説明

画像形成装置及びその制御方法

【課題】 記録されている過去のユーザ操作を呼び出して再生する際にその操作の変更が可能であり、所望の操作を行うためのユーザ操作の設定の手間を好適に減らすことができる画像形成装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 画像形成装置に対してユーザが行った一連の操作フローを呼び出して実行する際に、制御部100のCPU(A1)によって、当該画像形成装置に対して行われた一連の操作フローを履歴情報としてメモリA2等に記録される。そして、記録された履歴情報のうち、画像形成装置に対して実行させる操作フローを呼び出し、呼び出された操作フローを実行する。ここで、当該操作フローの実行を一時的に停止して、操作部A3を用いて操作フローが変更される。そして、変更された操作フローの実行を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ操作の手間を軽減する画像形成装置であって、特に、画像形成装置等においてユーザが行う設定操作を簡略化するための制御を行う画像形成装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置の高機能化に伴って、ユーザが行う操作手順も増加しており、より複雑な操作が要求されている。これを解決する方法としては、大きく分けて2つの技術が提案されている。1つは、ユーザが操作を行うことで設定される設定値を記録しておき、この設定値のみを再現(再生)する技術(以下、「設定値呼び出し技術」という。)であり、もう1つはユーザが行った操作を全て記録し、これを再現(再生)する技術(以下、「設定操作呼び出し技術」という。)である。
【0003】
例えば、設定操作呼び出し技術の代表的なものとして、ユーザの操作を記録しておき、その記録を呼び出すことによって、記録した過去の操作を全く同じように(すなわち、同じ操作内容、操作手順で)再現する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−323946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前者の設定値呼び出し技術では設定値しか再現することができないため、設定値を入力するまでにユーザが行った一連の操作手順を任意の設定内容へのショートカットとして作成することができない。そこで、この任意のショートカットを作成するためには後者の設定操作呼び出し技術が必要となる。しかし、従来の設定操作呼び出し技術を用いた場合であっても、ユーザが過去に行った操作と同一の操作の再生はできるものの、単に記録した操作を呼び出すだけである。そのため、例えば一連の操作手順における途中の一部の操作のみを変更することが実現できない。従って、再現する設定内容が記録されている操作に類似している操作であっても、全く別の操作と同様に、再現したい設定内容と同じ数のユーザ操作手順を再度記録する必要がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、記録されている過去のユーザ操作を呼び出して再生する際にその操作の変更が可能であり、所望の操作を行うためのユーザ操作の設定の手間を好適に減らすことができる画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、
ユーザによって行われた一連の操作フローを履歴情報として記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された履歴情報から操作フローを呼び出す呼び出し手段と、
前記呼び出し手段により呼び出された前記操作フローを実行する実行手段と、
前記実行手段による前記操作フローの実行を一時的に停止する停止手段と、
前記停止手段によって停止した前記操作フローを変更する変更手段と、
前記変更手段により変更された前記操作フローの実行を前記実行手段に再開させる再開手段と
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る上記画像形成装置は、
前記変更手段が、前記停止手段によって停止した前記操作フローに新たな操作を追加して該操作フローを変更し、
前記記録手段が、前記新たな操作が追加された前記操作フローを記録する
ことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明に係る上記画像形成装置は、
前記変更手段による前記操作フローへの前記新たな操作の追加前に、該新たな操作が追加された前記操作フローの実行の前記再開手段による再開が可能であるか否かを判定する再開判定手段と、
前記再開判定手段により前記新たな操作が追加された前記操作フローの再開が不可能であると判定された場合、前記変更手段による前記新たな操作の追加を禁止する禁止手段と
をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
さらにまた、上記課題を解決するために、本発明は、画像形成装置に対してユーザが行った一連の操作フローを呼び出して実行するための制御方法であって、
前記画像形成装置に対して行われた一連の操作フローを履歴情報として記録装置に記録する記録工程と、
前記記録装置に記録された履歴情報のうち、前記画像形成装置に対して実行させる操作フローを呼び出す呼び出し工程と、
前記呼び出し工程により呼び出された前記操作フローを実行する実行工程と、
前記実行工程による前記操作フローの実行を一時的に停止する停止工程と、
前記停止工程によって停止した前記操作フローを変更する変更工程と、
前記変更工程により変更された前記操作フローの実行を前記実行工程に再開させる再開工程と
を有することを特徴とする。
【0010】
さらにまた、本発明に係る上記画像形成装置の制御方法は、
前記変更工程が、前記停止工程によって停止した前記操作フローに新たな操作を追加して該操作フローを変更し、
前記記録工程が、前記新たな操作が追加された前記操作フローを前記記録装置に記録する
ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明に係る上記画像形成装置の制御方法は、
前記変更工程による前記操作フローへの前記新たな操作の追加前に、該新たな操作が追加された前記操作フローの実行の前記再開工程による再開が可能であるか否かを判定する再開判定工程と、
前記再開判定工程により前記新たな操作が追加された前記操作フローの再開が不可能であると判定された場合、前記変更工程による前記新たな操作の追加を禁止する禁止工程と
をさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、記録されている過去のユーザ操作を呼び出して再生する際にその操作の変更が可能であり、所望の操作を行うためのユーザ操作の設定の手間を好適に減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるユーザ操作の制御動作の詳細について説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
本実施形態では、まず、画像形成装置におけるユーザ操作の記録、確認、及び再生処理の一実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置(複写機)のハードウェア構成を模式的に示す図である。尚、図1では、スキャン機能を実行するためのリーダ部200と、プリント(印刷)機能を実行するためのプリンタ部300とが一体的に構成された複写機の例を示すが、それ以外の形態であっても同様である。
【0016】
リーダ部200は、原稿給紙ユニット250を搭載している。原稿給紙ユニット250は、原稿を先頭から順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送する。そして、各原稿の読取動作が終了する毎に、給送された原稿は、プラテンガラス211から排出トレイ(図示せず)に排出される。
【0017】
リーダ部200は、また、原稿がプラテンガラス211上に給送されると、ランプ212を点灯し、移動ユニット213の移動を開始する。この移動ユニット213の移動によりプラテンガラス211上の原稿に対する読み取り走査が行われる。この読み取り走査中、原稿からの反射光は、各ミラー214、215、216及びレンズ217を経てCCDイメージセンサ(以下、「CCD」という。)218に導かれ、原稿上の画像がCCD218の撮像面上に結像される。CCD218は、撮像面に結像された画像を電気信号に変換する。そして、この電気信号は、所定の処理が施された後に当該複写機を制御する(不図示の)制御部100に入力される。
【0018】
プリンタ部300はレーザドライバ321を有している。レーザドライバ321は、制御部100から入力された画像データに基づいてレーザ発光部322を駆動する。これにより、レーザ発光部322からは画像データに応じたレーザ光が発光される。このレーザ光は、走査されながら感光ドラム323上に照射される。
【0019】
感光ドラム323上には、照射されたレーザ光により静電潜像が形成され、この静電潜像は現像器324から供給されたトナーによりトナー像として可視像化される。また、レーザ光の照射タイミングに同期して、各カセット311、312から記録紙が搬送路を介して感光ドラム323と転写部325との間に給紙される。そして、感光ドラム323上のトナー像が、転写部325により給紙された記録紙上に転写される。
