説明

画像形成装置及び樹脂フレームの成型方法

【課題】樹脂で構成された樹脂フレームと画像形成用ユニットとを備えた画像形成装置及び樹脂フレームの成型方法であって、前記樹脂フレームの強度を確保しつつ、金型の構造を簡素化できると共に、前記画像形成用ユニットの位置精度の低下及び操作性の低下を抑制することが可能な画像形成装置及び樹脂フレームの成型方法を提供する。
【解決手段】樹脂で構成された樹脂フレーム300と画像形成用ユニット200とを備えた画像形成装置100において、樹脂フレーム300は、基台331と、ガイド部332と、側板部333とが樹脂で一体的に成型されており、ガイド部332を成型する金型の型抜き方向は、画像形成用ユニット200を挿入する挿入方向Y1と直交する直交方向Zに平行な方向とされており、側板部333の型抜き方向の下流側の端部(連結部334a〜334d)が基台331の周方向に一体的に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂で構成された樹脂フレームと、前記樹脂フレームに対して挿脱する画像形成用ユニットとを備えた画像形成装置及び樹脂フレームの成型方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター、ファクシミリ装置或いはデジタル複合機等の画像形成装置の骨組みとなるフレームは、従来から金属のプレス部品や金属系の鋼材を締結や溶接により組立てた金属フレームの構造となっていた。
【0003】
昨今の画像形成装置に対するコストダウン化の流れの中、従来の金属フレームでは、十分な採算を取れない。また、小型化、軽量化の流れの中、構造の簡素化、部品点数の削減等が求められているが、金属フレームの構造では、小型化、軽量化に限界がある。
【0004】
フレームの構造に対するコストダウン化、小型化、軽量化を考慮すると、樹脂で構成された樹脂フレームを採用する方法が考えられるが、この場合、強度の点で課題がある。
【0005】
一方、感光体用ユニット、帯電用ユニット、現像用ユニットなどの画像形成用ユニット(プロセスユニット)を備えた画像形成装置において、画像形成用ユニットを当該画像形成装置の本体に挿脱する際に案内するために、画像形成用ユニットの挿入方向に延びるガイド部が設けられることがある。
【0006】
例えば、特許文献1は、ユニット装着部がドラムセットをドラムセットの着脱側で挿入する際のガイド部となるレール部を有すると共に、トナーセットをトナーセットの着脱側で挿入する際のガイド部となるレール部も形成することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−281952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、樹脂フレームを金型で成型する場合において、画像形成用ユニットの挿入方向に沿って形成されるガイド部を成型するために、該ガイド部を成型する金型の型抜き方向を画像形成用ユニットの挿入方向に平行な方向とすると、次のような課題がある。
【0009】
すなわち、画像形成用ユニットの挿入方向に沿って形成されるガイド部では、金型がガイド部に対してスライドする距離が長くなり、金型構造、金型費用など金型を製作する上での課題が残る。
【0010】
また、金型の型抜き方向を画像形成用ユニットの挿入方向に平行な方向とすると、金型の抜き勾配の関係で画像形成用ユニットの位置精度や操作性に課題がある。
【0011】
図10は、金型の型抜き方向を画像形成用ユニットを挿入する挿入方向に沿った方向に形成された一対のレール部G1,G2を示す斜視図である。
【0012】
図10に示すように、金型の抜き勾配の角度θは、金型を取り外す際にガイド部を成型するためのスライド量を必要とするため、例えば、3°程度となっている。そうすると、画像形成用ユニットFの挿入方向Y1において一対のガイド部G1,G2の上流側端部での距離d1が、一対のガイド部G1,G2の下流側端部での距離d2よりも大きくなるため、一対のガイド部G1,G2の上流側端部で一対のガイド部G1,G2と画像形成用ユニットFとの間に隙間Δdが生じ、画像形成用ユニットFの位置精度が低下する。このことは、ガイド部を成型するためのスライド量が多くなる程、顕著になる。
【0013】
しかも、一対のガイド部G1,G2の上流側端部で一対のガイド部G1,G2と画像形成用ユニットFとの間に隙間Δdが生じると、画像形成用ユニットFを挿入する際に画像形成用ユニットFが一対のガイド部G1,G2に対して斜めになりやすく、これにより、画像形成用ユニットFの挿入途中で摺動部F1が一対のガイド部G1,G2に引っ掛かりやすい。
【0014】
そこで、本発明は、樹脂で構成された樹脂フレームと、前記樹脂フレームに対して挿脱する画像形成用ユニットとを備えた画像形成装置及び樹脂フレームの成型方法であって、前記樹脂フレームの強度を確保しつつ、金型の構造を簡素化できると共に、前記画像形成用ユニットの位置精度の低下及び操作性の低下を抑制することが可能な画像形成装置及び樹脂フレームの成型方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、樹脂で構成された樹脂フレームと、前記樹脂フレームに対して挿脱する画像形成用ユニットとを備えた画像形成装置であって、前記樹脂フレームは、前記画像形成用ユニットを支持する支持面を有する基台と、前記基台において前記画像形成用ユニットを前記支持面に沿って挿入する挿入方向に延び、かつ、前記画像形成用ユニットの前記挿入方向と直交する直交方向の移動を規制しつつ該画像形成用ユニットを前記挿入方向に案内するガイド部と、前記基台の周縁部において前記支持面に垂直な方向に沿って設けられる側板部とが樹脂で一体的に成型されており、前記ガイド部を成型する金型の型抜き方向は、前記直交方向に平行な方向とされており、前記側板部の前記型抜き方向の下流側の端部が前記基台の周方向に一体的に連結されていることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0016】
