説明

画像形成装置操作用プログラム

【課題】 権限が無い利用者による画像形成装置の機能に対する指示を防止することができる画像形成装置操作用プログラムを提供する。
【解決手段】 複数の機能を有するMFPと、機能毎の権限を利用者毎に記憶している認証サーバーとを備えているネットワークシステムに備えられる利用者端末20によって実行されるMFP操作用プログラム22aは、認証サーバーによる利用者の認証を要求する認証要求手段21a、利用者による機能に対する指示を画面表示によって受け付ける指示受付手段21b、および、指示受付手段21bによって受け付けられた指示をMFPに通知する指示通知手段21cとして利用者端末20を機能させ、指示受付手段21bは、認証が成功した利用者の権限として認証サーバーによって抽出された権限に応じた指示を受け付ける画面表示を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能を有する画像形成装置と、画像形成装置の機能毎の権限を利用者毎に記憶している権限記憶サーバーとを備えているネットワークシステムに備えられる利用者端末によって実行される画像形成装置操作用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者によって使用される利用者端末と、複数の機能を有する画像形成装置と、画像形成装置の機能毎の権限を利用者毎に記憶している権限記憶サーバーとを備えているネットワークシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このネットワークシステムの画像形成装置は、利用者端末を介して利用者から機能に対する指示が通知されると、権限記憶サーバーと通信を行って、指示が通知された機能に対する利用者の権限を確認する。そして、画像形成装置は、指示が通知された機能に対して利用者に権限が有る場合、指示に応じて機能を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−140067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のネットワークシステムにおいては、利用者に権限が無い機能に対する指示が利用者によって利用者端末から画像形成装置に通知された場合、その機能が画像形成装置によって実行されないので、利用者による指示が無駄になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、権限が無い利用者による画像形成装置の機能に対する指示を防止することができる画像形成装置操作用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置操作用プログラムは、複数の機能を有する画像形成装置と、前記機能毎の権限を前記利用者毎に記憶している権限記憶サーバーとを備えているネットワークシステムに備えられる利用者端末によって実行される画像形成装置操作用プログラムであって、前記権限記憶サーバーによる前記利用者の認証を要求する認証要求手段、前記利用者による前記機能に対する指示を画面表示によって受け付ける指示受付手段、および、前記指示受付手段によって受け付けられた前記指示を前記画像形成装置に通知する指示通知手段として前記利用者端末を機能させ、前記指示受付手段は、前記認証が成功した前記利用者の前記権限として前記権限記憶サーバーによって抽出された権限に応じた前記指示を受け付ける画面表示を行うことを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成装置操作用プログラムを実行する利用者端末は、認証が成功した利用者の権限として権限記憶サーバーによって抽出された権限に応じた指示を受け付ける画面表示を行うので、権限が無い利用者による画像形成装置の機能に対する指示を防止することができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置操作用プログラムの前記認証要求手段は、前記画像形成装置を介さずに前記認証を前記権限記憶サーバーに要求しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成装置操作用プログラムを実行する利用者端末は、画像形成装置の処理負担を軽減することができる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置操作用プログラムの前記指示通知手段は、前記画像形成装置に前記指示を通知する場合、前記指示が前記権限記憶サーバーによって抽出された前記権限に応じた指示であることを証明する情報を前記画像形成装置に通知しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成装置操作用プログラムを実行する利用者端末は、画像形成装置が権限記憶サーバーと通信を行って機能に対する利用者の権限を確認することを省略することができる。
【0012】
