説明

画像形成装置

【課題】用紙の種類に応じた適切な腰を確実に付けることができ、両面に画像形成するときに異音が生じることを抑制できる画像形成装置1を提供する
【解決手段】本画像形成装置1では、画像が形成された用紙P0を機外へ排出するための第1および第2の排出ローラ16,17の手前に設けられ、用紙に腰P3を付けるための腰付け部材25を有する。両面画像形成時には、用紙の一部P2を機内に残した状態で残りの部分を一旦機外へ排出した後、当該用紙P0をスイッチバックさせて再び機内へ取り込む。腰付け部材25は、下流側搬送路12C内に突出していて、圧縮コイルばね28により弾力付勢された状態で、保持部材27により突出方向F4に変位自在に支持されていて、用紙との摺接圧力に応じて突出量が変化し、用紙に応じた適切な腰P3を付ける。用紙がスイッチバックされるときに、腰付け部材25を突出しない状態に切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、用紙の両面に画像を形成できるものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の画像形成装置では、先ず、用紙の表面に画像を形成し、表面に画像が形成された用紙を一旦機外へ排出する。このとき、排出される用紙の後端部を機内に残す。その後、当該用紙をスイッチバックさせて再び機内へ取り込み、取り込んだ用紙の裏面に画像を形成するようにしている。
【0003】
また、特許文献1の画像形成装置では、用紙に画像を形成した後に、用紙を機外に排出する際に、用紙にいわゆる腰を付ける。この腰は、コルゲーションとも呼ばれ、用紙に形成された波形状であり、この波形状の頂部は用紙の搬送方向に延びて筋をなしている。用紙に腰を付けることにより、排出される用紙に巻き癖が残ることを防止して、巻き癖に起因して用紙が乱雑に積載されることを防止するようにしている。
【0004】
用紙に腰を付けるには、通例、用紙を機外に排出するための一対の排出ローラが利用される(例えば、特許文献1,2,3参照。)。一方の排出ローラの外周には所定深さの周溝が形成され、この周溝に他方の排出ローラの外周がはめ込まれる。一対の排出ローラの外周の間を用紙が通る際に、腰が溝の深さに相当する一定高さで付けられる。
【特許文献1】特許第3463449号公報
【特許文献2】特許第2863660号公報
【特許文献3】特許第2729405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の画像形成装置のように、両面印刷の途中で用紙を一旦機外へ排出してスイッチバックさせるタイプであって、用紙に腰を付ける画像形成装置においては、腰付きの用紙が機内を搬送されるときに、異音が生じることがある。
また、特許文献1の画像形成装置では、腰の大きさは、一定であるので、用紙に適した大きさでないことがある。というのは、用紙の種類に応じて、適した腰の大きさは異なるからである。例えば、薄紙では、巻き癖の防止には、大きな腰を付ける必要があるが、大きな腰を付けるための排出ローラを設けて、この排出ローラに厚紙を通すと、厚紙が傷んでしまう。逆に、厚紙が傷まないような排出ローラを設けて、この排出ローラに薄紙を通すと、薄紙に大きな腰を形成できず、薄紙の巻き癖を防止できない。このような課題は、特許文献2,3にも存在する。
【0006】
そこで、この発明の目的は、用紙に応じた適切な腰を確実に付けることができ、しかも、両面に画像形成するときに異音が生じることを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、用紙搬送路を搬送される画像が形成された用紙を機外へ排出するための排出ローラと、排出ローラの手前に設けられ、用紙搬送路内に突出していて、用紙搬送路を搬送される用紙と摺接し、搬送方向と直交する直交方向に起伏する波形状を用紙に付けることにより、排出される用紙に腰を付けるための腰付け部材と、表面に画像が形成された用紙に対し、上記排出ローラで用紙後端部を機内に残して後端部以外の部分を一旦機外へ排出した後、当該用紙をスイッチバックさせて再び機内へ取り込み、取り込んだ用紙の裏面に画像を形成する両面画像形成機能と、を有する画像形成装置において、上記腰付け部材は、突出方向に弾力付勢されており、用紙との摺接圧力に応じて突出方向と反対方向に変位して突出量が変化し得る構成を有し、上記排出ローラにより用紙がスイッチバックされることに連動して、上記腰付け部材を用紙搬送路内に突出しない状態に切り換える切り換え手段が備えられることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、腰付け部材の突出量が用紙との摺接圧力に応じて変化するので、例えば、用紙が薄紙の場合は、摺接圧力が弱く、用紙搬送路に突出している腰付け部材は反突出方向にあまり変位せず、その突出量が大きいままである。従って、薄紙にはしっかりとした腰を付けることができる。逆に、搬送される用紙が厚紙の場合は、用紙と腰付け部材との摺接圧力が大きく、腰付け部材は反突出方向に変位して、その突出量が小さくなる。よって、厚紙への腰付け量は少なくなる。このように、用紙に適した量の腰を確実に付けることができる。
【0009】
