説明

画像形成装置

【課題】 装置自体のサイズやコストを抑えたモノクロ用画像形成装置並びにこのモノクロ用画像形成装置を利用したカラー用画像形成装置を提供する。
【解決手段】 モノクロ画像を形成するモノクロユニット1と、このモノクロユニット1に着脱自在に設けられ且つモノクロ画像以外のカラー画像を形成するカラーユニット7と、モノクロユニット1及びカラーユニット7の少なくともいずれか一方に着脱自在に設けられ、制御装置4並びにベース電源5が含まれるベースユニット3と、夫々のユニット相互間に設けられ、モノクロユニット1及びベースユニット3の組合せ態様並びにモノクロユニット1、カラーユニット7及びベースユニット3の組合せ態様にて、制御装置4及びベース電源5から作像エンジン2,8に関係する各部品2a,8aへの配線を各ユニット相互間にて直結可能としたユニット接続手段6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、モノクロ画像からカラー画像へのアップグレードが容易に実現可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば電子写真方式を用いたプリンタでは、モノクロ対応機種とカラー対応機種とが混在して使用されているが、市場でのカラー化への要請は益々高まりつつある。
このような要請の下、ユーザーにおいては、モノクロプリンタからカラープリンタへの切換は機種変更で行う方式が通常採られる。しかしながら、カラープリンタ自体の装置価格が高価なことや、モノクロプリンタを廃棄するという環境負荷影響もあり、市場でのモノクロプリンタからカラープリンタへのアップグレードを簡単且つ低コストで行うことが要望されてきている。
【0003】
そのような課題を解決するために、例えばモノクロプリンタに対し、ユーザー側でのユニット追加で、フルカラー化を可能とする方式が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1では、1つのケースに格納された作像エンジンと、制御装置及び駆動装置を1つのケースに格納し、この2つのケースと更に給紙カセットを脱着可能とした基体ユニットを備え、この基体ユニットの上に複数の作像エンジンを積み重ねる方式が記されている。また、特許文献2では、単色の作像ユニットを横方向に任意の数だけ連結することを可能にする方式が記されている。
【0004】
【特許文献1】特許第2788312号公報(実施例、第9図)
【特許文献2】特開2000−81827号公報(発明の実施の形態、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの方式にあっては、モノクロプリンタからカラープリンタへのアップグレードに際し、単独の作像エンジンを有するユニットを次々連結する方式としていることから、接続するユニット数が増えるとユニット間の配線は非常に多くなることが想定される。そのため、各ユニット間の信号伝達は通信によって行われるようになっている。このような通信手段は、例えばホームユース等の低コストが一層要請される場合、プリンタのコスト上昇に繋がる懸念がある。また、これらの方式では、単独の作像エンジンのユニットを連結するため、例えばフルカラー用プリンタを構築するには、装置が大型化する傾向にある。
【0006】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、安定したカラー画像が得られるカラー画像形成装置へのアップグレードが容易になされ、更に、装置自体のサイズやコストを抑えたモノクロ用画像形成装置並びにこのモノクロ用画像形成装置を利用したカラー用画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、記録媒体上にモノクロ画像を形成するモノクロ用作像エンジン2が含まれるモノクロユニット1と、このモノクロユニット1に着脱自在に設けられ且つモノクロ画像以外のカラー画像を形成するカラー用作像エンジン8が含まれるカラーユニット7と、モノクロユニット1及びカラーユニット7の少なくともいずれか一方に着脱自在に設けられ、モノクロ用作像エンジン2及びカラー用作像エンジン8に関係する各部品2a,8aを制御する制御装置4並びに電源供給を可能にするベース電源5が含まれるベースユニット3と、夫々のユニット相互間に設けられ、モノクロユニット1及びベースユニット3の組合せ態様並びにモノクロユニット1、カラーユニット7及びベースユニット3の組合せ態様にて、制御装置4及びベース電源5から作像エンジン2,8に関係する各部品2a,8aへの配線を各ユニット相互間にて直結可能としたユニット接続手段6とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
このような技術的手段において、モノクロ用作像エンジン2及びカラー用作像エンジン8は、記録媒体上に画像を形成できるものであればよく、特に限定されないが、代表的態様としては電子写真方式が挙げられる。ここで、「作像エンジンに関係する各部品」とは、電子写真方式に限らず作像エンジンに使用される制御可能な部品を意味するが、例えば電子写真方式の帯電、露光、現像、転写、定着工程に関係する各部品が挙げられ、この中にはセンサ、ソレノイド、クラッチ等をも含む趣旨である。
