説明

画像形成装置

【課題】 安価に画像形成装置の設置環境を推測し、設置環境に応じた制御をすることにより、画像品質を上げること。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、液晶表示パネル16あるいは、ファクシミリ装置131あるいはコンピュータ20等の使用国情報が入力されている装置、各国の環境情報を記憶した記憶手段、使用国の環境情報をもとに、定着制御・転写バイアス制御・搬送速度制御を変える制御手段からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、世界各国の多様な環境で使用する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、静電潜像を描く前準備の帯電、静電潜像を描く露光、静電潜像を可視化する現像、現像した画像を印刷媒体に移動する転写、印刷媒体に転写した画像を固定する定着の5つの工程によって画像が形成される。
【0003】
図9に画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタ201の概略断面図を記す。以下、図9を用いて画像形成の工程を簡単に説明する。220は、レーザビームプリンタに接続されたコンピュータである。コンピュータ220より印刷に必要なデータが画像データ生成部215に送信される。画像データ生成部215は、コンピュータよりデータを受け取ると、印刷媒体1ページ分の画像データを生成する。また、画像データ生成部215はエンジンコントローラ214にプリント準備をするように命令を出す。エンジンコントローラ214は、露光装置204のポリゴンミラーを回転させ、定着装置212を加熱し、準備を整える。プリント準備が整ったら、静電潜像を形成する土台の感光ドラム208を回転させる。感光ドラム208は、帯電ローラ207によって一様に帯電される。露光装置204は一様に帯電された感光ドラムにレーザ光を照射することにより静電潜像を描く。感光ドラム上に書かれた静電潜像は、トナーで一様に覆われた現像ローラ209からトナーが運ばれ、感光ドラム上にトナー像が形成される。感光ドラム208上のトナー像は、タイミングを合わせて搬送されてきた印刷媒体202に転写する。転写は、感光ドラムと転写ローラ間に転写バイアスを引加することによりトナー像を電気的に引き寄せて印刷媒体に移動する。印刷媒体上に転写されたトナー像は、定着器212で熱を加えられながら押し付けられることにより印刷媒体に融着する。
【0004】
以上のようにして、トナー画像が形成される。
【0005】
ところで、熱定着に必要な熱量は、周囲温度によって異なる。そこで、周囲温度を測定するセンサ213を設けて、周囲温度に応じて定着の温調制御を変える画像形成装置が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。他にも、周囲温度に応じてスタンバイ時に定着器を温調しておく画像形成装置が考案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、周囲環境に応じて定着ローラの加圧力を変える画像形成装置が考案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
また、周囲環境によって、最適な転写バイアスの量も変わる場合が多い。周囲環境に応じて転写バイアスを変える画像形成装置が考案されている(例えば、特許文献4および特許文献5参照。)。
【0008】
さらに、周囲環境に応じて、記録媒体の搬送量を補正する画像形成装置が考案されている(例えば、特許文献6参照。)。
【特許文献1】特開平5−66693号公報(第1頁、図1、温度センサ34a、湿度センサ34b)
【特許文献2】特開平5−35149号公報(第17頁、図11)
【特許文献3】特開2000−259030号公報(第1頁、要約)
【特許文献4】特開2001−296759号公報(第1頁、要約)
【特許文献5】特開2001−324846号公報(第1頁、要約)
【特許文献6】特開平8−58153号公報(第1頁、要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、周囲環境を検知して最適な制御を行うことにより、画像の品質のばらつきを抑えることができることは周知である。周囲環境の検知のためには、環境センサを用いる。環境センサは、たいてい温度センサまたは、湿度センサが使用される。温度センサとしては、温度に応じて電気抵抗が変化するサーミスタが一般的に利用される。ところで、環境センサを付加すると、コストは上がることになる。
【0010】
また、最近のレーザビームプリンタの価格競争は非常に厳しくなっている。本出願に係る第1の発明の目的は、コストアップなしに、周囲環境検知をすることにより、画像品質の低下するケースの発生割合を減らすことである。
【0011】
本出願に係る第2の発明の目的は、前記環境検知が誤検知する場合に、環境検知を実施しないように回避手段を設けることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、加熱手段を有する定着装置と、表示する言語を選択できる機能を有する表示手段とを備えた画像形成装置において、選択された言語が特定の言語である場合に、特別な定着温度シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記定着制御手段は、表示手段に設定された言語と寒冷地に住む人々が話す言語が一致した時、寒冷地向けの定着シーケンスで定着を行う。また、同様に、表示手段に設定された言語と暑い地域に住む人々が話す言語が一致した時、暑い地域向けの定着シーケンスで定着を行う。
【0014】
本出願に係る第2の発明は、加圧力を変えることができる加圧手段を有する定着装置と、表示する言語を選択できる機能を有する表示手段とを備えた画像形成装置において、選択された言語が特定の言語である場合に、特別な定着加圧シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記定着制御手段は、表示手段に設定された言語と寒冷地に住む人々が話す言語が一致した時、寒冷地向けの定着加圧シーケンスで定着を行う。また、同様に、表示手段に設定された言語と暑い地域に住む人々が話す言語が一致した時、暑い地域向けの定着加圧シーケンスで定着を行う。
