説明

画像形成装置および装着体

【課題】画像形成装置に装着される部材に設けられた記憶媒体の接点とこの接点に接触する端子との摩擦を抑制する。
【解決手段】プロセスカートリッジには、プロセスカートリッジの側面101に取り付けられ、記憶媒体17を保持する保持部材106が設けられている。保持部材106は、プロセスカートリッジとは別体で形成され、プロセスカートリッジの側面101に取り付けられている。また保持部材106には、保持部材106の奥側且つ保持部材106の内部であって第1挿入溝と第2挿入溝との間に隔壁が形成されている。そしてこの隔壁の両側面のうち第1挿入溝に面する一方の側面には、記憶媒体17に形成された4つの端子に接触する4つの端子が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および装着体に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセスカートリッジを装置本体に装着した際に、本体押圧手段によって、本体電気接点とカートリッジ電気接点部とが電気的に接続する方向に押圧される被押圧部を有するプロセスカートリッジが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−45857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、画像形成装置に装着される部材に設けられた記憶媒体の接点とこの接点に接触する端子との摩擦を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成部を有した装置本体と、前記装置本体に装着される装着部材と、接点を有し前記装着部材に取り付けられ、情報を記憶した記憶媒体と、前記装着部材とは別体で形成されるとともに当該装着部材に取り付けられ、前記記憶媒体を収容し、収容した当該記憶媒体の前記接点に接触する端子を備えた記憶媒体収容部材と、を備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記装着部材は、内部に駆動部を有するとともに、当該装着部材の長手方向における一端部側に、当該駆動部が用いる駆動力を前記装置本体側から受ける受け部を有し、前記記憶媒体収容部材は、前記装着部材の長手方向における他端部側に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記記憶媒体収容部材の前記装着部材への取り付けは、当該装着部材の予め定められた箇所に対して当該記憶媒体収容部材を挿入することで行われ、前記装着部材のうちの前記記憶媒体収容部材の挿入がなされる箇所には、挿入される当該記憶媒体収容部材の移動経路上に突出する突出部が設けられ、前記突出部は、前記記憶媒体収容部材の前記挿入がなされる際に当該記憶媒体収容部材により押圧され当該移動経路上から退避することで第1の位置まで移動し、当該記憶媒体収容部材が予め定められた箇所まで挿入された際に当該第1の位置から当該移動経路上の第2の位置まで移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
請求項4に記載の発明は、前記記憶媒体収容部材の前記装着部材への取り付けは、当該装着部材の予め定められた箇所に当該記憶媒体収容部材が挿入されることで行われ、当該記憶媒体収容部材の当該装着部材からの取り外しは、当該予め定められた箇所に挿入された当該記憶媒体収容部材が引き抜かれることで行われることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記装着部材が前記装置本体に装着された際に当該装置本体に接続され前記記憶媒体に記憶された情報の当該装置本体側への出力に用いられる出力部と、弛んだ状態で設けられるとともに前記記憶媒体収容部材と前記出力部とを結ぶ直線から外れた箇所を通るように設けられ、当該記憶媒体収容部材と当該出力部とを接続し前記記憶媒体からの情報を当該出力部に伝達する伝達線と、前記伝達線に作用する引っ張り力により伸長し前記直線側に変位しようとする当該伝達線の当該変位を規制する規制部と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、接点を有し前記記憶媒体から出力された信号に対して予め定められた処理を施す処理回路を有した基板が前記装着部材に更に取り付けられ、前記記憶媒体収容部材は、前記基板の収容も行うとともに、収容した当該基板の前記接点に接触する端子を更に有していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置に装着される本体部と、接点を有し前記本体部に設置され、情報を記憶した記憶媒体と、前記本体部とは別体で形成されるとともに当該本体部に取り付けられ、前記記憶媒体を収容し、収容した当該記憶媒体の前記接点に接触する端子を備えた記憶媒体収容部材とを備える装着体である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像形成装置に装着される装着部材に取り付けられた記憶媒体の接点とこの接点に接触する端子との摩擦を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記憶媒体収容部材の振動を低減することができる。
請求項3の発明によれば、記憶媒体収容部材が引き抜かれる方向への記憶媒体収容部材の移動を規制することが可能となる。
請求項4の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、装着部材に対する記憶媒体収容部材の着脱を簡易化することができる。