【0020】
トナー像が転写された記録紙は、搬送ベルトを介して定着ローラ対(加熱ローラと加圧ローラ)326に送られる。定着ローラ対326は、記録紙を熱圧して、記録紙上のトナー像を記録紙上に定着させる。この定着ローラ対326を通過した記録紙は、排紙ローラ対327により排紙ユニット330に排紙される。排紙ユニット330は、ソートやステイプル等の後処理を施すことが可能なシート処理装置から構成される。
【0021】
尚、両面記録モードが設定されている場合には、記録紙を排紙ローラ対327まで搬送した後に、排紙ローラ対327の回転方向を逆転させ、フラッパ328によって再給紙搬送路329へ導く。再給紙搬送路329に導かれた記録紙は、上述したタイミングで感光ドラム323と転写部325との間に再給紙され、この記録紙の裏面にトナー像が転写される。
【0022】
図2は、図1に示す第1の実施形態に係る画像形成装置(複写機)に備わる制御部100の細部構成を示すブロック図である。この画像形成装置の制御部100は、タッチパネルA9を備える操作部A3と、プリンタA10等により情報の出力を行うための出力部A4と、ユーザ操作等の情報を入力するための入力部A11と、ネットワークケーブル等を使用して外部装置との間で情報をやりとりするための外部インターフェイスA5と、読み込んだ画像の処理を行うための画像処理部A6と、ユーザ操作を表すスクリプトを生成するためのスクリプト生成部A12と、情報を保存(格納)するためのメモリA2と、各種入力を判断して所定の制御を行うためのCPU(A1)と、エラーを検知するためのエラー検知部A7と、時間を測定するタイマーとして機能する時間測定部A8とを備える。
【0023】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の図2に示す操作部A3の外観図である。図3に示すように、第1の実施形態に係る複写機の操作部A3は、タッチパネルであるディスプレイB4とハードキーエリアB1〜B3、B5〜B7により構成されている。
【0024】
ディスプレイB4は、画面に表示されている各種キーを押下することで、それぞれのキーに対応する内容を入力を行うタッチパネルA9を備えている。以下では、このタッチパネルA9に情報を表示したものを「画面」とし、情報が異なる画面には異なる画面名をつけることにする。本実施形態では、当該「画面」には前述したそれぞれのキーが表示され、設定内容の選択、画面遷移、文字の入力、数値の入力、入力のクリア等を行うことが可能である。
【0025】
またハードキーエリアB1〜B3、B5〜B7として、コピー設定(コピーを行う際の設定)を行うためのコピー画面に遷移するための「コピー」キーB1と、情報の送信設定を行うための送信画面に遷移するための「送信」キーB2と、ユーザが行うキー押下のフロー(一連の手順)を登録・利用するカスタマイズ画面に遷移するための「カスタマイズ」キーB3と、設定をクリアするための「リセット」キーB5と、設定された内容を実行するための「スタート」キーB6と、数値、+/−、及び数値のクリアを行うためのテンキーB7の各種キーが備わっている。
【0026】
上述したような画像形成装置(複写機)においてユーザ操作を容易に設定するために、本実施形態では、
(1)ユーザが行った操作(例えば、タッチパネルにおけるキー入力)をスクリプト生成部A12によりスクリプト言語に変換してメモリA2に一時的に記録し、ユーザ操作の終了時にメモリA2の中の一連の操作(ユーザ操作フロー)をすべてファイル(スクリプトファイル)に登録する。
(2)再生する際に(1)で登録したファイルを呼び出して、当該ファイルの内容をそのまま実行する、或いは修正したものを実行することにより、所望のユーザ操作を実現する。
という方法を用いる。
【0027】
尚、上記(1)の処理のように実際にキー入力を行わなくても、他の画像形成装置や或いはPC等の外部装置で生成したスクリプト言語やスクリプト言語を記述したスクリプトファイルを利用することも可能である。
【0028】
また、(1)で登録されるユーザ操作は、操作部A3に備わるタッチパネルA9で行われたものである。すなわち、このユーザ操作は、CPU(A1)で検知され、検知した操作内容をCPU(A1)で判断し、その内容に応じた処理をCPU(A1)で画像形成装置(複写機)に反映する。
【0029】
次に、本実施形態に係る画像形成装置(複写機)で使用される4つのモードについて説明する。図4は、第1の実施形態に係る複写機のタッチパネルA9に表示されるカスタマイズ画面の一例を示す図である。図4に示すカスタマイズ画面は、操作部A3の「カスタマイズ」キーB3を選択(押下)することでディスプレイB4に表示される。尚、キー押下により最初に遷移するカスタマイズ画面をカスタマイズ機能のデフォルト画面ともいう。
【0030】
ここで、図4に示すように、カスタマイズ画面ではカスタマイズタブ301が常に反転しているが、これは現在の画面がカスタマイズ機能の画面であることを示している。尚、コピーや送信の場合におけるそれぞれのタブもそれぞれの画面では同様に反転する。また、このカスタマイズ機能以外の画面(例えば、コピー機能や送信機能の画面)においてカスタマイズタブ301を押下しても、操作部A3の「カスタマイズ」キーB3を押下したものと同様に、カスタマイズ画面のデフォルト画面に遷移することができる。このため、カスタマイズタブ301を「カスタマイズ」キー301と呼ぶこともある。また、以下で説明する図において、前述したタブ以外にキーが反転しているもの(例えば、301や302)があるが、これは特に明記しない限り、押下されたキーを表しているものとする。
【0031】
4つのモードのうちの1つ目のモードは、「記録モード」である。このモードは、ユーザ操作を記録するためのモードである。具体的には、ユーザ操作をスクリプト言語で表して(すなわち、スクリプト化して)、メモリA2に記録することを繰り返し、記録の終了時にメモリA2のスクリプト言語の記述(略して「スクリプト」ともいう。)をまとめて1つのファイルに登録し、このファイルを再びメモリA2に保存する。このモードへは、ディスプレイB4の「カスタマイズ」キーB3を押下してカスタマイズ画面に遷移して、ディスプレイB4にカスタマイズ画面を表示させ、「記録開始」キー303を押下することで移ることができる。
【0032】
ここで、記録モード中に表示される画面について説明する。図5は、第1の実施形態に係る記録モード中に表示される画面における設定エリアとステータスエリアを説明するための図である。また、図6は、第1の実施形態に係る記録モード中の画面表示例を示す図である。
【0033】
通常のコピー機能設定時や送信機能設定時に表示される画面は、図5に示すように、設定エリア401とステータスエリア402に分けられる。図5に示すように、ステータスエリア402には画像形成装置(複写機)の機器状態を示すための「システム状況」キー403しか表示されていない。しかし、この記録モード中には図6に示すように、「システム状況」キー403の他に、ステータスエリア402に記録中であることを表す「記録中」キー501、記録の終了を表す「記録終了」キー502、ポーズの挿入を表す「ポーズ」キー503の3つのキーを表示する。尚、「記録中」キー501のみ常に反転表示され、ユーザが当該キーを押下しても画面に変化は生じない。尚、「記録終了」キー502を押下することで当該記録モードを脱することができる。
【0034】
4つのモードのうちの2つ目のモードは、「再生モード」である。このモードは、登録されている操作を再生するモードである。具体的には、スクリプト言語の形式で記録したユーザ操作をメモリA2から呼び出し、この操作をCPU(A1)で解釈して画像形成装置(複写機)に設定する。
【0035】
この再生モードへは、カスタマイズ画面において、呼び出すスクリプトファイルと対応するフローキー(例えば、図4におけるキー名称がデフォルトの「フロー1」キー302)を押下し、「記録再生」キー304を押下することで移ることができる。
【0036】
図8は、第1の実施形態に係る複写機の再生モード中の画面表示の一例を示す図である。図5に示すように、通常の画面のステータスエリア402には「システム状況」キー403しか表示されていない。しかし、再生モード中には再生中であることを表す「再生中」キー801、及び再生モードを終了してそこから抜けるための「再生終了」キー802が常にステータスエリア402に表示されている。尚、「再生中」キー801のみ常に反転表示され、押下しても変化は生じない。また、当該再生モードからは、「再生終了」キー802を押下することで抜け出すことができる。この再生モードにおける再生による画面遷移は、ディスプレイB4に表示される。
【0037】
4つのモードのうちの3つ目のモードは、「ポーズモード」である。このモードは、一連のユーザ操作フローにおけるユーザ操作間に、記録されていない操作を挿入するためのモードである。具体的には、再生モードにおいて一連のユーザ操作フローで実行するスクリプトがポーズスクリプトであることをCPU(A1)で検知すると、ポーズ解除されるまで次のユーザ操作フローのスクリプト実行を行わずに、ユーザがキー押下した操作を検知して判断する。
【0038】