また本発明は、フレームに対して挿脱する画像形成用ユニットを備えた画像形成装置における前記フレームを樹脂で成型する樹脂フレームの成型方法であって、前記画像形成用ユニットを支持する支持面を有する基台と、前記基台において前記画像形成用ユニットを前記支持面に沿って挿入する挿入方向に延び、かつ、前記画像形成用ユニットの前記挿入方向と直交する直交方向の移動を規制しつつ該画像形成用ユニットを前記挿入方向に案内するガイド部と、前記基台の周縁部において前記支持面に垂直な方向に沿って設けられる側板部とを一体的に成型する成型工程を含み、前記成型工程では、前記ガイド部を成型する金型の型抜き方向は、前記直交方向に平行な方向とされており、前記側板部を成型するときに該側板部の前記型抜き方向の下流側の端部を前記基台の周方向に一体的に連結させることを特徴とする樹脂フレームの成型方法も提供する。
【0017】
本発明に係る画像形成装置及び樹脂フレームの成型方法によれば、前記基台の周縁部において前記支持面に垂直な方向に沿って設けられる前記側板部の前記型抜き方向の下流側の端部が前記基台の周方向に一体的に連結されるので、前記樹脂フレームの強度を確保することができる。しかも、前記ガイド部を成型する金型の型抜き方向が前記挿入方向に直交する前記直交方向に平行な方向とされており、前記ガイド部を前記直交方向に平行な方向で成型するので、金型が前記ガイド部に対してスライドする距離を短くでき、これにより金型の構造を簡素化することができる。さらに、前記ガイド部を成型する金型の型抜き方向が前記直交方向に平行な方向とされており、金型の抜き勾配は、前記画像形成用ユニットを挿入する前記挿入方向に平行な方向には関与しないので、前記画像形成用ユニットの前記直交方向における位置精度の低下を抑制することができる上、前記画像形成用ユニットを円滑に挿入することができ、これにより前記画像形成用ユニットの操作性の低下を抑制することができる。
【0018】
本発明に係る画像形成装置において、前記ガイド部は、前記画像形成用ユニットを挿入する前記挿入方向の上流側端からさらに上流側に延びる延設ガイド部が一体的に成型されており、前記延設ガイド部を成型する金型の型抜き方向は、前記挿入方向に平行な方向とされている態様を例示できる。また、本発明に係る樹脂フレームの成型方法において、前記成型工程では、前記ガイド部と、前記画像形成用ユニットを挿入する前記挿入方向の上流側端からさらに上流側に延びる延設ガイド部とを一体的に成型し、前記延設ガイド部を成型する金型の型抜き方向は、前記挿入方向に平行な方向とされている態様を例示できる。
【0019】
この特定事項では、前記基台において型抜き方向が前記直交方向に平行な方向とされた金型によって前記ガイド部の成型が困難な部分(例えば前記側板部に対応する部分)を前記延設ガイド部として金型の型抜き方向が前記挿入方向に平行な方向とされた金型によって成型することができる。
【0020】
本発明に係る画像形成装置において、前記樹脂フレームは、上下方向の上端部と下端部との間に前記基台を前記側板部に対し垂直に設けた断面視でH型の樹脂フレームとされている態様を例示できる。また、本発明に係る樹脂フレームの成型方法において、前記成型工程では、上下方向の上端部と下端部との間に前記基台を前記側板部に対し垂直に設けた断面視でH型の樹脂フレームを成型する態様を例示できる。
【0021】
この特定事項では、前記樹脂フレームを断面効率の向上を実現しつつ剛性に優れたH型の形状にすることで、簡単な構造で全体的に前記樹脂フレームの強度を向上させることができ、しかも上下方向の上端部と下端部との間で強度が高くなる位置に前記画像形成用ユニットを支持する前記基台を設けることができる。
【0022】
本発明において、前記画像形成用ユニットは、感光体用ユニット、帯電用ユニット、クリーニング用ユニット及び現像用ユニットを含んでいる態様を例示できる。前記画像形成用ユニットは、前記感光体用ユニット、前記帯電用ユニット、前記クリーニング用ユニット及び前記現像用ユニットのうち少なくとも二つを組み合わせたユニットとされていてもよい。この場合、前記少なくとも二つのユニットが一体のユニットとされていてもよい。
【0023】
この特定事項では、ユニットの位置精度が画像品質に影響しやすい、前記感光体用ユニット、前記帯電用ユニット及び前記現像用ユニットのうちの前記基台に支持されるユニットの位置精度の低下を抑制することができ、それだけ画像品質を向上させることができる。
【0024】
本発明において、前記画像形成用ユニットは、カラー画像形成用ユニットとされている態様を例示できる。
【0025】
この特定事項では、カラー画像形成用ユニットの位置精度の低下を抑制することができ、それだけカラー画像品質を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によると、前記基台の周縁部において前記支持面に垂直な方向に沿って設けられる前記側板部の前記型抜き方向の下流側の端部が前記基台の周方向に一体的に連結されるので、前記樹脂フレームの強度を確保することができる。しかも、前記ガイド部を成型する金型の型抜き方向が前記挿入方向に直交する前記直交方向に平行な方向とされており、前記ガイド部を前記直交方向に平行な方向で成型するので、金型が前記ガイド部に対してスライドする距離を短くでき、これにより金型の構造を簡素化することができる。さらに、前記ガイド部を成型する金型の型抜き方向が前記直交方向に平行な方向とされており、金型の抜き勾配は、前記画像形成用ユニットを挿入する前記挿入方向に平行な方向には関与しないので、前記画像形成用ユニットの前記直交方向における位置精度の低下を抑制することができる上、前記画像形成用ユニットを円滑に挿入することができ、これにより前記画像形成用ユニットの操作性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置を正面より視た概略断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置において感光体ユニットを装着した樹脂フレームを正面左斜め上から視た概略斜視図である。
