説明

画像形成装置および画像形成装置の調整方法

【課題】 自動原稿搬送装置を備えた構成において、画像読取部の読取調整に伴う作業者の負担を軽減できるようにする。
【解決手段】 画像形成装置は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取るスキャナ200と原稿の画像を読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送装置210とを備える。さらに、調整開始を指示する入力に基づいて、原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とが行われるようにスキャナ200および自動原稿搬送装置210を制御し、かつ第1の基準チャートの画像データに基づいた原稿台上原稿の読取に伴う読取調整と第2の基準チャートの画像データに基づいた自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う読取調整とを行う主制御部401を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動原稿搬送装置を備え、自動原稿搬送装置にて搬送される原稿の画像を読み取る場合の読取調整、および原稿台上に配置された原稿の画像を読み取る場合の読取調整を行う画像形成装置および画像形成装置の調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式を用いる画像形成装置としてデジタル複写機が多用されている。このデジタル複写機は、画像読取部と印刷部とを備え、画像読取部が原稿の画像を読み取り、これによって得られた画像データを印刷部がシート上に可視画像として画像形成すなわち印刷する。このようなデジタル複写機は、工場での組み立て後に、画像読取部の読取調整および印刷部の印刷調整が行われている。その詳細な方法については、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
ここで、画像読取部の読取調整を予め用意された基準チャートを使用して行い、印刷部の調整をその印刷部で印刷することによって得られたテスト印刷シートを使用して行う一般的な場合について説明する。
【0004】
基準チャート1001は、図19に示すように、シート一杯に矩形の枠画像が形成されたものである。テスト印刷シート1002は、図20に示すように、基準チャート1001と同様、シート一杯に矩形の枠画像が印刷されたものであり、テスト印刷パターンの画像データを調整対象となる印刷部によって印刷することにより得られたものである。なお、テスト印刷パターンの画像は、通常、基準チャートの画像と同一のものを使用可能であり、その画像データは例えば画像形成装置が記憶している。
【0005】
画像読取部の読取調整は基準チャート1001を画像読取部にて読み取り、得られた画像データに基づいて行われる。印刷部の印刷調整は、テスト印刷シート1002を画像読取部にて読み取り、得られた画像データに基づいて行われる。これら両調整の順序では、先ず画像読取部の読取調整が行われ、その後、印刷部の印刷調整が行われる。したがって、これら調整を行う場合、作業者は、先ず画像形成装置の原稿台に基準チャート1001を配置し、スタートボタンを操作して画像読取部に基準チャート1001を読み取らせる。そして、画像形成装置での画像読取部の読取調整の完了後に、今度は予め印刷していた、あるいは読取調整の完了後に印刷したテスト印刷シート1002を原稿台に配置し、スタートボタンを操作して画像読取部にテスト印刷シート1002を読み取らせるといった操作を行う。
【0006】
以下に、画像読取部の調整方法および印刷部の調整方法について具体的に説明する。なお、以下の説明においては、矩形枠画像における副走査方向の読取始端側の枠部を前枠部、読取後端側の枠部を後枠部と称し、また、主走査方向の読取始端側の枠部を上枠部、読取後端側の枠部を下枠部と称する。
【0007】
画像読取部の読取調整では、例えば、画像読取部にて原稿画像を読み取る場合の(A1)副走査方向の読取倍率調整、(A2)副走査方向の読取先端位置調整、および(A3)主走査方向の読取オフセンター調整が行われる。なお、主走査方向の読取倍率調整については、画像読取部(画像読取装置)単体において既に正しく調整されているものとし、ここでは行わない。
【0008】
これら調整には、例えば図19に示す、画像読取部の読取調整用の基準チャートの画像が印刷されたシート(以下、単に基準チャートと称する)が使用される。即ち、基準チャート1001を画像読取部にて読み取ることにより得られた、基準チャート1001の画像データを使用して調整が行われる。
【0009】
基準チャート1001は、同図に示すように、矩形の枠画像を有している。同図において、P1は矩形枠の前枠部の前端位置を示し、P2は矩形枠の後枠部の後端位置を示し、P3は矩形枠の上枠部の上端位置を示し、P4は矩形枠の下枠部の下端位置を示している。
【0010】
(A1)副走査方向の読取倍率調整では、基準チャート1001の画像データにおけるP1−P2間隔が予めメモリに記憶されている規定の間隔と一致するように、基準チャート1001の画像データにおける副走査方向の倍率を調整する。
【0011】
(A2)副走査方向の読取先端位置調整では、基準チャート1001の画像データにおける位置P1が予めメモリに記憶されている規定の読取先端位置(読取始端位置)と一致するように、メモリ上において、基準チャート1001の画像データを副走査方向に前後移動させる。
【0012】
(A3)主走査方向の読取オフセンター調整では、基準チャート1001の画像データにおける位置P3と位置P4がそれぞれ予めメモリに記憶されている規定の位置と一致するように、メモリ上において、基準チャート1001の画像データを主走査方向において前後移動させる。
【0013】
印刷部の印刷調整では、(B1)副走査方向の印刷倍率調整、(B2)主走査方向の印刷倍率調整、(B3)主走査方向の印刷オフセンター調整、および(B4)副走査方向の印刷先端位置調整が行われる。
【0014】
これら調整には、例えば図20に示す、印刷部の印刷調整用のテスト印刷パターンの画像をその印刷部自身で印刷して得られたシート(以下、テスト印刷シートと称する)が使用される。即ち、テスト印刷シート1002を画像読取部にて読み取ることにより得られた、テスト印刷シート1002の画像データを使用して調整が行われる。
【0015】
テスト印刷シート1002は、同図に示すように、矩形の枠画像を有している。同図において、P11は矩形枠の前枠部の後端位置を示し、P12は矩形枠の後枠部の前端位置を示し、P13は矩形枠の上枠部の下端位置を示し、P14は矩形枠の下枠部の上端位置を示している。
【0016】
(B1)副走査方向の印刷倍率調整では、P11−P12間隔が予めメモリに記憶されている規定の間隔と一致するように、テスト印刷シート1002の画像データの副走査方向における倍率を調整する。
【0017】
(B2)主走査方向の印刷倍率調整では、P13−P14間隔が予めメモリに記憶されている規定の間隔と一致するように、テスト印刷シート1002の画像データの主走査方向における倍率を調整する。
【0018】
(B3)主走査方向の印刷オフセンター調整では、矩形枠の上枠部の幅W2が予めメモリに記憶されている規定の印刷幅と一致するように、メモリ上において、テスト印刷シート1002の画像データを主走査方向において前後移動させる。
【0019】
(B4)副走査方向の印刷先端位置調整では、矩形枠の前枠部の幅W1が予めメモリに記憶されている規定の印刷幅と一致するように、メモリ上において、テスト印刷シート1002の画像データを副走査方向に前後移動させる。
【0020】
一方、画像形成装置は、複合機である場合、通常、自動原稿搬送装置を備えている。この自動原稿搬送装置は、原稿セットトレイに配置された複数枚の原稿を画像読取部にて読み取らせるために、順次原稿台上に搬送し、かつ原稿排出トレイに排出させるものである。したがって、このような画像形成装置での読取調整は、自動原稿搬送装置にて搬送される原稿の画像を読み取る場合の読取調整、および原稿台上に配置された原稿の画像を読み取る場合の読取調整が行われる。特に、自動原稿搬送装置が両面原稿に対応するものである場合、自動原稿搬送装置にて搬送される原稿の画像を画像読取部が読み取る場合の読取調整は、原稿の表面(おもて面)を読み取る場合と原稿の裏面を読み取る場合とのそれぞれについて読取調整が行われる。
【特許文献1】特開2005−10733号(平成17年1月13日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