そしてCPU(A1)の判断により、ユーザがキー押下した操作がポーズ解除以外である場合は実行することを繰り返す。これにより、記録した設定を修正することが可能となる。尚、当該ポーズモードへは、再生モード中にポーズを意味するポーズスクリプトを実行することで移ることができる。
【0039】
図7は、第1の実施形態に係るポーズモード中の画面表示の一例を示す図である。図5に示すように、通常の画面のステータスエリア402には「システム状況」キー403しか表示されていない。しかし、ポーズモード中のステータスエリア402には、ポーズ中であることを表す「ポーズ中」キー601、ポーズを解除してポーズモードから抜けるための「ポーズ解除」キー602が常に表示されている。尚、「ポーズ中」キー601のみ常に反転表示され、押下しても変化は生じない。尚、当該ポーズモードは、「ポーズ解除」キー602を押下することで脱することができる。
【0040】
4つのモードのうちの4つ目のモードは、「確認モード」である。このモードは、登録されているユーザ操作フローのユーザ操作を順番に実行して操作内容を確認するためのモードである。具体的には、メモリA2に登録されているユーザ操作フローのユーザ操作を実際に実行するかどうかをCPU(A1)によって判断し、実際に実行又はジョブを発行しない実行を行う。ここで、ジョブを発行しない実行とは、例えばコピー動作の場合であれば、実際にコピーした用紙を排出することはないが、システムの設定上でのみコピー動作を行うことである。本実施形態では、これにより印刷履歴としてコピーしたことが表示される。
【0041】
このモードへは、カスタマイズ画面で呼び出すスクリプトファイルと対応するキー(例えば、「フロー1」キー等)を押下し、「記録確認」キー305を押下することにより移ることができる。
【0042】
図9は、第1の実施形態における複写機の確認モード中の画面表示の一例を示す図である。図5に示すように、通常の画面のステータスエリア402には「システム状況」キー403しか表示されていない。しかし、確認モード中には、図9に示すように、確認モード中であることを表す「確認中」キー701、次の操作による画面表示に移るための「進む」キー703、前の操作による画面表示に戻るための「戻る」キー702、確認を終了するための「確認終了」キー704、ポーズを意味する「ポーズ」キー705が常に表示されている。
【0043】
この「ポーズ」キー705は、ポーズスクリプトの実行中に反転し、反転中は再度押下しても変化は生じない。しかし、反転していないときに押下した場合は、反転して確認しているもとのファイルにポーズスクリプトを挿入する。「戻る」キー702は、登録されている最初の操作を設定する画面において、例えば網掛けとなっていて選択できないようになっている。同様に、登録されている最後の操作を設定する画面における「進む」キー703は、押下できないように網掛けとなっている。また、確認モード中は、「確認中」キー701が常に反転表示され、それを押下しても変化は生じない。
【0044】
図9に示す画面において「進む」キー703が押下された場合、CPU(A1)によりメモリA2から確認モードに入る前に押下したキーに対応するスクリプトファイルの呼び出しとその実行を開始する。但し、呼び出したスクリプトがポーズスクリプトの場合は、再生モードのようにポーズモードに移るのではなく、単にポーズキーを押下して反転する処理を行うものとする。
【0045】
この確認モード中にCPU(A1)が呼び出したユーザ操作と、新たに挿入したポーズスクリプトはすべてメモリA2に記録しておく。そしてこのメモリA2の情報は、確認モードから抜けるときに、確認モードに入った直後にメモリA2から呼び出したファイルとして上書きする。これにより、確認モード中にスクリプトを加えた場合においても、次回の再生時に再現することができる。尚、確認モード中にポーズスクリプトを挿入する具体例については後述する。また、このモードは「確認終了」キー704を押下することで脱することができる。
【0046】
次に、図2に示すような構成をした画像形成装置(複写機)を用いて原稿のコピーを取る際に、「x in 1」の縮小レイアウト(すなわち、例えばA4サイズのx枚の原稿をA4サイズの1枚の用紙に収まるよう縮小して印刷する機能)を設定する例を用いて、ユーザ操作を記録し、記録内容を確認し、記録内容を呼び出してそのまま再生、若しくは記録内容の一部を修正する例について説明する。尚、「x in 1」の縮小レイアウト機能を登録するために、最初はxを4とした「4 in 1」の設定で、記録して再生し、次にポーズを入れてxの値を選択することとしている。図10は、「4 in 1」の設定を行うための画面フローを説明するための図である。
【0047】
最初に記録モードに入るまでの手順について説明する。
【0048】
まず、図4の画面において「カスタマイズ」キー301を押下することにより、図5に示すカスタマイズ画面に遷移する。そして、ユーザ操作フローを登録するキーを押下して反転させる。ここでは、キー名称「フロー1」のキー302を押下するものとする。次いで、「記録開始」キー303を押下する。これにより、自動的に「リセットキー」B5を押下した場合と同じ状態(すなわち、設定をすべてリセットしてデフォルト画面に遷移する状態)となり、記録モードに入る。ここではデフォルト画面をコピー初期画面とする。尚、コピー初期画面とは、「コピー」キーB1を押下すると最初に遷移する画面のことであり、以下でも同様とする。
【0049】
次に、記録モード中における操作フローの登録について説明する。図11は、第1の実施形態における操作フローの登録手順を説明するためのフローチャートである。ユーザは、まず、画面上のキーを押下して画面を遷移させる。この動作は、CPU(A1)でユーザによるキー押下の検知で判断する(ステップS111)。すなわち、CPU(A1)が何らかのキー押下を検知した場合(Yes)は、次いで、当該キー押下が「記録終了」キーの押下であるか否かの判定を行う(ステップS112)。
【0050】
その結果、検知したキー押下が「記録終了」キーの押下ではない場合(No)、当該キー押下を押下したものと同等の意味を持つスクリプト言語に変換(スクリプト化)し、このスクリプト言語(スクリプト)をメモリA2に記録する(ステップS113)。そして、上記操作を「記録終了」キーが押下されるまで繰り返す。
【0051】
一方、検知したキー押下が「記録終了」キーの押下である場合(Yes)は、ここまでのキー押下(最後の「記録終了」キーは除く)をファイルに登録し(ステップS114)、記録モードを終了する。尚、このファイルと記録モードに入る前に選択したフロー名称キー(例えば、前述の「フロー1」等)は、CPU(A1)により関連付けられて、メモリA2に保存される。
【0052】
図10に示す縮小レイアウトの例では、コピー初期画面101に存在する「応用モード」キー101aが押下され、「縮小レイアウト」キー102aが押下され、「A4」キー103aが押下され、そして「次へ」キー103bが押下されて「種類の選択」画面104に遷移する。そして、次いで「x in 1」の設定を行うものとして、ここでは「4 in 1」キー104aが押下される。
【0053】
ここで、次回に「2 in 1」や「8 in 1」に修正するために、ステータスエリア402の「ポーズ」キー503を押下する。尚、この「ポーズ」キー503の押下は、通常のキー押下と同じくスクリプト化されて記録されるが、再生時にはキー入力として再生されるのではなく、スクリプトファイルの実行を停止し、「ポーズ解除」キー602が押下されるまで、ユーザによるキー押下を受け付ける動作を実現する。尚、キー押下は再現されない。
【0054】
そして、「ポーズ」キー603の押下後は、「次へ」キー104bが押下され、「A4」キー105aが押下され、「OK」キー105bが押下される。そして最後に、ステータスエリア402にある「記録終了」キー502が押下されて、メモリA2に記録されたスクリプトを、記録モードに入る前に押下した「フロー1」キー302に関連付けたファイルに登録し(尚、このファイルもメモリA2に保存し)、記録モードから抜ける。以上のように記録動作が行われる。
【0055】
上述したように実際にキー押下を行うことにより、設定できないキー押下をスクリプト化してしまうような場合がなくなるという利点がある。ここで、スクリプト化について、詳細に説明する。
【0056】
本実施形態では、上述したように押下されたキーをスクリプト言語に変換するが、変換する際には押下したキーを一意に特定できるようにする必要がある。図12は、本発明の一実施形態で使用されるスクリプトファイルの一部を示す図である。本実施形態では、例えば図12に示すように、スクリプト言語としてPnutsを用い、キー押下を意味する関数push(jmmf.macro.*以下の別ファイルで定義済み)に引数としてファンクション名、クラス名、インスタンス名を渡すことで、押下したキーを一意に特定しているスクリプトファイルを用いる。この引数であるが、ファンクション名はコピーやカスタマイズ等の機能名を表し、クラス名は標準画面や選択画面などの画面名を表し、インスタンス名は「OK」や数値「1」等のキーを表している。尚、スクリプトファイル内のポーズスクリプトを表す関数pauseもjmmf.macro.*以下の別ファイルで定義されているものとする。
【0057】