【図3】図1に示す画像形成装置において感光体ユニットを装着した樹脂フレームを正面右斜め上から視た概略斜視図である。
【図4】図2及び図3において、感光体ユニットを除去した状態の樹脂フレームを正面左斜め上から視た概略斜視図である。
【図5】図2及び図3において、感光体ユニットを除去した状態の樹脂フレームを背面右斜め上から視た概略斜視図である。
【図6】ガイド部を説明するための図であって、(a)は、図1に示す画像形成装置において、樹脂フレームに装着された状態の感光体ユニットにおけるガイド部の部分を模式的に示す概略断面図であり、(b)は、(a)において、ガイド部の部分を拡大した拡大断面図である。
【図7】図4において、基台におけるガイド部を拡大して示す概略斜視図である。
【図8】樹脂フレームを模式的に示す断面図であって、(a)は、図4に示すα位置及びβ位置を通る直線で切断した樹脂フレームの縦概略断面図であり、(b)は、図4に示すα位置及びγ位置を通る直線で切断した樹脂フレームの縦概略断面図である。
【図9】図2から図8に示す樹脂フレームを樹脂で成型する成型工程の一例を説明するための模式図である。
【図10】金型の型抜き方向を画像形成用ユニットを挿入する挿入方向に沿った方向に形成された一対のレール部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0029】
<画像形成装置の全体構成の説明>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100を正面より視た概略断面図である。
【0030】
図1に示す画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等のシート(以下、記録用紙という)に対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、原稿読取装置108と、装置本体110とを備えており、装置本体110には、画像形成部102と用紙搬送系103とが設けられている。
【0031】
画像形成部102は、露光ユニット1、複数の現像用ユニット2,…、複数の感光体ユニット4,…、中間転写ベルトユニット6、転写前帯電ユニット8、複数のトナーカートリッジユニット21,…及び定着ユニット7を備えている。本実施の形態では、露光ユニット1、現像用ユニット2,…、感光体ユニット4,…、中間転写ベルトユニット6及びトナーカートリッジユニット21,…は、画像形成動作が異なる着脱可能な複数の画像形成用ユニット200として作用する。なお、感光体ユニット4,…は、ここでは、感光体用ユニットと帯電用ユニットとクリーニング用ユニットとを一体的に組み合わせたユニットとされている。
【0032】
また、用紙搬送系103は、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82及び排紙トレイ91を備えている。
【0033】
装置本体110の上部には、原稿(シート)が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の下部には原稿を読み取るための光学ユニット90が設けられている。また、原稿載置台92の上側には原稿読取装置108が設けられている。原稿読取装置108は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、原稿読取装置108は、装置本体110に対して前側開きで回動自在に取り付けられており、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで載置できるようになっている。なお、本実施の形態において、装置本体110の前側は、トナーカートリッジユニット21,…、感光体ユニット4,…、現像用ユニット2,…及び転写前帯電ユニット8を着脱する着脱側とされている。
【0034】
原稿読取装置108は、自動的に搬送される原稿又は原稿載置台92上に載置された原稿を読み取ることができる。原稿読取装置108で読み取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置100の装置本体110へと送られ、装置本体110において画像データに基づき形成された画像が記録用紙に記録される。
【0035】
画像形成装置100において扱われる画像データは、複数色(ここではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像用ユニット2,…、感光体ユニット4,…及びトナーカートリッジユニット21,…は、各色に応じた複数種類(ここでは4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(ここでは4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に設定され、これらによって複数(ここでは4つ)の画像ステーションが構成されている。
【0036】
感光体ユニット4,…において、帯電器5,…は、感光体ドラム3,…の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器を用いることができる。