上記のように、画像形成装置が自動原稿搬送装置を備えている場合には、画像読取部の読取調整に伴う作業が多くなるので、作業者の負担が大きくなる。具体的には、従来、作業者は、自動原稿搬送装置にて搬送される原稿の画像読取についての読取調整を行う場合に、自動原稿搬送装置への基準チャート1001の配置、読取スタートボタンONの手順にて作業を行い、原稿台上に配置された原稿の画像読取についての読取調整を行う場合に、原稿台への基準チャート1001の配置、読取スタートボタンONの手順にて作業を行っている。このため、これら読取調整に伴う作業が非常に面倒なものとなっている。
【0022】
したがって、本発明は、自動原稿搬送装置を備えた構成において、画像読取部の読取調整に伴う作業者の負担を軽減することができる画像形成装置および画像形成装置の調整方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部とを備えている画像形成装置において、調整開始を指示する入力に基づいて前記原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と前記原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とが行われるように前記画像読取部および自動原稿搬送部を制御する制御手段と、第1の基準チャートの画像データに基づいた原稿台上原稿の読取に伴う読取調整と第2の基準チャートの画像データに基づいた自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整とを行う画像読取部調整手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
また、本発明の画像形成装置の調整方法は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部とを備えている画像形成装置の調整方法において、調整開始を指示する入力に基づいて前記原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と前記原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とが行われるように前記画像読取部および自動原稿搬送部を制御する制御ステップと、第1の基準チャートの画像データに基づいた原稿台上原稿の読取に伴う読取調整と第2の基準チャートの画像データに基づいた自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整とを行う画像読取部調整ステップとを備えていることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、画像形成装置の読取調整を行う場合に、作業者は、原稿台に第1の基準チャートを配置し、自動原稿搬送装置に第2の基準チャートを配置し、調整開始を指示する入力操作を行えばよい。即ち、従来のように、原稿台への第1の基準チャートの配置、調整開始を指示する入力操作、自動原稿搬送装置への第2の基準チャートの配置、調整開始を指示する入力操作といった面倒な作業を行う必要がない。したがって、読取調整に伴う作業者の負担を軽減することができる。なお、上記の読取調整では、例えば、読取画像の倍率調整および位置調整を行う。
【0026】
上記の画像形成装置は、自動原稿搬送装置は前記画像読取部を第1の画像読取部とした場合に第2の画像読取部を備え、原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とは調整開始を指示する入力に基づいて動作期間を重複して行われる構成としてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とが動作期間を重複して行われるので、迅速な処理が可能となる。
【0028】
上記の画像形成装置は、階調調整手段を備え、前記基準チャートは読取調整用チャートと階調調整用チャートとを備えており、画像読取部調整手段は、基準チャートの画像データに含まれる読取調整用チャートの画像データに基づいて画像読取部の読取調整を行い、階調調整手段は、基準チャートの画像データに含まれる階調調整用チャートの画像データに基づいて階調調整を行う構成としてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、基準チャートの画像データに含まれる読取調整用チャートの画像データに基づいて画像読取部の読取調整が行われ、基準チャートの画像データに含まれる階調調整用チャートの画像データに基づいて階調調整が行われるので、作業者は、画像読取部の読取調整のための作業に加えて、階調調整用チャートを原稿台に配置して階調調整のための操作をするといった作業を行う必要がない。これにより、画像形成装置の調整における作業者の負担をさらに軽減することができる。
【0030】
上記の画像形成装置は、前記基準チャートの画像データを読取調整用チャートの画像データと階調調整用チャートの画像データとに切り分け、前者を画像読取部調整手段に与え、後者を階調調整手段に与える画像切分手段を備えている構成としてもよい。
【0031】
上記の構成によれば、画像切分手段が基準チャートの画像データを読取調整用チャートの画像データと階調調整用チャートの画像データとに個々に切り分けるので、画像読取部調整手段と階調調整手段とは、必要な画像データに基づいてそれぞれの調整動作を適切に行うことができる。
【0032】
本発明の画像形成装置は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を前記画像読取部にて読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部と、前記画像読取部から得られた原稿の画像データに基づいて印刷を行う印刷部とを備えている画像形成装置において、前記印刷部での印刷動作により得られたテスト印刷シートが前記自動原稿搬送装置により搬送されて得られたテスト印刷シートの画像データに基づいて自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整を行う画像読取部調整手段と、前記テスト印刷シートの画像データに基づいて印刷部の印刷調整を行う印刷部調整手段とを備えていることを特徴としている。
【0033】
また、本発明の画像形成装置の調整方法は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を前記画像読取部にて読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部と、前記画像読取部から得られた原稿の画像データに基づいて印刷を行う印刷部とを備えている画像形成装置の調整方法において、前記印刷部での印刷動作により得られたテスト印刷シートが前記自動原稿搬送装置により搬送されて得られたテスト印刷シートの画像データに基づいて自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整を行う画像読取部調整ステップと、前記テスト印刷シートの画像データに基づいて印刷部の印刷調整を行う印刷部調整ステップとを備えていることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、印刷部の印刷調整のために用意したテスト印刷シートの画像データに基づいて自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整を行うことができるので、この読取調整のために読取調整用の画像を画像読取部にて別途読み取る作業が不要となる。これにより、画像形成装置の調整作業に伴う作業者の負担を軽減することができる。
【0035】
本発明の画像形成装置は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を前記画像読取部にて読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部と、前記画像読取部から得られた原稿の画像データに基づいて印刷を行う印刷部とを備えている画像形成装置において、前記印刷部に印刷用の用紙を供給する複数の給紙部と、各給紙部から供給された用紙を使用して前記印刷部により作成されたテスト印刷シートが前記自動原稿搬送装置により搬送されて得られたテスト印刷シートの画像データに基づいて給紙部ごとに印刷部の印刷調整を行う印刷部調整手段とを備えていることを特徴としている。
【0036】