キー押下をスクリプト化する方法の内部制御は、それぞれのキーに対応する上述したような構成(ファンクション名、クラス名、インスタンス名)の情報をメモリA2で保存しておき、CPU(A1)でキー押下を検知した際に、キー押下に対応する構成情報をメモリA2から呼び出し、これを用いてある特定のキー押下をスクリプト言語で表すものである。尚、ポーズスクリプトの場合は、メモリA2から構成情報の呼び出しがある度に構成情報をチェックし、ポーズスクリプトであるとCPU(A1)により判断されると、ポーズスクリプトを特殊なスクリプト言語で表す。図12では、ファンクション名、クラス名、インスタンス名を省略して、pause()と表示している。
【0058】
また、このスクリプトファイルにおけるヘッダーは、記録モードが開始直後に自動的にCPU(A1)により生成され、フッターは記録モードが終了する際に自動的に生成される。そして、これまでに記録したユーザ操作を登録するファイルにおいて、フッターはファイルの先頭に、ヘッダーはファイルの最後に自動的に記述される。以上説明したように、ユーザ操作の記録が行われる。
【0059】
次に、カスタマイズ画面に表示されている登録した操作フローの名称を変更する手順について説明する。
【0060】
まず、カスタマイズ画面に遷移し、名称を変更したい操作フローに対応するキーを押下する。ここではキー名称「フロー1」キー302を押下する。次に、「名称変更」キー307を押下することにより、ソフトキーボード画面に遷移する。図13は、ディスプレイB4において文字入力を行うためのタッチパネルによるソフトキーボードを示す図である。図13に示す画面を用いて、変更したい名称を入力して「OK」キー131を押下することで、名称が変更されたカスタマイズ画面に遷移する。尚、本実施形態では、「x in 4」と名称を変更することとする。
【0061】
尚、本実施形態では登録した操作フローを削除しないが、削除する場合は以下の手順で削除できる。
【0062】
まず、カスタマイズ画面に遷移し、削除したい操作フローに対応するキーを選択し、削除キー306を押下する。これにより、図14に示すように、「削除してもよろしいですか?」という文章と「キャンセル」キーと「OK」キーを備えたメッセージウインドウ1401が表示される。図14は、ディスプレイB4に表示されるメッセージウィンドウの一例を示す図である。
【0063】
ここで「OK」キー1402を押下することで削除が行われ、カスタマイズ画面に遷移する。但し、カスタマイズ画面のキー自体は削除されず、内容と名称が初期化される。また、削除しない場合は、キャンセルキー1403を押下してカスタマイズ画面に遷移する。この場合、キーの内容と名称は変更されない。このようにして、登録したユーザ操作に対応するキー名称の変更と、登録したユーザ操作の削除が行われる。
【0064】
次に、登録した内容を確認する方法について説明する。
【0065】
まず、カスタマイズ画面に遷移し、確認したい操作フローが記録されている「フロー1」キー302(本実施形態では、「x in 1」の操作に対応するキー)を押下する。これにより、CPU(A1)は、「フロー1」キー302に対応するスクリプトファイルを呼び出し、ユーザ操作を表すスクリプトのファンクション名とクラス名からメモリA2に保存されている対応する機能名と設定項目名を探す。そして、対応する機能名と設定項目名を検知した場合、これをディスプレイB4に一覧を表示する。
【0066】
尚、同じ機能名と設定項目名が続く場合は最初の1つのみを表示することにする。ここでは、「x in 1」の設定は、すべてコピー機能の縮小レイアウト項目としてメモリA2に保存されているとする。尚、このフローを表すファイルのある機能を設定するフロー中にポーズスクリプトがある場合は、一覧表示のポーズ欄にチェックを表示する。このポーズスクリプトのチェックは、ある設定項目に1つでもあると表示するようにする。尚、異なる設定項目名間にポーズスクリプトがある場合は、前の設定項目名にポーズ欄にチェックをつけることとする。
【0067】
図15は、本実施形態における登録されたスクリプトの詳細を表示するためにCPU(A1)がカスタマイズ画面の一覧表示部308に設定した機能名、設定項目名、ポーズの有り無し(有る場合のみチェック表示)の表示例を示す図である。
【0068】
次に、登録した操作をステップ実行で確認する場合について説明する。まず、確認する「フロー1」キー302(本実施形態では、「x in 1」の操作に対応するキー)を選択した状態において、「記録確認」キー305を押下する。これにより、確認モードに入る。
【0069】
確認モードに入ると、CPU(A1)により自動的に「フロー1」キー302に対応するユーザ操作フローをメモリA2から呼び出し、ユーザ操作フローにおける最初のユーザ操作を表すスクリプトのみを実行する。この実行結果は、画面に表示すると共にメモリA2にも保存しておく。但し、CPU(A1)で呼び出した操作が実際にジョブの発行を行うものかどうかを判断し、実際にジョブを発行する操作は実行することなく、CPU(A1)により実行した場合の結果のみを反映する。
【0070】
例えば、コピー動作を実際に行うジョブやスキャンしたデータを実際に送信するジョブの場合は、実際に実行することなく、送信した結果のみを反映する。このような判断は、実際にジョブを発行するユーザ操作をあらかじめメモリA2に保存しておき、CPU(A1)により呼び出した操作がメモリA2に保存されているジョブを発行するユーザ操作であるかどうかを毎回判定することで実現される。
【0071】
このように実行したユーザ操作の次のユーザ操作を表すスクリプトは、「進む」キー押下や「戻る」キー押下等の入力があるまで実行せずに待つ。尚、「進む」キーの場合は、待ち状態の次のユーザ操作を実行するが、「戻る」キー押下の場合は、最も遅く実行された操作を表すスクリプトの実行前に画面表示を戻す。すなわち、CPU(A1)により、メモリA2から最も遅く実行された操作結果を呼び出す。以上のように、登録したユーザ操作の確認が行われる。
【0072】
最後に、登録した操作フローを再生する手順について説明する。
【0073】
まず、カスタマイズ画面に遷移し、再生したいユーザ操作フローに対応するキー(本実施形態では、「x in 1」に対応する「フロー1」キー302)を押下する。次いで、「記録再生」キー304を押下する。これにより、自動的に「リセット」キーB6が押下された場合と同じ状態(すなわち、設定がリセットされて、画面がデフォルト画面に遷移した状態)になり、再生モードに入る。
【0074】
図16は、本発明の一実施形態における再生モード中の動作を説明するためのフローチャートである。まず、CPU(A1)によりカスタマイズ画面で選択した操作フローに対応するスクリプトファイルをメモリA2から自動的に呼び出し、このファイル内に実行されていないスクリプトがあるかどうかをファイルの先頭から順々に判定する(ステップS161)。その結果、すべてのスクリプトが実行されていた場合(No)、本フローチャートで説明する再生モードから抜けて終了する。
【0075】
一方、すべてのスクリプトが実行されていない場合(Yes)、次のスクリプトを呼び出す(ステップS162)。本実施形態では、「x in 1」の設定を記録したファイルを呼び出すため、まだ実行されていないスクリプト(例えば、「応用モード」キー押下を表すスクリプト)が呼び出される。
【0076】
次いで、呼び出されているスクリプトがポーズスクリプトかどうかの判定をCPU(A1)により行う(ステップS163)。その結果、呼び出されたスクリプトがポーズスクリプトの場合(Yes)は、CPU(A1)によりこのスクリプトを解釈して実行する。これにより、ポーズモードに入り、図7に示す「ポーズ解除」キー602が押下されるまでユーザが設定を行う(すなわち、修正/変更を開始する)(ステップS164)。
【0077】
そして、修正/変更が終わると「ポーズ解除」キー602を押下することでポーズモードを抜ける(ステップS165)。この際の内部制御は、CPU(A1)によりポーズモード中に行った操作をメモリA2に記録しておき、「ポーズ解除」キー602が押下された場合は、最も早く(すなわち、現在に近い時間に)メモリA2に記録した操作をメモリA2から取り出して実行するという制御で実現される。
【0078】
一方、ステップS163で呼び出されたスクリプトがポーズスクリプトでないと判定された場合(No)、及びステップS165で変更が終了した後は、このスクリプトが実行可能であるかの判断に移る(ステップS166)。本実施形態はポーズスクリプトでないため、ステップS163の処理の後、次いでステップS166のスクリプトが実行可能であるかの判定に移る。
【0079】
上述したように、ステップS166では、呼び出したスクリプト若しくは修正したスクリプトが実行可能であるかをCPU(A1)により判定する。その結果、呼び出したスクリプトが実行不可能である場合には、「実行できません。ここまでの操作を反映して終了します」という内容の文章と、「OK」キーを備えたメッセージウインドウとを表示する(ステップS168)。尚、このメッセージウインドウのOKキーを押下することにより、再生モードから抜けて終了することが可能である。
【0080】
一方、ステップS166で呼び出したスクリプトが実行可能である場合には(Yes)、CPU(A1)により実際に呼び出した操作を行い、操作結果を画面に表示する(ステップS167)。そして、ファイルに呼び出していないスクリプトがあるかどうかの判定(ステップS161)に戻る。本実施形態では、「応用モード」キー押下は実行可能であるため、これを実行することとなる。