請求項5の発明によれば、伝達線から記憶媒体収容部材に対して作用する引っ張り力を低減することが可能となる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、基板の接点と端子との摩擦を抑制することができる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記憶媒体の接点とこの接点に接触する端子との摩擦を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施の形態が適用された画像形成装置の概略構成を示した図である。
【図2】プロセスカートリッジの一方側からプロセスカートリッジを眺めた場合の図である。
【図3】プロセスカートリッジの他方側からプロセスカートリッジを眺めた場合の図である。
【図4】図2の符号Aで示す領域を拡大した拡大図である。
【図5】保持部材を説明するための斜視図である。
【図6】図5の矢印VI方向から保持部材を眺めた場合の図である。
【図7】保持部材により記憶媒体等が保持された状態を示した図である。
【図8】カートリッジ側コネクタと記憶媒体との接続を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用された画像形成装置1の概略構成を示した図である。この画像形成装置1には、プロセスカートリッジ100が設けられ用紙P(記録材の一例)に対してトナー像を形成する画像形成部10が設けられている。また、画像形成部10により用紙Pに形成されたトナー像を加熱および加圧し定着する定着部20、および画像形成部10に用紙Pを供給する用紙供給部30が設けられている。また本画像形成装置1には、画像形成装置1の装置本体に対して着脱可能に設けられ、上記プロセスカートリッジ100に供給されるトナーを収容したトナーカートリッジ80が設けられている。
【0009】
ここで、装着部材、装着体の一例としてプロセスカートリッジ100は、画像形成装置1のフロント側(図中手前側)に引き抜くことで画像形成装置1の本体部(装置本体)から取り外しできるようになっている。また本実施形態では、プロセスカートリッジ100を取り外すことにより、他のプロセスカートリッジ100を装着可能となっている。ここで、プロセスカートリッジ100には、感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置14、およびクリーニング装置16が設けられている。またプロセスカートリッジ100には、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などにより構成される記憶媒体17が取り付けられている。この記憶媒体17には、プロセスカートリッジ100の種類を示す情報や、感光体ドラム11の回転数などプロセスカートリッジ100の使用状況に関する情報が格納される。また本実施形態における画像形成装置1には、露光装置13および転写装置15が設けられている。
【0010】
ここで、プロセスカートリッジ100に設けられた感光体ドラム11は、その外周面に感光層を備えており図中矢印方向に回転する。帯電装置12は、感光体ドラム11に接触する帯電ロールを有し感光体ドラム11を予め定められた電位に帯電する。露光装置13は、レーザを感光体ドラム11に照射し帯電装置12により帯電した感光体ドラム11を選択的に露光して感光体ドラム11に静電潜像を形成する。また現像装置14は、現像ロールを有し感光体ドラム11上にトナー像を形成する。
【0011】
より具体的に説明すると、現像装置14には、例えば、負極性に帯電するトナー及び正極性に帯電するキャリアからなる2成分現像剤が収容されている。そしてこの現像装置14は、感光体ドラム11上に形成された静電潜像をトナーで現像して感光体ドラム11上にトナー像を形成する。転写装置15は、ロール状部材を有し転写装置15と感光体ドラム11との間(転写部Tp)に電界を形成することにより、感光体ドラム11上のトナー像を用紙Pに転写する。またクリーニング装置16は、感光体ドラム11に接触するクリーニングブレードを有しこのクリーニングブレードを用いて感光体ドラム11上に残留するトナー等を除去する。
【0012】
一方、用紙供給部30は、図1に示すように、異なるサイズの用紙Pを画像形成部10に対して供給可能なように第1給紙部31〜第3給紙部33を備えている。ここで第1給紙部31〜第3給紙部33は同様に構成されている。第1給紙部31を一例に説明すると、第1給紙部31は、用紙Pを収容する用紙収容部41、引き込みロール43、および捌き機構44を備える。用紙収容部41は、上部に開口を有するとともに直方体状の形状を有しておりその内部に用紙Pを複数枚収容する。引き込みロール43は、用紙収容部41に収容される用紙束のうち最上位の用紙Pに接触しこの最上位の用紙Pを捌き機構44に向けて送り出す。捌き機構44は、例えば回転可能なフィードロールと回転が制限されたリタードロールとによって構成され、引き込みロール43により送り出された用紙Pを一枚ずつに捌く。
【0013】
また用紙供給部30には、レジストレーションロール(レジロール)852が設けられている。このレジロール852は、回転を停止した状態で用紙Pの搬送を一時的に止め、予め定められたタイミングにて回転を行うことにより、転写部Tpに対してレジストレーション調整を施しながら用紙Pを供給する。また用紙供給部30には、第2給紙部32から搬送されてきた用紙Pをレジロール852に向けて搬送する第1搬送ロール55と、第3給紙部33から搬送されてきた用紙Pを第1搬送ロール55に向けて搬送する第2搬送ロール65が設けられている。
【0014】