【0016】
本出願に係る第3の発明は、転写電圧または転写電流を変えることができる転写手段と、表示する言語を選択できる機能を有する表示手段とを備えた画像形成装置において、選択された言語が特定の言語である場合に、特別な転写バイアスシーケンスで転写を行う転写制御手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
前記転写制御手段は、表示手段に設定された言語と乾燥地域に住む人々が話す言語が一致した時、乾燥地向けの転写バイアスシーケンスで転写を行う。また、同様に、表示手段に設定された言語と高湿な地域に住む人々が話す言語が一致した時、高湿な地域向けの転写バイアスシーケンスで転写を行う。
【0018】
本出願に係る第4の発明は、搬送速度を変えることができる搬送手段と、表示する言語を選択できる機能を有する表示手段とを備えた画像形成装置において、選択された言語が特定の言語である場合に、特別な搬送速度で搬送を行う搬送制御手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
前記搬送制御手段は、表示手段に設定された言語と寒冷地に住む人々が話す言語が一致した時、寒冷地におけるローラの収縮率を考慮した搬送速度で印刷媒体の搬送を行う。また、同様に、表示手段に設定された言語と暑い地域に住む人々が話す言語が一致した時、暑い地域におけるローラの膨張率を考慮した搬送速度で印刷媒体の搬送を行う。
【0020】
本出願に係る第5から7の発明の手段は、前記第1から4の発明の作用の内容と重複するため、省略する。
【0021】
本出願に係る第8の発明は、前記第1の発明において、言語に基づいて定着温度シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0022】
前記第8の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第1の発明を無効化する。
【0023】
本出願に係る第9の発明は、前記第2の発明において、言語に基づいて定着加圧シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0024】
前記第9の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第2の発明を無効化することができる。
【0025】
本出願に係る第10の発明は、前記第3の発明において、言語に基づいて転写バイアスシーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0026】
前記第10の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第3の発明を無効化する。
【0027】
本出願に係る第11の発明は、前記第4の発明において、言語に基づいて搬送速度を選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0028】
前記第11の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第4の発明を無効化する。
【0029】
本出願に係る第12の発明は、加熱手段を有する定着装置と、使用国情報を設定する設定手段を有するファクシミリ装置とを備えた画像形成装置において、設定された使用国が特定の国である場合に、特別な定着温度シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする。
【0030】
前記定着制御手段は、使用国の設定内容が寒冷地の国リストと一致した時、寒冷地向けの定着シーケンスで定着を行う。また、同様に、使用国の設定内容が暑い地域の国リストと一致した時、暑い地域向けの定着シーケンスで定着を行う。
【0031】
本出願に係る第13の発明は、加圧力を変えることができる加圧手段を有する定着装置と、使用国情報を設定する設定手段を有するファクシミリ装置とを備えた画像形成装置において、設定された使用国が特定の国である場合に、特別な定着加圧シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
前記定着制御手段は、使用国の設定内容が寒冷地の国リストと一致した時、寒冷地向けの定着シーケンスで定着を行う。また、同様に、使用国の設定内容が暑い地域の国リストと一致した時、暑い地域向けの定着加圧シーケンスで定着を行う。
【0033】
本出願に係る第14の発明は、転写電圧または転写電流を変えることができる転写手段と、使用国情報を設定する設定手段を有するファクシミリ装置とを備えた画像形成装置において、設定された使用国が特定の国である場合に、特別な転写バイアスシーケンスで転写を行う転写制御手段を備えたことを特徴とする。
【0034】
前記転写制御手段は、使用国の設定内容が乾燥地域の国リストと一致した時、乾燥地向けの転写バイアスシーケンスで定着を行う。また、同様に、使用国の設定内容が高湿環境の国リストと一致した時、高湿環境向けの転写バイアスシーケンスで転写を行う。
【0035】
本出願に係る第15の発明は、搬送速度を変えることができる搬送手段と、使用国情報を設定する設定手段を有するファクシミリ装置とを備えた画像形成装置において、設定された使用国が特定の国である場合に、特別な搬送速度で搬送を行う搬送制御手段を備えたことを特徴とする。
【0036】
前記搬送制御手段は、使用国の設定内容が寒冷地の国リストと一致した時、寒冷地向けの搬送速度で印刷媒体の搬送を行う。また、同様に、使用国の設定内容が暑い地域の国リストと一致した時、暑い地域向けの搬送速度で印刷媒体の搬送を行う。
【0037】
本出願に係る第16から18の発明の手段は、前記第12から15の発明の作用の内容と重複するため、省略する。
【0038】
本出願に係る第19の発明は、前記請求項12において、使用国情報に基づいて定着温度シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0039】
前記第19の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第12の発明を無効化する。
