説明

画像形成装置

【課題】現像ユニットの着脱時の操作性の向上を図る。
【解決手段】画像形成装置1は、感光体ドラム11を備えたドラムユニット10と、感光体ドラム11に対向配置される現像スリーブ22を備えた現像ユニット20が別体で構成されていて、これらドラムユニット10と現像ユニット20は、画像形成装置本体2に着脱可能とされている。この画像形成装置本体2に、ドラムユニット10を所定の装着位置に案内するガイド溝37と、このガイド溝37と略平行で現像ユニット20を所定の装着位置に案内するガイド面38を形成していて、ドラムユニット10には、ガイド溝37内に入り込んでこのガイド溝37に沿って移動するドラム軸11Aを突設し、現像ユニット20には、ガイド面38に支持され該ガイド面38に沿って移動する現像支持部24を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、或いはこれらの機能を併有した複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置としては、感光体ドラムを備えるドラムユニットと、感光体ドラムの回転軸と平行な回転軸を有する現像スリーブを備える現像ユニットとを連結した状態で、画像形成装置本体内に挿入して装着するものがある。これらドラムユニット及び現像ユニットが連結されたプロセスユニットでは、交換時期の点で、ドラムユニットは感光体ドラムの劣化によって交換時期が決められ、現像ユニットは収容トナーが空になった時点で交換時期が決められるため、両者の交換時期は一致しない。このため、ドラムユニットと現像ユニットとが別構成をなすようにして、これらドラムユニットと現像ユニットをそれぞれ画像形成装置本体に着脱可能に設けた画像形成装置が多数提案されている。
【0003】
このような別構成のドラムユニットと現像ユニットを、それぞれ画像形成装置本体内の定位置まで案内するには、従来では、ドラムユニットと現像ユニットのそれぞれに対して本体フレームにガイド溝を設けると共に、ドラムユニットと現像ユニットのそれぞれに円柱あるいはそれに準じた形状のボスを形成し、このボスを前記ガイド溝に挿入してスライドさせることで、最終的な定位置に位置決めするのが一般的であった(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−95467号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開平8−54786号公報(第3頁、図7)
【特許文献3】特開平6−222629号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ドラムユニットと現像ユニットとを別構成とした画像形成装置においては、ドラムユニットと現像ユニットを画像形成装置本体内に装着する時に、ドラムユニット及び現像ユニットに形成したボス部分を、本体フレームに形成した溝部分に合致させる操作が必要であるため、操作が煩雑である等の課題があった。特に、現像ユニットにおいては、ジャム処理時等にその都度画像形成装置本体から取り外されるため、操作性の向上が要求されていた。
【0006】
本発明は、斯かる課題を解決するため、現像ユニットの着脱時の操作性の向上を図ることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明の画像形成装置は、感光体ドラムを備えたドラムユニットと、ユニット結合時に前記感光体ドラムに対向配置される現像スリーブを備えた現像ユニットを別体で構成し、これらドラムユニットと現像ユニットをそれぞれ画像形成装置本体に着脱可能としたものである。
【0008】
この画像形成装置は、前記画像形成装置本体に、前記ドラムユニットを所定の装着位置に案内するガイド溝と、該ガイド溝と略平行で前記現像ユニットを所定の装着位置に案内するガイド面を形成し、
また、前記ドラムユニットに、前記ガイド溝内に入り込んで該ガイド溝内を移動するガイド突起を突設すると共に、前記現像ユニットに、前記ガイド面に支持され該ガイド面に沿って移動する現像支持部を設けた、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記ガイド面を、前記ガイド溝よりもユニット挿入幅方向の内側に形成した、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、画像形成装置本体に、ドラムユニットを案内するガイド溝と現像ユニットを支持するガイド面を形成し、ドラムユニットに、ガイド溝内に入り込んで移動するガイド突起を突設し、現像ユニットに、ガイド面に支持されて移動する現像支持部を設けたので、現像ユニットを画像形成装置本体内に挿入する際、現像支持部をガイド面に載せてスライドさせるだけで良いので、ジャム処理等のたびに取り外される等、特に操作回数の多い現像ユニットの操作性を向上させることができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、ガイド溝とガイド面のユニット挿入幅を異ならせたので、誤ってドラムユニットのガイド突起をガイド面に載せたり、現像ユニットの現像支持部をガイド溝に入れることはできず、誤挿入を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
[画像形成装置の概略構成]
図1は、本発明の実施の形態の画像形成装置の側面断面図である。
【0013】
同図において、画像形成装置1は、画像形成装置本体2内に、シート状の記録材Pを給紙トレイ3から送り出す給紙部4と、この給紙部4から送り出された記録材Pを用紙搬送路Rに沿って搬送する用紙搬送部5と、この用紙搬送部5によって搬送された記録材Pにトナー像を転写する画像形成部6と、この画像形成部6によってトナー像が転写された記録材Pにトナー像を定着させる定着装置7と、この定着装置7でトナー画像が定着された記録材Pを排紙トレー8上へ排出する排出部9と、を備えて概略構成されている。ここで、記録材Pは、例えば紙、プラスチックフィルム、OHPシート等を適用することができる。
