説明

画像形成装置の給紙装置

【課題】 表面に画像が記録された記録紙の裏面(裏紙)を再利用するため、手差裏紙給紙装置から給紙された裏紙の品質を判定し、品質の良い裏紙のみを給紙するようにした画像形成装置の給紙装置を提供する。
【解決手段】 手差裏紙給紙装置44から給紙された裏紙は迂回搬送路46に搬送される。迂回搬送路46上に設けられた裏紙処理部60は、補助捌き装置61、紙粉除去装置65、うねり検出装置71等から構成され、重送(つれ送り)された裏紙は補助捌き装置61で捌かれ、紙粉除去装置65で紙粉等が除去される。さらにうねり検出装置71で裏紙のうねり(波打ち)が検出され、うねりが少なく再利用可能な品質の良い裏紙のみが第1給紙カセットに搬送され給紙を待つ。うねりが大きく再利用不可能な裏紙は廃棄紙スタッカー42に搬送され、給紙されることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、特に複写機、プリンタ等の画像形成装置の給紙装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、原稿画像を読み取る画像読取部、読取った画像を像担持体の表面に可視像として形成する作像部のほか、給紙部から作像部に向けて記録紙を給紙する給紙部、作像部で形成された画像の記録された記録紙を排出する排紙部などが備えられている。
【0003】
作像部の作像動作を簡単に説明すると、表面が均一に帯電された像担持体の表面に、画像読取部から出力された画像信号で変調されたレーザ光が投射されて画像潜像が形成される。形成された画像潜像は、現像装置に装填されているトナーで現像され、像担持体の表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、給紙部から転写位置に給紙されてきた記録紙上に転写され定着処理され、表面に画像が形成された記録紙が排紙部の排紙トレイに排出される。
【0004】
このような画像形成装置では、最近は環境保全の一環として、表面に画像が記録された使用済みの記録紙の裏面(以下、裏紙という)を使用する場合や、再生紙を使用する場合があるが、このような裏紙或いは再生紙を記録紙として使用する場合は、記録紙表面の摩擦が大きく、また、記録紙の種類や状態によって表面摩擦に大きく差がある。
【0005】
このため、従来の画像形成装置の給紙装置のように、例えば給紙カセットに積載された最上部の記録紙にピックアップローラを接触させ、その回転により記録紙を送り出す構成では、最上部の記録紙の下にある1枚或いは複数枚の記録紙も、記録紙相互間の摩擦により送り出されてしまう「連れ送り」(以下、重送という)が発生することがあった。
【0006】
この対策として、ピックアップローラの他に押さえローラと撓みローラを設け、給紙開始時に、押さえローラの回転を停止した状態で記録紙に接触させると共に撓みローラが当接し、記録紙を給紙方向に回転させることで記録紙相互を分離し、最上部の記録紙のみを給紙するものが提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
また、例えば給紙カセットに記録紙めくり手段を設け、給紙カセットに積載された最上部の記録紙1枚のみをめくり手段でめくり、給紙するものが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−187638号公報
【特許文献2】特開平9−278200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記した従来の記録紙の重送を防ぐ給紙手段は、給紙カセットでの重送を防ぐ給紙手段であり、裏紙を使用する場合の給紙手段としては必ずしも適当でない。すなわち、裏紙は未使用の記録紙と異なり、紙束端部がきちんと整合していないし、紙粉や粉塵が付着している等、記録紙管理状態は決してよくないから、給紙・搬送の際にジャムが発生したり、傾斜して搬送される等、給紙手段の通紙品質の改善が求められていた。
【0009】