【0037】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成されている。露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3,…に導くためのレンズやミラー等の光学素子とが設けられている。また、露光ユニット1としては、この他にも、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)やLED(発光ダイオード)等の発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いる手法を採用することもできる。
【0038】
露光ユニット1は、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3,…をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム3,…の表面に形成する。
【0039】
トナーカートリッジユニット21,…は、トナーを収容するユニットであり、現像用ユニット2,…の現像槽へトナーが供給されるようになっている。画像形成装置100の装置本体110において、トナーカートリッジユニット21,…から現像用ユニット2,…の現像槽へ供給されるトナーは、該現像槽における現像剤のトナー濃度が一定になるように制御される。
【0040】
現像用ユニット2,…は、それぞれの感光体ドラム3,…上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、感光体ユニット4,…は、現像及び画像転写後における感光体ドラム3,…上の表面に残留したトナーを除去、回収するクリーニング機能も有している。
【0041】
感光体ドラム3,…の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64,…及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。
【0042】
中間転写ローラ64,…は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ62は、中間転写ベルト従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…と共に中間転写ベルト61を張架し、回転駆動されることで、中間転写ベルト61が移動方向(図1中矢印M方向)に周回移動され、それに伴い従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…が従動回転される。
【0043】
各中間転写ローラ64,…は、感光体ドラム3,…上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加される。
【0044】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3,…に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3,…に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写されることによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いた無端状のものとされている。
【0045】
感光体ドラム3,…から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64,…によって行われる。中間転写ローラ64,…には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ64,…は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)や発泡ウレタン等の樹脂材料)により覆われているローラである。中間転写ローラ64,…は、この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加する転写電極とされている。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状の転写電極を使用しているが、それ以外に、ブラシなどの転写電極を用いることが可能である。
【0046】
既述のとおり、各感光体ドラム3,…上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は、中間転写ベルト61上で積層される。中間転写ベルト61上で積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の周回移動によって、記録用紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置された二次転写機構部を構成する転写ローラ10によって記録用紙上に転写される。但し、二次転写機構部の構成としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルト等の転写構成を用いることが可能である。
【0047】
このとき、転写ローラ10は、中間転写ベルト61との間で転写ニップが形成された状態で、トナーを記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62が互いに圧接されることで転写ローラ10と中間転写ベルト61との間には転写ニップが形成される。転写ニップを定常的に得るために、転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62のうち何れか一方が硬質材料(金属等)で構成された硬質ローラとされ、他方が軟質材料(弾性ゴムや発泡性樹脂等の樹脂材料)で構成された弾性ローラとされている。