【0040】
本出願に係る第20の発明は、前記請求項13において、使用国情報に基づいて定着加圧シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0041】
前記第20の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第13の発明を無効化する。
【0042】
本出願に係る第21の発明は、前記請求項14において、使用国情報に基づいて転写バイアスシーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0043】
前記第21の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第14の発明を無効化する。
【0044】
本出願に係る第22の発明は、前記請求項15において、使用国情報に基づいて搬送速度を選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0045】
前記第22の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第15の発明を無効化する。
【0046】
本出願に係る第23の発明は、設置した国情報および日時情報を有するコンピュータに接続され、かつ、加熱手段を有する定着装置を備えた画像形成装置において、前記コンピュータより使用国および日時の情報を前記画像形成装置に伝達する情報伝達手段を有し、前記コンピュータより得た使用国および日時情報が特定の国および日時である場合に、特別な定着温度シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする。
【0047】
前記情報伝達手段は、コンピュータに登録されている使用国および日時の情報を画像形成装置の制御手段に伝達する。続いて、定着制御手段は、使用国および日時の情報が低温環境リストと一致した時、寒冷地向けの定着シーケンスで定着を行う。また、同様に、使用国および日時の情報が高温環境リストと一致した時、暑い地域向けの定着シーケンスで定着を行う。
【0048】
本出願に係る第24の発明は、設置した国情報および日時を有するコンピュータに接続され、かつ、加圧力を変えることができる加圧手段を有する定着装置を備えた画像形成装置において、前記コンピュータより使用国および日時の情報を前記画像形成装置に伝達する情報伝達手段を有し、前記コンピュータより得た使用国および日時情報が特定の国および日時である場合に、特別な定着加圧シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする。
【0049】
前記情報伝達手段は、コンピュータに登録されている使用国および日時の情報を画像形成装置の制御手段に伝達する。続いて、定着制御手段は、使用国および日時の情報が低温環境リストと一致した時、寒冷地向けの定着加圧シーケンスで定着を行う。また、同様に、使用国および日時の情報が高温環境リストと一致した時、暑い地域向けの定着加圧シーケンスで定着を行う。
【0050】
本出願に係る第25の発明は、設置した国情報および日時を有するコンピュータに接続され、かつ、転写電圧または転写電流を変えることができる転写手段を備えた画像形成装置において、前記コンピュータより使用国および日時の情報を前記画像形成装置に伝達する情報伝達手段を有し、前記コンピュータより得た使用国および日時情報が特定の国および日時である場合に、特別な転写バイアスシーケンスで転写を行う転写制御手段を備えたことを特徴とする。
【0051】
前記情報伝達手段は、コンピュータに登録されている使用国および日時の情報を画像形成装置の制御手段に伝達する。続いて、転写制御手段は、使用国および日時の情報が乾燥環境リストと一致した時、乾燥地向けの定着バイアスシーケンスで定着を行う。また、同様に、使用国および日時の情報が高湿環境リストと一致した時、湿度の高い地域向けの定着シーケンスで定着を行う。
【0052】
本出願に係る第26の発明は、設置した国情報および日時を有するコンピュータに接続され、かつ、搬送速度を変えることができる搬送手段を備えた画像形成装置において、前記コンピュータより使用国および日時の情報を前記画像形成装置に伝達する情報伝達手段を有し、前記コンピュータより得た使用国および日時情報が特定の国および日時である場合に、特別な搬送速度で搬送を行う搬送制御手段を備えたことを特徴とする。
【0053】
前記情報伝達手段は、コンピュータに登録されている使用国および日時の情報を画像形成装置の制御手段に伝達する。続いて、搬送制御手段は、使用国および日時の情報が低温環境リストと一致した時、寒冷地向けの搬送速度で搬送を行う。また、同様に、使用国および日時の情報が高温環境リストと一致した時、暑い地域向けの搬送速度で搬送を行う。
【0054】
本出願に係る第27から29の発明の手段は、前記第23から26の発明の作用の内容と重複するため、省略する。
【0055】
本出願に係る第30の発明は、前記第23の発明において、使用国および日時情報に基づいて定着温度シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0056】
前記第30の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第23の発明を無効化する。
【0057】
本出願に係る第31の発明は、前記第24の発明において、使用国および日時情報に基づいて定着加圧シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0058】
前記第31の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第24の発明を無効化する。
【0059】
本出願に係る第32の発明は、前記第25の発明において、使用国および日時情報に基づいて転写バイアスシーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0060】
前記第32の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第25の発明を無効化する。
【0061】