また、本発明の画像形成装置の調整方法は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を前記画像読取部にて読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部と、前記画像読取部から得られた原稿の画像データに基づいて複数の給紙部の何れかから供給された用紙に印刷を行う印刷部とを備えている画像形成装置の調整方法において、各給紙部から供給された用紙を使用し前記印刷部により作成されたテスト印刷シートを前記自動原稿搬送装置にて搬送し前記画像読取部にて読み取る読取ステップと、この読取ステップにて得られた各テスト印刷シートの画像データに基づいて給紙部ごとに印刷部の印刷調整を行う印刷部調整ステップとを備えていることを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、各給紙部に対応するテスト印刷シートを自動原稿搬送装置にて順次送りそれらの画像を読み取るようにしているので、画像形成装置の調整作業に伴う作業者の負担を軽減することができる。
【0038】
上記の画像形成装置は、何れかの前記テスト印刷シートの画像データに基づいて自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整を行う画像読取部調整手段を備えている構成としてもよい。
【0039】
上記の構成によれば、何れかのテスト印刷シートの画像データに基づいて自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整を行うことができるので、画像形成装置の調整作業に伴う作業者の負担をさらに軽減することができる。
【発明の効果】
【0040】
以上のように、本発明の画像形成装置は、調整開始を指示する入力に基づいて前記原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と前記原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とが行われるように前記画像読取部および自動原稿搬送部を制御する制御手段と、第1の基準チャートの画像データに基づいた原稿台上原稿の読取に伴う読取調整と第2の基準チャートの画像データに基づいた自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整とを行う画像読取部調整手段とを備えている構成である。
【0041】
これにより、画像形成装置の読取調整を行う場合に、作業者は、原稿台に第1の基準チャートを配置し、自動原稿搬送装置に第2の基準チャートを配置し、調整開始を指示する入力操作を行えばよく、読取調整に伴う作業者の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
本実施形態の画像形成装置は、画像読取部であるスキャナと印刷部であるプリンタとを備えた複合機となっている。この複合機1は、図3の全体構成図に示すように、概略的に、自動原稿搬送装置210、スキャナ200(画像読取部)、プリンタ100(印刷部)および給紙デスク装置20を備えている。
【0043】
本実施形態においては、複合機1の上部にスキャナ200が配置され、スキャナ200の上面に透明ガラスからなる原稿台209が設けられている。原稿台209の上には自動原稿搬送装置210が配置されている。また、スキャナ200の下にはプリンタ100が配置され、さらにプリンタ100の下には給紙デスク装置20が配置されている。
【0044】
自動原稿搬送装置210は、原稿セットトレイ211上にセットされた複数枚の原稿(シート)を1枚ずつ自動的に原稿台209上へ搬送し、その後、原稿排出トレイ212に排出する装置である。
【0045】
自動原稿搬送装置210は、DSPF(Duplex Single Pass Feeder)である場合、図4に示すように、原稿セットトレイ211にセットされた原稿を同図に示した搬送経路で搬送した後に原稿排出トレイ212に排出する。DSPFは、搬送経路に沿う位置に画像読取部213を備えている。この画像読取部213は例えばCCDラインセンサを有する。このようなDSPFを備えている場合、原稿セットトレイ211に配置された原稿の表面(おもて面)の画像は本体側読取部であるスキャナ200によって読み取られ、原稿の裏面の画像は送り装置側読取部である画像読取部213によって読み取られる。なお、以下の記載において原稿(シート)等の「表面」という記載は「裏面」に対する「おもて面」を意図する。
【0046】
また、自動原稿搬送装置210は、RSPF(Reversing Single Pass Feeder)である場合、図5に示すように、原稿セットトレイ211にセットされた原稿を同図に示した搬送経路(1)〜(7)で搬送した後に原稿排出トレイ212に排出する。RSPFは、内部に画像読取部を備えておらず、原稿の表面および裏面とも本体側読取部であるスキャナ200によって読み取る方式である。このために、搬送経路(4)(5)において原稿のスイッチバックを行っている。このようなRSPFを使用する場合の原稿搬送動作および画像読取動作は、搬送経路(1)〜(7)と番号を対応させて説明すると、(1)原稿セットトレイ211から原稿を給送、(2)原稿の表面読取、(3)原稿を反転パスに挿入、(4)(5)原稿を反転、(6)原稿の裏面読取、(7)原稿を排出、となる。
【0047】
スキャナ200は、原稿台209上に載置された原稿の画像を自ら走査して読み取る。あるいは、自動原稿搬送装置210によって原稿台209上に搬送され、移動する原稿の画像を固定位置にて読み取る。本実施形態のスキャナ200はカラースキャナである。スキャナ200は、原稿台209の下方に、第1走査ユニット201、第2走査ユニット202、光学レンズ203、および光電変換素子であるCCDラインセンサ204を有している。
【0048】
第1走査ユニット201は、原稿面上を露光する露光ランプ205と、原稿からの反射光像を所定の方向に反射させる第1ミラー206等から構成されている。第2走査ユニット202は、第1走査ユニット201の第1ミラー206から反射されてくる原稿からの反射光を光電変換素子であるCCDラインセンサ204に導く第2ミラー207および第3ミラー208より構成されている。光学レンズ203は、原稿からの反射光をCCDラインセンサ204上に結像させる。CCDラインセンサ204は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3ラインのイメージセンサを用いており、3色に分解して画像を読み取れるようになっている。
【0049】
次に、プリンタ100の構成、およびプリンタ100に関連する各部の構成について説明する。
【0050】
プリンタ100は、プリンタ100の外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色および単色の画像を形成するものである。
【0051】
プリンタ100は、カラー画像を扱うための4つの画像形成ステーションを有している。このプリンタ100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。
【0052】
このため、プリンタ100は、図3に示すように、露光ユニット10(10a、10b、10c、10d)、現像器2(2a、2b、2c、2d)、感光体ドラム(像担持体)3(3a、3b、3c、3d)、クリーナユニット4(4a、4b、4c、4d)、帯電器5(5a、5b、5c、5d)を、各色に応じた4種類の潜像を形成するように、それぞれの画像形成ステーションごとに備えている。各画像形成ステーションは、それぞれ、aがブラック(K)に対応し、bがシアン(C)に対応し、cがマゼンタ(M)に対応し、dがイエロー(Y)に対応するように設定されている。各画像形成ステーションを区別する必要がない場合には、以下では説明を簡単にするため、露光ユニット10、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5のように呼ぶ。
【0053】
プリンタ100は、さらに転写搬送ベルトユニット8、定着ユニット12、用紙搬送路S、給紙カセット19、排紙トレイ15,33、画像処理基板300、および制御回路基板400等を備えている。画像処理基板300は画像処理部301を含んでいる。制御回路基板400は、主制御部(画像読取部調整手段、印刷部調整手段)401、プリンタ制御部402、スキャナ制御部403、γ調整部(階調調整手段)501および記憶部600を含んでいる。以下ではプリンタ100の各部について説明する。
【0054】
感光体ドラム3はプリンタ100のほぼ中心部に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図3に示すチャージャー型のもののほかに、接触式の帯電ローラ型やブラシ型のものが用いられる。
