画像形成装置および画像形成方法
【課題】低コストでカラー画像を形成可能であると共に、必要に応じて高画質のカラー画像も形成可能である画像形成装置および画像形成方法を提供する。
【解決手段】 複数の作像ユニット10を備え、それぞれの作像ユニット10で作像される各色のトナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置1において、作像ユニット10を格納するための格納部6を4個以上備え、第1の格納部6にマゼンタ色用の第1の作像ユニット10が格納され、第2の格納部6にシアン色用の第2の作像ユニット10が格納され、第3の格納部6にブラック色用の第3の作像ユニット10が格納されている場合に、前記複数の作像ユニット10として第1〜第3の作像ユニット10のみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行する。
【解決手段】 複数の作像ユニット10を備え、それぞれの作像ユニット10で作像される各色のトナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置1において、作像ユニット10を格納するための格納部6を4個以上備え、第1の格納部6にマゼンタ色用の第1の作像ユニット10が格納され、第2の格納部6にシアン色用の第2の作像ユニット10が格納され、第3の格納部6にブラック色用の第3の作像ユニット10が格納されている場合に、前記複数の作像ユニット10として第1〜第3の作像ユニット10のみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式による画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タンデム方式の画像形成装置は、転写ベルトに沿って配列されたイエロー、シアン、マゼンタおよびブラック色用の作像ユニットを備え、それぞれの作像ユニットで作像される4色のトナー像を、転写ベルト若しくは転写ベルトにより搬送される記録紙に多重転写して、減法混色によりカラー画像を形成する。このような画像形成装置は、一回の通紙でカラー画像を形成することができるため画像形成処理が高速である。
【非特許文献1】編者 電子写真学会 「続 電子写真技術の基礎と応用」 発行者 株式会社コロナ社 1996年11月15日 P.55
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、画像形成装置で形成するカラー画像の画質向上が目覚しい。しかし、高画質のカラー画像が常に必要とされる環境は必ずしも多くはなく、必要なときにだけ高画質のカラー画像が得られれば、それ以外のときには多少画質の劣るカラー画像であっても低コストである方が好ましいといったユーザニーズも存在する。
本発明は、上記した課題に鑑み、低コストでカラー画像を形成可能であると共に、必要に応じて高画質のカラー画像も形成可能である画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、複数の作像ユニットを備え、それぞれの作像ユニットで作像される各色のトナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置であって、作像ユニットを格納するための格納部を4個以上備え、第1の格納部にマゼンタ色用の第1の作像ユニットが格納され、第2の格納部にシアン色用の第2の作像ユニットが格納され、第3の格納部にブラック色用の第3の作像ユニットが格納されている場合に、前記複数の作像ユニットとして第1〜第3の作像ユニットのみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
このようにマゼンタ,シアン,ブラックの3色によるカラー画像の形成を可能とすれば、イエローを含む4色とする場合に比べて、使用するトナーの種類が少なくなる分だけコストを下げることができる。そして、空きの格納部が少なくとも1つ設けられており、例えばユーザによりその空きの格納部にイエロー色用の作像ユニットが装着されたときに、4つの作像ユニットを用いて4色のカラー画像を形成できるように構成すれば、ユーザは、4色による高画質の画像を得るという効果と、3色による低コスト化を図れるという効果とを選択的に享受することが可能になる。
【0006】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、第1〜第3の作像ユニットそれぞれが第1〜第3の格納部に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする。
このようにすれば、ユーザは、第1〜第3の作像ユニットをユニット単位で交換することができ、交換作業が簡易になる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、第1〜第3の作像ユニットとは別の第4の作像ユニットが、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
このようにすれば、第4の作像ユニットもユニット単位で交換することができる。さらに作像ユニットの組み合わせバリエーションが多くなり、より使用環境に適した組み合わせが可能である。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、第4の作像ユニットがマゼンタ色用、シアン色用およびブラック色用のいずれかのものであり、第4の格納部に第4の作像ユニットが格納されている場合には、同じ色用の複数の作像ユニットについては、これらを切り換えて使用することを特徴とする。
【0008】
このようにすれば、使用頻度の多い色の作像ユニットを複数個装着しておくことができ、ユニット交換の回数を減らしてメンテナンスの手間を省くことができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記同じ色用の複数の作像ユニットのうち、1つの作像ユニットを用いて当該色の現像を行い、当該1つの作像ユニットによる現像が不可能になると、別の作像ユニットに切り換えて当該色の現像を行うことを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、前記1つの作像ユニットによる現像が不可能になった時点で、それに代わる作像ユニットを用意する必要が生じたことを知ることができ、別の作像ユニットで現像を行っている間に、現像が不可能になった前記1つの作像ユニットに代わる作像ユニットを用意したり、さらには交換したりすることができる。したがって、作像ユニットに起因する画像形成の中断が起こり難い。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記同じ色用の複数の作像ユニットを交互に切り換えることを特徴とする。
このようにすれば、同じ色用の複数の作像ユニットが略同じ時期に現像不可能な状態に移行し易く、ユニットの交換等を一度にまとめてすることができるようになりメンテナンスの手間を軽減できる。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記被転写体は、記録のためのシートであり、シート1枚ごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする。
このようにすれば、1枚のシートに対し1つの作像ユニットが用いられるため、ユニットの切り換えによるズレ等で画像が乱れることがない。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記被転写体は、記録のためのシートであり、シート1枚に対する画像形成領域を複数の部分領域に分けたときに、各部分領域ごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする。
【0012】
このようにすれば、同じ色用の複数の作像ユニットについて、トナーをより均等に消費させることができ、各ユニットが同時期に現像不可能な状態に移行し易くなる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記カラー画像の形成は、ジョブ単位で実行され、1つのジョブごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする。
【0013】
このようにすれば、作像ユニットの切り換え制御をより簡単にすることができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記同じ色用の複数の作像ユニットに対し、その使用方法の選択入力を受け付け、受け付けた使用方法に基づいて、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする。
このようにすれば、例えばユーザは、希望する使用方法を使い分けることができる。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、イエロー色用の第4の作像ユニットが、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に対し着脱可能に構成されており、第4の格納部に第4の作像ユニットが格納されている場合には、前記画像形成モードに代えて、第1〜第4の4つの作像ユニットを用い、カラー画像を形成する別の画像形成モードの実行することを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、マゼンタ,シアン,ブラックの3色による低コストのカラー画像を形成可能であると共に、必要に応じてイエロー、マゼンタ,シアン,ブラックの4色による高画質のフルカラー画像も形成可能になる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に、前記1つの像担持体上の残留トナーを回収する廃トナー回収ユニットが着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
このようにすれば、廃トナー回収ユニットによって像担持体上の残留トナーを回収することができるため、より画質が向上する。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記各格納部とは別の位置に、前記1つの像担持体上の残留トナーを回収するクリーナを備え、第4の格納部に前記廃トナー回収ユニットが格納されている場合には、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットとを切り換えて使用することを特徴とする。
【0017】
このようにすれば、クリーナと廃トナー回収ユニットの両方で残留トナーを回収することができ、除去機能がより高くなる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記クリーナによる残留トナーの回収動作の間には、前記廃トナー回収ユニットによる残留トナーの回収を中止し、前記クリーナによる残留トナーの回収が不可能になると、前記廃トナー回収ユニットによる残留トナーの回収動作を開始することを特徴とする。
【0018】
このようにすれば、主としてクリーナで残留トナーが回収されるため、廃トナー回収ユニットを作像ユニットと交換しても支障が生じ難い。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットとを交互に切り換えて使用することを特徴とする。
このようにすれば、クリーナと廃トナー回収ユニットとが、略同じ時期に回収不可能な飽和状態になり易く、例えばユーザがクリーナと廃トナー回収ユニットにより回収されたトナーを除去する作業を行う構成の場合に、その作業をクリーナと廃トナー回収ユニットについて一度のまとめて行うことができ、メンテナンスの手間を軽減できる。
【0019】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットの使用方法の選択入力を受け付け、受け付けた使用方法に応じて、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットを切り換えることを特徴とする。
このようにすれば、ユーザが使用状況に合わせて使用方法を適宜切り換えることができるため、使い勝手が良くなる。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記マゼンタ色用の作像ユニットには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用マゼンタのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用マゼンタのトナーが収容され、かつ/または、前記シアン色用の作像ユニットには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用シアンのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用シアンのトナーが収容されていることを特徴とする。
【0021】
このようにすれば、マゼンタ,シアン,ブラック色用の作像ユニットのみで形成したカラー画像であっても、イエロー、マゼンタ,シアン,ブラックの4色の作像ユニットで形成したフルカラー画像に近い画質のカラー画像を形成することができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、カラー画像の形成前に、格納されている作像ユニットの中の、カラー画像を形成可能な作像ユニットの組み合わせごとに、その組み合わせに対応する画像形成モードを求め、求めた画像形成モードを示す情報を出力することを特徴とする。
【0022】
このようにすれば、ユーザは、画像形成の前に実行可能な画像形成モードを知ることができ、画質およびコストを考慮して使用目的に適した方法で画像を形成することが可能になる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記出力された情報に示される画像形成モードの中からユーザが希望するものの指定を受け付けると、前記画像形成モードに代えて、指定された画像形成モードを実行することを特徴とする。
【0023】
このようにすれば、ユーザは、自己の希望する画像形成モードで画像を形成することができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記出力された情報に示される画像形成モードが複数ある場合には、前記指定の受付けを行い、1つの場合には、前記指定の受け付けを行わず、前記画像形成モードに代えて、当該1つの画像形成モードを実行することを特徴とする。
【0024】
このようにすれば、画像形成モードに選択の余地がないときには、ユーザの指定を待つ時間が発生しないため、より迅速かつ手間をかけずに画像を形成することができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記求めた画像形成モードが1つの場合には、前記出力を行わず、前記画像形成モードに代えて、当該1つの画像形成モードを実行することを特徴とする。
【0025】
このようにすれば、前記出力に関する制御を省略することができ、制御をより簡単にすることができる。
本発明に係る画像形成方法は、複数の作像ユニットを用いて1つの像担持体上に異なる色のトナー像を順次形成し、形成された各トナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、作像ユニットを格納するための4個以上の格納部のうち、第1の格納部にマゼンタ色用の第1の作像ユニットが格納され、第2の格納部にシアン色用の第2の作像ユニットが格納され、第3の格納部にブラック色用の第3の作像ユニットが格納されている場合に、前記複数の作像ユニットとして第1〜第3の作像ユニットのみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行することを特徴とする。
【0026】
このようにすれば、イエローを含む4色とする場合に比べて、使用するトナーの種類が少なくなる分だけコストを下げることができる。また、例えば空きの格納部にイエロー色用の作像ユニットが装着されたときには、4色による高画質の画像を得るという効果と、3色による低コスト化を図れるという効果とを選択的に享受することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
(1)画像形成装置の構成
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置は、電子写真方式のフルカラータンデム型のカラーデジタルプリンタ1(以下、単に「プリンタ1」という。)であって、LAN等のネットワークに接続されており、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色のトナーを用いてカラー画像を形成する。
【0028】
プリンタ1は、Y、M、C、Kの各色トナー像を形成する4つの作像ユニット10Y,10M,10C,10Kを備える。これら作像ユニット10Y,10M,10C,10Kは、転写ベルト2に対向させるようにして、当該転写ベルト2に沿って回転方向上流側(以降、単に「上流側」という)から回転方向下流側(以降、単に「下流側」という)に向け、10K、10C、10M、10Yの順序で所定間隔をあけ直列に配置されている。以下、Y、M、C、Kの各色に関連する構成部分の符号には、必要な場合にのみ「Y」、「M」、「C」、「K」の文字を付加し、それ以外の場合は省略する。
【0029】
図2は、作像ユニット10の概略構成を示す図である。
図2に示すように、作像ユニット10は、像担持体としての感光ドラム11並びに、当該感光ドラム11の周囲に配置された帯電器12、像露光装置13、現像器14およびクリーナ15を備える。各作像ユニット10には、感光ドラム11の軸16によってプリンタ本体3に対し位置決めされている。
【0030】
転写ベルト2は、絶縁性樹脂製のシート材で形成されており、駆動ローラ4を含む複数のローラに掛け回し配置されている。当該転写ベルト2は、駆動手段(不図示)で駆動ローラ4を回転させることによって、図1における矢印で示す方向に回転駆動する。
プリンタ1は制御部100を有する。制御部100は、外部の端末装置から送信されるプリントジョブのための画像信号を受信し、この信号に必要な処理を加えて画像データを生成し、この画像データを各作像ユニット10駆動用の駆動信号に変換する。
【0031】
各作像ユニット10は、制御部100からの駆動信号を受信すると、帯電器12で感光ドラム11の表面を帯電させ、像露光装置13でその表面に静電潜像を形成し、現像器14でその静電潜像を現像してY、M、C、Kの各色のトナー像を形成する。
転写ベルト2の下方には、被転写体としてのシート(例えば記録紙)を収納したカセット21が配置されている。記録紙は、給紙ローラ22により取り出され、搬送ローラ23によりレジストローラー24まで搬送される。レジストローラー24は、搬送されてくる記録紙を一旦停止させ、斜行等を補正した後、所定のタイミングをとって転写ベルト2に送り出す。
【0032】
転写ベルト2の内側には、感光体ドラム11と対向する位置にそれぞれ転写帯電器25が配置されている。転写ベルト2に送り出された記録紙は、吸着帯電手段(不図示)により転写ベルト2に静電吸着され、前記転写ベルト2により感光ドラム11と転写帯電器25とが対向する転写位置に搬送される。各転写位置では、転写帯電器25で転写ベルト2を内側から帯電させ、搬送されてきた記録紙に感光ドラム11上のトナー像を順次転写する。
【0033】
4色のトナー像が多重転写された記録紙は、分離帯電器26で除電され転写ベルト2から分離され、一対の定着ローラ27,28まで搬送される。定着ローラ27,28は、一方がヒーター(不図示)によって加熱されており、その熱によって記録紙上のトナーが熱溶融する。これにより4色のトナー像が記録紙上に定着し、フルカラーの定着画像が形成される。最後に、フルカラー画像が形成された記録紙は、プリンタ本体3の外部に設けられた排紙トレイ29上に排出される。
【0034】
上述した通り、作像ユニット10は、転写ベルト2に沿って上流側から下流側に向けて10K、10C、10M、10Yの順に配置されているため、記録紙上で各色のトナー像が重ね合わされると、K色が最下層で、その上にC、M、Y色のトナー像が位置する状態になる。このようにK色を最下層に位置させることによって、その上に位置するC、M、Y色のトナーがより熱溶融しやすくなり、発色が良くなって色再現性が向上する。
【0035】
後述するように、ユーザは、操作パネル5から希望の画像形成モードを選択できるようになっている。ここで、前記画像形成モードとしては、フルカラーモード、擬似フルカラーモードおよびモノクロモードがある。
フルカラーモードとは、色再現性を重視した画像形成モードであり、Y、M、C、Kの4色によるカラーの画像形成、またはY、M、Cの3色によるカラーの画像形成を実行する画像形成モードである。なお、Y、M、Cの3色カラーの場合には、Y、M、C色の混色によりK色が再現される。
【0036】
擬似フルカラーモードとは、カラーの画像形成において色再現性よりもコストおよび速度の方を重視した画像形成モードであり、Y色を除くM、C、Kの3色によるカラーの画像形成またはM、Cの2色によるカラーの画像形成を実行する画像形成モードである。4色カラーよりも色数が少ない分だけ色再現性は低下するが、1枚の記録紙に対し使用されるトナーの消費量を低減できる。当該擬似フルカラーモードは、例えば、会社のオフィスなどではグラフなどの図表を厳密にフルカラーで再現できなくてもカラーで表現できれば十分という場合などに用いられる。
【0037】
擬似フルカラーモードで用いない色をY色とした理由は、Y色は他の色に比べて再現画像への影響が少なく、色再現性の低下を最小限に抑えることができるからである。一方、K色を残すことにしたのは、ビジネス文書などの黒色文字をY、M、Cの混色による黒色よりもきれいに再現できるからである。M、Cの2色カラーの場合、M、C、Kの3色カラーよりも色再現性が低下することは否めないが、コスト的にはより有利になる。
【0038】
モノクロモードとは、K色によるモノクロの画像形成を実行する画像形成モードである。
なお、本実施の形態では画像形成モードをフルカラーモード、擬似フルカラーモードおよびモノクロモードの3種類設定しているが、それらに限定する必要はなく他の画像形成モードを設けてもよい。
【0039】
(2)作像ユニットの着脱について
プリンタ本体3には、格納部としてのスロット6が4箇所に設けられており、それらスロット6に各作像ユニット10が着脱可能に装着されている。ユーザは、例えばある作像ユニット10のトナーがなくなった場合など、必要に応じて、任意の装着済み作像ユニット10を取り出し新たな作像ユニット10を装着して、容易にユニット交換をすることができる。
【0040】
作像ユニット10の着脱は、ユーザが外装カバー(不図示)を開けて、スロット6に格納されている作像ユニット10を装置手前側に引き出す、または作像ユニット10を装置奥側に押し込むことによって行う。もちろん、着脱可能であれば、この構成に限られることはない。
各作像ユニット10は、出力端子17を有する。出力端子17からは、どの色対応のものであるのかを示す識別信号が、例えば3ビットの信号で、例えば作像ユニット10Yは「001」、10Mは「010」、10Cは「011」、10Kは「100」という具合に出力される。
【0041】
一方、各スロット6には、それぞれユニット接続端子7が設けられている。1つのスロット6に1つのユニット接続端子7が対応しており、各ユニット接続端子7は、作像ユニット10がスロット6に装着されると、当該作像ユニット10の出力端子17と電気的に接続され、当該出力端子17から出力される識別信号を制御部100に送信する。
制御部100の(図7参照)は、ユニット接続端子7を介して各作像ユニット10の識別信号を受信すると、その識別信号により示される3ビットの情報から、どのスロット6にどの作像ユニット10が装着されているのかを判断する。具体的には、例えばあるスロット6の識別信号が「001」であった場合には、そのスロット6に作像ユニット10Yが装着されていると判断する。
【0042】
各作像ユニット10は、基本的に同じ形状になっているので、ユーザは、任意のスロット6に任意の作像ユニット10を装着することができる。
図3は、作像ユニット10Yに代えて作像ユニット10Kをスロット6に装着した例を示す図である。
同図の場合、作像ユニット10M,10C,10Kが装着されているので、擬似フルカラーモードとモノクロモードでの画像形成が可能である。なお、作像ユニット10Kが2個装着されているこのような状態の場合には、K色の画像形成の際に、いずれか一方または両方を用いる動作制御が実行される。この動作制御については後述する。
【0043】
なお、作像ユニット10M,10C,10Kを用いて擬似フルカラーモードで画像形成を行う場合も、作像ユニット10による画像形成動作、給紙、搬送、転写、定着、排紙等一連の動作のタイミングは、4色による画像形成のタイミングと同じである。
図4は、一部のスロット6に作像ユニット10が装着されていない例を示す図である。
同図の場合、作像ユニット10M,10C,10Kが装着されているので、図3の例と同様に、擬似フルカラーモードとモノクロモードでの画像形成が可能である。
【0044】
各作像ユニット10には、収容されているトナーの残量を検知するためのトナー残量検出センサ8(図7参照)が設けられている。トナー残量検出センサ8としては、公知の液面センサや光電センサ等を用いることができる。ここでは、その具体的な説明を省略する。
トナー残量検出センサ8の検出信号は、制御部100に送られる。制御部100は、トナー残量検出センサ8からの検出信号により、作像ユニット10内にトナーが残っているか否かを検出することができる。
【0045】
このように本実施の形態では、M、C、K色のトナーを用いた擬似フルカラーモードの画像形成を可能としている。しかし、従来のM、C色のトナーは、4色カラーでカラー画像を形成することを前提として、すなわちY色のトナーを用いることを前提として製造されているため、M、C色のトナーだけではY色成分を含むカラー画像を高画質で再現することができない。
【0046】
そこで、本実施の形態では、M、C色のトナーだけでもY色成分を含むカラー画像が再現できるように、作像ユニット10M、10Cの代わりにプリンタ本体3へ装着することが可能な作像ユニット10M´、10C´(不図示)が、例えばオプション扱いなどで用意されている。
作像ユニット10M´には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用マゼンタのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用マゼンタのトナーが収容されている。
【0047】