【0048】
転写ローラ10による中間転写ベルト61上から記録用紙上へのトナー像の転写にあたり、記録用紙上に転写されずに中間転写ベルト61上にトナーが残存することがある。中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去、回収される。具体的には、中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)が備えられている。従動ローラ63は、中間転写ベルト61を内側(裏側)から支持しており、クリーニング部材は、外側から従動ローラ63に向けて押圧するように中間転写ベルト61に接触している。
【0049】
転写前帯電ユニット8は、ここでは、プレ転写チャージャ(PCT)を有しており、中間転写ベルト61の移動方向Mにおいて転写ローラ10と中間転写ベルト61との間の転写ニップよりも上流側かつ感光体ユニット4,…よりも下流側の中間転写ベルト61の近傍に設けられている。
【0050】
ところで、感光体ドラム3,…から転写された中間転写ベルト61上のトナー像は、ハーフトーン部やベタ部を含んだり、トナーの重ね合わせ量が異なる部分を含んだりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト61の移動方向Mにおける1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト61上のトナー像内に帯電量のバラツキが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のバラツキは、中間転写ベルト61上のトナー像をシートに転写する際の転写余裕度を低下させてしまう。
【0051】
このため、転写前帯電ユニット8を使用して、シートへ転写する前のトナー像を均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のバラツキを解消し、2次転写における転写余裕度を向上させることが可能となる。
【0052】
給紙トレイ81は、画像形成(印刷)される記録用紙を予め収容しておくトレイであり、装置本体110における露光ユニット1の下方に設けられている。また、手差し給紙トレイ82には、画像形成(印刷)される記録用紙が載置される。排紙トレイ91は、装置本体110における画像形成部102の上方に設けられており、画像形成(印刷)済みの記録用紙をフェイスダウンで集積する。
【0053】
また、装置本体110には、給紙トレイ81及び手差し給紙トレイ82から送られてきた記録用紙を転写ローラ10及び定着ユニット7を経て、排紙トレイ91に送るための用紙搬送路Sが設けられている。用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7におけるヒートローラ71及び加圧ローラ72が配置されている。
【0054】
搬送ローラ12a〜12dは、記録用紙の搬送を促進、補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙トレイ81の用紙供給側の近傍に備えられ、給紙トレイ81から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙トレイ82の用紙供給側の近傍に備えられ、手差し給紙トレイ82から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0055】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている記録用紙を一旦保持するものである。そして、レジストローラ13は、感光体ドラム3,…上のトナー像の先端と記録用紙の先端を合わせるタイミングで記録用紙を転写ローラ10に搬送する。
【0056】
定着ユニット7は、未定着トナー像を記録用紙に定着するものであり、定着ローラとして作用するヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71は、回転駆動されることで、従動回転される加圧ローラ72と共に記録用紙を挟持しつつ記録用紙を搬送するようになっている。また、ヒートローラ71は、内側に設けられたヒータ71aによって加熱され、温度検出器71bからの信号に基づき所定の定着温度に維持されるようになっている。ヒータ71aにより加熱されたヒートローラ71は、加圧ローラ72と共に記録用紙に転写された多色トナー像を記録用紙に熱圧着することにより、多色トナー像を溶融、混合、圧接して記録用紙に対して熱定着させる。また、定着ユニット7には、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0057】
このように構成された画像形成装置100において、記録用紙にして片面印刷が要求されたときには、各給紙トレイ81,82から供給された記録用紙は、用紙搬送路Sに沿って設けられた搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、記録用紙の先端と中間転写ベルト61上のトナー像の先端を整合するタイミングで転写ローラ10によって搬送され、記録用紙上にトナー像が転写される。その後、記録用紙は定着ユニット7を通過することによって記録用紙上の未定着トナーが熱で溶融、固着され、搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0058】