また、モノクロ用作像エンジン2は、特に色は限定されないが、代表的にはブラック(K)画像を作像する態様が挙げられる。
更に、カラー用作像エンジン8は、モノクロ用作像エンジン2によるモノクロ画像以外のカラー画像を形成するものであればよく、代表的にはイエロ(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)画像を作像する態様が挙げられる。
【0009】
本発明における制御装置4は、モノクロユニット1内のモノクロ用作像エンジン2に関係する各部品2a及びカラーユニット7内のカラー用作像エンジン8に関係する各部品8aを制御できるものであればよく、外部からの画像信号等の情報が伝送される情報取込部を設けることが好ましく、このことにより、外部情報の取り込みが容易になる。また、制御装置4には、例えば外部からの画像信号を処理する画像処理部を含む態様であっても差し支えない。
また、ベース電源5は、モノクロ用作像エンジン2及びカラー用作像エンジン8に関係する各部品2a,8aへの電源供給を直流で行うようにしてもよいし、直流と交流を混在させるようにしてもよい。
【0010】
特に、本発明では、モノクロユニット1及びベースユニット3の組合せ態様並びにモノクロユニット1、カラーユニット7及びベースユニット3の組合せ態様にて、制御装置4及びベース電源5から作像エンジン2,8に関係する各部品2a,8aへの配線を各ユニット相互間にて直結可能としたユニット接続手段6を使用したので、図1(b)に示すようなモノクロ用画像形成装置並びに(a)に示すようなカラー用画像形成装置のいずれの態様においても、特に通信手段等の高価なデバイスを不要とし、コストアップを抑えることが可能になる。尚、「直結可能」とは、ユニット相互間で特に通信手段等のデバイスを備えず、接続される態様を意味し、例えばバッファ等を介して接続することは含む趣旨である。
【0011】
また、ユニット接続手段6としては、ユニット相互間に一対型コネクタを設けることが好ましく、一対型コネクタを使用することで、ユニット相互の着脱が一層容易に行われるようになる。ここで、一対型コネクタとは、雄雌の一対のコネクタを意味し、ユニットを連結する際、同時に接続されるものをいう(例えばドロワコネクタ)。
更に、ユニット接続手段6として、例えばベースユニット3とモノクロユニット1間に設けられるユニット接続手段6は、ベースユニット3側の配線数をモノクロユニット1側の配線数より多くする方が好ましく、ユニット接続手段6としてコネクタを使用した場合、少ない端子数のものとすることができ、コストの低減が可能になる。
【0012】
また、本発明では、カラーユニット7を除いて、モノクロユニット1とベースユニット3との組合せ態様においては、モノクロユニット1とベースユニット3との配置は鉛直方向、水平方向いずれであっても差し支えないが、装置の小型化を図る観点からは、モノクロユニット1をベースユニット3の上方に積載配置させる方が好ましい。
更に、モノクロユニット1、カラーユニット7及びベースユニット3の組合せ態様においては、各ユニットの配置は鉛直方向、水平方向いずれであっても差し支えないが、装置の小型化を図る観点からは、ベースユニット3、カラーユニット7、モノクロユニット1の順に上方へ積載配置することが好ましい。
このように、カラーユニット7を中央に位置するようにすれば、モノクロユニット1とベースユニット3とで構成されるモノクロ用画像形成装置から、カラー用画像形成装置へのアップグレードが容易になる。
【0013】
また、モノクロ用作像エンジン2にてブラック(K)、カラー用作像エンジン8にてイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の画像形成を行うようにすれば、フルカラー対応に有効なカラー用画像形成装置を容易に構築することができるようになる。
【0014】
更にまた、本発明では、上述した画像形成装置のうち静電潜像をトナーにて可視像化する方式の態様にあっては、記録媒体上に形成された少なくともモノクロ画像若しくはカラー画像を定着する定着装置をモノクロユニット1に設け、記録媒体を供給する記録媒体供給装置をベースユニット3に設けることで、装置の小型化を一層図ることが可能になる。尚、静電潜像をトナーにて可視像化する方式としては、電子写真方式、静電記録方式を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、モノクロユニット、カラーユニット及びベースユニットの夫々に通信手段を具備し、モノクロユニット及びベースユニットの組合せ態様並びにモノクロユニット、カラーユニット及びベースユニットの組合せ態様にて、制御装置及びベース電源から作像エンジンに関係する各部品への配線を各ユニット相互間にて直結可能としたユニット接続手段を設けたので、特に通信手段等の高価なデバイスを不要にし、小型でコストを抑えたモノクロ用画像形成装置及びカラー用画像形成装置を提供することが可能になる。
また、モノクロ用画像形成装置からカラー用画像形成装置へのアップグレードが、容易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、本実施の形態における画像形成装置は、モノクロプリンタであり、記録媒体としての用紙を供給する給紙カセット21を有するベースユニット20と、このベースユニット20の上部にブラック(K色)トナー像を作像するKユニット30が着脱自在に配設されている。