作像ユニット10C´には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用シアンのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用シアンのトナーが収容されている。
(3)トナーの色度点について
図5は、L*a*b*表色系におけるM、C色のトナーの色度点を示す色度図である。ここで、M、C色について、白丸印のプロットが4色カラー(Y、M、C、K色によるカラー)の場合に用いられるトナーの色度点を示しており、白四角印が3色カラー(M、C、K色によるカラー)の場合に用いられるトナーの色度点を示している。
【0048】
同図に示すように、例えばマゼンタのトナーについて見ると、3色カラーのものは4色カラーのものよりも赤(R)方向にシフトした位置に色度点を有し、C色のトナーについて見ると、緑(G)方向にシフトした位置に色度点を有していることが解る。
ここで、赤方向とは、M色とY色の混色によるR(赤)色の色相方向をいい、赤方向にシフトした位置に色度点を有するとは、M色の色相をR色の色相に近づけることをいう。
【0049】
同様に、緑方向とは、C色とY色の混色によるG(緑)色の色相方向をいい、緑方向にシフトした位置に色度点を有するとは、C色の色相をG色の色相に近づけることをいう。
このようにM、C色のトナーとして、その色度点が4色カラーのものよりもR、G色の方向にシフトしたものを用いるので、Y色との減法混色で実現されるR色(R=M+Y)、G色(G=C+Y)の色再現性を、Y色のトナーがなくてもある程度確保でき、R色やG色といった使用頻度の高い色の再現性を向上できる。
【0050】
M色、C色トナーの色度点のシフト量およびシフトの方向は、実験等から予め求めることができ、もちろん上記のものに限られることはない。4色カラーに用いるM、C色のトナーの色度点に対し、色度図上においてY色の色相に近づく方向成分を有する方向にシフトした色度点のM、C色トナーを用いれば、カラーの再現性を向上できるからである。
例えば、ジャパンカラー(JapanColor)を基準とする場合に、2度視野D50の観察条件において、M色のトナーの色度点を、R色(a*:68.5,b*:48.0)の周辺または極めて近い位置に、C色のトナーの色度点を、G色(a*:−73.5,b*:25.0)の周辺または極めて近い位置にとる構成としても良い。
【0051】
さらに、SWOP(Specifications for Web Offset Publications)やEuro Colorなどの別の色基準を用いる場合でも、M色、C色トナーの色度点をR、G色の色相またはY色の色相に近づける構成とすることで同様の効果を得られる。
なお、本実施の形態に係る擬似フルカラーモードでは、作像ユニット10M´と作像ユニット10C´の両方を使用する構成としているが、トナーの色度点の調整次第では、作像ユニット10M´或いは作像ユニット10C´のいずれか一方のみを用いて、擬似フルカラーモードで再現性の高いカラー画像を形成することも考えられる。例えば、作像ユニット10M´と作像ユニット10Cとを用いて疑似フルカラーモードでカラー画像を形成したり、作像ユニット10Mと作像ユニット10C´とを用いて疑似フルカラーモードでカラー画像を形成したりすることが考えられる。
【0052】
また、疑似フルカラー用のトナーの製造方法としては、色度点をシフトさせた色材を、従来のフルカラー用のトナーの製造方法に準じバインダ樹脂等に含有させる方法等を採用することが考えられる。
(4)作像ユニット10の組み合わせについて
上記のように作像ユニット10としては10Y、10M、10M´、10C、10C´、10Kが存在し、ユーザは、任意の作像ユニット10を任意のスロット6に装着できる構成になっている。ところが、装着される作像ユニット10の組み合わせによっては、フルカラーモード、擬似フルカラーモードおよびモノクロモードを全て実行可能な場合もあれば、どの画像形成モードも実行できない場合もあり得る。
【0053】
そこで、本実施の形態では、どの色用の作像ユニット10が装着されたときに、どの画像形成モードを実行可能であるのかを予め決めておき、実際に作像ユニット10が装着されるとその組み合わせから実行可能な画像形成モードをユーザに知らせると共にユーザからの選択入力を受付け、選択された画像形成モードを実行するようにしている。
図6は、作像ユニット10の組み合わせと実行可能な画像形成モードの関係を示す表である。
【0054】
同図に示すように、例えば欄1001は、作像ユニット10Y,10M,10C,10Kが装着されている場合の例であり、全ての画像形成モードを実行できることが解る。また、例えば欄1002は、作像ユニット10M,10C,10Kが装着されている場合の例であり、擬似フルカラーモードとモノクロモードを実行できることが解る。さらに、例えば欄1003は、作像ユニット10M´,10C´,10Kが装着されている場合の例であり、この場合も擬似フルカラーモードとモノクロモードを実行できることが解る。
【0055】
なお、各作像ユニット10には、当該ユニットがどの色に対応し、どの色度点を有するトナーが充填されたものなのかをユーザが判別するための情報(名称等)を示すラベル(不図示)が貼着されており、ユーザはそのラベルを見て各ユニットを間違えることなく判別することができるようになっている。また、同図の「廃トナー用」の欄については、後述するものとする。
【0056】
(5)制御部100の構成
図7は、制御部100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部100は、主な構成要素として、CPU101と、通信インターフェース(I/F)部102と、画像処理部103と、画像メモリ104と、LD駆動部105と、RAM106と、ROM107と、ユニット検知部108とを備え、バス110を介してデータをやりとりできるようになっている。
【0057】
通信I/F部102は、LANカード、LANボードといったLAN等のネットワークに接続するためのインターフェースである。
ユニット検知部108は、装着されている各作像ユニット10の識別信号を、ユニット接続端子7を介して受信して、どの作像ユニット10がどのスロット6に装着されているのかを検知する。
【0058】
画像処理部103は、通信I/F部102を介して受信した画像信号、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)色のデータにシェーディング等の公知の補正処理を施し、1画素ごとに、Y、M、C、Kの再現色用のデジタル画像信号(画像データ)に変換し、これを画像メモリ104に出力する。
図8は、画像処理部103の構成を示すブロック図である。
【0059】
同図に示すように、画像処理部103は、輝度濃度変換部121と、色補正部122と、出力部123とを備える。
輝度濃度変換部121は、切換部131と変換処理部132,133とを備え、輝度データを濃度データに変換する。
切換部131は、ユーザによりフルカラーモード、擬似フルカラーモードおよびモノクロモードのうち、どの画像形成モードが選択されたのかを示すモード情報、およびユニット検知部108によるユニット検知結果に応じて、輝度/濃度の変換を変換処理部132と変換処理部133のうちのいずれで行うのかを選択する。
【0060】
具体的には、フルカラーモードまたはモノクロモードが選択された場合には、変換処理部133を選択する。
変換処理部133は、予め決められた変換式を用いて輝度を示すR、G、Bから濃度を示すY、M、Cへの変換を実行する。この変換式としては、公知の輝度/濃度変換で用いられる式を基本に、フルカラーモードで色再現性が最適になるように、その係数を、使用されるトナーの色度点等を考慮した上で実験等から求めることにより生成される。
【0061】
ここでは、Y、M、C、Kの4色による場合とY、M、Cの3色による場合の2つの式が用意される。これは、作像ユニット10の装着状況によってカラーを再現するために使用されるトナーの色の組み合わせが異なるからである。2つの式のうち、いずれを選択するかについては、ユニット検知結果により決められる。例えば、作像ユニット10Y,10M,10C,10Kが装着されている場合には、Y、M、C、Kの4色による場合の式が選択される。
【0062】
一方、擬似フルカラーモードが選択された場合には、変換処理部132を選択する。
変換処理部132は、予め決められた、変換処理部133とは別の変換式を用いて、R、G、BからM、Cへの変換を実行する。別の変換式としては、擬似フルカラーモードで色再現性が最適になるように、変換処理部133における式に対し、その係数を実験等から求めることにより生成される。
【0063】
変換処理部132では、擬似フルカラーモードに対応する式として、作像ユニット10がM、C、K色用の場合、作像ユニット10がM、C色用の場合、作像ユニット10がM´、C´、K色用の場合、作像ユニット10がM´、C´色用の場合の4つの式が用意される。いずれの式を選択するかについては、変換処理部133の場合と同様である。
切換部131は、選択された変換処理部に、R、G、B色のデータを送る。R、G、B色のデータを受け取った変換処理部は、自己の変換式を用いて濃度データへの変換を行い、変換後のデータを、色補正部122へ出力する。
【0064】
色補正部122は、補正処理部141,142を備え、輝度濃度変換部121からのデータに、UCR(下色除去)やBP(墨生成)、γ補正等の処理を施し、K色を含む画像データに補正して、出力部123に出力するものである。
補正処理部142は、予め決められた、UCR等の処理のための種々の変換式を用いて、UCR等の処理を実行する。この変換式は、UCR等で用いられる公知の式を基本に、フルカラーモードで色再現性が最適になるように、その係数を、使用されるトナーの色度点等を考慮した上で実験等から求めることにより生成される。
【0065】
変換式としては、使用される色の組み合わせに対応する式、ここでは変換処理部133の2つの式それぞれに対応する式が予め用意され、変換処理部133において用いられた式に対応する式が選択される。
一方、補正処理部141は、予め決められた、補正処理部142とは別の変換式を用いて、UCR等の処理を実行する。この別の変換式は、擬似フルカラーモードで色再現性が最適になるように、その係数を実験等から求めることにより生成される。
【0066】
別の変換式としては、補正処理部142と同様に、使用される色の組み合わせに対応する式、ここでは変換処理部132の4つの式それぞれに対応する式が予め用意され、変換処理部132において用いられた式に対応する式が選択される。
この意味で、変換処理部132や補正処理部141は、再現色としてのY色成分を含むデータが入力された場合でも、Y色を除く他の再現色のデータを生成する手段としての機能を有するものであるといえる。
【0067】
出力部123は、補正処理部141,142からの画像データを色ごとに画像メモリ104に格納させる。
なお、変換処理部132では4つの変換式を用意するとしたが、色再現性への影響の程度に応じて、例えば変換式を2つにしたり、1つの式を共用したりする方法などを用いるとしても良い。これにより、変換等の処理の簡素化を図ることができる。このことは、変換処理部133、補正処理部141,142についても同様である。
【0068】
また、従来の変換式を基本にその係数を画像形成モード等に応じて変える方法を用いるとしたが、その方法に限られず、例えばフルカラーモードとモノクロモードについては、基本的に従来と同じ手法により変換、補正等を行い、擬似フルカラーモードについては、本発明のM,C,K色だけを用いてカラー画像を形成する構成に対応する新たな変換式を実験等から求めるとしても良い。また、予め決められた条件に基づいてデータを変換できるものであれば、式に限られず種々の方法、例えば変換テーブル等を用いることもできる。
【0069】
図7に戻り、LD駆動部105は、CPU101の制御を受けて画像メモリ104から各色ごとに画像データを読み出し、各露光部13Y,13M,13C,13Kを駆動する。
ROM107は、作像動作、シート給送動作などに関するプログラムや、選択可能な画像形成モードをユーザに知らせると共にその選択入力を受け付けるモード表示処理(後述)に関するプログラムなどを格納している。
【0070】
RAM106は、CPU101におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
CPU101は、ROM107から必要なプログラムを読み出して、作像動作、シート給送動作などを、タイミングを取りながら統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。
また、CPU101は、装着されている作像ユニット10の組み合わせに応じて各色に対する露光から転写までのタイミングを調整する処理を実行する。すなわち、作像ユニット10が例えば転写ベルト2の上流側からK、C、M、Yの順に装着されている場合には、作像ユニット10Cが作像ユニット10Kに対して下流側に位置するが、Y、M、C、Kの順に装着されている場合には、作像ユニット10Cが作像ユニット10Kに対して上流側に位置することになり、どのスロット6にどの作像ユニット10が装着されているのかによって、露光等のタイミングを調整する必要があるからである。
【0071】
本実施の形態では、図6の表に示す作像ユニット10の組み合わせごとに、各作像ユニット10がどのスロット6に装着された場合にどのタイミングで露光等を行うのが最適であるのかを予め実験等から求め、求めたタイミング情報がROM107に格納される。CPU101は、どの作像ユニット10がどのスロット6に装着されているのかを判断すると、装着されている作像ユニット10の組み合わせに対応する露光等のタイミングを、ROM107に格納されているタイミング情報から読み出して取得し、取得したタイミング情報に基づいて露光等を実行する。さらに、モード表示処理などを実行する。
【0072】
(6)制御部100による処理
図9は、制御部100で実行されるプリントジョブの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、制御部100は、プリントジョブを受け付けるとモード表示処理を実行する(ステップS1)。
【0073】
図10は、モード表示処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、モード表示処理では、まず作像ユニット10の装着状態を検知する(ステップS21)。当該検知は、ユニット検知部108により行われる。
装着状態を検知後、Y、M、C色用の作像ユニット10がスロット6に装着されているか否かを判断する(ステップS22)。そして、これら作像ユニット10が全てスロット6に装着されていると判断した場合(ステップS22で「YES」)、さらにK色用の作像ユニット10がスロット6に装着されているか否かを判断する(ステップS23)。K色用の作像ユニット10が装着されていると判断した場合(ステップS23で「YES」)、フルカラーモード、擬似フルカラーモード、モノクロモードの3つの画像形成モードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示し(ステップS24)、ユーザに画像形成モードの決定を促す。
【0074】
図11は、選択可能な画像形成モードが表示された操作パネル5のメッセージ画面111を示す図である。
同図に示すように、操作パネル5のメッセージ画面111には、フルカラーモード、擬似フルカラーモード、モノクロモードを示す3つのボタンが表示される。ユーザは、自己が希望する画像形成モードを示すボタンをタッチすることにより、画像形成モードを選択することができる。
【0075】
なお、ユーザに対し画像形成モードの選択を促すことができれば良いので、その出力方法としては、メッセージ表示に限られず、例えばその旨を音声で出力する方法や、プリントジョブの要求元の外部端末に対しその旨を表示させる指示を行うなどの方法をとるとしても良い。なお、表示に限られないということは、以下に説明するメッセージ画面の表示に係る各処理について同様である。
【0076】
一方、ステップS23に戻って、K色用の作像ユニット10Kが装着されていないと判断した場合(ステップS23で「NO」)、フルカラーモード、擬似フルカラーモードの2つの画像形成モードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示する(ステップS25)。
ステップS22に戻って、Y、M、Cの3色のうち1色でもその作像ユニットが装着されていないと判断した場合(ステップS22で「NO」)、M、C色用の組合せ、または、M´、C´色用の組合せで作像ユニット10が装着されているか否かを判断する(ステップS26)。
【0077】
前記いずれかの組合せで作像ユニット10が装着されていると判断した場合(ステップS26で「YES」)、さらにK色用の作像ユニット10も装着されているか否かを判断する(ステップS27)。K色用の作像ユニット10が装着されていると判断した場合(ステップS27で「YES」)、擬似フルカラーモード、モノクロモードの2つの画像形成モードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示する(ステップS28)。
【0078】
一方、ステップS27に戻って、K色用の作像ユニット10が装着されていないと判断した場合(ステップS27で「NO」)、擬似フルカラーモードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示する(ステップS29)。
ステップS26に戻って、いずれの組合せでも装着されていないと判断する(ステップS26で「NO」)、K色用の作像ユニット10が装着されているか否かを判断する(ステップS30)。K色用の作像ユニット10が装着されていると判断した場合(ステップS30で「YES」)、モノクロモードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示する(ステップS31)。
【0079】
ステップS30に戻って、K色用の作像ユニット10が装着されていないと判断した場合(ステップS30で「NO」)、選択可能な画像形成モードがない旨を示すメッセージ画面を操作パネル5に表示させ(ステップS32)、ステップS21に戻る。ユーザにより作像ユニット10が装着され、いずれかの画像形成モードが実行可能になると、ステップS24、S25、S28、S29、S31のいずれかの処理を経てメインルーチンにリターンすることになる。この意味で、制御部100は、ステップS24、S25、S28、S29、S31等の処理を実行するときに、作像ユニット10の組み合わせに対応する画像形成モードを出力する出力手段として機能するものといえる。
【0080】
なお、いずれの画像形成モードも実行できない状態が所定時間続くような場合には、当該ジョブを実行できない旨のメッセージを操作パネル5に表示させて、当該ジョブの実行を保留または削除する構成にすることもできる。
上記では、ユーザが、メッセージ画面111に表示されている画像形成モードの中から希望する画像形成モードを選択するとしたが、メッセージ画面111に必要とする画像形成モードが表示されていない場合、ユーザは、作像ユニット10の差し替えを行うことが可能である。
【0081】
例えば、メッセージ画面111にモノクロモードしか表示されていない場合においてユーザがフルカラーモードでのプリントを望む場合は、スロット6に装着されている作像ユニット10の一部若しくは全部を差し替えて、Y、M、Cの3色の作像ユニット10をスロット6に装着すれば、フルカラーモードでのプリントが可能となる。
また、メッセージ画面111が表示されている状態で、作像ユニット10の一部若しくは全部がユーザにより交換されると、ステップS21に戻り、ステップS22以降の処理を再度実行する構成をとることもできる。例えば、フルカラーモードでの印刷を希望しているが、メッセージ画面111にはモノクロモードだけが実行可能な旨が表示されており、フルカラーモードを選択できないような場合に便利である。
【0082】
また、ユーザが画像形成モードの選択を行うとしたが、例えばプリンタ1が自動的に選択を実行する構成としても良い。例えば、複数の画像形成モードを実行可能な場合には、画質を優先させ、より多数の作像ユニットを使用する画像形成モードを、実行すべき画像形成モードとして決定する方法などが考えられる。
また、例えばユーザが作像ユニット10を誤って装着したと想定される場合に、その旨を示すメッセージ画面を、上記のメッセージ画面111とは別に操作パネル5に表示させ、ユーザに作像ユニット10の交換を促し、その後、ステップS22以降の処理を実行するとしても良い。装着を誤った例としては、作像ユニット10M´と10C、および10Mと10C´との組み合わせ、すなわち色度点をシフトさせたものとシフトさせていないものとの組み合わせ等が考えられる。
【0083】
図9に戻って、ステップS2では、ステップS1のモード表示処理により表示されたメッセージ画面111からユーザによるタッチ入力があると、画像形成モードの選択入力を受け付けたとして次のステップS3に移り、メッセージ画面111を消灯させる。この意味で、制御部100は、ステップS2の処理を実行するときに、ユーザが希望する画像形成モードの指定を受け付ける受付手段として機能するものといえる。
【0084】
ステップS3では、選択された画像形成モードを実行する際に使用されるべき作像ユニット10の中に同じ色用のものが複数存在するか否かを判断する。これは、同じ色用の作像ユニット10が複数存在する場合、どの作像ユニット10をプリントに用いるかを印刷の前に決めておくためである。
同じ色用の作像ユニット10が存在するケースとしては、作像ユニット10が、(a)4つとも同じ色用の場合、(b)3つが同じ色用で残り1つが別の色用の場合、(c)2つが同じ色用で残り2つがそれぞれ別の色用のある場合、(d)2つが同じ色用で、残り2つは別の色かつ同じ色用の場合の4パターンが考えられる。
【0085】
ここでは、同じ色用の作像ユニット10については、基本的に上流側のものから順にトナーが消費されるように、使用すべき作像ユニット10が決められる。
具体的には、同じ色用の作像ユニット10が複数存在することを判断すると(ステップS3で「YES」)、同じ色用の作像ユニット10が1組だけ存在するか否かを判断する(ステップS4)。ここで、1組だけ存在することを判断すると(ステップS4で「YES」)、同じ色用の作像ユニット10の数が4つか否かを判断する(ステップS5)。4つではないことを判断すると(ステップS5で「YES」)、さらに同じ色用の作像ユニット10の数が3つか否かを判断する(ステップS6)。3つではない、すなわち2つであることを判断すると(ステップS6で「NO」)、ユニット決定処理1を実行する(ステップS7)。
【0086】
図12は、ユニット決定処理1の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、ユニット決定処理1では、まず2つの同じ色用の作像ユニット10に上流側から順に1番目、2番目と番号を付与する(ステップS41)。次に、1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS42)、エンプティでない、つまりトナーが入っていれば(ステップS42で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS43)。
【0087】
一方、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS42で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS44)、2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS44で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS45)。なお、2番目の作像ユニット10もエンプティであると判断した場合(ステップS44で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることを操作パネル5に表示し(ステップS46)、その色の作像ユニット10の交換を促す。
【0088】
図9に戻って、ステップS8では、ステップS2で選択された画像形成モードで画像形成を行うプリント処理を実行して、プリントジョブを終了する。例えば、選択された画像形成モードが擬似フルカラーモードであり、作像ユニット10M´,10C´,10K(1番目),10K(2番目)が装着されており、決定された作像ユニット10が10K(2番目)である場合には、作像ユニット10M´、10C´、10K(2番目)が擬似フルカラー画像の形成に用いられる。
【0089】
以降の他のジョブが実行される場合にも、その都度、上記の処理が実行される。従って、同じ色用の作像ユニット10が複数存在する場合には、上流側の作像ユニット10から順にトナーが消費されるようにその使用順が決められることになる。このことは、後述のユニット決定処理2〜4でも同様である。
なお、上記では、使用すべき作像ユニット10を決める条件を、トナーエンプティか否かで決定したが、これに限定されることはない。例えば作像ユニット10の機械的、電気的な故障の有無等のような画像形成の可否で決定することもできる。
【0090】
ステップS6に戻って、同じ色用の作像ユニット10が3つ存在する場合(ステップS6で「YES」)、ユニット決定処理2が実行される(ステップS9)。
図13は、ユニット決定処理2の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、ユニット決定処理2では、まず3つの同じ色の作像ユニット10に上流側から順に1番目、2番目、3番目と番号を付与する(ステップS51)。次に、1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS52)、エンプティでないつまりトナーが入っていると判断すれば(ステップS52で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS53)。
【0091】
ステップS52に戻って、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS52で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS54)、2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS54で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS55)。
【0092】