本出願に係る第33の発明は、前記第26の発明において、使用国および日時情報に基づいて搬送速度を選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする。
【0062】
前記第33の発明の制御手段は、必要に応じて、前記第26の発明を無効化する。
【0063】
本出願に係る第34の発明は、前記第23から26いずれかの発明において、設置した国情報および日時を有するコンピュータとは、OS(オペレーティングシステム)上に国情報および日時情報を入力したコンピュータであることを特徴とする。
【0064】
画像形成装置の制御手段は、接続されたコンピュータのOSの設定項目に入力された国情報および日時情報を情報伝達手段を介して得る。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、安価に画像形成装置の設置環境を推測し、設置環境に応じた制御をすることができる。また、設置環境の推測が間違っているとユーザが判断した場合は、ユーザは間違った推測に基づく制御を止めることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0067】
画像形成装置の一つであるレーザビームプリンタ1に、本発明を適用した第1の事例について以下、説明する。前記レーザビームプリンタ1の概略構成図を図2に示す。図2において、16はユーザに文字や記号でメッセージを伝える液晶表示画面である。17はユーザが画像形成装置の設定を入力するための操作キーである。14は、レーザビームプリンタ1の各部を制御するエンジンコントローラである。前記液晶表示画面16の表示内容の制御は、前記エンジンコントローラ14の仕事の一つである。また、前記操作キー17をユーザが押した操作内容に応じて、レーザビームプリンタ1の制御を変更することも前記エンジンコントローラ14の仕事である。本実施例のエンジンコントローラ14は、液晶表示画面16にデフォルトの状態では英文を表示する。しかし、ユーザが操作キー17を操作することにより、表示言語を変更することができる。
【0068】
図3に、表示言語の切り換え中の画面を記す。左方向キー17aまたは右方向キー17cを押すことにより、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、スウェーデン語、ロシア語、モンゴル語、ポルトガル語、アラビア語、ギリシャ語、中国語、ヒンディー語、マレー語、フィリピノ語、日本語に切り替わり、決定キー17eで決定する。このような表示言語の切り換え機能は、従来よりある機能である。ところで、本実施例では、言語切り換えに伴い、エンジンコントローラ14は図1のフローチャートで示すようにレーザビームプリンタ1を制御する。以下、図1のフローチャートに従い制御の変更内容を説明する。
【0069】
図1のフローチャートにおいて、ステップS01はユーザが表示言語の変更を行ったか否かを監視している状態を表している。表示言語の変更が発生した場合は、ステップS02を実施する。ステップS02においては、ユーザが選択した言語が、{ロシア語/スウェーデン語/オランダ語/ドイツ語/モンゴル語}のいずれかである場合は、ステップS03を実行する。
【0070】
ロシア、スウェーデン、オランダ、ドイツ、モンゴルは、気温が30℃前後になることはあまりなく、気温が10℃以下になる日が多い。そこで、ステップS03において、定着器12の温度シーケンスを変更する。温度シーケンスの第1の変更点は、定着器12が冷めた状態からのプリント開始時に定着器12に投入する電力を標準600Wよりも多い800Wでエンジンコントローラ14は制御する。すると、10℃環境・600Wで、定着可能温度まで立ち上げるに40秒かかるところ、10℃環境・800Wで立ち上げることにより、30秒に短縮することができる。
【0071】
図4に本実施例における定着器の温度と立ち上げ時間のグラフを示す。図4において、点線が10℃環境・600Wの場合である。太線が10℃環境・800Wの場合である。
【0072】
なお、本実施例において30℃環境・800Wで立ち上げた場合は、定着器12の温度上昇の傾きが大き過ぎるため、温度制御が追いつかず、定着可能温度に到達した後、しばらくオーバーシュートしてしまう。オーバーシュートした状態で定着すると、一部のトナーが紙ではなく定着ローラ(トナー側)にくっつくことにより、直接印刷媒体を汚したり、定着ローラ(媒体側)にトナーが着いて印刷媒体の裏側を汚す原因となる。こうした理由により本実施例では、標準時の定着器12の立ち上げ電力を800Wにしていない。
【0073】
また、電源ON時に、定着器12の故障検知兼、定着器12を予め暖める動作においても、気温が低い地域では投入電力を切り替えることによって加熱時間を短縮することができる。
【0074】
定着器12の温度シーケンスの第2の変更点は、連続プリント時の定着温度を減じる傾きを緩やかにする。
【0075】
始めに、連続プリント時に定着温度を減じる理由について説明する。本実施例のレーザビームプリンタ1は連続プリントの初期において、定着器12の熱の一部は定着器周辺を伝わりレーザプリンタ本体をあたためている。連続プリントを続けると、レーザプリンタ本体と定着器12の温度差が小さくなるために、レーザプリンタ本体に伝わる熱量が減り、トナーに加わる熱が大きくなる。すると、定着ローラ(トナー側)に一部のトナーが着く現象が発生してしまう。トナーの加熱し過ぎを防止するために、本実施例では、連続プリント時は下記のように定着温度を徐々に減らす。
【0076】
標準時、連続プリント時の定着器12の温度設定は、1枚目200℃とすると、50枚目に190℃、100枚目以降は180℃となるように制御する(前記、標準時の連続プリント時の定着器の温度設定を図5のグラフAに記す。)。したがって、気温が低い地域(レーザプリンタの温度も低い)では、1枚目200℃、50枚目195℃、100枚目190℃、200枚目以降185℃となるように制御を行う(これを図5のグラフBに示す)。以上が、ステップS03の内容である。ステップS03にて、フローチャートは完結する。その後、レーザビームプリンタ1は待機状態となる。
【0077】
ステップS02において、ユーザが選択した言語が、{ロシア語/スウェーデン語/オランダ語/ドイツ語/モンゴル語}ではない場合は、ステップS04を実行する。