【0017】
ベースユニット20には、給紙カセット21が引き出し可能に設けられ、この給紙カセット21から用紙を1枚ずつ送り出すための捌き機構22が給紙カセット21の用紙排出位置近傍に設けられている。そして、この捌き機構22では、ピックアップロール22aによって給紙カセット21から送り出された用紙が、フィードロール22bとリタードロール22cの作用によって捌かれて、最上部の1枚の用紙のみが下流側へ搬送されるようになっている。
【0018】
一方、Kユニット30にはK色用のトナーカートリッジ40が設けられ、ベースユニット20内の給紙カセット21から搬送される用紙上にK色トナー像を形成するようになっている。
トナーカートリッジ40は、後方に設けられたレーザ露光装置(ROS:Raster Output Scanner)42からのレーザ光によって静電潜像が形成された感光体41をK色トナーで現像し、感光体41上の静電潜像を顕像化させるようにしたものである。
また、トナーカートリッジ40の感光体41と対向する位置には、感光体41上に形成されたK色トナー像を用紙上に転写する転写ロール43が設けられている。
【0019】
更に、Kユニット30には、トナーカートリッジ40より用紙搬送方向下流側に、用紙上に転写ロール43にて転写されたK色トナー像を定着するための定着装置50が配設されている。尚、この定着装置50は、例えば加熱ロール51と加圧ロール52とで構成されている。
そして、この定着装置50の用紙搬送方向下流側で、Kユニット30の出口近傍には、K色トナー像が定着された用紙を、Kユニット30のハウジングの一部で構成される排紙トレイ31上に排出する排出ロール44が設けられている。
【0020】
ここで、本実施の形態における用紙の搬送経路について説明する。
本実施の形態では、給紙カセット21から捌き機構22を経由してKユニット30側へ向かい、転写部位(転写ロール43と感光体41とのニップ域で構成される)、定着装置50を通って排出ロール44へと導く通常搬送路61と、排出ロール44を反転動作させて、排出ロール44に一旦ニップされた用紙を、通常搬送路61と異なる搬送方向へ導き、転写部位より上流側に反転搬送する反転搬送路62とを備えている。尚、符号63は、これらの通常搬送路61及び反転搬送路62に設けられ、用紙を搬送する複数の搬送ロールである。
【0021】
次に、本件の特徴点である配線経路について、図3のブロック図を基に説明する。
ベースユニット20には、モノクロプリンタ内の各種ブロックへの駆動電源を供給する低電圧電源(LVPS:Low Voltage Power Supply)23、外部記録媒体やパソコンあるいはスキャナ等から読み取ったデータに基づいて画像データを生成する画像処理部(ESS:Electric Sub System)24及びESS24からの信号に基づいてKユニット30内の作像エンジンに関係する各部品を制御する制御装置(MCU:Main Control Unit)25が設けられている。尚、図中符号24aは、ESS24へ外部からの情報を取り込む情報取込部としての外部端子であり、例えばパソコンのプリンタケーブルが接続されるようになっている。
そして、本実施の形態におけるMCU25は、モノクロプリンタからカラープリンタへのアップグレードを可能にするように、フルカラー(例えばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色)対応の制御装置となっていることから、アップグレードに際しても、十分対応可能となっている。
【0022】
一方、Kユニット30には、K色用ROS(K−ROS)34、作像エンジンの各種高電圧を供給するK色用高圧電源(K−HVPS:High Voltage Power Supply)35、トナーカートリッジ40(図2参照)内の各種デバイス、Kユニット30内の各種センサ、ソレノイド、クラッチ等からなるK色用デバイス(K−Device)36及び定着装置(Fuser)50が配設されている。
【0023】
そして、特に、本実施の形態では、ベースユニット20とKユニット30との間には、接続手段としてのコネクタ100が設けられ、このコネクタ100によって両ユニット間の配線接続を可能にしている。
そのため、ベースユニット20内のMCU25からKユニット30内の各ブロックに配線される信号ライン(図中実線で表記)やLVPS23からKユニット30内の各ブロックへ給電される給電ライン(図中破線で表記)は全てこのコネクタ100を介して行われるようになっている。尚、MCU25からESS24及びLVPS23への信号ライン並びにLVPS23からMCU25及びESS24への給電ラインはベースユニット20内部で配線されている。
更に、本実施の形態では、コネクタ100のうち、ベースユニット20側のコネクタA101とKユニット30側のコネクタB102とは、同じ端子数であり、コネクタA101には信号ラインが結線されているが、コネクタB102には結線されていない箇所がある。これは、将来、モノクロプリンタからカラープリンタへのアップグレードを考慮したものとなっている(図では3本(3系統を意味する)の配線が未結線となっている)。
【0024】