また、用紙がスイッチバックされて用紙の裏面にも画像が形成される場合には、スイッチバックされる間、腰付け部材は用紙搬送路内に突出しない状態に切り換わるので、スイッチバックされる用紙には、腰付け部材による腰付け処理は行われない。従って、両面複写されるために機内に取り込まれた用紙では、無用な腰は付けられておらず、両面複写のために搬送される用紙が搬送路等と擦れて異音等が生じることを抑制できる。また、搬送路に沿ってスムーズに用紙が搬送され、両面複写時におけるジャムの発生等の原因となることもない。
【0010】
また、本発明では、上記腰付け部材は、搬送方向と直交し且つ用紙に沿う方向に延びる支軸によって支持されており、上記腰付け部材は、当該支軸を中心に回動して倒れた状態になることにより用紙搬送路内に突出しない状態に切り換わる場合がある。この場合、腰付け部材は回動することにより、腰付けするために突出する腰付け状態と、腰付けをしない倒れた状態とに切り換わることができる。しかも、搬送方向と直交し且つ用紙に沿う方向に複数の腰付け部材を配置する場合、腰付け部材を共通の支軸により保持できるから、腰付け部材に関係する構造を簡素化できる。
【0011】
また、本発明では、上記切り換え手段は、支軸を中心に腰付け部材を回動させるソレノイドを含む場合がある。この場合、ソレノイドにより腰付け部材の状態を切り換えるので、腰付けが必要なときと、腰付けが必要でないときとに応じ、腰付け部材を最適な状態に制御できる。
また、本発明において、上記切り換え手段は、スイッチバックされる用紙の端部であり、腰付け部材は、用紙の端部がぶつかることにより上記支軸を中心に回動して倒れた状態になる場合がある。この場合、スイッチバックされる用紙の先端により腰付け部材が倒されるので、腰付けが不要な両面複写時に、用紙に誤って腰が付けられることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置が複写機である場合に則して説明するが、本発明はこれに限らず、例えば、プリンタ、ファクシミリ等であってもよい。
図1は、本発明の第1実施形態の画像形成装置の概略構成の模式図である。
画像形成装置1は、画像形成装置1の上部に配置されていて原稿画像を読み取るための読取部2と、原稿画像に応じて読取部2により得られる画像データに基づき用紙P0に画像を形成する画像形成部3と、この画像形成部3へ用紙P0を供給する用紙供給部4と、用紙供給部4から画像形成部3を通って機外へ用紙P0を搬送する用紙搬送装置としての用紙搬送部5と、画像形成装置1の上述の各部2,3,4,5の動作を制御するための制御部6とを有している。
【0013】
画像形成部3は、画像形成装置1の上下方向の中央部に配置されている。画像形成部3は、読取部2からの画像データに応じた所定のビーム光を得るためのレーザビーム発生装置7と、感光体ドラム8を含みこれに所定のビーム光に応じた潜像を形成してこの潜像をトナー像に顕像化する作像部9と、トナー像を転写材としての用紙P0に転写する転写部10と、転写されたトナー像を用紙P0に加熱定着させる定着部11とを有している。
【0014】
用紙搬送部5は、画像形成装置1の一方の側部に沿って配置されている。用紙搬送部5は、用紙P0を用紙搬送路12A,12B,12C,12D,12Eに沿って搬送して排出トレイ13へ排出する。用紙搬送路12A,12B,12C,12D,12Eは、互いに接続されて、全体としてループ形状をなしている。用紙搬送路12A,12B,12C,12D,12Eでは、用紙P0は、案内部材(図示せず)に沿って案内され、回動するローラ(図示せず)により送られる。なお、図1においては、用紙搬送路12A〜12Eの搬送方向を示す矢印により用紙搬送路12A〜12Eを図示している。
【0015】
用紙P0は、用紙供給部4から画像形成部3へ用紙搬送路12A(上流側搬送路12Aともいう。)に沿って搬送され、画像形成部3では用紙搬送路12Bに沿って搬送され、画像形成部3から機外としての排出トレイ13へ向けて用紙搬送路12C(下流側搬送路12Cともいう。)に沿って搬送される。排出トレイ13は、下流側搬送路12Cの終端部14に臨んで、画像形成部3と読取部2との間に配置され、機外に開放されている。
【0016】
用紙搬送路12D(戻し搬送路12Dともいう。)は、下流側搬送路12Cの終端部14および上流側搬送路12Aの合流部15を接続し、下流側搬送路12Cの終端部14から上流側搬送路12Aの合流部15へ用紙P0を搬送するために設けられている。
また、下流側搬送路12Cの終端部14には、第1および第2の排出ローラ16,17が配置されている。第1および第2の排出ローラ16,17は、正転することにより、下流側搬送路12Cを搬送される用紙P0であって画像が形成された用紙P0を機外の排出トレイ13へ向けて送り出して排出する。
【0017】
また、下流側搬送路12Cの終端部14は、戻し搬送路12Dの開始端部と共用されている。用紙P0の両面に画像を形成する場合には、下流側搬送路12Cに沿って排出トレイ13へ向けて搬送された用紙P0をスイッチバックさせて戻し搬送路12Dへ導入し、用紙P0の裏表を反転させるようにしている。
すなわち、第1および第2の排出ローラ16,17が正転することにより、用紙P0が下流側搬送路12Cを搬送される。搬送された用紙P0における下流側搬送路12Cの搬送方向F1についての後端部が、第1および第2の排出ローラ16,17の位置に達すると、第1および第2の排出ローラ16,17は回動を一端停止される。これにより、用紙P0の後端部が機内に残され、後端部以外の用紙P0の部分は、排出トレイ13に排出される。第1および第2の排出ローラ16,17は逆転することにより、用紙P0の上記後端部を先頭側にして戻し搬送路12Dを搬送される。
