説明

画像形成装置

【課題】吸気/排気部におけるフィルタの交換および取り扱いを容易かつ簡単にする。
【解決手段】装置本体1の筺体の外装カバー2に吸気口3を設け、該吸気口3の内部に吸込ファン4を設置する。吸気口3を両側に横長形状の空気流通開口5が複数設けられたカバー体6により覆う。このカバー体6を、外装カバー2に対して簡単に取り外し、および取り付けができるように着脱可能に保持する。前記カバー体6の空気流通開口5と吸気口3の吸込ファン4間のカバー体6内部に、空気フィルタ体(防塵フィルタ)7を介在させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,ファクシミリ,プリンタなどの画像形成装置に係り、特に吸気/排気部分の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の画像形成部として一般的に採用されている電子写真方式では、装置本体内の温度上昇を防止するためファンモータが設置され、さらに外部からの塵埃を装置本体内に入れないために空気フィルタが設置されている。
【0003】
そして、画像形成装置におけるファンとフィルタとの設置構成として、特許文献1〜3に記載されているような各種の構成が提案され、実施されている。
【特許文献1】特開平5−113708号公報
【特許文献2】特開平8−95474号公報
【特許文献3】特開2002−318514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来において画像形成装置の空気フィルタは、一般的には装置本体の筺体の裏面に両面テープなどで固定されていた。そのため、フィルタが目詰まりしたときの交換が困難であるという課題があった。
【0005】
本発明の目的は、従来技術の課題を解決し、フィルタの交換および取り扱いが容易かつ簡単な構成の画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、装置本体内に画像形成部が搭載され、装置本体の筺体に吸気口と排気口とが設置されている画像形成装置において、前記吸気口または前記排気口にファンを設置し、前記吸気口または前記排気口を覆うように空気流通開口を形成したカバー体を前記筺体に着脱可能に設け、前記カバー体に前記吸気口または前記排気口に対向させて空気フィルタ体を設置したことを特徴とし、この構成によって、空気フィルタ体をファンとは独立した着脱可能なカバー体に設けたため、空気フィルタ体の目詰まり時の交換が容易になる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、複数の吸気口または排気口をカバー体により覆い、前記吸気口または前記排気口に対応して、それぞれ空気フィルタ体を設置したことを特徴とし、この構成によって、ファンを複数設けている場合でも、1つのカバー体の操作で全てのフィルタ交換が可能になり、交換の作業性がよくなる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、カバー体の一部を、筺体に回動可能に支持したことを特徴とし、この構成によって、カバー体を筺体から取り外して別の位置に置くことなく、空気フィルタ体の交換作業を行うことが可能になる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3いずれか1項記載の画像形成装置において、カバー体の内壁部に空気フィルタ体を保持する保持部を設けたことを特徴とし、この構成によって、カバー体に空気フィルタ体が保持されるため、カバー体の開閉時における空気フィルタ体の取り扱いが容易になり、交換作業が簡単に行える。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4いずれか1項記載の画像形成装置において、空気フィルタ体を、カバー体の空気流通開口に対する設置位置をずらせて保持可能にしたことを特徴とし、この構成によって、フィルタを1回の使用で破棄することなく、設置位置をずらすことにより複数回使用することが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、防塵フィルタ,オゾンフィルタなどの空気フィルタ体を、ファンとは独立した着脱可能なカバー体に設けたため、フィルタ体の目詰まり時における交換を容易かつ簡単に行うことができ、フィルタ交換作業が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態を説明するための画像形成装置の分解斜視図であり、画像形成装置の装置本体1内には電子写真式の画像形成部(図示せず)が内蔵され、装置本体1の筺体の外装カバー2には、本例では2つの吸気口3が設けられ、各吸気口3の内部に吸込ファン4が設置されている。
【0014】
各吸気口3は、両側に横長形状の空気流通開口5が複数設けられているカバー体6により覆われるようになっている。カバー体6は、外装カバー2に対して簡単に取り外し、および取り付けができるように着脱可能に保持される。
【0015】
カバー体6の空気流通開口5と吸気口3の吸込ファン4間のカバー体6内部に、それぞれ空気フィルタ体(防塵フィルタ)7を介在させ、外部から塵埃などが装置本体1内に入ることを防止している。
【0016】
カバー体6の下辺(図1では右側辺)には、外装カバー2に設けられた第1の差込口8に嵌挿入される突出部9が一対突設され、また、カバー体6の上辺(図1では左側辺)には、外装カバー2に設けられた第2の差込口10に嵌挿される側面視倒U状の爪付部材11が設けられている。