2番目の作像ユニット10もエンプティの場合(ステップS54で「YES」)、3番目のユニットがエンプティであるか否かを判断し(ステップS56)、3番目のユニットがエンプティでなければ(ステップS56で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を3番目の作像ユニット10に決定する(ステップS57)。なお、3番目の作像ユニット10もエンプティであると判断した場合(ステップS56で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることを操作パネル5に表示し(ステップS58)、ユーザに作像ユニット10の交換を促す。
【0093】
以上のように、同じ色用の作像ユニット10が3つ存在する場合も、使用する作像ユニット10は1つに絞られる。図9に戻って、プリントに使用する作像ユニット10が決定すると(ステップS9)、作像ユニット10が複数存在する色に関してはユニット決定処理2(ステップS9)で決定した作像ユニット10が使用され、他の色に関してはそれぞれ1つしかないその色の作像ユニット10が使用されて、プリント処理が行われる(ステップS8)。
【0094】
ステップS5に戻って、同色の作像ユニット10が4つ存在する場合(ステップS5で「YES」)、ユニット決定処理3が実行される(ステップS11)。
図14は、ユニット決定処理3の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、ユニット決定処理3では、まず4つの同じ色用の作像ユニット10に上流側から順に1番目、2番目、3番目、4番目と番号を付与する(ステップS61)。次に、1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS62)、エンプティでない、つまりトナーが入っていると判断すれば(ステップS62で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS63)。
【0095】
一方、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS62で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS64)、2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS64で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS65)。
【0096】
2番目の作像ユニット10もエンプティの場合(ステップS64で「YES」)、3番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS66)、3番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS66で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を3番目の作像ユニット10に決定する(ステップS67)。
3番目の作像ユニット10もエンプティの場合(ステップS66で「YES」)、4番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS68)、4番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS68で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を4番目の作像ユニット10に決定する(ステップS69)。なお、4番目の作像ユニット10もエンプティであると判断された場合(ステップS68で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることを表示し(ステップS70)、ユーザに作像ユニット10の交換を促す。
【0097】
以上のように、同じ色用の作像ユニット10が4つ存在する場合も、使用する作像ユニット10は1つに絞られる。
図9に戻って、プリントに使用する作像ユニット10が決定すると(ステップS10)、作像ユニット10が複数存在する色に関してはユニット決定処理3(ステップS10)で決定した作像ユニット10が使用され、他の色に関してはそれぞれ1つしかないその色用の作像ユニット10が使用されて、プリント処理が行われる(ステップS8)。
【0098】
ステップS4に戻って、同じ色用の作像ユニットが1組でない場合(ステップS4で「NO」)、すなわち2つが同じ色用で残り2つも別の同じ色用である場合は、ユニット決定処理4が実行される。
図15は、ユニット決定処理4の内容を示すフローチャートである。同図に示すように、ユニット決定処理4では、まず、第1の色および第2の色それぞれの作像ユニット10について、上流側から順に1番目、2番目と番号を付与する(ステップS71)。
【0099】
次に、第1色の1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS72)、エンプティでない、つまりトナーが入っていると判断すれば(ステップS72で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS73)。
ステップS72に戻って、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS72で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS74)、2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS74で「NO」)、プリントに使用するユニットを2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS75)。なお、2番目の作像ユニット10もエンプティであると判断した場合(ステップS74で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることが操作パネル5に表示し(ステップS76)、作像ユニット10の交換を促す。
【0100】
次に、第2色の1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断する(ステップS77)。2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS77で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS78)。
ステップS77に戻って、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS77で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS79)、2番目の作像ユニット10がエンプティでないと判断した場合(ステップS79で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS80)。なお、2番目の作像ユニット10もエンプティであると判断した場合(ステップS79で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることが表示し(ステップS81)、作像ユニット10の交換を促す。
【0101】
以上のように、同じ色用の作像ユニット10が2組存在する場合、それぞれの色について使用する作像ユニット10が1つに絞られる。
図9に戻って、プリントに使用する作像ユニット10が決定すると(ステップS11)、作像ユニット10が複数存在する色に関してはユニット決定処理4(ステップS11)で決定した作像ユニット10が使用され、他の色に関してはそれぞれ1つしかないその色の作像ユニット10が使用されて、プリント処理が行われる(ステップS8)。
【0102】
ステップS3に戻って、同じ色用の作像ユニット10が存在しない場合(ステップS3で「NO」)、画像形成に必要な色用の作像ユニット10がエンプティであるか否かが判断され(ステップS12)、エンプティの作像ユニット10が存在する場合(ステップS12で「YES」)、操作パネル5にエンプティであることを表示する(ステップS13)。ユーザにより作像ユニット10が交換されるなどした結果、エンプティの作像ユニット10が存在しないと判断されると(ステップS12で「NO」)、プリント処理が行われる(ステップS8)。
【0103】
なお、上記では、ユーザが画像形成モードの選択を行うとしたが、例えばステップS1とS2の処理を実行せずにステップS3を最初に実行する構成や、ステップS1の次にS3を行う(S2の処理を省略する)構成をとるとしても良い。
この場合、例えばプリンタ1が自動的に画像形成モードを選択する構成をとることができる。具体例としては、複数の画像形成モードを実行可能な場合に、画質を優先させるべく、より多数の作像ユニット10を使用する画像形成モードを、実行すべき画像形成モードとして決める方法などが考えられる。また、ユーザ等が画像形成モードを予め指定できるように構成し、指定された画像形成モードを実行すべき画像形成モードとして実行するとしても良い。
【0104】
さらに、実行可能な画像形成モードが1つだけ存在する場合には、ユーザは画像形成モード選択を実質行えないことから、確認のための表示等の出力だけを行い、ユーザからの指定を受け付けず、当該1つの画像形成モードを実行する構成をとることもできる。また、出力自体を行わない構成としても良い。これにより、選択等の処理を行わない分だけ処理を簡素化できCPU101の負担軽減を図ることができる。
【0105】
上記では、同じ色用の作像ユニット10が複数存在する場合、上流側の作像ユニット10から順にトナーが消費されるようにその使用順を決めるとしたが、これに限定されず実験等から予め最適な順を決めることができる。例えば、下流側の作像ユニット10から順にするなど他の順番でトナーが消費されるように、使用すべき作像ユニット10の順を決めるとしても良い。
【0106】
ユニット決定処理は、変形例として、複数の同じ色用の作像ユニット10をユニット単位で1つずつ使用して行く上記の処理と、トナーが均等消費される処理とが選択的に実行される別の構成をとることもできる。
図16は、変形例に係るユニット決定処理1の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、2つの同じ色用の作像ユニット10に上流側から順に1番目、2番目と番号を付与する(ステップS91)。次に、1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS92)、エンプティでない、つまりトナーが入っていると判断すれば(ステップS92で「NO」)、さらに2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS93)、2番目の作像ユニット10もエンプティでなければ(ステップS93で「NO」)、使用条件の選択入力を受け付ける(ステップS94)。
【0107】
使用条件の選択入力の受け付けとは、同じ色用の作像ユニット10について、例えばそのトナーを均等に消費する方法や1ユニットずつ消費する方法といったトナー消費方法をユーザからの選択を受け付けることを意味する。ここでは、消費方法として、均等や1ユニットずつなどの方法を示すボタンを操作パネル5に表示させ、ユーザによるタッチ入力を消費方法の選択入力として受け付ける。この意味で、制御部100は、ステップS94等の処理を実行するときに、使用方法の指定を受け付ける受付手段として機能するものといえる。
【0108】
ユーザがトナーを均等に消費することを選択した場合(ステップS95で「YES」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目および2番目の両方に決定する(ステップS96)。一方、ユーザが1ユニットずつトナーを消費することを選択した場合(ステップS95で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10の使用順序を上流側からに決定する(ステップS97)。
【0109】
ステップS92に戻って、1番目の作像ユニット10はエンプティでないが(ステップS92で「NO」)、2番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS93で「YES」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS98)。
また、ステップS92に戻って、1番目の作像ユニット10がエンプティである場合は(ステップS92で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断する(ステップS99)。2番目の作像ユニット10がエンプティでない場合(ステップS99で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS100)。一方、2番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS99で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることを操作パネル5に表示し(ステップS101)、ユーザに作像ユニット10の交換を促す。
【0110】
このように、同じ色用の作像ユニット10が2つあり、いずれの作像ユニット10もエンプティでなく、トナーを均等に消費する方法が選択されると、それら2つの作像ユニット10が使用すべき作像ユニット10として決められる。この場合、次の変形例に係るプリント処理の部分で説明するように、それら2つの作像ユニット10のトナーが均等に消費されるように交互に切り換えられて使用される。なお、図16では、同じ色用の作像ユニット10が2つ存在する場合を代表例に挙げて説明したが、3つや4つ存在する場合も2つの場合と同様に、エンプティではない全ての作像ユニット10が使用すべき作像ユニット10として決定されることになる。
【0111】
図17は、変形例に係るプリント処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、ユニット決定処理1において両方の作像ユニット10を使用することに決定したか否かが判断される(ステップS111)。ユニット決定処理1において1番目若しくは2番目の作像ユニット10のみを使用することが決定している場合は(ステップS111で「NO」)、その決定した作像ユニット10でプリントが行われる(ステップS112)。
【0112】
ステップS111に戻って、ユニット決定処理1において両方の作像ユニット10を使用すると決定した場合(ステップS111で「YES」)、プリントページを表す変数nを1に設定するとともに(ステップS113)、1番目の作像ユニット10のトナー残量=Z1とし(ステップS114)、2番目の作像ユニット10のトナー残量=Z2と設定する(ステップS115)。
【0113】
なお、トナー残量の判断は、トナー残留検出センサ8からの検出信号に基づいて行われるが、これに限定されることはない。例えば、記録紙毎に、各画素の階調値から画像形成により消費されるであろうトナーの量を推定して、その推定されたトナーの消費量を所定値から減算した値を、トナーの残量とする方法などをとるとしても良い。
次に、X=Z1−Z2を演算する(ステップS116)。そして、X>Aの関係が成立するか否かを判断し(ステップS117)、成立しない場合は(ステップS117で「NO」)、さらにX<Aの関係が成立するか否かを判断し(ステップS118)、これも成立しない場合は(ステップS118で「NO」)、1番目と2番目の両方の作像ユニット10を使用することを決定し(ステップS119)、2つの作像ユニット10のトナー消費量が均等にするための領域割り当て処理が許可される(ステップS120)。
【0114】
領域割り当て処理とは、2つの作像ユニット10のトナー消費量を略均等にするための処理、具体的には2つの作像ユニット10を所定の条件に基づいて交互に切り換えて使用する処理のことである。
領域割り当て処理が許可されると(ステップS120)、ドットカウンタから各作像ユニット10の画像形成領域が割り当てられ、2つの作像ユニット10のトナーを均等に使用してnページ目(ここでは1ページ目)のプリントが行われる(ステップS121)。
【0115】
図18は、1枚の記録紙について、各作像ユニット10に対し割り当てられた画像形成領域の様子を示す模式図である。ここで、矢印CDで示される方向は、主走査方向に相当し、矢印FDで示される方向は、副走査方向に相当し、記録紙の搬送方向にも相当する。
同図に示す例では、1番目と2番目の作像ユニット10に割り当てられた画像形成領域は、1枚の記録紙の略半分ずつになっている。副走査方向に記録紙先端から中央までの領域が1番目の作像ユニット10により形成された領域に相当し、記録紙中央から後端までの領域が2番目の作像ユニット10により形成された領域に相当することを示している。
【0116】
このような割り当ての方法としては、例えば1枚の記録紙について、当該色のトナー像として形成されるべき画像の全画素数を主走査ラインごとに1ライン目、2ライン目・・・最終ラインの順にカウントしていき、そのカウント数が2等分される主走査ラインを求め、当該ラインよりも記録紙先端側に相当する第1の領域を1番目の作像ユニット10を用いて作像を行い、前記ラインよりも記録紙後端側に相当する第2の領域については2番目の作像ユニット10に切り換えて作像を行う方法がある。この切り換え方法としては、例えば作像ユニット10ごとに、前記第1と第2の領域が現像位置を通過するタイミングに応じて作像のための電圧の供給と停止を切り換える方法などがある。
【0117】
なお、形成画像の画素数をカウントする方法としては、例えば画像メモリ104に格納されている画像データのうち当該色用のデータについて、全画素の階調値を読み出して原稿画像の背景に相当する画素以外の画素数をカウントする方法、LD駆動部105から出力される駆動信号のうち当該色用の信号について、全画素の輝度を参照し、背景に相当する画素以外の画素数をカウントする方法などをとることができる。
【0118】
一方、ステップS117に戻って、X>Aの関係が成立する場合(ステップS117で「YES」)、nページ目を1番目の作像ユニット10で作像することを決定し(ステップS124)、領域割り当て処理を禁止する(ステップS126)。また、ステップS118に戻って、X<Aの関係が成立する場合(ステップS118で「YES」)、nページ目を2番目の作像ユニット10で作像することを決定し(ステップS125)、領域割り当て処理を禁止する(ステップS126)。
【0119】
領域割り当て処理が禁止されると(ステップS126)、決定された作像ユニット10を使用してnページ目(ここでは1ページ目)のプリントが行われる(ステップS121)。
画像形成後、n(=1)ページ目が最後のページであるか否かを判断し(ステップS122)、最後のページあれば(ステップS122で「YES」)、プリント処理を終了する。一方、1ページ目が最後のページでなければ(ステップS122で「NO」)、n=n+1として(ステップS123)、ステップS114に戻る。この意味で、制御部100は、ステップS113〜S126等の処理を実行するときに、作像ユニットを切り換える切換手段として機能するものといえる。
【0120】
以上のように、同じ色用の作像ユニット10が2つ以上装着された場合、常に同じ色用の作像ユニット10のトナー残量が同じとは限らないため、トナー量が多い作像ユニット10を優先して使用し、トナーを均等に消費する。
なお、トナーを均等に消費する方法は、上記に限定されない。例えば、複数枚、1ページまたは複数ページに対する画像形成が実行される毎や、1つまたは複数のジョブが終了する毎などに、上記の処理を実行するとしても良い。
【0121】
また、各作像ユニット10のトナー残量に関係なく、記録紙1枚、複数枚、1ページまたは複数ページに対する画像形成が実行される毎、1つまたは複数のジョブが終了する毎などに、使用すべきユニットを交互に切り換える方法としても良い。具体的には、例えば1枚目の記録紙に対し1番目の作像ユニット10を用い、2枚目の記録紙に対し2番目の作像ユニット10を用い、これを繰り返すことで、ある程度均等にトナーを消費させることが可能である。
【0122】
<第2の実施形態>
第1の実施形態に係る画像形成装置は、転写ベルトにより搬送される被転写体としての記録紙に各色の画像を多重転写する構成であったが、第2の実施形態に係る画像形成装置は、被転写体としての中間転写ベルトに各色のトナー像を多重転写し、多重転写後の画像を一括してシート(例えば記録紙)上に転写する、いわゆる中間転写方式の構成である。
【0123】
さらに、第2の実施形態に係る画像形成装置は、作像ユニットに代えて、スロットに、中間転写ベルト上の残留トナーを回収するための廃トナー回収ユニットを着脱可能な構成である。
以下、説明の都合上、第1の実施形態に係る画像形成装置と共通の構成部分についてはその説明を省略するか簡略するにとどめ、上記相違点を中心に第2の実施形態に係る画像形成装置を説明する。
【0124】
(1)プリンタの構成
図19は、第2の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
同図に示すように、第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ200は、M、C、Kの各色のそれぞれに対応する作像ユニット210M´,210C´,210Kと、矢印方向に回転する中間転写ベルト225を備える中間転写部220と、給送部230と、定着部240と、制御部300とを備える。プリンタ200は、LAN等のネットワークに接続されており、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいて画像形成を実行する。
【0125】
作像ユニット210M´,210C´,210Kは、中間転写ベルト225に対向させるようにして、当該中間転写ベルト225に沿って回転方向上流側(以降、単に「上流側」という)から回転方向下流側(以降、単に「下流側」という)に向け、210M´、210C´、210Kの順序で所定間隔をあけ直列に配置されている。以下、Y、M、C、Kの各色に関連する構成部分の符号に、必要な場合にのみ「Y」、「M」、「C」、「K」の文字を付加し、それ以外の場合は省略する。
【0126】
各作像ユニット210は、像担持体としての感光ドラム211並びに、当該感光ドラム211の周囲に配置された帯電器212、像露光装置213、現像器214およびクリーナ215を備える。各作像ユニット210は、感光ドラム211の軸216によってプリンタ本体203に対し位置決めされている。
中間転写部220は、駆動ローラ221と、従動ローラ222と、テンションローラ223と、感光体ドラム211と対向する一次転写ローラ224と、各ローラ221,222,223に張架される中間転写体としての中間転写ベルト225などを備えている。
【0127】
給送部230は、記録紙を収容する給紙カセット231と、給紙カセット231内の記録紙を1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ232と、繰り出された記録紙を搬送する一対の搬送ローラ233と、二次転写位置に記録紙を送り出すタイミングをとるための一対のタイミングローラ234と、二次転写ローラ235などを備えている。
制御部300は、外部の端末装置からプリント指示を受けると、送信されて来る画像信号を受信して、これをM、C、K色用のデジタル画像信号に変換し、露光部213を駆動させるための駆動信号を生成する。露光部213は、制御部300からの駆動信号を受けて画像形成のためのレーザ光を発し、感光体ドラム211上を主走査方向に露光走査させる。
【0128】
感光体ドラム211は、前記露光を受ける前にクリーナ215で表面の残存トナーが除去され、不図示のイレーサランプに照射されて除電された後、帯電器212により一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で上記レーザ光による露光を受けると、感光体ドラム211の表面に静電潜像が形成される。
各静電潜像は、それぞれ各色の現像器214により現像され、これにより感光体ドラム211表面にM、C、K色の現像剤像としてのトナー像が作像され、各一次転写位置において中間転写ベルト225の裏面側に配設された一次転写ローラ224に印加された電圧により生じる静電力により、回転する中間転写ベルト225上に一次転写される。
【0129】
この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト225上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。これにより、トナー像は、下からM、C、Kの順に重ねられることになる。中間転写ベルト225上の重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト225の回転により二次転写位置に移動する。この意味で、作像ユニット210M´,210C´,210Kと中間転写部220とは、作像手段として機能するものである。一方、中間転写ベルト225の移動タイミングに合わせて、給送部230からは、タイミングローラ234を介して記録紙が給送されて来ており、その記録紙は、回転する中間転写ベルト225と二次転写ローラ235の間に挟まれて搬送され、二次転写位置において、二次転写ローラ235に印加された電圧により生じた静電力によって、中間転写ベルト225上のトナー像が記録紙上に二次転写される。トナー像は、中間転写ベルト225上では下からM、C、Kの順になっているので、記録紙上では下から K、C、Mの順になり、K色のトナー像が最下層に位置することになる。このように記録紙上でK色のトナー像を最下層に位置する状態にすることで色再現性をより向上させることができる。
【0130】
二次転写位置を通過した記録紙は、定着部240に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧されて記録紙に定着された後、一対の排出ローラ241を介して排出トレイ242上に排出される。
プリンタ1は、クリーナ250を備える。クリーナ250は、転写後の中間転写ベルト225上の残留トナーを掻き取るためのブレード251と、掻き取った廃トナーを収容するための収容部252を備える。
【0131】
ブレード251の軸253は、図示しない歯車等からなる動力伝達機構を介して切換モータ254の回転軸と連結されている。切換モータ254は、制御部300に接続されており、制御部300は、切換モータ254を回転駆動させることにより、ブレード251を図19に示す矢印方向に移動させ中間転写ベルト225に当接する位置と中間転写ベルト225から離間する位置とに切り換える。
【0132】
また、クリーナ250には、回収されているトナーの量を検知するための回収トナー検出センサ255(図21参照)が設けられており、収容部252に回収されているトナーの量に応じた信号が出力されるようになっている。