【0018】
用紙搬送路12Eは、下流側搬送路12Cの分岐部18から戻し搬送路12Dの所定部19へ用紙P0を搬送するために設けられている。下流側搬送路12Cの分岐部18には、用紙P0の搬送方向を切り換えるための分岐レバー20が設けられている。
分岐レバー20は、定着部11から送り出される用紙P0の搬送方向を、下流側搬送路12Cに沿う方向と、分岐搬送路12Eに沿う方向とのいずれか一方に切り換える。
【0019】
制御部6は、図示しないが、制御中枢としてのマイクロコンピュータと、これに接続されて使用者が操作するための操作部とを含む。操作部からの入力信号に従って、マイクロコンピュータは予め記憶されたプログラムに基づいて各部2,3,4,5を制御する。
また、本実施形態の画像形成装置1は、用紙P0の両面に画像を形成する両面画像形成機能を有している。この機能のための構成として、用紙搬送部5の戻し搬送路12Dと、用紙搬送部5および画像形成部3の動作を制御しつつこれらの動作を順次自動的に行うための両面画像形成用制御手段としての制御部6とが備えられている。
【0020】
両面画像形成時には、制御部6は、以下の手順で制御を行う。先ず、用紙P0を用紙搬送路12A,12B,12Cに沿って搬送し、その間に、用紙P0の表面P4に画像を画像形成部3により形成する。表面P4に画像が形成された用紙P0を、用紙搬送路12Cの終端部14でスイッチバックさせて用紙搬送路12Dに戻す。用紙P0を、用紙搬送路12Dを経て用紙搬送路12A,12B,12Cに沿って搬送する。スイッチバックして用紙搬送路12Dを経て用紙搬送路12Aに戻された用紙P0は、表面P4に画像を形成するときに対して裏表が逆になっている。用紙P0の裏面P5に画像を画像形成部3により形成する。両面に画像を形成された用紙P0を排出トレイ13に排出する。
【0021】
図2は、図1に示す画像形成装置の要部としての第1および第2の排出ローラ16,17の近傍部分の一部断面図であり、用紙P0が下流側搬送路12Cに沿って搬送される状態を示す。図3は、図2に示す画像形成装置1の要部の一部断面図であり、用紙P0が戻し搬送路12Dに沿って搬送される状態を示す。先ず、図2を参照する。
第1および第2の排出ローラ16,17は、排出トレイ13に臨んで、下流側搬送路12Cの終端部14の上下両側に配置されている。
【0022】
第1の排出ローラ16は、第1のローラ軸21により回動可能に支持されている。第1のローラ軸21は、図示しない電動モータの出力軸に連動可能に連結され、この電動モータにより駆動される。制御部6の制御のもとで、電動モータの出力軸が一方または他方の向きに回動されると、第1の排出ローラ16が正転または逆転する。
第2の排出ローラ17は、第1の排出ローラ16と平行に且つ対向して配置されている。第2の排出ローラ17は、第2のローラ軸22により回動自在に支持されていて、また、第1の排出ローラ16と対向する方向、例えば上下方向に変位可能に支持され、第1の排出ローラ16へ向けて弾力的に付勢されている。第2の排出ローラ17は、第1の排出ローラ16と直接に接触した状態で、またはその間に用紙P0を挟んだ状態で、第1の排出ローラ16に連動する。また、第1および第2の排出ローラ16,17は、用紙P0の厚みに応じてその間隔を調節しつつ、その間に用紙P0を挟み込んで搬送する。
【0023】
第1および第2の排出ローラ16,17の近傍であって、機内側には、用紙搬送路12Cの終端部14を区画するための第1および第2の区画部材23,24が配置されている。また、本実施形態の画像形成装置1では、排出トレイ13に排出される用紙P0に腰P3(図4参照)を付けるための腰付け部材25が、一方の区画部材としての第1の区画部材23に配置されている。
【0024】
第1および第2の区画部材23,24は、上下方向に所定間隔を開けて互いに対向している。第1の区画部材23は、第2の排出ローラ17に近接して配置されている。第2の区画部材24は、第1の排出ローラ16に近接して配置されている。
下流側搬送路12Cの終端部14は、腰付け部材25と対向する第2の区画部材24から所定距離離れた位置までの帯状の領域(一点鎖線で図示した。)内に区画されている。上述の所定距離は、搬送される用紙P0が移動するときの帯状の軌跡の巾に相当する距離であり、用紙P0に何等の影響なく用紙P0が搬送されるのに必要な距離である。
【0025】
腰付け部材25は、下流側搬送路12Cの終端部14において、第1および第2の排出ローラ16,17の手前に、すなわち、用紙P0を機内から排出トレイ13に排出する向きに搬送するときの搬送方向F1について第1および第2の排出ローラ16,17よりも上流側の位置に、第2の排出ローラ17に近接して配置されている。
腰付け部材25は、搬送方向F1と直交し且つ用紙P0に沿う方向F3(図4参照)に延びる支軸26によって支持されており、支軸26の中心軸線の周りに支軸26と一体回動可能とされる。支軸26は第1の区画部材23に支持されている。腰付け部材25は、支軸26の中心軸線の周りの所定角度範囲、すなわち、図2に示す所定角度範囲の一方の端部と、図3に示す所定角度範囲の他方の端部との間で回動可能とされ、また、所定角度範囲の両方の端部を超えて回動しないように両方の端部では回動を規制されている。
【0026】