この発明は、上記課題を解決し、裏紙の使用においても未使用紙と同様に高い通紙品質で給紙・搬送できる給紙手段を備えた画像形成装置の給紙装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、画像を記録紙に形成する作像部と、前記記録紙を給紙する手差し給紙装置を含む複数の給紙手段とを備え、選択された前記複数の給紙手段のいずれか1つから作像部に給紙する画像形成装置の給紙装置において、手差し給紙装置から給紙された記録紙の使用の適不適を判断する迂回搬送路と、前記迂回搬送路から搬送された記録紙を前記手差し給紙装置以外の給紙手段に搬送する帰還搬送路と、画像記録に適しない廃棄記録紙を収納する廃棄記録紙収納手段とを備え、前記迂回搬送路を経て帰還搬送路を搬送される記録紙に、使用の不適な記録紙が発見されたときは、廃棄記録紙として廃棄記録紙収納手段に搬送すること
を特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【0011】
そして、前記手差し給紙装置以外の複数の給紙手段は、前記帰還搬送路から搬送されてきた記録紙を収納することが可能な給紙手段である。
【0012】
そして、前記迂回搬送路上には、補助捌き手段、紙粉除去手段、及び記録紙の使用の適不適を判断するための記録紙の歪み検出手段が配置されている。
【0013】
また、前記手差し給紙装置以外の複数の給紙手段は、収納された記録紙を整合させる規制板を備えるものとする。
【0014】
また、前記画像形成装置の給紙装置は、前記迂回搬送路上に配置された記録紙の歪み検出手段により検出された記録紙の歪みの程度に応じて、前記記録紙を収納する給紙手段或いは廃棄記録紙収納手段を選択するものとする。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したとおり、この発明の特徴は、手差し給紙装置から給紙された記録紙の使用の適不適を判断する迂回搬送路と、前記迂回搬送路から搬送された記録紙を前記手差し給紙装置以外の給紙手段に搬送する帰還搬送路と、画像記録に適しない廃棄記録紙を収納する廃棄記録紙収納手段とを備え、前記迂回搬送路を経て帰還搬送路を搬送される記録紙に、使用の不適な記録紙が発見されたときは、廃棄記録紙として廃棄記録紙収納手段に搬送することを特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【0016】
この構成により、表面に画像が記録された記録紙の裏面を再利用(以下、裏紙という)するため、手差し給紙装置から裏紙を給紙するときは、その裏紙を迂回搬送路上を搬送して記録紙の使用の適不適を判断し、裏紙にしばしば見受けられる歪み等がない場合、或いは多少の歪みはあっても再利用可能な場合は給紙手段に収納して再給紙に備え、記録紙に歪み等が検出されて記録紙として再利用するには不適切な場合は廃棄記録紙として廃棄記録紙収納手段に搬送して使用を禁止し、再利用可能な記録紙のみを選別して給紙することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態の画像形成装置の給紙装置を説明する。
【0018】
図1は、この発明の実施の形態の画像形成装置の給紙装置の概略を説明する正面断面図で、画像形成装置1の上面には原稿台12が配置されてその下面にはスキャナ13が配置され、画像読取部10を構成している。スキャナ13は原稿台12上に載置された原稿画像を読取り、画像信号として後述する作像部20に出力する。
【0019】
作像部20は、所定の一定速度で回転する感光体21の回りに、帯電ローラ22、画像信号で変調されたレーザ光を感光体21の上に投射するレーザ光装置23、現像器24、転写ローラ25、感光体21の上に残留したトナーを清掃するクリーニング装置26から構成される。
【0020】
定着部30は、作像部20から搬送された記録紙(裏紙を含む)の上に転写されたトナー像を定着処理するもので、定着ローラ31と加圧ローラ32、及び定着ローラ31内部に配置された定着ヒータ33から構成される。
【0021】
次に、給紙部40について説明する。給紙部40は、この実施の形態の画像形成装置では第1給紙カセット41、第2給紙カセット43と、廃棄記録紙収納手段である廃棄紙スタッカー42と、手差給紙装置である手差裏紙給紙装置44を備える。なお、手差裏紙給紙装置44は通常の手差給紙装置としても使用することができる。
【0022】
また、給紙部40には、記録紙を搬送する通常搬送路45と、迂回搬送路46、排出搬送路47、帰還搬送路48が設けられている。
【0023】