なお、回収トナー検出センサ255には、例えば公知の液面センサを用いることができる。また、収容部252を下側からコイルバネ(不図示)などの弾性体で支えておき、溜まった廃トナーの重みで下がった収容部252の高さ位置を、回収トナー検出センサ255としての光学センサで検知する構成でもよい。
【0133】
スロット206の1つには、廃トナー回収ユニット260が装着されている。廃トナー回収ユニット260は、作像ユニット210と外観の形状およびその大きさが略同じになっており、どのスロット206にも装着できるようになっている。
図20は、廃トナー回収ユニット260の概略構成を示す図である。同図に示すように、廃トナー回収ユニット260は、中間転写ベルト225上の廃トナーを掻き落とすブレード261と、ブレード261が掻き落とした廃トナーを貯めておく収容部262とを備える。なお、収容部262は、ユーザによる交換が可能になっている。
【0134】
ブレード261の軸(不図示)は、図示しない歯車等からなる動力伝達機構を介して切換モータ263の回転軸と連結されている。切換モータ263は、制御部300に接続されており、制御部300は、切換モータ263を回転駆動させることにより、ブレード261を図20の実線および破線の位置に移動させることができる。ここで、ブレード261の破線の位置は、ブレード261の先端が中間転写ベルト225に当接する位置であり、実線の位置は、ブレード261の先端が中間転写ベルト225から離間している位置を示す。
【0135】
中間転写ベルト225上の残留トナーは、ブレード261が破線の位置にあるときに当該ブレード261により掻き取られ、掻き取られたトナーは、収容部262の内部に収容される。
また、廃トナー回収ユニット260には、回収されているトナーの量を検知するための回収トナー検出センサ264(図21参照)が設けられている。回収トナー検出センサ264は、基本的にクリーナ250の回収トナー検出センサ255と同機能を有するものであり、収容部252に回収されているトナーの量に応じた信号が出力されるようになっている。
【0136】
回収トナー検出センサ264による検出信号は、制御部300に送られる。制御部300は、回収トナー検出センサ264からの検出信号により、廃トナー回収ユニット260にどれだけの量のトナーが回収されているか、さらにトナーを回収可能かどうかを判断できる。
なお、回収トナー検出センサ264としては、公知の液面センサや光電センサ、嵩センサ等を用いることができ、収容部252に収容されているトナーの量に応じた信号が出力されるようになっている。
【0137】
廃トナー回収ユニット260には、自己が廃トナーを回収するユニットであることを示す識別信号、例えば3ビットの信号で「111」などを出力する出力端子265を有している。この出力端子265は、廃トナー回収ユニット260が装着されたスロット206のユニット接続端子207と電気的に接続される。これにより、作像ユニット210がスロット206に装着された場合と同様に、出力端子265から出力される識別信号が制御部300に送られることになる。
【0138】
図21は、第2の実施形態に係る制御部300の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部300は、主な構成要素として、CPU301と、通信インターフェース(I/F)部302と、画像処理部303と、画像メモリ304と、LD駆動部305と、RAM306と、ROM307と、ユニット検知部308とを備え、バス310を介してデータをやりとりできるようになっている。
【0139】
制御部300の各構成要素は、基本的に、第1の実施形態に係る制御部100の同名の構成要素と同じ機能を有する。さらに、制御部300のユニット検知部308(図21参照)は、作像ユニット210だけでなく、廃トナー回収ユニット260からの識別信号を受信し、その信号に示される3ビットの情報を読み取ることで廃トナー回収ユニット260がどのスロット206に装着されているのかを検出することができる。
【0140】
廃トナー回収ユニット260を装着する場合にどの作像ユニット210と組み合わせて使用できるのかについては、図5の表の「廃トナー用」欄に丸印が付されている各欄に示される組み合わせとして予め決められている。例えば、欄1004であれば、作像ユニット210M´、210C´、210K、廃トナー回収ユニット260の組み合わせになる(図19の例)。
【0141】
(2)制御部300によるクリーニング処理
図22は、制御部300によるクリーニング処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、1枚の記録紙に対する印刷が行われる毎に実行される。
同図に示すように、クリーナ250が残留トナーを回収できない状態(以下、「飽和状態」という。)であるか否かを判断する(ステップS131)。この判断は、回収トナー検出センサ255からの検出信号に基づいて行われる。
【0142】
飽和状態でない場合は(ステップS131で「NO」)、クリーナ250を使用してクリーニングを行う(ステップS132)。
一方、クリーナ250が飽和状態の場合は(ステップS131で「YES」)、廃トナー回収ユニット260が装着されているか否かを判断し(ステップS133)、装着されている場合は(ステップS133で「YES」)、廃トナー回収ユニット260が飽和状態か否かを判断する(ステップS134)。飽和状態でないと判断した場合(ステップS134で「NO」)、廃トナー回収ユニット260を使用してクリーニングを行う(ステップS135)。
【0143】
ステップS133に戻って、廃トナー回収ユニット260が装着されていない場合は(ステップS133で「NO」)、クリーナ250の交換または廃トナー回収ユニット260の装着を促すメッセージを操作パネル205に表示し(ステップS136)、ステップS131に戻る。
また、ステップS134に戻って、廃トナー回収ユニット260が飽和状態の場合は(ステップS134で「YES」)、クリーナ250の交換または廃トナー回収ユニット260の交換を促すメッセージを操作パネル205に表示し(ステップS137)、ステップS131に戻る。この意味で、制御部300は、当該クリーニング処理を実行するときに、クリーナ250と廃トナー回収ユニット260とを切り換える切換手段として機能するものといえる。
【0144】
なお、上記説明では、主としてクリーナ250でクリーニングを行い、クリーナ250が飽和状態になったときに予備としての廃トナー回収ユニット260を使用する構成であったが、主として廃トナー回収ユニット260でクリーニングを行い、予備としてクリーナ250を使用する構成であってもよい。
(3)制御部300による別のクリーニング処理
上記クリーニング処理では、クリーナ250が飽和状態になると次に廃トナー回収ユニット260を使用するとしたが、使用順はこれに限定されない。例えば、クリーナ250と廃トナー回収ユニット260のトナー回収量が同じになるように双方を交互に使用する構成としても良い。
【0145】
図23は、制御部300による別のクリーニング処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、1枚の記録紙に対する印刷が行われる毎に実行される。
同図に示すように、クリーナ250が飽和状態であるか否かを判断し(ステップS141)、飽和状態でない場合は(ステップS141で「NO」)、さらに廃トナー回収ユニット260が装着されているか否かを判断し(ステップS142)、装着されている場合は(ステップS142で「YES」)、廃トナー回収ユニット260が飽和状態か否かを判断する(ステップS143)。飽和状態でないと判断した場合(ステップS143で「NO」)、クリーナ250および廃トナー回収ユニット260のいずれを用いるかを決め、決めた方を使用してクリーニングを行う(ステップS144)。
【0146】
クリーナ250および廃トナー回収ユニット260の両方を使用してクリーニングを行う場合は(ステップS144)、まず、クリーナ250の廃トナー収容部252の飽和レベルをA(0〜100)、廃トナー回収ユニット260の収容部262の飽和レベルをB(0〜100)とする。それぞれ0が空状態、100が飽和状態である。なお、収容部262の飽和レベルは、それぞれ液面センサを使用して検知したり、収容部262の下側にコイルバネ(不図示)を設け、収容部262に廃トナーが溜まって収容部が下がるのを光学センサで検知したりする方法が考えられる。
【0147】
もしA≦Bの状態であれば、クリーナ250のブレードを中間転写ベルト225に圧接してクリーナ250でクリーニングを行う。一方、A>Bの状態であれば、クリーナ250のブレード251を中間転写ベルト225から離簡させて廃トナー回収ユニット260でクリーニングを行う。
そして、クリーナ250の収容部252が飽和レベルに達したら、クリーナ250の廃トナーが飽和状態であることを操作パネル205に表示して、ユーザに収容部252の交換を促す。同様に、廃トナー回収ユニット260の収容部262が飽和レベルに達したら、廃トナー回収ユニット260の収容部262が飽和状態であることを操作パネル205に表示して、ユーザに収容部262の交換を促す。
【0148】
ステップS142に戻って、廃トナー回収ユニット260が装着されていない場合は(ステップS142で「NO」)、クリーナ250を使用してクリーニングが行われる(ステップS145)。
ステップS143に戻って、廃トナー回収ユニット260が飽和状態であると判断した場合(ステップS143で「YES」)、廃トナー回収ユニット260の交換を促すメッセージを操作パネル205に表示されるとともに(ステップS146)、クリーナ250を使用してクリーニングが行われる(ステップS145)。
【0149】
ステップS141に戻って、クリーナ250が飽和状態であると判断した場合(ステップS141で「YES」)、さらに廃トナー回収ユニット260が装着されているか否かを判断し(ステップS147)、装着されている場合は(ステップS147で「YES」)、廃トナー回収ユニット260を使用してクリーニングが行われる(ステップS148)。
【0150】
一方、廃トナー回収ユニット260が装着されていないと判断した場合(ステップS147で「NO」)、クリーナ250の交換または廃トナー回収ユニット260の装着を促すメッセージを操作パネル205に表示する(ステップS149)。
このように作像ユニット210に代えて廃トナー回収ユニット260を装着可能とすることにより、クリーナ250の収容部252が飽和状態になってもその時点で収容部252を交換する必要がなくなり、クリーナ250だけを備える構成に比べて、収容部252の交換作業の回数が減り、メンテナンス性が向上する。
【0151】
なお、上記では、制御部300がクリーナ250と廃トナー回収ユニット260のいずれを用いるかを決めるとしたが、例えばその使用方法の指定をユーザから受け付けるための画面(不図示)を操作パネル205に表示し、当該画面において指定された使用方法によりクリーナ250と廃トナー回収ユニット260を切り換えてトナー除去を行う処理を実行するとしても良い。この場合、制御部300は、当該処理を実行するときにクリーナ250と廃トナー回収ユニット260の使用方法の指定を受け付ける受付手段として機能すると共に、受け付けた使用方法に応じてクリーナ250と廃トナー回収ユニット260を切り換えて使用する切換手段として機能するものといえる。
【0152】
なお、上記では、クリーニング処理を1枚の記録紙への画像形成が実行される毎に行うとしたが、実行タイミングはこれに限られない。例えば、複数枚、1ページまたは複数ページに対する画像形成が実行される毎、1つまたは複数のジョブが終了する毎などのタイミングで実行するとしても良い。
さらに、図22に示すクリーニング処理と図23に示すクリーニング処理とを別々の装置に用いるとしたが、例えば1つの装置において各処理をユーザが操作パネル205または外部端末から任意に選択できる構成にするとしても良い。
【0153】
図24は、別の廃トナー回収ユニット270の概略構成を示す図である。
同図に示すように、廃トナー回収ユニット270は、中間転写ベルト225上に残留した廃トナーを再帯電させるための帯電ローラ271と、中間転写ベルト225上の廃トナーが転写される回収ローラ272と、回収ローラ272を帯電させるための帯電器273と、回収ローラ272に転写された廃トナーを回収部274へ掻き落とすためのブレード275と、当該ブレード275を掻き落とし位置および非掻き落とし位置に切り換える切換モータ276と、出力端子277とを備える。
【0154】
廃トナー回収ユニット270の廃トナー回収のメカニズムを以下に説明する。まず、2次転写後に中間転写ベルト225上に残留する廃トナーの持つ電荷はブロード分布しているため、帯電ローラ271を用いて前記廃トナーを強制的に負極へ帯電させる。当該廃トナーは転写ローラ224と回収ローラ272とで挟まれた領域へ搬送される。回収ローラ272は帯電器273により正極へ帯電させられているため、転写ローラ224に負極のバイアスを印加すれば廃トナーが回収ローラ272へ転写される。そして、回収された回収ローラ272上の廃トナーは、前記回収ローラ272上からブレード275によって掻き落とされ廃トナー収容部に収容される。
【0155】
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)各画像形成モードにおいて、どの作像ユニットがどのスロットに装着されるのが最適であるのかを予め決めておけば、装着されている作像ユニットの組み合わせにおいて、当該最適な状態になるように、ユーザに対し作像ユニットの入れ換えの指示、例えば「1番スロットと2番スロットに装着されている各作像ユニットを入れ換えてください」という旨のメッセージを操作パネルに表示させ、作像ユニットの入れ換えを促すようにすることもできる。
【0156】
電子写真方式の画像形成装置においては、画質上好ましい色重ね順序がある。例えば、作像ユニットは、上流側から順番に、K、C、MおよびYの順序であることが好ましいため、その順序になっていなければ、作像ユニットの装着位置の変更を促すメッセージあるいはサインを操作パネルに表示してもよい。
また、フルカラー用の作像ユニットと擬似フルカラー用の作像ユニットとを組み合わせて使用するのは画質を考慮すると好ましくないため、フルカラーモード用の作像ユニットと擬似フルカラーモード用の作像ユニットとが装着されている場合は、操作パネルに作像ユニットの交換を促すメッセージを表示することが考えられる。具体的には、Y、M、C´、Kの各色用の作像ユニットが装着されている場合などである。
【0157】
なお、ユーザに知らせることができれば、上記指示の出力はメッセージ表示に限られることはない。例えば、音声出力する方法、ジョブの要求元の端末装置等に出力し、そのディスプレイ上に表示させる方法等をとることもできる。
(2)上記実施の形態では、実行可能な画像形成モードを示す情報を操作パネルにメッセージ表示させるとしたが、ユーザに知らせることができれば、当該情報の出力方法は、これに限られない。例えば、上記のように当該情報を音声出力する方法等をとることもできる。
(3)上記実施の形態では、作像ユニットを装着するためのスロット(格納部)を4個設けた構成例を説明したが、格納部の数はこれに限られない。例えば、5個以上とすることができる。この場合、例えばM´色用の作像ユニットを1つ、C´色用の作像ユニットを2つ、K色用の作像ユニットを2つ装着することができる。2つのC´色用の作像ユニットを上記のように切り換えて使用すれば,C´色用の作像ユニットの交換サイクルが伸び、それだけユーザにとって交換に要する手間が少なくなる。
【0158】
また、上記では、全での作像ユニットを各スロットに着脱可能としたが、例えばM、C、K色用の作像ユニットについては、各スロットに固定的に配置し、残りのスロットに、別の作像ユニットをユーザによる着脱が可能になるように構成しても良い。少なくとも擬似フルカラーモードを実行でき、Y色用の作像ユニットが別のスロットに装着されればフルカラーモードの実行も可能になる。
(4)上記実施の形態では、本発明をプリンタに適用した場合の例を説明したが、画像形成装置としては、プリンタに限られず、複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
【0159】
また、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
<画像形成方法>
本発明は、画像形成装置に限られず、上記擬似フルカラーモード等における画像形成方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0160】
また、本発明に係るプログラムは、上記に説明した処理をコンピュータに実行させるための全てのモジュールを含んでいる必要はなく、例えば通信プログラムやオペレーティングシステム(OS)に含まれるプログラムなど、別途情報処理装置にインストールすることができる各種汎用的なプログラムを利用して、本発明の各処理をコンピュータに実行させるようにしても良い。従って、上記した本発明の記録媒体に必ずしも上記全てのモジュールを記録している必要はないし、また必ずしも全てのモジュールを伝送する必要もない。さらに所定の処理を専用ハードウェアを利用して実行させるようにすることができる場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリやそれら複合機などの電子写真方式による画像形成装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す図である。
【図2】作像ユニット10の概略構成を示す図である。
【図3】作像ユニット10Yに代えて作像ユニット10Kをスロット6に装着した例を示す図である。
【図4】一部のスロット6に作像ユニット10が装着されていない例を示す図である。
【図5】L*a*b*表色系におけるM、C色のトナーの色度点を示す色度図である。
【図6】作像ユニット10の組み合わせと実行可能な画像形成モードの関係を示す図である。
【図7】制御部100の構成を示すブロック図である。
【図8】画像処理部103の構成を示すブロック図である。
【図9】制御部100で実行されるプリントジョブの内容を示すフローチャートである。
【図10】モード表示処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】選択可能な画像形成モードが表示された操作パネル5のメッセージ画面111を示す図である。
【図12】ユニット決定処理1の内容を示すフローチャートである。
【図13】ユニット決定処理2の内容を示すフローチャートである。
【図14】ユニット決定処理3の内容を示すフローチャートである。
【図15】ユニット決定処理4の内容を示すフローチャートである。
【図16】変形例に係るユニット決定処理1の内容を示すフローチャートである。
【図17】変形例に係るプリント処理の内容を示すフローチャートである。
【図18】1枚の記録紙について、各作像ユニット10に対し割り当てられた画像形成領域の様子を示す模式図である。
【図19】第2の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図20】廃トナー回収ユニット260の概略構成を示す図である。
【図21】第2の実施形態に係る制御部300の構成を示すブロック図である。
【図22】制御部300によるクリーニング処理の内容を示すフローチャートである。
【図23】制御部300による別のクリーニング処理の内容を示すフローチャートである。
【図24】別の廃トナー回収ユニット270の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0163】
1,200 画像形成装置
6,206 格納部
10(10Y,10M,10C,10K),210 作像ユニット
225 被転写体
250 クリーナ
260,270 廃トナー回収ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式による画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タンデム方式の画像形成装置は、転写ベルトに沿って配列されたイエロー、シアン、マゼンタおよびブラック色用の作像ユニットを備え、それぞれの作像ユニットで作像される4色のトナー像を、転写ベルト若しくは転写ベルトにより搬送される記録紙に多重転写して、減法混色によりカラー画像を形成する。このような画像形成装置は、一回の通紙でカラー画像を形成することができるため画像形成処理が高速である。
【非特許文献1】編者 電子写真学会 「続 電子写真技術の基礎と応用」 発行者 株式会社コロナ社 1996年11月15日 P.55
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、画像形成装置で形成するカラー画像の画質向上が目覚しい。しかし、高画質のカラー画像が常に必要とされる環境は必ずしも多くはなく、必要なときにだけ高画質のカラー画像が得られれば、それ以外のときには多少画質の劣るカラー画像であっても低コストである方が好ましいといったユーザニーズも存在する。
本発明は、上記した課題に鑑み、低コストでカラー画像を形成可能であると共に、必要に応じて高画質のカラー画像も形成可能である画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、複数の作像ユニットを備え、それぞれの作像ユニットで作像される各色のトナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置であって、作像ユニットを格納するための格納部を4個以上備え、第1の格納部にマゼンタ色用の第1の作像ユニットが格納され、第2の格納部にシアン色用の第2の作像ユニットが格納され、第3の格納部にブラック色用の第3の作像ユニットが格納されている場合に、前記複数の作像ユニットとして第1〜第3の作像ユニットのみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
このようにマゼンタ,シアン,ブラックの3色によるカラー画像の形成を可能とすれば、イエローを含む4色とする場合に比べて、使用するトナーの種類が少なくなる分だけコストを下げることができる。そして、空きの格納部が少なくとも1つ設けられており、例えばユーザによりその空きの格納部にイエロー色用の作像ユニットが装着されたときに、4つの作像ユニットを用いて4色のカラー画像を形成できるように構成すれば、ユーザは、4色による高画質の画像を得るという効果と、3色による低コスト化を図れるという効果とを選択的に享受することが可能になる。
【0006】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、第1〜第3の作像ユニットそれぞれが第1〜第3の格納部に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする。
このようにすれば、ユーザは、第1〜第3の作像ユニットをユニット単位で交換することができ、交換作業が簡易になる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、第1〜第3の作像ユニットとは別の第4の作像ユニットが、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
このようにすれば、第4の作像ユニットもユニット単位で交換することができる。さらに作像ユニットの組み合わせバリエーションが多くなり、より使用環境に適した組み合わせが可能である。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、第4の作像ユニットがマゼンタ色用、シアン色用およびブラック色用のいずれかのものであり、第4の格納部に第4の作像ユニットが格納されている場合には、同じ色用の複数の作像ユニットについては、これらを切り換えて使用することを特徴とする。
【0008】
このようにすれば、使用頻度の多い色の作像ユニットを複数個装着しておくことができ、ユニット交換の回数を減らしてメンテナンスの手間を省くことができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記同じ色用の複数の作像ユニットのうち、1つの作像ユニットを用いて当該色の現像を行い、当該1つの作像ユニットによる現像が不可能になると、別の作像ユニットに切り換えて当該色の現像を行うことを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、前記1つの作像ユニットによる現像が不可能になった時点で、それに代わる作像ユニットを用意する必要が生じたことを知ることができ、別の作像ユニットで現像を行っている間に、現像が不可能になった前記1つの作像ユニットに代わる作像ユニットを用意したり、さらには交換したりすることができる。したがって、作像ユニットに起因する画像形成の中断が起こり難い。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記同じ色用の複数の作像ユニットを交互に切り換えることを特徴とする。
このようにすれば、同じ色用の複数の作像ユニットが略同じ時期に現像不可能な状態に移行し易く、ユニットの交換等を一度にまとめてすることができるようになりメンテナンスの手間を軽減できる。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記被転写体は、記録のためのシートであり、シート1枚ごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする。
このようにすれば、1枚のシートに対し1つの作像ユニットが用いられるため、ユニットの切り換えによるズレ等で画像が乱れることがない。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記被転写体は、記録のためのシートであり、シート1枚に対する画像形成領域を複数の部分領域に分けたときに、各部分領域ごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする。
【0012】
このようにすれば、同じ色用の複数の作像ユニットについて、トナーをより均等に消費させることができ、各ユニットが同時期に現像不可能な状態に移行し易くなる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記カラー画像の形成は、ジョブ単位で実行され、1つのジョブごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする。
【0013】