図2に示すように、腰付け部材25が、支軸26を中心に一方の向き(図2で時計周りの向き)に回動して所定角度範囲の一方の端部にあり、起き上がった状態になることにより、腰付け部材25が用紙搬送路としての下流側搬送路12Cの終端部14内に突出する状態になる。図3に示すように、腰付け部材25が、支軸26を中心に他方の向きに回動して所定角度範囲の他方の端部にあり、倒れた状態になることにより、腰付け部材25が下流側搬送路12Cの終端部14内に突出しない状態になる。突出する状態と突出しない状態との2つの状態は、用紙P0の搬送される方向に応じて、切り換えられる。
【0027】
また、腰付け部材25は、突出方向F4、例えば用紙P0と垂直に交差する方向に弾力付勢されており、用紙P0との摺接圧力に応じて突出方向F4と反対方向F5に変位して突出量が変化し得る構成を有している。上述の摺接圧力は、搬送される用紙P0が腰付け部材25を摺動時に押圧する力であり、同じ用紙で比べると、腰付け部材25の突出量が多いほどに、摺接圧力は高くなる傾向にある。また、腰付け部材25の突出量が同じ場合で比べると、用紙P0の剛性が高いほどに、摺接圧力は高くなる傾向にある。
【0028】
上述の突出量が変化しうる構成として、支軸26と一体回転できるように固定されていて腰付け部材25を突出方向F4に変位自在に保持する保持部材27と、保持部材27に保持されて腰付け部材25を突出方向F4に弾力的に付勢する付勢部材であり且つ弾性部材としての圧縮コイルばね28とが備えられている。腰付け部材25は、支軸26と、保持部材27と、圧縮コイルばね28とを介して支持されている。
【0029】
本実施形態では、図2に示すように、用紙P0が下流側搬送路12Cを搬送される場合に、腰付け部材25の突出量が大きいときには、搬送される用紙P0に対して付けられる腰P3は波高の大きな波形状となり、しっかりとした腰P3が付けられる。一方、突出量が小さければ、搬送される用紙P0に対して小さな波高の波形状の腰P3が付けられ、波高に相当する腰付け量も少ない。腰付け部材25の突出量は、用紙P0との摺接圧力に応じて変化する。例えば用紙P0が薄紙の場合は、摺接圧力が弱く、用紙搬送路12C内に突出している腰付け部材25は反突出方向F5にあまり変位せず、その突出量が大きいままである。従って、薄い用紙P0に対してはしっかりとした腰P3を付けることができる。逆に、搬送される用紙P0が厚紙の場合は、用紙P0と腰付け部材25との摺接圧力が大きく、腰付け部材25は反突出方向F5に変位して、その突出量が小さくなる。よって、厚紙に付けられる腰付け量は少なくなる。
【0030】
また、図3に示すように、用紙が戻し搬送路12Dを搬送される際には、腰付け部材25は、終端部14内に突出しないようにされている。終端部14は、戻し搬送路12Dの開始端部と共用されている。従って、腰付け部材25の先端部は、戻し搬送路12Dの開始端部内に突出せず、特に、本実施形態では、区画部材23の表面から突出しないように配置されていて、用紙に接触せず、用紙に腰を付けないようにされている。
【0031】
本実施形態では、腰付け部材25は、起き上がった状態と倒れた状態とに、分岐レバー20と連動して回動して変位するようにされている。
分岐レバー20は、略3角形形状をなし、その中心部でレバー軸29と一体回動可能とされ、レバー軸29の中心軸線の周りに回動可能に、レバー軸29を介して第1の区画部材23に支持されている。分岐レバー20は、制御部6の制御により、図2に示す第1の位置と図3に示す第2の位置とに変位する。
【0032】
図2に示すように、分岐レバー20が第1の位置にあるときに、下流側搬送路12Cは用紙P0を搬送可能とされ、腰付け部材25は起き上がった状態にされる。図3に示す分岐レバー20が第2の位置にあるときに、腰付け部材25は倒れた状態にされる。
また、上述の第1および第2のローラ軸21,22と、支軸26と、レバー軸29とは、互いに平行に配置されている。
【0033】
また、本実施形態では、第2の排出ローラ17、分岐レバー20、第1の区画部材23、腰付け部材25等は、一体的なユニットを構成している。
図4は、図2に示す第2の排出ローラ17等を含むユニットの斜視図である。 図5は、このユニットの要部の斜視図である。図4を参照する。
このユニットでは、複数、例えば4つの第2の排出ローラ17が、第2のローラ軸22の軸方向に間隔を開けて互いに同心に配置されている。また、図4には図示していないが、複数の第1の排出ローラ16が、第2の排出ローラ17と同様に軸方向に離隔して配置され、第2の排出ローラ17と対向して配置されている。
【0034】
図4および図5を参照して、複数、例えば3つの腰付け部材25が、その支軸26の軸方向に間隔を開けて配置されている。腰付け部材25は、支軸26の軸方向について第2の排出ローラ17を避けた位置、例えば、隣接する第2の排出ローラ17の間の位置に、複数カ所、例えば3箇所に配置されている。複数の腰付け部材25は、支軸26を介して一体的に変位できるように互いに連結されている。
【0035】
また、複数の分岐レバー20が、レバー軸29の軸方向に間隔を開けて配置され、レバー軸29を介して一体的に変位できるように互いに連結されている。
また、ユニットは、分岐レバー20および腰付け部材25を変位可能に駆動するための駆動源としてのソレノイド30と、ソレノイド30の駆動力をレバー軸29に伝達する第1の伝達機構31と、ソレノイド30の駆動力を支軸26に伝達する第2の伝達機構32とを有している。
