説明

画像形成装置システム

【課題】 コンピュータ端末のドキュメントをプリント、及び画像形成装置の記憶領域に蓄積保存し再利用できるシステムにて、蓄積時の記憶領域を節約しつつ、プリントと蓄積後の再利用との親和性を維持する。
【解決手段】 コンピュータ端末にてプリントデータを生成する際に、展開手段にてイメージに展開した直後に、画像形成装置にてプリントするか、または画像形成装置に蓄積するかの出力先を選択する手段を有し、選択された出力先の情報をプリントデータとともに展開手段に送出し、展開手段にて選択された出力先の情報から選択された出力先が前記画像形成装置にてプリントするか、または画像形成装置に蓄積するかを判別し、判別された出力先に応じて展開するイメージの色空間を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラ機能を提供する画像形成装置とコンピュータ端末からなる画像形成装置システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータ上で扱う文書を画像形成装置にプリンタドライバを使用して、画像形成装置にてすぐにプリントするのではなく、画像形成装置の記憶領域にイメージとして記憶させ、必要に応じてプリントしたり、コンピュータ端末で用いられるファイルフォーマットに変換して再度他のコンピュータ端末にファイル送信したりする画像蓄積機能がある。一般にプリントの際にはプリンタの画像形成で用いられるCyan/Magenta/Yellow/Black(CMYK)の色空間が使用され、コンピュータ端末で用いられるファイルではRed/Green/BlueのRGB系色空間や、YCbCrなどの3次元の色空間が用いられる。一般にコンピュータ端末からプリントする画像形成装置では、コンピュータ端末から受信したPDLをCMYKの色空間のイメージで展開し、プリンタが使用する色空間のイメージを生成することで高画質なプリントを得ることができるようにしている。一方一旦蓄積した画像を再度コンピュータ端末で扱うJpegなどのファイルフォーマットに変換する場合は、RGB系の3次元の色空間が用いられる。
【0003】
PDLをイメージに展開する場合に、その展開するイメージの色空間を操作するためにプロファイルという色変換テーブルが用いられる。このプロファイルをRGB用プロファイルを用いれば、RGB色空間のイメージに展開でき、CMYK用プロファイルを用いればCMYK色空間のイメージに展開できる。このようにプリントに用いる画像ではCMYK色空間の方がプリンタとの親和性が高いが、コンピュータ端末で扱うファイルフォーマットに再変換する場合は、RGB系の3次元の色空間の方が親和性が高い。
【0004】
又、従来例としては、例えば特許文献1をあげることが出来る。
【特許文献1】特開2003−338943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、展開されたイメージを画像形成装置に蓄積し、プリント/ファイルフォーマット変換の両方の用途に用いる場合、プリンタとの親和性と、コンピュータ端末で扱うファイルフォーマットとの親和性の双方を求めることとなり、CMYK、RGBそれぞれのイメージを保持する必要があり、二重の蓄積領域が必要となってしまう。
【0006】
一方RGB系のみで蓄積しておき、プリント時にCMYKに変換する方式ではPDLをイメージに展開する際に反映されるコンピュータ上の画像特性とプリンタの画像再現特性とを考慮した色未調整が省かれるため、プリント時の印字品質がCMYKのイメージに展開した場合に比べ劣る場合がある。
【0007】
一方、CMYKイメージで保存した場合は、ファイルフォーマット変換のためにCMYK→RGBの色空間を行う仕組みが必要となる。一般に画像形成装置においては、スキャナから入力される画像の色空間がRGB系の色空間であることが多いため、スキャンした画像のプリントのためにRGB→CMYKの色空間変換機能を有していることがほとんどであるが、CMYK→RGBの色空間変換機能はさらなるコストを生じさせてしまうため、CMYK→RGBの色空間変換機能を有しない。
【0008】
蓄積画像のプリントとファイルフォーマット変換を効率よく行うには、蓄積領域の二重の消費やコストの増加といった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した問題を解決するため、本発明に係る画像形成装置システムは、ネットワークに接続されたコンピュータ端末と画像形成装置において、前記コンピュータ端末は、前記コンピュータ端末で扱われる文書を画像形成装置でプリントするためのデータに変換するプリントデータ変換手段と、前記変換手段により変換された前記プリントデータを前記ネットワークを介して前記画像形成装置に送出する送出手段と有し、前記画像形成装置は前記送出手段により送出された前記プリントデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記プリントデータを色空間の異なる複数の色空間でイメージに展開する展開手段と前記展開手段により展開されたイメージを、前記画像形成装置内に蓄積しておく蓄積手段と、前記蓄積手段により蓄積されたイメージのプリントまたはファイルフォーマットの変換を指示する操作指示手段と、前記操作指示手段により指示されたイメージをプリントするプリント手段と、前記操作指示手段により指示されたイメージを他のファイルフォーマットに変換する手段とを有し、前記コンピュータ端末にてプリントデータを生成する際に、前記展開手段にてイメージに展開した直後に、前記画像形成装置にてプリントするか、または前記画像形成装置に蓄積するかの出力先を選択する手段を有し、前記選択された出力先の情報を前記プリントデータとともに前記展開手段に送出し、前記展開手段にて前記選択された出力先の情報から前記選択された出力先が前記画像形成装置にてプリントするか、または前記画像形成装置に蓄積するかを判別し、前記判別された出力先に応じて展開するイメージの色空間を切り替える手段を有する。