また本実施形態における画像形成装置1には、定着部20を通過した用紙Pが積載される用紙積載部YSが設けられている。さらに画像形成装置1には、用紙Pが搬送される用紙搬送経路YRが設けられている。また本実施形態における画像形成装置1では、定着部20を通過した用紙Pの表裏を反転させてこの用紙Pを転写部Tpに再度供給する用紙反転機構40が設けられている。この用紙反転機構40には、定着部20の下流側にて用紙搬送経路YRに接続され且つレジロール852の上流側にて用紙搬送経路YRに合流する反転用搬送経路SRが設けられている。また用紙反転機構40には、反転用搬送経路SR上の用紙Pを搬送する搬送ロール48が設けられている。
【0015】
また画像形成装置1には、画像形成装置1の上部に設けられたスキャナ200(画像読み取り装置)や不図示のパーソナルコンピュータ(PC)等からの画像データを受信する受信部400が設けられている。また、画像形成部10、定着部20、および用紙供給部30の動作全般を制御する制御部500、受信部400にて受信された画像データに画像処理を施した後に露光装置13に画像データを出力する画像処理部600が設けられている。
【0016】
さらに画像形成装置1には、表示パネルにより構成されユーザからの指示を受け付けるとともにユーザに対してメッセージ等を表示するユーザインタフェース(UI)700が設けられている。なお、制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびHDD(Hard Disk Drive)(何れも不図示)により構成されている。CPUでは、処理プログラムが実行される。ROMには、各種プログラム、各種テーブル、パラメータ等が記憶されている。RAMは、CPUによる各種プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられる。
【0017】
ここで用紙Pに画像が形成される際には、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された画像データが受信部400にて受信され、受信部400から画像処理部600へこの画像データが出力される。そして画像処理部600にて、画像データに対して画像処理が施される。そして画像処理が施された画像データは、露光装置13に出力される。画像データを取得した露光装置13は、帯電装置12により帯電した感光体ドラム11を選択的に露光して静電潜像を形成する。そして、形成された静電潜像は、現像装置14により例えば黒(K)のトナー像として現像される。
【0018】
一方、用紙搬送系30では、画像形成のタイミングに合わせて引き込みロール43が回転し、用紙収容部41から用紙Pが供給される。そして、捌き機構44により一枚ずつに捌かれた用紙Pは、レジロール852まで搬送され、一旦、停止される。その後、感光体ドラム11の回転タイミングに合わせてレジロール852が回転し、用紙Pが転写部Tpに供給される。そして、この転写部Tpにおいて感光体ドラム11に形成されたトナー像が用紙Pに転写される。
【0019】
その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着部20にて定着処理を受け、排出ロール75によってスキャナ200の下部に位置する用紙積載部YSに排出される。なお用紙Pの第1面のみならず第2面にも画像が形成(用紙Pの両面に画像が形成)される際には、定着部20を通過した用紙Pは、用紙反転機構40により表裏が反転されたうえで転写部Tpに再度供給される。そしてこの転写部Tpにて、感光体ドラム11に形成されたトナー像が用紙Pの第2面に転写される。そして、第2面にトナー像が転写された用紙Pは、定着部20によって定着処理を受ける。そしてこの用紙Pは用紙積載部YSに排出される。
【0020】
ここでプロセスカートリッジ100について詳細に説明する。
図2は、プロセスカートリッジ100の一方側(ユーザにより操作される側)からプロセスカートリッジ100を眺めた場合の図である。付言すると、画像形成装置1をフロント側から眺めた際のプロセスカートリッジ100の状態を示した図である。また図3は、プロセスカートリッジ100の他方側(画像形成装置1に挿入される際に先頭となる先頭部側)からプロセスカートリッジ100を眺めた場合の図である。また図4は、図2の符号Aで示す領域を拡大した拡大図である。
【0021】
上記にて説明したとおり、本実施形態におけるプロセスカートリッジ100には、プロセスカートリッジ100の種類を示す情報や、感光体ドラム11の回転数などプロセスカートリッジ100の使用状況に関する情報が格納される記憶媒体17が設けられている。この記憶媒体17は、図2に示すように、プロセスカートリッジ100に形成された側面(プロセスカートリッジ100の本体部の側面)のうちのユーザにより操作される側に位置する側面101に設けられている。より具体的には、プロセスカートリッジ100の長手方向における両端部に設けられた2つの側面のうちの一方の側面であってユーザにより操作される側に位置する側面101に設けられている。また記憶媒体17は、この側面101のうちの中央部(高さ方向における中央部、幅方向における中央部)に設けられている。
【0022】
一方、図3に示すように、側面101の裏面側には、プロセスカートリッジ100が画像形成装置1の本体側に挿入された際にこの本体側に設けられた本体側コネクタ(不図示)に挿入され、この本体側コネクタに連結(接続)されるカートリッジ側コネクタ102が設けられている。このカートリッジ側コネクタ102は、上記側面101の裏面から突出した状態で設けられている。そして本実施形態では、凹部を有した上記本体側コネクタ(不図示)に対してこのカートリッジ側コネクタ102が挿入されることで、カートリッジ側コネクタ102と本体側コネクタとが連結されるようになっている。なおカートリッジ側コネクタ102は、記憶媒体17に格納された情報の画像形成装置1側への出力に用いられる出力部として捉えることができる。