【0036】
図5を参照して、ソレノイド30は、コイル(図示せず)を含むソレノイド本体33と、ソレノイド本体33に進退自在に保持される軸状の出力部材34とを有している。また、図示しないが、出力部材34の進退方向M1,M2に沿う一方の向きM1に、出力部材34を付勢する戻しばねが設けられている。コイルが所定の通電方向に通電されると、出力部材34はソレノイド本体33側に退行し、非通電状態では出力部材34は戻しばねの力でソレノイド本体33から突出するように進出する。
【0037】
図6Aおよび図6Bは、第1および第2の伝達機構を説明するための模式図である。図6Aに分岐レバー20が第1の位置にある状態を示し、図6Bに分岐レバー20が第2の位置にある状態を示している。
第1の伝達機構31は、ソレノイド30の出力部材34に一体移動可能なピン35と、このピン35に嵌合状態で係合する長孔36を有するアーム37とを有している。アーム37は、レバー軸29の径方向に延びレバー軸29と一体回動可能とされている。出力部材34は、ピン35、アーム37およびレバー軸29を介して、複数の分岐レバー20に連結されている。
【0038】
第2の伝達機構32は、ソレノイド30の出力部材34とピン35を介して一端38aが一体変位可能な連結部材38と、連結部材38の他端38bとピン39を介して一端40aが一体変位可能とされ且つ他端40bが支軸26と一体回動可能なアーム40とを有している。連結部材38の一端38aは、ピン35の軸線の周りに、出力部材34に対して相対回動可能とされている。また、連結部材38の他端38bと、アーム40の一端40aとは、ピン39の軸線の周りに相対回動可能とされている。出力部材34は、ピン35、連結部材38、ピン39、アーム40および支軸26を介して複数の腰付け部材25と連結されている。
【0039】
図6Aに示すように、ソレノイド30の出力部材34がソレノイド本体33から向きM1に移動して進出しているときには、第1の伝達機構31により分岐レバー20は揺動して第1の位置に位置し、第2の伝達機構32により腰付け部材25は回動して起き上がった状態にある。
図6Bに示すように、ソレノイド30の出力部材34がソレノイド本体33に向きM2へ退行しているときには、分岐レバー20は第2の位置にあり、腰付け部材25は倒れた状態にある。
【0040】
ソレノイド30は、腰付け部材25の状態を切り換える切り換え手段として機能し、第1および第2の排出ローラ16,17により用紙P0がスイッチバックされることに連動して制御部6の制御の下で動作し、腰付け部材25を用紙搬送路12C内に突出する状態と、腰付け部材25を用紙搬送路12C内に突出しない状態とに切り換える。
図7は、腰付け部材25、支軸26等の分解斜視図である。
【0041】
腰付け部材25は、保持部材27の側面に摺動自在に嵌合する案内面としての内面41と、支軸26を挿通される長孔42とを有している。長孔42に支軸26を挿通させることにより、圧縮コイルばね28の伸縮に伴って腰付け部材25が突出方向F4に沿って進退する際に、腰付け部材25が保持部材27から脱落することが防止される。長孔26の周縁部は、腰付け部材25の脱落を防止する脱落防止手段として機能する。
【0042】
また、腰付け部材25は、用紙P0と摺接する摺接部43を含む。摺接部43は、腰付け部材25における搬送方向F1の上流側部分に配置され、搬送方向F1に対して湾曲状に傾斜し、搬送される用紙P0を乗り越えさせ易くするための案内面として機能する。
圧縮コイルばね28は、保持部材27の凹部に保持されて、保持部材27と腰付け部材25との間に介在している。腰付け部材25が用紙P0から摺接圧力を受けない状態では、圧縮コイルばね28は弾性変形していない自然状態かまたは小さな弾性変形量で圧縮弾性変形された状態とされている。腰付け部材25が用紙P0から摺接圧力を受ける状態では、圧縮コイルばね28は大きな弾性変形量で圧縮弾性変形された状態とされていて、腰付け部材25と保持部材27との距離が離れるように突出方向F4に付勢する。
【0043】
図2と図4を参照して、腰付け部材25が起き上がった状態で大きな突出量とされる場合には、腰付け部材25の先端部は、第1の区画部材23から、用紙搬送路12Cの終端部14内に向けて上方へ突出する。用紙P0が、第1および第2の排出ローラ16,17のニップ部間に挟持されつつ下流側搬送路12Cを通過するときに、腰付け部材25の先端部が下流側搬送路12Cの終端部14内に大きな突出量で突出した腰付け状態にあると、腰付け部材25は、用紙P0に局部的に摺接してこの用紙P0を変形させて、用紙P0に腰P3を付けるようにされている。腰P3は、搬送方向F1に直交する直交方向F6(用紙P0と交差する方向に相当する。)に起伏する波形状であって、波形状の頂部が搬送方向F1に延びていて、用紙P0の巻き癖を防止するために形成される。
【0044】
図8〜図10はそれぞれ、腰付け部材25の動作を説明するための模式図であり、薄紙が搬送される場合を図示している。また、図8、図9、図10の順に時間の経過に沿って図示されている。
本実施形態の画像形成装置1では、用紙P0の種類に応じて、腰付け部材25の動作が異なる。先ず、用紙P0が薄紙の場合の動作を説明する。次に、用紙P0が標準的な厚さの場合と、用紙P0が厚紙の場合とを、薄紙の場合との違いを中心に説明する。