【0081】
本実施形態では、上述したような手順で「縮小レイアウト」キー、「A4」キー、「次へ」キー、「4 in 1」キー押下のスクリプトが同様に実行される。この後にファイルから呼び出しを行うと、ポーズスクリプトが呼び出される。そこで、ここでは「2 in 1」キーを押下して、「4 in 1」の設定を修正する。さらに、ここで「ポーズ解除」キー602を押下することで、ポーズモードから抜けて、この修正したスクリプトが実行可能であるかの判定に移る(ステップS166)。尚、ここでは「2 in 1」の設定のために実行可能であり、上述した手順と同じ手順でこれ以降の「次へ」キースクリプトと「A4」キースクリプトと最後の「OK」キースクリプトが呼び出されて実行される。
【0082】
尚、ポーズ後の修正において「2 in 1」キーではなく、「戻る」キーを押下してしまうと、図10に示す種類の選択画面104において、次の操作である「次へ」キーが押下できない。そこで、このような場合はメッセージウインドウを表示して、ここで「OK」キーを押下することで再生モードから抜けることができる。以上が再生の手順である。
【0083】
上述したように、本実施形態に係る画像形成装置では、ユーザが設定を行うために必要な手間(手順)を好適に減少することができる。
尚、上述した実施形態では、ユーザ操作フローが自動的に実行される場合について説明したが、当該ユーザ操作フローの各ユーザ操作を1つ1つ順順に手動で実行する場合であっても同様である。
【0084】
また、本実施形態では、上述したようなカスタマイズを行うことにより、従来の設定値呼び出し技術や、設定操作呼び出し技術では実現不可能であった柔軟な設定(例えば、1つの登録内容から少ない操作手順で類似した異なる内容の設定)を可能とした。また、ある設定画面への単なる画面移動のショートカットではなく、その画面に遷移するまでに設定した設定を保持したショートカットを作成することが可能となる。具体的には、任意のユーザ操作の後に別の操作を挿入して前の操作を変更することができる。
【0085】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置(複写機)を用いて第1の実施形態と異なる確認処理及び再生処理の一実施形態について説明する。本実施形態と第1の実施形態との異なる点は、(1)確認中にユーザ操作フローのユーザ操作を表すスクリプト間にポーズスクリプトを新たに追加できる点と、(2)再生中の画面にはポーズスクリプトの実行以外の操作結果は表示しない点と、(3)ポーズモードにおいて修正した操作により後の操作が実行できない場合は修正のやり直しを可能とする点である。
【0086】
尚、以下では、第1の実施形態と異なる部分に関する説明のみを行い、それ以外については第1の実施形態と同様とする。
【0087】
まず、第1の実施形態と同じく、図4に示すカスタマイズ画面の名称「フロー1」キー302に、「x in 1」の設定を行うユーザ操作フローを登録する。この後に、登録したユーザ操作フローに対応するフローキー(ここではキー302)と「記録確認」キー305を押下して確認モードに入る。これにより、フローキーに対応するスクリプトファイルから最初のユーザ操作を呼び出して実行し、「戻る」キー702又は「進む」キー703の入力を待つ。
【0088】
本実施形態では、「進む」キー703の押下を3回行うことで、「応用モード」キー押下、「縮小レイアウト」キー押下、「A4」キー押下を行った結果の画面(すなわち、図10の「A4」キーが反転している画面103)まで遷移する。尚、ここまでの部分は、前述した第1の実施形態と全く同じである。
【0089】
ここで、実行時に原稿のサイズをA4ではなく変更する場合に備えて、確認モードにおいてポーズスクリプトを入れる操作、すなわち確認モード中のステータスエリアに表示されている「ポーズ」キー503を押下する操作を行う。これにより、メモリA2にポーズスクリプトが記録される。そして、第1の実施形態と同様の操作を行って確認モードから抜ける。
【0090】
この際、メモリA2に記録されているすべての操作を最初にカスタマイズ画面で選択したフローを表すキーに上書きする。これにより、ポーズスクリプトを加えた新しいスクリプトファイルが、最初にカスタマイズ画面で選択したフローを表すキーと関連付けられる。このように、本実施形態では、確認モード中にポーズスクリプトを追加できる点が前述した第1の実施形態の場合と異なる。
【0091】
次に、ポーズスクリプトを新たに追加した「x in 1」のユーザ操作フローを実行する場合において、第1の実施形態とは異なる点を説明する。ここでは、再生モードにおいて登録したファイルのスクリプトを自動実行する際に、操作部A3のディスプレイ部B4には何も表示しない画像形成装置を用いる。この画像形成装置において、カスタマイズ画面のフローキー(ここでは、キー302)と「記録再生」キー304を押下して、再生モードに入る。これにより、自動的に「応用モード」キー押下、「縮小レイアウト」キー押下、「A4」キー押下が実行され、続いて確認モード中に挿入したポーズスクリプトが実行される。
【0092】
ディスプレイB4は、ポーズスクリプトの実行までは何も表示されていなかったが、ポーズスクリプトの実行により、「A4」キー押下を行った結果の画面(すなわち、図10の「A4」キーが反転している画面103)が表示される。ここでは、通常のポーズスクリプトの実行と同じように、「ポーズ解除」キー602が押下されるまで、自由に設定を追加することができる。
【0093】
このようにディスプレイ部B4に何も表示しないことの利点としては、ユーザが通常の設定モードと再生モードの認識を明確にできる点であり、これにより、再生モード中に誤ってタッチパネルを押下することにより、スクリプトファイルから呼び出しているユーザ操作フローの実行中にタッチパネルから誤って入力した操作を実行することで生じるエラーを減少することができる。
【0094】
次に、再生モードにおいて、ポーズモード中に行った操作によりこの後の操作が実行できるかどうかを考慮する方法について説明する。尚、現在は、前述した操作結果により、「A4」キー押下を行った結果の画面(図10の「A4」キーが反転している画面103)が表示されており、ポーズモードに入っている状態とする。
【0095】
ここで、「A3」キーや「B4」キー押下ではなく「戻る」キーを押下して、ステータスエリアの「ポーズ解除」キー602を押下したとする。この場合、「戻る」キー押下によりファイルに登録されていた次の操作である用紙選択画面(図10の画面103)の「次へ」キー103bの押下を行うことができない。そのため、「ポーズ解除」キー602を押下により、ファイルの次の操作を実行する前に、「この操作により続きを実行することができません。この操作を実行してもよろしいですか?」という旨の文章と「キャンセル」キーと「OK」キーを備えたメッセージウインドウが表示される。
【0096】
ここで「キャンセル」キーを押下すると、再びポーズスクリプトの実行直後(図10の「A4」キーが反転している画面103)に戻り、操作のやり直しが可能となる。これは、CPU(A1)が「ポーズ解除」キー602の押下を検知し、ファイルの再生している操作が書かれた現在位置から、最も遅く実行されたポーズスクリプトまで行った操作を無効にする。
【0097】
また、「キャンセル」キーではなく「OK」キーを押下した場合は、第1の実施形態と同じでこの操作を実行し、次の操作(すなわち、「次へ」キー押下)が実行できないことがCPU(A1)により検知され、「実行できません。ここまでの操作を反映して終了します」という文章と「OK」キーを備えたメッセージウインドウを表示し、再生モードから抜ける。以上が、第1の実施形態とは異なる確認方法と再生方法の実施形態である。
【0098】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置(複写機)を用いて第1の実施形態と異なる記録処理及び再生処理の一実施形態について説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、実際に行ったユーザ操作の記録をファイルにまとめて登録するのではなく、(1)ユーザ操作が記録されたファイルをネットワーク経由でダウンロードしたものを登録する点と、(2)カスタマイズ初期画面に遷移した際にフローキー302に登録されているスクリプトを調べ、実行不可能なスクリプトがあるキーは選択不可能(網掛け)とする点と、(3)ポーズモードに入った直後に、ポーズモードから抜けた直後に行う操作が実行できるキー押下のみを有効とする(実行できないキーを網掛けとする)点と、(4)ストップモード以外の再生モード中の画面表示はユーザ操作フローの実行状況のみを表示し、ユーザ操作による画面遷移は表示しない点である。
【0099】
尚、以下では、第1の実施形態と異なる部分に関する説明のみを行い、それ以外については第1の実施形態と同様とする。
【0100】
最初に、ユーザ操作の登録について説明する。
【0101】
まず、「x in 1」の設定を行う操作フローが記述されたファイル、例えばファイル名「custom_x_in_1.pnuts」を現在使用している画像形成装置のメモリA2に転送して保存する。このファイル「custom_x_in_1.pnuts」は、第1の実施形態と同じく「4 in 1」のスクリプト後にポーズスクリプトが存在するファイルである。