また、記録用紙に対して両面印刷が要求されたときには、前記した片面印刷が終了して定着ユニット7を通過した記録用紙の後端が最終の搬送ローラ12bと用紙搬送路Sの分岐部Saとの間に位置する状態で、搬送ローラ12bが逆回転することによって記録用紙が搬送ローラ12c,12dに導かれる。そして、レジストローラ13を経て転写ニップに搬送されてきた記録用紙は、裏面に印刷された後、排紙トレイ91に排出される。
【0059】
(樹脂フレームについて)
図2及び図3は、図1に示す画像形成装置100において感光体ユニット4,…を装着した樹脂フレーム300をそれぞれ正面左斜め上及び正面右斜め上から視た概略斜視図である。また、図4及び図5は、図2及び図3において、感光体ユニット4,…を除去した状態の樹脂フレーム300をそれぞれ正面左斜め上及び背面右斜め上から視た概略斜視図である。ここで「左」「右」は、装置本体110の正面から視た状態で表している。また、図中の矢符Xは装置本体110の幅方向を示し、矢符Yは装置本体110の奥行き方向を示し、矢符Zは上下方向を示している。
【0060】
本実施の形態に係る画像形成装置100は、さらに樹脂で構成された樹脂フレーム300を備えている。樹脂フレーム300は、合成樹脂で一体的に成型されたものとされている。
【0061】
本実施の形態では、感光体ユニット4,…は、樹脂フレーム300に支持され、装置本体110内の奥行き方向Yに挿脱されるようになっている。樹脂フレーム300は、基台331、ガイド部332,…及び側板部333を有している。基台331は、画像形成用ユニット200のうち少なくとも一つのユニット(ここでは感光体ユニット4,…)を支持する支持面331a(図4及び図5参照)を有している。ガイド部332,…は、基台331において感光体ユニット4を装置本体110内に支持面331aに沿って挿入する挿入方向Y1に延びており、側板部333は、基台331の周縁部において支持面331aに垂直な方向に沿って設けられている。詳しくは、ガイド部332,…は、感光体ユニット4,…の挿入方向Y1と直交する直交方向(装置本体110の幅方向X)及び上下方向Zを含む方向)の移動を規制しつつ感光体ユニット4,…を挿入方向Y1に案内するようになっている。側板部333は、装置本体110の前側に位置する第1側板部333aと、装置本体110の後側に位置する第2側板部333bと、装置本体110の右側に位置する第3側板部333cと、装置本体110の左側に位置する第4側板部333dとからなっている。
【0062】
複数の現像用ユニット2,…は、装置本体110内の幅方向Xにおいて各感光体ユニット4,…を間にして装置本体110内の奥行き方向Yに挿脱されるようになっている(図1参照)。
【0063】
本実施の形態では、感光体ユニット4及び現像用ユニット2は、第1側板部333aと第2側板部333bとの間で第1側板部333a及び第2側板部333bに直交する方向(装置本体110の奥行き方向Y)に長尺な形状とされた複数のユニットとされている。複数の感光体ユニット4,…及び複数の現像用ユニット2,…は、画像形成方向(中間転写ベルト61の移動方向)M(図1参照)、ここでは装置本体110の幅方向Xに沿って交互に列設されている。
【0064】
第1側板部333aには、複数の現像用ユニット2及び複数の感光体ユニット4を挿入可能に開口した開口部333eと、複数のトナーカートリッジユニット21,…のそれぞれに対応してトナーカートリッジユニット21,…をそれぞれ挿入可能に開口した複数の開口部333f,…とが設けられている。第3側板部333cには、中間転写ベルトユニット6の一方端部(ここでは右側端部)が幅方向Xにおける外側へ突出可能に開口した開口333gが設けられている。また、第4側板部333dには、制御基板等の各種電装系の部材が配置可能に開口した開口333h(図2及び図4参照)が設けられている。
【0065】
そして、ガイド部332を成型する金型の型抜き方向は、挿入方向Y1と直交する直交方向に平行な方向(ここでは上方向Z1)とされており、側板部333(ここでは第1から第4側板部333a〜333d)の型抜き方向(ここでは上方向Z1)の下流側の端部が基台331の周方向に一体的に連結されている。
【0066】
詳しくは、第1側板部333aには、上端部において装置本体110の幅方向Xに延びる第1連結部334aが設けられている。第2側板部333bには、上端部において装置本体110の幅方向Xに延びる第2連結部334bが設けられている。第3側板部333cには、上端部において装置本体110の奥行き方向Yに延びる第3連結部334cが設けられている。第4側板部333dには、上端部において装置本体110の奥行き方向Yに延びる第4連結部334dが設けられている。第1から第4連結部334a〜334dの長手方向の両端部が互いに一体的に連結され、この連結された第1から第4連結部334a〜334dにより、樹脂フレーム300において上方が開口した開口部330aを形成している。
【0067】
図6は、ガイド部332を説明するための図である。図6(a)は、図1に示す画像形成装置100において、樹脂フレーム300に装着された状態の感光体ユニット4,…におけるガイド部332の部分を模式的に示す概略断面図である。図6(b)は、図6(a)において、ガイド部332の部分を拡大した拡大断面図である。
【0068】
本実施の形態では、ガイド部332,…は、感光体ユニット4の上方向Z1への移動を規制する第1規制部(規制面)332aと、感光体ユニット4の下方向Z2への移動を規制する第2規制部(規制面)332bと、感光体ユニット4の左方向X1への移動を規制する第3規制部(規制面)332cと、感光体ユニット4の右方向X2への移動を規制する第4規制部(規制面)332dとを有している。具体的には、第1規制部332aから第4規制部332dは、装置本体110の奥行き方向Yに延びており、それぞれ、感光体ユニット4,…が装置本体110へ挿脱されるときに、感光体ユニット4,…におけるケース40の下側ケース部401,…において下側部401a、上側部401b、左側部401c及び右側部401dと摺接するようになっている。これにより、幅方向X及び上下方向Zの移動を規制しつつ感光体ユニット4を挿入方向Y1に案内することができる。