【0010】
特に上記画像形成装置システムにおいて、前記展開手段は、Cyan/Magenta/Yellow/Blackの色空間でイメージを展開する機能と、Red/Blue/Greenの色空間でイメージを展開手段とを有し、前記展開手段にて前記判別された出力先が前記が造形性装置でのプリントであった場合はCyan/Magenta/Yellow/Blackの色空間のイメージで展開し、前記判別された出力先が画像形成装置に蓄積であった場合はRed/Blue/Greenの色空間のイメージで展開する手段を有する。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置内のコントローラにてCMYK→RGB(またはYCbCrなど)の4色から3色への色空間変換機能を持たずに、ボックス蓄積した画像をコンピュータ端末で用いられるファイルフォーマットの画像を生成し、所望のコンピュータ端末にファイル送信することができる。また、プリントにおいても、プリントされる色空間でプリント向けに色調整された画像品質にてプリントすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[システムの概要説明]
図1は本発明の実施系システムの構成を示すブロック図、図2は実施系システムにおける画像形成装置の構成図である。本システムが有する機能についての概要を図1、2を用いて説明する。
【0013】
画像形成装置101はフルカラーでスキャンまたは、プリントなどが可能なカラースキャナ/プリンタ機器であり、内部ネットワーク102、画像データ転送のためのVideoケーブル103を介して外部コントローラ104と接続されており、さらに外部コントローラ104は、もう一方の外部ネットワーク105を介してコンピュータ端末106が接続されているネットワークシステムに接続されている。
【0014】
画像形成装置101は、スキャナ部201、プリンタ部202を有しており、スキャナ部201から読み取った画像をプリンタ部202にてプリントするコピー機能を備えている。また、ユーザが画像形成装置101の機能の実行を指示したり、機能実行時の動作設定を行ったり、またあるいは画像形成装置101の状態をユーザに知らせるための操作部203も備えている。
【0015】
こうした画像形成装置101のスキャナ部201、プリンタ部202の動作や、操作部108からのユーザ指示/状態表示は、画像形成装置内部の装置内コントローラ204によって処理される。装置内コントローラ204では、スキャナ部201、プリンタ部202にて扱われる画像データの処理や、外部コントローラとの内部ネットワーク102と接続されるネットワークとのデータ送受信をも行っており、画像形成装置101の全体の動作制御、状態管理、画像処理は装置内コントローラ204で行われる。また、プリンタ部202の先にはステイプルなどの後処理を行うフィニッシャ部205が接続される。
【0016】
また、本システムでは、コンピュータ端末106で作成したドキュメントをPDLデータとして外部ネットワーク105を介して外部コントローラ104に送信し、外部コントローラ104で、受信したPDLデータをイメージに展開し、画像形成装置101にてプリント可能なデータ形式にしてVideoケーブル103を介して画像形成装置101に送信するとともに、プリント時の動作設定やVideoケーブル103にて送出する画像データの諸情報を内部ネットワーク102にて通信して、プリントするというネットワークプリンタ機能も備えている。この外部コントローラ104においては、コンピュータ端末106から送出されたPDLを色空間変換を行うプロファイルを用いて、Red/Green/Blue(RGB)の色空間、またはCyan/Magenta/Yellow/Black(CMYK)の色空間の2種類の色空間でイメージに展開する機能をもち、Videoケーブル103上もRGBとCMYKの2種類の色空間の画像を転送できるようになっている。
【0017】
さらに、本システムでは、画像形成装置101にてスキャンした画像をコンピュータ端末106に表示/保存するネットワークスキャン機能を有している。ネットワークスキャン機能はその操作形態から、プルスキャン機能/プッシュスキャン機能に大別される。プルスキャン機能はユーザがスキャン指示をコンピュータ端末106にて行うものであり、プッシュスキャン機能ではユーザはスキャン指示を画像形成装置101の操作部203にて行うというスキャン指示を行う形態が異なるものである。プルスキャン/プッシュスキャンいずれの機能であっても、画像形成装置101はユーザからの指示によって、スキャナ部201に予め載置された原稿画像を読み取り、読み取った画像をコンピュータ端末106にて扱うのに適した形式で、内部ネットワーク102、外部コントローラ104、外部ネットワーク105を介して、コンピュータ端末106に転送することによって実現される。