以上のように、本実施の形態においては、ベースユニット20とKユニット30との間をコネクタ100で接続するようにしたので、両ユニットが簡単に着脱自在となり、また、特に通信手段等のデバイスを不要としたことにより、小型、低コストに有効なモノクロプリンタを提供することが可能になる。
【0025】
◎実施の形態2
図4は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2を示すものであり、実施の形態1のモノクロプリンタがアップグレードされ、カラープリンタを構成したものとなっている。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0026】
本実施の形態におけるカラープリンタは、実施の形態1のモノクロプリンタのベースユニット20とKユニット30との間に、3色(具体的にはイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色)のトナーカートリッジ71(具体的には71a〜71c)を有するカラーユニット70を装着したものとなっている。
このカラーユニット70には、内部のトナーカートリッジ71の後方に、トナーカートリッジ71内に収容された感光体77(具体的には77a〜77c)に潜像を形成するためのカラー用ROS78(具体的には78a〜78c)が設けられている。
また、トナーカートリッジ71の感光体77と対向する位置には、感光体77上にて現像された各色のトナー像を用紙に転写するための転写ロール79(具体的には79a〜79c)が設けられている。
そして、本実施の形態では、これらの転写ロール79と感光体77との間に、用紙を搬送するための用紙搬送ベルト80が張架ロール81,82に掛け渡され、3色のトナーカートリッジ71に亘って回動自在に構成されている。尚、この用紙搬送ベルト80は、帯電装置83によって用紙が帯電されて、用紙搬送ベルト80上に用紙を密着させて搬送するようになっている。
【0027】
更に、本実施の形態における用紙の搬送経路は、実施の形態1同様、通常搬送路61と反転搬送路62とで構成されており、ベースユニット20からカラーユニット70を経由してKユニット30まで、用紙搬送に支障がないようになっている。
そのため、ベースユニット20内の給紙カセット21から搬送された用紙は、捌き機構22を通って通常搬送路61に導かれ、帯電装置83によって用紙搬送ベルト80上に吸着された後、用紙搬送ベルト80の移動に合わせてカラーユニット70内を搬送されるようになっている。そして、このカラーユニット70内の3色のトナーカートリッジ71によって、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像が用紙上に順次転写される。
その後、張架ロール82に達した用紙は、図示外の剥離爪等によって用紙搬送ベルト80から剥離され、Kユニット30内に導かれ、Kユニット30内のトナーカートリッジ40によってK色トナー像が転写された後、用紙上に転写された4色のトナー像が定着装置50にて定着される。そして、定着を終えた用紙は、排出ロール44から排紙トレイ31に排出される。
【0028】
このようなカラープリンタにおいて、本件の特徴点である配線経路について、図5に基づいて説明する。図5は、カラーユニット70を搭載した状態のカラープリンタにおける配線経路を示すブロック図であり、実施の形態1で示したモノクロプリンタのベースユニット20とKユニット30との間に、カラーユニット70を搭載したものとなっている。尚、実施の形態1(図3参照)と同様の構成要素には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0029】
本実施の形態におけるカラーユニット70には、カラー用ROS(YMC−ROS)74、カラー用高圧電源(YMC−HVPS)75及びカラーユニット70のトナーカートリッジ71内の各種デバイス、カラーユニット70内の各種センサ、ソレノイド、クラッチ等からなるカラー用デバイス(YMC−Device)76が設けられている。
【0030】
また、本実施の形態では、ベースユニット20とカラーユニット70間及びカラーユニット70とKユニット30間に夫々コネクタ100,110が設けられ、夫々のユニット間の配線経路を接続するようになっている。
ベースユニット20とカラーユニット70との間にあるコネクタ100は、ベースユニット20側のコネクタA101とカラーユニット70側のコネクタD112で構成され、カラーユニット70とKユニット30との間にあるコネクタ110は、カラーユニット70側のコネクタC111とKユニット30側のコネクタB102とで構成されている。
【0031】
本実施の形態では、ベースユニット20内のMCU25からカラーユニット70側へ接続される信号ライン(図では7本で表記)及びLVPS23から接続される給電ライン(図では2本で表記)がコネクタ100で接続されている。尚、MCU25からESS24及びLVPS23への信号ライン並びにLVPS23からMCU25及びESS24への給電ラインはベースユニット20内部で配線されている。
また、カラーユニット70内では、コネクタ100に接続された7本の信号ラインと2本の給電ラインのうち、各ブロックに3本の信号ラインと1本の給電ラインとが接続され、信号ライン4本と、給電ライン2本(1本は共用ライン)とがKユニット30側へ配線されるようになっている。