【0069】
図7は、図4において、基台331におけるガイド部332を拡大して示す概略斜視図である。
【0070】
ところで、ガイド部332は、型抜き方向が直交方向Zに平行な方向(ここでは上方向Z1)とされた金型によって成型されるため、この金型によって第1連結部334aの下方にガイド部332を成型することが困難である。このため、本実施の形態では、図7に示すように、ガイド部332は、感光体ユニット4を挿入する挿入方向Y1の上流側端からさらに上流側(挿入方向Y1とは逆方向Y2)に延びる延設ガイド部332e(図7中の斜線部参照)が一体的に成型されており、延設ガイド部332eを成型する金型の型抜き方向は、挿入方向Y1に平行な方向Y(ここでは挿入方向Y1とは反対方向Y2)とされている。なお、ガイド部332に一体の周辺部分(図7のφ1参照)についてもガイド部332が成型されるときに形成される。同様に、延設ガイド部332eに一体の周辺部分(図7のφ2参照)についても延設ガイド部332eが成型されるときに形成される。
【0071】
図8は、樹脂フレーム300を模式的に示す断面図である。図8(a)は、図4に示すα位置及びβ位置を通る直線で切断した樹脂フレーム300の縦概略断面図を示しており、図8(b)は、図4に示すα位置及びγ位置を通る直線で切断した樹脂フレーム300の縦概略断面図を示している。
【0072】
図8に示すように、本実施の形態では、樹脂フレーム300は、上下方向Zの上端部と下端部との間に基台331を側板部333(ここでは第1から第4側板部333a〜333d)に対し垂直に設けた断面視でH型(H形状)の樹脂フレームとされている。
【0073】
詳しくは、基台331は、板状とされており、第1から第4側板部333a〜333d(Hの縦線に対応)は、上下方向Zの略中間位置で板状の基台331(Hの横線に対応)が水平方向に沿って一体的に連結されている。つまり、樹脂フレーム300は、図8(a)に示す装置本体110の奥行き方向Yに沿った断面に加えて、図8(b)に示す装置本体110の幅方向Xに沿った断面でもH形状の樹脂フレームとされている。
【0074】
(樹脂フレーム300の成型方法)
次に、図2から図8に示す樹脂フレーム300を樹脂で成型する成型工程の一例について図9を参照しながら以下に説明する。
【0075】
この成型工程では、上下方向、前後方向及び左右方向の両側で対向する金型によって樹脂を射出成型して樹脂フレーム300を得ることができる。
【0076】
図9は、図2から図8に示す樹脂フレーム300を樹脂で成型する成型工程の一例を説明するための模式図である。なお、図9では、上下方向Zの両側で対向する金型D1,D2を示している。また、図9では、上側(Z1側)の金型D1によって成型されたガイド部332の部分を拡大して示している。
【0077】
図9に示す成型工程では、基台331と、ガイド部332と、側板部333(図9では図示せず)とを一体的に成型する。
【0078】
そして、ガイド部332を成型する金型D1は、型抜き方向が挿入方向Y1と直交する直交方向(ここでは上下方向Z)に平行な方向(ここでは上方向Z1)とされており、第1規制部332aと、第2規制部332bと、第3規制部332cと、第4規制部332dを形成するようになっている。また、ガイド部332を成型する金型D1は、側板部333(図2から図5参照)を成型するときに側板部333(ここでは第1から第4側板部333a〜333d)の型抜き方向(ここでは上方向Z1)の下流側の端部(ここでは第1から第4連結部334a〜334d)を基台331の周方向に一体的に連結させる構造とされている。
【0079】
なお、金型D3は、型抜き方向が挿入方向Y1に平行な方向Y(ここでは挿入方向Y1とは反対方向Y2)とされている。具体的には、金型D3は、ガイド部332において第1規制部332aよりも下方の面(側面332f,332g及び底面332h)を形成するようになっている。
【0080】
また、図示を省略したが、延設ガイド部332eを成型する金型についても、型抜き方向が挿入方向Y1に平行な方向X(ここでは挿入方向Y1とは逆方向Y2)とされている。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態によれば、基台331の周縁部において支持面331aに垂直な方向Zに沿って設けられる側板部333の型抜き方向(ここでは上方向Z1)の下流側の端部(ここでは、第1から第4連結部334a〜334d)が基台331の周方向に一体的に連結されるので、樹脂フレーム300の強度を確保することができる。しかも、ガイド部332を成型する金型の型抜き方向が挿入方向Y1に直交する直交方向Zに平行な方向(ここでは上方向Z1)とされており、ガイド部332を直交方向Zに平行な方向で成型するので、金型がガイド部332に対してスライドする距離を短くでき、これにより金型の構造を簡素化することができる。さらに、ガイド部332を成型する金型の型抜き方向が直交方向Zに平行な方向(ここでは上方向Z1)とされており、金型の抜き勾配は、画像形成用ユニット200(ここでは感光体ユニット4,…)を挿入する挿入方向Y1に平行な方向には関与しないので、感光体ユニット4,…の直交方向Zにおける位置精度の低下を抑制することができる上、感光体ユニット4,…を円滑に挿入することができ、これにより感光体ユニット4,…の操作性の低下を抑制することができる。なお、直交方向Zに平行な方向(ここでは上方向Z1)の抜き勾配について、第3規制部332c及び第4規制部332dの上下方向Zの幅は小さいために第3規制部332c及び第4規制部332dの勾配を0°にすることができる。また、第3規制部332c及び第4規制部332dに勾配を設けたとしても、金型の上方向Z1のスライド量が少ないため、勾配1°程度にでき、しかも第3規制部332c及び第4規制部332dの上下方向Zの高さが小さいことから、左右方向X1,X2の位置精度の低下及び感光体ユニット4,…の操作性を十分抑制できる。