【0018】
本システムの画像形成装置101はフルカラー画像を扱うため、プリンタ部202での画質向上を目的とした画質調整機能を備えている。これは画像形成装置101単体での濃度調整と、コンピュータ端末106からの電子文書のプリントとの2種類の色調整がある。
【0019】
画像形成装置101単体の色調整は、プリンタ部202にて規程の画像をプリントし、その画像をスキャナ部201で読み取ることにより、プリンタ部202の特性を内部コントローラ204の画像処理にて行われる濃度調整値に反映させ、安定した画像をプリントすることができるようにしたものである。この際のプリントに用いられる規程の画像は、装置内コントローラ204にて生成される。
【0020】
コンピュータ端末106からの電子文書のプリントにおける色調整は、外部コントローラ104主導で行われるもので、外部コントローラ104にて規程の画像を画像形成装置101に送信、プリントさせ、プリントされた画像をスキャナ部201で読み取り、読み取った画像を外部コントローラ104が受信することにより、外部コントローラが画像形成装置101の画像特性を認識できる。この認識された特性は、コンピュータ端末106からのPDLデータをイメージに展開する際に外部コントローラ104が考慮する値として保持される。
【0021】
[装置内コントローラ109の構成]
装置内コントローラ204の構成を図3を用いて説明する。装置内コントローラ204は、CPU301、ワークメモリ302、画像処理部303、画像メモリ304、大容量記憶装置(以下、HDD)305によって構成され、画像処理部303は画像信号線306/307/308にて、それぞれスキャナ部201/プリンタ部202、及びVideoケーブル103を介しての外部コントローラ104と接続されている。またさらに画像処理部303は画像メモリ304とも接続され、画像メモリ304の先にはファクシミリ通信部306もつながっている。つまり、スキャナ部201より画像データを画像処理部303を介して画像メモリ304、HDD305に格納し、格納された画像データは再び画像メモリ304、画像処理部303を介してプリンタ部202に送出される。また外部コントローラ104からも同様にVideoケーブル103を介して画像データを入力できる。ファクシミリ通信部306に対してはファクシミリ送受信に用いられる画像データの入出力ができるようになっている。このHDD305への画像格納の機能を利用して、スキャナ部201より入力された画像、あるいは外部コントローラ104からVideoケーブル103を介して入力した画像を、すぐにプリントせずにHDD305に蓄積しておき、ユーザがプリントまたはファクスしたいときに操作部203からプリント/ファクスしたり、複数のユーザ間でHDD305に蓄積した画像を共用するといったボックス機能も実現している。
【0022】
さらに、HDD305に蓄積した画像をコンピュータ端末で一般的に用いられているファイルフォーマットである画像(たとえばJpegなど)に画像メモリ304と画像処理部303とで変換し、変換したファイルをネットワークインターフェイス部307、内部ネットワーク102、外部コントローラ104、外部ネットワーク105を介して所望のコンピュータ端末に送出し、コンピュータ端末にて再利用するという、ファイル送信機能をも備えている。
【0023】
CPU301はHDD305に格納されたプログラムにしたがって動作し、またさらに操作部203の制御も合わせて行う。CPU301は機器内のファクシミリ通信部306などの各処理部も制御し、さらにプリンタ部202/スキャナ部201とも画像データ送受信の同期を図るための通信を行う。同様に外部コントローラ104との内部ネットワーク102での通信のためネットワークインターフェイス部307にもアクセスする。
【0024】
装置内コントローラにおいては、HDD305に格納されたデータをWebサービスなどにより内部ネットワーク102、及び外部コントローラ104を介して機器の状態をコンピュータ端末106にて参照したり、あるいはコンピュータ端末106より画像形成装置101の設定をしたりすることが可能なリモート操作サービスを提供している。
【0025】
[操作部203]
図4を用いて操作部203について説明する。操作部203にはLCD表示画面401があり、ここに画像形成装置101の設定や状況が表示される。図4においては動作設定画面402にてコピー画面を参考に示しており、コピー時のズーム設定や給紙段設定、印刷部数などが表示されている。動作設定画面402は機能キー403によって、ファクシミリ機能や、外部コントローラ104からのプリント機能の画面に遷移することができる。またLCD表示画面401下部には、画像形成装置101の状態や、選択している機能画面以外の機能の状況を示すステイタスメッセージ表示部404があり、さらに右下部には、画像形成装置101の状態や、選択している機能画面以外の機能の状況についての詳細を参照する画面に遷移するシステム状況キー405がある。
