説明

画像形成装置

【課題】帯電ローラ、現像ロール、1次転写ローラなどといった高電圧被印加部材の近傍に高圧電源回路を配設することによるレイアウト自由度の悪化や装置の大型化を回避しつつ、高圧電源回路に接続された被覆電線79から、これが這い回される金属製の前板金73への電流のリークを抑える。
【解決手段】図示しない高圧電源回路を有する高圧パワーユニットから、帯電ローラ、現像ロール、1次転写ローラ又は2次転写ローラに高電圧を導く被覆電線79を、絶縁性樹脂からなる電線ガイド部材90の溝90aに保持させた状態で、前板金73の表面上に這い回した。そして、被覆電線79と前板金73とを一定の距離だけ確実に離間させるようにした。このような構成により、被覆電線79の内部の導線から、被覆電線79が這い回された前板金73への電流のリークを有効に抑えることができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜像担持体や現像手段などを有する作像手段に高電圧を供給する高圧電源回路と、その高電圧を高圧電源回路から作像手段に導く被覆電線と、被覆電線の一部箇所を保持する金属部材とを備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モータなどの駆動源を駆動するための電源ではなく、現像ローラ等の部材に高い電位を与えたり、帯電ローラ等から放電を生じせしめたりするための高電圧を作像手段に供給するための高圧電源回路を有する画像形成装置が知られている。高圧電源回路からは、数[kV]程度の交流電圧や直流電圧が電線を介して現像ローラや転写バイアスローラなどの高電圧被印加部材に出力される。電線としては、銅などからなる導線の表面に絶縁材料からなる被覆材を被覆した被覆電線が用いられる。ところが、前述のような高電圧では、被覆電線であってもそれを金属側板などといったアース接続された金属部材の表面に這わせると、電流が導線から金属部材にリークしてしまうことがある。高圧電源回路から出力される高電圧が交流成分を含む場合には、導線から被覆材を介して金属部材に電流が流れているというよりも、次のような現象が起こっていると考えられる。即ち、被覆電線の内部の導線と、アース接続されている金属部材とがコンデンサとして機能し、そこに一旦蓄えられた電荷が電圧の極性反転によって反転前とは逆方向に流れる。これにより、金属部材からアースに流れ込む電流が発生して、あたかも導線から金属部材に電流へのリークが起こっているようにみえていると考えられる(以下、このような電流の流れ込みも含めて電流のリークという)。交流成分を含まない直流電圧では、極性反転が起こらないのでこのような現象は起こらない。ところが、原因は定かではないが、直流電圧であっても、被覆電線の導線から金属部材への電流のリークが起こることが確認された。
【0003】
一方、特許文献1には、高圧電源回路を高電圧被印加部材である感光体の近傍に配設し、高圧電源回路の電圧出力端子を感光体の電圧入力端子に圧接せしめた画像形成装置が記載されている。かかる構成では、高圧電源回路と感光体とを被覆電線で接続することなく、高圧電源回路から感光体への高電圧の供給を行うので、被覆電線の銅線から金属部材への電流のリークを回避することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−39682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置では、感光体の他にも、現像ローラ、転写バイアスローラ、帯電ローラなどといった高電圧を印加しなければならない高電圧被印加部材が作像手段内に多数存在する。特許文献1に記載の画像形成装置の構成では、それらについてそれぞれ電流のリークを回避しようとすると、それらの近傍にそれぞれ高圧電源回路を配設しなければならなくなる。このため、レイアウト自由度を悪化させたり、装置を大型化させたりしてしまう。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、高電圧被印加部材の近傍に高圧電源回路を配設することによるレイアウト自由度の悪化や装置の大型化を回避しつつ、高圧電源回路に接続された被覆電線から金属部材への電流のリークを抑えることができる画像形成装置である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を担持する潜像担持体、該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電手段、該潜像担持体に担持された潜像を現像して可視像を得る現像手段、及び、該潜像担持体上の可視像を転写体に転写する転写手段、を有する作像手段と、該潜像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を駆動するための少なくとも1つの駆動源と、該作像手段に供給するための高電圧を発する高圧電源回路と、該高電圧を該高圧電源回路から該作像手段に導く導線、及び該導線に被覆した絶縁材を具備する被覆電線と、該被覆電線の一部箇所を保持する金属部材とを備える画像形成装置において、上記被覆電線の上記一部箇所を保持する絶縁性材料からなる電線保持体を設け、該電線保持体を介して該一部箇所を該金属部材に間接的に保持させたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記電線保持体として、絶縁性樹脂からなるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記電線保持体として、上記被覆電線を保持するための溝を設けたものを用い、該被覆電線を該溝内に保持させたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記電線保持体として、上記溝内からの上記被覆電線の離脱を阻止するための爪を溝延在方向に沿って複数設けたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、上記駆動源を保持する駆動源保持体と、該駆動源の駆動力を上記潜像担持体、帯電手段、現像手段又は転写手段に伝達するための駆動伝達機構を保持する伝達機構保持体とを所定の間隙を介して対向配設した駆動ユニットと、該駆動源に電源を供給する駆動電源回路と、該駆動電源回路から該駆動源に電源を導くための駆動用電線とを設け、上記金属部材としての該伝達機構保持体の表面に上記電線保持体を介して上記被覆電線を間接的に保持させ、且つ、該駆動源保持体の表面に該駆動用電線を保持させたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの画像形成装置であって、上記帯電手段が、帯電部材からの放電によって上記潜像担持体の表面を一様帯電せしめるものであり、且つ、上記高圧電源回路が、上記高電圧として帯電電圧を該帯電部材に供給するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかの画像形成装置であって、上記現像手段が、現像部材の表面に担持した現像剤によって上記潜像を現像するものであり、且つ、上記高圧電源回路が、上記高電圧として現像電圧を該現像部材に供給するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成装置であって、上記転写手段が、該潜像担持体上の可視像を転写部材に向けて移動させて上記転写体に転写するものであり、且つ、上記高圧電源回路が、上記高電圧として転写電圧を該転写部材に供給するものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかの画像形成装置であって、上記転写手段が、上記潜像担持体から中間転写体に転写した上記可視像を転写部材に向けて移動させて上記転写体に転写するものであり、且つ、上記高圧電源回路が、上記高電圧として転写電圧を該転写部材に供給するものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
これらの発明においては、高圧電源回路からの高電圧を被覆電線によって作像手段の高電圧被印加部材に導くことで、高圧電源回路と高電圧被印加部材とを離したレイアウトを採用することが可能である。よって、高電圧被印加部材の近傍に高圧電源回路を配設することによるレイアウト自由度の悪化や装置の大型化を回避することができる。
また、これらの発明においては、被覆電線と、これを間接的に保持する金属部材との間に、被覆電線を保持する絶縁性材料からなる電線保持体を介在させることで、被覆電線を金属部材に接触させながら保持させる場合に比べて、被覆電線内の導線と、金属部材との距離を大きくする。交流成分を含む高電圧を高圧電源回路から出力する場合、電線保持体の介在によって被覆電線と金属部材との距離を離すことで、コンデンサとして機能してしまう被覆電線の導線と金属部材との電気容量を小さくする。これにより、被覆電線の導線から金属部材への電流のリークを抑えることができる。また、交流成分を含まない高電圧を高圧電源回路から出力する場合であっても、被覆電線と金属部材との間に電線保持体を介在させることで、被覆電線の導線から金属部材への電流のリークを抑え得ることを、本発明者らは実験によって確認した。よって、交流電圧、直流電圧の何れの場合であっても、被覆電線と金属部材との間に電線保持体を介在させることで、被覆電線の導線から金属部材への電流のリークを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yを例にすると、これは図2に示すように、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。これら感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すようにプロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱される。但し、プリンタ本体から取り外した状態では、図4に示すように現像手段たる現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
【0010】
先に示した図2において、感光体ユニット2Yは、潜像担持体たるドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。
【0011】
帯電手段たる帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電部材としての帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置5Yを示した。帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシを当接させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザ光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
【0012】
現像手段たる現像ユニット7Yは、第1搬送スクリュウ8Yが配設された第1剤収容部9Yを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ(以下、トナー濃度センサという)10Y、第2搬送スクリュウ11Y、現像ロール12Y、ドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容部14Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部9Y内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部9Yと第2剤収容部14Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部14Y内に進入する。
【0013】
第2剤収容部14Y内の第2搬送スクリュウ11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部14Yの底部に固定されたトナー濃度センサ10Yによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ11Yの図中上方には、現像部材としての現像ロール12Yが第2搬送スクリュウ11Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール12Yは、図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブ15Y内にマグネットローラ16Yを内包している。第2搬送スクリュウ11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Y表面に汲み上げられる。そして、現像スリーブ15Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール12Yの現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ11Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部9Y内に戻る。
【0014】