通常搬送路45は、給紙カセットから給紙された記録紙を作像部20を経て定着部30に搬送する搬送路である。
【0024】
迂回搬送路46は、通常搬送路45の作像部20の上流側から分岐し、裏紙処理部60を経て帰還搬送路48に向かう搬送路である。
【0025】
帰還搬送路48は、裏紙処理部60で処理された裏紙を第1給紙カセット41、第2給紙カセット43、廃棄紙スタッカー42に搬送する搬送路である。
【0026】
上記した通常搬送路45、迂回搬送路46、排出搬送路47、帰還搬送路48には複数の搬送ローラが配置され、記録紙を搬送方向に移送するように構成される。
【0027】
通常搬送路45と迂回搬送路46との分岐部分には第1切替えガイド51が配置され、図示しない制御装置で制御されるソレノイドにより搬送路の切替えが行われる。
【0028】
また、帰還搬送路48上には、搬送される記録紙を第1給紙カセット41に向ける第2切替えガイド52と、搬送される記録紙を廃棄紙スタッカー42に向ける第3切替えガイド53が配置されている。
【0029】
第1給紙カセット41、第2給紙カセット43、廃棄紙スタッカー42、手差裏紙給紙装置44、及び裏紙処理部60の構成と動作は後で詳細に説明することにして、簡単に画像形成装置の記録紙搬送装置の動作を説明する。
【0030】
まず、電源をONとして図示しないモータを駆動し、画像形成装置の感光体21その他、及び記録紙搬送装置の搬送ローラの回転を開始させるなど、画像形成動作の準備動作を開始する。原稿台12上に原稿画像を載置し、図示しない操作パネルから画像形成動作の開始を指令する。
【0031】
スキャナ13が原稿台12上に原稿画像を読取り、画像信号として作像部20のレーザ光装置23に出力する。
【0032】
作像部20の感光体21の表面は帯電ローラ22で均一に帯電される。レーザ光装置23から画像信号で変調されたレーザ光が感光体21の表面に投射され、画像潜像が形成される。感光体21の表面に形成された画像潜像は現像器24に装填されているトナーで現像され、トナー像が形成される。
【0033】
感光体21の表面に形成されたトナー像が転写位置に移動するタイミングに合わせて第1給紙カセット41又は第2給紙カセット43のいずれかから所望のサイズの記録紙Pが通常搬送路45を経て転写位置に搬送され、転写位置において転写ローラ25の作用により感光体表面のトナー像が記録紙(裏紙を含む)に転写される。
【0034】
トナー像が転写された記録紙(裏紙を含む)は定着部30に搬送され、圧接されている定着ローラ31と加圧ローラ32との間を通過して定着処理される。定着処理された記録紙Pは排出搬送路48を経て図示しない排出トレイに排出され、1枚の画像形成処理が終了する。記録紙Pに転写されずに感光体21の上に残留したトナーはクリーニング装置26により清掃される。
【0035】
以上は、第1給紙カセット41又は第2給紙カセット43のいずれかから記録紙が給紙された場合であるが、手差裏紙給紙装置44から裏紙でない記録紙又は裏紙Rを給紙することもできる。この場合は、給紙された記録紙又は裏紙Rが作像部20に向かうように第1切替えガイド51が設定され、手差裏紙給紙装置44から給紙された記録紙又は裏紙Rは作像部20の転写位置に搬送される。感光体21の表面に形成されたトナー像の転写処理以降の処理は、前記給紙カセットから給紙された場合の処理と変わらない。
【0036】
次に、手差裏紙給紙装置44と裏紙Rの給紙動作を説明する。図2は手差裏紙給紙装置44の構成と動作を説明する図で、図2(a)は手差裏紙給紙装置44の正面図、図2(b)はそのピックアップローラ附近の断面図、図2(c)はそのサイド規制附近の拡大図、図2(d)は手差裏紙給紙台上の裏紙Rが少なくなった状態を説明する図である。
【0037】
図2(a)乃至(d)を参照して手差裏紙給紙装置44の構成と動作を説明する。手差裏紙給紙装置44は、裏紙積載台44a、裏紙積載台44aの上面に配置され、裏紙積載台44aの後端にヒンジ44axで回動自在に配置された押上板44b、レバー44jにより連結されたピックアップローラ44c、給紙ローラ44d、捌きローラ44e、給紙ローラ44dと捌きローラ44eとにより給紙される裏紙をガイドするガイド板44f、裏紙積載台44a上の裏紙の有無を検知するセンサスイッチ44g、裏紙積載台44aに設けられたサイド規制板44hから構成される。
【0038】