【0045】
図8を参照する。用紙P0が用紙搬送路12Cを搬送される前に、分岐レバー20は第1の位置に位置し、腰付け部材25は起き上がった状態にされ、腰付け部材25の先端部が用紙搬送路12Cの終端部14内に最大突出量で突出した状態にされる。薄紙からなる用紙P0が用紙搬送路12Cを搬送されて、腰付け部材25に達すると、用紙P0の前端部P1(用紙搬送路12Cでの搬送方向F1についての前方側にある端部)が腰付け部材25の摺接面43に沿いつつ、用紙P0が腰付け部材25に乗り上げる。
【0046】
図9を参照して、用紙P0の前端部P1が腰付け部材25を乗り越えると、用紙P0は第1および第2の排出ローラ16,17のニップ部に挟持されつつ、起き上がり状態にある腰付け部材25による突出方向F4への付勢を受けて、用紙P0に腰P3が付けられる。このとき、腰付け部材25は、用紙P0からの摺接圧力を受けて、この摺接圧力に応じた圧縮コイルばね28の変形量で押し下げられることになるが、薄紙の通過時には、摺接圧力は小さいので、腰付け部材25の押し下げ量は小さくなる。従って、薄紙には、腰付け量の大きなしっかりした腰P3が付けられる。
【0047】
図10を参照して、用紙P0全体が腰付け部材25を乗り越えると、腰付け部材25は元の最大突出量で突出した状態に戻る。両面複写時には、次に用紙P0がスイッチバックされる。すなわち、図3を参照して、用紙P0の後端部P2が第1および第2の排出ローラ16,17間に挟持されている状態であって且つ腰付け部材25に乗り上げていない状態にあるときに、第1および第2の排出ローラ16,17の回動は一旦停止され、用紙P0の搬送が停止される。そして、分岐レバー20が第2の位置にされ、腰付け部材25は倒れた状態にされる。第1および第2の排出ローラ16,17は、逆向きに回動されて、用紙P0の後端部P2を先頭にして、戻し搬送路12Dを搬送される。このとき、用紙P0は腰付け部材25と接することはなく、用紙P0には腰P3が付けられないで済む。
【0048】
また、本実施形態では、スイッチバックされる用紙P0に腰P3が付けられているので、巻き癖が残らず、戻り搬送路12Dにおけるジャムの発生を防止できる。また、薄紙の腰はもともと弱いので、腰を付けても、異音を小さく抑制できる。
また、裏面P5への画像形成時には、腰P3が解消されることがあるが、裏面P5への画像形成後に再度腰P3が付けられる。その結果、排出トレイ13上で用紙P0を整理し易くできる。
【0049】
図11および図12は、標準的な厚さの用紙および厚紙の用紙P0が搬送されるときの腰付け部材25の動作を説明するための模式図であり、図9に示す状態に相当する状態を示している。用紙の厚みが大きくなるほどに、用紙P0が腰付け部材25の上方を通過する際の摺接圧力が薄紙の場合よりも大きくなる。その結果、腰付け部材25の押し下げ量が薄紙の場合よりも大きくなり、腰付け部材25の突出量も小さくなる。
【0050】
図11に示す標準的な厚さの用紙P0の場合、用紙P0には適度な大きさの小さな腰P3が付けられる。また、小さな腰P3であれば、用紙P0をスイッチバックさせて後の用紙搬送路12Dにおいて、異音を小さく抑制できる。
図12に示す厚紙では、用紙P0には腰P3は付けられない。従って、用紙P0をスイッチバックさせてから後に通過する搬送路においても、異音が生じることはない。
【0051】
このように本発明の実施形態によれば、薄紙に対してはしっかりとした腰P3が付けられ、逆に、厚紙に対しては、腰付け量の小さな腰P3が付けられ、用紙に応じた適度な腰P3が付けられる。厚紙は、もともとその腰P3が強く、機外へ搬出される際に撓んだりカールしたりすることがほとんどないから、腰付け量が少なくてもよい。一方、薄紙は、機外に排出される際に撓んだりカールすることが多いから、薄紙にしっかりと腰P3を付けることにより、薄紙が機外に排出される際に、しっかりと腰P3を付けることにより、排出後の用紙P0の整理がし易くなる。
【0052】
また、用紙P0がスイッチバックされて用紙P0の裏面P5にも画像が形成される場合には、腰付け部材25は用紙搬送路12D内に突出しない状態に切り換わるので、スイッチバックされている用紙P0には、腰付け部材25による腰付け処理は行われない。従って、両面複写されるために機内に取り込まれた用紙P0では、腰P3は全く付けられていないか、有用な腰P3はあっても無用な腰P3は付けられておらず、両面複写のために搬送される用紙P0が、用紙搬送路を区画する部材等と擦れて異音等が生じることを抑制できる。また、腰付け部材25が突出しないので、用紙搬送路12Dに沿ってスムーズに用紙P0が搬送され、両面複写時におけるジャムの発生等の原因となることもない。
【0053】
また、本発明では、腰付け部材25は支軸26により支持されて回動することにより、腰付けするために突出する腰付け状態としての起き上がり状態と、腰付けをしない倒れた状態とに切り換わるようにしている。搬送方向F1と直交し且つ用紙P0に沿う方向F3に複数の腰付け部材25を配置する場合、腰付け部材25を共通の支軸26により保持できるから、腰付け部材25に関係する構造を簡素化できる。
【0054】
また、本発明では、ソレノイド30により腰付け部材25の状態を切り換えるので、腰付けが必要なときと、腰付けが必要でないときとに応じ、腰付け部材25を最適な状態に制御できる。