本発明のネットワークシステムは、利用者によって使用される利用者端末と、複数の機能を有する画像形成装置と、前記機能毎の権限を前記利用者毎に記憶している権限記憶部を備えている権限記憶サーバーとを備えており、前記権限記憶サーバーは、前記利用者の認証を行う認証手段を備えており、前記利用者端末は、前記権限記憶サーバーによる前記認証を要求する認証要求手段と、前記利用者による前記機能に対する指示を画面表示によって受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段によって受け付けられた前記指示を前記画像形成装置に通知する指示通知手段とを備えており、前記認証手段は、前記認証要求手段による要求に応じて前記認証を行い、前記権限記憶部によって記憶されている前記権限のうち、前記認証が成功した前記利用者の権限を抽出し、前記指示受付手段は、前記認証手段によって抽出された前記権限に応じた前記指示を受け付ける画面表示を行うことを特徴とする。
【0013】
この構成により、本発明のネットワークシステムは、認証が成功した利用者の権限として権限記憶サーバーによって抽出された権限に応じた指示を受け付ける画面表示を利用者端末が行うので、権限が無い利用者による画像形成装置の機能に対する指示を防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像形成装置操作用プログラムは、権限が無い利用者による画像形成装置の機能に対する指示を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
【図2】図1に示す利用者端末のブロック図である。
【図3】図1に示す認証サーバーのブロック図である。
【図4】図3に示す記憶部に記憶されているデータの一部を示す図である。
【図5】図1に示すMFPのブロック図である。
【図6】利用者端末がMFPに機能の実行を要求するときの図1に示すネットワークシステムの動作の流れを示す図である。
【図7】図2に示す表示部に行われる画面表示の一例を示す図である。
【図8】利用者端末がMFPに機能の実行を要求するときの図1に示すネットワークシステムの動作の流れを示す図であって、図6に示す流れとは異なる流れを示す図である。
【図9】利用者端末がMFPに機能の実行を要求するときの本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムの動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成について説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステム10のブロック図である。
【0019】
図1に示すように、ネットワークシステム10は、利用者端末20を含む複数の利用者端末と、認証サーバー30と、MFP(Multifunction Peripheral)40を含む複数のMFPとを備えている。利用者端末は、利用者によって使用されるコンピューターである。認証サーバー30は、利用者の認証を行うコンピューターである。MFPは、画像形成装置である。複数の利用者端末、認証サーバー30および複数のMFPは、LAN(Local Area Network)などのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
【0020】
なお、複数の利用者端末は、全て同様な構成であって同様に動作することが可能である。したがって、以下においては、複数の利用者端末の構成および動作について、利用者端末20を代表として説明する。また、複数のMFPは、全て同様な構成であって同様に動作することが可能である。したがって、以下においては、複数のMFPの構成および動作について、MFP40を代表として説明する。
【0021】
図2は、利用者端末20のブロック図である。
【0022】
図2に示すように、利用者端末20は、利用者端末20全体を制御する制御部21と、本発明の画像形成装置操作用プログラムとしてのMFP操作用プログラム22aを含むプログラムおよび各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるマウスやキーボードなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部24と、ネットワーク11経由で他の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部25とを備えている。
【0023】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMや記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0024】
制御部21は、記憶部22に記憶されているMFP操作用プログラム22aを実行することによって、認証サーバー30による利用者の認証を要求する認証要求手段21a、MFP40の機能に対する利用者による指示を画面表示によって受け付ける指示受付手段21b、および、指示受付手段21bによって受け付けられた利用者による指示をMFP40に通知する指示通知手段21cとして機能する。
【0025】
図3は、認証サーバー30のブロック図である。
【0026】
図3に示すように、認証サーバー30は、認証サーバー30全体を制御する制御部31と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているHDDなどの記憶デバイスである記憶部32と、ネットワーク11経由で他の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部33とを備えている。
【0027】