その動作を説明する。裏紙積載台44aの上面の押上板44bの上に裏紙Rの束を積載する。このとき、図2(b)及び図2(c)に示すように、裏紙積載台44aの上の裏紙Rはサイド規制板44hにより側面が規制されるが、裏紙の性質上側面が不揃いとなるほか、裏紙Rの表面も、図2(a)乃至図2(c)破線で示すように波打、即ちうねりが生じている。
【0039】
図示しない制御装置から裏紙Rの給紙が指令されると、図示しない駆動機構によりレバー44jが降下し、ピックアップローラ44cを押上板44b上の最上部の裏紙Rに接触させる。図示しない駆動装置によりピックアップローラ44c、給紙ローラ44d、捌きローラ44eが回転を開始し、裏紙Rの給紙が開始される。
【0040】
裏紙積載台44aの後端にヒンジ44axで回動自在に配置された押上板44bは、図示しない駆動機構によりヒンジ44axの回りに回動するように構成されているから、押上板44bは裏紙積載台44aの上の裏紙Rが少なくなると、押上板44bの傾斜角が大きくなり、押上板44b上の最上部の裏紙Rとピックアップローラ44cとの接触は維持され、給紙は継続されるが、給紙された裏紙Rのガイド板44fへの突入角度は図2(d)に示すように小さくなり、捌き性能が低下する。このため、後述する手差裏紙給紙装置44の下流側に配置されている迂回搬送路46上の補助捌き装置61を使用して確実な捌きを確保するものとする。
【0041】
裏紙積載台44a上の手差裏紙Rが無くなるとセンサスイッチ44gにより検出され、図示しない制御装置に検出信号が送られ、手差裏紙Rが空であることが表示される。
【0042】
次に、この発明の特徴部分の構成である迂回搬送路46上に設けられた裏紙処理部60について説明する。裏紙処理部60は、補助捌き装置61、紙粉除去装置65、うねり検出センサ装置71、クリーナ75から構成される。
【0043】
図3は補助捌き装置61の構成を説明する図で、補助捌き装置61は、給紙ローラ61a、バネ61eにより付勢されたレバー61fで連結されたピックアップローラ61b、ソレノイド61d、給紙ローラ61aに対向配置されバネ61gにより付勢されたた捌きローラ61c、ガイド板61h、検知スイッチ61jなどから構成される。
【0044】
その動作を説明する。迂回搬送路46上を搬送されてきた裏紙Rが検知スイッチ61jにより検出されると、ソレノイド61dが作動して待機位置にあったピックアップローラ61bが作動位置に降下して裏紙Rに接触する。ピックアップローラ61bで給紙された裏紙Rはガイド板61hによりガイドされて給紙ローラ61aと捌きローラ61cのニップ部を通過し、重送された裏紙Rは捌かれて1枚づつ分離され、後段の紙粉除去装置65に搬送される。
【0045】
手差裏紙給紙装置44から迂回搬送路46上を重送されて搬送された裏紙Rがあったとしても、重送されて搬送された裏紙Rは、多数枚が重送されて搬送されるのではないから、手差裏紙給紙装置44における押上板等は必要がなく、ガイド板61hへの突入角もほぼ一定となるから、安定して確実な捌き処理が実行される。
【0046】
紙粉除去装置65は、図1を参照すると明らかなように、ブラシローラ65aとフイルタ65b、排気ファン65cから構成される。裏紙Rの表面/裏面に付着した紙粉やごみ等は回転するブラシローラ65aと、排気ファン65cにより除去され、後段のうねり検出センサ装置71に搬送される。
【0047】
図4はうねり検出センサ装置71の構成を説明する図で、図4(a)はその正面図、図4(b)は記録紙の搬送方向から見たに側面図である。うねり検出センサ装置71は、迂回搬送路46上に、裏紙Rの幅方向中央部に配置されたうねり検出レバー71M、裏紙Rの幅方向右縁部に配置されたうねり検出レバー71P、裏紙Rの幅方向左縁部に配置されたうねり検出レバー71Qと、うねり検出レバー71Mの動きを検出するうねり検出センサ71Mxと71My、うねり検出レバー71Pの動きを検出するうねり検出センサ71Pxと71Py、及びうねり検出レバー71Qの動きを検出するうねり検出センサ71Qxと71Qyとから構成される。
【0048】