【0055】
露光ユニット10は、発光素子をアレイ状に並べた例えばELあるいはLED書込みヘッド、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。この露光ユニット10は、帯電された感光体ドラム3を入力される画像に応じて露光することにより、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0056】
現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を、K、C、M、Yのトナーにより顕像化するものである。クリーナユニット4は、現像および画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去し回収するものである。
【0057】
感光体ドラム3の下方に配置されている転写搬送ベルトユニット8は、転写ベルト7、転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ72、転写ベルト従動ローラ73、転写ベルト支持ローラ74、転写ローラ6(6a、6b、6c、6d)、および転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0058】
転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ72、転写ローラ6、転写ベルト従動ローラ73、転写ベルト支持ローラ74等は、転写ベルト7を張架し矢印B方向に回転駆動させるものである。
【0059】
転写ローラ6は、転写ベルトユニットの内側のフレーム(図示せず)に回転可能に支持されており、感光体ドラム3のトナー像を、転写ベルト7上に吸着されて搬送されるシートに転写するものである。
【0060】
転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像は転写ベルト7上のシートに順次重ねて転写される。これにより、シート上にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。
【0061】
感光体ドラム3からシートへのトナー像の転写は、転写ベルト7の裏側に接触している転写ローラ6によって行われる。転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。なお、転写ローラ6に限らず、例えばブラシ等を用いることもできる。
【0062】
このように、転写搬送ベルトユニット8の各部材が、感光体ドラム3からシートへトナー像を転写させる転写手段として機能する。
【0063】
感光体ドラム3との接触により転写ベルト7に付着したトナーは、シートの裏面を汚す原因となるために、転写ベルトクリーニングユニット9によって除去し回収される。
【0064】
給紙カセット19は、画像形成に使用するシートを収容するものであり、プリンタ100の下側に設けられている。プリンタ100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。また、プリンタ100の側部に設けられている排紙トレイ33は、画像形成済みのシートをフェイスアップで載置するためのトレイである。
【0065】
プリンタ100には、シートを給紙カセット19からシート転写搬送ユニット8や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に送るための、Sの字形状の用紙搬送路Sが設けられている。さらに、給紙カセット19から排紙トレイ15および排紙トレイ33までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ16、レジストローラ14、定着ユニット12、搬送方向切り替えゲート34、シートを搬送する搬送ローラ25等が配されている。
【0066】
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙カセット19の端部に備えられ、給紙カセット19から、シートを1枚毎に用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
【0067】
搬送方向切換えゲート34は、実線で示す状態から破線で示す状態にすることにより搬送路Sの途中からシートを分離し、排紙トレイ33にシートを排出できるようになっている。実線で示す状態の場合には、シートは定着ユニット12と側面カバー35、搬送切換えガイド(ゲート)34の間に形成される搬送部S’(用紙搬送路Sの一部)を通り上部の排紙トレイ15に排出される。
【0068】
レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像をシートに良好に多重転写できるように、感光体ドラム3の回転にあわせて、シートをタイミングよく搬送する機能を有している。
【0069】
定着ユニット12は、ヒートローラ31および加圧ローラ32等を備えている。ヒートローラ31と加圧ローラ32とは、シートを挟んで回転し、シートを熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接させ、シートに熱定着させる。
【0070】
画像処理基板300は、画像データに対して所定の処理を施す回路基板であり、制御回路基板400は画像形成プロセスを制御する回路基板である。
【0071】
次に、給紙デスク装置20について説明する。給紙デスク装置20は、プリンタ100の給紙カセット19の下方に備えられている。給紙デスク装置20は、3段の給紙カセット20a〜20cを備えており、用紙搬送路Sを経由して、プリンタ100に用紙を供給できるようになっている。なお、本実施形態の複合機1は、給紙デスク装置20の構成に限らず、1段の給紙カセットを備えたものや、並行に2個の給紙カセットを有するタンデムカセットを備えたもの、あるいは単にデスクとして機能するもの等、ユーザの要望に応じて装着できるようになっている。
【0072】
なお、本実施形態では、プリンタ100を多色の画像を形成する多色プリンタとして説明するが、モノクロ(白黒)画像形成を行うプリンタでも本発明の一部を除く機能を実施可能であるものとする。
【0073】
また、複合機1は、複合機1のユーザインタフェースとしての操作パネルを、スキャナ200の位置に備えている。操作パネル220には、図6に示すように、左部分に、タッチパネル液晶表示装置(LCDと称呼する)221が配置されていて、その右側にテンキー231、スタートキー241、クリアキー251、および全解除キー261が配置されている。
【0074】
このLCD221の画面上には、種々の画面が切換えられて表示される。これらの画面中では、種々の条件を設定するタッチキーが配置されており、タッチキーを指で直接押圧操作して、各種の条件設定(例えば白黒/カラーのモード選択、原稿の種類選択、自動/手動の選択、その他の特別な機能選択など)が可能になっている。また、操作のガイダンスや警告等もこのLCD221に表示される。
【0075】
また、LCD221とテンキー231の間には、本プリンタ100を有する複合機1が複合機として動作する時の機能を切換えるキーとして、プリンタキー271、ファクシミリ/イメージ送信キー281、コピーキー291、およびそれぞれの機能ごとに登録されているジョブ状況を確認するためのジョブキー311等が配置されている。
【0076】
LCD221の右側に配置されたキー群のうち、テンキー231はLCD221画面における数値(複写枚数等)を入力するのに使用するキーであり、スタートキー241はそれぞれの処理モードでの画像形成動作や読取動作の開始を指示するためのキーである。クリアキー251はLCD221に表示される設定値をクリアしたり、画像形成動作など現在実行中の動作の中断を行ったりするキーであり、全解除キー261は、読取の条件や画像の形成条件等の設定をデフォルト値に戻すためのキーである。割込キー321は、実行中の画像形成動作などを一時中断して他の画像形成を許容するためのキーである。
【0077】
図1は、複合機1の機能的構成の主要部を示すブロック図である。同図に示すように、複合機1は、複合機1の全体を制御する主制御部401、プリンタ100、プリンタ100を制御するプリンタ制御部402、スキャナ200、スキャナ200を制御するスキャナ制御部403、画像処理部301、γ調整部501および記憶部600を備えている。記憶部600は、画像データ記憶部601、基準データ記憶部602およびテスト印刷パターン記憶部603を備えている。
【0078】