制御部31は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMや記憶部32に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0028】
制御部31は、ROMや記憶部32に記憶されているプログラムを実行することによって、利用者の認証を行う認証手段31aとして機能する。
【0029】
図4は、記憶部32に記憶されているデータの一部を示す図である。
【0030】
図4に示すように、記憶部32は、利用者のID32aと、利用者のパスワード32bと、利用者のボックス操作権限32cと、利用者のアドレス帳編集権限32dと、利用者の利用者リスト編集権限32eと、利用者の機器設定権限32fとを利用者毎に記憶している。つまり、記憶部32は、本発明の権限記憶部を構成しており、認証サーバー30は、本発明の権限記憶サーバーを構成している。
【0031】
ここで、MFP40は、MFP40自身が記憶するボックスに対して利用者の指示に応じて作成、編集、削除などの操作を行う機能であるボックス操作機能を有している。ボックス操作権限32cは、ボックス操作機能に対する権限である。なお、ボックスとは、例えば、印刷ドキュメントを格納するドキュメントボックスのように、特定の情報を記憶するための記憶部32上の領域である。
【0032】
MFP40は、MFP40自身が記憶しているアドレス帳に対して利用者の指示に応じて情報の新規登録、編集、削除などの操作を行う機能であるアドレス帳編集機能を有している。アドレス帳編集権限32dは、アドレス帳編集機能に対する権限である。
【0033】
MFP40は、MFP40自身が記憶している利用者リストに対して利用者の指示に応じて情報の新規登録、編集、削除などの操作を行う機能である利用者リスト編集機能を有している。利用者リスト編集権限32eは、利用者リスト編集機能に対する権限である。なお、利用者リストとは、MFP40の利用者として登録された者のリストである。
【0034】
MFP40は、MFP40自身が記憶している機器設定およびネットワーク設定に対して利用者の指示に応じて編集を行う機能である機器設定機能を有している。機器設定権限32fは、機器設定機能に対する権限である。なお、機器設定とは、用紙サイズの設定など、MFP40の動作に必要な各種の設定である。ネットワーク設定とは、IPアドレスの設定や通信の暗号方式の設定など、MFP40がネットワーク11に接続するために必要な各種の設定である。
【0035】
なお、「管理者」の権限は、「一般」の権限より上位の権限である。つまり、権限の種類が「管理者」である利用者は、権限の種類が「一般」である利用者に許可されている全ての操作が許可されており、権限の種類が「一般」である利用者は、権限の種類が「管理者」である利用者のみに許可されている操作が許可されていない。
【0036】
図5は、MFP40のブロック図である。
【0037】
図5に示すように、MFP40は、MFP40全体を制御する制御部41と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部42と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部43と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部44と、用紙に印刷を実行する印刷デバイスである印刷部45と、原稿から画像を読み取る読取デバイスである読取部46と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部47と、ネットワーク11経由で他の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部48とを備えている。
【0038】
制御部41は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0039】
次に、ネットワークシステム10の動作について説明する。
【0040】
図6は、利用者端末20がMFP40に機能の実行を要求するときのネットワークシステム10の動作の流れを示す図である。
【0041】
利用者端末20がMFP40に機能の実行を要求するとき、図6に示すように、利用者端末20の認証要求手段21aは、操作部23を介して利用者から入力された利用者のIDおよびパスワードをネットワーク通信部25を介して認証サーバー30に通知することによって、認証サーバー30に利用者の認証を要求する(S61)。
【0042】
認証サーバー30の認証手段31aは、利用者端末20によって利用者の認証が要求されると、利用者端末20による要求に応じて利用者の認証を行う(S62)。つまり、認証手段31aは、利用者端末20によって通知されてきたIDおよびパスワードの組み合わせが、記憶部32に記憶されているID32aおよびパスワード32bの組み合わせの中に有る場合に利用者の認証が成功したと判断し、無い場合に利用者の認証が成功しなかったと判断する。
【0043】
認証手段31aは、S62において利用者の認証が成功したと判断した場合、記憶部32によって記憶されているボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fのうち、認証が成功した利用者のボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fを抽出し、認証の結果に加えて、利用者のボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fをネットワーク通信部33を介して利用者端末20に通知する(S63)。