そして、裏紙Rのうねりが小さい場合は、うねり検出レバー71M、71P、71Qの動きは小さく、うねり検出センサ71Mx、71Px、71Qxのみから検出信号が出力される。また、裏紙Rのうねりが大きい場合はうねり検出レバー71M、71P、71Qの動きは大きく、うねり検出センサ71Mx、71Px、71Qx、及びうねり検出センサ71My、71Py、71Qyから検出信号が出力される。うねり検出センサ装置71を通過した裏紙Rは、後段のクリーナ75に搬送される。
【0049】
また、うねり検出センサ71Mx、71Px、71Qx、71My、71Py、71Qyの検出信号を処理することで、紙の角が折れてしまった角折れ等の生じた裏紙Rを検出することも可能であって、裏紙Rのうねりのほか、裏紙品質も検出することができる。
【0050】
うねり検出センサ装置71から出力された検出信号は図示しない制御装置に入力され、裏紙Rの品質が判定されてその結果に基づいて、最終的に裏紙Rは第1給紙カセット41、第2給紙カセット43、或いは廃棄紙スタッカー42に搬送される。即ち、うねり検出センサ71Mx、71Px、71Qxのいずれかから検出信号が出力され、且つうねり検出センサ71My、71Py、71Qyのいずれからも検出信号がないときは、裏紙Rのうねりが小さく、使用可能と判定される。
【0051】
また、うねり検出センサ71Mx、71Px、71Qxのいずれかから検出信号が出力され、且つうねり検出センサ71My、71Py、71Qyのいずれかからも検出信号が出力されたときは、裏紙Rのうねりが大きく、使用不可能と判定される。
【0052】
クリーナ75は一対のローラから構成され、裏紙Rの表面/裏面をクリーニングするためのものである。
【0053】
次に、手差裏紙給紙装置44から給紙された裏紙Rの品質を判断し、第1給紙カセット41、第2給紙カセット43、或いは廃棄紙スタッカー42に搬送する動作について説明する。
【0054】
図示しない制御装置から、手差裏紙給紙装置44から給紙された裏紙Rの品質に応じて第1給紙カセット41、第2給紙カセット43、或いは廃棄紙スタッカー42に搬送する指令が出力されると、通常搬送路45と迂回搬送路46とが分岐する部分に配置されている第1切替えガイド51が作動し、通常搬送路45から迂回搬送路46に向かうように搬送路が切替えられる。手差裏紙給紙装置44から給紙された裏紙Rは、通常搬送路45から第1切替えガイド51を経て迂回搬送路46上に搬送される。
【0055】
まず、迂回搬送路46上の裏紙処理部60の補助捌き装置61において、重送された裏紙Rは捌かれて1枚づつ分離される。紙粉除去装置65において、裏紙Rの表面/裏面に付着した紙粉やごみ等が回転するブラシローラ65aにより除去される。うねり検出センサ装置71において、裏紙Rのうねりが検出される。出力された検出信号は図示しない制御装置に入力され、裏紙Rの品質が判定される。うねり検出センサ装置71を通過した裏紙Rはクリーナ75でその表面/裏面がクリーニングされ、帰還搬送路48に向けて搬送される。
【0056】
制御装置に入力されたうねり検出センサ装置71の検出信号に基づく裏紙Rの品質の判定結果により、帰還搬送路48上の第2切替えガイド52及び第3切替えガイド53が操作される。
【0057】
即ち、裏紙Rの品質が十分に使用可能と判定されたときは、第2切替えガイド52が操作されて帰還搬送路48から、他の給紙カセットよりも容量の大きい第1給紙カセット41に向かうように搬送路が切替えられ、帰還搬送路48上の裏紙Rは第1給紙カセット41の後端からカセット内部に搬送される。
【0058】
裏紙の品質が不十分であるがテストプリント等には使用可能と判定されたときは、第2切替えガイド52及び第3切替えガイド53が不作動位置に設定され、帰還搬送路48から第2給紙カセット43に向かうように搬送路が切替えられ、帰還搬送路48上の裏紙は、第2給紙カセット43の後端からカセット内部に搬送される。
【0059】
また、裏紙の品質が使用不可能と判定されたときは、第2切替えガイド52が不作動位置に設定され、第3切替えガイド53が作動位置に設定され、帰還搬送路48から廃棄紙スタッカー42に向かうように搬送路が切替えられる。帰還搬送路48上の裏紙は、廃棄紙スタッカー42の後端からその内部に搬送される。
【0060】
次に、第1、第2の給紙カセット、及び廃棄紙スタッカーの構成を説明するが、第1給紙カセット41は第2給紙カセット43よりも容量が大きく構成されているが、カセットの基本構成は第1給紙カセット41と第2給紙カセット43とは同じ構成であり、廃棄紙スタッカー42は第1給紙カセット41から給紙機構40aを省いたものであるから、以下、第1給紙カセット41の構成について説明する。