トナー濃度センサ10YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ10YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はRAMを備えており、この中にトナー濃度センサ10Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニットに搭載されたC,M,K用のトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。Y用の現像ユニット7Yについては、トナー濃度センサ10Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、後述するY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴ってYトナーを消費してYトナー濃度を低下させたY現像剤に対して第1剤収容部9Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部14Y内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用のプロセスユニット(1C,M,K)内における現像剤についても、同様のトナー供給制御が実施される。
【0015】
感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先に示した図1において、他色用のプロセスユニット1C,M,Kにおいても、同様にして感光体3C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト上に中間転写される。
【0016】
プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各プロセスユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
【0017】
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録部材たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
【0018】
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、記録紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
【0019】
各プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。転写手段たる転写ユニット40は、中間転写ベルト41の他、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,C,M,K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。転写部材としての4つの1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0020】
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
【0021】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
【0022】
2次転写ニップの図中上方には、定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、図5に示すように、ハロゲンランプ等の発熱源61aを内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着部材たる定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源63aを内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、温度センサ67等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
【0023】
定着ベルト64のループ外側には、温度センサ67が定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサ67による検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源63aや、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源61aに対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140[°]に維持される。
【0024】
先に示した図1において、2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
【0025】
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
【0026】
転写ユニット40の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、プロセスユニット1Y,C,M,Kの現像ユニット7Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、プロセスユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
【0027】
図6はY用のトナーカートリッジ100Yを示す斜視図である。同図において、トナーカートリッジ100Yは、図示しないYトナーを収容するボトル状のボトル部101Yと、円筒状のホルダー部102Yとを備えている。ホルダー部102Yは、ボトル部101Yの先端に形成された図示しない開口を覆うようにボトル部101Yの先端部に係合しつつ、ボトル部101Yを回転自在に保持している。ボトル部101Yには、外側から内側に向けて突出するスクリュー状の突起が103Yその円周面に沿うようにエンボス加工されている。ボトル部101Yが図示しない駆動系によって回転せしめられると、ボトル部101Y内のYトナーがこのスクリュー状の突起に沿ってボトル底側からボトル先端側に向けて移動する。そして、トナー収容器たるボトル部101Yの先端に設けられた図示しない開口を通って、円筒状のホルダー部102Y内に流入する。
【0028】
ホルダー部102Yのボトル軸線方向における端面には、ノズル受入口109Yが形成されている。このノズル受入口109Yは、プリンタ本体側に固定された後述する吸引ノズルを受け入れるためのものである。ノズル受入口109Yの図中両脇には、それぞれノズル受入口よりも若干小径の位置決めピン受入口110Yがそれぞれ形成されている。これら位置決めピン受入口110Yは、それぞれ、ボトル部101Yの回転軸線からずれた位置に形成されており、その奧には、図示しないピン挿入通路が、ボトル部101Yの回転軸線方向と並行な方向に延在するように形成されている。なお、ボトル部101Yとしては、駆動伝達ギヤによって回転せしめられる際の衝撃では変形しない程度に剛性の高い樹脂材料からなるものを用いている。
【0029】