【0014】
なお、画像形成部6は、後述する感光体ドラム11を有するドラムユニット10、現像スリーブ22を有する現像ユニット20、及び感光体ドラム11の表面のトナー像を記録材Pに写し取る転写ローラ19等を備えている。また、ドラムユニット10と現像ユニット20は別体で構成され、それぞれ画像形成装置本体2に着脱可能とされている。
【0015】
画像形成装置本体2は、外装カバー35によって覆われていて(図2参照)、その前部カバー35A(図2参照)を開放することにより、ドラムユニット10と現像ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入したり取り外したりすることができる。
[ドラムユニットの構成]
図1に示すように、ドラムユニット10は、ユニット結合時に現像ユニット20と対向する側の下部に感光体ドラム11を備えている。この感光体ドラム11は、ドラム軸11Aによりドラムユニット10に回転自在に軸支されている。この感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11の表面に残ったトナーを除去するクリーナ12、感光体ドラム11の表面を一様に帯電する帯電器13、残留電荷を除去する除電器(図示せず)等が配置されている。更に、感光体ドラム11には、露光器14からレーザ光が入射可能となっている。なお、ドラムユニット10は、本体フレーム36(図2参照)側に設けられたガイド溝37に沿って画像形成装置本体2内に挿入・装着されるようになっている。
【0016】
すなわち、ドラムユニット10を画像形成装置本体2内に挿入する際は、感光体ドラム11のガイド突起としてのドラム軸11Aを、ユニット挿入幅方向(ドラム軸方向)の両端側の本体フレーム36に形成したガイド溝37に沿って案内支持する。また、ガイド溝37の挿入方向の終端側には、ドラムユニット10の最終的な位置決めポイント(図4参照)が形成されている。なお、ドラムユニット10は、画像形成装置本体2側に設けられた回転駆動伝達歯車(図示せず)に噛合する被回転駆動歯車(図示せず)が、感光体ドラム11のドラム軸11Aに設けられている。
[現像ユニットの構成]
図2は、画像形成装置において、ドラムユニット10を挿入した後に現像ユニット20を挿入する場合の概略斜視図である。
【0017】
現像ユニット20は、感光体ドラム11と対面する側の下部に、画像形成装置本体2への装着時に感光体ドラム11と所定の現像ギャップを隔てて対面する現像スリーブ22が設けられている。この現像スリーブ22は、感光体ドラム11に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う。また、現像ユニット20における、感光体ドラム11と対面する側と反対側位置には、磁性体を含むトナーを収納するトナー収納容器21が設けられている。このトナー収納容器21の下部には、下方に突出する後部壁23が形成されている。
【0018】
現像ユニット20のスリーブ軸方向の両端側には、側方(スリーブ軸方向)に突出する現像支持部24が設けられている。一方、画像形成装置本体2におけるユニット挿入幅方向の両端側の本体フレーム36には、前記ガイド溝37と略平行にガイド面38が形成されている。現像ユニット20は、このガイド面38に現像支持部24が支持された状態で画像形成装置本体2内に挿入される。なお、現像ユニット20は、画像形成装置本体2内に挿入された状態では、後述する押圧手段30によりドラムユニット10側に押圧されている。
[本体フレームの構成]
図2に示したように、前記本体フレーム36には、ガイド溝37とガイド面38が一対づつ形成されている。詳しくは、図3及び図4に示すように、ガイド溝37は、本体フレーム36に溝状に形成したもので、感光体ドラム11のドラム軸11Aは、このガイド溝37で上下を規制されて、所定の装着位置(最終位置)に案内される。
【0019】
また、ガイド面38は、ガイド溝37よりもユニット挿入幅方向の内側の下方に段差状に形成されている。このガイド面38は、現像ユニット20の現像支持部24を支持する構成であり、該ガイド面38の上方は開放されている。これにより、現像ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入するには、現像ユニット20を、現像支持部24をガイド面38に載せた状態でスライドさせ、所定の装着位置に案内すれば良い。
【0020】
そして、上述のように、ガイド面38を、ガイド溝37よりもユニット挿入幅方向の内側に形成したので、ガイド溝37のユニット挿入幅はガイド面38のユニット挿入幅よりも大となっている。従って、ドラムユニット10を画像形成装置本体2内に挿入する際、ガイド面38のユニット挿入幅が小のため、ドラムユニット10のドラム軸11Aを誤ってガイド面38に載せることはできない。また、ガイド溝37のユニット挿入幅が大のため、現像ユニット20の現像支持部24を誤ってガイド溝37に入れることもできない。よって、誤挿入を防止することができる。
[ガイド溝とガイド面の作用]
図5は、ドラムユニット10を画像形成装置本体2内の最終位置まで挿入した状態を示している。すなわち、感光体ドラム11のドラム軸11Aは、ガイド溝37の開口部37Aから挿入され、該ガイド溝37内を移動しながら画像形成装置本体2内の最終位置まで案内される。
【0021】