【0078】
ステップS04では、ユーザが選択した言語が、{ギリシャ語/アラビア語}のいずれかであるか判別する。
【0079】
ユーザが選択した言語が{ギリシャ語/アラビア語}であった場合は、ステップS05を実行する。ギリシャやアラビア語を話す中近東は、乾燥しているため、印刷媒体および画像形成装置の転写ローラ11の抵抗値が通常値と比べて大きくなる。したがって、ステップS05では、転写時の転写電圧の値を大きい値に設定値を変更する。本実施例では、通常時の転写電圧は1000VDCに対して乾燥環境においては1600VDCを引加する。この変更は、他の値に変更されるまでは何回印刷を行っても保存される。ステップS05にて、フローチャートは完結する。その後、レーザビームプリンタ1は待機状態になる。
【0080】
ステップS04においてユーザが選択した言語が{ギリシャ語/アラビア語}ではない場合は、ステップS06を実行する。ステップS06では、ユーザが選択した言語が、{マレー語}であるか判別する。
【0081】
ユーザが選択した言語が{マレー語}であった場合は、ステップS07を実行する。マレーシアは高温高湿の気候である。したがって、1つ目に、印刷媒体および画像形成装置の転写ローラ11の抵抗値が通常値と比べて小さくなる。ステップS07において転写時の転写電圧の値を小さい値に設定する。本実施例においては、通常時の転写電圧は1000VDCに対して高湿環境では500VDCを引加する。
【0082】
2つ目に高温であるため、定着器12が冷めた状態から使用する場合のヒータに投入する電力を通常時の600Wから高温時の500Wに設定変更する。
【0083】
3つ目に高温であるため、連続プリント時の定着器12の設定温度を徐々に減らす制御を標準よりも速いタイミングで行う。本実施例においては、定着器12の設定温度は1枚目200℃、40枚目190℃、80枚目180℃である(グラフは省略する)。ステップS07を実行し終えると、フローチャートは終了し、レーザビームプリンタ1は待機状態になる。
【0084】
ステップS06において{マレー語}ではない場合は、ステップS08を実行する。ステップS08では、ユーザが選択した言語が、{ヒンディー語/フィリピノ語}であるか判別する。
【0085】
ユーザが選択した言語が{ヒンディー語/フィリピノ語}であった場合は、ステップS09を実行する。インドおよびフィリピンでは、年間を通して高温である。したがって、1つ目は定着器が冷めた状態から使用する場合のヒータに投入する電力を通常時の600Wから高温時の500Wに設定変更する。
【0086】
2つ目は、連続プリント時の定着器の設定温度を徐々に減らす制御を標準よりも速いタイミングで行う。本実施例においては、定着器の設定温度は1枚目200℃、40枚目190℃、80枚目180℃である(グラフは省略する)。ステップS09を実行し終えると、フローチャートは終了し、プリンタは待機状態になる。
【0087】
ステップS08において、ユーザが選択した言語が{ヒンディー語/フィリピノ語}ではない場合は、フローチャートは終了し、レーザビームプリンタ1は待機状態になる。
【0088】
上述のように、表示パネルの表示文字の言語設定を変えた際に、選択した言語が特徴ある環境で使用されている場合に、転写制御や定着制御を変えることが本実施例の特徴である。
【0089】
また、画像形成装置が温度や湿度を管理した室内で使用される場合、前記転写制御の変更や定着制御の変更が災いして画像不良を引き起こす場合がある。このような場合のために、本実施例の画像形成装置では、ユーザの操作によって転写制御と定着制御をそれぞれ標準に戻すことができる機能を備えている。
【実施例2】
【0090】
画像形成装置の一つであるマルチファンクションプリンタ101に、本発明を適用した第2の事例について以下、説明する。前記マルチファンクションプリンタ101の概略構成図を図7に示す。
【0091】
図7において、131は原稿140を読み取るイメージスキャナ部である。イメージスキャナ部131において、138は画像読取を担うCIS(コンタクトイメージセンサ)である。135、137、139は原稿140を搬送する搬送ローラである。原稿トレイにセットされた原稿140は、搬送ローラ135、137に運ばれて、CIS138の上を通る際に画像データとして読み取られる。読み取られた原稿140は搬送ローラ139によって機外に排紙される。120は印刷を行う画像形成部である(画像形成部の説明は省略する)。116は、ファクシミリ送受信を行うための通信部である。これらイメージスキャナ部131、画像形成部120、通信部116をエンジンコントローラ114が機能的に働かせることにより、マルチファンクションプリンタ101は、読み取り、プリント、コピー、ファクシミリの4つの機能を有する。
【0092】
ところで、ファクシミリ機能を利用するために、ユーザはマルチファンクションプリンタに使用国の情報および電話番号を登録する。このとき、本実施例では、使用国が設定されたことに伴い、エンジンコントローラ114は図6のフローチャートで示すようにマルチファンクションプリンタ101を制御する。以下、図6のフローチャートに従い制御の変更を説明する。
【0093】
図6のフローチャートにおいてステップS11は、ユーザが使用国の登録変更を行ったか否かを監視している状態を表している。表示言語の変更が発生した場合は、ステップS12を実施する。ステップS12は、ユーザが登録した国が、{ロシア/スウェーデン/オランダ/ドイツ/モンゴル}のいずれかである場合は、ステップS13を実行する。
【0094】
ロシア、スウェーデン、オランダ、ドイツ、モンゴルは、気温が30℃前後になることはあまりなく、気温が10℃以下になる日が多い。そこで、ステップS13において、定着器112の温度シーケンスを変更する。温度シーケンスの第1の変更点は、定着器112が冷めた状態からのプリント開始時に定着器112に投入する電力を標準600Wよりも多い800Wでエンジンコントローラ114は制御する。すると、10℃環境・600Wで、定着可能温度まで立ち上げるに40秒かかるところ、10℃環境・800Wで立ち上げることにより、30秒に短縮することができる。
【0095】
図4に本実施例における定着器の温度と立ち上げ時間のグラフを示す。図4において、点線が10℃環境・600Wの場合(A)である。太線が10℃環境・800Wの場合(B)である。