図7は、後述するトナー補給装置の一部となっているY用のカートリッジ連結部71Yを示す斜視図である。このY用のカートリッジ連結部71Yは、Yトナーを流通させるための流通管72Yの上端に、管部材たる吸引ノズル73Yが水平方向に延在するように固定されている。吸引ノズル73Yの先端部には、Yトナーを受け入れるためのトナー受入口74Yが形成されている。また、吸引ノズル73Yの両脇には、それぞれ、棒状の位置決めピン75Yが、水平方向(ボトル部の回転軸線と並行な方向)に延在するように固定されている。位置決め部材としてのカートリッジ連結部71Yの凸部たる位置決めピン75Yは、先端部が吸引ノズル73Yの先端よりも出っ張るようになっている。
【0030】
Y用のトナーカートリッジ100Yが後述するトナー補給装置のカートリッジ載置台にセットされる際には、まず、プリンタの筺体の側板に設けられた図示しない開閉扉が開かれる。すると、筺体内のトナー補給装置のカートリッジ載置台が露出する。このカートリッジ載置台には、Y,C,M,K用の4つのトナーカートリッジを並行載置するための半筒状の4つの窪みが並行に設けられている。作業者は、トナーカートリッジ100Yを、そのホルダー部102Yを先頭に向ける姿勢で把持する。そして、カートリッジ載置台に設けられた半筒上の4つの窪みのうち、Y用の窪みの端にホルダー部102Yを載せた後、カートリッジ全体を差し込むように、ボトル部回転軸線方向に沿ってスライド移動させる。このスライド移動により、トナーカートリッジ100Yを、所定の位置まで押し込んで、カートリッジ載置台上にセットする。
【0031】
トナー補給装置におけるY用のカートリッジ連結部71Yの2つの位置決めピン73Yは、それぞれ先端部を吸引ノズル73Yの先端よりも出っ張らせるように固定されている。そして、その先端部は、後端側よりも先細になっている。トナーカートリッジがセット時にカートリッジ載置台上に差し込まれる途中で、これら2つの位置決めピン73Yの先細の先端部が、図6に示したトナーカートリッジ100Yの2つの位置決めピン受入口110Y内にそれぞれ進入する。そして、トナーカートリッジ100Yが更に差し込まれると、位置決めピン73Yの先端部よりも太くなっている後端側も、ピン受入口110Y内に進入していく。先端部よりも太くなっている後端側がピン受入口110Y内に進入することで、トナーカートリッジ100Yのカートリッジ載置台上における回転軸線方向と直交する方向の位置決めがなされる。
【0032】
かかる位置決めがなされた後、トナーカートリッジ100Yが更に差し込まれると、カートリッジ連結部109Yにおける吸引ノズル73Yが、ホルダー部102Yのノズル受入口109Y内に進入していく。そして、吸引ノズル73Y内がノズル受入口109Yの内側に延在している挿入通路(115Y)にある程度まで押し込まれた時点で、トナーカートリッジ100Yのセットが完了する。
【0033】
このようにしてセットされたトナーカートリッジ100Yは、ボトル部101Yの先端部に形成されたギヤ部111Yを、トナー補給装置に固定された図示しない駆動伝達ギヤに噛み合わせる。駆動伝達ギヤが回転駆動されると、ボトル部101Yがホルダー部102Yに保持されながら回転する。この回転により、ボトル部101Y内のYトナーが、ボトル後端側から先端側に向けて搬送されて、ホルダー部102内に流入する。
【0034】
吸引ノズル73Yに連結した流通管72Yの図示しない領域には、吸引ポンプが接続されており、これの作動によって流通管72Y内の空気やトナーが吸引される。すると、その吸引力が、流通管72Y内、吸引ノズル73Y内を介して、ホルダー部102Yに伝わる。そして、ホルダー部102内のYトナーが、吸引ノズル73Y内へと吸引され、Y用のプロセスユニット1Yの現像ユニット7Y内に補給される。
【0035】
なお、Yトナーを収容するY用のトナーカートリッジ100Yについて詳しく説明したが、他色用のトナーカートリッジ(100C,M,K)も同様の構成になっている。
【0036】
図8は、Y,C,M,K用の4つの吸引ポンプのうち、Y用の吸引ポンプ78Yを示す斜視図である。この吸引ポンプ78Yは、一軸偏芯スクリューポンプ(通称モーノポンプ)と呼ばれる方式のものである。そのポンプ部80Yは、金属や剛性の高い樹脂などで偏芯2条スクリュー形状に加工されたロータ81Y、ゴム等の材料に2条スクリュー状の空洞が形成されたステータ82Y、これらを内包する樹脂製のホルダ等から構成される。吸引ポンプ78Yは、このポンプ部80Yの他に、吐出部83Y、ロータ81Yを回転させるモータ84Y等も有している。2条スクリュー形状のロータ81Yがステータ82Y内で回転すると、ポンプ部80Yの吸引側(図中右側)に負圧が発生する。この負圧により、Y用のトナーカートリッジ100Y内のYトナーが、流通管72Y等を介して吸引される。そして、吸引ポンプ78Yのポンプ部80Yに至り、ステータ82Y内を通って吐出部83Yから吐出される。他色用の吸引ポンプも同様の構成である。
【0037】
図9は、トナー補給装置とその周囲構成とを示す斜視図である。トナー補給装置70は、カートリッジ載置台77、4つのカートリッジ連結部71Y,C,M,K、4つの吸引ポンプ78Y,C,M,Kなどを有している。カートリッジ載置台77は、4つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kを平行載置するための4つの半円筒状の窪みを有している。カートリッジ載置台77の下方には、図示しない転写ユニットが配設され、その更に下方には、4つの現像ユニットが配設されている。なお、同図においては、便宜上、4つの現像ユニットのうち、K用の現像ユニット7Kだけを示している。
【0038】
図示しないプリンタ筐体の側面には、カートリッジ交換作業用の開閉扉が設けられており、この開閉扉を開くと、筐体内のトナー補給装置70が図中の奥側で露出する。作業者は、開閉扉から、トナーカートリッジ100Y,C,M,Kをボトル長手方向に押し込むようにして、カートリッジ載置台77上をスライド移動させることで、トナー補給装置70にセットする。
【0039】
カートリッジ載置台77の一端部には、4つのカートリッジ連結部71Y,C,M,Kを支持するための連結部支持板79が立設せしめられている。カートリッジ載置台77上に載置されたトナーカートリッジ100Y,C,M,Kの図示しないノズル挿入通路には、カートリッジ連結部71Y,C,M,Kの吸引ノズルがそれぞれ差し込まれている。カートリッジ連結部71Y,C,M,Kの流通管72Y,C,M,Kの端には、吸引ポンプ78Y,C,M,Kが連結されている。各吸引ポンプ78Y,C,M,Kの直下には、各現像ユニットのトナー補給口Eが位置している。吸引ポンプ78Y,C,M,Kの吐出部からそれぞれ吐出されたY,C,M,Kトナーは、それぞれ対応する現像ユニットのトナー補給口を通して、その現像ユニットの内部に補給される。なお、同図においては、K用の現像ユニット5Kだけを示しているが、Y,M,C用の吸引ポンプ78Y,M,Cの直下にも、それぞれY,M,C用の現像ユニットが位置している。