【0061】
図5は、第1給紙カセット41の構成を説明する正面断面図、図6は第1給紙カセット41の構成を説明する平面図である。
【0062】
第1給紙カセット41は、従来の給紙カセットと同様に、給紙カセットの底面に、図示しない駆動機構で作動する押上レバー41aにより押上げられる押上板41bを備えるほか、給紙カセットに収納された裏紙(記録紙でも同じ)の幅方向位置を規制する幅方向規制板41dと、裏紙(記録紙でも同じ)の後端位置を規制する後端規制板41eとを備える。幅方向規制板41dと後端規制板41eとは、収納される裏紙(記録紙でも同じ)のサイズに応じて調整されるもので、従来の給紙カセットと同じであるから詳細な説明は省略する。
【0063】
また、給紙カセットの押上板41bの上方向には給紙機構40aが配置されている。給紙機構40aは、ピックアップローラ41cのほか、給紙ローラ42a、分離ローラ42b、その他を備える。
【0064】
また、後端規制板41eの上方向には、帰還搬送路48の終端に面して挿入ガイド41gが配置されている。挿入ガイド41gの上には挿入ローラ機構41hが配置される。挿入ローラ機構41hは、揺動レバー41fの先端に回転自在に配置された挿入ローラ41jと、帰還搬送路48の出口に配置された搬送ローラ40yに対向して配置された挿入ローラ41m、挿入ローラ機構作動ソレノイド41k、復帰バネ41nを備え、挿入ローラ機構作動ソレノイド41kにより揺動レバー41fが操作されると、挿入ローラ41jは作動位置と待機位置に移動可能に構成されている。
【0065】
図7は第1給紙カセット41の正面断面図で、図7(a)は裏紙Rの給紙時の状態、図7(b)は帰還搬送路48から搬送された裏紙Rの収納時の状態、図7(c)は裏紙Rの収納状況の検出時の状態を示す。また図8は、第1給紙カセット41、押上レバー41aとリフトアップ検出センサ41wの配置部分附近を示した平面図である。
【0066】
図7(a)を参照して、第1給紙カセット41による裏紙Rの給紙動作を説明する。給紙時は、押上板41bの上に積載された裏紙Rは、押上板41bが押上レバー41aにより押上げられてピックアップローラ41cに接触し、ピックアップローラ41cの回転により送り出される。そして、給紙ローラ42aと分離ローラ42bを経て、押上板41bの上に積載された最上部1枚の裏紙Rが搬送ローラ40sに向けて給紙される。
【0067】
次に、図7(b)及び図5を参照して帰還搬送路48を経て搬送されてきた裏紙Rの収納動作を説明する。帰還搬送路48から搬送されてきた裏紙Rの先端が挿入ガイド41gに到達し、図示しない検出スイッチにより検出されると、挿入ローラ機構41hの挿入ローラ機構作動ソレノイド41k(図5参照)が作動し、通常は待機位置(裏紙Rに接触しない位置)にある挿入ローラ41jを搬送されてきた裏紙Rに接触させる。挿入ローラ41jは図示しない駆動源で駆動され、帰還搬送路48から搬送されてきた裏紙Rは第1給紙カセット41後端から収納される。なお、裏紙Rの収納動作は押上板41bが降下した状態で実行される。
【0068】
次に、図7(c)を参照して、給紙カセット内の裏紙の収納状態検出装置を説明する。ここでは第1給紙カセット41の内の裏紙Rの収納状態検出装置について説明するが、第2給紙カセット43でも同様である。
【0069】
裏紙の収納状態の検出には、給紙カセットに裏紙Rが一杯になった状態の検出と、裏紙の残量の検出とがある。なお、これらの構成は他の給紙カセットでも同様である。
【0070】
まず、帰還搬送路48から搬送されてきた裏紙Rが第1給紙カセット41に一杯になった状態の検出を説明する。
【0071】
裏紙Rが一杯になった状態の検出は、給紙カセットの押上板41bの上方向に配置された検出レバー41vと検出スイッチ41uから構成される検出装置で検出される。即ち、検出レバー41vは裏紙Rの収納に応じて次第に回動し、裏紙Rが一杯になると検出スイッチ41uをONとし、裏紙Rが一杯であることが検出される。
【0072】