【0096】
また、電源ON時に、定着器112の故障検知兼、定着器112を予め暖める動作においても、気温が低い地域では投入電力を切り替えることによって加熱時間を短縮することができる。
【0097】
定着器112の温度シーケンスの第2の変更点は、連続プリント時の定着温度を減じる傾きを緩やかにする。以下、詳しく説明する。標準時、連続プリント時の定着器112の温度設定は、1枚目200℃とすると、50枚目に190℃、100枚目以降は180℃となるように制御する(前記、標準時の連続プリント時の定着器112の温度設定を図5−Aに記す。)。したがって、気温が低い地域(レーザプリンタの温度も低い)では、1枚目200℃、50枚目195℃、100枚目190℃、200枚目以降185℃となるように制御を行う(これを図5−Bに示す)。以上がステップS13である。ステップS13でフローチャートは完結する。その後、マルチファンクションプリンタは待機状態となる。
【0098】
ステップS12において、ユーザが登録した国が、{ロシア/スウェーデン/オランダ/ドイツ/モンゴル}ではない場合は、ステップS14を実行する。
【0099】
ステップS14では、ユーザが登録した国が、{エジプト/UAE/クウェート/イラク/ギリシャ}のいずれかであるか判別する。
【0100】
ユーザが登録した国が{エジプト/UAE/クウェート/イラク/ギリシャ}であった場合は、ステップS15を実行する。エジプト/UAE/クウェート/イラク/ギリシャは、乾燥しているため、印刷媒体102および画像形成装置の転写ローラ111の抵抗値が通常値と比べて大きくなる。したがって、ステップS15では、転写時の転写電圧の値を大きい値に設定値を変更する。本実施例では、通常時の転写電圧は1000VDCに対して乾燥環境においては1600VDCを引加する。ステップS15にて、フローチャートは完結する。その後、マルチファンクションプリンタ101は待機状態になる。
【0101】
ステップS14においてユーザが登録した国が{エジプト/UAE/クウェート/イラク/ギリシャ}ではない場合は、ステップS16を実行する。ステップS16では、ユーザが登録した国が、{マレーシア/コンゴ/シンガポール}であるか判別する。
【0102】
ユーザが選択した国が{マレーシア/コンゴ/シンガポール}のいずれかであった場合は、ステップS17を実行する。マレーシア/コンゴ/シンガポールは高温高湿の気候である。したがって、1つ目に、印刷媒体102および画像形成装置の転写ローラ111の抵抗値が通常値と比べて小さくなる。ステップS17において転写時の転写電圧の値を小さい値に設定する。本実施例においては、通常時の転写電圧は1000VDCに対して高湿環境では500VDCを引加する。
【0103】
2つ目に高温であるため、定着器112が冷めた状態から使用する場合のヒータに投入する電力を通常時の600Wから高温時の500Wに設定変更する。
【0104】
3つ目に高温であるため、連続プリント時の定着器112の設定温度を徐々に減らす制御を標準よりも速いタイミングで行う。本実施例においては、定着器112の設定温度は1枚目200℃、40枚目190℃、80枚目180℃である(グラフは省略する)。ステップS17を実行し終えると、フローチャートは終了し、マルチファンクションプリンタ101は待機状態になる。
【0105】
ステップS16において、ユーザが選択した国が{マレーシア/コンゴ/シンガポール}ではない場合は、ステップS18を実行する。ステップS18では、ユーザが選択した国が、{インド/フィリピン/インドネシア/サウジアラビア}であるか判別する。
【0106】
ユーザが選択した国が{インド/フィリピン/インドネシア/サウジアラビア}であった場合は、ステップS19を実行する。これらの国は、年間を通して気温が高い。したがって、1つ目は、定着器112が冷めた状態から使用する場合のヒータに投入する電力を通常時の600Wから高温モードの500Wに設定変更する。
【0107】
2つ目は、連続プリント時の定着器の設定温度を徐々に減らす制御を標準よりも速いタイミングで行う。本実施例においては、定着器の設定温度は1枚目200℃、40枚目190℃、80枚目180℃である(図示は省略する)。ステップS19にて、フローチャートは完了する。その後、マルチファンクションプリンタ101は待機状態になる。
【0108】
ステップS18において、ユーザが選択した国が{インド/フィリピン/インドネシア/サウジアラビア}ではない場合は、何も変更しないまま、フローチャートは完了する。その後、マルチファンクションプリンタ101は待機状態になる。
【0109】
上述のように、ファクシミリ機能に必要な使用国情報を登録した際に、登録された国が特徴ある気候の国である場合に、転写制御や定着制御を変えることが第2の実施例の特徴である。
【0110】
また、画像形成装置が温度や湿度を管理した室内で使用される場合、前記転写制御の変更や定着制御の変更が災いして画像不良を引き起こす場合がある。このような場合のために、本実施例のマルチファンクションプリンタ121は、ユーザの操作によって転写制御と定着制御をそれぞれ標準に戻すことができる機能を備えている。
【実施例3】
【0111】
画像形成装置の一つであるレーザビームプリンタ1に、本発明を適用した第3の事例について、以下、説明する。
【0112】
第3の実施例においては、図2に示すレーザビームプリンタ1に加えて、レーザビームプリンタ1に接続しているコンピュータ20も必要となる。前記コンピュータ20は、オペレーティングシステム(以降、OSと記載する)と呼ばれるソフトによってコントロールされている。本実施例のOSは、タイムゾーンとしてユーザのおおよその所在地をユーザは登録を完了している。さらに、日付および時間情報もOSに登録済みである。また、前記コンピュータ20には、前記レーザビームプリンタ1を駆動するためのプリンタドライバソフトがインストールされている。
【0113】
始めに、コンピュータ20上で起動しているアプリケーションソフトからプリント命令が出される。続いて、プリンタドライバは、OSより使用国情報と、月・日・時間の情報を入手する。そして、プリンタドライバは、印刷データと、使用国情報と、月・日・時間の情報をレーザビームプリンタ1に送信する。前記印刷データは、画像データ生成ボード15で、画像データに変換される。前記画像データと使用国情報と月・日・時間の情報は、エンジンコントローラ14に送られる。エンジンコントローラ14は、制御テーブルに照らし合わせ、転写のモード、定着モードを決定する。