【0040】
以上の基本的な構成を備える本プリンタでは、各プロセスユニット1Y,C,M,Kと、転写ユニット40とにより、記録紙Pに画像を形成する作像手段が構成されている。
【0041】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
先の図1は、本プリンタをその正面側から示すものであり、図紙面に直交する方向の奥側が本プリンタの後側で、手前側が本プリンタの前側である。また、図中左側が本プリンタの左側面側で、図中右側が本プリンタの右側面側である。プリンタの筐体の前部には、図示しない開閉可能な前扉が設けられている。この前扉が開放されることで、筐体内に配設された転写ユニット40の前面や、各プロセスユニット1Y,C,M,Kの前面が外部に露出する。転写ユニット40や各プロセスユニット1Y,C,M,Kについては、前面をこのように露出させた状態で、プリンタの後側から前側にスライド移動させることで、プリンタ本体から引き出すことができる。
【0042】
図10は、本プリンタにおける各プロセスユニット1Y,C,M,Kと、その周囲構成とを上側から示す平面図である。プリンタ本体内にセットされた各プロセスユニット1Y,C,M,Kは、それぞれケーシングの後面を、プリンタ本体の後側板70の前面に突き当てている。プリンタ本体の後側板70の後面には、転写ユニット40や各プロセスユニット1Y,C,M,Kに駆動力を伝達するための駆動ユニット71が固定されている。
【0043】
図11は、この駆動ユニット71を示す斜視図である。同図において、駆動ユニット71は、所定の距離をおいて対向するように複数の棒状のスペーサー72によって連結されている金属製の前板金73及び後板金74を有している。後板金74の後面には、駆動源たる複数の駆動モータ75が固定されており、これらはそれぞれ図示しないモータ軸を後板金74に設けられた図示しない貫通穴に貫通させている。これにより、それぞれの駆動モータ75のモータ軸は、その大部分が前板金73と後板金74との間に位置している。前板金73は、モータ軸に固定された図示しない原動ギヤに噛み合う複数のギヤからなる駆動伝達機構77における各ギヤを回転可能に保持している。この駆動伝達機構77におけるいくつかの回転軸は駆動出力軸となっており、前板金73に設けられた図示しない貫通穴を貫通して前板金73の前側に突出させている。なお、金属製の前板金73や後板金74は、図示しないアース線を介してアース接続されている。
【0044】
先に示した図10において、駆動ユニット71の前板金から突出している図示しない複数の駆動出力軸は、プリンタ本体の後側板70を貫通しており、その先端に固定された駆動出力ギヤを、転写ユニット40やプロセスユニット1Y,C,M,Kに設けられた図示しない駆動受入ギヤに噛み合わせている。これにより、駆動ユニット71に固定された複数の駆動モータ75の回転駆動力が、駆動伝達機構(図11の77)を介して転写ユニット40やプロセスユニット1Y,C,M,Kに伝達される。
【0045】
図11に示したように、駆動ユニット71の後板金74の後面には、複数の駆動用電線76が這い回されており、その一端側が複数の駆動モータ75の何れかに接続されている。なお、他端側は、図示しない駆動電源回路に接続されており、駆動電源回路からの電圧が駆動用電線76を介して駆動モータ75に供給されている。この電圧は、交流100[V]又は交流200[V]といった比較的低い値である。この程度の電圧であれば、被覆電線である駆動用電線76を後板金74の後面に直接這い回しても、駆動用電線76の導線から金属部材たる後板金74に電流をリークさせることはない。
【0046】
先に示した図10において、駆動ユニット71から少し離れた位置には、図示しない高圧電源回路を内蔵する高圧パワーユニット78が配設されている。この高圧パワーユニット78は、先に示した図1における各プロセスユニット1Y,C,M,Kの帯電ローラに印加するための帯電バイアスや、各現像ロールに印加するための現像バイアスを出力する。また、転写ユニット40における各1次転写ローラ45Y,C,M,Kに印加するための1次転写バイアスや、2次転写ローラ50に印加するための2次転写バイアスも出力する。現像バイアスは、700[V]以上という高電圧の交流又は直流バイアスである。また、帯電バイアスは、2[kV]程度の高電圧の交流バイアスである。また、1次転写バイアスや2次転写バイアスは、数[kV]という高電圧の直流又は交流バイアスである。これらのバイアスは、高圧パワーユニット78から、被覆電線79を介して現像ロール、帯電ローラ、1次転写ローラ又は2次転写ローラに印加される。
【0047】
高圧パワーユニットから延びた被覆電線79は、駆動ユニット71の前板金73と後板金74との間を経由した後、各プロセスユニット1Y,C,M,Kや図示しない転写ユニットに接続されている。前板金73と後板金74との間においては、図12に示すように、前板金73に固定された電線保持体たる電線ガイド部材90に保持された状態で、前板金73の後面上に這い回されている。この電線ガイド部材90は、絶縁性樹脂からなり、図13に示すように、前板金73にネジ止め固定されている。そして、前板金73との対向面とは反対側の面に、部材長手方向に延在する溝90aを有しており、その内部に被覆電線79を保持している。これにより、被覆電線79とアース接続された金属製の前板金73の後面との間に、電線ガイド部材90における底面と溝底面との間に相当する距離Xが確保されている。
【0048】
なお、1本の被覆電線79には銅からなる導線が絶縁状態を保つように2線内包されている。図10では、高圧パワーユニット78から延びる2線の被覆電線79を1本(内部に導線が2本)しか示していないが、実際には、13本延びている。各色(Y,C,M,K)の現像バイアス用の4本、各色の帯電バイアス用の4本、各色の1次転写バイアス用の4本、及び、2次転写バイアス用の1本、の合計13本である。これらのうち、現像バイアス用の4本は、高圧パワーユニット78から駆動ユニット71に至るまでの箇所が1本のハーネスとしてまとめられている。そして、駆動ユニット71内で4本が分けられるが、それぞれが前板金73上で個別の電線ガイド部材90によって保持される。また、帯電バイアス用の4本や、1次転写バイアス用の4本も、同様にして、駆動ユニット71内に至るまではそれぞれ1本のハーネスとしてまとめられているが、駆動ユニット71内でそれぞれ4本ずつに分けられて個別の電線ガイド部材90によって保持される。また、2次転写バイアス用の1本は、駆動ユニット71内を経由せずに、プリンタ本体の図示しない右側板上に這い回された後、2次転写ローラ(50)に接続されている。よって、図13では、電線ガイド部材90を1つしか示していないが、実際には、現像バイアス用×4、帯電バイアス用×4、及び1次転写バイアス用×4の合計12個の電線ガイド部材90が前板金73の後面上に固定されている。
【0049】