【0082】
本実施の形態では、基台331において型抜き方向が直交方向Zに平行な方向(ここでは上方向Z1)とされた金型によってガイド部332の成型が困難な部分(ここでは第1連結部334aの下方の部分)を延設ガイド部332eとして金型の型抜き方向が挿入方向Y1に平行な方向(ここでは挿入方向Y1とは反対方向Y2)とされた金型によって成型することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、図8に示すように、樹脂フレーム300を断面効率(例えば[断面係数]/[断面積])の向上を実現しつつ剛性に優れたH型の形状にすることで、簡単な構造で全体的に樹脂フレーム300の強度を向上させることができ、しかも上下方向Zの上端部と下端部との間で強度が高くなる位置に感光体ユニット4,…を支持する基台331を設けることができる。
【0084】
また、本実施の形態では、ユニットの位置精度が画像品質に影響しやすい、感光体用ユニット及び帯電用ユニットを含む感光体ユニット4,…及び現像用ユニット2,…のうちの基台331に支持されるユニット(ここでは感光体ユニット4,…)の位置精度の低下を抑制することができ、それだけ画像品質を向上させることができる。
【0085】
また、本実施の形態では、画像形成用ユニット200がカラー画像形成用ユニットとされているので、カラー画像形成用ユニットの位置精度の低下を抑制することができ、それだけカラー画像品質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0086】
2 現像用ユニット
4 感光体ユニット
100 画像形成装置
200 画像形成用ユニット
300 樹脂フレーム
331 基台
331a 支持面
332 ガイド部
332e 延設ガイド部
333 側板部
334a 第1連結部
334b 第2連結部
334c 第3連結部
334d 第4連結部
Y1 挿入方向
Z 上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂で構成された樹脂フレームと、前記樹脂フレームに対して挿脱する画像形成用ユニットとを備えた画像形成装置であって、
前記樹脂フレームは、前記画像形成用ユニットを支持する支持面を有する基台と、
前記基台において前記画像形成用ユニットを前記支持面に沿って挿入する挿入方向に延び、かつ、前記画像形成用ユニットの前記挿入方向と直交する直交方向の移動を規制しつつ該画像形成用ユニットを前記挿入方向に案内するガイド部と、
前記基台の周縁部において前記支持面に垂直な方向に沿って設けられる側板部と
が樹脂で一体的に成型されており、
前記ガイド部を成型する金型の型抜き方向は、前記直交方向に平行な方向とされており、
前記側板部の前記型抜き方向の下流側の端部が前記基台の周方向に一体的に連結されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記ガイド部は、前記画像形成用ユニットを挿入する前記挿入方向の上流側端からさらに上流側に延びる延設ガイド部が一体的に成型されており、前記延設ガイド部を成型する金型の型抜き方向は、前記挿入方向に平行な方向とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記樹脂フレームは、上下方向の上端部と下端部との間に前記基台を前記側板部に対し垂直に設けた断面視でH型の樹脂フレームとされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記画像形成用ユニットは、感光体用ユニット、帯電用ユニット及び現像用ユニットを含んでいることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記画像形成用ユニットは、カラー画像形成用ユニットとされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
フレームに対して挿脱する画像形成用ユニットを備えた画像形成装置における前記フレームを樹脂で成型する樹脂フレームの成型方法であって、
前記画像形成用ユニットを支持する支持面を有する基台と、
前記基台において前記画像形成用ユニットを前記支持面に沿って挿入する挿入方向に延び、かつ、前記画像形成用ユニットの前記挿入方向と直交する直交方向の移動を規制しつつ該画像形成用ユニットを前記挿入方向に案内するガイド部と、
前記基台の周縁部において前記支持面に垂直な方向に沿って設けられる側板部と
を一体的に成型する成型工程を含み、
前記成型工程では、前記ガイド部を成型する金型の型抜き方向は、前記直交方向に平行な方向とされており、前記側板部を成型するときに該側板部の前記型抜き方向の下流側の端部を前記基台の周方向に一体的に連結させることを特徴とする樹脂フレームの成型方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−237641(P2011−237641A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109516(P2010−109516)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】