【0102】
メモリA2に転送するための具体な方法としては、CD−ROMやUSBメモリ等の記憶媒体を介して行う方法や、PCのテキストエディタでファイルを作成し、これを現在使用している画像形成装置のIPアドレスを指定してftp転送する方法や、画像形成装置にインターネットを行うためのブラウザを搭載し、インターネットでファイルをダウンロードする方法等がある。
【0103】
次に、図4に示すカスタマイズ画面の名称「フロー1」キー302を押下して反転させ、「ファイルを登録」キー309を押下する。これにより、メモリA2に登録されているファイルを選択するためのウィンドウ画面がポップアップ表示される。図17は、第3の実施形態に係る登録するスクリプトファイルを呼び出すための画面例を示す図である。ここで、フローキー(ここでは、名称「フロー1」キー302)に対応するファイルを選択することで、フローキーにユーザ操作を登録する。
【0104】
次に、再生モードとストップモードの実行時に行われる第1の実施形態とは異なる動作について説明する。まず、図4に示す画面におけるカスタマイズキー301を押下して、カスタマイズ画面に遷移する。これにより、カスタマイズ画面が表示されるが、この直後に第1の実施形態とは異なり、画面に存在するすべてのフローキーに登録されているスクリプトファイルのスクリプトが実行可能であるかどうかの判定を行う。
【0105】
この判定を行うための制御は、CPU(A1)によりカスタマイズ画面が表示されたことを検知すると、メモリA2にあらかじめ保存されている画像形成装置(現在使用中の画像形成装置)で利用可能なすべてのスクリプト一覧を呼び出す。そして、フローキーに登録されたスクリプトがすべて利用可能なスクリプト一覧にあるかどうかの判定を行う。
【0106】
この結果、フローキーのスクリプトがすべて実行可能な場合は、第1の実施形態と同じくフローキーを表示するが、スクリプト一覧に存在しないスクリプトがフローキーに登録されていた場合は、このフローキーを反転表示(網掛け)として、選択不可能にする。例えば、送信機能がある画像形成装置において送信機能の設定を表すスクリプトを生成し、これを送信機能がない画像形成装置において実行しようとしても実行することができない。このような場合に、当該フローキーが反転表示されて選択不可能にする。
【0107】
尚、CPU(A1)によりフローキーに登録されているスクリプトが実行可能かどうか判定している間は、ポップアップ等によって「しばらくお待ちください」という旨の文章を備えたメッセージウインドウを表示し、判定が終わるまでユーザの入力を受け付けないようにする。
【0108】
そして、上記判定終了後に、実行するフローキー(ここでは名称「フロー1」キー302)を押下して反転させ、「記録再生」キー304を押下して再生モードに入る。再生モードに入ると、第1の実施形態ではすぐにユーザ操作を表す最初のスクリプトを実行するが、ここではスクリプトの実行前にCPU(A1)により、メモリA2に登録されている名称「フロー1」に対応するスクリプトファイルのスクリプト数を数えておく。その後、第1の実施形態と同じくポーズスクリプト以外のスクリプトを自動的に実行する。
【0109】
但し、ディスプレイ部B4には、第1の実施形態のようにスクリプトの実行による画面遷移ではなく、何も表示していない(例えば、背景の黒しか表示されていないディスプレイ部B4の)上にポップアップ等でスクリプトの実行経過を経過個数やプログレスバー等を用いて表したメッセージウインドウを表示する。図18は、第3の実施形態においてスクリプトの経過状況を表す一画面例を示す図である。尚、このメッセージウインドウは、一定の時間又は一定の個数のスクリプトを実行する度に更新するようにする。また、このメッセージウインドウが表示されている間は、ユーザからの操作を受け付けないようにする。
【0110】
ポーズスクリプトが実行された場合は、実行したスクリプトの総数をメモリA2に保存し、メッセージウインドウを消去し、ディスプレイ部B4にポーズモードの画面を表示する。そしてポーズモード終了後には、ディスプレイ部B4の表示をなくし、ポップアップ等によってメモリA2から読み出した進行状況の結果を表示する。
【0111】
次に、第1の実施形態とは異なるポーズモードの初期画面表示を説明する。再生モードにおいてポーズスクリプトを実行すると、第1の実施形態ではステータスエリアの表示が追加されるだけで設定エリアの表示に変化はなかった。これに対し、第3の実施形態では、画面のすべてのキーに対して、キー押下してポーズモードを抜けた場合に再生モードの続きの実行を行えるかどうかの判断を行い、続きの実行が行えないキーを網掛け表示する制御を行う。
【0112】
この内部制御は、ポーズモードに入ったことをCPU(A1)が検知すると、現在の画面を判定する。そして、メモリA2からこの画面に存在するすべてのキーを1つずつ順番に呼び出す。例えば、図7に示すような原稿サイズの選択画面の場合は、各原稿サイズの選択キーが順番に呼び出される。そして、このキーを実行した場合に、再生モードで呼び出しているストップスクリプトの次にあるスクリプト(ここでは、原稿サイズの選択画面の「次へ」キー押下スクリプト)が実行できるかどうかを、呼び出したすべてのキーにおいて判定する。
【0113】
尚、この判定を行っている間はポップアップ等で「しばらくお待ちください」という旨のメッセージを備えたメッセージウインドウを表示し、ユーザからの操作を受け付けないようにする。そして、すべてのキーにおいて判定が終わると、メッセージウインドウを消去し、実行不可能なキーを網掛け表示した画面を表示する。図19は、第3の実施形態において実行しているポーズスクリプトの次のスクリプトを実行できないものを網掛け表示した画面を示す図である。
【0114】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置(複写機)を用いて第1の実施形態と異なる記録処理の一実施形態について説明する。第4の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、記録モード中に一定時間ユーザの操作がない場合は、自動的にこれまで記録したユーザ操作を破棄して、記録モードを終了する点である。
【0115】
以下では、第1の実施形態と異なる部分に関する説明のみを行う。尚、本実施形態に係る画像形成装置は、CPU(A1)からの命令により、現在の時刻を調べることができる機能を備えているものとする。
【0116】
まず、カスタマイズ画面において、ユーザ操作フローを登録するフローキー(ここでは名称「フロー1」のキー302)を押下して反転させ、「記録開始」キー303を押下して記録モードに入る。ここまでは、上述した第1の実施形態と同じである。しかし本実施形態では、記録モードに入ったときの時刻をメモリA2の測定時刻のエリアに保存しておくようにする。また、この後は第1の実施形態と同じくユーザ操作を待つ。そして、ユーザ操作をCPU(A1)で検知すると、このユーザ操作をスクリプト化してメモリA2に記録すると共に、現在の時刻もメモリA2の測定時刻のエリアに上書き保存する。
【0117】
ここで、次のユーザ操作を待っている間、CPU(A1)は一定の時間間隔(例えば、記録モードに入ってから2分間隔)ごとに現在の時刻とメモリA2の測定時刻のエリアに保存されている時刻を比較し、一定の時間(例えば、5分)が経過していないかどうかを調べる。その結果、例えば5分以上経過していた場合には、メモリA2に記録された記録モードに入ってからのすべてのユーザ操作を表すスクリプトを破棄して、記録モードを終了する。
【0118】
具体的には、第1の実施形態と同じく「x in 1」のユーザ操作フローを名称「フロー1」キー302に登録するために、10:00AMに記録モードに入った場合を想定する。これにより、メモリA2の測定時間のエリアには10:00AMが保存される。そして、次の「応用モード」キー押下を10:01AMに行ったと想定する。これにより、メモリA2の測定時間のエリアには10:01AMが保存される。
【0119】
ここで、その次の「縮小レイアウト」キー押下を行わないとする。この場合、CPU(A1)により10:02AMになったことが検知されると、現在の時刻(10:02AM)とメモリA2の測定時間のエリアの時刻(10:01AM)とを比較して、5分以上経過しているかどうかを判定する。尚、上記例では、1分しか経っていないので、何もしないで次のユーザ操作(「縮小レイアウト」キー押下)を待つ。これを繰り返して、10:06AMになると上記比較結果が5分以上となるので、メモリA2に記録されているユーザ操作フローである「応用モード」キー押下を表すスクリプトを廃棄し、記録モードを終了する。
【0120】
<その他の実施形態>