【0023】
このように凸状に形成された一方のコネクタが凹状に形成された他方のコネクタに入り込むことでコネクタ同士が連結する場合、プロセスカートリッジ100と画像形成装置1の本体側との電気的接続が確保されやすくなる。付言すると、プロセスカートリッジ100が振動などしたとしても、プロセスカートリッジ100と画像形成装置1の本体側との電気的接続が確保されやすくなる。ここで本実施形態では、カートリッジ側コネクタ102と上記記憶媒体17とが信号線で接続されており(後述)、記憶媒体17に格納された情報が画像形成装置1の本体側に読み出される。付言すると、記憶媒体17からの情報が伝達線として機能する信号線によって画像形成装置1の本体側に伝達される。また本実施形態では、画像形成装置1の本体側から出力された情報が体記憶媒体17に書き込まれるようになっている。
【0024】
なお、図3に示すように、プロセスカートリッジ100の他方の側面103には、画像形成装置1の本体側に連結されこの本体側から回転駆動力を受け回転する回転部材104(受け部の一例)が設けられている。そして本実施形態では、この回転部材104が回転することにより、感光体ドラム11(図1)が回転するようになっている。また、回転部材104が回転することにより、現像装置14に設けられた回転部材(駆動部の一例、不図示)が回転駆動し、現像装置14の内部にてトナーが撹拌されるようになっている。
【0025】
ここで上記では説明を省略したが、プロセスカートリッジ100には、図4に示すように、プロセスカートリッジ100の上記側面101に取り付けられ、記憶媒体17を保持する保持部材106が設けられている。ここで保持部材106は、プロセスカートリッジ100とは別体で形成され、プロセスカートリッジ100の上記側面101に取り付けられている。また保持部材106は、記憶媒体である記憶媒体17を収容する記憶媒体収容部材として捉えることができる。
ここで図5〜図7を参照して、保持部材106について詳細に説明する。なお図5は、保持部材106を説明するための斜視図である。図6は、図5の矢印VI方向から保持部材106を眺めた場合の図である。図7は、保持部材106により記憶媒体17等が保持された状態を示した図である。
【0026】
図5に示すように、保持部材106の一方の端部側には、開口106Aが形成されている。ここで開口106Aには、上部側に位置し記憶媒体17等が挿入および引き抜かれる際にこの記憶媒体17等が通過する第1開口106Bと、後述する信号線の一端部に取り付けられたコネクタが挿入および取り外される際にこのコネクタが通過する第2開口106Cが設けられている。
【0027】
また、図6に示すように、第1開口106Bの奥側には、記憶媒体17が挿入される第1挿入溝106Dが設けられている。また上記では説明を省略したが、本実施形態におけるプロセスカートリッジ100では、記憶媒体17から出力される信号の波形を整形する整形回路が設けられた回路基板18が設けられ、この回路基板18も保持部材106により保持されている。ここで本実施形態における保持部材106には、第1開口106Bの奥側且つ上記第1挿入溝106Dの下部に、回路基板18が挿入される第2挿入溝106Eが形成されている。
【0028】
また本実施形態における保持部材106では、図6に示すように、弾性変形可能に設けられ保持部材106の奥側に位置する端面から第1開口106B側に向かって突出した第1突出片DT1が設けられている。さらに、同じく弾性変形可能に設けられ上記奥側に位置する端面から第1開口106B側に向かって突出した第2突出片DT2が設けられている。ここで第1突出片DT1は、第1挿入溝106Dに挿入された記憶媒体17に沿うように設けられるとともに、先端部に、記憶媒体17側に突出する突起TK1(図7も参照)を有している。また第2突出片DT2は、第2挿入溝106Eに挿入された回路基板18に沿うように設けられるとともに、先端部に、回路基板18側に突出する突起TK2(図7も参照)を有している。
【0029】
ここで本実施形態では、第1突出片DT1の突起TK1が記憶媒体17の端部に突き当たることで記憶媒体17の移動(引き抜かれる方向への記憶媒体17の移動)が規制されるようになっている。また第2突出片DT2の突起TK2が回路基板18の端部に突き当たることで回路基板18(引き抜かれる方向への回路基板18の移動)の移動が規制されるようになっている。
【0030】
なお、記憶媒体17が第1挿入溝106Dに挿入される際には、突起TK1に形成された斜面SY1(図7参照)が記憶媒体17によって押圧される。付言すると、記憶媒体17の挿入方向に進むに従い記憶媒体17の移動経路側に接近する斜面SY1が記憶媒体17によって押圧される。これにより第1突出片DT1が弾性変形し、記憶媒体17の移動経路から突起TK1は退避する。これにより、記憶媒体17の挿入が第1突出片DT1により規制されることが抑制される。また、回路基板18が第2挿入溝106Eに挿入される際には、突起TK2に形成された斜面SY2(図7参照)が回路基板18によって押圧される。付言すると、回路基板18の挿入方向に進むに従い回路基板18の移動経路側に接近する斜面SY2が回路基板18によって押圧される。これにより第2突出片DT2が弾性変形し、回路基板18の移動経路から突起TK2は退避する。これにより、回路基板18の挿入が第2突出片DT2により規制されることが抑制される。
【0031】