次に、裏紙Rの残量の検出を説明する。裏紙Rの残量の検出は、ピックアップローラ41cを保持するローラアーム41tと押上レバー41aの回転量から検出される。即ち、初期状態では押上レバー41aはリフトアップ検出センサ41wをOFFにしているが、裏紙Rの給紙につれて押上レバー41aは次第に回動して押上板41bを押し上げ、リフトアップ検出センサ41wをONとする。さらに、押上レバー41aが回動すると、押上板41bの上の裏紙Rがピックアップローラ41cに接触して圧接状態となる。この圧接状態はローラアーム41tが定位置センサ41xをOFFとして検出される。
【0073】
リフトアップ検出センサ41wのOFF状態から定位置センサ41xがOFFとなるまでの押上レバー41aの回動量を図示しないセンサにより検出し、裏紙Rの残量の検出ができる。
【0074】
次に、給紙カセット内の裏紙Rを整合させる裏紙整合機構について説明する。給紙カセットには通紙方向と、通紙方向に直角方向(裏紙幅方向)の裏紙サイズを検出するセンサが配置されている。
【0075】
図9は、第1給紙カセット41の規制板(幅方向規制板及び後端規制板)を説明する正面断面図、図10は第1給紙カセット41の規制板を説明する平面図である。第1給紙カセット41には、収納された裏紙Rの幅方向位置を規制する幅方向規制板41dと、収納された裏紙Rの後端を規制する後端規制板41eとが備えられている。幅方向規制板41d、及び後端規制板41eは、第1給紙カセット41を画像形成装置1の本体から外した状態では、収納される裏紙Rのサイズに合わせて手動により幅方向規制板及び後端規制板の位置を調整することができる。
【0076】
画像形成装置1の本体の給紙カセット底面に対応する位置には、幅方向規制板駆動機構55、及び後端規制板駆動機構56、及び用紙幅方向センサ55s及び用紙後端センサ56sが配置されており、裏紙のサイズに応じて幅方向規制板41d、及び後端規制板41eが所定位置に駆動されるように構成されている。
【0077】
裏紙Rを収納する第1給紙カセット41が画像形成装置1の本体に装着され、収納する裏紙Rのサイズ情報が入力されると、幅方向規制板41d、及び後端規制板41eは所定位置よりも多少余裕のある位置に移動する。そして、帰還搬送路48から挿入ガイド41gを経て第1給紙カセット41に搬送された裏紙Rが1枚搬送されると、画像形成装置本体の給紙カセット底面に対応する位置に設けられた幅方向規制板駆動機構55により幅方向規制板41d、及び後端規制板駆動機構56により後端規制板41eが作動し、位置が多少ずれて搬送された裏紙Rを所定の位置に整合させる。
【0078】
整合動作の後は、再び幅方向規制板41d、及び後端規制板41eは所定位置よりも多少余裕のある位置に移動し、次に搬送されてくる裏紙Rの受け入れに備える。以下、裏紙Rが1枚搬送される毎にこの動作を繰り返し、搬送された裏紙Rがなくなるまで整合動作を続ける。
【0079】
以上、この発明の実施の形態を裏紙Rを再使用する場合を例に説明したが、裏紙Rに替えて再生紙などでも全く同様に使用することができるのであり、この発明に使用する用紙は裏紙Rに限られるものではない。再生紙の場合は、記録紙に紙粉等が付着しており、給紙に支障を来す場合もある。この発明の給紙装置は紙粉除去装置を備えているから、再生紙を直ちに給紙カセットに装填して給紙せず、一旦手差裏紙給紙装置から給紙して紙粉を除去した上で、その再生紙が収納された給紙カセットを選択して給紙するようにするとよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
画像形成装置、特に複写機、プリンタ等の画像形成装置の給紙装置に関するもので、特に、画像が記録された記録紙の裏面(裏紙)を手差し給紙装置から給紙し、再利用に耐える品質のよい裏紙のみを給紙カセットに収容し、再利用に耐えない品質の低下した裏紙は廃棄紙カセットに収容する画像形成装置の給紙装置である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】発明の実施の形態の画像形成装置の給紙装置の概略を説明する正面断面図。
【図2】手差し裏紙給紙装置の構成を説明する図。
【図3】補助捌き装置の構成を説明する図。
【図4】うねり検出センサの構成を説明する図。
【図5】第1給紙カセットの構成を説明する正面断面図。
【図6】第1給紙カセットの構成を説明する平面図。
【図7】第1給紙カセットの構成を説明する正面図。
【図8】第1給紙カセットの動作を説明する平面図。
【図9】第1給紙カセットの規制板を説明する正面断面図。