このようにすれば、作像ユニットの切り換え制御をより簡単にすることができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記同じ色用の複数の作像ユニットに対し、その使用方法の選択入力を受け付け、受け付けた使用方法に基づいて、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする。
このようにすれば、例えばユーザは、希望する使用方法を使い分けることができる。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、イエロー色用の第4の作像ユニットが、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に対し着脱可能に構成されており、第4の格納部に第4の作像ユニットが格納されている場合には、前記画像形成モードに代えて、第1〜第4の4つの作像ユニットを用い、カラー画像を形成する別の画像形成モードの実行することを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、マゼンタ,シアン,ブラックの3色による低コストのカラー画像を形成可能であると共に、必要に応じてイエロー、マゼンタ,シアン,ブラックの4色による高画質のフルカラー画像も形成可能になる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に、前記1つの像担持体上の残留トナーを回収する廃トナー回収ユニットが着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
このようにすれば、廃トナー回収ユニットによって像担持体上の残留トナーを回収することができるため、より画質が向上する。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記各格納部とは別の位置に、前記1つの像担持体上の残留トナーを回収するクリーナを備え、第4の格納部に前記廃トナー回収ユニットが格納されている場合には、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットとを切り換えて使用することを特徴とする。
【0017】
このようにすれば、クリーナと廃トナー回収ユニットの両方で残留トナーを回収することができ、除去機能がより高くなる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記クリーナによる残留トナーの回収動作の間には、前記廃トナー回収ユニットによる残留トナーの回収を中止し、前記クリーナによる残留トナーの回収が不可能になると、前記廃トナー回収ユニットによる残留トナーの回収動作を開始することを特徴とする。
【0018】
このようにすれば、主としてクリーナで残留トナーが回収されるため、廃トナー回収ユニットを作像ユニットと交換しても支障が生じ難い。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットとを交互に切り換えて使用することを特徴とする。
このようにすれば、クリーナと廃トナー回収ユニットとが、略同じ時期に回収不可能な飽和状態になり易く、例えばユーザがクリーナと廃トナー回収ユニットにより回収されたトナーを除去する作業を行う構成の場合に、その作業をクリーナと廃トナー回収ユニットについて一度のまとめて行うことができ、メンテナンスの手間を軽減できる。
【0019】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットの使用方法の選択入力を受け付け、受け付けた使用方法に応じて、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットを切り換えることを特徴とする。
このようにすれば、ユーザが使用状況に合わせて使用方法を適宜切り換えることができるため、使い勝手が良くなる。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記マゼンタ色用の作像ユニットには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用マゼンタのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用マゼンタのトナーが収容され、かつ/または、前記シアン色用の作像ユニットには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用シアンのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用シアンのトナーが収容されていることを特徴とする。
【0021】
このようにすれば、マゼンタ,シアン,ブラック色用の作像ユニットのみで形成したカラー画像であっても、イエロー、マゼンタ,シアン,ブラックの4色の作像ユニットで形成したフルカラー画像に近い画質のカラー画像を形成することができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、カラー画像の形成前に、格納されている作像ユニットの中の、カラー画像を形成可能な作像ユニットの組み合わせごとに、その組み合わせに対応する画像形成モードを求め、求めた画像形成モードを示す情報を出力することを特徴とする。
【0022】
このようにすれば、ユーザは、画像形成の前に実行可能な画像形成モードを知ることができ、画質およびコストを考慮して使用目的に適した方法で画像を形成することが可能になる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記出力された情報に示される画像形成モードの中からユーザが希望するものの指定を受け付けると、前記画像形成モードに代えて、指定された画像形成モードを実行することを特徴とする。
【0023】
このようにすれば、ユーザは、自己の希望する画像形成モードで画像を形成することができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記出力された情報に示される画像形成モードが複数ある場合には、前記指定の受付けを行い、1つの場合には、前記指定の受け付けを行わず、前記画像形成モードに代えて、当該1つの画像形成モードを実行することを特徴とする。
【0024】
このようにすれば、画像形成モードに選択の余地がないときには、ユーザの指定を待つ時間が発生しないため、より迅速かつ手間をかけずに画像を形成することができる。
また、本発明に係る画像形成装置の特定の局面では、前記求めた画像形成モードが1つの場合には、前記出力を行わず、前記画像形成モードに代えて、当該1つの画像形成モードを実行することを特徴とする。
【0025】
このようにすれば、前記出力に関する制御を省略することができ、制御をより簡単にすることができる。
本発明に係る画像形成方法は、複数の作像ユニットを用いて1つの像担持体上に異なる色のトナー像を順次形成し、形成された各トナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、作像ユニットを格納するための4個以上の格納部のうち、第1の格納部にマゼンタ色用の第1の作像ユニットが格納され、第2の格納部にシアン色用の第2の作像ユニットが格納され、第3の格納部にブラック色用の第3の作像ユニットが格納されている場合に、前記複数の作像ユニットとして第1〜第3の作像ユニットのみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行することを特徴とする。
【0026】
このようにすれば、イエローを含む4色とする場合に比べて、使用するトナーの種類が少なくなる分だけコストを下げることができる。また、例えば空きの格納部にイエロー色用の作像ユニットが装着されたときには、4色による高画質の画像を得るという効果と、3色による低コスト化を図れるという効果とを選択的に享受することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
(1)画像形成装置の構成
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置は、電子写真方式のフルカラータンデム型のカラーデジタルプリンタ1(以下、単に「プリンタ1」という。)であって、LAN等のネットワークに接続されており、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色のトナーを用いてカラー画像を形成する。
【0028】
プリンタ1は、Y、M、C、Kの各色トナー像を形成する4つの作像ユニット10Y,10M,10C,10Kを備える。これら作像ユニット10Y,10M,10C,10Kは、転写ベルト2に対向させるようにして、当該転写ベルト2に沿って回転方向上流側(以降、単に「上流側」という)から回転方向下流側(以降、単に「下流側」という)に向け、10K、10C、10M、10Yの順序で所定間隔をあけ直列に配置されている。以下、Y、M、C、Kの各色に関連する構成部分の符号には、必要な場合にのみ「Y」、「M」、「C」、「K」の文字を付加し、それ以外の場合は省略する。
【0029】
図2は、作像ユニット10の概略構成を示す図である。
図2に示すように、作像ユニット10は、像担持体としての感光ドラム11並びに、当該感光ドラム11の周囲に配置された帯電器12、像露光装置13、現像器14およびクリーナ15を備える。各作像ユニット10には、感光ドラム11の軸16によってプリンタ本体3に対し位置決めされている。
【0030】
転写ベルト2は、絶縁性樹脂製のシート材で形成されており、駆動ローラ4を含む複数のローラに掛け回し配置されている。当該転写ベルト2は、駆動手段(不図示)で駆動ローラ4を回転させることによって、図1における矢印で示す方向に回転駆動する。
プリンタ1は制御部100を有する。制御部100は、外部の端末装置から送信されるプリントジョブのための画像信号を受信し、この信号に必要な処理を加えて画像データを生成し、この画像データを各作像ユニット10駆動用の駆動信号に変換する。
【0031】
各作像ユニット10は、制御部100からの駆動信号を受信すると、帯電器12で感光ドラム11の表面を帯電させ、像露光装置13でその表面に静電潜像を形成し、現像器14でその静電潜像を現像してY、M、C、Kの各色のトナー像を形成する。
転写ベルト2の下方には、被転写体としてのシート(例えば記録紙)を収納したカセット21が配置されている。記録紙は、給紙ローラ22により取り出され、搬送ローラ23によりレジストローラー24まで搬送される。レジストローラー24は、搬送されてくる記録紙を一旦停止させ、斜行等を補正した後、所定のタイミングをとって転写ベルト2に送り出す。
【0032】
転写ベルト2の内側には、感光体ドラム11と対向する位置にそれぞれ転写帯電器25が配置されている。転写ベルト2に送り出された記録紙は、吸着帯電手段(不図示)により転写ベルト2に静電吸着され、前記転写ベルト2により感光ドラム11と転写帯電器25とが対向する転写位置に搬送される。各転写位置では、転写帯電器25で転写ベルト2を内側から帯電させ、搬送されてきた記録紙に感光ドラム11上のトナー像を順次転写する。
【0033】
4色のトナー像が多重転写された記録紙は、分離帯電器26で除電され転写ベルト2から分離され、一対の定着ローラ27,28まで搬送される。定着ローラ27,28は、一方がヒーター(不図示)によって加熱されており、その熱によって記録紙上のトナーが熱溶融する。これにより4色のトナー像が記録紙上に定着し、フルカラーの定着画像が形成される。最後に、フルカラー画像が形成された記録紙は、プリンタ本体3の外部に設けられた排紙トレイ29上に排出される。
【0034】
上述した通り、作像ユニット10は、転写ベルト2に沿って上流側から下流側に向けて10K、10C、10M、10Yの順に配置されているため、記録紙上で各色のトナー像が重ね合わされると、K色が最下層で、その上にC、M、Y色のトナー像が位置する状態になる。このようにK色を最下層に位置させることによって、その上に位置するC、M、Y色のトナーがより熱溶融しやすくなり、発色が良くなって色再現性が向上する。
【0035】
後述するように、ユーザは、操作パネル5から希望の画像形成モードを選択できるようになっている。ここで、前記画像形成モードとしては、フルカラーモード、擬似フルカラーモードおよびモノクロモードがある。
フルカラーモードとは、色再現性を重視した画像形成モードであり、Y、M、C、Kの4色によるカラーの画像形成、またはY、M、Cの3色によるカラーの画像形成を実行する画像形成モードである。なお、Y、M、Cの3色カラーの場合には、Y、M、C色の混色によりK色が再現される。
【0036】
擬似フルカラーモードとは、カラーの画像形成において色再現性よりもコストおよび速度の方を重視した画像形成モードであり、Y色を除くM、C、Kの3色によるカラーの画像形成またはM、Cの2色によるカラーの画像形成を実行する画像形成モードである。4色カラーよりも色数が少ない分だけ色再現性は低下するが、1枚の記録紙に対し使用されるトナーの消費量を低減できる。当該擬似フルカラーモードは、例えば、会社のオフィスなどではグラフなどの図表を厳密にフルカラーで再現できなくてもカラーで表現できれば十分という場合などに用いられる。
【0037】
擬似フルカラーモードで用いない色をY色とした理由は、Y色は他の色に比べて再現画像への影響が少なく、色再現性の低下を最小限に抑えることができるからである。一方、K色を残すことにしたのは、ビジネス文書などの黒色文字をY、M、Cの混色による黒色よりもきれいに再現できるからである。M、Cの2色カラーの場合、M、C、Kの3色カラーよりも色再現性が低下することは否めないが、コスト的にはより有利になる。
【0038】
モノクロモードとは、K色によるモノクロの画像形成を実行する画像形成モードである。
なお、本実施の形態では画像形成モードをフルカラーモード、擬似フルカラーモードおよびモノクロモードの3種類設定しているが、それらに限定する必要はなく他の画像形成モードを設けてもよい。
【0039】
(2)作像ユニットの着脱について
プリンタ本体3には、格納部としてのスロット6が4箇所に設けられており、それらスロット6に各作像ユニット10が着脱可能に装着されている。ユーザは、例えばある作像ユニット10のトナーがなくなった場合など、必要に応じて、任意の装着済み作像ユニット10を取り出し新たな作像ユニット10を装着して、容易にユニット交換をすることができる。
【0040】
作像ユニット10の着脱は、ユーザが外装カバー(不図示)を開けて、スロット6に格納されている作像ユニット10を装置手前側に引き出す、または作像ユニット10を装置奥側に押し込むことによって行う。もちろん、着脱可能であれば、この構成に限られることはない。
各作像ユニット10は、出力端子17を有する。出力端子17からは、どの色対応のものであるのかを示す識別信号が、例えば3ビットの信号で、例えば作像ユニット10Yは「001」、10Mは「010」、10Cは「011」、10Kは「100」という具合に出力される。
【0041】
一方、各スロット6には、それぞれユニット接続端子7が設けられている。1つのスロット6に1つのユニット接続端子7が対応しており、各ユニット接続端子7は、作像ユニット10がスロット6に装着されると、当該作像ユニット10の出力端子17と電気的に接続され、当該出力端子17から出力される識別信号を制御部100に送信する。
制御部100の(図7参照)は、ユニット接続端子7を介して各作像ユニット10の識別信号を受信すると、その識別信号により示される3ビットの情報から、どのスロット6にどの作像ユニット10が装着されているのかを判断する。具体的には、例えばあるスロット6の識別信号が「001」であった場合には、そのスロット6に作像ユニット10Yが装着されていると判断する。
【0042】
各作像ユニット10は、基本的に同じ形状になっているので、ユーザは、任意のスロット6に任意の作像ユニット10を装着することができる。
図3は、作像ユニット10Yに代えて作像ユニット10Kをスロット6に装着した例を示す図である。
同図の場合、作像ユニット10M,10C,10Kが装着されているので、擬似フルカラーモードとモノクロモードでの画像形成が可能である。なお、作像ユニット10Kが2個装着されているこのような状態の場合には、K色の画像形成の際に、いずれか一方または両方を用いる動作制御が実行される。この動作制御については後述する。
【0043】
なお、作像ユニット10M,10C,10Kを用いて擬似フルカラーモードで画像形成を行う場合も、作像ユニット10による画像形成動作、給紙、搬送、転写、定着、排紙等一連の動作のタイミングは、4色による画像形成のタイミングと同じである。
図4は、一部のスロット6に作像ユニット10が装着されていない例を示す図である。
同図の場合、作像ユニット10M,10C,10Kが装着されているので、図3の例と同様に、擬似フルカラーモードとモノクロモードでの画像形成が可能である。
【0044】
各作像ユニット10には、収容されているトナーの残量を検知するためのトナー残量検出センサ8(図7参照)が設けられている。トナー残量検出センサ8としては、公知の液面センサや光電センサ等を用いることができる。ここでは、その具体的な説明を省略する。
トナー残量検出センサ8の検出信号は、制御部100に送られる。制御部100は、トナー残量検出センサ8からの検出信号により、作像ユニット10内にトナーが残っているか否かを検出することができる。
【0045】
このように本実施の形態では、M、C、K色のトナーを用いた擬似フルカラーモードの画像形成を可能としている。しかし、従来のM、C色のトナーは、4色カラーでカラー画像を形成することを前提として、すなわちY色のトナーを用いることを前提として製造されているため、M、C色のトナーだけではY色成分を含むカラー画像を高画質で再現することができない。
【0046】
そこで、本実施の形態では、M、C色のトナーだけでもY色成分を含むカラー画像が再現できるように、作像ユニット10M、10Cの代わりにプリンタ本体3へ装着することが可能な作像ユニット10M´、10C´(不図示)が、例えばオプション扱いなどで用意されている。
作像ユニット10M´には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用マゼンタのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用マゼンタのトナーが収容されている。
【0047】
作像ユニット10C´には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用シアンのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用シアンのトナーが収容されている。
(3)トナーの色度点について
図5は、L*a*b*表色系におけるM、C色のトナーの色度点を示す色度図である。ここで、M、C色について、白丸印のプロットが4色カラー(Y、M、C、K色によるカラー)の場合に用いられるトナーの色度点を示しており、白四角印が3色カラー(M、C、K色によるカラー)の場合に用いられるトナーの色度点を示している。
【0048】
同図に示すように、例えばマゼンタのトナーについて見ると、3色カラーのものは4色カラーのものよりも赤(R)方向にシフトした位置に色度点を有し、C色のトナーについて見ると、緑(G)方向にシフトした位置に色度点を有していることが解る。
ここで、赤方向とは、M色とY色の混色によるR(赤)色の色相方向をいい、赤方向にシフトした位置に色度点を有するとは、M色の色相をR色の色相に近づけることをいう。
【0049】
同様に、緑方向とは、C色とY色の混色によるG(緑)色の色相方向をいい、緑方向にシフトした位置に色度点を有するとは、C色の色相をG色の色相に近づけることをいう。
このようにM、C色のトナーとして、その色度点が4色カラーのものよりもR、G色の方向にシフトしたものを用いるので、Y色との減法混色で実現されるR色(R=M+Y)、G色(G=C+Y)の色再現性を、Y色のトナーがなくてもある程度確保でき、R色やG色といった使用頻度の高い色の再現性を向上できる。
【0050】
M色、C色トナーの色度点のシフト量およびシフトの方向は、実験等から予め求めることができ、もちろん上記のものに限られることはない。4色カラーに用いるM、C色のトナーの色度点に対し、色度図上においてY色の色相に近づく方向成分を有する方向にシフトした色度点のM、C色トナーを用いれば、カラーの再現性を向上できるからである。
例えば、ジャパンカラー(JapanColor)を基準とする場合に、2度視野D50の観察条件において、M色のトナーの色度点を、R色(a*:68.5,b*:48.0)の周辺または極めて近い位置に、C色のトナーの色度点を、G色(a*:−73.5,b*:25.0)の周辺または極めて近い位置にとる構成としても良い。
【0051】
さらに、SWOP(Specifications for Web Offset Publications)やEuro Colorなどの別の色基準を用いる場合でも、M色、C色トナーの色度点をR、G色の色相またはY色の色相に近づける構成とすることで同様の効果を得られる。
なお、本実施の形態に係る擬似フルカラーモードでは、作像ユニット10M´と作像ユニット10C´の両方を使用する構成としているが、トナーの色度点の調整次第では、作像ユニット10M´或いは作像ユニット10C´のいずれか一方のみを用いて、擬似フルカラーモードで再現性の高いカラー画像を形成することも考えられる。例えば、作像ユニット10M´と作像ユニット10Cとを用いて疑似フルカラーモードでカラー画像を形成したり、作像ユニット10Mと作像ユニット10C´とを用いて疑似フルカラーモードでカラー画像を形成したりすることが考えられる。
【0052】
また、疑似フルカラー用のトナーの製造方法としては、色度点をシフトさせた色材を、従来のフルカラー用のトナーの製造方法に準じバインダ樹脂等に含有させる方法等を採用することが考えられる。
(4)作像ユニット10の組み合わせについて
上記のように作像ユニット10としては10Y、10M、10M´、10C、10C´、10Kが存在し、ユーザは、任意の作像ユニット10を任意のスロット6に装着できる構成になっている。ところが、装着される作像ユニット10の組み合わせによっては、フルカラーモード、擬似フルカラーモードおよびモノクロモードを全て実行可能な場合もあれば、どの画像形成モードも実行できない場合もあり得る。
【0053】
そこで、本実施の形態では、どの色用の作像ユニット10が装着されたときに、どの画像形成モードを実行可能であるのかを予め決めておき、実際に作像ユニット10が装着されるとその組み合わせから実行可能な画像形成モードをユーザに知らせると共にユーザからの選択入力を受付け、選択された画像形成モードを実行するようにしている。
図6は、作像ユニット10の組み合わせと実行可能な画像形成モードの関係を示す表である。
【0054】
同図に示すように、例えば欄1001は、作像ユニット10Y,10M,10C,10Kが装着されている場合の例であり、全ての画像形成モードを実行できることが解る。また、例えば欄1002は、作像ユニット10M,10C,10Kが装着されている場合の例であり、擬似フルカラーモードとモノクロモードを実行できることが解る。さらに、例えば欄1003は、作像ユニット10M´,10C´,10Kが装着されている場合の例であり、この場合も擬似フルカラーモードとモノクロモードを実行できることが解る。
【0055】
なお、各作像ユニット10には、当該ユニットがどの色に対応し、どの色度点を有するトナーが充填されたものなのかをユーザが判別するための情報(名称等)を示すラベル(不図示)が貼着されており、ユーザはそのラベルを見て各ユニットを間違えることなく判別することができるようになっている。また、同図の「廃トナー用」の欄については、後述するものとする。
【0056】
(5)制御部100の構成
図7は、制御部100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部100は、主な構成要素として、CPU101と、通信インターフェース(I/F)部102と、画像処理部103と、画像メモリ104と、LD駆動部105と、RAM106と、ROM107と、ユニット検知部108とを備え、バス110を介してデータをやりとりできるようになっている。
【0057】
通信I/F部102は、LANカード、LANボードといったLAN等のネットワークに接続するためのインターフェースである。
ユニット検知部108は、装着されている各作像ユニット10の識別信号を、ユニット接続端子7を介して受信して、どの作像ユニット10がどのスロット6に装着されているのかを検知する。
【0058】
画像処理部103は、通信I/F部102を介して受信した画像信号、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)色のデータにシェーディング等の公知の補正処理を施し、1画素ごとに、Y、M、C、Kの再現色用のデジタル画像信号(画像データ)に変換し、これを画像メモリ104に出力する。
図8は、画像処理部103の構成を示すブロック図である。
【0059】
同図に示すように、画像処理部103は、輝度濃度変換部121と、色補正部122と、出力部123とを備える。
輝度濃度変換部121は、切換部131と変換処理部132,133とを備え、輝度データを濃度データに変換する。
切換部131は、ユーザによりフルカラーモード、擬似フルカラーモードおよびモノクロモードのうち、どの画像形成モードが選択されたのかを示すモード情報、およびユニット検知部108によるユニット検知結果に応じて、輝度/濃度の変換を変換処理部132と変換処理部133のうちのいずれで行うのかを選択する。
【0060】
具体的には、フルカラーモードまたはモノクロモードが選択された場合には、変換処理部133を選択する。
変換処理部133は、予め決められた変換式を用いて輝度を示すR、G、Bから濃度を示すY、M、Cへの変換を実行する。この変換式としては、公知の輝度/濃度変換で用いられる式を基本に、フルカラーモードで色再現性が最適になるように、その係数を、使用されるトナーの色度点等を考慮した上で実験等から求めることにより生成される。
【0061】
ここでは、Y、M、C、Kの4色による場合とY、M、Cの3色による場合の2つの式が用意される。これは、作像ユニット10の装着状況によってカラーを再現するために使用されるトナーの色の組み合わせが異なるからである。2つの式のうち、いずれを選択するかについては、ユニット検知結果により決められる。例えば、作像ユニット10Y,10M,10C,10Kが装着されている場合には、Y、M、C、Kの4色による場合の式が選択される。
【0062】
一方、擬似フルカラーモードが選択された場合には、変換処理部132を選択する。
変換処理部132は、予め決められた、変換処理部133とは別の変換式を用いて、R、G、BからM、Cへの変換を実行する。別の変換式としては、擬似フルカラーモードで色再現性が最適になるように、変換処理部133における式に対し、その係数を実験等から求めることにより生成される。