保持部材106についてさらに説明すると、図6に示すように、保持部材106の奥側且つ保持部材106の内部であって第1挿入溝106Dと第2挿入溝106Eとの間には、隔壁106Fが設けられている。そしてこの隔壁106Fの両側面のうち第1挿入溝106Dに面する一方の側面SM1には、記憶媒体17に形成された4つの端子(接点、不図示)に接触する4つの端子CTが設けられている。また、隔壁106Fの両側面のうち第2挿入溝106Eに面する他方の側面SM2には、上記回路基板18に設けられた4つの端子18A(接点の一例、図5参照)に接触する4つの端子STが設けられている。
【0032】
ここで、第1挿入溝106D側に位置する4つの端子CTと第2挿入溝106E側に位置する4つの端子STとは不図示の接続線を介して接続されており、記憶媒体17からの信号が回路基板18に出力される。また本実施形態では、保持部材106の内部であって第2開口106Cの奥側にも、図6に示すように、上述したコネクタに設けられた端子に接続される4つの端子LTが設けられている。なおこの4つの端子LTは、不図示の接続線を介して回路基板18に接続されている。このため本実施形態では、記憶媒体17からの信号は、回路基板18、コネクタを介して画像形成装置1の本体側に出力され、画像形成装置1からの信号は、コネクタ、回路基板18を介して記憶媒体17に出力されるようになっている。
【0033】
また本実施形態の保持部材106では、図6に示すように、第1挿入溝106Dの両端部に形成され、挿入が開始された記憶媒体17を第1挿入溝106D内へ案内する案内部106Gが設けられている。この案内部106Gには、記憶媒体17の挿入方向における下流側に向かうに従い第1挿入溝106D側に接近する傾斜面KEが形成されており、案内部106Gは、この傾斜面KEを利用して記憶媒体17の案内を行う。
【0034】
より詳細に説明すると、傾斜面KEには、上述した側面SM1側に位置する第1傾斜面SK1、第1挿入溝106Dを挟み第1傾斜面SK1と対向する箇所に配置された第2傾斜面SK2が設けられている。案内部106Gは、この第1傾斜面SK1および第2傾斜面SK2を利用して、記憶媒体17の厚み方向における記憶媒体17の移動を規制し記憶媒体17を第1挿入溝106D内に案内する。また傾斜面KEには、第1傾斜面SK1および第2傾斜面SK2に対し直交する関係で配置され記憶媒体17の側端に対向する第3傾斜面SK3が設けられている。案内部106Gは、この第3傾斜面SK3を利用して、記憶媒体17の幅方向における記憶媒体17の移動を規制し記憶媒体17を第1挿入溝106D内に案内する。
【0035】
また図6に示すように、第2挿入溝106Eにも、挿入が開始された回路基板18を第2挿入溝106E内へ案内する案内部106Hが設けられている。この案内部106Hにも、回路基板18の挿入方向における下流側に進むに従い第2挿入溝106E側に接近する傾斜面KEが形成されており、案内部106Hは、この傾斜面KEを利用して回路基板18の案内を行う。
【0036】
より詳細に説明すると、傾斜面KEには、側面SM2側に位置する第1傾斜面SK4、第2挿入溝106Eを挟み第1傾斜面SK4と対向する箇所に配置された第2傾斜面SK5が設けられている。案内部106Hは、この第1傾斜面SK4および第2傾斜面SK5を利用して、回路基板18の厚み方向における回路基板18の移動を規制し回路基板18を第2挿入溝106E内に案内する。また傾斜面KEには、第1傾斜面SK4および第2傾斜面SK5に対し直交する関係で配置され回路基板18の側端に対向する第3傾斜面SK6が設けられている。案内部106Hは、この第3傾斜面SK6を利用して、回路基板18の幅方向における回路基板18の移動を規制し回路基板18を第2挿入溝106E内に案内する。
【0037】
ここで保持部材106は、プロセスカートリッジ100の上記側面101に対して挿入されることでプロセスカートリッジ100に取り付けられている。また後述する第1規制片113、第2規制片114を弾性変形させ後述する突起115を保持部材106の移動経路から退避させることで、保持部材106が取り外しできるようになっている。このような構成とした場合、組み立て性が向上しまたリサイクル性も向上する。
【0038】
より具体的に説明すると、プロセスカートリッジ100の側面101には、図4に示すように、この側面101から離れる方向に突出した第1突起111と、同じく側面101から離れる方向に突出し且つ第1突起111よりも下方に配置された第2突起112とが設けられている。
【0039】
ここで第1突起111は、断面形状がL字状となっている。また第1突起111は、上下方向に沿って配置された第1突出片111Aを有している。さらに第1突起111には、第1突出片111Aの上端部に接続されるとともにこの第1突出片111Aと直交する関係で且つ水平方向に沿って配置され、第1突出片111Aよりも水平方向において上記第2突起112側に位置する第2突出片111Bが設けられている。また第2突起112も、断面形状がL字状の部位を有しており、上下方向に沿って配置された第1突出片112Aを有している。また第2突起112には、第1突出片112Aに接続されるとともに第1突出片112Aと直交する関係で且つ水平方向に沿って配置され、第1突出片112Aよりも水平方向において上記第1突起111側に位置する第2突出片112Bが設けられている。
【0040】
ここで本実施形態では、第1突起111に設けられた第1突出片111A、第2突出片111B、および、第2突起112に設けられた第1突出片112A、第2突出片112Bによって囲まれた領域内に保持部材106が挿入されることで、プロセスカートリッジ100の側面101に対し保持部材106が取り付けられるようになっている。さらに本実施形態では、プロセスカートリッジ100の側面101に、上記囲まれた領域に挿入された保持部材106の移動を規制する第1規制片113、第2規制片114が設けられている。ここで、第1規制片113は、図4に示すように第1突起111の下部に設けられ、第2規制片114は、第2突起112の上部に設けられている。