【0026】
またLCD表示画面401の他に数値設定を入力するテンキー406がある。さらに画像形成装置101においてコピーやファクスなどの各機能を使用する際に、使用するユーザを判別するためのIDを入力する画面に遷移するIDキー407も設けられている。リセットキー408は動作設定画面402を規定機能に戻すものであり、詳細設定キー409は画像形成装置101の動作設定の詳細やネットワーク設定などを行う画面に遷移するためのものある。スタートキー410、ストップキー411は各機能の動作開始や中止を行うためのボタンである。
【0027】
[スキャナ部106の構成]
図5を用いてスキャナ部201の構成を説明する。501は原稿台ガラスであり、読み取られるべき原稿502が置かれる。原稿502は照明ランプ503により照射され、その反射光はミラー504、505、506を経て、レンズ507によりCCD508上に結像される。ミラー504、照明ランプ503を含む第1ミラーユニット510は速度vで移動し、ミラー505、506を含む第2ミラーユニット511は速度1/2vで移動することにより、原稿502の全面を走査する。第1ミラーユニット510及び第2ミラーユニット511はモータ509により駆動する。スキャナ部201の各ユニット510、511の動作はスキャナコントローラ部512からの信号によって制御される。スキャナコントローラ部512は内部コントローラ204からの指示に応じて、各ユニット510、511の動作制御を行う。
【0028】
次に図6を用いてスキャナコントローラ部512での画像処理について説明する。入力された光学的信号がCCDセンサ601により電気信号に変換される。このCCDセンサ601はRGBラインのカラーセンサであり、R/G/Bそれぞれの画像信号としてA/D変換部602に入力される。ここでゲイン調整、オフセット調整をされた後、A/Dコンバータで、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R0,G0,B0に変換される。その後、603のシェーディング補正で色ごとに、基準白色板の読み取り信号を用いた、公知のシェーディング補正が施される。更に、CCDセンサ601の各色ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、ラインディレイ調整回路(ライン補間部)604において、副走査方向の空間的ずれが補正される。
【0029】
次に、入力マスキング部605は、CCDセンサ601のR/G/Bフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、NTSCの標準色空間に変換する部分であり、CCDセンサ601の感度特性/照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いた3×3のマトリックス演算を行い、入力された(R0,G0,B0)信号を標準的な(R,G,B)信号に変換する。更に、輝度/濃度変換部(LOG変換部)606はルックアップテーブル(LUT)により構成され、RGBの輝度信号がC1,M1,Y1の濃度信号になるように変換される。変換された信号は、装置内コントローラ部109に送出される。
【0030】
[プリンタ部107の構成]
図7に、プリンタ部の概観図を示す。701は、半導体レーザ駆動部を持つポリゴンミラーであり、発光された4本のレーザ光を受ける。その内の1本はミラー702、703、704をへて感光ドラム705を走査し、次の1本はミラー706、707、708をへて感光ドラム709を走査し、次の1本はミラー710、711、712をへて感光ドラム713を走査し、次の1本はミラー714、715、716をへて感光ドラム717を走査する。
【0031】
一方、718はイエロー(Y)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム705上にイエローのトナー像を形成し、719はマゼンタ(M)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム709上にマゼンタのトナー像を形成し、720はシアン(C)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム713上にシアンのトナー像を形成し、721はブラック(K)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム717上にブラックのトナー像を形成する。以上4色(Y,M,C,K)のトナー像がシートに転写され、フルカラーの出力画像を得ることができる。
【0032】
シートカセット722、723および、手差しトレイ724のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ725を経て、転写ベルト726上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム705、709、713、717には各色のトナーが現像されており、シートの搬送とともに、トナーがシートに転写される。各色のトナーが転写されたシートは、分離され、搬送ベルト727により搬送され、定着器728によって、トナーがシートに定着される。定着器728を抜けたシートはフラッパ729により一旦下方向へ導かれてシートの後端がフラッパ729を抜けた後、スイッチバックさせて排出する。これによりフェイスダウン状態で排出され、先頭頁から順にプリントしたときに正しいページ順となる。