そのため、カラーユニット70とKユニット30との間のコネクタ110では、信号ライン4本と、給電ライン2本とが配線されるようになっている。
【0032】
すなわち、図3で示した実施の形態1では、ベースユニット20とKユニット30との間に設けられたコネクタ100のうち、ベースユニット20側のコネクタA101とKユニット30側のコネクタB102とでは、コネクタB102の信号ラインの配線数が3本少なかったが、本実施の形態では、この3本の位置に合致させてコネクタD112からカラーユニット70内の各ブロック(YMC−ROS74、YMC−HVPS75、YMC−Device76)に配線するようにしている。また、カラーユニット70内のコネクタC111の配線位置をKユニット30内のコネクタB102の配線位置に合致させていることから、モノクロプリンタのベースユニット20とKユニット30との間にカラーユニット70を装着させるだけで、カラープリンタへアップグレードさせることが可能になる。
【0033】
このように、本実施の形態では、ベースユニット20、カラーユニット70、Kユニット30夫々の間の配線をコネクタ100,110を介して直接行うようにしたので、両ユニットが簡単に着脱自在となり、また、特に通信手段等のデバイスを不要としたことにより、小型、低コストに有効なカラープリンタを提供することが可能になる。
更に、モノクロプリンタからカラープリンタへのアップグレードを容易に行うことができるようになる。
【0034】
◎実施の形態3
図6は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態3を示す配線経路を示すブロック図である。本実施の形態は、実施の形態1のモノクロプリンタと同様に構成されるが、接続手段としてのコネクタの配置が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0035】
本実施の形態では、ベースユニット20とKユニット30との間のコネクタとして、2箇所に分割され、両ユニット間で結合されるコネクタ100(コネクタA101とコネクタB102とで構成される)と、ベースユニット20にのみ設けられるコネクタ120(コネクタE121のみで構成される)とがある。
そして、ベースユニット20のMCU25からKユニット30に配線される信号ライン4本と、LVPS23から配線される給電ライン2本とがコネクタ100に配線され、MCU25から配線される3本の信号ラインとLVPS23から配線される1本の給電ラインとは、コネクタE121にのみ配線されている。
【0036】
そのため、本実施の形態では、ベースユニット20とKユニット30との間の配線経路は十分確保され、モノクロプリンタとしての機能動作は確保されている。
また、両ユニット間でのコネクタを分割し、一部はベースユニット20にのみ備えるようにしたので、接続手段としてのコネクタのコストを抑えることが可能になる。
【0037】
このようなモノクロプリンタからカラープリンタへのアップグレードに際し、モノクロプリンタのベースユニット20とKユニット30との間にカラーユニット70を装着した場合の配線経路を図7にて示す。
同図において、ベースユニット20とカラーユニット70との間には、2箇所のコネクタ100,120とが設けられ、カラーユニット70とKユニット30との間には1箇所のコネクタ110が設けられている。
【0038】
コネクタ100は、ベースユニット20に設けられたコネクタA101と、カラーユニット70に設けられたコネクタD112とが結合されたもので、ベースユニット20内のMCU25からの信号ライン4本と、LVPS23からの給電ライン2本とが配線されている。
また、コネクタ120は、ベースユニット20の設けられたコネクタE121と、カラーユニット70に設けられたコネクタF122とが結合されたもので、MCU25からの信号ラインが3本、LVPS23からの給電ラインが1本配線されている。
更に、コネクタ110は、カラーユニット70に設けられたコネクタC111とKユニット30に設けられたコネクタB102とが結合されたもので、コネクタ100の配線がそのままカラーユニット70内を通過して、Kユニット30に配線されるようになっている。
【0039】
このようなコネクタ100,110,120を使用することで、ベースユニット20からKユニット30への配線は、全てコネクタ100及びコネクタ110を介して行うことができ、両コネクタ100,110間の配線を、例えばリボンケーブルやフラットケーブル等の簡単な配線にすることも可能となり、カラーユニット70のコスト上昇を抑えることが可能になる。
また、ベースユニット20とカラーユニット70間及びカラーユニット70とKユニット30間での配線経路が十分確保され、カラープリンタとしての機能動作も十分確保される。
更に、カラーユニット70とKユニット30間のコネクタを小さくできることから、コストを抑えたカラープリンタを提供することが可能になる。
【0040】
◎実施の形態4
図8は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態4を示す。本実施の形態は、上述した実施の形態2のカラープリンタの、ベースユニット20、カラーユニット70及びKユニット30を略水平方向に配設したものである。尚、実施の形態2と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0041】