【0041】
ここで、第1規制片113および第2規制片114は、プロセスカートリッジ100の上記側面101から突出した状態で設けられている。また、第1規制片113および第2規制片114は、樹脂材料により形成され弾性変形が可能となっている。さらに、第1規制片113および第2規制片114は、保持部材106の外表面に沿うように(保持部材106の挿入方向に沿うように)設けられている。さらに、第1規制片113および第2規制片114の各々は、先端部に、保持部材106の移動経路上に突出する突起115を有している。本実施形態では、第1規制片113および第2規制片114の各々に設けられたこの突起115に対して保持部材106の端面が突き当たることで、プロセスカートリッジ100からの保持部材106の脱落(保持部材106を引き抜く方向への保持部材106の移動)が防止されるようになっている。なお保持部材106が上記囲まれた領域内に挿入される際には、保持部材106により突起115が押圧され、突起115は保持部材106の上記移動経路上から、この移動経路から外れた第1の位置まで退避する。そして保持部材106が突起115を通過し保持部材106が予め定められた箇所まで達すると、突起115は保持部材106の移動経路上に位置する第2の位置まで移動しこの移動経路上に突出する。
【0042】
なお、保持部材106の幅方向において、第1規制片113は保持部材106の一端部側に配置されている。また第2規制片114は、保持部材106の他端部側に配置されている。このように保持部材106の一端部側および端端部側のそれぞれに規制片(第1規制片113、第2規制片114)を設ける場合、保持部材106の一端部にのみ規制片を設ける場合に比べ、保持部材106の脱落がさらに生じにくくなる。また本実施形態では、第1規制片113によって保持部材106の下端部側の移動が規制され、第2規制片114によって保持部材106の上端部側の移動が規制されるようになっている。このように、保持部材106の上端部側および下端部側にて保持部材106の移動を規制する場合、上端部または下端部の一端部のみで移動を規制する場合に比べ、保持部材106の脱落が生じにくくなる。
【0043】
図8は、カートリッジ側コネクタ102(図3参照)と記憶媒体17との接続を説明するための図である。
上記にて説明したとおり、保持部材106に形成された第2開口106Cに対し、信号線119の一端部に取り付けられたコネクタ116が挿入される。また本実施形態では、信号線119の他端部がカートリッジ側コネクタ102に接続される。さらに本実施形態では、プロセスカートリッジ100の側面101(図2も参照)に、信号線119の移動を規制するための規制部120が設けられている。また本実施形態では、弛んだ状態で信号線119が設けられている。また信号線119は、カートリッジ側コネクタ102と保持部材106(より具体的には、保持部材106のうちの第2開口106Cが設けられている箇所)とを結ぶ直線(仮想線)KLから外れた箇所を通るように設けられている。
【0044】
ここで規制部120は、保持部材106よりもカートリッジ側コネクタ102から離れた側に設けられている。付言すると本実施形態では、規制部120とカートリッジ側コネクタ102との間に保持部材106が設けられた状態となっている。そして本実施形態では、この規制部120が設けられている箇所にて、信号線119が屈曲した状態となっている。
【0045】
また規制部120は、側面101から突出した状態で設けられるとともにこの側面101に接続された基部121を有している。さらに規制部120は、側面101との間に間隙を有して配置され側面101に対向して配置された対向片122を有している。この対向片122は、一端部が基部121に接続されるとともに保持部材106から離れる方向に向かって延びるように設けられている。ここで本実施形態では、対向片122と側面101との間を信号線119が通るように信号線119が配置されている。そして本実施形態では、側面101から離れる方向への信号線119の移動が対向片122によって規制されている。また、信号線119が規制部120に引っ掛かる状態となり、信号線119の下方への移動が規制されている。
【0046】
また本実施形態では、規制部120が設けられることより、コネクタ116を引っ張る荷重が信号線119からコネクタ116に作用しにくくなっている。具体的に説明すると、本実施形態におけるプロセスカートリッジ100では、上記のとおり、現像装置14内に回転部材が設けられ現像装置14内におけるトナーが撹拌される。そしてこの場合、プロセスカートリッジ100が振動するようになり、保持部材106とカートリッジ側コネクタ102との距離が変動する。そしてこのように変動が生じ保持部材106とカートリッジ側コネクタ102との距離が大きくなると、カートリッジ側コネクタ102が信号線119を引っ張り、信号線119に張力が作用する事態が生じ、コネクタ116が引っ張られるようになる。付言すると、信号線119に作用する張力(引っ張り力)により信号線119が伸長し上記直線KL側に信号線119が変位するようになる。そして信号線119の変位が終了し信号線119が真っすぐの状態となると、信号線119からコネクタ116に張力が作用し、コネクタ116が引っ張られるようになる。
【0047】