【0044】
例えば、図4に示すデータが記憶部32に記憶されている場合、認証手段31aは、「abcd」というIDと、「0123」というパスワードとが利用者端末20によってS61において通知されてきたとき、認証が成功した利用者のボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fがそれぞれ「一般」、「管理者」、「管理者」、「管理者」であることをS63において利用者端末20に通知する。
【0045】
利用者端末20の指示受付手段21bは、利用者の権限が認証サーバー30によって通知されてくると、図7に示すような画面表示を表示部24に行う(S64)。図7に示す画面表示には、ボックス操作機能の実行をMFP40に要求するためのボックス操作ボタン24aと、アドレス帳編集機能の実行をMFP40に要求するためのアドレス帳編集ボタン24bと、利用者リスト編集機能の実行をMFP40に要求するための利用者リスト編集ボタン24cと、機器設定機能の実行をMFP40に要求するための機器設定ボタン24dと、MFP40に対する機能の実行の要求を中止するキャンセルボタン24eとが含まれている。
【0046】
なお、図7に示す例においては、ボックス操作ボタン24aがグレーアウト化、すなわち、利用者によって操作不可能な状態に無効化されており、アドレス帳編集ボタン24b、利用者リスト編集ボタン24cおよび機器設定ボタン24dが利用者によって操作可能な状態に有効化されている。つまり、図7に示す例は、認証サーバー30によって利用者端末20に通知されてきた利用者のボックス操作権限32cが「一般」であり、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fが「管理者」である例である。指示受付手段21bは、認証サーバー30によって通知されてきた利用者の権限が「一般」である機能に対応するボタンをグレーアウト化する。
【0047】
利用者端末20の指示通知手段21cは、S64において指示受付手段21bが画面表示を行った場合、ボックス操作ボタン24a、アドレス帳編集ボタン24b、利用者リスト編集ボタン24cおよび機器設定ボタン24dの何れかが利用者によって操作されることによって、利用者による機能の実行の指示が指示受付手段21bによって受け付けられると、指示受付手段21bによって受け付けられた指示をMFP40に通知することによって、MFP40に機能の実行を要求する(S65)。このとき、指示通知手段21cは、指示受付手段21bによって受け付けられた指示に加えて、利用者のIDおよびパスワードを、ネットワーク通信部25を介してMFP40に通知する。
【0048】
MFP40の制御部41は、利用者端末20から機能の実行が要求されると、S65において利用者端末20から通知されてきた利用者のIDおよびパスワードをネットワーク通信部48を介して認証サーバー30に通知することによって、認証サーバー30に利用者の認証を要求する(S66)。
【0049】
認証サーバー30の認証手段31aは、MFP40によって利用者の認証が要求されると、MFP40による要求に応じて利用者の認証を行う(S67)。つまり、認証手段31aは、MFP40によって通知されてきたIDおよびパスワードの組み合わせが、記憶部32に記憶されているID32aおよびパスワード32bの組み合わせの中に有る場合に利用者の認証が成功したと判断し、無い場合に利用者の認証が成功しなかったと判断する。ここで、S62において認証が成功している場合のみ、S63以降の処理が実行されるので、S67における認証は必ず成功する。
【0050】
認証手段31aは、S67において利用者の認証が成功したと判断した場合、認証の結果に加えて、利用者のボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fをネットワーク通信部33を介してMFP40に通知する(S68)。
【0051】
MFP40の制御部41は、利用者の権限が認証サーバー30によって通知されてくると、S65において利用者端末20から通知されてきた指示が利用者の権限に基づくものであることを確認した後、S65において利用者端末20から通知されてきた指示に基づいて機能を実行する(S69)。
【0052】
なお、認証サーバー30の認証手段31aは、S62において利用者の認証が成功しなかったと判断した場合、利用者の権限を利用者端末20に通知せずに、認証が成功しなかった旨をネットワーク通信部33を介して利用者端末20に通知する。そして、利用者端末20の制御部21は、認証が成功しなかった旨を表示部24に表示して、機能の実行のための一連の処理を終了する。
【0053】
また、利用者端末20の制御部21は、S64において指示受付手段21bが画面表示を行った場合、キャンセルボタン24eが利用者によって操作されることによって、機能の実行のための一連の処理を終了する。
【0054】
図8は、利用者端末20がMFP40に機能の実行を要求するときのネットワークシステム10の動作の流れを示す図であって、図6に示す流れとは異なる流れを示す図である。
【0055】
ネットワークシステム10は、図6に示す流れに代えて、図8に示す流れで動作するようになっていても良い。
【0056】