【0114】
図8に、制御テーブルの一部を示す。例えば、プリンタドライバから送られた情報が、日本・8月15日11時23分の場合、転写モードは、高湿モードで、定着モードは高温モードに決まる。高湿モードでは、転写電圧を500VDCにする(標準時の転写電圧は1000VDCである)。そして、高温モードの1つ目の制御は、定着器12が冷めた状態から使用する場合のヒータに投入する電力を通常時の600Wから高温時の500Wに設定変更する。高温モードの2つ目の制御は、連続プリント時の定着器12の設定温度を徐々に減らす制御を標準よりも速いタイミングで行う。本実施例においては、定着器12の設定温度は1枚目200℃、40枚目190℃、80枚目180℃である(グラフは省略する)。続いて、プリントを開始する。ここで画像形成の詳細な説明は省略する。
【0115】
上述のように、レーザビームプリンタ1に接続されたコンピュータ20から使用国情報と月・日・時間の情報を入手して、各国の使用月・日・時間に応じた気候で、転写制御や定着制御を変えることが第3の実施例の特徴である。
【0116】
また、画像形成装置が温度や湿度を管理した室内で使用される場合、前記転写制御の変更や定着制御の変更が災いして画像不良を引き起こす場合がある。このような場合を回避するために、本実施例のレーザビームプリンタ1は、ユーザの操作によって転写制御と定着制御をそれぞれ標準に戻すことができる機能を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施例1のフローチャートである。
【図2】実施例1および3のレーザビームプリンタの概略構成を示した断面図である。
【図3】図2のレーザビームプリンタの表示パネルの図である。
【図4】実施例1の定着器の立ち上がり時の温度グラフである。
【図5】実施例1の連続プリント時の定着器の温度制御の設定値と印字枚数の関係を示す図である。
【図6】実施例2のフローチャートである。
【図7】実施例2のマルチファンクションプリンタの概略構成を示した断面図である。
【図8】実施例3における画像形性装置の制御手段が制御方法を決定する際に用いるテーブル(抜粋)を示す図である。
【図9】背景技術のレーサビームプリンタの概略構成を示した断面図である。
【符号の説明】
【0118】
1 レーザビームプリンタ
11 転写ローラ
12 定着器
14 エンジンコントローラ
15 画像データ生成装置
16 液晶表示画面
17 操作キー
20 コンピュータ
131 ファクシミリ装置(イメージスキャナ部)
116 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段を有する定着装置と、表示する言語を選択できる機能を有する表示手段とを備えた画像形成装置において、選択された言語が特定の言語である場合に、特別な定着温度シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
加圧力を変えることができる加圧手段を有する定着装置と、表示する言語を選択できる機能を有する表示手段とを備えた画像形成装置において、選択された言語が特定の言語である場合に、特別な定着加圧シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
転写電圧または転写電流を変えることができる転写手段と、表示する言語を選択できる機能を有する表示手段とを備えた画像形成装置において、選択された言語が特定の言語である場合に、特別な転写バイアスシーケンスで転写を行う転写制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
搬送速度を変えることができる搬送手段と、表示する言語を選択できる機能を有する表示手段とを備えた画像形成装置において、選択された言語が特定の言語である場合に、特別な搬送速度で搬送を行う搬送制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4いずれかにおいて、特定の言語とは、その言語を使用している人々が暮らしている気候が高温多湿であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から4いずれかにおいて、特定の言語とは、その言語を使用している人々が暮らしている気候が低温であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から4いずれかにおいて、特定の言語とは、その言語を使用している人々が暮らしている気候が乾燥していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1において、言語に基づいて定着温度シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項2において、言語に基づいて定着加圧シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項3において、言語に基づいて転写バイアスシーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項4において、言語に基づいて搬送速度を選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
加熱手段を有する定着装置と、使用国情報を設定する設定手段を有するファクシミリ装置とを備えた画像形成装置において、設定された使用国が特定の国である場合に、特別な定着温度シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
加圧力を変えることができる加圧手段を有する定着装置と、使用国情報を設定する設定手段を有するファクシミリ装置とを備えた画像形成装置において、設定された使用国が特定の国である場合に、特別な定着加圧シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
