガイド溝54の屈曲部分63の手前まで案内されており、プロセスフレーム12の第2ガイド軸49は、本体ケーシング2の第2ガイド溝55に嵌合し始めている。
また、全てのシャッタ31の摺擦部36は、本体ケーシング2の規制部57と摺擦している。
【0060】
そして、引き続き、プロセスフレーム12を押し込むと、第1ガイド軸48および第2ガイド軸49が、それぞれ、第1ガイド溝54の屈曲部分63、および、第2ガイド溝55の屈曲部分64に沿って後方に向かうにつれ降下する。これにより、プロセスフレーム12は、後方に向かうにつれ降下する。
すると、各シャッタ31は、摺擦部36が規制部57から反作用を受けることにより、さらに上方に向かって揺動し、途中位置から開位置に向かって移動する。
【0061】
そして、プロセスフレーム12の基準溝50に本体ケーシング2の基準軸52が嵌合すると、プロセスフレーム12が本体ケーシング2に位置決めされる。これにより、プロセスフレーム12の本体ケーシング2への装着が完了する。そして、それと同時に、各シャッタ31は、開位置に配置される。また、プロセスフレーム12の左右方向両下端部がフレーム支持部53によって支持される。
5.作用効果
(1)このカラーレーザプリンタ1によれば、引き出し可能なプロセスフレーム12に、感光ドラム16を備えたプロセスカートリッジ13が装着されている。そして、そのプロセスフレーム12を本体ケーシング2に装着する動作によって、プロセスカートリッジ13に設けられているシャッタ31が、感光ドラム16を被覆する閉位置から感光ドラム16を露出する開位置に移動する。
【0062】
そのため、本体ケーシング2から引き出されたプロセスフレーム12に、プロセスカートリッジ13を装着した段階では、シャッタ31は、感光ドラム16を被覆する閉位置に位置している。そして、プロセスフレーム12を本体ケーシング2に装着する動作によって、初めて、シャッタ31は、感光ドラム16を被覆する閉位置から、感光ドラム16を露出する開位置に移動する。
【0063】
その結果、プロセスフレーム12を本体ケーシング2に装着するまで、感光ドラム16を保護することができる。
(2)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、本体ケーシング2は、プロセスフレーム12の装着方向における最上流側、すなわち、シャッタ開放板65の前端部の上部に、シャッタ31の係合部35と当接する当接部56を備えている。そして、シャッタ31は、係合部35が当接部56に当接することにより、閉位置から開位置に向かって移動する。
【0064】
そのため、シャッタ31を、プロセスフレーム12を本体ケーシング2に装着するときに、本体ケーシング2の内部に入る直前で、当接部56と当接させて、閉位置から開位置に向かって、確実に、移動させることができる。
また、これにより、本体ケーシング2の内部には、シャッタ31を閉位置から開位置に向かって移動させるための空間を必要とせず、カラーレーザプリンタ1のコンパクト化を図ることができる。
(3)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、シャッタ31は、当接部56によって移動された後、規制部57により、その姿勢が維持される。
【0065】
そのため、プロセスフレーム12を本体ケーシング2に装着するときに、シャッタ31が本体ケーシング2の内部に入った後においても、閉位置から開位置に向かって移動したシャッタ31の姿勢を、維持することができる。これにより、シャッタ31を閉位置から開位置に向かって移動させたまま、プロセスフレーム12をカラーレーザプリンタ1に装着する動作を、継続することができる。
【0066】
その結果、本体ケーシング2の内部において、閉位置から開位置に向かって移動したシャッタ31の姿勢を、確実に、維持することができる。
(4)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、シャッタ31は、半開位置から開位置までの間の途中位置まで移動した状態で、本体ケーシング2の内部に入る。
そのため、途中位置から開位置までの間を遊びとして、シャッタ31を本体ケーシング2の内部に入れることができる。これにより、シャッタ31が本体ケーシング2の他の部材と干渉しても、遊びによって緩衝することができるので、シャッタ31が損傷することを防止することができる。
【0067】
さらに、途中位置は、半開位置から開位置までの間にあるので、本体ケーシング2において、シャッタ31を途中位置から開位置に向かって移動させるための空間を小さくすることができる。
その結果、カラーレーザプリンタ1をコンパクトにできながら、シャッタ31の損傷を防止することができる。
(5)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、プロセスフレーム12の本体ケーシング2に対する装着が完了したときには、シャッタ31が開位置に配置される。
【0068】
そのため、プロセスフレーム12の本体ケーシング2に対する装着が完了したときには、感光ドラム16を確実に露出させることができる。
(6)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、開位置は、閉位置に対して、プロセスフレーム12の装着方向上流側、すなわち、前側に位置している。そのため、プロセスフレーム12を本体ケーシング2に装着する動作を利用して、シャッタ31を閉位置から開位置に向かって移動させることができる。
【0069】
その結果、プロセスフレーム12を本体ケーシング2に装着する動作に連動させて、シャッタ31を閉位置から開位置に向かって移動させることができる。
(7)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、開位置は、感光ドラム16に対して、プロセスフレーム12の装着方向において、感光ドラム16に隣接する現像ユニット15と同じ側に位置している。
【0070】
そのため、プロセスカートリッジ13における現像ユニット15側の空間に、シャッタ31を退避させることができ、シャッタ31が開位置に位置しているときにシャッタ31を退避させるための空間を、別途、設けることを不要とすることができる。
その結果、カラーレーザプリンタ1をコンパクトにすることができる。
(8)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、シャッタ31は、その一端が軸部34を介してプロセスカートリッジ13に支持され、その他端が軸部34を支点として揺動することにより、閉位置と開位置とに移動する。
【0071】
そのため、軸部34により揺動自在に支持するという簡易な構成により、シャッタ31を構成することができる。
(9)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、規制部57は、搬送ベルト24の左側、かつ、搬送ベルト24の上端面よりも搬送ベルト24側に、配置されている。