図8において、S61からS64までの処理は、図6に示す流れと同様であるので、説明を省略する。
【0057】
利用者端末20の指示通知手段21cは、S64において指示受付手段21bが画面表示を行った場合、ボックス操作ボタン24a、アドレス帳編集ボタン24b、利用者リスト編集ボタン24cおよび機器設定ボタン24dの何れかが利用者によって操作されることによって、利用者による機能の実行の指示が指示受付手段21bによって受け付けられると、指示受付手段21bによって受け付けられた指示をMFP40に通知することによって、MFP40に機能の実行を要求する(S71)。このとき、指示通知手段21cは、指示受付手段21bによって受け付けられた指示に加えて、認証サーバー30によって抽出された利用者の権限を示す情報(以下「認証済権限情報」という。)を、ネットワーク通信部25を介してMFP40に通知する。この認証済権限情報は、S63において認証サーバー30から利用者端末20に通知されてきた情報であり、電子署名などによって認証サーバー30から通知されてきた情報であることが証明可能な情報である。つまり、認証済権限情報は、指示受付手段21bによって受け付けられた指示が認証サーバー30によって抽出された権限に応じた指示であることを証明する情報である。
【0058】
MFP40の制御部41は、利用者端末20から機能の実行が要求されると、認証サーバー30と通信を行って利用者の権限を確認することを、S71において利用者端末20から通知されてきた認証済権限情報に基づいて省略し、S71において利用者端末20から通知されてきた指示に基づいて機能を実行する(S69)。
【0059】
以上に説明したように、ネットワークシステム10は、認証が成功した利用者の権限として認証サーバー30によって抽出された権限に応じた指示を受け付ける画面表示を利用者端末20の指示受付手段21bが行う(S64)ので、権限が無い利用者によるMFP40の機能に対する指示を防止することができる。
【0060】
ネットワークシステム10は、権限が無い利用者によるMFP40の機能に対する指示を防止することができるので、権限が無い利用者による無駄な指示を利用者端末20からMFP40に送信することを防止することができる。
【0061】
ネットワークシステム10は、利用者端末20の認証要求手段21aがMFP40を介さずに利用者の認証を認証サーバー30に要求するので、MFP40の処理負担を軽減することができる。
【0062】
ネットワークシステム10は、複数のMFPに対して1つの認証サーバー30が機能するので、利用者の権限が変更される場合に、認証サーバー30の記憶部32に記憶されている情報が変更されるのみで良く、複数のMFPの設定が個々に変更される必要がない。
【0063】
なお、本実施の形態においては、利用者端末20が1つのMFPに対して機能の実行を要求している例について説明しているが、利用者端末20は、複数のMFPに対して同時に同一の機能の実行を要求することもできる。
【0064】
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係るネットワークシステムの構成は、第1の実施の形態に係るネットワークシステム10の構成と同様であるので、ネットワークシステム10の構成と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0065】
本実施の形態に係るネットワークシステムの動作について説明する。
【0066】
図9は、利用者端末20がMFP40に機能の実行を要求するときの本実施の形態に係るネットワークシステムの動作の流れを示す図である。
【0067】
利用者端末20がMFP40に機能の実行を要求するとき、図9に示すように、利用者端末20の認証要求手段21aは、操作部23を介して利用者から入力された利用者のIDおよびパスワードをネットワーク通信部25を介してMFP40に通知する(S81)。
【0068】
MFP40の制御部41は、利用者端末20によって利用者のIDおよびパスワードが通知されてくると、利用者端末20によって通知されてきた利用者のIDおよびパスワードをネットワーク通信部48を介して認証サーバー30に通知することによって、認証サーバー30に利用者の認証を要求する(S82)。
【0069】
認証サーバー30の認証手段31aは、MFP40によって利用者の認証が要求されると、MFP40による要求に応じて利用者の認証を行う(S83)。つまり、認証手段31aは、MFP40によって通知されてきたIDおよびパスワードの組み合わせが、記憶部32に記憶されているID32aおよびパスワード32bの組み合わせの中に有る場合に利用者の認証が成功したと判断し、無い場合に利用者の認証が成功しなかったと判断する。
【0070】
認証手段31aは、S83において利用者の認証が成功したと判断した場合、記憶部32によって記憶されているボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fのうち、認証が成功した利用者のボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fを抽出し、認証の結果に加えて、利用者のボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fをネットワーク通信部33を介してMFP40に通知する(S84)。
【0071】