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0121】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0122】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0123】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0124】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0125】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0126】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0127】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0128】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置(複写機)のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態に係る画像形成装置(複写機)に備わる制御部100の細部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の図2に示す操作部A3の外観図である。
【図4】第1の実施形態に係る複写機のタッチパネルA9に表示されるカスタマイズ画面の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る記録モード中に表示される画面における設定エリアとステータスエリアを説明するための図である。
【図6】第1の実施形態に係る記録モード中の画面表示例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係るポーズモード中の画面表示の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係る複写機の再生モード中の画面表示の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態における複写機の確認モード中の画面表示の一例を示す図である。
【図10】「4 in 1」の設定を行うための画面フローを説明するための図である。
【図11】第1の実施形態における操作フローの登録手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態で使用されるスクリプトファイルの一部を示す図である。
【図13】ディスプレイB4において文字入力を行うためのタッチパネルによるソフトキーボードを示す図である。
【図14】、ディスプレイB4に表示されるメッセージウィンドウの一例を示す図である。
【図15】本実施形態における登録されたスクリプトの詳細を表示するためにCPU(A1)がカスタマイズ画面の一覧表示部308に設定した機能名、設定項目名、ポーズの有り無し(有る場合のみチェック表示)の表示例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態における再生モード中の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】第3の実施形態に係る登録するスクリプトファイルを呼び出すための画面例を示す図である。
【図18】第3の実施形態においてスクリプトの経過状況を表す一画面例を示す図である。
【図19】第3の実施形態において実行しているポーズスクリプトの次のスクリプトを実行できないものを網掛け表示した画面を示す図である。
【符号の説明】
【0130】
100 制御部
200 リーダ部
300 プリンタ部
A1 CPU
A2 メモリ
A3 操作部
A4 出力部
A5 外部インターフェイス
A6 画像処理部
A7 エラー検知部
A8 時間測定部
A9 タッチパネル
A10 プリンタ
A11 入力部
A12 スクリプト生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって行われた一連の操作フローを履歴情報として記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された履歴情報から操作フローを呼び出す呼び出し手段と、
前記呼び出し手段により呼び出された前記操作フローを実行する実行手段と、
前記実行手段による前記操作フローの実行を一時的に停止する停止手段と、
前記停止手段によって停止した前記操作フローを変更する変更手段と、
前記変更手段により変更された前記操作フローの実行を前記実行手段に再開させる再開手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変更手段が、前記停止手段によって停止した前記操作フローに新たな操作を追加して該操作フローを変更し、
前記記録手段が、前記新たな操作が追加された前記操作フローを記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変更手段による前記操作フローへの前記新たな操作の追加前に、該新たな操作が追加された前記操作フローの実行の前記再開手段による再開が可能であるか否かを判定する再開判定手段と、
前記再開判定手段により前記新たな操作が追加された前記操作フローの再開が不可能であると判定された場合、前記変更手段による前記新たな操作の追加を禁止する禁止手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記実行手段が、前記操作フローを構成するそれぞれの操作を順に自動的に実行することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記実行手段が、前記操作フローを構成するそれぞれの操作をユーザの手動操作によって順に実行することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザによって行われた操作を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された前記操作を所定言語で記述された情報に変換する変換手段をさらに備え、
前記記録手段は、前記操作フローの履歴情報として、前記変換手段により変換された前記所定言語で表現された前記情報を記録する
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記変換手段が、前記操作をスクリプト言語又はその他のプログラム言語で記述された情報に変換するとともに、変換後の該情報に付加情報を付加することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
外部インターフェイスにより他の機器と通信を行って、ユーザによって行われた一連の操作フローを取得する外部通信手段をさらに備え、
前記記録手段は、前記外部通信手段により取得された前記操作フローを記録する
ことを特徴とする請求項1から7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記実行手段により前記操作フローが実行できない場合、該操作フローが実行できないことを示すエラー情報を報知する報知手段と、
前記実行手段による前記操作フローの実行を終了させる制御手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記実行手段により前記操作フローが実行できない場合、該操作フローが実行できないことを示すエラー情報を報知する報知手段と、
前記実行手段による前記操作フローの状態を該操作フローが実行できなくなる直前の状態に戻す制御手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
ユーザによって操作が開始された時点から現時点までの経過時間を測定する時間測定手段と、
前記経過時間が所定時間以上であるか否かを判定する時間判定手段と、
前記の場合には入力を終了とするための時間経過終了手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記記録手段に記録されている前記操作フローに含まれる各操作の内容を確認させる確認手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記確認手段が、前記操作フローに含まれる各操作の内容をモニタ画面上に一覧表示することで確認させることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記確認手段が、前記操作フローに含まれる各操作の内容をモニタ画面上に1つ1つ順に表示することで確認させることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項15】
画像形成装置内で実行することが可能な操作フローをあらかじめ保持する保持手段と、
前記実行手段によって実行される前記操作フローが前記保持手段に保持されているかどうかを判断する先読み手段と、
前記先読み手段によって、前記実行手段によって実行される前記操作フローが前記保持手段に保持されていないと判断された場合、該操作フローの選択を禁止する選択禁止手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1から14までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
画像形成装置に対してユーザが行った一連の操作フローを呼び出して実行するための制御方法であって、
前記画像形成装置に対して行われた一連の操作フローを履歴情報として記録装置に記録する記録工程と、
前記記録装置に記録された履歴情報のうち、前記画像形成装置に対して実行させる操作フローを呼び出す呼び出し工程と、