そのため、プロセスカートリッジ13を装着するときに、感光ドラム16と搬送ベルト24との間隔を狭くすることができ、カラーレーザプリンタ1をコンパクトにすることができる。
【0072】
しかも、規制部57は、プロセスフレーム12の装着方向、すなわち前後方向に沿って延びるように、形成されている。
そのため、プロセスカートリッジ13を装着する動作を通して、確実に、シャッタ31の姿勢を維持することができる。
その結果、カラーレーザプリンタ1をコンパクトにすることができながら、プロセスフレーム12を本体ケーシング2に装着する動作に連動させて、確実に、シャッタ31を閉位置から開位置に向かって移動させることができる。
(10)また、このプロセスカートリッジ13によれば、シャッタ31は、開位置において、現像ユニット15と対向する。
【0073】
そのため、現像ユニット15と対向する空間に、シャッタ31を退避させることができ、シャッタ31が開位置に位置しているときにシャッタ31を退避させるための空間を、別途、設けることを不要とすることができる。
その結果、プロセスカートリッジ13をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示すプロセスカートリッジを下方から見た斜視図であって、(a)は、シャッタが閉位置に配置されている状態、(b)は、シャッタが半開位置に配置されている状態、(c)は、シャッタが開位置に配置されている状態を示す。
【図3】図1に示すプロセスフレームが本体ケーシングから引き出され、そのプロセスフレームに対してプロセスカートリッジを着脱する状態を示す斜視図である。
【図4】図3に対応する正面図である。
【図5】プロセスカートリッジを装着したプロセスフレームを本体ケーシングに装着する動作を説明する説明図であって、プロセスフレームが引き出されている状態を示す。
【図6】プロセスカートリッジを装着したプロセスフレームを本体ケーシングに装着する動作を説明する説明図であって、シアンプロセスカートリッジのシャッタが半開位置まで移動した状態を示す。
【図7】プロセスカートリッジを装着したプロセスフレームを本体ケーシングに装着する動作を説明する説明図であって、シアンプロセスカートリッジのシャッタが途中位置まで移動した状態を示す。
【図8】プロセスカートリッジを装着したプロセスフレームを本体ケーシングに装着する動作を説明する説明図であって、全てのプロセスカートリッジのシャッタが途中位置まで移動した状態を示す。
【図9】プロセスカートリッジを装着したプロセスフレームを本体ケーシングに装着する動作を説明する説明図であって、プロセスフレームの装着が完了した状態を示す。
【符号の説明】
【0075】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
12 プロセスフレーム
13 プロセスカートリッジ
14 ドラムユニット
15 現像ユニット
16 感光ドラム
20 現像ローラ
24 搬送ベルト
31 シャッタ
34 軸部
56 当接部
57 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体、
前記画像形成装置本体に引き出し可能に装着されるプロセスフレーム、
前記プロセスフレームに装着されるプロセスカートリッジ、
前記プロセスカートリッジに設けられる感光体、および、
前記プロセスカートリッジに設けられ、前記感光体を被覆する閉位置と、前記感光体を露出する開位置とに移動するシャッタ部材を備え、
前記シャッタ部材は、前記プロセスフレームが前記画像形成装置本体に装着される動作によって、前記閉位置から前記開位置に移動することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置本体は、前記プロセスフレームの装着方向最上流側において、前記シャッタ部材と当接する当接部を備え、
前記当接部は、前記閉位置から前記開位置に向かって前記シャッタ部材を移動させることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置本体は、
前記当接部によって前記シャッタ部材が移動された後、前記シャッタ部材と摺擦する規制部を備え、
前記規制部は、前記当接部により移動した前記シャッタ部材の姿勢を維持することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記当接部は、前記閉位置と前記開位置との真中の半開位置から前記開位置までの間の途中位置へ、前記シャッタ部材を移動させることを特徴とする、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記シャッタ部材は、前記プロセスフレームの前記画像形成装置本体に対する装着が完了したときに、前記開位置に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開位置は、前記閉位置に対して、前記プロセスフレームの装着方向上流側に位置することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセスカートリッジは、前記プロセスフレームの装着方向において、前記感光体に隣接する現像ユニットを備えており、
前記開位置は、前記感光体に対して、前記現像ユニットと同じ側に位置することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記シャッタ部材は、
その一端が揺動軸を介して前記プロセスカートリッジに支持され、
その他端が前記揺動軸を支点として揺動することにより、前記閉位置と前記開位置とに移動することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、前記感光体と接触するエンドレスベルトを備え、
前記規制部は、
前記エンドレスベルトの移動方向と直交する左右方向において、前記エンドレスベルトの外側、かつ、
前記エンドレスベルトと前記感光体との接触面よりも前記エンドレスベルト側に、配置されており、
前記プロセスフレームの装着方向に沿って延びるように、形成されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
感光体を収容する感光体ユニット、
現像剤担持体を備える現像ユニット、および、
閉位置と開位置とに移動するシャッタ部材を備えており、
前記感光体は、前記感光体ユニットから一部露出されており、
前記現像ユニットは、前記現像剤担持体が前記感光体と隣接するように、前記感光体ユニットと隣接しており、
前記シャッタ部材は、
前記閉位置において、前記感光体を被覆し、
前記開位置において、前記現像ユニットと対向し、前記感光体を露出することを特徴とする、プロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−54837(P2010−54837A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220078(P2008−220078)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】