【0063】
変換処理部132では、擬似フルカラーモードに対応する式として、作像ユニット10がM、C、K色用の場合、作像ユニット10がM、C色用の場合、作像ユニット10がM´、C´、K色用の場合、作像ユニット10がM´、C´色用の場合の4つの式が用意される。いずれの式を選択するかについては、変換処理部133の場合と同様である。
切換部131は、選択された変換処理部に、R、G、B色のデータを送る。R、G、B色のデータを受け取った変換処理部は、自己の変換式を用いて濃度データへの変換を行い、変換後のデータを、色補正部122へ出力する。
【0064】
色補正部122は、補正処理部141,142を備え、輝度濃度変換部121からのデータに、UCR(下色除去)やBP(墨生成)、γ補正等の処理を施し、K色を含む画像データに補正して、出力部123に出力するものである。
補正処理部142は、予め決められた、UCR等の処理のための種々の変換式を用いて、UCR等の処理を実行する。この変換式は、UCR等で用いられる公知の式を基本に、フルカラーモードで色再現性が最適になるように、その係数を、使用されるトナーの色度点等を考慮した上で実験等から求めることにより生成される。
【0065】
変換式としては、使用される色の組み合わせに対応する式、ここでは変換処理部133の2つの式それぞれに対応する式が予め用意され、変換処理部133において用いられた式に対応する式が選択される。
一方、補正処理部141は、予め決められた、補正処理部142とは別の変換式を用いて、UCR等の処理を実行する。この別の変換式は、擬似フルカラーモードで色再現性が最適になるように、その係数を実験等から求めることにより生成される。
【0066】
別の変換式としては、補正処理部142と同様に、使用される色の組み合わせに対応する式、ここでは変換処理部132の4つの式それぞれに対応する式が予め用意され、変換処理部132において用いられた式に対応する式が選択される。
この意味で、変換処理部132や補正処理部141は、再現色としてのY色成分を含むデータが入力された場合でも、Y色を除く他の再現色のデータを生成する手段としての機能を有するものであるといえる。
【0067】
出力部123は、補正処理部141,142からの画像データを色ごとに画像メモリ104に格納させる。
なお、変換処理部132では4つの変換式を用意するとしたが、色再現性への影響の程度に応じて、例えば変換式を2つにしたり、1つの式を共用したりする方法などを用いるとしても良い。これにより、変換等の処理の簡素化を図ることができる。このことは、変換処理部133、補正処理部141,142についても同様である。
【0068】
また、従来の変換式を基本にその係数を画像形成モード等に応じて変える方法を用いるとしたが、その方法に限られず、例えばフルカラーモードとモノクロモードについては、基本的に従来と同じ手法により変換、補正等を行い、擬似フルカラーモードについては、本発明のM,C,K色だけを用いてカラー画像を形成する構成に対応する新たな変換式を実験等から求めるとしても良い。また、予め決められた条件に基づいてデータを変換できるものであれば、式に限られず種々の方法、例えば変換テーブル等を用いることもできる。
【0069】
図7に戻り、LD駆動部105は、CPU101の制御を受けて画像メモリ104から各色ごとに画像データを読み出し、各露光部13Y,13M,13C,13Kを駆動する。
ROM107は、作像動作、シート給送動作などに関するプログラムや、選択可能な画像形成モードをユーザに知らせると共にその選択入力を受け付けるモード表示処理(後述)に関するプログラムなどを格納している。
【0070】
RAM106は、CPU101におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
CPU101は、ROM107から必要なプログラムを読み出して、作像動作、シート給送動作などを、タイミングを取りながら統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。
また、CPU101は、装着されている作像ユニット10の組み合わせに応じて各色に対する露光から転写までのタイミングを調整する処理を実行する。すなわち、作像ユニット10が例えば転写ベルト2の上流側からK、C、M、Yの順に装着されている場合には、作像ユニット10Cが作像ユニット10Kに対して下流側に位置するが、Y、M、C、Kの順に装着されている場合には、作像ユニット10Cが作像ユニット10Kに対して上流側に位置することになり、どのスロット6にどの作像ユニット10が装着されているのかによって、露光等のタイミングを調整する必要があるからである。
【0071】
本実施の形態では、図6の表に示す作像ユニット10の組み合わせごとに、各作像ユニット10がどのスロット6に装着された場合にどのタイミングで露光等を行うのが最適であるのかを予め実験等から求め、求めたタイミング情報がROM107に格納される。CPU101は、どの作像ユニット10がどのスロット6に装着されているのかを判断すると、装着されている作像ユニット10の組み合わせに対応する露光等のタイミングを、ROM107に格納されているタイミング情報から読み出して取得し、取得したタイミング情報に基づいて露光等を実行する。さらに、モード表示処理などを実行する。
【0072】
(6)制御部100による処理
図9は、制御部100で実行されるプリントジョブの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、制御部100は、プリントジョブを受け付けるとモード表示処理を実行する(ステップS1)。
【0073】
図10は、モード表示処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、モード表示処理では、まず作像ユニット10の装着状態を検知する(ステップS21)。当該検知は、ユニット検知部108により行われる。
装着状態を検知後、Y、M、C色用の作像ユニット10がスロット6に装着されているか否かを判断する(ステップS22)。そして、これら作像ユニット10が全てスロット6に装着されていると判断した場合(ステップS22で「YES」)、さらにK色用の作像ユニット10がスロット6に装着されているか否かを判断する(ステップS23)。K色用の作像ユニット10が装着されていると判断した場合(ステップS23で「YES」)、フルカラーモード、擬似フルカラーモード、モノクロモードの3つの画像形成モードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示し(ステップS24)、ユーザに画像形成モードの決定を促す。
【0074】
図11は、選択可能な画像形成モードが表示された操作パネル5のメッセージ画面111を示す図である。
同図に示すように、操作パネル5のメッセージ画面111には、フルカラーモード、擬似フルカラーモード、モノクロモードを示す3つのボタンが表示される。ユーザは、自己が希望する画像形成モードを示すボタンをタッチすることにより、画像形成モードを選択することができる。
【0075】
なお、ユーザに対し画像形成モードの選択を促すことができれば良いので、その出力方法としては、メッセージ表示に限られず、例えばその旨を音声で出力する方法や、プリントジョブの要求元の外部端末に対しその旨を表示させる指示を行うなどの方法をとるとしても良い。なお、表示に限られないということは、以下に説明するメッセージ画面の表示に係る各処理について同様である。
【0076】
一方、ステップS23に戻って、K色用の作像ユニット10Kが装着されていないと判断した場合(ステップS23で「NO」)、フルカラーモード、擬似フルカラーモードの2つの画像形成モードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示する(ステップS25)。
ステップS22に戻って、Y、M、Cの3色のうち1色でもその作像ユニットが装着されていないと判断した場合(ステップS22で「NO」)、M、C色用の組合せ、または、M´、C´色用の組合せで作像ユニット10が装着されているか否かを判断する(ステップS26)。
【0077】
前記いずれかの組合せで作像ユニット10が装着されていると判断した場合(ステップS26で「YES」)、さらにK色用の作像ユニット10も装着されているか否かを判断する(ステップS27)。K色用の作像ユニット10が装着されていると判断した場合(ステップS27で「YES」)、擬似フルカラーモード、モノクロモードの2つの画像形成モードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示する(ステップS28)。
【0078】
一方、ステップS27に戻って、K色用の作像ユニット10が装着されていないと判断した場合(ステップS27で「NO」)、擬似フルカラーモードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示する(ステップS29)。
ステップS26に戻って、いずれの組合せでも装着されていないと判断する(ステップS26で「NO」)、K色用の作像ユニット10が装着されているか否かを判断する(ステップS30)。K色用の作像ユニット10が装着されていると判断した場合(ステップS30で「YES」)、モノクロモードが選択可能であるとのメッセージを操作パネル5に表示する(ステップS31)。
【0079】
ステップS30に戻って、K色用の作像ユニット10が装着されていないと判断した場合(ステップS30で「NO」)、選択可能な画像形成モードがない旨を示すメッセージ画面を操作パネル5に表示させ(ステップS32)、ステップS21に戻る。ユーザにより作像ユニット10が装着され、いずれかの画像形成モードが実行可能になると、ステップS24、S25、S28、S29、S31のいずれかの処理を経てメインルーチンにリターンすることになる。この意味で、制御部100は、ステップS24、S25、S28、S29、S31等の処理を実行するときに、作像ユニット10の組み合わせに対応する画像形成モードを出力する出力手段として機能するものといえる。
【0080】
なお、いずれの画像形成モードも実行できない状態が所定時間続くような場合には、当該ジョブを実行できない旨のメッセージを操作パネル5に表示させて、当該ジョブの実行を保留または削除する構成にすることもできる。
上記では、ユーザが、メッセージ画面111に表示されている画像形成モードの中から希望する画像形成モードを選択するとしたが、メッセージ画面111に必要とする画像形成モードが表示されていない場合、ユーザは、作像ユニット10の差し替えを行うことが可能である。
【0081】
例えば、メッセージ画面111にモノクロモードしか表示されていない場合においてユーザがフルカラーモードでのプリントを望む場合は、スロット6に装着されている作像ユニット10の一部若しくは全部を差し替えて、Y、M、Cの3色の作像ユニット10をスロット6に装着すれば、フルカラーモードでのプリントが可能となる。
また、メッセージ画面111が表示されている状態で、作像ユニット10の一部若しくは全部がユーザにより交換されると、ステップS21に戻り、ステップS22以降の処理を再度実行する構成をとることもできる。例えば、フルカラーモードでの印刷を希望しているが、メッセージ画面111にはモノクロモードだけが実行可能な旨が表示されており、フルカラーモードを選択できないような場合に便利である。
【0082】
また、ユーザが画像形成モードの選択を行うとしたが、例えばプリンタ1が自動的に選択を実行する構成としても良い。例えば、複数の画像形成モードを実行可能な場合には、画質を優先させ、より多数の作像ユニットを使用する画像形成モードを、実行すべき画像形成モードとして決定する方法などが考えられる。
また、例えばユーザが作像ユニット10を誤って装着したと想定される場合に、その旨を示すメッセージ画面を、上記のメッセージ画面111とは別に操作パネル5に表示させ、ユーザに作像ユニット10の交換を促し、その後、ステップS22以降の処理を実行するとしても良い。装着を誤った例としては、作像ユニット10M´と10C、および10Mと10C´との組み合わせ、すなわち色度点をシフトさせたものとシフトさせていないものとの組み合わせ等が考えられる。
【0083】
図9に戻って、ステップS2では、ステップS1のモード表示処理により表示されたメッセージ画面111からユーザによるタッチ入力があると、画像形成モードの選択入力を受け付けたとして次のステップS3に移り、メッセージ画面111を消灯させる。この意味で、制御部100は、ステップS2の処理を実行するときに、ユーザが希望する画像形成モードの指定を受け付ける受付手段として機能するものといえる。
【0084】
ステップS3では、選択された画像形成モードを実行する際に使用されるべき作像ユニット10の中に同じ色用のものが複数存在するか否かを判断する。これは、同じ色用の作像ユニット10が複数存在する場合、どの作像ユニット10をプリントに用いるかを印刷の前に決めておくためである。
同じ色用の作像ユニット10が存在するケースとしては、作像ユニット10が、(a)4つとも同じ色用の場合、(b)3つが同じ色用で残り1つが別の色用の場合、(c)2つが同じ色用で残り2つがそれぞれ別の色用のある場合、(d)2つが同じ色用で、残り2つは別の色かつ同じ色用の場合の4パターンが考えられる。
【0085】
ここでは、同じ色用の作像ユニット10については、基本的に上流側のものから順にトナーが消費されるように、使用すべき作像ユニット10が決められる。
具体的には、同じ色用の作像ユニット10が複数存在することを判断すると(ステップS3で「YES」)、同じ色用の作像ユニット10が1組だけ存在するか否かを判断する(ステップS4)。ここで、1組だけ存在することを判断すると(ステップS4で「YES」)、同じ色用の作像ユニット10の数が4つか否かを判断する(ステップS5)。4つではないことを判断すると(ステップS5で「YES」)、さらに同じ色用の作像ユニット10の数が3つか否かを判断する(ステップS6)。3つではない、すなわち2つであることを判断すると(ステップS6で「NO」)、ユニット決定処理1を実行する(ステップS7)。
【0086】
図12は、ユニット決定処理1の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、ユニット決定処理1では、まず2つの同じ色用の作像ユニット10に上流側から順に1番目、2番目と番号を付与する(ステップS41)。次に、1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS42)、エンプティでない、つまりトナーが入っていれば(ステップS42で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS43)。
【0087】
一方、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS42で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS44)、2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS44で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS45)。なお、2番目の作像ユニット10もエンプティであると判断した場合(ステップS44で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることを操作パネル5に表示し(ステップS46)、その色の作像ユニット10の交換を促す。
【0088】
図9に戻って、ステップS8では、ステップS2で選択された画像形成モードで画像形成を行うプリント処理を実行して、プリントジョブを終了する。例えば、選択された画像形成モードが擬似フルカラーモードであり、作像ユニット10M´,10C´,10K(1番目),10K(2番目)が装着されており、決定された作像ユニット10が10K(2番目)である場合には、作像ユニット10M´、10C´、10K(2番目)が擬似フルカラー画像の形成に用いられる。
【0089】
以降の他のジョブが実行される場合にも、その都度、上記の処理が実行される。従って、同じ色用の作像ユニット10が複数存在する場合には、上流側の作像ユニット10から順にトナーが消費されるようにその使用順が決められることになる。このことは、後述のユニット決定処理2〜4でも同様である。
なお、上記では、使用すべき作像ユニット10を決める条件を、トナーエンプティか否かで決定したが、これに限定されることはない。例えば作像ユニット10の機械的、電気的な故障の有無等のような画像形成の可否で決定することもできる。
【0090】
ステップS6に戻って、同じ色用の作像ユニット10が3つ存在する場合(ステップS6で「YES」)、ユニット決定処理2が実行される(ステップS9)。
図13は、ユニット決定処理2の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、ユニット決定処理2では、まず3つの同じ色の作像ユニット10に上流側から順に1番目、2番目、3番目と番号を付与する(ステップS51)。次に、1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS52)、エンプティでないつまりトナーが入っていると判断すれば(ステップS52で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS53)。
【0091】
ステップS52に戻って、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS52で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS54)、2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS54で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS55)。
【0092】
2番目の作像ユニット10もエンプティの場合(ステップS54で「YES」)、3番目のユニットがエンプティであるか否かを判断し(ステップS56)、3番目のユニットがエンプティでなければ(ステップS56で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を3番目の作像ユニット10に決定する(ステップS57)。なお、3番目の作像ユニット10もエンプティであると判断した場合(ステップS56で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることを操作パネル5に表示し(ステップS58)、ユーザに作像ユニット10の交換を促す。
【0093】
以上のように、同じ色用の作像ユニット10が3つ存在する場合も、使用する作像ユニット10は1つに絞られる。図9に戻って、プリントに使用する作像ユニット10が決定すると(ステップS9)、作像ユニット10が複数存在する色に関してはユニット決定処理2(ステップS9)で決定した作像ユニット10が使用され、他の色に関してはそれぞれ1つしかないその色の作像ユニット10が使用されて、プリント処理が行われる(ステップS8)。
【0094】
ステップS5に戻って、同色の作像ユニット10が4つ存在する場合(ステップS5で「YES」)、ユニット決定処理3が実行される(ステップS11)。
図14は、ユニット決定処理3の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、ユニット決定処理3では、まず4つの同じ色用の作像ユニット10に上流側から順に1番目、2番目、3番目、4番目と番号を付与する(ステップS61)。次に、1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS62)、エンプティでない、つまりトナーが入っていると判断すれば(ステップS62で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS63)。
【0095】
一方、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS62で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS64)、2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS64で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS65)。
【0096】
2番目の作像ユニット10もエンプティの場合(ステップS64で「YES」)、3番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS66)、3番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS66で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を3番目の作像ユニット10に決定する(ステップS67)。
3番目の作像ユニット10もエンプティの場合(ステップS66で「YES」)、4番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS68)、4番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS68で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を4番目の作像ユニット10に決定する(ステップS69)。なお、4番目の作像ユニット10もエンプティであると判断された場合(ステップS68で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることを表示し(ステップS70)、ユーザに作像ユニット10の交換を促す。
【0097】
以上のように、同じ色用の作像ユニット10が4つ存在する場合も、使用する作像ユニット10は1つに絞られる。
図9に戻って、プリントに使用する作像ユニット10が決定すると(ステップS10)、作像ユニット10が複数存在する色に関してはユニット決定処理3(ステップS10)で決定した作像ユニット10が使用され、他の色に関してはそれぞれ1つしかないその色用の作像ユニット10が使用されて、プリント処理が行われる(ステップS8)。
【0098】
ステップS4に戻って、同じ色用の作像ユニットが1組でない場合(ステップS4で「NO」)、すなわち2つが同じ色用で残り2つも別の同じ色用である場合は、ユニット決定処理4が実行される。
図15は、ユニット決定処理4の内容を示すフローチャートである。同図に示すように、ユニット決定処理4では、まず、第1の色および第2の色それぞれの作像ユニット10について、上流側から順に1番目、2番目と番号を付与する(ステップS71)。
【0099】
次に、第1色の1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS72)、エンプティでない、つまりトナーが入っていると判断すれば(ステップS72で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS73)。
ステップS72に戻って、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS72で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS74)、2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS74で「NO」)、プリントに使用するユニットを2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS75)。なお、2番目の作像ユニット10もエンプティであると判断した場合(ステップS74で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることが操作パネル5に表示し(ステップS76)、作像ユニット10の交換を促す。
【0100】
次に、第2色の1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断する(ステップS77)。2番目の作像ユニット10がエンプティでなければ(ステップS77で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS78)。
ステップS77に戻って、1番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS77で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS79)、2番目の作像ユニット10がエンプティでないと判断した場合(ステップS79で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS80)。なお、2番目の作像ユニット10もエンプティであると判断した場合(ステップS79で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることが表示し(ステップS81)、作像ユニット10の交換を促す。
【0101】
以上のように、同じ色用の作像ユニット10が2組存在する場合、それぞれの色について使用する作像ユニット10が1つに絞られる。
図9に戻って、プリントに使用する作像ユニット10が決定すると(ステップS11)、作像ユニット10が複数存在する色に関してはユニット決定処理4(ステップS11)で決定した作像ユニット10が使用され、他の色に関してはそれぞれ1つしかないその色の作像ユニット10が使用されて、プリント処理が行われる(ステップS8)。
【0102】
ステップS3に戻って、同じ色用の作像ユニット10が存在しない場合(ステップS3で「NO」)、画像形成に必要な色用の作像ユニット10がエンプティであるか否かが判断され(ステップS12)、エンプティの作像ユニット10が存在する場合(ステップS12で「YES」)、操作パネル5にエンプティであることを表示する(ステップS13)。ユーザにより作像ユニット10が交換されるなどした結果、エンプティの作像ユニット10が存在しないと判断されると(ステップS12で「NO」)、プリント処理が行われる(ステップS8)。
【0103】
なお、上記では、ユーザが画像形成モードの選択を行うとしたが、例えばステップS1とS2の処理を実行せずにステップS3を最初に実行する構成や、ステップS1の次にS3を行う(S2の処理を省略する)構成をとるとしても良い。