スイッチバックされる際に用紙P0の一部としての前端部P1のみが排出トレイ13上に排出されるようにしている。スイッチバックさせる用紙P0のためのスペースを、機外への排出用の排出トレイ13と兼用するので、装置の小型化を図ることができる。
【0055】
また、本実施形態では、腰付け部材25を突出しない状態と突出する状態とに搬送方向に応じて切り換えるようにし、且つ、腰付け部材25を弾力付勢して用紙P0に適切に腰P3を付けるようにしている。これにより、例えば、腰付け部材の突出する状態と突出しない状態とを用紙P0の種類に応じて切り換えるようにする構成に比べて、紙の種類に応じた切り換え操作が不要でこのための構造を簡素化でき、しかも適切な腰P3を確実に付けることができる。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については対応部分に同じ符号を付して説明を省略する。また、後述する他の実施形態や変形例についても同様とする。
図13は、本発明の第2実施形態の画像形成装置の要部としての第1および第2の排出ローラ16,17の近傍部分の一部断面図であり、用紙P0が下流側搬送路12Cに沿って搬送される状態を示す。図14〜図16はそれぞれ、腰付け部材25の動作を説明するための模式図であり、薄紙がスイッチバックされて搬送される場合を図示し、図14、図15、図16の順に時間の経過に沿って図示している。先ず、図13を参照する。
【0057】
腰付け部材25は、支軸26の中心軸線の周りに上述の所定角度範囲内で回動自在に支持されている。また、腰付け部材25を所定回動範囲の一方の端部(図13に示した状態)に向けて回動させるような付勢力を生じさせる付勢手段としての少なくとも一つの錘44が設けられている。また、腰付け部材25は、上述の付勢手段としての錘44の付勢力に抗して、腰付け部材25を回動させるために、スイッチバックされる用紙P0の端部P2と当接する当接部45を有する。錘44は、保持部材27に設けられている。
【0058】
当接部45は、腰付け部材25における戻し搬送路12Dの搬送方向F2の上流側部分に設けられている。腰付け部材25が起き上がった状態で、当接部45は戻し搬送路12Dの搬送方向F2と垂直に交差する方向に延びている。
錘44の付勢力は、腰付け部材25が用紙P0に接していない状態で、自律的に回動して起き上がった状態になるように設定されている。これとともに、錘44の付勢力は、腰付け部材25が薄紙の用紙P0により当接部45を押されたときに、錘44の付勢力に抗して倒れた状態になることができるように、設定されている。
【0059】
本実施形態では、用紙P0が下流側搬送路12Cを搬送されるときには、腰付け部材25は錘44の付勢力により一方の向きに回動して起き上がった状態とされる。用紙P0が腰付け部材25を乗り越える際に、用紙P0が腰付け部材25を錘44の付勢力と同じ向きの回転方向に押し、腰付け部材25は起き上がった状態に安定して保持される。
図14に示すように、用紙P0がスイッチバックされて戻り搬送路12Dを搬送されるときには、用紙P0は腰付け部材25の当接部45を押す。
【0060】
図15に示すように、用紙P0の端部P2がぶつかることにより、腰付け部材25は、錘44による付勢力に抗して、支軸26を中心に他方の向きに回動して倒れた状態になる。このように、本実施形態では、スイッチバックされる用紙P0の端部P2が、上述の切り換え手段であるといえる。
また、倒れた状態の腰付け部材25は、戻し搬送路12Dを搬送される用紙P0を乗り越えさせることができる程度に、他方の向きに回動されていて、所定角度範囲の他方の端部まで回動していないこともある。この場合、腰付け部材25は、第1の区画部材23の表面からは多少突出した状態にあるが、用紙搬送路12Dの開始端部(終端部14に相当する。)の外に位置しているので、用紙P0に腰P3はつかない。
【0061】
図16に示すように、用紙P0が乗り越えた後は、腰付け部材25は付勢力で自律的に起き上がり状態に戻る。
本実施形態では、スイッチバックされる用紙P0の先端P2により腰付け部材25が倒されるので、簡素な構成で、両面複写時のスイッチバック時に用紙P0に腰P3が付けられることを防止できる。
【0062】
図17は、本発明の第3実施形態の画像形成装置の要部の一部断面図であり、用紙P0が下流側搬送路12Cに沿って搬送される状態を示す。図17に示すように、上述の付勢手段として、錘44に代えて、ばね部材、例えば、ねじりコイルばね46を設けてもよい。ねじりコイルばね46のコイル部分に支軸26を挿通させ、ねじりコイルばね46の一方の端部を第1の区画部材23に係止し、他方の端部を保持部材27に係止している。ねじりコイルばね46の弾性力は、上述の錘44と同様の付勢力を生じさせるようにされている。この場合、ばねの付勢力により、腰付け部材25を起き上がり状態に速やかに戻すことができる。
【0063】
また、上述の第1の実施形態では、ソレノイド30は、腰付け部材25の駆動用と、分岐レバー20の駆動用とに兼用されていたが、これには限定されず、例えば腰付け部材25の駆動用専用に設けてもよい。兼用のソレノイド30を用いる場合には、分岐レバー20の動作が腰付け部材25の動作を規制することがあるが、専用のソレノイド30を用いる場合には、腰付け部材25の最適な動作を容易に実現できる。例えば、表面P4への画像を形成した後の腰付けを中止し、裏面P5への画像を形成した後にのみ腰付けを行うようにすることも可能となる。
【0064】