このため本実施形態では、信号線119を弛ませて設けるとともに、コネクタ116とカートリッジ側コネクタ102との間に規制部120を設ける構成としている。規制部120を設けた場合、上記変動によって信号線119に張力が作用したとしても、この張力の一部が規制部120に作用するようになる。付言すると、信号線119に張力が作用することで信号線119が上記直線KL側へ変位しようとするが、この変位が規制部120により規制される。そしてこのように規制がなされると、信号線119に作用する張力の一部が規制部120に作用するようになる。そしてこの場合、コネクタ116を引っ張る荷重が小さくなる。
【0048】
ところで、記憶媒体17と画像形成装置1の本体側との接続は、例えば、記憶媒体17をプロセスカートリッジ100の表面に設け、記憶媒体17と画像形成装置1の本体側に設けられた端子とを直接接触させることにより行うこともできる。さらに詳細に説明すると、画像形成装置1の本体側に、記憶媒体17に設けられた端子に接触する端子を設け、プロセスカートリッジ100の外表面に設けられた記憶媒体17の端子と画像形成装置1の本体側に設けられた端子とを直接接触させることで、記憶媒体17と画像形成装置1の本体側とを接続することもできる。
【0049】
ところで本実施形態のプロセスカートリッジ100では、上記のとおり、現像装置14内におけるトナーの撹拌によりプロセスカートリッジ100が振動する。そしてこの場合、この振動によって、記憶媒体17も振動し、記憶媒体17の端子と上記本体側に設けられた端子との間で摩擦が発生する。そしてこのように摩擦が発生すると、端子が削れ、記憶媒体17に格納された情報の読み取り等ができなくなる事態が生じうる。このため、本実施形態では、記憶媒体17の端子と接触する接触端子(端子CT(図6参照))を、プロセスカートリッジ100に設けるようにしている。この構成の場合、記憶媒体17の端子と接触する接触端子(端子CT)が、記憶媒体17に追従して移動するようになるため、上記摩擦の発生が抑制される。
【0050】
また本実施形態では、プロセスカートリッジ100のうちの駆動力を受ける一端部側ではなく(回転部材104(図3参照)が設けられた側でなく)、駆動力を受ける側とは反対側に、記憶媒体17を設けている。付言すると、プロセスカートリッジ100の長手方向における上記一端部側ではなく長手方向における他端部側に記憶媒体17を設けている。ここで、プロセスカートリッジ100は、上記駆動力を受ける側の方にて振動が大きくなり、この部位に記憶媒体17を設けると上記摩擦が生じるおそれがある。付言すると、本実施形態では、記憶媒体17の端子と接触する端子CTが記憶媒体17に追従して移動するため摩擦は生じにくくなるが、記憶媒体17の端子と端子CTとの摩擦を抑えるという観点からは、振動をより減らすことが好ましくなる。このため本実施形態では、プロセスカートリッジ100のうち、駆動力を受ける側とは反対側に、記憶媒体17および端子CTを設けるようにしている。
【0051】
なお記憶媒体17の端子と信号線119とを半田などを用いて直接接続することにより上記摩擦を防止することも考えられるが、この場合、プロセスカートリッジ100からの記憶媒体17の取り外しに手間を要するようになる。プロセスカートリッジ100から記憶媒体17を取り外すことができれば、プロセスカートリッジ100の使用履歴などを解析する際の解析作業を容易化することができる。ここで上記のように半田などにより接続されている場合、記憶媒体17の取り出しに手間を要するようになり解析作業の容易化を図りにくくなる。
【0052】
なお、カートリッジ側コネクタ102を介して情報を読み出す方法もある。ところでカートリッジには大きいサイズや小さいサイズなど様々な種類があり、カートリッジの種類に応じてカートリッジ側コネクタ102にも様々な種類がある。このような場合に、カートリッジ側コネクタ102を介して情報を読み出そうとすると、情報を読み出すための装置をカートリッジ毎に用意する必要が生じてしまう。その一方で、記憶媒体17については、複数種類のプロセスカートリッジ100にて共用化が可能である。本実施形態のように記憶媒体17をプロセスカートリッジ100から取り外すことができれば、記憶媒体17から情報を読み出すための装置の共用化が可能となる。
【0053】
また本実施形態では、保持部材106に記憶媒体17および回路基板18が収納され、ユニット化(ソケット化)されている。付言すると、保持部材106によって、記憶媒体17および回路基板18が一体化されている。このようにユニット化されている場合、記憶媒体17および回路基板18を同様に有した他のプロセスカートリッジ100を設計する際の手間が低減されるようになる。また記憶媒体17および回路基板18はいずれも小さいことが多く、プロセスカートリッジ100への取り付けおよび取り外しが行いにくいことが多い。本実施形態のようにユニット化されていると、記憶媒体17単体、回路基板18単体よりもサイズが大きくなり、プロセスカートリッジ100への取り付け作業等が行いやすくなる。
【0054】
また保持部材106に記憶媒体17および回路基板18を収納しユニット化した場合、ユニット化しない場合に比べ、上記摩擦が生じにくくなる。本実施形態のように保持部材106の内部に端子CT等を設けずに、例えば、プロセスカートリッジ100の側面101に対し端子CT等を設けることもできる。ところでこの場合、上記のようにユニット化した場合に比べ、端子CT等に対して記憶媒体17等が動きやすくなり、上記摩擦が生じやすくなる。付言すると、端子CT等と記憶媒体17等との相対移動が起こりやすくなる。このため本実施形態では、保持部材106に記憶媒体17および回路基板18を収容した構成としている。また本実施形態では、保持部材106をプロセスカートリッジ100の本体部とは別体で形成し、保持部材106をプロセスカートリッジ100の本体部に取り付ける構成としている。このような構成の場合、保持部材106とプロセスカートリッジ100の本体部とを一体で形成する場合に比べ、プロセスカートリッジ100の本体部から記憶媒体17等へ振動が伝わりにくくなる。