図14は、Y用のプロセスユニット1Yを後面側から示す斜視図である。Y用の現像ユニット7Y内に配設された図示しない現像ロールは、金属製の軸部材7aYを有しており、これを現像ユニット7Yのケーシングの後面から外部に突出させている。一方、図示しない高圧パワーユニット(図10の78)から延びるY現像バイアス用の図示しない被覆電線の端部は、図示しない金属製の端子に接続されている。この端子が軸部材7aYに摺擦することで、高圧パワーユニットからのY現像バイアスが現像ロールに導かれる。
【0050】
プロセスユニット1Yの感光体ユニット2Yにおけるケーシングの後面には、帯電バイアスコネクタ6aYが設けられている。一方、図示しない高圧パワーユニットから延びるY帯電バイアス用の図示しない被覆電線の端部は、図示しない出力コネクタに接続されている。この出力コネクタが、感光体ユニット2Yの帯電バイアスコネクタ6aYに嵌め込まれることで、高圧パワーユニットからのY帯電バイアスが図示しないY用の帯電ローラに導かれる。他色のプロセスユニット(!C,M,K)においても、同様にして、高圧パワーユニットからの現像バイアスや帯電バイアスが、ユニット内の現像ロールや帯電ローラに導かれる。
【0051】
図15は、転写ユニット40を後面側から示す斜視図である。転写ユニット40の中間転写ベルト41を張架する各種のローラは、ユニット前側板53とユニット後側板51との間に回転可能に掛け回されている。ユニット後側板51の後面には、図示しないY,C,M,K用の1次転写ローラ(図1の45Y,C,M,K)に接続された1次転写バイアスコネクタ52Y,C,M,Kが固定されている。一方、図示しない高圧パワーユニットから延びるY,C,M,K用の図示しない被覆電線の端部は、それぞれ図示しない出力コネクタに接続されている。このY,C,M,K用の出力コネクタは、転写ユニット40のユニット後側板51に固定されたY,C,M,K用の1次転写バイアスコネクタ52Y,C,M,Kに嵌め込まれる。これにより、図示しない高圧パワーユニットからのY,C,M,K用1次転写バイアスが、Y,C,M,K用の1次転写ローラに導かれる。
【0052】
本発明者らは、以上の構成のプリンタに、図16に示す回路構成を設けたプリンタ試験機を用意した。同図において、高圧電源回路を有する高圧パワーユニット78から延びる被覆電線79内の2つの導線のうち、一方の導線79aは、K用の帯電ローラ6Kの一端に接続されている。この帯電ローラ6Kの他端側は、第1アンペアメータ151と、駆動ユニットの前板金73と、被覆電線79のもう一方の導線79bと、第2アンペアメータ152とを介して高圧パワーユニット78に接続されている。高圧パワーユニット78からは、VP−Pが2[kV]で、周波数が1350[Hz]の帯電バイアスが2つの導線79a,bに出力される。この出力によって一方の導線79aに流れた帯電電流は、第1アンペアメータ151と、前板金73と、もう一方の導線79bと第2アンペアメータ152とを介して、高圧パワーユニット78に戻る。このとき、高圧パワーユニット78に戻るリターン電流I2は、第2アンペアメータ152によって検知される。また、帯電ローラ6Kから前板金73に流れる帯電電流I1は、第1アンペアメータ151によって検知される。一方の導線79aから前板金73への電流のリークがない場合には、帯電電流I1とリターン電流I2とがほぼ同等の値になる。リターン電流I2の方が帯電電流I1よりも大きい場合には、その差分だけ一方の導線79aから前板金73に電流がリークしたことになる。この電流が同図に示すリーク電流I3である。
【0053】
このような回路構成を付加したプリンタ試験機において、本発明者らは、K帯電バイアス用の被覆電線79を保持する電線ガイド部材(図13の90)として、様々な高さのものを用意した。そして、これら電線ガイド部材を順次取り替えながら、帯電電流I1とリターン電流I2とリーク電流I3との関係を調べる実験を行った。この結果を次の表1に示す。
【表1】

【0054】
表1において、実験番号1の実験では、電線ガイド部材90を用いずに、K用帯電バイアス用の被覆電線79を前板金73の表面に直接接触させながら這い回している。また、実験番号2の実験では、K帯電バイアス用の被覆電線79を電線ガイド部材90の溝内で保持することで前板金の表面から100[mm]離している。即ち、電線ガイド部材90として、溝底とネジ固定部底面との高さXが100[mm]であるものを用いている。また、実験番号3の実験では、電線ガイド部材90として、溝底とネジ固定部底面との高さXが45[mm]であるものを用いている。また、実験番号4の実験では、電線ガイド部材90として、溝底とネジ固定部底面との高さXが20[mm]であるものを用いている。また、実験番号5の実験では、電線ガイド部材90として、溝底とネジ固定部底面との高さXが15[mm]であるものを用いている。また、実験番号6の実験では、電線ガイド部材90として、溝底とネジ固定部底面との高さXが10[mm]であるものを用いている。また、実験番号7の実験では、電線ガイド部材90として、溝底とネジ固定部底面との高さXが10[mm]であるものを2つ用いている。そして、これら電線ガイド部材90に保持されない箇所を被覆電線79に2箇所設け、これら2箇所をそれぞれ60[mm]の長さで前板金に直接接触させて這い回している。また、実験番号8の実験では、電線ガイド部材90として、溝底とネジ固定部底面との高さXが20[mm]であるものを2つ用いている。そして、これら電線ガイド部材90に保持されない箇所を被覆電線79に2箇所設け、これら2箇所をそれぞれ50[mm]の長さで前板金に直接接触させて這い回している。
【0055】
実験番号1の実験のように、被覆電線79の駆動ユニット内箇所における全領域を前板金73に接触させた場合には、高圧パワーユニット78から出力された全電流の約30[%]を前板金73にリークさせてしまうことがわかる。被覆電線79を前板金73に直接接触させず、絶縁性樹脂からなる電線ガイド部材90を間に介在させた場合には、その介在による離間距離が大きくなるほど、リーク電流I3が減少する。離間距離が15〜45[mm]の範囲では、リーク電流I3の割合を5〜8[%]程度に留めることおができている(実験番号3〜5)。離間距離が10[mm]程度まで小さくなると、リーク電流I3の割合は12[%]程度になり、電流のリークを有効に抑えることが困難になる(実験番号6)。また、たとえ電線ガイド部材90を設けても、被覆電線79の一部を前板金73に接触させると、リーク電流I3が増大してしまう(実験番号7〜8)。
【0056】
これらのことから、電線ガイド部材90によって被覆電線79の全領域を金属部材たる前板金73から離間させ、且つ、その離間距離をある程度大きくすることで(電線ガイド部材の高さをある程度大きくする)、被覆電線79から前板金73への電流のリークを有効に抑え得ることが実証された。なお、現像バイアス、1次転写バイアス、及び2次転写バイアスについても同様の実験を行ったが、ある程度の高さの電線ガイド部材90を用いることで、同様にして電流のリークを抑えることができた。また、直流バイアスについても試してみたが、同様の結果となった。よって、本プリンタでは、電流のリークを抑えて、現像ロール、帯電ローラ、1次転写ローラ及び2次転写ローラに対してそれぞれ、設計上の電圧を確実に印加することができる。