画像データ記憶部601にはスキャナ200および画像読取部213によって読み取られた画像データが記憶される。この画像データ記憶部601は主制御部401の作業領域となる。基準データ記憶部602には、スキャナ200および画像読取部213の読取調整並びにプリンタ100の印刷調整に必要な各種の基準値が記憶されている。例えば、A4サイズを含む各種サイズのシートの縦・横の長さが基準値として記憶されている。テスト印刷パターン記憶部603には、例えばA4サイズを含む少なくとも1つのサイズのテスト印刷シート702を印刷するためのテスト印刷パターンが記憶されている。
【0079】
図2は、図1に示した主制御部401の機能的構成の主要部を示すブロック図である。同図に示すように、主制御部401は、画像切分部(画像切分手段)421、読取調整部431および印刷調整部441を備えている。
【0080】
画像切分部421は、スキャナ200および画像読取部213から得られた各基準チャート画像から、矩形枠形状の画像である読取調整用画像(図7に示す読取調整用チャート711の画像)と、この読取調整用画像の内部の画像であるγ調整用チャート画像(図7に示すγ調整用チャート712の画像)とを切り分ける。これによって得られた読取調整用画像は読取調整部431に入力され、γ調整用チャート画像はγ調整部501に入力される。なお、画像読取部213から基準チャート画像が得られるのは自動原稿搬送装置210がDSPFの場合であり、自動原稿搬送装置210がRSPFの場合は、スキャナ200から得られた裏面読取画像としての基準チャート画像を使用する。
【0081】
読取調整部431はスキャナ200が読み取った基準チャート画像から切り分けた読取調整用画像に基づいてスキャナ200の読取調整を行い、画像読取部213が読み取った基準チャート画像から切り分けた読取調整用画像に基づいて画像読取部213の読取調整(裏面読取調整)を行う。印刷調整部441はスキャナ200が読み取ったテスト印刷画像に基づいてプリンタ100の印刷調整を行う。γ調整部501は、スキャナ200が読み取った基準チャート画像から切り分けたγ調整用チャート画像に基づいてスキャナ200のγ調整を行い、画像読取部213が読み取った基準チャート画像から切り分けたγ調整用チャート画像に基づいて画像読取部213のγ調整(裏面読取γ調整)を行う。
【0082】
なお、本実施形態において、スキャナ200の主走査方向の読取倍率については、既に正しく調整されているものとする。これは、スキャナ200は、工場での組立時に、治具などによって主走査方向の倍率が機械的に調整されるためである。
【0083】
図7(a)は、本実施の形態の複合機1において使用する基準チャートを示す説明図、図7(b)は同テスト印刷シートを示す説明図である。即ち、本実施の形態では、図19に示した基準チャート1001に代えて図7(a)に示す基準チャート701を使用する。なお、図7(a)に示すテスト印刷シート702は、図20に示したテスト印刷シート1002と同様の画像を有するものである。
【0084】
基準チャート701は、矩形枠形状の画像からなる読取調整用チャート711(前記基準チャート1001に相当)の内部にγ調整に使用する画像であるγ調整用チャート(階調調整用チャート)712を有するものとなっている。これにより、基準チャート701は、スキャナ200および画像読取部213の読取調整とγ調整とに使用可能である。
【0085】
テスト印刷シート702はテスト印刷パターン記憶部603に記憶されているテスト印刷パターンの画像データを印刷することによって得られる。なお、テスト印刷シート702の画像(テスト印刷パターン)は、図7(b)に示すような連続した矩形枠形状の画像ではなく、枠形状部分の画像が部分的に間引きされた状態の画像であってもよい。この場合、テスト印刷シート702(テスト印刷パターン)は、これを印刷した場合のトナー使用量を低減できる。
【0086】
図8は、テスト印刷パターン記憶部603に記憶されているテスト印刷パターンと、このテスト印刷パターンが印刷されたテスト印刷シート702との関係を示す説明図である。具体的には、例えば転写ベルト7上のテスト印刷シート702を含む領域に、上記テスト印刷パターンに基づいて形成されたテスト印刷パターン画像751が感光体ドラム3から転写された状態を示している。あるいは、感光体ドラム3の表面にテスト印刷パターンに基づいて形成されたテスト印刷パターン画像751とテスト印刷パターン画像751が印刷される場合の転写ベルト7上のテスト印刷シート702との対応関係を示している。
【0087】
同図に示すように、テスト印刷シート702に印刷されるテスト印刷パターンは、テスト印刷シート702の用紙サイズよりも大きいものであり、これによってテスト印刷シート702の端縁部一杯まで、テスト印刷画像を印刷できるようになっている。なお、本実施の形態において、テスト印刷シート702のサイズはA4となっている。
【0088】
上記の構成において、自動原稿搬送装置210が図4に示したDSPFである場合、原稿セットトレイ211に配置された原稿は、表面がスキャナ200にて読み取られ、裏面が画像読取部213にて読み取られる。一方、自動原稿搬送装置210が図5に示したRSPFである場合、原稿セットトレイ211に配置された原稿は、表面および裏面ともスキャナ200にて読み取られる。なお、以下では、自動原稿搬送装置210が例えばDSPFであるものとして説明する。
【0089】
次に、本実施の形態の複合機1における、スキャナ200および画像読取部213の読取調整、並びにプリンタ100の印刷調整の方法について説明する。これら調整の場合には、図9に示すように、先ず原稿台209上原稿の読取に伴う読取調整(スキャナ200の読取調整)、スキャナ200のγ調整、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う裏面読取調整(画像読取部213の裏面読取調整)および画像読取部213のγ調整が行われる。次に、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う表面読取調整およびプリンタ100の印刷調整が行われる。なお、図9は本実施の形態の複合機(画像形成装置)1におけるそれら読取調整および印刷調整の概要説明図である。また、原稿台209上への基準チャート701の配置は通常どおり原稿載置ガイド(図示せず)を基準として行われる。
【0090】
原稿台209上原稿の読取に伴う読取調整、スキャナ200のγ調整、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う裏面読取調整および画像読取部213のγ調整を図10のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0091】
この調整において、主制御部401は、複合機1を読取調整モードとし(S1)、図11に示すように、自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211、および原稿台209上にそれぞれ基準チャート701を配置する。この場合、各基準チャート701は画像面を下に向けて配置する。例えば、これら各部への基準チャート701の配置は図示しないセンサにて検知される(S2)。なお、読取調整モードの設定は、操作パネル220でのキー操作により設定可能となっている。
【0092】
次に、スタートキー241がONされると(S3)、原稿セットトレイ211に配置された基準チャート701が画像読取部213にて読み取られ、原稿台209に配置された基準チャート701がスキャナ200にて読み取られる(S4)。
【0093】
ここで、複合機1では、読取調整モードにおいて1回のみスタートキー241がONされると、自動原稿搬送装置210による原稿送り動作および画像読取部213による基準チャート701の読取動作とスキャナ200による原稿台209上の基準チャート701の読取動作とが順次行われる構成である。
【0094】
次に、スキャナ200から得られた基準チャート画像に基づいて原稿台209上原稿の読取に伴う読取調整(スキャナ200の読取調整)を行い、画像読取部213から得られた基準チャート画像に基づいて、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う裏面読取調整を行い、さらにスキャナ200から得られた基準チャート画像に基づいてスキャナ200のγ調整を行い、画像読取部213から得られた基準チャート画像に基づいて画像読取部213のγ調整を行う(S5)。その後、各調整値をそれら調整値を使用する手段にフィードバックする(S6)。
【0095】