【0055】
また本実施形態では回路基板18も取り外し可能に設けられている。この構成の場合、回路基板18が故障した際に回路基板18のみを交換できるようになる。なお回路基板18を画像形成装置1の本体側に設ける構成も考えられるが、この場合、記憶媒体17と回路基板18との距離が大きくなる。そしてこのように距離が大きくなると、記憶媒体17と回路基板18との間にて信号にノイズが載るようになってしまう。
【0056】
このため本実施形態では、記憶媒体17に接近させて回路基板18を設けるようにしている。付言すると、画像形成装置1の本体側ではなくプロセスカートリッジ100に回路基板18を設けるようにしている。なおプロセスカートリッジ100のコストを低減するという観点からは、画像形成装置1の本体側に回路基板18を設けることが好ましいが、本実施形態では、信号波形の整形がより確実になされるように回路基板18をプロセスカートリッジ100側に設けている。
また上記にて説明した実施形態では、プロセスカートリッジ100に保持部材106を設けた場合を一例に説明したが、保持部材106の設置箇所は、プロセスカートリッジ100に限らず、トナーカートリッジ80などに設けることもできる。
【符号の説明】
【0057】
1…画像形成装置、10…画像形成部、17…記憶媒体、18…回路基板、100…プロセスカートリッジ、102…カートリッジ側コネクタ、104…回転部材、106…保持部材、115…突起、119…信号線、120…規制部、CT…端子、P…用紙、ST…端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成部を有した装置本体と、
前記装置本体に装着される装着部材と、
接点を有し前記装着部材に取り付けられ、情報を記憶した記憶媒体と、
前記装着部材とは別体で形成されるとともに当該装着部材に取り付けられ、前記記憶媒体を収容し、収容した当該記憶媒体の前記接点に接触する端子を備えた記憶媒体収容部材と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記装着部材は、内部に駆動部を有するとともに、当該装着部材の長手方向における一端部側に、当該駆動部が用いる駆動力を前記装置本体側から受ける受け部を有し、
前記記憶媒体収容部材は、前記装着部材の長手方向における他端部側に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶媒体収容部材の前記装着部材への取り付けは、当該装着部材の予め定められた箇所に対して当該記憶媒体収容部材を挿入することで行われ、
前記装着部材のうちの前記記憶媒体収容部材の挿入がなされる箇所には、挿入される当該記憶媒体収容部材の移動経路上に突出する突出部が設けられ、
前記突出部は、前記記憶媒体収容部材の前記挿入がなされる際に当該記憶媒体収容部材により押圧され当該移動経路上から退避することで第1の位置まで移動し、当該記憶媒体収容部材が予め定められた箇所まで挿入された際に当該第1の位置から当該移動経路上の第2の位置まで移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶媒体収容部材の前記装着部材への取り付けは、当該装着部材の予め定められた箇所に当該記憶媒体収容部材が挿入されることで行われ、当該記憶媒体収容部材の当該装着部材からの取り外しは、当該予め定められた箇所に挿入された当該記憶媒体収容部材が引き抜かれることで行われることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装着部材が前記装置本体に装着された際に当該装置本体に接続され前記記憶媒体に記憶された情報の当該装置本体側への出力に用いられる出力部と、
弛んだ状態で設けられるとともに前記記憶媒体収容部材と前記出力部とを結ぶ直線から外れた箇所を通るように設けられ、当該記憶媒体収容部材と当該出力部とを接続し前記記憶媒体からの情報を当該出力部に伝達する伝達線と、
前記伝達線に作用する引っ張り力により伸長し前記直線側に変位しようとする当該伝達線の当該変位を規制する規制部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
接点を有し前記記憶媒体から出力された信号に対して予め定められた処理を施す処理回路を有した基板が前記装着部材に更に取り付けられ、
前記記憶媒体収容部材は、前記基板の収容も行うとともに、収容した当該基板の前記接点に接触する端子を更に有していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
記録材に画像を形成する画像形成装置に装着される本体部と、
接点を有し前記本体部に設置され、情報を記憶した記憶媒体と、
前記本体部とは別体で形成されるとともに当該本体部に取り付けられ、前記記憶媒体を収容し、収容した当該記憶媒体の前記接点に接触する端子を備えた記憶媒体収容部材と
を備える装着体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−98487(P2012−98487A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245814(P2010−245814)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】