【0033】
なお、4つの感光ドラム705、709、713、717は、距離dをおいて、等間隔に配置されており、搬送ベルト724により、シートは一定速度vで搬送されており、このタイミング同期がなされて、ポリゴンミラー701の半導体レーザは駆動される。
【0034】
[フィニッシャ部205の構成]
図8に、フィニッシャ部205の概観図を示す。プリンタ部202の定着部728を出たシートは、フィニッシャ部205に入る。フィニッシャ部205には、サンプルトレイ801及びスタックトレイ802があり、ジョブの種類や排出されるシートの枚数に応じて切り替えて排出される。
【0035】
ソート方式には2通りあり、複数のビンを有して各ビンに振り分けるビンソート方式と、後述の電子ソート機能とビン(または、トレイ)を奥手前方向にシフトしてジョブ毎に出力シートを振り分けるシフトソート方式によりソーティングを行うことができる。電子ソート機能は、コレートと呼ばれ、前述のコア部で説明した大容量メモリを持っていれば、このバッファメモリを利用して、バッファリングしたページ順と排出順を変更する、いわゆるコレート機能を用いることで電子ソーティングの機能もサポートできる。次にグループ機能は、ソーティングがジョブ毎に振り分けるのに対し、ページ毎に仕分けする機能である。
【0036】
更に、スタックトレイ802に排出する場合には、シートが排出される前のシートをジョブ毎に蓄えておき、排出する直前にステープラ805にてバインドすることも可能である。
【0037】
そのほか、上記2つのトレイに至るまでに、紙をZ字状に折るためのZ折り機804、ファイル用の2つ(または3つ)の穴開けを行うパンチャ806があり、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理を行う。
【0038】
更に、サドルステッチャ807は、シートの中央部分を2ヶ所バインドした後に、シートの中央部分をローラに噛ませることによりシートを半折りし、週刊誌やパンフレットのようなブックレットを作成する処理を行う。サドルステッチャ807で製本されたシートは、ブックレットトレイ808に排出される。
【0039】
そのほか、図には記載されていないが、製本のためのグルー(糊付け)によるバインドや、あるいはバインド後にバインド側と反対側の端面を揃えるためのトリム(裁断)などを加えることも可能である。
【0040】
また、インサータ803はトレイ809にセットされたシートをプリンタへ通さずにトレイ801、802、808のいずれかに送るためのものである。これによってフィニッシャ205に送り込まれるシートとシートの間にインサータ803にセットされたシートをインサート(中差し)することができる。インサータ803のトレイ809にはユーザによりフェイスアップの状態でセットされるものとし、ピックアップローラ810により最上部のシートから順に給送する。従って、インサータ803からのシートはそのままトレイ801、802へ搬送することによりフェイスダウン状態で排出される。サドルステッチャ807へ送るときには、一度パンチャ806側へ送り込んだ後スイッチバックさせて送り込むことによりフェースの向きを合わせる。
【0041】
次に、本実施例におけるドキュメントのプリントとボックス蓄積、及びボックス蓄積されたドキュメントのプリントとファイル送信方法について図9、10、11、12を用いて説明する。
【0042】
図9のS901にて、ユーザは所望のドキュメントの画像形成装置101への投入を実行する。このときユーザはプリントドライバを用い、画像形成装置101での出力先として、記録紙への画像形成(プリント)を行うか、装置内コントローラ204のHDD305への保存(ボックス蓄積)を行うかを図10のプリンタドライバ画面1001の出力先設定1002にて選択する。選択された出力先は、1003の実行キーの押下により、PDLとともに外部ネットワーク102を介して外部コントローラ104に通知される。
【0043】
次にS902にて外部コントローラはPDLに付加された画像形成装置101での出力先がプリントかボックス蓄積かを判別する。
【0044】
S902にてプリントと判断された場合、S903で図11の1101の系のように外部コントローラ104はCyan/Magenta/Yellow/Black(CMYK)の色空間のイメージに展開し、S904にて装置内コントローラ204は外部コントローラ104よりVideoケーブル103を介してCMYKの色空間のイメージを受信し、図11の1102の系のようにCMYKの色空間のまま、画像処理部303、画像メモリ304を介して、プリンタ部202にCMYKの色空間のイメージを送出しプリントする。
【0045】
一方、S902にて外部コントローラ104がPDLに付加された画像形成装置101での出力先がボックス蓄積であると判別した場合、S905で、外部コントローラ104は図11の1103の系のようにRed/Green/Blue(RGB)の色空間のイメージに展開し、S906で装置内コントローラ204は図11の1104の系のように外部コントローラ104よりVideoケーブル103を介してRGBの色空間のイメージを受信、HDD305に蓄積する。