また、上述の第1の実施形態において、腰付け部材25を駆動するための駆動源として、例えば電動モータ等を利用してもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施形態の画像形成装置の概略構成の模式図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の要部の一部断面図であり、用紙が下流側搬送路に沿って搬送される状態を示す。
【図3】図2に示す画像形成装置の要部の一部断面図であり、用紙が戻し搬送路に沿って搬送される状態を示す。
【図4】図2に示す第2の排出ローラ等を含むユニットの斜視図である。
【図5】図4に示すユニットの要部の斜視図である。
【図6】第1および第2の伝達機構を説明するための模式図であり、図6Aに分岐レバーが第1の位置にある状態を示し、図6Bに分岐レバーが第2の位置にある状態を示している。
【図7】腰付け部材、支軸等の分解斜視図である。
【図8】薄紙が搬送される場合の腰付け部材の動作を説明するための模式図である。
【図9】薄紙が搬送される場合の腰付け部材の動作を説明するための模式図であり、図8に示す状態よりも時間が経過した状態を示す。
【図10】薄紙が搬送される場合の腰付け部材の動作を説明するための模式図であり、図9に示す状態よりも時間が経過した状態を示す。
【図11】標準的な厚さの用紙が搬送される場合の腰付け部材の動作を説明するための模式図であり、図9に示す状態に相当する状態を示している。
【図12】厚紙が搬送される場合の腰付け部材の動作を説明するための模式図であり、図9に示す状態に相当する状態を示している。
【図13】本発明の第2実施形態の画像形成装置の要部の一部断面図であり、用紙が下流側搬送路に沿って搬送される状態を示す。
【図14】薄紙がスイッチバックされる場合の腰付け部材の模式図である。
【図15】薄紙がスイッチバックされる場合の腰付け部材の模式図であり、図14に示す状態よりも時間が経過した状態を示す。
【図16】薄紙がスイッチバックされる場合の腰付け部材の模式図であり、図15に示す状態よりも時間が経過した状態を示す。
【図17】本発明の第3実施形態の画像形成装置の要部の一部断面図であり、用紙が下流側搬送路に沿って搬送される状態を示す。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
6 制御部(両面画像形成機能にかかる構成)
12A,12B,12C,12D,12E 用紙搬送路
13 排出トレイ(機外)
14 終端部(機内)
16 第1の排出ローラ
17 第2の排出ローラ
25 腰付け部材
26 支軸
27 保持部材(突出量が変化し得る構成)
28 圧縮コイルばね(突出量が変化し得る構成)
30 ソレノイド(切り換え手段)
F1 搬送方向
F3 搬送方向と直交し用紙に沿う方向
F4 突出方向
F5 突出方向と反対方向
F6 直交方向
P0 用紙
P2 用紙後端部(切り換え手段、スイッチバックされる用紙の端部)
P3 腰
P4 (用紙の)表面
P5 (用紙の)裏面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙搬送路を搬送される画像が形成された用紙を機外へ排出するための排出ローラと、 排出ローラの手前に設けられ、用紙搬送路内に突出していて、用紙搬送路を搬送される用紙と摺接し、搬送方向と直交する直交方向に起伏する波形状を用紙に付けることにより、排出される用紙に腰を付けるための腰付け部材と、
表面に画像が形成された用紙に対し、上記排出ローラで用紙後端部を機内に残して後端部以外の部分を一旦機外へ排出した後、当該用紙をスイッチバックさせて再び機内へ取り込み、取り込んだ用紙の裏面に画像を形成する両面画像形成機能と、を有する画像形成装置において、
上記腰付け部材は、突出方向に弾力付勢されており、用紙との摺接圧力に応じて突出方向と反対方向に変位して突出量が変化し得る構成を有し、
上記排出ローラにより用紙がスイッチバックされることに連動して、上記腰付け部材を用紙搬送路内に突出しない状態に切り換える切り換え手段が備えられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
上記腰付け部材は、搬送方向と直交し且つ用紙に沿う方向に延びる支軸によって支持されており、
上記腰付け部材は、当該支軸を中心に回動して倒れた状態になることにより用紙搬送路内に突出しない状態に切り換わることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
上記切り換え手段は、支軸を中心に腰付け部材を回動させるソレノイドを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置において、
上記切り換え手段は、スイッチバックされる用紙の端部であり、
腰付け部材は、用紙の端部がぶつかることにより上記支軸を中心に回動して倒れた状態になることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−62855(P2006−62855A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−249527(P2004−249527)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】