【0057】
なお、電線ガイド部材90を設けるのではなく、被覆電線79として、相当の厚みの絶縁性被覆材で被覆したものを用いても、被覆電線79内の導線と前板金73とを比較的大きな距離で離間させることは可能である。しかしながら、例えば、有効な離間距離を確保するためには、絶縁性被覆材を15[mm]以上の厚みで被覆した被覆電線79を用いる必要があり、このような被覆電線79は市販されていない。よって、被覆電線79として、相当の被覆厚のものをオーダーメイドする必要があり、これによってコストアップを招来してしまう。更には、導線の周囲を15[mm]以上の厚みで被覆した被覆電線79は、その直径が少なくとも30[mm]以上にもなる。このような太い被覆電線79を用いると、装置の小型化が困難になってしまう。電線ガイド部材90によって導線を前板金73から離間させる構成にすることで、このようなコストアップや省スペースの困難化を回避することができる。
【0058】
図17は、電線保持体たる電線ガイド部材90を示す拡大斜視図である。同図において、電線ガイド部材90は、図示しない前板金(図13の73)の表面方向に延在する溝90aを有する本体部90bと、これの底面から突出する複数の脚部90cと、本体部90bの長手方向に所定のピッチで並ぶように設けられた複数の爪90dとを有している。図示しない被覆電線は、本体部90bの溝90a内に保持される。本体部90bに一体形成された複数の脚部90cは、その底部に水平面部を有しており、その水平面部の裏面を図示しない前板金に密着させる。本体部90bと前板金との間に脚部90cが介在することで、本体部90bの溝90a内に保持される被覆電線と、前板金との距離が大きく確保される。複数の爪90dは、溝90aの上端を部分的に覆うように、溝の両側にある2つの壁の一方に片持ち支持されている。この爪90dも本体部90aと一体形成されている。
【0059】
これまで、各色用のプロセスユニットによってカラー画像を形成するプリンタについて説明したが、単色画像だけを形成する画像形成装置を具備する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。
【0060】
以上、実施形態に係るプリンタでは、電線保持体たる電線ガイド部材90として、絶縁性樹脂からなるものを用いている。絶縁性樹脂は複雑な形状の成型が非常に容易な材料であるため、比較的低コストで製造することができる。このため、プリンタ内のレイアウトに合わせて様々な形状の電線ガイド部材90を複数設けたとしても、それによるコストアップを抑えることができる。
【0061】
また、実施形態に係るプリンタでは、電線ガイド部材90として、被覆電線79を保持するための溝90aを設けたものを用い、被覆電線79を溝90a内に這い回している。かかる構成では、被覆電線79を溝90a内に這い回すことで、被覆電線79の板金面方向への動きを規制する。これにより、電線ガイド部材90で保持した被覆電線79を振動や衝撃などによる板金面方向への遊動によって電線ガイド部材90から離脱させることによる被覆電線79と前板金73との接触を回避することができる。
【0062】
また、実施形態に係るプリンタでは、電線ガイド部材90として、溝90a内からの被覆電線79の離脱を阻止するための爪90dを溝延在方向に沿って複数設けたものを用いている。これにより、溝90a内に保持した被覆電線79を振動や衝撃などによる溝高さ方向の遊動によって電線ガイド部材90から離脱させることによる被覆電線79と前板金73との接触を回避することができる。
【0063】
また、実施形態に係るプリンタでは、駆動源たる駆動モータ75を保持する駆動源保持体としての後板金74と、駆動モータ75の駆動力を潜像担持体たる感光体、帯電手段たる帯電装置の帯電ローラ、現像手段たる現像ユニットの現像ロール、及び転写手段たる転写ユニット40の駆動ローラ47に伝達するための駆動伝達機構77を保持する伝達機構保持体たる前板金73とを所定の間隙を介して対向配設した駆動ユニット71を設けている。また、駆動モータ75に電源を供給する駆動電源回路や、駆動電源回路から駆動モータ75に電源を導くための駆動用電線76も設けている。そして、金属部材であり且つ伝達機構保持体である前板金73の表面に電線ガイド部材90を介して被覆電線79を這い回し、且つ、駆動源保持体である後板金74の表面に駆動用電線76を這い回している。かかる構成では、被覆電線79と駆動用電線76とを、互いに所定の間隙を介して対向配設された別々の板金の上に這い回すことで、両電線の間に一定の距離を確保する。これにより、高電圧がかかる被覆電線79から、比較的低い電圧がかかる駆動用電線76へのノイズの混入を抑えて、ノイズによる駆動モータ75の回転速度の不安定化を抑えることができる。
【0064】
また、実施形態に係るプリンタでは、帯電手段たる帯電装置(例えば5Y)が、帯電部材たる帯電ローラ(例えば、6Y)からの放電によって感光体(例えば3Y)の表面を一様帯電せしめるものであり、且つ、高圧電源回路を有する高圧パワーユニット78が、高電圧として帯電電圧としての帯電バイアスを帯電ローラに供給するものである。かかる構成では、被覆電線79から前板金73への電流のリークによる帯電電流I1の降下を抑えて、感光体を所望の電圧に確実に一様帯電せしめることができる。
【0065】
また、実施形態に係るプリンタでは、現像手段たる現像ユニット(例えば7Y)が、現像部材たる現像ロール(例えば12Y)の表面に担持した現像剤によって潜像を現像するものであり、且つ、高圧電源回路を有する高圧パワーユニット78が、高電圧として現像電圧たる現像バイアスを現像ロールに供給するものである。かかる構成では、被覆電線79から前板金73への電流のリークによる現像電流の降下を抑えて、現像ロールと感光体との間に所望の現像ポテンシャルを確実に生じせしめることができる。そして、これにより、現像品質の安定化を図ることができる。
【0066】
また、実施形態に係るプリンタでは、転写手段たる転写ユニット40が、感光体(例えば3Y)の可視像をたるトナー像を転写部材たる1次転写ローラ(例えば45Y)に向けて移動させて転写体たる中間転写ベルト41に転写するものであり、且つ、高圧電源回路を有する高圧パワーユニット78が、高電圧として転写電圧たる1次転写バイアスを1次転写ローラに供給するものである。かかる構成では、被覆電線79から前板金73への電流のリークによる1次転写電流の降下を抑えて、感光体と1次転写ローラとの間に所望の強度の1次転写電界を確実に形成することができる。そして、これにより、中間転写ベルト41上の1次転写トナー像の品質を安定化させることができる。