一方、図6は、現像ユニット20を画像形成装置本体2内の最終位置まで挿入した状態を示し、図7は、現像ユニット20の側面の拡大図を示している。現像支持部24は、現像ユニット20のスリーブ軸方向の両端側に設けられていて、ガイド面38との当接側は円弧状に形成されている。そして、現像ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入するときは、図7の一点鎖線の範囲でガイド面38と接触し、最終的な止め位置では、図7のA点付近での線接触となる。
【0022】
このように、現像ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際、現像支持部24を上からガイド面38に載せ、かつスライドさせるだけで画像形成装置本体2内に挿入でき、所定の最終位置まで案内することができる。しかし、現像ユニット20は、ガイド面38に載せられた状態でスライドするため、画像形成装置本体2内の最終位置に装着された状態では、ドラムユニット10側に押し付ける手段が必要であると共に、上方向へ逃げないようにするために押さえ手段が必要である。
【0023】
そこで、図8乃至図10に示す構成により、現像ユニット20をドラムユニット10側に押し付けると共に、現像ユニット20が上方向に逃げるのを防止している。
【0024】
まず、図8及び図9において、画像形成装置本体2のユニット挿入口側に、押圧部材31とバネ32を有する押圧手段30を設けている。そして、押圧部材31を、画像形成装置本体2に対してユニット挿入方向(前後方向)に摺動自在に設け、この押圧部材31をバネ32の付勢力で前方に付勢するようにしている。また、上述したように、トナー収納容器21の下部から、後部壁23が下方に突出しており、この後部壁23を押圧部材31に当接させている。これにより、現像ユニット20は、後部壁23を介してバネ32の付勢力でドラムユニット10側に押し付けられている。
【0025】
また、図10において、現像ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入したとき、その最終位置に近い本体フレーム36から、ユニット挿入幅方向の内側に向けてボス33を突設している。そして、現像ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入し、その最終位置に装着した状態では、現像支持部24の上端面がボス33に当接するようになっている。これにより、現像ユニット20が画像形成装置本体2に装着された状態で、該現像ユニット20が上方に逃げるのを防止している。
【0026】
以上により、本実施の形態によれば、現像ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際、現像支持部24を上からガイド面38に載せてスライドさせるだけで良いので、ドラムユニット10のように、例えば現像支持部24を溝部分に合致させる等の煩雑な操作が不要となる。
【0027】
このため、ジャム処理等のたびに画像形成装置本体2から取り外される等により、特に操作回数の多い現像ユニット20の操作性を向上させることができる。また、操作説明の際、ガイド溝10はガイド溝37で案内し、現像ユニット20はガイド面38に載せて案内するため、説明が分かり易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、或いはこれらの機能を併有した複合機等の画像形成装置の分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】画像形成装置の断面側面図である。
【図2】同上の前部カバーを開放したときの外観図である。
【図3】ガイド溝とガイド面を形成した本体フレームの外観図である。
【図4】ガイド溝とガイド面を形成した本体フレームの側面図である。
【図5】画像形成装置本体にドラムユニットを装着した状態の外観図である。
【図6】画像形成装置本体に現像ユニットを装着した状態の外観図である。
【図7】現像ユニットの部分側面図である。
【図8】画像形成装置本体にドラムユニット及び現像ユニットを装着した状態の外観図である。
【図9】画像形成装置本体にドラムユニット及び現像ユニットを装着した状態の断面側面図である。
【図10】画像形成装置本体に現像ユニットを装着した状態の外観図である。
【符号の説明】
【0030】
1……画像形成装置、2……画像形成装置本体、10……ドラムユニット、11……感光体ドラム、11A……ドラム軸(ガイド突起)、20……現像ユニット、22……現像スリーブ、24……現像支持部、36……本体フレーム、37……ガイド溝、38……ガイド面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムを備えたドラムユニットと、ユニット結合時に前記感光体ドラムに対向配置される現像スリーブを備えた現像ユニットを別体で構成し、これらドラムユニットと現像ユニットをそれぞれ画像形成装置本体に着脱可能とした画像形成装置において、
前記画像形成装置本体に、前記ドラムユニットを所定の装着位置に案内するガイド溝と、該ガイド溝と略平行で前記現像ユニットを所定の装着位置に案内するガイド面を形成し、
前記ドラムユニットに、前記ガイド溝内に入り込んで該ガイド溝内を移動するガイド突起を突設すると共に、前記現像ユニットに、前記ガイド面に支持され該ガイド面に沿って移動する現像支持部を設けた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド面を、前記ガイド溝よりもユニット挿入幅方向の内側に形成した、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−64820(P2006−64820A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244943(P2004−244943)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】