同図において、本実施の形態におけるカラープリンタでは、ベースユニット20の給紙カセット21から搬送された用紙は、カラーユニット70内の3色のトナーカートリッジ71(71a〜71c)と、Kユニット30内のK色用のトナーカートリッジ40によってフルカラーのトナーが転写され、その後、定着装置50にて定着が行われるようになっている。尚、符号78(78a〜78c)は3色のROS、符号42はK色のROSとなっている。
本実施の形態のごとく、ベースユニット20、カラーユニット70、Kユニット30を水平方向に配置するようにしても、ベースユニット20、カラーユニット70及びKユニット30間の配線経路の接続手段として、コネクタを使用して直接接続していることから、実施の形態2と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(a)(b)は本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図であり、(a)はカラー用画像形成装置、(b)はモノクロ用画像形成装置の概要を示す。
【図2】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の画像形成装置の配線経路の概要を示す説明図である。
【図4】実施の形態2に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図5】実施の形態2の画像形成装置の配線経路の概要を示す説明図である。
【図6】実施の形態3に係る画像形成装置の配線経路の概要を示す説明図である。
【図7】実施の形態3のカラー用画像形成装置の配線経路の概要を示す説明図である。
【図8】実施の形態4に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1…モノクロユニット,2…モノクロ用作像エンジン,2a…関係する各部品,3…ベースユニット,4…制御装置,5…ベース電源,6…ユニット接続手段,7…カラーユニット,8…カラー用作像エンジン,8a…関係する各部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上にモノクロ画像を形成するモノクロ用作像エンジンが含まれるモノクロユニットと、
このモノクロユニットに着脱自在に設けられ且つモノクロ画像以外のカラー画像を形成するカラー用作像エンジンが含まれるカラーユニットと、
モノクロユニット及びカラーユニットの少なくともいずれか一方に着脱自在に設けられ、モノクロ用作像エンジン及びカラー用作像エンジンに関係する各部品を制御する制御装置並びに電源供給を可能にするベース電源が含まれるベースユニットと、
夫々のユニット相互間に設けられ、モノクロユニット及びベースユニットの組合せ態様並びにモノクロユニット、カラーユニット及びベースユニットの組合せ態様にて、制御装置及びベース電源から作像エンジンに関係する各部品への配線を各ユニット相互間にて直結可能としたユニット接続手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
ユニット接続手段は、ユニット相互間に設けられる一対型コネクタであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
ベースユニットとモノクロユニット間に設けられるユニット接続手段は、ベースユニット側の配線数がモノクロユニット側より多いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置のうちカラーユニットを除いてモノクロユニットとベースユニットとの組合せ態様において、
モノクロユニットは、ベースユニットの上方に配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置のうちモノクロユニット、カラーユニット及びベースユニットの組合せ態様において、
これらのユニットは、ベースユニット、カラーユニット、モノクロユニットの順に上方へ積載配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置において、
モノクロ用作像エンジンは、ブラック(K)色のトナー像を形成するものであり、カラー用作像エンジンは、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置のうち静電潜像をトナーにて可視像化する方式の態様において、
モノクロユニットには、記録媒体上に形成された画像を定着する定着装置が設けられ、ベースユニットには、記録媒体を供給する記録媒体供給装置が設けられることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−208778(P2006−208778A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−21308(P2005−21308)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】