この場合、例えばプリンタ1が自動的に画像形成モードを選択する構成をとることができる。具体例としては、複数の画像形成モードを実行可能な場合に、画質を優先させるべく、より多数の作像ユニット10を使用する画像形成モードを、実行すべき画像形成モードとして決める方法などが考えられる。また、ユーザ等が画像形成モードを予め指定できるように構成し、指定された画像形成モードを実行すべき画像形成モードとして実行するとしても良い。
【0104】
さらに、実行可能な画像形成モードが1つだけ存在する場合には、ユーザは画像形成モード選択を実質行えないことから、確認のための表示等の出力だけを行い、ユーザからの指定を受け付けず、当該1つの画像形成モードを実行する構成をとることもできる。また、出力自体を行わない構成としても良い。これにより、選択等の処理を行わない分だけ処理を簡素化できCPU101の負担軽減を図ることができる。
【0105】
上記では、同じ色用の作像ユニット10が複数存在する場合、上流側の作像ユニット10から順にトナーが消費されるようにその使用順を決めるとしたが、これに限定されず実験等から予め最適な順を決めることができる。例えば、下流側の作像ユニット10から順にするなど他の順番でトナーが消費されるように、使用すべき作像ユニット10の順を決めるとしても良い。
【0106】
ユニット決定処理は、変形例として、複数の同じ色用の作像ユニット10をユニット単位で1つずつ使用して行く上記の処理と、トナーが均等消費される処理とが選択的に実行される別の構成をとることもできる。
図16は、変形例に係るユニット決定処理1の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、2つの同じ色用の作像ユニット10に上流側から順に1番目、2番目と番号を付与する(ステップS91)。次に、1番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS92)、エンプティでない、つまりトナーが入っていると判断すれば(ステップS92で「NO」)、さらに2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断し(ステップS93)、2番目の作像ユニット10もエンプティでなければ(ステップS93で「NO」)、使用条件の選択入力を受け付ける(ステップS94)。
【0107】
使用条件の選択入力の受け付けとは、同じ色用の作像ユニット10について、例えばそのトナーを均等に消費する方法や1ユニットずつ消費する方法といったトナー消費方法をユーザからの選択を受け付けることを意味する。ここでは、消費方法として、均等や1ユニットずつなどの方法を示すボタンを操作パネル5に表示させ、ユーザによるタッチ入力を消費方法の選択入力として受け付ける。この意味で、制御部100は、ステップS94等の処理を実行するときに、使用方法の指定を受け付ける受付手段として機能するものといえる。
【0108】
ユーザがトナーを均等に消費することを選択した場合(ステップS95で「YES」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目および2番目の両方に決定する(ステップS96)。一方、ユーザが1ユニットずつトナーを消費することを選択した場合(ステップS95で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10の使用順序を上流側からに決定する(ステップS97)。
【0109】
ステップS92に戻って、1番目の作像ユニット10はエンプティでないが(ステップS92で「NO」)、2番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS93で「YES」)、プリントに使用する作像ユニット10を1番目の作像ユニット10に決定する(ステップS98)。
また、ステップS92に戻って、1番目の作像ユニット10がエンプティである場合は(ステップS92で「YES」)、2番目の作像ユニット10がエンプティであるか否かを判断する(ステップS99)。2番目の作像ユニット10がエンプティでない場合(ステップS99で「NO」)、プリントに使用する作像ユニット10を2番目の作像ユニット10に決定する(ステップS100)。一方、2番目の作像ユニット10がエンプティの場合(ステップS99で「YES」)、その色のトナーがエンプティであることを操作パネル5に表示し(ステップS101)、ユーザに作像ユニット10の交換を促す。
【0110】
このように、同じ色用の作像ユニット10が2つあり、いずれの作像ユニット10もエンプティでなく、トナーを均等に消費する方法が選択されると、それら2つの作像ユニット10が使用すべき作像ユニット10として決められる。この場合、次の変形例に係るプリント処理の部分で説明するように、それら2つの作像ユニット10のトナーが均等に消費されるように交互に切り換えられて使用される。なお、図16では、同じ色用の作像ユニット10が2つ存在する場合を代表例に挙げて説明したが、3つや4つ存在する場合も2つの場合と同様に、エンプティではない全ての作像ユニット10が使用すべき作像ユニット10として決定されることになる。
【0111】
図17は、変形例に係るプリント処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、ユニット決定処理1において両方の作像ユニット10を使用することに決定したか否かが判断される(ステップS111)。ユニット決定処理1において1番目若しくは2番目の作像ユニット10のみを使用することが決定している場合は(ステップS111で「NO」)、その決定した作像ユニット10でプリントが行われる(ステップS112)。
【0112】
ステップS111に戻って、ユニット決定処理1において両方の作像ユニット10を使用すると決定した場合(ステップS111で「YES」)、プリントページを表す変数nを1に設定するとともに(ステップS113)、1番目の作像ユニット10のトナー残量=Z1とし(ステップS114)、2番目の作像ユニット10のトナー残量=Z2と設定する(ステップS115)。
【0113】
なお、トナー残量の判断は、トナー残留検出センサ8からの検出信号に基づいて行われるが、これに限定されることはない。例えば、記録紙毎に、各画素の階調値から画像形成により消費されるであろうトナーの量を推定して、その推定されたトナーの消費量を所定値から減算した値を、トナーの残量とする方法などをとるとしても良い。
次に、X=Z1−Z2を演算する(ステップS116)。そして、X>Aの関係が成立するか否かを判断し(ステップS117)、成立しない場合は(ステップS117で「NO」)、さらにX<Aの関係が成立するか否かを判断し(ステップS118)、これも成立しない場合は(ステップS118で「NO」)、1番目と2番目の両方の作像ユニット10を使用することを決定し(ステップS119)、2つの作像ユニット10のトナー消費量が均等にするための領域割り当て処理が許可される(ステップS120)。
【0114】
領域割り当て処理とは、2つの作像ユニット10のトナー消費量を略均等にするための処理、具体的には2つの作像ユニット10を所定の条件に基づいて交互に切り換えて使用する処理のことである。
領域割り当て処理が許可されると(ステップS120)、ドットカウンタから各作像ユニット10の画像形成領域が割り当てられ、2つの作像ユニット10のトナーを均等に使用してnページ目(ここでは1ページ目)のプリントが行われる(ステップS121)。
【0115】
図18は、1枚の記録紙について、各作像ユニット10に対し割り当てられた画像形成領域の様子を示す模式図である。ここで、矢印CDで示される方向は、主走査方向に相当し、矢印FDで示される方向は、副走査方向に相当し、記録紙の搬送方向にも相当する。
同図に示す例では、1番目と2番目の作像ユニット10に割り当てられた画像形成領域は、1枚の記録紙の略半分ずつになっている。副走査方向に記録紙先端から中央までの領域が1番目の作像ユニット10により形成された領域に相当し、記録紙中央から後端までの領域が2番目の作像ユニット10により形成された領域に相当することを示している。
【0116】
このような割り当ての方法としては、例えば1枚の記録紙について、当該色のトナー像として形成されるべき画像の全画素数を主走査ラインごとに1ライン目、2ライン目・・・最終ラインの順にカウントしていき、そのカウント数が2等分される主走査ラインを求め、当該ラインよりも記録紙先端側に相当する第1の領域を1番目の作像ユニット10を用いて作像を行い、前記ラインよりも記録紙後端側に相当する第2の領域については2番目の作像ユニット10に切り換えて作像を行う方法がある。この切り換え方法としては、例えば作像ユニット10ごとに、前記第1と第2の領域が現像位置を通過するタイミングに応じて作像のための電圧の供給と停止を切り換える方法などがある。
【0117】
なお、形成画像の画素数をカウントする方法としては、例えば画像メモリ104に格納されている画像データのうち当該色用のデータについて、全画素の階調値を読み出して原稿画像の背景に相当する画素以外の画素数をカウントする方法、LD駆動部105から出力される駆動信号のうち当該色用の信号について、全画素の輝度を参照し、背景に相当する画素以外の画素数をカウントする方法などをとることができる。
【0118】
一方、ステップS117に戻って、X>Aの関係が成立する場合(ステップS117で「YES」)、nページ目を1番目の作像ユニット10で作像することを決定し(ステップS124)、領域割り当て処理を禁止する(ステップS126)。また、ステップS118に戻って、X<Aの関係が成立する場合(ステップS118で「YES」)、nページ目を2番目の作像ユニット10で作像することを決定し(ステップS125)、領域割り当て処理を禁止する(ステップS126)。
【0119】
領域割り当て処理が禁止されると(ステップS126)、決定された作像ユニット10を使用してnページ目(ここでは1ページ目)のプリントが行われる(ステップS121)。
画像形成後、n(=1)ページ目が最後のページであるか否かを判断し(ステップS122)、最後のページあれば(ステップS122で「YES」)、プリント処理を終了する。一方、1ページ目が最後のページでなければ(ステップS122で「NO」)、n=n+1として(ステップS123)、ステップS114に戻る。この意味で、制御部100は、ステップS113〜S126等の処理を実行するときに、作像ユニットを切り換える切換手段として機能するものといえる。
【0120】
以上のように、同じ色用の作像ユニット10が2つ以上装着された場合、常に同じ色用の作像ユニット10のトナー残量が同じとは限らないため、トナー量が多い作像ユニット10を優先して使用し、トナーを均等に消費する。
なお、トナーを均等に消費する方法は、上記に限定されない。例えば、複数枚、1ページまたは複数ページに対する画像形成が実行される毎や、1つまたは複数のジョブが終了する毎などに、上記の処理を実行するとしても良い。
【0121】
また、各作像ユニット10のトナー残量に関係なく、記録紙1枚、複数枚、1ページまたは複数ページに対する画像形成が実行される毎、1つまたは複数のジョブが終了する毎などに、使用すべきユニットを交互に切り換える方法としても良い。具体的には、例えば1枚目の記録紙に対し1番目の作像ユニット10を用い、2枚目の記録紙に対し2番目の作像ユニット10を用い、これを繰り返すことで、ある程度均等にトナーを消費させることが可能である。
【0122】
<第2の実施形態>
第1の実施形態に係る画像形成装置は、転写ベルトにより搬送される被転写体としての記録紙に各色の画像を多重転写する構成であったが、第2の実施形態に係る画像形成装置は、被転写体としての中間転写ベルトに各色のトナー像を多重転写し、多重転写後の画像を一括してシート(例えば記録紙)上に転写する、いわゆる中間転写方式の構成である。
【0123】
さらに、第2の実施形態に係る画像形成装置は、作像ユニットに代えて、スロットに、中間転写ベルト上の残留トナーを回収するための廃トナー回収ユニットを着脱可能な構成である。
以下、説明の都合上、第1の実施形態に係る画像形成装置と共通の構成部分についてはその説明を省略するか簡略するにとどめ、上記相違点を中心に第2の実施形態に係る画像形成装置を説明する。
【0124】
(1)プリンタの構成
図19は、第2の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
同図に示すように、第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ200は、M、C、Kの各色のそれぞれに対応する作像ユニット210M´,210C´,210Kと、矢印方向に回転する中間転写ベルト225を備える中間転写部220と、給送部230と、定着部240と、制御部300とを備える。プリンタ200は、LAN等のネットワークに接続されており、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいて画像形成を実行する。
【0125】
作像ユニット210M´,210C´,210Kは、中間転写ベルト225に対向させるようにして、当該中間転写ベルト225に沿って回転方向上流側(以降、単に「上流側」という)から回転方向下流側(以降、単に「下流側」という)に向け、210M´、210C´、210Kの順序で所定間隔をあけ直列に配置されている。以下、Y、M、C、Kの各色に関連する構成部分の符号に、必要な場合にのみ「Y」、「M」、「C」、「K」の文字を付加し、それ以外の場合は省略する。
【0126】
各作像ユニット210は、像担持体としての感光ドラム211並びに、当該感光ドラム211の周囲に配置された帯電器212、像露光装置213、現像器214およびクリーナ215を備える。各作像ユニット210は、感光ドラム211の軸216によってプリンタ本体203に対し位置決めされている。
中間転写部220は、駆動ローラ221と、従動ローラ222と、テンションローラ223と、感光体ドラム211と対向する一次転写ローラ224と、各ローラ221,222,223に張架される中間転写体としての中間転写ベルト225などを備えている。
【0127】
給送部230は、記録紙を収容する給紙カセット231と、給紙カセット231内の記録紙を1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ232と、繰り出された記録紙を搬送する一対の搬送ローラ233と、二次転写位置に記録紙を送り出すタイミングをとるための一対のタイミングローラ234と、二次転写ローラ235などを備えている。
制御部300は、外部の端末装置からプリント指示を受けると、送信されて来る画像信号を受信して、これをM、C、K色用のデジタル画像信号に変換し、露光部213を駆動させるための駆動信号を生成する。露光部213は、制御部300からの駆動信号を受けて画像形成のためのレーザ光を発し、感光体ドラム211上を主走査方向に露光走査させる。
【0128】
感光体ドラム211は、前記露光を受ける前にクリーナ215で表面の残存トナーが除去され、不図示のイレーサランプに照射されて除電された後、帯電器212により一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で上記レーザ光による露光を受けると、感光体ドラム211の表面に静電潜像が形成される。
各静電潜像は、それぞれ各色の現像器214により現像され、これにより感光体ドラム211表面にM、C、K色の現像剤像としてのトナー像が作像され、各一次転写位置において中間転写ベルト225の裏面側に配設された一次転写ローラ224に印加された電圧により生じる静電力により、回転する中間転写ベルト225上に一次転写される。
【0129】
この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト225上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。これにより、トナー像は、下からM、C、Kの順に重ねられることになる。中間転写ベルト225上の重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト225の回転により二次転写位置に移動する。この意味で、作像ユニット210M´,210C´,210Kと中間転写部220とは、作像手段として機能するものである。一方、中間転写ベルト225の移動タイミングに合わせて、給送部230からは、タイミングローラ234を介して記録紙が給送されて来ており、その記録紙は、回転する中間転写ベルト225と二次転写ローラ235の間に挟まれて搬送され、二次転写位置において、二次転写ローラ235に印加された電圧により生じた静電力によって、中間転写ベルト225上のトナー像が記録紙上に二次転写される。トナー像は、中間転写ベルト225上では下からM、C、Kの順になっているので、記録紙上では下から K、C、Mの順になり、K色のトナー像が最下層に位置することになる。このように記録紙上でK色のトナー像を最下層に位置する状態にすることで色再現性をより向上させることができる。
【0130】
二次転写位置を通過した記録紙は、定着部240に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧されて記録紙に定着された後、一対の排出ローラ241を介して排出トレイ242上に排出される。
プリンタ1は、クリーナ250を備える。クリーナ250は、転写後の中間転写ベルト225上の残留トナーを掻き取るためのブレード251と、掻き取った廃トナーを収容するための収容部252を備える。
【0131】
ブレード251の軸253は、図示しない歯車等からなる動力伝達機構を介して切換モータ254の回転軸と連結されている。切換モータ254は、制御部300に接続されており、制御部300は、切換モータ254を回転駆動させることにより、ブレード251を図19に示す矢印方向に移動させ中間転写ベルト225に当接する位置と中間転写ベルト225から離間する位置とに切り換える。
【0132】
また、クリーナ250には、回収されているトナーの量を検知するための回収トナー検出センサ255(図21参照)が設けられており、収容部252に回収されているトナーの量に応じた信号が出力されるようになっている。
なお、回収トナー検出センサ255には、例えば公知の液面センサを用いることができる。また、収容部252を下側からコイルバネ(不図示)などの弾性体で支えておき、溜まった廃トナーの重みで下がった収容部252の高さ位置を、回収トナー検出センサ255としての光学センサで検知する構成でもよい。
【0133】
スロット206の1つには、廃トナー回収ユニット260が装着されている。廃トナー回収ユニット260は、作像ユニット210と外観の形状およびその大きさが略同じになっており、どのスロット206にも装着できるようになっている。
図20は、廃トナー回収ユニット260の概略構成を示す図である。同図に示すように、廃トナー回収ユニット260は、中間転写ベルト225上の廃トナーを掻き落とすブレード261と、ブレード261が掻き落とした廃トナーを貯めておく収容部262とを備える。なお、収容部262は、ユーザによる交換が可能になっている。
【0134】
ブレード261の軸(不図示)は、図示しない歯車等からなる動力伝達機構を介して切換モータ263の回転軸と連結されている。切換モータ263は、制御部300に接続されており、制御部300は、切換モータ263を回転駆動させることにより、ブレード261を図20の実線および破線の位置に移動させることができる。ここで、ブレード261の破線の位置は、ブレード261の先端が中間転写ベルト225に当接する位置であり、実線の位置は、ブレード261の先端が中間転写ベルト225から離間している位置を示す。
【0135】
中間転写ベルト225上の残留トナーは、ブレード261が破線の位置にあるときに当該ブレード261により掻き取られ、掻き取られたトナーは、収容部262の内部に収容される。
また、廃トナー回収ユニット260には、回収されているトナーの量を検知するための回収トナー検出センサ264(図21参照)が設けられている。回収トナー検出センサ264は、基本的にクリーナ250の回収トナー検出センサ255と同機能を有するものであり、収容部252に回収されているトナーの量に応じた信号が出力されるようになっている。
【0136】
回収トナー検出センサ264による検出信号は、制御部300に送られる。制御部300は、回収トナー検出センサ264からの検出信号により、廃トナー回収ユニット260にどれだけの量のトナーが回収されているか、さらにトナーを回収可能かどうかを判断できる。
なお、回収トナー検出センサ264としては、公知の液面センサや光電センサ、嵩センサ等を用いることができ、収容部252に収容されているトナーの量に応じた信号が出力されるようになっている。
【0137】
廃トナー回収ユニット260には、自己が廃トナーを回収するユニットであることを示す識別信号、例えば3ビットの信号で「111」などを出力する出力端子265を有している。この出力端子265は、廃トナー回収ユニット260が装着されたスロット206のユニット接続端子207と電気的に接続される。これにより、作像ユニット210がスロット206に装着された場合と同様に、出力端子265から出力される識別信号が制御部300に送られることになる。
【0138】
図21は、第2の実施形態に係る制御部300の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部300は、主な構成要素として、CPU301と、通信インターフェース(I/F)部302と、画像処理部303と、画像メモリ304と、LD駆動部305と、RAM306と、ROM307と、ユニット検知部308とを備え、バス310を介してデータをやりとりできるようになっている。
【0139】
制御部300の各構成要素は、基本的に、第1の実施形態に係る制御部100の同名の構成要素と同じ機能を有する。さらに、制御部300のユニット検知部308(図21参照)は、作像ユニット210だけでなく、廃トナー回収ユニット260からの識別信号を受信し、その信号に示される3ビットの情報を読み取ることで廃トナー回収ユニット260がどのスロット206に装着されているのかを検出することができる。
【0140】
廃トナー回収ユニット260を装着する場合にどの作像ユニット210と組み合わせて使用できるのかについては、図5の表の「廃トナー用」欄に丸印が付されている各欄に示される組み合わせとして予め決められている。例えば、欄1004であれば、作像ユニット210M´、210C´、210K、廃トナー回収ユニット260の組み合わせになる(図19の例)。
【0141】
(2)制御部300によるクリーニング処理
図22は、制御部300によるクリーニング処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、1枚の記録紙に対する印刷が行われる毎に実行される。
同図に示すように、クリーナ250が残留トナーを回収できない状態(以下、「飽和状態」という。)であるか否かを判断する(ステップS131)。この判断は、回収トナー検出センサ255からの検出信号に基づいて行われる。
【0142】
飽和状態でない場合は(ステップS131で「NO」)、クリーナ250を使用してクリーニングを行う(ステップS132)。
一方、クリーナ250が飽和状態の場合は(ステップS131で「YES」)、廃トナー回収ユニット260が装着されているか否かを判断し(ステップS133)、装着されている場合は(ステップS133で「YES」)、廃トナー回収ユニット260が飽和状態か否かを判断する(ステップS134)。飽和状態でないと判断した場合(ステップS134で「NO」)、廃トナー回収ユニット260を使用してクリーニングを行う(ステップS135)。
【0143】
ステップS133に戻って、廃トナー回収ユニット260が装着されていない場合は(ステップS133で「NO」)、クリーナ250の交換または廃トナー回収ユニット260の装着を促すメッセージを操作パネル205に表示し(ステップS136)、ステップS131に戻る。
また、ステップS134に戻って、廃トナー回収ユニット260が飽和状態の場合は(ステップS134で「YES」)、クリーナ250の交換または廃トナー回収ユニット260の交換を促すメッセージを操作パネル205に表示し(ステップS137)、ステップS131に戻る。この意味で、制御部300は、当該クリーニング処理を実行するときに、クリーナ250と廃トナー回収ユニット260とを切り換える切換手段として機能するものといえる。
【0144】
なお、上記説明では、主としてクリーナ250でクリーニングを行い、クリーナ250が飽和状態になったときに予備としての廃トナー回収ユニット260を使用する構成であったが、主として廃トナー回収ユニット260でクリーニングを行い、予備としてクリーナ250を使用する構成であってもよい。
(3)制御部300による別のクリーニング処理
上記クリーニング処理では、クリーナ250が飽和状態になると次に廃トナー回収ユニット260を使用するとしたが、使用順はこれに限定されない。例えば、クリーナ250と廃トナー回収ユニット260のトナー回収量が同じになるように双方を交互に使用する構成としても良い。
【0145】
図23は、制御部300による別のクリーニング処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、1枚の記録紙に対する印刷が行われる毎に実行される。
同図に示すように、クリーナ250が飽和状態であるか否かを判断し(ステップS141)、飽和状態でない場合は(ステップS141で「NO」)、さらに廃トナー回収ユニット260が装着されているか否かを判断し(ステップS142)、装着されている場合は(ステップS142で「YES」)、廃トナー回収ユニット260が飽和状態か否かを判断する(ステップS143)。飽和状態でないと判断した場合(ステップS143で「NO」)、クリーナ250および廃トナー回収ユニット260のいずれを用いるかを決め、決めた方を使用してクリーニングを行う(ステップS144)。
【0146】
クリーナ250および廃トナー回収ユニット260の両方を使用してクリーニングを行う場合は(ステップS144)、まず、クリーナ250の廃トナー収容部252の飽和レベルをA(0〜100)、廃トナー回収ユニット260の収容部262の飽和レベルをB(0〜100)とする。それぞれ0が空状態、100が飽和状態である。なお、収容部262の飽和レベルは、それぞれ液面センサを使用して検知したり、収容部262の下側にコイルバネ(不図示)を設け、収容部262に廃トナーが溜まって収容部が下がるのを光学センサで検知したりする方法が考えられる。
【0147】
もしA≦Bの状態であれば、クリーナ250のブレードを中間転写ベルト225に圧接してクリーナ250でクリーニングを行う。一方、A>Bの状態であれば、クリーナ250のブレード251を中間転写ベルト225から離簡させて廃トナー回収ユニット260でクリーニングを行う。