【0067】
また、実施形態に係るプリンタでは、転写ユニット40が、感光体から中間転写ベルト41に転写した1次転写トナー像を転写部材たる2次転写ローラ50に向けて移動させて転写体たる記録紙Pに転写するものであり、且つ、高圧パワーユニット78が、高電圧として転写電圧たる2次転写バイアスを2次転写ローラ50に供給するものである。かかる構成では、被覆電線79からこれを這い回した金属部材への電流のリークによる2次転写電流の降下を抑えて、2次転写バックアップローラ46と2次転写ローラ50との間に所望の強度の2次転写電界を確実に形成することができる。そして、これにより、記録紙P上の2次転写トナー像の品質を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】同プロセスユニットを示す斜視図。
【図4】同プロセスユニットの現像ユニットを示す斜視図。
【図5】同プリンタの定着装置を示す拡大構成図。
【図6】同プリンタのY用のトナーカートリッジを示す斜視図。
【図7】同プリンタのトナー補給装置の一部となっているカートリッジ連結部を示す斜視図。
【図8】同トナー補給装置における4つの吸引ポンプのうち、Y用の吸引ポンプを示す斜視図。
【図9】同トナー補給装置とその周囲構成とを示す斜視図。
【図10】本プリンタにおける各プロセスユニットと、その周囲構成とを上側から示す平面図。
【図11】同プリンタの駆動ユニットを示す斜視図。
【図12】同駆動ユニットを上方から示す拡大平面図。
【図13】同駆動ユニットの前板金を部分的に示す拡大斜視図。
【図14】Y用のプロセスユニットを後面側から示す斜視図。
【図15】同プリンタの転写ユニットを後面側から示す斜視図。
【図16】プリンタ試験機に搭載された回路構成を示す模式図。
【図17】同前板金に固定される電線ガイド部材を示す拡大斜視図。
【符号の説明】
【0069】
1Y,C,M,K:プロセスユニット(作像手段の一部)
2Y,C,M,K:感光体ユニット(作像手段の一部)
3Y,C,M,K:感光体(潜像担持体)
5Y:帯電装置(帯電手段)
6Y:帯電ローラ(帯電部材)
7Y,C,M,K:現像ユニット(作像手段の一部、現像手段)
12Y:現像ロール(現像部材)
40:転写ユニット(作像手段の一部、転写手段)
41:中間転写ベルト(中間転写体)
45Y,C,M,K:1次転写ローラ(転写部材)
50:2次転写ローラ(転写部材)
71:駆動ユニット
73:前板金(金属部材、伝達機構保持体)
74:後板金(駆動源保持体)
77:駆動伝達機構
75:駆動モータ(駆動源)
76:駆動用電線
78:高圧パワーユニット(高圧電源回路)
79:被覆電線
90:電線ガイド部材(電線保持体)
90a:溝
90d:爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持する潜像担持体、該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電手段、該潜像担持体に担持された潜像を現像して可視像を得る現像手段、及び、該潜像担持体上の可視像を転写体に転写する転写手段、を有する作像手段と、
該潜像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を駆動するための少なくとも1つの駆動源と、
該作像手段に供給するための高電圧を発する高圧電源回路と、
該高電圧を該高圧電源回路から該作像手段に導く導線、及び該導線に被覆した絶縁材を具備する被覆電線と、
該被覆電線の一部箇所を保持する金属部材と
を備える画像形成装置において、
上記被覆電線の上記一部箇所を保持する絶縁性材料からなる電線保持体を設け、該電線保持体を介して該一部箇所を該金属部材に間接的に保持させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記電線保持体として、絶縁性樹脂からなるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2の画像形成装置において、
上記電線保持体として、上記被覆電線を保持するための溝を設けたものを用い、該被覆電線を該溝内に保持させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
上記電線保持体として、上記溝内からの上記被覆電線の離脱を阻止するための爪を溝延在方向に沿って複数設けたものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、
上記駆動源を保持する駆動源保持体と、該駆動源の駆動力を上記潜像担持体、帯電手段、現像手段又は転写手段に伝達するための駆動伝達機構を保持する伝達機構保持体とを所定の間隙を介して対向配設した駆動ユニットと、該駆動源に電源を供給する駆動電源回路と、該駆動電源回路から該駆動源に電源を導くための駆動用電線とを設け、上記金属部材としての該伝達機構保持体の表面に上記電線保持体を介して上記被覆電線を間接的に保持させ、且つ、該駆動源保持体の表面に該駆動用電線を保持させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかの画像形成装置であって、
上記帯電手段が、帯電部材からの放電によって上記潜像担持体の表面を一様帯電せしめるものであり、且つ、上記高圧電源回路が、上記高電圧として帯電電圧を該帯電部材に供給するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかの画像形成装置であって、
上記現像手段が、現像部材の表面に担持した現像剤によって上記潜像を現像するものであり、且つ、上記高圧電源回路が、上記高電圧として現像電圧を該現像部材に供給するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかの画像形成装置であって、
上記転写手段が、該潜像担持体上の可視像を転写部材に向けて移動させて上記転写体に転写するものであり、且つ、上記高圧電源回路が、上記高電圧として転写電圧を該転写部材に供給するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかの画像形成装置であって、
上記転写手段が、上記潜像担持体から中間転写体に転写した上記可視像を転写部材に向けて移動させて上記転写体に転写するものであり、且つ、上記高圧電源回路が、上記高電圧として転写電圧を該転写部材に供給するものであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−155822(P2007−155822A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346846(P2005−346846)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】