MFP40の制御部41は、認証サーバー30による認証の結果と、利用者のボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fとが認証サーバー30によって通知されてくると、認証サーバー30によって通知されてきた、認証の結果と、利用者のボックス操作権限32c、アドレス帳編集権限32d、利用者リスト編集権限32eおよび機器設定権限32fとをネットワーク通信部48を介して利用者端末20に通知する(S85)。
【0072】
利用者端末20の指示受付手段21bは、利用者の権限がMFP40によって通知されてくると、図7に示すような画面表示を表示部24に行う(S86)。なお、指示受付手段21bは、第1の実施の形態と同様に、MFP40によって通知されてきた利用者の権限が「一般」である機能に対応するボタンをグレーアウト化する。
【0073】
利用者端末20の指示通知手段21cは、S86において指示受付手段21bが画面表示を行った場合、ボックス操作ボタン24a、アドレス帳編集ボタン24b、利用者リスト編集ボタン24cおよび機器設定ボタン24dの何れかが利用者によって操作されることによって、利用者による機能の実行の指示が指示受付手段21bによって受け付けられると、指示受付手段21bによって受け付けられた指示をMFP40に通知することによって、MFP40に機能の実行を要求する(S87)。
【0074】
MFP40の制御部41は、利用者端末20から機能の実行が要求されると、S87において利用者端末20から通知されてきた指示に基づいて機能を実行する(S88)。
【0075】
なお、上述した各実施の形態においては、権限としてボックス操作権限、アドレス帳編集権限、利用者リスト編集権限および機器設定権限について説明しているが、これらの権限以外の権限であっても良い。
【0076】
上述した各実施の形態においては、画像形成装置としてMFPについて説明しているが、複数の機能を有する画像形成装置であれば、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0077】
10 ネットワークシステム
20 利用者端末
21a 認証要求手段
21b 指示受付手段
21c 指示通知手段
22a MFP操作用プログラム(画像形成装置操作用プログラム)
30 認証サーバー(権限記憶サーバー)
31a 認証手段
32 記憶部(権限記憶部)
32c ボックス操作権限(権限)
32d アドレス帳編集権限(権限)
32e 利用者リスト編集権限(権限)
32f 機器設定権限(権限)
40 MFP(画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を有する画像形成装置と、前記機能毎の権限を前記利用者毎に記憶している権限記憶サーバーとを備えているネットワークシステムに備えられる利用者端末によって実行される画像形成装置操作用プログラムであって、
前記権限記憶サーバーによる前記利用者の認証を要求する認証要求手段、前記利用者による前記機能に対する指示を画面表示によって受け付ける指示受付手段、および、前記指示受付手段によって受け付けられた前記指示を前記画像形成装置に通知する指示通知手段として前記利用者端末を機能させ、
前記指示受付手段は、前記認証が成功した前記利用者の前記権限として前記権限記憶サーバーによって抽出された権限に応じた前記指示を受け付ける画面表示を行うことを特徴とする画像形成装置操作用プログラム。
【請求項2】
前記認証要求手段は、前記画像形成装置を介さずに前記認証を前記権限記憶サーバーに要求することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置操作用プログラム。
【請求項3】
前記指示通知手段は、前記画像形成装置に前記指示を通知する場合、前記指示が前記権限記憶サーバーによって抽出された前記権限に応じた指示であることを証明する情報を前記画像形成装置に通知することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置操作用プログラム。
【請求項4】
利用者によって使用される利用者端末と、複数の機能を有する画像形成装置と、前記機能毎の権限を前記利用者毎に記憶している権限記憶部を備えている権限記憶サーバーとを備えており、
前記権限記憶サーバーは、前記利用者の認証を行う認証手段を備えており、
前記利用者端末は、前記権限記憶サーバーによる前記認証を要求する認証要求手段と、前記利用者による前記機能に対する指示を画面表示によって受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段によって受け付けられた前記指示を前記画像形成装置に通知する指示通知手段とを備えており、
前記認証手段は、前記認証要求手段による要求に応じて前記認証を行い、前記権限記憶部によって記憶されている前記権限のうち、前記認証が成功した前記利用者の権限を抽出し、
前記指示受付手段は、前記認証手段によって抽出された前記権限に応じた前記指示を受け付ける画面表示を行うことを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−230612(P2012−230612A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99489(P2011−99489)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】