そして、クリーナ250の収容部252が飽和レベルに達したら、クリーナ250の廃トナーが飽和状態であることを操作パネル205に表示して、ユーザに収容部252の交換を促す。同様に、廃トナー回収ユニット260の収容部262が飽和レベルに達したら、廃トナー回収ユニット260の収容部262が飽和状態であることを操作パネル205に表示して、ユーザに収容部262の交換を促す。
【0148】
ステップS142に戻って、廃トナー回収ユニット260が装着されていない場合は(ステップS142で「NO」)、クリーナ250を使用してクリーニングが行われる(ステップS145)。
ステップS143に戻って、廃トナー回収ユニット260が飽和状態であると判断した場合(ステップS143で「YES」)、廃トナー回収ユニット260の交換を促すメッセージを操作パネル205に表示されるとともに(ステップS146)、クリーナ250を使用してクリーニングが行われる(ステップS145)。
【0149】
ステップS141に戻って、クリーナ250が飽和状態であると判断した場合(ステップS141で「YES」)、さらに廃トナー回収ユニット260が装着されているか否かを判断し(ステップS147)、装着されている場合は(ステップS147で「YES」)、廃トナー回収ユニット260を使用してクリーニングが行われる(ステップS148)。
【0150】
一方、廃トナー回収ユニット260が装着されていないと判断した場合(ステップS147で「NO」)、クリーナ250の交換または廃トナー回収ユニット260の装着を促すメッセージを操作パネル205に表示する(ステップS149)。
このように作像ユニット210に代えて廃トナー回収ユニット260を装着可能とすることにより、クリーナ250の収容部252が飽和状態になってもその時点で収容部252を交換する必要がなくなり、クリーナ250だけを備える構成に比べて、収容部252の交換作業の回数が減り、メンテナンス性が向上する。
【0151】
なお、上記では、制御部300がクリーナ250と廃トナー回収ユニット260のいずれを用いるかを決めるとしたが、例えばその使用方法の指定をユーザから受け付けるための画面(不図示)を操作パネル205に表示し、当該画面において指定された使用方法によりクリーナ250と廃トナー回収ユニット260を切り換えてトナー除去を行う処理を実行するとしても良い。この場合、制御部300は、当該処理を実行するときにクリーナ250と廃トナー回収ユニット260の使用方法の指定を受け付ける受付手段として機能すると共に、受け付けた使用方法に応じてクリーナ250と廃トナー回収ユニット260を切り換えて使用する切換手段として機能するものといえる。
【0152】
なお、上記では、クリーニング処理を1枚の記録紙への画像形成が実行される毎に行うとしたが、実行タイミングはこれに限られない。例えば、複数枚、1ページまたは複数ページに対する画像形成が実行される毎、1つまたは複数のジョブが終了する毎などのタイミングで実行するとしても良い。
さらに、図22に示すクリーニング処理と図23に示すクリーニング処理とを別々の装置に用いるとしたが、例えば1つの装置において各処理をユーザが操作パネル205または外部端末から任意に選択できる構成にするとしても良い。
【0153】
図24は、別の廃トナー回収ユニット270の概略構成を示す図である。
同図に示すように、廃トナー回収ユニット270は、中間転写ベルト225上に残留した廃トナーを再帯電させるための帯電ローラ271と、中間転写ベルト225上の廃トナーが転写される回収ローラ272と、回収ローラ272を帯電させるための帯電器273と、回収ローラ272に転写された廃トナーを回収部274へ掻き落とすためのブレード275と、当該ブレード275を掻き落とし位置および非掻き落とし位置に切り換える切換モータ276と、出力端子277とを備える。
【0154】
廃トナー回収ユニット270の廃トナー回収のメカニズムを以下に説明する。まず、2次転写後に中間転写ベルト225上に残留する廃トナーの持つ電荷はブロード分布しているため、帯電ローラ271を用いて前記廃トナーを強制的に負極へ帯電させる。当該廃トナーは転写ローラ224と回収ローラ272とで挟まれた領域へ搬送される。回収ローラ272は帯電器273により正極へ帯電させられているため、転写ローラ224に負極のバイアスを印加すれば廃トナーが回収ローラ272へ転写される。そして、回収された回収ローラ272上の廃トナーは、前記回収ローラ272上からブレード275によって掻き落とされ廃トナー収容部に収容される。
【0155】
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)各画像形成モードにおいて、どの作像ユニットがどのスロットに装着されるのが最適であるのかを予め決めておけば、装着されている作像ユニットの組み合わせにおいて、当該最適な状態になるように、ユーザに対し作像ユニットの入れ換えの指示、例えば「1番スロットと2番スロットに装着されている各作像ユニットを入れ換えてください」という旨のメッセージを操作パネルに表示させ、作像ユニットの入れ換えを促すようにすることもできる。
【0156】
電子写真方式の画像形成装置においては、画質上好ましい色重ね順序がある。例えば、作像ユニットは、上流側から順番に、K、C、MおよびYの順序であることが好ましいため、その順序になっていなければ、作像ユニットの装着位置の変更を促すメッセージあるいはサインを操作パネルに表示してもよい。
また、フルカラー用の作像ユニットと擬似フルカラー用の作像ユニットとを組み合わせて使用するのは画質を考慮すると好ましくないため、フルカラーモード用の作像ユニットと擬似フルカラーモード用の作像ユニットとが装着されている場合は、操作パネルに作像ユニットの交換を促すメッセージを表示することが考えられる。具体的には、Y、M、C´、Kの各色用の作像ユニットが装着されている場合などである。
【0157】
なお、ユーザに知らせることができれば、上記指示の出力はメッセージ表示に限られることはない。例えば、音声出力する方法、ジョブの要求元の端末装置等に出力し、そのディスプレイ上に表示させる方法等をとることもできる。
(2)上記実施の形態では、実行可能な画像形成モードを示す情報を操作パネルにメッセージ表示させるとしたが、ユーザに知らせることができれば、当該情報の出力方法は、これに限られない。例えば、上記のように当該情報を音声出力する方法等をとることもできる。
(3)上記実施の形態では、作像ユニットを装着するためのスロット(格納部)を4個設けた構成例を説明したが、格納部の数はこれに限られない。例えば、5個以上とすることができる。この場合、例えばM´色用の作像ユニットを1つ、C´色用の作像ユニットを2つ、K色用の作像ユニットを2つ装着することができる。2つのC´色用の作像ユニットを上記のように切り換えて使用すれば,C´色用の作像ユニットの交換サイクルが伸び、それだけユーザにとって交換に要する手間が少なくなる。
【0158】
また、上記では、全での作像ユニットを各スロットに着脱可能としたが、例えばM、C、K色用の作像ユニットについては、各スロットに固定的に配置し、残りのスロットに、別の作像ユニットをユーザによる着脱が可能になるように構成しても良い。少なくとも擬似フルカラーモードを実行でき、Y色用の作像ユニットが別のスロットに装着されればフルカラーモードの実行も可能になる。
(4)上記実施の形態では、本発明をプリンタに適用した場合の例を説明したが、画像形成装置としては、プリンタに限られず、複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
【0159】
また、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
<画像形成方法>
本発明は、画像形成装置に限られず、上記擬似フルカラーモード等における画像形成方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0160】
また、本発明に係るプログラムは、上記に説明した処理をコンピュータに実行させるための全てのモジュールを含んでいる必要はなく、例えば通信プログラムやオペレーティングシステム(OS)に含まれるプログラムなど、別途情報処理装置にインストールすることができる各種汎用的なプログラムを利用して、本発明の各処理をコンピュータに実行させるようにしても良い。従って、上記した本発明の記録媒体に必ずしも上記全てのモジュールを記録している必要はないし、また必ずしも全てのモジュールを伝送する必要もない。さらに所定の処理を専用ハードウェアを利用して実行させるようにすることができる場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリやそれら複合機などの電子写真方式による画像形成装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す図である。
【図2】作像ユニット10の概略構成を示す図である。
【図3】作像ユニット10Yに代えて作像ユニット10Kをスロット6に装着した例を示す図である。
【図4】一部のスロット6に作像ユニット10が装着されていない例を示す図である。
【図5】L*a*b*表色系におけるM、C色のトナーの色度点を示す色度図である。
【図6】作像ユニット10の組み合わせと実行可能な画像形成モードの関係を示す図である。
【図7】制御部100の構成を示すブロック図である。
【図8】画像処理部103の構成を示すブロック図である。
【図9】制御部100で実行されるプリントジョブの内容を示すフローチャートである。
【図10】モード表示処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】選択可能な画像形成モードが表示された操作パネル5のメッセージ画面111を示す図である。
【図12】ユニット決定処理1の内容を示すフローチャートである。
【図13】ユニット決定処理2の内容を示すフローチャートである。
【図14】ユニット決定処理3の内容を示すフローチャートである。
【図15】ユニット決定処理4の内容を示すフローチャートである。
【図16】変形例に係るユニット決定処理1の内容を示すフローチャートである。
【図17】変形例に係るプリント処理の内容を示すフローチャートである。
【図18】1枚の記録紙について、各作像ユニット10に対し割り当てられた画像形成領域の様子を示す模式図である。
【図19】第2の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図20】廃トナー回収ユニット260の概略構成を示す図である。
【図21】第2の実施形態に係る制御部300の構成を示すブロック図である。
【図22】制御部300によるクリーニング処理の内容を示すフローチャートである。
【図23】制御部300による別のクリーニング処理の内容を示すフローチャートである。
【図24】別の廃トナー回収ユニット270の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0163】
1,200 画像形成装置
6,206 格納部
10(10Y,10M,10C,10K),210 作像ユニット
225 被転写体
250 クリーナ
260,270 廃トナー回収ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作像ユニットを備え、それぞれの作像ユニットで作像される各色のトナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置であって、
作像ユニットを格納するための格納部を4個以上備え、
第1の格納部にマゼンタ色用の第1の作像ユニットが格納され、第2の格納部にシアン色用の第2の作像ユニットが格納され、第3の格納部にブラック色用の第3の作像ユニットが格納されている場合に、
前記複数の作像ユニットとして第1〜第3の作像ユニットのみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
第1〜第3の作像ユニットそれぞれが第1〜第3の格納部に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
第1〜第3の作像ユニットとは別の第4の作像ユニットが、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
第4の作像ユニットがマゼンタ色用、シアン色用およびブラック色用のいずれかのものであり、
第4の格納部に第4の作像ユニットが格納されている場合には、
同じ色用の複数の作像ユニットについては、これらを切り換えて使用することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記同じ色用の複数の作像ユニットのうち、1つの作像ユニットを用いて当該色の現像を行い、当該1つの作像ユニットによる現像が不可能になると、別の作像ユニットに切り換えて当該色の現像を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記同じ色用の複数の作像ユニットを交互に切り換えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記被転写体は、記録のためのシートであり、
シート1枚ごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記被転写体は、記録のためのシートであり、
シート1枚に対する画像形成領域を複数の部分領域に分けたときに、各部分領域ごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カラー画像の形成は、ジョブ単位で実行され、
1つのジョブごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記同じ色用の複数の作像ユニットに対し、その使用方法の指定を受け付け、受け付けた使用方法に基づいて、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項11】
イエロー色用の第4の作像ユニットが、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に対し着脱可能に構成されており、
第4の格納部に第4の作像ユニットが格納されている場合には、
前記画像形成モードに代えて、第1〜第4の4つの作像ユニットを用い、カラー画像を形成する別の画像形成モードの実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項12】
第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に、前記1つの像担持体上の残留トナーを回収する廃トナー回収ユニットが着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記各格納部とは別の位置に、前記1つの像担持体上の残留トナーを回収するクリーナを備え、
第4の格納部に前記廃トナー回収ユニットが格納されている場合には、
前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットとを切り換えて使用することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記クリーナによる残留トナーの回収動作の間には、前記廃トナー回収ユニットによる残留トナーの回収を中止し、前記クリーナによる残留トナーの回収が不可能になると、前記廃トナー回収ユニットによる残留トナーの回収動作を開始することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットとを交互に切り換えて使用することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットの使用方法の指定を受け付け、受け付けた使用方法に応じて、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットを切り換えることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記マゼンタ色用の作像ユニットには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用マゼンタのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用マゼンタのトナーが収容され、かつ/または、
前記シアン色用の作像ユニットには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用シアンのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用シアンのトナーが収容されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
カラー画像の形成前に、格納されている作像ユニットの中の、カラー画像を形成可能な作像ユニットの組み合わせごとに、その組み合わせに対応する画像形成モードを求め、求めた画像形成モードを示す情報を出力することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記出力された情報に示される画像形成モードの中からユーザが希望するものの指定を受け付けると、前記画像形成モードに代えて、指定された画像形成モードを実行することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記出力された情報に示される画像形成モードが複数ある場合には、前記指定の受付けを行い、1つの場合には、前記指定の受け付けを行わず、前記画像形成モードに代えて、当該1つの画像形成モードを実行することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記求めた画像形成モードが1つの場合には、前記出力を行わず、前記画像形成モードに代えて、当該1つの画像形成モードを実行することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項22】
複数の作像ユニットを用いて1つの像担持体上に異なる色のトナー像を順次形成し、形成された各トナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、
作像ユニットを格納するための4個以上の格納部のうち、第1の格納部にマゼンタ色用の第1の作像ユニットが格納され、第2の格納部にシアン色用の第2の作像ユニットが格納され、第3の格納部にブラック色用の第3の作像ユニットが格納されている場合に、
前記複数の作像ユニットとして第1〜第3の作像ユニットのみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行することを特徴とする画像形成方法。
【請求項1】
複数の作像ユニットを備え、それぞれの作像ユニットで作像される各色のトナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置であって、
作像ユニットを格納するための格納部を4個以上備え、
第1の格納部にマゼンタ色用の第1の作像ユニットが格納され、第2の格納部にシアン色用の第2の作像ユニットが格納され、第3の格納部にブラック色用の第3の作像ユニットが格納されている場合に、
前記複数の作像ユニットとして第1〜第3の作像ユニットのみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
第1〜第3の作像ユニットそれぞれが第1〜第3の格納部に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
第1〜第3の作像ユニットとは別の第4の作像ユニットが、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
第4の作像ユニットがマゼンタ色用、シアン色用およびブラック色用のいずれかのものであり、
第4の格納部に第4の作像ユニットが格納されている場合には、
同じ色用の複数の作像ユニットについては、これらを切り換えて使用することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記同じ色用の複数の作像ユニットのうち、1つの作像ユニットを用いて当該色の現像を行い、当該1つの作像ユニットによる現像が不可能になると、別の作像ユニットに切り換えて当該色の現像を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記同じ色用の複数の作像ユニットを交互に切り換えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記被転写体は、記録のためのシートであり、
シート1枚ごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記被転写体は、記録のためのシートであり、
シート1枚に対する画像形成領域を複数の部分領域に分けたときに、各部分領域ごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カラー画像の形成は、ジョブ単位で実行され、
1つのジョブごとに、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記同じ色用の複数の作像ユニットに対し、その使用方法の指定を受け付け、受け付けた使用方法に基づいて、使用する作像ユニットを切り換えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項11】
イエロー色用の第4の作像ユニットが、第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に対し着脱可能に構成されており、
第4の格納部に第4の作像ユニットが格納されている場合には、
前記画像形成モードに代えて、第1〜第4の4つの作像ユニットを用い、カラー画像を形成する別の画像形成モードの実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項12】
第1〜第3の格納部とは別の第4の格納部に、前記1つの像担持体上の残留トナーを回収する廃トナー回収ユニットが着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記各格納部とは別の位置に、前記1つの像担持体上の残留トナーを回収するクリーナを備え、
第4の格納部に前記廃トナー回収ユニットが格納されている場合には、
前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットとを切り換えて使用することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記クリーナによる残留トナーの回収動作の間には、前記廃トナー回収ユニットによる残留トナーの回収を中止し、前記クリーナによる残留トナーの回収が不可能になると、前記廃トナー回収ユニットによる残留トナーの回収動作を開始することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットとを交互に切り換えて使用することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットの使用方法の指定を受け付け、受け付けた使用方法に応じて、前記クリーナと前記廃トナー回収ユニットを切り換えることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記マゼンタ色用の作像ユニットには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用マゼンタのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用マゼンタのトナーが収容され、かつ/または、
前記シアン色用の作像ユニットには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック色の4色でカラー画像を形成する場合に用いられるフルカラー用シアンのトナーよりも、色度図上の色度点がイエローの色相に近づく方向にシフトした疑似フルカラー用シアンのトナーが収容されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
カラー画像の形成前に、格納されている作像ユニットの中の、カラー画像を形成可能な作像ユニットの組み合わせごとに、その組み合わせに対応する画像形成モードを求め、求めた画像形成モードを示す情報を出力することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記出力された情報に示される画像形成モードの中からユーザが希望するものの指定を受け付けると、前記画像形成モードに代えて、指定された画像形成モードを実行することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記出力された情報に示される画像形成モードが複数ある場合には、前記指定の受付けを行い、1つの場合には、前記指定の受け付けを行わず、前記画像形成モードに代えて、当該1つの画像形成モードを実行することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記求めた画像形成モードが1つの場合には、前記出力を行わず、前記画像形成モードに代えて、当該1つの画像形成モードを実行することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項22】
複数の作像ユニットを用いて1つの像担持体上に異なる色のトナー像を順次形成し、形成された各トナー像を被転写体上に多重転写することによりカラー画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、
作像ユニットを格納するための4個以上の格納部のうち、第1の格納部にマゼンタ色用の第1の作像ユニットが格納され、第2の格納部にシアン色用の第2の作像ユニットが格納され、第3の格納部にブラック色用の第3の作像ユニットが格納されている場合に、
前記複数の作像ユニットとして第1〜第3の作像ユニットのみを用いて、カラー画像を形成する画像形成モードを実行することを特徴とする画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2007−155824(P2007−155824A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346865(P2005−346865)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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