転写電圧または転写電流を変えることができる転写手段と、使用国情報を設定する設定手段を有するファクシミリ装置とを備えた画像形成装置において、設定された使用国が特定の国である場合に、特別な転写バイアスシーケンスで転写を行う転写制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
搬送速度を変えることができる搬送手段と、使用国情報を設定する設定手段を有するファクシミリ装置とを備えた画像形成装置において、設定された使用国が特定の国である場合に、特別な搬送速度で搬送を行う搬送制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項12から15いずれかにおいて、特定の国とは、その国の気候が高温多湿であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項12から15いずれかにおいて、特定の国とは、その国の気候が低温であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項12から15いずれかにおいて、特定の国とは、その国の気候が乾燥していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項12において、使用国情報に基づいて定着温度シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
請求項13において、使用国情報に基づいて定着加圧シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
請求項14において、使用国情報に基づいて転写バイアスシーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項22】
請求項15において、使用国情報に基づいて搬送速度を選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項23】
設置した国情報および日時情報を有するコンピュータに接続され、かつ、加熱手段を有する定着装置を備えた画像形成装置において、前記コンピュータより使用国および日時の情報を前記画像形成装置に伝達する情報伝達手段を有し、前記コンピュータより得た使用国および日時情報が特定の国および日時である場合に、特別な定着温度シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項24】
設置した国情報および日時を有するコンピュータに接続され、かつ、加圧力を変えることができる加圧手段を有する定着装置を備えた画像形成装置において、前記コンピュータより使用国および日時の情報を前記画像形成装置に伝達する情報伝達手段を有し、前記コンピュータより得た使用国および日時情報が特定の国および日時である場合に、特別な定着加圧シーケンスで定着を行う定着制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項25】
設置した国情報および日時を有するコンピュータに接続され、かつ、転写電圧または転写電流を変えることができる転写手段を備えた画像形成装置において、前記コンピュータより使用国および日時の情報を前記画像形成装置に伝達する情報伝達手段を有し、前記コンピュータより得た使用国および日時情報が特定の国および日時である場合に、特別な転写バイアスシーケンスで転写を行う転写制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項26】
設置した国情報および日時を有するコンピュータに接続され、かつ、搬送速度を変えることができる搬送手段を備えた画像形成装置において、前記コンピュータより使用国および日時の情報を前記画像形成装置に伝達する情報伝達手段を有し、前記コンピュータより得た使用国および日時情報が特定の国および日時である場合に、特別な搬送速度で搬送を行う搬送制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項27】
請求項23から26いずれかにおいて、特定の国および日時とは、その国のその時期の気候が高温多湿であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項28】
請求項23から26いずれかにおいて、特定の国および日時とは、その国のその時期の気温が低温であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項29】
請求項23から26いずれかにおいて、特定の国および日時とは、その国のその時期の気候が乾燥していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項30】
請求項23において、使用国および日時情報に基づいて定着温度シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項31】
請求項24において、使用国および日時情報に基づいて定着加圧シーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項32】
請求項25において、使用国および日時情報に基づいて転写バイアスシーケンスを選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項33】
請求項26において、使用国および日時情報に基づいて搬送速度を選択する機能を働かせない制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項34】
請求項23から26いずれかにおいて、設置した国情報および日時を有するコンピュータとは、OS(オペレーティングシステム)上に国情報および日時情報を入力したコンピュータであり、前記コンピュータに接続されたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−13862(P2006−13862A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187830(P2004−187830)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】