【0017】
図2は図1のA−A部分を断面して本実施形態のカバー体の開放状態を示す断面図である。
【0018】
爪付部材11は可撓性かつ弾性を有する構造になっており、フィルタ交換時、爪付部材11のU状部分の先端11aを弾発力に抗して下に押し下げ、かつ爪付部材11を手前方向(図2では左方向)へ引くことにより、爪部11bと第2の差込口10の周部との嵌合が外れ、カバー体6によって覆われている吸気口3部分が開放される。この開放された状態でもカバー体6は、外装カバー2の第1の差込口8に突出部9が引っ掛かった状態で斜めになって保持される。
【0019】
このため、カバー体6を外装カバー2から取り外して別の位置に置くことなく、空気フィルタ体7の取り外し,取り付けが行われるため、フィルタ体の交換作業が容易になる。
【0020】
カバー体6の裏側(内側壁部)には、図1に示すように、空気フィルタ体7の外周形状に合致させた形状のリブ6aを設けて、空気フィルタ体7が不用意に動かないようにしてある。
【0021】
また、図3に示すように、カバー体6の裏側に突起形状部6bを設け、空気フィルタ体7における前記突起形状部6bに対応する位置に切込み部7aを設け、カバー体6の突起形状部6aに切込み部7aを嵌着させることにより、空気フィルタ体7の保持を確実にすることができる。
【0022】
また、図4に示す空気フィルタ体の変形例では、空気フィルタ体7の上側部と下側部に第1の切込み部7a−1と第2の切込み部7a−2とを設け、カバー体6の裏側に設けられている突起形状部6bに嵌着した状態において、第1の切込み部7a−1と第2の切込み部7a−2とでは、空気フィルタ体7におけるカバー体6の空気流通開口5に対する位置が上下方向でずれるようにしている。
【0023】
このようにしたことにより、装置の長期稼動により、空気フィルタ体7におけるカバー体6の空気流通開口5に対向する部位に汚れ,塵埃などが付着しても、本例では、突起形状部6bに嵌着されている第1の切込み部7a−1を第2の切込み部7a−2に替えて嵌着することにより、空気フィルタ体7の汚れ,塵埃などが付着している部位Bがカバー体6の空気流通開口5からずれ、汚れ,塵埃などBが付着していない部位Cを空気流通開口5に対向するように保持することができる。
【0024】
したがって、一部のみが汚れている空気フィルタ体7を1回の使用で破棄することなく、設置位置をずらすことにより複数回使用することが可能になる。
【0025】
なお、前記実施形態では吸気口3に関する構成例を説明したが、オゾンフィルタなどが設けられる排気口部分にも前記と同様なカバー体,フィルタの構成、およびそれらと他部材との関連構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、複写機,ファクシミリ,プリンタなどの画像形成装置における吸気/排気部分に適用され、特に容易かつ簡単なフィルタの交換および取り扱いが要求され画像形成装置に実施して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態を説明するための画像形成装置の分解斜視図
【図2】図1のA−A部分を断面して本実施形態のカバー体の開放状態を示す断面図
【図3】本実施形態に係る空気フィルタ体の保持構造を示す斜視図
【図4】本実施形態に係る空気フィルタ体の変形例を示す斜視図
【符号の説明】
【0028】
1 装置本体
2 外装カバー
3 吸気口
4 吸込ファン
5 空気流通開口
6 カバー体
6a リブ
6b 突起形状部
7 空気フィルタ体
7a,7a−1,7a−2 切込み部
8,10 差込口
9 突出部
11 爪付部材
11a 先端部
11b 爪部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内に画像形成部が搭載され、装置本体の筺体に吸気口と排気口とが設置されている画像形成装置において、
前記吸気口または前記排気口にファンを設置し、前記吸気口または前記排気口を覆うように空気流通開口を形成したカバー体を前記筺体に着脱可能に設け、前記カバー体に前記吸気口または前記排気口に対向させて空気フィルタ体を設置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の前記吸気口または前記排気口を前記カバー体により覆い、前記吸気口または前記排気口に対応して、それぞれ前記空気フィルタ体を設置したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カバー体の一部を、前記筺体に回動可能に支持したことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバー体の内壁部に前記空気フィルタ体を保持する保持部を設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記空気フィルタ体を、前記カバー体の前記空気流通開口に対する設置位置をずらせて保持可能にしたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−201345(P2006−201345A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11338(P2005−11338)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】