なお、S4での基準チャート701の画像面を下に向けて原稿セットトレイ211に配置した場合の画像読取部213による上記の読取動作は、自動原稿搬送装置210を使用した読取動作についての裏面読取に相当する。したがって、基準チャート701の画像面を下に向けた配置状態での、自動原稿搬送装置210がDSPFである場合の画像読取部213の読取画像に基づく読取調整、あるいは自動原稿搬送装置210がRSPFである場合のスキャナ200の読取画像に基づく読取調整は、自動原稿搬送装置210の裏面読取調整となる。
【0096】
次に、図10に示したS5のスキャナ200および画像読取部213の読取調整、並びにスキャナ200および画像読取部213のγ調整について図12のフローチャートに基づいて説明する。
【0097】
スキャナ200の読取調整および画像読取部213の読取調整(裏面読取調整)において、主制御部401の画像切分部421は、スキャナ200から得られた基準チャート画像および画像読取部213から得られた基準チャート画像を、それぞれ矩形枠形状の画像である読取調整用画像(読取調整用チャート711に対応する画像)とこの読取調整用画像の内部の画像であるγ調整用チャート画像(γ調整用チャート712に対応する画像)とに切り分ける(S11)。そして、画像切分部421は、読取調整用画像を読取調整部431に出力し、γ調整用チャート画像をγ調整部501に出力する。
【0098】
γ調整部501では、スキャナ200が読み取った基準チャート画像のγ調整用チャート画像に基づいてスキャナ200のγ調整を行い、画像読取部213が読み取った基準チャート画像のγ調整用チャート画像に基づいて画像読取部213のγ調整を行う(S12)。このγ調整は周知の手法によって行われる。
【0099】
例えば、γ調整では、読み取った基準チャート画像の色データがA1であり、これを初期色補正係数B1で補正したときの色データがA2であったとき、基準値ArefとA2とを比較して、許容範囲を超えていれば許容範囲内に収まるように色補正係数を変更する。これにより、出力される色データが基準値に近くなるようにする。
【0100】
一方、読取調整部431では、スキャナ200が読み取った基準チャート画像の読取調整用画像に基づいてスキャナ200の読取調整を行い、画像読取部213が読み取った基準チャート画像の読取調整用画像に基づいて画像読取部213の読取調整(裏面読取調整)を行う(S13〜S14)。
【0101】
これら読取調整において、読取調整部431は先ず読取画像についての副走査方向の倍率調整を行う(S13)。次に、読取調整部431は副走査方向の先端位置調整を行う(S14)。最後に、読取調整部431は主走査方向のオフセンター調整を行う(S15)。なお、これら読取調整の詳細は、図19に基づく先述の説明の通りである。
【0102】
次に、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う表面読取調整およびプリンタ100の印刷調整を図13のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0103】
この調整において、主制御部401は、先ず、複合機1を印刷調整モードとする(S21)。なお、印刷調整モードの設定は、操作パネル220でのキー操作により設定可能となっている。
【0104】
次に、スタートキー241がONされると(S22)、例えばテスト印刷パターン記憶部603に記憶されているテスト印刷パターンを読み出してテスト印刷シート702を印刷する(S23)。この場合に使用される用紙(シート)は、複合機1が備える各給紙カセットから供給されたものである。本実施の形態においては4個の各給紙カセット19、20a〜20cから供給される。したがって、作成されるテスト印刷シート702は4枚である。また、使用する用紙は全各給紙カセット19、20a〜20cを通して同一サイズのものとするのが好ましい。
【0105】
次に、作業者は、図14に示すように、上記4枚のテスト印刷シート702を自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211に画像面を上に向けて配置する。この状態は例えば図示しないセンサにて検知される(S24)。
【0106】
次に、スタートキー241がONされると(S25)、自動原稿搬送装置210が原稿セットトレイ211に配置された4枚のテスト印刷シート702を順次送り、原稿排出トレイ212に排出する。この間に、スキャナ200は各テスト印刷シート702の画像を順次読み取る(S26)。
【0107】
このように、テスト印刷シート702の画像面を上に向けて原稿セットトレイ211に配置して原稿を送った場合、テスト印刷シート702はスキャナ200によって読み取られる。これは、自動原稿搬送装置210を使用した読取動作についての表面読取に相当する。
【0108】
次に、スキャナ200から得られたテスト印刷シート702のテスト印刷画像に基づいて、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う表面読取調整、印刷倍率調整、および全カセット調整を行う(S27)。その後、各調整値をそれら調整値を使用する手段にフィードバックする(S28)。
【0109】
S27での自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う表面読取調整は、図12に示したS13〜S15の処理に相当する。
【0110】
次に、図13のS27に示した印刷調整、即ち印刷倍率調整および全カセット調整について図15のフローチャートに基づいて説明する。
【0111】
プリンタ100の印刷調整において、主制御部401の印刷調整部441は、先ず、スキャナ200から入力されたテスト印刷画像から、テスト印刷シート702の原稿台209における配置方向とサイズとを検知する(S41)。
【0112】
次に、印刷位置調整のための演算を行い(S42)、次に、印刷倍率調整のための演算を行う(S43)。このS43の処理は、先述の(B1)副走査方向の印刷倍率調整および(B2)主走査方向の印刷倍率調整に相当する。また、この場合に使用するテスト印刷画像は4枚のテスト印刷シート702のうちの何れかに対応するものであればよい。
【0113】
次に、全カセット調整として、各給紙カセット19、20a〜20cに対応するテスト印刷画像(各給紙カセット19、20a〜20cから供給された用紙を使用して作成されたテスト印刷シート702を読み取って得られたテスト印刷画像)に基づいて、各各給紙カセット19、20a〜20cごとの主走査方向の印刷オフセンター調整を行い(S44)、その後、同様に、各各給紙カセット19、20a〜20cごとの副走査方向の印刷先端位置調整を行う(S45)。なお、このようなプリンタ100の印刷調整の詳細は図20に基づく先述の説明の通りである。
【0114】
なお、本実施の形態の複合機1において、主制御部401は、自動原稿搬送装置210を使用した読取動作についての裏面読取調整とスキャナ200の読取調整とを行う場合であって、自動原稿搬送装置210が画像読取部213を有するDSPFである場合に、スタートキー241のON操作に応じて、自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211に配置された基準チャート701の送り動作、即ち画像読取部213による読取動作とスキャナ200による原稿台209上の基準チャート701の読取動作とが同時に行われるように制御する構成であってもよい。また、上記同時とは、上記の両読取動作の期間が重複していることを意味する。
【0115】
上記のように、本実施の形態の複合機1の調整方法では、自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211と原稿台209とにそれぞれ基準チャート701が配置され、スタートキー241のON操作に応じて、自動原稿搬送装置210を使用した原稿読取動作についての裏面読取調整とスキャナ200による原稿台209上の原稿読取動作についての読取調整とが順次あるいは重複して行われる構成である。したがって、作業者は、自動原稿搬送装置210を使用した原稿読取動作についての裏面読取調整を行う場合に、自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211に基準チャート701を配置してスタートキー241をON操作し、その後、スキャナ200による原稿台209上の原稿読取動作についての読取動作を行う場合に原稿台209上に基準チャート701を配置してスタートキー241をON操作するといった作業を行う必要がなく、これら調整に伴う作業者の負担を軽減することができる。
【0116】