【0046】
S906でのHDD305への蓄積後、S907にてユーザが操作部203によって蓄積されたドキュメントの操作を行う。この際ユーザは図12のボックス蓄積されたドキュメントの操作画面1201の操作選択キーにおける“プリント”1202または“ファイル送信”1203の操作を行う。この選択された操作は図11の1105のように装置内コントローラ204に通知される。
【0047】
このときユーザが“プリント”1202を選択した場合、S908で装置内コントローラ204は操作部203から通知される“プリント”指示により、HDD305に蓄積されたRGBの色空間のイメージであるドキュメントを図11の1106の系のように画像メモリ304、画像処理部305にてRGBの色空間からCMYKの色空間に変換し、プリンタ部202にCMYKの色空間のイメージを送出してプリントする。
【0048】
一方、S907で“ファイル送信”が選択された場合は、S909で装置内コントローラ204は図11の1107の系のようにHDD305に蓄積された該当ドキュメントのイメージを読み出し、画像メモリ304、画像処理部303を使用して、RGBの色空間のイメージからJpegフォーマットの画像ファイルを作成する。
【0049】
そしてS910で、ユーザが指示したコンピュータ端末に対し、Jpegフォーマットに変換されたファイルを図11の1108のように送信する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態のシステム全体を示す図。
【図2】画像形成装置全体のブロック図。
【図3】画像形成装置内のコントローラのブロック図。
【図4】画像形成装置の操作部を示す図。
【図5】画像形成装置のスキャナ部を示す図。
【図6】画像形成装置のスキャナコントローラのブロック図。
【図7】画像形成装置のプリンタ部を示す図。
【図8】画像形成装置のフィニッシャ部を示す図。
【図9】本発明の実施例を示すフローチャート。
【図10】画像形成装置での出力先を選択するプリンタドライバ画面例。
【図11】本発明の実施例におけるブロック図。
【図12】画像形成装置に蓄積されたドキュメントを操作する操作部画面例。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたコンピュータ端末と画像形成装置において、
前記コンピュータ端末は、前記コンピュータ端末で扱われる文書を画像形成装置でプリントするためのデータに変換するプリントデータ変換手段と、
前記変換手段により変換された前記プリントデータを前記ネットワークを介して前記画像形成装置に送出する送出手段と有し、
前記画像形成装置は前記送出手段により送出された前記プリントデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記プリントデータを色空間の異なる複数の色空間でイメージに展開する展開手段と
前記展開手段により展開されたイメージを、前記画像形成装置内に蓄積しておく蓄積手段と、
前記蓄積手段により蓄積されたイメージのプリントまたはファイルフォーマットの変換を指示する操作指示手段と、
前記操作指示手段により指示されたイメージをプリントするプリント手段と、
前記操作指示手段により指示されたイメージを他のファイルフォーマットに変換する手段とを有し、
前記コンピュータ端末にてプリントデータを生成する際に、前記展開手段にてイメージに展開した直後に、前記画像形成装置にてプリントするか、または前記画像形成装置に蓄積するかの出力先を選択する手段を有し、前記選択された出力先の情報を前記プリントデータとともに前記展開手段に送出し、前記展開手段にて前記選択された出力先の情報から前記選択された出力先が前記画像形成装置にてプリントするか、または前記画像形成装置に蓄積するかを判別し、前記判別された出力先に応じて展開するイメージの色空間を切り替える手段を有することを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項2】
前記請求項1の画像形成装置システムにおいて前記展開手段は、Cyan/Magenta/Yellow/Blackの色空間でイメージを展開する機能と、Red/Blue/Greenの色空間でイメージを展開手段とを有し、前記展開手段にて前記判別された出力先が前記が造形性装置でのプリントであった場合はCyan/Magenta/Yellow/Blackの色空間のイメージで展開し、前記判別された出力先が画像形成装置に蓄積であった場合はRed/Blue/Greenの色空間のイメージで展開する手段を有することを特徴とする画像形成装置システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−244249(P2006−244249A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60713(P2005−60713)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】