前記呼び出し工程により呼び出された前記操作フローを実行する実行工程と、
前記実行工程による前記操作フローの実行を一時的に停止する停止工程と、
前記停止工程によって停止した前記操作フローを変更する変更工程と、
前記変更工程により変更された前記操作フローの実行を前記実行工程に再開させる再開工程と
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項17】
前記変更工程が、前記停止工程によって停止した前記操作フローに新たな操作を追加して該操作フローを変更し、
前記記録工程が、前記新たな操作が追加された前記操作フローを前記記録装置に記録する
ことを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項18】
前記変更工程による前記操作フローへの前記新たな操作の追加前に、該新たな操作が追加された前記操作フローの実行の前記再開工程による再開が可能であるか否かを判定する再開判定工程と、
前記再開判定工程により前記新たな操作が追加された前記操作フローの再開が不可能であると判定された場合、前記変更工程による前記新たな操作の追加を禁止する禁止工程と
をさらに有することを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項19】
画像形成装置に対してユーザが行った一連の操作フローを呼び出して実行する画像処理装置であって、
前記画像形成装置に対して行われた一連の操作フローを履歴情報として記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された履歴情報のうち、前記画像形成装置に対して実行させる操作フローを呼び出す呼び出し手段と、
前記呼び出し手段により呼び出された前記操作フローを実行する実行手段と、
前記実行手段による前記操作フローの実行を一時的に停止する停止手段と、
前記停止手段によって停止した前記操作フローを変更する変更手段と、
前記変更手段により変更された前記操作フローの実行を前記実行手段に再開させる再開手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項20】
画像形成装置に対してユーザが行った一連の操作フローを呼び出して実行させるためのコンピュータに、
前記画像形成装置に対して行われた一連の操作フローを履歴情報として記録装置に記録する記録手順と、
前記記録装置に記録された履歴情報のうち、前記画像形成装置に対して実行させる操作フローを呼び出す呼び出し手順と、
前記呼び出し手順により呼び出された前記操作フローを実行する実行手順と、
前記実行手順による前記操作フローの実行を一時的に停止する停止手順と、
前記停止手順によって停止した前記操作フローを変更する変更手順と、
前記変更手順により変更された前記操作フローの実行を前記実行手順に再開させる再開手順と
を実行させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段と、
前記操作手段に対して入力されたキー入力情報をキー入力順に記録するためのキー入力情報記録手段と、
前記キー入力情報の記録中に一時停止情報を記録するための一時停止情報記録手段と、
前記キー入力情報記録手段が記録した一連のキー入力情報と、前記一時停止記録手段が記録した一時停止情報とを操作フロー情報として登録する登録手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記登録手段により登録された前記操作フロー情報を呼び出す呼び出し手段と、
前記呼び出し手段により呼び出された前記操作フロー情報に基づいて前記操作手段の操作を再生する再生手段と、
前記再生手段による前記操作の再生中に前記一時停止情報を検出する検出手段とをさらに備え、
前記再生手段は、前記検出手段が前記一時停止情報を検出したことに基づいて前記操作の再生を一時停止し、
前記操作手段は、前記操作の再生の一時停止中にユーザによる操作入力を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記再生手段が前記操作の再生を一時停止している間に前記操作手段によるユーザの操作入力を受け付けた後、前記操作フロー情報に基づく操作の再生を再開することが可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記操作の再生の再開が不可能であると判定した場合、ユーザに対して通知を行う通知手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記再生手段が前記操作の再生を一時停止している間に前記操作手段によるユーザの操作入力を受け付けた後、前記操作フロー情報に基づく操作の再生を再開することが可能であるか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記判定手段が前記操作の再生の再開が不可能であると判定した場合、前記再生手段は、前記一時停止中のユーザによる操作入力をやり直し可能な操作状態に戻す
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記登録手段は、前記キー入力情報及び前記一時停止情報をスクリプト言語として記述した情報に変換した情報を操作フロー情報として登録することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記登録手段により登録された前記操作フローを呼び出す呼び出し手段と、
前記呼び出し手段により呼び出された前記操作フローに含まれる各キー操作の内容を操作画面に表示して、ユーザに対して該操作フローの内容を確認させる確認手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記確認手段は、前記操作フローに伴って変化する前記操作画面に表示される表示内容を1ステップずつ順に表示することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記一時停止情報記録手段は、前記確認手段が前記操作画面に表示される表示内容を1ステップずつ順に表示しているときに前記一時停止情報の記録を行い、
前記登録手段は、前記一時停止情報の記録が行われたときに表示されている前記操作画面の表示状態に対応するキー操作に対応付けて前記一時停止情報を前記操作フロー情報として登録する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記再生手段は前記操作フロー情報に従って前記操作手段の操作を再生し、その結果前記画像形成装置の操作設定の少なくとも一部を完了することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
外部インタフェースを介して他の機器と通信を行って、外部より前記操作フロー情報を取得する外部通信手段をさらに備え、
前記登録手段は、前記外部通信手段を介して取得した前記操作フロー情報を登録する
ことを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記キー入力情報記録手段は、前記キー入力情報を記録している間に、ユーザによるキー入力が所定時間以上無かった場合、該キー入力情報の記録を中止することを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記操作手段はユーザに対して画面表示を提供するとともに操作入力を受け付ける操作画面を有し、
前記操作画面には、前記キー入力情報記録手段がキー入力を記録している間、前記一時停止情報記録手段に前記一時停止情報の記録を指示するための一時停止指示ボタンが所定の位置に表示される
ことを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段に対して入力されたキー入力情報をキー入力順に記録するためのキー入力情報記録ステップと、
前記キー入力情報記録ステップにおけるキー入力情報の記録中に一時停止情報を記録するための一時停止情報記録ステップと、
前記キー入力情報記録ステップで記録した一連のキー入力情報と、前記一時停止記録ステップで記録した一時停止情報とを操作フロー情報として登録する登録ステップと
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段に対して入力されたキー入力情報をキー入力順に記録するためのキー入力情報記録モジュールと、
前記キー入力情報記録モジュールにおける前記キー入力情報の記録中に一時停止情報を記録するための一時停止情報記録モジュールと、
前記キー入力情報記録モジュールで記録した一連のキー入力情報と、前記一時停止記録モジュールで記録した一時停止情報とを操作フロー情報として登録する登録モジュールと
を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14のコンピュータプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−44167(P2006−44167A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231429(P2004−231429)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】