また、プリンタ100の印刷調整を行う場合には、複合機1が備える各給紙カセット19、20a〜20cから供給される用紙を使用して各給紙カセット19、20a〜20cに対応する基準チャート701を作成し、それら基準チャート701を自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211に配置し、それら基準チャート701を自動原稿搬送装置210を使用して一括して読み取るようにしているので、プリンタ100の印刷調整に伴う作業者の負担を軽減することができる。
【0117】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
本実施の形態において、複合機1は、図9および図10に示した読取調整モードでの調整に代えて、図16および図17に示す第1調整モードでの調整を行い、また、図9および図13に示した印刷調整モードでの調整に代えて、図16および図18に示す第2調整モードでの調整を行うようになっている。
【0118】
第1調整モードでは、原稿台209上原稿の読取に伴う読取調整(スキャナ200の読取調整)、スキャナ200のγ調整、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う表面読取調整(画像読取部213の裏面読取調整)、画像読取部213のγ調整およびスキャナ200の印刷倍率調整を行う。この処理を図17のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0119】
この調整の場合には、先ず、複合機1を第1調整モードとし(S51)、スタートキー241がONされると(S52)、各給紙カセット19、20a〜20cのうちの何れかから供給された用紙にテスト印刷パターン記憶部603に記録されているテスト印刷パターンを印刷してテスト印刷シート702を作成する(S53)。なお、第1調整モードの設定は、操作パネル220でのキー操作により設定可能となっている。
【0120】
その後、自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211および原稿台209に基準チャート701が配置され(S54)、スタートキー241がONされると(S55)、原稿セットトレイ211に配置された基準チャート701が画像読取部213にて読み取られ、原稿台209に配置された基準チャート701がスキャナ200にて読み取られる(S56)。
【0121】
なお、複合機1では、第1調整モードにおいて1回のスタートキー241のON操作により、自動原稿搬送装置210による原稿送り動作および画像読取部213による基準チャート701の読取動作とスキャナ200による原稿台209上の基準チャート701の読取動作とが順次行われる構成としてもよい。あるいは、1回目のスタートキー241のON操作に基づいて自動原稿搬送装置210による原稿送り動作および画像読取部213による基準チャート701の読取動作が行われ、2回目のスタートキー241のON操作に基づいてスキャナ200による原稿台209上の基準チャート701の読取動作が行われる構成としてもよい。
【0122】
次に、スキャナ200から得られた基準チャート画像に基づいて原稿台209上原稿の読取に伴う読取調整を行い、画像読取部213から得られた基準チャート画像に基づいて自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う裏面読取調整を行い、さらにスキャナ200から得られた基準チャート画像に基づいてスキャナ200のγ調整を行い、画像読取部213から得られた基準チャート画像に基づいて画像読取部213のγ調整を行う(S57)。
【0123】
なお、S56での基準チャート701の画像面を下に向けて原稿セットトレイ211に配置した場合の画像読取部213による上記の読取動作は、自動原稿搬送装置210を使用した読取動作についての裏面読取に相当する。したがって、自動原稿搬送装置210がDSPFである場合の画像読取部213の読取画像に基づく読取調整、あるいは自動原稿搬送装置210がRSPFである場合のスキャナ200の読取画像に基づく読取調整は、自動原稿搬送装置210の裏面読取調整となる。
【0124】
次に、原稿台209にS53にて作成されたテスト印刷シート702が配置され(S58)、スタートキー241がONされると(S59)、スキャナ200によってテスト印刷シート702が読み取られ(S60)、得られたテスト印刷画像に基づいてプリンタ100の印刷倍率調整が行われる(S61)。その後、各調整値をそれら調整値を使用する手段にフィードバックする(S62)。
【0125】
なお、上記S61の処理は図15に示したS43の処理に相当する。また、S57の処理は図12に基づいて説明したとおりである。
【0126】
次に、第2調整モードでは、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う表面読取調整およびプリンタ100の印刷調整を行う。この処理を図18のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0127】
この調整において、主制御部401は複合機1を第2調整モードとする(S71)。なお、第2調整モードの設定は、操作パネル220でのキー操作により設定可能となっている。以下の動作は、S77の処理を除いて図13に示した動作と同一であるので説明を省略する。S77の処理では、図13の対応するS27の処理に対して先のS61において行われた印刷倍率調整が除かれている。
【0128】
上記のように、本実施の形態の複合機1の調整方法では、自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211と原稿台209とにそれぞれ基準チャート701が配置され、スタートキー241のON操作に応じて、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う裏面読取調整と原稿台209上原稿の読取に伴う読取調整とが順次あるいは同時に(重複した期間に)行われる構成である。したがって、作業者は、自動原稿搬送装置210による搬送原稿の読取に伴う裏面読取調整を行う場合に、自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211に基準チャート701を配置してスタートキー241をON操作し、その後、原稿台209上原稿の読取に伴う読取調整を行う場合に原稿台209上に基準チャート701を配置してスタートキー241をON操作するといった作業を行う必要がなく、これら調整に伴う作業者の負担を軽減することができる。
【0129】
また、プリンタ100の印刷調整を行う場合には、複合機1が備える各給紙カセット19、20a〜20cから供給される用紙を使用して各給紙カセット19、20a〜20cに対応するテスト印刷シート702を作成し、それらテスト印刷シート702を自動原稿搬送装置210の原稿セットトレイ211に配置し、それらテスト印刷シート702を自動原稿搬送装置210を使用して一括して読み取るようにしているので、プリンタ100の印刷調整に伴う作業者の負担を軽減することができる。
【0130】
また、本実施の形態2の構成では、実施の形態1の構成と比較して、各各給紙カセット19、20a〜20cに対応したテスト印刷画像に基づく印刷調整の前に、印刷倍率調整を行っている。したがって、この印刷倍率調整を行う分だけ作業が増加するものの、良好な印刷調整が可能となっている。
【0131】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明の画像形成装置の構成は、スキャナとプリンタとを備えたデジタル複写機の複合機等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の一実施の形態における画像形成装置の読取調整および印刷調整のための機能的構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した主制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態における画像形成装置の内部の構成を示す正面図である。
【図4】図3に示した自動原稿搬送装置の一例としてのDSPFの構成を示す模式図である。
【図5】図3に示した自動原稿搬送装置の一例としてのRSPFの構成を示す模式図である。
【図6】図3に示した画像形成装置が備える操作パネルを示す平面図である。
【図7】図7(a)は図3に示した画像形成装置での読取調整に使用する基準チャートを示す説明図、図7(b)は同画像形成装置での印刷調整に使用するテスト印刷シートを示す説明図である。
【図8】図1に示したテスト印刷パターン記憶部に記憶されているテスト印刷パターンと、このテスト印刷パターンが印刷されたテスト印刷シートとの関係を示す説明図である。
【図9】図1に示した画像形成装置における読取調整および印刷調整の概要説明図である。