【図10】第1給紙カセットの規制板を説明する平面図。
【符号の説明】
【0082】
1 画像形成装置
10 画像読取部
12 原稿台
13 スキャナ
20 作像部
21 感光体
22 帯電ローラ
23 レーザ光装置
24 現像器
25 転写ローラ
26 クリーニング装置
30 定着部
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
33 定着ヒータ
40 給紙部
40a 給紙機構
40s 搬送ローラ
40y 搬送ローラ
41 第1給紙カセット
42 廃棄紙スタッカー
43 第2給紙カセット
44 手差裏紙給紙装置
41a 押上レバー
41b 押上板
41c ピックアップローラ
41d 幅方向規制板
41e 後端規制板
41g 挿入ガイド
41h 挿入ローラ機構
41j 挿入ローラ
41k 挿入ローラ機構作動ソレノイド
42a 給紙ローラ
42b 分離ローラ
44a 裏紙積載台
44b 押上板
44c ピックアップローラ
44d 給紙ローラ
44e 捌きローラ
44f ガイド板
44g センサスイッチ
44h サイド規制板
44j レバー
45 通常搬送路
46 迂回搬送路
47 排出搬送路
48 帰還搬送路
51 第1切替えガイド
52 第2切替えガイド
53 第3切替えガイド
55 幅方向規制板駆動機構
55s 用紙幅方向センサ
56 後端規制板駆動機構
56s 用紙後端センサ
60 裏紙処理部
61 補助捌き装置
61a 給紙ローラ
61b ピックアップローラ
61c 捌きローラ
61d ソレノイド
61e、61g バネ
61h ガイド板
61j 検知スイッチ
65 紙粉除去装置
65a ブラシローラ
65b フイルタ
65c 排気ファン
71 うねり検出センサ装置
71M、71P、71Q うねり検出レバー
71Mx、71My、71Px、71Py、71Qx、71Qy うねり検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記録紙に形成する作像部と、前記記録紙を給紙する手差し給紙装置を含む複数の給紙手段とを備え、選択された前記複数の給紙手段のいずれか1つから作像部に給紙する画像形成装置の給紙装置において、
手差し給紙装置から給紙された記録紙の使用の適不適を判断する迂回搬送路と、
前記迂回搬送路から搬送された記録紙を前記手差し給紙装置以外の給紙手段に搬送する帰還搬送路と、
画像記録に適しない廃棄記録紙を収納する廃棄記録紙収納手段とを備え、
前記迂回搬送路を経て帰還搬送路を搬送される記録紙に、使用の不適な記録紙が発見されたときは、廃棄記録紙として廃棄記録紙収納手段に搬送すること
を特徴とする画像形成装置の給紙装置。
【請求項2】
前記手差し給紙装置以外の複数の給紙手段は、前記帰還搬送路から搬送されてきた記録紙を収納することが可能な給紙手段であること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の給紙装置。
【請求項3】
前記迂回搬送路上には、補助捌き手段、紙粉除去手段、及び記録紙の使用の適不適を判断するための記録紙の歪み検出手段が配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の給紙装置。
【請求項4】
前記手差し給紙装置以外の複数の給紙手段は、収納された記録紙を整合させる規制板を備えること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の給紙装置。
【請求項5】
前記画像形成装置の給紙装置は、前記迂回搬送路上に配置された記録紙の歪み検出手段により検出された記録紙の歪みの程度に応じて、前記記録紙を収納する給紙手段或いは廃棄記録紙収納手段を選択すること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の給紙装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−190877(P2009−190877A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35677(P2008−35677)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】