【図10】図1に示した構成による画像形成装置の読取調整モードの動作を示すフローチャートである。
【図11】図4に示した自動原稿搬送装置(DSPF)を使用して画像形成装置の読取調整を行う場合の基準チャートの配置状態を示す説明図である。
【図12】図10のS5のスキャナおよび画像読取部の読取調整、並びにスキャナおよび画像読取部213のγ調整を示すフローチャートである。
【図13】図1に示した構成による画像形成装置の印刷調整モードの動作を示すフローチャートである。
【図14】図4に示した自動原稿搬送装置(DSPF)を使用して画像形成装置の印刷調整を行う場合の自動原稿搬送装置へのテスト印刷シートの配置状態を示す説明図である。
【図15】図13のS27の印刷調整を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の他の形態における図1に示した画像形成装置の読取調整および印刷調整の概要説明図である。
【図17】図1に示した構成による画像形成装置の第1調整モードの動作を示すフローチャートである。
【図18】図1に示した構成による画像形成装置の第2調整モードの動作を示すフローチャートである。
【図19】スキャナの読取調整に使用される従来の基準チャートを示す説明図である。
【図20】プリンタの印刷調整に使用される従来のテスト印刷シートを示す説明図である。
【符号の説明】
【0134】
1 複合機(画像形成装置)
3 感光体ドラム
101 原稿載置ガイド
100 プリンタ(印刷部)
200 スキャナ(画像読取部)
209 原稿台
401 主制御部(画像読取部調整手段、印刷部調整手段、制御手段)
421 画像切分部
431 読取調整部
441 印刷調整部
501 γ調整部(階調調整手段)
603 テスト印刷パターン記憶部
701 基準チャート
702 テスト印刷シート
711 読取調整用チャート
712 γ調整用チャート(階調調整用チャート)
751 テスト印刷パターン画像
1001 基準チャート
1002 テスト印刷シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部とを備えている画像形成装置において、
調整開始を指示する入力に基づいて前記原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と前記原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とが行われるように前記画像読取部および自動原稿搬送部を制御する制御手段と、
第1の基準チャートの画像データに基づいた原稿台上原稿の読取に伴う読取調整と第2の基準チャートの画像データに基づいた自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整とを行う画像読取部調整手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
自動原稿搬送装置は前記画像読取部を第1の画像読取部とした場合に第2の画像読取部を備え、
原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とは調整開始を指示する入力に基づいて動作期間を重複して行われることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
階調調整手段を備え、
前記基準チャートは読取調整用チャートと階調調整用チャートとを備えており、
画像読取部調整手段は、基準チャートの画像データに含まれる読取調整用チャートの画像データに基づいて画像読取部の読取調整を行い、
階調調整手段は、基準チャートの画像データに含まれる階調調整用チャートの画像データに基づいて階調調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記基準チャートの画像データを読取調整用チャートの画像データと階調調整用チャートの画像データとに切り分け、前者を画像読取部調整手段に与え、後者を階調調整手段に与える画像切分手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を前記画像読取部にて読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部と、前記画像読取部から得られた原稿の画像データに基づいて印刷を行う印刷部とを備えている画像形成装置において、
前記印刷部での印刷動作により得られたテスト印刷シートが前記自動原稿搬送装置により搬送されて得られたテスト印刷シートの画像データに基づいて自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整を行う画像読取部調整手段と、
前記テスト印刷シートの画像データに基づいて印刷部の印刷調整を行う印刷部調整手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を前記画像読取部にて読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部と、前記画像読取部から得られた原稿の画像データに基づいて印刷を行う印刷部とを備えている画像形成装置において、
前記印刷部に印刷用の用紙を供給する複数の給紙部と、
各給紙部から供給された用紙を使用して前記印刷部により作成されたテスト印刷シートが前記自動原稿搬送装置により搬送されて得られたテスト印刷シートの画像データに基づいて給紙部ごとに印刷部の印刷調整を行う印刷部調整手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
何れかの前記テスト印刷シートの画像データに基づいて自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整を行う画像読取部調整手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部とを備えている画像形成装置の調整方法において、
調整開始を指示する入力に基づいて前記原稿台に配置された第1の基準チャートの読取動作と前記原稿配置部に配置された第2の基準チャートの搬送動作および読取動作とが行われるように前記画像読取部および自動原稿搬送部を制御する制御ステップと、
第1の基準チャートの画像データに基づいた原稿台上原稿の読取に伴う読取調整と第2の基準チャートの画像データに基づいた自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整とを行う画像読取部調整ステップとを備えていることを特徴とする画像形成装置の調整方法。
【請求項9】
原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を前記画像読取部にて読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部と、前記画像読取部から得られた原稿の画像データに基づいて印刷を行う印刷部とを備えている画像形成装置の調整方法において、
前記印刷部での印刷動作により得られたテスト印刷シートが前記自動原稿搬送装置により搬送されて得られたテスト印刷シートの画像データに基づいて自動原稿搬送装置による搬送原稿の読取に伴う読取調整を行う画像読取部調整ステップと、
前記テスト印刷シートの画像データに基づいて印刷部の印刷調整を行う印刷部調整ステップとを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
原稿の画像を読み取る画像読取部と、原稿の画像を前記画像読取部にて読み取るために原稿配置部に配置された複数の原稿を順次搬送する自動原稿搬送部と、前記画像読取部から得られた原稿の画像データに基づいて複数の給紙部の何れかから供給された用紙に印刷を行う印刷部とを備えている画像形成装置の調整方法において、
各給紙部から供給された用紙を使用し前記印刷部により作成されたテスト印刷シートを前記自動原稿搬送装置にて搬送し前記画像読取部にて読み取る読取ステップと、
この読取ステップにて得られた各テスト印刷シートの画像データに基づいて給紙部ごとに印刷部の印刷調整を行う印刷部調整ステップとを備えていることを特徴とする画像形成装置の調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−339915(P2006−339915A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160711(P2005−160711)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】